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>>1「どうしてこうなった」
4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 02:56:36.38 ID:o6VTH8so [1/61]
\〉V u ∠ィ
何?アンタ何するか 之> u u く_
決めてないのに立てたの? ≧ ,イ
何なの?バカなの?死ぬの? > く十
, -―- , ニフ J メ、
/ `ヽ `才´ u ト、
/ 〈V ', レ仏ィ 乂
| y /l ハ , オれイ ムイ
| / /刈/! /イ∧! 乃仆仆小トイハメ
レ f^レ^Trテ fチ! | >--<二二>、
| トイ! '''` ` ''i j / i ヽ\
|lイl |f>、__^_, イ / j \\
j川仏rヘ、{ト仆! l / _|^^^^|_ l
f⌒ヽi>、__ ノi|Ⅵ`ヽ | i / || | | |
| ⊥、 \|/`ヽハ ! レ' | ^^^^ | |
∨ く ̄j、 >'^ヽ_\ | l | 作 | |
l∠イ⌒ヽ>' rュノ- i>} | l | 者 | |
| , <_ jイ ヒr====l | 代 | |
`r―<i 「l ̄ | | | 理 | |
|_/ i l | | | | | |
〈_/ i l | | |l  ̄ ̄ ̄ ̄ |
/ `}>、 l人 | |〉/ |
}=ニニニニニ=イ, | |〉 ト,
/ /::::: l:::::::::::::l:::: l::', | |Lノ ハ
〈 / :::::::l:::::::::::: l:::::|::::, | |/ //ム
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何?アンタ何するか 之> u u く_
決めてないのに立てたの? ≧ ,イ
何なの?バカなの?死ぬの? > く十
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10 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:03:35.60 ID:x9s.7a.o [1/6]
深夜空腹で起きた上条が冷蔵庫あさってると、隣で寝てた美琴が気づいて一緒にコンビニにへ散歩
26 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:34:13.08 ID:o6VTH8so [8/61]
当麻「……腹減った」
当麻「くそ、まだ3時半じゃねえか……」
当麻「そーっと、そーっと……起きるなよー……」
ガチャ
当麻「あーやっぱり何もねえっすよねー」
当麻「仕方ねえ、コンビニでも行くか……」
美琴「う……どしたの?」
当麻「あー、すまん起こしたか」
美琴「なーに? お腹すいたの?」
当麻「いやー、はは。ちょっとコンビニでも行ってくるわ」
美琴「って、ちょっと待ちなさいよ」
当麻「ん?」
美琴「深夜のデートっていうのもいいでしょ?」
29 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:41:35.51 ID:o6VTH8so [9/61]
美琴「うー、さすがに夜はまだ寒いわねえ」
当麻「だなー。つってももう少ししたらクソ暑くなるんだろうけど」
美琴「……察しなさいよ、バカ」
ぎゅ
当麻「お? おー……すまん」
美琴「勉強が足りないわよ」
当麻「できが悪い生徒ですみません」
ガー
18413「らーしゃっせー、と、ミサカはめんどくさそうに言います」
美琴「」
当麻「」
32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:49:31.62 ID:o6VTH8so [10/61]
美琴「何やってんのアンタ」
18413「コンビニ店員ですが、と、ミサカは驚愕の事実を告白します」
美琴「見たままじゃないのよ!」
当麻「お前18413号だよな? スーパーのレジ打ちはどうしたんだよ」
18413「クビになりました、と、ミサカは面白おかしくその事実を伝えます」
美琴「面白くも可笑しくもないわよ!」
18413「面倒なので詳細は省きますが」
18413「一昨日からここで24時間いるコンビニエントな店員を目指して他のミサカと3交代制で常駐しております、と、ミサカは伝説の店員を志します」
美琴「伝説は伝説でもそれ都市伝説の部類だから!」
18413「レジェンドって言うとかっこいいですよね、と、ミサカは憧れを隠し切れません」
当麻「なんだこの脱力系店員は……」
33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:54:19.09 ID:o6VTH8so [11/61]
18413「1026円になります、と、ミサカは合計金額を提示します」
美琴「あれ? ちょっとそれ多いわよ?」
18413「買い忘れがあったようなのですかさず入れておきました」
美琴「?」
ガサガサ――コト
18413「家族計画は慎重に、と、ミサカは頬を赤らめながら忠告します」
美琴「いつまでそのネタ引っ張ってんのよおおお!」
59 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:07:55.82 ID:o6VTH8so [20/61]
なんとなく導入部構想
美琴と当麻がいちゃいちゃしてるの見ててなんか嫉妬心が
お姉さまへの未練はもうないはずですのに、と思ったら今度は上条さんがフラグ立ててました
お姉さまの恋人、しかもよりによって上条さんに惹かれるなんて……と思いつつやきもきする黒子かわゆす
こんなんでどうですか
63 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:49:19.71 ID:o6VTH8so [21/61]
黒子「…………」
黒子「ぎゃあああー」
飾利「どうしたんでしょうか白井さん……」
涙子「またいつもの発作じゃないの?」
飾利「そんなばっさりと言わなくても……」
64 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:52:42.15 ID:o6VTH8so [22/61]
黒子(なんですのなんですのなんですのー!?)
黒子(お姉さまと上条さんの件はもうけじめをつけたというのに)
黒子(なのになんでわたくしはまだ未練たらしく嫉妬していますの――!)
黒子(……それはまあ、お姉さまはわたくしにとってとても大切な方ですけれど)
黒子(わたくしお姉さまの恋路を邪魔するほど野暮ではないつもりですのに)
黒子(お二人がいちゃついてらっしゃるのを見てるのは、それはまあ嫉妬心は湧きますけれど)
黒子(でも、そんなお二人を見るのも好きですのに……)
65 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:16:41.30 ID:o6VTH8so [23/61]
黒子(だというのに、なぜ)
黒子(こんなにも胸が苦しいのでしょう――)
黒子(…………おや?)
黒子(よくよく考えてみれば……そう、お二人がお付き合いを始めた頃のそれとは少し違う気がしますの……)
黒子(一体、いつ頃から変わりましたの?)
黒子(去年……いえ、違いますわね。もっと最近……)
黒子(お姉さまにボロ負けした時よりは……前)
黒子(――よくよく考えると、そもそもなぜわたくしはお姉さまに勝負を吹っかけましたの?)
黒子(上条さんではなく、なぜお姉さまに――?)
黒子(わたくしはなぜお姉さまに……)
黒子「あ」
76 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:42:16.46 ID:o6VTH8so [29/61]
黒子「自分の事ながら……これはまったくの予想外でしたわ」
黒子「なんでよりによって……」
黒子「……確かに、これでは感覚が違って当たり前ですわよね」
黒子「はぁ……よりによってお姉さまに嫉妬していたとは……」
黒子「珍しく本気の超電磁砲が垣間見れたと思ったら……やっぱりそういう事に関しては敏感ですのね」
黒子「まったくもってこれは――そう」
黒子「最悪、ですの」
79 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:05:08.55 ID:o6VTH8so [30/61]
黒子「思えばもう結構長い付き合いですのね」
黒子「お姉さまほどではありませんが……わたくしも、彼の事はよく存じておりますもの」
黒子「まったく、不思議な方ですわね」
黒子「最初は毛嫌いしていたわたくしでさえ、お姉さまに心酔しているわたくしでさえ落としてしまうとは」
黒子「薄っぺらい笑顔でしたのに……気付けば凄く素敵に笑うようになりましたのね」
黒子「確かに、わたくしの知る限りでは、あの方以上に素敵な笑顔をする殿方はおりませんもの」
黒子「……まあ惚れた弱みという奴の美化も入ってるんでしょうけども」
黒子「けれど――」
黒子「その笑顔の先には――必ずお姉さまがいらっしゃるというのに」
80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:09:29.28 ID:o6VTH8so [31/61]
黒子「はぁ……」
黒子「一人部屋って、こんなにも広く感じるんですのね……」
黒子「お姉さま――上条さん――」
黒子「わたくしはどうすればいいんですの……?」
100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:01:07.84 ID:o6VTH8so [34/61]
当麻「お、何やってんだこんなとこで」
黒子「……あなたも。お姉さまは一緒ではないんですの?」
当麻「別に四六時中一緒ってわけじゃ……」
黒子「そうでしたの。わたくしはもうセット物なのかと思ってましたのよ」
当麻「まあそう思われても仕方ないっちゃ仕方ないんだが……」
当麻「なんか用事があるとかでさ。そんなわけで上条さんは一人寂しく公園に黄昏にきたわけですよ」
黒子「そ。ならお仲間ですわね」
当麻「え? お前も?」
黒子「あまり勘違いしないでくださいまし」
黒子「ここのところ風紀委員の方が忙しくて……あまり休めていませんの」
当麻「大変だねぇ」
黒子「まあ好きでやってる事ですからいいのですけど……いかんせん人手が足りませんわね」
黒子「なんだかんだで怪我人も結構な頻度で出ますし、あまりやりたがる方もいませんの」
当麻「んで、その分も含めて白井が頑張ってるってわけだ」
黒子「そういう事。たまにはこうしてぼーっとして肩の力を抜きませんと、もちませんわ」
101 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:11:48.82 ID:o6VTH8so [35/61]
黒子(多忙になれば少しは紛れるかと思いましたのに)
黒子(できる限りお二人とは会わないようにしていれば……はぁ)
黒子(禁断症状というのもうなずけますわね。確かにこれは――逆効果でしたわ)
黒子(とはいえ、自分でもまだ納得できませんの)
黒子(よりによってこの方とは……自分でも信じられませんわ)
黒子(いえ、お姉さまが認めた方ですもの。わたくしもそれなりに評価はしていますが)
黒子(してはいますが……一体こんな唐変木のどこがいいというんでしょう)
103 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:19:34.15 ID:o6VTH8so [36/61]
黒子「……って、おや? 上条さん?」
黒子「人が物思いに耽ってる隙に……レディーを置いて一体どこに行きましたの」
当麻「ん、ほらよ」
黒子「え――」
当麻「頑張ったんだろ? ま、こんなものしか出せないけどさ」
当麻「暖かいミルクティがこういうときは一番だ」
黒子「……ありがとうございます」
当麻「いやなんのなんの。上条さんはこれくらいしかお役に立てませんので」
黒子「まったく……恥ずかしい事を平気でやりますのね、あなたは」
当麻「よく言われる。はは」
104 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:27:58.98 ID:o6VTH8so [37/61]
黒子(――ああ)
黒子(この方はこうして平気で他人の領域にずかずかと土足で入ってくるのでしたわね)
黒子(たぶんこの方に自分だけの現実というものはないのでしょうね)
黒子(だってこんなにも、他人のために親身になれる)
黒子(きっと自分だけの現実なんかいらないのでしょう)
黒子(本当に無遠慮で、気の利かない――)
黒子(なんて、優しい方なんでしょうか)
カシュ
107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:35:07.72 ID:o6VTH8so [38/61]
黒子「まったく、甘すぎて嫌になっちゃいますわ」
当麻「え、お前甘いのダメか?」
黒子「いいええ。ただ、甘すぎるのも乙女には毒ですのよ」
黒子「もっとも――乙女はみんな、下が蕩け落ちるような甘いのが好きなんですけれど」
当麻「そういうもんかねえ」
黒子「そういうもんですの。あなたはもう少し乙女心を勉強した方がよろしくてよ?」
当麻「へいへい――ま、上条さん単なる男子高校生ですから? いまいちよく分からないんですがね」
黒子「学ぶ意欲のないものに勉学の門は開いてくれませんのよ」
当麻「努力します」
黒子「はい、よろしい」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:41:25.23 ID:o6VTH8so [39/61]
当麻「お前もそういう顔するんだな」
黒子「え?」
当麻「だってお前いっつも何かにつけて噛み付いてきてたじゃん」
当麻「最近あんまりないけどさ……丸くなったのか」
黒子「――心境の変化という奴ですわ」
当麻「そういうもんかね」
黒子「そういうもんですの。乙女心は複雑ですの」
当麻「難題すぎる……」
黒子「そう簡単に解けては堪りまったものではありませんのよ」
111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:53:30.15 ID:o6VTH8so [40/61]
黒子「まったく……嫌になっちゃいますわ」
とん
当麻「え、お、白井――」
黒子「少し充電させてくださいまし」
当麻「……」
黒子「少しだけ。ほんの少しだけ。そうしたら……また頑張れますの」
当麻「……少しだけだからな」
黒子「はい……間違ってもお姉さまの物を取るような真似はしませんのよ」
117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 21:02:35.80 ID:o6VTH8so [42/61]
当麻「ただいまー、っと、美琴帰ってたのか」
美琴「お帰りー。ご飯もうすぐできるから」
当麻「おう」
美琴「遅かったわね。どこ行ってたの?」
当麻「んー……ぶらぶらしてたらさ、白井に会って」
美琴「黒子に?」
当麻「そ。んでちょっと駄弁ってた」
美琴「また妙な組み合わせね……」
