スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
唯「今日から琴吹家の使用人になる!」-3
唯「今日から琴吹家の使用人になる!」-2
続きです
続きです
395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:37:40.22 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数日後
街にて
唯「ふー、お使いも終わったことだし、手紙出しに行こう!」
紬「あら、唯じゃない」
唯「あ、紬様!お買い物ですか?」
紬「そんなところね。唯はお使いかしら?」
唯「はい!」
紬「そう・・・あ、手紙?」
唯「そうなんです!あれから結構経ちましたけど返事もないので、やっぱ届いてなかったんだな、と」
紬「それは残念ね」
唯「はい。けど律様から綺麗な便箋を頂きました」
紬「律ちゃんから?」
396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:39:09.63 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「はい、これです」
紬「・・・・・」
唯「つ、紬様?」
紬「あ、ごめんなさい。用を思い出したわ。行くわね」
唯「え?あ、はい!お気をつけて!」
紬「(なんであんな子にあの便箋が・・・!!!)」
398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:40:54.70 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷内
紬「ちょっと、律ちゃんいる!?」
使用人「律様ならお部屋に・・・」
紬「・・・」
使用人「どうしたのかしら、あんなにあわてて・・・」
バタン
紬「りっちゃん!!あれはどういうことよ!!!」
律「うわ、び、びっくりしたあ!急に開けるなよ!」
紬「どうして私があげた便箋をあの子にあげるの!?」
400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:44:16.82 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「便箋・・・?ああ、あれか」
紬「酷いじゃない・・・!」
律「だって私、手紙書かないし・・・それに書いてもあんな綺麗な便箋使うキャラじゃねぇだろ・・・」
紬「それでも私はりっちゃんに持っていてほしかった・・・!!」
律「便箋だって使ってもらった方が幸せだろ」
紬「便箋に幸せもないわよ!!それになんであんな子にあげるの!?」
律「あんな子って・・・唯のことか」
紬「そうよ!!!使用人のくせに、あんな代物似合わないわよ!!」
律「んなことねぇだろ、それにお前が手紙捨てるから・・・」
紬「もう知らない!!」
律「あ、おい!!」
バタン
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:50:34.91 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人宿舎
唯「ふーいいお風呂だったー」
ガチャ
唯「・・・・え、なにこれ・・・」
梓「あ、唯さん!どうしたんですか、部屋の前で立ち止まって?」
唯「・・・」
梓「?」
唯「部屋が・・・」
梓「部屋?・・・え」
梓「なにこれ、部屋が荒らされてる・・・」
404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:54:13.83 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「・・・」
梓「どういうことですかこれ!?ま、まさか泥棒!?」
使用人1「クスクス」
使用人2「やーね、廊下で大声出しちゃって。みっともなーい」
梓「!?」
使用人1「ってなにこの部屋?きたなー」
使用人2「唯さんってだらしない方だと思ってたけどここまでとはね・・・呆れた」
唯「わ、私じゃないよ・・・」
使用人1「ふふふ」
梓「・・・何か知ってますね?」
使用人2「知らないわよ。あ、もしかして疑ってるの?」
梓「・・・」
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:03:45.00 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人1「梓さん、最初で最後の忠告よ。唯さんから離れなさい」
梓「はぁ?」
使用人2「忠告はしたわ。・・・いきましょ」
使用人1「ええ。それでは失礼」
唯「・・・どういうこと」
梓「と、とにかく部屋片付けましょう!」
唯「う、うん・・・」
梓「(何が起きてるの・・・)」
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:06:01.19 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
朝・食堂
唯「(昨日はなんだったんだろ・・。って今は旦那さま達の食事の準備!)」
使用人1「えい」
唯「え、うわあああ!!!」
ばしゃあああああん
紬「きゃっ!!」
唯「いたた・・・ってあああ!!」
紬「・・・冷たい」
唯「ご、ご、ごめんなさい!!すみません!!!あああどうしよう」
梓「な、なにやってるですか!?紬様タオルを・・・!」
紬「ありがとう・・・」
唯「あう・・・」
409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:06:55.51 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人1「クスクス」
澪「お前は人に水をかけるのが好きなのか」
唯「み、澪様・・・」
澪「ふん」
唯「・・・すみません」
律「おはよー!って紬!?どうしたんだよ、その有様は・・・」
紬「水、かけられちゃった・・・・」
律「かけられた?」
唯「も、申し訳ございません・・・!わ、私が躓いて、それで・・・!」
律「あはは!朝からやってくれたなー!カレーじゃなくてよかったな!」
紬「そういう問題じゃないでしょう!」
律「ほら、ついていってやるから着替えようぜ」
紬「うん・・・」
410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:10:31.63 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「わ、私も・・・!」
紬「着いてこないで!!!」
唯「ひっ」
律「おいおい、そんな怒鳴んなくても・・・ごめんな唯」
唯「い、いえ・・・」
使用人1「クスクス、嫌われちゃったわね~」
使用人2「解雇ね、あんなことやっちゃえば解雇よ」
唯「・・・」
澪「・・・」
412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:12:28.17 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬部屋
紬「最悪!!!もう最悪よおお!!」
律「お、落ちけって」
紬「落ち付けるわけないじゃない!ああ、貴重な朝の時間が!」
律「はぁ・・・」
紬「あの子、全然使えないわね!!」
律「ちょっと失敗しただけじゃねぇか・・・」
紬「ちょっとお!?この私に水をかけたのよ!解雇よ、解雇!!」
律「・・・昨日、唯の部屋が荒らされたそうだ」
紬「それが何・・・!」
律「私はお前が絡んでるとみてる」
紬「はぁ!?」
414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:13:29.09 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「なんで私が!?」
律「違うのか?」
紬「違うわよ、なんで私が!!!」
律「なら信じるぞ」
紬「え、ええ、いいわよ」
律「・・・わかった」
紬「・・・」
415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:16:57.79 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪部屋
梓「今日のご帰宅時間は?」
澪「5時ごろかな。・・・そうだ」
梓「はい?」
澪「唯に言っておいてくれ」
梓「ゆ、唯にですか?(澪様が唯の名前覚えた・・・)」
澪「紬には気をつけろ、って」
梓「・・・紬様にですか?」
澪「ああ」
梓「もしかして・・・」
澪「理由はわからないが、・・・とにかく気をつけろ」
梓「はい・・・」
418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:19:49.58 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人1「あのさーそこにいたら邪魔なんだけど」
唯「邪魔って・・、私ここの掃除担当だし・・」
使用人1「なに、口答えするの?」
唯「別にそんなつもりじゃ・・・」
梓「何してるですか」
使用人1「あ、梓・・・」
梓「唯さん、ここは充分綺麗になりました。他のところの掃除頼みます」
唯「え?あ、うん」
梓「行きましょう」
唯「う、うん」
使用人1「・・・・ちっ」
420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:22:17.25 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「唯さん・・・」
唯「ん?」
梓「私は唯さんの味方です」
唯「え?あ、ありがとう」
梓「辞めないでください」
唯「え?ど、どうしたの急に」
梓「私と約束してください。使用人を辞めないと」
唯「う、うん?いいけど・・・ほんとどうしたの?」
梓「約束ですよ!?」
唯「うん!?」
梓「・・・」
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:25:29.63 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数日後
使用人1「どきなさいよ、のろま」
使用人2「ひどーい、そこまで言わなくたっていいじゃないー」
唯「・・・」
使用人1・2「クスクス」
紬「・・・唯」
唯「あ、つ、紬様!」
紬「相変わらず失敗続き?」
唯「あ、・・・は、はい・・・」
紬「・・・辞めれば?」
唯「え?」
427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:36:18.77 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「使用人に失敗は許されない・・・知ってるわよね?」
唯「はい・・・」
紬「貴方がここに来て数カ月。進歩した?」
唯「・・・す、少しは」
紬「すこしねー。私に水かけといて進歩したっていうのかしら?」
唯「うっ・・・」
紬「辞めなさいよ」
唯「・・・」
紬「辞めないの?」
唯「辞めたくないです」
紬「そう、なら仕方ないわね」
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:38:07.05 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「梓を解雇するわ」
唯「・・・え?」
紬「聞こえなかったの?貴方が辞めないなら、代わりに梓を辞めさせます」
唯「え、え!?ど、どうしてそうなるんですか!?」
紬「貴方が辞めないからよ」
唯「そんな・・・」
紬「梓も可哀想ねー。あんたなんかの為に辞めさせられるんだから」
唯「梓は関係ない・・・」
紬「梓を辞めさせたくないならあんたが辞めることね」
唯「・・・」
紬「あんたの代わりなんていくらでもいるのよ」
431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:41:30.96 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「辞める!?」
唯「はい・・・」
婆「ど、どうして急に・・・」
唯「・・・」
婆「何かあったのですか?」
唯「・・・いえ」
婆「・・・決めたのですか?」
