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橘「1等ハワイか…」美也「がんばってねにぃに♪」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:28:43.82 ID:efxgJHWO0 [1/119]
美也 「あっ」
桜井 「えっ」
橘 「おっ」
カランカランカラーン!
福引男「おめでとうございます!1等ハワイ旅行大当たりです!」
橘 「ほ、本当に当たっちゃったよ…」
美也 「やったね、にぃに!これでハワイ旅行に行けるよ!」
桜井 「ほえ~、うらやましいなあ~」
福引男「なお、こちらペア旅行となっておりますのでご注意ください」
橘・美也「……へ?」
美也 「あっ」
桜井 「えっ」
橘 「おっ」
カランカランカラーン!
福引男「おめでとうございます!1等ハワイ旅行大当たりです!」
橘 「ほ、本当に当たっちゃったよ…」
美也 「やったね、にぃに!これでハワイ旅行に行けるよ!」
桜井 「ほえ~、うらやましいなあ~」
福引男「なお、こちらペア旅行となっておりますのでご注意ください」
橘・美也「……へ?」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:30:47.70 ID:efxgJHWO0 [2/119]
翌・休み時間1
七咲 「それじゃあ、先輩と二人っきりでハワイ旅行に行くの?」
美也 「うん。お父さんはお仕事忙しいし、一人でみゃーかお兄ちゃんが家に残されるのも危ないからってお母さんが。
せっかく当たったのに行かないのはもったいないしね~」
中多 「で、でも、二人だけで海外旅行なんて大丈夫なの…?」
美也 「大丈夫だよ、向こうにはちゃんとガイドさんがいるらしいし、ホテルも用意されてるから安心だしね」
七咲 「本当に大丈夫?先輩、危なっかしいから心配になるよ…」
美也 「いくらなんでも、こういう時くらいお兄ちゃんだってしっかりしてくれるでしょ~」
七咲 「…なんだか、兄妹揃って心配だな…」
中多 「うん…」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:32:49.36 ID:efxgJHWO0
>>3 お久しぶりです
棚町 「それじゃあ、ホントにアンタと美也ちゃんだけで行くんだ」
橘 「うん」
梅原 「か~っ、羨ましいねぇ。かわいい妹と二人っきりな上に、向こうのアロハなお姉さんまで堪能できるたぁ」
橘 「はっはっは、そうだろうそうだろう」
棚町 「アンタ達、ホントそればっかよね」
梅原 「しょうがねえだろ、これぞ男の性ってもんよ」
橘 「そうそう。ところで、二人とも何か買ってきて欲しいお土産はある?買える限り買って来るけど」
梅原 「そりゃあお前、本場のお宝本にきまってるじゃねえか」
橘 「な、まさかお前、海外モノに手を出すつもりか…?」
梅原 「海外…ああ、なんてロマンのある響きだろうなぁ」
橘 「…分かった。買えたら買ってくるよ」
梅原 「おう、頼むぜ友よ」
棚町 「ったく、これだから男は…」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:35:25.87 ID:efxgJHWO0
橘 「それで薫、お前のリクエストは?」
棚町 「そうねえ…アロハシャツでも買ってきてもらおうかしら」
橘 「アロハシャツ?それだけでいいのか?」
棚町 「ええ。あたしの読みだと、来年の夏はアロハが流行ると思うのよ。それを見越しての先行投資ってやつね」
橘 「まあ、投資するのは僕だけどね」
棚町 「そういうわけだから、アンタも流行に乗り遅れないように、自分の分のアロハを買ってきなさいよね。分かった?」
橘 「はいはい。えーと、お宝本と、アロハシャツ…と」カリカリ
棚町 「『アロハは自分の分も』ってちゃんと書いておきなさいよ」
橘 「しつこいな…分かったよ」カリカリ
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:37:19.96 ID:efxgJHWO0
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絢辻 「お土産のリクエスト?」
橘 「うん。何か無いかなと思って」
絢辻 「そんなものいらないわよ」
橘 「そう言わずにさ、なにかない?買えるものなら買ってくるよ」
絢辻 「…ちょっと待って」
パラパラ カリカリ
橘 (手帳を広げて何か書き始めたぞ…)
ビリッ
絢辻 「はい。リクエスト、書いておいたから」
橘 「うん。どれどれ…」
『お土産屋まで開かないように』
橘 「…えっと…」
絢辻 「書いてある通りよ。いいわね?」
橘 「…うん」
橘 (なんだろう…気になる)
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:39:48.26 ID:efxgJHWO0
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桜井 「いいなあ~ハワイ、わたしも行きたいなぁ~」
伊藤 「ホントに大丈夫なの?なんか心配なんだけど…」
橘 「大丈夫だよ、僕だってこういう時くらいしっかりするさ」
桜井 「それで、お土産のリクエスト聞いてくれるんだっけ?」
橘 「うん。何かある?」
伊藤 「あたしは適当にキーホルダーでいいや。桜井は?」
桜井 「わたしは…ココナッツとか、パイナップルとか…」
橘 「…なんかもうすでに長くなりそうな気配がするから、後でメモに書いて渡してくれ」
桜井 「うん、分かった~」
伊藤 「橘君、予算大目に持っていくのをオススメしとくよ…」
橘 「…言われなくても、そのつもりだよ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:42:34.75 ID:efxgJHWO0
>>11 全員アコガレ経由で想定して書いてるので
・
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森島 「あ、橘君」
橘 「森島先輩」
森島 「聞いたよ、美也ちゃんとハワイに行くんだって?うらやましいなぁ~」
橘 「何かお土産のリクエストありますか?できれば買ってきますけど」
森島 「そうねえ…向こうのワンちゃんのポストカードとかにしてもらおうかな?」
塚原 「…はるか、それお土産の意味あるの?」
森島 「あ、ひびきちゃん。だって、せっかくだから何も書いてない状態のものが欲しいじゃない」
塚原 「そうじゃなくて…ま、いいわ。橘君、私の分もお土産頼める?」
橘 「あ、はい。全然構いませんよ」
塚原 「それじゃあ、アロハシャツを買ってきてもらおうかしら。ちょっと興味があるんだけど、手を出す機会がなくてね」
橘 「はい。分かりました」
橘 (アロハシャツ、1着追加と…)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:44:47.58 ID:efxgJHWO0
出発の日
橘 「美也、準備できたか?」
美也 「ちょっと待って…うん、いいよー」
橘 「それじゃ、行くか」
美也 「楽しみだね~、にししし」
橘 「それじゃ、行ってきまーす」
桜井 「よいしょ…っと」
橘 「あれ、梨穂子。どうしたんだ、その荷物?」
桜井 「あ、二人とも。わたしもハワイに行くんだ~」
美也 「へぇ~、りほちゃんもなんだ…」
橘・美也「…は?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:47:54.42 ID:efxgJHWO0
空港
伊藤 「あ、ヤッホー桜井」
桜井 「ヤッホー佳苗ちゃん」
橘 「…つまり、この前の帰りに香苗さんと二人で帰る途中に福引を引いたら、見事1等を引き当てたと…」
桜井 「すごい偶然だよね~。1等って3組にしか当たらないのに」
伊藤 「本当は桜井と桜井のお母さんに行ってもらおうと思ったんだけど、桜井のお母さんが二人で行ってきなさいって言ってくれたから、
お言葉に甘えることにしたんだ」
美也 「これで賑やかな旅行になるね、にぃに」
橘 「ああ、そうだな」
橘 (あの大量のお土産も買う必要がなくなったしな…)
桜井 「それじゃ、ハワイへ向けてしゅっぱ~つ!」
伊藤 「こらこら、まずは出国手続きが先でしょ」
桜井 「えへへ、そうだね~」
伊藤 「ホント、心の底から楽しそうだねアンタは…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:50:30.17 ID:efxgJHWO0
飛行機内
桜井 「楽しみだな~、早く飛ばないかな~」
伊藤 「ハシャギすぎだっての、全く…」
美也 「いいな~りほちゃん、窓側で…」
橘 「帰りはお前が窓側にしてもらえばいいだろ?しかし、香苗さんの言うとおりハシャギすぎだなあいつ…」
美也 「しょうがないよ、みゃー達飛行機乗るの初めてなんだから」
橘 「それにしたって高校生だぞ、もう少し落ち着きを持ったらどうなんだ…」
七咲 「そんなこと言って、先輩も内心結構はしゃいでるんでしょう?」
橘 「う…やっぱり七咲にはお見通しか………七咲?」
七咲 「ええ、おはようございます。今日は絶好の旅行日和ですね」
美也 「へっ、逢ちゃん?」
七咲 「おはよう、美也ちゃん。紗江ちゃんも一緒だよ」
中多 「お…おはようございます、先輩、美也ちゃん」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:52:39.59 ID:efxgJHWO0
橘 「ど、どうして七咲と中多さんが…」
七咲 「覚えてませんか?あの福引の1等は、3組分あったんですよ」
橘 「ま、まさか…」
中多 「二人で一緒に帰ったときに福引を引いたら、偶然当たって…パパを説得して、逢ちゃんと一緒に行くことにしたんです」
七咲 「本当に運がよかったです。これはきっと、先輩が旅行先で変なことをしないように監視しろってことでしょうね」
橘 「そ、そんなことしないよ!」
七咲 「ふふっ、半分は冗談です。一緒に旅行できて嬉しいです、先輩」
橘 「七咲…」
放送 『ただいまより、離陸を開始します。シートベルトをお締めになって…』
橘 「お、出発するみたいだな」
美也 「わくわく、わくわく~」
桜井 「わくわく、わくわく~」
伊藤 「1学年下と同レベルか、アンタは…」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:55:50.18 ID:efxgJHWO0
・
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桜井 「見て見て香苗ちゃん、雲が下に見えるよ!じゅうたんみた~い!」
伊藤 「だから落ち着きなさいって…子供かアンタは」
橘 「おっ、どうやら機内ラジオでイナゴマスクの歌が流れるみたいだな」
七咲 「みたいですね」
橘 「なんかテンションが上がってくるな…なあ七咲?」
七咲 「いえ、私は別に」
橘 「そんなこと言って、ホントは楽しみなんだろ?」
橘 (中多さんも、心なしか肌がツヤツヤし始めたし…)
七咲 「勝手に言っててくださいよ…もう」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:58:59.74 ID:efxgJHWO0
橘 「おっ、来た来た!」
七咲 「そんなにはしゃいで、まるで子供ですね」
橘 「な、なんだか興奮してきたぞ…チェンジ、イナゴオオオオオ!!」
CA 「お客様、他のお客様の迷惑になるので…」
橘 「あ…す、すいません」
七咲 「ホントに、恥ずかしい先輩ですね」
橘 「う、な、七咲だって、指が自然とリズムを刻んでるじゃないか!」
七咲 「あ!こ、これは…!」
橘 「ほら、やっぱり七咲ものってるじゃないか」
七咲 「こ、これはつい…」
橘 「つい?」
七咲 「ううう…も、もう知りませんっ!」フイッ
橘 (意地になってる七咲もかわいいなあ…そして実はおそらく一番興奮してるのは、
二つ隣でいい笑顔をしている紗江ちゃんなんだろうな…)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:02:52.11 ID:efxgJHWO0
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桜井 「ス~、ス~」
伊藤 「ハシャギ疲れて寝るなんて、まんま子供ね…」
美也 「にぃに、イナゴマスクもいいけど、映画も見ようよ~。後10分で始まるよ」
橘 「映画か…アメリカのアクション映画みたいだな。面白そうだ」
美也 「みゃーこの映画見てみたかったんだよね~。楽しみだな~」
橘 「上映時間は2時間か。ってことは、途中で昼食が来るな」
七咲 「機内食ですか…美味しいんでしょうかね」
美也 「びーふおあふぃっしゅってやつだよね!どっちにしようかな~、にししし」
ちなみに席配置
AB 通路 中七橘美 通路 香梨
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:05:23.02 ID:efxgJHWO0
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外CA「Beaf or fish?」
ガバッ
桜井 「び~ふ~!」
伊藤 「うおおっ、いきなり起きたぁっ!?」
CA 「お客様、牛肉になさいますか、それとも魚になさいますか?」
中多 「あ、私は牛肉で…」
七咲 「それじゃあ私は魚で」
橘 「じゃあ、僕は牛肉かな。美也は?」
美也 「……」
橘 「美也?」
美也 「…びーふおあふぃっしゅじゃないんだ…日本語なんだ…」
橘 「いや、別にそれはどうでもいいだろ…」
美也 「いいなぁりほちゃん、みゃーも英語で聞かれたかったなぁ…」
橘 「ああもう、帰りに期待すればいいだろ?それでどっちなんだ?」
美也 「…お魚で」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:08:05.03 ID:efxgJHWO0
その頃 日本
梅原 「かーっ、今頃橘達はお空の上かぁ。全く学校休んで兄妹水入らずで海外旅行たぁ、羨ましいねぇ」
棚町 「全くよ。こんなことなら、あたしも福引やっときゃよかったわ」
絢辻 「どうやら、兄妹水入らずってわけじゃなさそうだけどね」
梅原 「あれ、絢辻さん?」
棚町 「どういうこと?兄妹水入らずじゃないって…」
絢辻 「隣のクラスの桜井さんと伊藤さんが休んでるのよ」
棚町 「それがどうしたってのよ?」
絢辻 「数日前、福引をやって大喜びしてる二人を見たって人がいるの」
棚町 「!まさか…!」
絢辻 「ほぼ間違いなく、一緒にいるでしょうね。それと噂だと、橘君の妹さんのお友達の二人も、今日は休みらしいわ」
梅原 「はぁぁぁ!?ちょっと待ってくれよ、って事は橘の奴、今まさに空の上のハーレムにいるってことか!?」
棚町 「嘘でしょ…そんな偶然、そんな簡単に起こるものなの?」
絢辻 「認めたくなくても、実際に起こってるんだから認めざるを得ないでしょ」
梅原 「くっそぉぉぉぁぁ…橘の野郎、ますます羨ましいぞチクショーーーー!」
棚町 「大丈夫なのかしら、純一…」
絢辻 「さあ…どの道私達にはもうどうすることもできないわ。できることなんて、何事も起こらないよう祈ることくらいよ」
棚町 「まったく…不愉快ね…」
絢辻 「…同感よ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:11:05.83 ID:efxgJHWO0
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桜井 「ふぅ~、もうお腹いっぱ~い…それじゃ、おやすみ~…ぐぅ」
伊藤 「食事してすぐに寝るって、牛食べた方が牛になっちゃうわよ…」
美也 「ごちそうさま~。美味しかったね、にぃに」
橘 「ああ。どんなもんかと思ったけど、しっかりした味だったな」
七咲 「ちょうど映画もクライマックスですね。到着は、今から2時間後みたいですね」
橘 「そっか…それじゃあ、それまで暇だな…」
中多 「……」カクン、カクン
橘 「中多さん、船漕ぎ出しちゃってるな…」
美也 「みゃーも、なんだか眠くなってきちゃった…」
橘 「そうだな…それじゃあ、この映画が終わったら寝るか…」
七咲 「そうですね…やることも無いですし」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:14:13.19 ID:efxgJHWO0
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ピンポーン
放送 『ご搭乗の皆様、まもなく当機は着陸態勢に入ります。シートベルトをお締めになって…』
橘 「ん…もう着くのか」
七咲 「ふ…わぁぁぁ…おはようございます、先輩」
橘 「ああ、おはよう。どうする、他の二人も起こそうか?」
七咲 「いえ、もう少し寝かせてあげましょう。着陸したら起こしてあげればいいと思います」
橘 「そうだな。…七咲、楽しい2泊3日になるといいな」
七咲 「ええ…そうですね」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:16:51.66 ID:efxgJHWO0
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伊藤 「ほら、着いたよ桜井、早く起きなって」
桜井 「う~ん、あと5分…」
伊藤 「ホテル着いたらいくらでも寝れるでしょ…全く、ホント困った子なんだから」
橘 「ほら、起きろ美也。着いたぞ、ハワイだ」
美也 「ん…ふわあぁぁ…おはよ、にぃに…なんかちょっと暑いね」
橘 「ハワイだからな。ほら見ろ、これがホノルル空港だ」
美也 「うわぁぁ…ハワイだねぇ…」
橘 「ほら、早く降りて、ハワイの大地を踏みしめよう」
美也 「そうだね…楽しそ~…」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:20:08.02 ID:efxgJHWO0
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・
桜井 「と~ちゃ~く!」
伊藤 「さっきまで寝てたくせに、異常に元気だねぇアンタは…」
橘 「日差しが強いな…これじゃあすぐ日焼けしちゃいそうだ」
七咲 「私は気にしませんけどね。どうせあまり変わりませんし」
美也 「紗江ちゃんはハワイに来たことあるんだっけ?」
中多 「うん…でも、友達と来るのは初めてだから、なんだか新鮮な気分…」
橘 「さて、まずはガイドさんを探さないと…おっ、もしかしてあれか?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:22:49.95 ID:efxgJHWO0
橘 「すいません、もしかしてあなたがガイドさんですか?」
ガイド「えっと、ペア旅行で?」
橘 「あ、そうです。良かった、ちゃんと見つかって」
ガイド「こちらも一安心です。でも、ペア旅行のはずですけど…」
橘 「あー…まあ、みんな知り合いなんで、せっかくだから一緒にってことで…」
ガイド「なるほど。じゃあペア3組ではなく団体様6名と考えてしまってよろしいですか?」
橘 「あ、はい。全然構いません」
ガイド「じゃあ連絡を入れて、他のガイドはキャンセルということでいいですね?」
橘 「それでお願いします」
橘 (それにしても…きれいなお姉さんだな。健康的に焼けた肌がまた…)
美也 「…にぃに、変なこと考えてない?」
橘 「えっ!?ま、まさか…」
橘 (くそっ、こういう時だけは鋭いな…)
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:26:33.86 ID:efxgJHWO0
送迎バス内
桜井 「うっひゃあ~、きれ~い」
伊藤 「ホントだね~、日本じゃなかなか見れないよこんな景色…」
七咲 「そういえば、そちらの先輩方とは、私達は面識が無いんでしたね」
橘 「ああ、そういえばそうか。おい梨穂子、いつまでもマイペースでいないで自己紹介しろよ」
桜井 「へ?あぁ、ゴメンゴメン。わたしの名前は桜井梨穂子、純一の幼馴染で茶道部で~す」
伊藤 「そんであたしが、そのクラスメイトでお目付け役の伊藤香苗です。よろしくね?」
七咲 「はい、先輩。よろしくお願いします」
中多 「よ、よろしくお願いします…」
伊藤 「おーっ、礼儀のなってる子達だねぇ」
桜井 「もーっ、香苗ちゃん、お目付け役ってひどいよ~」
伊藤 「なーに言ってんの。実際そんな感じでしょ?ちゃんと誰かが見ててあげないと、危なっかしいったらありゃしないもん」
橘 「ははっ、確かに。梨穂子のドジっ子ぶりは神がかってるからな」
桜井 「むーっ…そこまでひどくはないですよーだ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:32:58.96 ID:efxgJHWO0
七咲 「それじゃあ、今度は私達だね。私は七咲逢、美也ちゃんのクラスメイトで水泳部です」
中多 「あ、あの、私は中多紗江です。同じく、美也ちゃんのクラスメイト…です」
美也 「そっちの先輩はみゃーのこと知らないだろうから、一応みゃーも…ごっほん。
このだらしなーいお兄ちゃんの妹の橘美也です。よろしくお願いします」
橘 「ああっ、美也、お前!」
伊藤 「あはははっ、さっすが橘君だねぇ。妹にまで言われちゃうとは」
橘 「香苗さんまで…」
伊藤 「ま、いいじゃないの。こちらこそよろしくね、七咲さん、中多さん、美也ちゃん」
桜井 「逢ちゃん、紗江ちゃん、よろしくね~」
ガイド「皆様、そろそろホテルに到着しますので、用意をお願いしまーす」
橘 「おっと、早かったな。くつろげる部屋だと良いな」
美也 「やわらかいベッドだといいな~、にししし」
橘 「美也、あんまり飛び跳ねるなよ…」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:36:45.81 ID:efxgJHWO0
・
・
・
ガイド「それでは、明日の朝また迎えに参りますので、今日はゆっくりおくつろぎ下さい」
橘 「はい、ありがとうございました」
美也 「にぃに、早くチェックインしようよ~」
橘 「ああ、そうだな。部屋は、それぞれ福引のペアで1部屋だな」
橘兄妹の部屋
美也 「うわー、ふっかふかー!きもちいー…」
橘 「ふぅ…飛行機ってずっと座るから疲れるな。さて、今は5時半頃か…」
美也 「にぃに、海行こうよ海!」
橘 「おいおい、今は5時だぞ?海に入るには遅すぎるって」
美也 「むーっ…せっかくハワイに来たのに…」
橘 「確か、日本とハワイの時差は5時間だから…日本はちょうど昼休みだな…」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:39:51.23 ID:efxgJHWO0
その頃 日本
森島 「はぁ~、今頃橘君達はハワイかぁ~」
塚原 「ふふっ、寂しいの、はるか?」
森島 「なっ…そ、そんな訳ないじゃない。むしろ橘君のほうが、こっちのみんなに会えなくて寂しいんじゃないかな~って思ってたところよ」
塚原 「ところが、そうでもないみたいよ」
森島 「へ?どういうこと?」
塚原 「昨日、七咲から電話があってね。旅行に行くことになったから、3日間学校を休むって」
森島 「それって…」
塚原 「例のハワイ旅行でしょうね。それと、2年生の子が二人、今日休んでるらしいわ」
森島 「ええ~!?そんなに橘君と一緒に行く子がいるの!?」
塚原 「全員が橘君と知り合いってわけじゃないと思うけど、少なくとも七咲は橘君と合流するでしょうね」
森島 「むむむ…ずるいなぁ、逢ちゃん。今から私もついて行っちゃおうかしら」
塚原 「何バカなこと言ってるの、受験生。あなたは日本でしっかり勉強しなさい」
森島 「む~っ、自分は推薦で受かったからって…」
塚原 「はいはい。私だって勉強しなかったわけじゃないんだから、はるかもきちんとしなさい」
森島 「は~い…いいなぁ、逢ちゃん…私も行きたかったなぁ…」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:44:43.51 ID:efxgJHWO0
梨穂子・香苗の部屋
桜井 「はぁ~、疲れた~」
伊藤 「アンタ機内でずっと寝てたでしょうが…」
桜井 「だってずっと座ってたから足がむくんじゃって、歩くのが辛かったんだよ~」
伊藤 「まあ、それは分からないでもないけどさ。あの狭い機内でほぼ座りっぱなしだからねぇ」
桜井 「それで、これからどうするの?お夕飯は7時だったよね?」
伊藤 「あたしはしばらく部屋でくつろいでるわ。こんないいベッド、そうそう使えるもんじゃないしね~」
桜井 「じゃあわたしはちょっとホテルの中を見てこようかな。外国のホテルってどんな風になってるのかな~」
伊藤 「あー…だったら橘君もちゃんと誘いなさいよ。アンタ一人じゃ危なっかしいから」
桜井 「も~、またそんなこと言って…そんなに危なくないよ~」
伊藤 「いいから、ちゃんと誘っていきな。せっかくだから、二人っきりになっちゃいなよ」
桜井 「えっ?あ、そっか、それもそうだね~…分かった、じゃあ行ってくるね~」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:48:05.11 ID:efxgJHWO0
七咲・中多の部屋
七咲 「うわぁ、きれいな部屋…ホテルなんて、初めて泊まるなぁ」
中多 「ふぅ…これでゆっくりできるね」
七咲 「そうだね…夕食まで時間があるし、ちょっとホテルの中でも見てこようかな。紗江ちゃんは?」
中多 「私は、今は部屋で休んでたいかな…」
七咲 「そっか。じゃあ、ちょっと行ってくるね」
中多 「うん、行ってらっしゃい」
橘兄妹の部屋
コンコン
橘 「ん?誰だろう…はーい」ガチャ
桜井 「やっほ~」
七咲 「先輩、何か予定ありますか?無かったら、私達と一緒にホテルを見て回りません?」
橘 「うーん、特にやろうと思ったこともないし、行こうかな。美也はどうする?」
美也 「みゃーはいいや。ベッドのふかふか具合を確かめたいしね~」
橘 「そっか。じゃあ行こうか」
七咲 「はい、そうですね」
桜井 「どんな風になってるのかな~」
七咲・桜井(本当は二人っきりがよかったけど、まあ、いっか…)
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:52:23.31 ID:efxgJHWO0
売店
桜井 「うひゃあ~、おいしそうなお菓子がいっぱ~い…」
橘 「こら梨穂子、買うなら食事の後にしろよ」
桜井 「あはは、分かってるって~」
レストラン
桜井 「わぁ~、いいにお~い」
橘 「そうだな。7時の開店が待ち遠しいよ」
プール
七咲 「結構大きいプールがあるんですね」
橘 「良かったな七咲、これならいつでも泳げるな」
七咲 「はい、体がなまらないか心配だったけど、大丈夫そうですね。食後にでも来ようかな…」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:55:59.21 ID:efxgJHWO0
・
・
・
七咲 「あ、そろそろ7時ですね」
橘 「ホントだ。じゃあ、部屋に戻って美也たちを呼ぶか」
橘兄妹の部屋
橘 「美也~、夕飯食べに行くぞ~」
美也 「ふわっ…あ、おかえりにぃに…みゃー、すっかり寝ちゃってたよ」
橘 「ほら、しっかり目を覚ませよ。せっかくのホテルの食事なんだから、味わって食べなきゃ損だぞ」
美也 「ふぁ~い…」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:59:38.65 ID:efxgJHWO0
レストラン
桜井 「はぁぁぁ…いいにお~い…」
橘 「さっきも言ってたなそれ…どうやらバイキング形式みたいだな」
桜井 「ってことは、食べ放題!?」
橘 「まあ、そうだな」
桜井 「わぁ~い!てんごくだぁ~!」
伊藤 「ちょっと桜井、いくら食べ放題だからって、あたし達の分も食べないでよ?」
桜井 「大丈夫だよ~。これだけあるんだから、わたしがおなか一杯食べてもなくならないって~」
七咲 「先輩、桜井先輩ってそんなに食べるんですか?」
橘 「う~ん、少なくとも多分今七咲が想像しているよりは食べるかな…」
七咲 「じゃあ、相当すごいんですね…」
橘 「ああ、今梨穂子があの体型なのは、実は痩せ型の体質だからじゃないかって噂も…」
桜井 「ちょっと~、さっきから失礼なことばっか言わないでよ~。そんな噂聞いたことないよ~」
橘 「ははっ、ごめんごめん。それじゃ入ろうか」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:02:58.88 ID:efxgJHWO0
桜井 「いっただっきま~す!」
橘 「うわ…随分一気に取ってきたな…」
伊藤 「国が違っても、相変わらずの気持ちいい食べっぷりだねぇ…」
美也 「なんか見てるだけでおなか一杯になってきちゃうね~」
橘 「まあ、あれは気にせず、僕達は僕達のペースで食べよう」
伊藤 「そうだね。それじゃ、いただきまーす」
橘 「おっ、中多さん、そのベーコン美味そうだね。どこにあったの?」
中多 「あ、えっと、向こうのテーブルの反対側に…」
橘 「うーん、ここからじゃ死角になっててよく見えないな。後で案内してくれる?」
中多 「は、はい、喜んで…」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:07:23.17 ID:efxgJHWO0
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橘兄妹の部屋
橘 「ふう…結構食べたなあ」
美也 「りほちゃんじゃないけど、なんか色々食べれて幸せ~…」
橘 「さて、今は8時か。そろそろ風呂に入るか…」
美也 「どんなお風呂なのかな、にししし」
橘 「何言ってるんだ、風呂はこの部屋のやつだぞ?」
美也 「えっ…あのユニットバスのちっちゃいやつ?」
橘 「ああ。基本的に外国のホテルは大浴場があるのは少ないからな」
美也 「ええ~…ハワイのお風呂ってどんなのかなって期待してたのに…」
橘 「まあ、しょうがないさ。ほら、先に風呂に入っちゃえよ」
美也 「は~い…」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:11:44.46 ID:efxgJHWO0
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美也 「うう…なんか物足りない…」
橘 「まあ、しょうがないさ。さて、暇になっちゃったな。美也、どうする?」
美也 「そだね~、他のみんなと一緒に、トランプか何かで遊ばない?」
橘 「そうだな。じゃあ、他の部屋に行ってくるか…」
コンコン
橘 「ん、誰だろう…」
ガチャ
桜井 「やっほ~、純一」
七咲 「先輩、お邪魔します」
橘 「あれ、4人共どうしたの?」
中多 「お風呂に入って暇になっちゃったから、逢ちゃんと先輩の部屋で遊ぼうって話になって…」
伊藤 「あたし達もそんな感じでさ、そしたらちょうどこっちの二人とバッタリって訳」
橘 「そっか、それじゃあ早速中にどうぞ」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:14:57.60 ID:efxgJHWO0
七咲 「部屋の構造は大体同じなんですね」
伊藤 「あたし達のとこは、ちょうどこの部屋を左右反転した感じだけどね」
橘 「へ~、そうなんだ…」
橘 (それにしても…みんな湯上りだから、なんだかいつもと違う感じだな…
まあ、美也はいつも見てるから別にいいけど、他の4人は…
梨穂子の湯上りを見るのも随分久しぶりな気がする…昔に比べて随分成長したし…
香苗さんはヘアピンを外してるからか、いつもより見た目の雰囲気が柔らかい気がする…
中多さんも、リボンがないとちょっと大人っぽく見えていい感じだな…
七咲は…なんだろう、やっぱりプールから上がったときとは違う、色気みたいなものを感じるな…
…うん、とにかく言える事は、これを見れただけでも、ハワイに来て良かったと思えるってことだな…)
中多 「あ、あの…先輩?」
橘 「うおっ!な、何?」
中多 「えっと、みんなで何をやりたいか意見を聞いているので、先輩もやりたい遊びがあったら…」
橘 「あ、ああ、うん、そうだね…」
橘 (い、いけないいけない、気をつけないと…)
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:18:34.46 ID:efxgJHWO0
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桜井 「やった~!いっちば~ん!」
伊藤 「うっそ、またぁ!?桜井、アンタババ抜き強すぎだって!」
橘 「梨穂子は、昔から遊びになると滅法強いからなぁ…」
七咲 「それにしても、4回やって全部1位で抜けるなんて…」
美也 「さっすがりほちゃん、それに比べてにぃにはここまで全部最後まで残っちゃって…」
橘 「う、うるさいな!ビリは1回だけだろ!」
桜井 「あははは…そういえば、最近は放課後純一と遊ぶ時は大抵茶道部室だったね~」
橘 「ああ…今は9時半だから、ちょうど放課後だな…夕月先輩と飛羽先輩、どうしてるかな…」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:22:34.16 ID:efxgJHWO0
その頃 日本
夕月 「……暇だ」
飛羽 「……暇だな」
夕月 「くっそ~、りほっちの奴…あたし達を置いてハワイ旅行なんてさぁ…」
飛羽 「しかも、りほっちだけじゃない」
夕月 「ああ、そういやアイツもハワイ行きだっけか。いいねぇりほっちは、ダーリンと一緒に新婚旅行か…」
飛羽 「その台詞、りほっちが聞いたら『も~先輩ったら、茶化さないでくださいよ~』とでも言いそう」
夕月 「おっ、今のりほっちの真似、ちょっと似てた」
飛羽 「ふふふ、このくらいなら、お手の物」
夕月 「けどやっぱ本人がいないと寂しいな…りほっちのいないウチなんて、ネズミのいない
どっかのでっかい遊園地みたいなものだからな…」
飛羽 「…瑠璃子、それ以上は言うな。感づかれると、まずい」
夕月 「?感づかれるって、誰に?」
飛羽 「でっかい遊園地だ」
夕月 「ふーん…?ま、よくわかんないけど、この話はここまでってことか?」
飛羽 「そうしたほうが、身のため」
夕月 「わかった、んじゃやめるよ…」
飛羽 「……」
夕月 「……」
飛羽 「………」
夕月 「……暇だなぁ…」
飛羽 「……暇だ……」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:27:59.91 ID:efxgJHWO0
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橘兄妹の部屋
七咲 「あっ…もう11時半ですね」
橘 「本当だ。それじゃあそろそろお開きにしようか」
伊藤 「そうだね。それじゃあたし達は部屋に戻るよ。いこ、桜井」
桜井 「うん。七咲さんたちは?」
七咲 「私達も、そろそろ部屋に戻ります。明日も早いですし」
桜井 「それじゃ、一緒に部屋にもどろっか」
七咲 「そうですね。紗江ちゃん、行こう」
中多 「うん。それじゃあ先輩、おやすみなさい」
橘 「おやすみ、みんな」
桜井 「じゃあね~、また明日~」
バタン
橘 「ふう…それじゃ、僕達も寝るか」
美也 「オッケー。じゃあみゃーはこっちのベッドね」
橘 「ああ、いいよ。それじゃ、お休み…」
コンコン
橘 「…ん?どうしたんだろう…」
ガチャ
桜井 「…えへへ…」
橘 「梨穂子、それに他のみんなも、どうしたんだ?」
七咲 「…あの、実は…」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:31:21.46 ID:efxgJHWO0
橘 「…つまりどっちも部屋を出るときに鍵を部屋に置いて来ちゃったから、部屋に入れなくなったと…」
七咲 「本当に、恥ずかしい話ですが、そのとおりです…」
伊藤 「ごめんね橘君、今日はあたし達全員ここで寝かせてくれない?さすがにこの時間じゃ
鍵を開けてもらうのは…」
橘 「いいよ、しょうがないことなんだから。それじゃあ、ベッドをどう割り振るかだけど…」
美也 「とりあえずにぃにはソファーで決定ね」
橘 「な、なんでそうなるんだよ!」
美也 「にぃに、自分はベッドで心地よく寝て、女の子は固いソファーで寝かせるつもり?」
橘 「で、でも、僕だってベッドで寝たいよ!そうだ、一つのベッドに3人づつ寝るのは…」
橘・中多以外「絶対ダメ!」
橘 「で、ですよね…」
中多 「わ、わたしは別に、先輩といっしょでも…」
中多以外「えっ!?」
橘 「ほ、ホントに!?」
中多 「は、はい、先輩なら信頼できますし…」
七咲 「だ、だったら、先輩が妙な事をしないように、わた
桜井 「だったらわたしも純一と寝るぅ~!」
美也 「ちょ、駄目だよりほちゃん!もし一緒に寝るんだったら、妹のみゃーじゃないと…」
七咲 「いや、だから私が…」
桜井 「わたしだって、幼馴染だから何の問題もないよ~」
中多 「わ、私は、先輩を信じてるから、何の問題もありません!」
伊藤 「…橘君、なんだかんだでモテモテだね~」
橘 「そんなこと言ってる場合じゃないって!なんかどんどん収拾付かなくなってる気がするんだけど!?」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:36:07.41 ID:efxgJHWO0
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橘 (…結局、僕と美也と梨穂子、香苗さんと七咲と中多さんに分かれて寝ることになったわけだけど…)
美也 「にぃに、もっとそっち寄ってよ…」
橘 「無理だって、梨穂子がいるんだから…」
橘 (何で僕が挟まれる形に…)
桜井 「ひゃ…ちょっと純一、変なとこ触らないで…」
橘 「さ、触ってないよ…」
橘 (こ、これは二重の意味できつい…駄目だ、鎮まれ僕の中の危険な部分…)
桜井 「あっ…そこはだめぇ…やぁっ…」
橘 (やめろ!そんな声を出さないでくれっ…!)
