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ナイト「ファンタジーの世界に行って就職するならナイトだな」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:01:59.79 ID:ZJ+u8u4b0 [1/40]
前スレ
ナイト「ファンタジーの世界に行って就職するならナイトだな」
ナイト「ファンタジーの世界に行って就職するならナイトだな」続

参考スレ
http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1272/12721/1272118957.html


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:04:12.98 ID:ZJ+u8u4b0 [2/40]
ネクロマンサー「っ… はッ!」

ドラゴン「ぐるるるるる…」

ドラゴンは目の前のネクロマンサーに敵意を向け、瓦礫から這い出ようとする。

ネクロマンサー「しまった!!リビングデッド共よ!こいつを襲え!!!」

『おおぉぉぉ…』

数体のリビングデッドがネクロマンサーの指示に従いドラゴンに食らいついた。

隣国兵もそれに加わりドラゴンへと攻撃を開始する。

隣国兵「今だー!ドラゴンを倒せー!!」

隣国兵「おおおー!!」

ネクロマンサー(なんという…この事態は想定外…!)


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:07:28.34 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト「ありがたい展開だ!今のうちに王子の下へ向かうぞ!!」

プリースト「はい!」

メイジ「少年…」

少年「あ…ああ…」

やられていくドラゴンを見て少年はただ立っていた。

ナイト「まだここは危険だ。俺たちと来るんだ」

少年「…」

メイジ「あとで弔ってやるといい。行こう」

少年「…」

ネクロマンサー「そうはさせない、リビングデッドよ!やつらを…」

ナイト「しつこいぞ貴様!」

ネクロマンサーとナイトがやりあおうと言う時
巨大な生物が羽ばたくような音が空から聞こえてきた。


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:09:38.25 ID:ZJ+u8u4b0
バサッバサッ

プリースト「!!ちょっとみなさん、あっち見てください!」

バーサーカー「おいっなんかデカイのがこっち飛んでくるぞ?」

魔法戦士「まさかまたドラゴンか!?」

ナイト「いやあれは…!」

遠方の山から飛んでくる黒い影を一同は見る。
徐々に近づいてくるそれは、翼手を持った2mほどの悪魔の姿だった。

ナイト「闇祭司!!!!!」

メイジ「何故こんなところに…」

ナイト「…ッあれは… …王子!!!!?」

上空を飛ぶ闇祭司の手には王子の姿が見えた。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:12:28.27 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト「王子ッ!!!!!王子――――――――――ッ!!!!!!」

王子「…!ナイトッ! ナイト…みんな!!」

ナイトの声に気付いた王子が必死に声を上げる。

闇祭司『おや、あそこに王女の従者がいるのですか?』

王子「このやろう降ろせ!!」

闇祭司『本当に口汚いクソガキだ…このまま ここいら一帯を焦土にしてやろうか…』

王子「…くっ」

王子は黙って下を見下ろす。

下には瓦礫と化した街の中心に、小さく従者たちの姿が見える。

王子(そうだ…聖剣!!)

王子は自由な両手で北のほこらを指差し
ナイトに目で合図する。


11



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:15:26.24 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト「!!」

バーサーカー「…なんだあのポーズ」

魔法戦士「あんな状態でなんのポーズやってるんだ」

ナイト「合図だ!あの方角、北のほこらへ行けと仰っているんだ!」

魔法戦士「なるほど…つまりあそこには剣があるということか」

バーサーカー「こんな時に笑かせやがって」

メイジ「それより一刻も早く追うべきでは?」

プリースト「おそらく向かうところは首都でしょう。
     私たちのような少数で闇祭司に対抗するには聖剣があったほうがいい。
     聖剣無しでなんとかなるなら隣国軍がなんとかするでしょう」

ナイト「回りくどい言い回しはいい!すぐに北のほこらへ行くぞ!!」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:18:48.77 ID:ZJ+u8u4b0
▼北のほこら▼