唯「はい・・・」
婆「・・・・そうですか。貴方が決めたのなら私は止めることはできません」
唯「お世話になりました・・・失礼します」
バタン
婆「・・・」
434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:46:48.80 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
純「やめる!?」
唯「うん・・・」
純「な、なんで!?どうしたのよ急に!?」
唯「・・・」
純「何かあったの!?ここまで順調に来たじゃない!どうしちゃったのよ!!」
唯「理由は言えない」
純「はぁ!?」
唯「言えないの・・・。うぅっ・・・」
純「ど、どうしちゃったのよ唯ぃ・・・」
唯「うっうう、ふぇっ・・・」
438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:49:10.69 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数日後
婆「今日は皆さんにお知らせ・・・残念なお知らせがあります」
梓「(あれ、唯さんがいない・・・寝坊!?)」
婆「実は今日、」
梓「婆さん!唯さんが、」
婆「唯さんが使用人を辞めました」
梓「・・・え?」
使用人1・2「くすくす」
梓「そ、そんな・・・意味がわからない・・・」
純「・・・梓、あんた聞いてなかったの?!」
梓「え?」
440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:52:21.54 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「梓はちょっと来なさい。他のものは掃除を始めること。解散」
一同「はい!」
婆「梓・・」
梓「は、はい・・・(ゆ、唯さん・・・!?)」
婆「唯さんから辞める話は聞いていましたか?」
梓「・・・」
婆「その様子だと聞いてなかったみたいですね・・・」
梓「ほ、本当にやめたんですか!?」
婆「はい。・・・理由は言いませんでした」
梓「え?」
婆「辞める理由が分らないのです。仕事も順調に覚えていったのに」
梓「・・・」
444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:54:17.38 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「私も何がなんだか・・・・」
梓「・・・」
婆「と、とにかくもう澪様が起きれる時間です。行きなさい」
梓「ゆ、唯さん・・・」
婆「梓!」
梓「は、はい!」
婆「気持ちはわかりますが・・・、貴方は使用人です。気持ちを切り替えなさい」
梓「は、はい・・・。(気持ちを切り替えろったって・・・)」
梓「(あの時の約束は嘘だったの?唯さん・・・)」
447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:57:03.66 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「澪様、起床のお時間になりました」
澪「ああ・・・」
梓「・・・」
澪「どうした、今日は一段と暗いな」
梓「は!も、申し訳ございません・・・」
澪「・・・」
梓「・・・」
澪「何かあったのか?」
梓「・・・いえ」
澪「あったんだな」
梓「ないです・・・」
澪「言え」
梓「けど・・・」
澪「言え。命令だぞ」
448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:58:39.56 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「・・・唯が使用人を辞めました」
澪「辞めた?」
梓「はい・・・」
澪「なんでだ」
梓「理由が分らないのです。婆さまも知らないみたいです」
澪「・・・」
梓「私、唯と約束したんです。絶対使用人をやめないって。なのになのに・・・」
澪「・・・」
451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:01:18.70 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
食堂
律「唯が辞めた!?」
使用人「はい・・・」
律「なんで!?」
使用人「さ、さあ・・・それは私には」
律「婆!なんで辞めたんだよ!」
婆「さあ。私も理由は聞いていません」
律「はぁ!?理由なしに辞めたのか?!」
婆「そうなりますね・・・」
律「ど、どうなって・・・」
紬「あらー、唯辞めちゃったのー?」
454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:05:14.12 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「ムギ・・・」
紬「残念ねー、せっかくお仕事覚えたのにぃ」
律「・・・」
紬「何よ」
律「いや・・・」
紬「さ、ごはんごはーん♪」
澪「・・・おい律」
律「澪・・・」
澪「話がある。食後、私の部屋に来い」
律「?あ、ああわかった」
457 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:08:52.72 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪部屋
律「・・・相変わらず、可愛い部屋だな・・・」
澪「う、煩い!!!今はそんなことどうでもいい!」
律「はいはい・・・・で、話ってなんだ」
澪「・・・唯が辞めた件だ」
律「・・・」
澪「私はあいつがほんのそこらで辞める奴だとは思ってない」
律「認めてるのか?」
澪「なぜそうなる。・・・まぁ根性だけは認めてやる。私に水をかけても辞めなかったしな」
律「あーそんなこともございましたね・・・」
458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:13:22.90 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「そんなことはどうでもいい」
律「いいんだ」
澪「・・・紬か」
律「・・・」
澪「私はこの件に紬が絡んでると思ってる」
律「・・・」
澪「お前はどう思う」
律「そうだな・・・。そう思いたくはないが」
澪「けどどうして・・・」
律「水かけちゃったのが悪かったか?」
澪「それもあると思うが・・・」
460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:16:11.90 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「紬が絡んでるとすれば律も絡んでる」
律「はぁ!?な、なんで私が・・・!」
澪「あいつが怒ることと言えば全部律関係じゃないか」
律「・・・」
澪「唯が何か律にやったか・・・」
律「?」
澪「律が唯に何かやったか・・・」
律「はぁ!?」
梓「お話中申し訳ございません。澪様、そろそろお支度の時間ですよ」
澪「ああ・・・、じゃあ律、話はまたあとで」
律「あ、ああ・・・」
462 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:18:25.57 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「・・・」
澪「唯が辞めた理由・・分るか?」
梓「いえ」
澪「私はあいつがちょっとしたことで辞めるとは思ってない。梓もそう思うだろ?」
梓「はい」
澪「私が見る限り、唯は他の使用人にいじめられてたみたいだな」
梓「・・・」
澪「紬に水をかけた時あるだろ。あれは他の使用人が唯に足を引っ掛けたからだ」
梓「そんな!」
澪「あいつ自身鈍感みたいだから気付いてなかったみたいだが・・・」
梓「・・・そんな」
464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:20:03.69 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「けどあいつはいじめぐらいで挫ける奴じゃないと思ってる」
梓「・・・」
澪「いじめられても・・・梓、お前はずっと唯の傍にいたんだろ?」
梓「はい」
澪「あいつは一人じゃなかった・・・。それにさっき言ったな・・・。
使用人を辞めない約束をしたって」
梓「はい・・・」
澪「ならあいつはいじめぐらいで辞めないよ。きっと他に理由がある」
梓「他の理由とは・・・」
澪「紬だ」
梓「つ、紬様ですか」
465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:22:18.03 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「私の考えすぎではなければな」
梓「・・・」
澪「まぁいい。今の話は律と私、そして梓しか知らない。誰にも言うなよ」
梓「分ってます」
澪「・・・」
466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:25:04.90 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
純「梓・・・」
梓「純ちゃん・・・」
純「唯、辞めちゃったね・・・」
梓「う、うん・・・」
純「まさか梓に辞めること言わないで行くなんて・・・。私てっきり・・・」
梓「・・・」
純「梓なら理由を知ってるとおもったんだけど・・・」
梓「純ちゃんは知ってたの?辞めること」
純「うん。辞める数日前に言われた」
梓「そう・・・(私信用されてなかったのかな)」
468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:26:20.27 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
純「あ、そうだ・・」
梓「なに?」
純「唯が言ってたの。『大事な人を傷つけたくない』って」
梓「大事な、人・・・?」
純「うん。詳しく聞いても何も言わなかったんだけど・・・」
梓「・・・」
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:31:22.49 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷外
梓「澪様」
澪「なんだ」
梓「唯が他の使用人に、『大事な人を傷つけたくない』と言って辞めたらしいです」
澪「・・・大事な人」
梓「もう何がなんだか・・・」
澪「・・・梓、お前に3日間の休暇を与える」
梓「え?」
澪「唯を迎えに行って来い」
梓「え、え!?」
澪「これぐらいあれば足りるだろう。菓子一つぐらい持って行ってやれ」
梓「え!?み、澪様、これはどういうことでしょうか・・・?!」
476 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:36:18.11 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「私の推測が間違ってなければこれでいいはず」
梓「澪様・・・?」
澪「婆には私から言っておく。ほら、行け」
梓「は、はい!?」ダッ
紬「・・・澪ちゃん、あなたいつからそんな使用人に優しくなったの?」
澪「・・・」
紬「前は使用人なんてゴミだとか言ってたくせに」
澪「黙れ」
紬「そういえば最近梓に優しくなったわよねー。何かあったのかしら」
澪「お前には関係ないだろ」
紬「ふふふ」
480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:39:13.70 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「そんなことより・・・」
紬「なに?」
澪「お前はほんと汚いな」
紬「今までのあなたにそんなこと言われたくないのだけど」
澪「・・・」
・・・
純「どうしたの!?そんな慌てて!」
梓「今から唯の家に行ってくる!!」
純「ふーん、・・・ってえええええ!?」
梓「澪様命令なのおお!」
純「い、意味がわからない・・・!!」
梓「それは私のセリフだよおお!」
