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ぬーべー「オヤシロさまの崇り…?」-2

ぬーべー「オヤシロさまの崇り…?」
続きです
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 22:28:09.19 ID:s0ErPZQF0 [18/30]



眠鬼「(あれは……)」

レナ「どうしたの眠鬼ちゃん?梨花ちゃんの舞始まっちゃうよ」

眠鬼「あ、あぁ…。なぁ、レナ。あっちには何があるんだ?」

レナ「向こうには祭具殿があるくらいだけど」

眠鬼「さいぐでん?」

レナ「でもね、あそこは神聖は場所だから近づいちゃ駄目なんだよ」

眠鬼「近づくとどうなるんだ?」

レナ「どうしてそんなこと聞くのかな?かな?オヤシロさまに祟られちゃうよ?」

眠鬼「……そっか」


眠鬼「(あれは、間違いなく富竹と鷹野だった……)」

レナ「眠鬼ちゃん早く!始まっちゃうよ!」

眠鬼「今行くよ…」

356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 22:52:19.44 ID:s0ErPZQF0 [19/30]



圭一「いやぁ~梨花ちゃん、可愛かったなぁ~!」

レナ「お持ち帰りしたいよぉ~はぅ~!」

梨花「あまり褒められると恥ずかしいのですよ…///」

広「ホントだぜ!どっかのがさつな女とは全然違うよなぁ」

郷子「ちょっと、それ誰のことよ!」

美樹「ま、まぁ確かに可愛かったけど私の豊満なボディの敵じゃないわね」

魅音「美樹ちゃん、本当大きいよねぇ。小学生とは思えないねぇ。えいっ!」

美樹「わっ!ちょっと、魅音さん、胸揉まないでくださいよ!お返しだっ!」

魅音「ひゃあっ!やったなぁ~!」

克也「(し、辛抱たまらん……)」

359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 22:57:52.35 ID:s0ErPZQF0 [20/30]
ぬーべー「おーし、みんな揃ってるな」

ぬーべー「じゃあ今日はもう遅いし解散だな」

一同「えー!」

ぬーべー「えー、じゃない!圭一はレナと魅音を送っていってやれ」

ぬーべー「梨花と沙都子は俺が送っていく」

沙都子「二人とも送りオオカミにならなければ良いんですけど」

梨花「圭一もぬーべーも良い狼さんなのですよ、沙都子」

圭一「ちぇっ!もっと遊びたいぜ!せっかく広たちとも仲良くなれたのによー」

まこと「僕はもう眠いのら…」

ぬーべー「また明日にしとけ。ゆきめ、子供たちを頼むぞ」

ゆきめ「はい」

360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 22:59:02.51 ID:s0ErPZQF0 [21/30]
広「俺も梨花ちゃんたち送るのついてくぜ!」

克也「あ、じゃあ俺も!」

ぬーべー「駄目駄目。危ないから家に帰ってろ」

広「?何だよ、危ないって…」

ぬーべー「あ、いや、何でもない。いいから、早く行きなさい!」

郷子「ほら、馬鹿男子たち!行くよ!」

広「ぬーべー、何か隠してないか?」

克也「怪しいな…、ゆきめさんに言いつけてやろうぜ」


362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:04:55.11 ID:s0ErPZQF0 [22/30]

ゆきめ「先生は今、かくかくしかじかで大変な状況なのよ…」

郷子「そんなことが…!」

まこと「梨花ちゃん、可哀想なのら…」

美樹「私たちも色んな目にあってきたけど、さすがに同情しちゃうわね」

克也「俺たちにはぬーべーがいたけど、彼女は今まで一人で戦ってきたのか」

ゆきめ「(羽入ちゃんもいるんだけど…ま、いっか)」

郷子「何とか助けてあげられないのかな」

眠鬼「相手が分かれば私が地獄の業火で滅殺してやるのに」


広「……よし、決めた!」

克也「広…?」

364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:09:03.56 ID:s0ErPZQF0 [23/30]


ぬーべー「それじゃあ、しっかり戸締りするんだぞ」

沙都子「おやすみなさいませ、ぬーべー」

梨花「また明日なのです。にぱー☆」

ぬーべー「あぁ、おやすみ」

バタン

ぬーべー「……さて、テントに戻るか」


玉藻「圭一くんたちは無事家に着きましたよ」

ぬーべー「悪いな。見送り頼んで」

玉藻「いえ。何がきっかけで発症するかわかりませんので」

ぬーべー「……そうだな」

玉藻「立ち話もなんですし、行きましょうか」

ぬーべー「どこへだ?」

玉藻「あなたが寝泊りしているところです」

羽入「まぁ!そこで二人で何するつもりなのですか?あうあう~。禁断の関係なのです~」

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:12:17.61 ID:s0ErPZQF0 [24/30]
玉藻「……先生、私は帰ります。あとは一人で頑張ってください。アディオス」

ぬーべー「ちょっと待てって!おい、羽入謝っとけ!」

羽入「冗談なのですよ~。ごめんなさい、玉藻~」

玉藻「君みたいな子供に呼び捨てにされるとカチンと来ますよ」

羽入「玉藻は何歳ですか?」

玉藻「400歳だ」

羽入「僕は1000歳を超えてるのです。僕のほうがお姉さんなのですよ、えっへん!」

玉藻「……」イラッ

ぬーべー「ははは、まぁ、とりあえず落ち着こうぜ、仲良くいこうよ~」


ぬーべー「ん?境内の方が騒がしいな?まだ誰か残ってるのか?ちょっと見てこようかな~」

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:17:00.53 ID:s0ErPZQF0 [25/30]
ぬーべー「なんだなんだ?」


克也「やっぱり、夜の神社は怖いな…」

美樹「何ビビってんのよ!しっかりしなさいよ、男でしょ?」

郷子「あ、ぬーべー!」

ぬーべー「あ、お前ら!何やってんだこんなところで!」

広「助太刀に来たぜっ!」

美樹「水臭いじゃない!梨花ちゃんの事隠しておくなんて!」

郷子「ゆきめさんから全部聞いたわよ」

眠鬼「お兄ちゃんだけじゃな不安だもんね」

ぬーべー「お前ら…」

370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:21:17.76 ID:s0ErPZQF0 [26/30]
ゆきめ「ごめんなさい。止めたんですけど…」

克也「いや、ゆきめさんは悪くないんだ。俺たちが勝手に来たんだよ」

まこと「眠いのら……」

ぬーべー「馬鹿!今回は本当に危険なんだ!家で大人しくしていろ!」

羽入「いいじゃないですか、ぬーべー。仲間は多い方が楽しいです!」

ぬーべー「楽しさなんて求めてないんだよ!」


梨花「あー、うるさいわね、沙都子が起きちゃうじゃない。何事よ?」

375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:25:03.80 ID:s0ErPZQF0 [27/30]
広「梨花ちゃん!君を守りに来たぜ!」

眠鬼「事情は聞いたぞ」

郷子「安心して!これでも結構いろんな生命の危機乗り越えてきてるから!」

美樹「ってか今、キャラが……」

梨花「事情を聞いたって、そんな話あっさり信じるの?」

まこと「こんなこと日常茶飯事なのら!」

克也「祟りなら何回もあってるし。はたもん場とか麒麟とか」

梨花「でも、今日会ったばかりの私のために?」

広「時間なんて関係ねぇよ!友達を見捨てる奴なんてぬーべーの生徒にはいないぜ!」

梨花「そう…。愚かな子供たちね。でも、ありがとう…」


美樹「キャラが…」

377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:29:03.45 ID:s0ErPZQF0 [28/30]


ぬーべー「梨花の好意で古手家に泊まることになったけど、みだりに家の外に出るんじゃないぞ」

ゆきめ「大丈夫です。私が監視しておきますので」

梨花「布団は人数分はあると思うのですよ」

郷子「ありがとう」

まこと「やっと眠れるのら……グー」

広「枕投げしようぜ!」

眠鬼「面白さうだな」

ぬーべー「駄目だ!もう寝なさい!」

一同「えー」

378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:34:14.14 ID:s0ErPZQF0 [29/30]



羽入「ぬーべーの教え子はすごいのです。初対面の梨花のためにここまで出来るなんて」

梨花「そうね…」

羽入「勇気と無謀は違うのです。あの子達は本当に勇敢な子たち…」

羽入「ぬーべー、いや彼らにはこの運命の呪縛を打ち破る可能性が秘められているのです」

羽入「でも、まだ足りないのです。この世界の特異点の力だけでは足りないのです」

梨花「……圭一たちはこんな話、信じてくれるかしら」

羽入「きっと信じてくれるのです。そして、力になってくれると思います」

羽入「彼らこそ、運命に抗うために必要不可欠な鍵だと思うのですよ」

梨花「……そうね」

379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 23:37:54.96 ID:s0ErPZQF0 [30/30]



大石「そうですか、分かりました…」

熊ちゃん「どうでしたか?」

大石「山の中で発見された焼死体は鷹野三四と断定されたようですよ」

大石「富竹ジロウの方はどうだ」

熊ちゃん「こっちは、争った形跡はあるものの、直接の死因はやはり喉の傷かと」

大石「ふーむ、自殺ですか…」

熊ちゃん「起きてしまいましたね、5年目の祟り。しかも犠牲者は二人…」

大石「弱ったなぁ、これだけ警戒していたのにねぇ…。また署長にどやされるよ」

410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 06:27:10.27 ID:9bdAWNeG0 [1/34]
翌日

