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『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
271 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:14:45.12 ID:.hVolb60 [1/23]
・この前の続きです。
・今回は地の文形式です。
・深く考えるだけ超無駄です。
・第五位が居て、第六位が青髪になってます。
・一方さんと垣根のキャラ崩壊が尋常じゃないです。いやマジで。
・一方、垣根、美琴が幼馴染設定です。一方と美琴の間にフラグあり。
・今回は垣根中心のお話です。合言葉は「俺に常識は通用しねぇ(キリ」
・グタグタでオチが無いです。
・あのスレの>>1です、ハイ。
・作者はホットケーキが大好きです。
・ホットケーキとかガキのおやつだろって思った奴屋上に来い。ホットケーキ講座開くから。
・この前の続きです。
・今回は地の文形式です。
・深く考えるだけ超無駄です。
・第五位が居て、第六位が青髪になってます。
・一方さんと垣根のキャラ崩壊が尋常じゃないです。いやマジで。
・一方、垣根、美琴が幼馴染設定です。一方と美琴の間にフラグあり。
・今回は垣根中心のお話です。合言葉は「俺に常識は通用しねぇ(キリ」
・グタグタでオチが無いです。
・あのスレの>>1です、ハイ。
・作者はホットケーキが大好きです。
・ホットケーキとかガキのおやつだろって思った奴屋上に来い。ホットケーキ講座開くから。
272 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:15:32.73 ID:.hVolb60 [2/23]
『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
さてさて、削板がババ抜きのルールを必至に覚えていた頃。
麦野が垣根への嫌がらせでパフェを頼みまくってた頃。
オマケのゲコ太ストラップが欲しいばかりにそれに美琴がそれに便乗してた頃。
青髪が店内の女子店員を物色していた頃。
一方通行が垣根のコーラが入ったグラスにタバスコを投入してた頃。
それらを大人の目で心理掌握が紅茶を飲みながら見てた頃。
学園都市の第二位。垣根帝督は、
「ちくしょおおおおおおっ!!」
川辺を全力疾走していた。涙をドバドバ流しながら。
かなりのスピードであり、もしかするとオリンピック記録よりも早いかもしれない。
そんな彼が泣いているのには理由がある。
「なんで、なんで俺負けたんだよおおおおおおっ!?よりにもよってナンバーセブンに!」
ファミレスにて、垣根はカードゲーム(七並べ)で脅威の十七連敗をしたのだ。
いや、それだけならまだよかっただろう。カードゲームで負けるのは今に始まったことでは無い。
だがあの根性バカと名高い削板に負けたという事実、それが未元物質で構成された垣根のハートを見事にブレイクした。
「くっそおおおおおおっ!!」
垣根は走る。学園都市の道を走る。
想像して欲しい。
不良とホストを足して二で割ったような金髪の少年が、赤い私服に身を包んで号泣しながら全力疾走している。
273 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:16:16.61 ID:.hVolb60 [3/23]
それを遠目に見た一人の少女はこう言った。
「……なんですかあれ?超キモいです。浜面以上のキモさですね」
知らないところでレベル0の不良にさえ負けた垣根であった。
午後二時三十二分のことである。
さて、時間が立てば精神もそれなりに回復する訳で、
「おし、帰って来たぞー!」
「時間は?」
「十分ジャスト」
歩いて来る垣根を見ながら一方通行と美琴は会話をする。
そこに垣根を労わってやる気は一ミリも無く、そんな態度に先程まで泣いてた彼はため息を吐く。
「おいおい。主役たる俺が帰って来たのにお前らそんな態度かよ」
「いつオマエが主役になった。オマエが勝手に全員集合させたンだろうがァ」
一方通行がそう言って、周りもウンウン、と頷く。
垣根だけが首を捻って?を浮かべていた。
274 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:17:26.80 ID:.hVolb60 [4/23]
回想
朝六時。
「ふぁーあ……いい天気やわぁ……」
パン屋の二階に下宿している青髪ピアスの朝は意外と早い。
パン屋の朝自体が早いとも言えるが。
窓からさす太陽光を浴び、彼らしく無い清々しい朝を迎える。
「さてと」
そして朝の新鮮な空気を部屋に取りいれるべく、ガラス製の窓を開けた。
「よぉ青がm」
ピシャン!!!
閉めた全力で閉めた。
思わず能力で筋力を強化してしまったくらいに。
275 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:18:54.97 ID:.hVolb60 [5/23]
「いやいや、まてまて落ち着くんや青髪ピアス。これはあれや、孝明の罠や」
ブツブツと混乱を落ち着けるべく呟く青髪ピアス。
深呼吸を一つ。
「すぅー、はぁー……よし!」
そして再度窓に手をかけ、スライドさせた。
「オイ!なんでいきなり閉めt」
ピシャン!!