118 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 21:03:20.63 ID:o6VTH8so [43/61]
当麻「――なあ美琴、白井、何かあったのか?」
美琴「どうしたの急に」
当麻「いや、なんか凄い疲れてたみたいだからさ」
美琴「うーん……思い当たる節はないんだけど……」
当麻「そっか。じゃあ本当に仕事疲れかな」
美琴「珍しいわね、アンタが黒子を心配するなんて……黒子がアンタを心配させるなんて」
当麻「そうか?」
美琴「だってあの子結構プライド高いのよ? なのに弱みを見せるなんて」
当麻「そういえばそうか……どうしたんだろうなー」
美琴「……なーんか妬けちゃうな」
122 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:12:37.42 ID:o6VTH8so [44/61]
黒子「……」
黒子「…………」
黒子「眠れませんわ……」
黒子「ちょっと外の空気吸ってきましょう……」
124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:13:46.22 ID:o6VTH8so [45/61]
黒子「はあ……」
黒子「最近なかなか寝付けませんわね……」
黒子「原因は分かりきってるのですが……」
黒子「……」
黒子「わたくしも人の事を言えませんわね。相当に天邪鬼ですの」
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:23:52.23 ID:o6VTH8so [46/61]
黒子「そういえばお姉さまもこうして夜中に外に出て物思いに耽っていらした事がありましたっけ」
黒子「あれは……去年の夏の事でしたっけ」
黒子「あの時は……そう、わたくしが偉そうな事言って、発破をかけたんでしたわね」
黒子「素直になれない、と自分でも分かってらっしゃるのでは――ですか」
黒子「素直になれたなら……どれだけ楽か」
黒子「もうとっくに先を越されてしまってますのに」
黒子「――独りでいるのは、寒いですわね」
黒子「風邪、ひいてしまいそうですの」
127 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:33:11.64 ID:o6VTH8so [47/61]
黒子「おはようございます……」
飾利「あ、白井さんおはようございます……ってどうしたんですか!?」
黒子「何がですのー……」
飾利「なんか凄い顔色悪いですよ!?」
黒子「ちょっと最近寝不足でして……まあ仕事には差し支えないのでお気になさらず」
飾利「だめですよ! そんな体調でされてもこっちが迷惑ですから、ちょっと休んでてください」
黒子「……ごめんなさいね、初春。不出来な同僚で」
飾利「いいえ。ちょっと待っててください、何か飲み物を淹れますから」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:49:06.07 ID:o6VTH8so [48/61]
飾利「はい、どうぞ」
黒子「ホットミルク……ですの?」
飾利「はい、それにシナモンと黒砂糖と、バニラエッセンスを少々」
黒子「ん――美味しい。それに、甘くて暖かい」
飾利「寒い日はこれが一番ですよ」
黒子「ごめんなさいね、初春。迷惑ばかりかけてしまって」
飾利「そんなことないですよ。こういう迷惑なら大歓迎です」
飾利「だって、白井さんは私の大切なお友達ですから」
黒子「……まったく、光栄な事ですわね」
130 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 22:02:15.71 ID:o6VTH8so [49/61]
飾利「どうしたんです? 悩み事ですか?」
黒子「まあ……そうとも言えますわね」
飾利「? なんか切れが悪いですね……私でよければ相談に乗りますけど」
黒子「初春も相当にお人好しですのね」
飾利「そうですかねぇ。普通だと思うんですけど」
黒子「……どうしてそこまで親身になれるんですの」
飾利「言ったじゃないですか。白井さんは私の大切なお友達ですから」
黒子「――あなたも、あの方と同じ部類ですの」
飾利「え?」
黒子「もっとも、レベルが違いますけれど」
131 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 22:13:41.94 ID:o6VTH8so [50/61]
ぎゅ――
飾利「え、あの、白井さん」
黒子「……ごめんなさい、ありがとう」
飾利「白井さん……泣いてるんですか……?」
黒子「嬉し泣きですわ。そういう事にしてくださいまし」
飾利「……」
黒子「ありがとう、初春」
黒子「わたくしは幸せ者ですわ。こんな素敵な方が、お友達なんですもの」
飾利「白井、さん」
黒子「でもごめんなさい、初春」
黒子「こればかりは誰にも――たとえあなたであっても、言えませんの――!」
145 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 22:49:36.09 ID:rLw2YKco [4/5]
愛人でもいいと女の子が上条にいいよってきまくる
そしてしっとで電撃飛ばす美琴
語尾はだっちゃ
149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 23:12:41.01 ID:o6VTH8so [56/61]
美琴「……国に帰ったんじゃ」
禁書「とーまに会いたくて逃げてきたんだよ!」
当麻「」
美琴「当麻はあたしの彼氏なんだから。渡さないわよ」
禁書「もうこの際愛人でもなんでもいいんだよ!」
美琴「なりふり構わないってわけね……」
禁書「とうま、最初に会ったときのこと覚えてる?」
禁書「むりやり私の服をビリビリにして……恥ずかしかったんだよ」
美琴「……ほう」
当麻「え、えーと……」
美琴「ちょっと詳しく聞こうじゃない……え? 当麻?」
当麻「そのですね、色々と事情がございまして……」
美琴「とりあえず言い訳は?」
当麻「記憶にございません」
美琴「――――死ねえっ!」
当麻「うおおお!? 美琴、それマジで死ねるから! 彼氏に向ける威力じゃねえから!」
美琴「アンタを殺してあたしも死ぬー!!」
ぽん
ステイル「帰ろう、な?」
禁書「ううう……」
155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 23:17:23.59 ID:6jqPrrI0 [2/2]
甘噛み
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 23:40:10.58 ID:o6VTH8so [59/61]
美琴「当麻ー、お風呂開いたわよー……って」
美琴「あーあ、こんなとこで寝ちゃって」
美琴「風邪引いても知らないわよー」
美琴「……」
美琴「おーい」
美琴「……」
美琴「当麻ー」
美琴「……」
美琴「あ、あんまり無防備に寝てると悪い狼さんに食べられちゃうわよー」
美琴「……」
美琴「お、起きない……」
美琴「……」
美琴「……」
かぷ
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 23:46:37.48 ID:o6VTH8so [60/61]
当麻「うーん……」
美琴「どうしたの? 充電器は黙ってなさいよ」
当麻「……いや、その」
むに
美琴「……どこ触ってんのよアンタ」
当麻「いやー、前より大きくなった気がして、目の錯覚じゃないかと思って思わず右手が勝手に」
美琴「……」
がぶ
当麻「痛ぇっ!?」
美琴「……ふぁれのへいよ、ふぁかほうま」
169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 23:58:02.71 ID:o6VTH8so [61/61]
美琴「じゅーでんちゅー」
当麻「……」
はむ
美琴「ぴぃ!?」
当麻「う、あ、すまん」
美琴「いいいきなり何すんのよ!?」
当麻「なんかこう……耳が可愛かったから、思わず」
美琴「可愛かったら思わず噛むのかアンタは!」
当麻「……ライオンがウサギを食べるときもこんな感じなのかな」
美琴「――」
がぶ
当麻「いでぇっ!?」
美琴「アンタ、ライオンってガラじゃないでしょうに」
当麻「まあそうだけどさ……」
美琴「それにね、女の子は噛み付かれるよりもこっちの方が好きなのよ?」
「」
180 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 00:09:15.03 ID:HxdMGrEo [2/4]
二人でトラブルに首を突っ込む。
最終的に、二人で黒子に怒られる。
186 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 00:28:43.68 ID:Hu/XHzYo [2/129]
当麻「せんせー、なんでかみじょーさんがせーざさせられてんですかー」
黒子「面倒事には首を突っ込まないでくださいませと申しておりますのに!」
美琴「いやほら、いきなり『助けてください!』とかそんな映画みたいな言われちゃあ……ねえ?」
黒子「お姉さまもお姉さまですの!」
黒子「いくらレベル5とはいえ一般生徒なんですから自重してくださいまし」
美琴「でも……」
黒子「デモもストもございませんの!」
黒子「たまにはわたくしにも活躍させてくださいな。美味しいところ全部掻っ攫われては風紀委員の立つ瀬がありませんのよ」
当麻「面目ない……」
美琴「しゅん……」
187 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 00:35:09.98 ID:Hu/XHzYo [3/129]
黒子(……おや?)
黒子(よく考えたらこうやってお二人をまとめて叱るなんて初めてじゃありませんの?)
黒子(……お二人、まとめて?)
黒子(……はっ!)
黒子「これですわ!」
当麻「はい?」
黒子「散々言っても直りませんので、もうとやかく言わないことにしますの」
美琴「え?」
黒子「その代わり、今度からちゃんと黒子も巻き込んでくださいませ」
黒子「一人は、その……寂しいんですのよ?」
195 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 00:42:26.55 ID:c3LtZAAO [1/24]
不幸により御坂妹に抱きついてしまう
それを美琴に見られ修羅場
207 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:05:56.77 ID:Hu/XHzYo [8/129]
当麻「おーっと何もないところでいきなり転んだーっ!」
10032「これは大胆、と、ミサカは押し倒されます」
美琴「説明しながらすっころぶとは……ずいぶんと余裕ね当麻?」
当麻「いやこれは! いつもの不幸イベントでして!」
10032「乙女の胸を鷲掴みにしながら不幸とは聞き捨てなりません、と、ミサカは平然と反論します」
当麻「うおすまん! ……あれ? これは……」
10032「なんでしょう、と、ミサカは聞き返します」
当麻「……やっぱり美琴の方が……大きい?」
美琴「っっっっ!? 何言ってんのよバカ!!」
当麻「いやー、やっぱりアレか、毎日もんd」
美琴「それ以上言ったら! 電離させるわよ!!」
10032「……」
10032「さあどうぞ、思う存分揉みしだいてください、と、ミサカはおねだりします」
当麻「」
美琴「」
10032「おや、滑りましたか、と、ミサカは首を傾げます」
212 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 02:12:02.29 ID:C791HTQo [6/17]
もっと平和的にいこうぜー
当麻の家で御坂妹も交えて3人で食事とか
216 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:31:44.85 ID:Hu/XHzYo [11/129]
10032「八宝菜、ですか、と、ミサカは見たままを口にします」
美琴「実際は十宝菜よ。ま、もっとも八ってのはたくさんって意味だけど」
当麻「嘘八百とか?」
美琴「八百屋とか八重桜とか。まあ他にも色々あるけど」
当麻「勉強になるなぁ」
美琴「これくらい常識でしょ……」
10032「ただの食事風景にしては随分と脳を使う会話ですね、と、ミサカは感想を述べます」
美琴「ま、めんどくさい会話はやめにして食べましょ」
一同『いただきまーす』、と、ミサカは手を合わせます」
217 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:38:16.55 ID:Hu/XHzYo [12/129]
当麻「うん、美味い」
美琴「アンタそれしか言わないじゃん……」
当麻「いやだって、本当に美味いし」
美琴「そ、ありがと」
10032「完全にミサカは枠の外ですね、と、呟きま――」
美琴「どしたの?」
10032「お姉さま、これは……、と、ミサカは黒いぷるぷるしたものをつまんで見せます」
美琴「キクラゲじゃない」
10032「なんと、やはりそうでしたか、と、ミサカはお姉さまを恐怖の対象に認定します」
美琴「……?」
10032「これはペンギンの肉だとネットワークには登録されてます、と、ミサカは恐る恐る言います」
美琴「だれがとうろくした」
10032「打ち止めですが、と、ミサカは当然の事を言います」
美琴「やっぱりあそこか! 子供に嘘教えるんじゃないわよ!」
219 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:45:19.11 ID:Hu/XHzYo [13/129]
当麻「あー、満腹。ごちそーさま」
美琴「お粗末様。はいお茶」
当麻「さんきゅー」
10032「――お姉さまは料理がお上手ですね、と、ミサカは尊敬の眼差しで見ます」
美琴「んー……まあ誰かが美味しいって言ってくれるとね、作る方としても気合入れちゃうのよ」
10032「その感覚はなんとなく理解できそうな気がします、と、ミサカは頷きます」
美琴「でもこれくらいは簡単よ? アンタもやってみる?」
10032「……はい、是非に、と、ミサカは新たな趣味を見つけようと頑張ります」
220 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:46:28.42 ID:Hu/XHzYo [14/129]
御坂妹はきっとゲテモノ料理人になる
さーて、安価終了して暗いモードに入るよー
224 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:59:10.35 ID:Hu/XHzYo [15/129]
当麻「お、よう白井」
黒子「ごきげんよう、上条さん」
当麻「どうした、またお疲れモードか?」
黒子「そうでもないですわ。お気遣いありがとうございます」
当麻「なんか最近よくここにいるな」
黒子「――ちょっと思うところがありまして」
当麻「ふーん?」
黒子「……我ながら随分と浅ましいですわね」
当麻「ん? すまんよく聞こえなかった」
黒子「なんでもありませんの。きっと猫の鳴き声ですわ」
225 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:03:44.62 ID:Hu/XHzYo [16/129]
