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無能力者は終末への夢を見るか?
301 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:45:54.64 ID:HNHqVUoo [2/9]
何レスかお借りします。
無能力者は終末への夢を見るか?の続きです。
足がもげたりとある能力者が死んでいたりなど、グロ表現や死ネタ等注意です。
何レスかお借りします。
無能力者は終末への夢を見るか?の続きです。
足がもげたりとある能力者が死んでいたりなど、グロ表現や死ネタ等注意です。
302 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:47:20.47 ID:HNHqVUoo [3/9]
「……じゃ、俺言ってくるわ」
「……えっと、垣根さん? で、でも能力者なら狙われるんじゃ…?危ないですよ?」
垣根を心配そうに見つめる学生は、原谷矢文といったか。
だが、垣根は、
「俺が囮になってやるっつってんの。そうすれば多少能力がある奴でも安心していけるだろ?」
と言って止めるより早く地下街から出てしまった。
「あ、ちょっと待ってよ!」
と制止を求める声が聞こえたが無視した。
地下街から出た垣根は、雨が降りしきる、廃墟の灰色の街中を走っていた。
(さて、どうする?)
大方あの監視の巡回ルートに見つかったのだろう、と推測をたてる。が、
「えぇいめんどくさい!」
どうせ囮になるなら早かろうと遅かろうと同じだ、と決心し、能力を発動をさせる。
むしろ、さっさとそのオブジェクトもどきの『監視』をたたきつぶせば、こそこそやる必要も一時的になくなる。
バサリ、と背中から神話に出てきそうな神々しい物が生える。
相変わらず派手派手しい、童話に出てきそうな輝く六枚の翼。
それをいきなり全開の大きさにし、思い切り地面にたたきつける。
彼を中心に地割れが起き、その反動で垣根の身体が空へ飛ぶ。
「これもあれも全部あのヤローのせいにしてやる!あの世で覚悟してろ、第一位!」
再び空気を叩きつけ、一気に加速する。
目的は単純明快。
「さっさとぶっ壊してやる!俺らの邪魔する奴らも、理不尽なこの世界も、全部だ!」
理不尽な理由によって破壊された雨降る学園都市を、一人の少年が飛んだ。
303 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[sage saga] 投稿日:2010/07/07(水) 19:48:31.80 ID:HNHqVUoo [4/9]
所変わって避難用地下街
「……ちなみに、容体は一体どうなんだい?」
いつの間にか、カエル顔の医者が浜面の後ろにいた。
「……あ、今佐天さんが止血してるはずなんだけど……、と、とにかく足がもげてて!」
人の生死にかかわる仕事を一時期とはいえしてたが、それでもあれは度を越してたのか。
言葉にならない状況を、両腕を使って度合いを表そうと、肉体言語≪ボディランゲージ≫を用いる浜面。
「足がもげている……? ふむ、それは危ないかもしれないね?失血死する前にいこうか。」
「あ、はい!お願いします!」
大きな黒い鞄を抱え、垣根が囮になってる間にさっさと応急処置と搬送をすませる為に。
(アイテムのあいつらみたいには、もう死なせねぇ!)
