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>>1「だからどうして(ry」
関連
御坂「これって……デートよね……」
御坂「じゅーでんー」
御坂「ぴぃ!?」
>>1「どうしてこうなった」
>>1「どうしてこうなった」2
御坂「これって……デートよね……」
御坂「じゅーでんー」
御坂「ぴぃ!?」
>>1「どうしてこうなった」
>>1「どうしてこうなった」2
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 03:24:50.84 ID:CuokvBYo [9/28]
「わたくし、たまに思ってしまうんですの」
「んー?」
「もし、あの日たまたま通りかかったのがお姉さまでなくわたくしだったなら」
「……」
「どうだったんでしょうね。今となっては詮無い事なのですけれど」
「……さあねえ。もしかしたらの話なんて、そのときになってみないと分かんないと思うけどな」
「『わたくし』にとってはこれが最善の未来だった。そこはご理解くださいませ?」
「別に念を押さなくても分かってるよ」
「けれど……もしも、と、つい思ってしまうんですの」
「……ま、そのうちそんな話も出てくるだろうさ」
「あら、書いてくれるのではないんですの?」
「気が向いたらな」
「まあ、つれないですわね」
「すまんね」
「……ま、慣れっこですわよ」
「……」
「でも、袖にされるのも心外ですの。慰謝料を請求してもよろしい?」
「高くつきそうだな」
「価値観というものは、人それぞれでございましょ? それがどう見えるか、というのも」
「」
36 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 03:33:12.02 ID:CuokvBYo [11/28]
「なんだかんだ言って書きたいんですのね」
「そりゃ、まーな」
「どうしたんですの。忙しいのでしょう?」
「正直お前がここまで可愛くなるとは思わなくてなー」
「あら、お上手」
「何点?」
「その返しで差し引きゼロですわ。お生憎さま」
「分かってて言ったんだよ……点数上げすぎると困るだろ、お互いに」
「それもそうですわねえ」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 20:43:15.56 ID:CuokvBYo [15/28]
当麻「おー、さすがにあっついなー」
美琴「赤道近いしね。正真正銘南の国ってやつよ」
黒子「お姉さま。わたくしたち観光に来たのではありませんのよ」
美琴「はいはい。でも遊ぶ時間くらいあるでしょ?」
当麻「ないと困るな」
黒子「ほら、迎えの人が来てますわよ。待たせるのも悪いですわ」
美琴「そうね。早く行きましょ!」
112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 21:01:05.88 ID:CuokvBYo [16/28]
「はい、皆さんこんばんわ。ぴぃスレのアイドルミサカ18413号です、と、ミサカはVサインをカメラに向けます」
「この度また考えもなしにバカが妙な事を始めやがったのですが、今回ミサカは出て来れないと思うのでおうちでお留守番です、と、ミサカはうなだれます」
「ですが解説役ということでむりやり登場します。しますったらします」
「今までのスレのその後、という前提で話は進んでいきますのでご了承ください」
「ではまず状況説明から参ります、と、ミサカは見えないパネルを出します」
「新学期に入る際に学園都市と友好関係にある南国のとある島国に皆様が交換留学生という形で訪問する事になりました」
「半ば>>1の脳内設定とクロスオーバーする形で進みますので、ご不明な点があれば遠慮なくお申し付けください」
「まずは舞台設定から。インドネシア近くに浮かぶ小国にこの度お邪魔しています」
「人口は20万弱、沖縄本島程度の小さな国です。立憲君主制で、この辺りはおなじみ日本国や英国と同じですね」
「元々英国の植民地だったのですが、世界大戦時に日本が占領。その後終戦と共に独立し、今に到ります」
「旧日本軍の統治下において現地の方々とよい関係にあったので、日本とはその後も友好関係が続いています」
「お陰で国語は英語ですが、日本語も第二国語として教育カリキュラムに組み込まれています」
「要するに日本語でおk、と、ミサカはぶっちゃけます」
「とまあこれくらいしか>>1が考えていないので、ちゃっちゃと本編の続きと参りましょう、と、ミサカは袖へ下がります」
117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 21:29:48.66 ID:CuokvBYo [17/28]
美琴「風が気持ちいいー! さすがリゾート産業で生計を立ててるだけあって綺麗な国ねー」
黒子「来る前に少々調べたのですけれど、まさに南の島という感じですわね」
黒子「澄み渡る空と白い砂浜、コバルトブルーの海。まるで理想をそのまま具現化したような国です事」
当麻「勉強熱心ですねえ。上条さんなんでここにいるのか自分でもいまいち分かってないんですけど」
美琴「そういえばそうよね。なんでアンタいるの?」
当麻「彼氏にその仕打ちはあんまりです……」
美琴「いいじゃない。あたしにとって大事なのは当麻がいるかいないか。それだけよ」
黒子「暑いですわねー。ついさっきまで春の日本にいたので真夏の暑さに茹だってしまいそうですわー」
美琴「もちろん黒子もね」
黒子「忘れられていなくてよかったですわ」
黒子「ちなみに当麻さんがいらっしゃるのはレベル0代表ということで。留学生団も50人近くいまして、年や学校、レベルもまちまちですの」
美琴「で、あたしたちは常盤台代表ってことね」
黒子「さすがに面子もあるのでしょう。ここぞとばかりにお姉さまを出してきましたわね」
美琴「心理掌握は嫌がるだろうし、それであたしってわけね」
当麻「ま、そんなめんどくさい事はいいだろ。俺はいつもとあんまり変わらないし、一緒にリゾート気分を満喫できればいいさ」
美琴「だから観光で来てるんじゃないんだってば……」
119 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 21:55:14.09 ID:CuokvBYo [19/28]
運転手「くすくす……皆さん仲がよろしいんですね」
美琴「あ、えと、ごめんなさい騒がしくて」
運転手「いえいえ。日本とは気候が違うでしょう?」
運転手「体調でも崩されたら大変と心配していたのですけれど、皆さんお元気そうで安心しています」
黒子「ほら、当麻さんのせいですわよ。あなたも学園都市の代表なのですから、もう少ししっかりしていただかないと」
当麻「なんか俺にはお袋が三人いる気がする……」
運転手「ああ、申し送れましたが……私、ユーリ・ハラサワといいます」
美琴「日系の方なんですか?」
優理「漢字ではこう、やさしさのことわり、と。両親とも日系でして」
黒子「どおりで流暢な日本語だと思いましたわ」
当麻「よかったー。現地にいきなり放り込まれて困るのは勘弁だ」
優莉「お世話係も任されておりますので、どうか宜しくお願いしますね」
130 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 22:51:46.54 ID:CpVvkDAo
さっそく水着回
133 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 22:58:26.42 ID:QwQl8C6o [10/11]
普通に海で遊びます
着いたばっかりだから…という事で
146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 00:12:27.24 ID:xRYlUaEo [1/18]
当麻「……一つ聞いていいですか」
美琴「なーにー?」
当麻「さっき人に散々言っといてなんで早速水着ですか!?」
黒子「いいではありませんのー。せっかく海の傍ですのよ? 泳がなくては逆に失礼ですわ」
美琴「わざわざ国賓用のペンションまで貸してくれちゃって、夕食はホテルで会食っていうんだから至れり尽くせりよねー」
当麻「だからってだらけすぎじゃありませんかねぇ!?」
美琴「アンタだってしっかり水着に着替えてるじゃない」
当麻「う……」
美琴「なんだかんだ言って当麻だって遊びたいんでしょ?」
当麻「……ナンパされたら困るだろ。ついていってやるよ」
美琴「はいはい、そういう事にしといてあげるわ」
当麻「なんか尻に敷かれてる気がする……」
黒子「いいではありませんの、それも男の甲斐性という奴ですわ。早く行きませんと日が暮れますわよー」
150 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 00:24:17.52 ID:wYFzmQco
水中から忍び寄る黒子に足を取られて、美琴にダイブする上条さん。
152 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 00:36:47.70 ID:xRYlUaEo [4/18]
当麻「……疲れた」
美琴「なによー、だらしないわね」
当麻「お前は元気だなぁ……」
美琴「伊達にエースやってないわよ。才色兼備、これ乙女の基本装備」
当麻「上条さん落ちこぼれですからー、そもそも水泳とか水着鑑賞タイムですしー」
美琴「……へぇ?」
当麻「ナンデモナイデスヨ」
美琴「まったく……ほら、少しくらい付き合いなさいよ」
当麻「へいへい――あれ、黒子は?」
――ッ
黒子「背中がお留守ですのよ?」
どん
当麻「能力の無駄使い!?」
美琴「え、ちょっ――」
ざっぱーん
153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 00:47:59.05 ID:xRYlUaEo [5/18]
美琴「それくらいでいいわよー」
黒子「まったく……お姉さまも人使いが荒いんですの」
美琴「うん、やっぱり海といえばこれよねー」
当麻「つかぬ事をお聞きしますが……なんで上条さん砂浜に埋められてますか!?」
美琴「様式美?」
当麻「突き落としたのは黒子じゃねえか! 俺被害者ですよ!」
美琴「避けないアンタが悪い」
当麻「んな無茶な!?」
黒子「ということですの。観念なさいませ」
当麻「こいつも埋めろよ!?」
美琴「女の子を埋めろとかアンタ鬼?」
当麻「男女差別だ……」
158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 01:35:54.45 ID:F0hFWw2o [1/6]
ビーチバレーで上条さん集中攻撃される
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 02:54:41.53 ID:xRYlUaEo [8/18]
当麻「……2対1は卑怯じゃないでしょうか」
美琴「こっちはか弱い女の子二人じゃない」
黒子「ハンデですわ」
当麻「絶対お前ら俺より強いじゃねえか!」
黒子「当麻さんならわたくしたち二人の相手などお手の物でしょう?」
美琴「サーブで落としたら承知しないわよ――そーれっ!」
当麻「うおー!? なんとか……!」
美琴「よく返したわね――はい黒子」
黒子「行きますわよ……お姉さま!」
――ッ
当麻「え、能力使うのは卑怯じゃないですか……?」
美琴「イ・ナ・ズ・マ・スパイクー!!」
当麻「ぎゃあああ!?」
168 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 04:27:24.90 ID:xRYlUaEo [10/18]
美琴「あー遊んだ遊んだ」
当麻「ご満足いただけたようで何よりです……」
黒子「あら、当麻さんは不服ですの?」
当麻「滅相もないです……」
美琴「よしよし。それじゃそろそろ着替えましょ。おなか空いちゃったわ」
黒子「せっかくの歓迎パーティですのよ。しっかりおめかししませんと」
当麻「え、まじで」
美琴「……アンタちゃんとスケジュールに目通した?」
当麻「ははは、上条さんがそんな事するわけないじゃないですか」
黒子「どうせそんな事だろうと思って当麻さんの分も準備してますのよ。まったくこれだから……」
当麻「すまん……」
美琴「ほらほら、早くしないと遅刻するわよ!」
169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 04:31:51.56 ID:xRYlUaEo [11/18]
当麻「……ごーじゃすすぎる」
当麻「俺どう考えても場違いだな、これは……」
当麻「黒子も高そうなスーツ用意しやがって……制服でいいだろ、学生なんだから」
当麻「知り合いも見たところいないようだし……あいつら何やってんだ」
当麻「一人でこんなとこにいたら滅入っちまいそうだ……はぁ」
171 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 04:49:00.12 ID:xRYlUaEo [12/18]
打止「そんなとこで何やってんの当麻、ってミサカはミサカはお姉さまの真似をしてみる」
当麻「……」
打止「あれ? もしかして期待させちゃったかな、ってミサカはミサカはちょっと意地悪な顔をする」
当麻「……らーすーとーおーおーだーあー」
打止「わあっ、泣くほど嬉しかったの?ってミサかはミサカはちょっと恥ずかしがってみたり」
当麻「お前も来てたんだな……上条さん知り合いがいなくて心細くて……」
打止「奇遇だね。ミサカも一人で寂しかったの」
当麻「あれ、一方通行は一緒じゃないのか……って、お前なんでいるんだ?」
打止「なんか分からないけど連れて来られちゃった」
打止「一方通行はおうちで『俺がンなクソめンどい事やっかよだりィ』ってさ、ってミサかはミサカは物まねに挑戦してみる」
当麻「珍しいな、あいつが一緒じゃないなんて……槍でも降るんじゃねえのか?」
173 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 05:01:33.48 ID:xRYlUaEo [13/18]
打止「ってわけで、とうまが代わりをしてね、ってミサカはミサカはおねだりしてみる」
当麻「え」
打止「れでぃーをエスコートするんだよ? それともミサカじゃ不満?ってミサカはミサカは上目遣いで尋ねてみる」
当麻「……まあ放っとくわけにもいかないしな」
打止「素直に喜んでいいんだよ、ってミサかはミサカはちょっぴり嬉しそうに言ってみる」
打止「ところでもっと他に言うべき事あるんじゃないかな、ってミサかはミサカは不満げに顔を覗き込んでみる」
当麻「……ドレス似合ってるよ」
打止「えへへ、可愛いでしょ、ってミサかはミサカははにかんでみる」
当麻「それどうしたんだ?」
打止「なんか係だって人が用意してくれたの」
当麻「へぇ。うん、よく似合ってる」
打止「ところでお姉さまは一緒じゃないの?ってミサカはミサカは首を傾げる」
当麻「そろそろ来るとは思うんだけど……」
175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 05:21:40.44 ID:xRYlUaEo [14/18]
美琴「おまたせ。ごめんね、ちょっと手間取っちゃった」
黒子「あらお姉さま。殿方を待たせるのもまた淑女の務めですのよ」
当麻「――」
美琴「……あれ? どうしたの当麻」
当麻「いや、その……見蕩れてた。うん、二人とも凄く綺麗だ」
美琴「ありがと――あたしの勝ちね」
当麻「え?」
黒子「残念ですわ当麻さん。こんなときばかり気の利いたセリフを吐くなんて」
美琴「賭けてたのよ。アンタが最初になんて言うかって」