黒子(こんな待ち伏せみたいな事をして……わたくし、嫌な女ですわね)
黒子(お二人の学校が違うから、どこか別のところで合流しない限り基本的にそのまま帰宅)
黒子(そして……上条さんは帰り道によくこの公園に立ち寄りますの)
黒子(その場合、確実にお一人で)
黒子(それを期待して、わたくしは――)
黒子(まったく、この方もつくづく不幸ですわね)
黒子(黒猫は不幸を運ぶとやら言いますが――)
黒子(こんな泥棒猫に懐かれましたんですもの)
227 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:16:15.24 ID:Hu/XHzYo [17/129]
黒子「上条さん、帰らなくてもよろしいんですの」
当麻「んー、まあ、そうなんだけどな。少しくらいぼーっとしてみたいときもあるんだよ」
黒子「能天気ですのねー……」
当麻「天気が一番。ほら、見てみろよ。夕日が綺麗だぜー」
黒子「あらほんと……でもカラスが鳴くから帰りませんと」
当麻「ん、じゃあそこまで――」
黒子「送っていただかなくても結構ですのよ。これでも風紀委員ですの」
黒子「それに、お姉さまの機嫌を損ねるのも嫌でしょう?」
当麻「……ま、そうだわな。んじゃまたな、白井」
黒子「はい、ごめんくださいませ」
228 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:42:25.14 ID:Hu/XHzYo [18/129]
当麻「ただいまー」
美琴「お帰り。また寄り道?」
当麻「んー、ちょっとな。白井に会ったから少し話してた」
美琴「最近仲いいわね」
当麻「なんかなー。態度が丸くなったっていうか……」
美琴「――アレの後からかしら」
当麻「ん?」
美琴「なんでもない。ね、当麻」
当麻「はいはい」
ぎゅ――
229 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:47:23.81 ID:Hu/XHzYo [19/129]
美琴「――ね、当麻」
当麻「なんだよ」
美琴「不器用だからそんな事できないだろうけどさ、実はこれでも結構不安なのよ?」
美琴「アンタしょっちゅうそこらでフラグ立てるんだから」
当麻「……だとしても、俺はお前以外いらねえよ」
美琴「うん。分かってる」
当麻「どこにも逃げやしないから、な」
美琴「うん……好きよ、当麻」
「」
233 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:55:05.70 ID:Hu/XHzYo [20/129]
「ああ……これは確かに、学園都市の科学力をもってしても無理ですわね」
「不治の病、とはよく言ったものですの」
「見えないようでいて、奥深くでずっとくすぶり続けてる」
「……噴火しなければいいのですけど」
「暦の上ではもう春ですのに……随分と寒いんですのね」
「もう――電池が切れてしまいそうですの」
236 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 03:59:54.03 ID:c3LtZAAO [4/24]
お化け屋敷に行き怖がる美琴
屋敷を出たあと必死に強がる
240 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 04:06:59.23 ID:Hu/XHzYo [22/129]
美琴「ぴぃー! ぴぃー!!」
当麻「――いやまあ、嬉し恥ずかしには違いないんだけど」
美琴「ぴぃー!!」
美琴「やっぱり子供だましねあんなの!」
当麻「いやー、結構貴重な体験ができて面白かったぜ」
美琴「そ、そう? よかったわね」
当麻「もっかい行くか?」
美琴「そんなに何度も行くものじゃないでしょ、ああいうのは」
当麻「……ぴぃー」
美琴「っっっ」
当麻「そろそろ腹減ったなー……なんか携帯の電池切れそうだし、どっかその辺の店で充電するか」
美琴「……ぴぃ」
239 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 04:04:26.51 ID:IMViUs2o [1/2]
実は夢じゃなくて現実だった
242 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 04:16:09.39 ID:Hu/XHzYo [23/129]
美琴「っ――! っはぁ、はぁ……夢か」
美琴「いやいや、いくらなんでもそれは早すぎるでしょさすがに」
美琴「でも……当麻はああ言ってくれたし……」
美琴「うー……でもなんか複雑……」
美琴「……ちょっと起きるのはもったいなかったかな」
当麻「どうしたーよ、漢和辞典なんか広げて」
美琴「ちょっとね。べんきょー」
当麻「熱心だねえ」
美琴「アンタも少しは見習いなさいよ」
当麻「んじゃ俺も勉強しますかね」
美琴「そうよー、頑張ってよね」
当麻「へいへい」
美琴「……今度占いの本でも買ってこようかしら」
当麻「乙女だねぇ」
美琴「なんだかんだ言って女の子はそういうの好きなのよ」
247 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 04:34:19.24 ID:Hu/XHzYo [26/129]
美琴「あー、本棚も欲しいわね」
当麻「もう付箋がひどいことになってんですけど……」
美琴「この部屋物がなさすぎるのよ」
当麻「しゃーねぇだろ、貧乏学生なんだし」
美琴「あ、カーテンも替えたいわね」
当麻「聞いてねえよこの人は」
美琴「あ、これ可愛い」
当麻「んー? って子供服じゃねえかこれ」
美琴「いいでしょ。言うだけならタダよ」
当麻「まあそうですけど……」
美琴「打ち止めに買ってあげようかなー……」
打止「――なんか嫌な予感が、ってミサカはミサカは震えてみる」
一方「なンだァ? また妙な電波でも受信したンじゃねェのか?」
打止「なんか体を狙われてる気がするんだよ、ってミサカはミサカは怯えてみる」
一方「――へェ。どこのどいつだか知らねェが、命を粗末にする奴がいるもンだな」
黒子ルート
262 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:14:00.07 ID:Hu/XHzYo [32/129]
当麻「よ」
黒子「あら。また寄り道ですの?」
当麻「いんや、今日はお前目当て」
黒子「――え」
当麻「なーんかずっと悩んでるみたいだしさ」
当麻「俺でよければ話してみろよ。吐き出せば結構楽になるもんだぜ?」
黒子「……お心遣いは嬉しいのですが、あなたに告白するのはできませんの」
当麻「そっか……ま、吐き出したくなったらいつでも言ってくれ」
黒子「はい。もっとも――そんな時が来ないのが一番なんですけれど」
263 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:23:49.60 ID:Hu/XHzYo [33/129]
当麻「まだまだ寒いな」
黒子「そうですわねぇ」
黒子「まあきっと、もう少しの辛抱ですのよ。もう少しすれば寒さも忘れられますわ」
当麻「もうすぐ春だもんな」
黒子「……」
当麻「もうすぐ新年度かー。クラス替えとか面倒だな……」
黒子「仲のいいお友達と違うクラスになると結構嫌ですものね」
当麻「担任もなぁ。また小萌先生だと嬉しいんだけど……」
264 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:27:25.66 ID:Hu/XHzYo [34/129]
当麻「そういえばぜんぜん話聞かないけどさ……黒子のクラスはどんな感じなんだ?」
黒子「――今、なんと」
当麻「ん? 学校の話聞かないからさ、どんなもんなのかなーと思って」
黒子「そうではなく、今、わたくしの事を……」
当麻「ああ、いつまでも『白井』じゃ他人行儀かと思ったんだが」
当麻「すまん、嫌だったか……って」
黒子「え――あ、あれ、わたくしなんで」
当麻「す、すまん! 泣くほど嫌だったか」
黒子「そんな事は決して! ……目に塵でも入ったのかしら」
当麻「大丈夫か?」
黒子「――いえ、でもやはり、今まで通り白井でお願いしますわ」
黒子「そのお気持ちだけで十分ですの」
265 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:36:49.73 ID:Hu/XHzYo [35/129]
黒子「あれ……おかしいですわね……」
黒子「止まりませんの……」
当麻「白井……」
黒子「申し訳ありませんけど、少しむこうを向いていてくれませんか」
黒子「あまり……涙を見られたくはありませんの」
当麻「あ、すまん、悪い」
黒子「……」
当麻「……」
黒子「……っ、……」
当麻「……あー、その、なんだ」
当麻「ちょうどいいから全部吐き出しちまえ。言わなくてもいいからさ」
当麻「泣けば結構、すっきりするぞ」
267 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:40:36.40 ID:Hu/XHzYo [36/129]
黒子「……そうですわね。そうさせて、いただきますわ」
ぎゅ――
当麻「え……」
黒子「そのままむこうを向いててくださいまし」
黒子「それと……少しの間、背中を貸してくださいな」
当麻「……ああ。好きなだけ使え」
黒子「感謝しますわ」
当麻「……」
黒子「――、っは、ぅぁ――!」
269 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:54:10.04 ID:Hu/XHzYo [37/129]
黒子「――申し訳ありません、とんだ醜態を見せてしまいましたの」
当麻「……もう、大丈夫か」
黒子「はい」
当麻「少しはすっきりしたか」
黒子「はい。ありがとうございます」
当麻「ならよかった。よし、んじゃ飯でも食ってくか」
黒子「……はい?」
当麻「泣くって結構疲れるんだよ。疲れた時は美味いもんでも食ってゆっくり寝るのが一番」
当麻「……あ、もしもし美琴? すまん飯多めに頼むわ。白井連れてくから」
当麻「へいへい、分かりましたよ。んじゃそういう事で」
黒子「ちょ、ちょっと上条さん!」
当麻「飯は大勢で食った方が美味いだろ? ほら立った立った」
ぐいっ
黒子「――逃がすつもりはなさそうですのね」
当麻「ま、馬に蹴られたとでも思って諦めてくれ」
黒子「それを言うなら犬に噛まれた、でしょうに」
当麻「細かいことは気にすんなって」
黒子「もっとも……馬に蹴られてしまえばどれだけ楽か」
当麻「ん?」
黒子「なんでもありませんのよ。さ、行きましょう」
270 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:03:33.72 ID:Hu/XHzYo [38/129]
美琴「おかえり。急に言われてもろくなものがないわよ」
当麻「とか言いながらちゃんと作ってくれてるじゃねえか」
美琴「まあアンタのその急な発言は今に始まったことじゃないし。慣れもするわよ」
黒子「お邪魔しますの。すみませんお姉さま、急に押しかけて」
美琴「いいっていいって。またこのバカがむりやり引っ張ってきたんでしょ」
当麻「間違っちゃいないが……」
美琴「ほら、手洗ってきなさい。お腹空いたでしょ」
当麻「へいへい……」
美琴「……あれ、黒子、アンタ」
黒子「なんですの?」
美琴「目、赤いわよ。もしかしてあのバカになんかされた?」
黒子「いえ、ただ目に塵が入ってしまっただけですわ」
美琴「……そ。あんまり擦っちゃダメよ? ついでに目も洗ってきなさい」
黒子「ええ、そうさせていただきますの」
271 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:08:48.53 ID:Hu/XHzYo [39/129]
当麻「お、鍋かー」
美琴「みんなでつつくって言ったらやっぱりこれでしょ」
美琴「冷蔵庫の余り物も適当に入れられるし、結構便利よこれ」
黒子「そうですわね。まだ寒いですし……これがちょうどいいですわ」
美琴「ま、細かいことはいいからあんまり煮えすぎないうちに食べましょ」
273 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:29:11.65 ID:Hu/XHzYo [40/129]
「暖かいですわね」
「やっぱり鍋はいいなー」
「こら、アンタお肉ばっかりじゃなくて野菜もちゃんと食べなさいよ」
「お姉さまのおっしゃるとおりですわ。バランスが悪うございましてよ」
「はいはい……くそ、なんでこんなに結束力が強いんだよ」
「当然でございましてよ。お姉さまが白と言えばカラスも白くなりますもの」
「お前裁判官だけは絶対やめとけよ……」
「あら、司法家もいいですわね」
「勘弁してくれ……」
「冗談ですのよ。どちらかといえば弁護士の方がいいですわね」
「それはそれでどんな事件でも無罪にしそうで怖い……」
「ほらほら、お喋りもいいけどちゃんと食べなさい。残しちゃイヤよ?」
276 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:43:07.01 ID:Hu/XHzYo [41/129]
美琴「ごめんね、洗い物まで手伝ってもらっちゃって」
黒子「ご馳走になったんですからこれくらいはしませんと」
美琴「……ねえ黒子」
黒子「はい。なんですの」
美琴「……ごめん。なんでもない」
当麻「あー、腹いっぱい。余は満足じゃー」
美琴「食べてすぐ寝ると牛になるわよ」
当麻「食って寝てできるなら牛でもいいー……」
美琴「その時はバラして美味しくいただいてあげるわ」
黒子「――あら、もうこんな時間ですの。そろそろお暇しませんと」
美琴「もう少しゆっくりしてけばいいのに……って門限か」
黒子「ですの。ごめんあそばせ」
美琴「うん。またね、黒子。おやすみ」
黒子「はい。おやすみなさいませ」
278 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:46:44.85 ID:Hu/XHzYo [42/129]
美琴「……ね、当麻」
当麻「んー?」
美琴「好き。大好き。愛してる」
当麻「知ってるよ」
美琴「……さっき言ったの、本当よ?」
当麻「え?」
美琴「アンタのこと、食べちゃいたいくらい好き」
「」
280 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:50:47.42 ID:Hu/XHzYo [43/129]
「やっぱり外は冷えますわね……」
「部屋の中にいましたもの。余計に寒く感じますわ」
「……ああ、せっかく温まりましたのに。どんどん冷えていきますの」
「でも、やっぱりあそこはわたくしには暖かすぎますわね」
「わたくしにはこれくらいがちょうどいいんですの――」
290 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 08:45:41.27 ID:/lNdHQY0 [10/12]
朝、二人とも寝坊遅刻しそうになって美琴は作り忘れて当麻はなりふりかまってられず慌てて出る。常磐台中学がたまたま休みな美琴は昼休みのちょうどいい時間に弁当作って持って行く。
