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ラムザ「アルマーーーーーーーーーッッッ!!!!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:32:48.55 ID:ZKRXhv8qO [1/65]
アグ「…つまりドーターで物資を調達して…」
ラムザ「アルマッ!アルマァァーーー!!」
ムスタ「そうそう。多少危険でもこのルートが最善…」
ラムザ「アルマッ!!!どこにいるんだッ!?」
アグ「ラムザ!少し黙っていてくれないか?会議が進行しない」
ラムザ「アルマは一体!?あぁあぁうおあぁぁ、一体どこに!!!」
アグ「…つまりドーターで物資を調達して…」
ラムザ「アルマッ!アルマァァーーー!!」
ムスタ「そうそう。多少危険でもこのルートが最善…」
ラムザ「アルマッ!!!どこにいるんだッ!?」
アグ「ラムザ!少し黙っていてくれないか?会議が進行しない」
ラムザ「アルマは一体!?あぁあぁうおあぁぁ、一体どこに!!!」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:37:59.91 ID:ZKRXhv8qO [2/65]
アグ「うるさい!」バキィッ
ラムザ「うわぁっ!」ガタン
アグ「まったく!リーダーがそんな様子でどうする!」
ラムザ「うううぅぅ…ハァァッ!?」
アグ「???」
ラムザ「アルマッ!アルマじゃないか!!」
アグ「ラ、ラムザ?…何を言っているんだ?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:42:46.43 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「あぁ…アルマ…ようやく会えた…ほら、兄さんだよ。ラムザだよ」
アグ「違う!私はアグリアスだ!妹ではない!」
ラムザ「さぁ、こっちにおいで……」
アグ「よ、よさないか!こら!ムスタディオ、ラムザを何とかしてくれ!」
ムスタ「見ててすげー面白い」
アグ「他人事のように言ってないで助けてくれ!」
ラムザ「髪が乱れているよ?兄さんがクシでといてあげよう」
アグ「い、一体どうしたんだラムザ!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:48:11.79 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「ラムザの言う通りにしてれば静かになるだろ」
アグ「確かにそうだが…」
ラムザ「アルマの髪は綺麗だね」
アグ「わ、私が集中できない…」
ラムザ「おや?枝毛が出ているね。切ってあげるよ」チョキチョキ
アグ「うう…」
ラムザ「~♪」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:53:11.41 ID:ZKRXhv8qO
アグ「どうしてこんな事に…」
ムスタ「たぶん姐さんが殴ったのが悪いと思うな」
アグ「そ、そんなに強くぶったわけではないんだが」
ムスタ「いや、でもラムザは鼻血を垂らしてるし…」
ラムザ「ほらアルマ!髪が綺麗になってきたよ!フフ…フフフ……」ナデナデ
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:59:51.90 ID:ZKRXhv8qO
アグ「あぁ、私はどうしたらいいんだッ!」
ムスタ「とりあえずラムザの禁断症状が収まるまで、妹のふりをするしかないぜ」
アグ「何て事だ…」
ラムザ「アルマ、僕の部屋においでよ!兄さんが本を読んであげよう!」
アグ「ラムザ、まだ会議が終わっていない」
ムスタ「そんなものは俺が他の奴やっとくから、とにかくラムザを優先してくれ」
アグ「わ、わかった」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:15:12.44 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマはどんな本が好き?」
アグ「そうだな…戦術指南書のような、戦いの役に立つような本がいいな」
ラムザ「そんなの面白くないよ」
アグ「そ、そうか?」
ラムザ「アルマにはエナビア記を読んであげよう」
アグ「エ、エナ…ビア記??」
ラムザ「そう。貴族の娘が庭師なんかに惚れちゃう、ちょっと狂った話さ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:24:51.00 ID:ZKRXhv8qO
アグ(古びた本だな…)
ラムザ「そうだ、アルマはヒロインの部分を読んでよ」
アグ「私がか!?」
ラムザ「そうそう」
アグ「えーっと、彼のことを思うと、む、胸の、とと、ときめきが止まりません…」
ラムザ「アルマはヒロインに成り切るの上手だね。顔まで真っ赤だよ」
アグ「ラムザ、まだプロローグなのに私は心底恥ずかしいんだが…」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:28:20.37 ID:ZKRXhv8qO
アグ(しかし、この本は歴史的価値があるかもしれないな…ん?)
ラムザ「……」
アグ「ラムザ?」
ラムザ「……Zzz」
アグ「ね、寝ている」
アグ「逃げるしかないな」
アグ「街の方にでも行こう。宿にいると疲れる」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:42:01.22 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「あれ?姐さん、ラムザは?」
アグ「部屋で寝ているぞ」
ムスタ「へぇ、兄さんをほったらかして妹さんはどちらに?」
アグ「い、妹だなんて、やめてくれないかムスタディオ!街に行くだけだ!」
ムスタ「ハハハ…俺も一緒に行こうかな~」
アグ「わかった。ついて来てくれ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:47:43.19 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「部屋でラムザと何してたんだ?」
アグ「エ、エナビア記を読んでいた…」
ムスタ「うひゃあ~~!あんなの読むなんてラムザも重症だな!」
アグ「顔から火を吹く思いだった…」
ムスタ「でも姐さんは、あの女心を見習うべきだと思うけどな」
アグ「そうだろうか……まぁ、そうかも…しれない。たぶん…」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:52:54.81 ID:ZKRXhv8qO
アグ「しかし、街に行ってもすることがないな…」
ムスタ「そうだ!街に着いたら俺が色々とレクチャーしてやるよ!」
アグ「何をだ?」
ムスタ「女とは何か!みたいな!」
アグ「フフ…面白そうだな。是非とも頼もうじゃないか」
ムスタ「よしきた!おっ!街も見えて来たぞ!」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:56:49.20 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「コホン!えーっと、姐さんに足りないのは女としての魅力であります!」
アグ「ふむ…」
ムスタ「しかーし、こうして改めて姐さんを見てみると…?」ジーッ
アグ「か、顔が近いぞムスタディオ…」
ムスタ「見えてきた見えてきた…」
アグ「なんだ?私には何が足りないんだ?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:02:40.08 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「聞いてばかりじゃダメだなぁ~」
アグ「そうか…そうだな……うむむ、服装か?」
ムスタ「……」ニヤニヤ
アグ「それとも髪型か?」
ムスタ「……」ニヤニヤ
アグ「なんだ!は、はっきり言ってくれ!」
ムスタ「いやー、姐さんでも一応そういう部分は気にしてはいるんだな、って」
アグ「からかうんじゃない!」
ムスタ「でもそういう気持ちは大事だぜ?」
アグ「どうして私に意地悪するんだ、まったく…」ブツブツ
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:08:47.85 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「正解は、化粧!うん、これだね」
アグ「化粧か…言われてみれば」
ムスタ「姐さんの顔は、血を浴び、熱砂の風にさらされ、毒の沼を超えて来た顔だ!」
アグ「確かに、だな」
ムスタ「そんな顔、男の俺でも恐ろしいッ!!」
アグ「この場で斬り捨てるぞ」
ムスタ「じょ、冗談だって…。前置きはこれくらいにして、そら、化粧品店に着いたぜ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:19:22.51 ID:ZKRXhv8qO
店番「いらっしゃいませ!」
ムスタ「驚いた…小さな店のくせに、品揃えは大都市並だな…」
店番「それはどうも!」
アグ「毛皮骨肉店と違って、色々あるんだな…」キョロキョロ
ムスタ「姐さん、その例えは女の口から出る例えじゃないぜ…」
アグ「き、気をつける」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:24:43.22 ID:ZKRXhv8qO
アグ「ムスタディオ、正直に言って私は何を選んだらいいのかわからないんだ…」
ムスタ「そんなの知ってるよ。俺に任せておけって!」
アグ「そうハッキリと言われると、さすがに私でもショックだ…」
ムスタ「そうだなぁ~、おっ!姐さん、これなんてどうだい?」
アグ「なんだ?その頼りなげなヒモは…」
ムスタ「セクシーな下着っ!」
アグ「大気満たす力震え、我が腕をして閃光とならん!」
ムスタ「ちょっ!?無双稲妻突きはダメ!!マジでダメ!!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:32:44.13 ID:ZKRXhv8qO
アグ「私はそういう冗談が嫌いだ」
ムスタ「じゃ、じゃあこれは?フリフリの付いたスカート」
アグ「なんと……いや…これはさすがに……なんというか…な?ほらその…」
ムスタ「着てみないとわかんないぜ?」
アグ「しかしだな……少しばかり…幼く見えるというか……そもそも化粧品ではない気が…」
ムスタ「そんなん気にする必要ないっての!」
店番「試着室はあちらです」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:37:21.00 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「着替え、終わった?」
アグ「ど、どうだ?おかしくはないか?」
ムスタ「おおー、いーじゃんいーじゃん!俺は気に入ったぜ」
アグ「そ、そうか…」
ムスタ「でも上がその服じゃあなぁ」
店番「それでしたらこちらのワンピースなどいかがでしょう?」
ムスタ「姐さん、これは着るしかないぜ」
アグ「化粧品の話はどこにいったんだ…」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:42:28.86 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「やべぇ、このワンピース似合いすぎるぜ!」
アグ「そ、そうか…これならまだ着られそうだな…」
店番「お似合いですよ」
アグ「よし決めた、買おうじゃないか」
ムスタ「おっ!いいね、その調子でいこうぜ!」
アグ「こうなったら色々と見てやる」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:46:44.70 ID:ZKRXhv8qO
アグ「そうだ、前から欲しいと思っていた物がある」
ムスタ「ええっ!!?初耳だぜ…何が欲しいんだ?」
アグ「口紅を見たいんだ」
ムスタ「あぁ…姐さんがそんなかわいらしい物が欲しがるだなんて…俺は嬉しいぜ!」
アグ「フフ…せっかくだ、この服に合う色を選ぼう」
店番「それなら取っておきがありますよ」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:56:35.26 ID:ZKRXhv8qO
店番「これなんてどうでしょう…」
ムスタ「うーん、なかなかいいんじゃないかな」
アグ「そうだな。色もいいし…」
ムスタ「姐さんが気に入ったのなら…って!!あああ!!遠くにラムザが見える!!!」
アグ「私を探しに来たのかっ!!?」
ムスタ「早く試着室に隠れて!!」
アグ「わかった!!」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 03:00:33.12 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマ……アルマはどこだ……」
店番「いらっしゃいませ」
ムスタ「や、やぁラムザ」
ラムザ「妹はどこだッ!!どこへやった!!」
ムスタ「ここにはいないぜ…」
ラムザ「本当か……?ムム!この下着!!」クンクン
ムスタ「お、おいラムザ!?」
ラムザ「アルマの臭いがわずかにするぞッッ!!アルマッ!アルマァァ!!」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 05:19:04.36 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「ハッ!向こうからアルマの強い臭いが!!」
店番「お客様!試着室は使用中ですので…」
ラムザ「うるさいッ!黙れ!ここにいるんだな!?」ガチャッ
ムスタ「ダメだラムザ!」
ラムザ「…あれ?いないぞ……」
アグ(……この衣装箱の中に隠れていよう…)
ラムザ「あッ!アルマの服がある!!」
アグ「!!!!」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/23(水) 05:24:45.71 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「あぁ、アルマの臭いがするなぁ…」クンクン
アグ「私の服を嗅ぐなッッ!!」
ラムザ「!!」
アグ「しまった!!」
ラムザ「あ…ああ…ある…」
アグ「???」
ラムザ「ありゅまが、わわわ、わんぴーすを着てる…」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/23(水) 05:25:39.95 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「すごくかわいい!!」
アグ「あ、ありがとうラムザ」
ラムザ「兄さんはもうお前にメロメロだよ」
アグ「そうか、じ、じゃあ帰ろうか」
ラムザ「帰ろう帰ろう!」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 06:54:30.04 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「ラ、ラムザ…?」
ラムザ「よくもアルマをあんなところに閉じ込めたな!」
ムスタ「ち、違う!俺は知らない!」
ラムザ「カ~エ~ル~の~き~も~ち~!トード!」
ムスタ「ゲコ!」
アグ「ムスタディオ!」
ラムザ「さぁ行こうか」
店番「ひ、ひいぃ…」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:04:54.66 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「怖くなかったかい?アルマ…」
アグ「わ、私なら平気だ」
ラムザ「良かった。それにしても、こうして二人で歩けるなんて夢みたいだよ」
アグ「ラムザ………」
ラムザ「僕はずっと君を探していたんだよ。ずっと、ずっと…」
アグ「…………」
ラムザ「そうだ!昔みたいに肩車してあげるよ!move+2だ」
アグ「待て!ラムザ!やめるんだ!ああっ!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:18:56.03 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「どうだい?遠くまでよく見えるだろう?」
アグ「ラムザ!街のど真ん中で肩車するんじゃない!周囲の視線が集まる!」
ラムザ「みんなアルマがかわいいから見てるんだよ」
アグ「私はワンピースなんだぞ!?こ、これでは見えてしまう!」
ラムザ「アルマは子供だから気にすることないよ」
アグ「頼むから降ろしてくれ!!頼む!もう無理だ!」
ラムザ「ダメ!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:24:23.49 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「そーだ!このまま教会に行ってしまおう!」
アグ「正気かラムザ!?何しに行くんだ!」
ラムザ「僕と結婚しようじゃないか」
アグ「馬鹿者!異端者のお前が教会に行ったら、ただでは済まされないぞ!」
ラムザ「難しい事を言ってごまかそうとしても無駄だよ!」
アグ「助けてくれー!ムスタディオォオォー!」
ラムザ「アルマ、照れなくてもいいんだ」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:42:39.04 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマかーわいい!」
アグ「話を聞いてくれ!」
ラムザ「君はかわいすぎるよ。本当に僕の妹なのかい?」
アグ「そんなわけないだろう!」
ラムザ「え……?妹じゃ…ない?」
アグ(しまった…!)
ラムザ「じゃあ文句なしに結婚できるね!」
アグ「頭痛がしてきたぞ……」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:44:42.02 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「教会に行くのは別の日にしようか」
アグ「ほっ…」
ラムザ「それにしてもアルマ、ちょっと太ったね?」
アグ「な、なんだ急に!」
ラムザ「脚とかさ…だらしない太ももになってるなぁ」ペチペチ
アグ「や、やめろラムザ!!叩くなぁぁぁぁ!!!」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 12:57:47.28 ID:ZKRXhv8qO
アグ「いい加減にしないか!」ガツン
ラムザ「いて!」クラクラ
ムスタ「待ちやがれえええぇぇぇ!!!」
アグ「ムスタディオ!無事だったのか!」
ムスタ「やいラムザ!よくも俺をカエルにしてくれたなぁぁ!」
ラムザ「僕が…君を????」
ムスタ「店番が治してくれなかったら、俺は一生カエルだったんだぞ!!!!」
ラムザ「何があったのかは知らないが、それが事実なら謝ろう。すまなかった…」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 13:04:57.25 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「お前、まさか禁断症状が治ったのか?」
ラムザ「記憶があまり…はっきりしないな。僕達はドーターを目指していたはず…」
アグ「良かった!治ったぞ」
ラムザ「と、ところでどうして僕はアグリアスを肩車してるんだい?」
ムスタ「姐さん、丸見えだぜ…!それで街を歩いたのか!なんという度胸…」
アグ「ななな何だと!そんな状態でこいつは往来を歩いたのか!は、早く降ろせ馬鹿者!」ガツン
ムスタ「姐さん!ラムザを殴っちゃダメだ!」
アグ「しまった…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 13:18:00.37 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマに指一本でも触れてみろ!ただではおかないぞ!」
ムスタ「あちゃー……またバカになった」
アグ「もう一度だ!ムスタディオ、殴ってやってはくれないか?」
ムスタ「あんまり殴ると脳に障害がでるんじゃないか…?」
アグ「わ、私の殴る力が強すぎるのかもしれないだろ?ムスタディオなら…」
ラムザ「アルマに触れていいのは僕だけなんだッッ!」ムニムニ
アグ「きゃあああああ!!ム、ムニムニするな!早く!お願いだムスタディオ!!」
ムスタ「だ、だけどよ…」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 16:40:37.06 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「破れかぶれだ!それっ!」ガツン
ラムザ「☆◎■♪◇」
ムスタ「どうだ?」
ラムザ「……に、兄さん!!!」
ムスタ「はぁ?」
ラムザ「ザルバッグ兄さん!!!会いたかったよ!」
ムスタ「違うって…」
アグ「間違いなく悪化してしまったな……」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 16:44:56.07 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「家族が集まると楽しいね!」
ムスタ「そ、そうだなラムザ。……ところで一度、宿に戻らないか?」
ラムザ「えーっ!?どうして?」
ムスタ「ダ、ダイスダーグ兄さんがお前を待ってる」
ラムザ「ほんと!?急いで帰ろう!それっ!」ビュン
アグ「服がめくれるから走るな!ラムザァァァァ!」
ムスタ「うおっ!なんていう移動距離だ!あれが肩車のアビリティなのかッ!」
ラムザ「それそれーっ!」ビュオオオ
アグ「走るなああぁあぁぁぁぁッ!!!」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 16:46:08.73 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「兄さーん!ダイスダーグ兄さーん!!」
ムスタ「うう…やっと帰って来れたぜ…」
アグ「し、死んでしまいたい…」
ラムザ「……兄さん、いないよ?」
ムスタ「か、狩りに出ているのかもしれないな」
ラムザ「ふーん……。じゃあザルバッグ兄さん、僕とお風呂に入ろう!」
ムスタ「はぁ????」
ラムザ「お互いを洗いっこしよう!!」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:03:31.58 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「いいいい嫌に決まってんだろ!」
ラムザ「そんなぁぁ!ぼ、僕の事が嫌いなのかい!?」
ムスタ「そ、そうじゃない…そうじゃないんだ…」
ラムザ「じゃあ一緒に入ろうよ!!!!」
ムスタ「嫌だね!」
ラムザ「アルマからも言ってやってよ!」
アグ「え……?」
ムスタ「そうだ、アルマが一緒に入ってくれるんなら考えなくもないぜ?」
アグ「なっ!?それはつまり、その、私も?な、なんだ、えーっとだな……貴様、正気かッ!!!」
ムスタ「さぁ、どうする?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:08:18.39 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマも一緒においでよ!」
アグ「ば、馬鹿を言うな!」
ラムザ「嫌だぁぁあぁぁぁぁ!僕と兄さんが綺麗に洗ってあげるからあぁぁぁぁ!」
ムスタ「そうだあぁぁぁ!洗ってあげるからぁぁぁ!!」
アグ「うるさい!!!…………わかった……入ろうじゃないか………」
ムスタ「よっしゃあああああああああ!!」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:23:53.37 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマ、背中にあちこち傷があるね」ゴシゴシ
アグ「騎士の恥だ、あまり見ないでくれ……」
ムスタ「ラムザは背中が綺麗だな」ゴシゴシ
ラムザ「危ない目には遭ってきたけど、仲間が助けてくれたから」
ムスタ(ラムザが邪魔で姐さんが見れねえぇぇぇ!!)
ラムザ「向きを変えよう」
ムスタ(ナイスだ、ラムザ)
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:25:13.76 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「兄さんの背中は大きいね!」ゴシゴシ
ムスタ「ハッハッハ!伊達に鍛えてないからな!」
アグ(ラムザの背中……かわいいな……)ゴシゴシ
ラムザ「アルマ、あんまり強くこすらないでよ」ゴシゴシ
アグ「す、すまない。慣れてないんだ」ゴシゴシ
ムスタ(結局姐さん見れねぇぇぇぇぇ!!)
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:26:33.68 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「今度は俺が姐さん洗うよ」
アグ「け、結構だ!やめろ!」
ムスタ「遠慮すんなよ」ペタペタ
アグ「あっ!?なぜ素手で洗うんだ!布があるだろ布が!!」
ムスタ「いいじゃないか、俺達兄弟なんだし…」ペタペタ
アグ「む、無理だッ!!」ダッシュ
ラムザ「あーあ、アルマが逃げちゃった」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:31:12.52 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「ふぅ…!いいお湯だった…」
ムスタ「あぁ、マジで最高だったぜ」
ラムザ「僕、眠くなってきちゃったよ…」
アグ「ラムザは先に寝ていてくれ。………ムスタディオ」
ムスタ「な、なに?」
アグ「あの化粧品店に装備品を全部忘れてきてしまったんだ。取りに行かないか?」
ムスタ「あぁ、いいぜ!」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:32:10.15 ID:ZKRXhv8qO
アグ「ムスタディオ、ラムザは何とかならないだろうか」
ムスタ「俺は楽しいけどな」
アグ「ふざけている場合ではないぞ」
ムスタ「そんなに心配すんなって」
アグ「状況を整理しよう。私達三人は何人かの傭兵と共に、この街まで偵察に来ている」
ムスタ「そうだな」
アグ「しかし収穫はなかったため、至急本部隊に合流しなければならない」
ムスタ「うんうん」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:32:59.43 ID:ZKRXhv8qO
アグ「油を売ってないで早く帰るべきだが……ラムザを治さなければ戦いに支障が出てしまう」
ムスタ「傭兵をもっと雇えば?」
アグ「雇ったとしても統率力が弱いだろう。死体は増やしたくない」
ムスタ「そうだな。いない方がいいな」
アグ「む、店に着いた」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:21:44.98 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「すんませーん」
店番「はいはいなんでしょう?おや、昼間の…」
ムスタ「連れが忘れ物しちゃってさ……」
店番「あぁ、預かっていますよ、装備品ですね…はいどうぞ」
アグ「すまないな」
ムスタ「姐さん、ついでにこのセクシーな下着も買おうぜ?」
アグ「貴様は何も反省していないようだな………!」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:22:51.04 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「店に人がいて良かったな」
アグ「……そうだな」
ムスタ「あれ?姐さん、そっちは森だぜ?道が違う」
アグ「……」スタスタ
ムスタ「おい姐さん!早く戻らないとラムザがまた探しに来るぜ!」
アグ「……」スタスタ
ムスタ「どうしたってんだ!待ってくれよ!」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:25:43.39 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「姐さんってば!!」
アグ「この辺りでいいだろう」
ムスタ「何が?」
アグ「この剣で、貴様に神罰を下してやろう!」
ムスタ「ちょおっと!?待って!許してよ!」
アグ「黙れッ!あのような侮辱行為の数々、騎士の誇りを汚したも同然ッ!」
ムスタ「あれはさ!悪ふざけだって!かわいいイタズラ!うん!」
アグ「問答無用!覚悟ッ!」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:33:38.18 ID:ZKRXhv8qO
アグ「大気満たす力震え―――」
ムスタ「待って!構えるんじゃないいいいい!!」
アグ「我が腕をして閃光とならん!」
ムスタ「話せばわかる!わかり合える!」
アグ「無双稲妻突き!」
ムスタ「うぎゃあああ!!!」
アグ「追加効果のサイレス付きだ」
ムスタ「………!!……!!」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:36:27.46 ID:ZKRXhv8qO
アグ「ムスタディオ、お仕置きはまだ終わってないぞ……」
ムスタ「………!!」
アグ「命脈は無常にて惜しむるべからず―――葬る!不動無明剣!」
ムスタ「……」ビクンビクン
アグ「追加効果、ストップが効いたな」
ムスタ「……」
アグ「木の幹に縛り付けてやろう。ここでしばらく反省するといい」キュッ
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:40:21.82 ID:ZKRXhv8qO
アグ「幾分か気が紛れたな…」
アグ「傭兵にも解散を伝えよう。まともに戦える状況じゃない」
アグ「後は…えーっと、後は…」
アグ「ラムザだな……彼は一体どうすれば……」
アグ「やはり私が妹になるしかないのだろうか…」
アグ「私が…ラムザの妹…」
アグ「やるしかなさそうだな……」ブツブツ
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 19:08:01.86 ID:ZKRXhv8qO
アグ「帰ったぞ……」
ラムザ「アルマァァァ!!」
アグ「なんだ!?どうした!」
ラムザ「もう!僕の前からいなくなっちゃダメだよ?いけない妹だなぁ」
アグ「そ、そうだったな………」
ラムザ「さぁ寝ようか」
アグ「……もう好きにしてくれ…私はもう、頭が痛くて仕方がないんだ……」
ラムザ「あれ?兄さんは…?」
アグ「もう無理だ……休ませてくれ……頭を使いすぎて……Zzz………Zzz……」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 19:42:55.95 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「おはようアルマ!」
アグ「う……うん……朝か…」
ラムザ「アルマ?」
アグ「頭が…痛い……」
ラムザ「顔が赤いよ」
アグ「寒気も…する」
ラムザ「鼻水出てるし…」
アグ「間違いない…風邪だ……」
ラムザ「僕が看病してあげるから任せて!」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:12:11.01 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「まずは鼻をかもうね!はい、ちーんして」
アグ「貸せ…鼻ぐらい自分でかむ」
ラムザ「ダメ!兄さんの言うこと聞きなさい!」
アグ「……嫌だ」ズルズル
ラムザ「まったくもう!まぁ、鼻を垂らしたアルマもかわいーけどさ」
アグ「うぅ……かんでくれ…」ズルズル
ラムザ「アルマが素直な子になった!偉いね」ナデナデ
アグ「くうぅ…」チーン
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:21:43.60 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「次は何がいいかな」
アグ「……クシュン!」
ラムザ「汗かいたから冷えてきたんだね。着替えにしようか」
アグ「換えなどないぞ」
ラムザ「僕のを貸すよ」
アグ「そ、そうだな……この際わがままは言えん…貸してくれ」
ラムザ「じゃあ脱いで」
アグ「ここで脱ぐのか!?」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:24:30.78 ID:ZKRXhv8qO
アグ「わ、私はお前の目の前で着替えるのかッ!?」
ラムザ「それだけじゃないよ。僕が汗をしっかり拭いてあげる」
アグ「そそ、そんな事をする必要はない!大丈夫だ!」
ラムザ「風邪がひどくなるよ?部屋だってアルマの臭いでいっぱいだし」クンクン
アグ「そ、そんなに私は臭うのか!?」
ラムザ「一週間洗ってないメスのチョコボくらい臭いよ」
アグ「……ま…まさか………わた、私が…そんな……メ、メスチョコボだと………」クンクン
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:33:44.66 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「はい、服を脱がせるから手を挙げてね」
アグ「………」ピーン
ラムザ「髪が……ひっかかっるけど…脱げた!」
アグ「脱いだぞ、服をくれ……」
ラムザ「……」ジロジロ
アグ「や、やめてくれないか!恥ずかしいな!服をくれ!!」
ラムザ「服は体を拭いてからだよ」
アグ「ボサボサしてないで早く拭け馬鹿者!」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:37:55.19 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「まずは右手から…」フキフキ
アグ「…んん……く……」
ラムザ「アルマの手、ちっちゃくてかわいい」フキフキ
アグ「…ん……く…ん………」
ラムザ「くすぐったい?」フキフキ
アグ「そんな…感じがする…」
ラムザ「腋の下」フキフキ
アグ「ひゃうああぁぁ……」
ラムザ「うるさいよアルマ」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:48:26.61 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「左手もおしまい!」
アグ「うぅ……ラムザ……」
ラムザ「あれ!?また汗ばんでる??」
アグ「……ラ、ラムザ……私は……」
ラムザ「腋の下がグショグショだよアルマ」フキフキ
アグ「んっ!!んわぁぁあぁぁ……あぁ…」
ラムザ「変なアルマ」フキフキ
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:50:47.00 ID:ZKRXhv8qO
アグ「う……うぅ…ぐすっ」
ラムザ「どうしたの?」
アグ「……自分が情けない」メソメソ
ラムザ「泣くことないよ」
アグ「……確かに変だな。風邪のせいで少し気が滅入っているのかもしれない」
ラムザ「早く風邪を治そうね」ナデナデ
アグ「そういう扱いをするから……私は泣きたくなるんだよ、ラムザ…」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:54:25.22 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「はい、拭いたよ」
アグ「やっと終わった……」
ラムザ「……」ジロジロ
アグ「どうした…そ、そんなに私の体が珍しいか……ラムザめ」
ラムザ「アルマ、やっぱり太ったね!」ムニムニ
アグ「つまむなぁ!」
ラムザ「お腹まわりが特に…ほら、こう……」ムニュムニュ
アグ「ひゃああぅぅ!!うああああ!!」
ラムザ「あ!ごめんね!寒いよね、はい僕の服」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:56:21.86 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「次はご飯!たくさんご飯を食べれば元気になるよ!」
アグ「豆のスープがあっただろう。あれをくれ…」
ラムザ「あんなのじゃ元気にならないって!たまごスープにするよ」
アグ「たまごは貴重だろう」
ラムザ「貴重だからこういう時に使うんでしょ」
アグ「私はそんなにやわな体をしていないつもりだ」
ラムザ「はいはい、それは元気な時に言いましょうね」
アグ(私が手玉に取られているぞ…ラムザのくせに!)イライラ
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:59:42.47 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「はいできたよ!フーフーしてあげるね」フーフー
アグ「それくらい自分でできる…貸せ」
ラムザ「アルマは大人しくしてればいいの!フーフー」
アグ「貸せ!」
ラムザ「ダメ!はい、あーんして!」
アグ「………」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 23:02:39.60 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマ、口を開けるんだよ」
アグ「………」
ラムザ「なんで開けてくれないの?」
アグ「………」プイ
ラムザ「あッ!コラ、こっち向いて!」
アグ「ベー」
ラムザ「せっかく作ったのに!」
アグ「…頼んだ覚えはない」プイ
ラムザ「生意気アルマ!」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:29:49.89 ID:vd94f3f+O [1/35]
ラムザ「食べないと治らないよ!」
アグ「……そんなスープなんかいらない」
ラムザ「そんなこと言わずに!」グイグイ
アグ「むぐぐ!」モグモグ
ラムザ「美味しい?」
アグ「……」ペッ
ラムザ「コラ!吐き出すんじゃない!」
アグ「べー」
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:38:23.14 ID:vd94f3f+O [2/35]
アグ「こんなまずいスープなんていらない!」
ラムザ「な、何が気にくわなかったんだい?味かい?」
アグ「そういう問題じゃない!」
ラムザ「じゃ、じゃあどういう問題?」
アグ「ラムザが作ったスープなのが嫌なんだぁぁーッ!!」
ラムザ「ええーーッ!?」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:43:35.27 ID:vd94f3f+O [3/35]
アグ「部屋から出ていけ!!」
ラムザ「そ、そんな……」
アグ「ラムザなんか嫌いだッ!!」
ラムザ「アルマ!!」
アグ「失せろッ!」
ラムザ「うわあぁぁぁぁん!!」ドタドタ
アグ「………」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:47:53.73 ID:vd94f3f+O [4/35]
アグ「これでいい」
アグ「ラムザは少し反省すべきなんだ。うむ」
アグ「だいたいラムザは……」ズルズル
アグ「鼻水くらいがなんだ!!一人でかんでみせるッ!」チーン
アグ「どうだッ!!」ポイッ
アグ「……」ズルズル
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:53:07.95 ID:vd94f3f+O [5/35]
ラムザ「うぅ…アルマに嫌われてしまった……」トボトボ
ラムザ「死んでしまいたいよ…」ショボーン
ラムザ「僕はどうしたらいいんだ…」
ラムザ「…そうだ、兄さんはどこにいるんだろう?」
ラムザ「手掛かりがないな…とりあえずあの店に行ってみようか」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:02:27.30 ID:vd94f3f+O [6/35]
ラムザ「すいません」
店番「はい、いらっしゃい」
ラムザ「兄は来なかったかな」
店番「あぁ…あの人は昨日の夜に来ましたけど」
ラムザ「本当?それでどこに行くとか言ってなかった?」
店番「さぁ…森の方に歩いて行ったのは見た…かなぁ…」
ラムザ「森だね。ありがとう」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:12:47.21 ID:vd94f3f+O [7/35]
ラムザ「兄さーん!ザルバッグ兄さーん!!」
ムスタ「……!!」ジタバタ
ラムザ「あ!いた!何してるんだい?」
ムスタ「……!…!」パクパク
ラムザ「…あぁ、沈黙状態なんだね。やまびこ草が生えてるからあげるよ」ブチブチ
ムスタ「……」モグモグ
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:17:58.45 ID:vd94f3f+O [8/35]
ムスタ「治った!よっしゃああ!!」
ラムザ「兄さんに会えて良かった」
ムスタ「助かったぜ。ついでに縄も解いてくれ」
ラムザ「なんでこんなところに?」シュルシュル
ムスタ「ま、まぁちょっとな…それよりなんでお前こそここに?」
ラムザ「アルマに嫌われて追い出されて、兄さんを探しに…」
ムスタ「なんで嫌われたんだろうな」
ラムザ「それが僕にもよくわからないんだ」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:32:10.55 ID:vd94f3f+O [9/35]