玉藻「ということで入江診療所に来たわけですが」

玉藻「君は学校へ行かなくていいのか?」

眠鬼「大丈夫。向こうは広たちが梨花をしっかりガードしてるから」

玉藻「(そういう意味じゃないんだがな…)」

411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 06:28:15.48 ID:9bdAWNeG0 [2/34]


圭一「おい、お前ら…。一体何事だ、その格好…?」

広「悪漢にそなえて完全フル装備だぜ!」

レナ「頭に鍋、体に中華鍋。右手にすりこぎ棒、左手にフライパン…」

沙都子「こっちはキャッチャーのプロテクター装備してますわ…」

梨花「まことに至っては、ただのダンボールの工作なのです…」

郷子「私は止めろって言ったんですけど…」

魅音「何でこんなことに…」

克也「それは…」

梨花「それは僕が説明するのです」

412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 06:34:30.52 ID:9bdAWNeG0 [3/34]


玉藻「なにやら騒がしいな」

眠鬼「パトカーだ。警察が来ているのか」

玉藻「なるほど。既に犠牲者の身元特定はされたようだな」

眠鬼「ん?何の話だ?」

玉藻「オヤシロさまの祟りの話さ」


入江「まさか、そんな…!鷹野さんが殺された?」

玉藻「あれが、入江京介か」

眠鬼「(鷹野って昨日富竹と祭具殿にいた…。あいつ、殺されたのか…)」

413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 06:36:31.60 ID:9bdAWNeG0 [4/34]
入江「いや、参りましたね…」

玉藻「すいません、入江京介先生ですか?」

入江「あ、はい。そうですが…どちら様ですか?」

玉藻「童守町で医者をやってます、玉藻と申します」

入江「は、はぁ…。その玉藻さんが私に何か用ですか?」

玉藻「実は、雛見沢症候群のことについてなんですが」

入江「…っ!そこでそれを!?」

玉藻「患者の個人情報については守秘義務がありますので申し上げることは出来ません」

入江「……。すいません、今取り込んでいますので、その話はまた後日…」

玉藻「そうですか…」

415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 06:46:10.46 ID:9bdAWNeG0 [5/34]


大石「おやぁ?あなたは昨日お祭りにいた子供たちと一緒にいた…」

玉藻「あぁ、昨日の刑事さんですか」

大石「あまり見かけない顔ですね。何か用があって雛見沢に?」

玉藻「ここに引っ越してきた友人を訪ねてきたのです」

大石「友人、もしかして鵺野先生ですかな?」

玉藻「ええ、鵺野先生を知っていらっしゃるのですか?」

大石「知ってるも何も、彼をここに招いたのは私ですから」

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 06:47:01.48 ID:9bdAWNeG0 [6/34]
大石「なるほど、あなたも彼と同じ霊能力者というわけですか」

玉藻「本当は違うのですが、信心深くない人には同じような存在と思ってもらって結構です」

玉藻「今は彼とともに事件の謎を追っています。出来れば、二人の被害者の詳しい情報を教えていただけないですか?」

大石「……、まぁいいでしょう(既に二人の犠牲者が出ていることは知っているのか)」

大石「かくかくしかじか、という感じです」

眠鬼「(富竹も殺された…?)」

玉藻「それは、間違いないのですか?」

大石「鷹野さんに関しては県警からの報告が嘘でなければ、ですけれどもねぇ」

玉藻「そうですか、ありがとうございました」


玉藻「…あれ?眠鬼クンはどこに行った…?」

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 06:57:18.77 ID:9bdAWNeG0 [7/34]
ぬーべー「(殺された二人っていうのは昨日会った富竹さんと鷹野さんだったのか…)」

ぬーべー「(生徒の知り合いだったようだし、ショックも大きいだろう)」

ぬーべー「(生徒が落ち込んでいるのなら、教師の俺が元気付けてやらねばなるまい)」

ぬーべー「よし、明るく行こう!」

ガラガラ

ぬーべー「おはよう、みんな!今日も一日元気にいこ……いっ!?」

圭一「あっはっはっ!これで本当に完璧だぜ!」

レナ「さっきのハリボテより数倍かっこよくなったよ!」

広「なんか今なら俺、誰にも負けない気がするぜ!」

ぬーべー「お、お前ら、何だその格好は!?」

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 07:00:00.89 ID:9bdAWNeG0 [8/34]
まこと「まことビーム!なのら!」

ピュー

ぬーべー「冷たっ!水か?どうなってるんだ?」

広「へへへ!カッコイイだろ?」

圭一「いや~、こいつら完全装備とか言ってたけど、全然駄目駄目だったからよぉ~」

魅音「沙都子がパワーアップしてやったんだよ」

美樹「本当、器用よね~」

沙都子「わたくしの手にかかれば、これくらいホームルーム前でございますわ!」

ぬーべー「朝飯前みたいに言うな!」

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 07:02:18.21 ID:9bdAWNeG0 [9/34]
克也「すげーよ、実際。俺なんか、ほら、指から火が出るんだぜ?」カチャ ボーッ

沙都子「克也さんの持ってたライターを改造したにすぎませんわ」

レナ「(なんでライター持ってのかは分からないけど…)」

梨花「みんな、強そうなのですよ。にぱー☆」

沙都子「黒板消しのトラップなんかとは比べ物にならないくらいの破壊力でございますわ!」

ぬーべー「馬鹿なことやってないで、さっさと脱いで来いっ!」

広「えー?俺のなんか強力なバネとか入ってて、パンチ力倍増だぜ?」シュッシュッ

ぬーべー「授業受けるのにパンチ力はいらーんっ!」

422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 07:13:11.19 ID:9bdAWNeG0 [10/34]




眠鬼「(殺されたのは富竹と鷹野だったのか…)」

眠鬼「(でも何で?富竹はこの村の住人じゃないんだろ…?)」

眠鬼「(ま、まさか、昨日の夜、祭具殿に行ったから?それだけの理由で?)」

眠鬼「(神聖な領域に侵入した罰、オヤシロさまの祟り…。でも、本当は人間の仕業で…)」

村人1「今年もやっぱりあったらしいわよ、オヤシロさまの祟り」

村人2「怖い怖い…。今年は二人殺されたらしい」

村人3「いつもと違うな。じゃあ今年の『鬼隠し』も二人ってことか?」


眠鬼「鬼隠し…。鬼、隠し、二人……。もし私の正体が犯人にばれてたら…?」

ガリッ

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 07:51:50.09 ID:9bdAWNeG0 [11/34]



羽入「ぬーべー、何をやってるのですか?」

ぬーべー「あぁ、殺された鷹野が本当に怨霊になってこの村にやって来ているのか調べている」

羽入「そんな水晶で分かるのですか?」

ぬーべー「普段なら、な…。しかし、どうも様子がおかしい…魂すら見つからない」

羽入「何故?」

ぬーべー「昨日までも君の強い妖力に阻害されていたのだが、それとは別の力が加わっているようだ」

ぬーべー「しかし、この力は人間でも怨霊でも妖怪でもない。初めて感じる異質な圧力」

ぬーべー「今日は村を覆うフィルターが一段と濃くなった。今にも押しつぶされそうだ。一体何が…」


羽入「……もしかしたら、この世界が終末に近づいたからかもしれないのです…」

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 07:52:47.91 ID:9bdAWNeG0 [12/34]

ぬーべー「……それは、梨花に死が迫っているということか?」

羽入「はい。綿流しのお祭りが終わった今、梨花はいつ殺されてもおかしくない状況なのです」

ぬーべー「世界までのが梨花を殺そうとしてるのか…くそっ!」

羽入「この世界は運命の力そのもの。どう抗おうとも、世界が梨花の死を求めているのです…」

ぬーべー「関係あるかっ!運命だろうが、世界だろうが、俺の生徒に手を出させん!」

羽入「ぬーべー…」

ぬーべー「とりあえず情報がほしい…。鷹野が駄目なら富竹だ」


428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 07:53:36.71 ID:9bdAWNeG0 [13/34]

ぬーべー「南無大慈大悲救苦救難……『口寄せの術』!富竹の魂よ、降りて来いっ!」


富竹(霊)「呼ばれた気がして」

羽入「うぉおっ!ぬーべーすごいのです!」

ぬーべー「富竹さん、今の状況が分かるか?」

富竹(霊)「あなたは確か鵺野先生…。あれ、僕は何故ここに…?うん、その娘は誰だい?」

羽入「僕ですか?僕が見えるのですか?」

ぬーべー「驚かないで聞いてほしい…、あなたは何者かに殺されたんです」

富竹(霊)「へー……え?な、なんだってーっ!」


ぬーべー「どうやら、犯人の情報は得られそうにもないな…」

429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 07:56:46.40 ID:9bdAWNeG0 [14/34]



圭一「マジかよ、梨花ちゃん…その話」

梨花「信じられない気持ちは分かるのです。でも信じてください、本当なのですよ!」

梨花「(やっぱり、超常現象に馴染みのない圭一たちには理解してもらえないのか…)」

羽入「(あうあう…)」

圭一「くそっ!何でそんな大事なこともっと早く言ってくれなかったんだ!」

梨花「し、信じてくれるのですか?」

圭一「そりゃあ、にわかに信じがたい話だけどよぉ、だけど俺は梨花ちゃんを信じるっ!」

沙都子「梨花がそんな嘘つくとは思えませんわ」

レナ「レナも信じるよ」

梨花「みんな…」

430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 07:58:05.72 ID:9bdAWNeG0 [15/34]