学校の立ち入り許可をもらった美琴は一緒に昼を過ごす事に。あ、寒いけどそこはほら、ね。もちろんあーんだったり食べ終わった後のじゅーでんもあったり甘々で過ごす。が、もちろんクラスメイトに見られててってここまで書かなくても書いてくれそうだよね。
297 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 09:26:50.88 ID:Hu/XHzYo [47/129]
当麻「あーちくしょう時間がー!」
美琴「ご、ごめんね。お弁当作ってる暇が……」
当麻「いいっていいって。適当になんとかするわ」
美琴「あたしだけ休みで悪いわね……」
当麻「ま、たまにはこんな日もあるさ」
当麻「うし、じゃ行ってくる」
美琴「あ、ちょっと、忘れ物」
当麻「ん?」
美琴「ん」
当麻「……あー、わり」
「」
美琴「あーあ、もう少し早く起きてれば作ってあげられたのにな」
美琴「っていまさら言っても遅いか……遅い?」
美琴「……今から作れば間に合うじゃん」
298 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 09:31:35.90 ID:Hu/XHzYo [48/129]
当麻「っはー、終わったー」
当麻「おーい、飯行こうぜー」
青髪「どないしたん。今日は愛妻弁当はなしですか」
当麻「珍しく寝坊しちまってな……」
当麻「ってわけだ。土御門ー、学食行こうぜー」
元春「いーや、その必要はないみたいだぜぃ?」
美琴「ど、どもー……」
299 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 09:43:25.14 ID:Hu/XHzYo [49/129]
青髪「なんか悪いなー。ボクらまでご相伴に与って」
美琴「そんな、別にいいですよー。どうせこうなると思って多めに作ってきましたし」
元春「しっかし美琴ちゃん料理上手いにゃー。カミやん羨ましいぜぃ」
美琴「これくらいちょっと練習すれば誰でもできますって」
青髪「そのちょっとの練習が男どもにはできんのよ。いやー、やっぱり女の子の手料理ってのはええもんやなー」
当麻「いやほんと、美琴さまさまですわ」
美琴「あ、当麻おべんと付いてる」
つい、ぱく
元春「」
青髪「」
当麻「お、すまん……ってどうした?」
青髪「……このエロゲー野郎!」
当麻「はい?」
300 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:05:03.41 ID:Hu/XHzYo [50/129]
当麻「ああ! テメエ土御門! その唐揚げは俺が狙ってたのに!」
元春「こんな美味いものほっとくのが悪いんだぜぃ。世界は常に弱肉強食」
美琴「唐揚げ一つでケンカしないの。ほら、あたしのあげるから。あーん」
当麻「うう、美琴の優しさが胸に沁みるぜ……あれ?」
青髪「ああ、カミやんの前では人間とはかくも無力なものなのか! 助けて雷神さまー!」
元春「それ当の嫁さんだぜぃ」
青髪「絶望したー!」
当麻「ふぅ、ごちそーさん」
美琴「はい、おそまつさま」
元春「いやー美味かった美味かった」
美琴「当麻、じゅーでんー」
当麻「へいへい」
元春「さって、んじゃちょっと便所に……」
青髪「」
美琴「――って何ナチュラルにやってんのよ!」
当麻「俺も余りに自然すぎたからついやったけど言い出したのはお前だ!」
元春「余りに自然すぎてスルーしちまったぜぃ……」
青髪「あえてもう一度言おう、このエロゲー野郎!」
制理「ふふふ……ホームルームの後に時間貰えるように先生に言ってこないと」
秋沙「結構このパターン多いのに。あの二人全然こりない」
秋沙「あと。なんだかんだで出番多くて嬉しいの……」
295 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 09:12:13.70 ID:C791HTQo [14/17]
デート中ショーウィンドウに飾られたウェディングドレスを美琴が見つけて妄想爆発
その事に気づいた当麻も少し照れるが珍しく空気を読み、そして…
303 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:18:51.24 ID:Hu/XHzYo [52/129]
美琴「あ――」
当麻「げ……なんかあまり思い出したくない記憶が」
美琴「言わない。それは言わないで」
当麻「はい……」
美琴(ウェディングドレスかー……)
美琴(綺麗だなぁ……なんかもうこれだけで一つの芸術よね)
美琴(……あたしもこれ着れるかな)
美琴(これを着て……それで……)
美琴(……ぁぅぁぅ)
美琴(それまでには……これが似合うようになってるといいな)
当麻「美琴……ええとだな、早くしないと映画始まっちまうから」
美琴「はいはい。まったく、アンタはほんと女心が分からないわね」
当麻「……そのうち、な」
美琴「……ん」
黒子ルート
310 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:39:20.30 ID:Hu/XHzYo [55/129]
当麻「……あれ」
当麻「今日はいないんだな、あいつ」
当麻「ま、いつもいつもいるわけでもないか……ん?」
当麻「これ……何も書いてないけど、もしかして俺にか?」
当麻「――ぁ」
当麻「くそ、やっぱり今日じゃねえか」
当麻「……ま、さすがに毒は入ってねえだろ。たぶん」
ぱく
当麻「う」
当麻「何考えてんだあいつ」
当麻「くそ……甘いのが好きとか言ってたってのに……」
当麻「めちゃくちゃ苦いじゃねえか……」
311 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:44:32.83 ID:Hu/XHzYo [56/129]
美琴「お帰りー。どう? 誰かから貰えた?」
当麻「んなわけねーだろ。誰からも貰ってはねーよ」
美琴「アンタなんだかんだで結構貰えそうなのにね。義理だけど」
当麻「ま、本命が貰えりゃそれで十分だよ」
美琴「当然でしょ。不満だってなら怒るわよ」
312 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:52:18.07 ID:Hu/XHzYo [57/129]
「我ながら分の悪い賭けに出たものですわね」
「でも……こうでもしないと渡せませんもの」
「まさか面と向かって言えるはずもないですし」
「これに関しては……嘘をつけるとも思いませんし、つきたくもありませんものね」
「ああ、なぜ今日という日があるんでしょうか」
「感謝もしますが、恨みもしますのよ。もっとも、お会いしたことはないですけど――ウァレンティヌスさん」
315 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:15:52.84 ID:Hu/XHzYo [58/129]
黒子「――あ」
当麻「よ。久しぶりだな……一ヶ月ぶりくらいか」
黒子「そんなに経ちますの? わたくしはてっきり、もっと短いものかと」
当麻「ちょうど一ヶ月だろ」
黒子「……そうですの」
黒子「申し訳ありませんわね。つもる話もございましょうけれど、わたくし野暮用がございますの」
当麻「あああちょっと待て」
黒子「なんですの。わたくし急いでおりますのに」
当麻「待て待て、すぐ済む……あったあった」
316 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:21:55.23 ID:Hu/XHzYo [59/129]
黒子「――なんですの、これは」
当麻「既製品で悪いけどさ、ほら、今日ってあれだろ?」
黒子「渡す相手を間違えてませんこと? わたくし、そんなものをいただく覚えはございませんの」
当麻「……別に覚えがなくてもいいだろ。ほら」
黒子「まったく、押し付けがましいとはこの事ですの」
当麻「別に減るもんじゃねえだろ」
黒子「増えはしますのよ。いらぬ所が」
当麻「いらなかったら捨ててくれりゃいいよ」
黒子「そうはいってませんのよ。でも、やっぱり結構ですわ」
当麻「やっぱりこの程度じゃ不満か……」
黒子「――ええ、不満ですわ」
当麻「え、
「」
320 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:29:17.16 ID:Hu/XHzYo [60/129]
「――ごめんなさいね」
「え、お前」
「ああ、まったくもって不器用ですのね……この程度も御せぬとは」
「くろ、こ」
「下の名では呼ばないでくださいと申しましたのに。まあ一ヶ月もすれば忘れてしまいますか」
「すみません。犬に噛まれたとでも思って忘れてくださいませ――当麻さん」
「待て、黒子!」
――ッ
325 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:38:34.00 ID:Hu/XHzYo [61/129]
「もしもし?」
『すまん、今日は遅くなる。もしかしたら帰れないかもしれない』
「どうしたの」
『白井が消えやがった、ああちくしょう! くそ!』
「……で、アンタはそれを探すってのね」
『ああ、すまん、だから――』
「好きにしなさい……でもあたしは手伝わないわよ」
『――分かった』
「じゃね」
ピ
「あーあ。ほんと、妬けちゃうなー」
ピ ピピピ ピ ピピ
「……でも、そんなアンタだから好きになっちゃったんだけどね」
326 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:43:13.33 ID:Hu/XHzYo [62/129]
美琴「――ま、ここじゃアイツは見つけられないか。入ってこれないもんね」
黒子「……」
美琴「どうしたのよ黒子。こんな時間に呼び出したりして」
黒子「……」
美琴「何? なんか悩み事? あたしでよければ相談に乗るけど」
黒子「……」
美琴「アンタにしてはキレが悪いわね……どうしたの?」
黒子「……」
美琴「返事をしなさい白井黒子っ!」
328 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:49:33.18 ID:Hu/XHzYo [63/129]
黒子「――ごめんなさい、お姉さま」
美琴「言い訳はある?」
黒子「わたくし、不器用なもので」
美琴「それだけ?」
黒子「身の程を弁えぬ所業だという事は重々承知しておりますの」
美琴「……で、遺言は?」
黒子「でも――この気持ちはどうしようもありませんの!」
330 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:57:48.84 ID:Hu/XHzYo [64/129]
美琴「本当にどうしようもない?」
黒子「無理ですの」
美琴「他のじゃダメ?」
黒子「無理ですの」
美琴「あたしが頼んでも、ダメ?」
黒子「――、ええ、っ、無理、ですの」
331 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:58:59.73 ID:Hu/XHzYo [65/129]
「ね、黒子」
「あたし、アンタの事は大好きよ」
「元気で、優しくて、ちょっと意地悪で、実は結構我侭な、可愛い妹」
「でも、ごめんね」
「あたし――アイツだけは絶対に渡さない」
332 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:01:41.21 ID:Hu/XHzYo [66/129]
黒子「たとえそれが分かりきっていたとしても……」
黒子「たとえそうだとしても――女には勝負を挑まねばならないときがありますの」
美琴「――いいわ、黒子。アンタの目、醒ましてあげる」
美琴「そのために――まずはアンタのそのふざけた幻想、撃ち抜いてあげる!」
334 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:10:29.95 ID:Hu/XHzYo [67/129]
黒子「ああ……さすがに今度は手加減してくれませんわね」
黒子「でも、わたくしにはもう、こうするしかありませんの」
黒子「爆発してしまったものは止められませんわ」
黒子「それにこの病、死なないと治りませんもの」
黒子「まあわたくしも、そうむざむざとやられるわけにはいきませんのですけど」
黒子「――でも、なんでお姉さまが泣いてますの?」
335 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:25:06.65 ID:Hu/XHzYo [68/129]
美琴「――あたしにも、何がなんだか分からないわよ」
美琴「アンタがなんでアイツを好きになっちゃったのかなんて分からない」
美琴「たとえアンタでも渡せないわ。絶対に、どんなことをしてもそれだけは無理」
美琴「でも、だからって、いくらなんでもひどすぎるでしょ。こんな不幸なことってないわ」
美琴「なんであたしが、可愛い妹に本気の砲口を向けてるのよ」
美琴「ね、こんなのおかしいわよね。きっと嫌なユメよね」
美琴「こんなの、こんな悪い幻想、見たくないよ――」
337 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:33:29.01 ID:Hu/XHzYo [69/129]
「ね、黒子。あたしの目、醒ましてちょうだい」
「お願い――助けて――」
「――かしこまりましたお姉さま」
「元来女の頬は女が叩くものですれば。けれど夢から起こすのは姉の役目でありましょう」
「しかしお姉さまがお望みとあらば不肖この白井黒子、その大役こなしてみせましょう」
「けれど――わたくしの平手は、少しばかり響きますのよ?」
340 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:53:26.44 ID:Hu/XHzYo [70/129]
美琴「……」
黒子「……なんですの」
美琴「いやー……ああは言ったものの……まさかほんとにあたしが黒子に負けるとはねえ」
黒子「大金星ですわね」
美琴「あたしにとっては不名誉な黒星よ……あいたた、こりゃ本気で腫れてるわね」
黒子「ちょっとスナップが利きすぎましたかしら」
美琴「これくらいでちょうどいいわよ……っはー、なんか憑き物が落ちた感じ。すっきりした」
黒子「勝手に暴れて勝手に気を晴らして、まあ身勝手ですのね」
美琴「女ってそういうもんでしょ」
黒子「――確かに。おっしゃる通りですわね」
美琴「ね、黒子。今日久しぶりに寮で寝ていい?」
黒子「……上条さんはよろしいので?」
美琴「いいのよあんな朴念仁」
美琴「こんな可愛い子二人も泣かせちゃって。今日くらいは走り回らせときなさい」
美琴「でね、久しぶりにゆっくり二人でお話しましょ。パジャマ着て布団被って、お菓子片手にゆっくりと」
黒子「何について……?」
美琴「アンタとあたしとあのバカについてよ」
美琴「アンタ知ってた? あたしって結構、欲張りなのよ」
黒子「よーく存じておりますのよ。わたくし、お姉さまのことはなんでも知ってますの」
342 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:56:59.96 ID:Hu/XHzYo [71/129]
"the Imagine Breaker for Dear My Little Sister" is over.