ムスタ「お前が余計な事でもしたんじゃないのか?」
ラムザ「うーん、どうかな……聞いてみないとわからないよ」
ムスタ「よし、俺が話を聞いてやる!」
ラムザ「本当に!?頼むよ兄さん」
ムスタ「任しとけ!」
ラムザ「じゃあ宿に戻ろう!」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:42:53.36 ID:vd94f3f+O [10/35]
ムスタ「まずは俺だけ部屋に入るから、ラムザは待ってろ」
ラムザ「うん」
ムスタ「姐さーん!姐さーん!」ドンドン
アグ「……」
ムスタ「姐さん、入るよ」ガチャ
アグ「……入ってくるな」
ムスタ「なんだ、風邪ひいてんのかい?」
アグ「うるしゃい」ズビ
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:58:44.68 ID:vd94f3f+O [11/35]
ムスタ「ラムザの服を着てるし……」
アグ「着替えがなかったんだ」
ムスタ「そうかい」
アグ「それよりどうやって縄を抜けたんだ!」
ムスタ「へへ、かわいい弟が助けてくれたんだ」
アグ「ラムザか…余計な事を……」
ムスタ「姐さんはなんでそんなにラムザを嫌うんだよ」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:06:59.32 ID:vd94f3f+O [12/35]
アグ「あんなのに付きまとわられたら、誰だって嫌になる」
ムスタ「でもラムザには悪気なんて一つもないだろう」
アグ「そういう問題ではない」
ムスタ「ふーん…あれ、そのスープはなに?」
アグ「知るか。欲しいならやるぞ」
ムスタ「もらうもらう!へへ、何も食ってなかったからな!」
アグ「貴様など餓死すればよかったものを…」
ムスタ「めちゃくちゃ美味いぜ!このスープ」ズズ…
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:24:40.70 ID:vd94f3f+O [13/35]
ムスタ「姐さん、ちゃんとアルマの替わりをやってあげなよ」ズズ…
アグ「無理だッ!!」
ムスタ「鼻垂らし姐さんは冷たいなぁ…」
アグ「黙れ!そもそもお前は何をしにきたんだ!そのスープを飲みに来たのか!?」
ムスタ「違うよ、ただ俺は………って、んん?この部屋メスチョコボ臭くないか?」クンクン
アグ「!?」
ムスタ「なんで気付かなかったんだ!?くっせぇ!すげー臭えよ!姐さんも嗅いでみろって!!くっせぇぇぇ!」
アグ「聖光爆裂破ぁーーー!!!!!!!!」
ムスタ「うごああぁあああああああ!!!!」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:32:44.94 ID:vd94f3f+O [14/35]
ムスタ「作戦は完全に失敗だ。俺まで追い出されるとはなぁ……」
ラムザ「ど、どうしよう?」
ムスタ「打つ手なしだなぁ、マジで」
ラムザ「そんなぁ~!僕はアルマと一緒にいたいのに!」
ムスタ「お前が機嫌を悪くさせたんだろ?」
ラムザ「でも、機嫌が悪くなった原因がわからないんだ」
ムスタ「う~~ん……」
ラムザ「う~~ん……」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:44:56.14 ID:vd94f3f+O [15/35]
ムスタ「誰かに頼めばいいかもしれないな」
ラムザ「そうだね。僕達は部屋に入れてもらえないし」
ムスタ「傭兵に侍が一人いたな、呼んで来る」
ラムザ「うまくいくかな?」
ムスタ「あまり期待はできないが、何もしないよりはマシだ」
ラムザ「わくわくしてきた!」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:58:27.88 ID:vd94f3f+O [16/35]
ムスタ「………というわけなんだ」
侍「ふむ……」
ラムザ「頼むよ!」
ムスタ「成功すれば報酬は弾むぞ」
侍「相分かった。必ずや成功させるでござる!」
ムスタ「よろしく頼む」
ラムザ「あぁ…僕のアルマ……」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 20:27:04.81 ID:vd94f3f+O [17/35]
侍「アグリアス殿!アグリアス殿!」ドンドン
アグ「……」
侍「只今参上つかまつったッ!」ドカッ
アグ「ドアを蹴るなッ!」
侍「拙者、ラムザ殿の命を受け、ここに馳せ参じたでござる」
アグ「悪い事は言わない、出ていけ」
侍「そう簡単に主君の命に背くわけにはいかないでござる!」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 20:30:15.87 ID:vd94f3f+O [18/35]
アグ「ほう、では痛い目に合いたいようだな」ギラリ
侍「あいや待たれい!!」
アグ「問答無用だ!」ビュン
侍「白刃取り!!」ピタァ
アグ「くっ!!」
侍「フフ…その体調ではせっかくの太刀筋も鈍るというもの…」
アグ「くぅぅ…!!!」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 20:36:32.91 ID:vd94f3f+O [19/35]
アグ「たぁ!」ビュッ
侍「白刃取り!!」ピタァ
アグ「とぁ!!」シュビ
侍「白刃取り!!」ピタァ
アグ「はあ…はあ…めまいが……」
侍「拙者の勝ちでござるな!では話を…………む!?」
アグ「……どうした」
侍「メスチョコボ…それも繁殖期の臭いが………」クンクン
アグ「聖光爆裂破ぁーーー!!!」
侍「し、白刃…むぐおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 20:55:20.57 ID:vd94f3f+O [20/35]
ムスタ「お!生きて帰って来たぞ!」
侍「グフッ…不覚を取ったでござる……うぅ…」
ラムザ「誰が行ってもダメなんだね」
ムスタ「何か攻略のヒントになるような情報はなかったか?」
侍「あ…メスチョコボの話をした途端、本気になったでござる」
ムスタ「俺もメスチョコボの話をしたぞ」
ラムザ「僕もした…」
三人「これだッッ!!」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:00:10.53 ID:vd94f3f+O [21/35]
ムスタ「そう!あの部屋ってなんか全体的に獣臭いんだよ!」
侍「いかにも!メスチョコボ特有の臭いがしたでござる!」
ラムザ「あれ、アルマの臭いなんだよ」
ムスタ「本当か!?じゃあ、姐さんが臭いの原因…」
侍「もはや人間離れした臭いでござった……」
ラムザ「ということは、アルマはチョコボ……?」
ムスタ「いやいやいやいや」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:03:27.51 ID:vd94f3f+O [22/35]
ムスタ「そんなわけねーだろ!!」
侍「可能性はないにしても、何か関係があるかもしれないでござる!」
ラムザ「僕もそう思う」
ムスタ「しょうがねぇ、賭けに出るか…」
ラムザ「賭け?」
ムスタ「そうだ。おい侍、話術士を呼んで来るんだ」
侍「わかったでござる」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:08:04.19 ID:vd94f3f+O [23/35]
話術士「何の用?」
ムスタ「簡単だ。アグリアスってメンバーが俺達の中にいるだろ?」
話術士「あぁ、いるねえ。美人の…」
ムスタ「驚くな。そいつが実はチョコボだったんだよ」
話術士「ええっ!?」
ラムザ「僕の手を嗅いでみてよ」
話術士「くっせ!これはチョコボを触った臭い…」
ラムザ「洗っても取れないんだ」
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:19:47.66 ID:vd94f3f+O [24/35]
ムスタ「お前のアビリティ、勧誘で仲間にしてくるんだ」
話術士「でも、勧誘はモンスターに使うものであって…」
ムスタ「その通り。アグリアスはモンスターだ」
侍「あの目付きと殺気、まさに魔獣…」
話術士「わかった!きっと勧誘して友達になってみせる!」
ラムザ「ギサールの野菜があるから、持っていってよ」
話術士「ありがとう!よーし!行ってきます!」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:25:34.72 ID:vd94f3f+O [25/35]
話術士「こんにちは!」ガチャン
アグ「……」ジロリ
話術士「そんなに怖い顔しなくてもいいよ!友達だから!!!」ナデナデナデナデ
アグ「……」
話術士「大丈夫だよ!よーしよしよし!いい子いい子!!」ナデナデナデナデ
アグ「……」
話術士「こ、怖い顔しないでね!!ほら、ギサールの野菜をあげるよ!たくさんお食べ!!」グイグイ
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:33:19.73 ID:vd94f3f+O [26/35]
話術士「な、何が不満なのかな?遠慮なく言ってごらんよ!!」ナデナデナデナデ
アグ「……」
話術士「大丈夫!まじゅう語わかるから!!」ナデナデナデナデ
アグ「……」
話術士「す、すごく綺麗な毛並みだね!!誰かに手入れしてもらったのかな~?」スリスリ
アグ「……」
話術士「アハハハ!た、楽しいね……たのし……いだだだだだだだだだだだ!!!!!」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:44:14.36 ID:vd94f3f+O [27/35]
話術士「いだだだだだだだ!!うんぎゃぁぁあああぁぁ!!!」
アグ「……」
話術士「あれかなぁぁ!?じゃれつきたくて噛み付いたのかなぁぁ!?」
アグ「……」
話術士「でもね、もうちょっと加減して遊んでくれると嬉しいな!」
アグ「……」
話術士「そう!!怯えなくていいよ!!ほら、怖くなーい怖くな…ほげらぶべびゃああぁぁぁぁああ!!」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:53:50.95 ID:vd94f3f+O [28/35]
話術士「めり込んでるッッ!!野菜がめり込んで来るよォォォォォォ!!!」
アグ「……」
話術士「はぁ……はぁ……ちょ、ちょっとビックリさせちゃったのかな?……大丈夫なんだよ?」
アグ「……」
話術士「だから、ね?めり込ませる、みたいな見た事ないようなアビリティ使うのやめてね?約束だよ?」
アグ「……」
話術士「実はね、もう一個だけ野菜があるんだ!美味しいよ?ほら……いみぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:59:44.22 ID:vd94f3f+O [29/35]
ムスタ「部屋から出て来た!」
話術士「………」
侍「死んだアーリマンみたいな目でござるな……」
話術士「………」
ラムザ「で、でも一番長くあの部屋にいたんじゃないかな!」
ムスタ「そうだな!惜しかった!!案外攻略は近いかもしれないぞ!!」
侍「しかし、次は誰が行くのか………」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 22:55:55.86 ID:vd94f3f+O [30/35]
ラムザ「あれ?誰かこっちに来る……」
ムスタ「なに?……あ!レーゼだ!レーゼが来てくれた!おーい!」
レーゼ「こんにちは。みなさん無事でしたか?戻ってこないから心配しましたよ」
ムスタ「どうやって来たんだ?」
レーゼ「ドラゴンになって飛んで来ました」
ムスタ「そうかそうか!いやー助かった!」
レーゼ「助かった……って、何か困り事でも?」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:00:22.59 ID:vd94f3f+O [31/35]
ムスタ「実はだな…」
ラムザ「アルマがね!アルマが!」
レーゼ「見つかったの!?」
ムスタ「ラムザがしゃべるとややこしいな…」
レーゼ「え?え??なあに?」
ラムザ「アルマがアルマでアルマなんだよ!」
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:02:28.30 ID:vd94f3f+O [32/35]
ムスタ「話術士、頼む」
話術士「では、イヴァリースにおける歴史と人口の推移について論じよう…」ゴニョゴニョ
ラムザ「Zzz……」
レーゼ「そ、それは、ダーラボンのまね…」
ムスタ「レーゼ、聞いてくれ。アグリアスがチョコボだったんだよ」
レーゼ「はい?…あの……えーっと、え?」
ムスタ「レーゼはまじゅう語わかるよな?」
レーゼ「わかるけど…あの、うーん…?」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:05:20.41 ID:vd94f3f+O [33/35]
ムスタ「……というわけなんだよ」
レーゼ「それはアグリアスがかわいそうよ」
ムスタ「違う。もはや彼女はモンスターなんだ」
レーゼ「そういう態度で接するから部屋から出て来ないのよ。わかる?」
ムスタ「話術士、頼む」
話術士「いやぁ、レーゼさんはバラのように美しい……」ゴニョゴニョ
レーゼ「まぁ、やだ…恥ずかしいわ。どうしましょう……ウフフ」
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:07:51.48 ID:vd94f3f+O [34/35]
ムスタ「レーゼはアビリティで調教ができるよな?」
レーゼ「できるけど、あれはモンスターに使うアビリティであって…」
話術士「美しいレーゼさんならどんな相手にもできますよ…」ゴニョゴニョ
レーゼ「そうね、できるわよ……ウフフ……してほしいの?」
ムスタ「いや、姐さんに、アグリアスにしてやってくれ」
話術士「これは美しいレーゼさんにしかできないんですよ…」ゴニョゴニョ
レーゼ「任せて…完璧に調教してみせるわ……ウフフ……」
ムスタ「これで上手くいけば、皆で本部隊に帰ろうな!」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:24:32.00 ID:vd94f3f+O [35/35]
レーゼ「アグリアス?私よ、レーゼよ」コンコン
アグ「レーゼ!?レーゼなのか!?」
レーゼ「そうよ、入ってもいい?」
アグ「待ってくれ、すぐ開ける」ガチャ
レーゼ「アグリアス……無事だった?」
アグ「あぁ…レーゼ!来てくれて本当に嬉しい…!!」ガッシ
レーゼ「あらあら……今日のアグリアスは甘えん坊なのね…ウフフ……」
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 01:48:13.40 ID:ZVn45wViO [1/30]
アグ「良かった…本当に良かった……」
レーゼ「フフ……あら、アグリアス、風邪ひいてるの?」
アグ「実はそうなんだ。恥ずかしいものだな」
レーゼ「なんだか熱っぽいわ…」
アグ「頭も少し痛いんだ」
レーゼ「無理はいけないわ。ベッドで寝ましょう」
アグ「………そうだな」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 01:59:36.28 ID:ZVn45wViO [2/30]
レーゼ「さぁ、これでよし」
アグ「レーゼ、私がベッドに寝たのはいい」
レーゼ「えぇ」
アグ「しかしなぜ首輪がついているんだ?」
レーゼ「すぐにわかるわ」
アグ「外してくれないか?」ジャラジャラ
レーゼ「…何言ってるの?ダメよ」
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 02:05:40.89 ID:ZVn45wViO [3/30]
アグ「ど、どうして…??」
レーゼ「どうして、ですって!?」グイッ
アグ「うあッ!」
レーゼ「あなたは私に従っていればいいの」
アグ「どうしたんだレーゼ!?」
レーゼ「うるさいアグリアス!」バシッ
アグ「きゃあッ!」
レーゼ「なかなかかわいい悲鳴ね…」
245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 02:12:56.35 ID:ZVn45wViO [4/30]
アグ「なぜこんな事を!?」
レーゼ「生意気な目ね」バシッ
アグ「ひゃあぅ!」
レーゼ「私がご主人様なの。わかっていて?」ギュウウ
アグ「く…苦しい……」
レーゼ「私は仕事に熱心なの。反抗は許さないわ」
アグ「し、仕事……?」
レーゼ「そう。あなたの調教よ!」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 02:21:18.44 ID:ZVn45wViO [5/30]
レーゼ「アグリアスはもっと頭がいいと思っていたわ…」
アグ「レーゼ…?」
レーゼ「なのに、まだ利口じゃない!」バシッ
アグ「きゃああ!」
レーゼ「そろそろわかってきた?」
アグ「う……ぐすっ…ひっく…うぅ……」
レーゼ「さっきよりはまだマシな目になった」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:25:54.23 ID:ZVn45wViO [6/30]
レーゼ「こっちへいらっしゃい…」
アグ「い、嫌だ!」
レーゼ「……」バシッ
アグ「きゃいんっ!」
レーゼ「情けない声が出たわね。まるで犬だわ」グイッ
アグ「うぅ…ひっく……げほっ……」
レーゼ「とてもじゃないけど、聖近衛騎士団が出す声とは思えないわ」
アグ「わ、わかった……行く………」
レーゼ「そう。素直にこっちに来れば頭を撫でてあげるわ」ナデナデ
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:30:31.85 ID:ZVn45wViO [7/30]
アグ「私はどうしたらいいんだ……」
レーゼ「ただ大人しく、私に従えばいいのよ」
アグ「そんな…だってレーゼ、私達は仲間だろう?」
レーゼ「……仲間?」バシッ
アグ「……うああっ!」ビクビク
レーゼ「もうお尻が真っ赤よ?アグリアス……」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:37:12.60 ID:ZVn45wViO [8/30]
レーゼ「……あら?これ、スープ?」
アグ「……知るか」
レーゼ「アグリアス!」バシッ
アグ「きゃいん!」
レーゼ「お食べ」コト
アグ「……」
レーゼ「可愛いげのない子は嫌いよ?」
アグ「ううぅ……」ピチャピチャ
レーゼ「そう!それでいいの」
263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:45:01.86 ID:ZVn45wViO [9/30]
レーゼ「残さず食べないとダメよ?」
アグ「くぅぅ……」ピチャピチャ
レーゼ「音は立てないようにね」
アグ「……はむ…はむ……」ペロペロ
レーゼ「えらいわアグリアス!全部食べた!」
アグ「……」
レーゼ「もう反抗はしないわよね?」
アグ「……」
レーゼ「その聖剣で刃向かおうだなんて考えない方がいいわよ?私は聖吸収だから」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:58:17.35 ID:ZVn45wViO [10/30]
侍「戻って来ないでござる」
ムスタ「いい線行ってるんじゃないか?」
話術士「でも、少しアブナイ顔付きで部屋に向かったような…」
侍「相手がモンスターとあらば、拙者もあの顔になるでござる」
ムスタ「あれくらいの迫力じゃないと、飼い馴らせられないじゃじゃ馬なんだよ」
話術士「勧誘と調教じゃ、やっぱり違うのかなぁ…」
ムスタ「そうなんだろうな。ま、成功することを祈ろうぜ」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 08:05:22.44 ID:ZVn45wViO [11/30]
レーゼ「アグリアス、剣を貸して」
アグ「何をする気だ!?」
レーゼ「いいから貸すのよ」ギュウウ
アグ「くっ……」スッ
レーゼ「あなた、髪が長いわね。騎士が剣よりも髪の手入れに時間をかけてはいけないと思わない?」
アグ「な、なにをッ!」
レーゼ「結っている時間を省いてあげる…」ザクザク
アグ「レーゼェーーーーーーーーー!!」
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 08:18:21.78 ID:ZVn45wViO [12/30]
レーゼ「静かにしなさい、アグリアス…」
アグ「わ、私の髪が……髪が…」
レーゼ「少ししか切ってないじゃない」
アグ「そんな……」
レーゼ「あなたは騎士であることと女であること、どっちが大事なの?」
アグ「ど、どちらもだ」
レーゼ「欲張りさんね。でも、騎士の命である剣は私が持ってるし、女の命である髪も傷ついてしまったわ」
アグ「ぐすっ……ひっく……その…通りだ…うぃぃ……」
レーゼ「じゃあ、だらし無く泣いてる今のあなたは何者かしら…ウフフ……」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 08:31:04.67 ID:ZVn45wViO [13/30]
アグ「そんなの…わ…わからないよぉ……」
レーゼ「じゃ、教えてあげる」
アグ「ひっく……ひっく………」
レーゼ「騎士も女もやめて、私に従う存在になればいいの…」
アグ「レーゼに……ぐすっ…従う……?」
レーゼ「そうよ。もう剣を振るうこともないわ」
アグ「……ひっく……レーゼ…」
レーゼ「私に一生の忠誠を誓うのよアグリアス……ウフフフフフ」
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 08:43:39.09 ID:ZVn45wViO [14/30]
侍「心配になってきたでござる…」
ムスタ「大丈夫だって!女同士仲良くやってんだよ!」
話術士「いや、でも、嫌な予感しかしないんですが…」
侍「拙者も妙な胸騒ぎがするでござる…」
ムスタ「じゃあ見てくるしかねーだろ」
侍「拙者は嫌でござる」
話術士「ここは言い出した人が行くべきですよ…」
ムスタ「よーし任せろ!………………やっぱり三人で行こうぜ?」
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:21:15.90 ID:ZVn45wViO [15/30]
ムスタ「なぁ、ひとつ疑問なんだが……」
話術士「なんでしょうか?」
ムスタ「ドラゴンって、空を飛べたっけ?」
話術士「飛べませんよ」
ムスタ「じゃ、じゃあレーゼはどうやって来たっていうんだ?」
話術士「さぁ……?」
侍「あの目付きと殺気、人間離れしていたでござる………」
話術士「もしや、あの人はレーゼさんじゃない?……いや、そもそも人間ですらない!?」
ムスタ「まずいぞッ!そうだとしたら姐さんが危険だ!!」
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:25:46.90 ID:ZVn45wViO [16/30]
レーゼ「そう。あなたは私に忠誠を誓うの……」
アグ「忠誠を…忠誠………」
レーゼ「ほら、だんだんと理解できてきたでしょう?賢いアグリアスなら、ワカッテクレルワヨネ…」
アグ「私は…………うう……わた……し…は…?」
レーゼ「オイデ オイデ アグリア…ス アグリ アス」
アグ「わたし…は……レーゼの……レーゼ…?」
レーゼ「ラクニ ナレルワヨ… ウケケケケ」
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:29:29.68 ID:ZVn45wViO [17/30]
アグ「なんだ…?君は…………レーゼ…なのか…?」
レーゼ「ワタシハ レーゼ ヨ…? ウケケケケ」
アグ「目が醒めたぞ。危うく洗脳されるところだった」
レーゼ「サァ ハヤク チュウセイヲ…」
アグ「では、その剣に忠誠を誓おう。貸してくれ」
レーゼ「ダメヨ アグリアス… コレヲ ワタシタラ ワタシガ アブナイ」
アグ「決まりだな。私は貴様を殺す」
281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:33:55.11 ID:ZVn45wViO [18/30]
レーゼ「ワタシヲ コロス?ジョウダンハ ヨシテ」
アグ「息の根を止めてやるぞ化け物め」
レーゼ「ナマイキナ アグリアス… シンデモラウワ!」
アグ「本性を現したな!」
レーゼ「ダマレ! ジブンノ ツルギデ シヌガイイ!」ビュン
アグ「白刃取り!もどき!!」ピタァ
レーゼ「ナンダト!?」
アグ「その手、離すなよ……」ガシッ
レーゼ「シマッタ! マサカ ジブンニ―――」
アグ「無双稲妻突き!」
282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:36:32.54 ID:ZVn45wViO [19/30]
アグ「さすがに死んだか……」
アグ「自分を対象にすれば、聖剣技は無効」
アグ「しかし恐ろしい相手だった……」
アグ「3…2…1…0。クリスタルになったか」
アグ「体調が万全になった」キラキラ
アグ「こうなったら意地でも部屋からは出ないぞ」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:41:13.45 ID:ZVn45wViO [20/30]
ムスタ「アグリアス!俺だ!開けてくれ!」ドンドン
アグ「ダメだ。開けるな」
ムスタ「聞いてくれ!そいつはレーゼじゃないんだ!!」
アグ「フフフ……すでに殺してあるぞ。次の刺客は誰だ?ルカヴィか?」
ムスタ「違うんだ!俺達も騙されていたんだって!」
アグ「貴様も死にたくなかったら消え失せろッ!」
ムスタ「俺が悪かったって!メンゴメンゴ!!」
アグ「出て欲しいのならもっとマシな刺客を連れてくるんだな」
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:16:54.23 ID:ZVn45wViO [21/30]
ムスタ「あーあ、どーすりゃいーんだろーなー」
話術士「大人しく待ってれば、本当に誰かが探しに来てくれますって!」
侍「そして、アグリアス殿の部屋に挑戦していただくでござる」
ムスタ「アグリアスの部屋……なんちゅー難攻不落な要塞なんだ」
話術士「皮肉にもレーゼさんもどきが時間的に一番がんばれてました」
ムスタ「やっぱモンスター的な相性があるんだよ、きっと……お?誰かノックしてないか?」
話術士「聞こえます!いやぁ待ち人来たる!!誰か来ました!!」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:23:18.04 ID:ZVn45wViO [22/30]
ムスタ「はいはいどーなたさんですか、っと…」ガチャ
クラウド「…………俺だ…………」
ムスタ「…………ま、まぁ入れよ、ハハ…」
クラウド「……………………」スタスタ
話術士「し、心配して来てくれたんだねッ!?嬉しいなぁ!」
クラウド「…………そんなところだ」
侍「歓迎するでござる」
クラウド「…………」
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:31:16.80 ID:ZVn45wViO [23/30]
ムスタ「こういう事を聞くのもなんだが、お前はクラウド本人だよな?」
クラウド「………どういう意味だ…」
話術士「いや、さっきですね、偽物のレーゼさんが来たものですから!」
クラウド「…………疑うのか……じゃあ、俺の剣を預かってくれていい……」ガラン
話術士「信頼しても良さそうですね」
侍「いかにも」
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:35:43.75 ID:ZVn45wViO [24/30]
ムスタ「もう一つ質問だ。お前は一人でここに来たのか?」
クラウド「いや、全メンバーで来ている途中……俺だけはぐれたんだ…………」
ムスタ「全メンバーだと!?」
クラウド「そうだ…………お前達の捜索隊として動いている……書状も作った」ピラ
ムスタ「……シドのじーさんの字だ……完璧に本物だな…」
侍「話がかなり大きくなってしまっているでござるな……」
クラウド「……なぜ戻って来れないんだ……?」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:38:27.22 ID:ZVn45wViO [25/30]
ムスタ「実はな…………という訳なんだよ」
クラウド「…………興味ないね」
ムスタ「興味のあるなしじゃなくて、解決しねーと動けねーんだよ!」
クラウド「報酬が出るなら興味を持つ……それだけだ……」
ムスタ「ムカつく奴だなーお前!言い値を出すからとっとと行って来いよ、このチョコボ頭!」
クラウド「…………!」
ムスタ「どうした?早く行ってこいよ」
クラウド「……行ってくる」スタスタ
ムスタ「お、おい、剣は要らないのか?」
クラウド「…………そんなもの、くれてやる」スタスタ
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:41:05.16 ID:ZVn45wViO [26/30]
クラウド「…………」コンコンコン
アグ「…………」
クラウド「…………」コンコンコン
アグ「入ってくれて構わない」
クラウド「…………失礼する」ガチャ
アグ「ク、クラウドか……?」
クラウド「……………………俺だ」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:43:28.73 ID:ZVn45wViO [27/30]
話術士「上手くいきますかね?」
侍「信じて待つしかないでござる!」
ムスタ「そーそー」
話術士「でも、剣を持たずに行くなんて……」
侍「確かにこれでは戦えない…クラウド殿には、何か考えが?」
ムスタ「無愛想同士だしチョコボ同士だし、うまくいくんじゃねーの?アッハッハ!」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:45:38.41 ID:ZVn45wViO [28/30]
アグ(なぜクラウドがここに…………本人なのか?)
クラウド「…………」
アグ(む!あの独特な瞳の色は間違いなくクラウドだ)
クラウド「…………座っていいか?」
アグ「あ、あぁ、立たせてしまって悪かった。こっちに来て座ってくれ」
クラウド「…………」スッ
アグ(……普段あまりしゃべらないから、話題が見つからないな……)チラ
クラウド「…………」ジー
アグ(とてつもなく気まずいッ!!恐ろしい相手だッ!!!)
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:47:50.28 ID:ZVn45wViO [29/30]
クラウド(ところで俺は…………何をしたらいいんだ?)
アグ(……どうしたものか……)
クラウド(何もすることがないな…………)
アグ(……何か話した方が良いのだろうか……)
クラウド(この部屋……チョコボみたいな臭いだな)クンクン
アグ(この髪型……チョコボみたいな形だな)チラチラ
アグ&クラウド(不思議と親近感が湧いてくるぞ…………)
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:50:46.80 ID:ZVn45wViO [30/30]
アグ「そ、そうだ、紅茶でも出そう」
クラウド「あるのか?」
アグ「たまたま貰ったのだ。陰ながら我々を応援する人があちこちいてな……」コポコポ
クラウド「…………知らなかった」
アグ「だから路銀にも困る事は少ないし、貧しい思いもしていない」コト
クラウド「ありがとう…………美味い」ズズ
アグ「私の紅茶だ。美味くて当然……」ズズ
クラウド「…………」ズズ
330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:09:21.65 ID:16/5K5euO
アグ「だから孤立無縁になる状況も…あまりない」
クラウド「…そうか。俺はこの世界の存在ではなかったからな。知らない事も多い」
アグ「クラウドはよく異邦人として見られているが、住んでいた世界そのものが違うように思う。どうだ?」
クラウド「……正解だ。世界中を探しても、この世界に俺の国はない」
アグ「やはり。…話す機会がなかったが、実はクラウドについて聞きたい事がたくさんあるんだ」
クラウド「…………答えられる範囲なら、何でも答える」
アグ「本当か?」
クラウド「あぁ。俺はそのために来たのかもしれない」
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:24:57.84 ID:Tx9CEg65O [1/43]
アグ「クラウドは騎士ではなく、ソルジャーと言ったな」
クラウド「あぁ」
アグ「それは誰かに忠誠を誓って剣を振るうのか?」
クラウド「違う。誰かに忠誠を誓って振るうことはない。単に仕事だからだ」
アグ「では剣を誰に授かるんだ?領主や王から貰い受けたり、儀式を行ったり…」
クラウド「剣?武器の類なら勝手に至急されるだけなんだ。状況によっては奪うこともある」
アグ「奪うのか!?……ソルジャーは山賊に近いのか?」
クラウド「山賊…………フフッ……まぁ、そうかもな」
335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:32:03.33 ID:Tx9CEg65O [2/43]
アグ「失礼な事を言ってしまったようだ…………すまない」
クラウド「謝る事はない。ただ、誇りや信念は持っている。山賊のように裏切るような事はしない」
アグ「本当にす、すまない…………」
クラウド「からかいがいがあるな、アグリアスは」
アグ「よく言われる」
クラウド「フフッ」
アグ「フフフ…」
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:42:19.11 ID:Tx9CEg65O [3/43]
クラウド「話を続けよう。俺からも質問する」
アグ「なんでも聞いてくれ」
クラウド「アグリアスは俺が来る以前に、異世界の存在を考えた事はあるか?」
アグ「あまりないな…………夢物語程度にしか考えていなかった」
クラウド「俺もだ」
アグ「そうなのか?」
クラウド「あぁ。だが俺は自分の世界とアグリアス達の世界、更にそれらとも違う世界を知っている」
アグ「イヴァリースとも更に…違う?」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:49:45.22 ID:Tx9CEg65O [4/43]
クラウド「今よりも少し先の話になる。アグリアスはその世界へ行く事になるさ」
アグ「私が!?」
クラウド「あぁ。俺にとっては過去の世界だが、そこで見たんだ。未来のアグリアスと、そして未来の―――ラムザを」
アグ「本当か!?」
クラウド「あぁ。まったく違う世界で二人に会い、そして共闘した。皆古臭い甲冑を着てな」
アグ「私とラムザが、こことは違う世界に?」
クラウド「俺はこの世界に召喚されて来たんだ。それが君達に起こっても不思議じゃない。そうだろ?」
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:00:46.09 ID:Tx9CEg65O [5/43]
ムスタ「おい、帰って来ないぞあの鳥頭」
話術士「食べられちゃったんですよ、きっと」
侍「いやいや、意外と鳥同士で仲良くしてるかもしれないでござる!」
ムスタ「お互いを毛づくろいしてたりしてな!ククク!」
話術士「まじゅう語で話してるかもしれませんよ?クエッ!クエッ!クエッ!」
ムスタ「アハハハハ!見てぇーよそれ!!すげー見てーけど、見たら今度こそ殺されるだろうな!俺!」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:13:12.10 ID:Tx9CEg65O [6/43]
アグ「そ、そうかもしれないな……私とラムザが異世界に行く可能性も……ないとは言えない」
クラウド「あの世界は、見る物すべてが不思議に満ちていた…」
アグ「例えばどんなだ?何があった?」
クラウド「それは言えない。自分の目で見るといい」
アグ「そ、そこまで言っておいて隠すのか!?ずるいな!」
クラウド「いずれ見るんだ。今のうちに夢物語として想像を膨らませるといいさ」
アグ「むむむ………意地悪だな…」
クラウド「得意の花占いで未来を見てみたらどうだ?」
アグ「何ッ!?なぜ私の趣味を知っているんだッッ!!??誰にも話した事はないんだぞッッ!!?????」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:26:51.07 ID:Tx9CEg65O [7/43]
クラウド「それも言えないな」
アグ「頼む答えてくれ!お願いだ!!どどど、どうやって知ったんだぁぁ!!!」
クラウド「かわいい趣味だ……悪くないと思う」
アグ「長年秘密にしているんだぞ!新参者の貴様がなぜ知っているんだ!ぁぁ!」
クラウド「ハハ、別になんだっていいじゃないか……」
アグ「この口で答えろッ!」ムニー
クラウド「ひゃ、ひゃめろ!」ギュー
アグ「ちょ、ちょたえりょ!!ひゃやく!!」ペチンペチン
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:38:20.32 ID:Tx9CEg65O [8/43]
ムスタ「だいたいあの二人は愛想ってものを知らねーよ」
侍「何を考えてるかわからないでござる」
話術士「いっつも寂しそうな暗い顔をしてるんですよ!ほっとんど笑わないし!」
ムスタ「でもその儚げなのが姐さんのかわいーところなんだよ!!」
侍「ムスタディオ殿は変わった趣味をしてるでござるな」
話術士「ほんとですよ」
ムスタ「アハハハハハ!そうかもしれねぇ!!」
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:54:05.16 ID:Tx9CEg65O [9/43]
クラウド「うーん…長旅で疲れた……少し寝てもいいか?」
アグ「か、勝手にしろ……!」
クラウド「………ふぁあ……」
アグ「私も眠いな……眠ろう……」
クラウド「……アグリアス、狭いぞ。ベッドから出てくれ」
アグ「何を言う。私のベッドだ」ムニー
クラウド「…意地でも寝てひゃるぞ……」
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 02:04:40.30 ID:Tx9CEg65O [10/43]
アグ「わ、私がベッド寝るんだ!貴様はイスで寝ろ!!」
クラウド「イス?……興味ないね」
アグ「興味の問題ではない!」
クラウド「じゃあこうすればいい…」ギュッ
アグ「!!!」
クラウド「これだけ近ければベッドも狭くはないだろう」
アグ「は、離せッッ!クラウド!クラウド!!」
クラウド「……Zzz……」
アグ「寝るなクラウド!……くっ!ぬ、抜け出せない!!」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 02:14:50.02 ID:Tx9CEg65O [11/43]
アグ(こんな状態、緊張で寝られるわけがない!)
クラウド「……Zzz……」
アグ「おおお起きろクラウド!馬鹿者!!」
クラウド「……ムニャムニャ……」
アグ(まずいッ!緊張でおしっこがしたくなってきた!)モジモジ
アグ「私はイスでもいいからッ!とりあえず離してくれクラウド!!」
クラウド「……Zzz……」
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 02:24:43.65 ID:Tx9CEg65O [12/43]
アグ(こういうのは勢いが重要だ…)
アグ「せーの!とぁぁ!」
クラウド「…ムニャ…」ギュウウ
アグ「ふぁッ!?くそッ!」
アグ(まずいぞ!!なんて力だ……!!)ギュウギュウ
アグ(このアグリアス、騎士人生最大のピンチかもしれん)
アグ(しかし!なんとしても、おしっこをしてみせる!)
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 02:32:05.47 ID:Tx9CEg65O [13/43]
アグ(しかし作戦もなにもないだろう…)
アグ(相手の呼吸に合わせ、タイミング良く脱出するだけだ)
アグ(簡単だ……そう、簡単なはずだ……)
クラウド「すぅ……すぅ……」
アグ(今だ!)バッ
クラウド「…ムニャ!」ガッシ
アグ「ああ!?あああッ!?」ショ
アグ(まずいッ!……………ちょっとだけ、出たッッッ!!)
373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:14:12.05 ID:Tx9CEg65O [14/43]
アグ(お、落ち着くんだアグリアス……そう、今のは事故だ。よくある事だ……ほんの少しじゃないか)
アグ(引いてだめなら押すだけだ)
クラウド「……Zzz……」
アグ(呑気な顔だな!……鼻に噛み付いてやろう)ガブ
クラウド「いて」
アグ「ク、クラウド、その手を離してくれ。わ、私はだな、イ、イスで、その、寝ようと思うんだ」モジモジ
クラウド「別に気にすることはない」
アグ「た、確かにそうだが、気にする、とかそういったあのアレではないんだ。事態は一刻を争う」ソワソワ
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:16:57.20 ID:Tx9CEg65O [15/43]
クラウド「……Zzz…」
アグ「ね、寝るなクラウド!」ガブ
クラウド「いてて」
アグ「私の目を見ろ……よーく見ろ…お、お前ならわかるはずだ……私が今どんな状況なのか…」ソワソワ
クラウド「………涙目だ………」
アグ「なぜ涙目になっていると思う……そこが一番大事だ……わかるな?」モジモジ
クラウド「………あくびでもしたんだろう」
アグ「違うッ!!あッッ!?」ショ
375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:20:10.37 ID:Tx9CEg65O [16/43]
アグ(叫ぶとマズイ!!!)
