スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
唯「今日から琴吹家の使用人になる!」 -2
唯「今日から琴吹家の使用人になる!」
続きです
続きです
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:07:35.19 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数ヵ月後
梓「唯さんもここに来てから、ずいぶん経ちましたね!」
唯「ほんとだ!・・・まぁ相変わらず失敗は多いけどね」
梓「自分で言ってどうするですか・・」
ブォン・・・キキーッ
梓「ん?玄関の方から車の音が・・・。誰かしら?」
唯「お客様かな?」
梓「見てきますね」
唯「はーい」
玄関先
和「あら、久しぶりじゃない、梓」
梓「の、和様!!」
和「澪、いる?」
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:14:32.56 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「は、はい!お部屋の方にいらっしゃるかと・・、と、とにかくお入りください」
和「ありがとう」
バタン
唯「(あ、お客様だ)いらっしゃいませ」
和「あら、知らない顔ね。新しく入った使用人かしら?」
唯「はい。4月からここで使用人をさせて頂いております、平沢唯と申します」
和「唯ね。よろしく。私は真鍋 和よ。苗字は違っても、私は澪の姉よ」
唯「へー・・・えええええええ!?お姉さまですか!?!?」
梓「こ、声が大きいです!!」
唯「はっ!し、失礼しました!!」
和「ふふ、構わないわ。私も澪と同じで、真鍋家に養子に出されてるの」
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:19:51.27 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「ほー・・・」
和「似てないでしょ?母が違うのよ」
唯「ふ、複雑なんですね・・・」
梓「ゆ、唯さん!」
和「ふふ、面白いのね」
唯「よ、よく言われます」
和「血は繋がってないけど、あなたの言う通り、複雑な環境で過ごしてきたからね。
だから離れ離れになった今でもたまに会ってるの。まぁ澪が自分から会いにくるようなことはないんだけど」
唯「2人は仲が良いのですか?」
梓「唯さん!質問は・・・!!」
和「構わないわ、私はそういう使用人の心得だっけ?そういう堅苦しいの嫌いなの。
・・・で、そうねぇ。仲が良いと言えばいいかしら?周りはどんなふうに見るかは知らないけど。
けど小さい頃、ほんの少しの間だけど、一緒に支え合って過ごしたから、見えない絆はあると思ってる」
唯「そうなんですか・・・」
梓「もう、和様!喋りすぎですよ!さ、行きましょう」
和「ふふ、あなたと話せて楽しかったわ。またゆっくり話しましょうね」
唯「は、はい!」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:22:52.17 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「(似てない・・・、顔もだけど、・・・中身が)」
・・・
トントントン
梓「澪様、お客様です」
澪「・・・」
和「はぁ・・・、澪、入ってもいいかしら?」
澪「・・・入れ」
梓「・・・・」
和「たく、澪ったら。ごめんなさいね、梓」
梓「い、いえ!そ、それでは私は失礼します!」
和「ええ、また」
梓「ごゆっくり・・・」
バタン
梓「(私はいつになったら澪様に信用してもらえるのかな・・・)」
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:29:37.31 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
和「・・・また痩せたんじゃないの?」
澪「そんなことない」
和「ご飯はちゃんと食べてるの?」
澪「食べてる」
和「ふーん。で、どうなの?元気にやってる?」
澪「元気も何もあるかよ・・・こんなとこ」
和「もーまだそんなこと言ってるの?いい加減諦めなさいよ」
澪「・・・」
和「あーと、あんたも使用人いじめもいい加減にしなさいよね」
澪「いじめてなんかない」
和「いじめてないとしても使用人に少しは気を使ってやりなさい」
澪「使用人に気を使うだと?ふふ、面白いことを言うんだな」
和「使用人も人間よ。あんたと同じね。・・・梓、可哀想じゃない」
澪「使用人に可哀想もあるか。使用人は使用人らしくいれば問題ないはずだ。なぜなら使用人だからな」
和「はぁ・・・、あんたはいつからそんな性格になったのかしらねぇ」
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:33:20.29 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「和様っていい人だねー!」
梓「もう、和様がいくらお優しいからって調子にのっちゃダメですよ!!」
唯「べ、別に調子にのってなんか・・・」
梓「和様だったから良かったものの、澪様だったら・・・あ、和様!」
和「今日はありがとう。失礼するわ」
梓「も、もうですか?」
和「ええ。最近あっちでも忙しくてね。本当はもっと説教してやりたいのだけど・・・
また今度にするわ」
梓「そうですか・・・。お気をつけて!」
和「ええ、またね。・・・あと唯もね」
唯「は、はい!お気をつけて・・!!」
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:40:42.02 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「あー煩い奴だ、ほんと・・・」
澪「けど・・・」
澪「久々にちゃんと人と話したな・・・」
数日後
梓「ゲホゲホッ・・・うーっ」
唯「うわー熱があるねー。今日はお休みだね」
婆「そうしなさい。ゆっくり休むのですよ」
梓「け、けど澪様のお世話が・・・ゲホゲホ!!」
婆「そんな体調でお世話なんかできませんよ。けど困りましたね・・・。そうだ、
唯、あなたが梓のいない間澪さまのお世話をしないさい」
唯「ええええええええ?!」
梓「そ、それはいくらなんでも・・・!!!」
婆「私もちょっと不安なのですが、生憎今日はどの使用人も空いてなくてね。
とにかく梓、あなたはしっかり治すこと。いいですね?」
梓「うっ・・・は、はい。・・・唯さん、澪様のことよろしくです」
唯「う、は、はい」
梓「(大丈夫かな・・・)」
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:45:36.43 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「どうしよう・・・絶対、無理だ・・・私、無理・・・
って弱気になっちゃダメだよね!!大丈夫!私はやればできる子って言われてたし!うん!」
トントントン
唯「澪様、おはようございます」
ガチャ
唯「おはようございます澪様。今日は梓が風邪のため勝手ながらお休みさせて頂きました。
代わりに私が梓が復帰するまで澪様のお世話を・・・」
澪「すー・・・」
唯「寝てる・・・」
澪「・・・」
唯「寝顔は可愛いんだけどな・・・」
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:48:21.09 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「ん・・」
唯「あ、やばっ!!」
澪「・・・ん、・・・な、なんだお前!!!なんでゴミが私の部屋に入ってきてるんだ!!誰が許可した!!!おい!!!」
唯「お、落ち着いてください澪様!!」
澪「触るなゴミ!!!!!!!」バシ
唯「うあ!!!」
唯「いたたた・・・」
澪「気色悪い!!お前が入ってきたせいで、カーペットも取り代えなくちゃならんだろうが!」
唯「ひ、ひどい・・・」
澪「酷いだと?!お前如きが私の部屋に入ってきて何を言ってる!さっさと出てけ!!!」
唯「わ、私は梓の代わりとして!!」
249 :保守ありがとうございました :2010/10/28(木) 15:13:13.12 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「どうした!?」
紬「何騒いで・・・あ!」
唯「律様、紬様・・・!」
澪「こ、こいつが勝手に私の部屋に・・・!」
唯「ち、違います!今日は梓が風邪でお休みなので、私が代わりに澪様の世話を・・・」
澪「言い分けはいらない!!!」
律「落ち着け、澪!!」
紬「そうよ!唯は梓の代わりとして澪ちゃんのお世話に・・・!」
澪「関係ない!!」ダッ
律「あ、おい!!澪!!!」
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:20:33.77 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人「きゃっ!み、澪様!?ど、どちらにお出かけですか!?」
澪「煩い!!使用人が質問するな!!!」
律「おい!!澪を止めろ!!」
使用人「え!?」
澪「ちっ!」ダッ
律「あ、おい!澪!!!たく、あいつ・・・」
唯「り、律様、ここは私が追いかけますから、律様はどうか食堂の方へ・・・!!」
律「いや、私が・・・」
唯「ダメです!澪様も律様も食事に参加しないと旦那様が心配してしまいますよ」
紬「そうね・・・、この事はお父様には秘密にしておいた方がいいかもしれないし・・・」
律「・・・」
紬「澪ちゃんのためよ、行こう、りっちゃん」
律「・・・唯、頼んだぞ」
唯「お任せください!!」
255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:26:18.83 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷外
澪「(なんであいつら使用人の味方ばっかするんだ・・・!)」
運転手「・・・どちらにお出かけで・・・って澪様!?」
澪「煩い!!!さっさと車を出せ!!!!」
運転手「え?!け、けど・・・」
澪「私の命令が聞けないのか!?」
運転手「わ、分りました・・・!!!」
唯「澪さまあああ!!」
ブウウウン
唯「はぁはぁ・・・!!い、いっちゃった・・・・!ど、どこに行ったのか、な。と、とにかく追いかけなくちゃ・・・!」
唯「そうだ、あの車を追いかければ・・・!!」
運転手2「はぁ?使用人のお前をだと?」
唯「そうなんです!お願いします!澪様を追いかけなくちゃいけないんです!」
運転手2「だめだめ。使用人のお前を車に乗せることなんてできないよ」
唯「そ、そんな・・・」
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:31:36.71 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人宿舎
梓「唯さん、うまくやって・・・るわけないよなぁゲホゲホ」
唯「梓ちゃんん!!!」バタン!