ナイト「聖剣を探そう」

バーサーカー「おいっあいつ!」

ナイトたちは北のほこらでヨロヨロと歩くアサシンを発見する。

ナイト「アサシン…!」

アサシン「…今お前らとやりあう気はない」

ナイト「わかっている。俺たちも今お前に構う気はない」

アサシン「待て、伝えることがある。
    お前らの主…あの娘は連れ攫われた」

ナイト「わかって…え?」

ネクロマンサー「娘…一体どういう理由があって、あの王子が生贄に選ばれたのかと思っていたが
       そういったわけか」

先程までいなかったはずのネクロマンサーが背後から現れる。

メイジ「!!いつの間に…」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:23:24.21 ID:ZJ+u8u4b0
アサシン「ネクロマンサーか…俺が躊躇しなければこのような事にはならなかった」

ネクロマンサー「…事情はわかった。もういい」

アサシン「…」

ナイト「何を言ってるんだ。攫われたのが娘?
    誰か他のものが身代わりにでも…?」

プリースト「あー…違います。たぶん、そういうことではありませんよ、ナイトさん」

ナイト「プリースト、お前何か知っているのか?」

プリースト「アサシンさんの言ってる通りです。
     王子は女性だったと言うことです」

ナイト「??? 俺は何年も王子と一緒だったんだぞ?そんなはずは…」

プリースト「私も半信半疑だったんですがね」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:26:20.31 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト「どういうことだ…し、知っていたのか?」

プリースト「あーゴホン。以前、治療したとき胸元にわずかにふくらみがあったので…
    あの年頃の子供はホルモンバランスの影響もあるので確証はありませんでしたが
    なんとなーく あれー?って」

アサシン「化物が言って、あの娘も肯定していた。間違いない」

プリースト「だから体つきが変わってくる13歳と言う年頃になったら、
     ここに軟禁と言う話になっていたのでしょう」

ナイト「………………………」

メイジ「……………嘘」

バーサーカー「ほらみろおお俺の勘ってすごいだろ!?」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:28:43.56 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト「一緒に寝食を共にしたんだぞ将来王になると思って教育係として剣も教えてきたしそんな馬鹿な」

プリースト「一刻も早く現実を受け入れてください」

ナイト「脳が拒否反応起こしてるんだが」

プリースト「頭かたいんですよあなた」

アサシン「貴様らも知らなかったのか…
    混乱するのもわかるが早く首都へ向かうべきだろう」

メイジ「そっそうだ、混乱している場合じゃない」

ナイト「脳が拒否反応起こしてるんだが」

魔法戦士「うおおおおおおおおおおおおおおおっ」

ナイトが混乱していると奥の部屋から魔法戦士の絶叫が響いた。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:34:47.12 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト・メイジ・プリースト「!?」

バーサーカー「今度はなんだよ!?」

アサシン「奥の小部屋からだ…」

ナイト「あいつはいつの間に…」

ナイトたちは魔法戦士の悲鳴の聞こえた、奥にある小さな扉の部屋に入る。

ナイト「つるぎの間…?」

部屋の中には台座に静かに鎮座する聖剣と
突っ伏して嘆き悲しむ魔法戦士がいた。

魔法戦士「うぉぉ…」

ナイト「何やってるんだ…」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:40:30.46 ID:ZJ+u8u4b0
魔法戦士「ここに聖剣があるんだが」

メイジ「あ、ほんとだ」

ナイト「…何かあったのか」

魔法戦士「何故か手に持てないんだ…」

ナイト「お前なぁ…」

プリースト「はて、持つだけなら私でも持てますよ?」ヒョイ

魔法戦士「どぅえ、何故!?」

プリースト「ん…あなたかなり強力に呪われてますね」

魔法戦士「呪い!?」

プリースト「おそらくその魔剣ですよ」

魔法戦士「なに!?」

プリースト「どうやら呪いを解かないと他の剣を持つことが出来ないようですね」

魔法戦士「そんな…」

ナイト「いいじゃないか、どうせ聖剣はお前には扱えないんだ」

魔法戦士「そんな…」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:42:57.17 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト「それよりこれが聖剣か… 魔王を滅ぼす剣…」