当麻「俺が一人寂しく待ってる間にお前らは……」
打止「ミサカが一緒だったから寂しくなかったでしょ、ってミサカはミサカはちょっと不満げに慰めてみる」
美琴「アンタも来てたの? ――ってことは一方通行もいるのか」
打止「おんなじ事言うんだねえ、ってミサカはミサカは呆れたり」
黒子「あら、一緒じゃないんですの?」
打止「来てないよ? 遠く海の向こうに離ればなれ、ってミサカはミサカは早くもホームシックに陥ってたり」
美琴「珍しい……槍でも降るんじゃないの」
178 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 05:42:38.58 ID:xRYlUaEo [15/18]
ふっ――
「お、暗くなったな。ちょうどかな?」
「しっ、始まるわよ……」
『大変お待たせいたしました ただいまより 交換留学生歓迎式典を開式します』
『皆様 遠い異国の地へ ようこそお出で下さいました』
『堅苦しい挨拶も煩わしいかと思いますので 皆様にご満足していただけようう』
『心からのおもてなしを 代わりとさせていただきます』
『それでは皆様 どうかお手元のグラスをお持ちください』
『両国と 学園都市の 友好と発展を 祈念いたしまして』
『――おやすみなさいませ』
179 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 05:56:13.83 ID:xRYlUaEo [16/18]
美琴「――え」
バシュッ
当麻「なっ……スプリンクラーから霧……!? なんだこの匂いは……!?」
黒子「一体どうなってるんですの――ぁ」
どさっ
当麻「お、おい黒子!?」
美琴「当麻、口塞いで! なんか分かんないけどこれ絶対ヤバイ……!」
打止「ううう、分解が追いつかないー、ってミサカはミサカは焦ってみる!」
当麻「黒子! しっかりしろ!」
黒子「ぅ……あら……当麻さん? わたくし、いったい……、っ!」
美琴「……これって、もしかして」
当麻「打ち消したのか……? ってことはまさか……!」
180 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 06:03:24.28 ID:xRYlUaEo [17/18]
「さすがに何人かは動けるか。能力者とは面倒なものだな」
「しかしそれも想定の範囲内だ。君たちの能力も含めてな」
「さあ、あまり大人を困らせないで貰おうか学生諸君」
「おいたがすぎると、こちらもお仕置きをせざるをえないんでね」
「まあ端的にいうと――君らは、人質だ」
四月七日 十九時一分
国営ホテルをテロリストが制圧
人質の中には学園都市からの交換留学生も含まれている模様
214 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 15:32:25.97 ID:bSU3C9go [1/27]
「自己紹介しておこう。ベイ・オクスフォードだ」
特殊スーツに身を包み銃を構えた軍団の中、ホールの最前、壇上に立ったスーツの男はそう名乗った。
「学園都市の生徒諸君、まことに申し訳ないのだが、このホテルは我々が制圧させてもらった」
「真に遺憾ながら……簡単に言えば我々はテロリストという事になるだろうね」
「一体何の真似だよコレは!」
誰かが発した声に、オクスフォードと名乗った男は不機嫌さを隠そうともせず、すい、と手を挙げた。
パッ、と爆ぜるような音と共に血花が咲いた。
「大人を困らせるなと言っただろうクソガキ。日本語で通じないのかね」
「――ッガァアア!?」
大学生くらいだろうか、青年が肩を抑えてのたうつ。
「煩いな……ティー、静かにさせろ」
「はい」
呼ばれ、学生たちに混じって立っていた金髪の女が手にした小瓶をシャカシャカと振りながら青年に近付く。
「すみませんね――おやすみなさい」
プシ、と乾いた音と共に霧が顔面に吹き付けられ――倒れた。
「安心したまえ、毒ではない。ただ安らかに眠るだけだ」
男は馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
「まさかこいつら……」
「能力者――!?」
215 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 15:43:30.93 ID:bSU3C9go [2/27]
ベイ「動かないで貰おう、ミス・レールガン」
美琴「はっ……あたしにそんな鉛玉が効くと思ってるの?」
ベイ「対軍クラスの相手になんの対策もしてないはずがないだろう。考えずともそれくらいは分かるだろう」
ベイ「学園都市の科学技術を流用させてもらった。特殊樹脂でできた弾丸だ。磁場の影響は受けないし――」
パッ
美琴「――」
ベイ「融点は二千度を超える。周りに被害が出るからやめたほうがいい」
218 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 15:56:40.76 ID:bSU3C9go [3/27]
黒子「――当麻さん、そのままで」
当麻「……」
黒子「相手の能力が把握し切れていません。あの女と、おそらくオクスフォードとやらも能力者でしょう」
黒子「このままむざむざと拘束されるわけにも参りませんし……一度引きましょう」
当麻「……」
黒子「わたくしは打ち止めちゃんを連れて能力で外に」
黒子「残念ながら当麻さんは能力が効きませんし、お姉さまは自力でなんとかしていただきましょう」
当麻「……」
黒子「お願い、しますね」
当麻「……」
ぐっ――
黒子「名残惜しいですけどその手を離していただきませんと……いつまでも抱きついていてはお姉さまに怒られますわ」
黒子「……、どうかご無事で。打ち止めちゃん!」
ベイ「っ! 白井黒子か!」
――ッ
219 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 16:05:46.26 ID:bSU3C9go [4/27]
美琴「当麻! 『左手』!」
テーブルの上からフォークを掴み、電磁加速を以って壁へと撃ち放つ。
爆音と共に壁に大穴が空き、夜風に波立つ海が見えた。
ベイ「――逃がすな!」
美琴「遅い!」
美琴は当麻の手を掴み、ドレスをたなびかせながら夜空へと飛び出した。
220 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 16:11:16.42 ID:bSU3C9go [5/27]
美琴「アンタ少しはダイエットしなさいよ!」
当麻「別に俺太ってませんけど!?」
美琴「乙女の細腕にはちょっと重すぎよ! 壁に立つなんて重力に逆らってるんだから――」
当麻「美琴、上!」
美琴「――っ! 鉄筋、剥がれろぉおお!」
ガガガガ!
当麻「ホテルの外観がやばいことになってんですけど!」
美琴「蜂の巣になるのとどっちがいいのよバカ! 磁場の調整難しいんだから静かにしなさい!」
221 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 16:19:13.80 ID:bSU3C9go [6/27]
美琴「黒子! 大丈夫!?」
黒子「かすり傷一つ。お二人もご無事のようで何よりですわ」
打止「なんでこんな映画みたいな事に、ってミサカはミサカは怖いけどちょっぴり楽しさを感じてたり」
当麻「とりあえず話は後だ。一度離れよう」
美琴「にしてもこの格好じゃ目立つし走りにくいわよ――」
キィッ
優理「早く! 乗ってください!」
当麻「――確かに、映画みたいな展開だなこれは」
美琴「アンタも早くしなさい! 置いてくわよ!」
当麻「乗るの早ぇよ!」
222 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 16:27:49.73 ID:bSU3C9go [7/27]
ベイ「……チッ、逃がしてしまったか」
ティー「申し訳ありません」
ベイ「お前のせいじゃない。計画したのは俺だ。それよりも……」
ティー「……」
ベイ「もう引き下がれそうもないな」
ティー「そうですね。ここまでやっておいてごめんなさいじゃ済まないでしょう」
ベイ「謝って済むならそうしたいところだ」
ティー「そんな事をしたら今日から私はあなたをこのチキン野郎と呼ぶ事にします」
ベイ「それは勘弁してもらいたいな……さて、それでは諸君、ここからが本番だ」
「交渉に移るとしよう」
230 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 17:07:11.68 ID:bSU3C9go [11/27]
オリキャラの現プロフィール紹介
『優理・ハラサワ』
現地の日系人。19歳くらいの黒髪セミロングの柔和なお姉さん
政府関係者で上条ファミリーのお世話係を任される。色々有能な人
今回科学サイドでも魔術サイドでもないのでこの人が解説要員です
『ベイ・オクスフォード』
テロリストのリーダー。40くらいのお堅そうな男性
なぜか聖人指定された人。音がどんな形で現れるかは秘密、てか決めてない
『トリスティア・ウィンスレット』
テログループの一員。緩くカーブした金髪ロングの少女
会場アナウンスと斥候も含めてドレスで参戦。花要員
ちなみに会場に撒かれた『霧』はこいつの能力の産物ですの
混乱するからオリキャラはもうださねえよヽ(`Д´)ノ
239 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 18:52:57.83 ID:bSU3C9go [16/27]
優理「爆音が聞こえたので来てみれば……ご無事でよかったです」
美琴「一体どうなってんのコレ」
優理「簡単に言うと、ホテルがテロリスト集団に制圧されたようです」
当麻「まさにその制圧されたど真ん中にいたんですけど」
美琴「他の生徒たちが心配ね。ただ眠らされてるだけみたいだけど……」
黒子「厄介ですわね……。当麻さんの右手が効いたということは能力者でしょう」
打止「でもあれただの水っぽかったよ?ってミサカはミサカは首を傾げる」
当麻「って事はまさか魔術師か?」
優理「……彼らの中に金髪の少女は」
美琴「いました。そいつの能力っぽかったですけど」
優理「なら……彼らは能力者でも魔術師でもないです」
黒子「お詳しそうですのね。それで、一体何者なんですの?」
優理「魔女――そう呼ばれる者たちです」
240 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 19:15:50.35 ID:bSU3C9go [17/27]
美琴「魔女ぉ?」
当麻「魔術師じゃないのか?」
優理「ええ。魔術的能力者と言った方がいいでしょうか」
優理「神話や伝説などの幻想を『取り込んで』能力として操る、そういう存在です」
優理「それゆえ十字教からは盗人と疎まれ、欧州から遠くこの島に逃げ延びた存在です」
当麻「――まさか」
優理「はい……1割にも満たないほどですが、この国の民は魔女です」
黒子「なんとなく見えてきましたの。学園都市はそれを利用しようとして協力関係を」
優理「飲み込みが早くて助かります」
美琴「今回の交換留学の話もその一環ってわけね……理事会は何考えてんのよ」
当麻「最初から信用してねえよ、クソ……」
優理「前代未聞の不祥事です……これが発覚したら学園都市と戦争になりかねません」
美琴「さすがにそれは避けたいわね。この国が消滅するなんてもったいなさすぎるわ」
当麻「学園都市が圧勝する前提なんですねやっぱり……」
242 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 19:54:27.82 ID:bSU3C9go [18/27]
優理「犯人は魔女を含む武装組織、黄金の夕暮れ団。間違いないでしょう……他にいないですし」
美琴「他にいないってあたりがのどかね……」
優理「目的は人質を対価に、王室に学園都市と交渉するように要求する事でしょうね」
当麻「学園都市に? なんでまた」
黒子「成功の是非はともかくとして、十字教に対しての宣戦布告、ですわね」
優理「乱暴な理論ですが、恐らくは」
優理「この国の最大の敵は十字教です。それに対抗できるのは学園都市以外には存在しません」
当麻「常識的に考えてそんな要求通るわけが……」
優理「だからこその人質でしょう」
優理「留学生の中にはレベル3だけでも十六人、レベル4は四人……そしてレベル5が一人」
美琴「あたしまできっちり頭数に織り込み済みだったってわけね」
優理「加えて打ち止めさん。あなたも」
打止「ほぇ?ってミサカはミサカはいきなり話を振られてびっくりしてみる」
優理「一万に近い妹達の上位固体、交渉のカードとしては申し分ないでしょう」
黒子「……ねぇあなた、少々詳しすぎやしませんの」
優理「……私、今回の留学の話を考えた一人なんです。主に人選面の交渉を」
当麻「原因はアンタか!?」
美琴「どーりで詳しいわけね……」
優理「すみません……」
248 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 21:19:14.17 ID:bSU3C9go [21/27]
はい、カメラさんもういいですよ
安価を投げようにもついて来れていないと困ると思うので魔女についての補足説明です、と、ミサカはやっぱりかと>>1の発言に対して突っ込みます
めんどくさいので>>1のフォルダにあった文章をコピペして適当に改変します
・魔女(コントラクター)
『魔術的超能力者』。
神話や伝説などの『幻想』を取り込み行使するが、これは魔術とも超能力とも異なる。
魔女となる者は幻想に感染し、侵食されることで魔女に変質し、ホウキを手に入れる。
・ホウキ
魔女の持つ独自の霊装のようなもの。
ホウキは魔女の力の象徴であり、力そのものでもある。
ホウキの形、発現の仕方はさまざまで、大抵は幻想を象徴する、または幻想そのものとして顕現する。
人としてのキャパシティの問題から複数のホウキを持つことはできない。
金髪女ことウィンスレット嬢のホウキはギリシャ神話に登場する眠りの神『ヒュプノス』
効果は彼女の香水に触れたものを死んだように眠らせるというもの。スプリンクラーから噴出したのは霧状の香水だったんですね
だいたいこんな感じです、と、ミサカはめんどくさそうに言います
ついてこれているでしょうか、と、ミサカは>>1の設定厨っぷりに呆れます
256 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 22:30:26.65 ID:bSU3C9go [24/27]
打止「ほらみてみてー、ってミサカはミサカは無邪気に話しかける」
一方「……」
カチッ
一方「……あれ? おィ、精神攻撃反射できねェぞ」
打止「ひどっ!? すでにブラクラ扱いなの!?ってミサカはミサカは涙目になる!」
一方「せめてまともなメイド服にしろ」
打止「……まともなのだったらいいんだ」
一方「バッ――誰もンな事ァ言ってねェだろォがよォ!」
元春「話は聞かせてもらったぜぃ! さあコレを着るんだにゃー!」
打止「あっ、メイドの伝道師のお兄さんだ、ってミサカはミサカはこの人が元凶だってことをアピールする」
一方「」
優理イメージ安価
282 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 00:42:07.00 ID:KhlYN4oo [1/7]
メルブラの琥珀さんっぽくとか
290 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:13:11.57 ID:SQgcdRw0
事態を知った一方さん行動開始。
到着に時間を要する事実に歯噛みしつつ、内心打ち止めを心配中。
なんて如何かしらん?
