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美琴「とある主人公(ヒーロー)の友情物語?」-2

美琴「とある主人公(ヒーロー)の友情物語?」

240 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 19:50:44.08 ID:NuJ8ijE0 [2/18]
――屋外(中庭)




佐天「―――えーと……お名前、訊いてもいいですか?」

一方通行「――あン?」




――隣りでバチバチと火花を散らす美琴は触らない方が良いと判断して一方通行に近寄る佐天。
何故かコソコソしている佐天に怪訝な顔を向けるが、今の美琴に声をかけ辛いのは分かるかもしれない…。




一方通行「名前なンざねェよ」

佐天「え……?」




――フン、と横を向いてそっけなく言う一方通行。一応本当の事なのだが、佐天には『オマエに名乗る名はねェ』と
言っているように感じた……。




佐天「いや、あの……」

一方通行「あ? まだ何かあンのか? っつかオマエはさァ、ここでそンな変装みてェな事までして一体何やってンだよ?」

241 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 19:55:24.21 ID:NuJ8ijE0 [3/18]
――名前を訊いただけなのだが、逆に問い返されて一瞬戸惑う佐天。



佐天「御坂さんに内緒で良かったら教えますけど……」(この人なら別に言っても良いかな……)




――黒子への処刑方法を思考中である美琴に聞こえない様にしながら、佐天は今自分がここにいる理由を簡単に説明した。




一方通行「―――オマエ、とンだお節介野郎なンだな……」




――聞いた後に放った一方通行の感想は至極もっともだった。




佐天「けど、やっぱり親友だし……心配じゃないですか…」

一方通行「まァソイツは分かンなくもねェ……ンで、結局どォなったンだよ?」

佐天「………やめました」

一方通行「はァ?」

佐天「しばらく後尾けてたんですけど……すごく良い感じなのが雰囲気で分かっちゃって……」

一方通行「…………」

佐天「結局、顔は見れなかったんですけど、初春……その友達もすごく楽しそうでした」

一方通行「なるほどねェ……つまり、もォ自分が見張る必要ねェなこりゃ、って思った訳か」

佐天「あ、はい。そうです」

一方通行(単なる無駄足じゃねェかよ……コイツも寄り道ばっかの人生送りそォだな……)

242 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:00:25.36 ID:NuJ8ijE0 [4/18]
――心中で勝手に見定まれている事に、この少女が気づく術はなかった……。




一方通行「ンじゃあ、もォオマエがここにいる意味なンてねェンだろ? 帰らねェのか?」

佐天「んー、帰ろうとも思ったんですけど……」




――ぺロッと舌を出した佐天は照れ臭そうに言う。




佐天「折角来たんだし、お金も勿体ないし……もう一人で楽しんでやろうと思って……へへ♪」

一方通行「………オマエ、意外と負けン気強ェだろ?」

佐天「――え? 良く分かりましたね?」

一方通行「……まァ、事情ってのは分かった。そンで、オマエはこっからどォすんだ? まだ意地張って『一人観覧』する気かよ?」

佐天「別に意地は張ってないですよ! ………う~ん……せめてイルカショーは見ておきたいんですけど…」

一方通行「オマエ、超電磁砲のダチなンだよなァ?」

佐天「は…はい、まぁ……」

一方通行「ンなら話は簡単だ。この後もどォせ一人なンだろ? だったら俺らと一緒に来りゃあ良い」

佐天「…え?」




――この凶悪そうな顔から思いもよらぬ言葉が出た事に、佐天は驚きを隠せなかった。

243 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:05:49.67 ID:NuJ8ijE0 [5/18]
一方通行「ま、一人の方が良いって言うンなら無理強いはしねェけどよ?」

佐天「い、良いんですか!?」

一方通行「……何驚いてンだよ? 別に大した事言ったつもりはねェぞ?」

佐天「見かけによらず優しいんですね…」

一方通行「……ブチ殺されたいンならそォ言えよ」

佐天「ゴ……ゴメンなさい」(訂正! やっぱ怖い…)

一方通行「で、どォすンだァ? 来ンのか来ねェのか、さっさと決めろ」

佐天「良いんですかねぇ……迷惑じゃないですか…?」

一方通行「別にィ。単なる気まぐれだから、あンま気にすンじゃねェ」

佐天「け、けどぉ……お二人の…その……お邪魔になったら悪いし…」

一方通行「………あァ、どォやらコッチの説明が足りてなかったみてェだな」




――今度はコッチの事情を簡単に話してやろうと口を開いた途端、横から火花が一方通行の鼻を掠めた。




一方通行「―――ッ!?」


佐天「―――ひゃっ!?」


美琴「アンタ……私の前で友達を口説こうとは、良い度胸してるじゃない……」バチッ




―――あ、そォいやコイツもいたの忘れてたわ。三下が良くスルーすンのも分かる気がしなくもねェな……。

244 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:10:33.73 ID:NuJ8ijE0 [6/18]
――ポリポリ頭を掻きながら振り向くと……案の定、額に青スジを浮かべた御坂美琴が腕を組んでコチラを睨んでいた。
何かバチバチいってますけど!? と上条がこの場にいたら間違いなくそう言っていただろう……。




一方通行「あァー……とりあえず電気しまえ。いくら周りに人が少ねェからって無闇に能力使って良い事にはならねェぞ?」

美琴「ア・ン・タ・が人の友達にちょっかいかけるからでしょうがぁぁ!!」ダッ

一方通行「―――ンなァッッ!?」




――そう叫んで飛びかかって来る美琴。能力が駄目なら格闘技! と、素早い切り替えが出来る辺り、彼女は優秀だった。




一方通行「――グェェェ!………く、首が……ッ!」ギュウウウ

美琴「佐天さん! 大丈夫だった!? コイツに変な事されてない!?」ギュウウウ




一方通行の首を後ろから絞めながら佐天に声をかける。
佐天は呆気にとられるが、すぐに答えた。




佐天「み、御坂さん……私、別に口説かれてたわけじゃ…」

美琴「いーや! コイツもアイツも、無自覚でとんでもないシュート決めてくるのが厄介なんだから! 油断しちゃ駄目よ!」ギュウウウウ

佐天「えぇ……?」

一方通行「……ナニ…を……言って……ン……はな………せェ………く…くる……し」ギュウウウウ




――苦しそうな表情で必死に言葉を紡ごうとする一方通行。白い顔が除々に青くなっていくのが佐天にも分かった。

245 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:15:31.61 ID:NuJ8ijE0 [7/18]
佐天「――み、御坂さん! し、死んじゃいますって!」

美琴「………ん?」


一方通行「~~~~~~kjuo6huj9wsunhsn*>koht$7I!!」パンパンパン




――学園都市第一位の超能力者から本気のタップである。なにやら声も出てるが、もはや言葉として成り立ってはいなかった。
もうそろそろ許してやろうか…と美琴が腕を緩めた瞬間、どこからか声が飛んできた―――。




「―――そこまでです! とミサカは怒りに顔を歪めながら銃口を向けます」


「―――えっ?」


「―――何ですか!?」


「―――tsrg8yhhujinns5slf」(訳:イイ加減離せ! 殺すぞ!)




――声と同時に、チャキッ…という機械のような音も響いた。




―――――――




―――ここは、一般人は立ち入る事が禁じられている場所……。
いるとしたら施設内関係者だけのはずなのだが、二人はそれに該当していなかった。




「カッキーさんの素顔……見せてくれますか?」

246 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:18:22.60 ID:NuJ8ijE0 [8/18]
もう一度だけ、少女が復唱する。要求を求められた相手は、完全に誤魔化しのタイミングを失っていた。


「………………」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





『テメェが最終信号(ラストオーダー)と一緒にいた事は分かってんだよ! クソボケ!』



――ゴンッ!!




『頼むぜぇお嬢さん。この俺にお前を殺させるんじゃねぇ』


『最終信号はどこだ? それだけを教えれば良い。それでテメェを解放してやる』



――グゴギッッ!!




『なに……?』


「―――あの子は、あなたが絶対に見つけられない場所にいるって言ったんですよ。嘘を言った覚えは……ありません」


『……良いだろう。俺は一般人にゃ手を出さないが、自分の敵には容赦はしないって言ったはずだぜ?それを理解した
上で、まだ協力を拒むってんなら……それはもう仕方がねぇ―――』


『―――だからここでお別れだ……』


――ブォォ!!

247 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:19:27.82 ID:NuJ8ijE0 [9/18]
『……お前、あの時の小娘か。また会ったな……だが、今はお前に用はねぇ』

「―――あ……あ………」

『―――第一位はどこにいる?』

「―――あ………あぁぁぁ………」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「………………」




―――垣根の脳裏に甦る目の前の少女との過去……。




(無理だ……少なくとも今は無理だ……俺はコイツを殺そうとしたんだぞ!? とても素顔なんて曝せない……。曝せっかよ!!
折角楽しくなってきたのに………良い感じに進んできたってのに………こんな所でこの娘を絶望させる気か!?
だが、いつまでも隠し通すって訳にもいかねぇ……んな事は分かってる! 覚悟を……決めなきゃいけねえのかもな…)




初春「…………」




自分を真っ直ぐ見つめる少女、初春は……垣根の口が開くのをじっと待っていた。

248 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:22:35.01 ID:NuJ8ijE0 [10/18]
垣根「――……帰り…」

初春「――?」

垣根「帰りに見せるよ。それまで、お楽しみってな」

初春「え~! お預けですかぁ?」

垣根「大したツラじゃねえから、あんま期待してんなよ」

初春「でも気になるんですよぉ~……もしかして、カッキーさん……照れ屋なんですか?」

垣根「ま、まぁそういう事にしても良いぜ」

初春「風邪っていうのは嘘ですか?」

垣根「イヤ、それはホントだよ」(喉痛ぇし、嘘じゃねえぞ)

初春「そうですか………わかりました。じゃあ帰り! 約束ですよ?」

垣根「おう、分かってる」

初春「楽しみにしてますからね?」

垣根「だから期待すんなって。……さ、そろそろ着替えて下に戻ろうぜ! 俺、シロイルカ見てぇんだよ」

初春「あ! 待ってくださいよ~! こんな場所で置いてかないでください!」パタパタ


垣根(帰りまでに……覚悟決めるか。悪いが、もう少し待ってくれ………絶対逃げねえからよ)




――先延ばしにするほど余計に名乗り辛くなる事に、この時の垣根はまだ気づいていなかった……。
果たしてこの先どうなる事やら……。
ひとまず、デート(?)の続きだ。と二人は着替えを済ませ、協力してくれた係員に礼を言って下へと戻っていった。

249 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:25:16.38 ID:NuJ8ijE0 [11/18]
一方、元『アイテム』―――




―――とあるB館の食事施設(レストラン)には、かつて学園都市で暗躍していた組織、『アイテム』の面々がいた。
いつものファミレスではなく、こんな洒落た場所までやってきたのは、元リーダー、麦野沈利のワガママだ。と、浜面仕上は
思ったが、当然そんな事を口に出せる訳もない。この女がどれ程恐ろしいかを良く知っている彼としては、賢明な判断だった。
遅めの昼食を終えた一同は、しばし和む―――。