学園都市を闊歩する、監視――もとい、能力者処刑用兵器。
かなり大きいそのオブジェクトのような威圧感を与えるそれの、スピーカーからいらだちに満ちた声が吐き出される。
『あーもうダメ、全然ダメ、くそっ、能力者≪バケモノ≫め……どこいってんだよぉ!? 急に反応消えやがって!』
パイロットの、金髪の女性はレーダーを確認して、何もない事を表示するにイラだっていた。
マイクやAIMを観測するレーダーはあるものの、高性能なカメラはついていない。
理由は単純。能力者(子供)を処刑するのに自ら志願するような彼らは、気まぐれ一つで無関係な子供(そう、例えば無能力者など)も殺してしまうからだ。
『あー死ね!足音一つ響かせてみろ!もう全部踏みつぶしてやる!』
そんな「理不尽」の象徴ともいうべきその駆動鎧のような兵器へ。
正体不明の攻撃が襲った。
『ぐっ、ぎぃいいいいいい!?』
パイロットの身体中へ、謎の攻撃が「浸透」した。
後頭部を思い切り殴られたと思ったら、腹の中から焼き焦がされたような。
そんな不思議な痛みが全身の皮膚から、内臓から、襲う。
機内へ、攻撃をしかけた人間のものであろう声が響く。
「意外と、通用するものだな?」
304 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:49:35.02 ID:HNHqVUoo [5/9]
『ぐ……ってめぇは誰だ!』
レーダーを覗くが、そこにはAIMの反応はない。
ぎゅるり、と駆動鎧のような兵器が戦闘態勢をとる。
「確認、か?無駄だろう。俺は能力者じゃないからな。」
男。そういえば、先程学園都市付近の施設が一つ潰されたと情報が入った。
『……もう一度聞く、てめぇは誰だあ!?』
先程の攻撃でこみ上げた吐き気を押しこんで、パイロットは聞き返す。
「――俺は、ただの根性無しだ。」
『はっ?………何を――』
ぐぎゅるりぃい!と金属を無理やり噛み合せたような、生理的に嫌な音が響く。
そのオブジェクトにも駆動鎧にも似た、『恐怖の代名詞』とも呼ぶべき兵器の左腕が。
ズドン!と音を立てて根元から落ちていた。
『な、何をした!てめぇええええ!』
操縦桿を握り、やみくもに片腕を振り回させる。
が、どこから来たのかも分からない攻撃に対して行ったそれは当たるはずもなく。
「滑稽だな。恐怖の代名詞、が恐怖に支配されているのは」
今度は残っていた片腕が、同じように落ちた。
『うわあああああ!な、何だお前は!何が目的だあああああああああ!?』
「単に、原石を保護しに来ただけだ。」
その言葉を最後に、パイロットは全身に謎の攻撃を受けて気絶した。
305 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:50:37.04 ID:HNHqVUoo [6/9]
―――
旧三沢塾の隠し部屋。
原石・姫神秋沙を監禁し、新興宗教のような事をしでかした三沢塾。
とある錬金術師がそれを乗っ取っり、そのもの結界としたビル。
そのビルは、未だにとある少女の為のAIM拡散力場を抑え込む結界の役割を果たしていた。
その隠し部屋で、佐天が削板に止血の応急処置を施していた。
「……うっ、」
「あ、起きました?」
「……、嬢ちゃんは一体?」
「動かないで下さい!……足、ないんですから。」
無理やり身体を起こそうとする削板の体制を、元に戻そうとする佐天。
「……足、やっぱり、なくなっちまったか。」
視線を、痛みの原因でもある自らの足へ動かす。
膝から下の肉が、無理やり削ぎ落されたような状態。
そこには白い骨があった。が、地を踏みしめるべき部分は骨ごとなくなっていた。
原谷にバカと言われる程の削板と、中学一年生の佐天にはわからなかったが、傷口からは透明な体液がにじみ出ている。
「……嬢ちゃんがここまで引っ張ってきたのか?」
「あ、いえ、そうじゃないですけど……。浜面さんが助けを呼んでいるんで、もう少し待ってて下さいね?」
「いや、いいんだ……、というか、俺と一緒にいたら嬢ちゃんまで巻き込まれちまう。」
「そこは大丈夫ですけど……、」
「えっ?」
佐天は説明した。今までの経緯や、ビルの特性の推測などを。
306 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:51:42.88 ID:HNHqVUoo [7/9]
―――
雨の降り続く学園都市。
大雨だった。が、先程と比べて勢いが弱まってきてもいる。
避難用の地下街の出入り口から少し離れた場所に、それはあった。
トタンの屋根に、そこら辺の木材を柱にした、貧困国に見られそうな小さな小屋。
それが廃墟の学園都市に、ポツポツと寄りそうように点在していた。
その光景はまるで、大災害にあった被災者が、互いに寄り添うように生活してる場所にも見える。
その小屋の一つ。