291 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:13:20.66 ID:eXqWs0Yo [3/6]
上琴黒打優で人質解放目指して突入
・打ち止めは潜入時のセキュリティ解除などで活躍
・黒子・優理で露払い
・トリスティア・ウィンスレットvs美琴
・ベイ・オクスフォードvs上条(音を防ぐのは美琴でも面倒くさそうなため)
一方さんの参戦は見送り(たぶん一瞬で終わる)
レベル4複数とレベル5を学園外に出す時点で、テロもアレイスターの掌の上な気がするけど
294 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:30:35.14 ID:bacIpWMo [8/47]
優理「仰るとおり今回の事件は我々の不手際が原因です」
優理「始末は我々で付けますので、皆さんは安全な場所に」
美琴「……と言われても、ねぇ」
黒子「ですわね」
打止「次のセリフが大体見当ついちゃう、ってミサカはミサカはもう慣れっこだったり」
当麻「――それ、俺たちでなんとかできないか?」
優理「……はい?」
当麻「だってほら、相手はそれなりに強いんだろ?」
当麻「外交問題になるくらいなら表沙汰になる前に俺たちで片付けれないか」
優理「い、いえそんな! 国賓であるあなた方を巻き込むわけには……」
美琴「もう十分巻き込まれちゃってるって」
黒子「これで人質になってる生徒たちの記憶を操作できるような、魔女、でしたっけ。いれば最高なんですけど」
優理「……いま、す。けどでも……!」
当麻「んじゃ俺たちでぶっ潰して、記憶適当にいじってなかった事に。はい、ゆーたーん」
美琴「諦めた方がいいわよ。このバカ、言い出したら止まらないし、ほっといても勝手に突撃しちゃうから」
優理「――ああっもう! どうなっても知りませんよ……!」
295 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:47:02.19 ID:bacIpWMo [9/47]
一方「気が変わった。俺も行く。今すぐ行く。足ィ用意しろ」
元春「……はい?」
一方「うだうだ言ってねェでさっさとジェットでもなンでもいいから用意しろっつってンだよォ!」
元春「ぴぃ!? いきなり何いってんですかこの子は!」
一方「黙って言う事聞きやがれグラサン!!」
元春「へぃへぃ、よく分からねぇけど一応聞いて見ますよ……あーもしもし?」
元春「……なんか即許可下りたんですけど。第八格納庫にあるヤツならすぐ」
一方「遅ェ! やっぱり何かおかしいと思ったんだよクソォっ!」
元春「出れるとか言ってるぜぃ……って、なーに慌ててんだアイツ。下痢かにゃー?」
光貴「もしかしていつものあれでしょうか、充電? 自分もいつか御坂さんにお願いしたいですけれど」
淡希「なんでうちの男どもはこんなのしかいないのよ……」
298 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:59:59.73 ID:bacIpWMo [10/47]
美琴「乙女に、なんで、こんな、重労働、させてんのよ……!」
当麻「がんばれー。ふぁいとー、いっぱーつ」
美琴「腕が……死ぬ……!」
当麻「仕方ないだろ。正面突破とかできれば苦労しないって」
美琴「だからって屋上以外の選択肢なかったの!?」
当麻「静かにしないとばれるぞー」
美琴「ぐ……」
当麻「ま、これもいいじゃん。ほら、夜景が綺麗だぞー」
美琴「ほんと――こんなシチュエーションじゃなかったらよかったんだけどね!」
――ッ
黒子「お二人ともシリアス展開ですのに場所も構わずいちゃつくとは。尊敬しますわよ」
当麻「おー黒子。そっちは準備完了?」
黒子「さすがに荷物込みの長距離の連続移動は疲れますの……」
黒子「ってことで当麻さん、充電してくださいな」
美琴「うぐぐぐ……! おー! もー! いー!」
304 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 02:31:10.74 ID:bacIpWMo [13/47]
美琴「はぁ……はぁ……」
当麻「お疲れさんー」
黒子「打ち止めちゃん、何をやってるんですの?」
打止「はっきんぐー、ってミサカはミサカは電子ロックから進入してることをアピールしてみる」
優理「私が言うのもなんですが、あなたたちなんでもありですね……」
当麻「ん? 『私が言うのも』?」
優理「私も一応、魔女ですので」
美琴「へー」
優理「リアクション薄いですね……!?」
美琴「刀なんて物騒なものトランクから出してきた時点で察しはついてたわよ」
優理「あ、これ別に関係ないです」
当麻「関係ないんですかぃ!」
優理「私のホウキはあまり強くはないので。これくらい使わないと」
黒子「もう出てくる人って戦える事が前提ですのね……」
美琴「ところでそのホウキ? ってなんなの?」
優理「私のは『怪火』です。パイロキネシスに近いのですけれど」
ポゥ――
美琴「おー、確かにこれはお化けっぽい」
優理「お化けなので。触っても熱くないですよ」
美琴「お? おー……不思議ー」
優理「熱くもできますけど、あまり制圧力が高いとは言えないので」
黒子「ま、そこは工夫次第ですわね」
305 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 02:42:11.86 ID:bacIpWMo [14/47]
当麻「打ち止めー、中の様子分かったか?」
打止「監視カメラあったよー。みんな寝たまま別の部屋に押し込まれてるみたい」
打止「テロリストのおじさんたちはさっきのホールでなんか電話してる、ってミサカはミサカは報告する」
優理「ウィンスレットの『ヒュプノス』は強力ですから。たぶん丸一日は起きられないでしょうね」
当麻「寝るだけなのか?」
優理「殺傷力はありませんけど、強制的に催眠状態にするような使い方も」
美琴「うーん、ちょっと面倒ねえ……まあいっか。いざとなったら当麻に頼めば」
当麻「久しぶりに右手の出番ですか……!」
優理「右手……? 上条さん、あなたレベル0じゃ」
黒子「見せた方が早いですわね。火、出してくださる?」
優理「? はい……?」
当麻「ほい、ぶれいくあうとー」
パキン
優理「……はい?」
当麻「幻想殺しっつーんだけどよ。こう、どんとこい超常現象」
優理「デタラメすぎですよ……!?」
308 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 02:58:21.16 ID:bacIpWMo [15/47]
美琴「それじゃ、できるだけこっそりと潜入。人質の安全を確保してまとめてぶっとばすってことで」
打止「後半はやっぱり力技なんだね、ってミサカはミサカは呆れてみる」
美琴「じゃあ他にいい案でもある?」
黒子「いいええ。お姉さまの仰る事が正義ですの」
優理「さっきまでのシリアス展開は一体どこに……」
黒子「いいではありませんの。シリアスでギスギスした話よりは随分とマシでしょう?」
当麻「ま、この面子なら負ける気はしねぇよな」
美琴「そうね。負けて堪るもんですか」
優理「一体どこからその自信が出てくるのかが不思議でなりません……」
黒子「あら、ご存じないんですの?」
優理「何がですか……」
黒子「このお二人、学園都市最強のバカップルですもの」
黒子「お二人にかかればどんなシリアスな話でも甘ったるい恋愛ものになってしまいますわ」
美琴「さ、こんな茶番さっさと終わらせて南の島でリゾートよ!」
当麻「仕事だって人に言ってたのは誰でしたっけ……」
309 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 03:05:05.52 ID:bacIpWMo [16/47]
打止「んじゃ開けるよー」
美琴「はいはい、そーっとね」
ギィ――
男「……あ」
当麻「げ」
美琴「うわ」
黒子「お約束……」
男「し、侵入者――!」
311 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 03:14:37.31 ID:bacIpWMo [17/47]
男「動くな! 手を挙げ……」
優理「――せいっ」
キン、と乾いた音と共に男の手に持った機銃が両断された。
男「なっ……!」
優理「兵士にしては鍛練が足りません。出直してきなさい」
ごっ、と鈍い音を立てて刀の柄が男のこめかみにめり込む。
美琴「お、お見事……」
優理「早く! 気付かれる前に中に……」
打止「きゃ――」
男2「う、動くな! 大人しく手を挙げろ!」
黒子「もう一人いたんですの……!」
312 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 03:19:33.13 ID:bacIpWMo [18/47]
黒子「とまあ、シリアスになりそうでならないんですけれど……」
男2「何を言っている! さっさと手を――」
打止「……おじさん、お疲れ?ってミサカはミサカは無邪気に尋ねてみる」
男2「お、お前状況が分かって……!」
打止「うーん、ちょっと疲れてるみたいね、ってミサカはミサカは勝手に話を進める」
男2「何を――」
打止「そんなおじさんにプレゼント、ってミサカはミサカは抱きついてみる」
打止「――じゅーでんー」
当麻「……ご愁傷さまです」
優理「どうしてシリアスにならないんですか……!」
317 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 03:49:33.99 ID:bacIpWMo [20/47]
男3「お、お前ら一体どこから……!」
美琴「やかましい」
男3「びりびりっ!?」
当麻「むごい……」
美琴「死なないように手加減してるわよ!」
男4「くそっ! 仕方ない、射殺して構わん!」
黒子「あら、このホテルの窓って防弾ガラスですのね」
――ッ
男5「なんだと……っ!」
黒子「はい、お部屋へご案内しますわー」
――ッ、――ッ
打止「溶接溶接ー、ってミサカはミサカはドアを封鎖してみるー」
優理「一方的すぎる……!」
318 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 04:03:02.44 ID:bacIpWMo [21/47]
当麻「さすがに人質を監禁してる部屋の前は警備が厳重ですね……」
美琴「どするー?」
黒子「内部構造が分かりませんから部屋の中からからバックアタックというわけにも参りませんし」
優理「ではここは私が」
つい、と指を動かすと部屋の前に立つ男たちの頭上に小さな鬼火が現れる。
照明の光に紛れて燃えるそれは、次々と数を増やし、そして一気に降り注いだ。
男6「なっ、なんだこれは……!」
優理「――未熟。動揺しすぎです」
疾風のように切り込んだ剣士によって一気に薙ぎ倒された。
優理「峰打ちです」
打止「かっこいいー。マンガかゲームみたい、ってミサカはミサカは思ったことをそのまま口にする」
優理「あなたたちの方がよっぽどそれらしいんですけど……」
いくら格好を付けようとも、シリアスにはならない。
320 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 04:10:24.23 ID:bacIpWMo [22/47]
7「メギドの業火に焼かれ死ぬがいい――!」
当麻「その幻想をぶち殺す!」
パキン――
7「ば、バカなっ!?」
美琴「人の彼氏殺そうとしてんじゃないわよ!!」
美琴「だ、大丈夫当麻……!」
当麻「ああ、助かったぜ美琴……」
美琴「バカ……いきなり飛び出さないでよ……」
当麻「バカはお前だろ。お前を置いて行かねえって言ったじゃねぇか……」
美琴「当麻……」
優理「どうして! どうしてこうなったんですか!?」
黒子「何をいまさら、ですの」
打止「スレタイ見ろ、ってミサカはミサカはメタ発言をしてみるー」
322 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 04:17:10.80 ID:bacIpWMo [23/47]
「チッ……一時間もかかりやがって。学園都市の技術力もこンなもンかよ」
「打ち止め……今行くからな。待ってろよォ」
「ま、クソバカどもがいっから大丈夫だとは思うけどよォ……」
「傷一つでもつけやがってみろよォ……ぶち殺すだけじゃ済まさねェ……!」
四月七日 二十時三十八分
一方通行、上陸
331 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:00:31.53 ID:bacIpWMo [28/47]
一方「……なンだよこれはよォ」
打止「見て分からないの、ってミサカはミサカはちょっと膨れてみたり」
一方「……何かのフンだってことは分かるけどよォ」
打止「言う事に欠いてそれ!? チョコレートだよ!!ってミサカはミサカは本気で涙ぐんでみたり!!」
一方「……食えンのかこれ」
打止「見た目は悪いけどちゃんと食べれますー」
一方「……う……ぱく」
ごりっ
一方「」
332 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:07:33.24 ID:bacIpWMo [29/47]
打止「あうあうあう、ってミサカはミサカは慌てたり」
一方「クソっ……油断してたぜェ」
打止「――ごめんなさい」
一方「……」
がり、ごり、ごり
ごぐり
一方「……まあ食えなくはねェな」
打止「……ほんと?」
一方「謝ンなクソガキ。もっと練習しろ。食いもン粗末にすンな」
打止「粗末にするの、ダメ?」
一方「……まァ捨てるくらいなら食ってやンよ」
打止「実はまだいっぱいあったり、ってミサカはミサカは苦笑いしながら差し出す」
一方「」
334 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:14:32.87 ID:bacIpWMo [30/47]
蛙顔「食中りだねぇ。何食べたんだい?」
一方「……」
蛙顔「さすがの君も食べ物は無理かい」
一方「……」
蛙顔「まあ女の子の手料理食べなかったなんて事だったら追い返すんだけどね」
一方「テメェ分かってて言ってンだろォ!?」
蛙顔「実はもう一人似たような子が来ててねぇ」
仕上「」
一方「」
335 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:20:47.06 ID:bacIpWMo [31/47]
一方「ほらよ」
打止「……これってもしかして、ってミサカはミサカは喜びのあまり言葉が続かなかったり」
一方「……まァ折角作ってくれたンだしよォ」
打止「――大好きっ!ってミサカはミサカは抱きついてみる!」
一方「離せ邪魔だ暑苦しいっ!」
打止「食べていい?」