中多 「…先輩と一緒がよかったなぁ…」
七咲 (こんなことなら、最初から一緒に寝たいって言えばよかった…)
伊藤 (どうしよう…ベッドも肩身も狭い…)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:40:51.54 ID:efxgJHWO0
翌朝
ガイド「おはようございます。よくお休みになられましたか?」
橘 「ええ、まぁ…」
橘 (梨穂子め…あんな声を出すから、落ち着いて眠れなかったぞ…)
ガイド「それでは、バスにご乗車ください。最初の観光地へご案内いたします」
桜井 「しゅっぱつしんこ~!」
美也 「どんな場所かなぁ~、にししし」
橘 (くそっ、こいつら、僕はろくに寝れなかったのに、こんな元気で…なんか腹立ってきたぞ)
七咲 「あの…大丈夫ですか、先輩?なんか顔が怖いですけど…」
橘 「ああ…大丈夫だよ。ありがとう七咲、心配してくれて」
七咲 「いえ、どういたしまして」
橘 (まあ、いいか…せっかくのハワイなんだし、楽しまなきゃ損だよな!)
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:45:23.02 ID:efxgJHWO0
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桜井 「うわ~、おっき~い!」
橘 「ああ、すごいな…これが全部さとうきびなのか…」
七咲 「あれがさとうきび列車ですか…あれでさとうきびを運ぶんですよね」
橘 「ああ、今からあれに乗れるんだよな」
美也 「どんな走り心地かなー?楽しみ~」
ガイド「それでは皆様、列車にご乗車くださーい」
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美也 「うひゃ~、楽しかった~!」
桜井 「見て見て純一、おいしそうなさとうきびが売ってるよ~!」
橘 「分かった分かった、今買ってやるから…ほら」
桜井 「ありがと~、いただきま~す…あむっ」
伊藤 「やれやれ、ホントどこ行っても食い意地張ってるねぇ…」
橘 「けど、さとうきびは本当にうまそうだな。どれどれ…」
美也 「どう、にぃに?おいしい?」
橘 「うん、ちょっと繊維が口に入っちゃうけど、そんなの気にならない甘さだよ」
美也 「へ~っ、じゃあみゃーも…あ、ホントだ、あっま~い!」
七咲 「じゃあ、私達も…はい、紗江ちゃん」
中多 「あ、ありがとう。…ほんとだ、おいしい…」
ガイド「それでは、次の目的地に出発しまーす」
橘 「おっと。後はバスの中で食べるか」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:51:10.30 ID:efxgJHWO0
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バラララララララ…
美也 「ひゃぁあ!お、音でっかーい!」
橘 「キラウェア火山は、このヘリに乗って上から見るんだな…1台に6人は入らないから、
3人ずつに分かれて2台に乗らないと駄目って言われたな…」
伊藤 「だったら、2年生組と1年生組に分かれようよ。あたしは桜井と一緒じゃないと、
肩身が狭くてしょうがないからさ」
橘 「わかった。じゃあ美也、中多さん、七咲、また後でな」
中多 「はい…先輩、お気をつけて…」
橘 (何か言ってくれてるのは分かるけど、ヘリの音が大きくて聞こえないな…)
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:53:57.09 ID:efxgJHWO0
1番機
桜井 「すっご~い、マグマが煮えたぎってる…」
伊藤 「ここって今でも活火山で、噴火することもあるんだっけ…なんかちょっと怖くなっちゃうな…」
橘 「うん…きっとあそこに落ちたら、ヘリと一緒に溶岩の中でゆっくりと溶かされていくんだろうな…」
桜井 「ちょっとやめてよ純一、もっと怖くなっちゃうじゃんか~」
橘 「いやいや、ひょっとしたら梨穂子のドジッ子っぷりがヘリに伝染して、今まさに突然ヘリが止まって墜落、なんてことも…」
伊藤 「うわ…なんかホントにありそ…」
桜井 「も~ひどいよ二人とも、そんなのありえないってば~」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:59:17.18 ID:efxgJHWO0
2番機
中多 「わぁ…すごいね…」
七咲 「うん、こっちまで熱が伝わってきそう…」
美也 「ホント、すごく熱そう…きっとあそこに落ちたら、ヘリと一緒に溶岩の中でゆっくりと溶かされていっちゃうんだろうね…」
七咲 「ちょっと美也ちゃん、変なこと言わないで…」
美也 「ヘリの中で蒸し焼き状態になって、ヘリが溶けたら足元からゆっくりと肉から骨へと焼かれていって…」
七咲 「美也ちゃん、それ以上は紗江ちゃんが…」
美也 「え…」
中多 「うぅっ……」ガタガタ
美也 「ああっ、ごめんね紗江ちゃん、怖がらせちゃって…」
中多 「う、ううん、大丈夫…」ブルブル
七咲 「もう、美也ちゃんったら…」
美也 「うう…ごめんなさい…」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:06:05.46 ID:efxgJHWO0
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橘 「ふぅ、すごかったな…そっちはどうだった?」
美也 「えーっと、みゃーが変な話したら、紗江ちゃんが怖がっちゃって…」
橘 「おいおい、何やってるんだ。駄目だろ、そんなことしちゃ」
美也 「うん、ごめん…」
ガイド「皆様、それでは次へご案内しまーす」
橘 「ほら、行こう。気を取り直して、観光を楽しもう」
美也 「うん…そだね。後でちゃんと紗江ちゃんに謝らなきゃ…」
…その後も、僕達はハワイの観光地巡りを楽しんだ。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:08:50.25 ID:efxgJHWO0
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橘 「さて、最後はお土産屋か…」
桜井 「待ってました~!とりあえず、ドライフルーツに、マカデミアナッツに…」
伊藤 「はいはい、いいから落ち着いて買い物しなって」
橘 (ここでみんなに頼まれたお土産を買い揃えるか…)
橘 「まずはアロハシャツだな。薫の分と、塚原先輩の分と、僕の分っと…」
七咲 「…先輩、それ全部先輩が着るんですか?」
橘 「ち、違うよ!2着は頼まれたお土産だよ!」
七咲 「ふふっ、冗談です。私も塚原先輩が先輩に頼んだってことは聞きましたから」
橘 「なんだ、そっか。じゃあ、アロハはこれで全部と…」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:11:25.63 ID:efxgJHWO0
橘 「次は森島先輩のだな。えっと、犬のポストカードだな…どれどれ」
中多 「あ、それ、きれいな風景ですね…」
橘 「あ、本当だ。こっちは僕の分にするか…」
中多 「先輩、どんなのをお探しなんですか?」
橘 「ああ、犬のポストカードをね」
中多 「犬の…ですか?」
橘 「うん。森島先輩に頼まれてさ」
中多 「だったら、こっちのなんかどうですか?さとうきび畑を走ってる姿が、かわいいと思うんですけど…」
橘 「あ、いいかも。ハワイっぽさも出てるし、ちょうどいいね。ありがとう、中多さん」
中多 「あっ、いえ、あの、どういたしまして…」カアアッ
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:13:16.47 ID:efxgJHWO0
橘 「次は…絢辻さんかな。もうお土産屋だし、開けてもいいよな…」
橘 (も、もしとんでもないものだったら…ええいっ、勇気を出せっ!)ガサッ
橘 「…え…?」
帰ってきたら、ちゃんと登校して元気な姿を見せること。
決して変な病気をお土産にしないように。
橘 「…グスッ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:19:04.16 ID:efxgJHWO0
橘 「…さ、さあて、気を取り直して次に行くか!次は…」
橘 (…そうだった、次がある意味最難関だった…僕は未だ手出しする勇気の無い、
『海外モノのお宝本』っ!)
橘 「…こ、これが…現物か…ちょっと中を覗いてみるか…」チラッ
美也 「あ、にぃに。お土産何買った…ってどうしたの、エッチな本持って固まっちゃって」
橘 「…美也、海外ってすごいな…」
美也 「は?何言ってんの?いいから買うなら早く買っちゃいなよ。時間なくなっちゃうよ?」
橘 「あ、ああ、そうだった、出発までに買わないと…」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:22:17.49 ID:efxgJHWO0
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ガイド「皆様、お疲れ様でした。それでは後はしばらく自由にお過ごしくださいませ」
美也 「楽しかったね、にぃに」
橘 「ああ。さぁて、今は1時…海で遊ぶには十分な時間だな」
桜井 「とうとうハワイの海に入れるんだね~、楽しみだね香苗ちゃん」
伊藤 「ハワイに来て一番楽しみだったからねー。やっとかって感じね」
橘 「それじゃあ、それぞれ水着に着替えて、浜辺に集合ってことで」
七咲 「分かりました。それじゃあ先輩、また後で」
橘 「ああ、後でな」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:26:38.79 ID:efxgJHWO0
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桜井 「おぅい、純一~」
橘 「ああ、こっちこっち」
美也 「お待たせ~。どうにぃに、半年振りのみゃーの水着姿は?」
橘 「…うん、いいと思うぞ」
美也 「むぅー、なにその間…」
橘 (…けど、美也と梨穂子以外のプライベートの水着姿は初めて見るな。梨穂子も、久々に見ると新鮮だし…
中多さんと香苗さんも、なかなかセンスのいい水着だ。結構似合ってるし…)
橘 「そういえば、七咲は今日は競泳水着じゃないんだな」
七咲 「私だって、いつも競泳水着ってわけじゃないですよ。海で遊ぶときくらい、
プライベートな水着で遊びます」
橘 「まあ、それもそうか」
美也 「そんなことより、早く海に行こうよ!時間が勿体ないよー」
橘 「おっと、それもそうだな。じゃあ行くか!」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:30:28.20 ID:efxgJHWO0
伊藤 「ぃやっほーう!」
桜井 「うひゃっ、つめた~い!」
美也 「紗江ちゃん、こっちこっち~!」
中多 「み、美也ちゃん、ちょっと待って…」
橘 「ははっ、みんな元気だな」
七咲 「そうですね」
橘 「七咲は行かないのか?」
七咲 「私は、ちゃんと準備運動してから入ります。大丈夫だとは思うんですけど、やっぱり癖で」
橘 「そっか。じゃあ僕も付き合うよ」
七咲 「いいんですか?先輩も早く入りたいんじゃ…」
橘 「いや、唯一の男なんだから、しっかりしたところを見せておかなきゃと思ってさ」
七咲 「そうですか。じゃあ、一緒に準備運動しましょうか」
橘 「うん、そうだね」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:34:42.40 ID:efxgJHWO0
桜井 「そーれっ!」バシャッ
伊藤 「うひゃっ!やったなぁー!」バシャッ
美也 「あっ、にぃに、逢ちゃん、遅いよー!」
橘 「ははっ、ゴメンゴメン」
美也 「ねぇねぇ逢ちゃん、みんなでビーチバレーやらない?きっと楽しいよー」
七咲 「あ、楽しそう。いいね、やろう」
橘 「それじゃ、あっちの二人に声かけてくるよ」
美也 「うん、お願いねにぃに」
…こうして、みんなでビーチバレーをすることになった。
結果は、当然七咲のいるチームの勝ちだった。運動部は七咲だけだからなぁ…。
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:00:03.80 ID:efxgJHWO0
桜井 「ふぅ、運動したらおなか減っちゃった…」
伊藤 「おいおい、アンタは大抵腹ペコでしょ…」
橘 「だったら、向こうでちょうどいい大会をやってるぞ」
七咲 「えっと、あれは…スイカ?」
桜井 「スイカ!?」
橘 「どうやら、スイカ大食い大会みたいだ。あれならただで参加できるし、スイカも食べ放題だぞ」
桜井 「スイカ…食べ放題…」
伊藤 「ありゃりゃ…こりゃスイッチ入っちゃったね」
橘 「優勝したら賞品も出るみたいだし、参加したらどうだ?」
桜井 「やる~!絶対優勝するぞ~!」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:04:27.96 ID:efxgJHWO0
伊藤 「ちょっとちょっと、参加者みんなでっかい外人じゃないの。ホントに勝てんの?」
橘 「大丈夫、そう簡単に梨穂子が引けをとるわけがないよ」
美也 「あ、始まるみたいだね」
審判 「Ready…go!」
桜井 「いっただっきま~す!」
シャクシャクシャクシャク…
伊藤 「流石にみんな早いね…」
橘 「うん、けど梨穂子も全く遅れずついていってる…」
伊藤 「うっそ、もうみんな3切れ目?どういう胃の構造してんの…」
七咲 「あっ、一人脱落しましたね」
橘 「他の参加者も何人かペースが落ち始めてるのに、梨穂子は全く落ちていない…流石だな」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:08:08.42 ID:efxgJHWO0
伊藤 「あっ…また脱落した」
橘 「これで、梨穂子とあのナイスガイの一騎打ちか…残り時間、あと2分…」
参加者「Hey,who,no,what is she?」
橘 「えっ?えっと…シーイズザ…ブラックホールガール?」
参加者「Oh…really?」
橘 「オウ、イエスイエース」
伊藤 「橘君、それ桜井が聞いたら多分怒るよ…」
橘 「ははは…」
中多 「あ、あと1分です…!」
橘 「ナイスガイも梨穂子も数は25、いい勝負だ…!」
伊藤 「あっ、ナイスガイがよろめいた…!」
橘 「今だ、押し込め梨穂子ぉーー!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:12:01.50 ID:efxgJHWO0
審判 「Congratulation!」
桜井 「やったぁー!」
橘 「おお…すごいぞ梨穂子…!」
伊藤 「ホントすごいよ桜井、あのナイスガイを跳ね除けちゃうなんて!」
Nガイ「Oh,you're very nice and strong girl!」
桜井 「えへへ~、さんきゅーさんきゅー」
美也 「凄いよりほちゃん!で、優勝賞品は?」
審判 「Hey,it's given you!」ドン
美也 「うひゃ、おっきいスイカジュース…サンキュー!」
審判 「No,for her!」
桜井 「え…わたしに?なんで?」
橘 「ま、まさか…優勝賞品って、このスイカジュースか…?」
美也 「ええ~!?そんなー…」
※実話に基づいています
桜井 「う~ん、わたしはおなか一杯スイカ食べたし、美也ちゃんが飲みたいならあげるよ」
美也 「ホント?ありがと、りほちゃん。…でも、なんかガッカリ…」
橘 「ああ…外人の考えることは分からないな…」
伊藤 「まあ気を取り直してさ、もう一泳ぎしようよ。特に桜井は、運動してお腹減らしておかないと、
夕飯食べられなくなっちゃうよ?」
桜井 「そだね。それじゃあ、がんばっておなかへらしますかー!」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:15:25.21 ID:efxgJHWO0
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橘 「ふぅ…随分遊んだなぁ…」
美也 「みゃーもうお腹ペコペコ…早く食事にしたーい…」
橘 「うん、僕もだよ」
七咲 「今日はホテルじゃなくて、レストランで夕食でしたっけ?」
橘 「うん。ファイヤーダンスなんかのパフォーマンスも見れるらしいね」
中多 「私が前に来たときは、そういうのは見なかったから、すごく楽しみです…」
橘 「そうだね。じゃあ、着替えてバスを待とうか」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:19:23.26 ID:efxgJHWO0
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レストラン
桜井 「どんな料理が出るのかな~、わくわく~」
伊藤 「ちょっとはパフォーマンスも楽しみにしてあげなさいよ…」
橘 「まだ見えないけど、なんか太鼓の音が聞こえてくるな…」
美也 「なんかみゃー、この音聞いてたら興奮してきちゃった…ふーっ」
橘 「おいおい、お前はどこの部族の人だよ…」
七咲 「けど楽しそう…先輩、早く中に入りましょう」
橘 「分かった分かった、みんな慌てないで…」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:23:09.27 ID:efxgJHWO0
ドンドコドンドコ…
美也 「うひゃー、すっごーい…」
橘 「あんなに勢いよくファイヤーバーを回して、怖くないのかな…」
中多 「私だったら、渡されただけでも驚いて落としちゃいそう…」
橘 (すごく簡単に想像できるな…)
伊藤 「それで、席はどこなの?」
橘 「ああ、向こうの前だよ。ステージがよく見える場所だってさ」
伊藤 「そんなとこまで用意してるんだ…すごいねー商店街」
橘 「ホント、どうしてうちの商店街がここまでいい旅行を3組分用意できたんだろう…」
伊藤 「ま、そんなの別にいいでしょ。さ、早く座ろう」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:27:00.11 ID:efxgJHWO0
桜井 「うーん、おーいしーい!」
橘 「ああ、しっかり中まで火が通ってて、すごくうまいな」
伊藤 「さすが、レストランに合わせて、料理も豪快な肉料理ってとこかな」
美也 「ファイヤーダンス、ここから見ると凄い迫力あるね…」
七咲 「うん…あ、次はリンボーダンスみたいだね」
中多 「うわぁ、あんなに低くて大丈夫かな…」
美也 「ドキドキ…」
中多 「あ、始まった…すごくスレスレ…」
七咲 「あ、あとちょっと…」
美也 「…通ったー!」
中多 「すごい…」
橘 「美也たち、楽しそうだな」
伊藤 「うん…それに対してこっちは、完全に食事に集中しちゃって…」
桜井 「だってすごくおいしいんだもん…でも一応ダンスも見てるよ?」
橘 「もう自分で一応って言っちゃってるじゃないか…」
桜井 「えへへ…」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:31:31.70 ID:efxgJHWO0
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橘兄妹の部屋
橘 「ふぅ…今日は疲れたな」
美也 「けど楽しかったね、にぃに♪」
橘 「そうだな…さて、風呂に入らなきゃ…」
美也 「う…やっぱり今日も…?」
橘 「僕だって気は進まないけど、しょうがないだろ?」
美也 「うー、せっかくいい1日だったのに…」
コンコン
橘 「ん?はーい…」ガチャ
七咲 「こんばんわ。よかった、まだお風呂には入ってなかったんですね」
橘 「七咲。よかったって、どういうことなんだ?」
七咲 「先輩、一緒にプールに行きましょう」
橘 「え、えええっ?さっきまであんなに海で泳いだのに…」
七咲 「そうじゃありませんよ。昨日夕食の後に行って知ったんですけど、ここの温水プールにはジャグジーがあるんです。
昨日はみんな部屋のお風呂で済ませちゃってたから、今日はお風呂に入る前に教えようと思って」
橘 「そっか、ありがとう七咲」
七咲 「いえ、それよりどうします?一緒に行きませんか?」
橘 「うん、美也もあの小さい風呂はやだってごねてるしね」
七咲 「ふふっ、そうですか。じゃあ、桜井先輩達にも声をかけてきますね」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:36:39.75 ID:efxgJHWO0
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ホテル内ジャグジー
桜井 「へー、あのプールにこんなのがあったんだ…」
伊藤 「いやー、あのちっちゃいお風呂から解放されて、良かった良かった」
美也 「は~、あったか~い…」
橘 「うん、これも七咲のおかげだな」
七咲 「そんな…大したことないですよ…」
中多 「これで今日の疲れもしっかり取れますね」
橘 「今日は誰よりも七咲に感謝しなきゃな」
七咲 「も、もう、やめてくださいよ…そんな…」
橘 (照れる七咲もいいな…)
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:00:11.29 ID:efxgJHWO0
さるった
しかも書き溜め消えた
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:03:27.55 ID:efxgJHWO0
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橘兄妹の部屋
美也 「ふぃ~、さっぱり~…」
橘 「今日はぐっすり眠れそうだな…」
美也 「にぃにがよく眠れなかったのは、みゃー達と一緒に寝たからでしょ~?」
橘 「な、そんなわけないだろ!」
美也 「ほんとに~?みゃー達のこと意識しちゃったんじゃないの~?」
橘 「ち、違うって!」
美也 「へ~…じゃあみゃーがこんなふうに迫ってもなんとも思わない?」ズイッ
橘 「ば、馬鹿!」
美也 「へ?ひゃぁっ!」
ドサ…
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:08:27.06 ID:efxgJHWO0
橘 「い、いたたた…」
美也 「だ、大丈夫にぃに?」
橘 「ああ、大丈夫だ…だから上からどいてくれ…」
美也 「そ、それが、今ので腰抜けちゃって…」
橘 「おいおい…」
美也 「にぃに、どかしてくれる?お願い…」
橘 「あ、ああ…」
橘 (ど、どうしようこの状況…美也は全身を乗せてきて、顔も結構近いし…
いやいや、兄妹でそんな…)
美也 「にぃに、早く…」
橘 「あ、ああ、ゴメン…」
橘 (心なしか美也の顔も赤くなってる…美也も少しは意識してるのか…?
