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女「着替えを見られても恥ずかしくないよ」前半
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:25:57.36 ID:6A0A3wRLP [1/21]
男「……いや、すまん」
女「気にしてないから」
俺にニッコリと笑って見せる。
男「いや、でも……」
女「ふふ、ボクの体にそんなに興味を持ったのかい?」
んなわけあるか。
男「……いや、すまん」
女「気にしてないから」
俺にニッコリと笑って見せる。
男「いや、でも……」
女「ふふ、ボクの体にそんなに興味を持ったのかい?」
んなわけあるか。
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:27:24.32 ID:6A0A3wRLP [2/21]
男「そんなことは決してない」
女「おや、残念だ」
思ってもないことを、残念がる。
男「……お前さあ」
女「ん?」
男「なんでそんなに平気なんだ?」
普通、もっと恥じるべきだ。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:30:20.88 ID:6A0A3wRLP
女「気にしていないからさ」
男「気にしてない?」
それは逆にダメだろ。
痴女か。
女「あ、今痴女だと思ったかい?」
ああ、思いましたとも。
女「安心したまえ。ボクは『君に』見られても気にしていないということさ」
俺はまったく、そういうので見てないのか。
まあ、そうなんだろうな。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:33:22.87 ID:6A0A3wRLP
女「君だって、ボクの体で興奮するわけでもないだろう?」
男「……」
そうだな。
女「家に帰った後、ボクをおかずに……こほんっ」
わざとらしい咳をするな。
ニヤニヤするな。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:35:49.34 ID:6A0A3wRLP
男「興奮もできないやつでするかよ」
女「じゃあ、何でするんだい?」
男「……」
くそ、鎌かけられた。
このせいで、俺がしていることがバレた。
女「ふふ、言いたまえ」
偉そうだな。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:40:00.51 ID:6A0A3wRLP
男「別に、なんでもいいだろうが」
ゆっくりと近づいてきて。
女「ふぅ~ん?」
なんだその……なんか、むかつく。
女「ふふ、やはり、君も男の子だね」
ほっとけ。
女「おかずにされている子の身になると……怖いなぁ」
男「お前がなることはないから安心しろ」
女「ふふ、そうかい」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:43:10.66 ID:6A0A3wRLP
……。
ああ、なんだよこいつ。
余裕だよなぁ、本当。
女「それで」
男「ん?」
女「着替えを見てしまった君が、ボクになんのようだい?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:47:31.78 ID:6A0A3wRLP
いや。
こいつ意外と気にしてないか?
男「えっとだな、これだ」
女「?」
男「お前が欲しがってた本があったから、買った」
女「……おや」
すげえ驚いてる。
女「ふふ、それだけのために、来てくれたのかい?」
それだけのためにって……。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:52:14.42 ID:6A0A3wRLP
男「忘れるといけないと思ってな」
女「ありがとう。いくらだったんだい?」
男「1800円。意外と値段張るんだな」
女「そうか……えっと」
男「気にするな、今回は俺のおごりだ」
女「君の驕りかい?」
男「驕ってねぇよ」
奢りだ奢り。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 21:01:03.65 ID:6A0A3wRLP
女「でも……それは困ったな」
男「あん? 別にいいだろ」
こんなことで、何心配してんだ。
こいつらしくないな。
女「だって、そのお金で、ピンクの本を買うつもりだったんだろう?」
……こいつらしくてむかつく。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 21:05:58.78 ID:6A0A3wRLP
女「おや、図星?」
男「俺をエロスの塊かなんかと間違えてないか?」
女「ふふ、間違いない」
男「どういうことだ」
女「ああ、エロスがボクに近づいてくる」
畜生。
そんなこと言われたら、近づきづらいだろうが。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 21:08:27.97 ID:6A0A3wRLP
男「もういい、用事済んだから帰る」
女「帰るのかい?」
エロスはさっさと帰ります。ええ。
女「……するために、帰るのかい?」
どういう解釈だ。
男「そんなわけあるか!」
女「じゃあ、お茶でも飲んでいってくれ。美味しいよ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 21:15:16.27 ID:6A0A3wRLP
男「……」
まあ、それくらいなら。
女「急用なら、別にいいんだけど」
男「ああ、大丈夫だ」
女「ふふ、それじゃあ、ちょっと待っててくれ」
そう言って、部屋をあとにする。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:03:40.74 ID:6A0A3wRLP
男「……」
さて。
いたずらでもしようかな。
でも、お茶の用意ならすぐに帰ってくるだろうし。
とりあえず、なにかできることはないだろうか……。
男「……下着……」
いや、ダメだ。
何考えてんだよ、バカ。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:14:15.80 ID:6A0A3wRLP
それじゃあ余計にダメだ。
変態だと、確定しちまうじゃねぇか。
ほら、なんかもっと簡単ないたずらでいいんだ。
男「そうだ、日記とか……」
がらっと。
あった。
『日記』。
普通に、日記と書いてある。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:17:51.99 ID:6A0A3wRLP
男「……」
男「……」
チキンだな。
本当に、チキン。
女「ほほう、いい趣味しているね」
男「!」
女「ふふ、女の子の部屋を、勝手に漁るのかい?」
男「えっと……」
これはまずい。やっちまった。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:21:55.88 ID:6A0A3wRLP
女「ふふ、その感じだと、まだ見ていないようだね」
男「……」
女「見るかい?」
なぜ一番上のボタンを開けたんだ。
男「いいよ、別に」
女「そうかい?」
男「ああ、ちょっとしたいたずらをしようと思っただけだから」
女「君になら、見られてもいいのにな」
どういうことだ。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:28:08.62 ID:6A0A3wRLP
女「ここにはボクの全てが書かれてる」
なんだそりゃ。
女「君には、ボクを知って欲しいし、ボクは君をもっと知りたい」
いきなり、変なことを言う。
まあ、いつもどおりで安心。
女「……見るつもりが無いなら、強制はしないよ」
男「そうかい」
女「ふふ、お茶、飲もう」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:32:33.19 ID:6A0A3wRLP
といって、ニッコリと笑った。
女「紅茶、好きだよね?」
男「ああ、まあな」
女「よかった」
オシャレなコーヒーカップに、紅茶を注ぐ。
うん、いい匂いだ。
女「暖かいから、火傷しないようにね」
俺は子供か。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:39:53.71 ID:6A0A3wRLP
男「そんなこと、気にせんでいい」
女「そうか、それならいいんだ」
あつっ。
ビシャッと。
やつの下半身にぶっかかる。
女「おっと……」
男「! だ、大丈夫か!?」
女「ふふ、すこし、熱かったかな?」
すこしってもんじゃないだろう。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:44:03.08 ID:6A0A3wRLP
男「本当に大丈夫か!?」
女「心配してくれるのかい?」
俺が悪いからな。
男「火傷してないか?」
女「大丈夫さ」
うおい、いきなりズボンを脱ぐな。
男「バカ」
女「びしょ濡れだから、脱ぐのは当たり前だろう」
タイミングっていうもんがある。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 00:07:23.85 ID:x6CGo3GnP [1/10]
女「ふふ、気にしなくていい。ボクは見られても平気だから」
なんだその顔は。
どや顔じゃない、少し違うけどどや顔に近い感じの顔。
男「お前がよくても俺がよくない」
女「君は見ていてもいいさ」
男「なんでそうなる」
意味がわからん。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 00:12:34.97 ID:x6CGo3GnP [2/10]
女「元はといえば、君が悪いんだよ?」
そうだけども。
女「だから、ボクがちゃんと着替えることができるか、見ておいたほうがいいんじゃないのかい?」
男「そこまでしなくてもいいだろう」
女「ふふ、そうかもね」
こいつ。
俺で遊んでやがるな。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 00:23:59.70 ID:x6CGo3GnP [3/10]
女「ああ、下半身がべちょべちょ……」
色気の無い声でいっても、まったくなにも感じませーん。
女「君にべちょべちょにされてしまったね」
変な言い方するな。
男「うるせえ」
女「それは逆切れだよ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 20:07:42.03 ID:x6CGo3GnP [4/10]
男「悪かった」
女「ふふ、素直でよろしい」
むかつく。
男「……」
女「着替えるから」
男「いちいち報告しなくていい」
女「言わないと怒るくせに」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 20:13:23.38 ID:x6CGo3GnP [5/10]
……まあ。
いきなり着替えたら怒るかもな。
男「そうかもな」
女「だったら、ボクは正しいことをしたんじゃないか」
男「ふんっ」
女「……パンツもびしょびしょ……」
そんなことつぶやくな。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 20:21:30.26 ID:x6CGo3GnP [6/10]
女「ふふ、パンツも着替えなきゃ」
男「そうかい」
女「君はどんな色が好きだい?」
男「は?」
んなこと聞いてどうする?