482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:42:41.34 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「唯の実家に行くですって!?」
梓「はい。澪様命令で・・・」
婆「・・・そうですか。いいでしょう」
梓「え?」
婆「どうしたのですか。ほら、これが唯の住所ですよ」
梓「・・・あっさり許してくださるのですね」
婆「唯もあたなと同じ不思議な子です。失敗は多いですが、人を惹きつけるような・・・。
とにかく私は唯が辞める理由を知りたいのです。それだけです」
梓「・・・」
婆「必ず連れて帰ってくるのですよ」
梓「は、はい!!」
483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:44:58.37 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「梓を唯の家に向かわせた?」
澪「ああ。私の推測が間違ってなければ・・・、そして梓がうまくやってくれれば戻ってくるだろう」
律「唯が?」
澪「多分な」
律「・・・どうしてそこまでやるんだ?」
澪「使用人にどうしてそこまでするってことか?」
律「ああ」
澪「私もびっくりだよ」
律「・・・」
澪「けど、嫌なんだ。梓が暗い顔をしてるのが・・・」
485 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:47:41.89 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「別に唯が辞めるのはどうでもいい。あいつぐらいの使用人なんていくらでもいるからな」
律「・・・」
澪「けど、梓が・・・って何を話してるんだ私は!!」
律「ぷっ・・・あはは!」
澪「な、何がおかしいんだよ!!」
律「ほーんとお前変ったよな!なんつーか、見なおしたよ」
澪「う、うるさい!」
律「あとは・・・紬だけか」
489 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:51:22.13 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
母「もー、いきなり使用人の仕事を辞めて帰ってきたと思ったら・・・、ほらゴロゴロしてないで畑の仕事でも手伝いなさい!」
唯「んー・・・」
憂「おかーさん!いいじゃない、ちょっとぐらい!畑の仕事は私がやるから!」
母「あんまり甘やかしちゃダメよー。あ、そうだ、ちょっと出かけてくるわね」
憂「うん。いってらっしゃーい・・・」
唯「・・・」
憂「おねーちゃん、私、おねーちゃんが戻ってきてくれて嬉しいよ」
唯「うん・・・」
憂「おねーちゃんは頑張ったよ・・・。何があったかは知らないけど、当分はゆっくりするといいよ」
唯「ありがと、憂・・・」
492 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:57:19.16 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
?「ごめんくださいー!」
憂「ん?お客さんだ!ちょっと行ってくるね」
唯「うん・・・」
唯「(ああ、私辞めちゃったのか・・・
これでいいんだよね、これで・・・)」
憂「おねーちゃんにお客さんだけど・・・」
唯「え?私に?」
憂「中野 梓さんって方なんだけど」
唯「え?!あ、梓ちゃん!?」
496 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:59:04.56 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
ダダダッ
唯「あ、梓ちゃん!!?」
梓「こんにちは」
唯「こ、こんにちは。・・・ってえええ!?」
梓「びっくりしました?」
唯「そりゃ、もう・・・心臓が痛いです」
梓「ふふ、それはよかった」
唯「???」
梓「話があります」
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:01:50.28 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
外
梓「・・・」
唯「・・・」
梓「どうして辞めたんですか」
唯「・・・」
梓「どうして辞めること、私に言ってくれなかったんですか!?」
唯「ご、ごめん・・・」
梓「私すごくショックだったんですよ・・・」
唯「梓ちゃん・・・」
504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:05:58.69 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「それに、約束したじゃないですか・・・。使用人を辞めないって・・・」
唯「・・・」
梓「もしかして忘れてました?」
唯「忘れるわけないじゃん!!!!その約束のおかげで今まで続けて・・・」
梓「ならどうして!!!」
唯「言えない・・・」
梓「なんで言えないんですか!?」
唯「言えないものは言えないの!」
梓「うっ・・・ひくっ・・・」
唯「あ、梓ちゃん!?」
511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:09:05.82 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「私は数か月の間に唯さんを友達と思ってました・・・!けど唯さんは違ったみたいですね」
唯「そんなこと・・・!」
梓「唯さんは私のこと友達と思ってますか?」
唯「当たり前じゃん!!梓ちゃんがいなかったら私とっくに辞めてたよ・・・!」
梓「今、唯さんは使用人じゃないです。私と唯さんの関係はただの友達関係です」
唯「うん」
梓「友達と思ってくれてるなら・・・辞めた理由教えてください」
唯「・・・うん」
513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:10:28.47 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「・・・あのね」
梓「はい」
唯「紬様に・・・」
梓「紬様・・・?(やっぱり絡んでたのか?!)」
唯「辞めろって言われたの」
梓「・・・それで辞めたのですか?」
唯「違う」
梓「じゃあ・・・」
唯「私が辞めなければ、梓ちゃんが辞めさせられちゃうって・・・」
梓「私が?」
唯「うん・・・」
520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:16:52.09 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「だから辞めたのですか?」
唯「うん・・・」
梓「・・・」
唯「あ、梓ちゃん・・」
梓「唯さんのばああああああああああああああああああああああああああか!!!!!!!!!!」
唯「え!?」
梓「そんなことで辞めちゃわないでくださいよ!!」
唯「そ、そんなことって・・・」
梓「私がそんなことで辞めるわけないでしょう?!」
521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:19:08.52 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「だって・・・」
梓「もし紬様が私を辞めさせようとしても澪様が止めてくれます!!!」
唯「み、澪様が・・・?」
梓「か、確信はないですけど、なんだか最近信用されてるというかなんというか・・・。
う、自惚れてるわけじゃないですよ!?」
唯「う、うん」
梓「とにかく!紬様の脅しぐらいで折れる私じゃありません!!!」
唯「あ、梓ちゃん・・・」
梓「私の事もっと信用してくださいよ・・・」
唯「梓ちゃん・・・」
梓「約束破るわけないじゃないですか・・・」
唯「うん・・・ぐすっうっ」
526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:22:27.65 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「純に言ったんですね。『大事な人を失いたくない』って・・・」
唯「あ・・・うん・・・」
梓「大事な人って私でいいんですか?」
唯「うん」
梓「ふふ、嬉しいです…」
唯「へへ・・・///」
梓「で、もちろん帰ってきてくれるのですよね?」
唯「へ?」
梓「もう一度、使用人をやりますよね!?」
唯「で、でも・・・」
528 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:26:40.59 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「辞めるって言っちゃったし、今さら・・・」
梓「唯さんに拒否権はないです」
唯「え!?」
梓「私、婆さんに連れ戻してこいって言われて来たんですよ。
たとえ辞めるとしても婆さんにきっちんと理由を言ってください。じゃないと辞めさせません」
唯「・・・」
梓「辞めたくないんでしょ?」
唯「・・・・」
梓「そうなんでしょ!?」
唯「辞めたくない!!ううっ・・・ッ 私、使用人の仕事続けたいよおお!!」
梓「ふふふ、鼻水が大変なことになってますよ」
唯「うっうう・・・」ちーん
530 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:28:46.76 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「戻りましょう」
唯「いいのかな・・・」
梓「もちろんです!ダメって言われたらそん時です!」
唯「そ、そんな・・・」
梓「嘘ですよ。私が必ず続けさせてやります!」
唯「うん・・・!あ、梓ちゃん・・・」
梓「はい?」
唯「本当にありがとう!!」
梓「ふふ、どういたしまして」
梓「・・・しかし困りましたね」
唯「どうしたの?」
534 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:31:45.21 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「今日はもう帰りの電車がないみたいです。
ここら辺に宿ありませんか?」
唯「宿・・・?あ、うん、あるよ!」
梓「本当ですか!よかったら案内してもらえると助かるのですが・・・」
唯「もちろんだよ!着いてきて!」
梓「はい!」
・・・
唯「ここだよー!」
梓「・・・ここ唯さんの家ですよね」
唯「そうでーす!」
梓「私は宿と・・!」
唯「今日は泊ってってよ!」
537 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:35:03.81 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「え、でも・・!」
唯「いいからー!」
梓「ちょ、っちょっと・・・」
唯「ういー!お客さんだよー!」
憂「はいはーい!ってあれ、さっきの・・・」
唯「今日、泊らせるから」
憂「泊る?うん、別にいいけど?」
梓「ゆ、唯さん・・・!」
唯「いいから!ね、憂!」
憂「うん!おねーちゃんのお友達なら大歓迎ですよ!」
梓「うっあ・・・お、お世話になります・・・」
539 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:37:48.84 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
憂「そうそう、今日お父さんとお母さんが急用で隣町に行ったよ」
唯「ふーん」
憂「今日は帰って来ないって」
唯「えー!?みんなに梓ちゃんを紹介させようと思ったにー」
梓「ちょ、ちょっと!」
唯「大切な友達ができたって言いたかったなー・・・」
梓「・・・」
憂「ふふ、おねえちゃんをよろしくお願いします」
梓「え、あ?こ、こちらこそ・・・」
543 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:41:01.21 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
次の日