また閉めた。
目の前の現実に頭が痛くなり、青髪は頭を手で抑える。
「アカン。訳わからんわ……」
「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
ガラッと、今度は向こうから開けたらしい。
窓を開けたのは背中に六枚の翼を生やした、金髪の少年。
再度言う。
只今朝の六時。で、青髪の部屋は二階。窓の下に地面は無い。
「……フンッ!」
「もへら!?」
取り合えず、窓から入ろうとした不審者を思いっきり殴り飛ばした青髪ピアスだった。
276 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:19:42.66 ID:.hVolb60 [6/23]
「んっ……」
心理掌握が住んでいるのは美琴とはまた違った常磐台の寮だ。
彼女はこの寮で良かったとよく言っている。もう一つの寮は化け物寮監がいるからだ。
寮の部屋で、彼女はフカフカベットから身を起こす。
「……」
「……」
身を起こすと、寝起きの眼に映ったのは金髪の少年。
彼は「よっ!」などと言って手をあげた。
この部屋に住んでいるのは心理掌握一人である。
ちなみに現在朝の七時。
つまり、
「すみません、警備員ですか。部屋に不審者が「まてまてまていや待ってくださいお願いします!」
277 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:20:16.99 ID:.hVolb60 [7/23]
不審者が土下座するので、しょうがなく許してやる。
ついでに言うと心理掌握の部屋は土足である。つまり地面に額を擦り付けている訳だが……
まぁそれは置いておいて、心理掌握はため息を吐きながら尋ねた。
「一応聞くわ、どうして、どうやってここに入ったの?」
「俺の未元物質に常識は通用しねぇ(キリッ」
心理掌握の能力によって把握した垣根の心の中。
『俺の未元物質に常識は通用しねぇ(キリッ』×756
「……」
心理掌握はこの時初めて、この能力意味ねぇーと思ったそうな。
ちなみに未元物質を使って鍵を開けたらしい。捕まれよ第二位。
278 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:21:16.16 ID:.hVolb60 [8/23]
パシャ!
「うん……?」
麦野は朝、変な音で意識を覚醒させた。
携帯の目覚ましアラームを確かにセットしてはいるが、こんな音では無かった筈だ。
もごもご動きながら麦野は目を開ける。
デジカメが見えた。
「……」
目をゴシゴシと擦り、改めて見る。
そこには翼の力でか壁に並行に浮かぶ垣根の姿が!
彼はデジカメをゴソゴソとポケットになおし、
「……(グッ」
なんか右手の親指を立てて突き出した。
そして口パクで言う。
「ぐ っ じ ょ ぶ」
「はっ!」
279 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:21:51.94 ID:.hVolb60 [9/23]
何がグッジョブなのかさっぱり分からないが、麦野は心の思うがままに光線を上に向かって発射。
その光線をかわす不審者垣根。
「おわっ!?あぶねーかめ◯め波撃つなよ」
「黙れ不審者」
垣根が避けたため天井をビームが貫き瓦礫が落ちてくる。
それらをてきとーに無視しながら二人は喋り続けた。
「アンタなんでここにいんの?ここ私の家なんだけど?」
「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
「それ言ったらなんでも上手く収まるって思ってんじゃねぇぞ?」
ビキビキとこめかみをヒクつかせながら話す麦野に比べて、垣根はおっちゃらけてる感じ。
だが彼は意外と真面目だったり。
ちなみにこんな会話があっている最中も天井崩壊しています。
「いやー、お前の寝顔写真ってヤバくね?これネットで絶対十万は行く「死ね」
再度麦野から放たれた光線のせいで建物が全壊したのはある意味当然のことだった。
280 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:23:00.13 ID:.hVolb60 [10/23]
「よぉ、削板!」
「おっ?なんだ垣根?」
七時半。
路地裏を巡回(放浪)していた削板は突然声をかけられ、振り返る。
そこには垣根が立っていた。
彼は空を指差して叫ぶ。
「あっ!あそこにUFOが!」
「何!?」
今時子供でも引っかからないだろ、というくらいの嘘だが、このナンバーセブンは別だった。
垣根の指差した方、何もない青空を凝視する。
その瞬間、
「俺の未元物質(ダークマター)に常識は通用しねぇ!」
「がばもっ!?」
281 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:23:40.74 ID:.hVolb60 [11/23]
何かが削板の口にダイレクトに叩き込まれた。
それは黒い……
「た、卵焼き!?」
「よく分かったな、だが終わりだ」
実際はただの黒い異臭を放つ物体なのだが。
削板はもごもご口を動かしそれを飲み込む。飲み込んで、しまった。
「……ぐふっ」
パタン、とあの頑丈さなら一方通行に並ぶ削板が見事に倒れた。
原因は勿論、口に叩き込んだ卵焼きのせい。
「……やっぱり俺の卵焼き(ダークマター)に常識は通用しねぇ」
泡を拭いて地面に倒れている削板を見て、垣根は少し冷や汗を垂らしながらそう呟いた。
というより卵焼きでルビがダークマターというのはどういうことなのか問い詰めたい。全力で問い詰めたい。
