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( ^ω^)は人助けをしたいようです 2話

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:24:11.69 ID:mutndw7h0

②ぶっち切りバーサーカー


1人のいじめられっ子が消えてしまった。
油性ペンで悪口が書かれまくった机の上には、菊の花が咲いている。

比喩ではない。実際に咲いているのだ。


( ^ω^)「うーむ、これは」


机の上にある、いじめっ子達が彫刻刀で掘った大きな穴は中庭の土で塞いだ。
教師の「ついでだから」の言葉で、花瓶の代わりにそこが鉢植え代わりにされた。

菊の花が机から直に咲いている光景は、ある意味幻想的だ。


( ^ω^)「中々に独創的だおね」


菊の花が枯れないよう、緑色の液体の詰まった栄養剤を刺してやる。
きっと彼が幽霊になってそこにいるとしたら、呆然としている事だろう。

誰だってそうだ。
僕だってそうだ。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:25:19.72 ID:mutndw7h0

ξ゚⊿゚)ξ「あら、手入れをしているの?」

( ^ω^)「んん? 君は」


記憶の中を検索する。

がりがり、ぎゅいぎゅい。
かしゃかしゃかしゃ、チーン。


( ^ω^)「ツンさんかお」

ξ゚⊿゚)ξ「まだクラスメイトの名前覚えてないの?」


呆れた様子で溜め息を吐かれる。

覚えていないのではなく、顔と名前が一致しないだけだ。


ξ゚⊿゚)ξ「意外ね、あなたってそういうのしないと思ってたわ」

( ^ω^)「そういうの?」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:26:20.46 ID:mutndw7h0

ξ゚⊿゚)ξ「死んだ奴の机の上の花なんて、先生とかがやるものじゃない」

( ^ω^)「あの教師がやると思うかお」

ξ゚⊿゚)ξ「体裁だけは」


ふーんと鼻を鳴らす。興味ない。


ξ゚⊿゚)ξ「それにアンタ、いっつも毒男のことを後ろから笑って見てたじゃない」


マジかよ。他人からはそんな風に見られてたのか。


( ^ω^)「この顔はいつもだお」

ξ゚⊿゚)ξ「どーだか」


両手を肩の辺りにまで上げて、やれやれと言う。

このアマ。
不良共をけしかけてマワしてやろうか。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:29:23.98 ID:mutndw7h0

ξ゚⊿゚)ξ「あ、そう言えば」

( ^ω^)「何だお」

ξ゚⊿゚)ξ「…最近、下駄箱で変な事が起きるの」


イライラしてきた。
それがどうしたって言うんだ。


( ^ω^)「で?」

ξ゚⊿゚)ξ「話は最後まで聞きなさい」


ξ゚⊿゚)ξ「なんか、日ごとに、縦一列ごとに、変なことされるのよ」

( ^ω^)「変なこと?」

ξ゚⊿゚)ξ「虫の死骸を入れられたり、水浸しになってたり、泥だらけになってたり」

ξ゚⊿゚)ξ「軽い時だと、靴が左右逆になってたり、靴が逆さまになってるだけだったわ」

ξ゚⊿゚)ξ「酷い時だと、猫の死骸が入ってたり、靴が滅多刺しにされてたり…」


ξ;-⊿-)ξ「先生達は『学生の問題は学生で解決すべきだ』で取り合ってくれないし…」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:32:43.27 ID:mutndw7h0

( ^ω^)「それはつまり…」

集団いじめならぬ、個人いじめ。
こう書くと個人がいじめられているように見えるが、個人が集団をいじめているのだ。

いじめとは、学校と言う枠内に置いて個人を差すものかもしれない。
だったら、これは何と表せと言うのだ。嫌がらせか? テロか?

取りあえず、いじめと言う事にしておこう。


( *^ω^)「いじめか! いじめだおね!」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、あ、うん。どっちかと言うと悪戯じゃない?」


あ、そーか。


( ^ω^)「ともかく、君はそれで困っているのだおね?」

ξ゚⊿゚)ξ「私ではなく、私達よ。何か心当たりない?」

( ^ω^)「何も。初めて知ったお」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:36:12.03 ID:mutndw7h0

ξ゚⊿゚)ξ「あなたはまだなのね…羨ましいわ」


それじゃあ、さよなら。
んなことを言って、教室から出て行く。


( ^ω^)「僕、疑われてたのかお?」


さっきのは尋問誘導みたいなものだったんだろうか。
色々と不可解なフラグが立ちまくりだ。

どうしよう、これから一人で頑張れるか?
僕には味方はいないが、奴隷はいる。

肩を並べれる奴でも作っておこうか。近いうちに。


( ^ω^)「君は毒男と言う名前だったんだおね、応援してくれお」


菊の花は風に揺られて左右に揺れた。
僕は腹が立って、それをぶちりと引っこ抜いた。




② 終

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