クラウド「………静かにしてくれ」
アグ「手を離すんだクラウド……これは警告だ」
クラウド「……何を言ってるんだ…?なぜ小刻みに震えてるんだ?」
アグ「えーっとだな、その、なんだ、つ、つまりだな………は、恥ずかしくて言えるか馬鹿者ッッッ!!!」
クラウド「……よくわからないが…手を離そう」パッ
アグ(間に合ってくれ!!)ダッシュ
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:23:53.46 ID:Tx9CEg65O [17/43]
アグ「ギリギリセーフだった………」
クラウド「なんだ、小便に行きたかったのか」
アグ「!!!」
クラウド「はっきりそう言わないのが悪いのさ」
アグ「黙れッッ!!それ以上言うな!!」
クラウド「なぜ言わなかった?一言、小便がしたいと言えば済む話だろう?」
アグ「クラウド!!貴様、許さんぞ!!!!」
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:27:06.77 ID:Tx9CEg65O [18/43]
クラウド「………冗談はやめろ」
アグ「貴様は私の誇りを汚した……ゆ、許さんぞ………」
クラウド「待て、丸腰の俺をどうする気だ」
アグ「服を脱げ」
クラウド「………?」
アグ「聞こえなかったか?早くしろ!!!」
379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:32:32.58 ID:Tx9CEg65O [19/43]
クラウド「脱いだぞ」
アグ「向こうを向け」
クラウド「………」クルリ
アグ「………」ゴソゴソ
クラウド「………着替えか?」
アグ「そうだ……これでよし」
クラウド「それでソルジャーにでもなったつもりか?」
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:41:13.78 ID:Tx9CEg65O [20/43]
アグ「そう見えるか?」
クラウド「中身は騎士だけどな」
アグ「言っておこう。貴様は得体も知れないし、私達についても詳しすぎる。非常に怪しい存在だ」
クラウド「なんだとッ!?」
アグ「そして何より、私を辱めた罰として貴様には消えてもらうぞ!!!」
クラウド「小便くらいで怒るんじゃない!」
アグ「い、言うな!!」ドスッ
クラウド「ぎゃあ!」
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 12:34:30.78 ID:Tx9CEg65O [21/43]
クラウド「服を返せ」グイグイ
アグ「ど、どこを触っている!!」バシバシ
クラウド「いいから大人しく脱げ」グイグイ
アグ「ああッ!」ビリビリ
クラウド「俺の服が破れてしまった……」
アグ「う~~~~~~!!」
クラウド「なんで尻にあざがあるんだ?首輪のような跡もあるな………」
アグ「見るなッッ!」ドスドス
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 12:39:06.13 ID:Tx9CEg65O [22/43]
アグ「貴様など元の世界に帰ってしまえッ!」
クラウド「呼んだのはそっちだ………」
アグ「来たお前が悪いッ!何をしに来たんだ!」
クラウド「よくわからない………」
アグ「情けない奴だな!ソルジャーというのは貴様のような輩しかいないのか!」
クラウド「なんだと!そんなだらしない腹をしている騎士に言われたくはない!」
アグ「黙れ!」ドスッ
クラウド「うぎゃあ!」
392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 12:52:55.72 ID:Tx9CEg65O [23/43]
クラウド「フン、そうやってすぐ暴力で黙らせようとするなんて、野蛮そのものだな」
アグ「クラウドのくせに生意気言うなッ!貴様はたいした戦力でもないだろう!」
クラウド「あまり大きな声を出さない方がいい。しゃべる度に腹が揺れてみっともない」
アグ「揺れてない!」
クラウド「揺れているだろ………」ムニムニ
アグ「あっバカッ!腹をもむ奴があるか!!きゃあ!」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 13:00:03.22 ID:Tx9CEg65O [24/43]
クラウド「君だってシド伯の影に隠れてコソコソやっているだけじゃないか」
アグ「ち、違う!私はだな、その、部隊をまとめたりとか作戦を考えたりとか、い、色々忙しいんだ!」
クラウド「忙しいと言う割には、こんな宿に引きこもってのんびりしてるんだな」
アグ「黙れ黙れッッ!!き、騎士には休息も必要なんだ!」
クラウド「それで訓練をなまけた結果、腹がたるんでしまった、と?」
アグ「クラウド!なんで貴様はそんなにもひねくれているんだ!!」
クラウド「似た者同士じゃないか」
アグ「同じにするな!」バキッ
クラウド「はぶっ!」
398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 13:32:34.03 ID:Tx9CEg65O [25/43]
アグ「私は……ひっく………腹……出てない……ぐすっ…」
クラウド「おやおや」
アグ「たるんで…なんか………ない…えぐっ……!」
クラウド「情けないのはどっちかな」
アグ「うるさい!………でていけ!!」
クラウド「わかったよ泣き虫お嬢さん」
アグ「ひっく………ひっく……うぃぃ…」プシュン
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:11:37.44 ID:Tx9CEg65O [26/43]
ラムザ「う…うーん………」
ムスタ「げげ!ラムザが起きやがった!」
ラムザ「あれ…アルマは??」
ムスタ「今クラウドが頑張ってる」
クラウド「戻ったぞ」
ムスタ「あ!帰ってきた」
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:13:33.34 ID:Tx9CEg65O [27/43]
ムスタ「お前なんでパンツ一丁なんだ?」
クラウド「成り行きで服を奪われてこうなったんだ………」
ムスタ「どんな成り行きだよ、お前…」
ラムザ「ねぇ!どうなったの!?」
クラウド「泣かせてやった」
ラムザ「な、何だって!!?」
クラウド「あまりに生意気だから、軽くいじめてやったんだ………」
418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:17:21.16 ID:Tx9CEg65O [28/43]
ムスタ「俺は部屋から出して来いって言ったんだぞ!?」
クラウド「気が付いたら口論になってて………それで泣かせてた。とりあえず剣と報酬をくれ」
ラムザ「アルマをいじめたなあああああああああああ!!!!!」ドカッ
クラウド「うおおおおおおおお!?」
ラムザ「死んでしまえッッ!!!」ドムッドムッ
クラウド「ぐはあああああああ!!!!」
ムスタ「ラ、ラムザ!!」
419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:28:38.35 ID:Tx9CEg65O [29/43]
クラウド「こんなところ出て行ってやる!!二度と来るものか!!」ダダダダ
ムスタ「………パンツだけで行っちまった」
話術士「とりあえずラムザさんは眠らせました」
ラムザ「………アルマ……Zzz…」
侍「ラムザ殿にも早く治ってもらいたいでござるな………」
ムスタ「姐さんも部屋から出てこないままだしな。状況はあまり良くないぜ」
侍「こういう時は」
話術士「待つのが一番!」
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:30:42.95 ID:Tx9CEg65O [30/43]
ムスタ「だーれか来ねーかな………」
話術士「そーですね………」
侍「…!?何か良からぬ気配が!!」
話術士「え?え?」
ムスタ「誰もいないぞ?」
侍「むーん………………そこ!」
ムスタ「ゴキブリだッッ!」
G「!!」カサカサ
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:01:14.95 ID:Tx9CEg65O [31/43]
G「………」カサカサカサカサカサカサ
ムスタ「デカッ!速ッ!気持ち悪ッッ!!」
侍「ここは拙者が!」ビュンビュン
話術士「あ、逃げます!!」
侍「どこでござるか?」
ムスタ「戸棚の裏だ!」
侍「いないでござる!!不覚ッ!」
話術士「嫌なのが来ましたね………」
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:06:56.25 ID:Tx9CEg65O [32/43]
アグ「……ひっく…ぐすっ……」
アグ「クラウドに………いじめられたぁ………………」メソメソ
G「………!」ジャジャーン
アグ「…私の腹は…ひっく……そんなに出ているのか………?」ポヨポヨ
G「………」カサ
アグ「いや、それほどではないはず………」プニプニ
G「………」カサカサカサカサ
アグ「!?………今、何か通り過ぎた………」
G「………」ブー-----ン
アグ「いやあああああああああああああ!!!!」
428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:14:37.61 ID:Tx9CEg65O [33/43]
G「………」カサカサ
アグ「いつもなら誰かが倒してくれるのだか………」
G「………」
アグ「い、今はそんな事を頼める人はいない」
G「………」
アグ「あの触覚の動き、見てるだけで不快だ………まさに最悪の刺客……ラムザに泣きつきたい……」
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:23:46.75 ID:Tx9CEg65O [34/43]
ムスタ「ん?ノックの音が聞こえる!誰か来てくれたぞ!」
侍「……」ガチャ
話術士「だ、誰ですか?」
侍「からくり人形が来たでござる」
労働八号「ピピ」
ムスタ「また変なのが来たな………」
432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:32:56.26 ID:Tx9CEg65O [35/43]
ムスタ「死なない点では向いてるかもな」
労働八号「ピピ」
ムスタ「おい、向こうの部屋にアグリアスがいるから見てこい。わかるか?アグリアス。アグリアスだ」
労働八号「バカニ スンナ チョンマゲ! マタ ヤッツケルゾ」
ムスタ「お前マジでムカつくな」
話術士「お願いします!」
侍「拙者からも頼み申す」
労働八号「シカタ ネエナ」
433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:44:38.11 ID:Tx9CEg65O [36/43]
アグ「よ、弱音は吐くな、アグリアス………」
G「……」
アグ「たた、たかが、む、虫一匹、倒してみせるッ!」
G「………」ジー
アグ「動くな…動くなよ……」
G「………」
アグ「とぁっ!!」バシ
G「………」シュン!
アグ「きゃああああああああ!!!!」
434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:59:13.52 ID:Tx9CEg65O [37/43]
労働八号「ヘヤノ ナカガ サワガシイナ」ガチャ
アグ「ろ、労働八号!!頼む!!ゴキブリを破壊してくれ!!」
労働八号「リョウカイ」ギュイイイ…
G「!」ボンッ
アグ「た、助かった…」
労働八号「コンナノ モンスターヨリ ズット ヨワイノニ…」
436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 21:12:57.42 ID:Tx9CEg65O [38/43]
アグ「よくやったぞ!!」ナデナデ
労働八号「ツギノ メイレイヲ クレ」
アグ「ムスタディオ達は何をしていた?」
労働八号「ゴキブリ サガシニ ムチュウ」
アグ「お前はどうやってここまで来たんだ?」
労働八号「ゼンインデ ラムザタチヲ ソウサク シテイタ」
アグ「そうだったのか………」
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 21:21:30.42 ID:Tx9CEg65O [39/43]
労働八号「ツギノ メイレイハ? チョンマゲデモ ヒッコヌクカ?」
アグ「そうだな、奴らに気付かれないように宿を抜け出して、全員を集めてくれ」
労働八号「ヨビアツメタ アトハ?」
アグ「さみしいからこの部屋に戻って来てくれ」
労働八号「リョウカイ」
アグ「あ!それと………」
労働八号「?」
アグ「何でもいいから、花を持って来てくれ」
労働八号「ソレモ リョウカイ」
441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 21:39:06.17 ID:Tx9CEg65O [40/43]
ムスタ「ゴキブリ、いたか?」
話術士「いいえ、いません………」
侍「どこかに潜んでいるに違いないでござる!!」
話術士「一匹見たら何十匹もいますよ、きっと………」
ムスタ「必ず見つけだせ!!」
労働八号(アホドモメ)ソロリソロリ…
443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 21:58:43.16 ID:Tx9CEg65O [41/43]
労働八号「ゼンイン モリニ イルハズ…」
シド「おお!いたか。探したぞ」
労働八号「ラムザタチノ ブジヲ カクニン シタ」
メリア「みんな無事なの!?」
レーゼ「良かったわ…」
ベイオ「で、どこにいるんだ?」
労働八号「マチノ ヤド」
シド「わかった。全員を集めて迎えに行くぞ」
労働八号「アトハ ハナ ダナ」
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 22:20:21.44 ID:Tx9CEg65O [42/43]
労働八号「ハナ… ハナ…」
花売り「ね、お花いらない?たったの1ギルよ。」
労働八号「ホシイ! デモ オカネ モッテナイ」
花売り「残念ね………」
悪漢「さがしたぜ、エアリス…。今日もオフクロさんのために花売りかい?」
花売り「お願い、あと10日…、ううん、1週間でいいから待って」
悪漢「ふざけるな!期限はとっくに過ぎているんだ!貸した30000ギル、耳をそろえて返してもらおうか!」
労働八号「マァ オチツケヨ オッサン」
悪漢「うるせぇな!」ゴツン
労働八号「イテー」
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 22:28:56.21 ID:Tx9CEg65O [43/43]
花売り「は、離して…!」
クラウド「待てッ!!」バーン
花売り「キャアア!変態!!」ダッシュ
クラウド「あッ!待ってくれ!」
悪漢「なんだパンツ野郎…!花売りが逃げちまったじゃねーか!」
クラウド「パンツ野郎じゃない、クラウドだ!」
悪漢「ほう…、よくみたら結構イイ男じゃねぇか!こりゃ、花売りより楽しめそうだな…イヒヒヒヒヒヒ…。」
クラウド「な、何をするッ!!離せッ!離せーーーーーーーッ!!」
労働八号「イッテ シマッタ… ハナハ アキラメヨウ」
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 08:46:40.14 ID:fFDf46ZgO [1/66]
労働八号「………ヤド ニ トウチャク」ガチャ
ムスタ「うーん…………」
シド「むむむ………」
ベイオ「あぁ……レーゼ…」
労働八号「ナンダナンダ ドウシタンダ」
ムスタ「いたいた!お前どこ行ってたんだよ………」
労働八号「ベツニ ドコデモ イイダロ」
ムスタ「まぁいい、聞け。大変なことになった………」
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 08:57:21.66 ID:fFDf46ZgO [2/66]
ムスタ「メンバー全員が合流したところで、アグリアスが部屋から出てこない事を話したんだ」
労働八号「ウン」
ムスタ「出てこない理由がわからねーから、宿であったことを全部話したら、女が全員敵になっちまったんだ」
労働八号「ソレハ フシギダ」
ムスタ「だろ?だから俺達はこーして女が敵になってしまった理由を考えているわけなんだよ」
労働八号「アグリアス ダケ ジャナク オンナ ガ ゼンイン ヒキコモリ?」
ムスタ「そうそう!お前わかってるじゃねーか!」
労働八号「バカニ スンナ チョンマゲ! マタ ヤッツケルゾ」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 09:10:16.17 ID:fFDf46ZgO [3/66]
シド「無理に連れ出したとしても、団結力がなければまともに戦う事など不可能……」
ムスタ「だからこうやって、解決策を考えてるんだ」
ベイオ「あぁ…愛しいレーゼ……」
算術士「計算しても答えが出ない…」
ラムザ「……Zzz…」
労働八号「ピピ トリアエズ アグリアス ニ アッテクル」
ムスタ「やっぱりお前だけが頼りだ!労働八号ちゃん!」
労働八号「チョウシノ イイヤツ ダナ…」
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 09:24:10.71 ID:fFDf46ZgO [4/66]
労働八号「…………」コンコンコン
メリア「男は入れないぞ」
労働八号「ピピピピ…」
アグ「開けてやってくれ」
労働八号「タダイマ アグリアス」ガチャ
アグ「ご苦労だった」
労働八号「ハナハ シッパイ シタ」
アグ「いいんだ。ちゃんと帰ってきてくれて嬉しい」
労働八号「ソレハ セイコウ シタ」
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 09:34:44.43 ID:fFDf46ZgO [5/66]
労働八号「ナンデ ナカマワレ シテルンダ」
風水士「だってひどいのよ!チョコボ臭いだの腹がたるんでるだの、信じられない事を言ったそうよ」
メリア「前からそうよ。ドアもノックせずに平気で開けたりもする」
踊り子「デリカシーっていうのが足りないの!ね?アグリアス…」
アグ「ま、まぁ………そうだな………」
風水士「だから部屋に閉じこもる事にしたの。男達が自分達の愚かさに気付くまで」
労働八号「ニンゲンッテ メンドクサイ イキモノダナ」
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 10:56:28.57 ID:fFDf46ZgO [6/66]
風水士「あなたはあたし達の味方よね?」
労働八号「メイレイ ナラ キクゾ」
踊り子「良かった!早速だけど食料とか生活用品とか買ってきて!」
労働八号「リョウカイ」
レーゼ「できればベイオウーフの様子も見てきてね…」
労働八号「リョウカイ」
風水士「この任務は男達には内緒ね?」
労働八号「ピピ リョウカイ」
498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:10:12.22 ID:fFDf46ZgO [7/66]
ムスタ「戻ってきた!どうだった?」
労働八号「ヒミツダ」
ムスタ「こっ!こいつ!!」
労働八号「ヒミツニ シロト イワレタ」
シド「味方にはなってくれないようだな…………」
労働八号「ソウイウ コト! デカケテクル」ガチャ
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:18:14.75 ID:fFDf46ZgO [8/66]
ムスタ「なんなんだよあのポンコツは!!」
侍「今の命令が完了したら、次は我々が命令すればいいでござるよ」
ムスタ「それも………そうだな。待つしかないか」
ラムザ「ううーん………」
シド「おおラムザ、寝てないで起きるんだ」ユサユサ
ムスタ「じーさん!起こしちゃダメだッ!」
ラムザ「アルマァァァァァ!!」
ムスタ「しまったァ!!」
ラムザ「今行くよアルマ!!」ダッシュ
ムスタ「し、知らねーぞ俺は………」
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:27:36.95 ID:fFDf46ZgO [9/66]
ラムザ「アルマァァァアアアァァ!ドアを開けてくれッ!!」ガチャガチャ
メリア「ラ、ラムザ!?妹のアルマは確か敵に捕まっているはずじゃ………」
レーゼ「どういう事なの………?」
ラムザ「お願いだアルマッッ!!僕が服を着替えさせてあげるから!!」
アグ「!!」
風水士「アグリアス、顔が真っ赤よ?」
アグ「ラ、ラムザは入れてやってくれないか?」
メリア「状況がまったくわからないけど、アグリアスがそう言うのなら………」ガチャ
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:38:29.76 ID:fFDf46ZgO [10/66]
ラムザ「あれ?人がいっぱいいる………」キョロキョロ
アグ「ラムザ………」
ラムザ「アルマ!心配したよ………」
メリア「アグリアスが、アルマ!?」
踊り子「訳がわかんないよー」
ラムザ「アルマはアルマだよ?」
レーゼ「なんだかラムザの様子、おかしくない?」
アグ「わ、私のせいなんだ………」
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:50:20.91 ID:fFDf46ZgO [11/66]
アグ「アルマアルマとうるさいから、つい殴ってしまったんだ」
竜騎士「な、なかなか過激な事をしたんですね」
アグ「そうしたら打ち所が悪かったのか、ショックで私をアルマと勘違いするように………」
メリア「やっと理解できたわ」
レーゼ「では、ラムザを治してあげないと………」
アグ「その後も何発か殴ったんだが、ダメだった」
竜騎士「殴っちゃかわいそうですよ!」
505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:58:16.88 ID:fFDf46ZgO [12/66]
ラムザ「ア・ル・マ~~~~~♪」ナデナデ
メリア「なんて幸せそうな顔………。メロメロね」
アグ「死ぬほど恥ずかしい…」カァァァ
ラムザ「肩車してあげたり、スープをフーフーして食べさせてあげたりしたんだよ!!」
アグ「言うなラムザッッ!!」ガシッ
ラムザ「むぐむぐ!!」
竜騎士「ラムザさん、意外と大胆なんですね!!」
風水士「まるでお姫様じゃない!!いいなーっ!あたしもしてほしーなーっ!!」
511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:15:03.96 ID:fFDf46ZgO [13/66]
竜騎士「ほっ、他には何をしたんですかッッッ!!」
ラムザ「……むぐむぐ」ペロ
アグ「きゃあ!て、手をなめるな馬鹿者ッ!」
ラムザ「えーっとね、エナビア記を読んであげたり、一緒にお風呂に入ったり………」
竜騎士「くっはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
風水士「聞いてる私達が恥ずかしくなるよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:21:35.12 ID:fFDf46ZgO [14/66]
ラムザ「………でもアルマには冷たく追い出されてしまったんだ」
風水士「アグリアスひどいッ!だから貴方は所詮アグリアスなのよ!!」
アグ「ど、どういう意味なんだそれはッッ!!!??」
踊り子「まだ何かあるでしょ!?教えて!!」
ラムザ「あとは………鼻をかんであげたり、服を着替えさせて汗を拭いてあげたり…」
踊り子「きゃあああああああん!!!」
竜騎士「きゃあああああああん!!!」
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:30:49.16 ID:fFDf46ZgO [15/66]
風水士「ずるいわアグリアス!!こんなに妹思いの兄さんを一人占めするなんて!!」
竜騎士「だからいつまでも本部隊に帰って来なかったんですね!!??」
アグ「ち、違うッッ!!かか、風邪をひいてしまってだな!!!」
風水士「はっは~~ん!完全にラムザにお熱なのねこの子ったら!もう!!」
踊り子「わかるわアグリアス!恋の病になったんなら、私だって本部隊なんか見捨てちゃう!!」
アグ「ううう~~~~ッッ!!」ジタバタ
竜騎士「枕に顔をうずめてもダメです!!」
風水士「その子はもう放っておきなさい!!ラムザはあたし達といるんだから!」
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:36:37.21 ID:fFDf46ZgO [16/66]
風水士「ねぇラムザ、アグリアスが風邪ひいたって本当なの?」
ラムザ「うん。熱が出てたから看病してあげてた」
竜騎士「うぅ………なんだか熱っぽくなってきましたぁ………」
風水士「あたしも頭が痛くなってきた………ラムザ、看病して………?」
ラムザ「だ、大丈夫!?」
竜騎士「大丈夫じゃないです………苦しい………」
風水士「うぅ………ラムザがフーフーしたスープを飲めば治るのに………」
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:44:09.23 ID:fFDf46ZgO [17/66]
労働八号「ショクリョウ ハ カエタ」ガサガサ
労働八号「セイカツ ヨウヒン ッテ ナンダ??」
労働八号「ウーン フクヤ ニ イコウ」
労働八号「ヤッキョク ニモ イコウ」
労働八号「ケショウヒン モ ヒツヨウ カナ」
労働八号「ナカナカ ムズカシイナ」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:49:06.64 ID:fFDf46ZgO [18/66]
労働八号「ヨウヤク ヤド ニ トウチャク」ガチャ
ムスタ「なんだ??その大量の荷物は………」
労働八号「ナイショ ニ シロ ト イワレテル」
侍「見せるでござる!」ヒョイ
ムスタ「なんだこれ?………食料はわかるとして、食器やら洗濯ばさみやら、買う意味がわからねーよ」
労働八号「カエセ!」ヒョイ
520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:56:10.45 ID:fFDf46ZgO [19/66]
労働八号「アケテ クレ」コンコンコン
レーゼ「あら、帰ってきた」ガチャ
労働八号「イロイロ カッタ」ゴチャゴチャ
レーゼ「本当に大量に買ってきたのね………」
メリア「きっと私達が何を買ったらいいのか具体的に言わなかったからね」
労働八号「スマン」
レーゼ「いいのよ」
521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 13:11:25.08 ID:fFDf46ZgO [20/66]
労働八号「ハナ ハ ナカッタ… ソレト ベイオウーフ ハ ガチ デ ヘコンデ イタ」
レーゼ「あぁ…ベイオウーフ………!!」
メリア「悪いけど耐えて下さいレーゼさん………これは非常に重要な問題なんです」
レーゼ「そうね…仕方ないわ……ごめんなさい」
労働八号「アト カッタモノ アイツラ ニ スコシ ミラレタ」
踊り子「やっぱり!デリカシーがないからそういう事するのよ!!」
竜騎士「ますます反省してもらわないとダメですね!!」
労働八号「でりかしー ハ ウッテ ナカッタ」
526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:36:04.21 ID:fFDf46ZgO [21/66]
踊り子「ところで何を買ってきたの?」ガサガサ
竜騎士「食べ物がたくさんありますね」
風水士「そうだ!ラムザにスープ作ってもらいましょう!」
ラムザ「僕が?」
風水士「そうそう!ね?おねが~い」
ラムザ「いいよ」
踊り子「やったぁ!」
竜騎士「嬉しくてジャンプしたい気分です!」ピョンピョン
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:40:02.33 ID:fFDf46ZgO [22/66]
風水士「誰が一番最初に食べるかジャンケン!」
踊り子「ジャンケンポン!」
風水士「やったぁ一番♪」
竜騎士「二番ですか…」
踊り子「最後かぁ~~~」
メリア「レーゼさん、これからどうしましょう………」
レーゼ「ベイオウーフ………さみしいわ………」
メリア「あ、これはダメだな………」
528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:42:32.85 ID:fFDf46ZgO [23/66]
ラムザ「出来たよ」
風水士「来たぁぁぁぁぁッ!」
ラムザ「はいどうぞ」コト
風水士「違うわラムザ。食べさせて………?」
ラムザ「僕が?」
風水士「そうよ。あ~~~ん………」
ラムザ「わかったよ」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:49:12.02 ID:fFDf46ZgO [24/66]
風水士「きゃあっ!?熱すぎて火傷しちゃうわ………。フーフーして………?」
踊り子「バカ!白々しい嘘はやめなさいよ!別に熱くないでしょ!!」
竜騎士「後がつかえてるんです!!早くしてください!!!」
風水士「うるさいわね!!敗者は大人しく待ってなさいよ!!!」
ラムザ「………」フーフー
風水士「あ~~~ん………パク………美味しい!!」
ラムザ「よ、良かったね」
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:57:29.96 ID:fFDf46ZgO [25/66]
風水士「ね、お兄ちゃん、もう一口ちょうだい?」
踊り子「ダメよ!!一口ずつにしなさい!!アンタなに調子に乗ってんのよ!!」
竜騎士「しかもいつから妹になったんですかッ!!」
風水士「別にいーじゃない!言った者勝ちよ!!」
竜騎士「次はあたしの番なんですよ!!ね?お、お兄ちゃん………」
ラムザ「う、うん………」
534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:07:32.28 ID:fFDf46ZgO [26/66]
竜騎士「お兄ちゃんのスープ、私にもください………」
ラムザ「うん………」
竜騎士「ちゃんとフーフーしてくださいね?」
ラムザ「………」フーフー
竜騎士「あ~~~ん……ゴクゴク………美味しい…」
ラムザ「元気なんだから自分達で飲んでよ」
踊り子「そんなのやだぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:13:40.61 ID:fFDf46ZgO [27/66]
踊り子「早くッ!早くちょうだい!」
ラムザ「………」フーフー
踊り子「パクッ………ズズズ………はぁ………」
ラムザ「もうやめていいかな?」
風水士「ダメッ!まだこんなに余ってる!!次はあたしの番!」
ラムザ「えー……」
アグ「貴様らいい加減やめないかッッ!」ガバッ
踊り子「何よッ!ひねくれアルマは黙ってふて寝でもしていればいいの!!」
アグ「うっ………くぅぅ!!」
537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:16:41.67 ID:fFDf46ZgO [28/66]
メリア「労働八号………」
労働八号「ナンダ?」
メリア「お前だけが頼りだ」
労働八号「ソレ ムスタディオ ニモ イワレタ」
メリア「命令、聞いてくれるか?」
労働八号「ナンデモ ドウゾ」
メリア「こっそり、ムスタディオ達の様子を見てきてくれ」
労働八号「リョウカイ」
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:22:20.54 ID:fFDf46ZgO [29/66]
労働八号「………」ソロリソロリ…
ムスタ「俺はこのカードだな!」
算術士「それでは、こっち!!」
シド「心の準備は良いな………?それっ!!」
ムスタ「よっしあぁぁぁぁ!!!」
算術士「計算が狂ったぁぁぁぁ!!!!!」
話術士「お酒が減って来ましたね!!買ってきます!!」
労働八号(とらんぷ デ アソンデイル ヨウダ………)
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:25:31.49 ID:fFDf46ZgO [30/66]
メリア「お帰り」
労働八号「タダイマ」
メリア「どうだった?」
労働八号「サケ ヲ ノンデ ギャンブル シテタ」
メリア「そうか………………」
労働八号「ムスタディオ ガ イカサマ シテ ボコボコ ニ サレテタ」
メリア「うん………ありがとう………」
545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:38:49.60 ID:fFDf46ZgO [31/66]
労働八号「ベイオウーフ ガ ナキナガラ サケ ヲ ノンデタ」
レーゼ「あぁベイオウーフ!!私もあなたに会えなくて悲しいわ!!」
メリア「私は一体どうしたらいいのかしら………」
メリア「こんな時、どうするのが正解なの………」
メリア「もしイズルードがいてくれたら………」
547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:46:30.22 ID:fFDf46ZgO [32/66]
メリア「ダメよ、私まで落ち込んだらおしまいだわ」
メリア「私がなんとかしなきゃ………!」
メリア「イズルードの姉として恥ずかしくない行動を………」
労働八号「ピピ」
メリア「労働八号、今の状況、どう思う?」
労働八号「マサニ カオス ダンケツリョク ゼロ」
メリア「そうよ、それなの。わかったわ!なぜ今まで気付かなかったのかしら」
548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 16:00:42.92 ID:fFDf46ZgO [33/66]
労働八号「ナンダ?」
メリア「うーん、解決には少し時間が必要ね」
労働八号「ナンジカン クライ?」
メリア「さぁ?具体的な時間なんてわからないし、わからない方がいいわ」
労働八号「アイマイ ダナ」
メリア「お前も自由にしておいで。私は………そうね、お酒でも飲もうかな」
労働八号「サケ ナラ カッテキテ アルゾ」
メリア「それでいいわ、ちょうだい。ねぇ、レーゼさんも飲みましょう」
レーゼ「えぇ…少しいただくわ……」
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:24:46.19 ID:fFDf46ZgO [34/66]
メリア「アグリアスもこっちに来て飲まない?」
アグ「いらない………」
レーゼ「美味しいわよ~~~すごい、美味しいの」グイグイ
メリア「いいから。はいどうぞ」グイグイ
アグ「………」ゴク
メリア「ねぇ、今の状況、どう思う?」
アグ「とにかくバラバラでまとまりがない………」
メリア「そう。バラバラなの」
レーゼ「私もベイオウーフとバラバラなのぉぉ…」シクシク
メリア「レーゼさん、ちょっと黙っててください」
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:26:30.18 ID:fFDf46ZgO [35/66]
メリア「今の状態で戦うなんてどう考えても無理だわ」
アグ「そうだな………」
メリア「話は変わるけど、むしろ今まで戦えてきたこと自体が奇跡だと思わない?」
アグ「どういうこと?」
メリア「だってそうでしょう?イヴァリース中の騎士団と教会を敵に回してるのになんとかやれてるのよ?」
アグ「確かにそうだ」
メリア「私も貴方も味方に裏切られてここに来た。命まで狙われて、何度も危ない橋を渡ってきた」
アグ「ああ………」
メリア「そんな人ばかりの集まりなのに、聖石だってほとんど集めることができてるわ。不思議ね」
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:29:12.30 ID:fFDf46ZgO [36/66]
アグ「そうだな。それに考えてみれば、生きている事が奇跡のようなものなのに、聖石まで………」
メリア「そう。私達は人間として生きて聖石を持っている。ルカヴィみたいな悪魔とは違うわ」
アグ「奴らは運命をねじまげて奇跡を起こしたから、悪魔になってしまったんだ」
メリア「ええ。でも結局は私達にやられてしまっているけどね。だから彼らのは奇跡と呼べないわ」
アグ「間違った存在は、悪は滅ぼさないといけない」
メリア「フフ、それを今の騎士達や教会の人間に言える?間違った存在だから全員死んでくれ、って」
アグ「………それは極端すぎる」
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:31:38.44 ID:fFDf46ZgO [37/66]
メリア「そう。かといって間違った存在を消しても解決はしないの。本物の悪魔がいなくても、人が悪魔になるわ」
アグ「じゃあメリアドール、君はなんのために剣を振るんだ?」
メリア「それは真実を知るためよ。家族を確かめたい。それだけ。すごく人間臭い理由だと思わない?」
アグ「そうかもしれない」
メリア「理由なんてそんな程度でいいのよ。あそこの誰かさんだって妹のために戦ってるだけに見えるし」
アグ「うーーーーーん。冗談に聞こえないのが怖いな」
メリア「アグリアス。私はてっきり貴方はこんな状況になるのを分かってて宿に閉じこもっていたと思っていたの」
アグ「???」
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:36:38.27 ID:fFDf46ZgO [38/66]
メリア「詳しい理由は知らないけど、貴方は本部隊に戻らずに部屋に閉じこもった。それって物凄く勝手な行動よ」
アグ「す、すまない………」
メリア「責めてはいないわ。でも、貴方が、いえ皆がそういう人じゃなかったら、今頃全員ルカヴィになってたかもね」
アグ「………ハハッ!ハハハハハハ!!そうだな!!………ありがとうメリアドール」
メリア「いいのよ。私はそういう人の多いこの部隊が好きでここにいるんだし」
アグ「そうじゃなければ、今頃はまだ我々の敵に?」
メリア「ええ。たとえそこで真実が見えたとしても、目をつぶって見ない振りをして、神に祈っていたわ!」
アグ「フフ………面白い事を言う………」
568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:41:39.46 ID:fFDf46ZgO [39/66]
メリア「戦ってる貴方よりも、今の貴方の方が当然だけど人間らしいわ」
アグ「その通りだ。戦う自分が本来の自分なら、私は悪魔みたいな人間にみえる」
メリア「そ。だからたまには戦わなくてもいいんじゃない?ずっと団結してろなんて、欲張りな注文よ?」
アグ「君は大人だな」
メリア「全然子供よ?だからこうしてダラダラと、この状況を楽しんでいるの」
アグ「いいや大人だ。だって、お酒を飲んでいるから」
メリア「フフッ!痛いトコ突いてくるのね!」
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:47:11.76 ID:fFDf46ZgO [40/66]
風水士「あら?二人で何をイチャイチャしてるの?」
踊り子「むむ!!それお酒じゃない!!!よこしなさいよ!!!」
竜騎士「黙って飲むなんてずるいです!!!」
アグ「だ、ダメだ!!これは私達の―――」
踊り子「ちょっとくらいいいじゃないの!ひねくれアルマ!」
アグ「!!!頭に来たぞ!!メリアドール、後は任せた!!!!!」ダダダダ
風水士「あーあ、出て行っちゃったわ」
踊り子「いーのいーの!!」
レーゼ「もう飲めないわ………ベイオウーフゥ………」
571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:52:20.12 ID:fFDf46ZgO [41/66]
ムスタ「おわっ!!姐さんが出て来た!!!!」
アグ「うぅ………ひっく………うぇぇ………」
シド「な、なぜ泣いているんだ?」
アグ「あんなに………デリカシーのない人間と………ひっく………一緒に………いられない」
ムスタ「そうだよな!俺だってあんなクソやかましい連中、耐えられるかどうか………」
シド「まぁ、こっちに来なさい」
ムスタ「座れよ姐さん。これで涙を拭いてさ」
アグ「すまない………」グシュグシュ
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:59:37.47 ID:fFDf46ZgO [42/66]
ベイオ「おおおお!!アグリアス!!出て来たのかッッ!!」
アグ「出て来た………」
ベイオ「レーゼはッッ!!愛しいレーゼはどうなんだぁぁ!!!!」
アグ「部屋で泣いていた………」
ベイオ「ああ!!なんという!!!レーゼ!!今そこに行くぞ!!!」ガタン
ムスタ「ベ、ベイオウーフ!!」
ベイオ「止めても無駄だッッ!!レーゼェェェェ!!!」ダッシュ
575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:12:44.35 ID:fFDf46ZgO [43/66]
労働八号「サッキ ノ ムズカシイ ハナシ ハ ドウイウ イミ ダ?」
メリア「簡単に言うと、戦ってばかりいないでたまにはこういう所で休むのも大事だって話よ」
労働八号「フーン」
ベイオ「レーゼ!!」ガチャッ
レーゼ「あぁ!ベイオウーフ」ギュッ
ベイオ「会いたかった!!」ギュッ
風水士「ラブラブでいーわねー」
ラムザ「またアルマがいなくなった………僕はきっと嫌われたんだ………」ガーンガーン
576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:23:36.62 ID:fFDf46ZgO [44/66]
アグ「………Zzz」
ムスタ「寝てるし」
侍「とりあえずアグリアス殿は出て来てくれたでござる!」
話術士「やりました!!」
ムスタ「これでいいのか?うーん、まぁいいや」
侍「後はラムザ殿でござるな」
ムスタ「あいつは面倒だから後にしようぜ?」
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:28:43.42 ID:fFDf46ZgO [45/66]
シド「何を話しているんだ?」
ムスタ「べーつに」
シド「冷たいな。私は飲んだら熱くなってきたぞ………」ヌギヌギ
ムスタ「ちょっ!?なんで下から脱ぐんだよ!!」
シド「この雷神シド、まだまだ衰えてはいないッ!この肉体を見ろ!」ヌギヌギ
ムスタ「全裸になるな!」
シド「逃げるのか?ムスタディオよ………」
ムスタ「上等だ、じーさんよォ………」ヌギヌギ
581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:36:49.28 ID:fFDf46ZgO [46/66]
シド「フフフ………まぁ雷神が相手なら、逃げるのも仕方ない事………自由に逃げるがいいムスタディオ」
ムスタ「なんだと?じーさんのくせに意気がると、すんげぇ恥かくんだぜぇ………?」ヌギヌギ
侍「酒を飲んだら脱ぐ!」ヌギヌギ
話術士「当然の………」ヌギヌギ
算術士「流れではあるな」ヌギヌギ
シド「良い覚悟をしているな………さすがは我が仲間達、といったところか」
584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:53:53.81 ID:fFDf46ZgO [47/66]
ムスタ「それで、勝負方法は………?」
シド「1ギルデスマッチだッ!」
ムスタ「何だとッッ!!!」
話術士「説明しよう。1ギルデスマッチとは、コインを崩さないように積み重ねていくゲームである」
算術士「崩した時点で積み重ねる順番のプレイヤーが敗者となり、ゲームは終了」
侍「敗者はそれなりの罰ゲームを受けなければならないのが、このデスマッチの恐ろしい所でござる」
シド「フフフ…………そのコインを積み重ねる場所は、寝ているアグリアスのおでこの上だ!」
ムスタ「なにぃーーーー!!??」
侍「狂気の沙汰にも程があるでござる!!!!」
587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:02:07.91 ID:fFDf46ZgO [48/66]
シド「もし失敗してアグリアスが起きれば、その時点のプレイヤーは股間をモロに見られるだろう………」
話術士「そんなッ!確実に殺されますッ!」
算術士「助かる方法は算術でもわからないッッ!!!まさにデスマッチ!!!!」
シド「ソファで寝ているアグリアスが目を醒ます時、敗者に神罰を下すだろう!」
話術士「ひぃぃぃ!!」
シド「プレイヤーが一撃で死ぬように、エクスカリバーをアグリアスの側に置くぞ………フフフ………」ジャリン
ムスタ「狂ってるぜ、じーさん………!!」
591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:26:15.56 ID:fFDf46ZgO [49/66]
シド「おでこの上に崩さないように1ギルを置く。それだけだ。逃げたい者は今の時点で消えなさい」
ムスタ「………」
侍「………」
算術士「………」
話術士「………」
シド「………いないか。全裸になった時点で覚悟はできておるのだな。頼もしいぞ」
ムスタ「当然だぜ………」
シド「面白い。ではゲームを始めよう。順番は私からだ………」
592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:31:26.26 ID:fFDf46ZgO [50/66]
シド「私は全裸だが騎士だ。神聖なフィールドを汚れた金で汚したくはない」
アグ「すぅ………すぅ………」
シド「そこで、このハンケチーフをフィールドに置く。いいな?」
一同「………」コクリ
シド「神よ………」ファサ
ムスタ(なかなか余裕こくじゃねーか、じーさん!)
