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とある街角の窒素装甲
83 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/24(火) 21:52:23.88 ID:58JGyKIo [1/9]
7レスほどお借りします。
浜絹のとある日常のお話。
7レスほどお借りします。
浜絹のとある日常のお話。
84 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:53:08.04 ID:58JGyKIo [2/9]
――とある昼下がりの午後。
ふわふわしたニットのワンピースを着た十二歳ぐらいの少女、絹旗最愛は第七学区にある繁華街を歩いていた。
絹旗(今日は前々から超楽しみにしていた映画の初日公開日。これはテンションを上げずにはいられません)
久々の期待できる作品ということもあり、絹旗はかなり上機嫌だった。
そんな彼女の元に、二人の男がふらりと近づいてきた。
男1「どもども☆ こんにちはー。君、今一人?」
男2「もしよかったらさ、俺らとご飯でも行かない? もちろんオゴっちゃうよ?」
年齢は絹旗より二~三歳年上だろうか。
見た目は言うまでもなく、雰囲気からしてかなり軽い感じの男たちだった。
絹旗(最悪。超最悪です。よりにもよって、こんな気分最高潮の日にナンパとは……)
心の中でかなりゲッソリとする絹旗だったが、男たちは構わず話を続けてきた。
男1「君、かなり可愛いよねー。こんな可愛い子を無視するのは逆に失礼かなーと思って、声かけちゃったんだー」
男2「あ、もしかしてモデルかなんかやってる? スタイルもかなりいいよねー」
男たちは軽口を叩きながら、かなり丈の短いワンピースから露出している絹旗の白い太股を、撫で回すように見つめている。
生存本能全開です、と声に出さなくてもわかるほどの性欲をまき散らしていた。
絹旗(こういう輩は超無視するに限りますね。放っとけばその内飽きて、別の女のところに超尻尾振りに行くでしょう)
絹旗の心の内は露知らず、男たちは相変わらず、成功することのないナンパに全力を注ごうとしていた。
85 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:53:50.19 ID:58JGyKIo [3/9]
絹旗が無視を決めこんでから五分、いや十分ほどたっただろうか。
男たちは、まだ諦めずに攻め続けていた。
絹旗(超しつこすぎます!! 何なんですか! この喋る害虫どもは!!)
あまりのしつこさに、絹旗はこめかみの辺りに青筋を立てていた。
男1「ねぇ、いつまで無視するつもり? ずっと黙ってるのしんどくない? ストレス溜まっちゃうよ?」
男2「むしろさ、最初から溜まってたんじゃないの? ストレス以外の色々なものがさ」
絹旗「……………………」
男1「なんだ、それだったら言ってくれればいいのに。俺ら良い解消法知ってんだ」
男2「そうそう。最っ高ーに気持ちいいからさ。やってあげるよ。あ、優しくしてあげるからその辺は安心して?」
絹旗「……………………」
男1「……おい、コラ。いつまで無視してんだよ。俺らが下手にでてるからって調子乗りやがって。
別にこっちは無理やりでもいいんだぞ」
男2「今だったら優しくしてやるって言ってんだよ。お前もさ、そんな服着てるってことは誘ってるんだろ?」
絹旗の中で何かが音を立てて、切れた。
86 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:54:36.42 ID:58JGyKIo [4/9]
絹旗「おーけーです、おーけーです。それなら、ちょっと路地裏に行きましょうか。
そこで思う存分、超殺(や)ってあげますから」
男1「ヒュ~☆ やっと口聞いてくれた♪ しかもまさかの路地裏青姦プレイとはね。お前ずっと無視してたけど
最初からヤる気満々だったんだろ? ったく清純派ぶってんじゃねーよ。このヤリマンが」
男2「まあまあ、そう言うなよ。せっかくこの子から誘ってくれたんだから。おもいっきり楽しませて
もらおうじゃねーか。……へへ。天国拝ませてやるからアソコ濡らして期待しとけよ」
淫猥な笑みを浮かべながら、男の一人が絹旗の肩に手を回してきた。
その行為に絹旗は目の前が真赤に染まり、咄嗟に手が出そうになった。
だが、残っている僅かな理性で、その衝動を必死に抑え込む。