348 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 13:31:21.01 ID:Hu/XHzYo [73/129]
「あー、朝日が黄色いわ……」
「結局徹夜ですのね。ほんと、今日が休みでよかったですわ……あら」
「――はっ、はっ、っは……はぁ?」
「どうしたの当麻、そんな息切らせちゃって」
「それはこっちのセリフだ……なんでお前ら仲良く歩いてんだよ」
「乙女には秘密が多いんですのー。朴念仁には分かりませんわ……っぷ」
「アンタ、その顔……あは、はは、あはははは」
「お姉さま、そんなに笑ったら、あはは、つられてしまいますでしょ、あはははは」
「一体何がどうなってんだ……?」
「……ところでアンタ、ホワイトデーのお返し忘れてたでしょ」
「――あ」
「そういえばわたくしもちゃんといただいてませんわね……っふふ」
「え……」
「よし、んじゃさっさと帰りますかー」
「そうですわねー。ほら、きりきり歩きませ」
「え? ええ? 俺何されるんですかー!?」
「そんなの、ねえ?」
「決まってますわ」
「ね、当麻」
「ねえ、当麻さん」
『じゅーでん』
深夜空腹で起きた上条が冷蔵庫あさってると、隣で寝てた美琴が気づいて一緒にコンビニにへ散歩
26 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:34:13.08 ID:o6VTH8so [8/61]
当麻「……腹減った」
当麻「くそ、まだ3時半じゃねえか……」
当麻「そーっと、そーっと……起きるなよー……」
ガチャ
当麻「あーやっぱり何もねえっすよねー」
当麻「仕方ねえ、コンビニでも行くか……」
美琴「う……どしたの?」
当麻「あー、すまん起こしたか」
美琴「なーに? お腹すいたの?」
当麻「いやー、はは。ちょっとコンビニでも行ってくるわ」
美琴「って、ちょっと待ちなさいよ」
当麻「ん?」
美琴「深夜のデートっていうのもいいでしょ?」
29 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:41:35.51 ID:o6VTH8so [9/61]
美琴「うー、さすがに夜はまだ寒いわねえ」
当麻「だなー。つってももう少ししたらクソ暑くなるんだろうけど」
美琴「……察しなさいよ、バカ」
ぎゅ
当麻「お? おー……すまん」
美琴「勉強が足りないわよ」
当麻「できが悪い生徒ですみません」
ガー
18413「らーしゃっせー、と、ミサカはめんどくさそうに言います」
美琴「」
当麻「」
32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:49:31.62 ID:o6VTH8so [10/61]
美琴「何やってんのアンタ」
18413「コンビニ店員ですが、と、ミサカは驚愕の事実を告白します」
美琴「見たままじゃないのよ!」
当麻「お前18413号だよな? スーパーのレジ打ちはどうしたんだよ」
18413「クビになりました、と、ミサカは面白おかしくその事実を伝えます」
美琴「面白くも可笑しくもないわよ!」
18413「面倒なので詳細は省きますが」
18413「一昨日からここで24時間いるコンビニエントな店員を目指して他のミサカと3交代制で常駐しております、と、ミサカは伝説の店員を志します」
美琴「伝説は伝説でもそれ都市伝説の部類だから!」
18413「レジェンドって言うとかっこいいですよね、と、ミサカは憧れを隠し切れません」
当麻「なんだこの脱力系店員は……」
33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 03:54:19.09 ID:o6VTH8so [11/61]
18413「1026円になります、と、ミサカは合計金額を提示します」
美琴「あれ? ちょっとそれ多いわよ?」
18413「買い忘れがあったようなのですかさず入れておきました」
美琴「?」
ガサガサ――コト
18413「家族計画は慎重に、と、ミサカは頬を赤らめながら忠告します」
美琴「いつまでそのネタ引っ張ってんのよおおお!」
59 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:07:55.82 ID:o6VTH8so [20/61]
なんとなく導入部構想
美琴と当麻がいちゃいちゃしてるの見ててなんか嫉妬心が
お姉さまへの未練はもうないはずですのに、と思ったら今度は上条さんがフラグ立ててました
お姉さまの恋人、しかもよりによって上条さんに惹かれるなんて……と思いつつやきもきする黒子かわゆす
こんなんでどうですか
63 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:49:19.71 ID:o6VTH8so [21/61]
黒子「…………」
黒子「ぎゃあああー」
飾利「どうしたんでしょうか白井さん……」
涙子「またいつもの発作じゃないの?」
飾利「そんなばっさりと言わなくても……」
64 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:52:42.15 ID:o6VTH8so [22/61]
黒子(なんですのなんですのなんですのー!?)
黒子(お姉さまと上条さんの件はもうけじめをつけたというのに)
黒子(なのになんでわたくしはまだ未練たらしく嫉妬していますの――!)
黒子(……それはまあ、お姉さまはわたくしにとってとても大切な方ですけれど)
黒子(わたくしお姉さまの恋路を邪魔するほど野暮ではないつもりですのに)
黒子(お二人がいちゃついてらっしゃるのを見てるのは、それはまあ嫉妬心は湧きますけれど)
黒子(でも、そんなお二人を見るのも好きですのに……)
65 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:16:41.30 ID:o6VTH8so [23/61]
黒子(だというのに、なぜ)
黒子(こんなにも胸が苦しいのでしょう――)
黒子(…………おや?)
黒子(よくよく考えてみれば……そう、お二人がお付き合いを始めた頃のそれとは少し違う気がしますの……)
黒子(一体、いつ頃から変わりましたの?)
黒子(去年……いえ、違いますわね。もっと最近……)
黒子(お姉さまにボロ負けした時よりは……前)
黒子(――よくよく考えると、そもそもなぜわたくしはお姉さまに勝負を吹っかけましたの?)
黒子(上条さんではなく、なぜお姉さまに――?)
黒子(わたくしはなぜお姉さまに……)
黒子「あ」
76 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:42:16.46 ID:o6VTH8so [29/61]
黒子「自分の事ながら……これはまったくの予想外でしたわ」
黒子「なんでよりによって……」
黒子「……確かに、これでは感覚が違って当たり前ですわよね」
黒子「はぁ……よりによってお姉さまに嫉妬していたとは……」
黒子「珍しく本気の超電磁砲が垣間見れたと思ったら……やっぱりそういう事に関しては敏感ですのね」
黒子「まったくもってこれは――そう」
黒子「最悪、ですの」
79 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:05:08.55 ID:o6VTH8so [30/61]
黒子「思えばもう結構長い付き合いですのね」
黒子「お姉さまほどではありませんが……わたくしも、彼の事はよく存じておりますもの」
黒子「まったく、不思議な方ですわね」
黒子「最初は毛嫌いしていたわたくしでさえ、お姉さまに心酔しているわたくしでさえ落としてしまうとは」
黒子「薄っぺらい笑顔でしたのに……気付けば凄く素敵に笑うようになりましたのね」
黒子「確かに、わたくしの知る限りでは、あの方以上に素敵な笑顔をする殿方はおりませんもの」
黒子「……まあ惚れた弱みという奴の美化も入ってるんでしょうけども」
黒子「けれど――」
黒子「その笑顔の先には――必ずお姉さまがいらっしゃるというのに」
80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:09:29.28 ID:o6VTH8so [31/61]
黒子「はぁ……」
黒子「一人部屋って、こんなにも広く感じるんですのね……」
黒子「お姉さま――上条さん――」
黒子「わたくしはどうすればいいんですの……?」
100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:01:07.84 ID:o6VTH8so [34/61]
当麻「お、何やってんだこんなとこで」
黒子「……あなたも。お姉さまは一緒ではないんですの?」
当麻「別に四六時中一緒ってわけじゃ……」
黒子「そうでしたの。わたくしはもうセット物なのかと思ってましたのよ」
当麻「まあそう思われても仕方ないっちゃ仕方ないんだが……」
当麻「なんか用事があるとかでさ。そんなわけで上条さんは一人寂しく公園に黄昏にきたわけですよ」
黒子「そ。ならお仲間ですわね」
当麻「え? お前も?」
黒子「あまり勘違いしないでくださいまし」
黒子「ここのところ風紀委員の方が忙しくて……あまり休めていませんの」
当麻「大変だねぇ」
黒子「まあ好きでやってる事ですからいいのですけど……いかんせん人手が足りませんわね」
黒子「なんだかんだで怪我人も結構な頻度で出ますし、あまりやりたがる方もいませんの」
当麻「んで、その分も含めて白井が頑張ってるってわけだ」
黒子「そういう事。たまにはこうしてぼーっとして肩の力を抜きませんと、もちませんわ」
101 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:11:48.82 ID:o6VTH8so [35/61]
黒子(多忙になれば少しは紛れるかと思いましたのに)
黒子(できる限りお二人とは会わないようにしていれば……はぁ)
黒子(禁断症状というのもうなずけますわね。確かにこれは――逆効果でしたわ)
黒子(とはいえ、自分でもまだ納得できませんの)
黒子(よりによってこの方とは……自分でも信じられませんわ)
黒子(いえ、お姉さまが認めた方ですもの。わたくしもそれなりに評価はしていますが)
黒子(してはいますが……一体こんな唐変木のどこがいいというんでしょう)
103 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:19:34.15 ID:o6VTH8so [36/61]
黒子「……って、おや? 上条さん?」
黒子「人が物思いに耽ってる隙に……レディーを置いて一体どこに行きましたの」
当麻「ん、ほらよ」
黒子「え――」
当麻「頑張ったんだろ? ま、こんなものしか出せないけどさ」
当麻「暖かいミルクティがこういうときは一番だ」
黒子「……ありがとうございます」
当麻「いやなんのなんの。上条さんはこれくらいしかお役に立てませんので」
黒子「まったく……恥ずかしい事を平気でやりますのね、あなたは」
当麻「よく言われる。はは」
104 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:27:58.98 ID:o6VTH8so [37/61]
黒子(――ああ)
黒子(この方はこうして平気で他人の領域にずかずかと土足で入ってくるのでしたわね)
黒子(たぶんこの方に自分だけの現実というものはないのでしょうね)
黒子(だってこんなにも、他人のために親身になれる)
黒子(きっと自分だけの現実なんかいらないのでしょう)
黒子(本当に無遠慮で、気の利かない――)
黒子(なんて、優しい方なんでしょうか)
カシュ
107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:35:07.72 ID:o6VTH8so [38/61]
黒子「まったく、甘すぎて嫌になっちゃいますわ」
当麻「え、お前甘いのダメか?」
黒子「いいええ。ただ、甘すぎるのも乙女には毒ですのよ」
黒子「もっとも――乙女はみんな、下が蕩け落ちるような甘いのが好きなんですけれど」
当麻「そういうもんかねえ」
黒子「そういうもんですの。あなたはもう少し乙女心を勉強した方がよろしくてよ?」
当麻「へいへい――ま、上条さん単なる男子高校生ですから? いまいちよく分からないんですがね」
黒子「学ぶ意欲のないものに勉学の門は開いてくれませんのよ」
当麻「努力します」
黒子「はい、よろしい」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:41:25.23 ID:o6VTH8so [39/61]
当麻「お前もそういう顔するんだな」
黒子「え?」
当麻「だってお前いっつも何かにつけて噛み付いてきてたじゃん」
当麻「最近あんまりないけどさ……丸くなったのか」
黒子「――心境の変化という奴ですわ」
当麻「そういうもんかね」
黒子「そういうもんですの。乙女心は複雑ですの」
当麻「難題すぎる……」
黒子「そう簡単に解けては堪りまったものではありませんのよ」
111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 19:53:30.15 ID:o6VTH8so [40/61]
黒子「まったく……嫌になっちゃいますわ」
とん
当麻「え、お、白井――」
黒子「少し充電させてくださいまし」
当麻「……」
黒子「少しだけ。ほんの少しだけ。そうしたら……また頑張れますの」
当麻「……少しだけだからな」
黒子「はい……間違ってもお姉さまの物を取るような真似はしませんのよ」
117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 21:02:35.80 ID:o6VTH8so [42/61]
当麻「ただいまー、っと、美琴帰ってたのか」
美琴「お帰りー。ご飯もうすぐできるから」
当麻「おう」
美琴「遅かったわね。どこ行ってたの?」
当麻「んー……ぶらぶらしてたらさ、白井に会って」
美琴「黒子に?」
当麻「そ。んでちょっと駄弁ってた」
美琴「また妙な組み合わせね……」
118 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 21:03:20.63 ID:o6VTH8so [43/61]
当麻「――なあ美琴、白井、何かあったのか?」
美琴「どうしたの急に」
当麻「いや、なんか凄い疲れてたみたいだからさ」
美琴「うーん……思い当たる節はないんだけど……」
当麻「そっか。じゃあ本当に仕事疲れかな」
美琴「珍しいわね、アンタが黒子を心配するなんて……黒子がアンタを心配させるなんて」
当麻「そうか?」
美琴「だってあの子結構プライド高いのよ? なのに弱みを見せるなんて」
当麻「そういえばそうか……どうしたんだろうなー」
美琴「……なーんか妬けちゃうな」
122 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:12:37.42 ID:o6VTH8so [44/61]
黒子「……」
黒子「…………」
黒子「眠れませんわ……」
黒子「ちょっと外の空気吸ってきましょう……」
124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:13:46.22 ID:o6VTH8so [45/61]
黒子「はあ……」