唯「それじゃあ憂!お母さんたちによろしくね!」
憂「もー、きっとお母さんたちびっくりすると思うよー?辞めて帰って来たと思ったら、また行くって・・・」
唯「へへ、ごめんごめん」
憂「ふふ、けどお姉ちゃんが続けた仕事が見つかってよかったよ」
唯「うん!」
憂「頑張ってね!!」
唯「うん!ありがとう、憂!!」
ポーーーッ(汽車の音)
545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:43:46.57 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
汽車内
唯「ほんとにこれでよかったのかな・・・」
梓「なんですか?まだ悩んでるんですか?」
唯「だって・・・」
梓「指きりしましょう!!」
唯「え?」
梓「いいから!!」
唯「え、あ!」
梓「指きりげんまん、嘘ついたらひゃくせんぼんのーます!指切った!っと」
唯「・・・」
梓「絶対使用人は辞めない!指きりしましたからね!」
唯「う、うん・・・!!!」
548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:46:49.41 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷外
梓「ふぅ、帰ってきました・・・」
唯「・・・」
梓「ほら、顔あげて!!」
唯「う、うん・・・」
婆「・・・ゆ、唯!?」
唯「ば、婆さん!!」
婆「唯!!よかった、よかった!帰ってきてくれたのですね!!」
唯「はい!!心配かけてすみませんでした・・・!」
婆「本当ですよ・・・!けど、ほんと、ほんとによかった・・・!」
551 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:49:02.77 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「もちろん続けるために帰って来たのですよね?」
唯「はい・・・!」
婆「よろしい。さっそく荷物を片付けなさい」
唯「はい!!」
使用人宿舎
梓「良かったですね、怒られなくて」
唯「うん!見つかった時は心臓止まったけど」
梓「ふふ」
使用人1「あれ?なんであんたがいるのよ・・・」
560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:53:28.83 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人2「辞めたんじゃないの!?」
使用人1「あんたが入ってきていい・・・」
唯「また使用人を続けることにしました。よろしくお願いします!!」
使用人1・2「はぁ!?」
唯「負けないから」
使用人1・2「なっ!!!」
梓「あんた達がどんだけ卑怯なことしてきても挫けないから」
使用人1「あ、梓!あんた何こんな奴のことかばって・・・!」
梓「唯は私の友達です!!!友達に酷いことしたら許さないから!!!!」
使用人1「ひっ」
使用人2「い、行こう」
使用人1「う、うん・・・」ダッ
562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:55:35.67 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「あ、梓ちゃん・・・」
梓「はーーーすっきりした!!」
唯「ごめんね、ありがとう・・・!」
梓「ま、あいつらがこれで止めるとは思いませんから。一緒に頑張りましょ!」
唯「うん!!」
564 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:57:30.07 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「何?2人が帰ってきた?」
婆「はい。先ほど帰って参りました。今部屋の片づけをしているところです。もう少し経ったらこちらへ来るでしょう」
澪「そ、そっか・・・。ってなんで私に報告する!」
婆「いえ、一番心配していると思っていたので・・・」
澪「な、なわけないだろ!」
婆「そうですか?」
澪「そうだ!!たくっ・・・(よかった)」
569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:59:49.24 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪部屋
梓「澪様!入ってもよろしいでしょうか?」
澪「入れ」
梓「失礼します・・・」
唯「失礼します」
澪「・・・連れて帰ってきたんだな」
梓「はい!澪様のおかげです!!澪様が行ってこいと言ってくれなかったら私・・・!」
唯「え、澪様が言ったの?!」
澪「ば、ばかか!!そんな言うわけ・・・!!」
梓「本当にありがとうございます!!!」
澪「・・・あ、ああ・・・」
570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:03:41.11 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
紬「・・・誰が帰ってきていいって言ったのよ」
唯「つ、紬様・・・」
紬「なんで戻ってきたの?」
唯「続けたいからです」
紬「なに、あなたはこの仕事が天職だと思ってるわけ?」
唯「そんなことは思ってません・・・!けど今はこの仕事を続けたいんです!!」
紬「私は許さないわよ」
唯「紬様!!!」
紬「絶対嫌だから!!!」
575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:06:42.46 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
律「いい加減にしろよムギ」
紬「り、りっちゃん!?」
唯「律様?!」
律「唯おかえり、それとごめんな・・・」
唯「た、ただいまです・・え、あ、どうして律様が謝るのですか?」
律「全ての原因は私にある。・・・ムギごめんな」
紬「!!」
律「私が唯にお前から貰った便箋をあげてしまったのが気に入らなかったんだろ?」
紬「・・・」
律「やっぱりな・・・はぁ」
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:10:25.41 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
律「たく、しょーもない」
紬「しょーもないって・・・!!!」
律「しょーもないだろうが!!!!どうして私たちの問題に唯を巻き込む!?」
紬「だ、だってりっちゃんがコイツに便箋を・・・!」
律「なら私を怨めばいいだろう!?当る相手が間違ってるんだよ!!!」
紬「だ、だって!」
律「だってもクソもねぇよ!!」
紬「うっ・・・」
律「いいか・・・、お前のやり方は汚い。私がいっちばん嫌いな陰湿な最低な行為だ」
紬「うぅ・・・」
585 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:14:39.08 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
律「澪だって変われた。ならお前だって変われるよ」
紬「変わる・・・?」
律「その最低最悪な根性、私が叩き直してやるよ!!!」
紬「ひっ!!」
澪「だ、だから私は変わってなど・・・」
律「謝れ」
紬「え?」
律「唯に謝れ。酷いことしてごめんなさいって」
紬「なっ!!ど、どうして使用人にこの私が・・・!!」
律「使用人だって人間なんだよ!!たとえ身分が違えど、人間は人間だろ!?」
紬「人間!?笑わせないでよ!!!使用人が人間なわけ・・・!」
593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:27:01.34 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
パァアアアン
紬「いたっ!!!」
律「いい加減にしろ!!!」
紬「な、なによおお、この私をひっぱ叩くなんて・・・!!」
唯「紬様・・・」
紬「なによ!!あんたは引っ込んでなさいよ!!」
唯「ごめんなさい・・・」
紬「はぁ!?」
唯「私が全て悪いんです」
紬「そうよ、何もかもあんたが悪いのよ!!!!」
唯「だから、チャンスをください」
紬「チャンス!?」
594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:28:17.35 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
唯「もう一度、使用人として頑張って見せます」
紬「なっ、な・・・」
唯「私、まだこの仕事続けたいのです!!お願いします!!チャンスをください!!」
紬「あんた何を言って・・・」
唯「使用人が紬様に何を言ってるってことですよね!分ってます!けど、けど私はこの仕事を・・・!」
梓「私からもお願いします!!!チャンスをください!!!」
紬「な、なによ梓まで・・・!」
澪「じゃー私からも」
紬「はぁ?!澪まで・・・!!!」
律「じゃあ私も」
紬「律!?」
紬「な、なんなのよ一体・・・!!!」
598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:33:10.19 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
紬「こ、これじゃ私一人が悪者じゃない!!たかが使用人如きに何みんなで・・・!」
律「たかが使用人か。使用人がいなけりゃ何もできないお嬢様がよく言うぜ」
紬「なっ!!」
律「もう少し使用人の気持ち・・・考えてみろよ」
紬「っ!!も、もう好きにすればいいじゃない!!!どうなったって知らないから!!!」ダッ
唯「あっ・・・!!」
律「ふー・・・」
唯「り、律様・・・」
律「好きにしろだって。あいつはどうだか知らんが、チャンスをくれたと思っていいんじゃないのか?」
唯「い、いいのかな・・・」
澪「好きにしろって言ったんだからいいんじゃないのか」
梓「そうですよ!よかったですね!唯さん!!」
唯「う、うん!!」
600 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:34:57.69 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
梓「これからもずっとずっと一緒に頑張っていきましょうね!!」
唯「うん!!」
梓「約束忘れないでくださいよ!?」
唯「もちろんだよ!!」
・・・
『お母さん、お父さん、憂へ
みなさんお元気ですか?私は皆から煩いといわれるほど元気にしてます。
この前は色々ごめんなさい。けどやっぱり今の仕事を続けたかったのです。
今では戻ってきてよかったと思います。後悔はありません。
まだ失敗は多いし、迷惑ばかりかけちゃってるけど、けど今の仕事がすごく楽しいです。
大切な友達もできました。今度の正月には連れていきますね。
それではまた』
唯「ふぅ・・・」
純「それしか書かないのー?」
唯「うわ!!!」
603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:36:50.42 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
純「そんな驚かないでよー」
唯「きゅ、急に出てきたら驚くよ!!!」
純「ふふ。で、その大切な友達って私のことでしょうねー?」
唯「うん!」
純「・・・え!?」
唯「え?」
純「そ、そうなの?」
唯「そうだけど。あ、あと梓ちゃんね」
純「そ、そう・・・(大切な友達だったんだ、私・・・)」
604 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:37:35.31 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
唯「正月空けといてね!」
純「う、うん。って何勝手に決めてんのよ!!」
唯「へへー。あ、嫌だった?」
純「べ、別に嫌じゃ・・・」
唯「あ、お掃除の時間だ!いこーっと!」
純「ちょ、っちょっと人の話を!!」
唯「いこっ、純ちゃん!」
純「う、し、仕方ないわね!」
唯「よーし、今日も琴吹家の皆さんのため、いっぱい尽くすぞーー!」