いやいや、それでもこれはまずいって…)
美也 「にぃに…」ポフッ
橘 (か、顔を胸に乗せてきた!?こ、これは、突っ走れってことなのか?いや、でも、そんな…
ああ、誰か教えてくれ、誰か…)
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:14:23.66 ID:efxgJHWO0
コンコン
橘 「!!」
美也 「!!」
橘 「い、いけないいけない、出てあげないと…!」サッ
美也 「う、うん…」
橘 (た、助かった…ノックしてくれた人には感謝しないとな…)ガチャ
七咲 「先輩、よかったら今日も私達と…どうしたんですか?」
橘 「いや、やっぱり今日のMVPは七咲だと思ってさ…」
七咲 「…?」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:19:31.70 ID:efxgJHWO0
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翌朝
橘 「ふぅ…いい目覚めだな」
美也 「おはようにぃに…今日帰るんだよね…」
橘 「ああ…楽しかったな」
美也 「色々あったね、海での着替えのとき、紗江ちゃんとりほちゃんのサイズを比べたり…」
橘 「えっ!?なんだそれ、聞いてないぞ!」
美也 「だって言う必要ないじゃん」
橘 (くそぅ…こんなことなら着替え終わった後、中の声が聞こえるところで待っていればよかった…)
美也 「それより、早く準備しようよ。飛行機の時間に間に合わせなきゃ」
橘 「ああ、そうだな…」
橘 (ちくしょう、この悔しさ、『ハワイ旅行の屈辱』とタイトルをつけて永遠に覚えておくぞ…)
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:25:47.73 ID:efxgJHWO0
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送迎バス内
中多 「はぁ…楽しかったなぁ…」
桜井 「そうだね~、いっぱいおいしい物食べれたからね~」
伊藤 「桜井、アンタ旅の思い出が食べ物だけってことはないよね…?」
七咲 「けど、あっという間でしたね…」
橘 「本当だな…思い出はたくさんあるのに、時間は早く過ぎるんだもんな…」
美也 「なんか帰りたくないな~…」
橘 「けど、やっぱり今は家に帰りたいな…」
美也 「うん…帰ったらゆっくりくつろいで、お母さんにお土産話聞かせてあげなきゃ…」
橘 「そうだな…」
…こうして、僕達の2泊3日のハワイ旅行は終わった。
ちなみに、美也は帰りの飛行機でビーフオアフィッシュと聞かれて喜んでいた。
初めての海外旅行、楽しいものになって本当によかった…。
アマガミSS『みゃーのおさんぽ 番外編・ここは南の島』 完
亀仙人「まだ終わりじゃないぞ、もうちょっとだけ続くんじゃ」
絢辻 「誰よあなた」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:32:14.99 ID:efxgJHWO0
おまけ・お土産の行く末
橘 「ほら、梅原」
梅原 「おおおっ!こいつはまさしく、夢にまで見た海外モノ…!恩に着るぜ、大将!」
橘 「向こうでチラッとだけ中を見たけど…凄いぞ」
梅原 「おお…凄いか…そいつぁ楽しみだぜ…」
棚町 「ホンット相変わらずね、アンタ達」
橘 「あ、薫、ちょうどよかった。はい、頼まれてたアロハシャツ」
棚町 「ああ、てんきゅ。…ねぇ純一、楽しかった?」
橘 「?まあ、そりゃ楽しかったよ」
棚町 「そう…それは良かった」
橘 「?」
梅原 (ああ…罪作りだねぇ大将)
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:39:54.59 ID:efxgJHWO0
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橘 「絢辻さん」
絢辻 「なぁに、橘君?」
橘 「はい、お土産」
絢辻 「えっ…別にいいって言ったのに」
橘 「いいからいいから。はい」
絢辻 「そう?じゃあ、遠慮なくもらおうかな。中身はなんなの?」
橘 「マーライオンだよ」
絢辻 「…へー」
橘 「売店でいいなと思ってさ。ハワイっぽくていいでしょ?」
絢辻 「ええ、そうね…」
絢辻 (この笑顔を見ると、どうやら知らずに買ったみたいね…マーライオンはハワイじゃなくて、
シンガポールのシンボルだってこと)
橘 「へへへ…」
絢辻 (…まぁ、本人に悪気はないみたいだし、今日は素直に受け取ってあげるか…それにしても、
こんなものを売ってる売店も売店なら、観光したのに気づかない橘君も橘君よ…やれやれね)
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:48:48.58 ID:efxgJHWO0
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橘 「森島先輩、塚原先輩」
森島 「あ、ヤッホー橘君。どうしたの?」
橘 「ハワイのお土産を買ってきたので、渡そうと思って」
森島 「お土産…?」
塚原 「ちょっとはるか、自分が頼んだことくらい覚えておきなさい」
森島 「え?ああ、ワンちゃんのポストカードのことね。買ってきてくれたの?」
橘 「はい。えっと…こっちです」
森島 「うわ~、かっわい~。この背景ってさとうきび畑よね?」
橘 「はい、ハワイっぽくていいんじゃないかって薦められて」
森島 「グー、ベリグーよ橘君。本当にありがとね」
橘 「それと、塚原先輩に頼まれたアロハシャツです。どうぞ」
塚原 「あら、ちゃんと買ってきてくれたのね。ありがとう。…へぇ、結構いいセンスしてるじゃない」
橘 「いえいえ、そんな…」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:55:54.70 ID:efxgJHWO0
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放課後 茶道部室
夕月 「で、わたし達の分は?」
橘 「え、ありませんけど…」
夕月 「ぬぁぬぃい!?ちょっとは気を利かせろよ!」
橘 「だって、先輩達の分は梨穂子が買ったと思って…」
夕月 「ああもらったよ…でも全部食い物だったんだよ!なんでだよ!1つは形で残るもの買ってこいよ!
だからアンタに一縷の望みをかけたってのに…期待はずれどころか買ってきてもないとか…」
飛羽 「これは、お仕置き物」
橘 「で、でも、僕は茶道部員じゃないし…」
飛羽 「問答無用」
夕月 「お世話になってる先輩にくらい、ちったぁ気ぃ利かせろぉぉぉ!」
橘 「イヤアアアアア!」
おまけ・1 おわり
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:04:47.66 ID:efxgJHWO0
おまけ・ハワイ旅行の屈辱
中多 「んしょ…っと」スル
美也 「うひゃー、あいかわらずおっきいねー、紗江ちゃんの胸」
中多 「そ、そんなこと…」
伊藤 「どれどれ…うわ、スゴ…桜井に匹敵するね、こりゃ」
美也 「ホント、年中無休でふかふかだね~」モミモミ
中多 「ひゃ、ちょ、美也ちゃ…あん…」
伊藤 「おお~…そうだ、桜井。アンタちょっとこっち来なさい」
桜井 「え、どうしたの?」
伊藤 「いいからいいから…それっ!」ガシッ
桜井 「ちょ、香苗ちゃん、どうして腰をホールドしてるの~?」
伊藤 「美也ちゃん、そのままこっち来て。あたし達の横」
美也 「あ、はい」
伊藤 「よーしオッケー…桜井、中多さん、そのまま動かないでね」
七咲 「一体なにやってるんですか…全く」
伊藤 「何って、乳比べに決まってるじゃない」
七咲 「乳比べって…」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:18:19.23 ID:efxgJHWO0
伊藤 「いいから、七咲さんもこっち来て。こんな大きい胸が二つあったら、そりゃ比べてみたくなるってもんでしょ」
七咲 「いえ、別に…」
伊藤 「も~、ノリ悪いなぁ。いいから、もっとこっち寄って」
七咲 「はぁ…」
桜井 「う~、恥ずかしいよぉ…」
伊藤 「はいはい、そのままそのまま…それっ!」モミュッ
中多・桜井「ひゃぁん!」
伊藤 「おお~…これはこれは…」モミモミ
美也 「い、伊藤先輩、どうですか!?」
伊藤 「どちらもいい揉み応えだけど、根本的に柔らかさの質が違う気がする…大きさは…甲乙つけ難い感じかな…」
美也 「せ、先輩、みゃーも揉んでみていいですか!?」
伊藤 「どうぞどうぞ」
桜井 「わたし達の意志はどこに…ひゃぅぅ!」
美也 「おお~…同時に違う人の胸を揉むって、なんか新感覚…」
七咲 「もう比べることなんてどうでもよくなってる…これじゃ先輩と同レベルじゃない…」
伊藤 「ぬっふっふ…隙ありっ!」フニュッ
七咲 「うひゃあ!?な、何を…」
伊藤 「運動部の胸ってどんな感じかなぁと思ってねぇ…おお、これは中々…」フニフニ
七咲 「ちょ、やめて下さ…ぅんっ…」
・
・
・
橘 「みんな遅いなぁ…」
おまけ・2 おわり
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:22:11.68 ID:efxgJHWO0
とうとう最後まで書ききった…思えば長かった…
このSSを書き溜めなしで書き始めた次の日、規制されて書き込めず、
それから約2ヶ月規制されっぱなし…ようやっとリベンジを果たせた…
ここまで読んでくれてありがとう。やっぱり絢辻さんは俺のマイハニーだね。
さて、次行こうかな…
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:24:55.79 ID:efxgJHWO0
それじゃ、次行かせてもらいます。
深夜に書いたものなのでぶっ壊れてるけど、気にせず楽しんでね。
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:26:59.18 ID:efxgJHWO0
昼休み
橘 「ンーパーカンッパッカ、いっしょーにゆこー…あれ、テラスの机の下にダンボールが…」
桜井 「あ、純一~」
橘 「あ、梨穂子」
桜井 「何それ?ダンボール?」
橘 「うん。テラスの机の下にあったんだ」
桜井 「え?なんで?」
橘 「僕に聞かれてもな…それにしても」
橘 (何故だ、このダンボールをかぶってみたい…別に、かぶるくらい変じゃないよな…)カポッ
桜井 (あ、このダンボールサバの箱だったんだ…おいしそ~…)タラ~
ピシャッ シュゴオオオオオオオオ
桜井 「ひゃあっ!何!?ダンボールが光ってる!?」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:48:53.49 ID:efxgJHWO0
橘 「………」
桜井 「び、びっくりしたぁ…大丈夫、純一?」
橘 「…………」
桜井 「…純一?」
橘 「……URYYYYYYY----ッ!」
桜井 「きゃあああああーーーッ!?」
美也 「あれ、りほちゃんの悲鳴?」
七咲 「どうしたの美也ちゃん?」
美也 「りほちゃんが悲鳴をあげてるってことは…またお兄ちゃんがなんかやらかしたのかも」
七咲 「先輩が?全く、あの人は…」
美也 「向こうから聞こえた…行ってみよう、逢ちゃん」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:53:05.14 ID:efxgJHWO0
美也 「りほちゃん、大丈b…な…」
七咲 「どうしたの美也ちゃ…ッ!?」
…それはまさに地獄の1ページと呼ぶべき状態だった…
セーター、靴下、リボンを脱がされた桜井が、顔をよだれ塗れにしながら椅子に突っ伏していた…
そしてその前には、サバのダンボールをかぶった男が、堂々と仁王立ちしていた…
桜井 「じゅ、純一…いきなり何するのぉ…」
橘 「…り…梨穂子 梨穂子!ぼくはこんなにッ!こんなにすばらしい力を手に入れたぞ!ダンボールからッ!!
お前のよだれからッ!!」
男子A「なっ なんてことだ」
男子B「おれにはわからねえ……今…なにが起こっているのかさっぱりわからねえ…」
美也 「何してるのにぃに!幼馴染だからってやっていいこととダメなことがあるでしょ!」
橘 「美也…それに七咲か…見ろ!今の僕にはッ!この程度赤子の手をひねるより簡単なことよッ!」
七咲 「バカなこと言ってないで落ち着いてください!いくらなんでもやりすぎです!!」
橘 「七咲ィィィ!もう少し……もう少しこのすばらしい力を楽しませてもらうぞォ!
…自分でも…どこまで…できるか…まだわからないからなァ…」ヒュッ!
七咲 「あっ、校舎の方へ!」
美也 「追いかけなきゃ!待っててりほちゃん、後でにぃににしっかり謝らせるからね!」
桜井 「…ま…待って美也ちゃん…あのダンボールには…まだ解いていない謎が…」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:57:02.52 ID:efxgJHWO0
中多 「どうしたんだろう…テラスの方が騒がしいけど…」
シュタッ!
中多 「ひゃ!せ、先輩……?どうしてダンボールなんか…」
橘 「UUURRRRYYY!!」
中多 「ひゃあああああ!?」
七咲 「あ、いたっ!」
美也 「さ、紗江ちゃんが!?」
橘が狙ったもの!意外!それは太ももッ!
橘は叫び声をあげると同時にッ!その上半身を一瞬で下げッ!中多の太ももの間へとその手と顔を突っ込んだッ!
橘 「レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ」
中多 「う、うひゃぁぁぁぁ!?」
七咲 「さ、最低……ッ!」
橘 「…ふぅ」
中多 「ひぇ、ひぇんぱい…いきなり、こんなぁ…」ヘナヘナ
美也 「ちょっとにぃに!どう言い訳するつもり!?人の友達に手出して!」
橘 「まだだ…まだ足りないッ!」ヒュッ!
美也 「あ、また逃げた!待てー!」
桜井 「待って、美也ちゃん!」
美也 「りほちゃん!?大丈夫なの?」
桜井 「う、うん…それより…」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:01:06.49 ID:efxgJHWO0
美也 「じゃあ、にぃにがおかしくなったのは、あのダンボールのせい?」
桜井 「うん…かぶっただけなら大丈夫だったんだけど、わたしがサバ美味しそうだな~って思ってよだれをダンボールに
垂らしたら、突然ダンボールが光って、純一がおかしくなっちゃったの」
美也 「じゃあ、あれはにぃにが自然におかしくなったわけじゃないんだ…ていうかりほちゃん、ダンボールのサバで
食欲が刺激されるってどうなの…」
桜井 「う…と、とにかく!あのダンボールをどうにかすれば、純一は元に戻るはずだよ!」
美也 「わかった、狙いはダンボールだねっ!」
七咲 「あの、それはいいけど、肝心の先輩を見失ったんじゃ、ダンボールを取る以前の問題だと思うんだけど…」
美也 「あ…」
桜井 「ご、ごめ~ん!わたしが引きとめたから…」
七咲 「いいから、早く探しましょう!こうしているうちに、また犠牲者が…!」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:05:52.84 ID:efxgJHWO0
棚町 「あ~…純一がいないと、いじり相手がいなくて暇ねぇ」
シュタッ!
棚町 「うおっ、純一!?どっから来たのよ…っていうか、何そのダンボール…プッ」
橘 「……モジャモジャ……」
棚町 「は?ちょっとアンタ、何いきなり失礼なこと言ってんのよ」
橘 「……憎いよおおおぉぉぉぉ!!!」
棚町 「ひぃっ!?」
橘 「モジャモジャ頭が憎いよおおおおぉぉぉぉ!」
キャァァァァァ…
七咲 「悲鳴!?」
美也 「あっちだ!行こう!」
美也 「大丈夫ですか!?」
七咲 「見たところ、2年生みたいだけど…こんな人見たこと無い…」
棚町 「う、うぅぅ…」サラッサラ
桜井 「わたしも、こんな人見たことない…」
棚町 「あなたはあたしのこと知ってるでしょ…あたし、棚町よ」
桜井 「え…うぇぇっ!?でも、棚町さんってパーマだったんじゃ…」
棚町 「さっきまではね…けどあのバカがいきなりあたしの頭をいじって、どうやったか知らないけどストレートヘアに仕立て上げたのよ」
七咲 「すごい…こんなきれいな髪、初めて…」
棚町 「そりゃ、嬉しくないわけじゃないわよ…けどアイツ、雰囲気が人間じゃなかったわ」
七咲 「それで、先輩はどっちに行きました?」
棚町 「向こうよ…2年の教室の方ね」
美也 「教室!?そんなとこにいったら、たくさんの犠牲者が…!」
桜井 「急がないと!」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:09:48.64 ID:efxgJHWO0
伊藤 「おっそいなぁ、桜井…パン買ってくるだけって言ってたのに…」
橘 「……」
伊藤 「あ、橘君。って何、そのダンボール?ま、いいや、桜井知ら…」
ペロッ
伊藤 「ひゃあぁぁ!?い、いきなり何すんの!?」
橘 「この味は…背中が美味しそうな味だぜッ!」
伊藤 「なんなのよさっきから、わけのわからな…」
それはまさに一瞬!伊藤が台詞を言い切る前に橘は一瞬で伊藤の背後に回りこみッ!
ダンボールででかくなっているはずの頭をッ!背中と服の間に押し込んだッ!
橘 「ンまい!ンめぇーじゃあねえかッ!いけるぜッグーーー」ズビズバー
伊藤 「ひ…やああああぁぁっ!?」
橘 「…こんなところか」
田中 「あ、あぁぁ…」
橘 「ム!」
田中 「あ…み、見逃して…」
橘 「……」
田中 「い、いやあ…」
橘 「…ま、いっか、田中さんは」ヒュッ!
田中 「へ?た、助かった…?でもなんか複雑な気分…」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:13:02.39 ID:efxgJHWO0
絢辻 (騒がしいわね…どいつもこいつも静かにできないのかしら、全く)
シュタッ!
絢辻 「きゃ!?た、橘君?何よその格好…」
橘 「!あ、絢辻さん…」
絢辻 「もしかして、この騒がしさの原因はあなた?いつもいつもいい加減にしてよ」
橘 (ど、どうする…絢辻さんを相手にするのか…?)
絢辻 「どうしたの?言い訳をする気もないの?」
橘 (あ…絢辻さんを舐めまわせなかったときのことを考えるんだ 今絢辻さんを舐めまわせなかったら絶対後悔する…一生後悔する!!
絢辻さんを舐めまわすのは この僕だ!)
橘 「絢辻さん!あしたっていまさッ!」
絢辻 「何わけの分からないことを…ひぃやぁぁぁ!?」
美也 「あ、いた!にぃに!」
橘 「おっと、まずいな」シュッ!
七咲 「また逃げられた…!」
桜井 「絢辻さん、大丈夫?」
絢辻 「大丈夫なわけないわよ…一体なんなのあれ…?」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:16:58.74 ID:efxgJHWO0
橘 (あの絢辻さんを舐めまわせるなんて…最高にハイって奴だ!さて、そろそろ〆にしようか…)
森島 「あら、橘君。ダンボールなんかかぶってどうしたの?」
橘 「!先輩…!でェケケケーーッ!肌ァアアア吸ったらいいだろォなァ!!」ガバッ
森島 「え…?」
ゴン!
橘 「なァんだァア~?食事じゃまァ~すんなょなァ~」
ゴオォン バガッ
橘 「ぐえッ」
森島 「ひびきちゃん!」
塚原 「全く…おいたが過ぎるんじゃないの?橘君」
森島 「だ、大丈夫なの…?」
塚原 「大丈夫よ、ある程度手加減はしたから」
橘 「は……」
塚原 「!?危険よはるか、下がって…」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:20:18.04 ID:efxgJHWO0
ガサガサガサッ!!!
橘 「はッ はッ はッ 這って動く…水着!!」
塚原 「きゃ、きゃああああ!?気持ち悪いっ!」
森島 「橘君、なんだかあの虫みたい…!」
橘 「はッ はッ はッ はッ」ガサガサガサ
塚原 「こ、来ないでえええ!」
橘 「はッ!はッ!はッ!はッ!」ガサガサガサガサッ!!!
森島 「い、行っちゃった…なんだったの…?」
七咲 「森島先輩!」
森島 「あ、逢ちゃん!」
七咲 「橘先輩がどこに行ったか、分かりませんか?」
森島 「橘君?あの子なら、ひびきを這って追いかけて向こうにいっちゃったわよ」
七咲 「ありがとうございます、それじゃ!」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:24:09.54 ID:efxgJHWO0
塚原 「はっ、はっ、はっ…い、行き止まり…!」
橘 「ハーッ…ハーッ…追いかけっこは終わりですよ…邪魔した分、僕のデザートになってもらいます」
塚原 「だ、誰か…」
七咲 「待ちなさい!」
橘 「!?」
塚原 「七咲!」
七咲 「塚原先輩より、いつも親しんでいるこっちのほうがいいんじゃないですか!?」ガバッ!
塚原 「ちょっと七咲、あなた何を…!」
七咲 「今なら好きなだけポケットに手を突っ込んでもいいですよ!さあ!どうします!?」
橘 「う…ぼ…僕ゥゥゥの七咲ィィィん!」ガバァッ
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:28:08.73 ID:efxgJHWO0
七咲 「…今です!!」
桜井 「えええぇーーーい!!」ガバッ
橘 「MMMMMMOOOHHHH!!」
美也 「や、やったッ!」
七咲 「桜井先輩、早くダンボールを!」
桜井 「うん!…あ、あれ?取れない!?」
七咲 「そんな!?」
橘 「ククク…かかったな!お前たちは将棋で言うところの『詰み』の状態になったのだッ!
二人揃って僕の「生命」としよう これまでの女子のようになァアア」
美也 「そ、そんな…このままじゃ二人が…」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:32:58.76 ID:efxgJHWO0
梅原 「ったく、ついてないぜ…ベルトが壊れちまうたぁよぉ…」
美也 「…!!!」
その時!美也の頭に突然の閃きが起こったッ!
これまで純一はずっと『女子』を対象に襲っていた…自らの『糧』とするため!
ならば!『男子』ならッ!逆の効果を純一に与えられるのではないか!?
美也 「ウメちゃん、ごめん!」
梅原 「ん、美也ちゃん?」
美也 「にぃに、こっち見てぇぇぇぇ!」
橘 「?」
ズルッ
梅原 「へ…」
七咲 「」
桜井 「」
橘 「……SYYYYAAAAHHH!!」シャゴーーー
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:36:33.47 ID:efxgJHWO0
美也 「や、やった…?」
橘 「み、美也ぁ…よくも!このぼくに向かって…」
美也 「そんな、まだダメなの…?」
橘 「たとえ妹でも、橘純一容赦せん!」
美也 「だ、だったら…ええええぇぇい!」ドン
梅原 「ちょ、美也ちゃ、やめてええええ!」
グニィィ…
橘 「GYAAAAAA!!」ポロッ
美也 「と、取れた…やった…」
梅原 「俺が何したってんだよぉ…」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:00:35.70 ID:efxgJHWO0
はいさるったー
橘 「あ、あれ?僕、テラスにいたはずじゃ…」
桜井 「よかったぁ…元にもどったぁ…」
七咲 「全く、本当に人騒がせな先輩です…」
橘 「えっと…僕、なんかやらかしちゃった?」
高橋 「ええ、とんでもない大騒動をね」
橘 「あ、高橋先生…」
高橋 「橘君、あなたが今回やったこと、見逃すわけにはいかないわ。あなたには、しばらく自宅謹慎してもらいます」
橘 「え、えええっ!?ぼ、僕、いくらなんでもそこまでのことをした覚えは…」
高橋 「そんなバレバレの嘘をついてもだめよ。ダンボールで顔を隠したつもりかもしれないけど、思いっきり正体みんなにばれてたわよ」
橘 「僕は本当に…」
高橋 「何を言っても無駄よ。しっかり反省しなさい」
――こうして、僕は身に覚えの無い罪で自宅謹慎させられることになった。
それ以来、僕は二度と落ちてるダンボールをかぶらないことを誓ったのだった――。
アマガミSS『ジュンイチの奇妙な冒険 不死の変態の巻』 完
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:09:16.01 ID:efxgJHWO0
いやー、相変わらずひどいひどい
あ、田中さんをいじらなかったのは、それがベストだと思ったのと、ネタが浮かばなかったからです
次に行く前にいくつか注意。
次のSSはアニメ七咲編1話視聴前だったので、ひとつ矛盾が生まれてます。できれば触れずに
あたたかーい目で読んでください。
あと、原作プレイ済みの人は絢辻・棚町スキ前提で読んでくれるとより分かりやすいと思う。
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:11:29.05 ID:efxgJHWO0
美也 「ねーにぃに、散歩行こうよ」
橘 「えー…一人で行って来いよ。僕は一日中家でゴロゴロしてるよ」
美也 「だって一人で散歩したってつまらないよ。ねぇ~、行こうよにぃに~」ユサユサ
橘 「ああもう、分かったよ。ちょっとだけだからな」
美也 「やった~!どこに行こうかな~、にししし♪」
橘 「やれやれ…困った妹だな」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:14:16.31 ID:efxgJHWO0
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・
美也 「こーやって町をぶらぶらしてるだけでも楽しいね~」
橘 「そうかな…ふわぁぁぁ…」
美也 「もーにぃにったら、さっきからアクビばっか…あれ?あれって逢ちゃんかな?」
橘 「ん?ああ、そうみたいだな。多分自主練で長距離走をやってるんじゃないか?」
美也 「そっか~…。お~~い、逢ちゃ…」
橘 「やめておけよ。せっかく頑張ってるのに、邪魔しちゃ悪いだろ」
美也 「う~ん…それもそうだね。んじゃ行こっかにぃに」
橘 「そうだな」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:18:47.51 ID:efxgJHWO0
・
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美也 「あ、ファミレスだ。そういえばみゃー、おなか減ってきちゃった」
橘 「そうだな…僕も小腹がすいたし、からかいついでに行くか」
美也 「へ?からかう…?」
・
・
・
棚町 「いらっしゃい……」
橘 「よ」
棚町 「……いらっしゃいませ~。お二人様、カップルでのご案内でございますね~」
橘 「ははっ、冷やかすなよ。照れるじゃないか」
棚町 「うわっ、まさかマジでシスコン?正直引くわ…」
橘 「お、お前が先にふってきたんじゃないか!」
美也 (誰だろう…にぃにの知り合いかな)
棚町 「まぁいいや、ちょうど良かった」
橘 「?何が?」
棚町 「…只今満席となってますので、相席でもよろしいでしょうか~?」
橘 「満席って、見ての通りこの時間に満席なわけが…」
棚町 「はい、よろしいっと。それじゃご案内させていただきま~す」
橘 「ちょ、何を勝手なこと…」
棚町 「いいから早く来てよ。あたしじゃどうにもならない事態なんだから」
橘 「どうにもならない事態って…」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:22:20.59 ID:efxgJHWO0
・
・
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棚町 「お客様、申し訳ございませんがべつのお客様と相席となってもよろしいでしょうか?」
絢辻 「はぁ?こんなにガラガラなのに、どうして相席なんてしなきゃ…あ!」
橘 「あ、絢辻さん!」
絢辻 「ちょっと棚町さん、これってどういう…」
棚町 「相席、よろしいでしょうか、よろしくないでしょうか?」
絢辻 「…分かったわよ。あたしは別に構わないわ」
棚町 「どうも申し訳ございませ~ん」
橘 「ちょ、ちょっと待てよ薫!」グイッ
棚町 「きゃ、何すんのよ」
橘 (何すんのよじゃないだろ!一体どういうことなんだ!)ボソボソ
棚町 (どういうことも何も、見ての通りよ。さっきいきなり絢辻さんが来て、対応に困ってたのよ)ボソボソ
橘 (困ったって、お前仮にも店員だろ!)ボソボソ
棚町 (しょうがないじゃない!あたしと絢辻さんが相性悪いのあんただって知ってるでしょ!
あんた苦手な相手を自分の店の席に案内しなきゃいけないあたしの気持ち考えたことある!?)ボソボソ
橘 (そんなシチュエーションたった今初めて遭遇したよ!)ボソボソ
美也 「にぃに、どうしたの?そんな隅っこにいないで早く座ろうよ~」
橘 「ああっ、美也、お前何絢辻さんと同じ席に座ってるんだっ!」
棚町 「美也ちゃん、ナイス!そんじゃごゆっくり~!」
橘 「ああっ、待て薫!」
絢辻 「どうしたの橘君?早く座ったら?」
橘 「う…そ、それじゃあ失礼します…」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:25:30.04 ID:efxgJHWO0
そうだ、今何人いる?
一応確認したい
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:29:07.28 ID:efxgJHWO0
4,5人はいるか…じゃあ問題ないな
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・
橘 「それにしても、絢辻さんがファミレスに来るなんて意外だな」
絢辻 「あたしだって本当は家で勉強する気だったわよ。けど家に五月蝿いのがいるから、集中できなかったのよ」
橘 (五月蝿いのって…まあ、大体想像はつくけど)
絢辻 「それで一人で集中できそうなこの時間帯のファミレスに来たら、棚町さんが働いてるじゃない。
別の店にしようかとも思ったけど、後ろめたいこともないのに他人のためによさそうな場所を諦めるなんて、
癪じゃないの。だから今までここで一人で勉強してたのに…」
橘 「…邪魔してゴメン」
絢辻 「あなたが謝る事はないわ。悪いのは全部棚町さんだもの」
橘 「ははは……それより、美也もいるのにそっちの絢辻さんでいいの?」
絢辻 「ああ…そうだったわね。まあ今更って感じもするけど」
美也 「…にぃに、この怖そうな人誰?」
橘 「ああそっか、美也は絢辻さんとも薫とも面識ないからな。この人は絢辻詞さん…」
● 僕のクラスのクラス委員なんだ
● 僕の恋人さ
● 僕のご主人様だよ
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:32:25.09 ID:efxgJHWO0
● 僕の恋人さ
橘 「僕の恋人さ」
美也 「え……」
絢辻 「な……な、何馬鹿なこと言ってるのよ!そんなわけないじゃない!!」
美也 「そ、そうだったんだ……だ、駄目な兄ですが、どうぞよろしくお願いします…」
絢辻 「ち、違うわよ!ちょっと、橘君も何か言ってよ!」
橘 「ははっ、ゴメンゴメン。美也、今のはウソだ。ホントはただのクラスメイトだよ」
美也 「へ…なぁんだ。そりゃそうだよね。こんな美人さんがにぃにの事好きになるわけないよねぇ~」
橘 「こ、コイツ…」
絢辻 (…言ってくれれば、別にそうなってもいいけど…)ボソッ
橘 「へ?何か言った?」
絢辻 「ううん、何にも」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:35:28.50 ID:efxgJHWO0
美也 「それで、さっきのもじゃもじゃの人は誰なの?」
橘 「もじゃもじゃって…まあ、そりゃ間違ってはいないけど…」
絢辻 「……プッ」
橘 「絢辻さん、笑っちゃ駄目だよ」
絢辻 「だ、だって…よく知らない相手にまでもじゃもじゃって…ふっ、ふふふふっ…」プルプル
橘 「…まぁ、それは置いといて。あいつは棚町薫、中学の時からの付き合いなんだ」
美也 「えっ…そうだったの?全然知らなかった…」
橘 「うーん…そういえば、なんで今まで薫と美也が知り合う機会がなかったんだろう」
絢辻 「家族の交友関係なんて、意外と知らないものよ。あたしだって、あの姉が誰とどういう付き合いをしてるかなんて、
ほとんど知らないもの」
橘 (絢辻さんの場合、かなり特殊な家族関係だからってのもあると思うけど…)
絢辻 「それより、話はもういいのよね?あたし、勉強に戻りたいんだけれど」
橘 「ああ、ゴメン。それじゃ、僕たちは注文を取ろうか」
美也 「そだね。何にしようかなぁ…」
橘 「僕は…オムライスにしようかな」
美也 「あ、じゃあみゃーもオムライスにしよーっと」
橘 「絢辻さんは注文しないの?」
絢辻 「あたしはコーヒーだけでいいわ。それ程食欲があるわけでもないから」
橘 「そっか。じゃあ店員さんを呼ぶか」ピンポーン
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:39:38.01 ID:efxgJHWO0
棚町 「はーい。ご注文承りまーす」
橘 「オムライス二つで」
棚町 「オムライス二つですね?かしこまりましたー。そちらのお客様のご注文は?」
絢辻 「…コーヒーお替わり」
棚町 「あれ、それだけですか?せっかく相席の方がお食事を注文なさったのに」
橘 (ば、バカ、何挑発するような事…!)