メイジ「光を失っているな」

ナイト「主がいないからだ…」

メイジ「…」

ナイト「わかってる、王子は王子だ。
    今も俺の主であることに変わりはない。必ず助け出す」

メイジ「そうだな…」

ナイト「…でもやっぱり教育方針とか対応とか間違えただろうか…
    けっこうまずいこと教えたりした気がするああああああ…」

メイジ「しっかりしろ…」

プリースト「早く首都へ行きましょうか」


聖剣を手に入れたナイト達が首都へ向かおうとすると
ネクロマンサーが声をかけてきた。

ネクロマンサー「まて…」

ナイト「…なんだ」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:46:49.19 ID:ZJ+u8u4b0
ネクロマンサー「我らの目的は王子を殺すことであった…
       だがその王子が敵の手中にある以上、王子を敵から奪うことが最重要なこととなる」

ナイト「手助けでもしてくれるのか?」

ネクロマンサー「その通りだ…」

ネクロマンサーが指を鳴らすと血まみれの馬が数頭、現れた。

ネクロマンサー「馬車を用意してやろう…昼夜関係なく走る馬だ…
      1週間で首都に到着させる…」

ナイト「…!願ってもない、一時休戦といこう!」

ネクロマンサー「くっくっく…
       アサシン、貴様も来るが良い…」

アサシン「…」

ネクロマンサー「このままでは終われないだろう、特にお前は…」

アサシン「そうだな…」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:49:51.79 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト「魔法戦士…付いてこないなら強要はしないぞ…」

魔法戦士「……くっ」

ナイト「…」

魔法戦士「くっくっくっ…!俺はあきらめない…何が何でも聖剣を手に入れてやるぜ!」

ナイト「…王子が無事なら交渉に協力してやるよ …たぶん駄目だけど」

魔法戦士「ふっ!!」




18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:52:01.90 ID:ZJ+u8u4b0
ヘルバトラー『そういうわけだ。歩け』

王子「…」

ヘルバトラー『こっちだ』

ヘルバトラーは王子を王子の部屋へ連れて行く。

ヘルバトラー『入れ』

王子は黙って中に入る。

ヘルバトラー『少しでも出ようとしたら どうなるかわかっているな。
     殺さずとも苦痛を与える方法がいくらでもあることを覚えておけ』

王子「…っ」

ヘルバトラー『いつでも見張っている』

ヘルバトラーはそういって部屋の外に出て行った。

王子「う…うぅ…」

王子は震え泣き崩れ落ちた。

王子「父上、俺にはうまくやることは無理だったみたいです」

こぶしを胸において泣くのを堪えるように呟く。

王子「騎士は勇気を尊ぶ…か」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:54:55.33 ID:ZJ+u8u4b0
王子(覚悟を決めろ…)

おもむろに立って周囲を見渡し
カーテンの留め紐をとり、ベッドの天蓋にくくりつける。

ゆっくりと静かに作業したにも関わらず、
それはものの数分で立派な首吊りロープとなってしまう。

王子「… … …やっぱ怖い…」

王子はぶらさがるロープに首を通しじっと恐怖に耐えていた。

王子「…ナイトたち助けに来てくれないかなーなぁんて…ははは…」

その時、ドアが勢いよく開かれる。

ヘルバトラー『おいっ言い忘れたが自害とかも無駄だかr』

王子「え!?うわっ」

突然の訪問に驚いた王子は足を滑らしてしまう。

王子「ぐげえ」

ヘルバトラー『ぎゃあーーーーーー!!?』


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 07:57:32.02 ID:ZJ+u8u4b0
▼謎の部屋▼
牢獄のような薄暗い部屋に、謎の青い液体の入ったカプセルがあり
王子はそこにいれられていた。

