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アレイスター「汚れた神を浄化するためには」
203 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/15(水) 01:10:39.35 ID:pz5oWMDO [1/7]
ありそうっぽい話を書いてみた
カップリングなし、キャラ崩壊なし、シリアス、時系列はラスボス手前、3レス
ありそうっぽい話を書いてみた
カップリングなし、キャラ崩壊なし、シリアス、時系列はラスボス手前、3レス
204 名前:アレイスター「汚れた神を浄化するためには」[sage] 投稿日:2010/12/15(水) 01:13:03.64 ID:pz5oWMDO [2/7]
「アレイスター! テメェの幻想はここで終わりだ!」
「私の幻想は終わらない」
上も下も右も左も更には時間さえも分からない空間に二人の人間が対峙していた。
ここは地下でも地上でもましてや上空でもない。明るいのか暗いのかさえ分からない空間は、この時代の知識では理解の出来ない場所に存在する空間である。
仮に一から十までの説明を受けたとしても、普通の人間には時代の違いにすら気付かずにおかしな答えを出す。その空間に二人の人間がいる。
一人はかつて世界最高最強の魔術師と呼ばれ、今では科学の長として君臨するアレイスター=クロウリー。
もう一人は無能力者のレッテルを貼られながら、幻想殺しと言う特殊な力を持つ少年、上条当麻。
アレイスターは自らのプランの完成のために上条を。上条は一人の少女と平和に暮らすためにアレイスターを。お互いはそれぞれの目的のために拳を握る。
「知っているか幻想殺し。人類史上最大の罪を」
「んなもん俺が知るかよ」
「ならば教えよう。人類史上最大の罪は『神』を創ったことだ」
「……は?」
「この世界が神という見えない架空のものに少なからず縛られている」
「それがなんだって言うんだよ」
アレイスターは上条の疑問に答えるように話を進めていく。
「それぞれの宗教には必ず信仰する神、又は神とするものが存在する。人々はその神を信仰し、神の教えに従い行動を起こす。これがどういうことが分かるか?」
「そんなこ――っ!!」
上条は過去を振り返る。アニェーゼ達によるオルソラへの糾弾に始まるローマ正教の行ったことを。
「気がついたようだな。教えのためならば何をしても構わない、と言うのはおかしいと思わないか?」
「それは……」
上条は言葉を繋げられない。あのアレイスターが疑問に思っていることだからだ。言いたいことは山ほどあり、その全てをアレイスターにぶつけたかった。しかし上条は俯き口を閉ざしてしまう。
205 名前:アレイスター「汚れた神を浄化するためには」[sage] 投稿日:2010/12/15(水) 01:13:47.02 ID:pz5oWMDO [3/7]
「かつての私も神を信仰する者の一人だった」
アレイスターは「少し昔話をしよう」と言い、静かに語り始めた。
「私の生まれた家は幸いにも裕福で父も母も優しく大変恵まれた家庭だった。しかし10歳の頃にそれは起こった。私の母が教えに反しているとされ殺され、その二年後に父も同じ理由で殺された」
アレイスターはじっと上条を見つめる。その目には人間らしさが戻っていた。
「私の両親は自らが信じた神によって殺された。従順に教えに従い生きてきた両親を神は殺した。それから私は教えを捨て魔術に走った」
「そして私はもっと広く魔術を学ぶために様々な組織に所属しながら旅をした。その内に私はエジプトで一人の女生と出会い結婚し、娘を授かった」
上条はじっとアレイスターの言葉に耳を傾ける。アレイスターは「だが」と話を続ける。
「妻と娘は殺された。またしても神の教えに反したという理由でだ。私はその事実に涙を流した」
それまで無表情だったアレイスターの口が一瞬歪む。
「教えに……神に絶望した私は一流の魔術師でもあった妻の体を媒体にしエイワスを呼び知識を求めた」
「それって……法の書のことか」
上条はアレイスターの話に相槌ように答えた。
「それを読み解くには長い年月を要したが、法の書は私にこれまでの魔術的知識の全てを教えてくれた」
「そして私は一つの答えに辿り着いた。汚れた神を浄化するためには、私が神になればいいと」
「テメェが神だって? 馬鹿げたたこと言ってんじゃねぇぞ……」
上条の静かな怒りにアレイスターは眉をひそめ、不快感を露わにする。その様子は実に人間らしいものであった。更に上条は話を続ける。
「過去や理由はどうあれテメェは多くの人の幸せを奪ったことには変わりねぇ。そんな奴が神なんて『幻想殺し』」
アレイスターが上条の話に割って入る。
206 名前:アレイスター「汚れた神を浄化するためには」[sage] 投稿日:2010/12/15(水) 01:15:05.02 ID:pz5oWMDO [4/7]