一方「テメェそのまま化石にでもするつもりかよ」
打止「なんかもったいなくて、ってミサカはミサカは言いながらも食べちゃう」
一方「人が折角作ったンだからさっさと食えよ」
打止「あ、やっぱり手作りなんだ」
一方「悪ィかよォ!?」
336 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:25:14.22 ID:bacIpWMo [32/47]
打止「じゃ、じゃあ遠慮なく……あむ」
一方「……どうだ?」
打止「……ぅ、ってミサカはミサカは口元を押さえる」
一方「あ、すまン不味かったか……!? ほら、ぺってしろ!」
打止「――」
ふりふり
一方「無理して食うなって。な?」
打止「――」
ふりふり
一方「いいからさっさと――」
「」
一方「……」
打止「あなた、甘すぎ、ってミサカはミサカは顔を赤らめてみたり」
一方「……クソ」
365 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 21:09:11.38 ID:bacIpWMo [38/47]
美琴「ってわけで人質は全員無事確保。黒子と打ち止めが固めてくれてるわ」
美琴「さ、残るはアンタたちだけよ。もうすぐ突入部隊もくるだろうし、大人しくお縄につきなさい!」
ベイ「くっ……どうしてこうなった……」
優理「私も聞きたいです……」
歯噛みするオクスフォードに優理は力なく返した。
ティー「ともあれ元より狙いはあなたですから、御坂美琴」
遮るように
ティー「わざわざ出向いていただいてありがとうございます」
当麻「……どういうことだよ」
ティー「人質はどちらかというと御坂嬢へのものでして。逃げられる前に確保したかったのですが」
ベイ「そういう事だ。ここで君を捕らえてしまえばいくらでも建て直しが効く」
美琴「そう簡単に捕まえられると思う? あたし、そんなに安い女じゃないわよ?」
ティー「さて、どうでしょう。ベイもそれなりにいい男ですから」
ベイ「身内の談で申し訳ないが、だそうだ……試してみるか?」
美琴「ハッ――上等じゃない……!」
パリ、と空気が炸裂音を立てる。美琴の手に集まった光の蛇がのたうち回り、そして。
美琴「あたしの愛は、ちょっとばかし痺れるわよっ!」
声と共に、雷光が一直線に打ち出された。
367 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 21:20:34.73 ID:bacIpWMo [39/47]
ガアアン!、と空気の悲鳴と共に、雷撃が突き刺さる。
当麻「お、おい! 直撃したぞ!?」
美琴「だって避けるか防御すると思うじゃん普通!」
優理「――この程度が効くなら軍も苦労しませんよ」
美琴「……え?」
冷めた声に振り返ると、平然と立つオクスフォードがそこにはあった。
ベイ「ふむ、肩凝りくらいには効くか」
美琴「無効化された……!?」
ベイ「無効化ではない。『元より効かない』のだよ」
平然と男は言い放つ。
ベイ「神の怒りである雷が、自身の子に害をなすはずがなかろう?」
当麻「まさか、こいつ」
優理「いつまでたっても彼が野放しになっている最大の理由。それが彼のホウキ――『神の子』です」
372 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 21:51:09.26 ID:bacIpWMo [40/47]
ベイ「聖人、というのだったか。どうやら俺はそれのようでね」
当麻「美琴、こいつが本当に聖人だっていうなら……!」
美琴「分かってるわよ――本気で行くから死んでも怨まないでよ!」
手にしたポーチを放り投げると、ジャラジャラと音を立てて見覚えのある銀貨がぶちまけられた。
その中の一枚が、美琴の手元に傅くように跳ね上がる。
美琴「雷撃が効かないっていうなら、これはどうよ!」
鈍い金属音と共に、音を優に超える速度を以って銀貨が飛翔する。
ベイ「Noli_me_tangere――泣き叫べ、『サイレン』」
爆音。しかし男は平然とそこに立っていた。
ベイ「ふむ、さすがに出力では負けるか……しかし、受け流すくらいなら俺の『サイレン』でもできるぞ?」
当麻「まさか、別の能力!?」
美琴「……ちょっと、能力は一人に一つじゃないの……!?」
ベイ「誰がそんな事を言った。まあ魔女のホウキも一人に一つなのだが――」
優理「オクスフォードは生まれながらに聖人としての特性と、魔女としての特性も持っていました」
優理「彼はホウキをもう一つ、『神の子』の他に『サイレン』を持っています!」
当麻「聞いてねぇぞ!?」
美琴「でも、今度は防御したわよね……って事は」
ざらざらと、武者震いするかのようにコインが踊る。
美琴「あたしの電池切れとどっちが早いか、勝負といきましょうか!」
瞬間、四本の光芒がホールを貫いた。
376 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 22:20:21.19 ID:bacIpWMo [41/47]
打ち出された砲弾は、しかしオクスフォードの横を通り過ぎ背後の壁を叩くなかった。
易々と打ち抜かれ壁は音を立てて崩れる。背後に開かれた穴からは夜空が見え、暑い風が吹き込む。
ベイ「こちらも防戦一方というのは癪だな。仕掛けさせてもらう」
ひぃ、と空気が耳鳴りのような悲鳴を上げる。
ベイ「――歌え、『サイレン』」
声と共に、美琴の体が中を舞った。
美琴「っか――!?」
当麻「美琴!!」
跳ね飛ばされた体を受け止め、二人は壁に激突する。
当麻「ぐ……大丈夫か、美琴」
美琴「う……あっ、これ、アバラ逝ったかも……」
当麻「くそ……なんだよこれ……」
優理「サイレンは魔法の歌を歌う魔女、彼のホウキは音を操ります!」
美琴「さっきから、それを早く言いなさいって……!」
ベイ「どうだ、中々の美声だろう。泣きたくならないか?」
美琴「この程度――当麻の臭いセリフに比べればまだまだねっ!」
ベイ「物足りない。なるほど、ならばもっと歌おうか」
再び、ホールの空気が悲鳴を上げる。
ベイ「君も一緒にどうだ。デュエットと行こうじゃないか」
ごっ、という鈍い音が降り注いだ。
377 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 22:53:46.40 ID:bacIpWMo [42/47]
当麻「ぉおおおおっ!」
空を掻いた当麻の右手が、何かを掴む。
バギン、という何かが砕ける音と共に右手が血を吹いた。
美琴「当麻っ!?」
当麻「ぐぁ……くそ、見えないってのが厄介すぎる……」
当麻「けど、なんとなく分かるぜ、それ。触れるなら打ち消せる……!」
ベイ「――叫べ、『サイレン』」
当麻「させるかよっ!!」
突き出した腕が何かを砕き、傷口が開く。
ベイ「……確かに、見当がつくようだな」
当麻「伊達に修羅場潜ってねえよ。気配っていうのか、なんか分かるんだよ」
ベイ「心眼というやつかね。不思議と俺の音を消せるようだが……完全には無力化できないようだな」
ベイ「音は空気の波だ。風となり、刃となる。俺の『サイレン』の爪は鋭いぞ?」
ティー「ところで、私も忘れないでください」
すっ、と突然その場に現れたかのように当麻の真横にウィンスレットが詰め寄る。
ティー「随分とお疲れのご様子。そろそろお休みくださいな」
当麻「しまっ――」
眼前にアトマイザーが突き出され、
ティー「――っ」
それに割り込むような軌跡を避け、ウィンスレットは後ろに跳び下がった。
優理「私も忘れないでください。上条さん、彼女は私が」
ティー「……あなた、さっきからぴぃぴぃと煩い」
優理「では少し静かにしていましょうか。あなたも静かにしませんといけませんし」
ティー「あなたよりはだいぶ静か。安らかに眠りなさい。そうすれば静かになる」
優理「――じゃああなたにもそろそろ眠っていただきましょうか!」
401 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 00:30:42.25 ID:YiWpXyEo [4/35]
「当麻……手が……!」
「この程度で騒ぐんじゃねえよ。いつもの電撃の方がよっぽど痛いぜ」
「……どういう原理なのかは知らんが、君も厄介な物を持っているな」
「ハッ。元々こんな使い方しねえよ。コレは美琴を抱くためにあんだよ」
「中々に君もいいラブソングを歌ってくれるな――しかしここにオルフェウスはいないぞ」
「ぐちゃぐちゃ言ってんじゃねえよ。男ってのは歌じゃなくて拳で語り合うもんだって誰かが言ってたぜ」
「理想を語り合うのも悪くないとは思うのだがね。私もそれなりの信念の元に動いているのでね……そうでなくてはこんなマネなどしたくない」
「事を起こした張本人が何言ってやがる。理想だぁ? んなもん子供でも語れるぜ」
「けどな、大人が間違ってたらそれをおかしいって言うのも子供の役目だろうが」
「ガキだなんだってナメてんじゃねえぞ。こっちだって本気でガキやってんだ」
「こんなやり方どう考えたって間違ってるじゃねえか。おかしいだろ。ガキの俺が見てもおかしいぜ」
「テメエがそんな間違った幻想を抱いてるっていうなら――」
402 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 00:34:54.23 ID:YiWpXyEo [5/35]
「よォ――面白そうな事やってンじゃねェか。招待状はないけどよ、混ぜてくれねェかァ?」
406 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 00:51:40.10 ID:YiWpXyEo [6/35]
当麻「あ……一方、通行」
一方「随分とお寒いとこで激しくヤってンじゃねェかよ。乱交パーティとは聞いてないぜェ?」
美琴「アンタ、なんで」
一方「なンだなンだァ? 天下の超電磁砲ともあろう者がボロボロじゃねェかよォ――カカッ、なっさけねェ」
優理「一方通行……来るとは聞いていませんでしたよ」
ティー「彼が、まさか……」
一方「おうおう、こんなベッピンサンも混じってるンですか。俺ってばいつになくちょっとヤる気出ちゃいますよォ?」
ベイ「学園都市レベル5、第一位……招待した覚えはないが」
一方「主催はアンタかィ。なかなか狂ったパーティ考えてくれてンじゃねェですか」
一方「ンな寂しい事言わずによォ。混ぜてくンねェ?」
ベイ「っ……」
408 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 00:59:39.43 ID:YiWpXyEo [7/35]
「うちのコがずいぶんとお世話になったようでェ? お返しもしなくちゃなンねェしよォ」
「一方通行、打ち止めは……!」
「はン、ムシケラにしちゃ久々にマトモに仕事してンじゃねェか」
「ヨクデキマシター。センセー花丸あげちゃおっかなァ」
「でもよォ……俺にもちょっとくらい、見せ場くンねェ?」
「――ははっ、いくらでも充電してあげるわよ……思う存分やんなさい!」
「言われるまでも、っての……おィテメエ」
「っ……『サイレン』!!」
――カチッ
410 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 01:01:37.09 ID:YiWpXyEo [8/35]
「地図ちゃンと見たかァ? こっから先は一方通行ですらねェよ」
「テメェはここで通行止めだァっ!!」
411 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 01:05:46.39 ID:YiWpXyEo [9/35]
「……ねぇ、今すっごい寒いギャグ思いついちゃったんだけど」
「奇遇だな、俺もだ」
「どうせシリアス台無しなんですよね……」
「もう不貞寝したい……」
『じゅーりんー……』
415 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 01:24:31.46 ID:YiWpXyEo [10/35]
18413「勝った! 第六部・完っ! と、ミサカはgdgdに打ち切ります」
18413「ま、こんなもんですよね。今回はタイムオーバーエンドということで」
18413「所詮どんなにシリアスにしようとも、この登場人物でやるっていうのが無理があるってものです」
18413「ちなみにこの後ほとんど一方的な攻防が繰り広げられ、日付が変わる頃にお姉さまが音を上げました」
18413「結果『死んだ方がマシじゃね?』っていうような物体が一個練成されたようですが、あまり関係ないですね」
18413「一方通行氏の言い訳は『情操教育に悪い』だそうです。あなたの言動の方がよっぽど悪影響です、と、ミサカは聞いていないのをいい事にぶっちゃけます」
18413「ところで――ミサカは今上条宅へお邪魔しようと寮の屋上からラペリング中です」
18413「まだ寒さも残る夜空の下に無常にも放り出されました。乙女にこのような所業、きゃつめ恐らく鬼の部類です」
18413「まあ簡潔に言うと、サボって売り物食い散らかしてながら脳内再生していたところを店長に見つかって即効で解雇されました」
18413「世の中ままならぬものです。よってこれは緊急避難。不法侵入ではありませんよ、と、ミサカは断りを入れます」
18413「帰ってきたら美少女がベッドで寝てたとかいう事になったら随分と面白そうな展開ですよね。見てる方は」
18413「おっと、いたずらな春風が、と、ミサカは視聴者サービスを忘れません」
18413「よっ……では、ミサカはこれからガラスカッターでの作業に移りますのでこの辺で、と、ミサカは終了宣言をします」
18413「カメラさんもういいですよー。さすがにここからは放送するのはまz」
――。
「わたくし、たまに思ってしまうんですの」
「んー?」
「もし、あの日たまたま通りかかったのがお姉さまでなくわたくしだったなら」
「……」
「どうだったんでしょうね。今となっては詮無い事なのですけれど」
「……さあねえ。もしかしたらの話なんて、そのときになってみないと分かんないと思うけどな」
「『わたくし』にとってはこれが最善の未来だった。そこはご理解くださいませ?」
「別に念を押さなくても分かってるよ」
「けれど……もしも、と、つい思ってしまうんですの」
「……ま、そのうちそんな話も出てくるだろうさ」
「あら、書いてくれるのではないんですの?」
「気が向いたらな」
「まあ、つれないですわね」
「すまんね」
「……ま、慣れっこですわよ」
「……」
「でも、袖にされるのも心外ですの。慰謝料を請求してもよろしい?」
「高くつきそうだな」
「価値観というものは、人それぞれでございましょ? それがどう見えるか、というのも」
「」
36 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 03:33:12.02 ID:CuokvBYo [11/28]
