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唯「メダロットてんそう!」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 22:32:54.03 ID:08ejmEcOO
律「ノド乾いただろう・・?」

唯「うんっ、飲ませてっ」

その日の部活は唯と律の二人きりだった
体育の後ということもあり、唯は律の差し出した飲み物を勢いよく飲み干した

唯「ぷはー!ありがとね、りっちゃん」

律「クク、どういたしまして・・」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 22:34:36.49 ID:3vskou5J0
なんとか追尾完了した…
~~~~~~~~
大会前日

律「ふう…こんなもんだな!」

唯「疲れたー…」

澪「うん、チームワークも大体完璧だ」

紬「明日の大会が楽しみだわ」

梓「これならいい線行くかもしれませんね!」

さわ子「フフフ…私にかかればこんなもんよ!」キラッ

律「確かに唯とケロが見違えるほど上達してるなー」

梓「まさか格闘系が得意なアマガエルメダルがここまで射撃に特化するなんて…」

唯「え、そうだったの?」

ケロ「何も知らずに戦ってた~」

澪「おいおい…」

律「まあ、結果オーライってことだよ!」

さわ子「じゃあ、みんな今日は帰りなさい。ゆっくり休んで明日に備えるのよ」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 22:40:37.13 ID:3vskou5J0
平沢家

唯「うーいーただいま~」

ケロ「うーいー」

憂「おかえり、2人とも!ご飯できてるよ~」

唯「うわーい!」

憂「それと、2人に話しておきたい事があるんだ」

唯「ん?なにー?」

ケロ「なになに?」

憂「うん、とりあえずご飯食べよっか!」

唯「は~い」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 22:49:17.24 ID:3vskou5J0
唯「おいしかった~!」

ケロ「ゆい後でオイルちょうだい?」

唯「そうだね、明日は大会だからいっぱい使ってあげるね~!」

ケロ「うわーい!」

憂「あ、その大会の事なんだけど…」

唯「ん?どうしたの?」

憂「私も出ることになったんだ」

唯「え?でも…」

ケロ「ういはメダロット持ってないよ?」

憂「実は、和ちゃんに誘われてね?」

唯「え、和ちゃんもメダロット持ってたんだ~!」

憂「うん。でも、一緒に出る予定だった姫子さん達が風邪で寝込んじゃって…」

唯「そういえば姫子ちゃん、5日くらい学校休んでたねえ…」

憂「せっかく出場できるのに棄権じゃ和ちゃんがかわいそうだからって、私にメダロッチを貸してくれたの」

ケロ「そうなんだ~、いつからそのメダロットと練習してるの?」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 22:55:02.09 ID:3vskou5J0
憂「えっと、姫子さんが学校を休んだ日からだから…ちょうど5日だよ」

ケロ「大丈夫?なかよくなれた?」

憂「うん!とってもいい子だから、すぐに仲良くなれたよ!」

唯「よかったねぇ~!じゃあ憂と戦うことになるかもしれないね!」

憂「そうかもね!でもそのときは負けないよ!お姉ちゃん、ケロ!」

唯「どーんとかかってきなさい!」ふんす

ケロ「きなさい!」ふんす

憂「ふふ…頑張ろうっと!」

唯「あ、でも姫子ちゃん達ってことは…もう1人の子も?」

憂「うん、純ちゃんがでることになったよ!」

唯「なるほど~!なかなか珍しい組み合わせのチームだね~」

憂「そうだねえ、でもチームワークはバッチリ!…だと思うよ!」

ケロ「優勝するといいね!」

唯「ダメだよケロ、優勝は私達でしょー!」

憂「ふふ、可愛いなあ」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 23:04:09.55 ID:3vskou5J0
唯の部屋

唯「ケロ…起きてる?」

ケロ「うん、おきてるよ」

唯「ちょっとお話しよっか」

ケロ「そだね、しよう」

唯「私たちもう家族みたいだけど、まだ出会ってから10日くらいしか経ってないんだねぇ」

ケロ「そうだっけ?もっと長いと思ってたなぁ」

唯「えへへ、私もだよ」

ケロ「ういに拾われてなかったら、どうなってたんだろうねえ」

唯「う~ん…」

ケロ「でも、やっぱりゆいの所にくる気がするー」

唯「そうかもね!」

ケロ「うん!」

唯「…」

ケロ「…」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 23:09:05.21 ID:3vskou5J0
唯「寝よっか!」

ケロ「うん、寝よう」

唯「明日は頑張ろうね!」

ケロ「もちろん!優勝しよう~」

唯「えへへ…おやすみ、ケロ」

ケロ「おやすみ、ゆい」

―――――――――――――――

憂の部屋

憂「すーみん?」

すみ「ん?憂か、どうしたの?まだ眠れない?」

憂「本当に私でいいの?本当は姫子さんと一緒に戦いたいんじゃない?」

すみ「へへ、まあそうだけどさ…」

憂「ごめんね…」

すみ「いいんだよ、それに…」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 23:16:36.56 ID:3vskou5J0
すみ「姫子は和を信頼してる」

憂「…うん」

すみ「和は憂を信頼してる」

憂「…」

すみ「それなら俺も憂を信頼する、それだけさ」

憂「…ありがとう、すーみん」

すみ「それに憂、メダロッターの素質があるし」

憂「そ、そうかな?」

すみ「ああ、だってたった5日でここまで俺の力を引き出してくれたんだから」

憂「それは、姫子さんやすーみんに少しでも喜んで欲しいから…」

すみ「その優しさだよ、憂」

すみ「メダロッターに必要なのは力の強さや能力じゃない、自分以外の誰かを思いやる力だ」

憂「…」

すみ「お前と一緒に戦ったら、負ける気がしないよ」

憂「…ありがとう」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 23:24:53.00 ID:3vskou5J0
~~~~~~~~