「お前は私と同じ目に遭っても同じことが言えるか?」
「なんだと」
「お前の両親が私に殺されたとしよう。お前はどうする? 私を憎むだろう」
上条はじっと拳を握っている。
「まだ足りないか。では禁書目録。御坂美琴も――」
「アレイスターッ!!」
上条は我慢できずにアレイスターに右の拳を振り上げ殴りかかった。だがアレイスターは空中を漂うかのように拳を避ける。
「これで分かったか。神という存在しないものに教えを与えられ、教えのためならばなんでもする。まさに人の皮を被った悪魔だ」
「……それで、神になるってのがテメェのプランとやらか?」
冷静さを取り戻した上条がアレイスターに問う。
「そうだ。そのためには魔術だけの知識では足りなかった。だから科学に手を伸ばした」
「それで一方通行や滝壺を利用したのか……!」
上条は奥歯を噛んでアレイスターを睨む。
「時代と時代の接点となる一方通行。その一方通行を量産する滝壺理后。そして唯一違う世界の力を持った上条当麻。この三人をプランの最適化のために私は求めた」
「一方通行は見事に科学と魔術を交錯させた。後は“彼”が始末するだろう。滝壺理后については不完全だが時間の問題だ。そして幻想殺し。お前には今ここで死を受け取ってもらう」
アレイスターは霊装を上条に向け、改めて目的を宣言する。
「神浄し悪魔を討魔して私は本物の神となる」
上条もアレイスターを見据え、右手を突き出し宣告する。
「俺がお前と同じ立場だったら同じことをしていないとは言い切れない。けどな、俺はお前みたいに『誰かのせい』にして戦うんじゃなく『誰かのため』に戦う」
アレイスターは一息吐いて霊装を持ち直し戦闘の構えを取る。
「vere875。我、真理の力を持って生きる者。これが私の魔法名だ」
「上等だ。お前の幻想は俺がぶち壊してやる」
207 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/15(水) 01:17:12.61 ID:pz5oWMDO [5/7]
おわり
この裏で一方通行vs彼とか滝壺救出戦をする浜面、麦野、絹旗も書こうと思ったけどバテた
wikiに魔法名載っててびっくりした
「アレイスター! テメェの幻想はここで終わりだ!」
「私の幻想は終わらない」
上も下も右も左も更には時間さえも分からない空間に二人の人間が対峙していた。
ここは地下でも地上でもましてや上空でもない。明るいのか暗いのかさえ分からない空間は、この時代の知識では理解の出来ない場所に存在する空間である。
仮に一から十までの説明を受けたとしても、普通の人間には時代の違いにすら気付かずにおかしな答えを出す。その空間に二人の人間がいる。
一人はかつて世界最高最強の魔術師と呼ばれ、今では科学の長として君臨するアレイスター=クロウリー。
もう一人は無能力者のレッテルを貼られながら、幻想殺しと言う特殊な力を持つ少年、上条当麻。
アレイスターは自らのプランの完成のために上条を。上条は一人の少女と平和に暮らすためにアレイスターを。お互いはそれぞれの目的のために拳を握る。
「知っているか幻想殺し。人類史上最大の罪を」
「んなもん俺が知るかよ」
「ならば教えよう。人類史上最大の罪は『神』を創ったことだ」
「……は?」
「この世界が神という見えない架空のものに少なからず縛られている」
「それがなんだって言うんだよ」
アレイスターは上条の疑問に答えるように話を進めていく。
「それぞれの宗教には必ず信仰する神、又は神とするものが存在する。人々はその神を信仰し、神の教えに従い行動を起こす。これがどういうことが分かるか?」
「そんなこ――っ!!」
上条は過去を振り返る。アニェーゼ達によるオルソラへの糾弾に始まるローマ正教の行ったことを。
「気がついたようだな。教えのためならば何をしても構わない、と言うのはおかしいと思わないか?」
「それは……」
上条は言葉を繋げられない。あのアレイスターが疑問に思っていることだからだ。言いたいことは山ほどあり、その全てをアレイスターにぶつけたかった。しかし上条は俯き口を閉ざしてしまう。
205 名前:アレイスター「汚れた神を浄化するためには」[sage] 投稿日:2010/12/15(水) 01:13:47.02 ID:pz5oWMDO [3/7]
「かつての私も神を信仰する者の一人だった」
アレイスターは「少し昔話をしよう」と言い、静かに語り始めた。
「私の生まれた家は幸いにも裕福で父も母も優しく大変恵まれた家庭だった。しかし10歳の頃にそれは起こった。私の母が教えに反しているとされ殺され、その二年後に父も同じ理由で殺された」
アレイスターはじっと上条を見つめる。その目には人間らしさが戻っていた。
「私の両親は自らが信じた神によって殺された。従順に教えに従い生きてきた両親を神は殺した。それから私は教えを捨て魔術に走った」