ヘルバトラー『最初からここにブチ混んでおけばよかったか』

王子「ごぼがぼがぼ…!」

ヘルバトラー『首と、何故か足の骨までいっちまってる。
      人間ならここで治せば全治3~4日ってところか』

王子「ごばばごぼべぶ!?」

ヘルバトラー『儀式までには間に合うな…
     当分そこで泳いでな』

王子「ごぼぼー!」

ヘルバトラーはそう言うと出て行った。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:01:15.44 ID:ZJ+u8u4b0
王子(3~4日後に儀式…)

ガン!!

王子は自らの入るカプセルに頭突きをする!

王子「だせーがばばばああああ」

ガン!ガン!

ヘルバトラー『うわなにやってんだ傷を増やすなアホが!!』

王子「こんちくがぼぼー!」



▼馬車の中▼

ナイト、メイジ、プリースト、魔法戦士、バーサーカー

そしてネクロマンサーとアサシンは気が狂ったかのように走る馬車に乗せられ
一路、首都へと向かう。

バーサーカー「こうも毎日 昼も晩もガタガタ揺れてると頭がどうにかなっちまいそうだ…」

ナイト「最近の兵士には痩せ我慢が足りない」

バーサーカー「お前も痩せ我慢なんじゃねーか…」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:30:46.07 ID:ZJ+u8u4b0
プリースト「僕ちょっと聞きたかったんですけど、
    ネクロマンサーさんいいですか」

ネクロマンサー「…なんだ」

プリースト「何故、あなたがたは王子のことを」

ネクロマンサー「語尾を語らず問いかけるのは嫌な聞き方だ…
       貴様の言葉の裏まで汲んでやる気はないぞ」

プリースト(鬱陶しいやつだな、だから邪教のやつらは嫌いなんだ。心が広いから許容してやるけど)

プリースト「…何故、王子のことを知っていた」

ネクロマンサー「くっく…邪教にも神託があってな
       こたび生まれたこの国の子供が魔王復活の贄となると…」

プリースト「…」

ネクロマンサー「何故、今回の王子だけが贄となるのか…
       詳細はまではわからなかった。
       近く魔族が動き出す。ただ子供を殺せ…と」

プリースト「…そうですか」

ネクロマンサー「この国の王、勇者の子孫は代々知っていたのであろうな…
       女児が生まれればこうなるかもしれないことを」

プリースト「ええ…」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:32:56.72 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト「…王子は」

メイジ「王女」

ナイト「…どっちでもいいだろう …無事だろうか」

メイジ「気を急いてもしょうがないことだ」

ナイト「わかってる」

ネクロマンサー「どのみちこの速さなら、間に合うだけなら間に合う」

ナイト「どういうことだ…?」

ネクロマンサー「魔王が王女の体で育つまでには必ず着く」

ナイト「どういうことだ…」

ネクロマンサー「何故…王子が女だということを隠蔽して育てられたか
      何故、その身を魔族が欲しがるか…
      その用途がわからんか?」

ナイト「どういう…」

ネクロマンサー「…まだ説明がいるのか?」

ナイト「どういうことだーーー!!」

ナイトの叫びがこだました。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:35:07.29 ID:ZJ+u8u4b0
プリースト「うるさいですね。なんとなくわかりましたけど
     僕は一応聖職者でさすがに言いにくいので ネクロマンサーさん解説お願いしますよ」

ネクロマンサー「……王女を魔王の母体とするというところだろう」

ナイト「……ッ」

メイジ「…」

ネクロマンサー「だから儀式が終わったとしても、魔王が完全に復活するまでは時間がある…」

プリースト「ということらしいですよ」

バーサーカー「すげえ話だな…」

メイジ「…あんまり聞きたくなかった…」

魔法戦士「さすがの俺もそれは引かなくもないけど悪趣味だな」

ナイト「は、はや…早く、早く行くんだ!!一刻も早くだ!!!!」

ネクロマンサー「次の街で新しい馬の死体を手に入れよう…」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:37:17.66 ID:ZJ+u8u4b0
ナイト(王子はまだ子供だぞ…手だって俺の半分ぐらいで…)