梓「キャッ!!・・・え、唯さん!?ゲホゲホ、み、澪様のお世話は!?って何泣いて・・・」
唯「み、澪様が出て行っちゃったの・・・!!」
梓「出て行った・・・?!」
唯「私が悪いの、私が・・・どうしよう、梓ちゃん、うっうううう」
梓「お、落ち着いてください!と、とにかく追いかけなくちゃ・・・」
唯「車で追いかけようと思ったら、使用人は車に乗っちゃいけないって言われて・・・」
梓「澪様は車で出ていかれたのですか?」
唯「うん。だからもう間に合わないかも・・・ぐすっ」
梓「・・・大丈夫です」
唯「え?」
梓「私の予想が当たれば、澪様はあそこにいるはず」
259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:38:08.48 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「え!?ど、どこ行くの、梓ちゃん・・・!」
梓「澪様をお迎えに行くのです・・・!ゲホゲホ」
唯「そ、そんな体じゃ無理だよ!私が・・・」
梓「唯さんじゃ無理です。車は使えません。けど私なら使えます」
唯「そ、そうなの!?」
梓「はい。数年前から車を使う許可を得ています。もちろん仕事で使うだけですが」
屋敷外
梓「車をだしてください!!」
唯「わ、私も行く!!」
梓「ダメです!!使用人二人が朝から外出なんて見つかったら怒られます!」
唯「け、けど梓ちゃんはすごい熱で・・・!」
梓「私なら平気です。心配しないでください。唯さんは澪様が帰ってくるまで、なんとか話を合わせておいてください」
唯「う、うん・・・」
梓「では行ってきますね。車を出してください」
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:41:59.94 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
>>257
ありがとうございます
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:43:55.75 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「ゲホゲホ・・・やっぱ辛いなぁ・・・」
運転手「どちらにお出かけで」
梓「真鍋家へ向かってください」
運転手「真鍋家・・ですか?」
梓「はい。お届けものがありまして・・・」
運転手「左様ですか。わかりました」
梓「(澪様が逃げたから、なんて言えないよね)」
真鍋家屋敷
運転手「着きました」
梓「ありがとうございます」
梓「(・・・私の勘が当たってればいいのだけど)」
263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:48:47.22 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
トントントン
使用人「はい・・・えっと・・・」
梓「おはようございます。私は琴吹家の使用人をやっております、梓と申します。
こちらに澪様はいらっしゃいますか?」
使用人「あ、はい。先ほどお見えになられ、只今和様のお部屋に・・・」
梓「案内して頂けますか?お願いします」
使用人「あ、はい。こちらです・・・」
和部屋
和「・・・呆れた」
澪「私は悪くない!あのゴミが勝手に私の部屋に・・・!!!」
和「だからって屋敷を飛び出してくることないじゃない」
澪「だ、だって・・・」
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:51:49.08 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
トントン
使用人「和様、お客様です」
和「お客様?こんな時間に・・・?入って」
使用人「はい。・・・どうぞ」
梓「ありがとうございます」
和「梓!?」
澪「!!」
梓「澪様、帰りましょう」
澪「や、やだ!!」
梓「みなさん心配しておりますよ」
澪「あのゴミが悪いんだ・・・!」
梓「悪いのは私です。風邪でお休みを頂いたばっかりに・・・」
和「か、風邪ですって?」
梓「とにかく澪様、帰り・・・ゲホゲホ!!!」
265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:54:37.19 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
和「梓!!大丈夫!?」
梓「ゲホゲホゲホ、だいじょ、う、ぶ・・です・・・」ふらっ
和「梓!!!!し、しっかりしなさい・・・ちょ、ちょっと!誰か!!」
使用人「はい!」
和「この子を外まで連れていってあげて!!それと車の手配を!病院に連れていくわよ!!」
使用人「え!?あ、はい!!」
和「梓、梓、しっかりしなさい!!」
梓「ハァハァ・・・ハァ・・・」
澪「うっ・・・」
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:00:05.95 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
病院
医者「注射を打っておきました。寝ておけば熱はすぐさがりますよ」
和「そうですか、良かった・・・。お世話になりました」
医者「では・・・」
澪「・・・」
和「・・・よく寝てるわね」
梓「すーすー」
澪「・・・」
和「澪、これは貴方の責任でもあるわよ」
澪「な、なんで!?」
和「あんたが屋敷飛び出してこなければ梓だってこんなことにならなかったはず」
澪「違う!こいつが風邪なんかひいて、違うゴミを私の部屋によこすから・・・ってコイツも言ってたじゃないか!」
和「ほんとにどうしようもないわね・・・。あ、ちょっと席を外すわ」
澪「どこに?」
和「電話よ。すぐ戻るわ」
267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:02:42.26 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
バタン
澪「ど、どうして私が・・・」
梓「ん・・・」
澪「!!」
梓「・・・み、お、さ、ま・・・?」
澪「あ・・」
梓「・・・澪様・・」
澪「あ、あんたのせいで私は・・・!!」
梓「よか、った・・・澪さ、まが無事・・・で・・・」
澪「・・・・」
梓「・・・」すーすー
澪「・・・なんだよ・・・ほんとに私が悪者みたいじゃないか・・・」
269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:07:49.12 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆『澪様と梓が!?』
和「ええ。梓は数時間たったら注射のおかげで熱は下がるそうよ。そうね、夕方あたりに迎えをよこしてもらえるかしら?」
婆『それは構いませんが、澪様は・・・』
和「澪は梓の付き添いとしていてもらうわ。あ、旦那様の方は大丈夫?」
婆『ええ、そちらは問題ありません。澪は風邪で部屋にいると言っておきました』
和「そう。まぁ、旦那様に澪なんて・・・ね」
婆『・・・・。律様と紬様が心配しておりました。そう、お伝えください』
和「わかったわ」
婆『それと唯も』
和「唯?ああ、使用人の。・・・そう、わかったわ、言っておく。それじゃ」
和「困ったものね・・・澪にも」
270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:12:19.98 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
バタン
澪「和・・・」
和「琴吹家にも連絡入れといたわ。心配しないで」
澪「・・・」
和「あなたは幸せ者よ?」
澪「え?」
和「こんな体で、あんたを追いかけて来てくれたのよ?」
澪「・・・」
和「なかなかこんな使用人いないわよ。普通だったら婆に任せてしまうところね」
澪「・・・」
和「あんなにこの子に冷たく当っておきながら、梓はこんなにあんたにつくしてるじゃない」
澪「それは・・・」
和「使用人だから?」
澪「・・・」
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:15:40.89 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
和「もう少し人の気持ちってものを考えてみなさい。梓も人間なのよ」
澪「・・・」
和「いいわね?・・・それじゃあ私は帰るから」
澪「え!?か、帰るのか!?」
和「学校があるもの。あ、澪は梓の付き添いよ」
澪「そ、そんな・・・!」
和「当たり前じゃない。婆にも伝えておいたから、夕方には迎えが来るわ」
澪「・・・」
和「頼んだわよ」
澪「・・・」
和「それじゃあね」
バタン
澪「・・・」
275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:20:03.32 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「んー・・・」
澪「!!」
梓「・・・あれ、ここは・・・って澪様!?」
澪「うるさい、病院だぞ」
梓「びょ、病院・・・?あ・・・そっか、私倒れて・・・」
澪「私の為なんかに・・・」
梓「え?」
澪「私の為なんかにそこまでするか?」
梓「み、澪様?」
澪「倒れてまで私を迎えに来なくてもよかったのに。それにそんな体なら、婆にでも頼んで・・・」
梓「私は澪様の専属使用人ですから」
澪「・・・」
梓「すみません、生意気なこと言ってしまって・・・」
澪「・・・。帰るぞ。下に迎えが来てる」
梓「え?あ、はい!(・・・怒られなかった)」
276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:24:08.54 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
車内
澪「・・・」
梓「・・・」
澪「体は平気か?」
梓「え?」
澪「何でもない・・・」
梓「(あ、あの澪様が・・・私の体を心配して・・・)」
運転手「着きましたよ」
梓「あ、ありがとうございます!」
ガチャ
唯「あ、梓ちゃん!!!!っと、澪様!!」
梓「ただいま」
277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:28:22.05 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「おかえりなさいませ!」
梓「私がいない間、ちゃんと掃除・・あ」ふらっ
澪「おっと・・・」
梓「・・・・あ!す、すみません!!」
澪「・・・構わん」
梓「え!?あ、あ、ありがとうございます・・・!」
唯「(・・・・あの澪様が梓ちゃんを支えた・・・。な、何が起きてるというの・・)」
澪「梓、このカバンを私の部屋に・・・。いや、そこの使用人。このカバンを私の部屋に運んでおけ」
唯「え!?わ、私がですか!?」
澪「なんだ、嫌なのか?」
唯「い、いえ!!」
梓「け、けど・・・」
澪「梓は部屋に戻って寝てろ。・・・いくぞ」
唯「は、はい!!」
梓「(・・・どうしちゃったの、澪さま・・・)」
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:32:26.28 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数日後
純「よかった、すっかり元気になったみたいね」
梓「うん。心配してくれてありがとう」
純「だ、誰が心配なんて・・・!」
梓「ふふ。さ・・澪様を起してこなくちゃ!」
純「え?あ、うん、いってらっしゃい」
純「・・・」
純「ねえ」
唯「ん?」
純「最近、梓の機嫌が良すぎて気持ち悪いんだけど」
281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:37:04.33 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「澪様、おはようございます」
澪「・・・」
梓「支度のお手伝いさせて頂きますね」
澪「・・・」
梓「あ、制服にシミが!大変!いつの間についたのですかね・・・。代わりのもの用意しますね」
澪「・・・」
梓「ではこちらを」
澪「?」
澪「(機嫌がいいのか?)」
291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:13:24.87 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「むにゃむにゃ・・・」
梓「あ、律様!!」
律「・・・はっ!!ち、違うぞ、これは寝ぼけてトイレの方向を間違ってなど・・・!」
梓「ふふ、・・・さ、行きますよ」
律「・・・え?(怒られないだと・・・?)」
律「(んにしても最近、梓の機嫌がいいよなー・・・。何かあったのか?)」
293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:19:51.69 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「ふふ~ん♪」
唯「なんだか最近機嫌がいいでござるね」
梓「わ!!きゅ、急に話しかけないでくださいよ!」