シド「そして1ギルを置く………」ス…
シド「成功だ。次のプレイヤーは前へ」
593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:36:18.67 ID:fFDf46ZgO [51/66]
ムスタ「次は俺だ………」
ムスタ(機工士の俺がコインゲームか………)
ムスタ(金属の感触なら、誰よりも直に味わってきているはずだ)
ムスタ(負けるわけがないッ!!)
ムスタ「行くぜ………」チャリ
アグ「すぅ………すぅ………」
ムスタ「成功だ。次」
596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:41:08.54 ID:fFDf46ZgO [52/66]
侍「次は拙者でござるな………」
侍(1ギル………こうして改めて触ると不思議でござるな)
侍(奥義、『ぜになげ』を修得するため、血が滲むまで触り続けてきた銭………)
侍(この銭からは、血の臭いがするでござる)
侍(そう、血を欲する臭いが!!)
侍「………」チャリ
アグ「すや………すや………」
侍「次、行くでござる」
597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:46:22.84 ID:fFDf46ZgO [53/66]
算術士「オレが行くぜ……」
算術士(あらゆるジョブをマスターしてきたオレにコインゲームだと?笑わせる………)
算術士(ましてやオレは算術のプロだ。高さ、位置、重心、すべてを計算してやるぜ)
算術士(見える、見えるぞ正解が………)
算術士(相手が悪かったな。オレは絶対に負けない)
算術士「行くぜ………」チャリ
アグ「すぅ………すぅ………」
算術士「次だ」
598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:50:26.55 ID:fFDf46ZgO [54/66]
話術士「さてと………」
話術士(何も知らずに寝ているね、アグリアス………)
話術士(僕だけは君が目を醒ます瞬間を、絶対に見ないんだ)
話術士(それは僕が話術士だから………)
話術士(そう、相手を眠らせる『ダーラボンのまね』を使えるからッッ!!)
話術士「ここかな………」チャリン
アグ「ぐぅ………すぅ………」
話術士「セーフだね。次だよ」
603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:22:16.65 ID:fFDf46ZgO [55/66]
労働八号「ジユウ ニ シロ ト イワレテモ………」
労働八号「ムスタディオ デモ ミテクルカ !」
労働八号「ドレドレ………?」
労働八号「ゼンイン ゼンラ ダ………」
労働八号「アグリアス ヲ カコンデル………」
労働八号「ミナカッタ ワタシハ ナニモ ミナカッタ」
労働八号「ニ…ニンゲン オソロシイ コワイ コワイ」
606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:37:42.79 ID:fFDf46ZgO [56/66]
シド「諸君、見たまえ……アグリアスの純白で神聖なおでこを………」
シド「そこにコイン積みと言う名の罪を積み重ね………そしてその邪悪な塔は完成に近付いていく…」
シド「まるでベルベニア活火山をも思わせるような、荒々しく醜いコインタワーだ………」
シド「我々が行っているのは、もはや邪神召喚の儀式に他ならないのだよ……」
シド「私は四人の刺すような視線を尻に集めつつ、今ここに31枚目のギル貨幣を重ねよう………」チャリ…
アグ「うぅーん……………」
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:46:15.10 ID:fFDf46ZgO [57/66]
ムスタ「次は俺だな。コインをくれ………」
シド「………諸君、残念だがゲームは続行不可能になってしまった」
算術士「なんだとッッ!?」
話術士「ここまで来たのに!!」
侍「勝負の決着がついてないでござる!!」
シド「シーッ!!静かに!声が大きい!!とりあえず廊下に移動だ」
ムスタ「どういうことだよ………」
侍「もしもくだらない理由だったら、シド殿といえど………斬る」
609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:51:29.13 ID:fFDf46ZgO [58/66]
ムスタ「さぁ、訳を話してもらおうじゃねーか」
シド「実は、1ギル貨幣が底を尽きてしまったのだ………」
ムスタ「ちくしょおおおおおお!!」
算術士「完成まで………完成までもう少しだったのに!!」
侍「なんという結末………」
話術士「あぁ………邪神が召喚できない………」
労働八号「ギョエエエエ !」
611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:56:06.39 ID:fFDf46ZgO [59/66]
ムスタ「なんだ、労働八号じゃねーか」
労働八号「アワ… アワワワワ…」
シド「ちょっといいかな、ギル貨幣を手に入れる方法を知らないかね?」
労働八号「メ メ メリアドール タチ ガ モッテイルカト…」
シド「それだ!借りに行こう!」
労働八号「ゼ ゼンラ デ イクノハ マズイ ヨウナ…」
算術士「邪魔だッ!どけッッ!」
シド「諸君、行こうじゃないか」ゾロゾロ…
613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:02:16.94 ID:fFDf46ZgO [60/66]
シド「………」コンコンコン
メリア(アグリアスかしら!?)ガチャ
ムスタ「1ギル貨幣を貸してくれーっ」
メリア「!!!!????」
話術士「無情なコイン不足………」
算術士「塔が完成しないんだ………」
侍「我々の命を賭けた勝負の続きを………」
シド「アグリアスを生け贄に捧げた、邪神の塔を………」
メリア「キャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:08:58.62 ID:fFDf46ZgO [61/66]
労働八号「モ モドッテキタ…」
ムスタ「ケチ臭いんだな、メリアドールは」
話術士「一枚くらい貸してくれてもいいのに」
算術士「まったくだ」
侍「男の世界を理解できてないでござる」
シド「ムスタディオの腹が引き裂かれる場面を期待していたが、残念だ」
ムスタ「なんだとコラァ!?」
シド「次の32枚目はお前の番だったのだ。命拾いしたな」
ムスタ「上等だァァァ!!お前ら全員表に出ろ!!!外で勝負だ!!!」
615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:17:27.73 ID:fFDf46ZgO [62/66]
ムスタ「めんどくさいルールはやめだ!!」
シド「ではどうするのかね?」
ムスタ「街の中央通りを全力で走るんだ。ゴールは森の入り口。わかりやすいだろ?」
シド「諸君、どうかね?」
ムスタ「…………反論はねーな!!」
シド「では行くぞ……3…2…1…はじめ!!」
一同「ウオァオオアァオオオオーーー!!!!」
616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:23:12.07 ID:fFDf46ZgO [63/66]
店番「ん?外が騒がしいな…」
店番「なんだろうか………?」
ムスタ「うはははははは!!」
店番「ちょっとアンタァ!!何してんですか!!」ガシッ
ムスタ「馬鹿!離せ!!真剣勝負の最中なんだ!!」
シド「なんだどうした!?止めるんじゃない!!」
店番「黙れ変態共めッッ!!!」
617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:26:41.54 ID:fFDf46ZgO [64/66]
ムスタ「そうだお前、1ギル貨幣を貸せ!!」
店番「ハァ??」
ムスタ「ギル袋はこれだな?ちょっくら頂くぜ!!」
店番「あッ!!こら!!」
シド「戻って続きだ!!」
ムスタ「借りるだけだッッ!!必ず返してやるからよ!!またなッ!!」ダッシュ
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:30:33.68 ID:fFDf46ZgO [65/66]
ムスタ「さて、宿の前まで戻って来たわけだ」
シド「順番としてはお前だな、ムスタディオ」
ムスタ「おう!!ちょっくらそこで待ってな!!積んですぐに戻って来るからよ!!」ガチャ
侍「ま、無理でござるな」
話術士「勝負ありですね」
シド「これが勝負の世界の厳しいところだ。さぁ諸君、待とうじゃないか」
622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:39:00.53 ID:fFDf46ZgO [66/66]
算術士「………………戻ってくるだろうか」
シド「自信があるように見えた。どうだろうか」
話術士「見た目以上に慎重ですからねー」
侍「待つべし」
…キャアアアアア
シド「アグリアスの悲鳴だ」
…ウギャアアアアアアア
侍「この断末魔、ムスタディオ殿でござるな………」
話術士「ついにデスマッチに決着が付きましたね………」
シド「あぁ。敗者は―――機工士、ムスタディオ・ブナンザ」
629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 00:31:56.91 ID:2ZL24HmcO [1/37]
シド「さて諸君、ゲームはムスタディオの敗北によって終了した。だが、重要な問題が残っている」
話術士「な、なんですか?」
侍「そうか!今から同じように我々が宿に戻ったら………」
算術士「なるほど。聖剣エクスカリバーで刺されるな………」
シド「そうだ。純白を汚されたアグリアスは、間違いなく我々をゴミ虫でも見るような目で殺すだろう」
侍「酔った勢いというのは恐ろしいでござるな………」
633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 00:37:31.93 ID:2ZL24HmcO [2/37]
シド「しかし、我々には酔った勢い。これがある」
算術士「―――というと?」
話術士「酔った勢いで、宿に戻る………?」
侍「し、死にたくないでござる!!死にたくないでござる!!」
シド「いやいや。宿には戻らない。だから、街へと戻ろうじゃないか!」
侍「なるほど!」
算術士「よくわからないが、すごい説得力だ!」
話術士「戻りましょう!!街へ!!」
シド「わは!!わはははははは!!!」
637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 00:47:39.27 ID:2ZL24HmcO [3/37]
店番「また外が騒がしいな………」
店番「ってことは、まさか!!」ガチャ
シド「おお!いつぞやの!世話になったな!!」
店番「頼むから警備隊の世話になってください!!」
算術士「なあに、ギルは返してやるって、ホラ!」ポイ
店番「あ、あぁ………」キャッチ
話術士「ちょっとあなたの化粧品店に入れてくださいよー!」グイグイ
店番「あ!ちょっとコラ!!あーもうしょうがないですね!!」
638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 00:52:49.28 ID:2ZL24HmcO [4/37]
店番「なんであなた達は全裸で街中を歩くんですか!!」
シド「はて………?」
店番「はて、じゃないですよ!!やめてください!!」
算術士「じゃあどうしろって言うんだよ!!」
話術士「そうだそうだ!!」
店番「服を着ろバカタレ共が!!」
侍「この店、服も置いているんでござるな!!感心感心!!」
シド「どれ、少し見せてもらおうか…」
店番「オッサンが着る服はないッッ!!触るな!!やめろ!!やめてくださいお願いします!!!」
640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:11:01.92 ID:2ZL24HmcO [5/37]
店番「布きれがありますから、それにしてください!!」
算術士「フン!金ならないぞ!」
店番「いばるな変態!あなた達からお金なんてもらいたくないです!!」
シド「なんと優しい心の持ち主なのだ………!」
店番「褒めてないです!!とっとと出ていけ!!」ゲシゲシ
話術士「うわぁーー!!」
641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:13:29.25 ID:2ZL24HmcO [6/37]
侍「追い出されたでござる」
シド「しかしだね、こうして我々は全裸を脱出できたのだ」
話術士「確かに!」
算術士「半裸ならオーケーなはずだ!!」
シド「宿へと戻ろう!!」
侍「ようやく帰れるでござるな!」
算術士「また飲めるぞ!!」
643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:16:46.60 ID:2ZL24HmcO [7/37]
算術士「帰ってきた!」
シド「ドアを開けるぞ………」ギィィ
算術士「………ん?あの廊下の黒い塊は………」
侍「ひょっとして………」
シド「ム、ムスタディオ………」
話術士「しかも、フェニックスの尾が使われていないまま放置されてます………」
644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:24:46.76 ID:2ZL24HmcO [8/37]
シド「心臓を一撃で貫かれて絶命したようだ………」
侍「そ、そんな………あぎゃあっ!?」グサッ
算術士「ど、どうした………うげぇっ!?」グサッ
話術士「た、助け………ぐあぁっ!?」グサッ
アグ「………………………………………」
シド「ア、アグリアス………私のエクスカリバーでイタズラするのはいけないな………」
アグ「………………………………………」
シド「だ、だから、その、ゴミ虫を見るような目はやめ――――ぐはっ!!」グサッ
646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:51:25.01 ID:2ZL24HmcO [9/37]
労働八号「ヒイィィ…」
アグ「労働八号…」
労働八号「ア ア アグリアス…」
アグ「彼らを何とかしてやってくれ………私は寝る………」
労働八号「ト トリアエズ フェニックスノオ デモ バラマク…」パラパラ
労働八号「サケ ノ チカラ ハ オソロシイ…」
681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 17:43:11.63 ID:2ZL24HmcO [10/37]
労働八号「スルコト ナイナ」
労働八号「ミンナ ネテルシ………」
労働八号「メイレイ ナイゾ!」
労働八号「ウーン………」
労働八号「ソウダ ハナダ!」
労働八号「アグリアス カラ ハナヲ タノマレテタ!」
労働八号「カイニ イクカ」
683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 17:49:45.78 ID:2ZL24HmcO [11/37]
労働八号「ハナ… ハナ…」
エアリス「あら、この間のロボットさん!」
労働八号「コンニチハ」
エアリス「あの時は私のせいで殴られてしまったでしょ?ごめんなさいね…」
労働八号「ソレヨリ ハナ ホシイ! 32ぎる アルカラ クレ」チャリチャリ
エアリス「ご、ごめんなさい、今日は花が売り切れちゃったの………」
労働八号「ガーン」
684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 17:55:39.36 ID:2ZL24HmcO [12/37]
悪漢「見つけたぞエアリス…!この前はよくも逃げやがったなぁ!!」
エアリス「も、もう少しだけ………待ってほしいの」
悪漢「うるせぇ!いい加減に32000ギル払いやがれ!」
エアリス「ええっ!?ど、どうして2000ギル増えているの!?」
悪漢「逃げてる間に2000ギルの利子が付いちまったんだよ、イヒヒヒヒヒ…」
労働八号「オチツケヨ オッサン」
悪漢「うるせぇぞポンコツ!」ガツン
労働八号「イテーナ コノヤロー!」
686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:00:57.84 ID:2ZL24HmcO [13/37]
悪漢「払わねぇならこっちにも考えがあるんだぜ?イヒヒヒヒ………」
エアリス「や、やめてよ………!」
労働八号「オイ ヤメロ!!」
悪漢「なんだぁ!?さっきからうるせぇポンコツだな!」
労働八号「エアリス ガ イナイト アグリアスニ ハナガ カエナイ ダロガ!」
エアリス「ロボットさん………」
悪漢「こいつはなぁ!借りた金を返さずにいるんだぞ!!」
労働八号「ソレハ ハラワナイト ダメダナ……… コマッタ」
687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:07:26.05 ID:2ZL24HmcO [14/37]
労働八号「トリアエズ コノ 32ぎるデ キョウハ ユルシテクレ」
悪漢「1000分の1じゃねぇか!ふざけんな!」ガツン
労働八号「イテ! ケガシタゾ! イシャリョウ ト チリョウヒ ヲ クレ」
悪漢「ケガなんかしてねーだろうが!嘘を言うな!」
労働八号「ゴウケイ 32000ぎるニ ナリマス」
悪漢「都合が良すぎんだよ!!馬鹿にすんな!!!!」
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:13:22.89 ID:2ZL24HmcO [15/37]
労働八号「ソウダ! ワタシヲ 32000ぎるデ カエ」
悪漢「なんだと………?お前のどこにそんな価値があるんだよ!!」
労働八号「ワタシハ トテモ ツヨイ デス!」
悪漢「じゃあ何か見せてみろよ」
労働八号「タトエバ… アノ ケショウヒンテン ノ カンバン クライナラ」ギュイイイイ…ボン!!!
悪漢「な、なかなか強いポンコツだな………!!」
労働八号「ポンコツ ジャナイ!」
689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:19:42.39 ID:2ZL24HmcO [16/37]
悪漢「よし、お前を32000ギルで買うぞ!!」
エアリス「ロボットさん!私のために、そんな………」
労働八号「ベツニ イインダ」
エアリス「本当にありがとう!!本当に………」
労働八号「ソレヨリ タノミガ アル」
エアリス「なに?何でも言って!」
労働八号「モシ ハナガ テニ ハイッタラ マチノ ヤドニ モッテイッテ クレ」
エアリス「街の宿ね?わかったわ!」
692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:26:47.28 ID:2ZL24HmcO [17/37]
エアリス「本当に花なんかがお礼でいいの………?」
労働八号「ハナヲ テニイレル コトガ イチバン ジュウヨウ ナンダ」
悪漢「よし、そろそろ行くぞ!」
労働八号「サヨナラ……… ハナヲ タノム ハナヲ タノム………」
エアリス「ありがとうロボットさん!花は必ず届けるわ~~~~~!!」
労働八号「ヤット ハナガ アグリアスニ トドク!」
701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:13:26.68 ID:2ZL24HmcO [18/37]
悪漢「よーしポンコツ!ここが俺のアジトだ!中に入れ!!」
労働八号「リョウカイ」
悪漢「おい、新入りが来たぜ!」
クラウド「………ん?ラムザのロボットじゃないか!」
労働八号「オッス」
悪漢「知り合いか?まぁ仲良くやれよな!」
704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:19:19.00 ID:2ZL24HmcO [19/37]
悪漢「俺は眠るぜ……Zzz…」
労働八号「コンナ トコロデ アウ ナンテナ!」
クラウド「フン!ラムザに言われて俺を連れ戻しに来たのか………?」
労働八号「チガウ チガウ ワタシモ モドルキハ ナイ」
クラウド「何だと………?じゃあ嫌になって逃げて来たのか?」
労働八号「ニンムノ タメニ デテキタ ダケダ オメート イッショニ スンナ」
705 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:25:14.42 ID:2ZL24HmcO [20/37]
労働八号「ハナウリノ シャッキンノ カワリニ ジブンヲ ウッタ」
クラウド「馬鹿な奴だ………」
労働八号「アグリアスニ ハナガ トドケバ ソレデイイ」
クラウド「つまらない任務だな」
労働八号「ナントデモ イエ」
クラウド「可愛いげのない奴だ………だが、エアリスは助かったんだな。良かった………」
710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:31:02.54 ID:2ZL24HmcO [21/37]
労働八号「クラウドハ ココデ ナニ シテンダ?」
クラウド「俺はあの男に捕まってるんだ………この体中の鎖を見ろ」ジャラジャラ
労働八号「フーン」
クラウド「だが、お前らの所よりまだマシだ!こんな所、すぐに抜け出してやるさ……」
労働八号「ラムザタチノ トコロニ カエルコトハ カンガエテ ナイノカ?」
クラウド「興味ないね」
711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:36:14.30 ID:2ZL24HmcO [22/37]
労働八号「マァイイヤ トコロデ クラウドト ワタシハ ニテルナ」
クラウド「なんだと!!?俺は違う!!お前のような人形と一緒にするな!!!」
労働八号「ワタシガ ニンギョウ?」
クラウド「そうだ!言われた命令だけしかしないだろう!」
労働八号「ソウダナ デモ ソレガ ワタシダ」
クラウド「俺は人形じゃない………人形じゃないんだ………うぅ………」
労働八号「ヤッパリ ニテルト オモウ」
クラウド「やめろ!どこが似ているんだ!!」
712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:42:32.58 ID:2ZL24HmcO [23/37]
労働八号「クラウドハ クサリニ ツナガレテ オッサンノ メイレイ キイテル ダケ」
クラウド「俺は命令なんか聞いていない!あいつも利用するだけだ!自分の意志で行動を決めているんだ!!」
労働八号「ソレナラ コノ セカイニ キタノモ クラウドノ イシ?」
クラウド「そ、それは………無理矢理に召喚されてここに………」
労働八号「デハ シブンノ イシデ コウドウ シテイルノトハ チガウ」
クラウド「くそ………さっきからお前は何が言いたいんだ………」
713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:47:36.03 ID:2ZL24HmcO [24/37]
労働八号「ワタシハ アグリアスノ タメニ ココニ キタ」
クラウド「つまらない人形だな………」
労働八号「ソウ ニンギョウ ダカラ ソレデ イイ デモ クラウドハ チガウ」
クラウド「………………」
労働八号「ジブンノ イシ デモ ダレカノ メイレイ デモ ナク コノ セカイニ イル」
クラウド「じゃあ、どうすればいいって言うんだ………………」
714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:53:08.37 ID:2ZL24HmcO [25/37]
労働八号「カンタンダ ジブンノ セカイニ カエレ」
クラウド「俺が……帰る………」
労働八号「カエルニハ セイセキガ ヒツヨウ セイセキハ ラムザガ モッテル」
クラウド「………」
労働八号「ダカラ イチド ラムザノ トコロニ カエル ベキダ」
クラウド「……………フッ、まさか機械に説教されるとはな」
労働八号「クラウド………?」
クラウド「わかった。俺はソルジャーとしてやるべき事がたくさんあるからな。自分の意志で帰ろう」
労働八号「ガンバレ そるじゃー」
716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:58:41.25 ID:2ZL24HmcO [26/37]
クラウド「だが問題はこの鎖だ…これがある限り、俺は自分の意志で行動できない」
労働八号「ソレハ タイヘンダナー」
クラウド「だからお前がこの鎖を切るんだ」
労働八号「ソノ メイレイハ ダメダ ワタシノ ゴシュジンサマノ イシジャ ナイ」
クラウド「フン!良い事を教えてやる………お前は今、大きな命令違反をしている」
労働八号「ナンダト!? マジカ? エ? ナニソレ? ナニ?」
718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 21:18:36.95 ID:2ZL24HmcO [27/37]
クラウド「自分で考えろ………」
労働八号「ワカンナイ! ヒント! ヒント クレ! サービス!」
クラウド「鎖を外してくれたら教えてやるさ………」
労働八号「ア! ソウヤッテ ワタシヲ ダマスキ ダナ!? ソノテハ ツウヨウ シナイ!」
クラウド「じゃあそのまま命令違反してるがいいさ……お前は逆に人形らしくないなぁ……違反するなんて」
労働八号「……チョットダケ オシエテ チョーダイ? ネエ… マジデ… クラウドチャン…」
クラウド「自分の胸に聞いてみろ」
720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 21:27:00.88 ID:2ZL24HmcO [28/37]
労働八号「クラウド! ナンデ オマエハ ソンナニ ヒネクレテンダ!! オシエロ!」
クラウド「生意気な奴は嫌いだ………」
労働八号「ツンデレ ナノカ? ツンツン ナノハ カミガタ ダケニ シロ!」
クラウド「うるさいぞポンコツ」
労働八号「モウ ジュウブン ツンツン シタダロ? ダカラ ハヤク デレロ! マジデ タノム」
クラウド「もうヒントは言ったさ」
労働八号「オシエテ クレナキャ イヤン! …………エ? イッタノ?」
クラウド「自分の胸に聞け!それがヒントだ………」
723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 21:39:38.49 ID:2ZL24HmcO [29/37]
労働八号「ムネト イワレテモ… キカイニ ココロハ ナイシ オッパイモ ナイゾ?」
クラウド「はぁ………だからお前は馬鹿なんだ………」
労働八号「チョット クラウドノ チクビ ミセテネ」ピコピコ
クラウド「バッカやめろぉぉ!あっふぅ!?触るな!!」
労働八号「アンマリ サワグト アイツガ オキルゾ? イイノカ?」ピコピコ
クラウド「んっく!!んん………ふぅん!!くく………うんんん!!………ふぅん!!」
730 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 21:57:09.16 ID:2ZL24HmcO [30/37]
クラウド「わかった!答える!………正解はその胸の心臓部にある聖石だ」
労働八号「セイセキ? コノ あくえりあす?」パシパシ
クラウド「そうだ。その聖石の持ち主がお前の本当のご主人様だろう?」
労働八号「デ デモ イマノ ゴシュジンハ アノ オッサン ダシ…」
クラウド「それはお前が勝手に判断して決めたんだろ?」
労働八号「タ… タシカニ!!」
クラウド「あーあ、お前はラムザを裏切ってしまったな………」
労働八号「ヤベェ!」
734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 22:31:26.47 ID:2ZL24HmcO [31/37]
クラウド「とりあえず俺の鎖を外せ」
労働八号「ワカッタ」ジャランジャラン
クラウド「ようやく自由になれたぜ………」
労働八号「コノ オッサン ドウスル コロス?」
クラウド「殺すってお前……結構ひどい事を平気で言うんだな」
労働八号「キカイニ ココロハ ナイ」
735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 22:38:57.40 ID:2ZL24HmcO [32/37]
クラウド「そうだ、お前は自分を売ったと言ってたな」
労働八号「ソウダ 32000ぎるダ」
クラウド「大金だな………よし、この鎖でこいつを縛るぞ」
労働八号「シバッテ ドウスル」
クラウド「いいからやるんだ。今は俺の命令に従え」ジャラジャラ
労働八号「ワカッタ」ジャラジャラ
737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 22:46:57.08 ID:2ZL24HmcO [33/37]
クラウド「おい、起きろおっさん………」バシ
悪漢「なんだぁ?………あッ!動けない!!」ジャラジャラ
クラウド「さてポンコツ、32000ギル分やってやれ」
労働八号「リョウカイ」
悪漢「な、何をする!!やめろーー!!」
労働八号「マズハ ミギ チクビ カラ」ピコピコ
悪漢「んっく!!んん………ふぅん!!くく………うんんん!!………ふぅん!!」
741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 22:57:24.98 ID:2ZL24HmcO [34/37]
労働八号「ニンゲンハ コンナノガ イイノカ?」ピコピコ
クラウド「勉強になるだろ?」
労働八号「ベツニ…」ピコピコ
クラウド「逆に聞いていいか?」
労働八号「ナンダ?」ピコピコ
クラウド「お前、こういうの誰に教わったんだ?」
労働八号「シド ダ」ピコピコ
クラウド(変態じじいめ………)
悪漢「うああぁーーうぁぁおおおあぃぃああーーー!!」
748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 23:32:04.18 ID:2ZL24HmcO [35/37]
シド「さてアグリアス、我々5人の気持ちは一つにまとまっている。純粋に謝りたいという思いだけだ」
アグ「………」
シド「その気持ちの現れによって生まれるのがこの幻のフォーメーション、インペリアル土下座だ」
アグ「………」
シド「5人全員の土下座によって生まれた奇跡の陣形に………美しさすら感じないかね?」
アグ「………」
シド「我々5人は君に一度殺され、そして生まれ変わったのだよ………それは理解してほしい」
アグ「………」
シド「だから、そのゴミ虫を見るような目で我々を見るのは、そろそろやめて頂きたいんだ………」
753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 23:51:25.77 ID:2ZL24HmcO [36/37]
シド「アグリアス、この老いた体には長時間の土下座は辛すぎるのだ………」
アグ「………」
シド「だからそろそろ許してはくれんかね………?」
アグ「…」
シド「そして、我々の命である79本の酒をすべて返してほしい………」
ムスタ「おい!いい加減にしろよアグリアス!!」
アグ「………………………」ギュウウウ
ムスタ「いだだだだ!頭を踏まないでくれ!!スンマセンッした!!!」
754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 23:59:41.94 ID:2ZL24HmcO [37/37]
シド「ムスタディオ!!控えろ!!!!」
アグ「………………………」
シド「ムスタディオの問題は私の責任だ!!やるなら私をやれ!!!」
アグ「…」ギュウウ
シド「いおおお!!できればブーツを脱いで、その生足で踏んで頂きたいものだ!!!」
アグ「………………………」
シド「神のような慈悲深き心と慈愛の精神を持つアグリアスよ、どうか私を裸足で踏み付けてくれ………」
アグ「も、もういやよ…………私……ぐすっ………………」
764 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 00:24:09.30 ID:RazzYUO9O [1/6]
シド「どうしたのだアグリアス………謝罪を要求したのは貴女の方ではないか?」
アグ「で………ですが……シド伯……ぐすっ…………」
シド「貴女の言葉は神の言葉と同じ重さがあるのだよ………だから我々は8秒で土下座し、この陣形を組み上げたのだ」
アグ「あまりにも………辛いんです……ひっく…………」
シド「気持ちはわかるぞアグリアス………共に戦ってきた勇士がこうして土下座しているのだからな」
アグ「違う………もうやめて…………うぅ……」
シド「ならぬッッ!!貴女が許しても神は我々を許さん!!だから貴女が神に代わって我々に罰を下すのだッ!!」
アグ「私は………一体、ど、どうしたら………」
シド「踏めッ!!私を力強く踏み付けろッッ!!それが断罪となるのだッ!!できれば裸足で頼むッッ!!」
769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 00:33:57.39 ID:RazzYUO9O [2/6]
アグ「ぬ、脱ぎました………」
話術士「おおおおおおぉぉぉ………!!!」
侍「素晴らしい………………」
シド「神々しさすら感じるぞアグリアス………この汚れた私を踏み付けるに相応しい………」
アグ「それで…………ぐすっ……その…………」
シド「さあ、思いのままに踏むがいい………さあ早く………早く………!!!」
772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 00:41:51.97 ID:RazzYUO9O [3/6]
シド「早く踏めッッ!!もう我慢できん!!!頼む!後生だッッ!!」
アグ「は、はい………………」ギュウウウウ
シド「おお!!おおおおおお!!!いいぞアグリアス!!天にも登る心地がする!!キテる!!」
アグ「うぅう………うぅ………」ギュウウウウ
シド「私の罪が神聖なアグリアスの生足によって浄化されていくのが、よくわかるぞッッッ!!!」
アグ「うう…………うぅ……」
シド「もっとだ!!カカトもふんだんに使って…そうそう!!上手だアグリアスッッ!!」
アグ「き、気持ち悪い………ぐすっ………」ギュウウウウ
シド「今なんと言ったのだアグリアス!この老いた耳では聞き取れなかったぞ!!あと30回は言ってくれ!!!」
780 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 01:24:46.95 ID:RazzYUO9O [4/6]
シド「さて、次の儀式だ………脱いだブーツを渡しなさい」
アグ「ブ、ブーツ………?………はい………」
シド「さぁ諸君!いただくとしよう」ムシャムシャ
一同「………」ムシャムシャ
アグ「やめてください!!私のブーツ食べないでください!!!」
シド「アグリアスのブーツは深みのある味だ!!」ムシャムシャ
アグ「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 01:46:34.42 ID:RazzYUO9O [5/6]
シド「ぐはっ!!」グサッ
侍「ぎゃあ!!」グサッ
ムスタ「うごぁ!!」グサッ
話術士「ぐげぇ!!」グサッ
算術士「ぐああ!!」グサッ
メリア「アグリアス、無事?」
アグ「メリアドールッッ!!」
785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 01:49:32.53 ID:RazzYUO9O [6/6]
メリア「あなた一度彼らを殺したでしょ?」
アグ「殺した………」
メリア「それが間違った形で生まれ変わっていたのよ」
アグ「なるほど………」
メリア「今度は大丈夫。このフェニックスの尾で治してあげて。じゃあね」
アグ「生き返らせて早く寝よう………………」
909 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:37:52.64 ID:6AuqQp8ZO [1/3]
レーゼ「あぁベイオウーフ………」
ベイオ「愛しいレーゼ………」
風水士「ラブラブねー」
風水士「ふーんだ!私にはお兄ちゃんがいるからいいわ」
竜騎士「ちょっと!お兄ちゃんは私のお兄ちゃんなんです!!人の物を取らないでください!!」
踊り子「何言ってんの!!お兄ちゃんは渡さないわ!!」
ラムザ「あぁ………アルマ、アルマが………」
912 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:48:27.03 ID:6AuqQp8ZO [2/3]
風水士「こっち来てよお兄ちゃん!」グイ
踊り子「返しなさい!」グイグイ
竜騎士「ダメです!!」ガツン
ラムザ「〇★◇■―」
風水士「あ………今、頭に手が………」
ラムザ「ハッ!!ここはどこだ!?ドーターじゃないのか!?部隊は?」
メリア「ラムザ、治ったのか!?」
ラムザ「アルマッ!!アルマの手掛かりはないのか!?」
メリア「そうでもないのか………?」
915 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:08:57.89 ID:6AuqQp8ZO [3/3]
ラムザ「メリアドール、記憶が曖昧なんだけど、今の状況はどうなっている?君はなぜここに?」
メリア「お、落ち着いてラムザ………」
ラムザ「アルマがいないのに落ち着いていられるかッ!なぜ僕達はこんな所でボサボサしてるんだ!!」
メリア「別にボサボサしていた訳じゃないの………」
風水士「アグリアスがここに引きこもって本部隊に戻って来なかったからよー」
ラムザ「なんだって!!??」
メリア「バカ!」
風水士「だ、だって事実は事実じゃない………」
ラムザ「なんて奴だアグリアス!アグリアスはどこにいるんだ!」ダダダダ
918 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/30(水) 23:19:40.95 ID:6AuqQp8ZO
ラムザ「見つけたぞアグリアスッ!!!」
アグ「……Zzz……Zzz……」
ラムザ「アグリアスッ!!!起きろッ!!」
アグ「うぅーん………ラムザ…?もしかして禁断症状は治ったのか!?」
ラムザ「何を寝ぼけているんだ!!君が引きこもっていたから無駄な時間を裂いたと聞いたぞ!!」
アグ「そ………それは………」
920 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/30(水) 23:38:04.58 ID:6AuqQp8ZO
メリア「ラムザ!落ち着いて!!」
ラムザ「呑気に寝ている場合かアグリアス!!騎士として恥ずかしくないのか!!」
メリア「やめてラムザ!!!」
ラムザ「こうしている間にもアルマはッッ!!アルマはどんな辛い目に遭っていると思ってるんだ!!」
アグ「ラムザ………私は………………」
メリア「お願いよラムザッッ!やめて!!事情があってここにいたのよ!!」
ラムザ「黙れぇぇぇメリアドール!!君にッ!!君に何がわかるって言うんだッッッ!!!」
922 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/01(木) 00:05:40.73 ID:vTnzN+iJO
ラムザ「もういいアグリアス!君は除名だッッッ!!!消えろッッッ!!!!」
アグ「ラ、ラムザ………この身、貴公に預けると言ったはず。本当にそれが貴公の望みなのか…?」
ラムザ「そうだ!!二度は言わないぞ!!!!」
アグ「!!!!」
ラムザ「目の前から失せろ!!出ていけ!!!」
アグ「~~~~~ッッッ!!!」ダダダダ……
メリア「アグリアス、待って!!待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ラムザ「あぁ、アルマ…僕のアルマはどこに………うう……うああああぁ…………」
924 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/01(木) 00:26:18.77 ID:vTnzN+iJO
ラムザ「……僕の…旅は………………」
メリア「ラムザ………ラムザ………………」
メリア「………辛かったんだよね、ラムザ………………」
メリア「私なんかには………到底………理解できないけどさ………………」
ラムザ「旅は終わっていない!終わらせるものかッッ!!どれだけの犠牲を越えて来たと思っているんだ!!」
メリア「そう……まだ、進むのね…………」
ラムザ「アルマーーーーーーーーーッッッ!!!!」
続きます
アグ「うるさい!」バキィッ
ラムザ「うわぁっ!」ガタン
アグ「まったく!リーダーがそんな様子でどうする!」
ラムザ「うううぅぅ…ハァァッ!?」
アグ「???」
ラムザ「アルマッ!アルマじゃないか!!」
アグ「ラ、ラムザ?…何を言っているんだ?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:42:46.43 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「あぁ…アルマ…ようやく会えた…ほら、兄さんだよ。ラムザだよ」
アグ「違う!私はアグリアスだ!妹ではない!」
ラムザ「さぁ、こっちにおいで……」
アグ「よ、よさないか!こら!ムスタディオ、ラムザを何とかしてくれ!」
ムスタ「見ててすげー面白い」
アグ「他人事のように言ってないで助けてくれ!」
ラムザ「髪が乱れているよ?兄さんがクシでといてあげよう」
アグ「い、一体どうしたんだラムザ!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:48:11.79 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「ラムザの言う通りにしてれば静かになるだろ」
アグ「確かにそうだが…」
ラムザ「アルマの髪は綺麗だね」
アグ「わ、私が集中できない…」
ラムザ「おや?枝毛が出ているね。切ってあげるよ」チョキチョキ
アグ「うう…」
ラムザ「~♪」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:53:11.41 ID:ZKRXhv8qO
アグ「どうしてこんな事に…」
ムスタ「たぶん姐さんが殴ったのが悪いと思うな」
アグ「そ、そんなに強くぶったわけではないんだが」
ムスタ「いや、でもラムザは鼻血を垂らしてるし…」
ラムザ「ほらアルマ!髪が綺麗になってきたよ!フフ…フフフ……」ナデナデ
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 00:59:51.90 ID:ZKRXhv8qO
アグ「あぁ、私はどうしたらいいんだッ!」
ムスタ「とりあえずラムザの禁断症状が収まるまで、妹のふりをするしかないぜ」
アグ「何て事だ…」
ラムザ「アルマ、僕の部屋においでよ!兄さんが本を読んであげよう!」
アグ「ラムザ、まだ会議が終わっていない」
ムスタ「そんなものは俺が他の奴やっとくから、とにかくラムザを優先してくれ」
アグ「わ、わかった」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:15:12.44 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマはどんな本が好き?」
アグ「そうだな…戦術指南書のような、戦いの役に立つような本がいいな」
ラムザ「そんなの面白くないよ」
アグ「そ、そうか?」
ラムザ「アルマにはエナビア記を読んであげよう」
アグ「エ、エナ…ビア記??」
ラムザ「そう。貴族の娘が庭師なんかに惚れちゃう、ちょっと狂った話さ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:24:51.00 ID:ZKRXhv8qO
アグ(古びた本だな…)
ラムザ「そうだ、アルマはヒロインの部分を読んでよ」
アグ「私がか!?」
ラムザ「そうそう」
アグ「えーっと、彼のことを思うと、む、胸の、とと、ときめきが止まりません…」
ラムザ「アルマはヒロインに成り切るの上手だね。顔まで真っ赤だよ」
アグ「ラムザ、まだプロローグなのに私は心底恥ずかしいんだが…」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:28:20.37 ID:ZKRXhv8qO
アグ(しかし、この本は歴史的価値があるかもしれないな…ん?)