圭一「くそっ!何やってんだよ、全く!」

魅音「やめなよ、圭ちゃん。梨花だって悩んでいたんだ」

魅音「こんな話して、信じられなかったらどうしよう、拒絶されたらどうしよう、ってすげー怖かったはずだよ」

レナ「それでも、こうやって話してくれたよ?私たちも信じてくれたんだよ?」

圭一「そうじゃねぇよっ!そうじゃねぇ……。友達なのに、仲間なのにつ!こんな近くに居るのにッッ!」

圭一「気づけなかったっ!梨花ちゃんがこんなに悩んでるなんて!苦しんでるなんてッ!」

圭一「駄目だな、俺はっ!とんだ大馬鹿野朗だぜ!」

沙都子「それを仰るなら、わたくしの方が大馬鹿野朗ですわ、同じ屋根の下で寝起きしてるのに…」

梨花「圭一も沙都子も悪くないのです。みんなを信じられなかった僕が一番の大馬鹿野朗なのです」

レナ「今はそんな話してる場合じゃないよ」

魅音「そうだね。梨花、もう少し詳しく聞かせてよ」



432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:09:57.64 ID:9bdAWNeG0 [16/34]


眠鬼「学校に来ちゃった。みんなどこかな…?会いたい…」


圭一「しっかし、酷いことする奴もいるんだな」

レナ「こんな可愛い子傷つけるなんて許せないよ!」

羽入「(欠片によってはレナも傷つけるんですけど…内緒にしておくのです)」

沙都子「鬼みたいな輩が存在するものですわ」

魅音「みたいってか鬼だよ、鬼!許せない!」

圭一「鬼なら地獄に追い返してやる!二度と戻ってこれないようにボコボコにしてよぉ」

433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:11:15.85 ID:9bdAWNeG0 [17/34]
レナ「ボコボコにするだけじゃ駄目だよ。せめて這い上がれないように、手足切り落としておかないと」

魅音「ひゅ~!言うね!」

圭一「た、たまにすげー怖い事言うよな、レナって…」

ガタッ

沙都子「?誰かいるのですか?」

梨花「どうかしたのですか?」

沙都子「いえ、気のせいでございましたわ」


眠鬼「(い、今の話って…)」



ガリガリッ

434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:22:23.73 ID:9bdAWNeG0 [18/34]


キーンコーンカーンコーン

魅音「やったー!お昼だ!」


ぬーべー「あれ?知恵先生は今日もカレーですか」

知恵「……はぁ?何言ってるんですか?」

ぬーべー「え?」

知恵「昨日はチキンカレー。今日はポークカレー!全く別物です!」

知恵「見れば分かるじゃありませんか!カレーを馬鹿にしているのですか?」

ぬーべー「す、すいません!あ、そうだ!玉藻と会う約束してたんだ!し、失礼しまーす!」

知恵「待ちなさーいっ!話は終わってませんよ!」

436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:23:18.35 ID:9bdAWNeG0 [19/34]

ぬーべー「まさか、智恵先生があんなカレー狂だったとは…」

玉藻「こっちです、鵺野先生。何か分かりましたか?」

ぬーべー「富竹の霊は何とか見つけて呼んだけど、駄目だ。何故か記憶が曖昧で」

玉藻「一体どうして?」

ぬーべー「死ぬ直前に頭を強く打って軽い記憶喪失に陥り、そのまま死んでしまったのかもしれない」

玉藻「それだけじゃ説明できない現象ですね」

ぬーべー「これも羽入のいう運命の力の影響なのかもしれない」

羽入「あうあう…」

437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:24:36.37 ID:9bdAWNeG0 [20/34]
ぬーべー「そっちは?」

玉藻「入江京介に話を聞くことは出来ませんでしたが、大石という刑事と話しました」

ぬーべー「大石さんか。それで?」

玉藻「大した情報は。富竹ジロウと鷹野三四の死が警察によって確認された、という程度でしょうか」

ぬーべー「まぁ、富竹さんの霊はこうしてここにいるからなぁ」

富竹(霊)「あはは、死ぬのも案外悪くないね!何だか清清しい気分だよ!」

羽入「そんなものなのですか…自分の死はあまりにも昔の事で忘れてしまったのです」

玉藻「しかし、こうなると…」

ぬーべー「やはり怪しいのは入江京介、という事か」

438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:27:21.22 ID:9bdAWNeG0 [21/34]
羽入「でも、研究のためだとしたら何故鷹野を殺すのでしょうか?」

羽入「鷹野が梨花殺しの為に反対する入江を殺す、というのは納得いくのですが、逆は…」

ぬーべー「……梨花を自分の物したい」

羽入「え?ここに来てロリコン発言?」

ぬーべー「梨花を愛している、自分の物にしたい、鷹野は邪魔だった、だから殺したんだ」

玉藻「なるほど。話では入江も相当の変態だったと聞きますからね。歪んだ愛情ですか」

ぬーべー「他人には分からないさ…。ってか『も』、って何だよ。入江『も』って」

ガサッ

ぬーべー「ん?そこに誰かいるのか?」

439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:29:39.41 ID:9bdAWNeG0 [22/34]



ゆきめ「(富竹さんと、あの鷹野さんが殺された…)」

ゆきめ「(鷹野さんは、悩んでいた私の相談に乗ってくれた。先生を諭してくれたとも聞いた…)」

ゆきめ「(そのおかげで、鵺野先生をロリコンだと疑っていた馬鹿な自分に気づけたのに)」

ゆきめ「(確かに、ちょっと変わった人だったけど…いい人だった)」

ゆきめ「(何で殺されなきゃいけないの…)」

ゆきめ「すいませーん。鵺野先生いますか?」

知恵「あ、確か、鵺野先生の奥さん…。あの無礼な人なら校舎裏に行きましたよ!全く!」

ゆきめ「あ、ありがとうございます…(何で怒ってるんだろ…)」

440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:31:32.73 ID:9bdAWNeG0 [23/34]


ゆきめ「(あ、いた。玉藻さんは羽入ちゃんもいる)」

ゆきめ「せんせ…


ぬーべー「梨花を自分の物したい」

ぬーべー「梨花を愛している、自分の物にしたい、鷹野は邪魔だった、だから殺したんだ」


ゆきめ「(え?え?い、今なんて?)」


玉藻「歪んだ愛ですね」

ぬーべー「他人には分からないさ…」


ゆきめ「(ど、どういうこと…?)」

442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:32:57.22 ID:9bdAWNeG0 [24/34]
ゆきめ「(先生が梨花ちゃんを自分のものにするために、鷹野さんを、殺した?)」

ゆきめ「(そ、そんなはずない!また、勘違い?聞き違い?だ、駄目、分からない……)」

ガサッ

ぬーべー「そこにいるのは誰だッ!」

ゆきめ「ひっ!」

ぬーべー「ゆきめ、お前ここで何してるんだッ!」

ゆきめ「あ、あ、あ…」

ぬーべー「はっきり喋るんだッ!」

ゆきめ「ごめんなさい!」

ぬーべー「何でも謝れば良いってもんじゃないぞ!お前みたいな奴にはお仕置きが必要だな…」

444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 08:34:16.82 ID:9bdAWNeG0 [25/34]
ゆきめ「な、何する気ですか、先生…」

ぬーべー「お仕置きだよ…!とびきりキツイやつだ…!」

ゆきめ「い、痛ッ!は、放して!」

ぬーべー「騒ぐんじゃねぇ!一瞬で終わるからよッ!」

ゆきめ「(お、鬼の手!?ま、まさか先生、私を殺すつもりじゃ…)」

ゆきめ「や、やめて!放してくださいっ!」

ドンッ

ぬーべー「お前ッ!何をするんだ!」

ゆきめ「(手が離れた!い、今のうち逃げないと…!)」

448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09:01:13.67 ID:9bdAWNeG0 [26/34]




玉藻「行ってしまいましたね」

羽入「彼女とても脅えてたのです。何をしようとしたのですか?」

ぬーべー「デコピンしようとしただけなんだけどなー…」



ゆきめ「(こ、殺される!先生に殺されるッ!)」


ガリガリッ


449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09:02:25.09 ID:9bdAWNeG0 [27/34]


魅音『鬼だよ、鬼!許せない!』

圭一『鬼なら地獄に追い返してやる!二度と戻ってこれないようにボコボコにしてよぉ』

レナ『ボコボコにするだけじゃ駄目だよ。せめて這い上がれないように、手足切り落としておかないと』

――――――

眠鬼「鬼は許せない、か…。はは、やっぱり人間と鬼じゃ友達になれないのかな…」

眠鬼「広たちだって、裏で何言ってるか分かんないもんな。私には人間の方がよっぽど怖いよ…」グスン

眠鬼「今年は二人殺されたから、二人が鬼隠しに会う…」

眠鬼「鬼隠し…。鬼、隠し…。『鬼に』隠されるんじゃなくて、『鬼を』隠すんだ…」

450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09:04:31.23 ID:9bdAWNeG0 [28/34]