ナイト(いつもなんだかんだ言いながら血豆作って言われたとおりに修行してた)

ナイト(王子は…俺にとってかわいい教え子だ)

ナイト(男か女かなんか関係ない…むしろ女王か…女王…)

ナイト(俺は王子に仕え、その剣となると誓った)

手に持つにぶく光る聖剣を見る。

ナイト(お前も主人が恋しかろう…)

ナイト「王子…」


ナイトは王都への道の先を見据えた。

太陽は沈みかけていて世界は赤く染まり
いつもの王子との稽古の終わりを思い出した。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:40:39.76 ID:ZJ+u8u4b0
▼6日後、城――…▼

王子「ふぅ、うぐぐ」

ヘルバトラー『ここまでしないとならんとはな…とんだ“おてんば”だ』

王子は不定形の低級魔族により手足と口を拘束されていた。

王子「ふがふが」

ヘルバトラー『…よだれきったね』

王子「ふぁんぐあと!おふぁえがふがふが」

ヘルバトラー『あとわずかで儀式の準備が終わる』

王子「…!!」

ヘルバトラー『王女の身なりを整えろと言われた、そこの服を着ろ』

王子「ぐへっげほげほ……はあはあっ…」

ダッ

低級魔族の拘束から解かれた王子は
その瞬間ダッシュで逃げようとする。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:42:53.49 ID:ZJ+u8u4b0
ヘルバトラー『…ちっ』

ヘルバトラーは指先から電流を放ち王子にあびせる。

バババッ

王子「ふぎゃ…ッ!」

ヘルバトラー『…着ろ』

王子「ぜえぜえ…ぅ……」

ヘルバトラー『着たらすぐに来い』

王子「…うっ…うぅぅ…ぐす…」

王子(なんとかしなきゃ…)


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:45:02.95 ID:ZJ+u8u4b0
▼王の間▼

ヘルバトラー『王女こちらへ』

王子「…」

闇祭司『これはこれは見違えますな』

王子「…」

闇祭司『こういう服を召されたほうがお似合いですぞ…
    さあ、魔王様の御前へ』

見ると、玉座には黄金のエッグスタンドに乗せられた
巨大なドス黒い卵が鎮座していた。

その大きさはダチョウの卵ほどあった。

王子「たまご…?」

闇祭司『あれこそ魔王ダークロード様の眠る無限の闇を秘める卵…』


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:48:45.71 ID:ZJ+u8u4b0
王子(何か…心臓の音みたいなのがここまで聞こえる)

闇祭司『忌まわしき勇者の末裔である王女の生命に呼応して喜んでおられる…
    では儀式を始めましょうぞ…』

闇祭司が手を上げると、王子の体が宙に浮いて
玉座の前へと連れて行かれてしまう。

王子「…ひっ」

闇祭司『怯えることはございません。
    魔族のそれは人間のように下賤ではない』

王子「…や…やめ…っ」

闇祭司『…魔王様を迎える呪文を…』

闇祭司が言うと、どこからともなく地面から響くような低音で呪文が唱えられた。


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:51:18.55 ID:ZJ+u8u4b0
闇祭司『…………………………』

王子の体は宙に浮かんだまま仰向けに横たえられ、その腹を中心に魔方陣が発生し始めた。

王子「ぅうわっ、うわああっ」

闇祭司『魔王ダークロード様…目覚めの時が参りました…』

魔王の眠る卵が静かに宙を浮いて王子の腹の上に来る。

王子「はあっ…」

魔方陣は一際大きくなって周囲の気流を激しく乱して王子を侵食していく。

王子「あああああああああああああッ!!!!!」


王の間には地獄から響くような呪文と台風のような轟音

そして王子の叫びが響いた…


12




33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:54:37.41 ID:ZJ+u8u4b0
▼首都入口▼