「なんだかんだ言って書きたいんですのね」
「そりゃ、まーな」
「どうしたんですの。忙しいのでしょう?」
「正直お前がここまで可愛くなるとは思わなくてなー」
「あら、お上手」
「何点?」
「その返しで差し引きゼロですわ。お生憎さま」
「分かってて言ったんだよ……点数上げすぎると困るだろ、お互いに」
「それもそうですわねえ」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 20:43:15.56 ID:CuokvBYo [15/28]
当麻「おー、さすがにあっついなー」
美琴「赤道近いしね。正真正銘南の国ってやつよ」
黒子「お姉さま。わたくしたち観光に来たのではありませんのよ」
美琴「はいはい。でも遊ぶ時間くらいあるでしょ?」
当麻「ないと困るな」
黒子「ほら、迎えの人が来てますわよ。待たせるのも悪いですわ」
美琴「そうね。早く行きましょ!」
112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 21:01:05.88 ID:CuokvBYo [16/28]
「はい、皆さんこんばんわ。ぴぃスレのアイドルミサカ18413号です、と、ミサカはVサインをカメラに向けます」
「この度また考えもなしにバカが妙な事を始めやがったのですが、今回ミサカは出て来れないと思うのでおうちでお留守番です、と、ミサカはうなだれます」
「ですが解説役ということでむりやり登場します。しますったらします」
「今までのスレのその後、という前提で話は進んでいきますのでご了承ください」
「ではまず状況説明から参ります、と、ミサカは見えないパネルを出します」
「新学期に入る際に学園都市と友好関係にある南国のとある島国に皆様が交換留学生という形で訪問する事になりました」
「半ば>>1の脳内設定とクロスオーバーする形で進みますので、ご不明な点があれば遠慮なくお申し付けください」
「まずは舞台設定から。インドネシア近くに浮かぶ小国にこの度お邪魔しています」
「人口は20万弱、沖縄本島程度の小さな国です。立憲君主制で、この辺りはおなじみ日本国や英国と同じですね」
「元々英国の植民地だったのですが、世界大戦時に日本が占領。その後終戦と共に独立し、今に到ります」
「旧日本軍の統治下において現地の方々とよい関係にあったので、日本とはその後も友好関係が続いています」
「お陰で国語は英語ですが、日本語も第二国語として教育カリキュラムに組み込まれています」
「要するに日本語でおk、と、ミサカはぶっちゃけます」
「とまあこれくらいしか>>1が考えていないので、ちゃっちゃと本編の続きと参りましょう、と、ミサカは袖へ下がります」
117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 21:29:48.66 ID:CuokvBYo [17/28]
美琴「風が気持ちいいー! さすがリゾート産業で生計を立ててるだけあって綺麗な国ねー」
黒子「来る前に少々調べたのですけれど、まさに南の島という感じですわね」
黒子「澄み渡る空と白い砂浜、コバルトブルーの海。まるで理想をそのまま具現化したような国です事」
当麻「勉強熱心ですねえ。上条さんなんでここにいるのか自分でもいまいち分かってないんですけど」
美琴「そういえばそうよね。なんでアンタいるの?」
当麻「彼氏にその仕打ちはあんまりです……」
美琴「いいじゃない。あたしにとって大事なのは当麻がいるかいないか。それだけよ」
黒子「暑いですわねー。ついさっきまで春の日本にいたので真夏の暑さに茹だってしまいそうですわー」
美琴「もちろん黒子もね」
黒子「忘れられていなくてよかったですわ」
黒子「ちなみに当麻さんがいらっしゃるのはレベル0代表ということで。留学生団も50人近くいまして、年や学校、レベルもまちまちですの」
美琴「で、あたしたちは常盤台代表ってことね」
黒子「さすがに面子もあるのでしょう。ここぞとばかりにお姉さまを出してきましたわね」
美琴「心理掌握は嫌がるだろうし、それであたしってわけね」
当麻「ま、そんなめんどくさい事はいいだろ。俺はいつもとあんまり変わらないし、一緒にリゾート気分を満喫できればいいさ」
美琴「だから観光で来てるんじゃないんだってば……」
119 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 21:55:14.09 ID:CuokvBYo [19/28]
運転手「くすくす……皆さん仲がよろしいんですね」
美琴「あ、えと、ごめんなさい騒がしくて」
運転手「いえいえ。日本とは気候が違うでしょう?」
運転手「体調でも崩されたら大変と心配していたのですけれど、皆さんお元気そうで安心しています」
黒子「ほら、当麻さんのせいですわよ。あなたも学園都市の代表なのですから、もう少ししっかりしていただかないと」
当麻「なんか俺にはお袋が三人いる気がする……」
運転手「ああ、申し送れましたが……私、ユーリ・ハラサワといいます」
美琴「日系の方なんですか?」
優理「漢字ではこう、やさしさのことわり、と。両親とも日系でして」
黒子「どおりで流暢な日本語だと思いましたわ」
当麻「よかったー。現地にいきなり放り込まれて困るのは勘弁だ」
優莉「お世話係も任されておりますので、どうか宜しくお願いしますね」
130 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 22:51:46.54 ID:CpVvkDAo
さっそく水着回
133 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 22:58:26.42 ID:QwQl8C6o [10/11]
普通に海で遊びます
着いたばっかりだから…という事で
146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 00:12:27.24 ID:xRYlUaEo [1/18]
当麻「……一つ聞いていいですか」
美琴「なーにー?」
当麻「さっき人に散々言っといてなんで早速水着ですか!?」
黒子「いいではありませんのー。せっかく海の傍ですのよ? 泳がなくては逆に失礼ですわ」
美琴「わざわざ国賓用のペンションまで貸してくれちゃって、夕食はホテルで会食っていうんだから至れり尽くせりよねー」
当麻「だからってだらけすぎじゃありませんかねぇ!?」
美琴「アンタだってしっかり水着に着替えてるじゃない」
当麻「う……」
美琴「なんだかんだ言って当麻だって遊びたいんでしょ?」
当麻「……ナンパされたら困るだろ。ついていってやるよ」
美琴「はいはい、そういう事にしといてあげるわ」
当麻「なんか尻に敷かれてる気がする……」
黒子「いいではありませんの、それも男の甲斐性という奴ですわ。早く行きませんと日が暮れますわよー」
150 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 00:24:17.52 ID:wYFzmQco
水中から忍び寄る黒子に足を取られて、美琴にダイブする上条さん。
152 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 00:36:47.70 ID:xRYlUaEo [4/18]
当麻「……疲れた」
美琴「なによー、だらしないわね」
当麻「お前は元気だなぁ……」
美琴「伊達にエースやってないわよ。才色兼備、これ乙女の基本装備」
当麻「上条さん落ちこぼれですからー、そもそも水泳とか水着鑑賞タイムですしー」
美琴「……へぇ?」
当麻「ナンデモナイデスヨ」
美琴「まったく……ほら、少しくらい付き合いなさいよ」
当麻「へいへい――あれ、黒子は?」
――ッ
黒子「背中がお留守ですのよ?」
どん
当麻「能力の無駄使い!?」
美琴「え、ちょっ――」
ざっぱーん
153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 00:47:59.05 ID:xRYlUaEo [5/18]
美琴「それくらいでいいわよー」
黒子「まったく……お姉さまも人使いが荒いんですの」
美琴「うん、やっぱり海といえばこれよねー」
当麻「つかぬ事をお聞きしますが……なんで上条さん砂浜に埋められてますか!?」
美琴「様式美?」
当麻「突き落としたのは黒子じゃねえか! 俺被害者ですよ!」
美琴「避けないアンタが悪い」
当麻「んな無茶な!?」
黒子「ということですの。観念なさいませ」
当麻「こいつも埋めろよ!?」
美琴「女の子を埋めろとかアンタ鬼?」
当麻「男女差別だ……」
158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 01:35:54.45 ID:F0hFWw2o [1/6]
ビーチバレーで上条さん集中攻撃される
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 02:54:41.53 ID:xRYlUaEo [8/18]
当麻「……2対1は卑怯じゃないでしょうか」
美琴「こっちはか弱い女の子二人じゃない」
黒子「ハンデですわ」
当麻「絶対お前ら俺より強いじゃねえか!」
黒子「当麻さんならわたくしたち二人の相手などお手の物でしょう?」
美琴「サーブで落としたら承知しないわよ――そーれっ!」
当麻「うおー!? なんとか……!」
美琴「よく返したわね――はい黒子」
黒子「行きますわよ……お姉さま!」
――ッ
当麻「え、能力使うのは卑怯じゃないですか……?」
美琴「イ・ナ・ズ・マ・スパイクー!!」
当麻「ぎゃあああ!?」
168 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 04:27:24.90 ID:xRYlUaEo [10/18]
美琴「あー遊んだ遊んだ」
当麻「ご満足いただけたようで何よりです……」
黒子「あら、当麻さんは不服ですの?」
当麻「滅相もないです……」
美琴「よしよし。それじゃそろそろ着替えましょ。おなか空いちゃったわ」
黒子「せっかくの歓迎パーティですのよ。しっかりおめかししませんと」
当麻「え、まじで」
美琴「……アンタちゃんとスケジュールに目通した?」
当麻「ははは、上条さんがそんな事するわけないじゃないですか」
黒子「どうせそんな事だろうと思って当麻さんの分も準備してますのよ。まったくこれだから……」
当麻「すまん……」
美琴「ほらほら、早くしないと遅刻するわよ!」
169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 04:31:51.56 ID:xRYlUaEo [11/18]
当麻「……ごーじゃすすぎる」
当麻「俺どう考えても場違いだな、これは……」
当麻「黒子も高そうなスーツ用意しやがって……制服でいいだろ、学生なんだから」
当麻「知り合いも見たところいないようだし……あいつら何やってんだ」
当麻「一人でこんなとこにいたら滅入っちまいそうだ……はぁ」
171 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 04:49:00.12 ID:xRYlUaEo [12/18]
打止「そんなとこで何やってんの当麻、ってミサカはミサカはお姉さまの真似をしてみる」
当麻「……」
打止「あれ? もしかして期待させちゃったかな、ってミサカはミサカはちょっと意地悪な顔をする」
当麻「……らーすーとーおーおーだーあー」
打止「わあっ、泣くほど嬉しかったの?ってミサかはミサカはちょっと恥ずかしがってみたり」
当麻「お前も来てたんだな……上条さん知り合いがいなくて心細くて……」
打止「奇遇だね。ミサカも一人で寂しかったの」
当麻「あれ、一方通行は一緒じゃないのか……って、お前なんでいるんだ?」
打止「なんか分からないけど連れて来られちゃった」
打止「一方通行はおうちで『俺がンなクソめンどい事やっかよだりィ』ってさ、ってミサかはミサカは物まねに挑戦してみる」
当麻「珍しいな、あいつが一緒じゃないなんて……槍でも降るんじゃねえのか?」
173 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 05:01:33.48 ID:xRYlUaEo [13/18]
打止「ってわけで、とうまが代わりをしてね、ってミサカはミサカはおねだりしてみる」
当麻「え」
打止「れでぃーをエスコートするんだよ? それともミサカじゃ不満?ってミサカはミサカは上目遣いで尋ねてみる」
当麻「……まあ放っとくわけにもいかないしな」
打止「素直に喜んでいいんだよ、ってミサかはミサカはちょっぴり嬉しそうに言ってみる」
打止「ところでもっと他に言うべき事あるんじゃないかな、ってミサかはミサカは不満げに顔を覗き込んでみる」
当麻「……ドレス似合ってるよ」
打止「えへへ、可愛いでしょ、ってミサかはミサカははにかんでみる」
当麻「それどうしたんだ?」
打止「なんか係だって人が用意してくれたの」
当麻「へぇ。うん、よく似合ってる」
打止「ところでお姉さまは一緒じゃないの?ってミサカはミサカは首を傾げる」
当麻「そろそろ来るとは思うんだけど……」
175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 05:21:40.44 ID:xRYlUaEo [14/18]
美琴「おまたせ。ごめんね、ちょっと手間取っちゃった」
黒子「あらお姉さま。殿方を待たせるのもまた淑女の務めですのよ」
当麻「――」
美琴「……あれ? どうしたの当麻」
当麻「いや、その……見蕩れてた。うん、二人とも凄く綺麗だ」
美琴「ありがと――あたしの勝ちね」
当麻「え?」
黒子「残念ですわ当麻さん。こんなときばかり気の利いたセリフを吐くなんて」
美琴「賭けてたのよ。アンタが最初になんて言うかって」
当麻「俺が一人寂しく待ってる間にお前らは……」
打止「ミサカが一緒だったから寂しくなかったでしょ、ってミサカはミサカはちょっと不満げに慰めてみる」
美琴「アンタも来てたの? ――ってことは一方通行もいるのか」
打止「おんなじ事言うんだねえ、ってミサカはミサカは呆れたり」
黒子「あら、一緒じゃないんですの?」
打止「来てないよ? 遠く海の向こうに離ればなれ、ってミサカはミサカは早くもホームシックに陥ってたり」
美琴「珍しい……槍でも降るんじゃないの」
178 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 05:42:38.58 ID:xRYlUaEo [15/18]
ふっ――
「お、暗くなったな。ちょうどかな?」
「しっ、始まるわよ……」
『大変お待たせいたしました ただいまより 交換留学生歓迎式典を開式します』