絢辻 「…余計な事を言ってる暇があったら、さっさと注文を取りに戻ったらどうですか?」
棚町 「あら、これは失礼しました。それではこちらのお客様方はオムライス二つ、
こちらの寂しいお客様はコーヒーたった一杯のお替わりでよろしいですか?」
橘 「は、はい、大丈夫です…」
絢辻 「…それでいいです」
棚町 「かしこまりましたー。少々お待ちくださーい」
橘 「…ふぅ(か、薫のやつ、なんであんな事…)」
…カチカチカチカチカチカチカチカチ…
橘 「…あ、絢辻さん?」
絢辻 「……なによ」
橘 「い、いや、なんでボールペンを何度もノックしてるのかなって…」
絢辻 「……何か文句あるの?」
橘 「い、いえ、ありません…」
絢辻 「………」カチカチカチカチ…
美也 (に、にぃに…なんか怖いよ…)ボソボソ
橘 (ぼ、僕だってどうすればいいか分からないよ…)ボソボソ
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:44:45.52 ID:efxgJHWO0
橘 「…そ、そうだ!絢辻さん、美也に勉強教えてやってくれないかな?」
美也 「え、えええっ?」
絢辻 「…あたしが?」
橘 「う、うん。美也と絢辻さんの親交を深めるためにも、ね?」
絢辻 「…まあ、別にいいけど。それじゃあ美也ちゃん、隣に座ってもいい?」
美也 「は、はい…どうぞ」
絢辻 「ありがとう。それじゃあ、どこを教えて欲しい?」
美也 「そ、それじゃあ、数学の…」
橘 (頑張れ美也…この場を和ませられるのはお前しかいない…!)
・
・
・
絢辻 「……そうしたら、この部分が因数分解できるでしょう?後はこの数をこのaに当てはめれば…」
美也 「あ、ホントだ、答えが出た!すごぉい…絢辻先輩って凄く頭いいんですねぇ…」
絢辻 「ふふっ、ありがとう美也ちゃん。それじゃあ、今の要領でこの問題をやってみて?」
美也 「は、はい…やってみます…!」
絢辻 「そんなに気合を入れなくてもいいわよ。気楽に取り組んでみて?」
橘 (良かった…絢辻さんも落ち着いたし、二人の仲もいい感じだし、上手くいってるみたいだ…)
棚町 「お待たせしましたー。オムライス二つと、コーヒーのお替わりになりまーす」
橘 「あ、はーい。美也、オムライスが来たぞ」
美也 「うわぁ、おいしそー…!」
絢辻 「ふふ、食欲旺盛ね。それじゃあ、取り掛かるのは食後にしましょうか」
棚町 「あら、随分仲良くされていらっしゃるんですね?」
絢辻 「ええ、3年付き合いがあったのに全く面識のなかったあなたとは違って、家族とも仲良くできそうですね」
棚町 「あらあら、別に家族と仲良くなったからって、本人と上手くいくってわけではないと思いますけど?」
橘 (…あ、あれ?なんだかまた空気が…)
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:47:23.64 ID:efxgJHWO0
絢辻 「自分にできなかったことをやっているのを妬むなんて、情けないですね」
棚町 「別に、本人との関係を大事にしただけですから」
絢辻 「あらお上手。けど結果からなら何とでも言えますからね?」
棚町 「どういう付き合いをしてたかも知らないでそんな風に言えるなんて、余程いいお付き合いをしてるんですね?」
絢辻 「ええ。少なくとも3年間ほとんど関係に変化のなかったあなたよりは」
棚町 「変える必要も無かったほどいい関係だった、ってことですよ」
絢辻 「でしたら、ずっとそのままでいらっしゃったら?その間に私がいただきますから」
棚町 「冗談がお好きですのね。あなたにかっさらわれるほど、あたしも間抜けではなくってよ?」
絢辻 「あらあら、本当かしら?」
棚町 「意外と抜けていらっしゃるのね。目の前の相手の力量も測り違えるなんて」
絢辻 「あらもう、本当にお上手なんですから」
棚町 「いえいえ、それ程でも。おほほほほほほ」
絢辻 「うふふふふふふ」
橘 (い、一体何が起こっているんだ…)
美也 「…にぃに、なんだかまた怖くなってきた…」
橘 「だ、大丈夫だよ、ほら、二人とも笑ってるじゃないか…」
美也 「その笑い声が怖いよ…」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:51:43.64 ID:efxgJHWO0
棚町 「それでは、ごゆっくりどうぞー♪」
絢辻 「ええ、そうさせてもらうわ」
橘 「さ、さあ美也、オムライス食べるか!」
美也 「う、うん!いただきまー…」
ベキッ!
橘 「…え?な、何の音…」
絢辻 「…………」
橘 (あ、絢辻さんのシャーペンが…!)
絢辻 「…調子に乗って…必ず後悔させてやるわ、あの女…!」
橘 「あ、絢辻さん、落ち着いて…」
棚町 「あーーーっ、何よあの女!腹立つわね!」
橘 (み、店の奥から薫の声が…)
絢辻 「……どうしたの橘君?食べないの?」
橘 「あ、え、いや、食べるよ…い、いただきます…」
橘 (ど、どうしよう、また空気が…)
美也 「…にぃに…」
橘 「だ、大丈夫だよ、多分…」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:55:22.86 ID:efxgJHWO0
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橘 「ご、ご馳走様…」
美也 「…ご馳走様…」
橘 (うう、なんだか落ち着いて食べられなかった…)
絢辻 「それじゃあ、さっきの続きをしましょうか。美也ちゃん、やってみて」
美也 「あ、はい…」
橘 (こ、これで空気が戻るといいけど…)
棚町 「食器をお下げしまーす♪」
橘 「はい、どうも…」
棚町 「そちらのお客様も、コーヒーカップをお下げしてもよろしいですか?」
絢辻 「いいえ、もう一杯コーヒーのお替わりをもらおうかしら」
棚町 「あら、まだコーヒーだけで居座る気なんですか?」
絢辻 「ええ。あなたと彼を一緒に残してなんて帰れませんから」
橘 (や、やっぱりこうなるのか…)
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:59:33.67 ID:efxgJHWO0
棚町 「そんなこと気にしないで、とっととお帰りになったらよろしいのに」
絢辻 「そうですね…あなたがお仕事を終えたら、そうしてもいいかしらね?」
橘 「そ、それじゃあオムライスも食べたし、僕たちはこれで…」
絢辻・棚町「ダメよ」
橘 「えっ、で、でも…」
絢辻 「だって、まだ美也ちゃんに勉強を教えてる途中だもの。ねえ美也ちゃん?」
美也 「え、えっと、その…」
絢辻 「まだ私に勉強教えてもらいたいわよね?そうでしょう?」
美也 「は、はい、教えてもらいたいです…」
橘 「み、美也…」
棚町 「そういうことだから、もうちょっとゆっくりしていきなさいよ。ね?」
橘 「…でも、僕たち散歩の途中で寄っただけで…」
絢辻 「橘君。もしあなたが帰るなら、私そこの水の入ったコップの中身を、今すぐ空にするわ」
棚町 「あたしも、多分コーヒーのお替わりを持ってきて、ポットの中身を空にしちゃうと思う」
橘 「そ、そうしたら、多分僕、熱膨張で割れちゃうね…」
絢辻・棚町「くだらないこと言ってないで早く座りなさい」
橘 「…はい…ゴメンナサイ」
美也 「にぃに、ごめんね…」
橘 「…しょうがないよ、お前のせいじゃないさ…」
棚町 「それでは、ご注文はコーヒーのお替わりだけでよろしいですか?」
橘 「…ドリンクバー二つ…お願いします…」
棚町 「かしこまりましたー♪ドリンクバー二つですね♪」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:04:01.44 ID:efxgJHWO0
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棚町 「それではこちらのお客様のお会計が300円、そちらのお客様方は1100円になりまーす」
橘 (うう、店に入ったときはまだ昼前だったのに、もう外は真っ暗だ…)
絢辻 「ご馳走様。とても美味しいコーヒーを飲ませてもらったわ」
棚町 「お褒めいただきありがとうございます。コーヒーがお好きなのでしたら、
もっといいお店をご紹介しましょうか?」
絢辻 「ご丁寧にありがとうございます。でも生憎、いい店ならいくらでも知ってますから」
棚町 「そうでしたか。余計な気遣いでしたね。では、またのご来店をお待ちしております」
絢辻 「ええ。けどしばらくは来ることはないと思うわ。あなたが余計な手出しをしようとしない限りは」
棚町 「あら、ホントにお上手なんですから。おほほほほほほほ」
絢辻 「うふふふふふふふ」
美也 「にぃに、みゃーも大きくなったらこうなっちゃうの…?」
橘 「大丈夫、お前は心の優しい子だから…だから、頼むからこんな風にならないでくれよ…」
棚町 「それでは、店外までお見送りします」
絢辻 「あら、何から何まで丁寧にありがとう」
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:08:42.45 ID:efxgJHWO0
ガーッ ピシャッ
棚町 「二度と来るんじゃないわよ、この優等生気取りの腹黒女!!」
絢辻 「言われなくてもあなたがいる限り二度と来るもんですか、このわかめ頭!!」
棚町 「なっ…」
橘 「ひ、ひいいいっ…!」
美也 「に、にぃにぃ……!」
絢辻 「ふん…ほら、一緒に帰るわよ、橘君」
棚町 「…ちょっと待ちなさいよ。どうしてあんたと純一が一緒に帰るのよ」
絢辻 「あら、知らなかった?私と橘くん、途中まで帰り道一緒なの」
棚町 「ぐっ…だったらあたしだって途中まで一緒に帰るわよ。ちょっとまってなさい、すぐ着替えてくるから」
橘 「で、でも、僕たち早く帰りたいんだけど…」
棚町 「いいから待ってなさい。分かった?」
橘 「はい……(こ、この空気がまだ続くのか…)」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:12:42.26 ID:efxgJHWO0
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棚町 「お待たせ。それじゃ帰りましょうか」
橘 「う、うん」
絢辻 「そうね。橘君、はい」
橘 「え?」
絢辻 「こうやって手を差し出されたら、することは一つでしょ?ほら、早く」
橘 「あ、ゴメン。はい」ギュッ
絢辻 「よろしい」
棚町 「む…はい、純一。絢辻さんと繋いだんなら、あたしとだっていいわよね?」
橘 「あ、わかった…」ギュッ
棚町 「…うん。てんきゅね」
橘 (両手に花…と、普段なら喜べるかもしれないけど、今のこの二人に挟まれるのは生きた心地がしないぞ…)
美也 (にぃに…死なないで…)
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:15:52.39 ID:efxgJHWO0
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棚町 「それじゃ、あたしはここで。じゃあね」
橘 「ああ。またな、薫」
棚町 「…妙なことしないでしょうね?」
絢辻 「心配しなくても、品位の無い行為をする気はさらさらないわ」
棚町 「そう、ならいいわ。それじゃ、また明日」
絢辻 「ええ、また明日」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:19:56.90 ID:efxgJHWO0
絢辻 「…ふう。全く、今日は疲れたわ」
橘 「こっちの台詞だよ…」
絢辻 「ごめんなさいね。醜い争いに巻き込んじゃって」
橘 「あ、自覚はあったんだ」
絢辻 「そりゃそうよ。あれだけ派手にやって自覚もないなんて、たちが悪すぎるわよ」
橘 「ははは…絢辻さんは年中無休でたちが悪いと思うけどね」
絢辻 「随分生意気なこと言うじゃない。まあ、妹さんの前だから勘弁してあげるわ」
橘 「どうも…」
絢辻 「…多分、帰ったらあたしも棚町さんも自己嫌悪で落ち込むでしょうね…」
橘 「そうなるのが分かってるなら、やめておけばよかったのに」
絢辻 「…あのね、橘君。あなたには分からないでしょうけど、今のあたしと棚町さんには、お互いに
絶対に引けない『意地』ってものがあるのよ」
橘 「うーん…よく分からないや」
絢辻 「そうでしょうね。むしろ分かってもらっちゃ困るわ」
橘 「?それって…」
絢辻 「…ここでお別れね。それじゃ橘君、また明日」
橘 「え?ああ、うん。また明日…」
絢辻 「美也ちゃんも。また今度、勉強教えてあげるからね」
美也 「は、はい、できれば覚悟ができたときにお願いします…」
絢辻 「ふふっ、別に普段からああじゃないから大丈夫よ。今日は怖がらせてごめんね。
それじゃあ、またね」
美也 「はい、さよなら…」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:23:50.70 ID:efxgJHWO0
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橘 「ふぅ…今日は疲れたな…」
美也 「ごめんねにぃに、みゃーがお散歩行こうなんて言わなかったら、こんなことには…」
橘 「いいんだよ、しょうがなかったんだ。さ、早く家に帰ってゆっくり休もう」
美也 「うん…」
???「あれ~?純一に美也ちゃん?どしたの?」
橘 「あ…り、梨穂子!」
美也 「りほちゃん!りほちゃんこそこんな時間にお出かけ?」
桜井 「違うよ~。今日は一日中家でクッキー焼いてたから、ちょっと気分転換に軽くお散歩しようと思って」
橘 「ああ、お前は一日平和だったんだな…」
美也 「…ねぇにぃに、なんだかみゃー、大きくなったらりほちゃんみたいになりたくなってきちゃった…」
橘 「ああ…体以外なら、きっとなれるさ。がんばれよ…」
美也 「…なんか今失礼なこと言われたような気がするけど、怒る元気もないや…うん、みゃーがんばるよ…」
桜井 「うーん…なんか二人とも元気ないね。あ、そーだ。一日中クッキー焼いてたら、ちょっと量が多く
なっちゃったんだ。二人とも、今からうちに食べに来ない?」
橘・美也「……女神様……!」
桜井 「えへへ~、褒めすぎだよ~」
アマガミSS『みゃーのおさんぽ にぃにといっしょに地獄編』 完
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:31:45.29 ID:efxgJHWO0
いやー、意外と叩かれないもんだな…ケチつけられるかと思ったのに。
あの修羅場シーン、初見のときは「どうなっちゃうんだろう…」とドキドキして見てたな。
やっぱり絢辻さんはどんなときもかわいいなぁ…
>>190 持ってなかったのでありがたくいただいた ありがとう
さて、次はさっき書きあがったばっかのやつだけど、ちょっとしたパロディみたいなものなので
「パロディとかふざけんな」とか「絶対こここうじゃねえだろ」とか感じるかもしれないので注意して読んでね。
194 名前:あ、梨穂子エンド後ね[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:37:48.29 ID:efxgJHWO0
夏休み
橘 「…暇だなあ…けど、一人で外に出てもやることないしなあ………特に約束してないけど、
梨穂子でも誘ってどっか出かけるか」
・
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ピンポーン
桜井 「は~い。あ、純一。どうしたの?」
橘 「なあ、今日何か予定あるか?ないなら、ちょっと散歩に行かないか?」
桜井 「うん、いいよ~。ちょうど退屈してたとこなんだ~」
橘 「実は僕もなんだ。ははっ、ナイスタイミングだったな」
桜井 「そだね~。やっぱり、恋人同士のテレパシーみたいなものでもあるのかな?」
橘 「そうかもな。ま、いいから早く支度しろよ。寝癖ついたままだぞ?」
桜井 「へ?あ、ほんとだ~。えへへ、ちょっと恥ずかしいね。まってて、すぐに準備するから~」
橘 「ああ。全く、相変わらずあわてんぼうだな…」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:41:13.88 ID:efxgJHWO0
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桜井 「相変わらずあっついね~」
橘 「そうだな…梨穂子はこの時期ホントに辛そうだもんな」
桜井 「そうなんですよ~。もう体のあっちこっちが汗だらけで、ちょっと出かけて帰ってきたらあせもがひどくて…」
橘 「胸の下なんか特にひどそうだな」
桜井 「あ、セクハラ禁止~。もう、すぐそういう話にもってくんだから~」
橘 「ははははっ」
桜井 「も~、ちょっとは反省してください。それで、どこ寄ってく?」
橘 「そうだな…暑いし、クーラーのきいてそうなデパートにでも行くか」
桜井 「さんせ~い。ついでにちょっと買い物でもしてく?」
橘 「それもいいかもな。最近それほど金も使ってないから、ちょっとしたものなら買えそうだし」
桜井 「それじゃ、しゅっぱつしんこ~!」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:45:35.38 ID:efxgJHWO0
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桜井 「うひゃ~、すずし~!生き返る~」
橘 「そうだな、来てよかった」
桜井 「それじゃどこいこっか?わたしはすごく買いたいってものはないから、純一のすきなとこでいいよ~」
橘 「そうだな…おっ、中古ゲーム屋がある。ちょっと覗いて行こうか」
桜井 「うん、いいよ~」
橘 「おお、ちょっと前のやつならなかなかいい値段だな。どれか買おうかな…」
桜井 「あ、ねえ純一、見て見て」
橘 「ん?これは…ポケットモンスター…モンスターを捕まえて育てるゲームか。確か対戦もできるんだったな」
桜井 「ねぇねぇ、この箱の子、かわいいと思わない?」
橘 「このでっかい花を背負った奴か?うーん、かわいくは無いと思うけど…」
桜井 「え~?そうかなぁ~…」
橘 「うん。僕はどちらかと言うと、こっちの赤い箱のやつのほうが好みだなあ」
桜井 「あ、そっちの子もかわいいね~。でもわたしはやっぱりこっちの子かなぁ…」
橘 「うーん、相変わらず梨穂子のセンスは分からないな…そうだ!梨穂子、二人でこれ買わないか?」
桜井 「ふぇ?このゲーム…?」
橘 「ああ。確かこれのゲーム機なら持ってたから、このカセットと通信用のケーブルがあれば、二人で対戦できるぞ」
桜井 「そっか、面白そ~…うん、それじゃあ買おっか」
橘 「よし、決まりだな。この値段なら、それ程財布も痛くないし。じゃあ買ったらすぐ帰って、お互い進めるか」
桜井 「うん、それじゃ早く買お~」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:02:07.52 ID:jXDGtsJp0 [1/16]
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橘 「さて、買ってきたわけだけど…」
桜井 「どうするの?それぞれ買ってきたのをやる?」
橘 「いや、僕はあとでやるよ。今は、梨穂子がやってるのを見たいな」
桜井 「おっけ~。それじゃ、箱を開けて…カセットをゲーム機に差して…すいっち、お~ん!」
橘 「どれどれ…おっ、映ってる映ってる」
桜井 「この男の子が主人公かな?あ、隣の子、かわいい~…あれ、別の子になっちゃった。
でもこの子もかわいいなあ~」
橘 「おい梨穂子、いいから早く進めろよ。こいつらにはゲームの中で会えるんだからさ」
桜井 「おっと、そだね。それじゃポチっと…あれ、つづきからはじめるがあるね」
橘 「中古だからな。けど僕たちはさいしょからはじめるだろ?」
桜井 「ちょっと見てみたい気もするけどね~。それじゃ、さいしょから…あ、おじいさんが出てきた」
橘 「なになに…へぇ、この人ポケモンの博士なんだ」
桜井 「オーキドって、変な名前だね」
橘 「まあ、ゲームのキャラだからな」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:05:27.84 ID:jXDGtsJp0 [2/16]
橘 「『そろそろきみのなまえをおしえてもらおう』だってさ。ここで自分の名前を決めるんだな」
桜井 「えっと、それじゃあ…り、ほ、こ…と」
橘 「おいおい、主人公は男だぞ?」
桜井 「だってしょうがないじゃんか。女の子にできないからって、自分以外の名前をいれるのはやだよ~」
橘 「そりゃそうだけど…ま、梨穂子がいいならいいか…」
桜井 「そ~そ~。わたしがいいからいいんです~」
橘 「それより、次はライバルの名前を決めるみたいだぞ」
桜井 「ホントだ。え~と、それじゃあ…じゅんいちでいいかな~」
橘 「なんか、これが僕ってのも変な感じだな…」
桜井 「気にしない気にしない。とりあえず、これで主人公とライバルの名前は決まったね」
橘 「ああ、冒険の始まりだな」
桜井 「うう~、なんかわくわくしてきた…あれっ?ちっちゃくなっちゃった!?」
橘 「箱の裏を見る限りだと、これがマップ上での表示みたいだな」
桜井 「へ~、なんかかわい~」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:08:46.99 ID:jXDGtsJp0 [3/16]
橘 「自分の部屋から始まるんだな」
桜井 「シンプルな部屋だね~」
橘 「とりあえず外に出たらどうだ?」
桜井 「そだね…あ、上の方に草むらがある…入ってみよーっと」
橘 「うわ、いきなり誰か来たぞ」
桜井 「ポケモンも持たずに草むらに入るなって注意されちゃった…あ、どっか連れてかれる」
橘 「さっき端っこに映ってたでっかい建物か…」
桜井 「あ、この人がオーキド博士なんだ」
橘 「ちっちゃくなるとわからなくなるな…お、僕が出てきた」
桜井 「ポケモンを3匹の中から選ぶんだって。どうしようかな…」
橘 「多分、そのうちの1匹が箱に描いてあったやつじゃないか?」
桜井 「なるほど~…あれ?どれも違うよ?」
橘 「ホントだ。なんでだ?説明書…ああ、なるほど。ポケモンは育てていくうちに進化するらしいから、
多分そのうちの1匹が箱のやつになるんだよ」
桜井 「へ~…じゃあ一番似てるこの子かな?」
橘 「ああ、それっぽいな」
208 名前:しかしあれだね、さるって突然くるものなんだね[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:11:23.77 ID:jXDGtsJp0 [4/16]
桜井 「あ、純一がいきなり勝負を挑んできた」
橘 「おいおい、僕はこんなに喧嘩っ早くないぞ」
桜井 「でも挑んできたよ?」
橘 「そりゃこの僕は僕じゃないからな」
桜井 「う~ん…あれ?どっちがどっち?」
橘 「いやいや、このくらいで混乱するなよ…」
桜井 「えへへ、冗談冗談。…あれ、技ってこれだけ?」
橘 「最初はそうみたいだな。強くなると、新しい技を覚えるらしい」
桜井 「へ~っ…じゃあ今はたいあたりだけで大丈夫かな?」
橘 「ああ。多分向こうも同じような技しか持ってないだろうし、問題ないとおもうぞ」
桜井 「よーし、はじめてのバトル、がんばるぞ~!」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:14:36.91 ID:jXDGtsJp0 [5/16]
橘 「結構危なかったな…」
桜井 「うん…勝ててよかったー…」
橘 「それじゃあ、これから冒険が始まるのか…」
桜井 「やっとだねー。あ、なんか純一がねえちゃんがどうとか言ってきた」
橘 「なんていうか、ちっちゃい男だな僕…」
桜井 「えっと、純一の家…ここだ…あ、女の人がいる」
橘 「この人が姉らしいな」
桜井 「あ、タウンマップくれた」
橘 「うわぁ…僕空周りしてるな…」
桜井 「それじゃ、しゅっぱつしんこ…」
橘 「待て待て。後は僕が自分で進めて見たいから、後にしてくれ」
桜井 「そう?わかった、じゃあレポートを書いて…おっけー」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:17:43.94 ID:jXDGtsJp0 [6/16]
・
・
・
桜井 「じゃ、またね~」
橘 「ああ、またな」
橘 「…ふふふ…見事に騙されたな、梨穂子…いや、結果的にそうなっただけで、狙ったわけじゃないけど」
橘 (僕はお前がフシギダネを選んだのを知っている…つまり僕はどれを選べば相性がいいか知っているわけだ…
そう、図らずも僕はまさにゲームの中のライバルと同じ立場にいるんだよ…)
橘 「やっと…やっと遊びで正々堂々梨穂子に勝てる…!」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:21:36.98 ID:jXDGtsJp0 [7/16]
数日後
橘 「梨穂子、ポケモンの調子はどうだ?」
桜井 「もう絶好調!いつでも対戦できるよ~」
橘 「僕もだ…それじゃ、やるか?」
桜井 「いいよ~。ふっふっふ、覚悟したまえよ純一くーん」
橘 「もしかしてそれ、アニメのライバルの真似か?」
桜井 「あ、やっぱ分かる?シゲルって名前なんだよねぇ~」
橘 「なんでなんだろうな…まあ、デフォルトの名前じゃ確かに不自然だけど」
桜井 「ま、それはいいとして。それじゃ、早速…」
橘 「ああ…通信ケーブルをつないで、と…」
桜井 「6匹同士でやる?」
橘 「いや、3対3でやろう。そのほうが早く終わるし」
桜井 「うん、わかった~」
橘 (育ちきってるのが3匹しかいないからな…6対6でやったら確実に負けちゃうよ…)
桜井 「じゃあ、ポケモンセンターの2階に行って…準備おっけ~」
橘 「僕も大丈夫だ。それじゃ、始めるか」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:27:38.96 ID:jXDGtsJp0 [8/16]
桜井 「じゅんいちがしょうぶをしかけてきた…おお、なんかわくわくする~」
橘 「僕は相手が男なのに名前が梨穂子だから、なんか変な感じだよ…よし、1番手、行け、サイドン!」
桜井 「いっけ~、ぺるちゃん!」
橘 「ペルシアンか…なんだ、最初は楽に勝てそうだな…」
桜井 「ふふふ、うちのトップバッターをなめてると痛い目にあうよ~?」
橘 「いやいや、まさか…とりあえず、最初はこれだな」
ペルシアンの きりさく! きゅうしょに あたった!
こうかは いまひとつの ようだ
橘 「へえ、最初に急所に当ててくるとは…まあ効果もいまひとつだし、まだ全然持つな」
サイドンの メガトンキック!
桜井 「うひゃあ、結構減った…けど、もう一回くらいなら…」
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:35:36.52 ID:jXDGtsJp0 [9/16]
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・
桜井 「ああ、やられちゃった…」
橘 「ま、この程度はな」
橘 (まさか2発で半分以上削られるとは…というかまさか2回連続で急所に当たるなんて…)
桜井 「でも、まだ負けないぞ~…いっけ~、にどっち!」
橘 「ニドクインか…実は相性悪かったりするんだよな…」
橘 (しかもサイドンは遅すぎて大抵のやつに抜かれちゃうから…もし今地震なんか撃たれたら…)
あいての ニドクインの じしん! こうかは ばつぐんだ!
サイドンは たおれた!
橘 「ああ、やっぱりやられちゃったか…」
桜井 「これでお互い2匹づつだね~」
橘 「ああ、いい勝負だな」
橘 (…まあ、ここまでは計算通りなんだけどね…)
橘 「まあいい…いけ、マルマイン!」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:38:37.52 ID:jXDGtsJp0 [10/16]
桜井 「あれ、確かマルマインって…」
橘 (そう、でんきタイプのマルマインとじめんタイプのニドクインは相性が悪い…だが、そんなことは全く問題じゃない…)
桜井 「まあいっか、これなら楽に倒せそうだし…」
橘 (その言葉、半分は合っているぞ…なぜなら!)
マルマインの だいばくはつ!
桜井 「ああーーっ!」
橘 「よし、狙い通り!」
桜井 「もーっ、ひどいよ純一~」
橘 「何言ってるんだ、これも作戦のうちさ」
桜井 「う~…もう絶対まけないんだからぁ…」
橘 (勝った…まさかここまで僕のシナリオ通りとは…後は僕の3番手、相棒のリザードンを出して、
梨穂子のフシギバナを消し炭にしてやるだけだ…さあ、出してこい、フシギバナを!)
あいての りほこは シャワーズを くりだした!
いけ! リザードン!
橘 「………え……?」
224 名前:>>218 小学生の伝説パを軽々と全滅させそう[] 投稿日:2010/10/12(火) 01:12:14.64 ID:jXDGtsJp0 [11/16]
橘 「ちょ、ちょっとまったりほこ…フシギバナは…?」
桜井 「う~ん、ホントは使いたかったんだけど、3対3だとどうしてもこの3匹が使いたくって~」
橘 「い、いや、それでも普通最初の3匹は使うだろ…?」
桜井 「そんなこと言われても、実際使わなかったし、今更言ってもしょうがないでしょ?」
橘 「う…ああ…!」
橘 (ば…バカなああああああああぁ!)
じゅんいちは めのまえが まっくらに なった!
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 01:31:38.60 ID:jXDGtsJp0 [12/16]
桜井 「やった~、勝った~!」
橘 (…僕の作戦は完璧だった…そう、ただ前提が間違っていたんだ…そして、それが何より致命的だった…)
橘 「ふ、ふふ…これで終わったと思うなよ…いつか必ず、今度は6対6でお前を倒してやる…」
桜井 「ふっふっふ、いつでもかかってきたまえ純一くーん」
橘 (くそっ、シゲルの真似が腹立つ!見てろよ、今度こそお前に勝ってみせるからな…!)