END
数日後
街にて
唯「ふー、お使いも終わったことだし、手紙出しに行こう!」
紬「あら、唯じゃない」
唯「あ、紬様!お買い物ですか?」
紬「そんなところね。唯はお使いかしら?」
唯「はい!」
紬「そう・・・あ、手紙?」
唯「そうなんです!あれから結構経ちましたけど返事もないので、やっぱ届いてなかったんだな、と」
紬「それは残念ね」
唯「はい。けど律様から綺麗な便箋を頂きました」
紬「律ちゃんから?」
396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:39:09.63 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「はい、これです」
紬「・・・・・」
唯「つ、紬様?」
紬「あ、ごめんなさい。用を思い出したわ。行くわね」
唯「え?あ、はい!お気をつけて!」
紬「(なんであんな子にあの便箋が・・・!!!)」
398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:40:54.70 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷内
紬「ちょっと、律ちゃんいる!?」
使用人「律様ならお部屋に・・・」
紬「・・・」
使用人「どうしたのかしら、あんなにあわてて・・・」
バタン
紬「りっちゃん!!あれはどういうことよ!!!」
律「うわ、び、びっくりしたあ!急に開けるなよ!」
紬「どうして私があげた便箋をあの子にあげるの!?」
400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:44:16.82 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「便箋・・・?ああ、あれか」
紬「酷いじゃない・・・!」
律「だって私、手紙書かないし・・・それに書いてもあんな綺麗な便箋使うキャラじゃねぇだろ・・・」
紬「それでも私はりっちゃんに持っていてほしかった・・・!!」
律「便箋だって使ってもらった方が幸せだろ」
紬「便箋に幸せもないわよ!!それになんであんな子にあげるの!?」
律「あんな子って・・・唯のことか」
紬「そうよ!!!使用人のくせに、あんな代物似合わないわよ!!」
律「んなことねぇだろ、それにお前が手紙捨てるから・・・」
紬「もう知らない!!」
律「あ、おい!!」
バタン
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:50:34.91 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人宿舎
唯「ふーいいお風呂だったー」
ガチャ
唯「・・・・え、なにこれ・・・」
梓「あ、唯さん!どうしたんですか、部屋の前で立ち止まって?」
唯「・・・」
梓「?」
唯「部屋が・・・」
梓「部屋?・・・え」
梓「なにこれ、部屋が荒らされてる・・・」
404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 20:54:13.83 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「・・・」
梓「どういうことですかこれ!?ま、まさか泥棒!?」
使用人1「クスクス」
使用人2「やーね、廊下で大声出しちゃって。みっともなーい」
梓「!?」
使用人1「ってなにこの部屋?きたなー」
使用人2「唯さんってだらしない方だと思ってたけどここまでとはね・・・呆れた」
唯「わ、私じゃないよ・・・」
使用人1「ふふふ」
梓「・・・何か知ってますね?」
使用人2「知らないわよ。あ、もしかして疑ってるの?」
梓「・・・」
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:03:45.00 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人1「梓さん、最初で最後の忠告よ。唯さんから離れなさい」
梓「はぁ?」
使用人2「忠告はしたわ。・・・いきましょ」
使用人1「ええ。それでは失礼」
唯「・・・どういうこと」
梓「と、とにかく部屋片付けましょう!」
唯「う、うん・・・」
梓「(何が起きてるの・・・)」
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:06:01.19 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
朝・食堂
唯「(昨日はなんだったんだろ・・。って今は旦那さま達の食事の準備!)」
使用人1「えい」
唯「え、うわあああ!!!」
ばしゃあああああん
紬「きゃっ!!」
唯「いたた・・・ってあああ!!」
紬「・・・冷たい」
唯「ご、ご、ごめんなさい!!すみません!!!あああどうしよう」
梓「な、なにやってるですか!?紬様タオルを・・・!」
紬「ありがとう・・・」
唯「あう・・・」
409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:06:55.51 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人1「クスクス」
澪「お前は人に水をかけるのが好きなのか」
唯「み、澪様・・・」
澪「ふん」
唯「・・・すみません」
律「おはよー!って紬!?どうしたんだよ、その有様は・・・」
紬「水、かけられちゃった・・・・」
律「かけられた?」
唯「も、申し訳ございません・・・!わ、私が躓いて、それで・・・!」
律「あはは!朝からやってくれたなー!カレーじゃなくてよかったな!」
紬「そういう問題じゃないでしょう!」
律「ほら、ついていってやるから着替えようぜ」
紬「うん・・・」
410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:10:31.63 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「わ、私も・・・!」
紬「着いてこないで!!!」
唯「ひっ」
律「おいおい、そんな怒鳴んなくても・・・ごめんな唯」
唯「い、いえ・・・」
使用人1「クスクス、嫌われちゃったわね~」
使用人2「解雇ね、あんなことやっちゃえば解雇よ」
唯「・・・」
澪「・・・」
412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:12:28.17 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬部屋
紬「最悪!!!もう最悪よおお!!」
律「お、落ちけって」
紬「落ち付けるわけないじゃない!ああ、貴重な朝の時間が!」
律「はぁ・・・」
紬「あの子、全然使えないわね!!」
律「ちょっと失敗しただけじゃねぇか・・・」
紬「ちょっとお!?この私に水をかけたのよ!解雇よ、解雇!!」
律「・・・昨日、唯の部屋が荒らされたそうだ」
紬「それが何・・・!」
律「私はお前が絡んでるとみてる」
紬「はぁ!?」
414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:13:29.09 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「なんで私が!?」
律「違うのか?」
紬「違うわよ、なんで私が!!!」
律「なら信じるぞ」
紬「え、ええ、いいわよ」
律「・・・わかった」
紬「・・・」
415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:16:57.79 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪部屋
梓「今日のご帰宅時間は?」
澪「5時ごろかな。・・・そうだ」
梓「はい?」
澪「唯に言っておいてくれ」
梓「ゆ、唯にですか?(澪様が唯の名前覚えた・・・)」
澪「紬には気をつけろ、って」
梓「・・・紬様にですか?」
澪「ああ」
梓「もしかして・・・」
澪「理由はわからないが、・・・とにかく気をつけろ」
梓「はい・・・」
418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:19:49.58 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人1「あのさーそこにいたら邪魔なんだけど」
唯「邪魔って・・、私ここの掃除担当だし・・」
使用人1「なに、口答えするの?」
唯「別にそんなつもりじゃ・・・」
梓「何してるですか」
使用人1「あ、梓・・・」
梓「唯さん、ここは充分綺麗になりました。他のところの掃除頼みます」
唯「え?あ、うん」
梓「行きましょう」
唯「う、うん」
使用人1「・・・・ちっ」
420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:22:17.25 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「唯さん・・・」
唯「ん?」
梓「私は唯さんの味方です」
唯「え?あ、ありがとう」
梓「辞めないでください」
唯「え?ど、どうしたの急に」
梓「私と約束してください。使用人を辞めないと」
唯「う、うん?いいけど・・・ほんとどうしたの?」
梓「約束ですよ!?」
唯「うん!?」
梓「・・・」
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:25:29.63 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数日後
使用人1「どきなさいよ、のろま」
使用人2「ひどーい、そこまで言わなくたっていいじゃないー」
唯「・・・」
使用人1・2「クスクス」
紬「・・・唯」
唯「あ、つ、紬様!」
紬「相変わらず失敗続き?」
唯「あ、・・・は、はい・・・」
紬「・・・辞めれば?」
唯「え?」
427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:36:18.77 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「使用人に失敗は許されない・・・知ってるわよね?」
唯「はい・・・」
紬「貴方がここに来て数カ月。進歩した?」
唯「・・・す、少しは」
紬「すこしねー。私に水かけといて進歩したっていうのかしら?」
唯「うっ・・・」
紬「辞めなさいよ」
唯「・・・」
紬「辞めないの?」
唯「辞めたくないです」
紬「そう、なら仕方ないわね」
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:38:07.05 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
紬「梓を解雇するわ」
唯「・・・え?」
紬「聞こえなかったの?貴方が辞めないなら、代わりに梓を辞めさせます」
唯「え、え!?ど、どうしてそうなるんですか!?」
紬「貴方が辞めないからよ」
唯「そんな・・・」
紬「梓も可哀想ねー。あんたなんかの為に辞めさせられるんだから」
唯「梓は関係ない・・・」
紬「梓を辞めさせたくないならあんたが辞めることね」
唯「・・・」
紬「あんたの代わりなんていくらでもいるのよ」
431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:41:30.96 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「辞める!?」
唯「はい・・・」
婆「ど、どうして急に・・・」
唯「・・・」
婆「何かあったのですか?」
唯「・・・いえ」
婆「・・・決めたのですか?」
唯「はい・・・」
婆「・・・・そうですか。貴方が決めたのなら私は止めることはできません」
唯「お世話になりました・・・失礼します」
バタン
婆「・・・」
434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:46:48.80 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
純「やめる!?」
唯「うん・・・」