唯「へへーん、いままでのおかえしだよー」
梓「もう・・・」
唯「最近機嫌いいね。どうしたの?」
梓「そ、そうですか?別にそんなこと」
唯「澪様?」
梓「・・・」
唯「そっかー」
梓「そ、それもありますけど・・・」
唯「うん?」
梓「今はこの仕事が楽しくて仕方ないんです。10年間やってきましたけど、もしかしたら一番楽しい・・・いや、遣り甲斐があるというか
294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:22:21.04 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「やりがいかー」
梓「はい。唯さんは?」
唯「私も!仕事後の食事はおいしいし!」
梓「そっちですか・・・はぁ」
唯「へへ」
婆「梓」
梓「は、はい!」
婆「ちょっと来なさい」
梓「は、はい!」
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:35:57.48 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「え、縁談ですか!?」
婆「はい」
梓「そ、そんな急に・・・!!!」
婆「あなたは琴吹家で10年も頑張ってきました。そこで旦那様が貴方の努力を認め、縁談の話を持ってこられました」
梓「わ、私は・・・」
婆「女の幸せは結婚ですよ。あなたはよく頑張りました」
梓「私はまだこの仕事を続けたいです・・・!」
婆「いいですか、この縁談を逃せばいつ話がくるかわかりませんよ。それにあなたの家系は琴吹家のお世話係のために産まれてきたみたいなものです。
・・・それに旦那様が言うには、縁談相手は有名な資産家の息子様らしいです」
梓「でも・・・」
婆「貴方がその息子様と結婚したらいい暮らしはもちろん、貴方の家系も琴吹家と離れます。
そう、貴方の子孫はもちろん、これからも琴吹家につかえなくていいのですよ」
梓「・・・」
婆「貴方のためにももちろん、これからの家柄としてもいいことだと思います」
299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:40:32.65 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「・・・まだ気持ちの整理はつかないと思いますが、よく考えておきなさい」
梓「・・・」
婆「もちろん断ることはできませんよ。もし断ったら旦那様にも相手の方にも泥を塗ることになります。
使用人に断られたなんて恥ですからね」
梓「・・・」
婆「ごめんなさいね・・・、何もできなくて」
梓「いえ、婆さんが謝ることはないですよ」
婆「・・・」
梓「失礼します」
302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:45:27.84 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「・・・はぁ」
純「・・・」
唯「・・・」
純「どうしたのよ梓、最近まで機嫌がいいと思ったら・・・」
唯「う、うん・・・何かあったのかなぁ・・・」
・・・
梓「澪様、お出かけの時間です・・・」
澪「ああ・・・」
梓「・・・」
澪「・・・」
澪「・・・なあ」
梓「はい」
澪「最近元気ないな」
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:48:28.66 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「え!?あ、す、すみません!!」
澪「・・・」
梓「・・・」
澪「聞いたぞ、縁談だってな」
梓「え、知って・・・」
澪「お父様が嬉しそうに話してた。・・・まぁいいんじゃないのか。お前の身分じゃ充分すぎる相手だろ」
梓「・・・」
澪「嬉しくないのか?」
梓「私はまだこの仕事を続けたいと思ってます」
澪「・・・変わったやつだな」
梓「そ、そうでしょうか?」
澪「女の幸せは結婚だぞ。女が一生仕事続けて生きていけるわけないだろ」
306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:51:36.73 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「そ、それはそうですが・・・」
澪「有り難く受けることだな」
梓「・・・」
・・・
律「ええええ!?梓が結婚だってえええ!?」
紬「そうなのよ。さっきお父様が話してたわ」
律「そ、そんな・・・わ、私は嫌だぞ!!」
紬「けど縁談の相手は有名な資産家の息子さんよ。それなら梓ちゃんは苦労せず一生幸せに暮らせるわ」
律「け、けど・・・。あいつは小さい頃から一緒にいて、使用人だけど、けど妹みたいな存在で・・・」
紬「りっちゃん・・・」
309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:54:56.24 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人宿舎
唯「ええええ!?!?あ、梓ちゃんが結婚!?」
梓「こ、声が大きいです」
唯「ご、ごめん・・・」
梓「・・・」
唯「わ、私は嫌だよ・・・。結婚したら使用人やめちゃうんでしょ?」
梓「そうですね・・・けど、断れないです」
唯「なんで!?」
梓「だって私は使用人。相手は有名な資産家の息子さんですよ。身分が違いすぎます。
そんな方が使用人相手に縁談を断られたなんて世間に知れたら・・・」
唯「・・・」
梓「本当はこの仕事を続けたいのですが、そうもいかないみたいです」
311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:58:59.43 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「・・・。え、縁談の日取りはいつなの?」
梓「今月30日です」
唯「え!?こ、今月!?」
梓「ほんと急ですよね・・・」
唯「急すぎて・・・!だってもう10日もないじゃん!!」
梓「旦那様がやることはよくわかりません、そしていつも急なんですよ」
唯「そ、そんなの酷いよ・・・」
梓「・・・」
唯「うっ・・・やだ、うう・・・」
梓「な、泣かないで下さいよ!!そ、そんな泣かれたら私だって・・・うっううう」
唯「うわああああん、やだあああ、梓ちゃんがいなくなっちゃうなんてやだよおおお!!」
梓「我儘言わないでくださいよ、ううっ」
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:02:56.22 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
縁談数日前
トントントン
唯「澪様、入ってもよろしいでしょうか」
澪「・・・」
ガチャ
唯「澪様、お話があります」
澪「誰が入っていいって言った」
唯「申し訳ございません・・・。けど・・・」
澪「・・・」
唯「お話・・・いえ、お願いがあります」
澪「使用人のお前がか?」
唯「はい・・・」
315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:11:09.32 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「身分を弁えろ」
唯「梓のことでございます」
澪「梓・・・」
唯「梓に縁談の件は知ってますよね」
澪「・・・ああ」
唯「良い話しだと思います。けど梓は仕事を続けたいと言っています」
澪「・・・」
唯「梓が最近、この仕事が楽しくて仕方ないと言ってました。梓が熱を出して、澪様と一緒に戻ってきたときからです」
澪「・・・・」
唯「何があったのか知りませんが、きっと梓にとっていいことがあったのだと思います」
319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:15:41.68 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「私が来て数カ月しかたってませんが、あんな生き生きとした梓を見たことがありません」
澪「・・・」
唯「お願いです、梓の縁談を断ってください!!!」
澪「なぜ私が・・・」
唯「澪様しかいないからです・・・!」
澪「違う者だって・・・」
唯「梓を止められるのは澪様しかいません。お願いです、お願いです・・・!!!!」
澪「・・・」
唯「うっうう・・・」
322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:22:08.56 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「いいか。お前だって私だって人の縁談を断るなんてできないんだぞ」
唯「それは分ってます」
澪「分ってないから言ってるんだろ」
唯「・・・」
澪「なぜお前は梓の縁談を止めたい」
唯「そ、それは友達だから・・・」
澪「友達・・・か。まぁいい。じゃあお前は友達の幸せを願えんのか?」
唯「え?」
澪「女の幸せは結婚だ。それに梓の身分じゃ今度の縁談相手は充分すぎるほどの金持ちだ。
梓自身、いや、子孫にとってもいい環境になる。琴吹家の雑用のために産まれてきた家系から脱出できるんだ」
唯「それは・・・」
澪「本当に友達と思ってるなら・・・応援してやるんだな」
325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:23:41.22 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「・・・」
紬「あら?どうしたのりっちゃん。澪ちゃんの部屋の前で・・・」
律「え!?あ、!!な、なんでもない!!」だっ
紬「?」
・・・
律「つい立ち聞きしちまったけど・・・」
律「あいつがあんな風に思ってるなんてな・・・」
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:27:54.28 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
縁談当日
梓「婆さん、10年間・・・いえ、婆さんには産まれてきてからずっとお世話になりました。ほんとに・・・ありがとうございました」
婆「そうね。・・・貴方は私の娘みたいなものでした。私こそ本当にありがとうね」
梓「うっ・・・婆さん・・・」
婆「貴方なら平気ですよ。・・・ほら、早く行きなさい」
梓「・・・はい」
婆「・・・」
ガチャ
婆「うっ・・・」ぐす
329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:31:35.25 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷内廊下
梓「あ・・・」
澪「・・・」
梓「み、澪様!おはようございます!」
澪「ああ」
梓「・・・」
澪「そうか、今日か」
梓「・・・はい、今までお世話になりました」
澪「・・・」
梓「私、澪様の専属使用人になれて本当にうれしかったんです。
辛いことはたくさんありました。けど・・・」
澪「・・・」
梓「私、澪様の事が好きでした。本当はずっともっとお傍にいたかったのですけど・・・無理みたいですね」
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:33:49.11 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「梓・・・」
梓「ずっとお傍でお世話したかったです・・・。それだけが悔やまれます」
澪「・・・」
梓「あ、ご、ごめんなさい!!私如きが何をしゃべって・・・」
澪「・・・」
梓「それでは・・・澪様お元気で」タッ
澪「・・・梓」
333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:37:52.20 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「ほんとにやるんですか!?」
律「あったりまえだ!私は梓の結婚なんて許さない!!」
唯「け、けど・・・!」
律「きっと父上がやってることはお金に絡んでる。あの人は人の幸せなんて望んだことがない」
唯「え?」
律「お金にしか興味ないんだよ。汚い奴だ、ほんと」
唯「・・・」
律「私はあんな奴のため、お金のために梓を利用されたくないんだ!!」
唯「律様・・・」
律「だから・・・」
唯「分りました!!協力します!!」
334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:44:13.62 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
旦那「いやー、今日はよろしくお願いしますぞ」
中将「こちらこそ。しっかし、琴吹家から縁談の申し込みがあるとは思ってもみなかったですぞ」
旦那「はっはっは。そうですかな」
中将「使用人・・・ってのが気になりますがな」
旦那「ほう。なら養子にでも構いませんぞ」
中将「いや、今の時代、芸子と結婚する者もいますからな」
旦那「そう言っていただけると嬉しいです」