『皆様 遠い異国の地へ ようこそお出で下さいました』
『堅苦しい挨拶も煩わしいかと思いますので 皆様にご満足していただけようう』
『心からのおもてなしを 代わりとさせていただきます』
『それでは皆様 どうかお手元のグラスをお持ちください』
『両国と 学園都市の 友好と発展を 祈念いたしまして』
『――おやすみなさいませ』
179 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 05:56:13.83 ID:xRYlUaEo [16/18]
美琴「――え」
バシュッ
当麻「なっ……スプリンクラーから霧……!? なんだこの匂いは……!?」
黒子「一体どうなってるんですの――ぁ」
どさっ
当麻「お、おい黒子!?」
美琴「当麻、口塞いで! なんか分かんないけどこれ絶対ヤバイ……!」
打止「ううう、分解が追いつかないー、ってミサカはミサカは焦ってみる!」
当麻「黒子! しっかりしろ!」
黒子「ぅ……あら……当麻さん? わたくし、いったい……、っ!」
美琴「……これって、もしかして」
当麻「打ち消したのか……? ってことはまさか……!」
180 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 06:03:24.28 ID:xRYlUaEo [17/18]
「さすがに何人かは動けるか。能力者とは面倒なものだな」
「しかしそれも想定の範囲内だ。君たちの能力も含めてな」
「さあ、あまり大人を困らせないで貰おうか学生諸君」
「おいたがすぎると、こちらもお仕置きをせざるをえないんでね」
「まあ端的にいうと――君らは、人質だ」
四月七日 十九時一分
国営ホテルをテロリストが制圧
人質の中には学園都市からの交換留学生も含まれている模様
214 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 15:32:25.97 ID:bSU3C9go [1/27]
「自己紹介しておこう。ベイ・オクスフォードだ」
特殊スーツに身を包み銃を構えた軍団の中、ホールの最前、壇上に立ったスーツの男はそう名乗った。
「学園都市の生徒諸君、まことに申し訳ないのだが、このホテルは我々が制圧させてもらった」
「真に遺憾ながら……簡単に言えば我々はテロリストという事になるだろうね」
「一体何の真似だよコレは!」
誰かが発した声に、オクスフォードと名乗った男は不機嫌さを隠そうともせず、すい、と手を挙げた。
パッ、と爆ぜるような音と共に血花が咲いた。
「大人を困らせるなと言っただろうクソガキ。日本語で通じないのかね」
「――ッガァアア!?」
大学生くらいだろうか、青年が肩を抑えてのたうつ。
「煩いな……ティー、静かにさせろ」
「はい」
呼ばれ、学生たちに混じって立っていた金髪の女が手にした小瓶をシャカシャカと振りながら青年に近付く。
「すみませんね――おやすみなさい」
プシ、と乾いた音と共に霧が顔面に吹き付けられ――倒れた。
「安心したまえ、毒ではない。ただ安らかに眠るだけだ」
男は馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
「まさかこいつら……」
「能力者――!?」
215 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 15:43:30.93 ID:bSU3C9go [2/27]
ベイ「動かないで貰おう、ミス・レールガン」
美琴「はっ……あたしにそんな鉛玉が効くと思ってるの?」
ベイ「対軍クラスの相手になんの対策もしてないはずがないだろう。考えずともそれくらいは分かるだろう」
ベイ「学園都市の科学技術を流用させてもらった。特殊樹脂でできた弾丸だ。磁場の影響は受けないし――」
パッ
美琴「――」
ベイ「融点は二千度を超える。周りに被害が出るからやめたほうがいい」
218 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 15:56:40.76 ID:bSU3C9go [3/27]
黒子「――当麻さん、そのままで」
当麻「……」
黒子「相手の能力が把握し切れていません。あの女と、おそらくオクスフォードとやらも能力者でしょう」
黒子「このままむざむざと拘束されるわけにも参りませんし……一度引きましょう」
当麻「……」
黒子「わたくしは打ち止めちゃんを連れて能力で外に」
黒子「残念ながら当麻さんは能力が効きませんし、お姉さまは自力でなんとかしていただきましょう」
当麻「……」
黒子「お願い、しますね」
当麻「……」
ぐっ――
黒子「名残惜しいですけどその手を離していただきませんと……いつまでも抱きついていてはお姉さまに怒られますわ」
黒子「……、どうかご無事で。打ち止めちゃん!」
ベイ「っ! 白井黒子か!」
――ッ
219 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 16:05:46.26 ID:bSU3C9go [4/27]
美琴「当麻! 『左手』!」
テーブルの上からフォークを掴み、電磁加速を以って壁へと撃ち放つ。
爆音と共に壁に大穴が空き、夜風に波立つ海が見えた。
ベイ「――逃がすな!」
美琴「遅い!」
美琴は当麻の手を掴み、ドレスをたなびかせながら夜空へと飛び出した。
220 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 16:11:16.42 ID:bSU3C9go [5/27]
美琴「アンタ少しはダイエットしなさいよ!」
当麻「別に俺太ってませんけど!?」
美琴「乙女の細腕にはちょっと重すぎよ! 壁に立つなんて重力に逆らってるんだから――」
当麻「美琴、上!」
美琴「――っ! 鉄筋、剥がれろぉおお!」
ガガガガ!
当麻「ホテルの外観がやばいことになってんですけど!」
美琴「蜂の巣になるのとどっちがいいのよバカ! 磁場の調整難しいんだから静かにしなさい!」
221 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 16:19:13.80 ID:bSU3C9go [6/27]
美琴「黒子! 大丈夫!?」
黒子「かすり傷一つ。お二人もご無事のようで何よりですわ」
打止「なんでこんな映画みたいな事に、ってミサカはミサカは怖いけどちょっぴり楽しさを感じてたり」
当麻「とりあえず話は後だ。一度離れよう」
美琴「にしてもこの格好じゃ目立つし走りにくいわよ――」
キィッ
優理「早く! 乗ってください!」
当麻「――確かに、映画みたいな展開だなこれは」
美琴「アンタも早くしなさい! 置いてくわよ!」
当麻「乗るの早ぇよ!」
222 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 16:27:49.73 ID:bSU3C9go [7/27]
ベイ「……チッ、逃がしてしまったか」
ティー「申し訳ありません」
ベイ「お前のせいじゃない。計画したのは俺だ。それよりも……」
ティー「……」
ベイ「もう引き下がれそうもないな」
ティー「そうですね。ここまでやっておいてごめんなさいじゃ済まないでしょう」
ベイ「謝って済むならそうしたいところだ」
ティー「そんな事をしたら今日から私はあなたをこのチキン野郎と呼ぶ事にします」
ベイ「それは勘弁してもらいたいな……さて、それでは諸君、ここからが本番だ」
「交渉に移るとしよう」
230 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 17:07:11.68 ID:bSU3C9go [11/27]
オリキャラの現プロフィール紹介
『優理・ハラサワ』
現地の日系人。19歳くらいの黒髪セミロングの柔和なお姉さん
政府関係者で上条ファミリーのお世話係を任される。色々有能な人
今回科学サイドでも魔術サイドでもないのでこの人が解説要員です
『ベイ・オクスフォード』
テロリストのリーダー。40くらいのお堅そうな男性
なぜか聖人指定された人。音がどんな形で現れるかは秘密、てか決めてない
『トリスティア・ウィンスレット』
テログループの一員。緩くカーブした金髪ロングの少女
会場アナウンスと斥候も含めてドレスで参戦。花要員
ちなみに会場に撒かれた『霧』はこいつの能力の産物ですの
混乱するからオリキャラはもうださねえよヽ(`Д´)ノ
239 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 18:52:57.83 ID:bSU3C9go [16/27]
優理「爆音が聞こえたので来てみれば……ご無事でよかったです」
美琴「一体どうなってんのコレ」
優理「簡単に言うと、ホテルがテロリスト集団に制圧されたようです」
当麻「まさにその制圧されたど真ん中にいたんですけど」
美琴「他の生徒たちが心配ね。ただ眠らされてるだけみたいだけど……」
黒子「厄介ですわね……。当麻さんの右手が効いたということは能力者でしょう」
打止「でもあれただの水っぽかったよ?ってミサカはミサカは首を傾げる」
当麻「って事はまさか魔術師か?」
優理「……彼らの中に金髪の少女は」
美琴「いました。そいつの能力っぽかったですけど」
優理「なら……彼らは能力者でも魔術師でもないです」
黒子「お詳しそうですのね。それで、一体何者なんですの?」
優理「魔女――そう呼ばれる者たちです」
240 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 19:15:50.35 ID:bSU3C9go [17/27]
美琴「魔女ぉ?」
当麻「魔術師じゃないのか?」
優理「ええ。魔術的能力者と言った方がいいでしょうか」
優理「神話や伝説などの幻想を『取り込んで』能力として操る、そういう存在です」
優理「それゆえ十字教からは盗人と疎まれ、欧州から遠くこの島に逃げ延びた存在です」
当麻「――まさか」
優理「はい……1割にも満たないほどですが、この国の民は魔女です」
黒子「なんとなく見えてきましたの。学園都市はそれを利用しようとして協力関係を」
優理「飲み込みが早くて助かります」
美琴「今回の交換留学の話もその一環ってわけね……理事会は何考えてんのよ」
当麻「最初から信用してねえよ、クソ……」
優理「前代未聞の不祥事です……これが発覚したら学園都市と戦争になりかねません」
美琴「さすがにそれは避けたいわね。この国が消滅するなんてもったいなさすぎるわ」
当麻「学園都市が圧勝する前提なんですねやっぱり……」
242 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 19:54:27.82 ID:bSU3C9go [18/27]
優理「犯人は魔女を含む武装組織、黄金の夕暮れ団。間違いないでしょう……他にいないですし」
美琴「他にいないってあたりがのどかね……」
優理「目的は人質を対価に、王室に学園都市と交渉するように要求する事でしょうね」
当麻「学園都市に? なんでまた」
黒子「成功の是非はともかくとして、十字教に対しての宣戦布告、ですわね」
優理「乱暴な理論ですが、恐らくは」
優理「この国の最大の敵は十字教です。それに対抗できるのは学園都市以外には存在しません」
当麻「常識的に考えてそんな要求通るわけが……」
優理「だからこその人質でしょう」
優理「留学生の中にはレベル3だけでも十六人、レベル4は四人……そしてレベル5が一人」
美琴「あたしまできっちり頭数に織り込み済みだったってわけね」
優理「加えて打ち止めさん。あなたも」
打止「ほぇ?ってミサカはミサカはいきなり話を振られてびっくりしてみる」
優理「一万に近い妹達の上位固体、交渉のカードとしては申し分ないでしょう」
黒子「……ねぇあなた、少々詳しすぎやしませんの」
優理「……私、今回の留学の話を考えた一人なんです。主に人選面の交渉を」
当麻「原因はアンタか!?」
美琴「どーりで詳しいわけね……」
優理「すみません……」
248 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 21:19:14.17 ID:bSU3C9go [21/27]
はい、カメラさんもういいですよ
安価を投げようにもついて来れていないと困ると思うので魔女についての補足説明です、と、ミサカはやっぱりかと>>1の発言に対して突っ込みます
めんどくさいので>>1のフォルダにあった文章をコピペして適当に改変します
・魔女(コントラクター)
『魔術的超能力者』。
神話や伝説などの『幻想』を取り込み行使するが、これは魔術とも超能力とも異なる。
魔女となる者は幻想に感染し、侵食されることで魔女に変質し、ホウキを手に入れる。
・ホウキ
魔女の持つ独自の霊装のようなもの。
ホウキは魔女の力の象徴であり、力そのものでもある。
ホウキの形、発現の仕方はさまざまで、大抵は幻想を象徴する、または幻想そのものとして顕現する。
人としてのキャパシティの問題から複数のホウキを持つことはできない。
金髪女ことウィンスレット嬢のホウキはギリシャ神話に登場する眠りの神『ヒュプノス』
効果は彼女の香水に触れたものを死んだように眠らせるというもの。スプリンクラーから噴出したのは霧状の香水だったんですね
だいたいこんな感じです、と、ミサカはめんどくさそうに言います
ついてこれているでしょうか、と、ミサカは>>1の設定厨っぷりに呆れます
256 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 22:30:26.65 ID:bSU3C9go [24/27]
打止「ほらみてみてー、ってミサカはミサカは無邪気に話しかける」
一方「……」
カチッ
一方「……あれ? おィ、精神攻撃反射できねェぞ」
打止「ひどっ!? すでにブラクラ扱いなの!?ってミサカはミサカは涙目になる!」
一方「せめてまともなメイド服にしろ」
打止「……まともなのだったらいいんだ」
一方「バッ――誰もンな事ァ言ってねェだろォがよォ!」
元春「話は聞かせてもらったぜぃ! さあコレを着るんだにゃー!」
打止「あっ、メイドの伝道師のお兄さんだ、ってミサカはミサカはこの人が元凶だってことをアピールする」
一方「」
優理イメージ安価
282 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 00:42:07.00 ID:KhlYN4oo [1/7]
メルブラの琥珀さんっぽくとか
290 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:13:11.57 ID:SQgcdRw0
事態を知った一方さん行動開始。
到着に時間を要する事実に歯噛みしつつ、内心打ち止めを心配中。
なんて如何かしらん?