純「な、なんで!?どうしたのよ急に!?」
唯「・・・」
純「何かあったの!?ここまで順調に来たじゃない!どうしちゃったのよ!!」
唯「理由は言えない」
純「はぁ!?」
唯「言えないの・・・。うぅっ・・・」
純「ど、どうしちゃったのよ唯ぃ・・・」
唯「うっうう、ふぇっ・・・」
438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:49:10.69 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
数日後
婆「今日は皆さんにお知らせ・・・残念なお知らせがあります」
梓「(あれ、唯さんがいない・・・寝坊!?)」
婆「実は今日、」
梓「婆さん!唯さんが、」
婆「唯さんが使用人を辞めました」
梓「・・・え?」
使用人1・2「くすくす」
梓「そ、そんな・・・意味がわからない・・・」
純「・・・梓、あんた聞いてなかったの?!」
梓「え?」
440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:52:21.54 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「梓はちょっと来なさい。他のものは掃除を始めること。解散」
一同「はい!」
婆「梓・・」
梓「は、はい・・・(ゆ、唯さん・・・!?)」
婆「唯さんから辞める話は聞いていましたか?」
梓「・・・」
婆「その様子だと聞いてなかったみたいですね・・・」
梓「ほ、本当にやめたんですか!?」
婆「はい。・・・理由は言いませんでした」
梓「え?」
婆「辞める理由が分らないのです。仕事も順調に覚えていったのに」
梓「・・・」
444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:54:17.38 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「私も何がなんだか・・・・」
梓「・・・」
婆「と、とにかくもう澪様が起きれる時間です。行きなさい」
梓「ゆ、唯さん・・・」
婆「梓!」
梓「は、はい!」
婆「気持ちはわかりますが・・・、貴方は使用人です。気持ちを切り替えなさい」
梓「は、はい・・・。(気持ちを切り替えろったって・・・)」
梓「(あの時の約束は嘘だったの?唯さん・・・)」
447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:57:03.66 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「澪様、起床のお時間になりました」
澪「ああ・・・」
梓「・・・」
澪「どうした、今日は一段と暗いな」
梓「は!も、申し訳ございません・・・」
澪「・・・」
梓「・・・」
澪「何かあったのか?」
梓「・・・いえ」
澪「あったんだな」
梓「ないです・・・」
澪「言え」
梓「けど・・・」
澪「言え。命令だぞ」
448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 21:58:39.56 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「・・・唯が使用人を辞めました」
澪「辞めた?」
梓「はい・・・」
澪「なんでだ」
梓「理由が分らないのです。婆さまも知らないみたいです」
澪「・・・」
梓「私、唯と約束したんです。絶対使用人をやめないって。なのになのに・・・」
澪「・・・」
451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:01:18.70 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
食堂
律「唯が辞めた!?」
使用人「はい・・・」
律「なんで!?」
使用人「さ、さあ・・・それは私には」
律「婆!なんで辞めたんだよ!」
婆「さあ。私も理由は聞いていません」
律「はぁ!?理由なしに辞めたのか?!」
婆「そうなりますね・・・」
律「ど、どうなって・・・」
紬「あらー、唯辞めちゃったのー?」
454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:05:14.12 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「ムギ・・・」
紬「残念ねー、せっかくお仕事覚えたのにぃ」
律「・・・」
紬「何よ」
律「いや・・・」
紬「さ、ごはんごはーん♪」
澪「・・・おい律」
律「澪・・・」
澪「話がある。食後、私の部屋に来い」
律「?あ、ああわかった」
457 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:08:52.72 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪部屋
律「・・・相変わらず、可愛い部屋だな・・・」
澪「う、煩い!!!今はそんなことどうでもいい!」
律「はいはい・・・・で、話ってなんだ」
澪「・・・唯が辞めた件だ」
律「・・・」
澪「私はあいつがほんのそこらで辞める奴だとは思ってない」
律「認めてるのか?」
澪「なぜそうなる。・・・まぁ根性だけは認めてやる。私に水をかけても辞めなかったしな」
律「あーそんなこともございましたね・・・」
458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:13:22.90 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「そんなことはどうでもいい」
律「いいんだ」
澪「・・・紬か」
律「・・・」
澪「私はこの件に紬が絡んでると思ってる」
律「・・・」
澪「お前はどう思う」
律「そうだな・・・。そう思いたくはないが」
澪「けどどうして・・・」
律「水かけちゃったのが悪かったか?」
澪「それもあると思うが・・・」
460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:16:11.90 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「紬が絡んでるとすれば律も絡んでる」
律「はぁ!?な、なんで私が・・・!」
澪「あいつが怒ることと言えば全部律関係じゃないか」
律「・・・」
澪「唯が何か律にやったか・・・」
律「?」
澪「律が唯に何かやったか・・・」
律「はぁ!?」
梓「お話中申し訳ございません。澪様、そろそろお支度の時間ですよ」
澪「ああ・・・、じゃあ律、話はまたあとで」
律「あ、ああ・・・」
462 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:18:25.57 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「・・・」
澪「唯が辞めた理由・・分るか?」
梓「いえ」
澪「私はあいつがちょっとしたことで辞めるとは思ってない。梓もそう思うだろ?」
梓「はい」
澪「私が見る限り、唯は他の使用人にいじめられてたみたいだな」
梓「・・・」
澪「紬に水をかけた時あるだろ。あれは他の使用人が唯に足を引っ掛けたからだ」
梓「そんな!」
澪「あいつ自身鈍感みたいだから気付いてなかったみたいだが・・・」
梓「・・・そんな」
464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:20:03.69 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「けどあいつはいじめぐらいで挫ける奴じゃないと思ってる」
梓「・・・」
澪「いじめられても・・・梓、お前はずっと唯の傍にいたんだろ?」
梓「はい」
澪「あいつは一人じゃなかった・・・。それにさっき言ったな・・・。
使用人を辞めない約束をしたって」
梓「はい・・・」
澪「ならあいつはいじめぐらいで辞めないよ。きっと他に理由がある」
梓「他の理由とは・・・」
澪「紬だ」
梓「つ、紬様ですか」
465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:22:18.03 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「私の考えすぎではなければな」
梓「・・・」
澪「まぁいい。今の話は律と私、そして梓しか知らない。誰にも言うなよ」
梓「分ってます」
澪「・・・」
466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:25:04.90 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
純「梓・・・」
梓「純ちゃん・・・」
純「唯、辞めちゃったね・・・」
梓「う、うん・・・」
純「まさか梓に辞めること言わないで行くなんて・・・。私てっきり・・・」
梓「・・・」
純「梓なら理由を知ってるとおもったんだけど・・・」
梓「純ちゃんは知ってたの?辞めること」
純「うん。辞める数日前に言われた」
梓「そう・・・(私信用されてなかったのかな)」
468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:26:20.27 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
純「あ、そうだ・・」
梓「なに?」
純「唯が言ってたの。『大事な人を傷つけたくない』って」
梓「大事な、人・・・?」
純「うん。詳しく聞いても何も言わなかったんだけど・・・」
梓「・・・」
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:31:22.49 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷外
梓「澪様」
澪「なんだ」
梓「唯が他の使用人に、『大事な人を傷つけたくない』と言って辞めたらしいです」
澪「・・・大事な人」
梓「もう何がなんだか・・・」
澪「・・・梓、お前に3日間の休暇を与える」
梓「え?」
澪「唯を迎えに行って来い」
梓「え、え!?」
澪「これぐらいあれば足りるだろう。菓子一つぐらい持って行ってやれ」
梓「え!?み、澪様、これはどういうことでしょうか・・・?!」
476 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:36:18.11 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「私の推測が間違ってなければこれでいいはず」
梓「澪様・・・?」
澪「婆には私から言っておく。ほら、行け」
梓「は、はい!?」ダッ
紬「・・・澪ちゃん、あなたいつからそんな使用人に優しくなったの?」
澪「・・・」
紬「前は使用人なんてゴミだとか言ってたくせに」
澪「黙れ」
紬「そういえば最近梓に優しくなったわよねー。何かあったのかしら」
澪「お前には関係ないだろ」
紬「ふふふ」
480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:39:13.70 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「そんなことより・・・」
紬「なに?」
澪「お前はほんと汚いな」
紬「今までのあなたにそんなこと言われたくないのだけど」
澪「・・・」
・・・
純「どうしたの!?そんな慌てて!」
梓「今から唯の家に行ってくる!!」
純「ふーん、・・・ってえええええ!?」
梓「澪様命令なのおお!」
純「い、意味がわからない・・・!!」
梓「それは私のセリフだよおお!」
482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:42:41.34 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「唯の実家に行くですって!?」
梓「はい。澪様命令で・・・」
婆「・・・そうですか。いいでしょう」
梓「え?」
婆「どうしたのですか。ほら、これが唯の住所ですよ」
梓「・・・あっさり許してくださるのですね」