282 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:24:29.06 ID:.hVolb60 [12/23]
朝八時。
「お姉様。いくら休日とはいえ、そろそろ起きた方が宜しいのでは?」
「うーん……」
ゆっさゆっさと同居人に揺さぶられ、美琴は意識を眠りから覚ます。
寝起きのぼやーとした頭を振り、頭に血を巡らせる。
「ふぁ~あ、ねむ……」
まだちょっと眠いようで、もぞもぞと芋虫のようにゆっくりとパジャマを脱ぎ、常盤台指定の制服へと着替えてゆく。
「今日はどうされるんですの?」
「一時したら一方通行の家にでもいくー」
間延びした声で黒子の問いかけに答え、美琴は着替え終わる。
パジャマをぽぽい、と洗濯機に投下。すぐに可動させ洗う。
283 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:25:07.43 ID:.hVolb60 [13/23]
何故かと言うと前、
『お姉様の匂い……クンカクンカァッ!!」
『アンタなにやってんだゴラァァァァァァァッ!』
こんな風に変態行為される可能性があるからだ。
ゴウンゴウンと洗濯機が働く音を聞きながら、洗面所で顔を洗う。
「ふぅ……んっ?どうしたのよ黒子?」
冷たい水のお陰で意識を完璧に覚醒させた美琴は、鏡に映った黒子に問いかける。
黒子は怪訝な不機嫌そうな顔をしており、今にもため息を吐きそうだった。
「またあの第一位ですか……」
「またって何よまたって」
無自覚な美琴の言葉に、黒子はため息を吐いた。
ちなみに美琴は休日の殆どを一方通行などと過ごしている。
それがお姉様LOVEの黒子にとっては気にいらない。メチャクチャ気にいらない。
「うぅー……今日の風紀委員の仕事さえなければあの腐れラビットをぶっ飛ばせますのに……」
「ラビットって……」
黒子の暴言に苦笑しながら、美琴はてくてくと歩く。
目的はベットの隣に置いてあるバッグの中にあるくしだ。
284 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:26:51.85 ID:.hVolb60 [14/23]
だが、
「……?」
「どうされたんですの?」
ふと、美琴は立ち止まった。窓を凝視して。
その行動に黒子は首を傾げ、美琴の隣に立ち窓を見る。
「……なんですの、アレ?」
なんか、白い点が見えた。遠くて見えないが、人のように見えるのは気のせいだろうか?
「ち、近づいて来る?」
そしてその何かはどんどん此方に向かって接近し、
285 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:28:04.96 ID:.hVolb60 [15/23]
「みっ、ことぉおおおおおおおおっ!」
ドゴォオオオオオオオオオオオンッ!!!
「うわああああああっ!?」
「きゃあっ!?」
窓に直撃した。
というより、窓を中心とした壁にぶつかった。
窓が消し飛び、壁が崩壊する。
だが何故か部屋の中に残骸が撒き散らされることは無かった。
ただしかなりの風が吹き荒れたが。
「俺に常識は通用しねぇってなぁ!」
「いやアンタちょっとま、うわっ!?」
いきなり部屋に飛び込んできた幼馴染にツッコミを入れようとする美琴だが、彼はキメ台詞とともに無視。
美琴をガシッと腰に抱え、
「いくっぞぉおおおおおおおっ!」
「一体どこにいぃぃぃぃぃぃ!?」
「お姉様ーッ!?」
窓から飛び去った。さながらどこかの怪盗だ。
人さらいの現場を目撃した黒子は愛しのお姉様に呼びかけるが、もう声など届かない所までいってしまっている。
286 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:28:36.64 ID:.hVolb60 [16/23]
「あれは、垣根さんでしたか?いきなりお姉様を攫うなど何を考えて……」
理由を考えていた黒子だが、
「白井黒子……?これは一体どういうことだ?」
「いっ……!?り、りりりりょ、寮監様……!?」
背後の入り口に佇むスーツ姿の女性を見た瞬間、そんな思考は一発で消し飛んだ。
「……」
無言のまま、少年は目をさました。
彼の名前は一方通行。学園都市不動の第一位である。
普段、彼は朝が遅い。
が、昨日「ねぇねぇ人生ゲームしよってミサカはミサカは貴方にお願いしてみる!」とねだるのをかわすためそうそうにベットに入ったのが災いしたのか今日は普段に比べると早かった。
「……九時かァ」
ぱかっ、と傍に置いていた携帯電話を開き、時刻を確認する。
今日は休日。普段より長く寝るつもりだったのだが、どうも目が冴えている。
287 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:29:18.16 ID:.hVolb60 [17/23]
「……」
だが低血圧なためテンションが低い一方通行はゆっくりと立ち上がり、部屋のドアを開く。
彼は三日前から黄泉川という女性の家に居た。
理由は自分の寮の部屋が使い物にならなくなったからだ。どこかの不良が一方通行が居ないうちに部屋に爆弾でも投げ込んだらしい。
黒焦げで扉も無い家に住むのはさすがにちょっとマズイと言われ、無理矢理居候させられている。
「……いきなりタックルとかしてこねェよな、あのクソガキ」
可能性は低く無い。
警戒しながらも彼はリビングへと通じる扉を開けた。
「お邪魔してまーす」
「お、お邪魔してます……」
ズベシャアアアッ!!