プリースト「もうすぐ首都に着きそうですが…これは」

猛突進する馬車の先には首都の入口が見えた。

だがその姿は以前のものとは大きく異なる…
見える建物の多くは破壊され、所々から黒い煙と爆音を出し、
様々なところで隣国の兵士のものと思われる声が聞こえた。

また、前方には待機する隣国の大軍が待機しているのが見える。

メイジ「あれをどうする?」

ナイト「ネクロマンサー、次の脇道を右に曲がってくれ。
    東側を旋回して少しでも城に近い場所から入る」

ネクロマンサー「…わかった」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:56:54.47 ID:ZJ+u8u4b0
プリースト「ああ、あちらの裏口ですか…」

ナイト「ああ…あそこなら魔族も隣国軍もあまりいないだろう」

メイジ「なるほど、あそこか」

ナイト「ああ、あそこだ。隣国軍にはこのまま注意を引きつけてもらう
    その隙に城内に入り、王子を探す」

魔法戦士「その剣、聖剣を王子が持てばあるいは
       あの闇祭司にも勝てるかもしれないぜ」

ナイト「…」

馬車は最後の力を振り絞るかのように、更に速度を上げる。
30分も走らせると今度は小さな入り口が見えてきた。


馬は全力で街の中へ入る。

ドドドドドドッ



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 08:59:24.26 ID:ZJ+u8u4b0
しばらくそのまま崩壊した街中を走ると、アサシンが声を上げる。

アサシン「!、低級魔族だ…!」

ネクロマンサー「かまわん…!このまま突っ切る!!」

馬車は低級魔族を振り切って道をひたすらに城へ走らせる。が

馬「ブルルルッ!!」

急に馬が走るスピードを遅らせる。

見ると、馬の足元が触手にからめとられ、先へ進めずにいた。

ナイト「あと少しだって言うのに!!」

プリースト「最後までは楽させてくれませんねっ」

ネクロマンサー「…貴様ら先に行くがよい」

ナイト「いけるのか?」

ネクロマンサー「問題ない…」

ナイト「そうか…すまない。行くぞ!」

メイジ「ああ…!」

ナイト達は馬車を降りて城へ向かう。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:01:47.14 ID:ZJ+u8u4b0
アサシン「…」

ネクロマンサー「アサシン、貴様も行け。
       ここは私ひとりで問題ない…」

ネクロマンサーがチラッと後ろの大きな積荷を見ると
アサシンはすぐに身を翻し走っていく。

アサシン「死ぬなよ…!」

ネクロマンサー「くっくっく…さて」

馬は完全に触手に食われきっており、ネクロマンサーの乗る馬車も侵食されつつあった。

ネクロマンサー「小僧、いるのだろう?」

少年「は…はい…」

今まで姿を見せなかった少年が、大きな積荷の中から這い出てきた。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:04:27.13 ID:ZJ+u8u4b0
ネクロマンサー「素材を持っていこうとしたら、いらぬオマケがついて来たものだ…」

少年「な、なんなんだよ…ここ…魔族だらけ…」

ネクロマンサー「まあ良い、小僧にも今一度、親しきものの活躍を見せてやろう…!」

少年「なんでこんなところにこいつを…連れてきて」

ネクロマンサー「生ける屍となりて敵を滅ぼせ!!!ド ラ ゴ ン ゾ ン ビ !!!!!」

ネクロマンサーが呪文を唱えると、積荷から巨大なドラゴンが首をもたげた!