婆「唯もあたなと同じ不思議な子です。失敗は多いですが、人を惹きつけるような・・・。
とにかく私は唯が辞める理由を知りたいのです。それだけです」
梓「・・・」
婆「必ず連れて帰ってくるのですよ」
梓「は、はい!!」
483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:44:58.37 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
律「梓を唯の家に向かわせた?」
澪「ああ。私の推測が間違ってなければ・・・、そして梓がうまくやってくれれば戻ってくるだろう」
律「唯が?」
澪「多分な」
律「・・・どうしてそこまでやるんだ?」
澪「使用人にどうしてそこまでするってことか?」
律「ああ」
澪「私もびっくりだよ」
律「・・・」
澪「けど、嫌なんだ。梓が暗い顔をしてるのが・・・」
485 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:47:41.89 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「別に唯が辞めるのはどうでもいい。あいつぐらいの使用人なんていくらでもいるからな」
律「・・・」
澪「けど、梓が・・・って何を話してるんだ私は!!」
律「ぷっ・・・あはは!」
澪「な、何がおかしいんだよ!!」
律「ほーんとお前変ったよな!なんつーか、見なおしたよ」
澪「う、うるさい!」
律「あとは・・・紬だけか」
489 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:51:22.13 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
母「もー、いきなり使用人の仕事を辞めて帰ってきたと思ったら・・・、ほらゴロゴロしてないで畑の仕事でも手伝いなさい!」
唯「んー・・・」
憂「おかーさん!いいじゃない、ちょっとぐらい!畑の仕事は私がやるから!」
母「あんまり甘やかしちゃダメよー。あ、そうだ、ちょっと出かけてくるわね」
憂「うん。いってらっしゃーい・・・」
唯「・・・」
憂「おねーちゃん、私、おねーちゃんが戻ってきてくれて嬉しいよ」
唯「うん・・・」
憂「おねーちゃんは頑張ったよ・・・。何があったかは知らないけど、当分はゆっくりするといいよ」
唯「ありがと、憂・・・」
492 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:57:19.16 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
?「ごめんくださいー!」
憂「ん?お客さんだ!ちょっと行ってくるね」
唯「うん・・・」
唯「(ああ、私辞めちゃったのか・・・
これでいいんだよね、これで・・・)」
憂「おねーちゃんにお客さんだけど・・・」
唯「え?私に?」
憂「中野 梓さんって方なんだけど」
唯「え?!あ、梓ちゃん!?」
496 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 22:59:04.56 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
ダダダッ
唯「あ、梓ちゃん!!?」
梓「こんにちは」
唯「こ、こんにちは。・・・ってえええ!?」
梓「びっくりしました?」
唯「そりゃ、もう・・・心臓が痛いです」
梓「ふふ、それはよかった」
唯「???」
梓「話があります」
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:01:50.28 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
外
梓「・・・」
唯「・・・」
梓「どうして辞めたんですか」
唯「・・・」
梓「どうして辞めること、私に言ってくれなかったんですか!?」
唯「ご、ごめん・・・」
梓「私すごくショックだったんですよ・・・」
唯「梓ちゃん・・・」
504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:05:58.69 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「それに、約束したじゃないですか・・・。使用人を辞めないって・・・」
唯「・・・」
梓「もしかして忘れてました?」
唯「忘れるわけないじゃん!!!!その約束のおかげで今まで続けて・・・」
梓「ならどうして!!!」
唯「言えない・・・」
梓「なんで言えないんですか!?」
唯「言えないものは言えないの!」
梓「うっ・・・ひくっ・・・」
唯「あ、梓ちゃん!?」
511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:09:05.82 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「私は数か月の間に唯さんを友達と思ってました・・・!けど唯さんは違ったみたいですね」
唯「そんなこと・・・!」
梓「唯さんは私のこと友達と思ってますか?」
唯「当たり前じゃん!!梓ちゃんがいなかったら私とっくに辞めてたよ・・・!」
梓「今、唯さんは使用人じゃないです。私と唯さんの関係はただの友達関係です」
唯「うん」
梓「友達と思ってくれてるなら・・・辞めた理由教えてください」
唯「・・・うん」
513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:10:28.47 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「・・・あのね」
梓「はい」
唯「紬様に・・・」
梓「紬様・・・?(やっぱり絡んでたのか?!)」
唯「辞めろって言われたの」
梓「・・・それで辞めたのですか?」
唯「違う」
梓「じゃあ・・・」
唯「私が辞めなければ、梓ちゃんが辞めさせられちゃうって・・・」
梓「私が?」
唯「うん・・・」
520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:16:52.09 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「だから辞めたのですか?」
唯「うん・・・」
梓「・・・」
唯「あ、梓ちゃん・・」
梓「唯さんのばああああああああああああああああああああああああああか!!!!!!!!!!」
唯「え!?」
梓「そんなことで辞めちゃわないでくださいよ!!」
唯「そ、そんなことって・・・」
梓「私がそんなことで辞めるわけないでしょう?!」
521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:19:08.52 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「だって・・・」
梓「もし紬様が私を辞めさせようとしても澪様が止めてくれます!!!」
唯「み、澪様が・・・?」
梓「か、確信はないですけど、なんだか最近信用されてるというかなんというか・・・。
う、自惚れてるわけじゃないですよ!?」
唯「う、うん」
梓「とにかく!紬様の脅しぐらいで折れる私じゃありません!!!」
唯「あ、梓ちゃん・・・」
梓「私の事もっと信用してくださいよ・・・」
唯「梓ちゃん・・・」
梓「約束破るわけないじゃないですか・・・」
唯「うん・・・ぐすっうっ」
526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:22:27.65 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「純に言ったんですね。『大事な人を失いたくない』って・・・」
唯「あ・・・うん・・・」
梓「大事な人って私でいいんですか?」
唯「うん」
梓「ふふ、嬉しいです…」
唯「へへ・・・///」
梓「で、もちろん帰ってきてくれるのですよね?」
唯「へ?」
梓「もう一度、使用人をやりますよね!?」
唯「で、でも・・・」
528 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:26:40.59 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「辞めるって言っちゃったし、今さら・・・」
梓「唯さんに拒否権はないです」
唯「え!?」
梓「私、婆さんに連れ戻してこいって言われて来たんですよ。
たとえ辞めるとしても婆さんにきっちんと理由を言ってください。じゃないと辞めさせません」
唯「・・・」
梓「辞めたくないんでしょ?」
唯「・・・・」
梓「そうなんでしょ!?」
唯「辞めたくない!!ううっ・・・ッ 私、使用人の仕事続けたいよおお!!」
梓「ふふふ、鼻水が大変なことになってますよ」
唯「うっうう・・・」ちーん
530 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:28:46.76 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「戻りましょう」
唯「いいのかな・・・」
梓「もちろんです!ダメって言われたらそん時です!」
唯「そ、そんな・・・」
梓「嘘ですよ。私が必ず続けさせてやります!」
唯「うん・・・!あ、梓ちゃん・・・」
梓「はい?」
唯「本当にありがとう!!」
梓「ふふ、どういたしまして」
梓「・・・しかし困りましたね」
唯「どうしたの?」
534 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:31:45.21 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「今日はもう帰りの電車がないみたいです。
ここら辺に宿ありませんか?」
唯「宿・・・?あ、うん、あるよ!」
梓「本当ですか!よかったら案内してもらえると助かるのですが・・・」
唯「もちろんだよ!着いてきて!」
梓「はい!」
・・・
唯「ここだよー!」
梓「・・・ここ唯さんの家ですよね」
唯「そうでーす!」
梓「私は宿と・・!」
唯「今日は泊ってってよ!」
537 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:35:03.81 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
梓「え、でも・・!」
唯「いいからー!」
梓「ちょ、っちょっと・・・」
唯「ういー!お客さんだよー!」
憂「はいはーい!ってあれ、さっきの・・・」
唯「今日、泊らせるから」
憂「泊る?うん、別にいいけど?」
梓「ゆ、唯さん・・・!」
唯「いいから!ね、憂!」
憂「うん!おねーちゃんのお友達なら大歓迎ですよ!」
梓「うっあ・・・お、お世話になります・・・」
539 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:37:48.84 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
憂「そうそう、今日お父さんとお母さんが急用で隣町に行ったよ」
唯「ふーん」
憂「今日は帰って来ないって」
唯「えー!?みんなに梓ちゃんを紹介させようと思ったにー」
梓「ちょ、ちょっと!」
唯「大切な友達ができたって言いたかったなー・・・」
梓「・・・」
憂「ふふ、おねえちゃんをよろしくお願いします」
梓「え、あ?こ、こちらこそ・・・」
543 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:41:01.21 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
次の日
唯「それじゃあ憂!お母さんたちによろしくね!」
憂「もー、きっとお母さんたちびっくりすると思うよー?辞めて帰って来たと思ったら、また行くって・・・」
唯「へへ、ごめんごめん」
憂「ふふ、けどお姉ちゃんが続けた仕事が見つかってよかったよ」
唯「うん!」
憂「頑張ってね!!」
唯「うん!ありがとう、憂!!」
ポーーーッ(汽車の音)