一方通行はこけた。ベクトル操作できる筈なのに思いっきりこけた。
顔面をフローリングの床にしこたま打ち、ゆっくりと震えながら起き上がる。
「オ、オマエら……なンでここにいンだァァァァァァアアアッ!?」
「おっ、なんか懐かしいなそのセリフ」
一方通行の三年前にた絶叫にも慌てず騒がず、叫ばれた犯人たる垣根はもぐもぐと咀嚼する。
その手には白ご飯が盛られたお茶碗と茶色の箸が握られていた。
288 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:29:54.97 ID:.hVolb60 [18/23]
「って、オマエ飯食ってンのかよォ!なンで!?」
「バカッ、おま、朝食白ご飯は常識だろうが」
「意味わからンわァァァァァ!!後ついでに言うとオレは朝はパン派だァァァァァ!!」
先程のテンションの低さはどこへやら。
一方通行は全力でツッコミを入れる。
「美琴ォ!なンでここにいンだァ!?」
「いや、なんか部屋から攫われて……」
「オマエかよ!やっぱ原因オマエなのかよ!」
美琴が隣に座っている垣根を指差し、一方通行が絶叫。
だが垣根のペースは崩れない。
「あっ、すみません。たくあん追加お願いできます?」
「あいよー」
「ねェ、いい加減オマエ殺すよ?スクラップにするよ?そしてヨミカワ。オマエもたくあん出さなくていいから」
289 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:30:52.30 ID:.hVolb60 [19/23]
ぶち切れる寸前なのがようやく分かったのか、垣根は箸を置き、
「全く、一方通行は我慢が無いから困る……」
「オマエここで殺すわ」
「どうどうどう!落ち着いて!」
リビングにあるガラステーブルを片手で持ち上げる一方通行。
それを垣根に向かって振り下ろすのを止める美琴。
「あれー?何これってミサカはミサカはカオスな状況の説明をお願いしてみる」
「一方通行の我慢が足りないって話しよ」
「オイコラそこのニート。オマエ後で覚えとけよ?」
リビングに入ってきた打ち止めにソファーに座った状態で言う芳川。
それを聞いてハァ、とため息を吐き一方通行はガラステーブルを下ろした。
290 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:31:29.07 ID:.hVolb60 [20/23]
「取り合えず帰れよオマエ。今すぐ一瞬で」
「い や だ」
「なンでオマエ人の神経逆撫でるの?バカなの?死ぬの?死ねよ」
「いや、だって。ここオマエん家じゃねぇし、オマエのこと聞く必要ねぇし。つまり俺に常識は通用しねぇ」
「ワリィ、何が言いたいのかサッパリ分からねェわ。もう本当マジで帰れオマエ」
キリッ、となんか変な効果音がついた顔でそう言う垣根を見て、一方通行は深い深いため息を吐いた。
「えっ?なんか問題あったか?」
「ありまくりだァァァァァァアアア!!」
ダァァンッ!!とファミレスのテーブルに一方通行の手が叩きつけられる。
それにより机の上にある色んな物が震えるのだが皆無視。
只今の回想を全部ちゃんと把握した上での問題無い発言。気が短い一方通行で無くても普通は怒る。
291 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:32:17.78 ID:.hVolb60 [21/23]
垣根を除く六人は語ってゆく。
「ほんま、あれは止めて。ドッキリとかゆーレベルや無かったから。女の子やったら大歓迎やけど」
「全く……女子の部屋に不法侵入なんで貴方何考えてるの?……いや、やっぱりいいわ。もう分かったから」
「また建物壊しちゃったよ……あー、また面倒なことに……」
「卵焼きごときにやられるとは……不覚!根性が足りねぇ!」
「黒子大丈夫かなぁ……携帯繋がらないし、帰りたく無い……」
「オマエのせいでクソガキに『貴方って我慢が足りないの?ってミサカはミサカは問いかけてみる!』とかウゼェくらい言われたンだけどォ?」
六人の言葉を聞いて、首を傾げる垣根。
それを見て全員はため息を吐く。
292 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:32:52.43 ID:.hVolb60 [22/23]
皆それぞれ言いたいことはあるが、一方通行が代表して言った。
「オマエ、常識って知ってかァ?」
そんなセリフに垣根はフッと笑い、
「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
ブチッ!!!×六
いい加減聞き飽きたセリフに、六人全員何が切れた。
「えっ?ちょ、お前ら待って!?悪かった、俺が悪かったからプラズマとかマジ勘弁sぎゃあああああああああああああっ!!?」
その日、学園都市のどこかでプラズマやらビームやらが発生したそうだが、真偽のほどは定かでは無い。
293 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:33:25.85 ID:.hVolb60 [23/23]
垣根君編、お終いです。
批判意見も有難いです。参考にさせて貰ってます。
……参考にさせて貰ってこれってスゴくヤバイかも……修行してきます。
PS
Qどうしてこんな時間に投稿出来たの?