眠鬼「ははは、じゃあ今年二人隠されるのも不思議じゃないや」

眠鬼「だって、この村には『本物の鬼』が二匹いるんだもん」

眠鬼「………殺されるもんか、人間如きに。この私が…ッ!」


眠鬼「でも、お兄ちゃんはどうするんだろ…」

眠鬼「絶対に手を出さないよな。それが圭一たち生徒ならなおさら…」

眠鬼「駄目、お兄ちゃんが危ない…。殺されちゃう…!」



眠鬼「……だったら、先にこっちが殺してやればいんだ…」

眠鬼「犯人が分からない?ふふ、じゃあ村人全員殺してやるよっ!だって私は『鬼』だからなッ!」

眠鬼「あっははははははははははははははははははははははははははははは」



ガリガリガリッ


451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09:06:04.03 ID:9bdAWNeG0 [29/34]



ゆきめ「(一体どうして?何で先生はあんなこと…?)」

ゆきめ「(聞き間違いないなら私が悪いけど、だって今、私を殺そうとした…)」

ゆきめ「(もう何が何だか分からない。何を信じればいいの…!)」

梨花「あ、ゆきめ」

ゆきめ「り、梨花ちゃん…!」

梨花「みー。どうしたのですか?とっても怖い顔なのですよ…」

ゆきめ「そ、それは…」


梨花「……いかお」

452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09:08:10.21 ID:9bdAWNeG0 [30/34]


ゆきめ「……え?今何て言ったの…?」

梨花「…ふふふふ。ねぇ、あんた、鏡見たぁ?最ッ高に酷い顔してるわ!」

梨花「あははっ!そんな汚くて醜い顔してるから!ぬーべーを私にとられてしまう!そう言ったのよ!」

ゆきめ「…ッ!?」

梨花「ほら、ハンカチ貸してあげるから顔でも洗ってきたらぁ?あはははははははははははははははは」

ゆきめ「そんな…」ゾクゾク


ぬーべー「見つけたぞ、ゆきめっ!」

ゆきめ「い、嫌ぁッ、来ないで…!来ないでぇええええええええええええええええ」


ガリガリガリッ

455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09:11:47.49 ID:9bdAWNeG0 [31/34]
書き溜め尽きた…
もう駄目なのれす…あうあうあー

461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09:53:05.30 ID:9bdAWNeG0 [32/34]
俺、このSS完成したらぬーべー全巻大人買いするんだ……

536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 23:58:37.40 ID:9bdAWNeG0 [33/34]



沙都子「梨花、トイレに行ったっきり戻ってこないでございますわ」

レナ「あんな話聞いた後だと心配だね、ちょっと見てこようか」

圭一「大丈夫だろ?学校の中だぜ?もしかしたらお腹を下していて、う

魅音「はーい、ストップ!それ以上言ったら軽蔑するよ」

圭一「じ、ジョークだろう…」

沙都子「何か急に肌寒くなってきましたわ。もしかして、これが虫の知らせ…?」

レナ「やっぱりレナ、見てくる!」

沙都子「待ってくださいまし!わたくしも行きますわ」

538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 23:59:25.08 ID:9bdAWNeG0 [34/34]



沙都子「あ、梨花。こんな所にいたのでございますか」

レナ「帰ってくるの遅いから心配したんだよ?」

梨花「あ…危ない!来ちゃ駄目っ!」

レナ「え?」


ぬーべー「落ち着け!ゆきめっ!」

ゆきめ「うわああああああっ!凍りついてしまえぇええええええええ」

ピキピキピキ

沙都子「ひぃっ!廊下がどんどん凍っていく!」


541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:04:22.89 ID:sbgG6ku80 [1/89]
梨花「と、とにかく一旦逃げるのです」

沙都子「一体何事でございますの、これは!」

レナ「またカキ氷屋の機械なのかな?かな!?」

梨花「そうね、きっとその機械が故障したんだわ!ここはぬーべーに任せましょう!」



広「うぅ…寒い…。寒くなったらションベンしたくなってきたぜ」

まこと「僕もなのだ。トイレ行って来るのだ」

ガタ ガタ

まこと「…あ、開かないのら」

広「何やってんだよ、どけって」

ガタ ガタ ガタ

広「どうなってんだ?」

美樹「ねぇ、なんかものすごく寒いんだけど…」

543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:09:51.41 ID:sbgG6ku80 [2/89]
ぬーべー「何をやってる!止めるんだ、ゆきめ!」

ゆきめ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

ピキピキピキピキ

ぬーべー「くそっ!どうしたって言うんだ!とにかく、このままじゃ生徒たちが危険だ!」

圭一「うわぁッ!寒ぃ!何だ、こりゃぁ!?一面氷の世界だぜ!」

ぬーべー「圭一っ!至急みんなを連れて校舎の外に避難するんだ!」

圭一「ぬーべー!一体全体どうなってんだぁ?いつのまにこの学校は冷凍庫に変わったんだよ!」

ぬーべー「説明は後だ!早く逃げろっ!」

圭一「よ、よく分かんないけど、任せとけ!」

546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:12:39.06 ID:sbgG6ku80 [3/89]

ドンドンドン

克也「くそっ、マジだ!ビクともしない!」

郷子「どんどん寒くなっていくわ」

まこと「吐く息が白いのら」

美樹「いやあああ!誰か助けて!誰かー!」

克也「駄目だ!完全に扉が凍り付いてしまった!」

郷子「離れないと私たちも凍っちゃう!」

広「こ、こんなことできるのって…!」

551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:21:24.08 ID:sbgG6ku80 [4/89]



知恵「一体どうなってるの、これは…。すっかりカレーが冷えてしまいました。それもまた乙ですけど」

魅音「私たちにはさっぱり…」

圭一「わかんねぇよ…、でもここはぬーべーに任せるしかねぇ」

梨花「みー…」

レナ「みんないるかな?かな?」

沙都子「……ひ、広さんたちがいませんわ!」

圭一「何ぃっ!?あいつら一体どこに?」

魅音「あ、あそこ!二階の教室!」


美樹「たすけてぇー!」

まこと「冷凍マコトになるのは嫌なのらー!」

克也「こんなときに冷凍マグロみたいに言うなっ!」

552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:27:06.91 ID:sbgG6ku80 [5/89]


レナ「た、助けないと!」

魅音「でもどうやって?」

沙都子「二階に繋がる通路は全て氷漬けですわ」

圭一「知恵先生っ、梯子か何か無いんすか!」

知恵「ど、どこかにやったかしら…」

玉藻「これは何事ですかっ!」

梨花「玉藻っ!大変なのです!氷漬けにされた校舎に広たちがっ!」

玉藻「何っ!鵺野先生は何やってるんだ!?」

羽入「(た、大変なのです!)」

554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:34:04.69 ID:sbgG6ku80 [6/89]
玉藻「校舎の外にまで侵食が広がっている…、ゆきめクンの仕業か…」

玉藻「君たちはなるべく校舎から離れるんだ!彼らは私が助けに行く!」

魅音「助けに行くって、大丈夫なんですか?」

玉藻「心配要らない!さぁ、早く!」

ザッ

沙都子「あぁ、眠鬼さん!いらしてたのですか?大変でございますの!」

眠鬼「…………」フラフラ

玉藻「いなくなったと思ったら、ここにいたのですか…。ちょうどいい、救出を手伝うんだ!」

眠鬼「………い」フラフラ

558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:39:14.13 ID:sbgG6ku80 [7/89]
玉藻「……?眠鬼クン…?」

羽入「(何だか様子がおかしいのです…)」

梨花「…どうしたのですか、眠鬼?」

レナ「眠鬼ちゃん…?」

眠鬼「……うるさいんだよ、人間風情が…!気安く私の名を呼ぶな」ドドドド

圭一「な、なんか、様子がおかしいぞ…」

玉藻「(急激に妖気が膨れ上がっていく…ッ!!)危ないっ!伏せろッ!!」

眠鬼「地獄の業火に焼かれろおおおおっ!消し炭になれえええええええええ!」


ドドドドドドドドドッ!!

562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:46:05.32 ID:sbgG6ku80 [8/89]



カチャ ボー

郷子「うー温かい…」

克也「沙都子ちゃんが作ってくれた改造ライター持っててよかったぜ」

美樹「でもこの程度の火じゃすぐ凍死よ」

まこと「まだ死にたくないのら…」

広「ゆきめさんはどうしてこんな事…、ぬーべーは何やってんだ…!」

郷子「あ、玉藻先生だ!眠鬼ちゃんもいる!」

克也「助かった!おーい!」


広「…?何か様子がおかしいぜ」

567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:51:53.09 ID:sbgG6ku80 [9/89]



ぬーべー「くそっ!冷気が強くて近づけないっ!それどころか退路すら断たれている…」

バキ「(また氷漬けにされるウガ…)」

ぬーべー「止めるんだ!ゆきめ!突然どうしたんだ!」

ゆきめ「私に、近寄るなぁーッ!」冷凍ビーム

カチコチカチコチ

ぬーべー「くそ、このままじゃ凍死してしまう…ん?何だ、この邪悪な妖気は…?」

ぬーべー「校舎の外、生徒たちが逃げた方向からだ…ま、まさか!」

バキ「(この妖気、眠鬼のものに間違いないウガ)」


571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 00:56:18.93 ID:sbgG6ku80 [10/89]
ぬーべー「眠鬼のやつ、何するつもりだ?校舎ごと吹っ飛ばす気か?」

ぬーべー「ゆきめは説得しても聞く耳持たず、彼女の頭が冷えるのを待つか…」

ぬーべー「ここは一旦退いて眠鬼を止めないと、って駄目だ!退路も塞がれてるんだった!」

ぬーべー「あああっ!何だよ、全く!……ん?」

…ぅぅぅぉぉぉ

ぬーべー「な、何だ?」

……ぅぅぅぉぉぉぉおおおおおおおおおおおっ!