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:47:47.60 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
息子「んーんー!!!」
唯「り、律様、本当にこんなことしていいのですか?」
律「いいんだ!これも梓のため!」
息子「んーんー!(この縄を解け!!)」
律「何言ってるかわかんねーよ!ここで大人しくしてなっ!」バタン
唯「・・・律様ってすごいですね」
律「だろう!はっはっは、もっと褒め称えよ!!」
唯「すごい、すごいよー律さまああ!!」
律「あっはっはっは!!」
337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:51:20.95 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「失礼します」
旦那「おお来たか。入れ入れ」
梓「はい・・・」
中将「おお!なかなか可愛い娘ではないですか!我が息子も喜ぶことでしょう」
梓「・・・」
中将「しっかし我が息子は何をしているのだ。ずいぶん遅いな・・・」
律「貴方の息子さんは来ませんよ」
中将「!?」
旦那「律!?」
梓「り、律様!?」
律「この縁談、取りやめにして頂きます」
339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:01:55.84 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
旦那「な、なんだ急に!?」
律「父上、お金のために梓を利用しないでください!!」
旦那「なっ!!」
律「使用人まで金の繋ぎにするなんて最低だ!!」
中将「い、いったい・・・」
澪「私からもお願いします」
律「み、澪!?」
梓「!!」
旦那「み、澪、お前・・・!」
340 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:07:29.93 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「父上のやりたいことは丸見えですよ」
旦那「なっ」
澪「中将の息子様と結婚させれば、軍からの援助がもらえますものね」
梓「・・・」
澪「私たちを嫁にださなかったのは秋山家、田井中家の援助が途切れるから。紬に関しては可愛くて手放したくはなかったのでしょう。
だから残るは使用人の梓」
旦那「ふっふっふ、使用人如きに何熱くなっておる、澪」
澪「熱くなっておりません。ただ梓はこの仕事を続けたいと言ってます。梓は私の専属使用人です。
私の断りなく話を進められては困りますよ」
旦那「琴吹家の主は私だぞ?」
澪「けど梓は私の使用人です」
348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:16:16.81 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
旦那「使用人なんていくらでも代わりがいるであろう?」
澪「そうですね、腐るほどいます。けど」
旦那「けど」
澪「私は我儘でおかしな人間です。そんな世話をできるのは梓しかいませんから」
梓「み、澪さま・・・」
澪「あと父上。中将ぐらいで満足しておるのですか?軍の援助が必要なら大将ぐらいの階級は必要かと」
旦那「はっはっは、それもそうだな」
澪「中将の息子様の出世を期待されてたのなら、あれはダメですよ」
中将「なっ!?」
澪「女子にやられては日本の未来など任せられません」
350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:17:24.21 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「・・・・」
中将「貴様、何を!?」
澪「貴方の息子なら地下でお眠りでしょう」
中将「!?こ、これはいったい・・・」
旦那「縁談は取りやめですな、中将殿」
中将「なっ!!」
旦那「澪がここまで言うのだから、仕方ないな」
紬「そうですわね」
旦那「紬!」
353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:22:47.46 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「澪ちゃんがここまで使用人に熱い方だと知らなかったわあ」
澪「別にそんなこと」
紬「確かに梓を手放すのはもったいないわ。琴吹家でできる使用人って梓しかいないもの」
旦那「ふむ」
中将「ちょ、っちょっと・・・」
旦那「ではそういうことです中将殿」
中将「あ、待って・・・!!」
355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:25:39.99 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「澪ちゃん・・・」
澪「・・・」
紬「貴方が何やるかは勝手だけど、琴吹家に泥を塗ることはしないでくださる?」
澪「・・・」
紬「秋山家なんて琴吹家がいなければ何もできないんだから」
澪「・・・」
紬「今回の件は父上にうまく言っておくけど、次はないわよ」
澪「わかってる」
紬「・・・琴吹家の恥が」
361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:29:19.17 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「ふふ、なんてね♪ あ、りっちゃーん!」
律「ムギー!どうしてお前がここにいるんだよー!」
紬「りっちゃんのことだからここにいるんじゃないかなーって!もう、私を置いてくなんて酷いじゃない!」
律「ははは、すまん」
紬「ふふふ、私りっちゃんのためなら何でもするわよー?」
律「それは助かる!」
紬「遠慮なく言ってよね、ふふ」
唯「(梓ちゃんの縁談がなくなってよかった・・・!!)」
364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:32:35.63 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
v
365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:33:39.91 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「あ、あのお待ちください、澪様!!」
澪「誰に命令してる」
梓「あ、す、すみません・・」
澪「・・・。よかったのか、これで」
梓「え?」
澪「縁談」
梓「はい!!!これで仕事が続けられます!!澪様のおかげです!!」
澪「別に私は」
梓「まさか澪様が来られると思いませんでした。・・・夢みたいです」
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:38:58.49 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「お前は私に言った。ずっと私の傍で世話ができないのが悔やむって」
梓「あ・・・」
澪「もちろん私の世話をずっとなんて無理な話だ。けどな・・・」
梓「・・・」
澪「悔やみながら嫁がれてもいい気はしないんだよ」
梓「澪様・・・」
澪「いつかまた縁談の話が舞い込んでくるだろう。それまで自分が納得できるよう頑張るんだな」
梓「は、はい・・!!」
澪「帰るぞ」
梓「はい!!お荷物お持ちします!!」
澪「うむ」
368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:42:37.71 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
・・・
和「最近あんた変わったわね」
澪「そうか?」
和「なんか・・・人間らしくなったというか」
澪「失礼だな。私は元々人間だぞ」
和「ふふ、それは失礼しました。・・・澪の専属人使用人が梓でよかったわ」
澪「なぜそこで梓の名前がでる」
和「きっと梓がいなければ、澪は変わらなかった」
澪「・・・」
和「感謝しなさいよ。使用人としても人間としても、あんなできた子はいないわよ」
澪「・・・そうだな」
和「え?」
澪「なんでもない!」
369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:46:32.67 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
・・・
唯「おかーさん、お父さん、憂、お元気ですか、私は・・・」
純「煩いほどお元気です」
唯「うわっ!!」
純「なーに?実家にお手紙?」
唯「か、勝手に見ないでよお!」
純「ははは、ごめんてばー」
唯「うー」
370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:50:24.97 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数十分後
唯「よしできた!」
純「おめでとー、今から出しに行くの?」
唯「うん!」
純「じゃあ街でお菓子でも買ってきてよー。おなか減った」
唯「えー、じゃあ純ちゃんも一緒に行こうよー」
純「私はやることがあるからね。さ、行った行った!」
唯「もー!」
・・・
紬「あら?唯じゃない」
唯「あ、紬様!こんにちは!」
紬「こんにちはー。あら、お手紙?」
唯「はい!実家に出そうと思って」
紬「ふふ、いいわね。あ、じゃあ私が出してきてあげる!」
唯「え?!」
373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:59:37.42 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「今から私、街に用があるの。だからそのついでにね」
唯「そ、そんなの悪いです!!」
紬「いいのいいの!唯にもやることいっぱいあるんじゃない?」
唯「うっ・・・」
紬「遠慮しないで」
唯「じゃ、じゃあよろしくお願いします・・・」
紬「まかせてー!」
・・・
純「あれ、ずいぶん早いね」
唯「紬様が手紙出してきてくれるって」
純「はぁ!?」
唯「やっぱりまずいよね・・・」
純「まずいわよ!!私のお菓子どうなるのよおお!?」
唯「そこ!?」
376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:03:29.35 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
車内
紬「・・・使用人のお仕事は大変だけど、みんな優しくてこれからもがんばれそうです・・・ぷぷぷ!
なにこれ!これが貧乏民の手紙なのね!!つまんないのー!!」
紬「はー、もっと面白いと思って見てみたけど、ヒマつぶしにもならなかったわ」
紬「あ、これ捨てといて」
運転手「はい」
378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:04:49.37 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
・・・
律「うー寒い!」
運転手「そうでございますか?今日は温かい気がしますが」
律「そうかー!?あ、おい、なんか紙ない?」
運転手「紙、でございますか?」
律「そうそう、鼻水が・・・」
運転手「え!?あ、そうださっき紬様から貰った紙が」
律「おっ!ってこれほんとに紙だな!ま、今はそんなこと言ってられないか!」ちーん!
律「・・・あーすっきりした。・・・ってこれ手紙じゃね!?」
運転手「ええ、紬様がいらないとおっしゃたので後で処分する予定でしたが」
律「あいつが手紙・・・?」
律「って、これ!!!差出人が唯じゃねぇか!!」
律「紬のやつまたこういうこと・・・」
律「んにしても・・・鼻水まみれにしちまったぜ。どうすっかな・・・」
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:08:19.41 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「へーっくしゅん!」
唯「あ、律様!おかえりなさいませ!」
律「あ、ああ」
唯「どうしました?顔が赤いですが・・・」
律「そうかー?」
唯「ちょっと失礼しますね。・・・あ!あつ!律様熱がありますよ!!」
律「どうりでダルいと思ったぜ・・・」
唯「部屋までご案内しますね」
律「頼むよ」
律「(手紙を鼻水まみれにしちまたってこと・・・どうすっかな)」
381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:11:23.26 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律部屋
唯「ではおかゆを作ってきますね」
律「ああ・・・」
唯「では失礼します」
律「あ、待って」
唯「はい?」
律「最近ここいらで郵便事故が多発してるんだよ」
唯「郵便事故・・・でございますか?」
律「そうそう。よく配達人が襲われ、郵便物が奪われるんだ」
唯「物騒ですね・・・けどなんのために」
律「さ、さあそれは私にはわかんねぇけど!と、とにかく手紙は今は出さない方がいいぜ!」