黒子「最近なかなか寝付けませんわね……」
黒子「原因は分かりきってるのですが……」
黒子「……」
黒子「わたくしも人の事を言えませんわね。相当に天邪鬼ですの」
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:23:52.23 ID:o6VTH8so [46/61]
黒子「そういえばお姉さまもこうして夜中に外に出て物思いに耽っていらした事がありましたっけ」
黒子「あれは……去年の夏の事でしたっけ」
黒子「あの時は……そう、わたくしが偉そうな事言って、発破をかけたんでしたわね」
黒子「素直になれない、と自分でも分かってらっしゃるのでは――ですか」
黒子「素直になれたなら……どれだけ楽か」
黒子「もうとっくに先を越されてしまってますのに」
黒子「――独りでいるのは、寒いですわね」
黒子「風邪、ひいてしまいそうですの」
127 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:33:11.64 ID:o6VTH8so [47/61]
黒子「おはようございます……」
飾利「あ、白井さんおはようございます……ってどうしたんですか!?」
黒子「何がですのー……」
飾利「なんか凄い顔色悪いですよ!?」
黒子「ちょっと最近寝不足でして……まあ仕事には差し支えないのでお気になさらず」
飾利「だめですよ! そんな体調でされてもこっちが迷惑ですから、ちょっと休んでてください」
黒子「……ごめんなさいね、初春。不出来な同僚で」
飾利「いいえ。ちょっと待っててください、何か飲み物を淹れますから」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:49:06.07 ID:o6VTH8so [48/61]
飾利「はい、どうぞ」
黒子「ホットミルク……ですの?」
飾利「はい、それにシナモンと黒砂糖と、バニラエッセンスを少々」
黒子「ん――美味しい。それに、甘くて暖かい」
飾利「寒い日はこれが一番ですよ」
黒子「ごめんなさいね、初春。迷惑ばかりかけてしまって」
飾利「そんなことないですよ。こういう迷惑なら大歓迎です」
飾利「だって、白井さんは私の大切なお友達ですから」
黒子「……まったく、光栄な事ですわね」
130 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 22:02:15.71 ID:o6VTH8so [49/61]
飾利「どうしたんです? 悩み事ですか?」
黒子「まあ……そうとも言えますわね」
飾利「? なんか切れが悪いですね……私でよければ相談に乗りますけど」
黒子「初春も相当にお人好しですのね」
飾利「そうですかねぇ。普通だと思うんですけど」
黒子「……どうしてそこまで親身になれるんですの」
飾利「言ったじゃないですか。白井さんは私の大切なお友達ですから」
黒子「――あなたも、あの方と同じ部類ですの」
飾利「え?」
黒子「もっとも、レベルが違いますけれど」
131 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 22:13:41.94 ID:o6VTH8so [50/61]
ぎゅ――
飾利「え、あの、白井さん」
黒子「……ごめんなさい、ありがとう」
飾利「白井さん……泣いてるんですか……?」
黒子「嬉し泣きですわ。そういう事にしてくださいまし」
飾利「……」
黒子「ありがとう、初春」
黒子「わたくしは幸せ者ですわ。こんな素敵な方が、お友達なんですもの」
飾利「白井、さん」
黒子「でもごめんなさい、初春」
黒子「こればかりは誰にも――たとえあなたであっても、言えませんの――!」
145 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 22:49:36.09 ID:rLw2YKco [4/5]
愛人でもいいと女の子が上条にいいよってきまくる
そしてしっとで電撃飛ばす美琴
語尾はだっちゃ
149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 23:12:41.01 ID:o6VTH8so [56/61]
美琴「……国に帰ったんじゃ」
禁書「とーまに会いたくて逃げてきたんだよ!」
当麻「」
美琴「当麻はあたしの彼氏なんだから。渡さないわよ」
禁書「もうこの際愛人でもなんでもいいんだよ!」
美琴「なりふり構わないってわけね……」
禁書「とうま、最初に会ったときのこと覚えてる?」
禁書「むりやり私の服をビリビリにして……恥ずかしかったんだよ」
美琴「……ほう」
当麻「え、えーと……」
美琴「ちょっと詳しく聞こうじゃない……え? 当麻?」
当麻「そのですね、色々と事情がございまして……」
美琴「とりあえず言い訳は?」
当麻「記憶にございません」
美琴「――――死ねえっ!」
当麻「うおおお!? 美琴、それマジで死ねるから! 彼氏に向ける威力じゃねえから!」
美琴「アンタを殺してあたしも死ぬー!!」
ぽん
ステイル「帰ろう、な?」
禁書「ううう……」
155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 23:17:23.59 ID:6jqPrrI0 [2/2]
甘噛み
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 23:40:10.58 ID:o6VTH8so [59/61]
美琴「当麻ー、お風呂開いたわよー……って」
美琴「あーあ、こんなとこで寝ちゃって」
美琴「風邪引いても知らないわよー」
美琴「……」
美琴「おーい」
美琴「……」
美琴「当麻ー」
美琴「……」
美琴「あ、あんまり無防備に寝てると悪い狼さんに食べられちゃうわよー」
美琴「……」
美琴「お、起きない……」
美琴「……」
美琴「……」
かぷ
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 23:46:37.48 ID:o6VTH8so [60/61]
当麻「うーん……」
美琴「どうしたの? 充電器は黙ってなさいよ」
当麻「……いや、その」
むに
美琴「……どこ触ってんのよアンタ」
当麻「いやー、前より大きくなった気がして、目の錯覚じゃないかと思って思わず右手が勝手に」
美琴「……」
がぶ
当麻「痛ぇっ!?」
美琴「……ふぁれのへいよ、ふぁかほうま」
169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/11(木) 23:58:02.71 ID:o6VTH8so [61/61]
美琴「じゅーでんちゅー」
当麻「……」
はむ
美琴「ぴぃ!?」
当麻「う、あ、すまん」
美琴「いいいきなり何すんのよ!?」
当麻「なんかこう……耳が可愛かったから、思わず」
美琴「可愛かったら思わず噛むのかアンタは!」
当麻「……ライオンがウサギを食べるときもこんな感じなのかな」
美琴「――」
がぶ
当麻「いでぇっ!?」
美琴「アンタ、ライオンってガラじゃないでしょうに」
当麻「まあそうだけどさ……」
美琴「それにね、女の子は噛み付かれるよりもこっちの方が好きなのよ?」
「」
180 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 00:09:15.03 ID:HxdMGrEo [2/4]
二人でトラブルに首を突っ込む。
最終的に、二人で黒子に怒られる。
186 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 00:28:43.68 ID:Hu/XHzYo [2/129]
当麻「せんせー、なんでかみじょーさんがせーざさせられてんですかー」
黒子「面倒事には首を突っ込まないでくださいませと申しておりますのに!」
美琴「いやほら、いきなり『助けてください!』とかそんな映画みたいな言われちゃあ……ねえ?」
黒子「お姉さまもお姉さまですの!」
黒子「いくらレベル5とはいえ一般生徒なんですから自重してくださいまし」
美琴「でも……」
黒子「デモもストもございませんの!」
黒子「たまにはわたくしにも活躍させてくださいな。美味しいところ全部掻っ攫われては風紀委員の立つ瀬がありませんのよ」
当麻「面目ない……」
美琴「しゅん……」
187 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 00:35:09.98 ID:Hu/XHzYo [3/129]
黒子(……おや?)
黒子(よく考えたらこうやってお二人をまとめて叱るなんて初めてじゃありませんの?)
黒子(……お二人、まとめて?)
黒子(……はっ!)
黒子「これですわ!」
当麻「はい?」
黒子「散々言っても直りませんので、もうとやかく言わないことにしますの」
美琴「え?」
黒子「その代わり、今度からちゃんと黒子も巻き込んでくださいませ」
黒子「一人は、その……寂しいんですのよ?」
195 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 00:42:26.55 ID:c3LtZAAO [1/24]
不幸により御坂妹に抱きついてしまう
それを美琴に見られ修羅場
207 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:05:56.77 ID:Hu/XHzYo [8/129]
当麻「おーっと何もないところでいきなり転んだーっ!」
10032「これは大胆、と、ミサカは押し倒されます」
美琴「説明しながらすっころぶとは……ずいぶんと余裕ね当麻?」
当麻「いやこれは! いつもの不幸イベントでして!」
10032「乙女の胸を鷲掴みにしながら不幸とは聞き捨てなりません、と、ミサカは平然と反論します」
当麻「うおすまん! ……あれ? これは……」
10032「なんでしょう、と、ミサカは聞き返します」
当麻「……やっぱり美琴の方が……大きい?」
美琴「っっっっ!? 何言ってんのよバカ!!」
当麻「いやー、やっぱりアレか、毎日もんd」
美琴「それ以上言ったら! 電離させるわよ!!」
10032「……」
10032「さあどうぞ、思う存分揉みしだいてください、と、ミサカはおねだりします」
当麻「」
美琴「」
10032「おや、滑りましたか、と、ミサカは首を傾げます」
212 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 02:12:02.29 ID:C791HTQo [6/17]
もっと平和的にいこうぜー
当麻の家で御坂妹も交えて3人で食事とか
216 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:31:44.85 ID:Hu/XHzYo [11/129]
10032「八宝菜、ですか、と、ミサカは見たままを口にします」
美琴「実際は十宝菜よ。ま、もっとも八ってのはたくさんって意味だけど」
当麻「嘘八百とか?」
美琴「八百屋とか八重桜とか。まあ他にも色々あるけど」
当麻「勉強になるなぁ」
美琴「これくらい常識でしょ……」
10032「ただの食事風景にしては随分と脳を使う会話ですね、と、ミサカは感想を述べます」
美琴「ま、めんどくさい会話はやめにして食べましょ」
一同『いただきまーす』、と、ミサカは手を合わせます」
217 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:38:16.55 ID:Hu/XHzYo [12/129]
当麻「うん、美味い」
美琴「アンタそれしか言わないじゃん……」
当麻「いやだって、本当に美味いし」
美琴「そ、ありがと」
10032「完全にミサカは枠の外ですね、と、呟きま――」
美琴「どしたの?」
10032「お姉さま、これは……、と、ミサカは黒いぷるぷるしたものをつまんで見せます」
美琴「キクラゲじゃない」
10032「なんと、やはりそうでしたか、と、ミサカはお姉さまを恐怖の対象に認定します」
美琴「……?」
10032「これはペンギンの肉だとネットワークには登録されてます、と、ミサカは恐る恐る言います」
美琴「だれがとうろくした」
10032「打ち止めですが、と、ミサカは当然の事を言います」
美琴「やっぱりあそこか! 子供に嘘教えるんじゃないわよ!」
219 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:45:19.11 ID:Hu/XHzYo [13/129]
当麻「あー、満腹。ごちそーさま」
美琴「お粗末様。はいお茶」
当麻「さんきゅー」
10032「――お姉さまは料理がお上手ですね、と、ミサカは尊敬の眼差しで見ます」
美琴「んー……まあ誰かが美味しいって言ってくれるとね、作る方としても気合入れちゃうのよ」
10032「その感覚はなんとなく理解できそうな気がします、と、ミサカは頷きます」
美琴「でもこれくらいは簡単よ? アンタもやってみる?」
10032「……はい、是非に、と、ミサカは新たな趣味を見つけようと頑張ります」
220 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:46:28.42 ID:Hu/XHzYo [14/129]
御坂妹はきっとゲテモノ料理人になる
さーて、安価終了して暗いモードに入るよー
224 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 02:59:10.35 ID:Hu/XHzYo [15/129]
当麻「お、よう白井」
黒子「ごきげんよう、上条さん」
当麻「どうした、またお疲れモードか?」
黒子「そうでもないですわ。お気遣いありがとうございます」
当麻「なんか最近よくここにいるな」
黒子「――ちょっと思うところがありまして」
当麻「ふーん?」
黒子「……我ながら随分と浅ましいですわね」
当麻「ん? すまんよく聞こえなかった」
黒子「なんでもありませんの。きっと猫の鳴き声ですわ」
225 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:03:44.62 ID:Hu/XHzYo [16/129]
黒子(こんな待ち伏せみたいな事をして……わたくし、嫌な女ですわね)
黒子(お二人の学校が違うから、どこか別のところで合流しない限り基本的にそのまま帰宅)
黒子(そして……上条さんは帰り道によくこの公園に立ち寄りますの)
黒子(その場合、確実にお一人で)
黒子(それを期待して、わたくしは――)
黒子(まったく、この方もつくづく不幸ですわね)
黒子(黒猫は不幸を運ぶとやら言いますが――)
黒子(こんな泥棒猫に懐かれましたんですもの)
227 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:16:15.24 ID:Hu/XHzYo [17/129]
黒子「上条さん、帰らなくてもよろしいんですの」
当麻「んー、まあ、そうなんだけどな。少しくらいぼーっとしてみたいときもあるんだよ」
黒子「能天気ですのねー……」
当麻「天気が一番。ほら、見てみろよ。夕日が綺麗だぜー」
黒子「あらほんと……でもカラスが鳴くから帰りませんと」
当麻「ん、じゃあそこまで――」
黒子「送っていただかなくても結構ですのよ。これでも風紀委員ですの」
黒子「それに、お姉さまの機嫌を損ねるのも嫌でしょう?」