ドォオオオオオオン!!!

ぬーべー「うおお、危ない!壁が吹き飛んだぞっ!眠鬼の仕業だな?」

575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:02:58.11 ID:sbgG6ku80 [11/89]


ガラガラ

玉藻「……ちっ、卸し立てのスーツがボロボロだ……」

玉藻「ん?こんなところにいたんですか、鵺野先生!何やってるんだ、あなたは!」

ぬーべー「ゆきめがヒステリー起こしているんだ!外では何が起きているんだ?」

玉藻「同じような事ですよ。眠鬼クンがいきなり鬼化して圭一クンたちを、……殺そうとしてました」

ぬーべー「はぁッ!?何でそんな事に?」

玉藻「分かりませんよ、全く。いきなり発狂して凶暴化して、これは、まるで……」

ぬーべー「……ま、まさか!?」

玉藻「……見てください、彼女の喉の傷」

ぬーべー「これは…!」

羽入「こ、これはL5なのですよ!」

579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:09:19.72 ID:sbgG6ku80 [12/89]

ぬーべー「何故二人が発症を?この村に来て、まだ日が浅いってのに…!」

羽入「分からないのです…、こんな早い段階でのL5発症は異例なのですよ…」

玉藻「……二人に共通するのは、人ならざる存在ということ」

ぬーべー「……どういう意味だ?」

玉藻「もしかしたら、雛見沢症候群というのは我々の側の病気なのかも知れない」

ぬーべー「妖怪が罹る病…か。妖怪が人間の病気にかかる事もある、その逆もまた然り…」

玉藻「考えてみれば、こんな不可思議な病が人間世界で生まれるとは思えない…」

581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:10:41.59 ID:sbgG6ku80 [13/89]

玉藻「元々の病は、妖怪にとってここまで凶悪なウイルスではなかったのかもしれません」

玉藻「しかし、年月を経て、人間に感染し変異を繰り返して、ここまで急速に進行するものに変化した可能性があります」

玉藻「この分ですと、いずれ私も発症する可能性がありますね」

羽入「でも、僕は平気なのです。まぁ、神様ですから当然ですが」

玉藻「あなたやこの村に昔から住み着いている妖怪はとうに感染し、ある種の抵抗のような物が生まれているのかもしれない」

玉藻「時間があれば調査して、特効薬を作るなんてわけないのですが…」

羽入「駄目なのです。この状態に陥るとそう長くは持ちません。いずれ喉を掻き毟って…」

582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:13:30.75 ID:sbgG6ku80 [14/89]

ぬーべー「くそっ!何て事だっ!羽入っ!何か手は無いのかッ!?」

羽入「……回復させる事は可能なのです。他の欠片で、圭一が発狂したレナを止めたことがあります」

ぬーべー「どうやって…?」

羽入「正気に戻す事です!彼女たちを語りかけ、本来の姿の心に戻してあげるのです!」

ぬーべー「それが出来ないから困ってるというのにっ!」

玉藻「大変です、鵺野先生!また眠鬼クンの妖気が膨れ上がっていきます」

玉藻「残念ながら、私の力ではそう何度も鬼の力を抑える事は出来ません」


587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:21:14.03 ID:sbgG6ku80 [15/89]
ゆきめ「さっきから何の相談ですかっ!?あ、分かりました、私を殺す相談ですねっ!?」

ゆきめ「そんな事、させるかぁああああああああああああああああああ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ぬーべー「うわっ!」

ゆきめ「逃がすかぁああっ!凍れええええええええええええええええ」


羽入「どうやら、ゆきめの狙いはぬーべーのようです。彼女はぬーべーじゃないと説得不可能なのですよ!」

玉藻「言い忘れていましたが、二階には広クンたちが取り残されています!このままで凍死してしまう」

ぬーべー「なんだって!」

590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:23:08.79 ID:sbgG6ku80 [16/89]
ぬーべー「ゆきめを放置すれば、広たちが危ない。かと言って、大人しく救出されてくれそうにも無い雰囲気だ」

玉藻「しかし、眠鬼クンを放置すれば圭一クンたちが危険だ。こうして悩んでいる好きにも攻撃されかねない」

玉藻「とにかく、私が眠鬼クンを抑えます!鵺野先生は早くゆきめさんの説得を!」

ぬーべー「お前一人で子供たちを守りながら戦えるのか!?」

羽入「一人じゃないのです!僕も微力ながらサポートするのです」

玉藻「それは……、心強い。迷っている暇はありません!」

ぬーべー「それしかないようだな…!」

ゆきめ「余所見するなっ!相手は私ですよおおおおおおおおおおおッ!!」

ぬーべー「ちっ!仕方ない!バキ!鬼の手解放だっ!」ドドドドド


玉藻「それでは、どうかご無事で。アディオス」

595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:27:01.35 ID:sbgG6ku80 [17/89]
ゆきめ「相談は終わりですか!?私を殺す算段が立ったんですかぁッ!?」

ぬーべー「バキ、力をセーブしろっ!このままではゆきめを傷つけてしまう!」

バキ「何故だ?全力で叩き、行動不能にするのが手っ取り早いウガ」

ぬーべー「駄目だ!それじゃあ、L5は治まらない!」

バキ「だが、時間をかけすぎると子供たちが危ないんだろ?」

ゆきめ「何もしてこないなら、こっちからいきますよぉっ!先生ぃッ!」

ぬーべー「と、とにかく鬼火で彼女の攻撃を相殺するんだ!」

597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:33:11.67 ID:sbgG6ku80 [18/89]



沙都子「わ、私は夢でも見てるのでございましょうか?」

レナ「何が何だか分からないよぉ…」

圭一「氷の次は炎かよ?厨二にも程があるぜ!一体どんなトリックだぁ?」

魅音「眠鬼ちゃん!どうしたの?何でこんな事するのっ!?」

眠鬼「友達面して気安き話しかけるなって言っただろっ!」

沙都子「ひぃっ!」

眠鬼「『何でこんな事する』だぁ?知ってるだろ?私は『鬼』なんだよおおお!」

眠鬼「ボコボコにされる前に、手足を切り落とされる前にッ!お前らを殺してやるよぉっッ!!」

梨花「ま、まさか、さっきの会話を誤解して…!?」

眠鬼「今度こそ消し炭にしてやるぅ!この鬼火はさっきの3倍だぁぁああああッッ!」ドドドドドドド

599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:38:35.99 ID:sbgG6ku80 [19/89]

眠鬼「消し飛べぇええええええ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

玉藻「はああああっ!」

羽入「オヤシロバリアーッ!」

パリーンッ!!

魅音「た、助かった…!無事だったんですね、玉藻さん」

玉藻「辛うじてですが。しかし、あと何分彼女を抑えられるか分からない…。君たちはこの隙に遠くへ避難してください!」


梨花「羽入っ!これはどういうこと!?」

羽入「眠鬼とゆきめがL5発症してしまったのですよ!」

梨花「えぇっ!L5っ?……そう。じゃあやっぱり、引き金は私たちの会話なのね…」

圭一「梨花ちゃん、どいうことだ?説明してくれ」

602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:44:47.68 ID:sbgG6ku80 [20/89]


ぬーべー「ゆきめっ!頼む!俺の話を聞いてくれ!君を助けたいんだ!」

ゆきめ「うるさい、うるさい、うるさいッ!鬼の力全開で私を殺そうとしてるくせに!」

ぬーべー「聞く耳持たぬ、か…」

バキ「どうするのだ、このままでは埒があかんウガ」

ゆきめ「鷹野さんを殺して、私を殺してッ、梨花とよろしくしようとしてるくせにッ!汚らわしいッ!!」

ぬーべー「な…ッ!?ま、まさか、さっきの話を勘違いして?」

ぬーべー「違うッ!誤解だッ!俺は鷹野さんを殺してない!俺が愛しているのは君だけだッ!ゆきめ!」

ゆきめ「いけしゃあしゃあと、よくそんな事が言えますね?この鬼畜変態教師ぃーッ!」

ぬーべー「本当だ!信じてくれーッ!俺は、もう君以外愛せないんだッ!」

604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:47:48.44 ID:sbgG6ku80 [21/89]
眠鬼はパンツ履かないと力を制御できないって設定だっけ?忘れてた
ぬーべーと修行してコントロールできるようになったって設定で勘弁してくれ

606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:54:38.87 ID:sbgG6ku80 [22/89]



広「やばいぜ!眠鬼と玉藻先生が戦ってる!」

郷子「なんでそんな事に!?」

広「知るかよぉ!」

美樹「だ、駄目だ…。私たちは凍死する運命なのよ…」

まこと「うわーん、死にたくないのらー!」

克也「あ、諦めるんじゃねえよ!」


玉藻「羽入クン。君はバリアー全力全開で張れ!子供たちを守るんだ!」

羽入「わ、分かったのです!」

玉藻「私は攻撃に専念します。彼女を撹乱して、鵺野先生が来るまでの時間を稼ぎましょう」

羽入「誰か、彼女を説得できる人はいればいいのですが…」

610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:58:36.15 ID:sbgG6ku80 [23/89]