545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:43:46.57 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
汽車内
唯「ほんとにこれでよかったのかな・・・」
梓「なんですか?まだ悩んでるんですか?」
唯「だって・・・」
梓「指きりしましょう!!」
唯「え?」
梓「いいから!!」
唯「え、あ!」
梓「指きりげんまん、嘘ついたらひゃくせんぼんのーます!指切った!っと」
唯「・・・」
梓「絶対使用人は辞めない!指きりしましたからね!」
唯「う、うん・・・!!!」
548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:46:49.41 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
屋敷外
梓「ふぅ、帰ってきました・・・」
唯「・・・」
梓「ほら、顔あげて!!」
唯「う、うん・・・」
婆「・・・ゆ、唯!?」
唯「ば、婆さん!!」
婆「唯!!よかった、よかった!帰ってきてくれたのですね!!」
唯「はい!!心配かけてすみませんでした・・・!」
婆「本当ですよ・・・!けど、ほんと、ほんとによかった・・・!」
551 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:49:02.77 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
婆「もちろん続けるために帰って来たのですよね?」
唯「はい・・・!」
婆「よろしい。さっそく荷物を片付けなさい」
唯「はい!!」
使用人宿舎
梓「良かったですね、怒られなくて」
唯「うん!見つかった時は心臓止まったけど」
梓「ふふ」
使用人1「あれ?なんであんたがいるのよ・・・」
560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:53:28.83 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
使用人2「辞めたんじゃないの!?」
使用人1「あんたが入ってきていい・・・」
唯「また使用人を続けることにしました。よろしくお願いします!!」
使用人1・2「はぁ!?」
唯「負けないから」
使用人1・2「なっ!!!」
梓「あんた達がどんだけ卑怯なことしてきても挫けないから」
使用人1「あ、梓!あんた何こんな奴のことかばって・・・!」
梓「唯は私の友達です!!!友達に酷いことしたら許さないから!!!!」
使用人1「ひっ」
使用人2「い、行こう」
使用人1「う、うん・・・」ダッ
562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:55:35.67 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
唯「あ、梓ちゃん・・・」
梓「はーーーすっきりした!!」
唯「ごめんね、ありがとう・・・!」
梓「ま、あいつらがこれで止めるとは思いませんから。一緒に頑張りましょ!」
唯「うん!!」
564 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:57:30.07 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪「何?2人が帰ってきた?」
婆「はい。先ほど帰って参りました。今部屋の片づけをしているところです。もう少し経ったらこちらへ来るでしょう」
澪「そ、そっか・・・。ってなんで私に報告する!」
婆「いえ、一番心配していると思っていたので・・・」
澪「な、なわけないだろ!」
婆「そうですか?」
澪「そうだ!!たくっ・・・(よかった)」
569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/28(木) 23:59:49.24 ID:Uz7rjUwx0 (216 回発言)
澪部屋
梓「澪様!入ってもよろしいでしょうか?」
澪「入れ」
梓「失礼します・・・」
唯「失礼します」
澪「・・・連れて帰ってきたんだな」
梓「はい!澪様のおかげです!!澪様が行ってこいと言ってくれなかったら私・・・!」
唯「え、澪様が言ったの?!」
澪「ば、ばかか!!そんな言うわけ・・・!!」
梓「本当にありがとうございます!!!」
澪「・・・あ、ああ・・・」
570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:03:41.11 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
紬「・・・誰が帰ってきていいって言ったのよ」
唯「つ、紬様・・・」
紬「なんで戻ってきたの?」
唯「続けたいからです」
紬「なに、あなたはこの仕事が天職だと思ってるわけ?」
唯「そんなことは思ってません・・・!けど今はこの仕事を続けたいんです!!」
紬「私は許さないわよ」
唯「紬様!!!」
紬「絶対嫌だから!!!」
575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:06:42.46 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
律「いい加減にしろよムギ」
紬「り、りっちゃん!?」
唯「律様?!」
律「唯おかえり、それとごめんな・・・」
唯「た、ただいまです・・え、あ、どうして律様が謝るのですか?」
律「全ての原因は私にある。・・・ムギごめんな」
紬「!!」
律「私が唯にお前から貰った便箋をあげてしまったのが気に入らなかったんだろ?」
紬「・・・」
律「やっぱりな・・・はぁ」
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:10:25.41 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
律「たく、しょーもない」
紬「しょーもないって・・・!!!」
律「しょーもないだろうが!!!!どうして私たちの問題に唯を巻き込む!?」
紬「だ、だってりっちゃんがコイツに便箋を・・・!」
律「なら私を怨めばいいだろう!?当る相手が間違ってるんだよ!!!」
紬「だ、だって!」
律「だってもクソもねぇよ!!」
紬「うっ・・・」
律「いいか・・・、お前のやり方は汚い。私がいっちばん嫌いな陰湿な最低な行為だ」
紬「うぅ・・・」
585 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:14:39.08 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
律「澪だって変われた。ならお前だって変われるよ」
紬「変わる・・・?」
律「その最低最悪な根性、私が叩き直してやるよ!!!」
紬「ひっ!!」
澪「だ、だから私は変わってなど・・・」
律「謝れ」
紬「え?」
律「唯に謝れ。酷いことしてごめんなさいって」
紬「なっ!!ど、どうして使用人にこの私が・・・!!」
律「使用人だって人間なんだよ!!たとえ身分が違えど、人間は人間だろ!?」
紬「人間!?笑わせないでよ!!!使用人が人間なわけ・・・!」
593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:27:01.34 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
パァアアアン
紬「いたっ!!!」
律「いい加減にしろ!!!」
紬「な、なによおお、この私をひっぱ叩くなんて・・・!!」
唯「紬様・・・」
紬「なによ!!あんたは引っ込んでなさいよ!!」
唯「ごめんなさい・・・」
紬「はぁ!?」
唯「私が全て悪いんです」
紬「そうよ、何もかもあんたが悪いのよ!!!!」
唯「だから、チャンスをください」
紬「チャンス!?」
594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:28:17.35 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
唯「もう一度、使用人として頑張って見せます」
紬「なっ、な・・・」
唯「私、まだこの仕事続けたいのです!!お願いします!!チャンスをください!!」
紬「あんた何を言って・・・」
唯「使用人が紬様に何を言ってるってことですよね!分ってます!けど、けど私はこの仕事を・・・!」
梓「私からもお願いします!!!チャンスをください!!!」
紬「な、なによ梓まで・・・!」
澪「じゃー私からも」
紬「はぁ?!澪まで・・・!!!」
律「じゃあ私も」
紬「律!?」
紬「な、なんなのよ一体・・・!!!」
598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:33:10.19 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
紬「こ、これじゃ私一人が悪者じゃない!!たかが使用人如きに何みんなで・・・!」
律「たかが使用人か。使用人がいなけりゃ何もできないお嬢様がよく言うぜ」
紬「なっ!!」
律「もう少し使用人の気持ち・・・考えてみろよ」
紬「っ!!も、もう好きにすればいいじゃない!!!どうなったって知らないから!!!」ダッ
唯「あっ・・・!!」
律「ふー・・・」
唯「り、律様・・・」
律「好きにしろだって。あいつはどうだか知らんが、チャンスをくれたと思っていいんじゃないのか?」
唯「い、いいのかな・・・」
澪「好きにしろって言ったんだからいいんじゃないのか」
梓「そうですよ!よかったですね!唯さん!!」
唯「う、うん!!」
600 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:34:57.69 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
梓「これからもずっとずっと一緒に頑張っていきましょうね!!」
唯「うん!!」
梓「約束忘れないでくださいよ!?」
唯「もちろんだよ!!」
・・・
『お母さん、お父さん、憂へ
みなさんお元気ですか?私は皆から煩いといわれるほど元気にしてます。
この前は色々ごめんなさい。けどやっぱり今の仕事を続けたかったのです。
今では戻ってきてよかったと思います。後悔はありません。
まだ失敗は多いし、迷惑ばかりかけちゃってるけど、けど今の仕事がすごく楽しいです。
大切な友達もできました。今度の正月には連れていきますね。
それではまた』
唯「ふぅ・・・」
純「それしか書かないのー?」
唯「うわ!!!」
603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:36:50.42 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
純「そんな驚かないでよー」
唯「きゅ、急に出てきたら驚くよ!!!」
純「ふふ。で、その大切な友達って私のことでしょうねー?」
唯「うん!」
純「・・・え!?」
唯「え?」
純「そ、そうなの?」
唯「そうだけど。あ、あと梓ちゃんね」
純「そ、そう・・・(大切な友達だったんだ、私・・・)」
604 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/29(金) 00:37:35.31 ID:lmrf9IM30 (10 回発言)
唯「正月空けといてね!」
純「う、うん。って何勝手に決めてんのよ!!」
唯「へへー。あ、嫌だった?」
純「べ、別に嫌じゃ・・・」
唯「あ、お掃除の時間だ!いこーっと!」
純「ちょ、っちょっと人の話を!!」
唯「いこっ、純ちゃん!」
純「う、し、仕方ないわね!」
唯「よーし、今日も琴吹家の皆さんのため、いっぱい尽くすぞーー!」
END
<<唯「テストでいい点をとったら澪ちゃんがそっけなくなった」 | ホーム | 唯「今日から琴吹家の使用人になる!」 -2>>
コメント
No title
うーんマンダム
澪と梓がだんだんうちとけていくのが良くて最後まで読んでしまった 乙
澪と梓がだんだんうちとけていくのが良くて最後まで読んでしまった 乙
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |
だがムギちゃんを悪役にしやがったのは許せん