「そして私はもっと広く魔術を学ぶために様々な組織に所属しながら旅をした。その内に私はエジプトで一人の女生と出会い結婚し、娘を授かった」
上条はじっとアレイスターの言葉に耳を傾ける。アレイスターは「だが」と話を続ける。
「妻と娘は殺された。またしても神の教えに反したという理由でだ。私はその事実に涙を流した」
それまで無表情だったアレイスターの口が一瞬歪む。
「教えに……神に絶望した私は一流の魔術師でもあった妻の体を媒体にしエイワスを呼び知識を求めた」
「それって……法の書のことか」
上条はアレイスターの話に相槌ように答えた。
「それを読み解くには長い年月を要したが、法の書は私にこれまでの魔術的知識の全てを教えてくれた」
「そして私は一つの答えに辿り着いた。汚れた神を浄化するためには、私が神になればいいと」
「テメェが神だって? 馬鹿げたたこと言ってんじゃねぇぞ……」
上条の静かな怒りにアレイスターは眉をひそめ、不快感を露わにする。その様子は実に人間らしいものであった。更に上条は話を続ける。
「過去や理由はどうあれテメェは多くの人の幸せを奪ったことには変わりねぇ。そんな奴が神なんて『幻想殺し』」
アレイスターが上条の話に割って入る。
206 名前:アレイスター「汚れた神を浄化するためには」[sage] 投稿日:2010/12/15(水) 01:15:05.02 ID:pz5oWMDO [4/7]
「お前は私と同じ目に遭っても同じことが言えるか?」
「なんだと」
「お前の両親が私に殺されたとしよう。お前はどうする? 私を憎むだろう」
上条はじっと拳を握っている。
「まだ足りないか。では禁書目録。御坂美琴も――」
「アレイスターッ!!」
上条は我慢できずにアレイスターに右の拳を振り上げ殴りかかった。だがアレイスターは空中を漂うかのように拳を避ける。
「これで分かったか。神という存在しないものに教えを与えられ、教えのためならばなんでもする。まさに人の皮を被った悪魔だ」
「……それで、神になるってのがテメェのプランとやらか?」
冷静さを取り戻した上条がアレイスターに問う。
「そうだ。そのためには魔術だけの知識では足りなかった。だから科学に手を伸ばした」
「それで一方通行や滝壺を利用したのか……!」
上条は奥歯を噛んでアレイスターを睨む。
「時代と時代の接点となる一方通行。その一方通行を量産する滝壺理后。そして唯一違う世界の力を持った上条当麻。この三人をプランの最適化のために私は求めた」
「一方通行は見事に科学と魔術を交錯させた。後は“彼”が始末するだろう。滝壺理后については不完全だが時間の問題だ。そして幻想殺し。お前には今ここで死を受け取ってもらう」
アレイスターは霊装を上条に向け、改めて目的を宣言する。
「神浄し悪魔を討魔して私は本物の神となる」
上条もアレイスターを見据え、右手を突き出し宣告する。
「俺がお前と同じ立場だったら同じことをしていないとは言い切れない。けどな、俺はお前みたいに『誰かのせい』にして戦うんじゃなく『誰かのため』に戦う」
アレイスターは一息吐いて霊装を持ち直し戦闘の構えを取る。
「vere875。我、真理の力を持って生きる者。これが私の魔法名だ」
「上等だ。お前の幻想は俺がぶち壊してやる」
207 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/15(水) 01:17:12.61 ID:pz5oWMDO [5/7]
おわり
この裏で一方通行vs彼とか滝壺救出戦をする浜面、麦野、絹旗も書こうと思ったけどバテた
wikiに魔法名載っててびっくりした
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上条当麻は無制限の世界で苦行自慢するヒーロー気取りの上級国民であらかじめ用意された“上条当麻というロール”に縋るしかないから主人公補正が効かず現実を見て理性と感性を噛み合わせながら行動を決定するしかない有限の世界には対応できない存在であることを露呈しちゃったしな
神浄の討魔は主人公の上条当麻が絶対に勝つ出来レースにおけるただの役職名を押し付けられて”Imagine braker”っていう対象の存在意義のなさを看破することで存在を破綻させて討ち滅ぼす能力を上条当麻の素材として奪われた挙句にヴィラン扱いされただけの名無しの一般人にしか見えなかったわ
そもそもメタ的な視点で見ると都合のいいサンドバッグだけがニンゲンで一般人が犠牲になるような行為ほど価値があるって言う寄生虫思想で動く鎌池和馬みたいなホモヤクザ害虫上級国民やホモバグAIが人間面して無理矢理ヒーローになろうとすると有限の世界に対応して合理的な行動を取れる人自体を逃げだの臆病だのほざいて貶めるしかなくなるって言う創造主の限界を示した話が禁書目録なんだけどさ