純「明日雨だったらどうしよう!髪とか髪とか!」

ポチ犬「振らないんじゃない?わかんないけど」

純「そんな適当なこと言わないで考えてよー!」

ポチ犬「それより僕のバトルライフル、ちゃんとボルトしまってないよ…」

純「もー、それくらい自分でやってよ!忙しいんだから~」

ポチ犬「いやいやいや」


ポチ犬「しかも僕、射撃タイプじゃないんだよね…サルメダルだし」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 23:34:38.24 ID:3vskou5J0
大会当日

憂「お姉ちゃ~ん!そろそろ起きないと!」

唯「大丈夫だようい…今日は日曜b…ムニャ」

ケロ「」Zzz...

憂「そうだけど…大会なんだから遅れちゃだめでしょ~!」

唯「はっ!そうだった!!」

ケロ「いいよぃぃょ,,,」

唯「だめだよケロ!ほら、起きようよ!」

憂「お姉ちゃんが起こしてる…!」

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 23:41:21.78 ID:3vskou5J0
憂「ご飯は出来てるから、ちゃんと食べて行ってね」

唯「忙しいのにありがとねぇ~」

憂「ううん、いいの!じゃあお姉ちゃん、私今日は先にいくね!」

唯「はーい、頑張るんだよ憂!」

憂「うん、お姉ちゃんも頑張ってね!」

唯「決勝戦で会おうね~!」

憂「うん!」

ケロ「ねむーいー」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 23:46:45.78 ID:3vskou5J0
~~~~~~~
会場

唯「みんなどこかな…?」

律「あっ唯~!こっちこっち!」

唯「あ、りっちゃん!」

澪「今日はちゃんと遅刻しないでこれたな!」

紬「今日は頑張りましょうね♪」

梓「きっと優勝できます!」

唯「うん!でもね、和ちゃんや憂も出るからわからないよ~」

律「マジで!?和って確か相当な腕前だったんじゃ…」

澪「私は和のウォーバニットに負けたことある…」

梓「そんなに強いんですか…?」

紬「大丈夫!今の私たちだってかなりのものよ!」

唯「そうだよ!それにまずは、目の前の相手に勝つことを考えようよ!」

律「ゆ、唯が珍しくまともなことを言ってる…!!」

唯「むぅ、私だってやるときはやるよ~!」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 23:55:52.70 ID:3vskou5J0
梓「あ、そろそろ私たちの試合が始まるみたいですよ!」

律「よっしゃー!じゃあいっちょいくか!」

『おー!!』