385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:16:23.13 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「は、はあ・・・けど今日出しちゃいました!!」
律「おー本当か。・・・そ、そういやあ今日も郵便事故があったらしいぜ」
唯「そうなのですか!?」
律「あ、ああ」
唯「私の手紙が混ざってなければいいけど・・・、けどそれなら届かないと思っておいた方がいいですね」
律「そ、そうだな」
唯「私、学校もろくに行けなかったので文字書きが苦手で・・・。そっか、書き直しかー」
律「・・・」
律「(悪いことしちまったな・・・)」
386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:21:32.90 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
純「郵便事故ー?」
唯「うん。律様が言ってた」
純「そんな事件聞いたことないけど・・・。まぁ律様が言うんだからそうなんでしょうね」
唯「うーん・・・」
・・・
紬「りっちゃんー、風邪平気ー?」
律「ああムギか・・・」
紬「これ、お薬よ。すぐ効くわ」
律「ああ、ありがとな」
紬「どういたしまして」
律「・・・ムギ」
紬「なぁに?」
388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:23:53.80 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「人の手紙を見るなんて悪趣味だぞ」
紬「あら、知ってたの?」
律「やっぱお前なんだな・・・」
紬「やだー怒んないでよぉ。ちょっと興味があっただけ」
律「それが悪趣味っていうんだ」
紬「反省してまーす」
律「はぁ・・・」
389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:26:43.51 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「律様、おかゆをお持ちしました」
律「入れ」
唯「失礼します・・・、あ、紬様!」
紬「こんばんはー」
唯「こんばんは!あ、あのさっきは手紙ありがとうございました!」
紬「ふふふ、いいのよー!届くといいわね」
唯「はい!・・・あ、けど最近郵便事故が多発してるらしくて・・・」
律「わーーーーー!!!!!ゆ、唯!早くおかゆをくれ!!飢え死にそうだ!!」
唯「え!?あ、はい!!」
律「(・・・たく)」
唯「今日から琴吹家の使用人になる!」-3
続きます
数ヵ月後
梓「唯さんもここに来てから、ずいぶん経ちましたね!」
唯「ほんとだ!・・・まぁ相変わらず失敗は多いけどね」
梓「自分で言ってどうするですか・・」
ブォン・・・キキーッ
梓「ん?玄関の方から車の音が・・・。誰かしら?」
唯「お客様かな?」
梓「見てきますね」
唯「はーい」
玄関先
和「あら、久しぶりじゃない、梓」
梓「の、和様!!」
和「澪、いる?」
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:14:32.56 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「は、はい!お部屋の方にいらっしゃるかと・・、と、とにかくお入りください」
和「ありがとう」
バタン
唯「(あ、お客様だ)いらっしゃいませ」
和「あら、知らない顔ね。新しく入った使用人かしら?」
唯「はい。4月からここで使用人をさせて頂いております、平沢唯と申します」
和「唯ね。よろしく。私は真鍋 和よ。苗字は違っても、私は澪の姉よ」
唯「へー・・・えええええええ!?お姉さまですか!?!?」
梓「こ、声が大きいです!!」
唯「はっ!し、失礼しました!!」
和「ふふ、構わないわ。私も澪と同じで、真鍋家に養子に出されてるの」
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:19:51.27 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「ほー・・・」
和「似てないでしょ?母が違うのよ」
唯「ふ、複雑なんですね・・・」
梓「ゆ、唯さん!」
和「ふふ、面白いのね」
唯「よ、よく言われます」
和「血は繋がってないけど、あなたの言う通り、複雑な環境で過ごしてきたからね。
だから離れ離れになった今でもたまに会ってるの。まぁ澪が自分から会いにくるようなことはないんだけど」
唯「2人は仲が良いのですか?」
梓「唯さん!質問は・・・!!」
和「構わないわ、私はそういう使用人の心得だっけ?そういう堅苦しいの嫌いなの。
・・・で、そうねぇ。仲が良いと言えばいいかしら?周りはどんなふうに見るかは知らないけど。
けど小さい頃、ほんの少しの間だけど、一緒に支え合って過ごしたから、見えない絆はあると思ってる」
唯「そうなんですか・・・」
梓「もう、和様!喋りすぎですよ!さ、行きましょう」
和「ふふ、あなたと話せて楽しかったわ。またゆっくり話しましょうね」
唯「は、はい!」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:22:52.17 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「(似てない・・・、顔もだけど、・・・中身が)」
・・・
トントントン
梓「澪様、お客様です」
澪「・・・」
和「はぁ・・・、澪、入ってもいいかしら?」
澪「・・・入れ」
梓「・・・・」
和「たく、澪ったら。ごめんなさいね、梓」
梓「い、いえ!そ、それでは私は失礼します!」
和「ええ、また」
梓「ごゆっくり・・・」
バタン
梓「(私はいつになったら澪様に信用してもらえるのかな・・・)」
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:29:37.31 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
和「・・・また痩せたんじゃないの?」
澪「そんなことない」
和「ご飯はちゃんと食べてるの?」
澪「食べてる」
和「ふーん。で、どうなの?元気にやってる?」
澪「元気も何もあるかよ・・・こんなとこ」
和「もーまだそんなこと言ってるの?いい加減諦めなさいよ」
澪「・・・」
和「あーと、あんたも使用人いじめもいい加減にしなさいよね」
澪「いじめてなんかない」
和「いじめてないとしても使用人に少しは気を使ってやりなさい」
澪「使用人に気を使うだと?ふふ、面白いことを言うんだな」
和「使用人も人間よ。あんたと同じね。・・・梓、可哀想じゃない」
澪「使用人に可哀想もあるか。使用人は使用人らしくいれば問題ないはずだ。なぜなら使用人だからな」
和「はぁ・・・、あんたはいつからそんな性格になったのかしらねぇ」
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:33:20.29 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「和様っていい人だねー!」
梓「もう、和様がいくらお優しいからって調子にのっちゃダメですよ!!」
唯「べ、別に調子にのってなんか・・・」
梓「和様だったから良かったものの、澪様だったら・・・あ、和様!」
和「今日はありがとう。失礼するわ」
梓「も、もうですか?」
和「ええ。最近あっちでも忙しくてね。本当はもっと説教してやりたいのだけど・・・
また今度にするわ」
梓「そうですか・・・。お気をつけて!」
和「ええ、またね。・・・あと唯もね」
唯「は、はい!お気をつけて・・!!」
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:40:42.02 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「あー煩い奴だ、ほんと・・・」
澪「けど・・・」
澪「久々にちゃんと人と話したな・・・」
数日後
梓「ゲホゲホッ・・・うーっ」
唯「うわー熱があるねー。今日はお休みだね」
婆「そうしなさい。ゆっくり休むのですよ」
梓「け、けど澪様のお世話が・・・ゲホゲホ!!」
婆「そんな体調でお世話なんかできませんよ。けど困りましたね・・・。そうだ、
唯、あなたが梓のいない間澪さまのお世話をしないさい」
唯「ええええええええ?!」
梓「そ、それはいくらなんでも・・・!!!」
婆「私もちょっと不安なのですが、生憎今日はどの使用人も空いてなくてね。
とにかく梓、あなたはしっかり治すこと。いいですね?」
梓「うっ・・・は、はい。・・・唯さん、澪様のことよろしくです」
唯「う、は、はい」
梓「(大丈夫かな・・・)」
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:45:36.43 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「どうしよう・・・絶対、無理だ・・・私、無理・・・
って弱気になっちゃダメだよね!!大丈夫!私はやればできる子って言われてたし!うん!」
トントントン
唯「澪様、おはようございます」
ガチャ
唯「おはようございます澪様。今日は梓が風邪のため勝手ながらお休みさせて頂きました。
代わりに私が梓が復帰するまで澪様のお世話を・・・」
澪「すー・・・」
唯「寝てる・・・」
澪「・・・」
唯「寝顔は可愛いんだけどな・・・」
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 06:48:21.09 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「ん・・」
唯「あ、やばっ!!」
澪「・・・ん、・・・な、なんだお前!!!なんでゴミが私の部屋に入ってきてるんだ!!誰が許可した!!!おい!!!」
唯「お、落ち着いてください澪様!!」
澪「触るなゴミ!!!!!!!」バシ
唯「うあ!!!」
唯「いたたた・・・」
澪「気色悪い!!お前が入ってきたせいで、カーペットも取り代えなくちゃならんだろうが!」
唯「ひ、ひどい・・・」
澪「酷いだと?!お前如きが私の部屋に入ってきて何を言ってる!さっさと出てけ!!!」
唯「わ、私は梓の代わりとして!!」
249 :保守ありがとうございました :2010/10/28(木) 15:13:13.12 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「どうした!?」
紬「何騒いで・・・あ!」
唯「律様、紬様・・・!」
澪「こ、こいつが勝手に私の部屋に・・・!」
唯「ち、違います!今日は梓が風邪でお休みなので、私が代わりに澪様の世話を・・・」
澪「言い分けはいらない!!!」
律「落ち着け、澪!!」
紬「そうよ!唯は梓の代わりとして澪ちゃんのお世話に・・・!」
澪「関係ない!!」ダッ
律「あ、おい!!澪!!!」
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:20:33.77 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人「きゃっ!み、澪様!?ど、どちらにお出かけですか!?」
澪「煩い!!使用人が質問するな!!!」
律「おい!!澪を止めろ!!」
使用人「え!?」
澪「ちっ!」ダッ
律「あ、おい!澪!!!たく、あいつ・・・」
唯「り、律様、ここは私が追いかけますから、律様はどうか食堂の方へ・・・!!」
律「いや、私が・・・」
唯「ダメです!澪様も律様も食事に参加しないと旦那様が心配してしまいますよ」
紬「そうね・・・、この事はお父様には秘密にしておいた方がいいかもしれないし・・・」
律「・・・」
紬「澪ちゃんのためよ、行こう、りっちゃん」
律「・・・唯、頼んだぞ」
唯「お任せください!!」
255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:26:18.83 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷外
澪「(なんであいつら使用人の味方ばっかするんだ・・・!)」
運転手「・・・どちらにお出かけで・・・って澪様!?」
澪「煩い!!!さっさと車を出せ!!!!」
運転手「え?!け、けど・・・」
澪「私の命令が聞けないのか!?」
運転手「わ、分りました・・・!!!」
唯「澪さまあああ!!」
ブウウウン
唯「はぁはぁ・・・!!い、いっちゃった・・・・!ど、どこに行ったのか、な。と、とにかく追いかけなくちゃ・・・!」
唯「そうだ、あの車を追いかければ・・・!!」
運転手2「はぁ?使用人のお前をだと?」
唯「そうなんです!お願いします!澪様を追いかけなくちゃいけないんです!」
運転手2「だめだめ。使用人のお前を車に乗せることなんてできないよ」
唯「そ、そんな・・・」
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:31:36.71 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人宿舎
梓「唯さん、うまくやって・・・るわけないよなぁゲホゲホ」
唯「梓ちゃんん!!!」バタン!