女「黒と言われると、困るんだけれど」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 20:29:49.28 ID:x6CGo3GnP [7/10]
男「……黒」
女「困ったなぁ」
笑いながら困ったと言われても。
女「なんで黒なんだい?」
いや。
なんか、いやな予感がしたから。
女「ふむ。じゃあ、今度買ってこよう」
男「何をだ」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 21:41:06.68 ID:x6CGo3GnP [8/10]
女「わかるだろう?」
男「わかってるけども」
それでも、いやだ。
女「黒……が好きなのか」
男「別に好きじゃない」
女「む? それじゃあ何が好きなんだい?」
男「……わからん」
女「ああ、間違えた。パンツなら何色が好きなんだい?」
最終的にそう聞くのか。
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 23:36:25.71 ID:x6CGo3GnP [9/10]
男「そんなもん、別に何色でもいい!」
そんなことを、俺に聞くな。
女「むぅ、君の好きな色に合わせたあげるのに……」
合わせてもらいたくない。
どうでもいいわ、そんなもん。
女「ふむ……じゃあ、これにしよう」
いいから、早く穿けよ。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 23:47:24.85 ID:x6CGo3GnP [10/10]
女「うん、着替えが終了したよ」
男「本当かよ」
とか言いながら、こいつ下半身下着一枚とかありえそうで怖い。
女「もちろんさ。嘘はつかないよ」
冗談を言うけどな。
振り向くと。
女「どうだい? こういうフリフリしたものは、あまり好きじゃないんだけど」
なんだそのミニスカート。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:02:34.33 ID:4rssN6YBP
男「さっきのカジュアルな服装はどうした」
女「君の好みはこういうのじゃないのかい?」
男「……」
まあ、合ってるかも。
女「凄いね、制服よりスースーする」
男「言わんでいい」
女「ボクもすこしは女の子らしく見えないかい?」
言ったら台無しだな。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 22:17:03.86 ID:f9lblkLlP [1/7]
男「さあな」
女「微妙な答えだね」
別に。
興味、ないし。
女「さっき、母に買い物を頼まれてね」
男「ふむ」
女「今から行くのだけど、付き合ってくれないか?」
男「ああ」
それなら、いいけど。
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 22:19:53.76 ID:f9lblkLlP [2/7]
女「ふふ、いいのかい?」
男「おう、暇だし」
女「あれ? 家に帰るんじゃ……?」
男「帰るぞ」
女「あはは、すまない。冗談だよ」
揚げ足取りやがって。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 22:23:41.44 ID:f9lblkLlP [3/7]
男「……」
さて、外に出たわけだが。
女「寒いね」
男「そうだな」
女「脚がより一層スースーするよ」
だからどうした。
117 名前:なんでID変わってんの?[] 投稿日:2010/10/07(木) 22:35:01.24 ID:f9lblkLlP [4/7]
男「そんな格好してるからだろ」
女「そうだね」
なんだよ、普通に肯定するのか。
女「とりあえず、さ」
男「なんだ?」
女「くっついても、いいかな?」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23:25:40.45 ID:f9lblkLlP [5/7]
男「はぁ……」
何言ってんの、こいつ。
女「マフラーだけじゃ、寒いんだよ」
人肌で暖めろってか。
女「ダメかい?」
男「いやだね」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23:30:02.79 ID:f9lblkLlP [6/7]
女「そうか」
何を考えてるのかわからんやつだ。
……。
男「……おい」
女「なんだい?」
男「結局くっついてるじゃねえか」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23:42:25.42 ID:f9lblkLlP [7/7]
女「ふふ、そうだね」
そうだね、じゃねえよ。
女「ボクはこっちに行きたいから、寄っただけさ」
男「そうか」
……。
男「おい、なんで俺と同じところに来るんだ」
女「ふふ、ダメかい?」
またそれか。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 00:15:35.15 ID:xJj0jLx+P [1/34]
男「邪魔だ」
女「ひどいなぁ」
男「くどい!」
女「ボクは君の邪魔なんかしてないよ」
確実に歩行妨害だ。
女「ふふ」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 18:27:31.32 ID:xJj0jLx+P [2/34]
男「お前がそういうつもりなら……」
女「おっと」
走ればいい!
女「ふふ、元気だね」
男「うるせー」
女「追いかけたいところだけど……」
なんだ?
女「生憎、ボクはスカートだから」
……そうだったな。
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 18:39:41.18 ID:xJj0jLx+P [3/34]
女「なるほど」
男「……?」
なんだそのニヤケ面は。
女「ボクのパンツを、見たかったのかい?」
スカートをつまんでちょいちょい上げるのやめろ。
女「ほら、目が行ってる」
男「そんなことしたら誰でも行くだろうが」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 18:51:40.41 ID:xJj0jLx+P [4/34]
女「ボクが暑くてしているだけかもしれないじゃないか」
さっき寒いって言ってただろうが。
男「じゃあ今暑いのか?」
女「そうだなぁ……」
ゆっくりと俺に近づいてくる。
女「寒いよ」
といって、俺にくっつきやがる。
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:03:28.95 ID:xJj0jLx+P [5/34]
男「懲りないやつだな」
女「こりないよ」
ニッコリと微笑みかけてきた。
女「君だって、寒いだろう?」
男「そんなに」
女「少なからずは、寒いだろう?」
男「……」
寒いけども。
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:13:46.25 ID:xJj0jLx+P [6/34]
男「あー、もういい。わかったから」
女「ありがとう」
男「……」
なにがありがとうだ。
女「ふふ、人肌は暖かいね」
そうかい。
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:20:04.38 ID:xJj0jLx+P [7/34]
女「手が特に冷えてるんだ」
男「そうか」
女「……ふふ」
スーパーまで、あと少しか。
女「風が強いね」
男「そうだな」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:24:36.84 ID:xJj0jLx+P [8/34]
女「あっ」
ブワッと。
フワッと。
チラッと。
女「……ははは」
男「……」
見えた。
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:30:29.13 ID:xJj0jLx+P [9/34]
男「……」
女「見た……かい?」
男「見てない」
女「そうか……」
そんなこと気にしてるとは、なんか雰囲気違うな。
女「自信あったのに……」
前言撤回。
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:36:59.37 ID:xJj0jLx+P [10/34]
男「変態め」
女「変態でも構わない。見ないか?」
誰が見るか。
女「ほらほら」
チラチラするな。
男「そんなに見せたいならクラスのやつにでも見せてろ」
女「君に見て欲しいんだ」
大・迷・惑、だ。
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:49:24.09 ID:xJj0jLx+P [11/34]
女「……まあ、そこまで見せるつもりはないけど」
どうでもいいわ、もう。
男「ほら、着いたぞ」
女「うん、そうだね」
男「とりあえず、何買うんだ?」
女「変なものは買わないよ」
スーパーに変なものは売ってない。
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:52:59.61 ID:xJj0jLx+P [12/34]
男「晩飯か?」
女「うん、ほら」
この材料だと、カレーかな。
女「ボク、カレー大好きなんだ」
男「ふーん」
女「君も、好きだったよね」
なんで知ってるんだ。
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 20:24:18.76 ID:xJj0jLx+P [13/34]
女「ふふ、教えてくれたじゃないか」
男「そうだったか?」
覚えてない。
女「ボクも、言ったんだけどな」
ちょっとムスッとする。
なんかレアな顔だ。
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 20:29:44.15 ID:xJj0jLx+P [14/34]
男「そういう、お前の記憶力の良さアピールはいい」
女「ふふ、わかった」
いつもどおりに戻る。
男「さて、と」
この材料の書いた紙通りに買えばいいんだな。
女「ふふ、なんだか夫婦みたいだね」
全然そう思わん。
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 20:37:37.92 ID:xJj0jLx+P [15/34]
女「あっ……」
男「ん?」
女「これ……」
男「……」
なんだよ、それ。
新しく発売されたお菓子か。
ねったりしてりするやつの、新しいの。
目をキラキラさせやがって。お前は子供か。
女「買う」
男「いやいや、そんなの書いてないだろ」
女「ボクが個人的に買うの。いいじゃないか」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:04:06.81 ID:xJj0jLx+P [16/34]
言ってる事まで子供か。
男「わかったわかった」
女「ふふっ」
こいつ、いっつもこういうの買ってるよな。
それじゃあ、俺は。
女「ポッキーかい?」
男「おう、好きだからな」
女「そうなんだ」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:07:08.51 ID:xJj0jLx+P [17/34]
女「ポッキーって、名前面白いよね」
男「そうか?」
ポキっていう効果音からって感じがするけど、別に面白くは……。
女「一文字間違えれば大騒ぎだね」
男「……」
下品だ。
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:10:22.72 ID:xJj0jLx+P [18/34]
男「よし、これで全部買ったな」
女「うん、美味しいカレーが目に浮かぶよ」
男「そうかい」
女「買い物に付き合ってくれたんだし、晩も食べないかい?」
男「いいのか?」
女「うん、構わないよ」
なら、俺はいいけど。
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:13:21.15 ID:xJj0jLx+P [19/34]
女「面白くない冗談言っていいかい?」
お前の冗談で面白かった試しはないけどな。
男「別に、いいぞ」
女「ご飯にかかってるのが、カレーじゃなかったりしてね」
男「……」
下品だ。
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:17:38.38 ID:xJj0jLx+P [20/34]
男「頼むから、もうすこし離れろ」
女「寒いよ」
男「寒いのはわかってるっつーの」
それでも近すぎる。
いい匂いが、しすぎる。
……おっと、さっきのはなかったことにしてくれ。
女「ボクのこと、嫌いかい?」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:25:53.10 ID:xJj0jLx+P [21/34]
男「だったら一緒にいないだろうが」
女「それもそうだね」
これで、いつもなら終わり。
女「じゃあ、好きなのかい?」
……。
男「嫌いじゃ、ない」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:38:05.25 ID:xJj0jLx+P [22/34]
女「嫌いじゃない……か」
ニコニコと笑っている。
男「んだよ」
女「じゃあ、いいよね?」
良くないから言ったんだろうが。
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:50:57.15 ID:xJj0jLx+P [23/34]
男「離れろ!」
女「素直になりなよ」
男「お前は強引だな!」
女「韻踏んでないよ」
男「押韻じゃねえ!」
つまんねーギャグかますな。
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:06:27.92 ID:xJj0jLx+P [24/34]
女「ふふ、面白かっただろう?」
男「何が?」
女「強引と押韻の韻を踏んだ漢字が」
男「いんいんいんいんうるさい!」
女「三回しか言ってないよ」
男「だーもー!」
めんどくせー!!!