~~~~~~~~

HTTは見事なチームワークと意外性で次々と勝ち上がり、準決勝まで辿り着いた
一方憂たちも、純の不安要素はあるものの、持ち前のコンビネーションで順調に勝ち進んでいた

しかし、その他にも恐るべき強さで相手をあっという間に戦闘不能にするチームがいた
黒いスーツを着た初老の男性率いるそのチームは、どこか冷たい雰囲気を醸し出していた


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 00:04:04.88 ID:NKwRbf1p0
唯「ついにきたよ…準決勝!」

澪「ドキドキドキドキ」

律「おっし!じゃあチームは…」

梓「さっきは律先輩と澪先輩が出てましたよね、少し休んで回復してあげてください!」

紬「そうね、私たちが出るわ」

律「わかった。でも唯、ケロ、お前ら全戦じゃないか、大丈夫か?」

唯「大丈夫大丈夫!みんなのおかげでほとんどダメージも受けてないからね!」

ケロ「ぴんぴんしてるよ!」

澪「が、ががががんばれよ!!!」

律「おいおい澪ちゅわん、声が裏返ってますわよ?」

唯「ありがとう澪ちゃん、私たち、絶対勝ってくるよ!」

紬「ええ、まだアクビちゃんの必殺技を見ていないもの、次に繋がなきゃ♪」

梓「大丈夫です!きっと勝てます!」

律「お、和たちだ」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 00:10:53.66 ID:NKwRbf1p0
和「みんな、すごいわね。ここまで勝ち残るなんて」

律「へへっまあな~!」

唯「和ちゃんたちもすごいよ!」

梓「純、ちゃんと戦ってますか?」

和「ええ、ただ純はムラがあるけどね…」

純「そんな…私が先陣を切ってるつもりだったのに…」

憂「あはは…でもさっきの試合は純ちゃんが活躍してたよね」

純「でしょ!?ほ、ほら、そうなんだよ~」

梓「はいはい」

純「流された…!」

唯「憂、ちゃんと会えたね!」

憂「うん!お姉ちゃん達と戦えるなんて嬉しいよ!」

唯「どっちが勝っても恨みっこなしだよ?」

憂「もちろん!お互い悔いの残らないようにがんばろう?」

唯「うん!」

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 00:18:12.54 ID:NKwRbf1p0
紬「そろそろ始まるみたいね」