圭一「じ、じゃあ、眠鬼があぁなったのは、俺たちのせいだって言うのかよ!」

梨花「そうは言ってないのです!た、ただ、会話が引き金になったのは間違いないと思うのです」

沙都子「そんな…」

レナ「ど、どうしよう…。私、酷い事言っちゃった…」

魅音「レナは悪くないよ。そんなつもりで言ったんじゃないんだから」

梨花「そうなのです。誰も悪くないのです。…ただ、タイミングが悪かったのですよ……」

圭一「……でも、まだ最悪じゃあないんだよな?」

梨花「…え?」

612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 01:59:57.99 ID:sbgG6ku80 [24/89]
梨花「な、何をするつもりなのですか?」

圭一「最悪じゃねーんなら、それは最高と同義だぜ!」

圭一「不可能と言われりゃどうにもならないけどよぉ!可能性が残ってるなら諦めるな!」

圭一「諦めなきゃ道は切り開けるんだよぉ!そうだろ?」

圭一「へへへ、こんな酷い状況だってのに血が騒ぐぜ!マゾだったかぁ、俺は?」

圭一「安心しろ、梨花ちゃん!この程度の困難!俺たちなら簡単に乗り越えられるってこと見せてやるぜ!」


梨花「圭一…」


615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:05:34.18 ID:sbgG6ku80 [25/89]


眠鬼「何故、人間を庇うんだぁ!お前もこっち側だろぉッ!どうせ裏切られるッ!」

眠鬼「無理なんだよ!人間と妖怪が信頼しあうなんて!相容れない存在なんだよ!」

玉藻「そんな事は無いッ!君は今まで何を見てきた!鵺野先生の下で何を見てきたんだッ!」

眠鬼「その挙句が今、殺されかけてんじゃないか!説得力ないねっ!」

眠鬼「邪魔するなら容赦しないよ!吹ッき飛べぇええ!!」

ドドドドドドド

玉藻「うおおおおおおッ!」

羽入「玉藻ッ!」

617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:10:42.48 ID:sbgG6ku80 [26/89]

玉藻「我ながら情けない…。あんな小娘一人、押さえ切れないとは……」

羽入「あうあう…」

眠鬼「はぁ、はぁ、はぁ…終わり?情けないなぁ!次で決めてやるッ!」

玉藻「不味いですね。妖気の高まりがとてつもなく巨大だ!彼女自身、無事ではすまないぞ!」

羽入「あ、あんなの、僕には抑えきれないのですよ」

眠鬼「全力全開ぃッ!この鬼火は更に三倍だぁぜぇええッ!」ドドドドドドドド



村人1「ひ、ひぇえ!何だ、あれは!?」

村人2「お、オヤシロさまの祟り…?」

村人3「鬼じゃ!鬼じゃ!鬼が村を滅ぼしに来たんじゃあああ!」

一同「この世の終わりじゃあああああ」

619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:15:57.73 ID:sbgG6ku80 [27/89]

郷子「だ、駄目…。眠くなってきた……」

広「馬鹿!寝るな!死ぬぞ!」

まこと「あ、おばあちゃんが見えるのら…」

美樹「まだやりたい事、いっぱいあったのにぃ~…」

克也「体の感覚がなくなってきたぜ…」


621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:17:37.59 ID:sbgG6ku80 [28/89]


ぬーべー「ゆきめ!愛してる!愛してるんだ、君だけを!信じてくれ!」

ゆきめ「信じられない!どうせ、口から出任せでしょおおお!」

ぬーべー「違う!本心だ!」

ぬーべー「どうすれば、俺の気持ちが伝えられる?心の底から彼女を愛してると伝えられるんだ!」

ゆきめ「どうして信じられるでしょうか!?心の中なんて本人以外には分からないのにッ!」

ゆきめ「だったら、ドタマかち割って、思考の全て見せるくらいやってみろよぉッ!」

ぬーべー「…!そうか、俺の思考の全てを見せれば良いのか…!ならば…!」

ぬーべー!「バキっ!鬼の手120%解放だッ!一瞬で彼女の動きを止める!絶対傷つけるなよッ!」

バキ「やってみるウガ。このまま冷凍オニは嫌ウガ」

ぬーべー「冷凍おにぎりみたいに言うな!」

622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:20:27.86 ID:sbgG6ku80 [29/89]
ゆきめ「……やっぱり、鬼の手を私に向けるんですね?」

ゆきめ「ハッ!屁理屈も言えなくなったら実力行使ってわけだ!」

ゆきめ「私の氷漬けの愛を受け止めてくれるほど包容力はないんですかぁあああッ!」

ぬーべー「そんなもの、後から幾らでも受け取ってやるさ!だけど、このままじゃ広たちが危ない!」

ぬーべー「全力で!君を押さえ込むッ!!」ドドドドドド

ゆきめ「だったら私は妖気の全てを一点集中!氷の刃!胴体、貫けぇええええ!」ゴゴゴゴゴゴ

バキ「一旦離れて、叩き落すウガ」

ぬーべー「その必要ない!このまま彼女の愛を受け止めるッ!!」

626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:37:55.07 ID:sbgG6ku80 [30/89]

グサッ


ぬーべー「ぐっ、は…。はぁ、や、やっと捕まえたぞ。ゆきめ。ううっ…!」

ポタッ ポタッ

ゆきめ「な、なんで避けなかったんですか…。血が…」

ぬーべー「何言ってるんだ、君が言ったんだろ?愛を受け止めろって…」

ゆきめ「……ッ!そんなパフォーマンスで私の気が晴れると思ってるんですか?」

ゆきめ「私はもう先生を信じられないっ!頭の中なんて分からないッ!」

ぬーべー「だから、見せてやる、俺の頭の中を。はぁ、はぁ…。君をどれだけ愛してるかを…」スッ

ゆきめ「鬼の手…。やっぱり、私を殺すんじゃないですか」

ぬーべー「はぁ、はぁ、違う…鬼の手にはこんな力もあるんだ」

ピトッ

ゆきめ「……!?お、鬼の手を通して、何かが流れ込んでくる…!」

627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:39:07.95 ID:sbgG6ku80 [31/89]

ぬーべー「それは、俺の想いの全てだ。嘘も装飾も無い、本当の気持ちだ…」

ぬーべー「分かるだろ?お、俺が、どんなに君を想っているか…。うぅっ…」

ぬーべー「伝わるだろ?俺がどんなに君を愛しているかッ!!」

ゆきめ「(先生の想いが流れ込んでくる…。あ、暖かい…。こんなに私のことを…)」

ゆきめ「こんな暖かい想いを送られたら溶けてしまいそうです、私、雪女なんですよ?」

ぬーべー「アイスだってちょっと溶けてるくらいがおいしいじゃないか」

バキ「(その台詞はどうだろうか…)」

ゆきめ「う、ううっ…、ごめんなさい、先生……。こんなに私の事を想ってくれてるのに…」

ゆきめ「私は、信じる事が出来ませんでした…。ごめんなさい、本当にごめんなさい……うぅ…」

632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:46:27.86 ID:sbgG6ku80 [32/89]
ぬーべー「良いんだ、泣かなくていい。もう大丈夫だ……」

ぬーべー「俺が悪いんだ。君を不安にさせてしまった、夫失格だ……ぐぁっ!」

ポタポタポタッ

ゆきめ「せ、先生、血がッ!今、氷で止血します!本当にごめんなさい!」

ぬーべー「こ、これは当然の報いだ。バキには治癒能力でどうにかなるさ…」

ぬーべー「そ、それより君は、校舎の氷をどうにかしてくれ…。広たちが凍死してしまう」

ゆきめ「は、はいっ!」

636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:53:49.20 ID:sbgG6ku80 [33/89]


広「暖かい…。俺は死んだのか?じゃあここは天国だから暖かいのか…」

バチーンッ!!