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:10:51.65 ID:xJj0jLx+P [25/34]
男「もういい!」
女「あっ、寒い」
男「おいてかれるなよー!」
女「そっちがそのつもりなら……」
さっき俺もそんなこと言った気がする。
女「えいっ」
男「ぐわっ」
こいつ、いきなり背中に……!!!
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:13:56.53 ID:xJj0jLx+P [26/34]
女「おんぶしてくれ」
男「馬鹿やろう!」
スカートのせいで太ももが直に!
女「ボクは結構。体力あるほうだからね」
男「じゃあ普通に歩けよ!」
女「ちゃんとつかんでるから、頑張って」
しがみついてる体力のことか。
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:16:15.81 ID:xJj0jLx+P [27/34]
女「君が望むなら……えっと……」
なんだ、顔赤くして……?
女「だ、だっこでも……いいけど」
男「なんで顔赤くしてそんな選択肢を追加した!?」
女「君のその目にやられてしまったよ」
俺はなにか問いかけたか!?
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:20:02.15 ID:xJj0jLx+P [28/34]
男「ああ、もういい!」
恥ずかしいからさっさとこいつの家まで……!
女「あっあっ……」
なんだよ!?
女「す、スースーする」
男「やっぱり降りろーーーー!」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:29:55.81 ID:xJj0jLx+P [29/34]
男「はぁ……はぁ……」
女「すまない、重かったかな?」
男「重くはねえよ……」
お前が余計なこと言わなかったら、俺はこんなに疲れてない……!
女「ふふ、カレーが楽しみだったんだね」
男「ちげえよ……」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:34:02.33 ID:xJj0jLx+P [30/34]
ガチャ ガチャガチャ
女「むむ?」
男「どうした?」
女「鍵が掛かってる」
男「?」
カチャ ガチャ
女「……母は出かけているみたいだ」
……。
こいつと二人かよ。
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:41:42.72 ID:xJj0jLx+P [31/34]
女「ここに置手紙がある。探さないでください、と……」
男「マジか!?」
女「冗談だよ」
男「……」
いい加減、そういうのやめろよな。
女「さて、カレーを作ろう」
男「手伝うぜ」
女「いいよ、君は客だ」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:45:11.15 ID:xJj0jLx+P [32/34]
男「……」
まあ、そうだな。
女「とりあえず……カレーを」
とか言いながらトイレに行くな!
男「……下品なやつだ」
女「覗かないでくれよ?」
男「誰が覗くか!」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:52:32.23 ID:xJj0jLx+P [33/34]
男「ったく……」
女「そうだ、ちょっとちょっと」
男「あん?」
トイレから声を出すな。
女「ボクの部屋で待っていてくれ」
男「なんで? お前の部屋で食うつもりか」
女「うん、ダメかい?」
別に、悪いことはないけど。
こぼしたらまずいんじゃないか?
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:59:39.45 ID:xJj0jLx+P [34/34]
男「じゃあ、言ってるぞー」
女「うん」
さて、行くか。
こいつの部屋の階段上るのも、何回目だろう。
まあ、昔からだから、覚えてねーや。
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 01:42:30.09 ID:+cyBb6kOP [1/54]
男「……」
それにしても。
女らしくない部屋だ。
なんか、質素。
でも、男の部屋ではない。
いい匂いがする。
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 01:43:36.76 ID:+cyBb6kOP [2/54]
男「……ふぅ」
あいつの、匂いだ。
あいつの……。
男「って、何考えてんだ俺は……」
別にいかがわしいことは考えてない。
……考えてみれば、ここでカレー食ったら、カレー臭でやばいんじゃ?
……加齢臭じゃなくて。
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 01:47:58.26 ID:+cyBb6kOP [3/54]
男「まあ、あいつが言ったことだ」
俺は関係ない。
男「……暇だ」
カレー、今から作るんだろうし。
相当時間かかるだろうからなぁ。
男「……ふわぁ……」
眠い。
男「ちょっくら寝るか」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:20:56.64 ID:+cyBb6kOP [4/54]
男「……」
ボフッ。
別に、構わないだろ。
俺があいつのベッド使っても。
あいつはいつも俺の部屋でベッドに寝そべったりしてるし。
俺だって使わせてもらおう。
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:49:17.65 ID:+cyBb6kOP [5/54]
眠気って、本当に突然来る時がある。
……。
女の匂いが、すごく漂うこのベッドで。
俺は、少し目を閉じた。
なぁに、目を閉じるだけさ。
寝るつもりなんてない。
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:52:59.35 ID:+cyBb6kOP [6/54]
女「おーい、おーい」
男「……」
寝ちまった。
女「ふふ、ずいぶん寝てたね。疲れちゃった?」
男「ああ……」
女「カレーどうする?」
男「いただくよ……」
女「ふふ、凄いよだれ」
男「えっ……」
まくらに、よだれがべっちょりとついていた。
男「すいませんでしたー!!」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:55:47.85 ID:+cyBb6kOP [7/54]
女「気にしないでよ、そんなこと」
男「し、しかし……」
熟睡したうえに枕を汚すとは……。
女「ボクのベッドは寝心地が良かった、ということだろう?」
いや、どうしようもなく眠かったから。
男「……ん?」
疑問な点がある。
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:59:00.85 ID:+cyBb6kOP [8/54]
男「……なんで、お前ベッドの上にいるんだ?」
女「え?」
男「それと、なんで微妙に髪がはねてるんだ?」
女「ベッドに横になってたからさ」
……。
男「お前、俺の横で寝てたな!?」
女「いいじゃないか、別に」
良くない!