梓「キャッ!!・・・え、唯さん!?ゲホゲホ、み、澪様のお世話は!?って何泣いて・・・」
唯「み、澪様が出て行っちゃったの・・・!!」
梓「出て行った・・・?!」
唯「私が悪いの、私が・・・どうしよう、梓ちゃん、うっうううう」
梓「お、落ち着いてください!と、とにかく追いかけなくちゃ・・・」
唯「車で追いかけようと思ったら、使用人は車に乗っちゃいけないって言われて・・・」
梓「澪様は車で出ていかれたのですか?」
唯「うん。だからもう間に合わないかも・・・ぐすっ」
梓「・・・大丈夫です」
唯「え?」
梓「私の予想が当たれば、澪様はあそこにいるはず」
259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:38:08.48 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「え!?ど、どこ行くの、梓ちゃん・・・!」
梓「澪様をお迎えに行くのです・・・!ゲホゲホ」
唯「そ、そんな体じゃ無理だよ!私が・・・」
梓「唯さんじゃ無理です。車は使えません。けど私なら使えます」
唯「そ、そうなの!?」
梓「はい。数年前から車を使う許可を得ています。もちろん仕事で使うだけですが」
屋敷外
梓「車をだしてください!!」
唯「わ、私も行く!!」
梓「ダメです!!使用人二人が朝から外出なんて見つかったら怒られます!」
唯「け、けど梓ちゃんはすごい熱で・・・!」
梓「私なら平気です。心配しないでください。唯さんは澪様が帰ってくるまで、なんとか話を合わせておいてください」
唯「う、うん・・・」
梓「では行ってきますね。車を出してください」
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:41:59.94 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
>>257
ありがとうございます
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:43:55.75 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「ゲホゲホ・・・やっぱ辛いなぁ・・・」
運転手「どちらにお出かけで」
梓「真鍋家へ向かってください」
運転手「真鍋家・・ですか?」
梓「はい。お届けものがありまして・・・」
運転手「左様ですか。わかりました」
梓「(澪様が逃げたから、なんて言えないよね)」
真鍋家屋敷
運転手「着きました」
梓「ありがとうございます」
梓「(・・・私の勘が当たってればいいのだけど)」
263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:48:47.22 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
トントントン
使用人「はい・・・えっと・・・」
梓「おはようございます。私は琴吹家の使用人をやっております、梓と申します。
こちらに澪様はいらっしゃいますか?」
使用人「あ、はい。先ほどお見えになられ、只今和様のお部屋に・・・」
梓「案内して頂けますか?お願いします」
使用人「あ、はい。こちらです・・・」
和部屋
和「・・・呆れた」
澪「私は悪くない!あのゴミが勝手に私の部屋に・・・!!!」
和「だからって屋敷を飛び出してくることないじゃない」
澪「だ、だって・・・」
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:51:49.08 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
トントン
使用人「和様、お客様です」
和「お客様?こんな時間に・・・?入って」
使用人「はい。・・・どうぞ」
梓「ありがとうございます」
和「梓!?」
澪「!!」
梓「澪様、帰りましょう」
澪「や、やだ!!」
梓「みなさん心配しておりますよ」
澪「あのゴミが悪いんだ・・・!」
梓「悪いのは私です。風邪でお休みを頂いたばっかりに・・・」
和「か、風邪ですって?」
梓「とにかく澪様、帰り・・・ゲホゲホ!!!」
265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 15:54:37.19 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
和「梓!!大丈夫!?」
梓「ゲホゲホゲホ、だいじょ、う、ぶ・・です・・・」ふらっ
和「梓!!!!し、しっかりしなさい・・・ちょ、ちょっと!誰か!!」
使用人「はい!」
和「この子を外まで連れていってあげて!!それと車の手配を!病院に連れていくわよ!!」
使用人「え!?あ、はい!!」
和「梓、梓、しっかりしなさい!!」
梓「ハァハァ・・・ハァ・・・」
澪「うっ・・・」
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:00:05.95 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
病院
医者「注射を打っておきました。寝ておけば熱はすぐさがりますよ」
和「そうですか、良かった・・・。お世話になりました」
医者「では・・・」
澪「・・・」
和「・・・よく寝てるわね」
梓「すーすー」
澪「・・・」
和「澪、これは貴方の責任でもあるわよ」
澪「な、なんで!?」
和「あんたが屋敷飛び出してこなければ梓だってこんなことにならなかったはず」
澪「違う!こいつが風邪なんかひいて、違うゴミを私の部屋によこすから・・・ってコイツも言ってたじゃないか!」
和「ほんとにどうしようもないわね・・・。あ、ちょっと席を外すわ」
澪「どこに?」
和「電話よ。すぐ戻るわ」
267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:02:42.26 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
バタン
澪「ど、どうして私が・・・」
梓「ん・・・」
澪「!!」
梓「・・・み、お、さ、ま・・・?」
澪「あ・・」
梓「・・・澪様・・」
澪「あ、あんたのせいで私は・・・!!」
梓「よか、った・・・澪さ、まが無事・・・で・・・」
澪「・・・・」
梓「・・・」すーすー
澪「・・・なんだよ・・・ほんとに私が悪者みたいじゃないか・・・」
269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:07:49.12 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆『澪様と梓が!?』
和「ええ。梓は数時間たったら注射のおかげで熱は下がるそうよ。そうね、夕方あたりに迎えをよこしてもらえるかしら?」
婆『それは構いませんが、澪様は・・・』
和「澪は梓の付き添いとしていてもらうわ。あ、旦那様の方は大丈夫?」
婆『ええ、そちらは問題ありません。澪は風邪で部屋にいると言っておきました』
和「そう。まぁ、旦那様に澪なんて・・・ね」
婆『・・・・。律様と紬様が心配しておりました。そう、お伝えください』
和「わかったわ」
婆『それと唯も』
和「唯?ああ、使用人の。・・・そう、わかったわ、言っておく。それじゃ」
和「困ったものね・・・澪にも」
270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:12:19.98 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
バタン
澪「和・・・」
和「琴吹家にも連絡入れといたわ。心配しないで」
澪「・・・」
和「あなたは幸せ者よ?」
澪「え?」
和「こんな体で、あんたを追いかけて来てくれたのよ?」
澪「・・・」
和「なかなかこんな使用人いないわよ。普通だったら婆に任せてしまうところね」
澪「・・・」
和「あんなにこの子に冷たく当っておきながら、梓はこんなにあんたにつくしてるじゃない」
澪「それは・・・」
和「使用人だから?」
澪「・・・」
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:15:40.89 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
和「もう少し人の気持ちってものを考えてみなさい。梓も人間なのよ」
澪「・・・」
和「いいわね?・・・それじゃあ私は帰るから」
澪「え!?か、帰るのか!?」
和「学校があるもの。あ、澪は梓の付き添いよ」
澪「そ、そんな・・・!」
和「当たり前じゃない。婆にも伝えておいたから、夕方には迎えが来るわ」
澪「・・・」
和「頼んだわよ」
澪「・・・」
和「それじゃあね」
バタン
澪「・・・」
275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:20:03.32 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「んー・・・」
澪「!!」
梓「・・・あれ、ここは・・・って澪様!?」
澪「うるさい、病院だぞ」
梓「びょ、病院・・・?あ・・・そっか、私倒れて・・・」
澪「私の為なんかに・・・」
梓「え?」
澪「私の為なんかにそこまでするか?」
梓「み、澪様?」
澪「倒れてまで私を迎えに来なくてもよかったのに。それにそんな体なら、婆にでも頼んで・・・」
梓「私は澪様の専属使用人ですから」
澪「・・・」
梓「すみません、生意気なこと言ってしまって・・・」
澪「・・・。帰るぞ。下に迎えが来てる」
梓「え?あ、はい!(・・・怒られなかった)」
276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:24:08.54 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
車内
澪「・・・」
梓「・・・」
澪「体は平気か?」
梓「え?」
澪「何でもない・・・」
梓「(あ、あの澪様が・・・私の体を心配して・・・)」
運転手「着きましたよ」
梓「あ、ありがとうございます!」
ガチャ
唯「あ、梓ちゃん!!!!っと、澪様!!」
梓「ただいま」
277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:28:22.05 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「おかえりなさいませ!」
梓「私がいない間、ちゃんと掃除・・あ」ふらっ
澪「おっと・・・」
梓「・・・・あ!す、すみません!!」
澪「・・・構わん」
梓「え!?あ、あ、ありがとうございます・・・!」
唯「(・・・・あの澪様が梓ちゃんを支えた・・・。な、何が起きてるというの・・)」
澪「梓、このカバンを私の部屋に・・・。いや、そこの使用人。このカバンを私の部屋に運んでおけ」
唯「え!?わ、私がですか!?」
澪「なんだ、嫌なのか?」
唯「い、いえ!!」
梓「け、けど・・・」
澪「梓は部屋に戻って寝てろ。・・・いくぞ」
唯「は、はい!!」
梓「(・・・どうしちゃったの、澪さま・・・)」
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:32:26.28 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数日後
純「よかった、すっかり元気になったみたいね」
梓「うん。心配してくれてありがとう」
純「だ、誰が心配なんて・・・!」
梓「ふふ。さ・・澪様を起してこなくちゃ!」
純「え?あ、うん、いってらっしゃい」
純「・・・」
純「ねえ」
唯「ん?」
純「最近、梓の機嫌が良すぎて気持ち悪いんだけど」
281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 16:37:04.33 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「澪様、おはようございます」
澪「・・・」
梓「支度のお手伝いさせて頂きますね」
澪「・・・」
梓「あ、制服にシミが!大変!いつの間についたのですかね・・・。代わりのもの用意しますね」
澪「・・・」
梓「ではこちらを」
澪「?」
澪「(機嫌がいいのか?)」
291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:13:24.87 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「むにゃむにゃ・・・」
梓「あ、律様!!」
律「・・・はっ!!ち、違うぞ、これは寝ぼけてトイレの方向を間違ってなど・・・!」
梓「ふふ、・・・さ、行きますよ」
律「・・・え?(怒られないだと・・・?)」
律「(んにしても最近、梓の機嫌がいいよなー・・・。何かあったのか?)」
293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:19:51.69 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「ふふ~ん♪」
唯「なんだか最近機嫌がいいでござるね」
梓「わ!!きゅ、急に話しかけないでくださいよ!」
唯「へへーん、いままでのおかえしだよー」
梓「もう・・・」
唯「最近機嫌いいね。どうしたの?」
梓「そ、そうですか?別にそんなこと」
唯「澪様?」
梓「・・・」
唯「そっかー」
梓「そ、それもありますけど・・・」
唯「うん?」
梓「今はこの仕事が楽しくて仕方ないんです。10年間やってきましたけど、もしかしたら一番楽しい・・・いや、遣り甲斐があるというか
294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:22:21.04 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「やりがいかー」
梓「はい。唯さんは?」
唯「私も!仕事後の食事はおいしいし!」
梓「そっちですか・・・はぁ」
唯「へへ」
婆「梓」
梓「は、はい!」
婆「ちょっと来なさい」
梓「は、はい!」