A俺に常識は通用しねぇ(キリッ
『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
さてさて、削板がババ抜きのルールを必至に覚えていた頃。
麦野が垣根への嫌がらせでパフェを頼みまくってた頃。
オマケのゲコ太ストラップが欲しいばかりにそれに美琴がそれに便乗してた頃。
青髪が店内の女子店員を物色していた頃。
一方通行が垣根のコーラが入ったグラスにタバスコを投入してた頃。
それらを大人の目で心理掌握が紅茶を飲みながら見てた頃。
学園都市の第二位。垣根帝督は、
「ちくしょおおおおおおっ!!」
川辺を全力疾走していた。涙をドバドバ流しながら。
かなりのスピードであり、もしかするとオリンピック記録よりも早いかもしれない。
そんな彼が泣いているのには理由がある。
「なんで、なんで俺負けたんだよおおおおおおっ!?よりにもよってナンバーセブンに!」
ファミレスにて、垣根はカードゲーム(七並べ)で脅威の十七連敗をしたのだ。
いや、それだけならまだよかっただろう。カードゲームで負けるのは今に始まったことでは無い。
だがあの根性バカと名高い削板に負けたという事実、それが未元物質で構成された垣根のハートを見事にブレイクした。
「くっそおおおおおおっ!!」
垣根は走る。学園都市の道を走る。
想像して欲しい。
不良とホストを足して二で割ったような金髪の少年が、赤い私服に身を包んで号泣しながら全力疾走している。
273 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:16:16.61 ID:.hVolb60 [3/23]
それを遠目に見た一人の少女はこう言った。
「……なんですかあれ?超キモいです。浜面以上のキモさですね」
知らないところでレベル0の不良にさえ負けた垣根であった。
午後二時三十二分のことである。
さて、時間が立てば精神もそれなりに回復する訳で、
「おし、帰って来たぞー!」
「時間は?」
「十分ジャスト」
歩いて来る垣根を見ながら一方通行と美琴は会話をする。
そこに垣根を労わってやる気は一ミリも無く、そんな態度に先程まで泣いてた彼はため息を吐く。
「おいおい。主役たる俺が帰って来たのにお前らそんな態度かよ」
「いつオマエが主役になった。オマエが勝手に全員集合させたンだろうがァ」
一方通行がそう言って、周りもウンウン、と頷く。
垣根だけが首を捻って?を浮かべていた。
274 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:17:26.80 ID:.hVolb60 [4/23]
回想
朝六時。
「ふぁーあ……いい天気やわぁ……」
パン屋の二階に下宿している青髪ピアスの朝は意外と早い。
パン屋の朝自体が早いとも言えるが。
窓からさす太陽光を浴び、彼らしく無い清々しい朝を迎える。
「さてと」
そして朝の新鮮な空気を部屋に取りいれるべく、ガラス製の窓を開けた。
「よぉ青がm」
ピシャン!!!
閉めた全力で閉めた。
思わず能力で筋力を強化してしまったくらいに。
275 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:18:54.97 ID:.hVolb60 [5/23]
「いやいや、まてまて落ち着くんや青髪ピアス。これはあれや、孝明の罠や」
ブツブツと混乱を落ち着けるべく呟く青髪ピアス。
深呼吸を一つ。
「すぅー、はぁー……よし!」
そして再度窓に手をかけ、スライドさせた。
「オイ!なんでいきなり閉めt」
ピシャン!!