ラムザ「……」
アグ「ラムザ?」
ラムザ「……Zzz」
アグ「ね、寝ている」
アグ「逃げるしかないな」
アグ「街の方にでも行こう。宿にいると疲れる」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:42:01.22 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「あれ?姐さん、ラムザは?」
アグ「部屋で寝ているぞ」
ムスタ「へぇ、兄さんをほったらかして妹さんはどちらに?」
アグ「い、妹だなんて、やめてくれないかムスタディオ!街に行くだけだ!」
ムスタ「ハハハ…俺も一緒に行こうかな~」
アグ「わかった。ついて来てくれ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:47:43.19 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「部屋でラムザと何してたんだ?」
アグ「エ、エナビア記を読んでいた…」
ムスタ「うひゃあ~~!あんなの読むなんてラムザも重症だな!」
アグ「顔から火を吹く思いだった…」
ムスタ「でも姐さんは、あの女心を見習うべきだと思うけどな」
アグ「そうだろうか……まぁ、そうかも…しれない。たぶん…」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:52:54.81 ID:ZKRXhv8qO
アグ「しかし、街に行ってもすることがないな…」
ムスタ「そうだ!街に着いたら俺が色々とレクチャーしてやるよ!」
アグ「何をだ?」
ムスタ「女とは何か!みたいな!」
アグ「フフ…面白そうだな。是非とも頼もうじゃないか」
ムスタ「よしきた!おっ!街も見えて来たぞ!」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 01:56:49.20 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「コホン!えーっと、姐さんに足りないのは女としての魅力であります!」
アグ「ふむ…」
ムスタ「しかーし、こうして改めて姐さんを見てみると…?」ジーッ
アグ「か、顔が近いぞムスタディオ…」
ムスタ「見えてきた見えてきた…」
アグ「なんだ?私には何が足りないんだ?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:02:40.08 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「聞いてばかりじゃダメだなぁ~」
アグ「そうか…そうだな……うむむ、服装か?」
ムスタ「……」ニヤニヤ
アグ「それとも髪型か?」
ムスタ「……」ニヤニヤ
アグ「なんだ!は、はっきり言ってくれ!」
ムスタ「いやー、姐さんでも一応そういう部分は気にしてはいるんだな、って」
アグ「からかうんじゃない!」
ムスタ「でもそういう気持ちは大事だぜ?」
アグ「どうして私に意地悪するんだ、まったく…」ブツブツ
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:08:47.85 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「正解は、化粧!うん、これだね」
アグ「化粧か…言われてみれば」
ムスタ「姐さんの顔は、血を浴び、熱砂の風にさらされ、毒の沼を超えて来た顔だ!」
アグ「確かに、だな」
ムスタ「そんな顔、男の俺でも恐ろしいッ!!」
アグ「この場で斬り捨てるぞ」
ムスタ「じょ、冗談だって…。前置きはこれくらいにして、そら、化粧品店に着いたぜ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:19:22.51 ID:ZKRXhv8qO
店番「いらっしゃいませ!」
ムスタ「驚いた…小さな店のくせに、品揃えは大都市並だな…」
店番「それはどうも!」
アグ「毛皮骨肉店と違って、色々あるんだな…」キョロキョロ
ムスタ「姐さん、その例えは女の口から出る例えじゃないぜ…」
アグ「き、気をつける」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:24:43.22 ID:ZKRXhv8qO
アグ「ムスタディオ、正直に言って私は何を選んだらいいのかわからないんだ…」
ムスタ「そんなの知ってるよ。俺に任せておけって!」
アグ「そうハッキリと言われると、さすがに私でもショックだ…」
ムスタ「そうだなぁ~、おっ!姐さん、これなんてどうだい?」
アグ「なんだ?その頼りなげなヒモは…」
ムスタ「セクシーな下着っ!」
アグ「大気満たす力震え、我が腕をして閃光とならん!」
ムスタ「ちょっ!?無双稲妻突きはダメ!!マジでダメ!!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:32:44.13 ID:ZKRXhv8qO
アグ「私はそういう冗談が嫌いだ」
ムスタ「じゃ、じゃあこれは?フリフリの付いたスカート」
アグ「なんと……いや…これはさすがに……なんというか…な?ほらその…」
ムスタ「着てみないとわかんないぜ?」
アグ「しかしだな……少しばかり…幼く見えるというか……そもそも化粧品ではない気が…」
ムスタ「そんなん気にする必要ないっての!」
店番「試着室はあちらです」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:37:21.00 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「着替え、終わった?」
アグ「ど、どうだ?おかしくはないか?」
ムスタ「おおー、いーじゃんいーじゃん!俺は気に入ったぜ」
アグ「そ、そうか…」
ムスタ「でも上がその服じゃあなぁ」
店番「それでしたらこちらのワンピースなどいかがでしょう?」
ムスタ「姐さん、これは着るしかないぜ」
アグ「化粧品の話はどこにいったんだ…」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:42:28.86 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「やべぇ、このワンピース似合いすぎるぜ!」
アグ「そ、そうか…これならまだ着られそうだな…」
店番「お似合いですよ」
アグ「よし決めた、買おうじゃないか」
ムスタ「おっ!いいね、その調子でいこうぜ!」
アグ「こうなったら色々と見てやる」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:46:44.70 ID:ZKRXhv8qO
アグ「そうだ、前から欲しいと思っていた物がある」
ムスタ「ええっ!!?初耳だぜ…何が欲しいんだ?」
アグ「口紅を見たいんだ」
ムスタ「あぁ…姐さんがそんなかわいらしい物が欲しがるだなんて…俺は嬉しいぜ!」
アグ「フフ…せっかくだ、この服に合う色を選ぼう」
店番「それなら取っておきがありますよ」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 02:56:35.26 ID:ZKRXhv8qO
店番「これなんてどうでしょう…」
ムスタ「うーん、なかなかいいんじゃないかな」
アグ「そうだな。色もいいし…」
ムスタ「姐さんが気に入ったのなら…って!!あああ!!遠くにラムザが見える!!!」
アグ「私を探しに来たのかっ!!?」
ムスタ「早く試着室に隠れて!!」
アグ「わかった!!」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 03:00:33.12 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマ……アルマはどこだ……」
店番「いらっしゃいませ」
ムスタ「や、やぁラムザ」
ラムザ「妹はどこだッ!!どこへやった!!」
ムスタ「ここにはいないぜ…」
ラムザ「本当か……?ムム!この下着!!」クンクン
ムスタ「お、おいラムザ!?」
ラムザ「アルマの臭いがわずかにするぞッッ!!アルマッ!アルマァァ!!」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 05:19:04.36 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「ハッ!向こうからアルマの強い臭いが!!」
店番「お客様!試着室は使用中ですので…」
ラムザ「うるさいッ!黙れ!ここにいるんだな!?」ガチャッ
ムスタ「ダメだラムザ!」
ラムザ「…あれ?いないぞ……」
アグ(……この衣装箱の中に隠れていよう…)
ラムザ「あッ!アルマの服がある!!」
アグ「!!!!」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/23(水) 05:24:45.71 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「あぁ、アルマの臭いがするなぁ…」クンクン
アグ「私の服を嗅ぐなッッ!!」
ラムザ「!!」
アグ「しまった!!」
ラムザ「あ…ああ…ある…」
アグ「???」
ラムザ「ありゅまが、わわわ、わんぴーすを着てる…」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/23(水) 05:25:39.95 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「すごくかわいい!!」
アグ「あ、ありがとうラムザ」
ラムザ「兄さんはもうお前にメロメロだよ」
アグ「そうか、じ、じゃあ帰ろうか」
ラムザ「帰ろう帰ろう!」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 06:54:30.04 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「ラ、ラムザ…?」
ラムザ「よくもアルマをあんなところに閉じ込めたな!」
ムスタ「ち、違う!俺は知らない!」
ラムザ「カ~エ~ル~の~き~も~ち~!トード!」
ムスタ「ゲコ!」
アグ「ムスタディオ!」
ラムザ「さぁ行こうか」
店番「ひ、ひいぃ…」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:04:54.66 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「怖くなかったかい?アルマ…」
アグ「わ、私なら平気だ」
ラムザ「良かった。それにしても、こうして二人で歩けるなんて夢みたいだよ」
アグ「ラムザ………」
ラムザ「僕はずっと君を探していたんだよ。ずっと、ずっと…」
アグ「…………」
ラムザ「そうだ!昔みたいに肩車してあげるよ!move+2だ」
アグ「待て!ラムザ!やめるんだ!ああっ!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:18:56.03 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「どうだい?遠くまでよく見えるだろう?」
アグ「ラムザ!街のど真ん中で肩車するんじゃない!周囲の視線が集まる!」
ラムザ「みんなアルマがかわいいから見てるんだよ」
アグ「私はワンピースなんだぞ!?こ、これでは見えてしまう!」
ラムザ「アルマは子供だから気にすることないよ」
アグ「頼むから降ろしてくれ!!頼む!もう無理だ!」
ラムザ「ダメ!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:24:23.49 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「そーだ!このまま教会に行ってしまおう!」
アグ「正気かラムザ!?何しに行くんだ!」
ラムザ「僕と結婚しようじゃないか」
アグ「馬鹿者!異端者のお前が教会に行ったら、ただでは済まされないぞ!」
ラムザ「難しい事を言ってごまかそうとしても無駄だよ!」
アグ「助けてくれー!ムスタディオォオォー!」
ラムザ「アルマ、照れなくてもいいんだ」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:42:39.04 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマかーわいい!」
アグ「話を聞いてくれ!」
ラムザ「君はかわいすぎるよ。本当に僕の妹なのかい?」
アグ「そんなわけないだろう!」
ラムザ「え……?妹じゃ…ない?」
アグ(しまった…!)
ラムザ「じゃあ文句なしに結婚できるね!」
アグ「頭痛がしてきたぞ……」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 07:44:42.02 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「教会に行くのは別の日にしようか」
アグ「ほっ…」
ラムザ「それにしてもアルマ、ちょっと太ったね?」
アグ「な、なんだ急に!」
ラムザ「脚とかさ…だらしない太ももになってるなぁ」ペチペチ
アグ「や、やめろラムザ!!叩くなぁぁぁぁ!!!」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 12:57:47.28 ID:ZKRXhv8qO
アグ「いい加減にしないか!」ガツン
ラムザ「いて!」クラクラ
ムスタ「待ちやがれえええぇぇぇ!!!」
アグ「ムスタディオ!無事だったのか!」
ムスタ「やいラムザ!よくも俺をカエルにしてくれたなぁぁ!」
ラムザ「僕が…君を????」
ムスタ「店番が治してくれなかったら、俺は一生カエルだったんだぞ!!!!」
ラムザ「何があったのかは知らないが、それが事実なら謝ろう。すまなかった…」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 13:04:57.25 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「お前、まさか禁断症状が治ったのか?」
ラムザ「記憶があまり…はっきりしないな。僕達はドーターを目指していたはず…」
アグ「良かった!治ったぞ」
ラムザ「と、ところでどうして僕はアグリアスを肩車してるんだい?」
ムスタ「姐さん、丸見えだぜ…!それで街を歩いたのか!なんという度胸…」
アグ「ななな何だと!そんな状態でこいつは往来を歩いたのか!は、早く降ろせ馬鹿者!」ガツン
ムスタ「姐さん!ラムザを殴っちゃダメだ!」
アグ「しまった…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 13:18:00.37 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマに指一本でも触れてみろ!ただではおかないぞ!」
ムスタ「あちゃー……またバカになった」
アグ「もう一度だ!ムスタディオ、殴ってやってはくれないか?」
ムスタ「あんまり殴ると脳に障害がでるんじゃないか…?」
アグ「わ、私の殴る力が強すぎるのかもしれないだろ?ムスタディオなら…」
ラムザ「アルマに触れていいのは僕だけなんだッッ!」ムニムニ
アグ「きゃあああああ!!ム、ムニムニするな!早く!お願いだムスタディオ!!」
ムスタ「だ、だけどよ…」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 16:40:37.06 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「破れかぶれだ!それっ!」ガツン
ラムザ「☆◎■♪◇」
ムスタ「どうだ?」
ラムザ「……に、兄さん!!!」
ムスタ「はぁ?」
ラムザ「ザルバッグ兄さん!!!会いたかったよ!」
ムスタ「違うって…」
アグ「間違いなく悪化してしまったな……」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 16:44:56.07 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「家族が集まると楽しいね!」
ムスタ「そ、そうだなラムザ。……ところで一度、宿に戻らないか?」
ラムザ「えーっ!?どうして?」
ムスタ「ダ、ダイスダーグ兄さんがお前を待ってる」
ラムザ「ほんと!?急いで帰ろう!それっ!」ビュン
アグ「服がめくれるから走るな!ラムザァァァァ!」
ムスタ「うおっ!なんていう移動距離だ!あれが肩車のアビリティなのかッ!」
ラムザ「それそれーっ!」ビュオオオ
アグ「走るなああぁあぁぁぁぁッ!!!」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 16:46:08.73 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「兄さーん!ダイスダーグ兄さーん!!」
ムスタ「うう…やっと帰って来れたぜ…」
アグ「し、死んでしまいたい…」
ラムザ「……兄さん、いないよ?」
ムスタ「か、狩りに出ているのかもしれないな」
ラムザ「ふーん……。じゃあザルバッグ兄さん、僕とお風呂に入ろう!」
ムスタ「はぁ????」
ラムザ「お互いを洗いっこしよう!!」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:03:31.58 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「いいいい嫌に決まってんだろ!」
ラムザ「そんなぁぁ!ぼ、僕の事が嫌いなのかい!?」
ムスタ「そ、そうじゃない…そうじゃないんだ…」
ラムザ「じゃあ一緒に入ろうよ!!!!」
ムスタ「嫌だね!」
ラムザ「アルマからも言ってやってよ!」
アグ「え……?」
ムスタ「そうだ、アルマが一緒に入ってくれるんなら考えなくもないぜ?」
アグ「なっ!?それはつまり、その、私も?な、なんだ、えーっとだな……貴様、正気かッ!!!」
ムスタ「さぁ、どうする?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:08:18.39 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマも一緒においでよ!」
アグ「ば、馬鹿を言うな!」
ラムザ「嫌だぁぁあぁぁぁぁ!僕と兄さんが綺麗に洗ってあげるからあぁぁぁぁ!」
ムスタ「そうだあぁぁぁ!洗ってあげるからぁぁぁ!!」
アグ「うるさい!!!…………わかった……入ろうじゃないか………」
ムスタ「よっしゃあああああああああ!!」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:23:53.37 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマ、背中にあちこち傷があるね」ゴシゴシ
アグ「騎士の恥だ、あまり見ないでくれ……」
ムスタ「ラムザは背中が綺麗だな」ゴシゴシ
ラムザ「危ない目には遭ってきたけど、仲間が助けてくれたから」
ムスタ(ラムザが邪魔で姐さんが見れねえぇぇぇ!!)
ラムザ「向きを変えよう」
ムスタ(ナイスだ、ラムザ)
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:25:13.76 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「兄さんの背中は大きいね!」ゴシゴシ
ムスタ「ハッハッハ!伊達に鍛えてないからな!」
アグ(ラムザの背中……かわいいな……)ゴシゴシ
ラムザ「アルマ、あんまり強くこすらないでよ」ゴシゴシ
アグ「す、すまない。慣れてないんだ」ゴシゴシ
ムスタ(結局姐さん見れねぇぇぇぇぇ!!)
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:26:33.68 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「今度は俺が姐さん洗うよ」
アグ「け、結構だ!やめろ!」
ムスタ「遠慮すんなよ」ペタペタ
アグ「あっ!?なぜ素手で洗うんだ!布があるだろ布が!!」
ムスタ「いいじゃないか、俺達兄弟なんだし…」ペタペタ
アグ「む、無理だッ!!」ダッシュ
ラムザ「あーあ、アルマが逃げちゃった」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:31:12.52 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「ふぅ…!いいお湯だった…」
ムスタ「あぁ、マジで最高だったぜ」
ラムザ「僕、眠くなってきちゃったよ…」
アグ「ラムザは先に寝ていてくれ。………ムスタディオ」
ムスタ「な、なに?」
アグ「あの化粧品店に装備品を全部忘れてきてしまったんだ。取りに行かないか?」
ムスタ「あぁ、いいぜ!」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:32:10.15 ID:ZKRXhv8qO
アグ「ムスタディオ、ラムザは何とかならないだろうか」
ムスタ「俺は楽しいけどな」
アグ「ふざけている場合ではないぞ」
ムスタ「そんなに心配すんなって」
アグ「状況を整理しよう。私達三人は何人かの傭兵と共に、この街まで偵察に来ている」
ムスタ「そうだな」
アグ「しかし収穫はなかったため、至急本部隊に合流しなければならない」
ムスタ「うんうん」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 17:32:59.43 ID:ZKRXhv8qO
アグ「油を売ってないで早く帰るべきだが……ラムザを治さなければ戦いに支障が出てしまう」
ムスタ「傭兵をもっと雇えば?」
アグ「雇ったとしても統率力が弱いだろう。死体は増やしたくない」
ムスタ「そうだな。いない方がいいな」
アグ「む、店に着いた」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:21:44.98 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「すんませーん」
店番「はいはいなんでしょう?おや、昼間の…」
ムスタ「連れが忘れ物しちゃってさ……」
店番「あぁ、預かっていますよ、装備品ですね…はいどうぞ」
アグ「すまないな」
ムスタ「姐さん、ついでにこのセクシーな下着も買おうぜ?」
アグ「貴様は何も反省していないようだな………!」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:22:51.04 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「店に人がいて良かったな」
アグ「……そうだな」
ムスタ「あれ?姐さん、そっちは森だぜ?道が違う」
アグ「……」スタスタ
ムスタ「おい姐さん!早く戻らないとラムザがまた探しに来るぜ!」
アグ「……」スタスタ
ムスタ「どうしたってんだ!待ってくれよ!」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:25:43.39 ID:ZKRXhv8qO
ムスタ「姐さんってば!!」
アグ「この辺りでいいだろう」
ムスタ「何が?」
アグ「この剣で、貴様に神罰を下してやろう!」
ムスタ「ちょおっと!?待って!許してよ!」
アグ「黙れッ!あのような侮辱行為の数々、騎士の誇りを汚したも同然ッ!」
ムスタ「あれはさ!悪ふざけだって!かわいいイタズラ!うん!」
アグ「問答無用!覚悟ッ!」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:33:38.18 ID:ZKRXhv8qO
アグ「大気満たす力震え―――」
ムスタ「待って!構えるんじゃないいいいい!!」
アグ「我が腕をして閃光とならん!」
ムスタ「話せばわかる!わかり合える!」
アグ「無双稲妻突き!」
ムスタ「うぎゃあああ!!!」
アグ「追加効果のサイレス付きだ」
ムスタ「………!!……!!」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:36:27.46 ID:ZKRXhv8qO
アグ「ムスタディオ、お仕置きはまだ終わってないぞ……」
ムスタ「………!!」
アグ「命脈は無常にて惜しむるべからず―――葬る!不動無明剣!」
ムスタ「……」ビクンビクン
アグ「追加効果、ストップが効いたな」
ムスタ「……」
アグ「木の幹に縛り付けてやろう。ここでしばらく反省するといい」キュッ
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 18:40:21.82 ID:ZKRXhv8qO
アグ「幾分か気が紛れたな…」
アグ「傭兵にも解散を伝えよう。まともに戦える状況じゃない」
アグ「後は…えーっと、後は…」
アグ「ラムザだな……彼は一体どうすれば……」
アグ「やはり私が妹になるしかないのだろうか…」
アグ「私が…ラムザの妹…」
アグ「やるしかなさそうだな……」ブツブツ
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 19:08:01.86 ID:ZKRXhv8qO
アグ「帰ったぞ……」
ラムザ「アルマァァァ!!」
アグ「なんだ!?どうした!」
ラムザ「もう!僕の前からいなくなっちゃダメだよ?いけない妹だなぁ」
アグ「そ、そうだったな………」
ラムザ「さぁ寝ようか」
アグ「……もう好きにしてくれ…私はもう、頭が痛くて仕方がないんだ……」
ラムザ「あれ?兄さんは…?」
アグ「もう無理だ……休ませてくれ……頭を使いすぎて……Zzz………Zzz……」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 19:42:55.95 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「おはようアルマ!」
アグ「う……うん……朝か…」
ラムザ「アルマ?」
アグ「頭が…痛い……」
ラムザ「顔が赤いよ」
アグ「寒気も…する」
ラムザ「鼻水出てるし…」
アグ「間違いない…風邪だ……」
ラムザ「僕が看病してあげるから任せて!」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:12:11.01 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「まずは鼻をかもうね!はい、ちーんして」
アグ「貸せ…鼻ぐらい自分でかむ」
ラムザ「ダメ!兄さんの言うこと聞きなさい!」
アグ「……嫌だ」ズルズル
ラムザ「まったくもう!まぁ、鼻を垂らしたアルマもかわいーけどさ」
アグ「うぅ……かんでくれ…」ズルズル
ラムザ「アルマが素直な子になった!偉いね」ナデナデ
アグ「くうぅ…」チーン
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:21:43.60 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「次は何がいいかな」
アグ「……クシュン!」
ラムザ「汗かいたから冷えてきたんだね。着替えにしようか」
アグ「換えなどないぞ」
ラムザ「僕のを貸すよ」
アグ「そ、そうだな……この際わがままは言えん…貸してくれ」
ラムザ「じゃあ脱いで」
アグ「ここで脱ぐのか!?」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:24:30.78 ID:ZKRXhv8qO
アグ「わ、私はお前の目の前で着替えるのかッ!?」
ラムザ「それだけじゃないよ。僕が汗をしっかり拭いてあげる」
アグ「そそ、そんな事をする必要はない!大丈夫だ!」
ラムザ「風邪がひどくなるよ?部屋だってアルマの臭いでいっぱいだし」クンクン
アグ「そ、そんなに私は臭うのか!?」
ラムザ「一週間洗ってないメスのチョコボくらい臭いよ」
アグ「……ま…まさか………わた、私が…そんな……メ、メスチョコボだと………」クンクン
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:33:44.66 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「はい、服を脱がせるから手を挙げてね」
アグ「………」ピーン
ラムザ「髪が……ひっかかっるけど…脱げた!」
アグ「脱いだぞ、服をくれ……」
ラムザ「……」ジロジロ
アグ「や、やめてくれないか!恥ずかしいな!服をくれ!!」
ラムザ「服は体を拭いてからだよ」
アグ「ボサボサしてないで早く拭け馬鹿者!」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:37:55.19 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「まずは右手から…」フキフキ
アグ「…んん……く……」
ラムザ「アルマの手、ちっちゃくてかわいい」フキフキ
アグ「…ん……く…ん………」
ラムザ「くすぐったい?」フキフキ
アグ「そんな…感じがする…」
ラムザ「腋の下」フキフキ
アグ「ひゃうああぁぁ……」
ラムザ「うるさいよアルマ」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:48:26.61 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「左手もおしまい!」
アグ「うぅ……ラムザ……」
ラムザ「あれ!?また汗ばんでる??」
アグ「……ラ、ラムザ……私は……」
ラムザ「腋の下がグショグショだよアルマ」フキフキ
アグ「んっ!!んわぁぁあぁぁ……あぁ…」
ラムザ「変なアルマ」フキフキ
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:50:47.00 ID:ZKRXhv8qO
アグ「う……うぅ…ぐすっ」
ラムザ「どうしたの?」
アグ「……自分が情けない」メソメソ
ラムザ「泣くことないよ」
アグ「……確かに変だな。風邪のせいで少し気が滅入っているのかもしれない」
ラムザ「早く風邪を治そうね」ナデナデ
アグ「そういう扱いをするから……私は泣きたくなるんだよ、ラムザ…」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:54:25.22 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「はい、拭いたよ」
アグ「やっと終わった……」
ラムザ「……」ジロジロ
アグ「どうした…そ、そんなに私の体が珍しいか……ラムザめ」
ラムザ「アルマ、やっぱり太ったね!」ムニムニ
アグ「つまむなぁ!」
ラムザ「お腹まわりが特に…ほら、こう……」ムニュムニュ
アグ「ひゃああぅぅ!!うああああ!!」
ラムザ「あ!ごめんね!寒いよね、はい僕の服」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:56:21.86 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「次はご飯!たくさんご飯を食べれば元気になるよ!」
アグ「豆のスープがあっただろう。あれをくれ…」
ラムザ「あんなのじゃ元気にならないって!たまごスープにするよ」
アグ「たまごは貴重だろう」
ラムザ「貴重だからこういう時に使うんでしょ」
アグ「私はそんなにやわな体をしていないつもりだ」
ラムザ「はいはい、それは元気な時に言いましょうね」
アグ(私が手玉に取られているぞ…ラムザのくせに!)イライラ
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 22:59:42.47 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「はいできたよ!フーフーしてあげるね」フーフー
アグ「それくらい自分でできる…貸せ」
ラムザ「アルマは大人しくしてればいいの!フーフー」
アグ「貸せ!」
ラムザ「ダメ!はい、あーんして!」
アグ「………」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/23(水) 23:02:39.60 ID:ZKRXhv8qO
ラムザ「アルマ、口を開けるんだよ」
アグ「………」
ラムザ「なんで開けてくれないの?」
アグ「………」プイ
ラムザ「あッ!コラ、こっち向いて!」
アグ「ベー」
ラムザ「せっかく作ったのに!」
アグ「…頼んだ覚えはない」プイ
ラムザ「生意気アルマ!」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:29:49.89 ID:vd94f3f+O [1/35]
ラムザ「食べないと治らないよ!」
アグ「……そんなスープなんかいらない」
ラムザ「そんなこと言わずに!」グイグイ
アグ「むぐぐ!」モグモグ
ラムザ「美味しい?」
アグ「……」ペッ
ラムザ「コラ!吐き出すんじゃない!」
アグ「べー」
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:38:23.14 ID:vd94f3f+O [2/35]
アグ「こんなまずいスープなんていらない!」
ラムザ「な、何が気にくわなかったんだい?味かい?」
アグ「そういう問題じゃない!」
ラムザ「じゃ、じゃあどういう問題?」
アグ「ラムザが作ったスープなのが嫌なんだぁぁーッ!!」
ラムザ「ええーーッ!?」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:43:35.27 ID:vd94f3f+O [3/35]
アグ「部屋から出ていけ!!」
ラムザ「そ、そんな……」
アグ「ラムザなんか嫌いだッ!!」
ラムザ「アルマ!!」
アグ「失せろッ!」
ラムザ「うわあぁぁぁぁん!!」ドタドタ
アグ「………」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:47:53.73 ID:vd94f3f+O [4/35]
アグ「これでいい」
アグ「ラムザは少し反省すべきなんだ。うむ」
アグ「だいたいラムザは……」ズルズル
アグ「鼻水くらいがなんだ!!一人でかんでみせるッ!」チーン
アグ「どうだッ!!」ポイッ
アグ「……」ズルズル
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 16:53:07.95 ID:vd94f3f+O [5/35]
ラムザ「うぅ…アルマに嫌われてしまった……」トボトボ
ラムザ「死んでしまいたいよ…」ショボーン
ラムザ「僕はどうしたらいいんだ…」
ラムザ「…そうだ、兄さんはどこにいるんだろう?」
ラムザ「手掛かりがないな…とりあえずあの店に行ってみようか」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:02:27.30 ID:vd94f3f+O [6/35]
ラムザ「すいません」
店番「はい、いらっしゃい」
ラムザ「兄は来なかったかな」
店番「あぁ…あの人は昨日の夜に来ましたけど」
ラムザ「本当?それでどこに行くとか言ってなかった?」
店番「さぁ…森の方に歩いて行ったのは見た…かなぁ…」
ラムザ「森だね。ありがとう」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:12:47.21 ID:vd94f3f+O [7/35]
ラムザ「兄さーん!ザルバッグ兄さーん!!」
ムスタ「……!!」ジタバタ
ラムザ「あ!いた!何してるんだい?」
ムスタ「……!…!」パクパク
ラムザ「…あぁ、沈黙状態なんだね。やまびこ草が生えてるからあげるよ」ブチブチ
ムスタ「……」モグモグ
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:17:58.45 ID:vd94f3f+O [8/35]
ムスタ「治った!よっしゃああ!!」
ラムザ「兄さんに会えて良かった」
ムスタ「助かったぜ。ついでに縄も解いてくれ」
ラムザ「なんでこんなところに?」シュルシュル
ムスタ「ま、まぁちょっとな…それよりなんでお前こそここに?」
ラムザ「アルマに嫌われて追い出されて、兄さんを探しに…」
ムスタ「なんで嫌われたんだろうな」
ラムザ「それが僕にもよくわからないんだ」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:32:10.55 ID:vd94f3f+O [9/35]
ムスタ「お前が余計な事でもしたんじゃないのか?」
ラムザ「うーん、どうかな……聞いてみないとわからないよ」
ムスタ「よし、俺が話を聞いてやる!」
ラムザ「本当に!?頼むよ兄さん」
ムスタ「任しとけ!」
ラムザ「じゃあ宿に戻ろう!」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:42:53.36 ID:vd94f3f+O [10/35]
ムスタ「まずは俺だけ部屋に入るから、ラムザは待ってろ」
ラムザ「うん」
ムスタ「姐さーん!姐さーん!」ドンドン
アグ「……」
ムスタ「姐さん、入るよ」ガチャ
アグ「……入ってくるな」
ムスタ「なんだ、風邪ひいてんのかい?」
アグ「うるしゃい」ズビ
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 17:58:44.68 ID:vd94f3f+O [11/35]
ムスタ「ラムザの服を着てるし……」
アグ「着替えがなかったんだ」
ムスタ「そうかい」
アグ「それよりどうやって縄を抜けたんだ!」
ムスタ「へへ、かわいい弟が助けてくれたんだ」
アグ「ラムザか…余計な事を……」
ムスタ「姐さんはなんでそんなにラムザを嫌うんだよ」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:06:59.32 ID:vd94f3f+O [12/35]
アグ「あんなのに付きまとわられたら、誰だって嫌になる」
ムスタ「でもラムザには悪気なんて一つもないだろう」
アグ「そういう問題ではない」
ムスタ「ふーん…あれ、そのスープはなに?」
アグ「知るか。欲しいならやるぞ」
ムスタ「もらうもらう!へへ、何も食ってなかったからな!」
アグ「貴様など餓死すればよかったものを…」
ムスタ「めちゃくちゃ美味いぜ!このスープ」ズズ…
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:24:40.70 ID:vd94f3f+O [13/35]
ムスタ「姐さん、ちゃんとアルマの替わりをやってあげなよ」ズズ…
アグ「無理だッ!!」
ムスタ「鼻垂らし姐さんは冷たいなぁ…」
アグ「黙れ!そもそもお前は何をしにきたんだ!そのスープを飲みに来たのか!?」
ムスタ「違うよ、ただ俺は………って、んん?この部屋メスチョコボ臭くないか?」クンクン
アグ「!?」
ムスタ「なんで気付かなかったんだ!?くっせぇ!すげー臭えよ!姐さんも嗅いでみろって!!くっせぇぇぇ!」
アグ「聖光爆裂破ぁーーー!!!!!!!!」