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 03:00:41.96 ID:+cyBb6kOP [9/54]
男「……もういい、飯」
女「うむ、了解した」
もういいや。
男「……はぁ」
あいつは、好き勝手しすぎだ。
俺もしたっていいだろうに。
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 17:29:30.80 ID:+cyBb6kOP [11/54]
女「どうぞ」
男「おお……」
上手そうだ。
これは食欲が湧く。
女「さっきは凄く快便だった」
……。
食欲減少。
288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 17:38:46.91 ID:+cyBb6kOP [12/54]
女「ほら、食べてくれ。自信作だ」
自信作……。
男「喋るな。食う気が失せる」
女「ふふ、仕方ないな」
食えば美味い。しかし、なんか……。
男「……」
食ってるもんが、違うものに見える。
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 18:09:06.02 ID:+cyBb6kOP [13/54]
男「……ご馳走様」
女「お粗末様」
男「美味かった。しかし、気持ちが晴れない」
女「慰めようか?」
男「冗談はやめろ」
女「ボクは本気さ」
……はあ。
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:25:40.78 ID:+cyBb6kOP [14/54]
さて、どうするか。
女「どうしようか」
俺もそう思ってたところだ。
女「なにかする?」
男「なにかって?」
女「まだ、決まってないけれど、なにがいい?」
男「なんでもいい」
女「じゃあ、しよう」
男「あん?」
女「これ」
何かを棒状のものを握ったような手を上下させる。
男「アホか」
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:38:09.64 ID:+cyBb6kOP [15/54]
女「いいじゃないか、楽しいよ?」
男「ふざけるな」
女「じゃあ、これは?」
棒状の先っぽほ舐めるような仕草。
男「余計ダメだ」
女「これ」
先っぽを咥えこむような仕草。
男「バカヤロー」
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:44:12.73 ID:+cyBb6kOP [16/54]
かじる仕草。
男「痛っ!!」
女「イった?」
男「バーロー」
女「新一?」
男「ちげーよ」
女「ふふ、何が痛いって?」
下半身が物凄く、痛くなったぞ。
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:46:25.24 ID:+cyBb6kOP [17/54]
女「どこを抑えているんだい?」
男「黙れ」
なに楽しんでやがる。
女「当のボクは、したことないけどね」
何をだ。
女「君は?」
男「……」
ははは、残念だったな。
実は俺は。
……俺は……。
303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:48:08.46 ID:+cyBb6kOP [18/54]
男「……」
女「さくらんぼ」
ぴくりと反応してしまう俺。
女「ふふ、一緒か」
男「うるせぇ」
畜生、畜生……。
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:53:25.04 ID:+cyBb6kOP [19/54]
女「じゃあ、卒業しようじゃないか」
男「いやだね」
女「どうして?」
男「どうしてもこうしてもない」
女「そうか」
ニッコリと笑う。
女「よかった」
なんでだ。
女「君が、女の子に飢えてなくて、ホッとしたよ」
305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:58:00.70 ID:+cyBb6kOP [20/54]
男「は?」
女「まあ、ボクのことを、女の子として見てないだけかも知れないけどね」
男「そっちだ」
女「そっちか」
笑いながら、ベッドに横になる。
女「はぁ……何しようか?」
男「……」
パンツ見えてるぞ、馬鹿野郎。
306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:01:04.80 ID:+cyBb6kOP [21/54]
男「……」
女「ふぅ」
ゴロンゴロンと。
男「……」
ベッドにゴロンゴロン。
そして俺は、ムラムラと。
当たり前だ。
ムラムラするのも、無理はない。
無理無理するのも、ムラはない。
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:05:48.82 ID:+cyBb6kOP [22/54]
女「? どうしたんだい」
男「……」
こいつ、わかってないのか?
女「ふふ、なんだい?」
何笑ってやがる。
パンツをどや顔で見せてるようにしか見えない。
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:11:27.37 ID:+cyBb6kOP [23/54]
男「別に」
くそ。
俺はやはり、飢えていた。
おんなというやつに。
女「そうか、何か面白いことを思いついたら、教えてくれ」
またゴロンと。
ドドーンと。
パンツ。パンツ。パンツ。
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:14:14.43 ID:+cyBb6kOP [24/54]
女「ああ、そうだ」
男「ん?」
ビクッとした。
ばれたのかと思ったじゃねえか。
男「んだよ」
女「ボク、引っ越すんだ」
男「……」
……え?
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:18:28.89 ID:+cyBb6kOP [25/54]
女「いやあ、ボクもビックリだよ。いきなり言われてね」
男「は……?」
女「ボクの父は、単身赴任だろう?」
男「お、おう……」
女「そっちに行こうと思って」
聞いてないぞ、こんなこと。
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:22:52.52 ID:+cyBb6kOP [26/54]
男「マジか……?」
女「うん、学校にも届け出したしね」
俺が、休み時間に寝てる間とかに……。
女「ふふ、どうしたんだい? 変な顔、してるよ」
いや、当たり前だろう。
なんで、教えてくれなかったんだ?
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:25:43.08 ID:+cyBb6kOP [27/54]
俺とお前は、長い付き合いだろう。
俺に、最初に、
言えよ。
男「……」
女「すまなかったね、言ってなくて」
男「……いつ、行くんだよ?」
323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:31:09.84 ID:+cyBb6kOP [28/54]
女「明日だよ」
男「!」
女「本当に言わなくて、すまなかった」
明日?
女「どうしても、君には言いたくなかったんだ」
男「……ふざけるなよ」
なんで言わなかった。
いつも通りに。
接しちまったじゃねえか。
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:36:43.14 ID:+cyBb6kOP [29/54]
女「ボクは君と、いつも通りに話をしたかったんだ」
男「……っ」
女「その方が、君もいいだろう?」
男「よくない」
女「どうしてだい?」
男「お前……」
俺は。
俺は。
お前に、まだ……、
言ってないことが、ある。
327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:44:45.76 ID:+cyBb6kOP [30/54]
女「ふふ、だから、今日は……」
ベッドを起き上がったやつを、俺は押し倒す。
女「?」
きょとんとした顔をして。
女「どうしたんだい?」
笑みを見せる。
こいつの笑顔を見るのも、最後になっちまうのか。
男「俺は……」
328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:47:56.24 ID:+cyBb6kOP [31/54]
男「俺は……」
言えない。
ここまでして。
押し倒しておいて。
女「……」
笑いながら、静かに見ている。
男「す、す……」
女「好きだよ」
332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:56:17.24 ID:+cyBb6kOP [32/54]
男「え……」
女「君の事、好き」
ギュッと。
俺を抱擁する。
女「ずっと、ずっと、ね」
もっと強く抱擁される。
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:02:47.81 ID:+cyBb6kOP [33/54]
男「……」
女「もう、だんまりかい?」
そんなこと言われても。
俺は。
言おうとしたことを言われちまったんだ。
男「お前が先に言うからだろうが」
女「何をだい?」
しらばっくれやがって。
335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:08:23.64 ID:+cyBb6kOP [34/54]
男「俺は、お前が」
女「好きなのかい?」
ふざけんな!
男「そうだよ! 悪いか?」
女「ううん、嬉しいよ」
ニッコリと笑う。
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:18:56.81 ID:+cyBb6kOP [35/54]
男「……でも、お前……」
こいつは、明日。
引っ越すんだ。
女「うん、そうだね」
男「きっと、また、会えるよな」
女「ボクと離れるのが、いやかい?」
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:19:53.21 ID:+cyBb6kOP [36/54]
男「そりゃあ」
いやだよ。
男「俺は、お前のこと、好きなんだし」
女「ボクもさ」
男「……なあ」
女「ん?」
男「……しないか?」
女「えっ?」
顔を、真っ赤にする。
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:27:31.82 ID:+cyBb6kOP [37/54]
男「今日が、最後なんだから」
女「で、でも……」
凄く小さな声で、おびえている。
なんだよ、そんなキャラじゃねえだろ。
女「ボクは……」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:41:17.02 ID:+cyBb6kOP [38/54]
もじもじとしだす。
女「そこまで、求めてないって言うか……」
どういうことだよ。
さっきまで誘いまくってきたじゃねえか。
男「いざやるってことになると、いやだってことか?」
女「違うよっ、そういうことじゃない」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:51:06.57 ID:+cyBb6kOP [39/54]
男「じゃあ、なんだよ」
女「……」
男「お、おい?」
女「ま、まだ……」
まだそんなことしたくないって言うのか?