…こうして、僕はいずれ梨穂子にリベンジすることを誓った。
とりあえず、まずは四天王を突破しないと…。
アマガミSS『りほっちもんすたー 赤・緑』 完
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 01:36:28.47 ID:jXDGtsJp0 [13/16]
初代の思い出…弟にちょっとやらせてみたら、間違ってレポート上書きされたことかな、最初からで…
この二人、付き合ったらホントいいカップルになるとおもうよ、俺は
さて、打ち止めかな…
翌・休み時間1
七咲 「それじゃあ、先輩と二人っきりでハワイ旅行に行くの?」
美也 「うん。お父さんはお仕事忙しいし、一人でみゃーかお兄ちゃんが家に残されるのも危ないからってお母さんが。
せっかく当たったのに行かないのはもったいないしね~」
中多 「で、でも、二人だけで海外旅行なんて大丈夫なの…?」
美也 「大丈夫だよ、向こうにはちゃんとガイドさんがいるらしいし、ホテルも用意されてるから安心だしね」
七咲 「本当に大丈夫?先輩、危なっかしいから心配になるよ…」
美也 「いくらなんでも、こういう時くらいお兄ちゃんだってしっかりしてくれるでしょ~」
七咲 「…なんだか、兄妹揃って心配だな…」
中多 「うん…」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:32:49.36 ID:efxgJHWO0
>>3 お久しぶりです
棚町 「それじゃあ、ホントにアンタと美也ちゃんだけで行くんだ」
橘 「うん」
梅原 「か~っ、羨ましいねぇ。かわいい妹と二人っきりな上に、向こうのアロハなお姉さんまで堪能できるたぁ」
橘 「はっはっは、そうだろうそうだろう」
棚町 「アンタ達、ホントそればっかよね」
梅原 「しょうがねえだろ、これぞ男の性ってもんよ」
橘 「そうそう。ところで、二人とも何か買ってきて欲しいお土産はある?買える限り買って来るけど」
梅原 「そりゃあお前、本場のお宝本にきまってるじゃねえか」
橘 「な、まさかお前、海外モノに手を出すつもりか…?」
梅原 「海外…ああ、なんてロマンのある響きだろうなぁ」
橘 「…分かった。買えたら買ってくるよ」
梅原 「おう、頼むぜ友よ」
棚町 「ったく、これだから男は…」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:35:25.87 ID:efxgJHWO0
橘 「それで薫、お前のリクエストは?」
棚町 「そうねえ…アロハシャツでも買ってきてもらおうかしら」
橘 「アロハシャツ?それだけでいいのか?」
棚町 「ええ。あたしの読みだと、来年の夏はアロハが流行ると思うのよ。それを見越しての先行投資ってやつね」
橘 「まあ、投資するのは僕だけどね」
棚町 「そういうわけだから、アンタも流行に乗り遅れないように、自分の分のアロハを買ってきなさいよね。分かった?」
橘 「はいはい。えーと、お宝本と、アロハシャツ…と」カリカリ
棚町 「『アロハは自分の分も』ってちゃんと書いておきなさいよ」
橘 「しつこいな…分かったよ」カリカリ
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:37:19.96 ID:efxgJHWO0
・
・
・
絢辻 「お土産のリクエスト?」
橘 「うん。何か無いかなと思って」
絢辻 「そんなものいらないわよ」
橘 「そう言わずにさ、なにかない?買えるものなら買ってくるよ」
絢辻 「…ちょっと待って」
パラパラ カリカリ
橘 (手帳を広げて何か書き始めたぞ…)
ビリッ
絢辻 「はい。リクエスト、書いておいたから」
橘 「うん。どれどれ…」
『お土産屋まで開かないように』
橘 「…えっと…」
絢辻 「書いてある通りよ。いいわね?」
橘 「…うん」
橘 (なんだろう…気になる)
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:39:48.26 ID:efxgJHWO0
・
・
・
桜井 「いいなあ~ハワイ、わたしも行きたいなぁ~」
伊藤 「ホントに大丈夫なの?なんか心配なんだけど…」
橘 「大丈夫だよ、僕だってこういう時くらいしっかりするさ」
桜井 「それで、お土産のリクエスト聞いてくれるんだっけ?」
橘 「うん。何かある?」
伊藤 「あたしは適当にキーホルダーでいいや。桜井は?」
桜井 「わたしは…ココナッツとか、パイナップルとか…」
橘 「…なんかもうすでに長くなりそうな気配がするから、後でメモに書いて渡してくれ」
桜井 「うん、分かった~」
伊藤 「橘君、予算大目に持っていくのをオススメしとくよ…」
橘 「…言われなくても、そのつもりだよ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:42:34.75 ID:efxgJHWO0
>>11 全員アコガレ経由で想定して書いてるので
・
・
・
森島 「あ、橘君」
橘 「森島先輩」
森島 「聞いたよ、美也ちゃんとハワイに行くんだって?うらやましいなぁ~」
橘 「何かお土産のリクエストありますか?できれば買ってきますけど」
森島 「そうねえ…向こうのワンちゃんのポストカードとかにしてもらおうかな?」
塚原 「…はるか、それお土産の意味あるの?」
森島 「あ、ひびきちゃん。だって、せっかくだから何も書いてない状態のものが欲しいじゃない」
塚原 「そうじゃなくて…ま、いいわ。橘君、私の分もお土産頼める?」
橘 「あ、はい。全然構いませんよ」
塚原 「それじゃあ、アロハシャツを買ってきてもらおうかしら。ちょっと興味があるんだけど、手を出す機会がなくてね」
橘 「はい。分かりました」
橘 (アロハシャツ、1着追加と…)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:44:47.58 ID:efxgJHWO0
出発の日
橘 「美也、準備できたか?」
美也 「ちょっと待って…うん、いいよー」
橘 「それじゃ、行くか」
美也 「楽しみだね~、にししし」
橘 「それじゃ、行ってきまーす」
桜井 「よいしょ…っと」
橘 「あれ、梨穂子。どうしたんだ、その荷物?」
桜井 「あ、二人とも。わたしもハワイに行くんだ~」
美也 「へぇ~、りほちゃんもなんだ…」
橘・美也「…は?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:47:54.42 ID:efxgJHWO0
空港
伊藤 「あ、ヤッホー桜井」
桜井 「ヤッホー佳苗ちゃん」
橘 「…つまり、この前の帰りに香苗さんと二人で帰る途中に福引を引いたら、見事1等を引き当てたと…」
桜井 「すごい偶然だよね~。1等って3組にしか当たらないのに」
伊藤 「本当は桜井と桜井のお母さんに行ってもらおうと思ったんだけど、桜井のお母さんが二人で行ってきなさいって言ってくれたから、
お言葉に甘えることにしたんだ」
美也 「これで賑やかな旅行になるね、にぃに」
橘 「ああ、そうだな」
橘 (あの大量のお土産も買う必要がなくなったしな…)
桜井 「それじゃ、ハワイへ向けてしゅっぱ~つ!」
伊藤 「こらこら、まずは出国手続きが先でしょ」
桜井 「えへへ、そうだね~」
伊藤 「ホント、心の底から楽しそうだねアンタは…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:50:30.17 ID:efxgJHWO0
飛行機内
桜井 「楽しみだな~、早く飛ばないかな~」
伊藤 「ハシャギすぎだっての、全く…」
美也 「いいな~りほちゃん、窓側で…」
橘 「帰りはお前が窓側にしてもらえばいいだろ?しかし、香苗さんの言うとおりハシャギすぎだなあいつ…」
美也 「しょうがないよ、みゃー達飛行機乗るの初めてなんだから」
橘 「それにしたって高校生だぞ、もう少し落ち着きを持ったらどうなんだ…」
七咲 「そんなこと言って、先輩も内心結構はしゃいでるんでしょう?」
橘 「う…やっぱり七咲にはお見通しか………七咲?」
七咲 「ええ、おはようございます。今日は絶好の旅行日和ですね」
美也 「へっ、逢ちゃん?」
七咲 「おはよう、美也ちゃん。紗江ちゃんも一緒だよ」
中多 「お…おはようございます、先輩、美也ちゃん」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:52:39.59 ID:efxgJHWO0
橘 「ど、どうして七咲と中多さんが…」
七咲 「覚えてませんか?あの福引の1等は、3組分あったんですよ」
橘 「ま、まさか…」
中多 「二人で一緒に帰ったときに福引を引いたら、偶然当たって…パパを説得して、逢ちゃんと一緒に行くことにしたんです」
七咲 「本当に運がよかったです。これはきっと、先輩が旅行先で変なことをしないように監視しろってことでしょうね」
橘 「そ、そんなことしないよ!」
七咲 「ふふっ、半分は冗談です。一緒に旅行できて嬉しいです、先輩」
橘 「七咲…」
放送 『ただいまより、離陸を開始します。シートベルトをお締めになって…』
橘 「お、出発するみたいだな」
美也 「わくわく、わくわく~」
桜井 「わくわく、わくわく~」
伊藤 「1学年下と同レベルか、アンタは…」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:55:50.18 ID:efxgJHWO0
・
・
・
桜井 「見て見て香苗ちゃん、雲が下に見えるよ!じゅうたんみた~い!」
伊藤 「だから落ち着きなさいって…子供かアンタは」
橘 「おっ、どうやら機内ラジオでイナゴマスクの歌が流れるみたいだな」
七咲 「みたいですね」
橘 「なんかテンションが上がってくるな…なあ七咲?」
七咲 「いえ、私は別に」
橘 「そんなこと言って、ホントは楽しみなんだろ?」
橘 (中多さんも、心なしか肌がツヤツヤし始めたし…)
七咲 「勝手に言っててくださいよ…もう」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:58:59.74 ID:efxgJHWO0
橘 「おっ、来た来た!」
七咲 「そんなにはしゃいで、まるで子供ですね」
橘 「な、なんだか興奮してきたぞ…チェンジ、イナゴオオオオオ!!」
CA 「お客様、他のお客様の迷惑になるので…」
橘 「あ…す、すいません」
七咲 「ホントに、恥ずかしい先輩ですね」
橘 「う、な、七咲だって、指が自然とリズムを刻んでるじゃないか!」
七咲 「あ!こ、これは…!」
橘 「ほら、やっぱり七咲ものってるじゃないか」
七咲 「こ、これはつい…」
橘 「つい?」
七咲 「ううう…も、もう知りませんっ!」フイッ
橘 (意地になってる七咲もかわいいなあ…そして実はおそらく一番興奮してるのは、
二つ隣でいい笑顔をしている紗江ちゃんなんだろうな…)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:02:52.11 ID:efxgJHWO0
・
・
・
桜井 「ス~、ス~」
伊藤 「ハシャギ疲れて寝るなんて、まんま子供ね…」
美也 「にぃに、イナゴマスクもいいけど、映画も見ようよ~。後10分で始まるよ」
橘 「映画か…アメリカのアクション映画みたいだな。面白そうだ」
美也 「みゃーこの映画見てみたかったんだよね~。楽しみだな~」
橘 「上映時間は2時間か。ってことは、途中で昼食が来るな」
七咲 「機内食ですか…美味しいんでしょうかね」
美也 「びーふおあふぃっしゅってやつだよね!どっちにしようかな~、にししし」
ちなみに席配置
AB 通路 中七橘美 通路 香梨
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:05:23.02 ID:efxgJHWO0
・
・
・
外CA「Beaf or fish?」
ガバッ
桜井 「び~ふ~!」
伊藤 「うおおっ、いきなり起きたぁっ!?」
CA 「お客様、牛肉になさいますか、それとも魚になさいますか?」
中多 「あ、私は牛肉で…」
七咲 「それじゃあ私は魚で」
橘 「じゃあ、僕は牛肉かな。美也は?」
美也 「……」
橘 「美也?」
美也 「…びーふおあふぃっしゅじゃないんだ…日本語なんだ…」
橘 「いや、別にそれはどうでもいいだろ…」
美也 「いいなぁりほちゃん、みゃーも英語で聞かれたかったなぁ…」
橘 「ああもう、帰りに期待すればいいだろ?それでどっちなんだ?」
美也 「…お魚で」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:08:05.03 ID:efxgJHWO0
その頃 日本
梅原 「かーっ、今頃橘達はお空の上かぁ。全く学校休んで兄妹水入らずで海外旅行たぁ、羨ましいねぇ」
棚町 「全くよ。こんなことなら、あたしも福引やっときゃよかったわ」
絢辻 「どうやら、兄妹水入らずってわけじゃなさそうだけどね」
梅原 「あれ、絢辻さん?」
棚町 「どういうこと?兄妹水入らずじゃないって…」
絢辻 「隣のクラスの桜井さんと伊藤さんが休んでるのよ」
棚町 「それがどうしたってのよ?」
絢辻 「数日前、福引をやって大喜びしてる二人を見たって人がいるの」
棚町 「!まさか…!」
絢辻 「ほぼ間違いなく、一緒にいるでしょうね。それと噂だと、橘君の妹さんのお友達の二人も、今日は休みらしいわ」
梅原 「はぁぁぁ!?ちょっと待ってくれよ、って事は橘の奴、今まさに空の上のハーレムにいるってことか!?」
棚町 「嘘でしょ…そんな偶然、そんな簡単に起こるものなの?」
絢辻 「認めたくなくても、実際に起こってるんだから認めざるを得ないでしょ」
梅原 「くっそぉぉぉぁぁ…橘の野郎、ますます羨ましいぞチクショーーーー!」
棚町 「大丈夫なのかしら、純一…」
絢辻 「さあ…どの道私達にはもうどうすることもできないわ。できることなんて、何事も起こらないよう祈ることくらいよ」
棚町 「まったく…不愉快ね…」
絢辻 「…同感よ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:11:05.83 ID:efxgJHWO0
・
・
・
桜井 「ふぅ~、もうお腹いっぱ~い…それじゃ、おやすみ~…ぐぅ」
伊藤 「食事してすぐに寝るって、牛食べた方が牛になっちゃうわよ…」
美也 「ごちそうさま~。美味しかったね、にぃに」
橘 「ああ。どんなもんかと思ったけど、しっかりした味だったな」
七咲 「ちょうど映画もクライマックスですね。到着は、今から2時間後みたいですね」
橘 「そっか…それじゃあ、それまで暇だな…」
中多 「……」カクン、カクン
橘 「中多さん、船漕ぎ出しちゃってるな…」
美也 「みゃーも、なんだか眠くなってきちゃった…」
橘 「そうだな…それじゃあ、この映画が終わったら寝るか…」
七咲 「そうですね…やることも無いですし」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:14:13.19 ID:efxgJHWO0
・
・
・
ピンポーン
放送 『ご搭乗の皆様、まもなく当機は着陸態勢に入ります。シートベルトをお締めになって…』
橘 「ん…もう着くのか」
七咲 「ふ…わぁぁぁ…おはようございます、先輩」
橘 「ああ、おはよう。どうする、他の二人も起こそうか?」
七咲 「いえ、もう少し寝かせてあげましょう。着陸したら起こしてあげればいいと思います」
橘 「そうだな。…七咲、楽しい2泊3日になるといいな」
七咲 「ええ…そうですね」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:16:51.66 ID:efxgJHWO0
・
・
・
伊藤 「ほら、着いたよ桜井、早く起きなって」
桜井 「う~ん、あと5分…」
伊藤 「ホテル着いたらいくらでも寝れるでしょ…全く、ホント困った子なんだから」
橘 「ほら、起きろ美也。着いたぞ、ハワイだ」
美也 「ん…ふわあぁぁ…おはよ、にぃに…なんかちょっと暑いね」
橘 「ハワイだからな。ほら見ろ、これがホノルル空港だ」
美也 「うわぁぁ…ハワイだねぇ…」
橘 「ほら、早く降りて、ハワイの大地を踏みしめよう」
美也 「そうだね…楽しそ~…」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:20:08.02 ID:efxgJHWO0
・
・
・
桜井 「と~ちゃ~く!」
伊藤 「さっきまで寝てたくせに、異常に元気だねぇアンタは…」
橘 「日差しが強いな…これじゃあすぐ日焼けしちゃいそうだ」
七咲 「私は気にしませんけどね。どうせあまり変わりませんし」
美也 「紗江ちゃんはハワイに来たことあるんだっけ?」
中多 「うん…でも、友達と来るのは初めてだから、なんだか新鮮な気分…」
橘 「さて、まずはガイドさんを探さないと…おっ、もしかしてあれか?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:22:49.95 ID:efxgJHWO0
橘 「すいません、もしかしてあなたがガイドさんですか?」
ガイド「えっと、ペア旅行で?」
橘 「あ、そうです。良かった、ちゃんと見つかって」
ガイド「こちらも一安心です。でも、ペア旅行のはずですけど…」
橘 「あー…まあ、みんな知り合いなんで、せっかくだから一緒にってことで…」
ガイド「なるほど。じゃあペア3組ではなく団体様6名と考えてしまってよろしいですか?」
橘 「あ、はい。全然構いません」
ガイド「じゃあ連絡を入れて、他のガイドはキャンセルということでいいですね?」
橘 「それでお願いします」
橘 (それにしても…きれいなお姉さんだな。健康的に焼けた肌がまた…)
美也 「…にぃに、変なこと考えてない?」
橘 「えっ!?ま、まさか…」
橘 (くそっ、こういう時だけは鋭いな…)
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:26:33.86 ID:efxgJHWO0
送迎バス内
桜井 「うっひゃあ~、きれ~い」
伊藤 「ホントだね~、日本じゃなかなか見れないよこんな景色…」
七咲 「そういえば、そちらの先輩方とは、私達は面識が無いんでしたね」
橘 「ああ、そういえばそうか。おい梨穂子、いつまでもマイペースでいないで自己紹介しろよ」
桜井 「へ?あぁ、ゴメンゴメン。わたしの名前は桜井梨穂子、純一の幼馴染で茶道部で~す」
伊藤 「そんであたしが、そのクラスメイトでお目付け役の伊藤香苗です。よろしくね?」
七咲 「はい、先輩。よろしくお願いします」
中多 「よ、よろしくお願いします…」
伊藤 「おーっ、礼儀のなってる子達だねぇ」
桜井 「もーっ、香苗ちゃん、お目付け役ってひどいよ~」
伊藤 「なーに言ってんの。実際そんな感じでしょ?ちゃんと誰かが見ててあげないと、危なっかしいったらありゃしないもん」
橘 「ははっ、確かに。梨穂子のドジっ子ぶりは神がかってるからな」
桜井 「むーっ…そこまでひどくはないですよーだ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:32:58.96 ID:efxgJHWO0
七咲 「それじゃあ、今度は私達だね。私は七咲逢、美也ちゃんのクラスメイトで水泳部です」
中多 「あ、あの、私は中多紗江です。同じく、美也ちゃんのクラスメイト…です」
美也 「そっちの先輩はみゃーのこと知らないだろうから、一応みゃーも…ごっほん。
このだらしなーいお兄ちゃんの妹の橘美也です。よろしくお願いします」
橘 「ああっ、美也、お前!」
伊藤 「あはははっ、さっすが橘君だねぇ。妹にまで言われちゃうとは」
橘 「香苗さんまで…」
伊藤 「ま、いいじゃないの。こちらこそよろしくね、七咲さん、中多さん、美也ちゃん」
桜井 「逢ちゃん、紗江ちゃん、よろしくね~」
ガイド「皆様、そろそろホテルに到着しますので、用意をお願いしまーす」
橘 「おっと、早かったな。くつろげる部屋だと良いな」
美也 「やわらかいベッドだといいな~、にししし」
橘 「美也、あんまり飛び跳ねるなよ…」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:36:45.81 ID:efxgJHWO0
・
・
・
ガイド「それでは、明日の朝また迎えに参りますので、今日はゆっくりおくつろぎ下さい」
橘 「はい、ありがとうございました」
美也 「にぃに、早くチェックインしようよ~」
橘 「ああ、そうだな。部屋は、それぞれ福引のペアで1部屋だな」
橘兄妹の部屋
美也 「うわー、ふっかふかー!きもちいー…」
橘 「ふぅ…飛行機ってずっと座るから疲れるな。さて、今は5時半頃か…」
美也 「にぃに、海行こうよ海!」
橘 「おいおい、今は5時だぞ?海に入るには遅すぎるって」
美也 「むーっ…せっかくハワイに来たのに…」
橘 「確か、日本とハワイの時差は5時間だから…日本はちょうど昼休みだな…」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:39:51.23 ID:efxgJHWO0
その頃 日本
森島 「はぁ~、今頃橘君達はハワイかぁ~」
塚原 「ふふっ、寂しいの、はるか?」
森島 「なっ…そ、そんな訳ないじゃない。むしろ橘君のほうが、こっちのみんなに会えなくて寂しいんじゃないかな~って思ってたところよ」
塚原 「ところが、そうでもないみたいよ」
森島 「へ?どういうこと?」
塚原 「昨日、七咲から電話があってね。旅行に行くことになったから、3日間学校を休むって」
森島 「それって…」
塚原 「例のハワイ旅行でしょうね。それと、2年生の子が二人、今日休んでるらしいわ」
森島 「ええ~!?そんなに橘君と一緒に行く子がいるの!?」
塚原 「全員が橘君と知り合いってわけじゃないと思うけど、少なくとも七咲は橘君と合流するでしょうね」
森島 「むむむ…ずるいなぁ、逢ちゃん。今から私もついて行っちゃおうかしら」
塚原 「何バカなこと言ってるの、受験生。あなたは日本でしっかり勉強しなさい」
森島 「む~っ、自分は推薦で受かったからって…」
塚原 「はいはい。私だって勉強しなかったわけじゃないんだから、はるかもきちんとしなさい」
森島 「は~い…いいなぁ、逢ちゃん…私も行きたかったなぁ…」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:44:43.51 ID:efxgJHWO0
梨穂子・香苗の部屋
桜井 「はぁ~、疲れた~」
伊藤 「アンタ機内でずっと寝てたでしょうが…」
桜井 「だってずっと座ってたから足がむくんじゃって、歩くのが辛かったんだよ~」
伊藤 「まあ、それは分からないでもないけどさ。あの狭い機内でほぼ座りっぱなしだからねぇ」
桜井 「それで、これからどうするの?お夕飯は7時だったよね?」
伊藤 「あたしはしばらく部屋でくつろいでるわ。こんないいベッド、そうそう使えるもんじゃないしね~」
桜井 「じゃあわたしはちょっとホテルの中を見てこようかな。外国のホテルってどんな風になってるのかな~」
伊藤 「あー…だったら橘君もちゃんと誘いなさいよ。アンタ一人じゃ危なっかしいから」
桜井 「も~、またそんなこと言って…そんなに危なくないよ~」
伊藤 「いいから、ちゃんと誘っていきな。せっかくだから、二人っきりになっちゃいなよ」
桜井 「えっ?あ、そっか、それもそうだね~…分かった、じゃあ行ってくるね~」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:48:05.11 ID:efxgJHWO0
七咲・中多の部屋
七咲 「うわぁ、きれいな部屋…ホテルなんて、初めて泊まるなぁ」
中多 「ふぅ…これでゆっくりできるね」
七咲 「そうだね…夕食まで時間があるし、ちょっとホテルの中でも見てこようかな。紗江ちゃんは?」
中多 「私は、今は部屋で休んでたいかな…」
七咲 「そっか。じゃあ、ちょっと行ってくるね」
中多 「うん、行ってらっしゃい」
橘兄妹の部屋
コンコン
橘 「ん?誰だろう…はーい」ガチャ
桜井 「やっほ~」
七咲 「先輩、何か予定ありますか?無かったら、私達と一緒にホテルを見て回りません?」
橘 「うーん、特にやろうと思ったこともないし、行こうかな。美也はどうする?」
美也 「みゃーはいいや。ベッドのふかふか具合を確かめたいしね~」
橘 「そっか。じゃあ行こうか」
七咲 「はい、そうですね」
桜井 「どんな風になってるのかな~」
七咲・桜井(本当は二人っきりがよかったけど、まあ、いっか…)
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:52:23.31 ID:efxgJHWO0
売店
桜井 「うひゃあ~、おいしそうなお菓子がいっぱ~い…」
橘 「こら梨穂子、買うなら食事の後にしろよ」
桜井 「あはは、分かってるって~」
レストラン
桜井 「わぁ~、いいにお~い」
橘 「そうだな。7時の開店が待ち遠しいよ」
プール
七咲 「結構大きいプールがあるんですね」
橘 「良かったな七咲、これならいつでも泳げるな」
七咲 「はい、体がなまらないか心配だったけど、大丈夫そうですね。食後にでも来ようかな…」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:55:59.21 ID:efxgJHWO0
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・
七咲 「あ、そろそろ7時ですね」
橘 「ホントだ。じゃあ、部屋に戻って美也たちを呼ぶか」
橘兄妹の部屋
橘 「美也~、夕飯食べに行くぞ~」
美也 「ふわっ…あ、おかえりにぃに…みゃー、すっかり寝ちゃってたよ」
橘 「ほら、しっかり目を覚ませよ。せっかくのホテルの食事なんだから、味わって食べなきゃ損だぞ」
美也 「ふぁ~い…」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:59:38.65 ID:efxgJHWO0
レストラン
桜井 「はぁぁぁ…いいにお~い…」
橘 「さっきも言ってたなそれ…どうやらバイキング形式みたいだな」
桜井 「ってことは、食べ放題!?」
橘 「まあ、そうだな」
桜井 「わぁ~い!てんごくだぁ~!」
伊藤 「ちょっと桜井、いくら食べ放題だからって、あたし達の分も食べないでよ?」
桜井 「大丈夫だよ~。これだけあるんだから、わたしがおなか一杯食べてもなくならないって~」
七咲 「先輩、桜井先輩ってそんなに食べるんですか?」
橘 「う~ん、少なくとも多分今七咲が想像しているよりは食べるかな…」
七咲 「じゃあ、相当すごいんですね…」
橘 「ああ、今梨穂子があの体型なのは、実は痩せ型の体質だからじゃないかって噂も…」
桜井 「ちょっと~、さっきから失礼なことばっか言わないでよ~。そんな噂聞いたことないよ~」
橘 「ははっ、ごめんごめん。それじゃ入ろうか」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:02:58.88 ID:efxgJHWO0
桜井 「いっただっきま~す!」
橘 「うわ…随分一気に取ってきたな…」
伊藤 「国が違っても、相変わらずの気持ちいい食べっぷりだねぇ…」
美也 「なんか見てるだけでおなか一杯になってきちゃうね~」
橘 「まあ、あれは気にせず、僕達は僕達のペースで食べよう」
伊藤 「そうだね。それじゃ、いただきまーす」
橘 「おっ、中多さん、そのベーコン美味そうだね。どこにあったの?」
中多 「あ、えっと、向こうのテーブルの反対側に…」
橘 「うーん、ここからじゃ死角になっててよく見えないな。後で案内してくれる?」
中多 「は、はい、喜んで…」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:07:23.17 ID:efxgJHWO0
・
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橘兄妹の部屋
橘 「ふう…結構食べたなあ」
美也 「りほちゃんじゃないけど、なんか色々食べれて幸せ~…」
橘 「さて、今は8時か。そろそろ風呂に入るか…」
美也 「どんなお風呂なのかな、にししし」
橘 「何言ってるんだ、風呂はこの部屋のやつだぞ?」
美也 「えっ…あのユニットバスのちっちゃいやつ?」
橘 「ああ。基本的に外国のホテルは大浴場があるのは少ないからな」
美也 「ええ~…ハワイのお風呂ってどんなのかなって期待してたのに…」
橘 「まあ、しょうがないさ。ほら、先に風呂に入っちゃえよ」
美也 「は~い…」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:11:44.46 ID:efxgJHWO0
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美也 「うう…なんか物足りない…」
橘 「まあ、しょうがないさ。さて、暇になっちゃったな。美也、どうする?」
美也 「そだね~、他のみんなと一緒に、トランプか何かで遊ばない?」
橘 「そうだな。じゃあ、他の部屋に行ってくるか…」
コンコン
橘 「ん、誰だろう…」
ガチャ
桜井 「やっほ~、純一」
七咲 「先輩、お邪魔します」
橘 「あれ、4人共どうしたの?」
中多 「お風呂に入って暇になっちゃったから、逢ちゃんと先輩の部屋で遊ぼうって話になって…」
伊藤 「あたし達もそんな感じでさ、そしたらちょうどこっちの二人とバッタリって訳」
橘 「そっか、それじゃあ早速中にどうぞ」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:14:57.60 ID:efxgJHWO0
七咲 「部屋の構造は大体同じなんですね」
伊藤 「あたし達のとこは、ちょうどこの部屋を左右反転した感じだけどね」
橘 「へ~、そうなんだ…」
橘 (それにしても…みんな湯上りだから、なんだかいつもと違う感じだな…
まあ、美也はいつも見てるから別にいいけど、他の4人は…
梨穂子の湯上りを見るのも随分久しぶりな気がする…昔に比べて随分成長したし…
香苗さんはヘアピンを外してるからか、いつもより見た目の雰囲気が柔らかい気がする…
中多さんも、リボンがないとちょっと大人っぽく見えていい感じだな…
七咲は…なんだろう、やっぱりプールから上がったときとは違う、色気みたいなものを感じるな…
…うん、とにかく言える事は、これを見れただけでも、ハワイに来て良かったと思えるってことだな…)
中多 「あ、あの…先輩?」
橘 「うおっ!な、何?」
中多 「えっと、みんなで何をやりたいか意見を聞いているので、先輩もやりたい遊びがあったら…」
橘 「あ、ああ、うん、そうだね…」
橘 (い、いけないいけない、気をつけないと…)
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:18:34.46 ID:efxgJHWO0
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・
桜井 「やった~!いっちば~ん!」
伊藤 「うっそ、またぁ!?桜井、アンタババ抜き強すぎだって!」
橘 「梨穂子は、昔から遊びになると滅法強いからなぁ…」
七咲 「それにしても、4回やって全部1位で抜けるなんて…」
美也 「さっすがりほちゃん、それに比べてにぃにはここまで全部最後まで残っちゃって…」
橘 「う、うるさいな!ビリは1回だけだろ!」
桜井 「あははは…そういえば、最近は放課後純一と遊ぶ時は大抵茶道部室だったね~」
橘 「ああ…今は9時半だから、ちょうど放課後だな…夕月先輩と飛羽先輩、どうしてるかな…」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:22:34.16 ID:efxgJHWO0
その頃 日本
夕月 「……暇だ」
飛羽 「……暇だな」
夕月 「くっそ~、りほっちの奴…あたし達を置いてハワイ旅行なんてさぁ…」
飛羽 「しかも、りほっちだけじゃない」
夕月 「ああ、そういやアイツもハワイ行きだっけか。いいねぇりほっちは、ダーリンと一緒に新婚旅行か…」
飛羽 「その台詞、りほっちが聞いたら『も~先輩ったら、茶化さないでくださいよ~』とでも言いそう」
夕月 「おっ、今のりほっちの真似、ちょっと似てた」
飛羽 「ふふふ、このくらいなら、お手の物」
夕月 「けどやっぱ本人がいないと寂しいな…りほっちのいないウチなんて、ネズミのいない
どっかのでっかい遊園地みたいなものだからな…」
飛羽 「…瑠璃子、それ以上は言うな。感づかれると、まずい」
夕月 「?感づかれるって、誰に?」
飛羽 「でっかい遊園地だ」
夕月 「ふーん…?ま、よくわかんないけど、この話はここまでってことか?」
飛羽 「そうしたほうが、身のため」
夕月 「わかった、んじゃやめるよ…」
飛羽 「……」
夕月 「……」
飛羽 「………」
夕月 「……暇だなぁ…」
飛羽 「……暇だ……」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:27:59.91 ID:efxgJHWO0
・
・
・
橘兄妹の部屋
七咲 「あっ…もう11時半ですね」
橘 「本当だ。それじゃあそろそろお開きにしようか」
伊藤 「そうだね。それじゃあたし達は部屋に戻るよ。いこ、桜井」
桜井 「うん。七咲さんたちは?」
七咲 「私達も、そろそろ部屋に戻ります。明日も早いですし」
桜井 「それじゃ、一緒に部屋にもどろっか」
七咲 「そうですね。紗江ちゃん、行こう」
中多 「うん。それじゃあ先輩、おやすみなさい」
橘 「おやすみ、みんな」
桜井 「じゃあね~、また明日~」
バタン
橘 「ふう…それじゃ、僕達も寝るか」
美也 「オッケー。じゃあみゃーはこっちのベッドね」
橘 「ああ、いいよ。それじゃ、お休み…」
コンコン
橘 「…ん?どうしたんだろう…」
ガチャ
桜井 「…えへへ…」
橘 「梨穂子、それに他のみんなも、どうしたんだ?」
七咲 「…あの、実は…」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:31:21.46 ID:efxgJHWO0
橘 「…つまりどっちも部屋を出るときに鍵を部屋に置いて来ちゃったから、部屋に入れなくなったと…」
七咲 「本当に、恥ずかしい話ですが、そのとおりです…」
伊藤 「ごめんね橘君、今日はあたし達全員ここで寝かせてくれない?さすがにこの時間じゃ
鍵を開けてもらうのは…」
橘 「いいよ、しょうがないことなんだから。それじゃあ、ベッドをどう割り振るかだけど…」
美也 「とりあえずにぃにはソファーで決定ね」
橘 「な、なんでそうなるんだよ!」
美也 「にぃに、自分はベッドで心地よく寝て、女の子は固いソファーで寝かせるつもり?」
橘 「で、でも、僕だってベッドで寝たいよ!そうだ、一つのベッドに3人づつ寝るのは…」
橘・中多以外「絶対ダメ!」
橘 「で、ですよね…」
中多 「わ、わたしは別に、先輩といっしょでも…」
中多以外「えっ!?」
橘 「ほ、ホントに!?」
中多 「は、はい、先輩なら信頼できますし…」
七咲 「だ、だったら、先輩が妙な事をしないように、わた
桜井 「だったらわたしも純一と寝るぅ~!」
美也 「ちょ、駄目だよりほちゃん!もし一緒に寝るんだったら、妹のみゃーじゃないと…」
七咲 「いや、だから私が…」
桜井 「わたしだって、幼馴染だから何の問題もないよ~」
中多 「わ、私は、先輩を信じてるから、何の問題もありません!」
伊藤 「…橘君、なんだかんだでモテモテだね~」
橘 「そんなこと言ってる場合じゃないって!なんかどんどん収拾付かなくなってる気がするんだけど!?」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:36:07.41 ID:efxgJHWO0
・
・
・
橘 (…結局、僕と美也と梨穂子、香苗さんと七咲と中多さんに分かれて寝ることになったわけだけど…)
美也 「にぃに、もっとそっち寄ってよ…」
橘 「無理だって、梨穂子がいるんだから…」
橘 (何で僕が挟まれる形に…)
桜井 「ひゃ…ちょっと純一、変なとこ触らないで…」
橘 「さ、触ってないよ…」
橘 (こ、これは二重の意味できつい…駄目だ、鎮まれ僕の中の危険な部分…)
桜井 「あっ…そこはだめぇ…やぁっ…」
橘 (やめろ!そんな声を出さないでくれっ…!)