291 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:13:20.66 ID:eXqWs0Yo [3/6]
上琴黒打優で人質解放目指して突入
・打ち止めは潜入時のセキュリティ解除などで活躍
・黒子・優理で露払い
・トリスティア・ウィンスレットvs美琴
・ベイ・オクスフォードvs上条(音を防ぐのは美琴でも面倒くさそうなため)
一方さんの参戦は見送り(たぶん一瞬で終わる)
レベル4複数とレベル5を学園外に出す時点で、テロもアレイスターの掌の上な気がするけど
294 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:30:35.14 ID:bacIpWMo [8/47]
優理「仰るとおり今回の事件は我々の不手際が原因です」
優理「始末は我々で付けますので、皆さんは安全な場所に」
美琴「……と言われても、ねぇ」
黒子「ですわね」
打止「次のセリフが大体見当ついちゃう、ってミサカはミサカはもう慣れっこだったり」
当麻「――それ、俺たちでなんとかできないか?」
優理「……はい?」
当麻「だってほら、相手はそれなりに強いんだろ?」
当麻「外交問題になるくらいなら表沙汰になる前に俺たちで片付けれないか」
優理「い、いえそんな! 国賓であるあなた方を巻き込むわけには……」
美琴「もう十分巻き込まれちゃってるって」
黒子「これで人質になってる生徒たちの記憶を操作できるような、魔女、でしたっけ。いれば最高なんですけど」
優理「……いま、す。けどでも……!」
当麻「んじゃ俺たちでぶっ潰して、記憶適当にいじってなかった事に。はい、ゆーたーん」
美琴「諦めた方がいいわよ。このバカ、言い出したら止まらないし、ほっといても勝手に突撃しちゃうから」
優理「――ああっもう! どうなっても知りませんよ……!」
295 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:47:02.19 ID:bacIpWMo [9/47]
一方「気が変わった。俺も行く。今すぐ行く。足ィ用意しろ」
元春「……はい?」
一方「うだうだ言ってねェでさっさとジェットでもなンでもいいから用意しろっつってンだよォ!」
元春「ぴぃ!? いきなり何いってんですかこの子は!」
一方「黙って言う事聞きやがれグラサン!!」
元春「へぃへぃ、よく分からねぇけど一応聞いて見ますよ……あーもしもし?」
元春「……なんか即許可下りたんですけど。第八格納庫にあるヤツならすぐ」
一方「遅ェ! やっぱり何かおかしいと思ったんだよクソォっ!」
元春「出れるとか言ってるぜぃ……って、なーに慌ててんだアイツ。下痢かにゃー?」
光貴「もしかしていつものあれでしょうか、充電? 自分もいつか御坂さんにお願いしたいですけれど」
淡希「なんでうちの男どもはこんなのしかいないのよ……」
298 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 01:59:59.73 ID:bacIpWMo [10/47]
美琴「乙女に、なんで、こんな、重労働、させてんのよ……!」
当麻「がんばれー。ふぁいとー、いっぱーつ」
美琴「腕が……死ぬ……!」
当麻「仕方ないだろ。正面突破とかできれば苦労しないって」
美琴「だからって屋上以外の選択肢なかったの!?」
当麻「静かにしないとばれるぞー」
美琴「ぐ……」
当麻「ま、これもいいじゃん。ほら、夜景が綺麗だぞー」
美琴「ほんと――こんなシチュエーションじゃなかったらよかったんだけどね!」
――ッ
黒子「お二人ともシリアス展開ですのに場所も構わずいちゃつくとは。尊敬しますわよ」
当麻「おー黒子。そっちは準備完了?」
黒子「さすがに荷物込みの長距離の連続移動は疲れますの……」
黒子「ってことで当麻さん、充電してくださいな」
美琴「うぐぐぐ……! おー! もー! いー!」
304 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 02:31:10.74 ID:bacIpWMo [13/47]
美琴「はぁ……はぁ……」
当麻「お疲れさんー」
黒子「打ち止めちゃん、何をやってるんですの?」
打止「はっきんぐー、ってミサカはミサカは電子ロックから進入してることをアピールしてみる」
優理「私が言うのもなんですが、あなたたちなんでもありですね……」
当麻「ん? 『私が言うのも』?」
優理「私も一応、魔女ですので」
美琴「へー」
優理「リアクション薄いですね……!?」
美琴「刀なんて物騒なものトランクから出してきた時点で察しはついてたわよ」
優理「あ、これ別に関係ないです」
当麻「関係ないんですかぃ!」
優理「私のホウキはあまり強くはないので。これくらい使わないと」
黒子「もう出てくる人って戦える事が前提ですのね……」
美琴「ところでそのホウキ? ってなんなの?」
優理「私のは『怪火』です。パイロキネシスに近いのですけれど」
ポゥ――
美琴「おー、確かにこれはお化けっぽい」
優理「お化けなので。触っても熱くないですよ」
美琴「お? おー……不思議ー」
優理「熱くもできますけど、あまり制圧力が高いとは言えないので」
黒子「ま、そこは工夫次第ですわね」
305 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 02:42:11.86 ID:bacIpWMo [14/47]
当麻「打ち止めー、中の様子分かったか?」
打止「監視カメラあったよー。みんな寝たまま別の部屋に押し込まれてるみたい」
打止「テロリストのおじさんたちはさっきのホールでなんか電話してる、ってミサカはミサカは報告する」
優理「ウィンスレットの『ヒュプノス』は強力ですから。たぶん丸一日は起きられないでしょうね」
当麻「寝るだけなのか?」
優理「殺傷力はありませんけど、強制的に催眠状態にするような使い方も」
美琴「うーん、ちょっと面倒ねえ……まあいっか。いざとなったら当麻に頼めば」
当麻「久しぶりに右手の出番ですか……!」
優理「右手……? 上条さん、あなたレベル0じゃ」
黒子「見せた方が早いですわね。火、出してくださる?」
優理「? はい……?」
当麻「ほい、ぶれいくあうとー」
パキン
優理「……はい?」
当麻「幻想殺しっつーんだけどよ。こう、どんとこい超常現象」
優理「デタラメすぎですよ……!?」
308 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 02:58:21.16 ID:bacIpWMo [15/47]
美琴「それじゃ、できるだけこっそりと潜入。人質の安全を確保してまとめてぶっとばすってことで」
打止「後半はやっぱり力技なんだね、ってミサカはミサカは呆れてみる」
美琴「じゃあ他にいい案でもある?」
黒子「いいええ。お姉さまの仰る事が正義ですの」
優理「さっきまでのシリアス展開は一体どこに……」
黒子「いいではありませんの。シリアスでギスギスした話よりは随分とマシでしょう?」
当麻「ま、この面子なら負ける気はしねぇよな」
美琴「そうね。負けて堪るもんですか」
優理「一体どこからその自信が出てくるのかが不思議でなりません……」
黒子「あら、ご存じないんですの?」
優理「何がですか……」
黒子「このお二人、学園都市最強のバカップルですもの」
黒子「お二人にかかればどんなシリアスな話でも甘ったるい恋愛ものになってしまいますわ」
美琴「さ、こんな茶番さっさと終わらせて南の島でリゾートよ!」
当麻「仕事だって人に言ってたのは誰でしたっけ……」
309 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 03:05:05.52 ID:bacIpWMo [16/47]
打止「んじゃ開けるよー」
美琴「はいはい、そーっとね」
ギィ――
男「……あ」
当麻「げ」
美琴「うわ」
黒子「お約束……」
男「し、侵入者――!」
311 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 03:14:37.31 ID:bacIpWMo [17/47]
男「動くな! 手を挙げ……」
優理「――せいっ」
キン、と乾いた音と共に男の手に持った機銃が両断された。
男「なっ……!」
優理「兵士にしては鍛練が足りません。出直してきなさい」
ごっ、と鈍い音を立てて刀の柄が男のこめかみにめり込む。
美琴「お、お見事……」
優理「早く! 気付かれる前に中に……」
打止「きゃ――」
男2「う、動くな! 大人しく手を挙げろ!」
黒子「もう一人いたんですの……!」
312 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 03:19:33.13 ID:bacIpWMo [18/47]
黒子「とまあ、シリアスになりそうでならないんですけれど……」
男2「何を言っている! さっさと手を――」
打止「……おじさん、お疲れ?ってミサカはミサカは無邪気に尋ねてみる」
男2「お、お前状況が分かって……!」
打止「うーん、ちょっと疲れてるみたいね、ってミサカはミサカは勝手に話を進める」
男2「何を――」
打止「そんなおじさんにプレゼント、ってミサカはミサカは抱きついてみる」
打止「――じゅーでんー」
当麻「……ご愁傷さまです」
優理「どうしてシリアスにならないんですか……!」
317 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 03:49:33.99 ID:bacIpWMo [20/47]
男3「お、お前ら一体どこから……!」
美琴「やかましい」
男3「びりびりっ!?」
当麻「むごい……」
美琴「死なないように手加減してるわよ!」
男4「くそっ! 仕方ない、射殺して構わん!」
黒子「あら、このホテルの窓って防弾ガラスですのね」
――ッ
男5「なんだと……っ!」
黒子「はい、お部屋へご案内しますわー」
――ッ、――ッ
打止「溶接溶接ー、ってミサカはミサカはドアを封鎖してみるー」
優理「一方的すぎる……!」
318 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/18(木) 04:03:02.44 ID:bacIpWMo [21/47]
当麻「さすがに人質を監禁してる部屋の前は警備が厳重ですね……」
美琴「どするー?」
黒子「内部構造が分かりませんから部屋の中からからバックアタックというわけにも参りませんし」
優理「ではここは私が」
つい、と指を動かすと部屋の前に立つ男たちの頭上に小さな鬼火が現れる。
照明の光に紛れて燃えるそれは、次々と数を増やし、そして一気に降り注いだ。
男6「なっ、なんだこれは……!」
優理「――未熟。動揺しすぎです」
疾風のように切り込んだ剣士によって一気に薙ぎ倒された。
優理「峰打ちです」
打止「かっこいいー。マンガかゲームみたい、ってミサカはミサカは思ったことをそのまま口にする」
優理「あなたたちの方がよっぽどそれらしいんですけど……」
いくら格好を付けようとも、シリアスにはならない。
320 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 04:10:24.23 ID:bacIpWMo [22/47]
7「メギドの業火に焼かれ死ぬがいい――!」
当麻「その幻想をぶち殺す!」
パキン――
7「ば、バカなっ!?」
美琴「人の彼氏殺そうとしてんじゃないわよ!!」
美琴「だ、大丈夫当麻……!」
当麻「ああ、助かったぜ美琴……」
美琴「バカ……いきなり飛び出さないでよ……」
当麻「バカはお前だろ。お前を置いて行かねえって言ったじゃねぇか……」
美琴「当麻……」
優理「どうして! どうしてこうなったんですか!?」
黒子「何をいまさら、ですの」
打止「スレタイ見ろ、ってミサカはミサカはメタ発言をしてみるー」
322 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 04:17:10.80 ID:bacIpWMo [23/47]
「チッ……一時間もかかりやがって。学園都市の技術力もこンなもンかよ」
「打ち止め……今行くからな。待ってろよォ」
「ま、クソバカどもがいっから大丈夫だとは思うけどよォ……」
「傷一つでもつけやがってみろよォ……ぶち殺すだけじゃ済まさねェ……!」
四月七日 二十時三十八分
一方通行、上陸
331 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:00:31.53 ID:bacIpWMo [28/47]
一方「……なンだよこれはよォ」
打止「見て分からないの、ってミサカはミサカはちょっと膨れてみたり」
一方「……何かのフンだってことは分かるけどよォ」
打止「言う事に欠いてそれ!? チョコレートだよ!!ってミサカはミサカは本気で涙ぐんでみたり!!」
一方「……食えンのかこれ」
打止「見た目は悪いけどちゃんと食べれますー」
一方「……う……ぱく」
ごりっ
一方「」
332 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:07:33.24 ID:bacIpWMo [29/47]
打止「あうあうあう、ってミサカはミサカは慌てたり」
一方「クソっ……油断してたぜェ」
打止「――ごめんなさい」
一方「……」
がり、ごり、ごり
ごぐり
一方「……まあ食えなくはねェな」
打止「……ほんと?」
一方「謝ンなクソガキ。もっと練習しろ。食いもン粗末にすンな」
打止「粗末にするの、ダメ?」
一方「……まァ捨てるくらいなら食ってやンよ」
打止「実はまだいっぱいあったり、ってミサカはミサカは苦笑いしながら差し出す」
一方「」
334 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:14:32.87 ID:bacIpWMo [30/47]
蛙顔「食中りだねぇ。何食べたんだい?」
一方「……」
蛙顔「さすがの君も食べ物は無理かい」
一方「……」
蛙顔「まあ女の子の手料理食べなかったなんて事だったら追い返すんだけどね」
一方「テメェ分かってて言ってンだろォ!?」
蛙顔「実はもう一人似たような子が来ててねぇ」
仕上「」
一方「」