絹旗「―――麦野、これ何処のお土産ですか?」

麦野「ん? タイよ」

浜面「タイまで行ってきたのかよ?」

麦野「そ、色んな国に行ったんだけどバンコクが一番住みやすくてさ。しばらく居ちゃった♪」

絹旗「ムエタイやってる人主演の映画が超ヒットしましたよね」

フレンダ「あー、それ知ってる!……ええと……何てタイトルだったっけ?」

滝壺「とむ……やむ…くん、だったと思う」

フレンダ「そう、それ!」

浜面「あー、それこないだDVDで見たよな? 滝壺」

滝壺「うん、面白かった……」




――親密そうな二人に麦野が食いついた。

250 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:30:15.23 ID:NuJ8ijE0 [12/18]
麦野「あれ~、なぁに~? やっぱアンタら、あれから一緒に住んでるのかにゃ~ん?」ニヤニヤ

絹旗「あれ? 麦野超知らなかったんですか?」

麦野「え……何が?」

フレンダ「二人、今同棲してるって訳よ」

麦野「は!? うそ!?」

浜面「あ? 滝壺、言ってなかったのかよ?」

滝壺「言ってない……かも」

麦野「うっそ!? マジかよぉ!? 聞いてねぇぇぞ!!」ガタン

フレンダ「どうどうどう……おさえて麦野…」

麦野「あ……ゴメン……けど、それってやっぱり…」

浜面「あぁ、付き合ってるよ。もう四ヶ月……くらいか?」

絹旗「もうそんなに経つんですね……」

麦野「うわぁ……知らなかったわ………」

フレンダ「ってか浜面。付き合ってもうそんなに経つのに、未だに名字で呼んでるのはどういう訳よ?」

浜面「へ?」

滝壺「そう言えば……」

絹旗「って、滝壺さんもですよ? あれ? っていうか浜面の下の名前って何てったっけ……?」




――うーん、と考え込む滝壺。

251 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:34:31.65 ID:NuJ8ijE0 [13/18]
浜面「オイ!! 忘れてんじゃねぇぇ!! っつーか、別に良いだろ? 何ていうか……この呼び方に慣れてんだからよ」

フレンダ「うわー、面白くなーい……そこで『理后♪』って呼んでれば、浜面のキモさが五割増しになったのに…」

浜面「今決めたわ。少なくともお前らの前では絶対呼ばねぇ」

滝壺「はまづらさえ良ければ……呼んでもいいよ?」

麦野「浜面……女にこう言われちゃあ呼ぶしかないわよねぇ? 前みたいに根性見せろよ」

浜面「―――はぁあ!?」

絹旗「キモさは五割増しますけど、男らしさも三割増しますよ?」

浜面「イヤ意味ねぇじゃねえかソレ!?」

滝壺「キモさが増してもいいから……呼んで欲しいな…」

麦野・絹旗・フレンダ「り・こ・う♪ り・こ・う♪」

浜面「…………何これ何で一体どぉいう訳でそういう展開?」

滝壺「大丈夫、応援してるから……頑張って、はまづら」




―――心底うざいコールを止めるため、彼は今にも沸騰しそうな顔で「理后…」と呟いたのだった。




滝壺「はまづら……嬉しい///」

浜面「恥ずかし過ぎて死にてぇよ俺は……チクショウ///」




――ヒューヒュー♪ と、やかましい外野の存在はとりあえず消しておこう。……と浜面は誓った。

252 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:37:47.15 ID:NuJ8ijE0 [14/18]
――その後も昔話を中心に盛り上がった一同だが、急に麦野が表情を変える。
どうやら、少し真面目な話を切り出すらしい。




麦野「―――さて……この辺でちょーっと話題変えるけど、良い?」

浜面「な、何だよいきなり……どうした?」

絹旗「…………?」

フレンダ「…………?」




――麦野の表情で、何かを感じたのか……浜面以外は黙って麦野の次の言葉を待った。




麦野「私さぁ……浜面追いかけてロシアに行ったじゃん?」

浜面「あ、あぁ……」

麦野「その後しばらく世界回ってたんだけどさぁ……どっかの国だったか忘れたけど、面白い人と会ったのよねぇ……」

絹旗「………」

麦野「ソイツ、パッと見は浜面みたいな冴えない顔した男だったんだけどさ……たまたま道歩いててぶつかったんだけど、何か
目と腕がまだ片方無かった私を化け物に遭遇したみたいな目で見てきやがったからさぁ。頭にきてつい能力ぶつけちゃったのよ」

浜面「うわぁ……一般人に能力使ったのかよ……しかも学園都市の外で…」

麦野「まぁムシャクシャしてたしね。……って、良いから最後まで聞いて! ビックリしたのはその後なんだから!」

253 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:42:59.15 ID:NuJ8ijE0 [15/18]
フレンダ「それで結局、どうなった訳よ?」

麦野「ん。ソイツ、私の攻撃くらってピンピンしてたって訳よ」


「―――!?」




――全員が驚いた顔をする。ムシャクシャしていた麦野の攻撃はくらえばただでは済まないのを良く知っているからだ。
その麦野の攻撃をくらって全くの無傷……それも学園都市の外で起こった話である。
当然、その男の正体が気になる。



絹旗「麦野の攻撃をくらったのに無傷って……超ありえません…」

浜面「何者だよソイツ……」

麦野「そんで、呆気にとられてる私にソイツ……『お前も元魔術師か?』とか訳分かんない事訊いてきたのよ」

絹旗「魔術師……?」

フレンダ「なにそれ…?」

浜面・滝壺「…………」

麦野「私も意味分かんなくて………けどとりあえず面白そうだったから、しばらくソイツの話を聞いたんだけど、正直
今でもよく分かんない事言ってたわ……まぁ、悪いヤツじゃなかったからちょっと仲良くなったけどね」

浜面「それで……?」

麦野「ただね……ソイツ、今は医者やってるんだけど……私の腕と目を治してくれるって言ったのよ」




――麦野は、『アイテム』解散前と変わらない目を自分で指さした。

254 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:46:47.71 ID:NuJ8ijE0 [16/18]
絹旗「え!? それじゃあ……」

麦野「そ♪ 私の体はソイツのおかげですっかり元通りになっちゃったの。手術は十分もかからない内に終了。
ベッドで起きたら以前の私に戻ってた。鏡見て仰天したわ」

フレンダ「すごい………」

麦野「フレンダ。驚いてるけど……実はアンタにも関係ある話よ?」

フレンダ「――えっ?」

絹旗「え?……でも、フレンダは学園都市の技術で生き返ったんじゃ……」

麦野「『表向き』はね。ところで、話少しだけ変わるけど学園都市の医療会トップは誰だか知ってる?」




――麦野の急な質問に全員首を傾げるが、滝壺が少し考えた後に答える。




滝壺「冥土返し(ヘブンキャンセラー)………」

麦野「正解。じゃあ、その『冥土返し』が絶対に治せない人ってどういう人だか分かる?」




――今度は絹旗が答えた。




絹旗「………死んだ人……ですか?」

麦野「そう。……じゃあ『第二位』が復活したってのは知ってるかしら?」

絹旗「え!? 第二位!?」

浜面「オイ待てよ! どういう事だ? さっぱり見えてこねえぞ?」



――もはや話についていけてない浜面。

255 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/12(月) 20:49:13.88 ID:NuJ8ijE0 [17/18]
麦野「やっぱこれはアンタらも知らないか………実は私さぁ……その医者に聞いちゃったんだよね」

浜面「何を…?」

麦野「戦争終わってから、能力みたいな力持ったヤツが出始めてるってさ……」

絹旗「何ですか……それ…?」

滝壺「…………」

フレンダ「学園都市の外で能力開発が行われてるって訳?」

麦野「んー、イヤ。それは違うみたいよ」

浜面「じゃあ……今の話は…?」

麦野「その医者、最近までは学園都市で働いてたみたいなの。もちろん極秘……らしいけど」

浜面「…………らしいって?」

麦野「『色々』と誤魔化して入ったけど、バレそうになったからトンズラこいた。って軽く抜かしてたわ……」

絹旗「そんなの……超不可能ですよ! 警備の厳重さが超半端ない学園都市(ここ)に、侵入したっていうんですか!?」

麦野「私もまさかとは思ったけど……ところが、ソイツの能力(?)……かなり何でもアリみたい……演算とかしなくても自分の意志で自由に
使えるって言ってたし…」

フレンダ「何なの…その超人ぶり……」

絹旗「…………」

浜面「信じられねぇ……」

麦野「まぁそうよね………じゃあ更に訊くけど、フレンダ」

フレンダ「――!」



――突然フレンダを真っ直ぐと、物色するかのように見る麦野……そして、言いにくそうにしながらも…ハッキリと言葉に出した。



「―――どうしてアンタは今、生きているのかしら?」


「―――!?……………」

264 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 19:39:04.48 ID:yKBfSgU0 [2/19]
――屋内(中庭)




―――御坂妹は激怒していた。表情からは感じられないが、雰囲気やオーラがそれを物語っていた。




「――動かないで下さい。とミサカは警告します」




上条を置き去りにしてまで駆けつけた彼女の目に映ったのは……彼女自身が想定していた最悪の結果に近いものだった。
御坂美琴、もとい自分の姉は一方通行が気になっているのではないか? と仮説を立てていた。
その仮説は……奇しくも当たってしまったのだ。彼女がそう結論付けてしまった根拠は目に映った状況だけで充分だった。


『美琴が一方通行に後ろから抱きついている!』という状況だけで――――。




佐天「え……どうなってんですか?……御坂さんが、二人???」

美琴「アンタ……何で…?」




――突然の登場に美琴と佐天は驚くが、御坂妹は全く気にも止めていない。

265 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 19:45:10.41 ID:yKBfSgU0 [3/19]
それどころか、明らかに敵意に満ちた目で二人を睨む。




御坂妹「発言を許可した覚えはありません。とミサカは威嚇射撃します」パァン!