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:35:57.48 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「え、縁談ですか!?」
婆「はい」
梓「そ、そんな急に・・・!!!」
婆「あなたは琴吹家で10年も頑張ってきました。そこで旦那様が貴方の努力を認め、縁談の話を持ってこられました」
梓「わ、私は・・・」
婆「女の幸せは結婚ですよ。あなたはよく頑張りました」
梓「私はまだこの仕事を続けたいです・・・!」
婆「いいですか、この縁談を逃せばいつ話がくるかわかりませんよ。それにあなたの家系は琴吹家のお世話係のために産まれてきたみたいなものです。
・・・それに旦那様が言うには、縁談相手は有名な資産家の息子様らしいです」
梓「でも・・・」
婆「貴方がその息子様と結婚したらいい暮らしはもちろん、貴方の家系も琴吹家と離れます。
そう、貴方の子孫はもちろん、これからも琴吹家につかえなくていいのですよ」
梓「・・・」
婆「貴方のためにももちろん、これからの家柄としてもいいことだと思います」
299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:40:32.65 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「・・・まだ気持ちの整理はつかないと思いますが、よく考えておきなさい」
梓「・・・」
婆「もちろん断ることはできませんよ。もし断ったら旦那様にも相手の方にも泥を塗ることになります。
使用人に断られたなんて恥ですからね」
梓「・・・」
婆「ごめんなさいね・・・、何もできなくて」
梓「いえ、婆さんが謝ることはないですよ」
婆「・・・」
梓「失礼します」
302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:45:27.84 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「・・・はぁ」
純「・・・」
唯「・・・」
純「どうしたのよ梓、最近まで機嫌がいいと思ったら・・・」
唯「う、うん・・・何かあったのかなぁ・・・」
・・・
梓「澪様、お出かけの時間です・・・」
澪「ああ・・・」
梓「・・・」
澪「・・・」
澪「・・・なあ」
梓「はい」
澪「最近元気ないな」
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:48:28.66 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「え!?あ、す、すみません!!」
澪「・・・」
梓「・・・」
澪「聞いたぞ、縁談だってな」
梓「え、知って・・・」
澪「お父様が嬉しそうに話してた。・・・まぁいいんじゃないのか。お前の身分じゃ充分すぎる相手だろ」
梓「・・・」
澪「嬉しくないのか?」
梓「私はまだこの仕事を続けたいと思ってます」
澪「・・・変わったやつだな」
梓「そ、そうでしょうか?」
澪「女の幸せは結婚だぞ。女が一生仕事続けて生きていけるわけないだろ」
306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:51:36.73 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「そ、それはそうですが・・・」
澪「有り難く受けることだな」
梓「・・・」
・・・
律「ええええ!?梓が結婚だってえええ!?」
紬「そうなのよ。さっきお父様が話してたわ」
律「そ、そんな・・・わ、私は嫌だぞ!!」
紬「けど縁談の相手は有名な資産家の息子さんよ。それなら梓ちゃんは苦労せず一生幸せに暮らせるわ」
律「け、けど・・・。あいつは小さい頃から一緒にいて、使用人だけど、けど妹みたいな存在で・・・」
紬「りっちゃん・・・」
309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:54:56.24 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人宿舎
唯「ええええ!?!?あ、梓ちゃんが結婚!?」
梓「こ、声が大きいです」
唯「ご、ごめん・・・」
梓「・・・」
唯「わ、私は嫌だよ・・・。結婚したら使用人やめちゃうんでしょ?」
梓「そうですね・・・けど、断れないです」
唯「なんで!?」
梓「だって私は使用人。相手は有名な資産家の息子さんですよ。身分が違いすぎます。
そんな方が使用人相手に縁談を断られたなんて世間に知れたら・・・」
唯「・・・」
梓「本当はこの仕事を続けたいのですが、そうもいかないみたいです」
311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 17:58:59.43 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「・・・。え、縁談の日取りはいつなの?」
梓「今月30日です」
唯「え!?こ、今月!?」
梓「ほんと急ですよね・・・」
唯「急すぎて・・・!だってもう10日もないじゃん!!」
梓「旦那様がやることはよくわかりません、そしていつも急なんですよ」
唯「そ、そんなの酷いよ・・・」
梓「・・・」
唯「うっ・・・やだ、うう・・・」
梓「な、泣かないで下さいよ!!そ、そんな泣かれたら私だって・・・うっううう」
唯「うわああああん、やだあああ、梓ちゃんがいなくなっちゃうなんてやだよおおお!!」
梓「我儘言わないでくださいよ、ううっ」
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:02:56.22 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
縁談数日前
トントントン
唯「澪様、入ってもよろしいでしょうか」
澪「・・・」
ガチャ
唯「澪様、お話があります」
澪「誰が入っていいって言った」
唯「申し訳ございません・・・。けど・・・」
澪「・・・」
唯「お話・・・いえ、お願いがあります」
澪「使用人のお前がか?」
唯「はい・・・」
315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:11:09.32 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「身分を弁えろ」
唯「梓のことでございます」
澪「梓・・・」
唯「梓に縁談の件は知ってますよね」
澪「・・・ああ」
唯「良い話しだと思います。けど梓は仕事を続けたいと言っています」
澪「・・・」
唯「梓が最近、この仕事が楽しくて仕方ないと言ってました。梓が熱を出して、澪様と一緒に戻ってきたときからです」
澪「・・・・」
唯「何があったのか知りませんが、きっと梓にとっていいことがあったのだと思います」
319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:15:41.68 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「私が来て数カ月しかたってませんが、あんな生き生きとした梓を見たことがありません」
澪「・・・」
唯「お願いです、梓の縁談を断ってください!!!」
澪「なぜ私が・・・」
唯「澪様しかいないからです・・・!」
澪「違う者だって・・・」
唯「梓を止められるのは澪様しかいません。お願いです、お願いです・・・!!!!」
澪「・・・」
唯「うっうう・・・」
322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:22:08.56 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「いいか。お前だって私だって人の縁談を断るなんてできないんだぞ」
唯「それは分ってます」
澪「分ってないから言ってるんだろ」
唯「・・・」
澪「なぜお前は梓の縁談を止めたい」
唯「そ、それは友達だから・・・」
澪「友達・・・か。まぁいい。じゃあお前は友達の幸せを願えんのか?」
唯「え?」
澪「女の幸せは結婚だ。それに梓の身分じゃ今度の縁談相手は充分すぎるほどの金持ちだ。
梓自身、いや、子孫にとってもいい環境になる。琴吹家の雑用のために産まれてきた家系から脱出できるんだ」
唯「それは・・・」
澪「本当に友達と思ってるなら・・・応援してやるんだな」
325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:23:41.22 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「・・・」
紬「あら?どうしたのりっちゃん。澪ちゃんの部屋の前で・・・」
律「え!?あ、!!な、なんでもない!!」だっ
紬「?」
・・・
律「つい立ち聞きしちまったけど・・・」
律「あいつがあんな風に思ってるなんてな・・・」
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:27:54.28 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
縁談当日
梓「婆さん、10年間・・・いえ、婆さんには産まれてきてからずっとお世話になりました。ほんとに・・・ありがとうございました」
婆「そうね。・・・貴方は私の娘みたいなものでした。私こそ本当にありがとうね」
梓「うっ・・・婆さん・・・」
婆「貴方なら平気ですよ。・・・ほら、早く行きなさい」
梓「・・・はい」
婆「・・・」
ガチャ
婆「うっ・・・」ぐす
329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:31:35.25 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷内廊下
梓「あ・・・」
澪「・・・」
梓「み、澪様!おはようございます!」
澪「ああ」
梓「・・・」
澪「そうか、今日か」
梓「・・・はい、今までお世話になりました」
澪「・・・」
梓「私、澪様の専属使用人になれて本当にうれしかったんです。
辛いことはたくさんありました。けど・・・」
澪「・・・」
梓「私、澪様の事が好きでした。本当はずっともっとお傍にいたかったのですけど・・・無理みたいですね」
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:33:49.11 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「梓・・・」
梓「ずっとお傍でお世話したかったです・・・。それだけが悔やまれます」
澪「・・・」
梓「あ、ご、ごめんなさい!!私如きが何をしゃべって・・・」
澪「・・・」
梓「それでは・・・澪様お元気で」タッ
澪「・・・梓」
333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:37:52.20 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「ほんとにやるんですか!?」
律「あったりまえだ!私は梓の結婚なんて許さない!!」
唯「け、けど・・・!」
律「きっと父上がやってることはお金に絡んでる。あの人は人の幸せなんて望んだことがない」
唯「え?」
律「お金にしか興味ないんだよ。汚い奴だ、ほんと」
唯「・・・」
律「私はあんな奴のため、お金のために梓を利用されたくないんだ!!」
唯「律様・・・」
律「だから・・・」
唯「分りました!!協力します!!」
334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:44:13.62 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
旦那「いやー、今日はよろしくお願いしますぞ」
中将「こちらこそ。しっかし、琴吹家から縁談の申し込みがあるとは思ってもみなかったですぞ」
旦那「はっはっは。そうですかな」
中将「使用人・・・ってのが気になりますがな」
旦那「ほう。なら養子にでも構いませんぞ」
中将「いや、今の時代、芸子と結婚する者もいますからな」
旦那「そう言っていただけると嬉しいです」
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:47:47.60 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
息子「んーんー!!!」
唯「り、律様、本当にこんなことしていいのですか?」
律「いいんだ!これも梓のため!」
息子「んーんー!(この縄を解け!!)」
律「何言ってるかわかんねーよ!ここで大人しくしてなっ!」バタン
唯「・・・律様ってすごいですね」
律「だろう!はっはっは、もっと褒め称えよ!!」
唯「すごい、すごいよー律さまああ!!」
律「あっはっはっは!!」
337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 18:51:20.95 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「失礼します」
旦那「おお来たか。入れ入れ」
梓「はい・・・」
中将「おお!なかなか可愛い娘ではないですか!我が息子も喜ぶことでしょう」
梓「・・・」
中将「しっかし我が息子は何をしているのだ。ずいぶん遅いな・・・」
律「貴方の息子さんは来ませんよ」
中将「!?」
旦那「律!?」
梓「り、律様!?」
律「この縁談、取りやめにして頂きます」
339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:01:55.84 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
旦那「な、なんだ急に!?」
律「父上、お金のために梓を利用しないでください!!」
旦那「なっ!!」
律「使用人まで金の繋ぎにするなんて最低だ!!」
中将「い、いったい・・・」
澪「私からもお願いします」
律「み、澪!?」
梓「!!」
旦那「み、澪、お前・・・!」