少年と少女が雨が降る空を見上げながら、会話していた。
「結局、どうしたい訳よ?」
「………どうするも、こうするもねぇだろ。……俺は、その資格がないんだ。」
少女の質問に、うつむいて息を吐く少年。
「……本当に?」
「……それ以外に、答えがある訳ないだろ。」
「……あんたって本当に変わった。やっぱり、あの子がさらわれたから?」
「…………」
その沈黙を肯定として受け取った少女は、さらに追及する。
「あんたがどうなろうと私たちには関係ないけど、あんたがそうやって拗ねてるせいで今も人が死んでるかもしれない訳よ?」
「そりゃ、分かってるけど……」
307 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:53:01.96 ID:HNHqVUoo [8/9]
「……分かってるなら、昔のあんたならどうした? ただ殴り飛ばしに行ったんでしょ?」
「………、」
「他人の都合も考えず!自分が嫌だから! あの能力者から聞いたけど、あんたってけっこう自分勝手な訳よ。」
「……」
「……そんなあんたが、こうやってズーンってなってられると、こっちまで気が滅入る訳!」
そう言って一呼吸おいて、彼女は少年に振り向いた。
「………あんたならできるでしょ?こんな理不尽な世界を殴って正せるだけの力があるんだから。」
「……俺は、何もできねぇよ。」
相変わらず、こちらと眼を合わせない少年に、その少女はイラついた。怒りを露わにする為に、ぷくーっと頬を膨らます。
「そんな事言ってるから、結局何もできないまま、何も変われないままなんでしょ!」
その少女は金髪で、青い瞳をしていた。
その少年はツンツン頭の黒髪で、右手をずっと握りしめていた。
「――大丈夫、あんたなら出来る訳よ! ………上条当麻!」
幻想殺しの少年と、何も出来なかった無能力者の少年と少女、そして何もしなかった事を後悔する第二位が交差するとき、物語は始まる――!
308 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:55:28.49 ID:HNHqVUoo [9/9]
区切りのよさそうなとこまで投下させてもらいました。
あんまりグロいのダメ、という意見がこの前あったのでやっぱりスレ建てた方がいいのかな、とも思ってみたり。
とりあえず投下分は終了です。
「……じゃ、俺言ってくるわ」
「……えっと、垣根さん? で、でも能力者なら狙われるんじゃ…?危ないですよ?」
垣根を心配そうに見つめる学生は、原谷矢文といったか。
だが、垣根は、
「俺が囮になってやるっつってんの。そうすれば多少能力がある奴でも安心していけるだろ?」
と言って止めるより早く地下街から出てしまった。
「あ、ちょっと待ってよ!」
と制止を求める声が聞こえたが無視した。
地下街から出た垣根は、雨が降りしきる、廃墟の灰色の街中を走っていた。
(さて、どうする?)
大方あの監視の巡回ルートに見つかったのだろう、と推測をたてる。が、
「えぇいめんどくさい!」
どうせ囮になるなら早かろうと遅かろうと同じだ、と決心し、能力を発動をさせる。
むしろ、さっさとそのオブジェクトもどきの『監視』をたたきつぶせば、こそこそやる必要も一時的になくなる。
バサリ、と背中から神話に出てきそうな神々しい物が生える。
相変わらず派手派手しい、童話に出てきそうな輝く六枚の翼。
それをいきなり全開の大きさにし、思い切り地面にたたきつける。
彼を中心に地割れが起き、その反動で垣根の身体が空へ飛ぶ。
「これもあれも全部あのヤローのせいにしてやる!あの世で覚悟してろ、第一位!」
再び空気を叩きつけ、一気に加速する。
目的は単純明快。
「さっさとぶっ壊してやる!俺らの邪魔する奴らも、理不尽なこの世界も、全部だ!」
理不尽な理由によって破壊された雨降る学園都市を、一人の少年が飛んだ。
303 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[sage saga] 投稿日:2010/07/07(水) 19:48:31.80 ID:HNHqVUoo [4/9]
所変わって避難用地下街
「……ちなみに、容体は一体どうなんだい?」
いつの間にか、カエル顔の医者が浜面の後ろにいた。
「……あ、今佐天さんが止血してるはずなんだけど……、と、とにかく足がもげてて!」
人の生死にかかわる仕事を一時期とはいえしてたが、それでもあれは度を越してたのか。
言葉にならない状況を、両腕を使って度合いを表そうと、肉体言語≪ボディランゲージ≫を用いる浜面。
「足がもげている……? ふむ、それは危ないかもしれないね?失血死する前にいこうか。」
「あ、はい!お願いします!」
大きな黒い鞄を抱え、垣根が囮になってる間にさっさと応急処置と搬送をすませる為に。
(アイテムのあいつらみたいには、もう死なせねぇ!)