和「いくら唯だからって手加減はしないわよ?」

唯「うん、私たちも負けないからね!」

和「…ふふっ。がんばりましょ」

純「梓、ネコより犬の方が強いって所をみせてあげるから!」

梓「いや、純のメダルはサルでしょ…」

憂「戦う前なのに和やかだな~」

~~~~~~~~~~~~~~

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 01:00:00.10 ID:NKwRbf1p0
うるち「合ファイッ!!」
――――――――――――――――
唯紬梓チーム VS 和憂純チーム
――――――――――――――――
和「レオン、調子は?」
レオン「良好だ、和」
和「よかった。ここが正念場よ、よろしくね」
レオン「御意」

憂「すーみん、私…」
すみ「お姉ちゃんと戦うのは気が引ける、か?」
憂「うん…やっぱり遠慮しちゃうよ」
すみ「憂、お前は優しいね。でもそれは優しさじゃないな」
憂「え…?」
すみ「お前のお姉ちゃんは本気でぶつかってくるはずだよ」
憂「うん…」
すみ「それを、そんな気持ちで受けてもいいのか?」
憂「…私も、本気でやらなきゃ!」
すみ「それでいいんだよ、行こう…憂」

純「よっし、ポチ犬、いくよ!」
ポチ犬「さっき調子良かったから今度は不安だなあ…」
純「ばか犬!そんなんじゃだめ!」
ポチ犬「だから犬じゃないってば~…」
純「ま、なんでもいいじゃない!今までどおり行こうよ」
ポチ犬「そうだね、やるだけやってみようか」

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 01:12:19.64 ID:NKwRbf1p0
唯「ケロ、ついに憂たちと戦うんだね!」
ケロ「ういは優しいからゆいに遠慮しちゃうんじゃない?」
唯「そんなことないよ!」
ケロ「えっなんで~?」
唯「だって憂は私が本気でやるってわかってるから」
ケロ「そうだけど…」
唯「私に手加減することが優しさじゃないって、きっと思ってるはずだよ」
ケロ「唯はなんでもわかるんだねぇ~」
唯「えへへ…よし、いこっか!」

梓「あずにゃん3号、憂たちより早く動ける?」
3号「わからない…でもあずさが信じてくれるなら、きっと大丈夫!」
梓「うん、いつでも私はあずにゃん3号を信じてるよ」
3号「ありがと、あずさ」
梓「唯先輩とケロを…守ろうね」
3号「ふふん、まかせといて!」

紬「ナースちゃん、今回ばかりは一筋縄では行かないわ」
ナース「ええ、なんとなくそう感じていたわ」
紬「もしかしたら完全防御が間に合わないかもしれないけど…」
ナース「わかってるわ、私はみんなの補助役だもの♪」
紬「ええ…絶対に勝とう、ナースちゃん」
ナース「はい、紬ちゃん」

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 01:31:11.56 ID:NKwRbf1p0
憂「行くよ、すーみん!」
すみ「ああ!」

静寂を破ったのはすーみんだった
疾風のごとく走り、即座にケロの背後に回る
ケロが一瞬で理解できたことは、司会からすーみんが消えたという事実だけだった
すーみんの左腕のハンマーが振りかざされる

梓「あずにゃん3号!」
3号「にゃっ」

振りかざされた左腕がケロの頭部に直撃する直前、赤い閃光がすーみんに襲い掛かる
すーみんは素早く射程距離外に出る

梓「させないよ、憂」
憂「梓ちゃん…さすがに速い」

あずにゃん3号は更に攻撃を仕掛ける
右腕のライトジャブに電撃を走らせ、すーみんとの距離を一瞬で詰める

和「レオン、シュートバレル」

目の前の敵に夢中になるあずにゃん3号の背後から、的確かつ強力なライフルが迫る

梓「!!」

紬「ナースちゃん!」
ナース「はい!」

光に包まれたナースがあずにゃん3号の援護に回り、ライフルを打ち消す

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 01:39:22.27 ID:NKwRbf1p0
和「やるわね…ムギ」
紬「ふふ、簡単にみんなを傷つけさせはしないわ♪」

唯「は、速い…」
ケロ「ついていけるかな…」
唯「あ、ケロ、あれ」

純「は、速い…」
ポチ犬「さっきまでと全然動きが違うよ…」

唯「あずにゃんたちの動きに目が行ってるみたいだね」
ケロ「ちょっと撃ってみよう~」

軽い気持ちで撃たれた銃弾は偶然にもポチ犬の右腕を捕らえる

ポチ犬「あいたっ!」

ケロ「あ、あたった」

何の気もない弾丸は、防御体制をとらなかったポチ犬のエイムライフルを偶然破壊してしまった