中多 「…先輩と一緒がよかったなぁ…」
七咲 (こんなことなら、最初から一緒に寝たいって言えばよかった…)
伊藤 (どうしよう…ベッドも肩身も狭い…)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:40:51.54 ID:efxgJHWO0
翌朝
ガイド「おはようございます。よくお休みになられましたか?」
橘 「ええ、まぁ…」
橘 (梨穂子め…あんな声を出すから、落ち着いて眠れなかったぞ…)
ガイド「それでは、バスにご乗車ください。最初の観光地へご案内いたします」
桜井 「しゅっぱつしんこ~!」
美也 「どんな場所かなぁ~、にししし」
橘 (くそっ、こいつら、僕はろくに寝れなかったのに、こんな元気で…なんか腹立ってきたぞ)
七咲 「あの…大丈夫ですか、先輩?なんか顔が怖いですけど…」
橘 「ああ…大丈夫だよ。ありがとう七咲、心配してくれて」
七咲 「いえ、どういたしまして」
橘 (まあ、いいか…せっかくのハワイなんだし、楽しまなきゃ損だよな!)
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:45:23.02 ID:efxgJHWO0
・
・
・
桜井 「うわ~、おっき~い!」
橘 「ああ、すごいな…これが全部さとうきびなのか…」
七咲 「あれがさとうきび列車ですか…あれでさとうきびを運ぶんですよね」
橘 「ああ、今からあれに乗れるんだよな」
美也 「どんな走り心地かなー?楽しみ~」
ガイド「それでは皆様、列車にご乗車くださーい」
・
・
・
美也 「うひゃ~、楽しかった~!」
桜井 「見て見て純一、おいしそうなさとうきびが売ってるよ~!」
橘 「分かった分かった、今買ってやるから…ほら」
桜井 「ありがと~、いただきま~す…あむっ」
伊藤 「やれやれ、ホントどこ行っても食い意地張ってるねぇ…」
橘 「けど、さとうきびは本当にうまそうだな。どれどれ…」
美也 「どう、にぃに?おいしい?」
橘 「うん、ちょっと繊維が口に入っちゃうけど、そんなの気にならない甘さだよ」
美也 「へ~っ、じゃあみゃーも…あ、ホントだ、あっま~い!」
七咲 「じゃあ、私達も…はい、紗江ちゃん」
中多 「あ、ありがとう。…ほんとだ、おいしい…」
ガイド「それでは、次の目的地に出発しまーす」
橘 「おっと。後はバスの中で食べるか」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:51:10.30 ID:efxgJHWO0
・
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バラララララララ…
美也 「ひゃぁあ!お、音でっかーい!」
橘 「キラウェア火山は、このヘリに乗って上から見るんだな…1台に6人は入らないから、
3人ずつに分かれて2台に乗らないと駄目って言われたな…」
伊藤 「だったら、2年生組と1年生組に分かれようよ。あたしは桜井と一緒じゃないと、
肩身が狭くてしょうがないからさ」
橘 「わかった。じゃあ美也、中多さん、七咲、また後でな」
中多 「はい…先輩、お気をつけて…」
橘 (何か言ってくれてるのは分かるけど、ヘリの音が大きくて聞こえないな…)
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:53:57.09 ID:efxgJHWO0
1番機
桜井 「すっご~い、マグマが煮えたぎってる…」
伊藤 「ここって今でも活火山で、噴火することもあるんだっけ…なんかちょっと怖くなっちゃうな…」
橘 「うん…きっとあそこに落ちたら、ヘリと一緒に溶岩の中でゆっくりと溶かされていくんだろうな…」
桜井 「ちょっとやめてよ純一、もっと怖くなっちゃうじゃんか~」
橘 「いやいや、ひょっとしたら梨穂子のドジッ子っぷりがヘリに伝染して、今まさに突然ヘリが止まって墜落、なんてことも…」
伊藤 「うわ…なんかホントにありそ…」
桜井 「も~ひどいよ二人とも、そんなのありえないってば~」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:59:17.18 ID:efxgJHWO0
2番機
中多 「わぁ…すごいね…」
七咲 「うん、こっちまで熱が伝わってきそう…」
美也 「ホント、すごく熱そう…きっとあそこに落ちたら、ヘリと一緒に溶岩の中でゆっくりと溶かされていっちゃうんだろうね…」
七咲 「ちょっと美也ちゃん、変なこと言わないで…」
美也 「ヘリの中で蒸し焼き状態になって、ヘリが溶けたら足元からゆっくりと肉から骨へと焼かれていって…」
七咲 「美也ちゃん、それ以上は紗江ちゃんが…」
美也 「え…」
中多 「うぅっ……」ガタガタ
美也 「ああっ、ごめんね紗江ちゃん、怖がらせちゃって…」
中多 「う、ううん、大丈夫…」ブルブル
七咲 「もう、美也ちゃんったら…」
美也 「うう…ごめんなさい…」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:06:05.46 ID:efxgJHWO0
・
・
・
橘 「ふぅ、すごかったな…そっちはどうだった?」
美也 「えーっと、みゃーが変な話したら、紗江ちゃんが怖がっちゃって…」
橘 「おいおい、何やってるんだ。駄目だろ、そんなことしちゃ」
美也 「うん、ごめん…」
ガイド「皆様、それでは次へご案内しまーす」
橘 「ほら、行こう。気を取り直して、観光を楽しもう」
美也 「うん…そだね。後でちゃんと紗江ちゃんに謝らなきゃ…」
…その後も、僕達はハワイの観光地巡りを楽しんだ。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:08:50.25 ID:efxgJHWO0
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・
橘 「さて、最後はお土産屋か…」
桜井 「待ってました~!とりあえず、ドライフルーツに、マカデミアナッツに…」
伊藤 「はいはい、いいから落ち着いて買い物しなって」
橘 (ここでみんなに頼まれたお土産を買い揃えるか…)
橘 「まずはアロハシャツだな。薫の分と、塚原先輩の分と、僕の分っと…」
七咲 「…先輩、それ全部先輩が着るんですか?」
橘 「ち、違うよ!2着は頼まれたお土産だよ!」
七咲 「ふふっ、冗談です。私も塚原先輩が先輩に頼んだってことは聞きましたから」
橘 「なんだ、そっか。じゃあ、アロハはこれで全部と…」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:11:25.63 ID:efxgJHWO0
橘 「次は森島先輩のだな。えっと、犬のポストカードだな…どれどれ」
中多 「あ、それ、きれいな風景ですね…」
橘 「あ、本当だ。こっちは僕の分にするか…」
中多 「先輩、どんなのをお探しなんですか?」
橘 「ああ、犬のポストカードをね」
中多 「犬の…ですか?」
橘 「うん。森島先輩に頼まれてさ」
中多 「だったら、こっちのなんかどうですか?さとうきび畑を走ってる姿が、かわいいと思うんですけど…」
橘 「あ、いいかも。ハワイっぽさも出てるし、ちょうどいいね。ありがとう、中多さん」
中多 「あっ、いえ、あの、どういたしまして…」カアアッ
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:13:16.47 ID:efxgJHWO0
橘 「次は…絢辻さんかな。もうお土産屋だし、開けてもいいよな…」
橘 (も、もしとんでもないものだったら…ええいっ、勇気を出せっ!)ガサッ
橘 「…え…?」
帰ってきたら、ちゃんと登校して元気な姿を見せること。
決して変な病気をお土産にしないように。
橘 「…グスッ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:19:04.16 ID:efxgJHWO0
橘 「…さ、さあて、気を取り直して次に行くか!次は…」
橘 (…そうだった、次がある意味最難関だった…僕は未だ手出しする勇気の無い、
『海外モノのお宝本』っ!)
橘 「…こ、これが…現物か…ちょっと中を覗いてみるか…」チラッ
美也 「あ、にぃに。お土産何買った…ってどうしたの、エッチな本持って固まっちゃって」
橘 「…美也、海外ってすごいな…」
美也 「は?何言ってんの?いいから買うなら早く買っちゃいなよ。時間なくなっちゃうよ?」
橘 「あ、ああ、そうだった、出発までに買わないと…」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:22:17.49 ID:efxgJHWO0
・
・
・
ガイド「皆様、お疲れ様でした。それでは後はしばらく自由にお過ごしくださいませ」
美也 「楽しかったね、にぃに」
橘 「ああ。さぁて、今は1時…海で遊ぶには十分な時間だな」
桜井 「とうとうハワイの海に入れるんだね~、楽しみだね香苗ちゃん」
伊藤 「ハワイに来て一番楽しみだったからねー。やっとかって感じね」
橘 「それじゃあ、それぞれ水着に着替えて、浜辺に集合ってことで」
七咲 「分かりました。それじゃあ先輩、また後で」
橘 「ああ、後でな」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:26:38.79 ID:efxgJHWO0
・
・
・
桜井 「おぅい、純一~」
橘 「ああ、こっちこっち」
美也 「お待たせ~。どうにぃに、半年振りのみゃーの水着姿は?」
橘 「…うん、いいと思うぞ」
美也 「むぅー、なにその間…」
橘 (…けど、美也と梨穂子以外のプライベートの水着姿は初めて見るな。梨穂子も、久々に見ると新鮮だし…
中多さんと香苗さんも、なかなかセンスのいい水着だ。結構似合ってるし…)
橘 「そういえば、七咲は今日は競泳水着じゃないんだな」
七咲 「私だって、いつも競泳水着ってわけじゃないですよ。海で遊ぶときくらい、
プライベートな水着で遊びます」
橘 「まあ、それもそうか」
美也 「そんなことより、早く海に行こうよ!時間が勿体ないよー」
橘 「おっと、それもそうだな。じゃあ行くか!」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:30:28.20 ID:efxgJHWO0
伊藤 「ぃやっほーう!」
桜井 「うひゃっ、つめた~い!」
美也 「紗江ちゃん、こっちこっち~!」
中多 「み、美也ちゃん、ちょっと待って…」
橘 「ははっ、みんな元気だな」
七咲 「そうですね」
橘 「七咲は行かないのか?」
七咲 「私は、ちゃんと準備運動してから入ります。大丈夫だとは思うんですけど、やっぱり癖で」
橘 「そっか。じゃあ僕も付き合うよ」
七咲 「いいんですか?先輩も早く入りたいんじゃ…」
橘 「いや、唯一の男なんだから、しっかりしたところを見せておかなきゃと思ってさ」
七咲 「そうですか。じゃあ、一緒に準備運動しましょうか」
橘 「うん、そうだね」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 17:34:42.40 ID:efxgJHWO0
桜井 「そーれっ!」バシャッ
伊藤 「うひゃっ!やったなぁー!」バシャッ
美也 「あっ、にぃに、逢ちゃん、遅いよー!」
橘 「ははっ、ゴメンゴメン」
美也 「ねぇねぇ逢ちゃん、みんなでビーチバレーやらない?きっと楽しいよー」
七咲 「あ、楽しそう。いいね、やろう」
橘 「それじゃ、あっちの二人に声かけてくるよ」
美也 「うん、お願いねにぃに」
…こうして、みんなでビーチバレーをすることになった。
結果は、当然七咲のいるチームの勝ちだった。運動部は七咲だけだからなぁ…。
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:00:03.80 ID:efxgJHWO0
桜井 「ふぅ、運動したらおなか減っちゃった…」
伊藤 「おいおい、アンタは大抵腹ペコでしょ…」
橘 「だったら、向こうでちょうどいい大会をやってるぞ」
七咲 「えっと、あれは…スイカ?」
桜井 「スイカ!?」
橘 「どうやら、スイカ大食い大会みたいだ。あれならただで参加できるし、スイカも食べ放題だぞ」
桜井 「スイカ…食べ放題…」
伊藤 「ありゃりゃ…こりゃスイッチ入っちゃったね」
橘 「優勝したら賞品も出るみたいだし、参加したらどうだ?」
桜井 「やる~!絶対優勝するぞ~!」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:04:27.96 ID:efxgJHWO0
伊藤 「ちょっとちょっと、参加者みんなでっかい外人じゃないの。ホントに勝てんの?」
橘 「大丈夫、そう簡単に梨穂子が引けをとるわけがないよ」
美也 「あ、始まるみたいだね」
審判 「Ready…go!」
桜井 「いっただっきま~す!」
シャクシャクシャクシャク…
伊藤 「流石にみんな早いね…」
橘 「うん、けど梨穂子も全く遅れずついていってる…」
伊藤 「うっそ、もうみんな3切れ目?どういう胃の構造してんの…」
七咲 「あっ、一人脱落しましたね」
橘 「他の参加者も何人かペースが落ち始めてるのに、梨穂子は全く落ちていない…流石だな」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:08:08.42 ID:efxgJHWO0
伊藤 「あっ…また脱落した」
橘 「これで、梨穂子とあのナイスガイの一騎打ちか…残り時間、あと2分…」
参加者「Hey,who,no,what is she?」
橘 「えっ?えっと…シーイズザ…ブラックホールガール?」
参加者「Oh…really?」
橘 「オウ、イエスイエース」
伊藤 「橘君、それ桜井が聞いたら多分怒るよ…」
橘 「ははは…」
中多 「あ、あと1分です…!」
橘 「ナイスガイも梨穂子も数は25、いい勝負だ…!」
伊藤 「あっ、ナイスガイがよろめいた…!」
橘 「今だ、押し込め梨穂子ぉーー!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:12:01.50 ID:efxgJHWO0
審判 「Congratulation!」
桜井 「やったぁー!」
橘 「おお…すごいぞ梨穂子…!」
伊藤 「ホントすごいよ桜井、あのナイスガイを跳ね除けちゃうなんて!」
Nガイ「Oh,you're very nice and strong girl!」
桜井 「えへへ~、さんきゅーさんきゅー」
美也 「凄いよりほちゃん!で、優勝賞品は?」
審判 「Hey,it's given you!」ドン
美也 「うひゃ、おっきいスイカジュース…サンキュー!」
審判 「No,for her!」
桜井 「え…わたしに?なんで?」
橘 「ま、まさか…優勝賞品って、このスイカジュースか…?」
美也 「ええ~!?そんなー…」
※実話に基づいています
桜井 「う~ん、わたしはおなか一杯スイカ食べたし、美也ちゃんが飲みたいならあげるよ」
美也 「ホント?ありがと、りほちゃん。…でも、なんかガッカリ…」
橘 「ああ…外人の考えることは分からないな…」
伊藤 「まあ気を取り直してさ、もう一泳ぎしようよ。特に桜井は、運動してお腹減らしておかないと、
夕飯食べられなくなっちゃうよ?」
桜井 「そだね。それじゃあ、がんばっておなかへらしますかー!」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:15:25.21 ID:efxgJHWO0
・
・
・
橘 「ふぅ…随分遊んだなぁ…」
美也 「みゃーもうお腹ペコペコ…早く食事にしたーい…」
橘 「うん、僕もだよ」
七咲 「今日はホテルじゃなくて、レストランで夕食でしたっけ?」
橘 「うん。ファイヤーダンスなんかのパフォーマンスも見れるらしいね」
中多 「私が前に来たときは、そういうのは見なかったから、すごく楽しみです…」
橘 「そうだね。じゃあ、着替えてバスを待とうか」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:19:23.26 ID:efxgJHWO0
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レストラン
桜井 「どんな料理が出るのかな~、わくわく~」
伊藤 「ちょっとはパフォーマンスも楽しみにしてあげなさいよ…」
橘 「まだ見えないけど、なんか太鼓の音が聞こえてくるな…」
美也 「なんかみゃー、この音聞いてたら興奮してきちゃった…ふーっ」
橘 「おいおい、お前はどこの部族の人だよ…」
七咲 「けど楽しそう…先輩、早く中に入りましょう」
橘 「分かった分かった、みんな慌てないで…」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:23:09.27 ID:efxgJHWO0
ドンドコドンドコ…
美也 「うひゃー、すっごーい…」
橘 「あんなに勢いよくファイヤーバーを回して、怖くないのかな…」
中多 「私だったら、渡されただけでも驚いて落としちゃいそう…」
橘 (すごく簡単に想像できるな…)
伊藤 「それで、席はどこなの?」
橘 「ああ、向こうの前だよ。ステージがよく見える場所だってさ」
伊藤 「そんなとこまで用意してるんだ…すごいねー商店街」
橘 「ホント、どうしてうちの商店街がここまでいい旅行を3組分用意できたんだろう…」
伊藤 「ま、そんなの別にいいでしょ。さ、早く座ろう」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:27:00.11 ID:efxgJHWO0
桜井 「うーん、おーいしーい!」
橘 「ああ、しっかり中まで火が通ってて、すごくうまいな」
伊藤 「さすが、レストランに合わせて、料理も豪快な肉料理ってとこかな」
美也 「ファイヤーダンス、ここから見ると凄い迫力あるね…」
七咲 「うん…あ、次はリンボーダンスみたいだね」
中多 「うわぁ、あんなに低くて大丈夫かな…」
美也 「ドキドキ…」
中多 「あ、始まった…すごくスレスレ…」
七咲 「あ、あとちょっと…」
美也 「…通ったー!」
中多 「すごい…」
橘 「美也たち、楽しそうだな」
伊藤 「うん…それに対してこっちは、完全に食事に集中しちゃって…」
桜井 「だってすごくおいしいんだもん…でも一応ダンスも見てるよ?」
橘 「もう自分で一応って言っちゃってるじゃないか…」
桜井 「えへへ…」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:31:31.70 ID:efxgJHWO0
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橘兄妹の部屋
橘 「ふぅ…今日は疲れたな」
美也 「けど楽しかったね、にぃに♪」
橘 「そうだな…さて、風呂に入らなきゃ…」
美也 「う…やっぱり今日も…?」
橘 「僕だって気は進まないけど、しょうがないだろ?」
美也 「うー、せっかくいい1日だったのに…」
コンコン
橘 「ん?はーい…」ガチャ
七咲 「こんばんわ。よかった、まだお風呂には入ってなかったんですね」
橘 「七咲。よかったって、どういうことなんだ?」
七咲 「先輩、一緒にプールに行きましょう」
橘 「え、えええっ?さっきまであんなに海で泳いだのに…」
七咲 「そうじゃありませんよ。昨日夕食の後に行って知ったんですけど、ここの温水プールにはジャグジーがあるんです。
昨日はみんな部屋のお風呂で済ませちゃってたから、今日はお風呂に入る前に教えようと思って」
橘 「そっか、ありがとう七咲」
七咲 「いえ、それよりどうします?一緒に行きませんか?」
橘 「うん、美也もあの小さい風呂はやだってごねてるしね」
七咲 「ふふっ、そうですか。じゃあ、桜井先輩達にも声をかけてきますね」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 18:36:39.75 ID:efxgJHWO0
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・
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ホテル内ジャグジー
桜井 「へー、あのプールにこんなのがあったんだ…」
伊藤 「いやー、あのちっちゃいお風呂から解放されて、良かった良かった」
美也 「は~、あったか~い…」
橘 「うん、これも七咲のおかげだな」
七咲 「そんな…大したことないですよ…」
中多 「これで今日の疲れもしっかり取れますね」
橘 「今日は誰よりも七咲に感謝しなきゃな」
七咲 「も、もう、やめてくださいよ…そんな…」
橘 (照れる七咲もいいな…)
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:00:11.29 ID:efxgJHWO0
さるった
しかも書き溜め消えた
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:03:27.55 ID:efxgJHWO0
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橘兄妹の部屋
美也 「ふぃ~、さっぱり~…」
橘 「今日はぐっすり眠れそうだな…」
美也 「にぃにがよく眠れなかったのは、みゃー達と一緒に寝たからでしょ~?」
橘 「な、そんなわけないだろ!」
美也 「ほんとに~?みゃー達のこと意識しちゃったんじゃないの~?」
橘 「ち、違うって!」
美也 「へ~…じゃあみゃーがこんなふうに迫ってもなんとも思わない?」ズイッ
橘 「ば、馬鹿!」
美也 「へ?ひゃぁっ!」
ドサ…
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:08:27.06 ID:efxgJHWO0
橘 「い、いたたた…」
美也 「だ、大丈夫にぃに?」
橘 「ああ、大丈夫だ…だから上からどいてくれ…」
美也 「そ、それが、今ので腰抜けちゃって…」
橘 「おいおい…」
美也 「にぃに、どかしてくれる?お願い…」
橘 「あ、ああ…」
橘 (ど、どうしようこの状況…美也は全身を乗せてきて、顔も結構近いし…
いやいや、兄妹でそんな…)
美也 「にぃに、早く…」
橘 「あ、ああ、ゴメン…」
橘 (心なしか美也の顔も赤くなってる…美也も少しは意識してるのか…?
いやいや、それでもこれはまずいって…)
美也 「にぃに…」ポフッ
橘 (か、顔を胸に乗せてきた!?こ、これは、突っ走れってことなのか?いや、でも、そんな…
ああ、誰か教えてくれ、誰か…)
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:14:23.66 ID:efxgJHWO0
コンコン
橘 「!!」
美也 「!!」
橘 「い、いけないいけない、出てあげないと…!」サッ
美也 「う、うん…」
橘 (た、助かった…ノックしてくれた人には感謝しないとな…)ガチャ
七咲 「先輩、よかったら今日も私達と…どうしたんですか?」
橘 「いや、やっぱり今日のMVPは七咲だと思ってさ…」
七咲 「…?」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:19:31.70 ID:efxgJHWO0
・
・
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翌朝
橘 「ふぅ…いい目覚めだな」
美也 「おはようにぃに…今日帰るんだよね…」
橘 「ああ…楽しかったな」
美也 「色々あったね、海での着替えのとき、紗江ちゃんとりほちゃんのサイズを比べたり…」
橘 「えっ!?なんだそれ、聞いてないぞ!」
美也 「だって言う必要ないじゃん」
橘 (くそぅ…こんなことなら着替え終わった後、中の声が聞こえるところで待っていればよかった…)
美也 「それより、早く準備しようよ。飛行機の時間に間に合わせなきゃ」
橘 「ああ、そうだな…」
橘 (ちくしょう、この悔しさ、『ハワイ旅行の屈辱』とタイトルをつけて永遠に覚えておくぞ…)
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:25:47.73 ID:efxgJHWO0
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・
送迎バス内
中多 「はぁ…楽しかったなぁ…」
桜井 「そうだね~、いっぱいおいしい物食べれたからね~」
伊藤 「桜井、アンタ旅の思い出が食べ物だけってことはないよね…?」
七咲 「けど、あっという間でしたね…」
橘 「本当だな…思い出はたくさんあるのに、時間は早く過ぎるんだもんな…」
美也 「なんか帰りたくないな~…」
橘 「けど、やっぱり今は家に帰りたいな…」
美也 「うん…帰ったらゆっくりくつろいで、お母さんにお土産話聞かせてあげなきゃ…」
橘 「そうだな…」
…こうして、僕達の2泊3日のハワイ旅行は終わった。
ちなみに、美也は帰りの飛行機でビーフオアフィッシュと聞かれて喜んでいた。
初めての海外旅行、楽しいものになって本当によかった…。
アマガミSS『みゃーのおさんぽ 番外編・ここは南の島』 完
亀仙人「まだ終わりじゃないぞ、もうちょっとだけ続くんじゃ」
絢辻 「誰よあなた」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:32:14.99 ID:efxgJHWO0
おまけ・お土産の行く末
橘 「ほら、梅原」
梅原 「おおおっ!こいつはまさしく、夢にまで見た海外モノ…!恩に着るぜ、大将!」
橘 「向こうでチラッとだけ中を見たけど…凄いぞ」
梅原 「おお…凄いか…そいつぁ楽しみだぜ…」
棚町 「ホンット相変わらずね、アンタ達」
橘 「あ、薫、ちょうどよかった。はい、頼まれてたアロハシャツ」
棚町 「ああ、てんきゅ。…ねぇ純一、楽しかった?」
橘 「?まあ、そりゃ楽しかったよ」
棚町 「そう…それは良かった」
橘 「?」
梅原 (ああ…罪作りだねぇ大将)
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:39:54.59 ID:efxgJHWO0
・
・
・
橘 「絢辻さん」
絢辻 「なぁに、橘君?」
橘 「はい、お土産」
絢辻 「えっ…別にいいって言ったのに」
橘 「いいからいいから。はい」
絢辻 「そう?じゃあ、遠慮なくもらおうかな。中身はなんなの?」
橘 「マーライオンだよ」
絢辻 「…へー」
橘 「売店でいいなと思ってさ。ハワイっぽくていいでしょ?」
絢辻 「ええ、そうね…」
絢辻 (この笑顔を見ると、どうやら知らずに買ったみたいね…マーライオンはハワイじゃなくて、
シンガポールのシンボルだってこと)
橘 「へへへ…」
絢辻 (…まぁ、本人に悪気はないみたいだし、今日は素直に受け取ってあげるか…それにしても、
こんなものを売ってる売店も売店なら、観光したのに気づかない橘君も橘君よ…やれやれね)
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:48:48.58 ID:efxgJHWO0
・
・
・
橘 「森島先輩、塚原先輩」
森島 「あ、ヤッホー橘君。どうしたの?」
橘 「ハワイのお土産を買ってきたので、渡そうと思って」
森島 「お土産…?」
塚原 「ちょっとはるか、自分が頼んだことくらい覚えておきなさい」
森島 「え?ああ、ワンちゃんのポストカードのことね。買ってきてくれたの?」
橘 「はい。えっと…こっちです」
森島 「うわ~、かっわい~。この背景ってさとうきび畑よね?」
橘 「はい、ハワイっぽくていいんじゃないかって薦められて」
森島 「グー、ベリグーよ橘君。本当にありがとね」
橘 「それと、塚原先輩に頼まれたアロハシャツです。どうぞ」
塚原 「あら、ちゃんと買ってきてくれたのね。ありがとう。…へぇ、結構いいセンスしてるじゃない」
橘 「いえいえ、そんな…」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 19:55:54.70 ID:efxgJHWO0
・
・
・
放課後 茶道部室
夕月 「で、わたし達の分は?」
橘 「え、ありませんけど…」
夕月 「ぬぁぬぃい!?ちょっとは気を利かせろよ!」
橘 「だって、先輩達の分は梨穂子が買ったと思って…」
夕月 「ああもらったよ…でも全部食い物だったんだよ!なんでだよ!1つは形で残るもの買ってこいよ!