また閉めた。
目の前の現実に頭が痛くなり、青髪は頭を手で抑える。
「アカン。訳わからんわ……」
「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
ガラッと、今度は向こうから開けたらしい。
窓を開けたのは背中に六枚の翼を生やした、金髪の少年。
再度言う。
只今朝の六時。で、青髪の部屋は二階。窓の下に地面は無い。
「……フンッ!」
「もへら!?」
取り合えず、窓から入ろうとした不審者を思いっきり殴り飛ばした青髪ピアスだった。
276 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:19:42.66 ID:.hVolb60 [6/23]
「んっ……」
心理掌握が住んでいるのは美琴とはまた違った常磐台の寮だ。
彼女はこの寮で良かったとよく言っている。もう一つの寮は化け物寮監がいるからだ。
寮の部屋で、彼女はフカフカベットから身を起こす。
「……」
「……」
身を起こすと、寝起きの眼に映ったのは金髪の少年。
彼は「よっ!」などと言って手をあげた。
この部屋に住んでいるのは心理掌握一人である。
ちなみに現在朝の七時。
つまり、
「すみません、警備員ですか。部屋に不審者が「まてまてまていや待ってくださいお願いします!」
277 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:20:16.99 ID:.hVolb60 [7/23]
不審者が土下座するので、しょうがなく許してやる。
ついでに言うと心理掌握の部屋は土足である。つまり地面に額を擦り付けている訳だが……
まぁそれは置いておいて、心理掌握はため息を吐きながら尋ねた。
「一応聞くわ、どうして、どうやってここに入ったの?」
「俺の未元物質に常識は通用しねぇ(キリッ」
心理掌握の能力によって把握した垣根の心の中。
『俺の未元物質に常識は通用しねぇ(キリッ』×756
「……」
心理掌握はこの時初めて、この能力意味ねぇーと思ったそうな。
ちなみに未元物質を使って鍵を開けたらしい。捕まれよ第二位。
278 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:21:16.16 ID:.hVolb60 [8/23]
パシャ!
「うん……?」
麦野は朝、変な音で意識を覚醒させた。
携帯の目覚ましアラームを確かにセットしてはいるが、こんな音では無かった筈だ。
もごもご動きながら麦野は目を開ける。
デジカメが見えた。
「……」
目をゴシゴシと擦り、改めて見る。
そこには翼の力でか壁に並行に浮かぶ垣根の姿が!
彼はデジカメをゴソゴソとポケットになおし、
「……(グッ」
なんか右手の親指を立てて突き出した。
そして口パクで言う。
「ぐ っ じ ょ ぶ」
「はっ!」
279 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:21:51.94 ID:.hVolb60 [9/23]
何がグッジョブなのかさっぱり分からないが、麦野は心の思うがままに光線を上に向かって発射。
その光線をかわす不審者垣根。
「おわっ!?あぶねーかめ◯め波撃つなよ」
「黙れ不審者」
垣根が避けたため天井をビームが貫き瓦礫が落ちてくる。
それらをてきとーに無視しながら二人は喋り続けた。
「アンタなんでここにいんの?ここ私の家なんだけど?」
「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
「それ言ったらなんでも上手く収まるって思ってんじゃねぇぞ?」
ビキビキとこめかみをヒクつかせながら話す麦野に比べて、垣根はおっちゃらけてる感じ。
だが彼は意外と真面目だったり。
ちなみにこんな会話があっている最中も天井崩壊しています。
「いやー、お前の寝顔写真ってヤバくね?これネットで絶対十万は行く「死ね」
再度麦野から放たれた光線のせいで建物が全壊したのはある意味当然のことだった。
280 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:23:00.13 ID:.hVolb60 [10/23]
「よぉ、削板!」
「おっ?なんだ垣根?」
七時半。
路地裏を巡回(放浪)していた削板は突然声をかけられ、振り返る。
そこには垣根が立っていた。
彼は空を指差して叫ぶ。
「あっ!あそこにUFOが!」
「何!?」
今時子供でも引っかからないだろ、というくらいの嘘だが、このナンバーセブンは別だった。
垣根の指差した方、何もない青空を凝視する。
その瞬間、
「俺の未元物質(ダークマター)に常識は通用しねぇ!」
「がばもっ!?」
281 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:23:40.74 ID:.hVolb60 [11/23]
何かが削板の口にダイレクトに叩き込まれた。
それは黒い……
「た、卵焼き!?」
「よく分かったな、だが終わりだ」
実際はただの黒い異臭を放つ物体なのだが。
削板はもごもご口を動かしそれを飲み込む。飲み込んで、しまった。
「……ぐふっ」
パタン、とあの頑丈さなら一方通行に並ぶ削板が見事に倒れた。
原因は勿論、口に叩き込んだ卵焼きのせい。
「……やっぱり俺の卵焼き(ダークマター)に常識は通用しねぇ」
泡を拭いて地面に倒れている削板を見て、垣根は少し冷や汗を垂らしながらそう呟いた。
というより卵焼きでルビがダークマターというのはどういうことなのか問い詰めたい。全力で問い詰めたい。