ムスタ「うごああぁあああああああ!!!!」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:32:44.94 ID:vd94f3f+O [14/35]
ムスタ「作戦は完全に失敗だ。俺まで追い出されるとはなぁ……」
ラムザ「ど、どうしよう?」
ムスタ「打つ手なしだなぁ、マジで」
ラムザ「そんなぁ~!僕はアルマと一緒にいたいのに!」
ムスタ「お前が機嫌を悪くさせたんだろ?」
ラムザ「でも、機嫌が悪くなった原因がわからないんだ」
ムスタ「う~~ん……」
ラムザ「う~~ん……」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:44:56.14 ID:vd94f3f+O [15/35]
ムスタ「誰かに頼めばいいかもしれないな」
ラムザ「そうだね。僕達は部屋に入れてもらえないし」
ムスタ「傭兵に侍が一人いたな、呼んで来る」
ラムザ「うまくいくかな?」
ムスタ「あまり期待はできないが、何もしないよりはマシだ」
ラムザ「わくわくしてきた!」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 18:58:27.88 ID:vd94f3f+O [16/35]
ムスタ「………というわけなんだ」
侍「ふむ……」
ラムザ「頼むよ!」
ムスタ「成功すれば報酬は弾むぞ」
侍「相分かった。必ずや成功させるでござる!」
ムスタ「よろしく頼む」
ラムザ「あぁ…僕のアルマ……」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 20:27:04.81 ID:vd94f3f+O [17/35]
侍「アグリアス殿!アグリアス殿!」ドンドン
アグ「……」
侍「只今参上つかまつったッ!」ドカッ
アグ「ドアを蹴るなッ!」
侍「拙者、ラムザ殿の命を受け、ここに馳せ参じたでござる」
アグ「悪い事は言わない、出ていけ」
侍「そう簡単に主君の命に背くわけにはいかないでござる!」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 20:30:15.87 ID:vd94f3f+O [18/35]
アグ「ほう、では痛い目に合いたいようだな」ギラリ
侍「あいや待たれい!!」
アグ「問答無用だ!」ビュン
侍「白刃取り!!」ピタァ
アグ「くっ!!」
侍「フフ…その体調ではせっかくの太刀筋も鈍るというもの…」
アグ「くぅぅ…!!!」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 20:36:32.91 ID:vd94f3f+O [19/35]
アグ「たぁ!」ビュッ
侍「白刃取り!!」ピタァ
アグ「とぁ!!」シュビ
侍「白刃取り!!」ピタァ
アグ「はあ…はあ…めまいが……」
侍「拙者の勝ちでござるな!では話を…………む!?」
アグ「……どうした」
侍「メスチョコボ…それも繁殖期の臭いが………」クンクン
アグ「聖光爆裂破ぁーーー!!!」
侍「し、白刃…むぐおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 20:55:20.57 ID:vd94f3f+O [20/35]
ムスタ「お!生きて帰って来たぞ!」
侍「グフッ…不覚を取ったでござる……うぅ…」
ラムザ「誰が行ってもダメなんだね」
ムスタ「何か攻略のヒントになるような情報はなかったか?」
侍「あ…メスチョコボの話をした途端、本気になったでござる」
ムスタ「俺もメスチョコボの話をしたぞ」
ラムザ「僕もした…」
三人「これだッッ!!」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:00:10.53 ID:vd94f3f+O [21/35]
ムスタ「そう!あの部屋ってなんか全体的に獣臭いんだよ!」
侍「いかにも!メスチョコボ特有の臭いがしたでござる!」
ラムザ「あれ、アルマの臭いなんだよ」
ムスタ「本当か!?じゃあ、姐さんが臭いの原因…」
侍「もはや人間離れした臭いでござった……」
ラムザ「ということは、アルマはチョコボ……?」
ムスタ「いやいやいやいや」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:03:27.51 ID:vd94f3f+O [22/35]
ムスタ「そんなわけねーだろ!!」
侍「可能性はないにしても、何か関係があるかもしれないでござる!」
ラムザ「僕もそう思う」
ムスタ「しょうがねぇ、賭けに出るか…」
ラムザ「賭け?」
ムスタ「そうだ。おい侍、話術士を呼んで来るんだ」
侍「わかったでござる」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:08:04.19 ID:vd94f3f+O [23/35]
話術士「何の用?」
ムスタ「簡単だ。アグリアスってメンバーが俺達の中にいるだろ?」
話術士「あぁ、いるねえ。美人の…」
ムスタ「驚くな。そいつが実はチョコボだったんだよ」
話術士「ええっ!?」
ラムザ「僕の手を嗅いでみてよ」
話術士「くっせ!これはチョコボを触った臭い…」
ラムザ「洗っても取れないんだ」
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:19:47.66 ID:vd94f3f+O [24/35]
ムスタ「お前のアビリティ、勧誘で仲間にしてくるんだ」
話術士「でも、勧誘はモンスターに使うものであって…」
ムスタ「その通り。アグリアスはモンスターだ」
侍「あの目付きと殺気、まさに魔獣…」
話術士「わかった!きっと勧誘して友達になってみせる!」
ラムザ「ギサールの野菜があるから、持っていってよ」
話術士「ありがとう!よーし!行ってきます!」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:25:34.72 ID:vd94f3f+O [25/35]
話術士「こんにちは!」ガチャン
アグ「……」ジロリ
話術士「そんなに怖い顔しなくてもいいよ!友達だから!!!」ナデナデナデナデ
アグ「……」
話術士「大丈夫だよ!よーしよしよし!いい子いい子!!」ナデナデナデナデ
アグ「……」
話術士「こ、怖い顔しないでね!!ほら、ギサールの野菜をあげるよ!たくさんお食べ!!」グイグイ
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:33:19.73 ID:vd94f3f+O [26/35]
話術士「な、何が不満なのかな?遠慮なく言ってごらんよ!!」ナデナデナデナデ
アグ「……」
話術士「大丈夫!まじゅう語わかるから!!」ナデナデナデナデ
アグ「……」
話術士「す、すごく綺麗な毛並みだね!!誰かに手入れしてもらったのかな~?」スリスリ
アグ「……」
話術士「アハハハ!た、楽しいね……たのし……いだだだだだだだだだだだ!!!!!」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:44:14.36 ID:vd94f3f+O [27/35]
話術士「いだだだだだだだ!!うんぎゃぁぁあああぁぁ!!!」
アグ「……」
話術士「あれかなぁぁ!?じゃれつきたくて噛み付いたのかなぁぁ!?」
アグ「……」
話術士「でもね、もうちょっと加減して遊んでくれると嬉しいな!」
アグ「……」
話術士「そう!!怯えなくていいよ!!ほら、怖くなーい怖くな…ほげらぶべびゃああぁぁぁぁああ!!」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:53:50.95 ID:vd94f3f+O [28/35]
話術士「めり込んでるッッ!!野菜がめり込んで来るよォォォォォォ!!!」
アグ「……」
話術士「はぁ……はぁ……ちょ、ちょっとビックリさせちゃったのかな?……大丈夫なんだよ?」
アグ「……」
話術士「だから、ね?めり込ませる、みたいな見た事ないようなアビリティ使うのやめてね?約束だよ?」
アグ「……」
話術士「実はね、もう一個だけ野菜があるんだ!美味しいよ?ほら……いみぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 21:59:44.22 ID:vd94f3f+O [29/35]
ムスタ「部屋から出て来た!」
話術士「………」
侍「死んだアーリマンみたいな目でござるな……」
話術士「………」
ラムザ「で、でも一番長くあの部屋にいたんじゃないかな!」
ムスタ「そうだな!惜しかった!!案外攻略は近いかもしれないぞ!!」
侍「しかし、次は誰が行くのか………」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 22:55:55.86 ID:vd94f3f+O [30/35]
ラムザ「あれ?誰かこっちに来る……」
ムスタ「なに?……あ!レーゼだ!レーゼが来てくれた!おーい!」
レーゼ「こんにちは。みなさん無事でしたか?戻ってこないから心配しましたよ」
ムスタ「どうやって来たんだ?」
レーゼ「ドラゴンになって飛んで来ました」
ムスタ「そうかそうか!いやー助かった!」
レーゼ「助かった……って、何か困り事でも?」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:00:22.59 ID:vd94f3f+O [31/35]
ムスタ「実はだな…」
ラムザ「アルマがね!アルマが!」
レーゼ「見つかったの!?」
ムスタ「ラムザがしゃべるとややこしいな…」
レーゼ「え?え??なあに?」
ラムザ「アルマがアルマでアルマなんだよ!」
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:02:28.30 ID:vd94f3f+O [32/35]
ムスタ「話術士、頼む」
話術士「では、イヴァリースにおける歴史と人口の推移について論じよう…」ゴニョゴニョ
ラムザ「Zzz……」
レーゼ「そ、それは、ダーラボンのまね…」
ムスタ「レーゼ、聞いてくれ。アグリアスがチョコボだったんだよ」
レーゼ「はい?…あの……えーっと、え?」
ムスタ「レーゼはまじゅう語わかるよな?」
レーゼ「わかるけど…あの、うーん…?」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:05:20.41 ID:vd94f3f+O [33/35]
ムスタ「……というわけなんだよ」
レーゼ「それはアグリアスがかわいそうよ」
ムスタ「違う。もはや彼女はモンスターなんだ」
レーゼ「そういう態度で接するから部屋から出て来ないのよ。わかる?」
ムスタ「話術士、頼む」
話術士「いやぁ、レーゼさんはバラのように美しい……」ゴニョゴニョ
レーゼ「まぁ、やだ…恥ずかしいわ。どうしましょう……ウフフ」
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:07:51.48 ID:vd94f3f+O [34/35]
ムスタ「レーゼはアビリティで調教ができるよな?」
レーゼ「できるけど、あれはモンスターに使うアビリティであって…」
話術士「美しいレーゼさんならどんな相手にもできますよ…」ゴニョゴニョ
レーゼ「そうね、できるわよ……ウフフ……してほしいの?」
ムスタ「いや、姐さんに、アグリアスにしてやってくれ」
話術士「これは美しいレーゼさんにしかできないんですよ…」ゴニョゴニョ
レーゼ「任せて…完璧に調教してみせるわ……ウフフ……」
ムスタ「これで上手くいけば、皆で本部隊に帰ろうな!」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/24(木) 23:24:32.00 ID:vd94f3f+O [35/35]
レーゼ「アグリアス?私よ、レーゼよ」コンコン
アグ「レーゼ!?レーゼなのか!?」
レーゼ「そうよ、入ってもいい?」
アグ「待ってくれ、すぐ開ける」ガチャ
レーゼ「アグリアス……無事だった?」
アグ「あぁ…レーゼ!来てくれて本当に嬉しい…!!」ガッシ
レーゼ「あらあら……今日のアグリアスは甘えん坊なのね…ウフフ……」
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 01:48:13.40 ID:ZVn45wViO [1/30]
アグ「良かった…本当に良かった……」
レーゼ「フフ……あら、アグリアス、風邪ひいてるの?」
アグ「実はそうなんだ。恥ずかしいものだな」
レーゼ「なんだか熱っぽいわ…」
アグ「頭も少し痛いんだ」
レーゼ「無理はいけないわ。ベッドで寝ましょう」
アグ「………そうだな」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 01:59:36.28 ID:ZVn45wViO [2/30]
レーゼ「さぁ、これでよし」
アグ「レーゼ、私がベッドに寝たのはいい」
レーゼ「えぇ」
アグ「しかしなぜ首輪がついているんだ?」
レーゼ「すぐにわかるわ」
アグ「外してくれないか?」ジャラジャラ
レーゼ「…何言ってるの?ダメよ」
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 02:05:40.89 ID:ZVn45wViO [3/30]
アグ「ど、どうして…??」
レーゼ「どうして、ですって!?」グイッ
アグ「うあッ!」
レーゼ「あなたは私に従っていればいいの」
アグ「どうしたんだレーゼ!?」
レーゼ「うるさいアグリアス!」バシッ
アグ「きゃあッ!」
レーゼ「なかなかかわいい悲鳴ね…」
245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 02:12:56.35 ID:ZVn45wViO [4/30]
アグ「なぜこんな事を!?」
レーゼ「生意気な目ね」バシッ
アグ「ひゃあぅ!」
レーゼ「私がご主人様なの。わかっていて?」ギュウウ
アグ「く…苦しい……」
レーゼ「私は仕事に熱心なの。反抗は許さないわ」
アグ「し、仕事……?」
レーゼ「そう。あなたの調教よ!」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 02:21:18.44 ID:ZVn45wViO [5/30]
レーゼ「アグリアスはもっと頭がいいと思っていたわ…」
アグ「レーゼ…?」
レーゼ「なのに、まだ利口じゃない!」バシッ
アグ「きゃああ!」
レーゼ「そろそろわかってきた?」
アグ「う……ぐすっ…ひっく…うぅ……」
レーゼ「さっきよりはまだマシな目になった」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:25:54.23 ID:ZVn45wViO [6/30]
レーゼ「こっちへいらっしゃい…」
アグ「い、嫌だ!」
レーゼ「……」バシッ
アグ「きゃいんっ!」
レーゼ「情けない声が出たわね。まるで犬だわ」グイッ
アグ「うぅ…ひっく……げほっ……」
レーゼ「とてもじゃないけど、聖近衛騎士団が出す声とは思えないわ」
アグ「わ、わかった……行く………」
レーゼ「そう。素直にこっちに来れば頭を撫でてあげるわ」ナデナデ
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:30:31.85 ID:ZVn45wViO [7/30]
アグ「私はどうしたらいいんだ……」
レーゼ「ただ大人しく、私に従えばいいのよ」
アグ「そんな…だってレーゼ、私達は仲間だろう?」
レーゼ「……仲間?」バシッ
アグ「……うああっ!」ビクビク
レーゼ「もうお尻が真っ赤よ?アグリアス……」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:37:12.60 ID:ZVn45wViO [8/30]
レーゼ「……あら?これ、スープ?」
アグ「……知るか」
レーゼ「アグリアス!」バシッ
アグ「きゃいん!」
レーゼ「お食べ」コト
アグ「……」
レーゼ「可愛いげのない子は嫌いよ?」
アグ「ううぅ……」ピチャピチャ
レーゼ「そう!それでいいの」
263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:45:01.86 ID:ZVn45wViO [9/30]
レーゼ「残さず食べないとダメよ?」
アグ「くぅぅ……」ピチャピチャ
レーゼ「音は立てないようにね」
アグ「……はむ…はむ……」ペロペロ
レーゼ「えらいわアグリアス!全部食べた!」
アグ「……」
レーゼ「もう反抗はしないわよね?」
アグ「……」
レーゼ「その聖剣で刃向かおうだなんて考えない方がいいわよ?私は聖吸収だから」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 07:58:17.35 ID:ZVn45wViO [10/30]
侍「戻って来ないでござる」
ムスタ「いい線行ってるんじゃないか?」
話術士「でも、少しアブナイ顔付きで部屋に向かったような…」
侍「相手がモンスターとあらば、拙者もあの顔になるでござる」
ムスタ「あれくらいの迫力じゃないと、飼い馴らせられないじゃじゃ馬なんだよ」
話術士「勧誘と調教じゃ、やっぱり違うのかなぁ…」
ムスタ「そうなんだろうな。ま、成功することを祈ろうぜ」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 08:05:22.44 ID:ZVn45wViO [11/30]
レーゼ「アグリアス、剣を貸して」
アグ「何をする気だ!?」
レーゼ「いいから貸すのよ」ギュウウ
アグ「くっ……」スッ
レーゼ「あなた、髪が長いわね。騎士が剣よりも髪の手入れに時間をかけてはいけないと思わない?」
アグ「な、なにをッ!」
レーゼ「結っている時間を省いてあげる…」ザクザク
アグ「レーゼェーーーーーーーーー!!」
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 08:18:21.78 ID:ZVn45wViO [12/30]
レーゼ「静かにしなさい、アグリアス…」
アグ「わ、私の髪が……髪が…」
レーゼ「少ししか切ってないじゃない」
アグ「そんな……」
レーゼ「あなたは騎士であることと女であること、どっちが大事なの?」
アグ「ど、どちらもだ」
レーゼ「欲張りさんね。でも、騎士の命である剣は私が持ってるし、女の命である髪も傷ついてしまったわ」
アグ「ぐすっ……ひっく……その…通りだ…うぃぃ……」
レーゼ「じゃあ、だらし無く泣いてる今のあなたは何者かしら…ウフフ……」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 08:31:04.67 ID:ZVn45wViO [13/30]
アグ「そんなの…わ…わからないよぉ……」
レーゼ「じゃ、教えてあげる」
アグ「ひっく……ひっく………」
レーゼ「騎士も女もやめて、私に従う存在になればいいの…」
アグ「レーゼに……ぐすっ…従う……?」
レーゼ「そうよ。もう剣を振るうこともないわ」
アグ「……ひっく……レーゼ…」
レーゼ「私に一生の忠誠を誓うのよアグリアス……ウフフフフフ」
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 08:43:39.09 ID:ZVn45wViO [14/30]
侍「心配になってきたでござる…」
ムスタ「大丈夫だって!女同士仲良くやってんだよ!」
話術士「いや、でも、嫌な予感しかしないんですが…」
侍「拙者も妙な胸騒ぎがするでござる…」
ムスタ「じゃあ見てくるしかねーだろ」
侍「拙者は嫌でござる」
話術士「ここは言い出した人が行くべきですよ…」
ムスタ「よーし任せろ!………………やっぱり三人で行こうぜ?」
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:21:15.90 ID:ZVn45wViO [15/30]
ムスタ「なぁ、ひとつ疑問なんだが……」
話術士「なんでしょうか?」
ムスタ「ドラゴンって、空を飛べたっけ?」
話術士「飛べませんよ」
ムスタ「じゃ、じゃあレーゼはどうやって来たっていうんだ?」
話術士「さぁ……?」
侍「あの目付きと殺気、人間離れしていたでござる………」
話術士「もしや、あの人はレーゼさんじゃない?……いや、そもそも人間ですらない!?」
ムスタ「まずいぞッ!そうだとしたら姐さんが危険だ!!」
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:25:46.90 ID:ZVn45wViO [16/30]
レーゼ「そう。あなたは私に忠誠を誓うの……」
アグ「忠誠を…忠誠………」
レーゼ「ほら、だんだんと理解できてきたでしょう?賢いアグリアスなら、ワカッテクレルワヨネ…」
アグ「私は…………うう……わた……し…は…?」
レーゼ「オイデ オイデ アグリア…ス アグリ アス」
アグ「わたし…は……レーゼの……レーゼ…?」
レーゼ「ラクニ ナレルワヨ… ウケケケケ」
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:29:29.68 ID:ZVn45wViO [17/30]
アグ「なんだ…?君は…………レーゼ…なのか…?」
レーゼ「ワタシハ レーゼ ヨ…? ウケケケケ」
アグ「目が醒めたぞ。危うく洗脳されるところだった」
レーゼ「サァ ハヤク チュウセイヲ…」
アグ「では、その剣に忠誠を誓おう。貸してくれ」
レーゼ「ダメヨ アグリアス… コレヲ ワタシタラ ワタシガ アブナイ」
アグ「決まりだな。私は貴様を殺す」
281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:33:55.11 ID:ZVn45wViO [18/30]
レーゼ「ワタシヲ コロス?ジョウダンハ ヨシテ」
アグ「息の根を止めてやるぞ化け物め」
レーゼ「ナマイキナ アグリアス… シンデモラウワ!」
アグ「本性を現したな!」
レーゼ「ダマレ! ジブンノ ツルギデ シヌガイイ!」ビュン
アグ「白刃取り!もどき!!」ピタァ
レーゼ「ナンダト!?」
アグ「その手、離すなよ……」ガシッ
レーゼ「シマッタ! マサカ ジブンニ―――」
アグ「無双稲妻突き!」
282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:36:32.54 ID:ZVn45wViO [19/30]
アグ「さすがに死んだか……」
アグ「自分を対象にすれば、聖剣技は無効」
アグ「しかし恐ろしい相手だった……」
アグ「3…2…1…0。クリスタルになったか」
アグ「体調が万全になった」キラキラ
アグ「こうなったら意地でも部屋からは出ないぞ」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 13:41:13.45 ID:ZVn45wViO [20/30]
ムスタ「アグリアス!俺だ!開けてくれ!」ドンドン
アグ「ダメだ。開けるな」
ムスタ「聞いてくれ!そいつはレーゼじゃないんだ!!」
アグ「フフフ……すでに殺してあるぞ。次の刺客は誰だ?ルカヴィか?」
ムスタ「違うんだ!俺達も騙されていたんだって!」
アグ「貴様も死にたくなかったら消え失せろッ!」
ムスタ「俺が悪かったって!メンゴメンゴ!!」
アグ「出て欲しいのならもっとマシな刺客を連れてくるんだな」
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:16:54.23 ID:ZVn45wViO [21/30]
ムスタ「あーあ、どーすりゃいーんだろーなー」
話術士「大人しく待ってれば、本当に誰かが探しに来てくれますって!」
侍「そして、アグリアス殿の部屋に挑戦していただくでござる」
ムスタ「アグリアスの部屋……なんちゅー難攻不落な要塞なんだ」
話術士「皮肉にもレーゼさんもどきが時間的に一番がんばれてました」
ムスタ「やっぱモンスター的な相性があるんだよ、きっと……お?誰かノックしてないか?」
話術士「聞こえます!いやぁ待ち人来たる!!誰か来ました!!」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:23:18.04 ID:ZVn45wViO [22/30]
ムスタ「はいはいどーなたさんですか、っと…」ガチャ
クラウド「…………俺だ…………」
ムスタ「…………ま、まぁ入れよ、ハハ…」
クラウド「……………………」スタスタ
話術士「し、心配して来てくれたんだねッ!?嬉しいなぁ!」
クラウド「…………そんなところだ」
侍「歓迎するでござる」
クラウド「…………」
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:31:16.80 ID:ZVn45wViO [23/30]
ムスタ「こういう事を聞くのもなんだが、お前はクラウド本人だよな?」
クラウド「………どういう意味だ…」
話術士「いや、さっきですね、偽物のレーゼさんが来たものですから!」
クラウド「…………疑うのか……じゃあ、俺の剣を預かってくれていい……」ガラン
話術士「信頼しても良さそうですね」
侍「いかにも」
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:35:43.75 ID:ZVn45wViO [24/30]
ムスタ「もう一つ質問だ。お前は一人でここに来たのか?」
クラウド「いや、全メンバーで来ている途中……俺だけはぐれたんだ…………」
ムスタ「全メンバーだと!?」
クラウド「そうだ…………お前達の捜索隊として動いている……書状も作った」ピラ
ムスタ「……シドのじーさんの字だ……完璧に本物だな…」
侍「話がかなり大きくなってしまっているでござるな……」
クラウド「……なぜ戻って来れないんだ……?」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:38:27.22 ID:ZVn45wViO [25/30]
ムスタ「実はな…………という訳なんだよ」
クラウド「…………興味ないね」
ムスタ「興味のあるなしじゃなくて、解決しねーと動けねーんだよ!」
クラウド「報酬が出るなら興味を持つ……それだけだ……」
ムスタ「ムカつく奴だなーお前!言い値を出すからとっとと行って来いよ、このチョコボ頭!」
クラウド「…………!」
ムスタ「どうした?早く行ってこいよ」
クラウド「……行ってくる」スタスタ
ムスタ「お、おい、剣は要らないのか?」
クラウド「…………そんなもの、くれてやる」スタスタ
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:41:05.16 ID:ZVn45wViO [26/30]
クラウド「…………」コンコンコン
アグ「…………」
クラウド「…………」コンコンコン
アグ「入ってくれて構わない」
クラウド「…………失礼する」ガチャ
アグ「ク、クラウドか……?」
クラウド「……………………俺だ」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:43:28.73 ID:ZVn45wViO [27/30]
話術士「上手くいきますかね?」
侍「信じて待つしかないでござる!」
ムスタ「そーそー」
話術士「でも、剣を持たずに行くなんて……」
侍「確かにこれでは戦えない…クラウド殿には、何か考えが?」
ムスタ「無愛想同士だしチョコボ同士だし、うまくいくんじゃねーの?アッハッハ!」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:45:38.41 ID:ZVn45wViO [28/30]
アグ(なぜクラウドがここに…………本人なのか?)
クラウド「…………」
アグ(む!あの独特な瞳の色は間違いなくクラウドだ)
クラウド「…………座っていいか?」
アグ「あ、あぁ、立たせてしまって悪かった。こっちに来て座ってくれ」
クラウド「…………」スッ
アグ(……普段あまりしゃべらないから、話題が見つからないな……)チラ
クラウド「…………」ジー
アグ(とてつもなく気まずいッ!!恐ろしい相手だッ!!!)
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:47:50.28 ID:ZVn45wViO [29/30]
クラウド(ところで俺は…………何をしたらいいんだ?)
アグ(……どうしたものか……)
クラウド(何もすることがないな…………)
アグ(……何か話した方が良いのだろうか……)
クラウド(この部屋……チョコボみたいな臭いだな)クンクン
アグ(この髪型……チョコボみたいな形だな)チラチラ
アグ&クラウド(不思議と親近感が湧いてくるぞ…………)
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/25(金) 23:50:46.80 ID:ZVn45wViO [30/30]
アグ「そ、そうだ、紅茶でも出そう」
クラウド「あるのか?」
アグ「たまたま貰ったのだ。陰ながら我々を応援する人があちこちいてな……」コポコポ
クラウド「…………知らなかった」
アグ「だから路銀にも困る事は少ないし、貧しい思いもしていない」コト
クラウド「ありがとう…………美味い」ズズ
アグ「私の紅茶だ。美味くて当然……」ズズ
クラウド「…………」ズズ
330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:09:21.65 ID:16/5K5euO
アグ「だから孤立無縁になる状況も…あまりない」
クラウド「…そうか。俺はこの世界の存在ではなかったからな。知らない事も多い」
アグ「クラウドはよく異邦人として見られているが、住んでいた世界そのものが違うように思う。どうだ?」
クラウド「……正解だ。世界中を探しても、この世界に俺の国はない」
アグ「やはり。…話す機会がなかったが、実はクラウドについて聞きたい事がたくさんあるんだ」
クラウド「…………答えられる範囲なら、何でも答える」
アグ「本当か?」
クラウド「あぁ。俺はそのために来たのかもしれない」
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:24:57.84 ID:Tx9CEg65O [1/43]
アグ「クラウドは騎士ではなく、ソルジャーと言ったな」
クラウド「あぁ」
アグ「それは誰かに忠誠を誓って剣を振るうのか?」
クラウド「違う。誰かに忠誠を誓って振るうことはない。単に仕事だからだ」
アグ「では剣を誰に授かるんだ?領主や王から貰い受けたり、儀式を行ったり…」
クラウド「剣?武器の類なら勝手に至急されるだけなんだ。状況によっては奪うこともある」
アグ「奪うのか!?……ソルジャーは山賊に近いのか?」
クラウド「山賊…………フフッ……まぁ、そうかもな」
335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:32:03.33 ID:Tx9CEg65O [2/43]
アグ「失礼な事を言ってしまったようだ…………すまない」
クラウド「謝る事はない。ただ、誇りや信念は持っている。山賊のように裏切るような事はしない」
アグ「本当にす、すまない…………」
クラウド「からかいがいがあるな、アグリアスは」
アグ「よく言われる」
クラウド「フフッ」
アグ「フフフ…」
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:42:19.11 ID:Tx9CEg65O [3/43]
クラウド「話を続けよう。俺からも質問する」
アグ「なんでも聞いてくれ」
クラウド「アグリアスは俺が来る以前に、異世界の存在を考えた事はあるか?」
アグ「あまりないな…………夢物語程度にしか考えていなかった」
クラウド「俺もだ」
アグ「そうなのか?」
クラウド「あぁ。だが俺は自分の世界とアグリアス達の世界、更にそれらとも違う世界を知っている」
アグ「イヴァリースとも更に…違う?」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 00:49:45.22 ID:Tx9CEg65O [4/43]
クラウド「今よりも少し先の話になる。アグリアスはその世界へ行く事になるさ」
アグ「私が!?」
クラウド「あぁ。俺にとっては過去の世界だが、そこで見たんだ。未来のアグリアスと、そして未来の―――ラムザを」
アグ「本当か!?」
クラウド「あぁ。まったく違う世界で二人に会い、そして共闘した。皆古臭い甲冑を着てな」
アグ「私とラムザが、こことは違う世界に?」
クラウド「俺はこの世界に召喚されて来たんだ。それが君達に起こっても不思議じゃない。そうだろ?」
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:00:46.09 ID:Tx9CEg65O [5/43]
ムスタ「おい、帰って来ないぞあの鳥頭」
話術士「食べられちゃったんですよ、きっと」
侍「いやいや、意外と鳥同士で仲良くしてるかもしれないでござる!」
ムスタ「お互いを毛づくろいしてたりしてな!ククク!」
話術士「まじゅう語で話してるかもしれませんよ?クエッ!クエッ!クエッ!」
ムスタ「アハハハハ!見てぇーよそれ!!すげー見てーけど、見たら今度こそ殺されるだろうな!俺!」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:13:12.10 ID:Tx9CEg65O [6/43]
アグ「そ、そうかもしれないな……私とラムザが異世界に行く可能性も……ないとは言えない」
クラウド「あの世界は、見る物すべてが不思議に満ちていた…」
アグ「例えばどんなだ?何があった?」
クラウド「それは言えない。自分の目で見るといい」
アグ「そ、そこまで言っておいて隠すのか!?ずるいな!」
クラウド「いずれ見るんだ。今のうちに夢物語として想像を膨らませるといいさ」
アグ「むむむ………意地悪だな…」
クラウド「得意の花占いで未来を見てみたらどうだ?」
アグ「何ッ!?なぜ私の趣味を知っているんだッッ!!??誰にも話した事はないんだぞッッ!!?????」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:26:51.07 ID:Tx9CEg65O [7/43]
クラウド「それも言えないな」
アグ「頼む答えてくれ!お願いだ!!どどど、どうやって知ったんだぁぁ!!!」
クラウド「かわいい趣味だ……悪くないと思う」
アグ「長年秘密にしているんだぞ!新参者の貴様がなぜ知っているんだ!ぁぁ!」
クラウド「ハハ、別になんだっていいじゃないか……」
アグ「この口で答えろッ!」ムニー
クラウド「ひゃ、ひゃめろ!」ギュー
アグ「ちょ、ちょたえりょ!!ひゃやく!!」ペチンペチン
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:38:20.32 ID:Tx9CEg65O [8/43]
ムスタ「だいたいあの二人は愛想ってものを知らねーよ」
侍「何を考えてるかわからないでござる」
話術士「いっつも寂しそうな暗い顔をしてるんですよ!ほっとんど笑わないし!」
ムスタ「でもその儚げなのが姐さんのかわいーところなんだよ!!」
侍「ムスタディオ殿は変わった趣味をしてるでござるな」
話術士「ほんとですよ」
ムスタ「アハハハハハ!そうかもしれねぇ!!」
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 01:54:05.16 ID:Tx9CEg65O [9/43]
クラウド「うーん…長旅で疲れた……少し寝てもいいか?」
アグ「か、勝手にしろ……!」
クラウド「………ふぁあ……」
アグ「私も眠いな……眠ろう……」
クラウド「……アグリアス、狭いぞ。ベッドから出てくれ」
アグ「何を言う。私のベッドだ」ムニー
クラウド「…意地でも寝てひゃるぞ……」
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 02:04:40.30 ID:Tx9CEg65O [10/43]
アグ「わ、私がベッド寝るんだ!貴様はイスで寝ろ!!」
クラウド「イス?……興味ないね」
アグ「興味の問題ではない!」
クラウド「じゃあこうすればいい…」ギュッ
アグ「!!!」
クラウド「これだけ近ければベッドも狭くはないだろう」
アグ「は、離せッッ!クラウド!クラウド!!」
クラウド「……Zzz……」
アグ「寝るなクラウド!……くっ!ぬ、抜け出せない!!」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 02:14:50.02 ID:Tx9CEg65O [11/43]
アグ(こんな状態、緊張で寝られるわけがない!)
クラウド「……Zzz……」
アグ「おおお起きろクラウド!馬鹿者!!」
クラウド「……ムニャムニャ……」
アグ(まずいッ!緊張でおしっこがしたくなってきた!)モジモジ
アグ「私はイスでもいいからッ!とりあえず離してくれクラウド!!」
クラウド「……Zzz……」
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 02:24:43.65 ID:Tx9CEg65O [12/43]
アグ(こういうのは勢いが重要だ…)
アグ「せーの!とぁぁ!」
クラウド「…ムニャ…」ギュウウ
アグ「ふぁッ!?くそッ!」
アグ(まずいぞ!!なんて力だ……!!)ギュウギュウ
アグ(このアグリアス、騎士人生最大のピンチかもしれん)
アグ(しかし!なんとしても、おしっこをしてみせる!)
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 02:32:05.47 ID:Tx9CEg65O [13/43]
アグ(しかし作戦もなにもないだろう…)
アグ(相手の呼吸に合わせ、タイミング良く脱出するだけだ)
アグ(簡単だ……そう、簡単なはずだ……)
クラウド「すぅ……すぅ……」
アグ(今だ!)バッ
クラウド「…ムニャ!」ガッシ
アグ「ああ!?あああッ!?」ショ
アグ(まずいッ!……………ちょっとだけ、出たッッッ!!)
373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:14:12.05 ID:Tx9CEg65O [14/43]
アグ(お、落ち着くんだアグリアス……そう、今のは事故だ。よくある事だ……ほんの少しじゃないか)
アグ(引いてだめなら押すだけだ)
クラウド「……Zzz……」
アグ(呑気な顔だな!……鼻に噛み付いてやろう)ガブ
クラウド「いて」
アグ「ク、クラウド、その手を離してくれ。わ、私はだな、イ、イスで、その、寝ようと思うんだ」モジモジ
クラウド「別に気にすることはない」
アグ「た、確かにそうだが、気にする、とかそういったあのアレではないんだ。事態は一刻を争う」ソワソワ
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:16:57.20 ID:Tx9CEg65O [15/43]
クラウド「……Zzz…」
アグ「ね、寝るなクラウド!」ガブ
クラウド「いてて」
アグ「私の目を見ろ……よーく見ろ…お、お前ならわかるはずだ……私が今どんな状況なのか…」ソワソワ
クラウド「………涙目だ………」
アグ「なぜ涙目になっていると思う……そこが一番大事だ……わかるな?」モジモジ
クラウド「………あくびでもしたんだろう」
アグ「違うッ!!あッッ!?」ショ
375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:20:10.37 ID:Tx9CEg65O [16/43]
アグ(叫ぶとマズイ!!!)