当麻「……ま、そうだわな。んじゃまたな、白井」
黒子「はい、ごめんくださいませ」
228 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:42:25.14 ID:Hu/XHzYo [18/129]
当麻「ただいまー」
美琴「お帰り。また寄り道?」
当麻「んー、ちょっとな。白井に会ったから少し話してた」
美琴「最近仲いいわね」
当麻「なんかなー。態度が丸くなったっていうか……」
美琴「――アレの後からかしら」
当麻「ん?」
美琴「なんでもない。ね、当麻」
当麻「はいはい」
ぎゅ――
229 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:47:23.81 ID:Hu/XHzYo [19/129]
美琴「――ね、当麻」
当麻「なんだよ」
美琴「不器用だからそんな事できないだろうけどさ、実はこれでも結構不安なのよ?」
美琴「アンタしょっちゅうそこらでフラグ立てるんだから」
当麻「……だとしても、俺はお前以外いらねえよ」
美琴「うん。分かってる」
当麻「どこにも逃げやしないから、な」
美琴「うん……好きよ、当麻」
「」
233 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 03:55:05.70 ID:Hu/XHzYo [20/129]
「ああ……これは確かに、学園都市の科学力をもってしても無理ですわね」
「不治の病、とはよく言ったものですの」
「見えないようでいて、奥深くでずっとくすぶり続けてる」
「……噴火しなければいいのですけど」
「暦の上ではもう春ですのに……随分と寒いんですのね」
「もう――電池が切れてしまいそうですの」
236 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 03:59:54.03 ID:c3LtZAAO [4/24]
お化け屋敷に行き怖がる美琴
屋敷を出たあと必死に強がる
240 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 04:06:59.23 ID:Hu/XHzYo [22/129]
美琴「ぴぃー! ぴぃー!!」
当麻「――いやまあ、嬉し恥ずかしには違いないんだけど」
美琴「ぴぃー!!」
美琴「やっぱり子供だましねあんなの!」
当麻「いやー、結構貴重な体験ができて面白かったぜ」
美琴「そ、そう? よかったわね」
当麻「もっかい行くか?」
美琴「そんなに何度も行くものじゃないでしょ、ああいうのは」
当麻「……ぴぃー」
美琴「っっっ」
当麻「そろそろ腹減ったなー……なんか携帯の電池切れそうだし、どっかその辺の店で充電するか」
美琴「……ぴぃ」
239 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 04:04:26.51 ID:IMViUs2o [1/2]
実は夢じゃなくて現実だった
242 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 04:16:09.39 ID:Hu/XHzYo [23/129]
美琴「っ――! っはぁ、はぁ……夢か」
美琴「いやいや、いくらなんでもそれは早すぎるでしょさすがに」
美琴「でも……当麻はああ言ってくれたし……」
美琴「うー……でもなんか複雑……」
美琴「……ちょっと起きるのはもったいなかったかな」
当麻「どうしたーよ、漢和辞典なんか広げて」
美琴「ちょっとね。べんきょー」
当麻「熱心だねえ」
美琴「アンタも少しは見習いなさいよ」
当麻「んじゃ俺も勉強しますかね」
美琴「そうよー、頑張ってよね」
当麻「へいへい」
美琴「……今度占いの本でも買ってこようかしら」
当麻「乙女だねぇ」
美琴「なんだかんだ言って女の子はそういうの好きなのよ」
247 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 04:34:19.24 ID:Hu/XHzYo [26/129]
美琴「あー、本棚も欲しいわね」
当麻「もう付箋がひどいことになってんですけど……」
美琴「この部屋物がなさすぎるのよ」
当麻「しゃーねぇだろ、貧乏学生なんだし」
美琴「あ、カーテンも替えたいわね」
当麻「聞いてねえよこの人は」
美琴「あ、これ可愛い」
当麻「んー? って子供服じゃねえかこれ」
美琴「いいでしょ。言うだけならタダよ」
当麻「まあそうですけど……」
美琴「打ち止めに買ってあげようかなー……」
打止「――なんか嫌な予感が、ってミサカはミサカは震えてみる」
一方「なンだァ? また妙な電波でも受信したンじゃねェのか?」
打止「なんか体を狙われてる気がするんだよ、ってミサカはミサカは怯えてみる」
一方「――へェ。どこのどいつだか知らねェが、命を粗末にする奴がいるもンだな」
黒子ルート
262 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:14:00.07 ID:Hu/XHzYo [32/129]
当麻「よ」
黒子「あら。また寄り道ですの?」
当麻「いんや、今日はお前目当て」
黒子「――え」
当麻「なーんかずっと悩んでるみたいだしさ」
当麻「俺でよければ話してみろよ。吐き出せば結構楽になるもんだぜ?」
黒子「……お心遣いは嬉しいのですが、あなたに告白するのはできませんの」
当麻「そっか……ま、吐き出したくなったらいつでも言ってくれ」
黒子「はい。もっとも――そんな時が来ないのが一番なんですけれど」
263 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:23:49.60 ID:Hu/XHzYo [33/129]
当麻「まだまだ寒いな」
黒子「そうですわねぇ」
黒子「まあきっと、もう少しの辛抱ですのよ。もう少しすれば寒さも忘れられますわ」
当麻「もうすぐ春だもんな」
黒子「……」
当麻「もうすぐ新年度かー。クラス替えとか面倒だな……」
黒子「仲のいいお友達と違うクラスになると結構嫌ですものね」
当麻「担任もなぁ。また小萌先生だと嬉しいんだけど……」
264 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:27:25.66 ID:Hu/XHzYo [34/129]
当麻「そういえばぜんぜん話聞かないけどさ……黒子のクラスはどんな感じなんだ?」
黒子「――今、なんと」
当麻「ん? 学校の話聞かないからさ、どんなもんなのかなーと思って」
黒子「そうではなく、今、わたくしの事を……」
当麻「ああ、いつまでも『白井』じゃ他人行儀かと思ったんだが」
当麻「すまん、嫌だったか……って」
黒子「え――あ、あれ、わたくしなんで」
当麻「す、すまん! 泣くほど嫌だったか」
黒子「そんな事は決して! ……目に塵でも入ったのかしら」
当麻「大丈夫か?」
黒子「――いえ、でもやはり、今まで通り白井でお願いしますわ」
黒子「そのお気持ちだけで十分ですの」
265 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:36:49.73 ID:Hu/XHzYo [35/129]
黒子「あれ……おかしいですわね……」
黒子「止まりませんの……」
当麻「白井……」
黒子「申し訳ありませんけど、少しむこうを向いていてくれませんか」
黒子「あまり……涙を見られたくはありませんの」
当麻「あ、すまん、悪い」
黒子「……」
当麻「……」
黒子「……っ、……」
当麻「……あー、その、なんだ」
当麻「ちょうどいいから全部吐き出しちまえ。言わなくてもいいからさ」
当麻「泣けば結構、すっきりするぞ」
267 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:40:36.40 ID:Hu/XHzYo [36/129]
黒子「……そうですわね。そうさせて、いただきますわ」
ぎゅ――
当麻「え……」
黒子「そのままむこうを向いててくださいまし」
黒子「それと……少しの間、背中を貸してくださいな」
当麻「……ああ。好きなだけ使え」
黒子「感謝しますわ」
当麻「……」
黒子「――、っは、ぅぁ――!」
269 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 06:54:10.04 ID:Hu/XHzYo [37/129]
黒子「――申し訳ありません、とんだ醜態を見せてしまいましたの」
当麻「……もう、大丈夫か」
黒子「はい」
当麻「少しはすっきりしたか」
黒子「はい。ありがとうございます」
当麻「ならよかった。よし、んじゃ飯でも食ってくか」
黒子「……はい?」
当麻「泣くって結構疲れるんだよ。疲れた時は美味いもんでも食ってゆっくり寝るのが一番」
当麻「……あ、もしもし美琴? すまん飯多めに頼むわ。白井連れてくから」
当麻「へいへい、分かりましたよ。んじゃそういう事で」
黒子「ちょ、ちょっと上条さん!」
当麻「飯は大勢で食った方が美味いだろ? ほら立った立った」
ぐいっ
黒子「――逃がすつもりはなさそうですのね」
当麻「ま、馬に蹴られたとでも思って諦めてくれ」
黒子「それを言うなら犬に噛まれた、でしょうに」
当麻「細かいことは気にすんなって」
黒子「もっとも……馬に蹴られてしまえばどれだけ楽か」
当麻「ん?」
黒子「なんでもありませんのよ。さ、行きましょう」
270 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:03:33.72 ID:Hu/XHzYo [38/129]
美琴「おかえり。急に言われてもろくなものがないわよ」
当麻「とか言いながらちゃんと作ってくれてるじゃねえか」
美琴「まあアンタのその急な発言は今に始まったことじゃないし。慣れもするわよ」
黒子「お邪魔しますの。すみませんお姉さま、急に押しかけて」
美琴「いいっていいって。またこのバカがむりやり引っ張ってきたんでしょ」
当麻「間違っちゃいないが……」
美琴「ほら、手洗ってきなさい。お腹空いたでしょ」
当麻「へいへい……」
美琴「……あれ、黒子、アンタ」
黒子「なんですの?」
美琴「目、赤いわよ。もしかしてあのバカになんかされた?」
黒子「いえ、ただ目に塵が入ってしまっただけですわ」
美琴「……そ。あんまり擦っちゃダメよ? ついでに目も洗ってきなさい」
黒子「ええ、そうさせていただきますの」
271 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:08:48.53 ID:Hu/XHzYo [39/129]
当麻「お、鍋かー」
美琴「みんなでつつくって言ったらやっぱりこれでしょ」
美琴「冷蔵庫の余り物も適当に入れられるし、結構便利よこれ」
黒子「そうですわね。まだ寒いですし……これがちょうどいいですわ」
美琴「ま、細かいことはいいからあんまり煮えすぎないうちに食べましょ」
273 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:29:11.65 ID:Hu/XHzYo [40/129]
「暖かいですわね」
「やっぱり鍋はいいなー」
「こら、アンタお肉ばっかりじゃなくて野菜もちゃんと食べなさいよ」
「お姉さまのおっしゃるとおりですわ。バランスが悪うございましてよ」
「はいはい……くそ、なんでこんなに結束力が強いんだよ」
「当然でございましてよ。お姉さまが白と言えばカラスも白くなりますもの」
「お前裁判官だけは絶対やめとけよ……」
「あら、司法家もいいですわね」
「勘弁してくれ……」
「冗談ですのよ。どちらかといえば弁護士の方がいいですわね」
「それはそれでどんな事件でも無罪にしそうで怖い……」
「ほらほら、お喋りもいいけどちゃんと食べなさい。残しちゃイヤよ?」
276 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:43:07.01 ID:Hu/XHzYo [41/129]
美琴「ごめんね、洗い物まで手伝ってもらっちゃって」
黒子「ご馳走になったんですからこれくらいはしませんと」
美琴「……ねえ黒子」
黒子「はい。なんですの」
美琴「……ごめん。なんでもない」
当麻「あー、腹いっぱい。余は満足じゃー」
美琴「食べてすぐ寝ると牛になるわよ」
当麻「食って寝てできるなら牛でもいいー……」
美琴「その時はバラして美味しくいただいてあげるわ」
黒子「――あら、もうこんな時間ですの。そろそろお暇しませんと」
美琴「もう少しゆっくりしてけばいいのに……って門限か」
黒子「ですの。ごめんあそばせ」
美琴「うん。またね、黒子。おやすみ」
黒子「はい。おやすみなさいませ」
278 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:46:44.85 ID:Hu/XHzYo [42/129]
美琴「……ね、当麻」
当麻「んー?」
美琴「好き。大好き。愛してる」
当麻「知ってるよ」
美琴「……さっき言ったの、本当よ?」
当麻「え?」
美琴「アンタのこと、食べちゃいたいくらい好き」
「」
280 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 07:50:47.42 ID:Hu/XHzYo [43/129]
「やっぱり外は冷えますわね……」
「部屋の中にいましたもの。余計に寒く感じますわ」
「……ああ、せっかく温まりましたのに。どんどん冷えていきますの」
「でも、やっぱりあそこはわたくしには暖かすぎますわね」
「わたくしにはこれくらいがちょうどいいんですの――」
290 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 08:45:41.27 ID:/lNdHQY0 [10/12]
朝、二人とも寝坊遅刻しそうになって美琴は作り忘れて当麻はなりふりかまってられず慌てて出る。常磐台中学がたまたま休みな美琴は昼休みのちょうどいい時間に弁当作って持って行く。
学校の立ち入り許可をもらった美琴は一緒に昼を過ごす事に。あ、寒いけどそこはほら、ね。もちろんあーんだったり食べ終わった後のじゅーでんもあったり甘々で過ごす。が、もちろんクラスメイトに見られててってここまで書かなくても書いてくれそうだよね。
297 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 09:26:50.88 ID:Hu/XHzYo [47/129]
当麻「あーちくしょう時間がー!」
美琴「ご、ごめんね。お弁当作ってる暇が……」
当麻「いいっていいって。適当になんとかするわ」
美琴「あたしだけ休みで悪いわね……」
当麻「ま、たまにはこんな日もあるさ」
当麻「うし、じゃ行ってくる」
美琴「あ、ちょっと、忘れ物」
当麻「ん?」
美琴「ん」
当麻「……あー、わり」
「」
美琴「あーあ、もう少し早く起きてれば作ってあげられたのにな」
美琴「っていまさら言っても遅いか……遅い?」
美琴「……今から作れば間に合うじゃん」
298 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 09:31:35.90 ID:Hu/XHzYo [48/129]
当麻「っはー、終わったー」
当麻「おーい、飯行こうぜー」
青髪「どないしたん。今日は愛妻弁当はなしですか」