学園都市を闊歩する、監視――もとい、能力者処刑用兵器。
かなり大きいそのオブジェクトのような威圧感を与えるそれの、スピーカーからいらだちに満ちた声が吐き出される。
『あーもうダメ、全然ダメ、くそっ、能力者≪バケモノ≫め……どこいってんだよぉ!? 急に反応消えやがって!』
パイロットの、金髪の女性はレーダーを確認して、何もない事を表示するにイラだっていた。
マイクやAIMを観測するレーダーはあるものの、高性能なカメラはついていない。
理由は単純。能力者(子供)を処刑するのに自ら志願するような彼らは、気まぐれ一つで無関係な子供(そう、例えば無能力者など)も殺してしまうからだ。
『あー死ね!足音一つ響かせてみろ!もう全部踏みつぶしてやる!』
そんな「理不尽」の象徴ともいうべきその駆動鎧のような兵器へ。
正体不明の攻撃が襲った。
『ぐっ、ぎぃいいいいいい!?』
パイロットの身体中へ、謎の攻撃が「浸透」した。
後頭部を思い切り殴られたと思ったら、腹の中から焼き焦がされたような。
そんな不思議な痛みが全身の皮膚から、内臓から、襲う。
機内へ、攻撃をしかけた人間のものであろう声が響く。
「意外と、通用するものだな?」
304 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:49:35.02 ID:HNHqVUoo [5/9]
『ぐ……ってめぇは誰だ!』
レーダーを覗くが、そこにはAIMの反応はない。
ぎゅるり、と駆動鎧のような兵器が戦闘態勢をとる。
「確認、か?無駄だろう。俺は能力者じゃないからな。」
男。そういえば、先程学園都市付近の施設が一つ潰されたと情報が入った。
『……もう一度聞く、てめぇは誰だあ!?』
先程の攻撃でこみ上げた吐き気を押しこんで、パイロットは聞き返す。
「――俺は、ただの根性無しだ。」
『はっ?………何を――』
ぐぎゅるりぃい!と金属を無理やり噛み合せたような、生理的に嫌な音が響く。
そのオブジェクトにも駆動鎧にも似た、『恐怖の代名詞』とも呼ぶべき兵器の左腕が。
ズドン!と音を立てて根元から落ちていた。
『な、何をした!てめぇええええ!』
操縦桿を握り、やみくもに片腕を振り回させる。
が、どこから来たのかも分からない攻撃に対して行ったそれは当たるはずもなく。
「滑稽だな。恐怖の代名詞、が恐怖に支配されているのは」
今度は残っていた片腕が、同じように落ちた。
『うわあああああ!な、何だお前は!何が目的だあああああああああ!?』
「単に、原石を保護しに来ただけだ。」
その言葉を最後に、パイロットは全身に謎の攻撃を受けて気絶した。
305 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:50:37.04 ID:HNHqVUoo [6/9]
―――
旧三沢塾の隠し部屋。
原石・姫神秋沙を監禁し、新興宗教のような事をしでかした三沢塾。
とある錬金術師がそれを乗っ取っり、そのもの結界としたビル。
そのビルは、未だにとある少女の為のAIM拡散力場を抑え込む結界の役割を果たしていた。
その隠し部屋で、佐天が削板に止血の応急処置を施していた。
「……うっ、」
「あ、起きました?」
「……、嬢ちゃんは一体?」
「動かないで下さい!……足、ないんですから。」
無理やり身体を起こそうとする削板の体制を、元に戻そうとする佐天。
「……足、やっぱり、なくなっちまったか。」
視線を、痛みの原因でもある自らの足へ動かす。
膝から下の肉が、無理やり削ぎ落されたような状態。
そこには白い骨があった。が、地を踏みしめるべき部分は骨ごとなくなっていた。
原谷にバカと言われる程の削板と、中学一年生の佐天にはわからなかったが、傷口からは透明な体液がにじみ出ている。