クラウド「………静かにしてくれ」
アグ「手を離すんだクラウド……これは警告だ」
クラウド「……何を言ってるんだ…?なぜ小刻みに震えてるんだ?」
アグ「えーっとだな、その、なんだ、つ、つまりだな………は、恥ずかしくて言えるか馬鹿者ッッッ!!!」
クラウド「……よくわからないが…手を離そう」パッ
アグ(間に合ってくれ!!)ダッシュ
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:23:53.46 ID:Tx9CEg65O [17/43]
アグ「ギリギリセーフだった………」
クラウド「なんだ、小便に行きたかったのか」
アグ「!!!」
クラウド「はっきりそう言わないのが悪いのさ」
アグ「黙れッッ!!それ以上言うな!!」
クラウド「なぜ言わなかった?一言、小便がしたいと言えば済む話だろう?」
アグ「クラウド!!貴様、許さんぞ!!!!」
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:27:06.77 ID:Tx9CEg65O [18/43]
クラウド「………冗談はやめろ」
アグ「貴様は私の誇りを汚した……ゆ、許さんぞ………」
クラウド「待て、丸腰の俺をどうする気だ」
アグ「服を脱げ」
クラウド「………?」
アグ「聞こえなかったか?早くしろ!!!」
379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:32:32.58 ID:Tx9CEg65O [19/43]
クラウド「脱いだぞ」
アグ「向こうを向け」
クラウド「………」クルリ
アグ「………」ゴソゴソ
クラウド「………着替えか?」
アグ「そうだ……これでよし」
クラウド「それでソルジャーにでもなったつもりか?」
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 11:41:13.78 ID:Tx9CEg65O [20/43]
アグ「そう見えるか?」
クラウド「中身は騎士だけどな」
アグ「言っておこう。貴様は得体も知れないし、私達についても詳しすぎる。非常に怪しい存在だ」
クラウド「なんだとッ!?」
アグ「そして何より、私を辱めた罰として貴様には消えてもらうぞ!!!」
クラウド「小便くらいで怒るんじゃない!」
アグ「い、言うな!!」ドスッ
クラウド「ぎゃあ!」
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 12:34:30.78 ID:Tx9CEg65O [21/43]
クラウド「服を返せ」グイグイ
アグ「ど、どこを触っている!!」バシバシ
クラウド「いいから大人しく脱げ」グイグイ
アグ「ああッ!」ビリビリ
クラウド「俺の服が破れてしまった……」
アグ「う~~~~~~!!」
クラウド「なんで尻にあざがあるんだ?首輪のような跡もあるな………」
アグ「見るなッッ!」ドスドス
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 12:39:06.13 ID:Tx9CEg65O [22/43]
アグ「貴様など元の世界に帰ってしまえッ!」
クラウド「呼んだのはそっちだ………」
アグ「来たお前が悪いッ!何をしに来たんだ!」
クラウド「よくわからない………」
アグ「情けない奴だな!ソルジャーというのは貴様のような輩しかいないのか!」
クラウド「なんだと!そんなだらしない腹をしている騎士に言われたくはない!」
アグ「黙れ!」ドスッ
クラウド「うぎゃあ!」
392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 12:52:55.72 ID:Tx9CEg65O [23/43]
クラウド「フン、そうやってすぐ暴力で黙らせようとするなんて、野蛮そのものだな」
アグ「クラウドのくせに生意気言うなッ!貴様はたいした戦力でもないだろう!」
クラウド「あまり大きな声を出さない方がいい。しゃべる度に腹が揺れてみっともない」
アグ「揺れてない!」
クラウド「揺れているだろ………」ムニムニ
アグ「あっバカッ!腹をもむ奴があるか!!きゃあ!」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 13:00:03.22 ID:Tx9CEg65O [24/43]
クラウド「君だってシド伯の影に隠れてコソコソやっているだけじゃないか」
アグ「ち、違う!私はだな、その、部隊をまとめたりとか作戦を考えたりとか、い、色々忙しいんだ!」
クラウド「忙しいと言う割には、こんな宿に引きこもってのんびりしてるんだな」
アグ「黙れ黙れッッ!!き、騎士には休息も必要なんだ!」
クラウド「それで訓練をなまけた結果、腹がたるんでしまった、と?」
アグ「クラウド!なんで貴様はそんなにもひねくれているんだ!!」
クラウド「似た者同士じゃないか」
アグ「同じにするな!」バキッ
クラウド「はぶっ!」
398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 13:32:34.03 ID:Tx9CEg65O [25/43]
アグ「私は……ひっく………腹……出てない……ぐすっ…」
クラウド「おやおや」
アグ「たるんで…なんか………ない…えぐっ……!」
クラウド「情けないのはどっちかな」
アグ「うるさい!………でていけ!!」
クラウド「わかったよ泣き虫お嬢さん」
アグ「ひっく………ひっく……うぃぃ…」プシュン
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:11:37.44 ID:Tx9CEg65O [26/43]
ラムザ「う…うーん………」
ムスタ「げげ!ラムザが起きやがった!」
ラムザ「あれ…アルマは??」
ムスタ「今クラウドが頑張ってる」
クラウド「戻ったぞ」
ムスタ「あ!帰ってきた」
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:13:33.34 ID:Tx9CEg65O [27/43]
ムスタ「お前なんでパンツ一丁なんだ?」
クラウド「成り行きで服を奪われてこうなったんだ………」
ムスタ「どんな成り行きだよ、お前…」
ラムザ「ねぇ!どうなったの!?」
クラウド「泣かせてやった」
ラムザ「な、何だって!!?」
クラウド「あまりに生意気だから、軽くいじめてやったんだ………」
418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:17:21.16 ID:Tx9CEg65O [28/43]
ムスタ「俺は部屋から出して来いって言ったんだぞ!?」
クラウド「気が付いたら口論になってて………それで泣かせてた。とりあえず剣と報酬をくれ」
ラムザ「アルマをいじめたなあああああああああああ!!!!!」ドカッ
クラウド「うおおおおおおおお!?」
ラムザ「死んでしまえッッ!!!」ドムッドムッ
クラウド「ぐはあああああああ!!!!」
ムスタ「ラ、ラムザ!!」
419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:28:38.35 ID:Tx9CEg65O [29/43]
クラウド「こんなところ出て行ってやる!!二度と来るものか!!」ダダダダ
ムスタ「………パンツだけで行っちまった」
話術士「とりあえずラムザさんは眠らせました」
ラムザ「………アルマ……Zzz…」
侍「ラムザ殿にも早く治ってもらいたいでござるな………」
ムスタ「姐さんも部屋から出てこないままだしな。状況はあまり良くないぜ」
侍「こういう時は」
話術士「待つのが一番!」
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 19:30:42.95 ID:Tx9CEg65O [30/43]
ムスタ「だーれか来ねーかな………」
話術士「そーですね………」
侍「…!?何か良からぬ気配が!!」
話術士「え?え?」
ムスタ「誰もいないぞ?」
侍「むーん………………そこ!」
ムスタ「ゴキブリだッッ!」
G「!!」カサカサ
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:01:14.95 ID:Tx9CEg65O [31/43]
G「………」カサカサカサカサカサカサ
ムスタ「デカッ!速ッ!気持ち悪ッッ!!」
侍「ここは拙者が!」ビュンビュン
話術士「あ、逃げます!!」
侍「どこでござるか?」
ムスタ「戸棚の裏だ!」
侍「いないでござる!!不覚ッ!」
話術士「嫌なのが来ましたね………」
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:06:56.25 ID:Tx9CEg65O [32/43]
アグ「……ひっく…ぐすっ……」
アグ「クラウドに………いじめられたぁ………………」メソメソ
G「………!」ジャジャーン
アグ「…私の腹は…ひっく……そんなに出ているのか………?」ポヨポヨ
G「………」カサ
アグ「いや、それほどではないはず………」プニプニ
G「………」カサカサカサカサ
アグ「!?………今、何か通り過ぎた………」
G「………」ブー-----ン
アグ「いやあああああああああああああ!!!!」
428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:14:37.61 ID:Tx9CEg65O [33/43]
G「………」カサカサ
アグ「いつもなら誰かが倒してくれるのだか………」
G「………」
アグ「い、今はそんな事を頼める人はいない」
G「………」
アグ「あの触覚の動き、見てるだけで不快だ………まさに最悪の刺客……ラムザに泣きつきたい……」
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:23:46.75 ID:Tx9CEg65O [34/43]
ムスタ「ん?ノックの音が聞こえる!誰か来てくれたぞ!」
侍「……」ガチャ
話術士「だ、誰ですか?」
侍「からくり人形が来たでござる」
労働八号「ピピ」
ムスタ「また変なのが来たな………」
432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:32:56.26 ID:Tx9CEg65O [35/43]
ムスタ「死なない点では向いてるかもな」
労働八号「ピピ」
ムスタ「おい、向こうの部屋にアグリアスがいるから見てこい。わかるか?アグリアス。アグリアスだ」
労働八号「バカニ スンナ チョンマゲ! マタ ヤッツケルゾ」
ムスタ「お前マジでムカつくな」
話術士「お願いします!」
侍「拙者からも頼み申す」
労働八号「シカタ ネエナ」
433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:44:38.11 ID:Tx9CEg65O [36/43]
アグ「よ、弱音は吐くな、アグリアス………」
G「……」
アグ「たた、たかが、む、虫一匹、倒してみせるッ!」
G「………」ジー
アグ「動くな…動くなよ……」
G「………」
アグ「とぁっ!!」バシ
G「………」シュン!
アグ「きゃああああああああ!!!!」
434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 20:59:13.52 ID:Tx9CEg65O [37/43]
労働八号「ヘヤノ ナカガ サワガシイナ」ガチャ
アグ「ろ、労働八号!!頼む!!ゴキブリを破壊してくれ!!」
労働八号「リョウカイ」ギュイイイ…
G「!」ボンッ
アグ「た、助かった…」
労働八号「コンナノ モンスターヨリ ズット ヨワイノニ…」
436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 21:12:57.42 ID:Tx9CEg65O [38/43]
アグ「よくやったぞ!!」ナデナデ
労働八号「ツギノ メイレイヲ クレ」
アグ「ムスタディオ達は何をしていた?」
労働八号「ゴキブリ サガシニ ムチュウ」
アグ「お前はどうやってここまで来たんだ?」
労働八号「ゼンインデ ラムザタチヲ ソウサク シテイタ」
アグ「そうだったのか………」
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 21:21:30.42 ID:Tx9CEg65O [39/43]
労働八号「ツギノ メイレイハ? チョンマゲデモ ヒッコヌクカ?」
アグ「そうだな、奴らに気付かれないように宿を抜け出して、全員を集めてくれ」
労働八号「ヨビアツメタ アトハ?」
アグ「さみしいからこの部屋に戻って来てくれ」
労働八号「リョウカイ」
アグ「あ!それと………」
労働八号「?」
アグ「何でもいいから、花を持って来てくれ」
労働八号「ソレモ リョウカイ」
441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 21:39:06.17 ID:Tx9CEg65O [40/43]
ムスタ「ゴキブリ、いたか?」
話術士「いいえ、いません………」
侍「どこかに潜んでいるに違いないでござる!!」
話術士「一匹見たら何十匹もいますよ、きっと………」
ムスタ「必ず見つけだせ!!」
労働八号(アホドモメ)ソロリソロリ…
443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 21:58:43.16 ID:Tx9CEg65O [41/43]
労働八号「ゼンイン モリニ イルハズ…」
シド「おお!いたか。探したぞ」
労働八号「ラムザタチノ ブジヲ カクニン シタ」
メリア「みんな無事なの!?」
レーゼ「良かったわ…」
ベイオ「で、どこにいるんだ?」
労働八号「マチノ ヤド」
シド「わかった。全員を集めて迎えに行くぞ」
労働八号「アトハ ハナ ダナ」
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 22:20:21.44 ID:Tx9CEg65O [42/43]
労働八号「ハナ… ハナ…」
花売り「ね、お花いらない?たったの1ギルよ。」
労働八号「ホシイ! デモ オカネ モッテナイ」
花売り「残念ね………」
悪漢「さがしたぜ、エアリス…。今日もオフクロさんのために花売りかい?」
花売り「お願い、あと10日…、ううん、1週間でいいから待って」
悪漢「ふざけるな!期限はとっくに過ぎているんだ!貸した30000ギル、耳をそろえて返してもらおうか!」
労働八号「マァ オチツケヨ オッサン」
悪漢「うるせぇな!」ゴツン
労働八号「イテー」
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/26(土) 22:28:56.21 ID:Tx9CEg65O [43/43]
花売り「は、離して…!」
クラウド「待てッ!!」バーン
花売り「キャアア!変態!!」ダッシュ
クラウド「あッ!待ってくれ!」
悪漢「なんだパンツ野郎…!花売りが逃げちまったじゃねーか!」
クラウド「パンツ野郎じゃない、クラウドだ!」
悪漢「ほう…、よくみたら結構イイ男じゃねぇか!こりゃ、花売りより楽しめそうだな…イヒヒヒヒヒヒ…。」
クラウド「な、何をするッ!!離せッ!離せーーーーーーーッ!!」
労働八号「イッテ シマッタ… ハナハ アキラメヨウ」
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 08:46:40.14 ID:fFDf46ZgO [1/66]
労働八号「………ヤド ニ トウチャク」ガチャ
ムスタ「うーん…………」
シド「むむむ………」
ベイオ「あぁ……レーゼ…」
労働八号「ナンダナンダ ドウシタンダ」
ムスタ「いたいた!お前どこ行ってたんだよ………」
労働八号「ベツニ ドコデモ イイダロ」
ムスタ「まぁいい、聞け。大変なことになった………」
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 08:57:21.66 ID:fFDf46ZgO [2/66]
ムスタ「メンバー全員が合流したところで、アグリアスが部屋から出てこない事を話したんだ」
労働八号「ウン」
ムスタ「出てこない理由がわからねーから、宿であったことを全部話したら、女が全員敵になっちまったんだ」
労働八号「ソレハ フシギダ」
ムスタ「だろ?だから俺達はこーして女が敵になってしまった理由を考えているわけなんだよ」
労働八号「アグリアス ダケ ジャナク オンナ ガ ゼンイン ヒキコモリ?」
ムスタ「そうそう!お前わかってるじゃねーか!」
労働八号「バカニ スンナ チョンマゲ! マタ ヤッツケルゾ」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 09:10:16.17 ID:fFDf46ZgO [3/66]
シド「無理に連れ出したとしても、団結力がなければまともに戦う事など不可能……」
ムスタ「だからこうやって、解決策を考えてるんだ」
ベイオ「あぁ…愛しいレーゼ……」
算術士「計算しても答えが出ない…」
ラムザ「……Zzz…」
労働八号「ピピ トリアエズ アグリアス ニ アッテクル」
ムスタ「やっぱりお前だけが頼りだ!労働八号ちゃん!」
労働八号「チョウシノ イイヤツ ダナ…」
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 09:24:10.71 ID:fFDf46ZgO [4/66]
労働八号「…………」コンコンコン
メリア「男は入れないぞ」
労働八号「ピピピピ…」
アグ「開けてやってくれ」
労働八号「タダイマ アグリアス」ガチャ
アグ「ご苦労だった」
労働八号「ハナハ シッパイ シタ」
アグ「いいんだ。ちゃんと帰ってきてくれて嬉しい」
労働八号「ソレハ セイコウ シタ」
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 09:34:44.43 ID:fFDf46ZgO [5/66]
労働八号「ナンデ ナカマワレ シテルンダ」
風水士「だってひどいのよ!チョコボ臭いだの腹がたるんでるだの、信じられない事を言ったそうよ」
メリア「前からそうよ。ドアもノックせずに平気で開けたりもする」
踊り子「デリカシーっていうのが足りないの!ね?アグリアス…」
アグ「ま、まぁ………そうだな………」
風水士「だから部屋に閉じこもる事にしたの。男達が自分達の愚かさに気付くまで」
労働八号「ニンゲンッテ メンドクサイ イキモノダナ」
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 10:56:28.57 ID:fFDf46ZgO [6/66]
風水士「あなたはあたし達の味方よね?」
労働八号「メイレイ ナラ キクゾ」
踊り子「良かった!早速だけど食料とか生活用品とか買ってきて!」
労働八号「リョウカイ」
レーゼ「できればベイオウーフの様子も見てきてね…」
労働八号「リョウカイ」
風水士「この任務は男達には内緒ね?」
労働八号「ピピ リョウカイ」
498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:10:12.22 ID:fFDf46ZgO [7/66]
ムスタ「戻ってきた!どうだった?」
労働八号「ヒミツダ」
ムスタ「こっ!こいつ!!」
労働八号「ヒミツニ シロト イワレタ」
シド「味方にはなってくれないようだな…………」
労働八号「ソウイウ コト! デカケテクル」ガチャ
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:18:14.75 ID:fFDf46ZgO [8/66]
ムスタ「なんなんだよあのポンコツは!!」
侍「今の命令が完了したら、次は我々が命令すればいいでござるよ」
ムスタ「それも………そうだな。待つしかないか」
ラムザ「ううーん………」
シド「おおラムザ、寝てないで起きるんだ」ユサユサ
ムスタ「じーさん!起こしちゃダメだッ!」
ラムザ「アルマァァァァァ!!」
ムスタ「しまったァ!!」
ラムザ「今行くよアルマ!!」ダッシュ
ムスタ「し、知らねーぞ俺は………」
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:27:36.95 ID:fFDf46ZgO [9/66]
ラムザ「アルマァァァアアアァァ!ドアを開けてくれッ!!」ガチャガチャ
メリア「ラ、ラムザ!?妹のアルマは確か敵に捕まっているはずじゃ………」
レーゼ「どういう事なの………?」
ラムザ「お願いだアルマッッ!!僕が服を着替えさせてあげるから!!」
アグ「!!」
風水士「アグリアス、顔が真っ赤よ?」
アグ「ラ、ラムザは入れてやってくれないか?」
メリア「状況がまったくわからないけど、アグリアスがそう言うのなら………」ガチャ
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:38:29.76 ID:fFDf46ZgO [10/66]
ラムザ「あれ?人がいっぱいいる………」キョロキョロ
アグ「ラムザ………」
ラムザ「アルマ!心配したよ………」
メリア「アグリアスが、アルマ!?」
踊り子「訳がわかんないよー」
ラムザ「アルマはアルマだよ?」
レーゼ「なんだかラムザの様子、おかしくない?」
アグ「わ、私のせいなんだ………」
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:50:20.91 ID:fFDf46ZgO [11/66]
アグ「アルマアルマとうるさいから、つい殴ってしまったんだ」
竜騎士「な、なかなか過激な事をしたんですね」
アグ「そうしたら打ち所が悪かったのか、ショックで私をアルマと勘違いするように………」
メリア「やっと理解できたわ」
レーゼ「では、ラムザを治してあげないと………」
アグ「その後も何発か殴ったんだが、ダメだった」
竜騎士「殴っちゃかわいそうですよ!」
505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 11:58:16.88 ID:fFDf46ZgO [12/66]
ラムザ「ア・ル・マ~~~~~♪」ナデナデ
メリア「なんて幸せそうな顔………。メロメロね」
アグ「死ぬほど恥ずかしい…」カァァァ
ラムザ「肩車してあげたり、スープをフーフーして食べさせてあげたりしたんだよ!!」
アグ「言うなラムザッッ!!」ガシッ
ラムザ「むぐむぐ!!」
竜騎士「ラムザさん、意外と大胆なんですね!!」
風水士「まるでお姫様じゃない!!いいなーっ!あたしもしてほしーなーっ!!」
511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:15:03.96 ID:fFDf46ZgO [13/66]
竜騎士「ほっ、他には何をしたんですかッッッ!!」
ラムザ「……むぐむぐ」ペロ
アグ「きゃあ!て、手をなめるな馬鹿者ッ!」
ラムザ「えーっとね、エナビア記を読んであげたり、一緒にお風呂に入ったり………」
竜騎士「くっはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
風水士「聞いてる私達が恥ずかしくなるよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:21:35.12 ID:fFDf46ZgO [14/66]
ラムザ「………でもアルマには冷たく追い出されてしまったんだ」
風水士「アグリアスひどいッ!だから貴方は所詮アグリアスなのよ!!」
アグ「ど、どういう意味なんだそれはッッ!!!??」
踊り子「まだ何かあるでしょ!?教えて!!」
ラムザ「あとは………鼻をかんであげたり、服を着替えさせて汗を拭いてあげたり…」
踊り子「きゃあああああああん!!!」
竜騎士「きゃあああああああん!!!」
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:30:49.16 ID:fFDf46ZgO [15/66]
風水士「ずるいわアグリアス!!こんなに妹思いの兄さんを一人占めするなんて!!」
竜騎士「だからいつまでも本部隊に帰って来なかったんですね!!??」
アグ「ち、違うッッ!!かか、風邪をひいてしまってだな!!!」
風水士「はっは~~ん!完全にラムザにお熱なのねこの子ったら!もう!!」
踊り子「わかるわアグリアス!恋の病になったんなら、私だって本部隊なんか見捨てちゃう!!」
アグ「ううう~~~~ッッ!!」ジタバタ
竜騎士「枕に顔をうずめてもダメです!!」
風水士「その子はもう放っておきなさい!!ラムザはあたし達といるんだから!」
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:36:37.21 ID:fFDf46ZgO [16/66]
風水士「ねぇラムザ、アグリアスが風邪ひいたって本当なの?」
ラムザ「うん。熱が出てたから看病してあげてた」
竜騎士「うぅ………なんだか熱っぽくなってきましたぁ………」
風水士「あたしも頭が痛くなってきた………ラムザ、看病して………?」
ラムザ「だ、大丈夫!?」
竜騎士「大丈夫じゃないです………苦しい………」
風水士「うぅ………ラムザがフーフーしたスープを飲めば治るのに………」
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:44:09.23 ID:fFDf46ZgO [17/66]
労働八号「ショクリョウ ハ カエタ」ガサガサ
労働八号「セイカツ ヨウヒン ッテ ナンダ??」
労働八号「ウーン フクヤ ニ イコウ」
労働八号「ヤッキョク ニモ イコウ」
労働八号「ケショウヒン モ ヒツヨウ カナ」
労働八号「ナカナカ ムズカシイナ」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:49:06.64 ID:fFDf46ZgO [18/66]
労働八号「ヨウヤク ヤド ニ トウチャク」ガチャ
ムスタ「なんだ??その大量の荷物は………」
労働八号「ナイショ ニ シロ ト イワレテル」
侍「見せるでござる!」ヒョイ
ムスタ「なんだこれ?………食料はわかるとして、食器やら洗濯ばさみやら、買う意味がわからねーよ」
労働八号「カエセ!」ヒョイ
520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 12:56:10.45 ID:fFDf46ZgO [19/66]
労働八号「アケテ クレ」コンコンコン
レーゼ「あら、帰ってきた」ガチャ
労働八号「イロイロ カッタ」ゴチャゴチャ
レーゼ「本当に大量に買ってきたのね………」
メリア「きっと私達が何を買ったらいいのか具体的に言わなかったからね」
労働八号「スマン」
レーゼ「いいのよ」
521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 13:11:25.08 ID:fFDf46ZgO [20/66]
労働八号「ハナ ハ ナカッタ… ソレト ベイオウーフ ハ ガチ デ ヘコンデ イタ」
レーゼ「あぁ…ベイオウーフ………!!」
メリア「悪いけど耐えて下さいレーゼさん………これは非常に重要な問題なんです」
レーゼ「そうね…仕方ないわ……ごめんなさい」
労働八号「アト カッタモノ アイツラ ニ スコシ ミラレタ」
踊り子「やっぱり!デリカシーがないからそういう事するのよ!!」
竜騎士「ますます反省してもらわないとダメですね!!」
労働八号「でりかしー ハ ウッテ ナカッタ」
526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:36:04.21 ID:fFDf46ZgO [21/66]
踊り子「ところで何を買ってきたの?」ガサガサ
竜騎士「食べ物がたくさんありますね」
風水士「そうだ!ラムザにスープ作ってもらいましょう!」
ラムザ「僕が?」
風水士「そうそう!ね?おねが~い」
ラムザ「いいよ」
踊り子「やったぁ!」
竜騎士「嬉しくてジャンプしたい気分です!」ピョンピョン
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:40:02.33 ID:fFDf46ZgO [22/66]
風水士「誰が一番最初に食べるかジャンケン!」
踊り子「ジャンケンポン!」
風水士「やったぁ一番♪」
竜騎士「二番ですか…」
踊り子「最後かぁ~~~」
メリア「レーゼさん、これからどうしましょう………」
レーゼ「ベイオウーフ………さみしいわ………」
メリア「あ、これはダメだな………」
528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:42:32.85 ID:fFDf46ZgO [23/66]
ラムザ「出来たよ」
風水士「来たぁぁぁぁぁッ!」
ラムザ「はいどうぞ」コト
風水士「違うわラムザ。食べさせて………?」
ラムザ「僕が?」
風水士「そうよ。あ~~~ん………」
ラムザ「わかったよ」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:49:12.02 ID:fFDf46ZgO [24/66]
風水士「きゃあっ!?熱すぎて火傷しちゃうわ………。フーフーして………?」
踊り子「バカ!白々しい嘘はやめなさいよ!別に熱くないでしょ!!」
竜騎士「後がつかえてるんです!!早くしてください!!!」
風水士「うるさいわね!!敗者は大人しく待ってなさいよ!!!」
ラムザ「………」フーフー
風水士「あ~~~ん………パク………美味しい!!」
ラムザ「よ、良かったね」
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 14:57:29.96 ID:fFDf46ZgO [25/66]
風水士「ね、お兄ちゃん、もう一口ちょうだい?」
踊り子「ダメよ!!一口ずつにしなさい!!アンタなに調子に乗ってんのよ!!」
竜騎士「しかもいつから妹になったんですかッ!!」
風水士「別にいーじゃない!言った者勝ちよ!!」
竜騎士「次はあたしの番なんですよ!!ね?お、お兄ちゃん………」
ラムザ「う、うん………」
534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:07:32.28 ID:fFDf46ZgO [26/66]
竜騎士「お兄ちゃんのスープ、私にもください………」
ラムザ「うん………」
竜騎士「ちゃんとフーフーしてくださいね?」
ラムザ「………」フーフー
竜騎士「あ~~~ん……ゴクゴク………美味しい…」
ラムザ「元気なんだから自分達で飲んでよ」
踊り子「そんなのやだぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:13:40.61 ID:fFDf46ZgO [27/66]
踊り子「早くッ!早くちょうだい!」
ラムザ「………」フーフー
踊り子「パクッ………ズズズ………はぁ………」
ラムザ「もうやめていいかな?」
風水士「ダメッ!まだこんなに余ってる!!次はあたしの番!」
ラムザ「えー……」
アグ「貴様らいい加減やめないかッッ!」ガバッ
踊り子「何よッ!ひねくれアルマは黙ってふて寝でもしていればいいの!!」
アグ「うっ………くぅぅ!!」
537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:16:41.67 ID:fFDf46ZgO [28/66]
メリア「労働八号………」
労働八号「ナンダ?」
メリア「お前だけが頼りだ」
労働八号「ソレ ムスタディオ ニモ イワレタ」
メリア「命令、聞いてくれるか?」
労働八号「ナンデモ ドウゾ」
メリア「こっそり、ムスタディオ達の様子を見てきてくれ」
労働八号「リョウカイ」
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:22:20.54 ID:fFDf46ZgO [29/66]
労働八号「………」ソロリソロリ…
ムスタ「俺はこのカードだな!」
算術士「それでは、こっち!!」
シド「心の準備は良いな………?それっ!!」
ムスタ「よっしあぁぁぁぁ!!!」
算術士「計算が狂ったぁぁぁぁ!!!!!」
話術士「お酒が減って来ましたね!!買ってきます!!」
労働八号(とらんぷ デ アソンデイル ヨウダ………)
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:25:31.49 ID:fFDf46ZgO [30/66]
メリア「お帰り」
労働八号「タダイマ」
メリア「どうだった?」
労働八号「サケ ヲ ノンデ ギャンブル シテタ」
メリア「そうか………………」
労働八号「ムスタディオ ガ イカサマ シテ ボコボコ ニ サレテタ」
メリア「うん………ありがとう………」
545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:38:49.60 ID:fFDf46ZgO [31/66]
労働八号「ベイオウーフ ガ ナキナガラ サケ ヲ ノンデタ」
レーゼ「あぁベイオウーフ!!私もあなたに会えなくて悲しいわ!!」
メリア「私は一体どうしたらいいのかしら………」
メリア「こんな時、どうするのが正解なの………」
メリア「もしイズルードがいてくれたら………」
547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 15:46:30.22 ID:fFDf46ZgO [32/66]
メリア「ダメよ、私まで落ち込んだらおしまいだわ」
メリア「私がなんとかしなきゃ………!」
メリア「イズルードの姉として恥ずかしくない行動を………」
労働八号「ピピ」
メリア「労働八号、今の状況、どう思う?」
労働八号「マサニ カオス ダンケツリョク ゼロ」
メリア「そうよ、それなの。わかったわ!なぜ今まで気付かなかったのかしら」
548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 16:00:42.92 ID:fFDf46ZgO [33/66]
労働八号「ナンダ?」
メリア「うーん、解決には少し時間が必要ね」
労働八号「ナンジカン クライ?」
メリア「さぁ?具体的な時間なんてわからないし、わからない方がいいわ」
労働八号「アイマイ ダナ」
メリア「お前も自由にしておいで。私は………そうね、お酒でも飲もうかな」
労働八号「サケ ナラ カッテキテ アルゾ」
メリア「それでいいわ、ちょうだい。ねぇ、レーゼさんも飲みましょう」
レーゼ「えぇ…少しいただくわ……」
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:24:46.19 ID:fFDf46ZgO [34/66]
メリア「アグリアスもこっちに来て飲まない?」
アグ「いらない………」
レーゼ「美味しいわよ~~~すごい、美味しいの」グイグイ
メリア「いいから。はいどうぞ」グイグイ
アグ「………」ゴク
メリア「ねぇ、今の状況、どう思う?」
アグ「とにかくバラバラでまとまりがない………」
メリア「そう。バラバラなの」
レーゼ「私もベイオウーフとバラバラなのぉぉ…」シクシク
メリア「レーゼさん、ちょっと黙っててください」
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:26:30.18 ID:fFDf46ZgO [35/66]
メリア「今の状態で戦うなんてどう考えても無理だわ」
アグ「そうだな………」
メリア「話は変わるけど、むしろ今まで戦えてきたこと自体が奇跡だと思わない?」
アグ「どういうこと?」
メリア「だってそうでしょう?イヴァリース中の騎士団と教会を敵に回してるのになんとかやれてるのよ?」
アグ「確かにそうだ」
メリア「私も貴方も味方に裏切られてここに来た。命まで狙われて、何度も危ない橋を渡ってきた」
アグ「ああ………」
メリア「そんな人ばかりの集まりなのに、聖石だってほとんど集めることができてるわ。不思議ね」
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:29:12.30 ID:fFDf46ZgO [36/66]
アグ「そうだな。それに考えてみれば、生きている事が奇跡のようなものなのに、聖石まで………」
メリア「そう。私達は人間として生きて聖石を持っている。ルカヴィみたいな悪魔とは違うわ」
アグ「奴らは運命をねじまげて奇跡を起こしたから、悪魔になってしまったんだ」
メリア「ええ。でも結局は私達にやられてしまっているけどね。だから彼らのは奇跡と呼べないわ」
アグ「間違った存在は、悪は滅ぼさないといけない」
メリア「フフ、それを今の騎士達や教会の人間に言える?間違った存在だから全員死んでくれ、って」
アグ「………それは極端すぎる」
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:31:38.44 ID:fFDf46ZgO [37/66]
メリア「そう。かといって間違った存在を消しても解決はしないの。本物の悪魔がいなくても、人が悪魔になるわ」
アグ「じゃあメリアドール、君はなんのために剣を振るんだ?」
メリア「それは真実を知るためよ。家族を確かめたい。それだけ。すごく人間臭い理由だと思わない?」
アグ「そうかもしれない」
メリア「理由なんてそんな程度でいいのよ。あそこの誰かさんだって妹のために戦ってるだけに見えるし」
アグ「うーーーーーん。冗談に聞こえないのが怖いな」
メリア「アグリアス。私はてっきり貴方はこんな状況になるのを分かってて宿に閉じこもっていたと思っていたの」
アグ「???」
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:36:38.27 ID:fFDf46ZgO [38/66]
メリア「詳しい理由は知らないけど、貴方は本部隊に戻らずに部屋に閉じこもった。それって物凄く勝手な行動よ」
アグ「す、すまない………」
メリア「責めてはいないわ。でも、貴方が、いえ皆がそういう人じゃなかったら、今頃全員ルカヴィになってたかもね」
アグ「………ハハッ!ハハハハハハ!!そうだな!!………ありがとうメリアドール」
メリア「いいのよ。私はそういう人の多いこの部隊が好きでここにいるんだし」
アグ「そうじゃなければ、今頃はまだ我々の敵に?」
メリア「ええ。たとえそこで真実が見えたとしても、目をつぶって見ない振りをして、神に祈っていたわ!」
アグ「フフ………面白い事を言う………」
568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:41:39.46 ID:fFDf46ZgO [39/66]
メリア「戦ってる貴方よりも、今の貴方の方が当然だけど人間らしいわ」
アグ「その通りだ。戦う自分が本来の自分なら、私は悪魔みたいな人間にみえる」
メリア「そ。だからたまには戦わなくてもいいんじゃない?ずっと団結してろなんて、欲張りな注文よ?」
アグ「君は大人だな」
メリア「全然子供よ?だからこうしてダラダラと、この状況を楽しんでいるの」
アグ「いいや大人だ。だって、お酒を飲んでいるから」
メリア「フフッ!痛いトコ突いてくるのね!」
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:47:11.76 ID:fFDf46ZgO [40/66]
風水士「あら?二人で何をイチャイチャしてるの?」
踊り子「むむ!!それお酒じゃない!!!よこしなさいよ!!!」
竜騎士「黙って飲むなんてずるいです!!!」
アグ「だ、ダメだ!!これは私達の―――」
踊り子「ちょっとくらいいいじゃないの!ひねくれアルマ!」
アグ「!!!頭に来たぞ!!メリアドール、後は任せた!!!!!」ダダダダ
風水士「あーあ、出て行っちゃったわ」
踊り子「いーのいーの!!」
レーゼ「もう飲めないわ………ベイオウーフゥ………」
571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:52:20.12 ID:fFDf46ZgO [41/66]
ムスタ「おわっ!!姐さんが出て来た!!!!」
アグ「うぅ………ひっく………うぇぇ………」
シド「な、なぜ泣いているんだ?」
アグ「あんなに………デリカシーのない人間と………ひっく………一緒に………いられない」
ムスタ「そうだよな!俺だってあんなクソやかましい連中、耐えられるかどうか………」
シド「まぁ、こっちに来なさい」
ムスタ「座れよ姐さん。これで涙を拭いてさ」
アグ「すまない………」グシュグシュ
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 19:59:37.47 ID:fFDf46ZgO [42/66]
ベイオ「おおおお!!アグリアス!!出て来たのかッッ!!」
アグ「出て来た………」
ベイオ「レーゼはッッ!!愛しいレーゼはどうなんだぁぁ!!!!」
アグ「部屋で泣いていた………」
ベイオ「ああ!!なんという!!!レーゼ!!今そこに行くぞ!!!」ガタン
ムスタ「ベ、ベイオウーフ!!」
ベイオ「止めても無駄だッッ!!レーゼェェェェ!!!」ダッシュ
575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:12:44.35 ID:fFDf46ZgO [43/66]
労働八号「サッキ ノ ムズカシイ ハナシ ハ ドウイウ イミ ダ?」
メリア「簡単に言うと、戦ってばかりいないでたまにはこういう所で休むのも大事だって話よ」
労働八号「フーン」
ベイオ「レーゼ!!」ガチャッ
レーゼ「あぁ!ベイオウーフ」ギュッ
ベイオ「会いたかった!!」ギュッ
風水士「ラブラブでいーわねー」
ラムザ「またアルマがいなくなった………僕はきっと嫌われたんだ………」ガーンガーン
576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:23:36.62 ID:fFDf46ZgO [44/66]
アグ「………Zzz」
ムスタ「寝てるし」
侍「とりあえずアグリアス殿は出て来てくれたでござる!」
話術士「やりました!!」
ムスタ「これでいいのか?うーん、まぁいいや」
侍「後はラムザ殿でござるな」
ムスタ「あいつは面倒だから後にしようぜ?」
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:28:43.42 ID:fFDf46ZgO [45/66]
シド「何を話しているんだ?」
ムスタ「べーつに」
シド「冷たいな。私は飲んだら熱くなってきたぞ………」ヌギヌギ
ムスタ「ちょっ!?なんで下から脱ぐんだよ!!」
シド「この雷神シド、まだまだ衰えてはいないッ!この肉体を見ろ!」ヌギヌギ
ムスタ「全裸になるな!」
シド「逃げるのか?ムスタディオよ………」
ムスタ「上等だ、じーさんよォ………」ヌギヌギ
581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:36:49.28 ID:fFDf46ZgO [46/66]
シド「フフフ………まぁ雷神が相手なら、逃げるのも仕方ない事………自由に逃げるがいいムスタディオ」
ムスタ「なんだと?じーさんのくせに意気がると、すんげぇ恥かくんだぜぇ………?」ヌギヌギ
侍「酒を飲んだら脱ぐ!」ヌギヌギ
話術士「当然の………」ヌギヌギ
算術士「流れではあるな」ヌギヌギ
シド「良い覚悟をしているな………さすがは我が仲間達、といったところか」
584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 20:53:53.81 ID:fFDf46ZgO [47/66]
ムスタ「それで、勝負方法は………?」
シド「1ギルデスマッチだッ!」
ムスタ「何だとッッ!!!」
話術士「説明しよう。1ギルデスマッチとは、コインを崩さないように積み重ねていくゲームである」
算術士「崩した時点で積み重ねる順番のプレイヤーが敗者となり、ゲームは終了」
侍「敗者はそれなりの罰ゲームを受けなければならないのが、このデスマッチの恐ろしい所でござる」
シド「フフフ…………そのコインを積み重ねる場所は、寝ているアグリアスのおでこの上だ!」
ムスタ「なにぃーーーー!!??」
侍「狂気の沙汰にも程があるでござる!!!!」
587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:02:07.91 ID:fFDf46ZgO [48/66]
シド「もし失敗してアグリアスが起きれば、その時点のプレイヤーは股間をモロに見られるだろう………」
話術士「そんなッ!確実に殺されますッ!」
算術士「助かる方法は算術でもわからないッッ!!!まさにデスマッチ!!!!」
シド「ソファで寝ているアグリアスが目を醒ます時、敗者に神罰を下すだろう!」
話術士「ひぃぃぃ!!」
シド「プレイヤーが一撃で死ぬように、エクスカリバーをアグリアスの側に置くぞ………フフフ………」ジャリン
ムスタ「狂ってるぜ、じーさん………!!」
591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:26:15.56 ID:fFDf46ZgO [49/66]
シド「おでこの上に崩さないように1ギルを置く。それだけだ。逃げたい者は今の時点で消えなさい」
ムスタ「………」
侍「………」
算術士「………」
話術士「………」
シド「………いないか。全裸になった時点で覚悟はできておるのだな。頼もしいぞ」
ムスタ「当然だぜ………」
シド「面白い。ではゲームを始めよう。順番は私からだ………」
592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:31:26.26 ID:fFDf46ZgO [50/66]
シド「私は全裸だが騎士だ。神聖なフィールドを汚れた金で汚したくはない」
アグ「すぅ………すぅ………」
シド「そこで、このハンケチーフをフィールドに置く。いいな?」
一同「………」コクリ
シド「神よ………」ファサ
ムスタ(なかなか余裕こくじゃねーか、じーさん!)