佐天「―――ひぃっ!?」

美琴「―――ひゃっ!? ア、アンタそれ実弾!?」

御坂妹「人通りが殆どないこんな場所で……コソコソと何をしていたのですか? とミサカは尋問します」

美琴「な……何言ってんのよ…? アンタ正気?」

一方通行「――pskxbpiwqxmknj7xm5xn」

御坂妹「………電極のスイッチまで切って、無抵抗状態にした彼に……一体何をするつもりだったんですか? とミサカは訊いているんですッッ!!」

美琴・佐天「―――!!?」




――今にも引き金を引かんばかりの勢いで珍しく声を張り上げる御坂妹に肩をビクッ、と揺らす二人。
特に、全く訳が分かっていない佐天は若干涙目になって怯えていた。




佐天「あ……う…」

御坂妹「そちらの方は共犯ですか? なるほど。仲間まで利用するなんて……落ちましたねお姉様。…見損ないました。とミサカは失望します」




――チャキッと銃口を佐天の方へ向ける。




佐天「――ひ、ひぃっっ!!」

266 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 19:47:31.53 ID:yKBfSgU0 [4/19]
美琴「――待って! ご、誤解よ!」



――咄嗟に声を飛ばすが、御坂妹は構えを解こうとはしない…。




御坂妹「この状況の何処に誤解があるのか、ミサカには理解出来ません。とりあえず、その汚らわしい腕を彼から離して下さい。
とミサカは命令します」

美琴「け、汚らわしいですってぇ……?」バチッ

御坂妹「その人にくっついたまま放電するなッッ!!」

美琴「――っ!?」ビクッ

佐天「み、御坂さん……な…何だかさっぱり分かりませんけど……ここは穏便に…」

美琴「………く……分かったわよ。ゴメンなさい、佐天さん……後で……ちゃんと説明するから……」




――ようやく、美琴は一方通行の首から両腕を離した。……と、同時に一方通行の体はずるり…と崩れ落ちた。




一方通行「―――iwdh8e3nkf,lemfkln/nndnmd」



美琴「え!? 一方通行!?」

佐天「ちょ!? ど、どうしたんですか!?」

267 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 19:52:08.64 ID:yKBfSgU0 [5/19]
――地面に倒れた一方通行に慌てて駆け寄る美琴と佐天。
だが、御坂妹はそんな二人を冷たい目で見つめる。




御坂妹「……見え透いた芝居は結構ですから、早く彼の電極スイッチを『通常』に戻して下さい。とミサカは指図します」

佐天「???」

美琴「……は…? スイッチ……?」




――どうやら、チョークスリーパー中にうっかり電極のスイッチを切ってしまったらしい……。
一瞬キョトンとした美琴だが、すぐに気づいて首元のスイッチを入れる。




美琴「あ、……これね」カチッ




――これで、ようやく一方通行は人間に戻る。




一方通行「―――ぶはァっ………何してくれてンだこのクソアマがァァ!! 殺す気かァ!?」




――罵声と同時に勢い良く杖をついて立ち上がった。




一方通行「くっだらねェ真似してくれンじゃねェかァ! あァ!? 俺を行動不能にまでしやがってよォ!」

美琴「ゴ、ゴメンゴメン。それはわざとじゃないのよ……」

一方通行「あン? わざとじゃなきゃイイってかァ!?…………ン?」

268 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 19:59:59.40 ID:yKBfSgU0 [6/19]
――何やら只ならぬ空気を感じ取った彼は、怒鳴るのを止めると周りを見渡して一言呟いた。




一方通行「――……オイ? 何だァこりゃあ?」


御坂妹「間に合って良かった……とミサカは胸を撫で下ろします」


一方通行「………イヤイヤ何なのこの状況? 誰か俺に分かるよォに説明してくンねェかな…」




――人間としての機能を取り戻して早々、首を思いっきり傾げて状況を把握しようとするが……分からないものは分からなかった。




美琴「うーん、私にも良く分かんない…」

御坂妹「あぁ? まだシラを切りますかこの変態姉。……ささ、そんな物騒なお姉様は放っておいてコッチに来て下さい。
とミサカは手招きします」クイクイ

佐天(銃構えてるあなたの方が物騒なんじゃ……?)

一方通行「……はァ? 一体何なンですかァ? っつか超電磁砲。オマエ散々言われてンぞ?」

美琴「………良いわ。今回は悪いの私だし……無理に入れ替わるの頼んでゴメン! ……謝るから機嫌直して?」

御坂妹「今更ですか? 既成事実まで作ろうとしておいてよくもヌケヌケと……」

美琴「だからそれは誤解だって言ってるでしょお!? ……ってかNTRって…」

御坂妹「見苦しい言い訳は結構です。お姉様の腹黒さは今ので良く分かりました。とミサカは聞く耳を持ちません」

269 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:04:14.61 ID:yKBfSgU0 [7/19]
美琴「違うの! 本当に誤解なのよ!」

御坂妹「はぁ!? この期に及んでまだシラを切るとは、なんて往生際の悪い姉なんでしょうか…とミサカは呆れてモノが言えません…」

美琴「…………ちょっと……アンタ、いい加減にしなさいよ? コッチが下手に出てりゃあいい気になっちゃってさぁ……」ビリビリッ

佐天「み…御坂さん! 漏電してますよぉ!?」

御坂妹「言葉で追い詰められたら今度は力ずくですか? 超能力者とは思えない低脳ぶりですね。とミサカは見下すように鼻で笑います」フン

美琴「ほぉ……言ってくれんじゃない。 欠陥品のくせに言いたい放題抜かしやがって………今すぐ謝ったらまだ許してやるけど?」

御坂妹「馬鹿ですか? 何故ミサカが謝罪の言葉を口に出さなければならないのでしょう? とミサカは小馬鹿にする様に首を傾げます」

美琴「――さっきからミサカはミサカはってうっさいのよッッッ!!! ちったぁまともに喋れッッ!!!」バチィッッ!!

御坂妹「―――ッッ!?」




周りに電気を纏いながら大声を出す美琴に一瞬怯むが、御坂妹は引き下がらない。
一方通行は「巻き込まれたらめンどくせェな…」と傍観に徹し、佐天はもはや言葉も出せずにオロオロするしかなかった。
そして、電撃姉妹の口論はさらに続く。




御坂妹「……では真面目に訊きます。何故その人に抱きついていたのですか?」

美琴「だから、それは誤解だって何度も―――」

御坂妹「いえ、ミサカの目にはそう映りませんでした。それでも誤解と言い張るのなら証拠の提示を求めます」

美琴「証拠……? 何言ってんのアンタ?」

270 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:09:10.51 ID:yKBfSgU0 [8/19]
御坂妹「お姉様はどのような経緯でその人に抱きついたのかは分かりません…というか分かりたくもありませんが、どういう形にせよ……
お姉様がその人と密着していたのは紛れもない事実です」

美琴「だぁかぁらッッ!! コイツが私の友達口説こうとしてたから押さえただけでッッ!!」

御坂妹「友人に罪を擦り付けるのは見苦しいですよ? お姉様」

美琴「――ッッ!!」



―――こめかみの辺りがズキズキしてきたが、負けずに言い返す美琴。




美琴「……じゃあどうしろってのよ!? 証拠とかそんなモン、ある訳ないでしょ!?」

御坂妹「そうですか。では今後、この方に妙な接触は二度としないとミサカに誓って下さい」

美琴「……何よ『妙な接触』って? アンタ何か勘違いしてるでしょ? 私はただ、コイツをちょっと驚かしてみようか…って――」

御坂妹「なら余計誓って下さい。お姉様の幼稚な戯れに付き合うほど、この方は子供ではありません」

美琴「アンタ……私に喧嘩売ってんの? そろそろ止めとかないと……マジでキレるわよ?」ビリッ

御坂妹「喧嘩を売ったのはむしろお姉様では? とミサカは指摘します」

美琴「あ? 私がいつアンタに喧嘩ふっかけたってのよ? え?」

御坂妹「せめて自覚くらい持って下さい……これでは話にもなりませんね。とミサカは溜息を吐きます」ハァ…

美琴「だから意味わかんねぇっつーの!!」

御坂妹「ミサカはお姉様を信じていたんですよ? なのに……あっさりと裏切られました。これを宣戦布告と捉えなければ
一体何なのでしょうか? とミサカはお姉様に問います」

美琴「……あー、ゴメン。私馬鹿だから分かんないや。もっと分かりやすく言ってくれる?」

御坂妹「『分からない』のではなく、『考えたくない』だけでしょう?」

美琴「ハン、人の心探るみたいに言わないでくれる? 何? アンタに私の心の中が見えるっての?」

御坂妹「お姉様は分かりやすい……分かりやす過ぎて、卑しい心まで丸見えです」

美琴「あぁ? なぁにテキトーな事ほざいてんのよ? アンタ読心能力にでも目覚めたつもり?」

御坂妹「端から見たら誰でも分かりますよ。一人の無能力者を除けば……」

271 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:13:34.39 ID:yKBfSgU0 [9/19]
美琴「今アイツは関係ない!! 勝手に話をすり替えんな!!」

御坂妹「お姉様は『あの少年』に惚れているんでしょう?」

美琴「それは関係ないって言ってんじゃない!!」

御坂妹「ミサカにすら言えないとは……この分では想いが彼に伝わるまであと何年かかるでしょうか…」

美琴「だから今関係ねぇっつってんだろぉが!!! さっきからしつこいのよッッ!!!」

御坂妹「関係ありますよ? お姉様は彼と上手くいかない事に、イライラしていたんじゃないですか?」

美琴「―――ッッ!?」

御坂妹「『ダブルデート』の時も……特に何も発展はしなかったそうですね?」

美琴「だから……何?」

御坂妹「『次がある。今日は駄目だったけど、また次がある』と自分に言い聞かせて先延ばしにした結果がこれですか……もはや呆れを通り越して哀れですね」

美琴「何で………ッッ!?」

御坂妹「忘れたのですか? ミサカは『お姉様の』クローンなのですよ? 残念ですが、全てお見通しです」

美琴「…………ッ!」ギリ…ギリ




―――言葉を失った美琴は悔しさからか歯を軋る。
何とか反撃しようと言葉を探す。




美琴「ってか……人のことばっかり言ってるけどさぁ。アンタはどうなの?」

御坂妹「……ミサカですか?」

272 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:15:46.10 ID:yKBfSgU0 [10/19]
――意外そうな表情を見せるものの、すぐに言葉を返す。




御坂妹「ご心配には及びません。ミサカはお姉様のような『お子様』とは違いますから」

美琴「ぐ……いちいち癇に障る言い方を………」グググ…

御坂妹「気に障ったのなら謝ります。けど『事実』ですから」

美琴「………キ…」




――美琴は今にも爆発しそうな表情だが、御坂妹は涼しい顔のままである。が、しかし……この言動から察するに
彼女も相当怒っているのだろう……。もはやどっちが姉なのか、見分けるのも大変になってきた。




美琴「ふ…ふん………アンタだって、人の事言えないんじゃない?」

御坂妹「……どういう意味ですか? とミサカは尋ねます」

美琴「アンタだって! アイツ(上条)の事好きなんでしょ!? なのにコイツとデートとか、一体何考えてんの!?」

御坂妹「確かに、あの少年には特別な感情を抱いています。しかし、今は一方通行との時間をミサカは優先します」

美琴「は……アンタまさか今はコイツの方に惚れちゃってるって訳? 要するに乗り替えたんじゃない! ねぇ、知ってる?
アンタみたいなのを『尻軽』って言うのよ! フフフ……まさにアンタにお似合いだわ! ハハハハ!」




――美琴はお返しとばかりに御坂妹を馬鹿にした目で見る。
そして、急に目を鋭くして言った。

275 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:20:15.76 ID:yKBfSgU0 [11/19]
美琴「結局アンタもフラフラしてたんじゃないの! 何よ偉そうに……あぁ、違うか。今もアイツに特別な感情抱いてるって
言うんなら、まだアンタもフラフラしてるって訳よね? それでよくもまぁ……ベラベラとおべんちゃら抜かしてくれたわよ
ねぇ……」

御坂妹「ハァ……本当に発想が貧困ですね…とミサカは再度呆れます」

美琴「あぁ!?」

御坂妹「………分かりました。ではお姉様にも分かるようにハッキリ告げましょう」

美琴「な…何よ……?」


御坂妹「ミサカはその人………一方通行を恋愛対象として意識しています」


美琴「―――!!」


一方通行「」


佐天「うわっwww」




――――――――――



上条「」ヒュー…



――――――――――




美琴「ア、ア、アンタ……本気?」

御坂妹「何をそんなに驚いているのか、ミサカには分かりかねます。訊いたのはお姉様ではないですか」

276 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:25:48.18 ID:yKBfSgU0 [12/19]
美琴「ででで、でもアンタ……アイツ(上条)は? まさか、マジで乗り替えるっての…?」

御坂妹「勿論あの少年の事も慕っています。とミサカは答えます」

美琴「何よそれ?……って事は二股ってこと!?」

御坂妹「……どうも勘違いされているようなので説明しておきます」

美琴「……は?」

御坂妹「ミサカはあくまで、彼を『恋愛の対象』として見ているだけです。『惚れた』なんて一言も言ったつもりはありません」

美琴「何なのそれ?………意味分かんない!」

御坂妹「『お子様』なお姉様にはまだ分からないでしょうね……フフッ」

美琴「――なっ!!」

御坂妹「それに、ミサカはあの少年を『恋愛の対象』として慕っている訳ではありません。あくまで、妹達を助けていただいた
事への『感謝』という意味で慕っているのです。特別な感情というのもそれに当てはまります……これで理解出来ましたか?」

美琴「………そ……そんなの詭弁よ!!」

御坂妹「……まさかこれでも分からないとは……本当に勘弁して欲しいです。厄介な『お子様』はあのクソガキだけで充分なのに…」

美琴「さっきっからお子様お子様ってぇ!! アンタ一体何様なのよ!!!」

御坂妹「ミサカはミサカですが? 強いて言うならミサカ様でしょうか」

美琴「――ふざけんなッッッ!!!!」

御坂妹「事実を言ったまでですが…何をそんなにムキになっているのですか?」

美琴「……アンタ結局さぁ! 私に何が言いたい訳!? もうハッキリ言いなさいよ!!」

御坂妹「………いいですよ」

277 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:31:09.45 ID:yKBfSgU0 [13/19]
一瞬言うのを躊躇うような顔をするが、御坂妹はそれ以上迷わなかった。



御坂妹「お姉様のような『お子様』がこのまま誰かとくっくくなんて、正直気に入らないとミサカは言いたいのです」

美琴「……またそれ? アンタそれ以外言い方ないの? このボキャ貧!」

御坂妹「いつも素直になれずに喧嘩越し――」

美琴「―――えっ?」

御坂妹「――デートにすら上手く誘えない。思っている事と常に裏の態度をとってしまう。いつまで経っても自分を相手にアピール
する事も出来ない。これを『お子様』ではなく、一体何と呼べば良いのでしょうか?」


美琴「―――ッッ!!?」


御坂妹「つまりお姉様は完全に出遅れているのです。突然入れ替わりたいだなんて……一体何を思ったのかは知りませんが、彼(一方通行)を
巻き込むのはやめて貰えないでしょうか?」


美琴「……………」


御坂妹「彼にとってもミサカにとっても迷惑です。単なるイタズラだと言っていましたが、果たして本当でしょうか? 
とミサカは疑惑の目を向けます」


美琴「……………る……さい…」プルプル…


御坂妹「本当は、自分が素直になれないのをあの少年(上条)のせいにして、一方通行に逃げようとしていただけではないのですか?」


美琴「うるさい…………………」

278 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:35:03.62 ID:yKBfSgU0 [14/19]
御坂妹「お姉様は現実から逃げたかっただけ………けど側には一方通行しかいなかったから……結局は彼を都合よく利用しただけに過ぎないのです」


美琴「黙れ……………」


御坂妹「逃げてばかりの人間に、振り向いてくれる王子様がいつか来るとでも思っているのですか?」


美琴「黙…れ…………………」




―――俯き過ぎた美琴の目は御坂妹から見えないが、構わず妹は姉にトドメを刺した。




御坂妹「―――少なくとも、今のようにフラフラしたお姉様相手では絶対にあの方は振り向いてくれませんね。とミサカは断言します」




――――ブチィッッッ!!!!!




美琴「――――黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れェェェえええええええええええええッッッッッッ!!!!!!!」




佐天「―――ひっ!!!!?」



一方通行「―――チッ!」カチッ




―――ビシャァァァァアアアアアアアアンンン!!!!!!!!

279 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:41:15.00 ID:yKBfSgU0 [15/19]
―――ドゴォォォオオオオオオオオオオオンン!!!!!




―――叫びと共に……彼女の中心に特大の雷が落ちた。辺り一面を粉塵が包み、一気に空が暗くなる。……晴れた煙の向こうには……
あのテレスティーナが可愛く見える程の表情をした御坂美琴(?)の姿があった。




美琴「フーーーッ……フーーーッ……」




……それは、とてもあの美琴とは似ても似つかなかった。今の彼女の顔を表現するならまさに『般若』である。
どうやら堪忍袋の緒が完全に切れてしまったようだ。




御坂妹「やれやれ………ムキになって能力全開とは、やはり『お子様』ですね…」ハァ




――対して冷静な御坂妹。想定していたのか回避に成功していた。距離をとって『変わり果てたお姉様』を見つめる。




一方通行(オイオイ……アイツ……今のレベル6イったンじゃねェか……?)


佐天「」ガクガクブルブル…




――恐怖で震える佐天を腕に抱えながら、一方通行は離れた場所からその様子を伺っていた。

280 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:42:30.39 ID:yKBfSgU0 [16/19]
―――――――――――――



――プツッッ…





麦野「――あら? 何? 停電?」

絹旗「今の超近くに落ちた雷のせいじゃないですか……?」

浜面「マジかよ……雨降ってなきゃ良いけど……っつか今日雨だったっけ?」

絹旗「今日はチェックしてないですね……けど、今の音の様子じゃすぐ降りそうですよ?」

滝壺「その時は一緒に濡れて帰ろう? はまづら」ピトッ

浜面「オ、オイ滝壺……///」

フレンダ「――そこ! 暗くて見えないからってイチャつかない!」

麦野「これからが面白いのに……」

フレンダ「結局、どこまで聞いたっけ?」

麦野「アンタが何で生きてるかについてよ!」

フレンダ「あ、そうだったね♪」

浜面(何か違和感だらけだな~……このやりとり…)




―――――――――――――

281 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:44:13.06 ID:yKBfSgU0 [17/19]
―――――――――――――




禁書「――うわぁ~! ビックリしたぁぁ……近くに落ちたかも…」

打ち止め「雷だぁー! 暗いよ~怖いよぉ~! ってミサカはミサカはおへそを隠してみたり」

禁書「私もおへそ隠さなきゃ! 鬼に取られちゃうんだよ!」

打ち止め「鬼じゃなくて雷神様だよ。ってミサカはミサカは正しく直してみる」

禁書「とうまたち……まだ外にいるのかなぁ…」

打ち止め「もし外にいるとしたら……ってミサカはミサカは洒落にならない事態を想定してみる」

禁書「……どういう意味かな?」

打ち止め「オマエンとこの家主の体質ってのをちっとは思い出してみろォ! ってミサカはミサカはあの人の物真似で教えてみたり」

禁書「あっ! なるほどぉ~。とうまは不幸だから、雷にとってはまさにうってつけの避雷針って訳だね♪」

打ち止め「ピンポーン! ってミサカはミサカは正解者に拍手~♪」パチパチ

禁書「………………」

打ち止め「………………」パチ……パチ……

禁書「うわぁぁぁん!! とうまぁぁ~~~!!」

打ち止め「おおおお、落ち着いてシスターちゃん! 大丈夫だよ! あの人なら……きっと……多分……五十パーセント……って
ミサカはミサカはだんだん自信が無くなってきたり……」

禁書「私のご飯、誰が食べさせてくれるのぉ~~~!?」

打ち止め「ソッチかい!! ってミサカはミサカはお決まりのリアクションを取ってみたり」




―――――――――――――

282 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/14(水) 20:45:28.40 ID:yKBfSgU0 [18/19]
―――――――――――――




垣根「――あ? 何だ今の馬鹿デケェ音?」

初春「雷みたいですね……けど、変だな~………今日はずっと晴れのハズなのに……雷警報はなかったですよ?」

垣根「学園都市の天気予測は百発百中のハズだろ? だとしたら今の音はなん―――!?」




―――プツッッ…




初春「――あ、停電……」

垣根「やっぱ雷じゃねえか!」

初春「おかしいですよ!? 学園都市の天気は常に把握されてるハズなのに……」

垣根「うーん……考えられるのは二つだな」

初春「何ですか?」

垣根「一つは予測装置みてぇな、天気を把握する機械が故障した」

初春「……まさか……ありえないです…」

垣根「所詮人間が作ったモンに完璧はねえよ」

初春「……じゃあ…もう一つは…?」

垣根「雷を落とせるほどのレベルを持った『電撃使い』が近くで大暴れした……のかもな」

初春(レベルの高い電撃使い……それってまさか……)

垣根(ん?……待てよ……それってまさか……)




―――カッキーこと垣根帝督の勘は今日も絶好調のようだ。

310 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 19:24:44.27 ID:bZYm.zQ0 [2/10]
―――雷が鳴り響く空の下




―――落雷地点付近の人々は避難し、周囲はすっかり静まり返ってしまった……。
ここはあくまで公共の場所なのだが…洒落にならない雰囲気の修羅場に通行人は美琴達を避けて歩いていた。
「喧嘩か?」と、興味を持って遠くから見る人もいた。だんだんエスカレートしていく罵り合いを楽しそうに見物しよう
とする勇気ある若者もいた。係員は止めようにも止められず、遠くでオロオロしているしかなかった。

だが……突然光った空から少女の咆哮とともに落ちてきた凄まじい電圧を帯びた稲妻は、付近の人々の顔を恐怖で染める
のに何の申し分もなかった。満場一致で『退散』の文字が浮かび上がる。この姉妹のかつてない修羅場に近寄ろうとする
ような無関係者は誰ひとりとしていなかった……。

雷を呼び起こした張本人、御坂美琴は穴の中心にいた。穴は雷の威力で地面が抉れて出来たのだ。直径は約数メートルと
いったところか……地面は、彼女の力強く踏みしめられた両足首から下がすっぽり隠れて見えなくなっている。上から見
たら、ちょっとしたミステリーサークルだ。美琴は今、そのサークルの中心で両足を肩幅よりもやや広げて立っていた。
両拳は固く握られ、彼女の周囲は常に無造作な電撃が走っている。




「フーーーーッ……フーーーーーッ……」




まるで興奮状態の肉食動物のような呼吸音を発する美琴……。
そのあまりに恐ろしい形相は、もはや『常盤台のお嬢様』から程遠くなっていた。どちらかと言えば『破壊』や『修羅』と
いう言葉の方がまだ的確かも知れない……。
そして彼女は……己から生み出された軍用クローンである目の前の自分そっくりな少女を迫力のこもった眼光で睨みつけ、
表情とは一転した口調で言葉を発した―――。




「――――…取り消しなさいよ………今言ったこと全部……」




―――低く……重く……ドスの効いた声だった。
美琴の目は『自分を否定する者は誰であろうと許さない』と語っているようだった……。

314 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 19:29:35.57 ID:bZYm.zQ0 [3/10]
「……ついには逆ギレですか……全く、どこまでも見苦しい…とミサカは見下した目で呟きます」




――そんな美琴の様子を目の当たりにしたにも関わらず、依然として涼しい顔で言葉を返す御坂妹。
まるでこうなる事が分かっていたかのような表情にも見える……。





美琴「……聞こえなかったの? 馬鹿人形。私は今言ったこと取り消して地面に額こすりつけて謝れっつってんの」

御坂妹「悪いのはお姉様でしょう? もっとも、最初にハッキリと拒否を示さなかったミサカにも非があることは
認めますが……」

美琴「『そんなの』もうどぉでもいいのよ! ホラ、早く謝りなさいよ! こんな屈辱生まれて初めてだわ……」

御坂妹「どうやらミサカは今まで『お姉様』という人間を誤解していたようです………ここまで我が強いとは思って
いませんでした……とミサカはお姉様に対する印象を改めます」

美琴「……何? 私を買いかぶってたとでも言うつもり? 生憎だけど、私にだって『どうなろうが知った事か』って思う時ぐらいあんのよ?」

御坂妹「ミサカは今この時ほど、自分がお姉様から作られた事……お姉様と同じ容姿である事を後悔した日はありません…」

美琴「あぁ? まだ減らず口叩くの? 私を怒らせんのがそんなに楽しい?」

御坂妹「怒りでハラワタが煮えくり返る思いをしているのが自分だけだと思わないで下さい」

美琴「あんだと…?」

御坂妹「ですが、ミサカは別にお姉様がどっちつかずの状況に腹を立てている訳ではありません」

美琴「チッ、また意味わかんねぇことを……」

御坂妹「お姉様が上条当麻に愛想を尽かして純粋に一方通行を好きになったのなら……ミサカはお姉様にここまで言うつもりは
ありませんでした…」

美琴「…………」

315 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 19:34:08.51 ID:bZYm.zQ0 [4/10]
御坂妹「ミサカが最も許せないのは、お姉様が一方通行を慰み者として利用しようとした事です」

美琴「――違うッッ!!」

御坂妹「一方通行はお姉様にとって都合の良い執事でもなければ、滑り止め用の保険でもありません。彼を……そんな風に
利用するなんて、たとえお姉様と言えどミサカは絶対に許しません!」

美琴「だから違うっつってんでしょおお!!!」――ビリビリビリッッッ




―――御坂妹の周りを美琴の電撃が飛ぶ。しかし、威嚇射撃なのか……御坂妹に直撃する事はなかった。




美琴「……ハァー……ハァー……」




―――美琴の放電に眉一つ動かさず、さらに続ける御坂妹。




御坂妹「……それも、ミサカが怒る理由に該当します」

美琴「あん?」

御坂妹「そんな最低なことを無意識で……自覚も無しにしてしまって、今なお認めようとしない事です」

美琴「なに決めつけてんのよ? 違うって何度言ったら分かんの? マジでどっか壊れてんじゃないアンタ?」

御坂妹「壊れているのはお姉様です。それもかなりの重症です……おそらく調整前のミサカ以上に……………いい加減目を
覚ましてもらえませんか? でなければ、これ以上話にもなりません」

美琴「私が壊れてる……? ハッ! もう怒りを通り越して笑えてくるわ! 五感全部使い物にならなくなってるみたいねぇ!?
確かに話にもなんないわこれじゃあさぁ!!」

御坂妹「今のお姉様は…もはやお姉様ではありません。お姉様の皮を被った『ゲテモノ』です」

317 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 19:40:39.67 ID:bZYm.zQ0 [5/10]
美琴「――んだとコラァァあああああ!!!!!」―――バチバチバチッッッ




―――美琴を纏っていた電気が激しさを増す。御坂妹はそれでも表情を変えない。




御坂妹「己の罪を認めたくないが為に能力まで行使するような貴女を、もはやお姉様だと思いたくはありません」

美琴「あら、奇遇ねぇ? 私もアンタみたいな妹生み出されて最悪の気分だわ…」



美琴は鬼の形相のままフッ…と笑い、ついにその言葉を口にする。




美琴「――なるべく穏便に済ましてやろぉと思ったけど……どぉやら無理みたいねぇ。…ちょろーっとお仕置きしてやるわ♪」バチバチ

御坂妹「………いくら脅しても、ミサカは貴女なんかに屈したりはしませんよ?」

美琴「んなこたぁどぉだっていいのよ。どぉせもう何言ってもアンタの減らず口は止まんないんでしょ? だったら―――」キィィィン

御坂妹「―――!?」




―――コインを上に弾いた。……普通の人間なら美琴の行為はその言葉だけで済む。しかし、忘れてはならないのが…彼女は七人しか
いない超能力者の中でも上位の強者である事。そして、『コインを弾く』事は彼女の必殺技『超電磁砲(レールガン)』の発動を意味する。

目の前を、まるで彗星のように通過していく音速を遥かに超えた光の筋に……流石の御坂妹も思わず目を見開いた。




美琴「―――腕ずくで喋れなくしてあげる♪」




――今まで見せた事のない表情を浮かべた。

318 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 19:44:16.37 ID:bZYm.zQ0 [6/10]
すでに殆ど理性を失っている美琴は、『笑顔の仮面』を装着した。
その顔は天使の微笑みに見えるが……心は完全に悪魔に支配されていた。『怒り』という名の悪魔に―――。




美琴「さ、『お仕置き』してやっから覚悟しなさいよコラ」バチッ


御坂妹「……………」




―――御坂美琴、妹にまさかのマジギレである。




―――――




一方通行と佐天涙子は、今にもおっ始めそうな姉妹の様子を離れた場所から伺っていた―――。
そこは丘のように地面がせり上がっていて広範囲を見渡せるため、成り行きを見守るにはまさに絶好の場所だった。
座り込んでいる佐天の横に一方通行は杖をついて立っている―――。




佐天「――御坂さん………」

一方通行「…………」

佐天「あの…」

一方通行「ン?」




――不安そうな表情で眺めていた佐天は、一方通行を見上げて尋ねる。

319 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 19:51:29.63 ID:bZYm.zQ0 [7/10]
佐天「あの……ゴーグルつけてない方、御坂さんにそっくりですけど……双子の妹さんなんですか?」

一方通行「まァそうなるなァ……」

佐天「知らなかった………」

一方通行「……知られたくなかったンだろォ」

佐天「………止めなくて良いんですか?」

一方通行「アレを俺なら止められると思うか?」

佐天「……思います」

一方通行「………何故そう思う?」

佐天「あなたは………学園都市最強の超能力者、『一方通行』さん……ですよね?」

一方通行「あ……」

佐天「御坂さんがそう呼んでたから。………けど何か不思議ですね。学園都市の頂点に立つ人が今……自分の隣りにいるなんて…」

一方通行「あの状況で気づくたァ、なかなか肝据わってンなァオマエ」

佐天「これでも、ちょっと前までは結構色んな事あったんで。………イヤ、そりゃあ知らない人はいないですよ。
なんたって超能力者は無能力者の憧れですもん」

一方通行(その分、妬ンできやがるくだらねェ連中も多いけどなァ……)



――その時、空の彼方へと飛んでいくロケットのような光が二人の目に映った……。



佐天「――あっ!!」

一方通行(マジかアイツ! レールガン撃ちやがった……オイオイ、コイツはいよいよ洒落じゃ済まなくなってきたンじゃねェか…?)

佐天「と、止めないと! あんな御坂さん見たことないですよ! ヤバイですって!」

一方通行「……そォだな」

佐天「そぉだなって……止めないんですか!?」

一方通行「できるンならとっくにやってる…」

320 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 19:57:13.61 ID:bZYm.zQ0 [8/10]
佐天「え……?」

一方通行「今は能力がろくに使えねェンだよ。俺にも『事情』ってのがあンだ」

佐天「そ…そんな……」




すでに先ほど大量に消費してしまったバッテリーの残量は残り少ない。相手を瞬殺する分にはまだ問題ないが、そういう訳にもいかない。
仮に今行使してしまったら……帰りまではおそらく持たないだろう。ここはまだ様子を見る必要がある。
だが、もし本当に危なくなった時………その時はもう後のことは考えずに止めに入ろう、と一方通行は思っていた……。




佐天「……そんな……じゃあ、どうしたら…」

一方通行「そォ心配すンな。アイツらのことだ。殺し合いにはならねェだろ…」(多分…)

佐天「で、でもぉ……」

一方通行「本当にヤバくなったら、そン時は俺が止める。だからンなシケたツラしてンじゃねェよ」

佐天「は…はい………」




いつでも飛び出せるように、首筋に手を当てながら一方通行は―――




(―――こンな時に……あのクソ三下はどこで何をしてやがンだ? 早く来いっての…)




――この状況を止められるであろうもう一人の存在(ヒーロー)が登場するのを密かに願っていた。
すでに何度か携帯に着信を入れたのだが、ヒーローからの応答はまだ来ない……。

321 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/15(木) 20:00:04.49 ID:bZYm.zQ0 [9/10]
「俺にも責任あるかも知れねェが、元はと言えばオマエが蒔いた種だろォがよ……これでのこのこ遅れて来やがったら、マジでぶン殴るぞ…」




グッと握りしめた携帯電話を睨みつけながら、一方通行は佐天に聞こえない声で呟いた―――。




―――――




一方その頃―――――




上条「」ヒュー…




――――誰もいなくなった広場で、主人公「ヒーロー」は未だ深い眠りについていた……。
真冬の冷たい風が、彼の周りで吹いている……。

338 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage ] 投稿日:2010/07/17(土) 22:21:10.62 ID:LpNQppg0 [2/14]
―――MNW内




10032のご冥福を祈るスレ



1:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
10032がお姉様に喧嘩売った

2:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
え?


え?

3:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12385
安らかな眠りを…

4:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19711
オワタwwww

5:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
今どんな状況? あの馬鹿また感覚切ってるのか知らんが…さっきから全然繋がらないからさっぱり分かんないんだけど…

6:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13748
kwsk

7:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
結構ヤバイ。あんなキレてるお姉様見たことない。必殺技で威嚇しやがった…殺人鬼だ。共有すっから見てみ?

8:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11207
レーwwwwwwルwwwwwwガンwwwwww

9:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
怖っ!!! ってか10032のヤツ何したんだよ…この顔はよっぽどだぞ?

10:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
何かウチラじゃ絶対に言えないようなこと言ってたような。っていうか……禁句?


339 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage ] 投稿日:2010/07/17(土) 22:23:24.17 ID:LpNQppg0 [3/14]
11:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
何言ったのか大体想像つくな…

黙祷

12:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
命がいらんのか…?

13:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18760
あいつマジ死ぬんじゃね?

14:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
一方通行とデートするわお姉様に喧嘩売るわ上位個体殴るわ……あいつもう廃棄処分決定!

15:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
>>14
もっともだが……どうしてだろう……お前が言うと台無しな気がする

16:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16901
>>14
大半が私怨だからさ…

17:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12088
とりあえず、スレタイ通り冥福祈っとくか

18:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
氏ね! 10032氏ねっ! 車に轢かれて[ピーーー]! おたふく風邪で[ピーーー]! お前の冥福なんて祈りたくもないわボケ!

19:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
安心しろ。その前にお姉様に殺されるから

20:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
漏れはお姉様とじゃなくてセロリとガチでやり合いたい! 勿論激しくベッドの上でuwehdbxjdnlkjnbedlbdeeh~~~☆

21:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
>>20
ハイお前も廃棄処分決定

22:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15377
10032と一緒に撃たれてこい


340 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage ] 投稿日:2010/07/17(土) 22:25:15.58 ID:LpNQppg0 [4/14]
23:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
むしろ身代わりになれ

24:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
つーか、あのセロリ最近やたらモテてね? 何かまた知らない娘と一緒にいるし…

25:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
人生に三度は来るモテ期と思われwwww

26:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
どいつもこいつもフザっけんなよ! 先に目ェつけたのは漏れだぞ!!
横取りするヤツは皆殺しだ!!

27:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11292
>>26
落ち着けよ
っつか最初はどう考えても上位個体だけどwwwwww

28:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18253
セロリ最近上条化してきたな……スネークいわくお姉様もオチたんだろ?

29:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10071
最近そげぶされまくってたらしいからうつったんじゃん? フラグ気質がwwwwww

30:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12246
その幻想を反射する!

31:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
>>30
はね返してどうすんだよww

32:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
まぁ、もう少し遠くから様子見るわ。多分今姿見せたら間違いなく誤射される

33:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
乙 
巻き添えには気をつけてね

34:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12913
スネーク乙

35:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
…………


341 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 22:29:15.50 ID:LpNQppg0 [5/14]




―――――――




「――今更ビビって泣いたって知らないからね……ちょっと痛めつけてやるわこの不良品が」ビリビリッ

「――武力でくるのなら仕方ありませんね。良いでしょう、お相手します。とミサカはクソガキ第二号に渋々付き合う覚悟を決めます」ビリリッ




一触即発―――――




同じ外見をした少女二人は完全に相対していた。ただの姉妹喧嘩と言ってしまえばそれまでだが、この二人の場合それだけでは
済みそうにないだろう……。
右手に電気を纏う両者。だが――――

美琴「フッ……アンタ馬鹿じゃないの? 何? 私に勝てるとか夢見ちゃってんの? …笑わせてくれるわ。
所詮アンタはこの私の『劣化版』よ? どう足掻いたって無駄だっつーのが分かんない訳?」




―――右腕を走る電圧はどう見ても美琴の方が威力で勝っている。
普通に考えれば、欠陥電気(レディオノイズ)である妹達は超電磁砲(オリジナル)には遠く及ばないのだ。
にも関わらず、御坂妹の表情には何故か余裕が見えた。




御坂妹「ミサカがお姉様に敵わないのは、あくまで『能力数値』です。それだけで戦いの結果が決まるとは限らない事はお姉様でも良く
ご存知のハズですが?」

343 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 22:37:31.68 ID:LpNQppg0 [6/14]
美琴「……………」




―――無論、知らないはずがない。現にこの目でその瞬間を見たのだから……。
美琴の脳裏に、あの時の上条と一方通行の顔がよぎった。


 

御坂妹「残念ながら、お姉様の戦法は全て把握しています。……そして、ミサカには『勝算』もあります」

美琴「…プッ、アハハハ! 良いわよ! 上等じゃない! ………そんじゃあ早速その勝算ってヤツを見せてみろやぁ!!」バッ




――電気を帯びた片手を前に突き出した。直後、まるで凝縮されたエネルギー波のような電流が御坂妹目がけて飛ばされる。




御坂妹「―――ッ!」バリバリッッ




―――御坂妹も同じ要領で撃ち返すが……やはり威力では劣る。
相殺しきれなかった電撃が彼女を襲った。




御坂妹「――あぁぁッ!!」




――電撃そのものは当たらなかったが、電気が地面にぶつかった際に生まれた衝撃で後方に吹き飛ばされる。
御坂妹は三メートルほど後ろの地面に背中から落ちた。



御坂妹「――うぅ……ッッ!」

344 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 22:43:52.15 ID:LpNQppg0 [7/14]
美琴は自らの雷で作ったサークルからゆっくりと出た。




美琴「―――なぁに? あんだけべチャクチャ抜かしてたくせにこれで終わり? ……ハハ、しょせん欠陥品ね」




――つか…つか…とゆっくり御坂妹に歩み寄る美琴。
御坂妹は地面と接触の際に擦りむいた腕を押さえて立ち上がる。




御坂妹「…………うぅ…」

美琴「何よその気に入らない目は? アンタからけしかけて来たんでしょお?」ツカ ツカ




御坂妹の目は……まるで諦めていなかった。どう考えても無謀なこの喧嘩で……彼女の目は未だ激しい闘志に燃えていた。




美琴「何考えてんのか知らないけど、これ以上痛い目見る前にさっさと謝っちゃったら? 私との力の差も分かんないほどイカレちゃったの?」

御坂妹「……もう勝ったつもりですか?……フン。とミサカは嘲笑います」

美琴「……イヤイヤそんな状態で挑発されても……悪いけど負け犬の遠吠えにしか見えないわよ? ホント哀れよね……」

御坂妹「フフ…哀れですか………お姉様には負けますよ。とミサ―――ッッ!!?」




――グワシッ!

345 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 22:49:39.30 ID:LpNQppg0 [8/14]
―――言葉を最後まで返す前に、能力で加速した美琴に一瞬で懐に潜り込まれた。後ろに回避する暇もなく首を掴まれる。




美琴「アンタさぁ……もしかしてマジで死にたいの? それとも何? 私がアンタを殺す訳ないって思ってるからそんなに余裕な訳?」グググ

御坂妹「ぐぅぅ………」




御坂妹の首を両手でガッチリと絞めながら問うが、当然答えが返ってくるはずもない。



美琴「何とか言えってのよコラァ!!」ググッ

御坂妹「――!! う……ぐ……ぁ……ッッ!!」

美琴「…あぁゴメン、もう喋れないか♪ なんならそのクソ生意気な口、この場で二度と利けないようにしたって良いのよ?」

御坂妹「~~~~~ッッ!!」




御坂妹は何とか美琴の腕を掴んで解こうとするが……無駄だった。体勢的に力も入らず、だんだん意識が落ちていく……。




美琴「安心しなさい、殺したりはしないから。ただ、ちょぉーっとお寝んねしてもらうけどねっ!」グググ…

御坂妹「――うッッ!!……く…あ…」




一気にオトすため、腕に力を込める。やがて…御坂妹の掴んでいた手が離れ、がくりと地面へ垂れ下がった。




御坂妹「…………」クタ…

346 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 22:55:13.82 ID:LpNQppg0 [9/14]
動かなくなった妹に冷めた目を向ける美琴。




美琴「ケッ、もうオチたか……ホント馬鹿よね。こんな目に合うくらいなら最初からガタガタぬかすなっての……」




……もうこれ以上はさすがに死ぬか…。と美琴は腕の力を緩めた………しかし次の瞬間―――!!




御坂妹「―――シィッ!」ドゴッ!

美琴「―――!? が……はッ!」




――閉じていた目がいきなりカッと開いた途端、胸部に重たい衝撃を受けた美琴は後ろへ吹っ飛ばされていた。
御坂妹は失神したフリをして美琴の腕が緩むのを待っていたのだ。何とか意識を保ち続けていられた御坂妹の根性勝ちである。


完全に油断して御坂妹の中段前蹴りをモロに受けた美琴は背中から地面に着地した。そして、胸部を押さえて呻く。




美琴「――ぐぁぁぁぁ!!………ゴホッ! ゲホッ!……ッッ!」

御坂妹「ハァッ…ハァッ……ゲホ………フゥ…」




呻きながら咳き込み、のたうち回る美琴。御坂妹はその間に四つんばいになって乱れた息を整えた。




美琴「ゴホッ…………こ、こんの野郎ォォ……ゴホッ」

347 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 23:01:23.88 ID:LpNQppg0 [10/14]
美琴「――……ゴホッ……チ…チ……チックショォォがァああ!!」スクッ


御坂妹「――………」スクッ




――怒りでさらに顔を歪めた美琴と、息の整った御坂妹が立ち上がるのはほぼ同時だった……。




美琴「――姉に向かって蹴り入れるたぁ良い度胸してんじゃああん!!? こんのクソ欠陥品がぁぁあああ!!! そう!!そうなのぉ!?
 そんなに死にたいのぉ!!?ハハハハッッ!! 上等! 上等よぉ!! んなら望み通りにしてやろぉかぁぁ!? 泣こうが喚こうが、
もぉ許してやんねぇんだからなぁぁぁああ!!!!」――バリバリバリバリィィィッッ!!!




――妹に反撃された事で完全に逆上した超能力者はでたらめに放電し始めた。…と言うより、感情がそのまま電撃となって表れている
ようだった。




美琴「オラァァ!!! 死ねやぁぁぁあああああッッ!!!!!」――バリバリバリ

御坂妹「―――ッッ!!」ヒュッ




御坂妹は、自身の能力で跳躍しながら回避する。無造作に飛び交う姉の電撃だが、方向が滅茶苦茶だ。おそらく、まともな演算もできずに
放っているのだろう……。




御坂妹(――勝機!)

348 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 23:09:03.53 ID:LpNQppg0 [11/14]
美琴「チィィ……ちょこまかちょこまかハエみてぇに飛び回りやがってぇぇ!! うざってぇんだよぉ!!!」




『姉の冷静さを完全に失わさせる』―――これが御坂妹の考えた作戦の一つだった。
御坂妹は美琴に体を向けたまま回避行動をとっていたが……何を思ったのか、急にクルリと後ろを向いて走り出した。




美琴「――あぁ……?」




自分に背を向けて走る妹に、姉は声を飛ばす。




美琴「……はぁ!? なになにぃ!? まさか今更逃げんのぉ!? ちょっとちょっとぉ!! そりゃないんじゃなぁい!?」




美琴の挑発には耳も貸さずに走り続ける御坂妹。




美琴「オイ!!! 何処行く気だぁ!?」


御坂妹「ハッ…ハッ…ハッ―――」


美琴「チッ………待てコラァァあああああ!!! 逃げんなぁぁあああ!!!」ダッ




――電撃を飛ばすのを止め、御坂妹を追って走り出す美琴。姉妹の追走劇が始まった……。




――――――――

349 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 23:15:35.81 ID:LpNQppg0 [12/14]
離れた丘から見守る一方通行と佐天―――




佐天「――わわ! 本当に戦い始めちゃいましたよ!?」


一方通行(やっぱりか………ってか超電磁砲のヤツ、もォ完全にぶっ飛ンじまってンなァ………なンだよあの殺人鬼みてェなツラは………
すっかり別人だぞありゃあ…)




首筋の電極スイッチに指を当てる。最悪の事態に備えていつでも飛び出せるように一方通行は身構えた。
タイミングを見逃さない様、神経を集中させる……。




佐天「………ヤバイですよ! 妹さん、完全に負けてる………あっ!」

一方通行「!」




――御坂妹が首を掴まれた。




佐天「あ…あの……いつもあんな風に喧嘩してるとかは…?」

一方通行「はァ!? ンな訳ねェだろォが! チッ、もォ喧嘩ってレベルじゃねェぞ……」

佐天「やっぱそう……ですよね……って早く止めないと!! このままじゃ御坂さんが人殺しになっちゃいますよ!?」

一方通行「…クソがァ―――!」グッ

351 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/17(土) 23:19:03.22 ID:LpNQppg0 [13/14]
―――流石にこれ以上は止めなければヤバイ。そう感じた一方通行はチョーカーのスイッチを『能力使用』にしようと
指に力を込める………が。



一方通行「――――あァ……?」

佐天「うわ……ケンカキック………妹さん強ぇ…」



妹の思わぬ反撃に唖然とする二人。………だが、直後に響いて聞こえてくる美琴の叫び声にすぐさま戦慄を覚えた。



佐天(うわぁぁ……何あれ超怖い………お嬢様のイメージが音を立てて崩れていく…)

一方通行(……超電磁砲、キレるとあァなっちまうのか………一応…覚えとくか…)

佐天(ていうか、あれ……本当に御坂さんなのかな……? まるで別人じゃん…)

一方通行(別にビビってる訳じゃねェ。怖いとか思っちゃいねェ………が、面倒だからあンまし怒らせない様にしとこ……ついでに妹も…)




史上最悪の姉妹喧嘩にもはや言葉が出なかった―――。




――――――――



その頃―――




「―――……う~ん…」




閉じた目を開き、痛む顎を押さえながらゆっくり起き上がる少年がいた―――。

418 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:12:34.01 ID:7vr/1HE0 [4/19]
―――上条



「――う~ん……痛ててて……」




顎をさすりながら体を起こした上条は、寝ぼけたような目で周囲を見渡した。




上条「……ハァ」



まずは溜息、そして――



上条「………不幸だ…」




――自分に起きた事を理解して出たお決まりの台詞……。




上条「………なんて言ってる場合じゃねえな。……御坂は?………ってか、インデックスと打ち止めはどこ行ったんだ……?」




二人の幼女がいない事にやっと気づいた上条は立ち上がって頭を掻いた。
そして、上を見る―――。




上条「――ん? なんでこんな空暗いんだ……?」

419 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:17:36.01 ID:7vr/1HE0 [5/19]
どんより…と雨雲のかかった空を見上げて不思議に思うが、それについて考える暇もなく音が響いた。



上条「――――あ?」




――振り向いた上条の目に映ったのは二人の同じ顔をした少女。御坂美琴と御坂妹だった……。




美琴「待てぇ~~~!!……ハァ、ハァ――」タッタッタッタッ

御坂妹「待てと言われて待つ馬鹿はいませんよ? とミサカは振り返って答えます……ハァ、ハァ――」タッタッタッタッ




上条から数十メートルほど先で追いかけっこをする姉妹。彼女達は上条に気づく事なく視界から消えて行った……。




上条「え?………………ナニ?」




――思いっきり『訳が分かりません』と口ではなく顔で表現した上条は、展開についていけてなかった。




――――――――




――――逃げる妹、それを追う姉……。




御坂妹「ハァ、ハァ、ハァ……」タッタッタッタッ

美琴「何処まで逃げるつもりィ!? いい加減諦めたらぁ!? ハァ、ハァ、ハァ……」タッタッタッタッ

420 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:26:57.32 ID:7vr/1HE0 [6/19]
姉妹の距離は十五~二十メートルと言ったところか……少しでも止まればあっという間に捕まる距離だ。


意外と広い屋内を縦横無尽に逃げ回る御坂妹。何かを探しているかのようにキョロキョロ周りを見ながら走るが、
美琴はそれに気づかない。


本当なら能力を使って加速すればすぐに捕まえられるのだが、それではつまらない。と…美琴はゆっくりじわじわと
追い詰める方法を選んだ。まさに強者の余裕である。さっきはつい勢いで物騒な脅し文句まで思わず出てしまったが、
それについて謝罪するのは、まず妹に制裁を与えてからだ。

当然ながら、美琴は御坂妹を殺すつもりなんて初めから毛頭ないのだ。しかし、いくら妹とは言ってもあの態度は許せない。
御坂妹が許しを請うまでは、この怒りは到底治まりそうになかった。まずは捕まえてもう一度話してみよう。それで駄目なら……
その時は致し方ない! 姉妹喧嘩の続きだ! 力ずくでもおさえつけてやるわ!
と美琴は走りながら考えていた。どうやらだいぶ頭が冷えてきたようである。



『お姉様が自分に怒りを向けている』
『お姉様は絶対にミサカを殺せない』
『お姉様は冷静ではなくなり、ミサカを追うものの……除々に頭が冷えてくる』

それは御坂妹にとって好都合……と言うよりは計算通りだった。彼女が持つ戦いにおいての知恵の高さは一方通行戦でも実証済みだ。


だが、唯一計算外だったのが、先ほどオトされかけた時だ。感情的になったとは言え、まさか本気でやってくるとは到底思っていなか
った御坂妹にとってあれは相当危なかった……。思わず本気で蹴り飛ばしてしまったが、それが結果的に姉の冷静さをさらに乱す結果
となったので「まぁ良し」と思う事にした。


一度頭に血が昇れば冷えてくる。そろそろお姉様の頭は冷えているハズ……だが、最初から『冷静』な頭と、一度熱して冷めた頭と
では思考が違う。
美琴が仮に『冷静のまま』では御坂妹がお姉様を懲らしめるための作戦はあっけなく失敗に終わってしまうのだ。
だが、一度沸騰させてしまえれば、温度を冷ましても目的遂行のために『冷静になったつもりで動こう』とする。
すると、視野は自然と狭くなるものだ。
思った通り、まんまと挑発に乗ってきた今のお姉様は……まさに『その状態』だ。
今こそ勝機! ミサカの底力を存分に味わって下さい。そして心から反省して下さい……。
―――と、御坂妹は息を切らして走りながら考えていた。



圧倒的な力を持つ姉と、したたかで計算高い妹……。そんな正反対の姉妹が繰り広げる追走劇も、そろそろ終わりの時を迎えていた…。

421 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:28:52.15 ID:7vr/1HE0 [7/19]
御坂妹「―――!」



御坂妹は、ついに見つけたと言わんばかりの表情をすると、目の前の林に一目散に飛び込んだ。南の島で生えてそうな木々が彼女の姿を完全に
隠す。



美琴「―――逃がすかぁ!!」



遅れて美琴も林の中へ……。



美琴「チッ……うっとーしい木ねぇ……」ガサガサ



木や草を掻き分けて進む。遠くで御坂妹が木々を掻き分け進む音がするので、それを頼りに後を追う。



美琴「………ん?」




――そこで、ふと違和感に気づき立ち止まる。




美琴「何?……なんか変な感じねぇ…………まぁ良いわ。今はアイツをとっ捕まえるのが先よ!」




――それ以上気にせず、妹の追跡を続ける。違和感に気をとられている内に前方から音が聞こえなくなっていた……。
おそらく何処かに隠れたのだろう。




美琴「――どぉこ行ったぁぁ!!?」

422 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:31:28.63 ID:7vr/1HE0 [8/19]
草木の途切れた場所で叫ぶ美琴。周りはジャングルのように外国産の木に囲まれている……。




美琴「とっとと出てきなさいよ!! コソコソ隠れたって無駄よぉ!!」




………再度呼びかけるも、御坂妹からは反応がない。




美琴「………チッ!」




舌打ちをした美琴は周囲を警戒する―――。

―――と、そこで気が付いた。




美琴「―――! そうだ、アイツの電波を捉えればどこにいるかなんてすぐに分かんじゃない………すっかり忘れてたわ……」



自身の能力もうっかり失念するほど冷静さを失っていた美琴はぺロッと舌を出して怪しく笑った。
そして、レーダーのように電波を探ろうとするが………



美琴「…………あれ?………おかしいわねぇ……」




――何故か電波を感知できなかった……。
だが、それについて考える前に上から…ガサッ! と物音が聞こえた。

423 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:33:50.60 ID:7vr/1HE0 [9/19]
美琴「―――!!」




美琴が上を見上げたと同時に、彼女に向かって何かが降ってきた。一瞬それは水かと思ったが……妙にネバネバした液体のようだった。




――バシャア!




美琴「――うわっ!」




あまりに咄嗟だったので避けきれず、まともに液を浴びてしまう美琴。体じゅうがローションまみれの様な状態に嫌悪感を露にした。




美琴「――や……何コレ!? うわぁ……気持ち悪い……」ベター…


「――まんまと引っかかりましたね。とミサカは作戦が成功した事に笑みを浮かべます」




――そう言いながら、木の上からシュタッと飛び降りてきた御坂妹。手にはバケツを持っていた。
おそらく美琴が浴びた液体を溜めていたのだろう。




美琴「――!?」

424 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:38:30.79 ID:7vr/1HE0 [10/19]
美琴「アンタぁ………」

御坂妹「これでネバ娘の完成です。とミサカは不用となったバケツを後ろに放りながら勝ち誇ります」――ガラン

美琴「………これは一体何の真似よ?」ネバー…




ベタついた全身を擦りながら御坂妹を睨む美琴。だが、御坂妹は表情を崩さない。




御坂妹「とてもお似合いですよ。とミサカは姉の現状に対し、最適な感想を述べます」

美琴「くっだらない事してくれるわねぇ………で、もう追いかけっこはもう終わりで良いの?」

御坂妹「はい、もう逃げる必要はありませんから。とミサカは即答します」

美琴「そう、良い度胸ね。……にしても、コレどぉしてくれんのよ。制服ベタベタになっちゃって気持ち悪いんだけど? 何?
嫌がらせのつもり?」

御坂妹「フフ、まるで油谷さんですね。とミサカはミサカでは絶対に知らないハズの知識を披露します」

美琴「………私を怒らせれば怒らせるほど、アンタはその分痛い思いをすることになんのよ? それを分かっててやってんの?」

御坂妹「そんな少年誌臭い台詞は結構です。とミサカは冷たく返します」

美琴「………ハァ………もう良いわ」

御坂妹「何がですか? とミサカは尋ねます」




――美琴は握り締めた拳の力を何故か緩めた。
そして……彼女は『仮面』をゆっくりと外すかのように、穏やかな表情をもう一度妹の前に曝した。

425 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:44:51.10 ID:7vr/1HE0 [11/19]
美琴「……さっきは頭にきて言い過ぎた……」

御坂妹「ミサカを殺そうとしておいて今更ですか? 流石にムシが良すぎでは?」(計画通り…とミサカは某漫画の名台詞を引用します)

美琴「そんなことするわけないでしょ? アレは勢いってか、つい頭にきて口から出ただけ……」

御坂妹「後先考えず口を開かないで下さい。だからお姉様は幼稚だと言うのです」

美琴「(ムカッ)………確かにそれは悪かったわ……けどね、アンタのその言い方にも問題あるのよ?」

御坂妹「ミサカの非でしたら先ほど謝罪済みですが? とミサカは首を傾げて問います」

美琴「………どぉして……」

御坂妹「はい?」

美琴「……私がアンタに何したってのよ!? なんでそんな頭ごなしな言い方すんの!?」

御坂妹「……自分こそ散々言っておいて、今度は何なのですか?…………分からないのなら自分で考えて下さい。
とミサカは冷たく突き放します」

美琴「………だから…」

御坂妹「走っている内に頭を冷やせたのでしょう? でしたらお姉様は過ちに気づいたハズですが? ミサカがお姉様に怒りを
露にしている理由は先ほど話しました。とすれば、お姉様はまずミサカに言う事があるでしょう?」

美琴「……だから違うの……アンタは誤解s」

御坂妹「ミサカが聞きたいのはそんな言葉ではありません!」

美琴「…………なんで……なんで分かってくんないのよぉ……」

御坂妹「分からず屋なのはお互い様です。とミサカは答えます。それより、かかって来ないのですか? 
ミサカに『お仕置き』をするのではなかったのですか? とミサカは尋ねます」

426 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:47:27.96 ID:7vr/1HE0 [12/19]
美琴「……もぉホントに何言っても無駄なのね…」

御坂妹「しつこいお姉様ですね。とミサカは溜息を吐きます」ハァ

美琴「……分かったわ。なら『喧嘩』続行で良いのね!?」

御坂妹「このまま平行線を辿るよりはその方が手っ取り早いかとミサカは思います。それよりお姉様、……まだ何か気づきませんか?」


美琴「…………え?」




―――そこで、美琴は自身の体に違和感がある事に気づく。
いつもならこの辺で体の周りを電気が走っているはずなのだが………今は外に電気が流れていない。




美琴「………このっ!!」




――軽く脅す程度に電圧を調整して右手を御坂妹に向けるが、手からは何も出てこなかった……。演算は出来ているのに、肝心の電流が体外へ流れていないのだ。




美琴「―――!? な…なんで……どういう事!?」

御坂妹「………プッ」




電撃が使えず慌てふためく美琴の様子が滑稽に映ったのか…吹き出して笑いを堪えている御坂妹。



―――姉妹の立場が逆転した瞬間だった……。

427 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:53:25.09 ID:7vr/1HE0 [13/19]
―――その頃



一方通行と佐天は―――――広い屋内を走っていた。




佐天「――ちょっと一方通行さん! 何してんですかぁ!? 見失っちゃいましたよ!?」

一方通行「――あのなァ、コッチは杖ついてンだぞ!? こォやって走れてるだけでも充分すげェとかって思わねェのかよ!?」

佐天「イヤ、速歩きとたいして変わんないじゃないですか……」

一方通行「うるせェ! いちいち振り返ってグダグダ言ってる暇があンなら黙って捜してろ!」

佐天「もぉ何処行ったか分かりませんよ……あ~あ、一方通行さんが遅いから……」

一方通行「あァ? なンか言ったかァ?」ギロ

佐天「いえ~なにも♪ ってそれより! 御坂さん達どうしましょう!? どうしたら良いですか!?」

一方通行「だから落ち着けっつの。ニワトリみてェにコケコケ言ってても始まンねェぞ?」

佐天「さっきからな・ん・で。そんな落ち着いてられるんですかぁ!? 御坂さんがもし……もし……妹さんを…」

一方通行「……オイ、真面目に答えてやるからよォく聞け」

佐天「え……?」

一方通行「オマエのダチは『絶対に』アイツを殺したりしねェ。逆もまた然りだ。さっきも言ったが、くだらねェ
心配してンじゃねェよ」

佐天「で、でもさっきは『危なくなったら』って……」

一方通行「そりゃあ『事故』の想定だ。超電磁砲のヤツは不器用だからなァ……その気はなくてもウッカリって事が
無いとは限らねェだろ? ンで、その『ウッカリ』がもし起きちまったら……アイツは一生ソレを引きずって生きる
事になる。それじゃあンまりにも惨め過ぎンだろォが」

428 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:56:56.22 ID:7vr/1HE0 [14/19]
佐天「……?」

一方通行「オイ、何呆けた顔してンだ? 理解できただろ?」

佐天「…う~ん……ゴメンなさい。あんまり…」

一方通行「……ったく……分かりやすく言えば、『心配は要らねェが、危険は想定しろ』ってこった」

佐天「……もっと分かりやすく!」

一方通行「オイオイ、今ので分かンねェのかァ…?」

佐天「無能力者(レベル0)ナメないでください!」

一方通行「悪いが、すでに一度ナメて痛い目に合ってる」

佐天「――え? じゃああの『噂』ってやっぱり本当なんですか!?」

一方通行「あ? 何だよ噂って?」

佐天「『学園都市最強が最弱の無能力者に負けた』って……確か去年の夏頃に……」

一方通行「オマエみてェなのも知ってるって………どンだけ広まってンだよ……」

佐天「『都市伝説』になってますよ?」

一方通行「あァ? 都市伝説ゥ? そンなモンまであンのか?」

佐天「はい。………で、真意は!?」

一方通行「勝手に自由に想像してろ。以上」

佐天「え~!? 気になりますよ~! 折角ご本人様に会えたのに~!」

一方通行「うぜェ。 ってか、今そンな場合か?」

429 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 19:59:41.01 ID:7vr/1HE0 [15/19]
佐天「あ! そうでした! さっきの話し方じゃ分かりにくいんで、もっと分かりやすく言ってください」

一方通行「ソッチかよ! オマエ実は意外とそンな頭悪くねェだろ? しっかり覚えてンじゃねェか!」

佐天「いえ、そんなことないですよ♪ ささ、丁寧に分かりやすくお願いします」

一方通行「あァ面倒臭ェ! 良いか? 『心配は要らねェが、危険は想定しろ』ってのは乗り物と一緒だァ。船は海渡って
向こうまで運ンでもらえて便利かも知れねェが『転覆』の危険がある。飛行機の場合は『墜落』の危険がある。こンな風に一見便利で
安全だが、『事故』って言うリスクは必ずついてっから気は抜くな。って意味だ」

佐天「おぉ~! すごい! さすが第一位! ってか良く覚えてましたね~♪ 」パチパチ

一方通行「……まさかとは思うが、オマエ俺のこと馬鹿にしてる訳じゃねェよなァ?」

佐天「いえいえ! まだ命が惜しいですから!」

一方通行「まァ……超電磁砲…イヤ、オマエのダチを信じろって事だ。ダチってのは互いを認めて信じるモン……らしいからな。
良く分かンねェが…」

佐天「……そうですよね。なんたって御坂さんですもんね……心配しすぎか」

一方通行「っつーか、オマエ超電磁砲とどォやって知り合ったンだよ?」

佐天「え?……えーと、私の友達に風紀委員(ジャッジメント)がいまして……で、その風紀委員の同僚…ってか友達が御坂さんの
後輩で、私の友達が御坂さんに会いたいって御坂さんの後輩に頼んで、私もそれについて行った…で分かります?」

一方通行「当然だろォ。要するにダチのダチはダチってこったな」

佐天「ハハ……けど何でそんなこと訊くんですか?」

一方通行「……べっつにィ。ただ、超能力者と仲良くつるンでられるモノ好きな無能力者がここにもいたンだなァ…って思っただけだ」

佐天「確かに……同じ学園都市に居ても超能力者と無能力者って住む世界違いますもんねぇ……でも、御坂さんはそんな感じしない
んですよ。最初会う前は『上から目線で偉そうにしてんのかなぁ』って思ってたんですけど、実際は全然そんなことなくて……私とも
対等に接してくれるし、ホントに良い人ですよ…」

一方通行「ま、超電磁砲(アイツ)は例外だからなァ……実際、オマエの最初の想像が正しいっちゃ正しいだろ。俺も前は無能力者
を見下してたクチだからよォ…」

佐天「……今は違うんですか?」

430 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 20:04:28.19 ID:7vr/1HE0 [16/19]
一方通行「ひとりの無能力者と出会ってから、そォは思わなくなったな…」

佐天「………その無能力者って……まさか都市d」

一方通行「勝手に自由に想像してろ。以上」




――それ以上言うつもりはない、とばかりにシャットアウトした。




佐天「え~?」

一方通行「さ、早くアイツら捜すぞ。イヤならここで別れるが?」

佐天「行きます! 行きますから置いてかないでくださいよ~! ってか、なんで杖ついてるのにそんな速いんですかぁぁ!?
ってか、さっきは遅かったでしょぉお!?」




――カツ カツ と、それ以上は無言で杖をついて歩き出した一方通行を佐天は慌てて追いかけた。



―――――――




―――A館から屋外への出口付近




「――お? 外も暗いな……雨降りそうだが、ちょっと外に出るか?」


「そうですね。館内の電気、まだ復旧しませんし……いったいどうしたんでしょう…?」

431 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 20:06:27.12 ID:7vr/1HE0 [17/19]
――屋外へとやって来た頭に大量の花をつけた少女とニット帽にマスクを装着した逃亡少年は、屋外をブラブラ歩きながら
暗くなった空を見上げた。




初春「やっぱり変ですよぉ。『今日はすっきりした青空が一日中続くでしょう』って書いてあるのに……」




携帯電話の画面を見ながらそう言った初春飾利だが、垣根帝督は能天気に応じる。




垣根「アレじゃねえか? もしかしたら誰かが神龍とか呼んでんのかもよ?」

初春「シェンロン? 何ですかそれ…」

垣根「何でも願いを叶えてくれるドラゴンだよ。え? まさか知らねえの?」

初春「知らないですよ。って、そんなの本当にいるんですか?」

垣根「………イヤ、いる訳ねえじゃん。超名作な漫画のネタだよ。アニメもあるけど…」

初春「また騙されましたぁぁ……」

垣根「ホント純粋だよなぁかざりんは。よし、今度漫画貸してやるよ。面白ぇから読んでみな」

初春「え?……あ、ありがとうございます…」

垣根「いいって。………っつーか、シロクマとかアザラシとか……なんか怯えてね?」

初春「多分さっきの雷じゃないですか? 確か…この辺りに落ちたハズなん――――あ! あれじゃないですか!?」




――前方の異常に凹んだ地面を初春は指さす。二人はその場所まで歩いた。




垣根「うわ、ホントだ……抉れてやがる」

初春「やっぱりここに落ちたんですよ……」

432 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/07/18(日) 20:08:13.26 ID:7vr/1HE0 [18/19]
垣根「…………」


初春「カッキーさん? どうしたんですか?」




――急に無口になる垣根を不審に思った初春……垣根は推理中の探偵のような仕草でしばらく考えていた。
そして、結論を口に出す。




垣根「これ、自然の雷じゃねえな……明らかに能力者の仕業だ」


初春「え……?」




垣根の言葉にポカン、とする―――。

―――と、ちょうどその時…後ろの方から何やら人の話し声が聞こえてきた。




「―――クソ、結局ここに戻って来ちまったぞ。ったく、アイツらホントに何処行きやがったンだァ?………お?」


「―――ハァ、ハァ、待ってください! だから置いてかないでってばぁ!………あ、あれ…?」



初春「―――へ?」クルッ


垣根「―――ん?」クルッ




垣根と初春が振り返るのと、後ろから来た二人の男女が垣根たちの存在に気づくのはほぼ同時だった―――――。

美琴「とある主人公(ヒーロー)の友情物語?」-3
に続きます

コメント

No title

美琴が麦野のようだ……

No title

なんだろう、佐天さんがウザいんだが……

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