282 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:24:29.06 ID:.hVolb60 [12/23]
朝八時。
「お姉様。いくら休日とはいえ、そろそろ起きた方が宜しいのでは?」
「うーん……」
ゆっさゆっさと同居人に揺さぶられ、美琴は意識を眠りから覚ます。
寝起きのぼやーとした頭を振り、頭に血を巡らせる。
「ふぁ~あ、ねむ……」
まだちょっと眠いようで、もぞもぞと芋虫のようにゆっくりとパジャマを脱ぎ、常盤台指定の制服へと着替えてゆく。
「今日はどうされるんですの?」
「一時したら一方通行の家にでもいくー」
間延びした声で黒子の問いかけに答え、美琴は着替え終わる。
パジャマをぽぽい、と洗濯機に投下。すぐに可動させ洗う。
283 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:25:07.43 ID:.hVolb60 [13/23]
何故かと言うと前、
『お姉様の匂い……クンカクンカァッ!!」
『アンタなにやってんだゴラァァァァァァァッ!』
こんな風に変態行為される可能性があるからだ。
ゴウンゴウンと洗濯機が働く音を聞きながら、洗面所で顔を洗う。
「ふぅ……んっ?どうしたのよ黒子?」
冷たい水のお陰で意識を完璧に覚醒させた美琴は、鏡に映った黒子に問いかける。
黒子は怪訝な不機嫌そうな顔をしており、今にもため息を吐きそうだった。
「またあの第一位ですか……」
「またって何よまたって」
無自覚な美琴の言葉に、黒子はため息を吐いた。
ちなみに美琴は休日の殆どを一方通行などと過ごしている。
それがお姉様LOVEの黒子にとっては気にいらない。メチャクチャ気にいらない。
「うぅー……今日の風紀委員の仕事さえなければあの腐れラビットをぶっ飛ばせますのに……」
「ラビットって……」
黒子の暴言に苦笑しながら、美琴はてくてくと歩く。
目的はベットの隣に置いてあるバッグの中にあるくしだ。
284 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:26:51.85 ID:.hVolb60 [14/23]
だが、
「……?」
「どうされたんですの?」
ふと、美琴は立ち止まった。窓を凝視して。
その行動に黒子は首を傾げ、美琴の隣に立ち窓を見る。
「……なんですの、アレ?」
なんか、白い点が見えた。遠くて見えないが、人のように見えるのは気のせいだろうか?
「ち、近づいて来る?」
そしてその何かはどんどん此方に向かって接近し、
285 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:28:04.96 ID:.hVolb60 [15/23]
「みっ、ことぉおおおおおおおおっ!」
ドゴォオオオオオオオオオオオンッ!!!
「うわああああああっ!?」
「きゃあっ!?」
窓に直撃した。
というより、窓を中心とした壁にぶつかった。
窓が消し飛び、壁が崩壊する。
だが何故か部屋の中に残骸が撒き散らされることは無かった。
ただしかなりの風が吹き荒れたが。
「俺に常識は通用しねぇってなぁ!」
「いやアンタちょっとま、うわっ!?」
いきなり部屋に飛び込んできた幼馴染にツッコミを入れようとする美琴だが、彼はキメ台詞とともに無視。
美琴をガシッと腰に抱え、
「いくっぞぉおおおおおおおっ!」
「一体どこにいぃぃぃぃぃぃ!?」
「お姉様ーッ!?」
窓から飛び去った。さながらどこかの怪盗だ。
人さらいの現場を目撃した黒子は愛しのお姉様に呼びかけるが、もう声など届かない所までいってしまっている。
286 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:28:36.64 ID:.hVolb60 [16/23]
「あれは、垣根さんでしたか?いきなりお姉様を攫うなど何を考えて……」
理由を考えていた黒子だが、
「白井黒子……?これは一体どういうことだ?」
「いっ……!?り、りりりりょ、寮監様……!?」
背後の入り口に佇むスーツ姿の女性を見た瞬間、そんな思考は一発で消し飛んだ。
「……」
無言のまま、少年は目をさました。
彼の名前は一方通行。学園都市不動の第一位である。
普段、彼は朝が遅い。
が、昨日「ねぇねぇ人生ゲームしよってミサカはミサカは貴方にお願いしてみる!」とねだるのをかわすためそうそうにベットに入ったのが災いしたのか今日は普段に比べると早かった。
「……九時かァ」
ぱかっ、と傍に置いていた携帯電話を開き、時刻を確認する。
今日は休日。普段より長く寝るつもりだったのだが、どうも目が冴えている。
287 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:29:18.16 ID:.hVolb60 [17/23]
「……」
だが低血圧なためテンションが低い一方通行はゆっくりと立ち上がり、部屋のドアを開く。
彼は三日前から黄泉川という女性の家に居た。
理由は自分の寮の部屋が使い物にならなくなったからだ。どこかの不良が一方通行が居ないうちに部屋に爆弾でも投げ込んだらしい。
黒焦げで扉も無い家に住むのはさすがにちょっとマズイと言われ、無理矢理居候させられている。
「……いきなりタックルとかしてこねェよな、あのクソガキ」
可能性は低く無い。
警戒しながらも彼はリビングへと通じる扉を開けた。
「お邪魔してまーす」
「お、お邪魔してます……」
ズベシャアアアッ!!