当麻「珍しく寝坊しちまってな……」
当麻「ってわけだ。土御門ー、学食行こうぜー」
元春「いーや、その必要はないみたいだぜぃ?」
美琴「ど、どもー……」
299 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 09:43:25.14 ID:Hu/XHzYo [49/129]
青髪「なんか悪いなー。ボクらまでご相伴に与って」
美琴「そんな、別にいいですよー。どうせこうなると思って多めに作ってきましたし」
元春「しっかし美琴ちゃん料理上手いにゃー。カミやん羨ましいぜぃ」
美琴「これくらいちょっと練習すれば誰でもできますって」
青髪「そのちょっとの練習が男どもにはできんのよ。いやー、やっぱり女の子の手料理ってのはええもんやなー」
当麻「いやほんと、美琴さまさまですわ」
美琴「あ、当麻おべんと付いてる」
つい、ぱく
元春「」
青髪「」
当麻「お、すまん……ってどうした?」
青髪「……このエロゲー野郎!」
当麻「はい?」
300 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:05:03.41 ID:Hu/XHzYo [50/129]
当麻「ああ! テメエ土御門! その唐揚げは俺が狙ってたのに!」
元春「こんな美味いものほっとくのが悪いんだぜぃ。世界は常に弱肉強食」
美琴「唐揚げ一つでケンカしないの。ほら、あたしのあげるから。あーん」
当麻「うう、美琴の優しさが胸に沁みるぜ……あれ?」
青髪「ああ、カミやんの前では人間とはかくも無力なものなのか! 助けて雷神さまー!」
元春「それ当の嫁さんだぜぃ」
青髪「絶望したー!」
当麻「ふぅ、ごちそーさん」
美琴「はい、おそまつさま」
元春「いやー美味かった美味かった」
美琴「当麻、じゅーでんー」
当麻「へいへい」
元春「さって、んじゃちょっと便所に……」
青髪「」
美琴「――って何ナチュラルにやってんのよ!」
当麻「俺も余りに自然すぎたからついやったけど言い出したのはお前だ!」
元春「余りに自然すぎてスルーしちまったぜぃ……」
青髪「あえてもう一度言おう、このエロゲー野郎!」
制理「ふふふ……ホームルームの後に時間貰えるように先生に言ってこないと」
秋沙「結構このパターン多いのに。あの二人全然こりない」
秋沙「あと。なんだかんだで出番多くて嬉しいの……」
295 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/12(金) 09:12:13.70 ID:C791HTQo [14/17]
デート中ショーウィンドウに飾られたウェディングドレスを美琴が見つけて妄想爆発
その事に気づいた当麻も少し照れるが珍しく空気を読み、そして…
303 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:18:51.24 ID:Hu/XHzYo [52/129]
美琴「あ――」
当麻「げ……なんかあまり思い出したくない記憶が」
美琴「言わない。それは言わないで」
当麻「はい……」
美琴(ウェディングドレスかー……)
美琴(綺麗だなぁ……なんかもうこれだけで一つの芸術よね)
美琴(……あたしもこれ着れるかな)
美琴(これを着て……それで……)
美琴(……ぁぅぁぅ)
美琴(それまでには……これが似合うようになってるといいな)
当麻「美琴……ええとだな、早くしないと映画始まっちまうから」
美琴「はいはい。まったく、アンタはほんと女心が分からないわね」
当麻「……そのうち、な」
美琴「……ん」
黒子ルート
310 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:39:20.30 ID:Hu/XHzYo [55/129]
当麻「……あれ」
当麻「今日はいないんだな、あいつ」
当麻「ま、いつもいつもいるわけでもないか……ん?」
当麻「これ……何も書いてないけど、もしかして俺にか?」
当麻「――ぁ」
当麻「くそ、やっぱり今日じゃねえか」
当麻「……ま、さすがに毒は入ってねえだろ。たぶん」
ぱく
当麻「う」
当麻「何考えてんだあいつ」
当麻「くそ……甘いのが好きとか言ってたってのに……」
当麻「めちゃくちゃ苦いじゃねえか……」
311 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:44:32.83 ID:Hu/XHzYo [56/129]
美琴「お帰りー。どう? 誰かから貰えた?」
当麻「んなわけねーだろ。誰からも貰ってはねーよ」
美琴「アンタなんだかんだで結構貰えそうなのにね。義理だけど」
当麻「ま、本命が貰えりゃそれで十分だよ」
美琴「当然でしょ。不満だってなら怒るわよ」
312 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 10:52:18.07 ID:Hu/XHzYo [57/129]
「我ながら分の悪い賭けに出たものですわね」
「でも……こうでもしないと渡せませんもの」
「まさか面と向かって言えるはずもないですし」
「これに関しては……嘘をつけるとも思いませんし、つきたくもありませんものね」
「ああ、なぜ今日という日があるんでしょうか」
「感謝もしますが、恨みもしますのよ。もっとも、お会いしたことはないですけど――ウァレンティヌスさん」
315 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:15:52.84 ID:Hu/XHzYo [58/129]
黒子「――あ」
当麻「よ。久しぶりだな……一ヶ月ぶりくらいか」
黒子「そんなに経ちますの? わたくしはてっきり、もっと短いものかと」
当麻「ちょうど一ヶ月だろ」
黒子「……そうですの」
黒子「申し訳ありませんわね。つもる話もございましょうけれど、わたくし野暮用がございますの」
当麻「あああちょっと待て」
黒子「なんですの。わたくし急いでおりますのに」
当麻「待て待て、すぐ済む……あったあった」
316 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:21:55.23 ID:Hu/XHzYo [59/129]
黒子「――なんですの、これは」
当麻「既製品で悪いけどさ、ほら、今日ってあれだろ?」
黒子「渡す相手を間違えてませんこと? わたくし、そんなものをいただく覚えはございませんの」
当麻「……別に覚えがなくてもいいだろ。ほら」
黒子「まったく、押し付けがましいとはこの事ですの」
当麻「別に減るもんじゃねえだろ」
黒子「増えはしますのよ。いらぬ所が」
当麻「いらなかったら捨ててくれりゃいいよ」
黒子「そうはいってませんのよ。でも、やっぱり結構ですわ」
当麻「やっぱりこの程度じゃ不満か……」
黒子「――ええ、不満ですわ」
当麻「え、
「」
320 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:29:17.16 ID:Hu/XHzYo [60/129]
「――ごめんなさいね」
「え、お前」
「ああ、まったくもって不器用ですのね……この程度も御せぬとは」
「くろ、こ」
「下の名では呼ばないでくださいと申しましたのに。まあ一ヶ月もすれば忘れてしまいますか」
「すみません。犬に噛まれたとでも思って忘れてくださいませ――当麻さん」
「待て、黒子!」
――ッ
325 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:38:34.00 ID:Hu/XHzYo [61/129]
「もしもし?」
『すまん、今日は遅くなる。もしかしたら帰れないかもしれない』
「どうしたの」
『白井が消えやがった、ああちくしょう! くそ!』
「……で、アンタはそれを探すってのね」
『ああ、すまん、だから――』
「好きにしなさい……でもあたしは手伝わないわよ」
『――分かった』
「じゃね」
ピ
「あーあ。ほんと、妬けちゃうなー」
ピ ピピピ ピ ピピ
「……でも、そんなアンタだから好きになっちゃったんだけどね」
326 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:43:13.33 ID:Hu/XHzYo [62/129]
美琴「――ま、ここじゃアイツは見つけられないか。入ってこれないもんね」
黒子「……」
美琴「どうしたのよ黒子。こんな時間に呼び出したりして」
黒子「……」
美琴「何? なんか悩み事? あたしでよければ相談に乗るけど」
黒子「……」
美琴「アンタにしてはキレが悪いわね……どうしたの?」
黒子「……」
美琴「返事をしなさい白井黒子っ!」
328 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:49:33.18 ID:Hu/XHzYo [63/129]
黒子「――ごめんなさい、お姉さま」
美琴「言い訳はある?」
黒子「わたくし、不器用なもので」
美琴「それだけ?」
黒子「身の程を弁えぬ所業だという事は重々承知しておりますの」
美琴「……で、遺言は?」
黒子「でも――この気持ちはどうしようもありませんの!」
330 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:57:48.84 ID:Hu/XHzYo [64/129]
美琴「本当にどうしようもない?」
黒子「無理ですの」
美琴「他のじゃダメ?」
黒子「無理ですの」
美琴「あたしが頼んでも、ダメ?」
黒子「――、ええ、っ、無理、ですの」
331 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 11:58:59.73 ID:Hu/XHzYo [65/129]
「ね、黒子」
「あたし、アンタの事は大好きよ」
「元気で、優しくて、ちょっと意地悪で、実は結構我侭な、可愛い妹」
「でも、ごめんね」
「あたし――アイツだけは絶対に渡さない」
332 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:01:41.21 ID:Hu/XHzYo [66/129]
黒子「たとえそれが分かりきっていたとしても……」
黒子「たとえそうだとしても――女には勝負を挑まねばならないときがありますの」
美琴「――いいわ、黒子。アンタの目、醒ましてあげる」
美琴「そのために――まずはアンタのそのふざけた幻想、撃ち抜いてあげる!」
334 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:10:29.95 ID:Hu/XHzYo [67/129]
黒子「ああ……さすがに今度は手加減してくれませんわね」
黒子「でも、わたくしにはもう、こうするしかありませんの」
黒子「爆発してしまったものは止められませんわ」
黒子「それにこの病、死なないと治りませんもの」
黒子「まあわたくしも、そうむざむざとやられるわけにはいきませんのですけど」
黒子「――でも、なんでお姉さまが泣いてますの?」
335 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:25:06.65 ID:Hu/XHzYo [68/129]
美琴「――あたしにも、何がなんだか分からないわよ」
美琴「アンタがなんでアイツを好きになっちゃったのかなんて分からない」
美琴「たとえアンタでも渡せないわ。絶対に、どんなことをしてもそれだけは無理」
美琴「でも、だからって、いくらなんでもひどすぎるでしょ。こんな不幸なことってないわ」
美琴「なんであたしが、可愛い妹に本気の砲口を向けてるのよ」
美琴「ね、こんなのおかしいわよね。きっと嫌なユメよね」
美琴「こんなの、こんな悪い幻想、見たくないよ――」
337 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:33:29.01 ID:Hu/XHzYo [69/129]
「ね、黒子。あたしの目、醒ましてちょうだい」
「お願い――助けて――」
「――かしこまりましたお姉さま」
「元来女の頬は女が叩くものですれば。けれど夢から起こすのは姉の役目でありましょう」
「しかしお姉さまがお望みとあらば不肖この白井黒子、その大役こなしてみせましょう」
「けれど――わたくしの平手は、少しばかり響きますのよ?」
340 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:53:26.44 ID:Hu/XHzYo [70/129]
美琴「……」
黒子「……なんですの」
美琴「いやー……ああは言ったものの……まさかほんとにあたしが黒子に負けるとはねえ」
黒子「大金星ですわね」
美琴「あたしにとっては不名誉な黒星よ……あいたた、こりゃ本気で腫れてるわね」
黒子「ちょっとスナップが利きすぎましたかしら」
美琴「これくらいでちょうどいいわよ……っはー、なんか憑き物が落ちた感じ。すっきりした」
黒子「勝手に暴れて勝手に気を晴らして、まあ身勝手ですのね」
美琴「女ってそういうもんでしょ」
黒子「――確かに。おっしゃる通りですわね」
美琴「ね、黒子。今日久しぶりに寮で寝ていい?」
黒子「……上条さんはよろしいので?」
美琴「いいのよあんな朴念仁」
美琴「こんな可愛い子二人も泣かせちゃって。今日くらいは走り回らせときなさい」
美琴「でね、久しぶりにゆっくり二人でお話しましょ。パジャマ着て布団被って、お菓子片手にゆっくりと」
黒子「何について……?」
美琴「アンタとあたしとあのバカについてよ」
美琴「アンタ知ってた? あたしって結構、欲張りなのよ」
黒子「よーく存じておりますのよ。わたくし、お姉さまのことはなんでも知ってますの」
342 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 12:56:59.96 ID:Hu/XHzYo [71/129]
"the Imagine Breaker for Dear My Little Sister" is over.
348 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/02/12(金) 13:31:21.01 ID:Hu/XHzYo [73/129]
「あー、朝日が黄色いわ……」
「結局徹夜ですのね。ほんと、今日が休みでよかったですわ……あら」
「――はっ、はっ、っは……はぁ?」
「どうしたの当麻、そんな息切らせちゃって」
「それはこっちのセリフだ……なんでお前ら仲良く歩いてんだよ」
「乙女には秘密が多いんですのー。朴念仁には分かりませんわ……っぷ」
「アンタ、その顔……あは、はは、あはははは」
「お姉さま、そんなに笑ったら、あはは、つられてしまいますでしょ、あはははは」
「一体何がどうなってんだ……?」
「……ところでアンタ、ホワイトデーのお返し忘れてたでしょ」
「――あ」
「そういえばわたくしもちゃんといただいてませんわね……っふふ」
「え……」
「よし、んじゃさっさと帰りますかー」
「そうですわねー。ほら、きりきり歩きませ」
「え? ええ? 俺何されるんですかー!?」
「そんなの、ねえ?」
「決まってますわ」
「ね、当麻」
「ねえ、当麻さん」
『じゅーでん』
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これならインテル入ってるさんと美琴二人ルートも有りだったことになるだろ