女「まだ、キスしてないよ!」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:55:40.06 ID:+cyBb6kOP [40/54]
男「……あ」
忘れてた。
することばっか考えてた。
くそ。
やっぱり、俺は飢えてんだな。
女「……もう」
頬を膨らませる。
可愛い。
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:59:01.17 ID:+cyBb6kOP [41/54]
男「そうだったな」
女「本当に、エッチだね」
男「悪い悪い」
女「ボクは結構、そういうの、気にしてるから」
男「そうかい」
女「その言い方、ちょっと酷いよ?」
そうかもな。
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:05:39.25 ID:+cyBb6kOP [42/54]
男「それじゃあ……」
顔を近づける、俺。
女「ちょ、ちょっと!」
また、止められる。
今度はなんだ。
女「普通に、キス……恥ずかしい」
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:10:47.44 ID:+cyBb6kOP [43/54]
男「……」
じゃあ、どうすればいいんだ。
女「目、つぶってるから」
男「?」
女「その間に、して?」
男「わ、わかった」
そして、やつは目を閉じた。
……。
女「着替えを見られても恥ずかしくないよ」後半
続きます
男「そんなことは決してない」
女「おや、残念だ」
思ってもないことを、残念がる。
男「……お前さあ」
女「ん?」
男「なんでそんなに平気なんだ?」
普通、もっと恥じるべきだ。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:30:20.88 ID:6A0A3wRLP
女「気にしていないからさ」
男「気にしてない?」
それは逆にダメだろ。
痴女か。
女「あ、今痴女だと思ったかい?」
ああ、思いましたとも。
女「安心したまえ。ボクは『君に』見られても気にしていないということさ」
俺はまったく、そういうので見てないのか。
まあ、そうなんだろうな。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:33:22.87 ID:6A0A3wRLP
女「君だって、ボクの体で興奮するわけでもないだろう?」
男「……」
そうだな。
女「家に帰った後、ボクをおかずに……こほんっ」
わざとらしい咳をするな。
ニヤニヤするな。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:35:49.34 ID:6A0A3wRLP
男「興奮もできないやつでするかよ」
女「じゃあ、何でするんだい?」
男「……」
くそ、鎌かけられた。
このせいで、俺がしていることがバレた。
女「ふふ、言いたまえ」
偉そうだな。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:40:00.51 ID:6A0A3wRLP
男「別に、なんでもいいだろうが」
ゆっくりと近づいてきて。
女「ふぅ~ん?」
なんだその……なんか、むかつく。
女「ふふ、やはり、君も男の子だね」
ほっとけ。
女「おかずにされている子の身になると……怖いなぁ」
男「お前がなることはないから安心しろ」
女「ふふ、そうかい」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:43:10.66 ID:6A0A3wRLP
……。
ああ、なんだよこいつ。
余裕だよなぁ、本当。
女「それで」
男「ん?」
女「着替えを見てしまった君が、ボクになんのようだい?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:47:31.78 ID:6A0A3wRLP
いや。
こいつ意外と気にしてないか?
男「えっとだな、これだ」
女「?」
男「お前が欲しがってた本があったから、買った」
女「……おや」
すげえ驚いてる。
女「ふふ、それだけのために、来てくれたのかい?」
それだけのためにって……。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 20:52:14.42 ID:6A0A3wRLP
男「忘れるといけないと思ってな」
女「ありがとう。いくらだったんだい?」
男「1800円。意外と値段張るんだな」
女「そうか……えっと」
男「気にするな、今回は俺のおごりだ」
女「君の驕りかい?」
男「驕ってねぇよ」
奢りだ奢り。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 21:01:03.65 ID:6A0A3wRLP
女「でも……それは困ったな」
男「あん? 別にいいだろ」
こんなことで、何心配してんだ。
こいつらしくないな。
女「だって、そのお金で、ピンクの本を買うつもりだったんだろう?」
……こいつらしくてむかつく。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 21:05:58.78 ID:6A0A3wRLP
女「おや、図星?」
男「俺をエロスの塊かなんかと間違えてないか?」
女「ふふ、間違いない」
男「どういうことだ」
女「ああ、エロスがボクに近づいてくる」
畜生。
そんなこと言われたら、近づきづらいだろうが。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 21:08:27.97 ID:6A0A3wRLP
男「もういい、用事済んだから帰る」
女「帰るのかい?」
エロスはさっさと帰ります。ええ。
女「……するために、帰るのかい?」
どういう解釈だ。
男「そんなわけあるか!」
女「じゃあ、お茶でも飲んでいってくれ。美味しいよ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 21:15:16.27 ID:6A0A3wRLP
男「……」
まあ、それくらいなら。
女「急用なら、別にいいんだけど」
男「ああ、大丈夫だ」
女「ふふ、それじゃあ、ちょっと待っててくれ」
そう言って、部屋をあとにする。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:03:40.74 ID:6A0A3wRLP
男「……」
さて。
いたずらでもしようかな。
でも、お茶の用意ならすぐに帰ってくるだろうし。
とりあえず、なにかできることはないだろうか……。
男「……下着……」
いや、ダメだ。
何考えてんだよ、バカ。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:14:15.80 ID:6A0A3wRLP
それじゃあ余計にダメだ。
変態だと、確定しちまうじゃねぇか。
ほら、なんかもっと簡単ないたずらでいいんだ。
男「そうだ、日記とか……」
がらっと。
あった。
『日記』。
普通に、日記と書いてある。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:17:51.99 ID:6A0A3wRLP
男「……」
男「……」
チキンだな。
本当に、チキン。
女「ほほう、いい趣味しているね」
男「!」
女「ふふ、女の子の部屋を、勝手に漁るのかい?」
男「えっと……」
これはまずい。やっちまった。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:21:55.88 ID:6A0A3wRLP
女「ふふ、その感じだと、まだ見ていないようだね」
男「……」
女「見るかい?」
なぜ一番上のボタンを開けたんだ。
男「いいよ、別に」
女「そうかい?」
男「ああ、ちょっとしたいたずらをしようと思っただけだから」
女「君になら、見られてもいいのにな」
どういうことだ。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:28:08.62 ID:6A0A3wRLP
女「ここにはボクの全てが書かれてる」
なんだそりゃ。
女「君には、ボクを知って欲しいし、ボクは君をもっと知りたい」
いきなり、変なことを言う。
まあ、いつもどおりで安心。
女「……見るつもりが無いなら、強制はしないよ」
男「そうかい」
女「ふふ、お茶、飲もう」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:32:33.19 ID:6A0A3wRLP
といって、ニッコリと笑った。
女「紅茶、好きだよね?」
男「ああ、まあな」
女「よかった」
オシャレなコーヒーカップに、紅茶を注ぐ。
うん、いい匂いだ。
女「暖かいから、火傷しないようにね」
俺は子供か。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:39:53.71 ID:6A0A3wRLP
男「そんなこと、気にせんでいい」
女「そうか、それならいいんだ」
あつっ。
ビシャッと。
やつの下半身にぶっかかる。
女「おっと……」
男「! だ、大丈夫か!?」
女「ふふ、すこし、熱かったかな?」
すこしってもんじゃないだろう。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/05(火) 23:44:03.08 ID:6A0A3wRLP
男「本当に大丈夫か!?」
女「心配してくれるのかい?」
俺が悪いからな。
男「火傷してないか?」
女「大丈夫さ」
うおい、いきなりズボンを脱ぐな。
男「バカ」
女「びしょ濡れだから、脱ぐのは当たり前だろう」
タイミングっていうもんがある。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 00:07:23.85 ID:x6CGo3GnP [1/10]
女「ふふ、気にしなくていい。ボクは見られても平気だから」
なんだその顔は。
どや顔じゃない、少し違うけどどや顔に近い感じの顔。
男「お前がよくても俺がよくない」
女「君は見ていてもいいさ」
男「なんでそうなる」
意味がわからん。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 00:12:34.97 ID:x6CGo3GnP [2/10]
女「元はといえば、君が悪いんだよ?」
そうだけども。
女「だから、ボクがちゃんと着替えることができるか、見ておいたほうがいいんじゃないのかい?」
男「そこまでしなくてもいいだろう」
女「ふふ、そうかもね」
こいつ。
俺で遊んでやがるな。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 00:23:59.70 ID:x6CGo3GnP [3/10]
女「ああ、下半身がべちょべちょ……」
色気の無い声でいっても、まったくなにも感じませーん。
女「君にべちょべちょにされてしまったね」
変な言い方するな。
男「うるせえ」
女「それは逆切れだよ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 20:07:42.03 ID:x6CGo3GnP [4/10]
男「悪かった」
女「ふふ、素直でよろしい」
むかつく。
男「……」
女「着替えるから」
男「いちいち報告しなくていい」
女「言わないと怒るくせに」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 20:13:23.38 ID:x6CGo3GnP [5/10]
……まあ。
いきなり着替えたら怒るかもな。
男「そうかもな」
女「だったら、ボクは正しいことをしたんじゃないか」
男「ふんっ」
女「……パンツもびしょびしょ……」
そんなことつぶやくな。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 20:21:30.26 ID:x6CGo3GnP [6/10]
女「ふふ、パンツも着替えなきゃ」
男「そうかい」
女「君はどんな色が好きだい?」
男「は?」
んなこと聞いてどうする?