「……嬢ちゃんがここまで引っ張ってきたのか?」
「あ、いえ、そうじゃないですけど……。浜面さんが助けを呼んでいるんで、もう少し待ってて下さいね?」
「いや、いいんだ……、というか、俺と一緒にいたら嬢ちゃんまで巻き込まれちまう。」
「そこは大丈夫ですけど……、」
「えっ?」
佐天は説明した。今までの経緯や、ビルの特性の推測などを。
306 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:51:42.88 ID:HNHqVUoo [7/9]
―――
雨の降り続く学園都市。
大雨だった。が、先程と比べて勢いが弱まってきてもいる。
避難用の地下街の出入り口から少し離れた場所に、それはあった。
トタンの屋根に、そこら辺の木材を柱にした、貧困国に見られそうな小さな小屋。
それが廃墟の学園都市に、ポツポツと寄りそうように点在していた。
その光景はまるで、大災害にあった被災者が、互いに寄り添うように生活してる場所にも見える。
その小屋の一つ。
少年と少女が雨が降る空を見上げながら、会話していた。
「結局、どうしたい訳よ?」
「………どうするも、こうするもねぇだろ。……俺は、その資格がないんだ。」
少女の質問に、うつむいて息を吐く少年。
「……本当に?」
「……それ以外に、答えがある訳ないだろ。」
「……あんたって本当に変わった。やっぱり、あの子がさらわれたから?」
「…………」
その沈黙を肯定として受け取った少女は、さらに追及する。
「あんたがどうなろうと私たちには関係ないけど、あんたがそうやって拗ねてるせいで今も人が死んでるかもしれない訳よ?」
「そりゃ、分かってるけど……」
307 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[saga sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:53:01.96 ID:HNHqVUoo [8/9]
「……分かってるなら、昔のあんたならどうした? ただ殴り飛ばしに行ったんでしょ?」
「………、」
「他人の都合も考えず!自分が嫌だから! あの能力者から聞いたけど、あんたってけっこう自分勝手な訳よ。」
「……」
「……そんなあんたが、こうやってズーンってなってられると、こっちまで気が滅入る訳!」
そう言って一呼吸おいて、彼女は少年に振り向いた。
「………あんたならできるでしょ?こんな理不尽な世界を殴って正せるだけの力があるんだから。」
「……俺は、何もできねぇよ。」
相変わらず、こちらと眼を合わせない少年に、その少女はイラついた。怒りを露わにする為に、ぷくーっと頬を膨らます。
「そんな事言ってるから、結局何もできないまま、何も変われないままなんでしょ!」
その少女は金髪で、青い瞳をしていた。
その少年はツンツン頭の黒髪で、右手をずっと握りしめていた。
「――大丈夫、あんたなら出来る訳よ! ………上条当麻!」
幻想殺しの少年と、何も出来なかった無能力者の少年と少女、そして何もしなかった事を後悔する第二位が交差するとき、物語は始まる――!
308 名前:無能力者は終末への夢を見るか?[sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:55:28.49 ID:HNHqVUoo [9/9]
区切りのよさそうなとこまで投下させてもらいました。
あんまりグロいのダメ、という意見がこの前あったのでやっぱりスレ建てた方がいいのかな、とも思ってみたり。
とりあえず投下分は終了です。
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