広「痛ぇッ!!」

郷子「ヒロシ、しっかりしなさい!目を覚ませ!あんたが死んだら、私…!」

広「何しやがるんだ!この暴力女ッ!!ってあれ?ここは天国じゃない?」

郷子「よ、よかった…広ぃ~!」ガバッ

広「お、おい!抱きつくなよ!////」


637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 02:55:15.60 ID:sbgG6ku80 [34/89]
ぬーべー「よし、全員、無事だな…。凍傷もヒーリングで治しておいた。あとはストーブにあたって体を温めろ」

克也「一体何があったんだよ、ぬーべー!」

美樹「もうすぐ死ぬところだったわ!」

ゆきめ「ご、ごめんなさい!ぜ、全部私のせいなの!」

まこと「ゆきめさんの…?」

ぬーべー「詳しい話は後でしてやる!お前らはここで休んでいろ!」

広「ぬーべー怪我してるじゃねーか!どこ行くんだ!」

ぬーべー「かすり傷だ、大したことは無い…。くっ…、眠鬼を止めに行かないと!」

広「そ、そうだ!眠鬼が玉藻先生と戦ってるんだ!」

ぬーべー「あいつもゆきめと同様に苦しんでいる…!助けてやらないと…!」

640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 03:25:15.77 ID:sbgG6ku80 [35/89]
圭一節難しいお…

644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 03:45:35.77 ID:sbgG6ku80 [36/89]



玉藻「とにかく、粘るんだッ!絶対に生徒を傷つけさせはしないッ!!生徒は私が守るッ!」

羽入「す、すごいのです…!玉藻の妖気が膨れ上がっているのです」

玉藻「鵺野先生なら何とかしてくれる。絶望的な状況を打破してくれるはずだ」

羽入「信頼しているのですね…」

玉藻「……ふっ、当然です。私がライバルと認めた人間です。それくらいでなくては困る」

羽入「…!ぼ、僕も頑張るのです!あうあう!」

646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 03:50:46.13 ID:sbgG6ku80 [37/89]


圭一「お取り込み中のところ悪いんだけど、玉藻さん!あんたに頼みがある!」

玉藻「……圭一くん。危ないから下がっていたまえ」

圭一「いーや、退けないねぇ!仲間のピンチを見捨てて逃げちゃあ、前原圭一の名が廃れるってもんよ!」

羽入「……そ、そうなのです!絶望的な状況を打破してくれる人間は、ここにもいたのです!」

圭一「男、前原圭一!助太刀するぜぇッ!」


玉藻「…何をする気だ?」

圭一「へへっ!眠鬼の陥っている状況は梨花ちゃんから聞いて分かっている!」

圭一「そして、どうやったら救えるのかもな!」

647 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 03:56:34.59 ID:sbgG6ku80 [38/89]

玉藻「君が説得するっていうのか…。しかし、君たちは出会ってまだ日が浅いだろ。可能なのか?」

圭一「……勘違いしてるぜ、玉藻さん!絆の強さってのは、出会ってからの日数なんかで決まるんじゃねぇッ!」

圭一「だって、そうだろ?世の中には長く一緒にいたって、まるで分かり合えない奴が多いじゃないか」

圭一「絆が一緒にいた時間なら!高校で出来た友達は小学校からの友達に絶対勝てない!長年連れ添った夫婦は熟年離婚なんてしねぇ!」

圭一「そうじゃねーだろ?絆ってのは、お互いを信頼し認め合い、切磋琢磨して高めあう!その結果生まれるんだよ!」

圭一「長短じゃないんだ!どんだけ濃密な時間だったかが大事なんだッ!」

玉藻「……君たちはそれほど濃密な時間を過ごしたと?」

圭一「当ったり前だのクラッカーよっ!俺らは部活メンバーだぜぇ?共有する時間は嫌でも濃密になっちまう!」

羽入「玉藻!こ、ここは圭一に賭けてみるのです!」


648 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 03:59:34.41 ID:sbgG6ku80 [39/89]


玉藻「しかし、一体どうするつもりだ?」

圭一「正直、出たとこ勝負だぜ!俺はあいつを信じる!俺を信じてくれると信じるッ!」

圭一「あんたたちが何でこんな幻想厨二バトルを展開できるかさっぱりだが、今は聞かないぜ」

圭一「あんたが手品師でも、奇術師でも、魔導師でも何でもいい!」

圭一「眠鬼の元へ俺を飛ばしくれ!一対一で話をする!」

玉藻「危険だ、瞬殺されるのがオチだ」

圭一「危険は承知なんだよ!でも俺たちのせいなんだ!俺たちのせいで今あいつは苦しんでるんだ!」

玉藻「彼女は今正気じゃない。君の言葉に耳を傾けるかどうか……」

圭一「耳に言葉が届けばいいんだ!それが十分条件!言い合いになれば、分は俺にあるぜ!」

羽入「(すごい自信なのです…)」

圭一「俺が魅音の奴に何て呼ばれてるか知ってるか?あんたが奇術師なら、俺は魔術師!『口先の魔術師』だッ!」



玉藻「……わかった、君を信じよう」

649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 04:10:37.56 ID:sbgG6ku80 [40/89]


玉藻「では、行くぞ!圭一くん」

圭一「おう!」

羽入「オヤシロバリアー全開!」

玉藻「しっかり掴まっていろ、飛ぶぞ!」フワッ

圭一「す、すげぇ!ホントに浮いてやがる!夢見てぇだ!」

玉藻「そのまま、永眠したくなかったら、しっかり仕事するんだ」

圭一「おうっ!」


眠鬼「……ッ!?圭一!や、やっぱり、私を殺しに来たのか!」

眠鬼「くそおおおおおッ!」


650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 04:11:59.45 ID:sbgG6ku80 [41/89]
眠鬼「鬼火まだ未完成。威力は70%程度。……それで、十分だぁッ!」

眠鬼「生きたまま、業火に焼かれ、灰になれええッ!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

パリーンッ!

羽入「あうあう!あっさりオヤシロバリアーが破られたのですっ!」

玉藻「しかし、威力は弱まった」

圭一「やべぇ!正面衝突だ!」

眠鬼「消えてしまええええええええええええええッ!」

651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 04:14:18.14 ID:sbgG6ku80 [42/89]


玉藻「……約束どおり、君を彼女の前まで連れてきた。次は君の番だ」



ブンッ

圭一「うわっ!急に投げるなぁ!お、落ちるぅ~ッ!!」

玉藻「私の力を少し君に注いだ。しばらくは飛行できるはずだ」

羽入「た、玉藻!危ないッ!!」


玉藻「必ず彼女を救うんだ、いいな……。アディオス」


ドンッ



羽入「た、た、玉藻ぉおおおおおッ!」


655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 04:26:21.89 ID:sbgG6ku80 [43/89]
会話と効果音だけで戦闘シーンは難しいお…

660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 06:32:12.73 ID:sbgG6ku80 [44/89]


眠鬼「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

圭一「へへへ、随分息が上がってるな。どうやら、もう限界みたいだな」

眠鬼「う、うるさい…!妖気が尽きようと、人間如きに後れはとらないッ…!」

圭一「どうやら、玉藻さんの杞憂だったみたいだな。お前はちゃんと俺の言葉に耳を傾けてくれた!」

眠鬼「……!やはり人間は最低だ!守ってくれた玉藻が死んでもヘラヘラ笑ってッ!後ろを見てみろッ!」

圭一「いいや、見ないッ!俺は信じている!玉藻さんは死んでなんかいない!だから振り向かないっ!」

圭一「俺は誓ったんだ、お前を救うと!だから、お前から決して目を逸らさない!絶対になっ!」

661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 06:33:22.53 ID:sbgG6ku80 [45/89]

眠鬼「都合のいい事を…、信じてる?嘘つくなッ!口先だけなら何とでも言える!はぁ、はぁ…」

圭一「……確かに、俺は口先で相手を言い包めるのは得意だ。それは認める」

圭一「部活でお前はそれを身をもって体験してるだろ?」

眠鬼「はぁ、はぁ…そうだ、お前はいつも言葉巧みにみんなを騙し、ゲームに勝って来た」

圭一「騙した、って言い方は人聞きが悪いな。操ったと言ってほしいね!」

眠鬼「大して変わらないじゃないか、卑怯な奴め…」

圭一「卑怯…?はっ!お前、本当に頭がどうかしちまったんじゃねーのか!?忘れたわけじゃないだろッ!」

圭一「勝つ為には手段を選ばない、何でもありの無法地帯!それが俺たちの部活だったはずだぜ!」


662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 06:40:13.98 ID:sbgG6ku80 [46/89]

圭一「それを卑怯だぁ…?ははは、笑わせてくれるぜ!笑わせてくれたお礼に、飴でもやろうかぁ!」

眠鬼「い、いらない、そんなもの!」

圭一「だろうな!お前がほしいのは飴でもなければ、ゲームの勝ち星でもない。信頼の心だ!」

眠鬼「し、信頼、だァああ?人間なんかの信頼などいらない!どうせ裏では何を企んでるか分からない!」

圭一「違う違ぁーう!俺が言ってるのは『信頼してもらう』ことじゃない。お前自身が他人を『信頼する』心だ」

圭一「お前、心のどこかで思ってたんじゃないか?自分と俺たちは絶対に分かり合えないって」

圭一「理由は多分、お前の持ってるその力が関係しているんだろうが」

圭一「だから、お前は端から俺たちを信用しなかった!諦めてた!疑ってたんだ、俺たちの事を!」

眠鬼「違う!私は信じてた!それをお前らが裏切ったんだ」


663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 06:44:06.13 ID:sbgG6ku80 [47/89]

圭一「俺たちはお前を信じていたぜ?よく考えろ?信頼無しに何でもありの部活なんかできるか?」

圭一「信頼し、信頼されている!その確信があるから手加減なしで勝負できるんだろ」

眠鬼「わ、私だって…」

圭一「違うね!お前は俺たちを信じてなかった!」

眠鬼「どうしてそんな事が言える!」

圭一「手を抜いてたじゃないか!そんなすげぇ力持ってるのに!隠してた!」

眠鬼「……はぁっ?あ、当たり前だろ!鬼の力なんて使ってみろ!普通の人間なんか

圭一「ほら!今認めたな!手を抜いてた事!駄目だな!全然駄目だぜ!信頼してない証拠だ!」


665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 06:52:31.08 ID:sbgG6ku80 [48/89]