だからアンタに一縷の望みをかけたってのに…期待はずれどころか買ってきてもないとか…」
飛羽 「これは、お仕置き物」
橘 「で、でも、僕は茶道部員じゃないし…」
飛羽 「問答無用」
夕月 「お世話になってる先輩にくらい、ちったぁ気ぃ利かせろぉぉぉ!」
橘 「イヤアアアアア!」
おまけ・1 おわり
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:04:47.66 ID:efxgJHWO0
おまけ・ハワイ旅行の屈辱
中多 「んしょ…っと」スル
美也 「うひゃー、あいかわらずおっきいねー、紗江ちゃんの胸」
中多 「そ、そんなこと…」
伊藤 「どれどれ…うわ、スゴ…桜井に匹敵するね、こりゃ」
美也 「ホント、年中無休でふかふかだね~」モミモミ
中多 「ひゃ、ちょ、美也ちゃ…あん…」
伊藤 「おお~…そうだ、桜井。アンタちょっとこっち来なさい」
桜井 「え、どうしたの?」
伊藤 「いいからいいから…それっ!」ガシッ
桜井 「ちょ、香苗ちゃん、どうして腰をホールドしてるの~?」
伊藤 「美也ちゃん、そのままこっち来て。あたし達の横」
美也 「あ、はい」
伊藤 「よーしオッケー…桜井、中多さん、そのまま動かないでね」
七咲 「一体なにやってるんですか…全く」
伊藤 「何って、乳比べに決まってるじゃない」
七咲 「乳比べって…」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:18:19.23 ID:efxgJHWO0
伊藤 「いいから、七咲さんもこっち来て。こんな大きい胸が二つあったら、そりゃ比べてみたくなるってもんでしょ」
七咲 「いえ、別に…」
伊藤 「も~、ノリ悪いなぁ。いいから、もっとこっち寄って」
七咲 「はぁ…」
桜井 「う~、恥ずかしいよぉ…」
伊藤 「はいはい、そのままそのまま…それっ!」モミュッ
中多・桜井「ひゃぁん!」
伊藤 「おお~…これはこれは…」モミモミ
美也 「い、伊藤先輩、どうですか!?」
伊藤 「どちらもいい揉み応えだけど、根本的に柔らかさの質が違う気がする…大きさは…甲乙つけ難い感じかな…」
美也 「せ、先輩、みゃーも揉んでみていいですか!?」
伊藤 「どうぞどうぞ」
桜井 「わたし達の意志はどこに…ひゃぅぅ!」
美也 「おお~…同時に違う人の胸を揉むって、なんか新感覚…」
七咲 「もう比べることなんてどうでもよくなってる…これじゃ先輩と同レベルじゃない…」
伊藤 「ぬっふっふ…隙ありっ!」フニュッ
七咲 「うひゃあ!?な、何を…」
伊藤 「運動部の胸ってどんな感じかなぁと思ってねぇ…おお、これは中々…」フニフニ
七咲 「ちょ、やめて下さ…ぅんっ…」
・
・
・
橘 「みんな遅いなぁ…」
おまけ・2 おわり
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:22:11.68 ID:efxgJHWO0
とうとう最後まで書ききった…思えば長かった…
このSSを書き溜めなしで書き始めた次の日、規制されて書き込めず、
それから約2ヶ月規制されっぱなし…ようやっとリベンジを果たせた…
ここまで読んでくれてありがとう。やっぱり絢辻さんは俺のマイハニーだね。
さて、次行こうかな…
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:24:55.79 ID:efxgJHWO0
それじゃ、次行かせてもらいます。
深夜に書いたものなのでぶっ壊れてるけど、気にせず楽しんでね。
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:26:59.18 ID:efxgJHWO0
昼休み
橘 「ンーパーカンッパッカ、いっしょーにゆこー…あれ、テラスの机の下にダンボールが…」
桜井 「あ、純一~」
橘 「あ、梨穂子」
桜井 「何それ?ダンボール?」
橘 「うん。テラスの机の下にあったんだ」
桜井 「え?なんで?」
橘 「僕に聞かれてもな…それにしても」
橘 (何故だ、このダンボールをかぶってみたい…別に、かぶるくらい変じゃないよな…)カポッ
桜井 (あ、このダンボールサバの箱だったんだ…おいしそ~…)タラ~
ピシャッ シュゴオオオオオオオオ
桜井 「ひゃあっ!何!?ダンボールが光ってる!?」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:48:53.49 ID:efxgJHWO0
橘 「………」
桜井 「び、びっくりしたぁ…大丈夫、純一?」
橘 「…………」
桜井 「…純一?」
橘 「……URYYYYYYY----ッ!」
桜井 「きゃあああああーーーッ!?」
美也 「あれ、りほちゃんの悲鳴?」
七咲 「どうしたの美也ちゃん?」
美也 「りほちゃんが悲鳴をあげてるってことは…またお兄ちゃんがなんかやらかしたのかも」
七咲 「先輩が?全く、あの人は…」
美也 「向こうから聞こえた…行ってみよう、逢ちゃん」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:53:05.14 ID:efxgJHWO0
美也 「りほちゃん、大丈b…な…」
七咲 「どうしたの美也ちゃ…ッ!?」
…それはまさに地獄の1ページと呼ぶべき状態だった…
セーター、靴下、リボンを脱がされた桜井が、顔をよだれ塗れにしながら椅子に突っ伏していた…
そしてその前には、サバのダンボールをかぶった男が、堂々と仁王立ちしていた…
桜井 「じゅ、純一…いきなり何するのぉ…」
橘 「…り…梨穂子 梨穂子!ぼくはこんなにッ!こんなにすばらしい力を手に入れたぞ!ダンボールからッ!!
お前のよだれからッ!!」
男子A「なっ なんてことだ」
男子B「おれにはわからねえ……今…なにが起こっているのかさっぱりわからねえ…」
美也 「何してるのにぃに!幼馴染だからってやっていいこととダメなことがあるでしょ!」
橘 「美也…それに七咲か…見ろ!今の僕にはッ!この程度赤子の手をひねるより簡単なことよッ!」
七咲 「バカなこと言ってないで落ち着いてください!いくらなんでもやりすぎです!!」
橘 「七咲ィィィ!もう少し……もう少しこのすばらしい力を楽しませてもらうぞォ!
…自分でも…どこまで…できるか…まだわからないからなァ…」ヒュッ!
七咲 「あっ、校舎の方へ!」
美也 「追いかけなきゃ!待っててりほちゃん、後でにぃににしっかり謝らせるからね!」
桜井 「…ま…待って美也ちゃん…あのダンボールには…まだ解いていない謎が…」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 20:57:02.52 ID:efxgJHWO0
中多 「どうしたんだろう…テラスの方が騒がしいけど…」
シュタッ!
中多 「ひゃ!せ、先輩……?どうしてダンボールなんか…」
橘 「UUURRRRYYY!!」
中多 「ひゃあああああ!?」
七咲 「あ、いたっ!」
美也 「さ、紗江ちゃんが!?」
橘が狙ったもの!意外!それは太ももッ!
橘は叫び声をあげると同時にッ!その上半身を一瞬で下げッ!中多の太ももの間へとその手と顔を突っ込んだッ!
橘 「レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ」
中多 「う、うひゃぁぁぁぁ!?」
七咲 「さ、最低……ッ!」
橘 「…ふぅ」
中多 「ひぇ、ひぇんぱい…いきなり、こんなぁ…」ヘナヘナ
美也 「ちょっとにぃに!どう言い訳するつもり!?人の友達に手出して!」
橘 「まだだ…まだ足りないッ!」ヒュッ!
美也 「あ、また逃げた!待てー!」
桜井 「待って、美也ちゃん!」
美也 「りほちゃん!?大丈夫なの?」
桜井 「う、うん…それより…」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:01:06.49 ID:efxgJHWO0
美也 「じゃあ、にぃにがおかしくなったのは、あのダンボールのせい?」
桜井 「うん…かぶっただけなら大丈夫だったんだけど、わたしがサバ美味しそうだな~って思ってよだれをダンボールに
垂らしたら、突然ダンボールが光って、純一がおかしくなっちゃったの」
美也 「じゃあ、あれはにぃにが自然におかしくなったわけじゃないんだ…ていうかりほちゃん、ダンボールのサバで
食欲が刺激されるってどうなの…」
桜井 「う…と、とにかく!あのダンボールをどうにかすれば、純一は元に戻るはずだよ!」
美也 「わかった、狙いはダンボールだねっ!」
七咲 「あの、それはいいけど、肝心の先輩を見失ったんじゃ、ダンボールを取る以前の問題だと思うんだけど…」
美也 「あ…」
桜井 「ご、ごめ~ん!わたしが引きとめたから…」
七咲 「いいから、早く探しましょう!こうしているうちに、また犠牲者が…!」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:05:52.84 ID:efxgJHWO0
棚町 「あ~…純一がいないと、いじり相手がいなくて暇ねぇ」
シュタッ!
棚町 「うおっ、純一!?どっから来たのよ…っていうか、何そのダンボール…プッ」
橘 「……モジャモジャ……」
棚町 「は?ちょっとアンタ、何いきなり失礼なこと言ってんのよ」
橘 「……憎いよおおおぉぉぉぉ!!!」
棚町 「ひぃっ!?」
橘 「モジャモジャ頭が憎いよおおおおぉぉぉぉ!」
キャァァァァァ…
七咲 「悲鳴!?」
美也 「あっちだ!行こう!」
美也 「大丈夫ですか!?」
七咲 「見たところ、2年生みたいだけど…こんな人見たこと無い…」
棚町 「う、うぅぅ…」サラッサラ
桜井 「わたしも、こんな人見たことない…」
棚町 「あなたはあたしのこと知ってるでしょ…あたし、棚町よ」
桜井 「え…うぇぇっ!?でも、棚町さんってパーマだったんじゃ…」
棚町 「さっきまではね…けどあのバカがいきなりあたしの頭をいじって、どうやったか知らないけどストレートヘアに仕立て上げたのよ」
七咲 「すごい…こんなきれいな髪、初めて…」
棚町 「そりゃ、嬉しくないわけじゃないわよ…けどアイツ、雰囲気が人間じゃなかったわ」
七咲 「それで、先輩はどっちに行きました?」
棚町 「向こうよ…2年の教室の方ね」
美也 「教室!?そんなとこにいったら、たくさんの犠牲者が…!」
桜井 「急がないと!」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:09:48.64 ID:efxgJHWO0
伊藤 「おっそいなぁ、桜井…パン買ってくるだけって言ってたのに…」
橘 「……」
伊藤 「あ、橘君。って何、そのダンボール?ま、いいや、桜井知ら…」
ペロッ
伊藤 「ひゃあぁぁ!?い、いきなり何すんの!?」
橘 「この味は…背中が美味しそうな味だぜッ!」
伊藤 「なんなのよさっきから、わけのわからな…」
それはまさに一瞬!伊藤が台詞を言い切る前に橘は一瞬で伊藤の背後に回りこみッ!
ダンボールででかくなっているはずの頭をッ!背中と服の間に押し込んだッ!
橘 「ンまい!ンめぇーじゃあねえかッ!いけるぜッグーーー」ズビズバー
伊藤 「ひ…やああああぁぁっ!?」
橘 「…こんなところか」
田中 「あ、あぁぁ…」
橘 「ム!」
田中 「あ…み、見逃して…」
橘 「……」
田中 「い、いやあ…」
橘 「…ま、いっか、田中さんは」ヒュッ!
田中 「へ?た、助かった…?でもなんか複雑な気分…」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:13:02.39 ID:efxgJHWO0
絢辻 (騒がしいわね…どいつもこいつも静かにできないのかしら、全く)
シュタッ!
絢辻 「きゃ!?た、橘君?何よその格好…」
橘 「!あ、絢辻さん…」
絢辻 「もしかして、この騒がしさの原因はあなた?いつもいつもいい加減にしてよ」
橘 (ど、どうする…絢辻さんを相手にするのか…?)
絢辻 「どうしたの?言い訳をする気もないの?」
橘 (あ…絢辻さんを舐めまわせなかったときのことを考えるんだ 今絢辻さんを舐めまわせなかったら絶対後悔する…一生後悔する!!
絢辻さんを舐めまわすのは この僕だ!)
橘 「絢辻さん!あしたっていまさッ!」
絢辻 「何わけの分からないことを…ひぃやぁぁぁ!?」
美也 「あ、いた!にぃに!」
橘 「おっと、まずいな」シュッ!
七咲 「また逃げられた…!」
桜井 「絢辻さん、大丈夫?」
絢辻 「大丈夫なわけないわよ…一体なんなのあれ…?」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:16:58.74 ID:efxgJHWO0
橘 (あの絢辻さんを舐めまわせるなんて…最高にハイって奴だ!さて、そろそろ〆にしようか…)
森島 「あら、橘君。ダンボールなんかかぶってどうしたの?」
橘 「!先輩…!でェケケケーーッ!肌ァアアア吸ったらいいだろォなァ!!」ガバッ
森島 「え…?」
ゴン!
橘 「なァんだァア~?食事じゃまァ~すんなょなァ~」
ゴオォン バガッ
橘 「ぐえッ」
森島 「ひびきちゃん!」
塚原 「全く…おいたが過ぎるんじゃないの?橘君」
森島 「だ、大丈夫なの…?」
塚原 「大丈夫よ、ある程度手加減はしたから」
橘 「は……」
塚原 「!?危険よはるか、下がって…」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:20:18.04 ID:efxgJHWO0
ガサガサガサッ!!!
橘 「はッ はッ はッ 這って動く…水着!!」
塚原 「きゃ、きゃああああ!?気持ち悪いっ!」
森島 「橘君、なんだかあの虫みたい…!」
橘 「はッ はッ はッ はッ」ガサガサガサ
塚原 「こ、来ないでえええ!」
橘 「はッ!はッ!はッ!はッ!」ガサガサガサガサッ!!!
森島 「い、行っちゃった…なんだったの…?」
七咲 「森島先輩!」
森島 「あ、逢ちゃん!」
七咲 「橘先輩がどこに行ったか、分かりませんか?」
森島 「橘君?あの子なら、ひびきを這って追いかけて向こうにいっちゃったわよ」
七咲 「ありがとうございます、それじゃ!」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:24:09.54 ID:efxgJHWO0
塚原 「はっ、はっ、はっ…い、行き止まり…!」
橘 「ハーッ…ハーッ…追いかけっこは終わりですよ…邪魔した分、僕のデザートになってもらいます」
塚原 「だ、誰か…」
七咲 「待ちなさい!」
橘 「!?」
塚原 「七咲!」
七咲 「塚原先輩より、いつも親しんでいるこっちのほうがいいんじゃないですか!?」ガバッ!
塚原 「ちょっと七咲、あなた何を…!」
七咲 「今なら好きなだけポケットに手を突っ込んでもいいですよ!さあ!どうします!?」
橘 「う…ぼ…僕ゥゥゥの七咲ィィィん!」ガバァッ
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:28:08.73 ID:efxgJHWO0
七咲 「…今です!!」
桜井 「えええぇーーーい!!」ガバッ
橘 「MMMMMMOOOHHHH!!」
美也 「や、やったッ!」
七咲 「桜井先輩、早くダンボールを!」
桜井 「うん!…あ、あれ?取れない!?」
七咲 「そんな!?」
橘 「ククク…かかったな!お前たちは将棋で言うところの『詰み』の状態になったのだッ!
二人揃って僕の「生命」としよう これまでの女子のようになァアア」
美也 「そ、そんな…このままじゃ二人が…」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:32:58.76 ID:efxgJHWO0
梅原 「ったく、ついてないぜ…ベルトが壊れちまうたぁよぉ…」
美也 「…!!!」
その時!美也の頭に突然の閃きが起こったッ!
これまで純一はずっと『女子』を対象に襲っていた…自らの『糧』とするため!
ならば!『男子』ならッ!逆の効果を純一に与えられるのではないか!?
美也 「ウメちゃん、ごめん!」
梅原 「ん、美也ちゃん?」
美也 「にぃに、こっち見てぇぇぇぇ!」
橘 「?」
ズルッ
梅原 「へ…」
七咲 「」
桜井 「」
橘 「……SYYYYAAAAHHH!!」シャゴーーー
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 21:36:33.47 ID:efxgJHWO0
美也 「や、やった…?」
橘 「み、美也ぁ…よくも!このぼくに向かって…」
美也 「そんな、まだダメなの…?」
橘 「たとえ妹でも、橘純一容赦せん!」
美也 「だ、だったら…ええええぇぇい!」ドン
梅原 「ちょ、美也ちゃ、やめてええええ!」
グニィィ…
橘 「GYAAAAAA!!」ポロッ
美也 「と、取れた…やった…」
梅原 「俺が何したってんだよぉ…」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:00:35.70 ID:efxgJHWO0
はいさるったー
橘 「あ、あれ?僕、テラスにいたはずじゃ…」
桜井 「よかったぁ…元にもどったぁ…」
七咲 「全く、本当に人騒がせな先輩です…」
橘 「えっと…僕、なんかやらかしちゃった?」
高橋 「ええ、とんでもない大騒動をね」
橘 「あ、高橋先生…」
高橋 「橘君、あなたが今回やったこと、見逃すわけにはいかないわ。あなたには、しばらく自宅謹慎してもらいます」
橘 「え、えええっ!?ぼ、僕、いくらなんでもそこまでのことをした覚えは…」
高橋 「そんなバレバレの嘘をついてもだめよ。ダンボールで顔を隠したつもりかもしれないけど、思いっきり正体みんなにばれてたわよ」
橘 「僕は本当に…」
高橋 「何を言っても無駄よ。しっかり反省しなさい」
――こうして、僕は身に覚えの無い罪で自宅謹慎させられることになった。
それ以来、僕は二度と落ちてるダンボールをかぶらないことを誓ったのだった――。
アマガミSS『ジュンイチの奇妙な冒険 不死の変態の巻』 完
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:09:16.01 ID:efxgJHWO0
いやー、相変わらずひどいひどい
あ、田中さんをいじらなかったのは、それがベストだと思ったのと、ネタが浮かばなかったからです
次に行く前にいくつか注意。
次のSSはアニメ七咲編1話視聴前だったので、ひとつ矛盾が生まれてます。できれば触れずに
あたたかーい目で読んでください。
あと、原作プレイ済みの人は絢辻・棚町スキ前提で読んでくれるとより分かりやすいと思う。
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:11:29.05 ID:efxgJHWO0
美也 「ねーにぃに、散歩行こうよ」
橘 「えー…一人で行って来いよ。僕は一日中家でゴロゴロしてるよ」
美也 「だって一人で散歩したってつまらないよ。ねぇ~、行こうよにぃに~」ユサユサ
橘 「ああもう、分かったよ。ちょっとだけだからな」
美也 「やった~!どこに行こうかな~、にししし♪」
橘 「やれやれ…困った妹だな」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:14:16.31 ID:efxgJHWO0
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・
美也 「こーやって町をぶらぶらしてるだけでも楽しいね~」
橘 「そうかな…ふわぁぁぁ…」
美也 「もーにぃにったら、さっきからアクビばっか…あれ?あれって逢ちゃんかな?」
橘 「ん?ああ、そうみたいだな。多分自主練で長距離走をやってるんじゃないか?」
美也 「そっか~…。お~~い、逢ちゃ…」
橘 「やめておけよ。せっかく頑張ってるのに、邪魔しちゃ悪いだろ」
美也 「う~ん…それもそうだね。んじゃ行こっかにぃに」
橘 「そうだな」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:18:47.51 ID:efxgJHWO0
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美也 「あ、ファミレスだ。そういえばみゃー、おなか減ってきちゃった」
橘 「そうだな…僕も小腹がすいたし、からかいついでに行くか」
美也 「へ?からかう…?」
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・
棚町 「いらっしゃい……」
橘 「よ」
棚町 「……いらっしゃいませ~。お二人様、カップルでのご案内でございますね~」
橘 「ははっ、冷やかすなよ。照れるじゃないか」
棚町 「うわっ、まさかマジでシスコン?正直引くわ…」
橘 「お、お前が先にふってきたんじゃないか!」
美也 (誰だろう…にぃにの知り合いかな)
棚町 「まぁいいや、ちょうど良かった」
橘 「?何が?」
棚町 「…只今満席となってますので、相席でもよろしいでしょうか~?」
橘 「満席って、見ての通りこの時間に満席なわけが…」
棚町 「はい、よろしいっと。それじゃご案内させていただきま~す」
橘 「ちょ、何を勝手なこと…」
棚町 「いいから早く来てよ。あたしじゃどうにもならない事態なんだから」
橘 「どうにもならない事態って…」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:22:20.59 ID:efxgJHWO0
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・
棚町 「お客様、申し訳ございませんがべつのお客様と相席となってもよろしいでしょうか?」
絢辻 「はぁ?こんなにガラガラなのに、どうして相席なんてしなきゃ…あ!」
橘 「あ、絢辻さん!」
絢辻 「ちょっと棚町さん、これってどういう…」
棚町 「相席、よろしいでしょうか、よろしくないでしょうか?」
絢辻 「…分かったわよ。あたしは別に構わないわ」
棚町 「どうも申し訳ございませ~ん」
橘 「ちょ、ちょっと待てよ薫!」グイッ
棚町 「きゃ、何すんのよ」
橘 (何すんのよじゃないだろ!一体どういうことなんだ!)ボソボソ
棚町 (どういうことも何も、見ての通りよ。さっきいきなり絢辻さんが来て、対応に困ってたのよ)ボソボソ
橘 (困ったって、お前仮にも店員だろ!)ボソボソ
棚町 (しょうがないじゃない!あたしと絢辻さんが相性悪いのあんただって知ってるでしょ!
あんた苦手な相手を自分の店の席に案内しなきゃいけないあたしの気持ち考えたことある!?)ボソボソ
橘 (そんなシチュエーションたった今初めて遭遇したよ!)ボソボソ
美也 「にぃに、どうしたの?そんな隅っこにいないで早く座ろうよ~」
橘 「ああっ、美也、お前何絢辻さんと同じ席に座ってるんだっ!」
棚町 「美也ちゃん、ナイス!そんじゃごゆっくり~!」
橘 「ああっ、待て薫!」
絢辻 「どうしたの橘君?早く座ったら?」
橘 「う…そ、それじゃあ失礼します…」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:25:30.04 ID:efxgJHWO0
そうだ、今何人いる?
一応確認したい
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:29:07.28 ID:efxgJHWO0
4,5人はいるか…じゃあ問題ないな
・
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橘 「それにしても、絢辻さんがファミレスに来るなんて意外だな」
絢辻 「あたしだって本当は家で勉強する気だったわよ。けど家に五月蝿いのがいるから、集中できなかったのよ」
橘 (五月蝿いのって…まあ、大体想像はつくけど)
絢辻 「それで一人で集中できそうなこの時間帯のファミレスに来たら、棚町さんが働いてるじゃない。
別の店にしようかとも思ったけど、後ろめたいこともないのに他人のためによさそうな場所を諦めるなんて、
癪じゃないの。だから今までここで一人で勉強してたのに…」
橘 「…邪魔してゴメン」
絢辻 「あなたが謝る事はないわ。悪いのは全部棚町さんだもの」
橘 「ははは……それより、美也もいるのにそっちの絢辻さんでいいの?」
絢辻 「ああ…そうだったわね。まあ今更って感じもするけど」
美也 「…にぃに、この怖そうな人誰?」
橘 「ああそっか、美也は絢辻さんとも薫とも面識ないからな。この人は絢辻詞さん…」
● 僕のクラスのクラス委員なんだ
● 僕の恋人さ
● 僕のご主人様だよ
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:32:25.09 ID:efxgJHWO0
● 僕の恋人さ
橘 「僕の恋人さ」
美也 「え……」
絢辻 「な……な、何馬鹿なこと言ってるのよ!そんなわけないじゃない!!」
美也 「そ、そうだったんだ……だ、駄目な兄ですが、どうぞよろしくお願いします…」
絢辻 「ち、違うわよ!ちょっと、橘君も何か言ってよ!」
橘 「ははっ、ゴメンゴメン。美也、今のはウソだ。ホントはただのクラスメイトだよ」
美也 「へ…なぁんだ。そりゃそうだよね。こんな美人さんがにぃにの事好きになるわけないよねぇ~」
橘 「こ、コイツ…」
絢辻 (…言ってくれれば、別にそうなってもいいけど…)ボソッ
橘 「へ?何か言った?」
絢辻 「ううん、何にも」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:35:28.50 ID:efxgJHWO0
美也 「それで、さっきのもじゃもじゃの人は誰なの?」
橘 「もじゃもじゃって…まあ、そりゃ間違ってはいないけど…」
絢辻 「……プッ」
橘 「絢辻さん、笑っちゃ駄目だよ」
絢辻 「だ、だって…よく知らない相手にまでもじゃもじゃって…ふっ、ふふふふっ…」プルプル
橘 「…まぁ、それは置いといて。あいつは棚町薫、中学の時からの付き合いなんだ」
美也 「えっ…そうだったの?全然知らなかった…」
橘 「うーん…そういえば、なんで今まで薫と美也が知り合う機会がなかったんだろう」
絢辻 「家族の交友関係なんて、意外と知らないものよ。あたしだって、あの姉が誰とどういう付き合いをしてるかなんて、
ほとんど知らないもの」
橘 (絢辻さんの場合、かなり特殊な家族関係だからってのもあると思うけど…)
絢辻 「それより、話はもういいのよね?あたし、勉強に戻りたいんだけれど」
橘 「ああ、ゴメン。それじゃ、僕たちは注文を取ろうか」
美也 「そだね。何にしようかなぁ…」
橘 「僕は…オムライスにしようかな」
美也 「あ、じゃあみゃーもオムライスにしよーっと」
橘 「絢辻さんは注文しないの?」
絢辻 「あたしはコーヒーだけでいいわ。それ程食欲があるわけでもないから」
橘 「そっか。じゃあ店員さんを呼ぶか」ピンポーン
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:39:38.01 ID:efxgJHWO0
棚町 「はーい。ご注文承りまーす」
橘 「オムライス二つで」
棚町 「オムライス二つですね?かしこまりましたー。そちらのお客様のご注文は?」
絢辻 「…コーヒーお替わり」
棚町 「あれ、それだけですか?せっかく相席の方がお食事を注文なさったのに」
橘 (ば、バカ、何挑発するような事…!)