シド「そして1ギルを置く………」ス…
シド「成功だ。次のプレイヤーは前へ」
593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:36:18.67 ID:fFDf46ZgO [51/66]
ムスタ「次は俺だ………」
ムスタ(機工士の俺がコインゲームか………)
ムスタ(金属の感触なら、誰よりも直に味わってきているはずだ)
ムスタ(負けるわけがないッ!!)
ムスタ「行くぜ………」チャリ
アグ「すぅ………すぅ………」
ムスタ「成功だ。次」
596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:41:08.54 ID:fFDf46ZgO [52/66]
侍「次は拙者でござるな………」
侍(1ギル………こうして改めて触ると不思議でござるな)
侍(奥義、『ぜになげ』を修得するため、血が滲むまで触り続けてきた銭………)
侍(この銭からは、血の臭いがするでござる)
侍(そう、血を欲する臭いが!!)
侍「………」チャリ
アグ「すや………すや………」
侍「次、行くでござる」
597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:46:22.84 ID:fFDf46ZgO [53/66]
算術士「オレが行くぜ……」
算術士(あらゆるジョブをマスターしてきたオレにコインゲームだと?笑わせる………)
算術士(ましてやオレは算術のプロだ。高さ、位置、重心、すべてを計算してやるぜ)
算術士(見える、見えるぞ正解が………)
算術士(相手が悪かったな。オレは絶対に負けない)
算術士「行くぜ………」チャリ
アグ「すぅ………すぅ………」
算術士「次だ」
598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 21:50:26.55 ID:fFDf46ZgO [54/66]
話術士「さてと………」
話術士(何も知らずに寝ているね、アグリアス………)
話術士(僕だけは君が目を醒ます瞬間を、絶対に見ないんだ)
話術士(それは僕が話術士だから………)
話術士(そう、相手を眠らせる『ダーラボンのまね』を使えるからッッ!!)
話術士「ここかな………」チャリン
アグ「ぐぅ………すぅ………」
話術士「セーフだね。次だよ」
603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:22:16.65 ID:fFDf46ZgO [55/66]
労働八号「ジユウ ニ シロ ト イワレテモ………」
労働八号「ムスタディオ デモ ミテクルカ !」
労働八号「ドレドレ………?」
労働八号「ゼンイン ゼンラ ダ………」
労働八号「アグリアス ヲ カコンデル………」
労働八号「ミナカッタ ワタシハ ナニモ ミナカッタ」
労働八号「ニ…ニンゲン オソロシイ コワイ コワイ」
606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:37:42.79 ID:fFDf46ZgO [56/66]
シド「諸君、見たまえ……アグリアスの純白で神聖なおでこを………」
シド「そこにコイン積みと言う名の罪を積み重ね………そしてその邪悪な塔は完成に近付いていく…」
シド「まるでベルベニア活火山をも思わせるような、荒々しく醜いコインタワーだ………」
シド「我々が行っているのは、もはや邪神召喚の儀式に他ならないのだよ……」
シド「私は四人の刺すような視線を尻に集めつつ、今ここに31枚目のギル貨幣を重ねよう………」チャリ…
アグ「うぅーん……………」
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:46:15.10 ID:fFDf46ZgO [57/66]
ムスタ「次は俺だな。コインをくれ………」
シド「………諸君、残念だがゲームは続行不可能になってしまった」
算術士「なんだとッッ!?」
話術士「ここまで来たのに!!」
侍「勝負の決着がついてないでござる!!」
シド「シーッ!!静かに!声が大きい!!とりあえず廊下に移動だ」
ムスタ「どういうことだよ………」
侍「もしもくだらない理由だったら、シド殿といえど………斬る」
609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:51:29.13 ID:fFDf46ZgO [58/66]
ムスタ「さぁ、訳を話してもらおうじゃねーか」
シド「実は、1ギル貨幣が底を尽きてしまったのだ………」
ムスタ「ちくしょおおおおおお!!」
算術士「完成まで………完成までもう少しだったのに!!」
侍「なんという結末………」
話術士「あぁ………邪神が召喚できない………」
労働八号「ギョエエエエ !」
611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 22:56:06.39 ID:fFDf46ZgO [59/66]
ムスタ「なんだ、労働八号じゃねーか」
労働八号「アワ… アワワワワ…」
シド「ちょっといいかな、ギル貨幣を手に入れる方法を知らないかね?」
労働八号「メ メ メリアドール タチ ガ モッテイルカト…」
シド「それだ!借りに行こう!」
労働八号「ゼ ゼンラ デ イクノハ マズイ ヨウナ…」
算術士「邪魔だッ!どけッッ!」
シド「諸君、行こうじゃないか」ゾロゾロ…
613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:02:16.94 ID:fFDf46ZgO [60/66]
シド「………」コンコンコン
メリア(アグリアスかしら!?)ガチャ
ムスタ「1ギル貨幣を貸してくれーっ」
メリア「!!!!????」
話術士「無情なコイン不足………」
算術士「塔が完成しないんだ………」
侍「我々の命を賭けた勝負の続きを………」
シド「アグリアスを生け贄に捧げた、邪神の塔を………」
メリア「キャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:08:58.62 ID:fFDf46ZgO [61/66]
労働八号「モ モドッテキタ…」
ムスタ「ケチ臭いんだな、メリアドールは」
話術士「一枚くらい貸してくれてもいいのに」
算術士「まったくだ」
侍「男の世界を理解できてないでござる」
シド「ムスタディオの腹が引き裂かれる場面を期待していたが、残念だ」
ムスタ「なんだとコラァ!?」
シド「次の32枚目はお前の番だったのだ。命拾いしたな」
ムスタ「上等だァァァ!!お前ら全員表に出ろ!!!外で勝負だ!!!」
615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:17:27.73 ID:fFDf46ZgO [62/66]
ムスタ「めんどくさいルールはやめだ!!」
シド「ではどうするのかね?」
ムスタ「街の中央通りを全力で走るんだ。ゴールは森の入り口。わかりやすいだろ?」
シド「諸君、どうかね?」
ムスタ「…………反論はねーな!!」
シド「では行くぞ……3…2…1…はじめ!!」
一同「ウオァオオアァオオオオーーー!!!!」
616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:23:12.07 ID:fFDf46ZgO [63/66]
店番「ん?外が騒がしいな…」
店番「なんだろうか………?」
ムスタ「うはははははは!!」
店番「ちょっとアンタァ!!何してんですか!!」ガシッ
ムスタ「馬鹿!離せ!!真剣勝負の最中なんだ!!」
シド「なんだどうした!?止めるんじゃない!!」
店番「黙れ変態共めッッ!!!」
617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:26:41.54 ID:fFDf46ZgO [64/66]
ムスタ「そうだお前、1ギル貨幣を貸せ!!」
店番「ハァ??」
ムスタ「ギル袋はこれだな?ちょっくら頂くぜ!!」
店番「あッ!!こら!!」
シド「戻って続きだ!!」
ムスタ「借りるだけだッッ!!必ず返してやるからよ!!またなッ!!」ダッシュ
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:30:33.68 ID:fFDf46ZgO [65/66]
ムスタ「さて、宿の前まで戻って来たわけだ」
シド「順番としてはお前だな、ムスタディオ」
ムスタ「おう!!ちょっくらそこで待ってな!!積んですぐに戻って来るからよ!!」ガチャ
侍「ま、無理でござるな」
話術士「勝負ありですね」
シド「これが勝負の世界の厳しいところだ。さぁ諸君、待とうじゃないか」
622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/27(日) 23:39:00.53 ID:fFDf46ZgO [66/66]
算術士「………………戻ってくるだろうか」
シド「自信があるように見えた。どうだろうか」
話術士「見た目以上に慎重ですからねー」
侍「待つべし」
…キャアアアアア
シド「アグリアスの悲鳴だ」
…ウギャアアアアアアア
侍「この断末魔、ムスタディオ殿でござるな………」
話術士「ついにデスマッチに決着が付きましたね………」
シド「あぁ。敗者は―――機工士、ムスタディオ・ブナンザ」
629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 00:31:56.91 ID:2ZL24HmcO [1/37]
シド「さて諸君、ゲームはムスタディオの敗北によって終了した。だが、重要な問題が残っている」
話術士「な、なんですか?」
侍「そうか!今から同じように我々が宿に戻ったら………」
算術士「なるほど。聖剣エクスカリバーで刺されるな………」
シド「そうだ。純白を汚されたアグリアスは、間違いなく我々をゴミ虫でも見るような目で殺すだろう」
侍「酔った勢いというのは恐ろしいでござるな………」
633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 00:37:31.93 ID:2ZL24HmcO [2/37]
シド「しかし、我々には酔った勢い。これがある」
算術士「―――というと?」
話術士「酔った勢いで、宿に戻る………?」
侍「し、死にたくないでござる!!死にたくないでござる!!」
シド「いやいや。宿には戻らない。だから、街へと戻ろうじゃないか!」
侍「なるほど!」
算術士「よくわからないが、すごい説得力だ!」
話術士「戻りましょう!!街へ!!」
シド「わは!!わはははははは!!!」
637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 00:47:39.27 ID:2ZL24HmcO [3/37]
店番「また外が騒がしいな………」
店番「ってことは、まさか!!」ガチャ
シド「おお!いつぞやの!世話になったな!!」
店番「頼むから警備隊の世話になってください!!」
算術士「なあに、ギルは返してやるって、ホラ!」ポイ
店番「あ、あぁ………」キャッチ
話術士「ちょっとあなたの化粧品店に入れてくださいよー!」グイグイ
店番「あ!ちょっとコラ!!あーもうしょうがないですね!!」
638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 00:52:49.28 ID:2ZL24HmcO [4/37]
店番「なんであなた達は全裸で街中を歩くんですか!!」
シド「はて………?」
店番「はて、じゃないですよ!!やめてください!!」
算術士「じゃあどうしろって言うんだよ!!」
話術士「そうだそうだ!!」
店番「服を着ろバカタレ共が!!」
侍「この店、服も置いているんでござるな!!感心感心!!」
シド「どれ、少し見せてもらおうか…」
店番「オッサンが着る服はないッッ!!触るな!!やめろ!!やめてくださいお願いします!!!」
640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:11:01.92 ID:2ZL24HmcO [5/37]
店番「布きれがありますから、それにしてください!!」
算術士「フン!金ならないぞ!」
店番「いばるな変態!あなた達からお金なんてもらいたくないです!!」
シド「なんと優しい心の持ち主なのだ………!」
店番「褒めてないです!!とっとと出ていけ!!」ゲシゲシ
話術士「うわぁーー!!」
641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:13:29.25 ID:2ZL24HmcO [6/37]
侍「追い出されたでござる」
シド「しかしだね、こうして我々は全裸を脱出できたのだ」
話術士「確かに!」
算術士「半裸ならオーケーなはずだ!!」
シド「宿へと戻ろう!!」
侍「ようやく帰れるでござるな!」
算術士「また飲めるぞ!!」
643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:16:46.60 ID:2ZL24HmcO [7/37]
算術士「帰ってきた!」
シド「ドアを開けるぞ………」ギィィ
算術士「………ん?あの廊下の黒い塊は………」
侍「ひょっとして………」
シド「ム、ムスタディオ………」
話術士「しかも、フェニックスの尾が使われていないまま放置されてます………」
644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:24:46.76 ID:2ZL24HmcO [8/37]
シド「心臓を一撃で貫かれて絶命したようだ………」
侍「そ、そんな………あぎゃあっ!?」グサッ
算術士「ど、どうした………うげぇっ!?」グサッ
話術士「た、助け………ぐあぁっ!?」グサッ
アグ「………………………………………」
シド「ア、アグリアス………私のエクスカリバーでイタズラするのはいけないな………」
アグ「………………………………………」
シド「だ、だから、その、ゴミ虫を見るような目はやめ――――ぐはっ!!」グサッ
646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 01:51:25.01 ID:2ZL24HmcO [9/37]
労働八号「ヒイィィ…」
アグ「労働八号…」
労働八号「ア ア アグリアス…」
アグ「彼らを何とかしてやってくれ………私は寝る………」
労働八号「ト トリアエズ フェニックスノオ デモ バラマク…」パラパラ
労働八号「サケ ノ チカラ ハ オソロシイ…」
681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 17:43:11.63 ID:2ZL24HmcO [10/37]
労働八号「スルコト ナイナ」
労働八号「ミンナ ネテルシ………」
労働八号「メイレイ ナイゾ!」
労働八号「ウーン………」
労働八号「ソウダ ハナダ!」
労働八号「アグリアス カラ ハナヲ タノマレテタ!」
労働八号「カイニ イクカ」
683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 17:49:45.78 ID:2ZL24HmcO [11/37]
労働八号「ハナ… ハナ…」
エアリス「あら、この間のロボットさん!」
労働八号「コンニチハ」
エアリス「あの時は私のせいで殴られてしまったでしょ?ごめんなさいね…」
労働八号「ソレヨリ ハナ ホシイ! 32ぎる アルカラ クレ」チャリチャリ
エアリス「ご、ごめんなさい、今日は花が売り切れちゃったの………」
労働八号「ガーン」
684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 17:55:39.36 ID:2ZL24HmcO [12/37]
悪漢「見つけたぞエアリス…!この前はよくも逃げやがったなぁ!!」
エアリス「も、もう少しだけ………待ってほしいの」
悪漢「うるせぇ!いい加減に32000ギル払いやがれ!」
エアリス「ええっ!?ど、どうして2000ギル増えているの!?」
悪漢「逃げてる間に2000ギルの利子が付いちまったんだよ、イヒヒヒヒヒ…」
労働八号「オチツケヨ オッサン」
悪漢「うるせぇぞポンコツ!」ガツン
労働八号「イテーナ コノヤロー!」
686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:00:57.84 ID:2ZL24HmcO [13/37]
悪漢「払わねぇならこっちにも考えがあるんだぜ?イヒヒヒヒ………」
エアリス「や、やめてよ………!」
労働八号「オイ ヤメロ!!」
悪漢「なんだぁ!?さっきからうるせぇポンコツだな!」
労働八号「エアリス ガ イナイト アグリアスニ ハナガ カエナイ ダロガ!」
エアリス「ロボットさん………」
悪漢「こいつはなぁ!借りた金を返さずにいるんだぞ!!」
労働八号「ソレハ ハラワナイト ダメダナ……… コマッタ」
687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:07:26.05 ID:2ZL24HmcO [14/37]
労働八号「トリアエズ コノ 32ぎるデ キョウハ ユルシテクレ」
悪漢「1000分の1じゃねぇか!ふざけんな!」ガツン
労働八号「イテ! ケガシタゾ! イシャリョウ ト チリョウヒ ヲ クレ」
悪漢「ケガなんかしてねーだろうが!嘘を言うな!」
労働八号「ゴウケイ 32000ぎるニ ナリマス」
悪漢「都合が良すぎんだよ!!馬鹿にすんな!!!!」
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:13:22.89 ID:2ZL24HmcO [15/37]
労働八号「ソウダ! ワタシヲ 32000ぎるデ カエ」
悪漢「なんだと………?お前のどこにそんな価値があるんだよ!!」
労働八号「ワタシハ トテモ ツヨイ デス!」
悪漢「じゃあ何か見せてみろよ」
労働八号「タトエバ… アノ ケショウヒンテン ノ カンバン クライナラ」ギュイイイイ…ボン!!!
悪漢「な、なかなか強いポンコツだな………!!」
労働八号「ポンコツ ジャナイ!」
689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:19:42.39 ID:2ZL24HmcO [16/37]
悪漢「よし、お前を32000ギルで買うぞ!!」
エアリス「ロボットさん!私のために、そんな………」
労働八号「ベツニ イインダ」
エアリス「本当にありがとう!!本当に………」
労働八号「ソレヨリ タノミガ アル」
エアリス「なに?何でも言って!」
労働八号「モシ ハナガ テニ ハイッタラ マチノ ヤドニ モッテイッテ クレ」
エアリス「街の宿ね?わかったわ!」
692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 18:26:47.28 ID:2ZL24HmcO [17/37]
エアリス「本当に花なんかがお礼でいいの………?」
労働八号「ハナヲ テニイレル コトガ イチバン ジュウヨウ ナンダ」
悪漢「よし、そろそろ行くぞ!」
労働八号「サヨナラ……… ハナヲ タノム ハナヲ タノム………」
エアリス「ありがとうロボットさん!花は必ず届けるわ~~~~~!!」
労働八号「ヤット ハナガ アグリアスニ トドク!」
701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:13:26.68 ID:2ZL24HmcO [18/37]
悪漢「よーしポンコツ!ここが俺のアジトだ!中に入れ!!」
労働八号「リョウカイ」
悪漢「おい、新入りが来たぜ!」
クラウド「………ん?ラムザのロボットじゃないか!」
労働八号「オッス」
悪漢「知り合いか?まぁ仲良くやれよな!」
704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:19:19.00 ID:2ZL24HmcO [19/37]
悪漢「俺は眠るぜ……Zzz…」
労働八号「コンナ トコロデ アウ ナンテナ!」
クラウド「フン!ラムザに言われて俺を連れ戻しに来たのか………?」
労働八号「チガウ チガウ ワタシモ モドルキハ ナイ」
クラウド「何だと………?じゃあ嫌になって逃げて来たのか?」
労働八号「ニンムノ タメニ デテキタ ダケダ オメート イッショニ スンナ」
705 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:25:14.42 ID:2ZL24HmcO [20/37]
労働八号「ハナウリノ シャッキンノ カワリニ ジブンヲ ウッタ」
クラウド「馬鹿な奴だ………」
労働八号「アグリアスニ ハナガ トドケバ ソレデイイ」
クラウド「つまらない任務だな」
労働八号「ナントデモ イエ」
クラウド「可愛いげのない奴だ………だが、エアリスは助かったんだな。良かった………」
710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:31:02.54 ID:2ZL24HmcO [21/37]
労働八号「クラウドハ ココデ ナニ シテンダ?」
クラウド「俺はあの男に捕まってるんだ………この体中の鎖を見ろ」ジャラジャラ
労働八号「フーン」
クラウド「だが、お前らの所よりまだマシだ!こんな所、すぐに抜け出してやるさ……」
労働八号「ラムザタチノ トコロニ カエルコトハ カンガエテ ナイノカ?」
クラウド「興味ないね」
711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:36:14.30 ID:2ZL24HmcO [22/37]
労働八号「マァイイヤ トコロデ クラウドト ワタシハ ニテルナ」
クラウド「なんだと!!?俺は違う!!お前のような人形と一緒にするな!!!」
労働八号「ワタシガ ニンギョウ?」
クラウド「そうだ!言われた命令だけしかしないだろう!」
労働八号「ソウダナ デモ ソレガ ワタシダ」
クラウド「俺は人形じゃない………人形じゃないんだ………うぅ………」
労働八号「ヤッパリ ニテルト オモウ」
クラウド「やめろ!どこが似ているんだ!!」
712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:42:32.58 ID:2ZL24HmcO [23/37]
労働八号「クラウドハ クサリニ ツナガレテ オッサンノ メイレイ キイテル ダケ」
クラウド「俺は命令なんか聞いていない!あいつも利用するだけだ!自分の意志で行動を決めているんだ!!」
労働八号「ソレナラ コノ セカイニ キタノモ クラウドノ イシ?」
クラウド「そ、それは………無理矢理に召喚されてここに………」
労働八号「デハ シブンノ イシデ コウドウ シテイルノトハ チガウ」
クラウド「くそ………さっきからお前は何が言いたいんだ………」
713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:47:36.03 ID:2ZL24HmcO [24/37]
労働八号「ワタシハ アグリアスノ タメニ ココニ キタ」
クラウド「つまらない人形だな………」
労働八号「ソウ ニンギョウ ダカラ ソレデ イイ デモ クラウドハ チガウ」
クラウド「………………」
労働八号「ジブンノ イシ デモ ダレカノ メイレイ デモ ナク コノ セカイニ イル」
クラウド「じゃあ、どうすればいいって言うんだ………………」
714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:53:08.37 ID:2ZL24HmcO [25/37]
労働八号「カンタンダ ジブンノ セカイニ カエレ」
クラウド「俺が……帰る………」
労働八号「カエルニハ セイセキガ ヒツヨウ セイセキハ ラムザガ モッテル」
クラウド「………」
労働八号「ダカラ イチド ラムザノ トコロニ カエル ベキダ」
クラウド「……………フッ、まさか機械に説教されるとはな」
労働八号「クラウド………?」
クラウド「わかった。俺はソルジャーとしてやるべき事がたくさんあるからな。自分の意志で帰ろう」
労働八号「ガンバレ そるじゃー」
716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 20:58:41.25 ID:2ZL24HmcO [26/37]
クラウド「だが問題はこの鎖だ…これがある限り、俺は自分の意志で行動できない」
労働八号「ソレハ タイヘンダナー」
クラウド「だからお前がこの鎖を切るんだ」
労働八号「ソノ メイレイハ ダメダ ワタシノ ゴシュジンサマノ イシジャ ナイ」
クラウド「フン!良い事を教えてやる………お前は今、大きな命令違反をしている」
労働八号「ナンダト!? マジカ? エ? ナニソレ? ナニ?」
718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 21:18:36.95 ID:2ZL24HmcO [27/37]
クラウド「自分で考えろ………」
労働八号「ワカンナイ! ヒント! ヒント クレ! サービス!」
クラウド「鎖を外してくれたら教えてやるさ………」
労働八号「ア! ソウヤッテ ワタシヲ ダマスキ ダナ!? ソノテハ ツウヨウ シナイ!」
クラウド「じゃあそのまま命令違反してるがいいさ……お前は逆に人形らしくないなぁ……違反するなんて」
労働八号「……チョットダケ オシエテ チョーダイ? ネエ… マジデ… クラウドチャン…」
クラウド「自分の胸に聞いてみろ」
720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 21:27:00.88 ID:2ZL24HmcO [28/37]
労働八号「クラウド! ナンデ オマエハ ソンナニ ヒネクレテンダ!! オシエロ!」
クラウド「生意気な奴は嫌いだ………」
労働八号「ツンデレ ナノカ? ツンツン ナノハ カミガタ ダケニ シロ!」
クラウド「うるさいぞポンコツ」
労働八号「モウ ジュウブン ツンツン シタダロ? ダカラ ハヤク デレロ! マジデ タノム」
クラウド「もうヒントは言ったさ」
労働八号「オシエテ クレナキャ イヤン! …………エ? イッタノ?」
クラウド「自分の胸に聞け!それがヒントだ………」
723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 21:39:38.49 ID:2ZL24HmcO [29/37]
労働八号「ムネト イワレテモ… キカイニ ココロハ ナイシ オッパイモ ナイゾ?」
クラウド「はぁ………だからお前は馬鹿なんだ………」
労働八号「チョット クラウドノ チクビ ミセテネ」ピコピコ
クラウド「バッカやめろぉぉ!あっふぅ!?触るな!!」
労働八号「アンマリ サワグト アイツガ オキルゾ? イイノカ?」ピコピコ
クラウド「んっく!!んん………ふぅん!!くく………うんんん!!………ふぅん!!」
730 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 21:57:09.16 ID:2ZL24HmcO [30/37]
クラウド「わかった!答える!………正解はその胸の心臓部にある聖石だ」
労働八号「セイセキ? コノ あくえりあす?」パシパシ
クラウド「そうだ。その聖石の持ち主がお前の本当のご主人様だろう?」
労働八号「デ デモ イマノ ゴシュジンハ アノ オッサン ダシ…」
クラウド「それはお前が勝手に判断して決めたんだろ?」
労働八号「タ… タシカニ!!」
クラウド「あーあ、お前はラムザを裏切ってしまったな………」
労働八号「ヤベェ!」
734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 22:31:26.47 ID:2ZL24HmcO [31/37]
クラウド「とりあえず俺の鎖を外せ」
労働八号「ワカッタ」ジャランジャラン
クラウド「ようやく自由になれたぜ………」
労働八号「コノ オッサン ドウスル コロス?」
クラウド「殺すってお前……結構ひどい事を平気で言うんだな」
労働八号「キカイニ ココロハ ナイ」
735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 22:38:57.40 ID:2ZL24HmcO [32/37]
クラウド「そうだ、お前は自分を売ったと言ってたな」
労働八号「ソウダ 32000ぎるダ」
クラウド「大金だな………よし、この鎖でこいつを縛るぞ」
労働八号「シバッテ ドウスル」
クラウド「いいからやるんだ。今は俺の命令に従え」ジャラジャラ
労働八号「ワカッタ」ジャラジャラ
737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 22:46:57.08 ID:2ZL24HmcO [33/37]
クラウド「おい、起きろおっさん………」バシ
悪漢「なんだぁ?………あッ!動けない!!」ジャラジャラ
クラウド「さてポンコツ、32000ギル分やってやれ」
労働八号「リョウカイ」
悪漢「な、何をする!!やめろーー!!」
労働八号「マズハ ミギ チクビ カラ」ピコピコ
悪漢「んっく!!んん………ふぅん!!くく………うんんん!!………ふぅん!!」
741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 22:57:24.98 ID:2ZL24HmcO [34/37]
労働八号「ニンゲンハ コンナノガ イイノカ?」ピコピコ
クラウド「勉強になるだろ?」
労働八号「ベツニ…」ピコピコ
クラウド「逆に聞いていいか?」
労働八号「ナンダ?」ピコピコ
クラウド「お前、こういうの誰に教わったんだ?」
労働八号「シド ダ」ピコピコ
クラウド(変態じじいめ………)
悪漢「うああぁーーうぁぁおおおあぃぃああーーー!!」
748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 23:32:04.18 ID:2ZL24HmcO [35/37]
シド「さてアグリアス、我々5人の気持ちは一つにまとまっている。純粋に謝りたいという思いだけだ」
アグ「………」
シド「その気持ちの現れによって生まれるのがこの幻のフォーメーション、インペリアル土下座だ」
アグ「………」
シド「5人全員の土下座によって生まれた奇跡の陣形に………美しさすら感じないかね?」
アグ「………」
シド「我々5人は君に一度殺され、そして生まれ変わったのだよ………それは理解してほしい」
アグ「………」
シド「だから、そのゴミ虫を見るような目で我々を見るのは、そろそろやめて頂きたいんだ………」
753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 23:51:25.77 ID:2ZL24HmcO [36/37]
シド「アグリアス、この老いた体には長時間の土下座は辛すぎるのだ………」
アグ「………」
シド「だからそろそろ許してはくれんかね………?」
アグ「…」
シド「そして、我々の命である79本の酒をすべて返してほしい………」
ムスタ「おい!いい加減にしろよアグリアス!!」
アグ「………………………」ギュウウウ
ムスタ「いだだだだ!頭を踏まないでくれ!!スンマセンッした!!!」
754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/28(月) 23:59:41.94 ID:2ZL24HmcO [37/37]
シド「ムスタディオ!!控えろ!!!!」
アグ「………………………」
シド「ムスタディオの問題は私の責任だ!!やるなら私をやれ!!!」
アグ「…」ギュウウ
シド「いおおお!!できればブーツを脱いで、その生足で踏んで頂きたいものだ!!!」
アグ「………………………」
シド「神のような慈悲深き心と慈愛の精神を持つアグリアスよ、どうか私を裸足で踏み付けてくれ………」
アグ「も、もういやよ…………私……ぐすっ………………」
764 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 00:24:09.30 ID:RazzYUO9O [1/6]
シド「どうしたのだアグリアス………謝罪を要求したのは貴女の方ではないか?」
アグ「で………ですが……シド伯……ぐすっ…………」
シド「貴女の言葉は神の言葉と同じ重さがあるのだよ………だから我々は8秒で土下座し、この陣形を組み上げたのだ」
アグ「あまりにも………辛いんです……ひっく…………」
シド「気持ちはわかるぞアグリアス………共に戦ってきた勇士がこうして土下座しているのだからな」
アグ「違う………もうやめて…………うぅ……」
シド「ならぬッッ!!貴女が許しても神は我々を許さん!!だから貴女が神に代わって我々に罰を下すのだッ!!」
アグ「私は………一体、ど、どうしたら………」
シド「踏めッ!!私を力強く踏み付けろッッ!!それが断罪となるのだッ!!できれば裸足で頼むッッ!!」
769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 00:33:57.39 ID:RazzYUO9O [2/6]
アグ「ぬ、脱ぎました………」
話術士「おおおおおおぉぉぉ………!!!」
侍「素晴らしい………………」
シド「神々しさすら感じるぞアグリアス………この汚れた私を踏み付けるに相応しい………」
アグ「それで…………ぐすっ……その…………」
シド「さあ、思いのままに踏むがいい………さあ早く………早く………!!!」
772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 00:41:51.97 ID:RazzYUO9O [3/6]
シド「早く踏めッッ!!もう我慢できん!!!頼む!後生だッッ!!」
アグ「は、はい………………」ギュウウウウ
シド「おお!!おおおおおお!!!いいぞアグリアス!!天にも登る心地がする!!キテる!!」
アグ「うぅう………うぅ………」ギュウウウウ
シド「私の罪が神聖なアグリアスの生足によって浄化されていくのが、よくわかるぞッッッ!!!」
アグ「うう…………うぅ……」
シド「もっとだ!!カカトもふんだんに使って…そうそう!!上手だアグリアスッッ!!」
アグ「き、気持ち悪い………ぐすっ………」ギュウウウウ
シド「今なんと言ったのだアグリアス!この老いた耳では聞き取れなかったぞ!!あと30回は言ってくれ!!!」
780 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 01:24:46.95 ID:RazzYUO9O [4/6]
シド「さて、次の儀式だ………脱いだブーツを渡しなさい」
アグ「ブ、ブーツ………?………はい………」
シド「さぁ諸君!いただくとしよう」ムシャムシャ
一同「………」ムシャムシャ
アグ「やめてください!!私のブーツ食べないでください!!!」
シド「アグリアスのブーツは深みのある味だ!!」ムシャムシャ
アグ「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 01:46:34.42 ID:RazzYUO9O [5/6]
シド「ぐはっ!!」グサッ
侍「ぎゃあ!!」グサッ
ムスタ「うごぁ!!」グサッ
話術士「ぐげぇ!!」グサッ
算術士「ぐああ!!」グサッ
メリア「アグリアス、無事?」
アグ「メリアドールッッ!!」
785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 01:49:32.53 ID:RazzYUO9O [6/6]
メリア「あなた一度彼らを殺したでしょ?」
アグ「殺した………」
メリア「それが間違った形で生まれ変わっていたのよ」
アグ「なるほど………」
メリア「今度は大丈夫。このフェニックスの尾で治してあげて。じゃあね」
アグ「生き返らせて早く寝よう………………」
909 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:37:52.64 ID:6AuqQp8ZO [1/3]
レーゼ「あぁベイオウーフ………」
ベイオ「愛しいレーゼ………」
風水士「ラブラブねー」
風水士「ふーんだ!私にはお兄ちゃんがいるからいいわ」
竜騎士「ちょっと!お兄ちゃんは私のお兄ちゃんなんです!!人の物を取らないでください!!」
踊り子「何言ってんの!!お兄ちゃんは渡さないわ!!」
ラムザ「あぁ………アルマ、アルマが………」
912 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:48:27.03 ID:6AuqQp8ZO [2/3]
風水士「こっち来てよお兄ちゃん!」グイ
踊り子「返しなさい!」グイグイ
竜騎士「ダメです!!」ガツン
ラムザ「〇★◇■―」
風水士「あ………今、頭に手が………」
ラムザ「ハッ!!ここはどこだ!?ドーターじゃないのか!?部隊は?」
メリア「ラムザ、治ったのか!?」
ラムザ「アルマッ!!アルマの手掛かりはないのか!?」
メリア「そうでもないのか………?」
915 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:08:57.89 ID:6AuqQp8ZO [3/3]
ラムザ「メリアドール、記憶が曖昧なんだけど、今の状況はどうなっている?君はなぜここに?」
メリア「お、落ち着いてラムザ………」
ラムザ「アルマがいないのに落ち着いていられるかッ!なぜ僕達はこんな所でボサボサしてるんだ!!」
メリア「別にボサボサしていた訳じゃないの………」
風水士「アグリアスがここに引きこもって本部隊に戻って来なかったからよー」
ラムザ「なんだって!!??」
メリア「バカ!」
風水士「だ、だって事実は事実じゃない………」
ラムザ「なんて奴だアグリアス!アグリアスはどこにいるんだ!」ダダダダ
918 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/30(水) 23:19:40.95 ID:6AuqQp8ZO
ラムザ「見つけたぞアグリアスッ!!!」
アグ「……Zzz……Zzz……」
ラムザ「アグリアスッ!!!起きろッ!!」
アグ「うぅーん………ラムザ…?もしかして禁断症状は治ったのか!?」
ラムザ「何を寝ぼけているんだ!!君が引きこもっていたから無駄な時間を裂いたと聞いたぞ!!」
アグ「そ………それは………」
920 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/30(水) 23:38:04.58 ID:6AuqQp8ZO
メリア「ラムザ!落ち着いて!!」
ラムザ「呑気に寝ている場合かアグリアス!!騎士として恥ずかしくないのか!!」
メリア「やめてラムザ!!!」
ラムザ「こうしている間にもアルマはッッ!!アルマはどんな辛い目に遭っていると思ってるんだ!!」
アグ「ラムザ………私は………………」
メリア「お願いよラムザッッ!やめて!!事情があってここにいたのよ!!」
ラムザ「黙れぇぇぇメリアドール!!君にッ!!君に何がわかるって言うんだッッッ!!!」
922 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/01(木) 00:05:40.73 ID:vTnzN+iJO
ラムザ「もういいアグリアス!君は除名だッッッ!!!消えろッッッ!!!!」
アグ「ラ、ラムザ………この身、貴公に預けると言ったはず。本当にそれが貴公の望みなのか…?」
ラムザ「そうだ!!二度は言わないぞ!!!!」
アグ「!!!!」
ラムザ「目の前から失せろ!!出ていけ!!!」
アグ「~~~~~ッッッ!!!」ダダダダ……
メリア「アグリアス、待って!!待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ラムザ「あぁ、アルマ…僕のアルマはどこに………うう……うああああぁ…………」
924 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/01(木) 00:26:18.77 ID:vTnzN+iJO
ラムザ「……僕の…旅は………………」
メリア「ラムザ………ラムザ………………」
メリア「………辛かったんだよね、ラムザ………………」
メリア「私なんかには………到底………理解できないけどさ………………」
ラムザ「旅は終わっていない!終わらせるものかッッ!!どれだけの犠牲を越えて来たと思っているんだ!!」
メリア「そう……まだ、進むのね…………」
ラムザ「アルマーーーーーーーーーッッッ!!!!」
続きます
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