少年「どわわー!!」

ドラゴンゾンビ『ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ』

少年「ななな、なんでギガガンガー生きて…?えっえっ」


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:06:42.42 ID:ZJ+u8u4b0
ドラゴンゾンビは異臭を放ち濁った目で低級魔族たちの姿を捉える。

ネクロマンサー「眼前にある敵を蹴散らせ!!
       行けドラゴンゾンビ!」

ドラゴンゾンビ『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ』

ドランゴンゾンビの口から閃光がほとばしり、馬車の周囲に寄っていた低級魔族を消滅させた!

少年「うわあああああぼくのギガガンガーがぁ!!!?」

ネクロマンサー「くっくっく…このドラゴン、骨が砕けるまで使わせていただくぞ…」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:09:01.35 ID:ZJ+u8u4b0
少年「ギ、ギガガンガーーーーー…!!」

ネクロマンサー「さあ来るがいい雑魚魔族共、死に絶え滅びるがいい!!!!」

ドラゴンゾンビ『ゴオオオオオオオオオオオオ』

ネクロマンサー「…?」

ドラゴンゾンビで猛攻をしかけている最中、ネクロマンサーは目の前の気配に気付く。

ネクロマンサー「…これはこれは、くっくっく」

何もない方向に向かって、ネクロマンサーは話しかけた。

ネクロマンサー「あまり貸せる力はないぞ…」


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:19:07.10 ID:ZJ+u8u4b0
9時40分ごろに外出しなければならなく
投下し終えることができない

予定と大きくずれてしまい寝落ちした昨日に続き、
本日も終了できず何スレも立ててしまうこと
大変申し訳ない

また、他の板だとスレが終了後も残ってしまうので
どうかvipで続けさせて欲しい

もし見てくれている人がいたら迷惑をかける

終わらなかったぶんは
20日(月)18:00ごろにスレを立て投下する


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:21:17.72 ID:ZJ+u8u4b0


タッタッタッタッタッタ…

メイジ「…?」

プリースト「どうしました?」

メイジ「今、少年の声が聞こえたような…」

ナイト「そりゃさすがに幻聴だ」

メイジ「そうだな」

アサシン「…」

ナイト「もうすぐ城だ!!…!!?」

すでに目前にある城の入口には、3体の巨大な魔族の姿があった。
その姿は牛を主として、様々な獣の特徴を合わせたような異様なものだった。

魔族A『ぐるるるる…!』

ナイト「魔族!!?」

走りぬけようとするナイト達の存在に気が付いて、
魔族の一体がけたたましい咆哮をあげた!

魔族B『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:23:50.03 ID:ZJ+u8u4b0
魔法戦士「うおっありゃまずいぜ…ッ 気付かれたんじゃねえか!?」

プリースト「…ですね、私が残りますから
     できればあと2人残ってください」

バーサーカー「こういうところは俺が残ろう!」

ナイト「もう一人は…ま」

アサシン「俺が残る」

ナイト「…ありがたい、出来る限り外部から城内に入る雑魚を塞き止めてくれ!!
    苦しくなったら城内のほうに後退してくれてかまわない」

プリースト「城内に行くのは後退って言うんですかねっ」

ナイト「来るぞ!!」


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:26:45.48 ID:ZJ+u8u4b0
13



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 09:32:36.73 ID:ZJ+u8u4b0
魔族A『臭ふうううううううう臭ふぞおおおおおおおおおお』

魔族C『キキキ貴様ら魔王復活を妨げるムシケラども…ッ』

魔族B『我らが直々に食い殺してやろう!』

目の焦点の合わないままの牛魔族が3体が狂ったように襲い掛かる!

バーサーカー「おりゃああ!!」

バーサーカーがボウガンを魔族たちに向かって乱れ打ち、真っ先に攻撃を仕掛ける!

魔族B『ぐぎゃっ』

プリースト「神聖魔法!光あれ!!」

次にプリーストが強い光を放つ神聖魔法を、魔族の目前で炸裂させた。

ナイト「今のうちに通り抜けるぞ!!」

メイジ「了解だ!」

魔法戦士「あばよ!先に行くぜー!」

バーサーカー「おお!」

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