絹旗(こ、こんな人通りの多いところで騒ぎを起こしては後処理が超面倒なことになってしまいます。
あと数分の超我慢です)
腹の底から湧き出てくる憤怒の気持ちを必死に自制し、絹旗は男二人を引き連れ近くの路地裏に入った。
そして、そこからさらに奥へと進む。
男1「おいおい、もうこの辺でいいだろ。ここならどんだけでかい喘ぎ声だしても表通りには届かねーよ」
男2「それとも逃げようとか考えてた?」
男たちは、絹旗を前後から挟み込むように陣取った。
絹旗「逃げる? この私が? まさか! それは超ありえませんね。だって、ここからがお楽しみの
時間じゃないですか」
男1「へっ! わかってるじゃねーか。ま、こっちもこんな上玉逃がすつもりなんてさらさらないけどよ」
男2「さーて、それじゃ始めるとしますか」
男が絹旗に手を伸ばしたのを合図に、彼女は能力を発動させ男たちを肉塊に変えようとした。
が、次の瞬間――。
「待てよ!!」
淫靡な雰囲気と、殺伐とした空気が入り混じる路地裏にとある男の声が響きわたった。
87 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:55:17.72 ID:58JGyKIo [5/9]
男2「あぁ?」
???「てめぇら! 男二人がかりで女の子囲うとか下衆なことしてんじゃねーよ!!」
声の主は絹旗がよく知る人物だった。
元アイテムの下働きであり、現在は絹旗の使いっ走り。
アホな外見に負けず劣らずのアホな男、浜面仕上であった。
絹旗「は、浜面……?」
浜面「待ってろ絹旗! 今助けてやるからな!」
男1「んだぁ? このヒーロー気取りのアホそうなチンピラは?」
予想外の乱入者に、男たちは少々呆気にとられているようだった。
その隙を見逃すまいと、浜面はすかさず臨戦態勢に入る。
浜面「うおおおおおおおおおおぉっ!」
雄叫びとともに右拳を振り上げなら、手前の男に向かって突進する浜面。
そんな浜面を見て、男が右の掌を、すっと浜面に向けた。
浜面(!? まさか能力――)
咄嗟に回避しようとした浜面だったが、間に合わなかった。
見えない力の塊が浜面を後方へ勢いよく吹き飛ばす。
浜面「ごはぁっ!」
五メートルほどノーバウンドで突き飛ばされ、二、三度バウンドした後、ようやく浜面の体は
勢いを止めた。
浜面「かっ……、はっ……っ」
地面に叩きつけられた衝撃で呼吸困難に陥っているのか、浜面は喘鳴を鳴らしている。
88 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:55:50.27 ID:58JGyKIo [6/9]
絹旗「浜面!!」
浜面の元に駆け寄ろうとする絹旗だったが、奥側にいた男が彼女の両手を掴んでそれを阻止する。
男1「おっと、行かせねーよ? 絹旗ちゃ~ん」
絹旗「っ!?」
男2「悪りーなチンピラ。俺、こう見えても強能力者(レベル3)なんだわ。ま、それを差し引いても
お前の弱さは虫けら以下だけどな。ぎゃははは!」
浜面「……く、そっ。……きぬ……はた、にげ……ろ」
男1「んんん? もしかしてあのゴミって絹旗ちゃんの彼氏みたいな感じ?」
男2「へぇ。だったらここは演目変更して、彼氏の前で公開レイプショーにすっかー?
ぎゃは――」
ドゴッ!! と男の下品な哄笑を遮るように、一つの衝撃音が轟いた。
浜面の方を向いていた男が、その音に反応して振り返る。
男2「……あ?」
振り返った男が目にしたのは、鬼のような形相で佇む絹旗と、股間を押さえながら泡を吹き、白目をむいて
悶絶している仲間の姿だった。
絹旗「ブチコロシ超かくていですね」
男2「て、てめぇ、一体何しやが――」
浜面「おおおおおおおおおおおおおぉっ!!」
男の声を掻き消すように、浜面の咆哮が路地裏に木霊した。
男2「は?」
振り向いた男の顔面に、浜面の渾身を込めた一撃が突き刺ささる。
男2「ごぶあっ!!」
男はボロ雑巾のように転がりながら、十メートルほど吹っ飛ばされた。
浜面に殴り飛ばされ、すでに気を失っている男に絹旗は呟く。
絹旗「さて、と。あなたには私の使いっ走りを可愛がってくれたお礼を超しないといけませんね」
そう言うと絹旗は、気絶してしている男の股間に力任せに足を振り下ろした。
89 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:56:22.72 ID:58JGyKIo [7/9]
浜面「……痛てててて」
絹旗「大丈夫ですか? 浜面」
絹旗と浜面の二人は表通りに戻ってきていた。
体中に擦り傷を負っている浜面に、(一応)心配そうに絹旗が問いかける。
浜面「ああ。大した傷じゃないしな。……それより、とんだ災難だったなぁ」
絹旗「まったくです。どこをどう見れば、私がピンチに陥っているように超見えたんですか?」
浜面「いや、お前がなんの抵抗もせずに拉致られようとしてたから……」
絹旗「……気付いたら無防備に超突撃していたと?」
浜面「……まあ、そんな感じ」
絹旗「いくらなんでもあんな人前で超暴れるはずがないでしょう。浜面のアホさ、ここに超極まれり、
ですね」
浜面「だぁーーっ! そこまで言うかお前! 一応だけど、助けにいってやったのにーっ!」
絹旗「まあ、逆に超返り討ちにあっていましたけどね」
浜面「うぐっ!! 事実なだけに何も言い返せない……。うぅ……、俺ダセぇ……」
絹旗「確かにあのダサさは、さすが超浜面と言ったところでしょうかね」
絹旗「(――それでも、私は……、)」
90 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:56:59.06 ID:58JGyKIo [8/9]
浜面「ん?」
絹旗「いえ何でもありません! それより、浜面の言うとおり一応助けてくれたことには超変わりありませんからね。
お礼に今から見に行く映画に同席することを超許可しましょう。特別に私の奢りで、コーラとポップコーン付です!」
浜面「……もしかしてまたB級映画?」
絹旗「今日のは私が前から目をつけてたやつなので、面白いこと超間違いないです!」
浜面「……よーし、そういうことならお前のアンテナが本物かどうか確かめに行ってやろうじゃねえか!」
絹旗「ふふん。超望むところですよ、浜面。……さて、そうと決まれば、早く行きますよ!」
浜面「うぉいっ! そんなに強く手を引っ張られたら肩が抜けちまうーーっ!!」
浜面の悲痛な叫び声をよそに、絹旗は満面の笑みで彼の手を引きながら目的地へと直走る。
今日は気分最高潮から一転、最悪の日になると思っていたが、こういう結末なら悪くない、と絹旗は思う。
助けにきたつもりが、逆にやられてしまう男浜面。
アホでチンピラでどうしようもない男浜面。
ヒーローと呼ぶには程遠いのかもしれない。
傍目からみれば、超ダサいし超かっこ悪いのかもしれない。
それでも――、
絹旗(それでも私は――、)
絹旗(超嬉しかったですよ、浜面?)
おしまい!
91 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/24(火) 21:58:56.15 ID:58JGyKIo [9/9]
以上です。
ありがとうございました!
――とある昼下がりの午後。
ふわふわしたニットのワンピースを着た十二歳ぐらいの少女、絹旗最愛は第七学区にある繁華街を歩いていた。
絹旗(今日は前々から超楽しみにしていた映画の初日公開日。これはテンションを上げずにはいられません)
久々の期待できる作品ということもあり、絹旗はかなり上機嫌だった。
そんな彼女の元に、二人の男がふらりと近づいてきた。
男1「どもども☆ こんにちはー。君、今一人?」
男2「もしよかったらさ、俺らとご飯でも行かない? もちろんオゴっちゃうよ?」
年齢は絹旗より二~三歳年上だろうか。
見た目は言うまでもなく、雰囲気からしてかなり軽い感じの男たちだった。
絹旗(最悪。超最悪です。よりにもよって、こんな気分最高潮の日にナンパとは……)
心の中でかなりゲッソリとする絹旗だったが、男たちは構わず話を続けてきた。
男1「君、かなり可愛いよねー。こんな可愛い子を無視するのは逆に失礼かなーと思って、声かけちゃったんだー」
男2「あ、もしかしてモデルかなんかやってる? スタイルもかなりいいよねー」
男たちは軽口を叩きながら、かなり丈の短いワンピースから露出している絹旗の白い太股を、撫で回すように見つめている。
生存本能全開です、と声に出さなくてもわかるほどの性欲をまき散らしていた。
絹旗(こういう輩は超無視するに限りますね。放っとけばその内飽きて、別の女のところに超尻尾振りに行くでしょう)
絹旗の心の内は露知らず、男たちは相変わらず、成功することのないナンパに全力を注ごうとしていた。
85 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:53:50.19 ID:58JGyKIo [3/9]
絹旗が無視を決めこんでから五分、いや十分ほどたっただろうか。
男たちは、まだ諦めずに攻め続けていた。
絹旗(超しつこすぎます!! 何なんですか! この喋る害虫どもは!!)
あまりのしつこさに、絹旗はこめかみの辺りに青筋を立てていた。
男1「ねぇ、いつまで無視するつもり? ずっと黙ってるのしんどくない? ストレス溜まっちゃうよ?」
男2「むしろさ、最初から溜まってたんじゃないの? ストレス以外の色々なものがさ」
絹旗「……………………」
男1「なんだ、それだったら言ってくれればいいのに。俺ら良い解消法知ってんだ」
男2「そうそう。最っ高ーに気持ちいいからさ。やってあげるよ。あ、優しくしてあげるからその辺は安心して?」
絹旗「……………………」
男1「……おい、コラ。いつまで無視してんだよ。俺らが下手にでてるからって調子乗りやがって。
別にこっちは無理やりでもいいんだぞ」
男2「今だったら優しくしてやるって言ってんだよ。お前もさ、そんな服着てるってことは誘ってるんだろ?」
絹旗の中で何かが音を立てて、切れた。
86 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:54:36.42 ID:58JGyKIo [4/9]
絹旗「おーけーです、おーけーです。それなら、ちょっと路地裏に行きましょうか。
そこで思う存分、超殺(や)ってあげますから」
男1「ヒュ~☆ やっと口聞いてくれた♪ しかもまさかの路地裏青姦プレイとはね。お前ずっと無視してたけど
最初からヤる気満々だったんだろ? ったく清純派ぶってんじゃねーよ。このヤリマンが」
男2「まあまあ、そう言うなよ。せっかくこの子から誘ってくれたんだから。おもいっきり楽しませて
もらおうじゃねーか。……へへ。天国拝ませてやるからアソコ濡らして期待しとけよ」
淫猥な笑みを浮かべながら、男の一人が絹旗の肩に手を回してきた。
その行為に絹旗は目の前が真赤に染まり、咄嗟に手が出そうになった。
だが、残っている僅かな理性で、その衝動を必死に抑え込む。
絹旗(こ、こんな人通りの多いところで騒ぎを起こしては後処理が超面倒なことになってしまいます。
あと数分の超我慢です)
腹の底から湧き出てくる憤怒の気持ちを必死に自制し、絹旗は男二人を引き連れ近くの路地裏に入った。
そして、そこからさらに奥へと進む。
男1「おいおい、もうこの辺でいいだろ。ここならどんだけでかい喘ぎ声だしても表通りには届かねーよ」
男2「それとも逃げようとか考えてた?」
男たちは、絹旗を前後から挟み込むように陣取った。
絹旗「逃げる? この私が? まさか! それは超ありえませんね。だって、ここからがお楽しみの
時間じゃないですか」
男1「へっ! わかってるじゃねーか。ま、こっちもこんな上玉逃がすつもりなんてさらさらないけどよ」
男2「さーて、それじゃ始めるとしますか」
男が絹旗に手を伸ばしたのを合図に、彼女は能力を発動させ男たちを肉塊に変えようとした。
が、次の瞬間――。
「待てよ!!」
淫靡な雰囲気と、殺伐とした空気が入り混じる路地裏にとある男の声が響きわたった。
87 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:55:17.72 ID:58JGyKIo [5/9]
男2「あぁ?」
???「てめぇら! 男二人がかりで女の子囲うとか下衆なことしてんじゃねーよ!!」
声の主は絹旗がよく知る人物だった。
元アイテムの下働きであり、現在は絹旗の使いっ走り。
アホな外見に負けず劣らずのアホな男、浜面仕上であった。
絹旗「は、浜面……?」
浜面「待ってろ絹旗! 今助けてやるからな!」
男1「んだぁ? このヒーロー気取りのアホそうなチンピラは?」
予想外の乱入者に、男たちは少々呆気にとられているようだった。
その隙を見逃すまいと、浜面はすかさず臨戦態勢に入る。
浜面「うおおおおおおおおおおぉっ!」
雄叫びとともに右拳を振り上げなら、手前の男に向かって突進する浜面。
そんな浜面を見て、男が右の掌を、すっと浜面に向けた。
浜面(!? まさか能力――)
咄嗟に回避しようとした浜面だったが、間に合わなかった。
見えない力の塊が浜面を後方へ勢いよく吹き飛ばす。
浜面「ごはぁっ!」
五メートルほどノーバウンドで突き飛ばされ、二、三度バウンドした後、ようやく浜面の体は
勢いを止めた。
浜面「かっ……、はっ……っ」
地面に叩きつけられた衝撃で呼吸困難に陥っているのか、浜面は喘鳴を鳴らしている。
88 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:55:50.27 ID:58JGyKIo [6/9]
絹旗「浜面!!」
浜面の元に駆け寄ろうとする絹旗だったが、奥側にいた男が彼女の両手を掴んでそれを阻止する。
男1「おっと、行かせねーよ? 絹旗ちゃ~ん」
絹旗「っ!?」
男2「悪りーなチンピラ。俺、こう見えても強能力者(レベル3)なんだわ。ま、それを差し引いても
お前の弱さは虫けら以下だけどな。ぎゃははは!」
浜面「……く、そっ。……きぬ……はた、にげ……ろ」
男1「んんん? もしかしてあのゴミって絹旗ちゃんの彼氏みたいな感じ?」
男2「へぇ。だったらここは演目変更して、彼氏の前で公開レイプショーにすっかー?
ぎゃは――」
ドゴッ!! と男の下品な哄笑を遮るように、一つの衝撃音が轟いた。
浜面の方を向いていた男が、その音に反応して振り返る。
男2「……あ?」
振り返った男が目にしたのは、鬼のような形相で佇む絹旗と、股間を押さえながら泡を吹き、白目をむいて
悶絶している仲間の姿だった。
絹旗「ブチコロシ超かくていですね」
男2「て、てめぇ、一体何しやが――」
浜面「おおおおおおおおおおおおおぉっ!!」
男の声を掻き消すように、浜面の咆哮が路地裏に木霊した。
男2「は?」
振り向いた男の顔面に、浜面の渾身を込めた一撃が突き刺ささる。
男2「ごぶあっ!!」
男はボロ雑巾のように転がりながら、十メートルほど吹っ飛ばされた。
浜面に殴り飛ばされ、すでに気を失っている男に絹旗は呟く。
絹旗「さて、と。あなたには私の使いっ走りを可愛がってくれたお礼を超しないといけませんね」
そう言うと絹旗は、気絶してしている男の股間に力任せに足を振り下ろした。
89 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:56:22.72 ID:58JGyKIo [7/9]
浜面「……痛てててて」
絹旗「大丈夫ですか? 浜面」
絹旗と浜面の二人は表通りに戻ってきていた。
体中に擦り傷を負っている浜面に、(一応)心配そうに絹旗が問いかける。
浜面「ああ。大した傷じゃないしな。……それより、とんだ災難だったなぁ」
絹旗「まったくです。どこをどう見れば、私がピンチに陥っているように超見えたんですか?」
浜面「いや、お前がなんの抵抗もせずに拉致られようとしてたから……」
絹旗「……気付いたら無防備に超突撃していたと?」
浜面「……まあ、そんな感じ」
絹旗「いくらなんでもあんな人前で超暴れるはずがないでしょう。浜面のアホさ、ここに超極まれり、
ですね」
浜面「だぁーーっ! そこまで言うかお前! 一応だけど、助けにいってやったのにーっ!」
絹旗「まあ、逆に超返り討ちにあっていましたけどね」
浜面「うぐっ!! 事実なだけに何も言い返せない……。うぅ……、俺ダセぇ……」
絹旗「確かにあのダサさは、さすが超浜面と言ったところでしょうかね」
絹旗「(――それでも、私は……、)」
90 名前:とある街角の窒素装甲[sage saga] 投稿日:2010/08/24(火) 21:56:59.06 ID:58JGyKIo [8/9]
浜面「ん?」
絹旗「いえ何でもありません! それより、浜面の言うとおり一応助けてくれたことには超変わりありませんからね。
お礼に今から見に行く映画に同席することを超許可しましょう。特別に私の奢りで、コーラとポップコーン付です!」
浜面「……もしかしてまたB級映画?」
絹旗「今日のは私が前から目をつけてたやつなので、面白いこと超間違いないです!」
浜面「……よーし、そういうことならお前のアンテナが本物かどうか確かめに行ってやろうじゃねえか!」
絹旗「ふふん。超望むところですよ、浜面。……さて、そうと決まれば、早く行きますよ!」
浜面「うぉいっ! そんなに強く手を引っ張られたら肩が抜けちまうーーっ!!」
浜面の悲痛な叫び声をよそに、絹旗は満面の笑みで彼の手を引きながら目的地へと直走る。
今日は気分最高潮から一転、最悪の日になると思っていたが、こういう結末なら悪くない、と絹旗は思う。
助けにきたつもりが、逆にやられてしまう男浜面。
アホでチンピラでどうしようもない男浜面。
ヒーローと呼ぶには程遠いのかもしれない。
傍目からみれば、超ダサいし超かっこ悪いのかもしれない。
それでも――、
絹旗(それでも私は――、)
絹旗(超嬉しかったですよ、浜面?)
おしまい!
91 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/24(火) 21:58:56.15 ID:58JGyKIo [9/9]
以上です。
ありがとうございました!
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