335 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:20:47.06 ID:bacIpWMo [31/47]
一方「ほらよ」
打止「……これってもしかして、ってミサカはミサカは喜びのあまり言葉が続かなかったり」
一方「……まァ折角作ってくれたンだしよォ」
打止「――大好きっ!ってミサカはミサカは抱きついてみる!」
一方「離せ邪魔だ暑苦しいっ!」
打止「食べていい?」
一方「テメェそのまま化石にでもするつもりかよ」
打止「なんかもったいなくて、ってミサカはミサカは言いながらも食べちゃう」
一方「人が折角作ったンだからさっさと食えよ」
打止「あ、やっぱり手作りなんだ」
一方「悪ィかよォ!?」
336 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 05:25:14.22 ID:bacIpWMo [32/47]
打止「じゃ、じゃあ遠慮なく……あむ」
一方「……どうだ?」
打止「……ぅ、ってミサカはミサカは口元を押さえる」
一方「あ、すまン不味かったか……!? ほら、ぺってしろ!」
打止「――」
ふりふり
一方「無理して食うなって。な?」
打止「――」
ふりふり
一方「いいからさっさと――」
「」
一方「……」
打止「あなた、甘すぎ、ってミサカはミサカは顔を赤らめてみたり」
一方「……クソ」
365 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 21:09:11.38 ID:bacIpWMo [38/47]
美琴「ってわけで人質は全員無事確保。黒子と打ち止めが固めてくれてるわ」
美琴「さ、残るはアンタたちだけよ。もうすぐ突入部隊もくるだろうし、大人しくお縄につきなさい!」
ベイ「くっ……どうしてこうなった……」
優理「私も聞きたいです……」
歯噛みするオクスフォードに優理は力なく返した。
ティー「ともあれ元より狙いはあなたですから、御坂美琴」
遮るように
ティー「わざわざ出向いていただいてありがとうございます」
当麻「……どういうことだよ」
ティー「人質はどちらかというと御坂嬢へのものでして。逃げられる前に確保したかったのですが」
ベイ「そういう事だ。ここで君を捕らえてしまえばいくらでも建て直しが効く」
美琴「そう簡単に捕まえられると思う? あたし、そんなに安い女じゃないわよ?」
ティー「さて、どうでしょう。ベイもそれなりにいい男ですから」
ベイ「身内の談で申し訳ないが、だそうだ……試してみるか?」
美琴「ハッ――上等じゃない……!」
パリ、と空気が炸裂音を立てる。美琴の手に集まった光の蛇がのたうち回り、そして。
美琴「あたしの愛は、ちょっとばかし痺れるわよっ!」
声と共に、雷光が一直線に打ち出された。
367 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 21:20:34.73 ID:bacIpWMo [39/47]
ガアアン!、と空気の悲鳴と共に、雷撃が突き刺さる。
当麻「お、おい! 直撃したぞ!?」
美琴「だって避けるか防御すると思うじゃん普通!」
優理「――この程度が効くなら軍も苦労しませんよ」
美琴「……え?」
冷めた声に振り返ると、平然と立つオクスフォードがそこにはあった。
ベイ「ふむ、肩凝りくらいには効くか」
美琴「無効化された……!?」
ベイ「無効化ではない。『元より効かない』のだよ」
平然と男は言い放つ。
ベイ「神の怒りである雷が、自身の子に害をなすはずがなかろう?」
当麻「まさか、こいつ」
優理「いつまでたっても彼が野放しになっている最大の理由。それが彼のホウキ――『神の子』です」
372 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 21:51:09.26 ID:bacIpWMo [40/47]
ベイ「聖人、というのだったか。どうやら俺はそれのようでね」
当麻「美琴、こいつが本当に聖人だっていうなら……!」
美琴「分かってるわよ――本気で行くから死んでも怨まないでよ!」
手にしたポーチを放り投げると、ジャラジャラと音を立てて見覚えのある銀貨がぶちまけられた。
その中の一枚が、美琴の手元に傅くように跳ね上がる。
美琴「雷撃が効かないっていうなら、これはどうよ!」
鈍い金属音と共に、音を優に超える速度を以って銀貨が飛翔する。
ベイ「Noli_me_tangere――泣き叫べ、『サイレン』」
爆音。しかし男は平然とそこに立っていた。
ベイ「ふむ、さすがに出力では負けるか……しかし、受け流すくらいなら俺の『サイレン』でもできるぞ?」
当麻「まさか、別の能力!?」
美琴「……ちょっと、能力は一人に一つじゃないの……!?」
ベイ「誰がそんな事を言った。まあ魔女のホウキも一人に一つなのだが――」
優理「オクスフォードは生まれながらに聖人としての特性と、魔女としての特性も持っていました」
優理「彼はホウキをもう一つ、『神の子』の他に『サイレン』を持っています!」
当麻「聞いてねぇぞ!?」
美琴「でも、今度は防御したわよね……って事は」
ざらざらと、武者震いするかのようにコインが踊る。
美琴「あたしの電池切れとどっちが早いか、勝負といきましょうか!」
瞬間、四本の光芒がホールを貫いた。
376 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 22:20:21.19 ID:bacIpWMo [41/47]
打ち出された砲弾は、しかしオクスフォードの横を通り過ぎ背後の壁を叩くなかった。
易々と打ち抜かれ壁は音を立てて崩れる。背後に開かれた穴からは夜空が見え、暑い風が吹き込む。
ベイ「こちらも防戦一方というのは癪だな。仕掛けさせてもらう」
ひぃ、と空気が耳鳴りのような悲鳴を上げる。
ベイ「――歌え、『サイレン』」
声と共に、美琴の体が中を舞った。
美琴「っか――!?」
当麻「美琴!!」
跳ね飛ばされた体を受け止め、二人は壁に激突する。
当麻「ぐ……大丈夫か、美琴」
美琴「う……あっ、これ、アバラ逝ったかも……」
当麻「くそ……なんだよこれ……」
優理「サイレンは魔法の歌を歌う魔女、彼のホウキは音を操ります!」
美琴「さっきから、それを早く言いなさいって……!」
ベイ「どうだ、中々の美声だろう。泣きたくならないか?」
美琴「この程度――当麻の臭いセリフに比べればまだまだねっ!」
ベイ「物足りない。なるほど、ならばもっと歌おうか」
再び、ホールの空気が悲鳴を上げる。
ベイ「君も一緒にどうだ。デュエットと行こうじゃないか」
ごっ、という鈍い音が降り注いだ。
377 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/18(木) 22:53:46.40 ID:bacIpWMo [42/47]
当麻「ぉおおおおっ!」
空を掻いた当麻の右手が、何かを掴む。
バギン、という何かが砕ける音と共に右手が血を吹いた。
美琴「当麻っ!?」
当麻「ぐぁ……くそ、見えないってのが厄介すぎる……」
当麻「けど、なんとなく分かるぜ、それ。触れるなら打ち消せる……!」
ベイ「――叫べ、『サイレン』」
当麻「させるかよっ!!」
突き出した腕が何かを砕き、傷口が開く。
ベイ「……確かに、見当がつくようだな」
当麻「伊達に修羅場潜ってねえよ。気配っていうのか、なんか分かるんだよ」
ベイ「心眼というやつかね。不思議と俺の音を消せるようだが……完全には無力化できないようだな」
ベイ「音は空気の波だ。風となり、刃となる。俺の『サイレン』の爪は鋭いぞ?」
ティー「ところで、私も忘れないでください」
すっ、と突然その場に現れたかのように当麻の真横にウィンスレットが詰め寄る。
ティー「随分とお疲れのご様子。そろそろお休みくださいな」
当麻「しまっ――」
眼前にアトマイザーが突き出され、
ティー「――っ」
それに割り込むような軌跡を避け、ウィンスレットは後ろに跳び下がった。
優理「私も忘れないでください。上条さん、彼女は私が」
ティー「……あなた、さっきからぴぃぴぃと煩い」
優理「では少し静かにしていましょうか。あなたも静かにしませんといけませんし」
ティー「あなたよりはだいぶ静か。安らかに眠りなさい。そうすれば静かになる」
優理「――じゃああなたにもそろそろ眠っていただきましょうか!」
401 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 00:30:42.25 ID:YiWpXyEo [4/35]
「当麻……手が……!」
「この程度で騒ぐんじゃねえよ。いつもの電撃の方がよっぽど痛いぜ」
「……どういう原理なのかは知らんが、君も厄介な物を持っているな」
「ハッ。元々こんな使い方しねえよ。コレは美琴を抱くためにあんだよ」
「中々に君もいいラブソングを歌ってくれるな――しかしここにオルフェウスはいないぞ」
「ぐちゃぐちゃ言ってんじゃねえよ。男ってのは歌じゃなくて拳で語り合うもんだって誰かが言ってたぜ」
「理想を語り合うのも悪くないとは思うのだがね。私もそれなりの信念の元に動いているのでね……そうでなくてはこんなマネなどしたくない」
「事を起こした張本人が何言ってやがる。理想だぁ? んなもん子供でも語れるぜ」
「けどな、大人が間違ってたらそれをおかしいって言うのも子供の役目だろうが」
「ガキだなんだってナメてんじゃねえぞ。こっちだって本気でガキやってんだ」
「こんなやり方どう考えたって間違ってるじゃねえか。おかしいだろ。ガキの俺が見てもおかしいぜ」
「テメエがそんな間違った幻想を抱いてるっていうなら――」
402 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 00:34:54.23 ID:YiWpXyEo [5/35]
「よォ――面白そうな事やってンじゃねェか。招待状はないけどよ、混ぜてくれねェかァ?」
406 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 00:51:40.10 ID:YiWpXyEo [6/35]
当麻「あ……一方、通行」
一方「随分とお寒いとこで激しくヤってンじゃねェかよ。乱交パーティとは聞いてないぜェ?」
美琴「アンタ、なんで」
一方「なンだなンだァ? 天下の超電磁砲ともあろう者がボロボロじゃねェかよォ――カカッ、なっさけねェ」
優理「一方通行……来るとは聞いていませんでしたよ」
ティー「彼が、まさか……」
一方「おうおう、こんなベッピンサンも混じってるンですか。俺ってばいつになくちょっとヤる気出ちゃいますよォ?」
ベイ「学園都市レベル5、第一位……招待した覚えはないが」
一方「主催はアンタかィ。なかなか狂ったパーティ考えてくれてンじゃねェですか」
一方「ンな寂しい事言わずによォ。混ぜてくンねェ?」
ベイ「っ……」
408 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 00:59:39.43 ID:YiWpXyEo [7/35]
「うちのコがずいぶんとお世話になったようでェ? お返しもしなくちゃなンねェしよォ」
「一方通行、打ち止めは……!」
「はン、ムシケラにしちゃ久々にマトモに仕事してンじゃねェか」
「ヨクデキマシター。センセー花丸あげちゃおっかなァ」
「でもよォ……俺にもちょっとくらい、見せ場くンねェ?」
「――ははっ、いくらでも充電してあげるわよ……思う存分やんなさい!」
「言われるまでも、っての……おィテメエ」
「っ……『サイレン』!!」
――カチッ
410 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 01:01:37.09 ID:YiWpXyEo [8/35]
「地図ちゃンと見たかァ? こっから先は一方通行ですらねェよ」
「テメェはここで通行止めだァっ!!」
411 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 01:05:46.39 ID:YiWpXyEo [9/35]
「……ねぇ、今すっごい寒いギャグ思いついちゃったんだけど」
「奇遇だな、俺もだ」
「どうせシリアス台無しなんですよね……」
「もう不貞寝したい……」
『じゅーりんー……』
415 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/19(金) 01:24:31.46 ID:YiWpXyEo [10/35]
18413「勝った! 第六部・完っ! と、ミサカはgdgdに打ち切ります」
18413「ま、こんなもんですよね。今回はタイムオーバーエンドということで」
18413「所詮どんなにシリアスにしようとも、この登場人物でやるっていうのが無理があるってものです」
18413「ちなみにこの後ほとんど一方的な攻防が繰り広げられ、日付が変わる頃にお姉さまが音を上げました」
18413「結果『死んだ方がマシじゃね?』っていうような物体が一個練成されたようですが、あまり関係ないですね」
18413「一方通行氏の言い訳は『情操教育に悪い』だそうです。あなたの言動の方がよっぽど悪影響です、と、ミサカは聞いていないのをいい事にぶっちゃけます」
18413「ところで――ミサカは今上条宅へお邪魔しようと寮の屋上からラペリング中です」
18413「まだ寒さも残る夜空の下に無常にも放り出されました。乙女にこのような所業、きゃつめ恐らく鬼の部類です」
18413「まあ簡潔に言うと、サボって売り物食い散らかしてながら脳内再生していたところを店長に見つかって即効で解雇されました」
18413「世の中ままならぬものです。よってこれは緊急避難。不法侵入ではありませんよ、と、ミサカは断りを入れます」
18413「帰ってきたら美少女がベッドで寝てたとかいう事になったら随分と面白そうな展開ですよね。見てる方は」
18413「おっと、いたずらな春風が、と、ミサカは視聴者サービスを忘れません」
18413「よっ……では、ミサカはこれからガラスカッターでの作業に移りますのでこの辺で、と、ミサカは終了宣言をします」
18413「カメラさんもういいですよー。さすがにここからは放送するのはまz」
――。
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てっきり、グループが事前に察知して裏でテロを食い止めてるとか思ってたらそんなこと全然なかったぜ!!