一方通行はこけた。ベクトル操作できる筈なのに思いっきりこけた。
顔面をフローリングの床にしこたま打ち、ゆっくりと震えながら起き上がる。
「オ、オマエら……なンでここにいンだァァァァァァアアアッ!?」
「おっ、なんか懐かしいなそのセリフ」
一方通行の三年前にた絶叫にも慌てず騒がず、叫ばれた犯人たる垣根はもぐもぐと咀嚼する。
その手には白ご飯が盛られたお茶碗と茶色の箸が握られていた。
288 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:29:54.97 ID:.hVolb60 [18/23]
「って、オマエ飯食ってンのかよォ!なンで!?」
「バカッ、おま、朝食白ご飯は常識だろうが」
「意味わからンわァァァァァ!!後ついでに言うとオレは朝はパン派だァァァァァ!!」
先程のテンションの低さはどこへやら。
一方通行は全力でツッコミを入れる。
「美琴ォ!なンでここにいンだァ!?」
「いや、なんか部屋から攫われて……」
「オマエかよ!やっぱ原因オマエなのかよ!」
美琴が隣に座っている垣根を指差し、一方通行が絶叫。
だが垣根のペースは崩れない。
「あっ、すみません。たくあん追加お願いできます?」
「あいよー」
「ねェ、いい加減オマエ殺すよ?スクラップにするよ?そしてヨミカワ。オマエもたくあん出さなくていいから」
289 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:30:52.30 ID:.hVolb60 [19/23]
ぶち切れる寸前なのがようやく分かったのか、垣根は箸を置き、
「全く、一方通行は我慢が無いから困る……」
「オマエここで殺すわ」
「どうどうどう!落ち着いて!」
リビングにあるガラステーブルを片手で持ち上げる一方通行。
それを垣根に向かって振り下ろすのを止める美琴。
「あれー?何これってミサカはミサカはカオスな状況の説明をお願いしてみる」
「一方通行の我慢が足りないって話しよ」
「オイコラそこのニート。オマエ後で覚えとけよ?」
リビングに入ってきた打ち止めにソファーに座った状態で言う芳川。
それを聞いてハァ、とため息を吐き一方通行はガラステーブルを下ろした。
290 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:31:29.07 ID:.hVolb60 [20/23]
「取り合えず帰れよオマエ。今すぐ一瞬で」
「い や だ」
「なンでオマエ人の神経逆撫でるの?バカなの?死ぬの?死ねよ」
「いや、だって。ここオマエん家じゃねぇし、オマエのこと聞く必要ねぇし。つまり俺に常識は通用しねぇ」
「ワリィ、何が言いたいのかサッパリ分からねェわ。もう本当マジで帰れオマエ」
キリッ、となんか変な効果音がついた顔でそう言う垣根を見て、一方通行は深い深いため息を吐いた。
「えっ?なんか問題あったか?」
「ありまくりだァァァァァァアアア!!」
ダァァンッ!!とファミレスのテーブルに一方通行の手が叩きつけられる。
それにより机の上にある色んな物が震えるのだが皆無視。
只今の回想を全部ちゃんと把握した上での問題無い発言。気が短い一方通行で無くても普通は怒る。
291 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:32:17.78 ID:.hVolb60 [21/23]
垣根を除く六人は語ってゆく。
「ほんま、あれは止めて。ドッキリとかゆーレベルや無かったから。女の子やったら大歓迎やけど」
「全く……女子の部屋に不法侵入なんで貴方何考えてるの?……いや、やっぱりいいわ。もう分かったから」
「また建物壊しちゃったよ……あー、また面倒なことに……」
「卵焼きごときにやられるとは……不覚!根性が足りねぇ!」
「黒子大丈夫かなぁ……携帯繋がらないし、帰りたく無い……」
「オマエのせいでクソガキに『貴方って我慢が足りないの?ってミサカはミサカは問いかけてみる!』とかウゼェくらい言われたンだけどォ?」
六人の言葉を聞いて、首を傾げる垣根。
それを見て全員はため息を吐く。
292 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:32:52.43 ID:.hVolb60 [22/23]
皆それぞれ言いたいことはあるが、一方通行が代表して言った。
「オマエ、常識って知ってかァ?」
そんなセリフに垣根はフッと笑い、
「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」
ブチッ!!!×六
いい加減聞き飽きたセリフに、六人全員何が切れた。
「えっ?ちょ、お前ら待って!?悪かった、俺が悪かったからプラズマとかマジ勘弁sぎゃあああああああああああああっ!!?」
その日、学園都市のどこかでプラズマやらビームやらが発生したそうだが、真偽のほどは定かでは無い。
293 名前:『レベル5達の休日』垣根「俺に常識は通用しねぇ(キリッ」[saga ] 投稿日:2010/07/07(水) 14:33:25.85 ID:.hVolb60 [23/23]
垣根君編、お終いです。
批判意見も有難いです。参考にさせて貰ってます。
……参考にさせて貰ってこれってスゴくヤバイかも……修行してきます。
PS
Qどうしてこんな時間に投稿出来たの?
A俺に常識は通用しねぇ(キリッ
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