絢辻 「…余計な事を言ってる暇があったら、さっさと注文を取りに戻ったらどうですか?」
棚町 「あら、これは失礼しました。それではこちらのお客様方はオムライス二つ、
こちらの寂しいお客様はコーヒーたった一杯のお替わりでよろしいですか?」
橘 「は、はい、大丈夫です…」
絢辻 「…それでいいです」
棚町 「かしこまりましたー。少々お待ちくださーい」
橘 「…ふぅ(か、薫のやつ、なんであんな事…)」
…カチカチカチカチカチカチカチカチ…
橘 「…あ、絢辻さん?」
絢辻 「……なによ」
橘 「い、いや、なんでボールペンを何度もノックしてるのかなって…」
絢辻 「……何か文句あるの?」
橘 「い、いえ、ありません…」
絢辻 「………」カチカチカチカチ…
美也 (に、にぃに…なんか怖いよ…)ボソボソ
橘 (ぼ、僕だってどうすればいいか分からないよ…)ボソボソ
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:44:45.52 ID:efxgJHWO0
橘 「…そ、そうだ!絢辻さん、美也に勉強教えてやってくれないかな?」
美也 「え、えええっ?」
絢辻 「…あたしが?」
橘 「う、うん。美也と絢辻さんの親交を深めるためにも、ね?」
絢辻 「…まあ、別にいいけど。それじゃあ美也ちゃん、隣に座ってもいい?」
美也 「は、はい…どうぞ」
絢辻 「ありがとう。それじゃあ、どこを教えて欲しい?」
美也 「そ、それじゃあ、数学の…」
橘 (頑張れ美也…この場を和ませられるのはお前しかいない…!)
・
・
・
絢辻 「……そうしたら、この部分が因数分解できるでしょう?後はこの数をこのaに当てはめれば…」
美也 「あ、ホントだ、答えが出た!すごぉい…絢辻先輩って凄く頭いいんですねぇ…」
絢辻 「ふふっ、ありがとう美也ちゃん。それじゃあ、今の要領でこの問題をやってみて?」
美也 「は、はい…やってみます…!」
絢辻 「そんなに気合を入れなくてもいいわよ。気楽に取り組んでみて?」
橘 (良かった…絢辻さんも落ち着いたし、二人の仲もいい感じだし、上手くいってるみたいだ…)
棚町 「お待たせしましたー。オムライス二つと、コーヒーのお替わりになりまーす」
橘 「あ、はーい。美也、オムライスが来たぞ」
美也 「うわぁ、おいしそー…!」
絢辻 「ふふ、食欲旺盛ね。それじゃあ、取り掛かるのは食後にしましょうか」
棚町 「あら、随分仲良くされていらっしゃるんですね?」
絢辻 「ええ、3年付き合いがあったのに全く面識のなかったあなたとは違って、家族とも仲良くできそうですね」
棚町 「あらあら、別に家族と仲良くなったからって、本人と上手くいくってわけではないと思いますけど?」
橘 (…あ、あれ?なんだかまた空気が…)
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:47:23.64 ID:efxgJHWO0
絢辻 「自分にできなかったことをやっているのを妬むなんて、情けないですね」
棚町 「別に、本人との関係を大事にしただけですから」
絢辻 「あらお上手。けど結果からなら何とでも言えますからね?」
棚町 「どういう付き合いをしてたかも知らないでそんな風に言えるなんて、余程いいお付き合いをしてるんですね?」
絢辻 「ええ。少なくとも3年間ほとんど関係に変化のなかったあなたよりは」
棚町 「変える必要も無かったほどいい関係だった、ってことですよ」
絢辻 「でしたら、ずっとそのままでいらっしゃったら?その間に私がいただきますから」
棚町 「冗談がお好きですのね。あなたにかっさらわれるほど、あたしも間抜けではなくってよ?」
絢辻 「あらあら、本当かしら?」
棚町 「意外と抜けていらっしゃるのね。目の前の相手の力量も測り違えるなんて」
絢辻 「あらもう、本当にお上手なんですから」
棚町 「いえいえ、それ程でも。おほほほほほほ」
絢辻 「うふふふふふふ」
橘 (い、一体何が起こっているんだ…)
美也 「…にぃに、なんだかまた怖くなってきた…」
橘 「だ、大丈夫だよ、ほら、二人とも笑ってるじゃないか…」
美也 「その笑い声が怖いよ…」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:51:43.64 ID:efxgJHWO0
棚町 「それでは、ごゆっくりどうぞー♪」
絢辻 「ええ、そうさせてもらうわ」
橘 「さ、さあ美也、オムライス食べるか!」
美也 「う、うん!いただきまー…」
ベキッ!
橘 「…え?な、何の音…」
絢辻 「…………」
橘 (あ、絢辻さんのシャーペンが…!)
絢辻 「…調子に乗って…必ず後悔させてやるわ、あの女…!」
橘 「あ、絢辻さん、落ち着いて…」
棚町 「あーーーっ、何よあの女!腹立つわね!」
橘 (み、店の奥から薫の声が…)
絢辻 「……どうしたの橘君?食べないの?」
橘 「あ、え、いや、食べるよ…い、いただきます…」
橘 (ど、どうしよう、また空気が…)
美也 「…にぃに…」
橘 「だ、大丈夫だよ、多分…」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:55:22.86 ID:efxgJHWO0
・
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・
橘 「ご、ご馳走様…」
美也 「…ご馳走様…」
橘 (うう、なんだか落ち着いて食べられなかった…)
絢辻 「それじゃあ、さっきの続きをしましょうか。美也ちゃん、やってみて」
美也 「あ、はい…」
橘 (こ、これで空気が戻るといいけど…)
棚町 「食器をお下げしまーす♪」
橘 「はい、どうも…」
棚町 「そちらのお客様も、コーヒーカップをお下げしてもよろしいですか?」
絢辻 「いいえ、もう一杯コーヒーのお替わりをもらおうかしら」
棚町 「あら、まだコーヒーだけで居座る気なんですか?」
絢辻 「ええ。あなたと彼を一緒に残してなんて帰れませんから」
橘 (や、やっぱりこうなるのか…)
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 22:59:33.67 ID:efxgJHWO0
棚町 「そんなこと気にしないで、とっととお帰りになったらよろしいのに」
絢辻 「そうですね…あなたがお仕事を終えたら、そうしてもいいかしらね?」
橘 「そ、それじゃあオムライスも食べたし、僕たちはこれで…」
絢辻・棚町「ダメよ」
橘 「えっ、で、でも…」
絢辻 「だって、まだ美也ちゃんに勉強を教えてる途中だもの。ねえ美也ちゃん?」
美也 「え、えっと、その…」
絢辻 「まだ私に勉強教えてもらいたいわよね?そうでしょう?」
美也 「は、はい、教えてもらいたいです…」
橘 「み、美也…」
棚町 「そういうことだから、もうちょっとゆっくりしていきなさいよ。ね?」
橘 「…でも、僕たち散歩の途中で寄っただけで…」
絢辻 「橘君。もしあなたが帰るなら、私そこの水の入ったコップの中身を、今すぐ空にするわ」
棚町 「あたしも、多分コーヒーのお替わりを持ってきて、ポットの中身を空にしちゃうと思う」
橘 「そ、そうしたら、多分僕、熱膨張で割れちゃうね…」
絢辻・棚町「くだらないこと言ってないで早く座りなさい」
橘 「…はい…ゴメンナサイ」
美也 「にぃに、ごめんね…」
橘 「…しょうがないよ、お前のせいじゃないさ…」
棚町 「それでは、ご注文はコーヒーのお替わりだけでよろしいですか?」
橘 「…ドリンクバー二つ…お願いします…」
棚町 「かしこまりましたー♪ドリンクバー二つですね♪」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:04:01.44 ID:efxgJHWO0
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棚町 「それではこちらのお客様のお会計が300円、そちらのお客様方は1100円になりまーす」
橘 (うう、店に入ったときはまだ昼前だったのに、もう外は真っ暗だ…)
絢辻 「ご馳走様。とても美味しいコーヒーを飲ませてもらったわ」
棚町 「お褒めいただきありがとうございます。コーヒーがお好きなのでしたら、
もっといいお店をご紹介しましょうか?」
絢辻 「ご丁寧にありがとうございます。でも生憎、いい店ならいくらでも知ってますから」
棚町 「そうでしたか。余計な気遣いでしたね。では、またのご来店をお待ちしております」
絢辻 「ええ。けどしばらくは来ることはないと思うわ。あなたが余計な手出しをしようとしない限りは」
棚町 「あら、ホントにお上手なんですから。おほほほほほほほ」
絢辻 「うふふふふふふふ」
美也 「にぃに、みゃーも大きくなったらこうなっちゃうの…?」
橘 「大丈夫、お前は心の優しい子だから…だから、頼むからこんな風にならないでくれよ…」
棚町 「それでは、店外までお見送りします」
絢辻 「あら、何から何まで丁寧にありがとう」
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:08:42.45 ID:efxgJHWO0
ガーッ ピシャッ
棚町 「二度と来るんじゃないわよ、この優等生気取りの腹黒女!!」
絢辻 「言われなくてもあなたがいる限り二度と来るもんですか、このわかめ頭!!」
棚町 「なっ…」
橘 「ひ、ひいいいっ…!」
美也 「に、にぃにぃ……!」
絢辻 「ふん…ほら、一緒に帰るわよ、橘君」
棚町 「…ちょっと待ちなさいよ。どうしてあんたと純一が一緒に帰るのよ」
絢辻 「あら、知らなかった?私と橘くん、途中まで帰り道一緒なの」
棚町 「ぐっ…だったらあたしだって途中まで一緒に帰るわよ。ちょっとまってなさい、すぐ着替えてくるから」
橘 「で、でも、僕たち早く帰りたいんだけど…」
棚町 「いいから待ってなさい。分かった?」
橘 「はい……(こ、この空気がまだ続くのか…)」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:12:42.26 ID:efxgJHWO0
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棚町 「お待たせ。それじゃ帰りましょうか」
橘 「う、うん」
絢辻 「そうね。橘君、はい」
橘 「え?」
絢辻 「こうやって手を差し出されたら、することは一つでしょ?ほら、早く」
橘 「あ、ゴメン。はい」ギュッ
絢辻 「よろしい」
棚町 「む…はい、純一。絢辻さんと繋いだんなら、あたしとだっていいわよね?」
橘 「あ、わかった…」ギュッ
棚町 「…うん。てんきゅね」
橘 (両手に花…と、普段なら喜べるかもしれないけど、今のこの二人に挟まれるのは生きた心地がしないぞ…)
美也 (にぃに…死なないで…)
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:15:52.39 ID:efxgJHWO0
・
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棚町 「それじゃ、あたしはここで。じゃあね」
橘 「ああ。またな、薫」
棚町 「…妙なことしないでしょうね?」
絢辻 「心配しなくても、品位の無い行為をする気はさらさらないわ」
棚町 「そう、ならいいわ。それじゃ、また明日」
絢辻 「ええ、また明日」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:19:56.90 ID:efxgJHWO0
絢辻 「…ふう。全く、今日は疲れたわ」
橘 「こっちの台詞だよ…」
絢辻 「ごめんなさいね。醜い争いに巻き込んじゃって」
橘 「あ、自覚はあったんだ」
絢辻 「そりゃそうよ。あれだけ派手にやって自覚もないなんて、たちが悪すぎるわよ」
橘 「ははは…絢辻さんは年中無休でたちが悪いと思うけどね」
絢辻 「随分生意気なこと言うじゃない。まあ、妹さんの前だから勘弁してあげるわ」
橘 「どうも…」
絢辻 「…多分、帰ったらあたしも棚町さんも自己嫌悪で落ち込むでしょうね…」
橘 「そうなるのが分かってるなら、やめておけばよかったのに」
絢辻 「…あのね、橘君。あなたには分からないでしょうけど、今のあたしと棚町さんには、お互いに
絶対に引けない『意地』ってものがあるのよ」
橘 「うーん…よく分からないや」
絢辻 「そうでしょうね。むしろ分かってもらっちゃ困るわ」
橘 「?それって…」
絢辻 「…ここでお別れね。それじゃ橘君、また明日」
橘 「え?ああ、うん。また明日…」
絢辻 「美也ちゃんも。また今度、勉強教えてあげるからね」
美也 「は、はい、できれば覚悟ができたときにお願いします…」
絢辻 「ふふっ、別に普段からああじゃないから大丈夫よ。今日は怖がらせてごめんね。
それじゃあ、またね」
美也 「はい、さよなら…」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:23:50.70 ID:efxgJHWO0
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橘 「ふぅ…今日は疲れたな…」
美也 「ごめんねにぃに、みゃーがお散歩行こうなんて言わなかったら、こんなことには…」
橘 「いいんだよ、しょうがなかったんだ。さ、早く家に帰ってゆっくり休もう」
美也 「うん…」
???「あれ~?純一に美也ちゃん?どしたの?」
橘 「あ…り、梨穂子!」
美也 「りほちゃん!りほちゃんこそこんな時間にお出かけ?」
桜井 「違うよ~。今日は一日中家でクッキー焼いてたから、ちょっと気分転換に軽くお散歩しようと思って」
橘 「ああ、お前は一日平和だったんだな…」
美也 「…ねぇにぃに、なんだかみゃー、大きくなったらりほちゃんみたいになりたくなってきちゃった…」
橘 「ああ…体以外なら、きっとなれるさ。がんばれよ…」
美也 「…なんか今失礼なこと言われたような気がするけど、怒る元気もないや…うん、みゃーがんばるよ…」
桜井 「うーん…なんか二人とも元気ないね。あ、そーだ。一日中クッキー焼いてたら、ちょっと量が多く
なっちゃったんだ。二人とも、今からうちに食べに来ない?」
橘・美也「……女神様……!」
桜井 「えへへ~、褒めすぎだよ~」
アマガミSS『みゃーのおさんぽ にぃにといっしょに地獄編』 完
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:31:45.29 ID:efxgJHWO0
いやー、意外と叩かれないもんだな…ケチつけられるかと思ったのに。
あの修羅場シーン、初見のときは「どうなっちゃうんだろう…」とドキドキして見てたな。
やっぱり絢辻さんはどんなときもかわいいなぁ…
>>190 持ってなかったのでありがたくいただいた ありがとう
さて、次はさっき書きあがったばっかのやつだけど、ちょっとしたパロディみたいなものなので
「パロディとかふざけんな」とか「絶対こここうじゃねえだろ」とか感じるかもしれないので注意して読んでね。
194 名前:あ、梨穂子エンド後ね[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:37:48.29 ID:efxgJHWO0
夏休み
橘 「…暇だなあ…けど、一人で外に出てもやることないしなあ………特に約束してないけど、
梨穂子でも誘ってどっか出かけるか」
・
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ピンポーン
桜井 「は~い。あ、純一。どうしたの?」
橘 「なあ、今日何か予定あるか?ないなら、ちょっと散歩に行かないか?」
桜井 「うん、いいよ~。ちょうど退屈してたとこなんだ~」
橘 「実は僕もなんだ。ははっ、ナイスタイミングだったな」
桜井 「そだね~。やっぱり、恋人同士のテレパシーみたいなものでもあるのかな?」
橘 「そうかもな。ま、いいから早く支度しろよ。寝癖ついたままだぞ?」
桜井 「へ?あ、ほんとだ~。えへへ、ちょっと恥ずかしいね。まってて、すぐに準備するから~」
橘 「ああ。全く、相変わらずあわてんぼうだな…」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:41:13.88 ID:efxgJHWO0
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桜井 「相変わらずあっついね~」
橘 「そうだな…梨穂子はこの時期ホントに辛そうだもんな」
桜井 「そうなんですよ~。もう体のあっちこっちが汗だらけで、ちょっと出かけて帰ってきたらあせもがひどくて…」
橘 「胸の下なんか特にひどそうだな」
桜井 「あ、セクハラ禁止~。もう、すぐそういう話にもってくんだから~」
橘 「ははははっ」
桜井 「も~、ちょっとは反省してください。それで、どこ寄ってく?」
橘 「そうだな…暑いし、クーラーのきいてそうなデパートにでも行くか」
桜井 「さんせ~い。ついでにちょっと買い物でもしてく?」
橘 「それもいいかもな。最近それほど金も使ってないから、ちょっとしたものなら買えそうだし」
桜井 「それじゃ、しゅっぱつしんこ~!」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 23:45:35.38 ID:efxgJHWO0
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桜井 「うひゃ~、すずし~!生き返る~」
橘 「そうだな、来てよかった」
桜井 「それじゃどこいこっか?わたしはすごく買いたいってものはないから、純一のすきなとこでいいよ~」
橘 「そうだな…おっ、中古ゲーム屋がある。ちょっと覗いて行こうか」
桜井 「うん、いいよ~」
橘 「おお、ちょっと前のやつならなかなかいい値段だな。どれか買おうかな…」
桜井 「あ、ねえ純一、見て見て」
橘 「ん?これは…ポケットモンスター…モンスターを捕まえて育てるゲームか。確か対戦もできるんだったな」
桜井 「ねぇねぇ、この箱の子、かわいいと思わない?」
橘 「このでっかい花を背負った奴か?うーん、かわいくは無いと思うけど…」
桜井 「え~?そうかなぁ~…」
橘 「うん。僕はどちらかと言うと、こっちの赤い箱のやつのほうが好みだなあ」
桜井 「あ、そっちの子もかわいいね~。でもわたしはやっぱりこっちの子かなぁ…」
橘 「うーん、相変わらず梨穂子のセンスは分からないな…そうだ!梨穂子、二人でこれ買わないか?」
桜井 「ふぇ?このゲーム…?」
橘 「ああ。確かこれのゲーム機なら持ってたから、このカセットと通信用のケーブルがあれば、二人で対戦できるぞ」
桜井 「そっか、面白そ~…うん、それじゃあ買おっか」
橘 「よし、決まりだな。この値段なら、それ程財布も痛くないし。じゃあ買ったらすぐ帰って、お互い進めるか」
桜井 「うん、それじゃ早く買お~」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:02:07.52 ID:jXDGtsJp0 [1/16]
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橘 「さて、買ってきたわけだけど…」
桜井 「どうするの?それぞれ買ってきたのをやる?」
橘 「いや、僕はあとでやるよ。今は、梨穂子がやってるのを見たいな」
桜井 「おっけ~。それじゃ、箱を開けて…カセットをゲーム機に差して…すいっち、お~ん!」
橘 「どれどれ…おっ、映ってる映ってる」
桜井 「この男の子が主人公かな?あ、隣の子、かわいい~…あれ、別の子になっちゃった。
でもこの子もかわいいなあ~」
橘 「おい梨穂子、いいから早く進めろよ。こいつらにはゲームの中で会えるんだからさ」
桜井 「おっと、そだね。それじゃポチっと…あれ、つづきからはじめるがあるね」
橘 「中古だからな。けど僕たちはさいしょからはじめるだろ?」
桜井 「ちょっと見てみたい気もするけどね~。それじゃ、さいしょから…あ、おじいさんが出てきた」
橘 「なになに…へぇ、この人ポケモンの博士なんだ」
桜井 「オーキドって、変な名前だね」
橘 「まあ、ゲームのキャラだからな」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:05:27.84 ID:jXDGtsJp0 [2/16]
橘 「『そろそろきみのなまえをおしえてもらおう』だってさ。ここで自分の名前を決めるんだな」
桜井 「えっと、それじゃあ…り、ほ、こ…と」
橘 「おいおい、主人公は男だぞ?」
桜井 「だってしょうがないじゃんか。女の子にできないからって、自分以外の名前をいれるのはやだよ~」
橘 「そりゃそうだけど…ま、梨穂子がいいならいいか…」
桜井 「そ~そ~。わたしがいいからいいんです~」
橘 「それより、次はライバルの名前を決めるみたいだぞ」
桜井 「ホントだ。え~と、それじゃあ…じゅんいちでいいかな~」
橘 「なんか、これが僕ってのも変な感じだな…」
桜井 「気にしない気にしない。とりあえず、これで主人公とライバルの名前は決まったね」
橘 「ああ、冒険の始まりだな」
桜井 「うう~、なんかわくわくしてきた…あれっ?ちっちゃくなっちゃった!?」
橘 「箱の裏を見る限りだと、これがマップ上での表示みたいだな」
桜井 「へ~、なんかかわい~」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:08:46.99 ID:jXDGtsJp0 [3/16]
橘 「自分の部屋から始まるんだな」
桜井 「シンプルな部屋だね~」
橘 「とりあえず外に出たらどうだ?」
桜井 「そだね…あ、上の方に草むらがある…入ってみよーっと」
橘 「うわ、いきなり誰か来たぞ」
桜井 「ポケモンも持たずに草むらに入るなって注意されちゃった…あ、どっか連れてかれる」
橘 「さっき端っこに映ってたでっかい建物か…」
桜井 「あ、この人がオーキド博士なんだ」
橘 「ちっちゃくなるとわからなくなるな…お、僕が出てきた」
桜井 「ポケモンを3匹の中から選ぶんだって。どうしようかな…」
橘 「多分、そのうちの1匹が箱に描いてあったやつじゃないか?」
桜井 「なるほど~…あれ?どれも違うよ?」
橘 「ホントだ。なんでだ?説明書…ああ、なるほど。ポケモンは育てていくうちに進化するらしいから、
多分そのうちの1匹が箱のやつになるんだよ」
桜井 「へ~…じゃあ一番似てるこの子かな?」
橘 「ああ、それっぽいな」
208 名前:しかしあれだね、さるって突然くるものなんだね[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:11:23.77 ID:jXDGtsJp0 [4/16]
桜井 「あ、純一がいきなり勝負を挑んできた」
橘 「おいおい、僕はこんなに喧嘩っ早くないぞ」
桜井 「でも挑んできたよ?」
橘 「そりゃこの僕は僕じゃないからな」
桜井 「う~ん…あれ?どっちがどっち?」
橘 「いやいや、このくらいで混乱するなよ…」
桜井 「えへへ、冗談冗談。…あれ、技ってこれだけ?」
橘 「最初はそうみたいだな。強くなると、新しい技を覚えるらしい」
桜井 「へ~っ…じゃあ今はたいあたりだけで大丈夫かな?」
橘 「ああ。多分向こうも同じような技しか持ってないだろうし、問題ないとおもうぞ」
桜井 「よーし、はじめてのバトル、がんばるぞ~!」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:14:36.91 ID:jXDGtsJp0 [5/16]
橘 「結構危なかったな…」
桜井 「うん…勝ててよかったー…」
橘 「それじゃあ、これから冒険が始まるのか…」
桜井 「やっとだねー。あ、なんか純一がねえちゃんがどうとか言ってきた」
橘 「なんていうか、ちっちゃい男だな僕…」
桜井 「えっと、純一の家…ここだ…あ、女の人がいる」
橘 「この人が姉らしいな」
桜井 「あ、タウンマップくれた」
橘 「うわぁ…僕空周りしてるな…」
桜井 「それじゃ、しゅっぱつしんこ…」
橘 「待て待て。後は僕が自分で進めて見たいから、後にしてくれ」
桜井 「そう?わかった、じゃあレポートを書いて…おっけー」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:17:43.94 ID:jXDGtsJp0 [6/16]
・
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桜井 「じゃ、またね~」
橘 「ああ、またな」
橘 「…ふふふ…見事に騙されたな、梨穂子…いや、結果的にそうなっただけで、狙ったわけじゃないけど」
橘 (僕はお前がフシギダネを選んだのを知っている…つまり僕はどれを選べば相性がいいか知っているわけだ…
そう、図らずも僕はまさにゲームの中のライバルと同じ立場にいるんだよ…)
橘 「やっと…やっと遊びで正々堂々梨穂子に勝てる…!」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:21:36.98 ID:jXDGtsJp0 [7/16]
数日後
橘 「梨穂子、ポケモンの調子はどうだ?」
桜井 「もう絶好調!いつでも対戦できるよ~」
橘 「僕もだ…それじゃ、やるか?」
桜井 「いいよ~。ふっふっふ、覚悟したまえよ純一くーん」
橘 「もしかしてそれ、アニメのライバルの真似か?」
桜井 「あ、やっぱ分かる?シゲルって名前なんだよねぇ~」
橘 「なんでなんだろうな…まあ、デフォルトの名前じゃ確かに不自然だけど」
桜井 「ま、それはいいとして。それじゃ、早速…」
橘 「ああ…通信ケーブルをつないで、と…」
桜井 「6匹同士でやる?」
橘 「いや、3対3でやろう。そのほうが早く終わるし」
桜井 「うん、わかった~」
橘 (育ちきってるのが3匹しかいないからな…6対6でやったら確実に負けちゃうよ…)
桜井 「じゃあ、ポケモンセンターの2階に行って…準備おっけ~」
橘 「僕も大丈夫だ。それじゃ、始めるか」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:27:38.96 ID:jXDGtsJp0 [8/16]
桜井 「じゅんいちがしょうぶをしかけてきた…おお、なんかわくわくする~」
橘 「僕は相手が男なのに名前が梨穂子だから、なんか変な感じだよ…よし、1番手、行け、サイドン!」
桜井 「いっけ~、ぺるちゃん!」
橘 「ペルシアンか…なんだ、最初は楽に勝てそうだな…」
桜井 「ふふふ、うちのトップバッターをなめてると痛い目にあうよ~?」
橘 「いやいや、まさか…とりあえず、最初はこれだな」
ペルシアンの きりさく! きゅうしょに あたった!
こうかは いまひとつの ようだ
橘 「へえ、最初に急所に当ててくるとは…まあ効果もいまひとつだし、まだ全然持つな」
サイドンの メガトンキック!
桜井 「うひゃあ、結構減った…けど、もう一回くらいなら…」
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:35:36.52 ID:jXDGtsJp0 [9/16]
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桜井 「ああ、やられちゃった…」
橘 「ま、この程度はな」
橘 (まさか2発で半分以上削られるとは…というかまさか2回連続で急所に当たるなんて…)
桜井 「でも、まだ負けないぞ~…いっけ~、にどっち!」
橘 「ニドクインか…実は相性悪かったりするんだよな…」
橘 (しかもサイドンは遅すぎて大抵のやつに抜かれちゃうから…もし今地震なんか撃たれたら…)
あいての ニドクインの じしん! こうかは ばつぐんだ!
サイドンは たおれた!
橘 「ああ、やっぱりやられちゃったか…」
桜井 「これでお互い2匹づつだね~」
橘 「ああ、いい勝負だな」
橘 (…まあ、ここまでは計算通りなんだけどね…)
橘 「まあいい…いけ、マルマイン!」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 00:38:37.52 ID:jXDGtsJp0 [10/16]
桜井 「あれ、確かマルマインって…」
橘 (そう、でんきタイプのマルマインとじめんタイプのニドクインは相性が悪い…だが、そんなことは全く問題じゃない…)
桜井 「まあいっか、これなら楽に倒せそうだし…」
橘 (その言葉、半分は合っているぞ…なぜなら!)
マルマインの だいばくはつ!
桜井 「ああーーっ!」
橘 「よし、狙い通り!」
桜井 「もーっ、ひどいよ純一~」
橘 「何言ってるんだ、これも作戦のうちさ」
桜井 「う~…もう絶対まけないんだからぁ…」
橘 (勝った…まさかここまで僕のシナリオ通りとは…後は僕の3番手、相棒のリザードンを出して、
梨穂子のフシギバナを消し炭にしてやるだけだ…さあ、出してこい、フシギバナを!)
あいての りほこは シャワーズを くりだした!
いけ! リザードン!
橘 「………え……?」
224 名前:>>218 小学生の伝説パを軽々と全滅させそう[] 投稿日:2010/10/12(火) 01:12:14.64 ID:jXDGtsJp0 [11/16]
橘 「ちょ、ちょっとまったりほこ…フシギバナは…?」
桜井 「う~ん、ホントは使いたかったんだけど、3対3だとどうしてもこの3匹が使いたくって~」
橘 「い、いや、それでも普通最初の3匹は使うだろ…?」
桜井 「そんなこと言われても、実際使わなかったし、今更言ってもしょうがないでしょ?」
橘 「う…ああ…!」
橘 (ば…バカなああああああああぁ!)
じゅんいちは めのまえが まっくらに なった!
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 01:31:38.60 ID:jXDGtsJp0 [12/16]
桜井 「やった~、勝った~!」
橘 (…僕の作戦は完璧だった…そう、ただ前提が間違っていたんだ…そして、それが何より致命的だった…)
橘 「ふ、ふふ…これで終わったと思うなよ…いつか必ず、今度は6対6でお前を倒してやる…」
桜井 「ふっふっふ、いつでもかかってきたまえ純一くーん」
橘 (くそっ、シゲルの真似が腹立つ!見てろよ、今度こそお前に勝ってみせるからな…!)
…こうして、僕はいずれ梨穂子にリベンジすることを誓った。
とりあえず、まずは四天王を突破しないと…。
アマガミSS『りほっちもんすたー 赤・緑』 完
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/12(火) 01:36:28.47 ID:jXDGtsJp0 [13/16]
初代の思い出…弟にちょっとやらせてみたら、間違ってレポート上書きされたことかな、最初からで…
この二人、付き合ったらホントいいカップルになるとおもうよ、俺は
さて、打ち止めかな…
<<女「着替えを見られても恥ずかしくないよ」前半 | ホーム | 女教師「またオナホ忘れたの?」>>
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