圭一「普通の人間じゃあ絶対に勝てない、ってか?やってもないのに何で分かるんだ、そんなこと!」

圭一「どこぞのお偉い学者先生が論文でも発表したか?『眠鬼が本気を出したら、前原圭一は太刀打ちできません』、って!」

圭一「何大学だ?東大?京大?それともハーバードあたりか!?」

眠鬼「くっ…!」

圭一「あそこ見てみろ!いるだろ?園崎魅音、竜宮レナ、北条沙都子、古手梨花!部活メンバー全員!」

圭一「仲間だから!分かり合えると信じてるから!俺たちは逃げない!」

圭一「へへっ!今頃、沙都子なんかは考えてるぜ!お前にどんなトラップが有効かってな!」

圭一「論文が発表されようが、実証されようが俺たちはそんなの認めない!いい加減、目を覚ましたらどうだ!」

圭一「俺たちが信じられないんじゃない!お前が俺たちを信じないんだ!」


666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 06:57:00.56 ID:sbgG6ku80 [49/89]

圭一「レナは自分を責めてた!自分の言葉がお前を傷つけた、と。それも見当違いだったな!」

圭一「こんな状況になった原因はおまえ自身の心の弱さだ!」


眠鬼「……もう、いい。分かった、口先じゃあお前に勝てない…」

圭一「当然だ、口先は俺の専売特許だぜ!簡単に破られちゃ、この先やってけねぇよ」

眠鬼「だから、もういい。お喋りは終わり。お前を殺せば、それで終わりだ」シュンッ

圭一「(手が刀に変わった…!)」

眠鬼「これで、まずお前を殺す。その後他の人間を殺して、終わりだ」


圭一「…へへへ、面白い!じゃあ、さっそく証明してやるぜ!」

眠鬼「……何?」

圭一「『眠鬼が本気を出したら、前原圭一は太刀打ちできません』が机上の空論だってな!」

667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:02:34.05 ID:sbgG6ku80 [50/89]

圭一「これは二人だけの部活だ!勝利条件は簡単!お前が俺を殺して、実力の差を見せつければいい」

眠鬼「……無駄だよ。お前に私は止められない。倒せやしない!」

圭一「はぁあ?誰が倒すって言った?というか俺の攻撃、いや、口撃は既に終わってるんだぜ?」

圭一「また卑怯とか言うなよ?せっかくの高揚が萎えるから!」

圭一「俺は『口先の魔術師』!言葉巧みに相手の心理を操り、ゲームに勝利する!」

圭一「お前は俺の口撃ですでに心が揺らいでいる!俺が信頼できる人間だと思い始めている!」

圭一「だから、お前に俺は殺せない!仲間だからな!」


眠鬼「……ッ!ゴチャゴチャ、うるさいっ!おしゃべりは終わりだって言っただろ!」

圭一「だったら来い!お前は絶対に俺を殺せないッ!」

眠鬼「お望みどおり!殺してやるぅううううう!うおおおおおおおおッッ!!」


668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:08:55.02 ID:sbgG6ku80 [51/89]


ぬーべー「大丈夫か、玉藻!」

羽入「意識を失ってますが、死んではいないのです」

ぬーべー「そ、そうか…。よかった。い、今、ヒーリングで治して…くっ」

羽入「ぬ、ぬーべーも酷い怪我なのですよ!」

ぬーべー「問題ない!まずは玉藻が先だ…」

羽入「僕もさっきからやってるのですが、力を使い果たしていて」

ぬーべー「二人がかりなら、危険な状態は脱するはずだ。頑張ってくれ!」

羽入「は、はいなのです!」


ぬーべー「圭一は大丈夫か…?」

羽入「僕たちに出来るのは彼を信じる事だけなのです。あうあう…」

669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:14:31.60 ID:sbgG6ku80 [52/89]


沙都子「だ、大丈夫でございましょうか、圭一さん…」

梨花「大丈夫なのです。やる時はやる男なのですよ、圭一は」

魅音「そうだね、圭ちゃんならきっと…!」

レナ「うん。きっと眠鬼ちゃんを助けられる。あの時の私みたいに」

梨花「……ど、どういう意味なのですか?」

レナ「分からないけど、昔、あんな状態だった私を圭一くんが助けてくれた、気がするの…」

梨花「そうなのですか……」


670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:15:28.07 ID:sbgG6ku80 [53/89]



広「うおおおおお!眠鬼!俺たちだって友達だぞおおお!」

克也「おい、危ないって!窓から身を乗り出すな!」

郷子「眠鬼!あなたが鬼だって関係ない!私たちの友達にはそんなの珍しくもなんとも無いわ!」

美樹「そうよ!そうよ!この美樹さまが友達だって言ってるんだから信じなさいよ!」

まこと「怖くて見てられないのら…」

ゆきめ「大丈夫、きっと眠鬼ちゃんも戻ってこれるよ。私と同じように」



眠鬼「死ねぇええええっ!」

圭一「俺は信じる!お前が俺を信じてくれると信じるっ!絶対に目を逸らしてやらないぜぇッ!」


672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:32:55.02 ID:sbgG6ku80 [54/89]
まこと「ど、どうなったのら…?」

広「み、眠鬼…!」

魅音「け、圭ちゃん…」

梨花「ふっ、決着はついたようね……」

美樹「一体どうなったのよっ!?」


圭一「……」

眠鬼「……」


レナ「眠鬼ちゃんの攻撃が」

克也「す、寸前で止まった……」

郷子「つ、つまり…」

沙都子「この勝負は…」

羽入「圭一の勝ちなのです!」

一同「やったあああああああああああああああああ!!!!!」


ぬーべー「……よくやったな、圭一」

673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:37:01.69 ID:sbgG6ku80 [55/89]


圭一「へへへ、ありがとよ。俺を信じてくれて」

眠鬼「馬鹿じゃないの!こんなの無謀じゃない!無茶苦茶だ」

圭一「違う、信頼さ」

眠鬼「わ、私は鬼よ…!極悪非道の代名詞…。そんなものをこうも簡単に信じるなんて…ホント馬鹿だ」

圭一「信じるのに簡単を困難もねぇ!信じると決めたら、疑わない。それだけだ」

圭一「俺だけじゃない。部活メンバーみんなお前を信じてる。広たちだってきっと信じてる」

圭一「そしてお前も信じてくれた。へへへ、これで本当の仲間になれたぜ」

眠鬼「わ、私を仲間と呼んでくれるのか…、こんな酷いことをしたのに」

674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:38:06.12 ID:sbgG6ku80 [56/89]

圭一「なんだなんだぁ?らしくねぇな!お前はそんなうじうじする性格だったか?」

圭一「謝ればいいじゃないか!間違ったことをしたんなら!それで終わりだろ?」

眠鬼「ゆ、許してくれるのか…?私のこと…」

圭一「まぁ、駄目だろうなぁ~!」

眠鬼「…!そ、そうか、やっぱり……」

圭一「部活で手加減するなんざ許される事じゃねぇ!誓え!二度と手は抜かないと!」

圭一「そうすりゃ、今回の事は水に流してやる!」

眠鬼「圭一……。しかし、玉藻には酷い事を……」

圭一「そ、それは……」


675 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:40:07.75 ID:sbgG6ku80 [57/89]
眠鬼「謝って許してもらえる事じゃない……」

玉藻「全くだ…。こんな事、そう何度もされてたまるか」

ぬーべー「だ、大丈夫か!玉藻!」

玉藻「えぇ、もう大丈夫。あとは自力で治せます」

眠鬼「ご、ごめん……、なさい……」

玉藻「……ふっ。いいか、許すのは今回が最後だ。二度とするんじゃない」

圭一「ひぅ~ッ!かっけーぜ、玉藻さん!」

玉藻「ヒステリーを起こした子供をあやすのも大人の仕事だ」

眠鬼「た、玉藻…あ、ありがとう…、ううっ…」


676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:42:15.51 ID:sbgG6ku80 [58/89]


広「眠鬼!」

郷子「眠鬼!もう馬鹿なんだから!」

レナ「眠鬼ちゃん、信じてくれて、ありがとう」

眠鬼「みんな…、ごめん……ううっ」

圭一「へへへ!眠鬼が泣くなんて、こりゃあ今晩あたり銃弾でも降ってくるんじゃないか?」

眠鬼「な、泣いてない!目にゴミが入っただけだ!/////」

まこと「やっと、いつもの眠鬼なのら!」


677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 07:45:38.78 ID:sbgG6ku80 [59/89]


ファンファンファンファンファン


ぬーべー「ん?何の音だ?」

ゆきめ「パトカーがこっちに向かってきてるようです」

玉藻「当然ですね。これだけ暴れて、通報されない方がおかしい」

広「ど、どうすんだよ!ぬーべー!」

ぬーべー「うーん、言って信じてくれるような人種ならいいんだが…」

梨花「もう一度出番なのですよ、圭一」

679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 08:01:04.86 ID:sbgG6ku80 [60/89]

ぬーべー「お、そうだな!上手い言い訳頼むぞ、『口先の魔術師』!」

圭一「うおおおおお!?また俺かよぉっッ!」

魅音「頼りにしてるよ、『口先の魔術師』ぃ~!」

レナ「やる時はやってくれるんだよね、『口先の魔術師』!」

沙都子「頑張ってくださいまし、『口先の魔術師』さん!」


圭一「や、やめてくれぇ~!恥ずかしいぃ~~ッッ!!」




羽入「これにて一件落着なのです!あうあう!」


ぬーべー「オヤシロさまの崇り…?」-3
続きます

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