女「黒と言われると、困るんだけれど」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 20:29:49.28 ID:x6CGo3GnP [7/10]
男「……黒」
女「困ったなぁ」
笑いながら困ったと言われても。
女「なんで黒なんだい?」
いや。
なんか、いやな予感がしたから。
女「ふむ。じゃあ、今度買ってこよう」
男「何をだ」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 21:41:06.68 ID:x6CGo3GnP [8/10]
女「わかるだろう?」
男「わかってるけども」
それでも、いやだ。
女「黒……が好きなのか」
男「別に好きじゃない」
女「む? それじゃあ何が好きなんだい?」
男「……わからん」
女「ああ、間違えた。パンツなら何色が好きなんだい?」
最終的にそう聞くのか。
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 23:36:25.71 ID:x6CGo3GnP [9/10]
男「そんなもん、別に何色でもいい!」
そんなことを、俺に聞くな。
女「むぅ、君の好きな色に合わせたあげるのに……」
合わせてもらいたくない。
どうでもいいわ、そんなもん。
女「ふむ……じゃあ、これにしよう」
いいから、早く穿けよ。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 23:47:24.85 ID:x6CGo3GnP [10/10]
女「うん、着替えが終了したよ」
男「本当かよ」
とか言いながら、こいつ下半身下着一枚とかありえそうで怖い。
女「もちろんさ。嘘はつかないよ」
冗談を言うけどな。
振り向くと。
女「どうだい? こういうフリフリしたものは、あまり好きじゃないんだけど」
なんだそのミニスカート。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 00:02:34.33 ID:4rssN6YBP
男「さっきのカジュアルな服装はどうした」
女「君の好みはこういうのじゃないのかい?」
男「……」
まあ、合ってるかも。
女「凄いね、制服よりスースーする」
男「言わんでいい」
女「ボクもすこしは女の子らしく見えないかい?」
言ったら台無しだな。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 22:17:03.86 ID:f9lblkLlP [1/7]
男「さあな」
女「微妙な答えだね」
別に。
興味、ないし。
女「さっき、母に買い物を頼まれてね」
男「ふむ」
女「今から行くのだけど、付き合ってくれないか?」
男「ああ」
それなら、いいけど。
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 22:19:53.76 ID:f9lblkLlP [2/7]
女「ふふ、いいのかい?」
男「おう、暇だし」
女「あれ? 家に帰るんじゃ……?」
男「帰るぞ」
女「あはは、すまない。冗談だよ」
揚げ足取りやがって。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 22:23:41.44 ID:f9lblkLlP [3/7]
男「……」
さて、外に出たわけだが。
女「寒いね」
男「そうだな」
女「脚がより一層スースーするよ」
だからどうした。
117 名前:なんでID変わってんの?[] 投稿日:2010/10/07(木) 22:35:01.24 ID:f9lblkLlP [4/7]
男「そんな格好してるからだろ」
女「そうだね」
なんだよ、普通に肯定するのか。
女「とりあえず、さ」
男「なんだ?」
女「くっついても、いいかな?」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23:25:40.45 ID:f9lblkLlP [5/7]
男「はぁ……」
何言ってんの、こいつ。
女「マフラーだけじゃ、寒いんだよ」
人肌で暖めろってか。
女「ダメかい?」
男「いやだね」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23:30:02.79 ID:f9lblkLlP [6/7]
女「そうか」
何を考えてるのかわからんやつだ。
……。
男「……おい」
女「なんだい?」
男「結局くっついてるじゃねえか」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23:42:25.42 ID:f9lblkLlP [7/7]
女「ふふ、そうだね」
そうだね、じゃねえよ。
女「ボクはこっちに行きたいから、寄っただけさ」
男「そうか」
……。
男「おい、なんで俺と同じところに来るんだ」
女「ふふ、ダメかい?」
またそれか。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 00:15:35.15 ID:xJj0jLx+P [1/34]
男「邪魔だ」
女「ひどいなぁ」
男「くどい!」
女「ボクは君の邪魔なんかしてないよ」
確実に歩行妨害だ。
女「ふふ」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 18:27:31.32 ID:xJj0jLx+P [2/34]
男「お前がそういうつもりなら……」
女「おっと」
走ればいい!
女「ふふ、元気だね」
男「うるせー」
女「追いかけたいところだけど……」
なんだ?
女「生憎、ボクはスカートだから」
……そうだったな。
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 18:39:41.18 ID:xJj0jLx+P [3/34]
女「なるほど」
男「……?」
なんだそのニヤケ面は。
女「ボクのパンツを、見たかったのかい?」
スカートをつまんでちょいちょい上げるのやめろ。
女「ほら、目が行ってる」
男「そんなことしたら誰でも行くだろうが」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 18:51:40.41 ID:xJj0jLx+P [4/34]
女「ボクが暑くてしているだけかもしれないじゃないか」
さっき寒いって言ってただろうが。
男「じゃあ今暑いのか?」
女「そうだなぁ……」
ゆっくりと俺に近づいてくる。
女「寒いよ」
といって、俺にくっつきやがる。
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:03:28.95 ID:xJj0jLx+P [5/34]
男「懲りないやつだな」
女「こりないよ」
ニッコリと微笑みかけてきた。
女「君だって、寒いだろう?」
男「そんなに」
女「少なからずは、寒いだろう?」
男「……」
寒いけども。
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:13:46.25 ID:xJj0jLx+P [6/34]
男「あー、もういい。わかったから」
女「ありがとう」
男「……」
なにがありがとうだ。
女「ふふ、人肌は暖かいね」
そうかい。
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:20:04.38 ID:xJj0jLx+P [7/34]
女「手が特に冷えてるんだ」
男「そうか」
女「……ふふ」
スーパーまで、あと少しか。
女「風が強いね」
男「そうだな」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:24:36.84 ID:xJj0jLx+P [8/34]
女「あっ」
ブワッと。
フワッと。
チラッと。
女「……ははは」
男「……」
見えた。
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:30:29.13 ID:xJj0jLx+P [9/34]
男「……」
女「見た……かい?」
男「見てない」
女「そうか……」
そんなこと気にしてるとは、なんか雰囲気違うな。
女「自信あったのに……」
前言撤回。
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:36:59.37 ID:xJj0jLx+P [10/34]
男「変態め」
女「変態でも構わない。見ないか?」
誰が見るか。
女「ほらほら」
チラチラするな。
男「そんなに見せたいならクラスのやつにでも見せてろ」
女「君に見て欲しいんだ」
大・迷・惑、だ。
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:49:24.09 ID:xJj0jLx+P [11/34]
女「……まあ、そこまで見せるつもりはないけど」
どうでもいいわ、もう。
男「ほら、着いたぞ」
女「うん、そうだね」
男「とりあえず、何買うんだ?」
女「変なものは買わないよ」
スーパーに変なものは売ってない。
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 19:52:59.61 ID:xJj0jLx+P [12/34]
男「晩飯か?」
女「うん、ほら」
この材料だと、カレーかな。
女「ボク、カレー大好きなんだ」
男「ふーん」
女「君も、好きだったよね」
なんで知ってるんだ。
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 20:24:18.76 ID:xJj0jLx+P [13/34]
女「ふふ、教えてくれたじゃないか」
男「そうだったか?」
覚えてない。
女「ボクも、言ったんだけどな」
ちょっとムスッとする。
なんかレアな顔だ。
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 20:29:44.15 ID:xJj0jLx+P [14/34]
男「そういう、お前の記憶力の良さアピールはいい」
女「ふふ、わかった」
いつもどおりに戻る。
男「さて、と」
この材料の書いた紙通りに買えばいいんだな。
女「ふふ、なんだか夫婦みたいだね」
全然そう思わん。
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 20:37:37.92 ID:xJj0jLx+P [15/34]
女「あっ……」
男「ん?」
女「これ……」
男「……」
なんだよ、それ。
新しく発売されたお菓子か。
ねったりしてりするやつの、新しいの。
目をキラキラさせやがって。お前は子供か。
女「買う」
男「いやいや、そんなの書いてないだろ」
女「ボクが個人的に買うの。いいじゃないか」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:04:06.81 ID:xJj0jLx+P [16/34]
言ってる事まで子供か。
男「わかったわかった」
女「ふふっ」
こいつ、いっつもこういうの買ってるよな。
それじゃあ、俺は。
女「ポッキーかい?」
男「おう、好きだからな」
女「そうなんだ」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:07:08.51 ID:xJj0jLx+P [17/34]
女「ポッキーって、名前面白いよね」
男「そうか?」
ポキっていう効果音からって感じがするけど、別に面白くは……。
女「一文字間違えれば大騒ぎだね」
男「……」
下品だ。
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:10:22.72 ID:xJj0jLx+P [18/34]
男「よし、これで全部買ったな」
女「うん、美味しいカレーが目に浮かぶよ」
男「そうかい」
女「買い物に付き合ってくれたんだし、晩も食べないかい?」
男「いいのか?」
女「うん、構わないよ」
なら、俺はいいけど。
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:13:21.15 ID:xJj0jLx+P [19/34]
女「面白くない冗談言っていいかい?」
お前の冗談で面白かった試しはないけどな。
男「別に、いいぞ」
女「ご飯にかかってるのが、カレーじゃなかったりしてね」
男「……」
下品だ。
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:17:38.38 ID:xJj0jLx+P [20/34]
男「頼むから、もうすこし離れろ」
女「寒いよ」
男「寒いのはわかってるっつーの」
それでも近すぎる。
いい匂いが、しすぎる。
……おっと、さっきのはなかったことにしてくれ。
女「ボクのこと、嫌いかい?」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:25:53.10 ID:xJj0jLx+P [21/34]
男「だったら一緒にいないだろうが」
女「それもそうだね」
これで、いつもなら終わり。
女「じゃあ、好きなのかい?」
……。
男「嫌いじゃ、ない」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:38:05.25 ID:xJj0jLx+P [22/34]
女「嫌いじゃない……か」
ニコニコと笑っている。
男「んだよ」
女「じゃあ、いいよね?」
良くないから言ったんだろうが。
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 21:50:57.15 ID:xJj0jLx+P [23/34]
男「離れろ!」
女「素直になりなよ」
男「お前は強引だな!」
女「韻踏んでないよ」
男「押韻じゃねえ!」
つまんねーギャグかますな。
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:06:27.92 ID:xJj0jLx+P [24/34]
女「ふふ、面白かっただろう?」
男「何が?」
女「強引と押韻の韻を踏んだ漢字が」
男「いんいんいんいんうるさい!」
女「三回しか言ってないよ」
男「だーもー!」
めんどくせー!!!
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:10:51.65 ID:xJj0jLx+P [25/34]
男「もういい!」
女「あっ、寒い」
男「おいてかれるなよー!」
女「そっちがそのつもりなら……」
さっき俺もそんなこと言った気がする。
女「えいっ」
男「ぐわっ」
こいつ、いきなり背中に……!!!
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:13:56.53 ID:xJj0jLx+P [26/34]
女「おんぶしてくれ」
男「馬鹿やろう!」
スカートのせいで太ももが直に!
女「ボクは結構。体力あるほうだからね」
男「じゃあ普通に歩けよ!」
女「ちゃんとつかんでるから、頑張って」
しがみついてる体力のことか。
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:16:15.81 ID:xJj0jLx+P [27/34]
女「君が望むなら……えっと……」
なんだ、顔赤くして……?
女「だ、だっこでも……いいけど」
男「なんで顔赤くしてそんな選択肢を追加した!?」
女「君のその目にやられてしまったよ」
俺はなにか問いかけたか!?
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:20:02.15 ID:xJj0jLx+P [28/34]
男「ああ、もういい!」
恥ずかしいからさっさとこいつの家まで……!
女「あっあっ……」
なんだよ!?
女「す、スースーする」
男「やっぱり降りろーーーー!」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:29:55.81 ID:xJj0jLx+P [29/34]
男「はぁ……はぁ……」
女「すまない、重かったかな?」
男「重くはねえよ……」
お前が余計なこと言わなかったら、俺はこんなに疲れてない……!
女「ふふ、カレーが楽しみだったんだね」
男「ちげえよ……」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:34:02.33 ID:xJj0jLx+P [30/34]
ガチャ ガチャガチャ
女「むむ?」
男「どうした?」
女「鍵が掛かってる」
男「?」
カチャ ガチャ
女「……母は出かけているみたいだ」
……。
こいつと二人かよ。
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:41:42.72 ID:xJj0jLx+P [31/34]
女「ここに置手紙がある。探さないでください、と……」
男「マジか!?」
女「冗談だよ」
男「……」
いい加減、そういうのやめろよな。
女「さて、カレーを作ろう」
男「手伝うぜ」
女「いいよ、君は客だ」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:45:11.15 ID:xJj0jLx+P [32/34]
男「……」
まあ、そうだな。
女「とりあえず……カレーを」
とか言いながらトイレに行くな!
男「……下品なやつだ」
女「覗かないでくれよ?」
男「誰が覗くか!」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:52:32.23 ID:xJj0jLx+P [33/34]
男「ったく……」
女「そうだ、ちょっとちょっと」
男「あん?」
トイレから声を出すな。
女「ボクの部屋で待っていてくれ」
男「なんで? お前の部屋で食うつもりか」
女「うん、ダメかい?」
別に、悪いことはないけど。
こぼしたらまずいんじゃないか?
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/08(金) 22:59:39.45 ID:xJj0jLx+P [34/34]
男「じゃあ、言ってるぞー」
女「うん」
さて、行くか。
こいつの部屋の階段上るのも、何回目だろう。
まあ、昔からだから、覚えてねーや。
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 01:42:30.09 ID:+cyBb6kOP [1/54]
男「……」
それにしても。
女らしくない部屋だ。
なんか、質素。
でも、男の部屋ではない。
いい匂いがする。
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 01:43:36.76 ID:+cyBb6kOP [2/54]
男「……ふぅ」
あいつの、匂いだ。
あいつの……。
男「って、何考えてんだ俺は……」
別にいかがわしいことは考えてない。
……考えてみれば、ここでカレー食ったら、カレー臭でやばいんじゃ?
……加齢臭じゃなくて。
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 01:47:58.26 ID:+cyBb6kOP [3/54]
男「まあ、あいつが言ったことだ」
俺は関係ない。
男「……暇だ」
カレー、今から作るんだろうし。
相当時間かかるだろうからなぁ。
男「……ふわぁ……」
眠い。
男「ちょっくら寝るか」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:20:56.64 ID:+cyBb6kOP [4/54]
男「……」
ボフッ。
別に、構わないだろ。
俺があいつのベッド使っても。
あいつはいつも俺の部屋でベッドに寝そべったりしてるし。
俺だって使わせてもらおう。
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:49:17.65 ID:+cyBb6kOP [5/54]
眠気って、本当に突然来る時がある。
……。
女の匂いが、すごく漂うこのベッドで。
俺は、少し目を閉じた。
なぁに、目を閉じるだけさ。
寝るつもりなんてない。
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:52:59.35 ID:+cyBb6kOP [6/54]
女「おーい、おーい」
男「……」
寝ちまった。
女「ふふ、ずいぶん寝てたね。疲れちゃった?」
男「ああ……」
女「カレーどうする?」
男「いただくよ……」
女「ふふ、凄いよだれ」
男「えっ……」
まくらに、よだれがべっちょりとついていた。
男「すいませんでしたー!!」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:55:47.85 ID:+cyBb6kOP [7/54]
女「気にしないでよ、そんなこと」
男「し、しかし……」
熟睡したうえに枕を汚すとは……。
女「ボクのベッドは寝心地が良かった、ということだろう?」
いや、どうしようもなく眠かったから。
男「……ん?」
疑問な点がある。
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 02:59:00.85 ID:+cyBb6kOP [8/54]
男「……なんで、お前ベッドの上にいるんだ?」
女「え?」
男「それと、なんで微妙に髪がはねてるんだ?」
女「ベッドに横になってたからさ」
……。
男「お前、俺の横で寝てたな!?」
女「いいじゃないか、別に」
良くない!
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 03:00:41.96 ID:+cyBb6kOP [9/54]
男「……もういい、飯」
女「うむ、了解した」
もういいや。
男「……はぁ」
あいつは、好き勝手しすぎだ。
俺もしたっていいだろうに。
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 17:29:30.80 ID:+cyBb6kOP [11/54]
女「どうぞ」
男「おお……」
上手そうだ。
これは食欲が湧く。
女「さっきは凄く快便だった」
……。
食欲減少。
288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 17:38:46.91 ID:+cyBb6kOP [12/54]
女「ほら、食べてくれ。自信作だ」
自信作……。
男「喋るな。食う気が失せる」
女「ふふ、仕方ないな」
食えば美味い。しかし、なんか……。
男「……」
食ってるもんが、違うものに見える。
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 18:09:06.02 ID:+cyBb6kOP [13/54]
男「……ご馳走様」
女「お粗末様」
男「美味かった。しかし、気持ちが晴れない」
女「慰めようか?」
男「冗談はやめろ」
女「ボクは本気さ」
……はあ。
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:25:40.78 ID:+cyBb6kOP [14/54]
さて、どうするか。
女「どうしようか」
俺もそう思ってたところだ。
女「なにかする?」
男「なにかって?」
女「まだ、決まってないけれど、なにがいい?」
男「なんでもいい」
女「じゃあ、しよう」
男「あん?」
女「これ」
何かを棒状のものを握ったような手を上下させる。
男「アホか」
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:38:09.64 ID:+cyBb6kOP [15/54]
女「いいじゃないか、楽しいよ?」
男「ふざけるな」
女「じゃあ、これは?」
棒状の先っぽほ舐めるような仕草。
男「余計ダメだ」
女「これ」
先っぽを咥えこむような仕草。
男「バカヤロー」
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:44:12.73 ID:+cyBb6kOP [16/54]
かじる仕草。
男「痛っ!!」
女「イった?」
男「バーロー」
女「新一?」
男「ちげーよ」
女「ふふ、何が痛いって?」
下半身が物凄く、痛くなったぞ。
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:46:25.24 ID:+cyBb6kOP [17/54]
女「どこを抑えているんだい?」
男「黙れ」
なに楽しんでやがる。
女「当のボクは、したことないけどね」
何をだ。
女「君は?」
男「……」
ははは、残念だったな。
実は俺は。
……俺は……。
303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:48:08.46 ID:+cyBb6kOP [18/54]
男「……」
女「さくらんぼ」
ぴくりと反応してしまう俺。
女「ふふ、一緒か」
男「うるせぇ」
畜生、畜生……。
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:53:25.04 ID:+cyBb6kOP [19/54]
女「じゃあ、卒業しようじゃないか」
男「いやだね」
女「どうして?」
男「どうしてもこうしてもない」
女「そうか」
ニッコリと笑う。
女「よかった」
なんでだ。
女「君が、女の子に飢えてなくて、ホッとしたよ」
305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 19:58:00.70 ID:+cyBb6kOP [20/54]
男「は?」
女「まあ、ボクのことを、女の子として見てないだけかも知れないけどね」
男「そっちだ」
女「そっちか」
笑いながら、ベッドに横になる。
女「はぁ……何しようか?」
男「……」
パンツ見えてるぞ、馬鹿野郎。
306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:01:04.80 ID:+cyBb6kOP [21/54]
男「……」
女「ふぅ」
ゴロンゴロンと。
男「……」
ベッドにゴロンゴロン。
そして俺は、ムラムラと。
当たり前だ。
ムラムラするのも、無理はない。
無理無理するのも、ムラはない。
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:05:48.82 ID:+cyBb6kOP [22/54]
女「? どうしたんだい」
男「……」
こいつ、わかってないのか?
女「ふふ、なんだい?」
何笑ってやがる。
パンツをどや顔で見せてるようにしか見えない。
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:11:27.37 ID:+cyBb6kOP [23/54]
男「別に」
くそ。
俺はやはり、飢えていた。
おんなというやつに。
女「そうか、何か面白いことを思いついたら、教えてくれ」
またゴロンと。
ドドーンと。
パンツ。パンツ。パンツ。
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:14:14.43 ID:+cyBb6kOP [24/54]
女「ああ、そうだ」
男「ん?」
ビクッとした。
ばれたのかと思ったじゃねえか。
男「んだよ」
女「ボク、引っ越すんだ」
男「……」
……え?
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:18:28.89 ID:+cyBb6kOP [25/54]
女「いやあ、ボクもビックリだよ。いきなり言われてね」
男「は……?」
女「ボクの父は、単身赴任だろう?」
男「お、おう……」
女「そっちに行こうと思って」
聞いてないぞ、こんなこと。
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:22:52.52 ID:+cyBb6kOP [26/54]
男「マジか……?」
女「うん、学校にも届け出したしね」
俺が、休み時間に寝てる間とかに……。
女「ふふ、どうしたんだい? 変な顔、してるよ」
いや、当たり前だろう。
なんで、教えてくれなかったんだ?
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:25:43.08 ID:+cyBb6kOP [27/54]
俺とお前は、長い付き合いだろう。
俺に、最初に、
言えよ。
男「……」
女「すまなかったね、言ってなくて」
男「……いつ、行くんだよ?」
323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:31:09.84 ID:+cyBb6kOP [28/54]
女「明日だよ」
男「!」
女「本当に言わなくて、すまなかった」
明日?
女「どうしても、君には言いたくなかったんだ」
男「……ふざけるなよ」
なんで言わなかった。
いつも通りに。
接しちまったじゃねえか。
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:36:43.14 ID:+cyBb6kOP [29/54]
女「ボクは君と、いつも通りに話をしたかったんだ」
男「……っ」
女「その方が、君もいいだろう?」
男「よくない」
女「どうしてだい?」
男「お前……」
俺は。
俺は。
お前に、まだ……、
言ってないことが、ある。
327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:44:45.76 ID:+cyBb6kOP [30/54]
女「ふふ、だから、今日は……」
ベッドを起き上がったやつを、俺は押し倒す。
女「?」
きょとんとした顔をして。
女「どうしたんだい?」
笑みを見せる。
こいつの笑顔を見るのも、最後になっちまうのか。
男「俺は……」
328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:47:56.24 ID:+cyBb6kOP [31/54]
男「俺は……」
言えない。
ここまでして。
押し倒しておいて。
女「……」
笑いながら、静かに見ている。
男「す、す……」
女「好きだよ」
332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 20:56:17.24 ID:+cyBb6kOP [32/54]
男「え……」
女「君の事、好き」
ギュッと。
俺を抱擁する。
女「ずっと、ずっと、ね」
もっと強く抱擁される。
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:02:47.81 ID:+cyBb6kOP [33/54]
男「……」
女「もう、だんまりかい?」
そんなこと言われても。
俺は。
言おうとしたことを言われちまったんだ。
男「お前が先に言うからだろうが」
女「何をだい?」
しらばっくれやがって。
335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:08:23.64 ID:+cyBb6kOP [34/54]
男「俺は、お前が」
女「好きなのかい?」
ふざけんな!
男「そうだよ! 悪いか?」
女「ううん、嬉しいよ」
ニッコリと笑う。
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:18:56.81 ID:+cyBb6kOP [35/54]
男「……でも、お前……」
こいつは、明日。
引っ越すんだ。
女「うん、そうだね」
男「きっと、また、会えるよな」
女「ボクと離れるのが、いやかい?」
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:19:53.21 ID:+cyBb6kOP [36/54]
男「そりゃあ」
いやだよ。
男「俺は、お前のこと、好きなんだし」
女「ボクもさ」
男「……なあ」
女「ん?」
男「……しないか?」
女「えっ?」
顔を、真っ赤にする。
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:27:31.82 ID:+cyBb6kOP [37/54]
男「今日が、最後なんだから」
女「で、でも……」
凄く小さな声で、おびえている。
なんだよ、そんなキャラじゃねえだろ。
女「ボクは……」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:41:17.02 ID:+cyBb6kOP [38/54]
もじもじとしだす。
女「そこまで、求めてないって言うか……」
どういうことだよ。
さっきまで誘いまくってきたじゃねえか。
男「いざやるってことになると、いやだってことか?」
女「違うよっ、そういうことじゃない」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:51:06.57 ID:+cyBb6kOP [39/54]
男「じゃあ、なんだよ」
女「……」
男「お、おい?」
女「ま、まだ……」
まだそんなことしたくないって言うのか?
女「まだ、キスしてないよ!」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:55:40.06 ID:+cyBb6kOP [40/54]
男「……あ」
忘れてた。
することばっか考えてた。
くそ。
やっぱり、俺は飢えてんだな。
女「……もう」
頬を膨らませる。
可愛い。
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 21:59:01.17 ID:+cyBb6kOP [41/54]
男「そうだったな」
女「本当に、エッチだね」
男「悪い悪い」
女「ボクは結構、そういうの、気にしてるから」
男「そうかい」
女「その言い方、ちょっと酷いよ?」
そうかもな。
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:05:39.25 ID:+cyBb6kOP [42/54]
男「それじゃあ……」
顔を近づける、俺。
女「ちょ、ちょっと!」
また、止められる。
今度はなんだ。
女「普通に、キス……恥ずかしい」
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:10:47.44 ID:+cyBb6kOP [43/54]
男「……」
じゃあ、どうすればいいんだ。
女「目、つぶってるから」
男「?」
女「その間に、して?」
男「わ、わかった」
そして、やつは目を閉じた。
……。
女「着替えを見られても恥ずかしくないよ」後半
続きます
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