340 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:07:29.93 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「父上のやりたいことは丸見えですよ」
旦那「なっ」
澪「中将の息子様と結婚させれば、軍からの援助がもらえますものね」
梓「・・・」
澪「私たちを嫁にださなかったのは秋山家、田井中家の援助が途切れるから。紬に関しては可愛くて手放したくはなかったのでしょう。
だから残るは使用人の梓」
旦那「ふっふっふ、使用人如きに何熱くなっておる、澪」
澪「熱くなっておりません。ただ梓はこの仕事を続けたいと言ってます。梓は私の専属使用人です。
私の断りなく話を進められては困りますよ」
旦那「琴吹家の主は私だぞ?」
澪「けど梓は私の使用人です」
348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:16:16.81 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
旦那「使用人なんていくらでも代わりがいるであろう?」
澪「そうですね、腐るほどいます。けど」
旦那「けど」
澪「私は我儘でおかしな人間です。そんな世話をできるのは梓しかいませんから」
梓「み、澪さま・・・」
澪「あと父上。中将ぐらいで満足しておるのですか?軍の援助が必要なら大将ぐらいの階級は必要かと」
旦那「はっはっは、それもそうだな」
澪「中将の息子様の出世を期待されてたのなら、あれはダメですよ」
中将「なっ!?」
澪「女子にやられては日本の未来など任せられません」
350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:17:24.21 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「・・・・」
中将「貴様、何を!?」
澪「貴方の息子なら地下でお眠りでしょう」
中将「!?こ、これはいったい・・・」
旦那「縁談は取りやめですな、中将殿」
中将「なっ!!」
旦那「澪がここまで言うのだから、仕方ないな」
紬「そうですわね」
旦那「紬!」
353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:22:47.46 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「澪ちゃんがここまで使用人に熱い方だと知らなかったわあ」
澪「別にそんなこと」
紬「確かに梓を手放すのはもったいないわ。琴吹家でできる使用人って梓しかいないもの」
旦那「ふむ」
中将「ちょ、っちょっと・・・」
旦那「ではそういうことです中将殿」
中将「あ、待って・・・!!」
355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:25:39.99 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「澪ちゃん・・・」
澪「・・・」
紬「貴方が何やるかは勝手だけど、琴吹家に泥を塗ることはしないでくださる?」
澪「・・・」
紬「秋山家なんて琴吹家がいなければ何もできないんだから」
澪「・・・」
紬「今回の件は父上にうまく言っておくけど、次はないわよ」
澪「わかってる」
紬「・・・琴吹家の恥が」
361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:29:19.17 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「ふふ、なんてね♪ あ、りっちゃーん!」
律「ムギー!どうしてお前がここにいるんだよー!」
紬「りっちゃんのことだからここにいるんじゃないかなーって!もう、私を置いてくなんて酷いじゃない!」
律「ははは、すまん」
紬「ふふふ、私りっちゃんのためなら何でもするわよー?」
律「それは助かる!」
紬「遠慮なく言ってよね、ふふ」
唯「(梓ちゃんの縁談がなくなってよかった・・・!!)」
364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:32:35.63 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
v
365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:33:39.91 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「あ、あのお待ちください、澪様!!」
澪「誰に命令してる」
梓「あ、す、すみません・・」
澪「・・・。よかったのか、これで」
梓「え?」
澪「縁談」
梓「はい!!!これで仕事が続けられます!!澪様のおかげです!!」
澪「別に私は」
梓「まさか澪様が来られると思いませんでした。・・・夢みたいです」
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:38:58.49 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「お前は私に言った。ずっと私の傍で世話ができないのが悔やむって」
梓「あ・・・」
澪「もちろん私の世話をずっとなんて無理な話だ。けどな・・・」
梓「・・・」
澪「悔やみながら嫁がれてもいい気はしないんだよ」
梓「澪様・・・」
澪「いつかまた縁談の話が舞い込んでくるだろう。それまで自分が納得できるよう頑張るんだな」
梓「は、はい・・!!」
澪「帰るぞ」
梓「はい!!お荷物お持ちします!!」
澪「うむ」
368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:42:37.71 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
・・・
和「最近あんた変わったわね」
澪「そうか?」
和「なんか・・・人間らしくなったというか」
澪「失礼だな。私は元々人間だぞ」
和「ふふ、それは失礼しました。・・・澪の専属人使用人が梓でよかったわ」
澪「なぜそこで梓の名前がでる」
和「きっと梓がいなければ、澪は変わらなかった」
澪「・・・」
和「感謝しなさいよ。使用人としても人間としても、あんなできた子はいないわよ」
澪「・・・そうだな」
和「え?」
澪「なんでもない!」
369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:46:32.67 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
・・・
唯「おかーさん、お父さん、憂、お元気ですか、私は・・・」
純「煩いほどお元気です」
唯「うわっ!!」
純「なーに?実家にお手紙?」
唯「か、勝手に見ないでよお!」
純「ははは、ごめんてばー」
唯「うー」
370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:50:24.97 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数十分後
唯「よしできた!」
純「おめでとー、今から出しに行くの?」
唯「うん!」
純「じゃあ街でお菓子でも買ってきてよー。おなか減った」
唯「えー、じゃあ純ちゃんも一緒に行こうよー」
純「私はやることがあるからね。さ、行った行った!」
唯「もー!」
・・・
紬「あら?唯じゃない」
唯「あ、紬様!こんにちは!」
紬「こんにちはー。あら、お手紙?」
唯「はい!実家に出そうと思って」
紬「ふふ、いいわね。あ、じゃあ私が出してきてあげる!」
唯「え?!」
373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 19:59:37.42 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「今から私、街に用があるの。だからそのついでにね」
唯「そ、そんなの悪いです!!」
紬「いいのいいの!唯にもやることいっぱいあるんじゃない?」
唯「うっ・・・」
紬「遠慮しないで」
唯「じゃ、じゃあよろしくお願いします・・・」
紬「まかせてー!」
・・・
純「あれ、ずいぶん早いね」
唯「紬様が手紙出してきてくれるって」
純「はぁ!?」
唯「やっぱりまずいよね・・・」
純「まずいわよ!!私のお菓子どうなるのよおお!?」
唯「そこ!?」
376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:03:29.35 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
車内
紬「・・・使用人のお仕事は大変だけど、みんな優しくてこれからもがんばれそうです・・・ぷぷぷ!
なにこれ!これが貧乏民の手紙なのね!!つまんないのー!!」
紬「はー、もっと面白いと思って見てみたけど、ヒマつぶしにもならなかったわ」
紬「あ、これ捨てといて」
運転手「はい」
378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:04:49.37 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
・・・
律「うー寒い!」
運転手「そうでございますか?今日は温かい気がしますが」
律「そうかー!?あ、おい、なんか紙ない?」
運転手「紙、でございますか?」
律「そうそう、鼻水が・・・」
運転手「え!?あ、そうださっき紬様から貰った紙が」
律「おっ!ってこれほんとに紙だな!ま、今はそんなこと言ってられないか!」ちーん!
律「・・・あーすっきりした。・・・ってこれ手紙じゃね!?」
運転手「ええ、紬様がいらないとおっしゃたので後で処分する予定でしたが」
律「あいつが手紙・・・?」
律「って、これ!!!差出人が唯じゃねぇか!!」
律「紬のやつまたこういうこと・・・」
律「んにしても・・・鼻水まみれにしちまったぜ。どうすっかな・・・」
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:08:19.41 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「へーっくしゅん!」
唯「あ、律様!おかえりなさいませ!」
律「あ、ああ」
唯「どうしました?顔が赤いですが・・・」
律「そうかー?」
唯「ちょっと失礼しますね。・・・あ!あつ!律様熱がありますよ!!」
律「どうりでダルいと思ったぜ・・・」
唯「部屋までご案内しますね」
律「頼むよ」
律「(手紙を鼻水まみれにしちまたってこと・・・どうすっかな)」
381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:11:23.26 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律部屋
唯「ではおかゆを作ってきますね」
律「ああ・・・」
唯「では失礼します」
律「あ、待って」
唯「はい?」
律「最近ここいらで郵便事故が多発してるんだよ」
唯「郵便事故・・・でございますか?」
律「そうそう。よく配達人が襲われ、郵便物が奪われるんだ」
唯「物騒ですね・・・けどなんのために」
律「さ、さあそれは私にはわかんねぇけど!と、とにかく手紙は今は出さない方がいいぜ!」
385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:16:23.13 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「は、はあ・・・けど今日出しちゃいました!!」
律「おー本当か。・・・そ、そういやあ今日も郵便事故があったらしいぜ」
唯「そうなのですか!?」
律「あ、ああ」
唯「私の手紙が混ざってなければいいけど・・・、けどそれなら届かないと思っておいた方がいいですね」
律「そ、そうだな」
唯「私、学校もろくに行けなかったので文字書きが苦手で・・・。そっか、書き直しかー」
律「・・・」
律「(悪いことしちまったな・・・)」
386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:21:32.90 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
純「郵便事故ー?」
唯「うん。律様が言ってた」
純「そんな事件聞いたことないけど・・・。まぁ律様が言うんだからそうなんでしょうね」
唯「うーん・・・」
・・・
紬「りっちゃんー、風邪平気ー?」
律「ああムギか・・・」
紬「これ、お薬よ。すぐ効くわ」
律「ああ、ありがとな」
紬「どういたしまして」
律「・・・ムギ」
紬「なぁに?」
388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:23:53.80 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「人の手紙を見るなんて悪趣味だぞ」
紬「あら、知ってたの?」
律「やっぱお前なんだな・・・」
紬「やだー怒んないでよぉ。ちょっと興味があっただけ」
律「それが悪趣味っていうんだ」
紬「反省してまーす」
律「はぁ・・・」
389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:26:43.51 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「律様、おかゆをお持ちしました」
律「入れ」
唯「失礼します・・・、あ、紬様!」
紬「こんばんはー」
唯「こんばんは!あ、あのさっきは手紙ありがとうございました!」
紬「ふふふ、いいのよー!届くといいわね」
唯「はい!・・・あ、けど最近郵便事故が多発してるらしくて・・・」
律「わーーーーー!!!!!ゆ、唯!早くおかゆをくれ!!飢え死にそうだ!!」
唯「え!?あ、はい!!」
律「(・・・たく)」
唯「今日から琴吹家の使用人になる!」-3
続きます
<<唯「今日から琴吹家の使用人になる!」-3 | ホーム | 唯「今日から琴吹家の使用人になる!」 >>
コメント
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |