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( ^ω^)は人助けをしたいようです 4話

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 01:05:21.87 ID:mutndw7h0

④生贄インパクト


  _
( ゚∀゚)「ハァ…」


おやおや、何やらいじめっ子の一人が花壇に腰掛けて黄昏ています。
周囲にいつもの取り巻きはいません。裏切られたのでしょうか。


( ^ω^)「どうしたんだお、毛虫眉毛君?」
  _
( ゚∀゚)「いっつも思うんだけど、お前って根っからのいじめっ子だよな…」


ななな何を言っているんだこのゲジ眉は。
そんな事を言ってると、この花壇のブロックで後頭部を強打しますよ。

  _
( ;゚∀゚)「いや待て、俺が悪かった」

( ^ω^)「ふん、だったらさっさと誰かをけちょんけちょんにしたらいいお」


そうして、その誰かがぎったんぎったんにされているところに登場する僕。
後光を背負い、マフラーを靡かせ、爆発音と共に颯爽と登場するヒーロー。


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 01:06:25.18 ID:mutndw7h0

正義の味方の出現にうろたえる不良達、それをばったばったと倒して行く。
そして全ての不良を地に捩じ伏せた僕に、一陣の風が。

呆然としているいじめられっ子に救いの手を差し出す僕。
いじめられっ子からは、真上にある太陽のお陰で僕の顔が陰になってよく見えない。

震える手を差し出し、僕はそれをしっかりと握り締める。
そのまま手を引き、腕の中へ。んで、お姫様抱っこへ移行。

背景に咲き乱れる花。

どっかでクラッカーがパァン。

まさにハッピーエンド。

僕の描いた理想の世界。


( ^ω^)「ああ、素晴らしきかな!」
  _
( ;゚∀゚)「……」


またもトリップしてしまった。
眉毛が若干引いている。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 01:09:58.26 ID:mutndw7h0
  _
( ゚∀゚)「前から思ってたんだけど、お前矛盾してるよな」

( ^ω^)「何がだね」
  _
( ゚∀゚)「平和を齎したいなら、虐めなんて示唆するべきじゃないだろ」


こいつ、見掛けは不良なのに、妙に難しい言葉を使う。
漢字の上にルビでもふってやろうか。


( ^ω^)「僕は君を勘違いしているね、僕は平和などどうでもいいのだよ」
  _
( ゚∀゚)「…?」

( ^ω^)「僕は人を助けたいのだ。人助けをしたいのだ。救いたいのだ。救済したいのだ」


両手をばっと大きく広げ、大空を仰ぐ。
そのまま、左足を軸に回転する。世界が回る。

ああ、透き通った青空の向こうから届く太陽の光がとても眩しい!

おお、花壇に腰掛け蹲る毛虫から届く視線が背中と心に痛い!

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 01:11:18.38 ID:mutndw7h0
  _
( ;゚∀゚)「お前、」

( ^ω^)「それ以上言葉を発するな、虫」


虫の言葉に、毛虫はびくりと背を震わせた。
虫とは、この毛虫が中学生の時に言われていた悪口だ。

片眉だけ、人より太く醜いから。
今では凄味の一つと化しているが、弱かった時はそれを理由にいじめられた。

まあ、人間なんてそんなモンだ。

  _
( ; ∀ )「な、内藤、内藤」

( ^ω^)「お前は強がってればいいんだお、1人なんかで居たら駄目だお」


汚いが、毛虫の肩を掴んで目を合わせる。


( ^ω^)「グループは必ず2、3人以上。授業中や昼休みも必ずつるんでいること。
      あとなんかシルバーアクセの一つでもつけとけお。近くの露天とかで買えお。
      喋る時は『マジで!?』連呼で頭悪く見せろお。テストの点は好きにしたらいい。
      あと仲間には何があっても絶対になめられるな。体は鍛えておいて損はないお。
      運動系の部活に入れ。確か、人が少な過ぎると陸上部が嘆いていたお」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 01:15:00.34 ID:mutndw7h0

( ^ω^)「そうすればいじめられないお。いじめる代わりに、いじめられなくなるお」


ぱっと毛虫の体を放す。
僕が突き飛ばした勢いのまま、花壇にどさりと倒れ込んだ。

おいおい、真面目に体鍛えとけよ?


( ^ω^)「まあ、周囲で静観してるグループから陰口くらいは叩かれるだろうけど」
  _
( ゚∀゚)「……」


毛虫は何も言わない。
仰向けに倒れたまま、空を見ている。


( ^ω^)「そんな場所にぶっ倒れてると、怪しまれるお」
  _
( ゚∀゚)「…」


シカトかよ。いい度胸だな。


( ^ω^)「示唆しておいてやるお。ここになんで倒れてるのか聞かれたら、
       『昼寝してたで』貫き通せ、間違っても気絶したなんて言うな」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 01:16:06.13 ID:mutndw7h0

聞いているのか聞いていないのかわからない。
せめて頷くくらいの反応はしてほしかったが、仕方ないか。

立ち去ろうと背を向けた瞬間思い出した。


( ^ω^)「虫、1年A組の貞子って知ってるかお?」
  _
(  ∀ )「…」


何か喋れ。


( ^ω^)「あの子、友達って友達もいないし、結構いい感じだお」

( ^ω^)「手は出すなお、陰口だけで追い詰めろお」

( ^ω^)「もし貞子が先生に逃げ込んだら、さっさと逃げるお。厄介だから」


聞いていないのなら、聞こえていないのなら。

また明日、明日じゃなければ次の日。
1人の時を捕まえて言ってやろう。

もう長岡に用はない。
次は移動教室だから、早めに準備しよう。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 01:19:06.85 ID:mutndw7h0

1人、花の中に取り残された人型の毛虫。

毛虫こと、ジョルジュ 長岡。

  _
(  ∀ )「……………さだ、こ」








④ 終

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