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 01:54:02.04 ID:NKwRbf1p0
和「えっ?」
梓「えっ?」
純「えっ?」

空気が一瞬にして凍りつく

和「ちょ、ちょっと純、何してんの!」
純「す、すいません!!あまりにも速かったんで見入ってました…」
憂「純ちゃん、しっかり!」
純「ご、ゴメン・・・」

唯「やった!やったよ、ケロ」
ケロ「わーい!」
梓「喜ぶのはまだ早いです!」
紬「そうね、これから攻撃の手が激しくなるわ、気をつけましょう」

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02:08:38.41 ID:NKwRbf1p0
梓「憂たちのスピードはかなりのものです。あずにゃん3号と同じくらい…」

唯「そうだね…私は一瞬何が起きたのかわからなかったし…」

紬「憂ちゃんのスミロドナッドは梓ちゃんにひきつけてもらうしかなさそうね」

梓「はい。おそらく和さんが援護してくると思うので…唯先輩、足止めをお願いしますね」

唯「うん、わかった!」

和「どう?梓たちのスピードについていけそう?」

憂「はい、多分、互角だと思います」

和「そう、よかった。なら問題ないわ」

憂「補助、お願いしますね、和ちゃん」

和「まかせて。純は落ち着いて攻撃を当てることに専念するのよ」

純「はいっ!」

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02:19:52.51 ID:NKwRbf1p0
憂「すーみん!」
梓「あずにゃん3号!」

二つの閃光が再び激しくぶつかり合う
スピードに関してはまったくの互角で、お互いに攻撃を触れさせない

唯「ケロ、パテリィバルカン!」
ケロ「うん!」

あずにゃん3号を狙うレオンとポチ犬をマシンガンで牽制する
さすがのレオンもこれには回避に徹するしかなかった

純「くっ!ポチ犬!おかえしだよ!」
ポチ犬「あたれっ!」

ポチ犬の執念がこもったライフルがケロ目掛けて撃たれる
ケロは攻撃の手を緩め、防御に転じる

ケロ「うぐぅ」
紬「ナースちゃん、継続リペアよ!」
ナース「はい!」

すかさずナースが補助に回り、ケロの回復を図る

和「これじゃ拉致が空かないわね…」
憂「私に任せてください!」

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02:33:53.63 ID:NKwRbf1p0
憂「すーみん、トラップ設置!」
すみ「わかった!」

あずにゃん3号との競り合いの隙を見つけ、ケロの足元にトラップを設置した
トラップはステルス仕様で、仲間以外には見えないように設計されている

すみ「これでおっけ…おっと!」
3号「よそ見してるとあぶないよ!」
すみ「…だな」

和「これでOKね…」

唯「ケロ、こっちも援護するよ!」
ケロ「おっけー!」

ケロがもう一度マシンガンを撃とうとすると、脚部に衝撃が走った

ケロ「いっ…!」

和「今よレオン、テンションアップ!」
レオン「了解した」

レオンが視線をすーみんに送ると、レオンの頭が光りだした。
すると、すーみんの体も同様に光りだす

憂「梓ちゃん、勝たせてもらうね」
梓「えっ…?」

次の瞬間、すーみんの動きが更に速くなる

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 02:43:42.99 ID:NKwRbf1p0
あと、HTT以外のキャラをまとめると

さわ子→ジャスミン(ゴッドエンペラー)
憂→すーみん(スミロドナッド)
和→レオン(ウォーバニット)
純→ポチ犬(ブルースドッグ)

です
わかりにくくてごめんね

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12:15:38.81 ID:NKwRbf1p0
あずにゃん3号が右腕を振り抜く
しかしそこにすーみんの姿はなく、空を切っただけだった

梓「なっ…!?」
3号「消えた…!」
すみ「後ろだよ」

梓たちがすーみんに意識を向ける前に、ストローハンマーがあずにゃん3号の右腕を砕く

3号「うぐっ…!!」
憂「まだだよ!」

続けざまにフレクサーソードで脚部を切り付ける
あずにゃん3号は咄嗟に避けようとしたが、あまりの速さに回避しきれず片足に深いダメージを負う
それに耐えながらも必死で走り、すーみんとの距離を大きく離す

3号「いた…」
梓「大丈夫!?あずにゃん3号!」
3号「だいじょうぶだよあずさ。でもこのままじゃやばいかも…」
梓「このスピードじゃ唯先輩はついていけない…」

唯「大丈夫!?あずにゃん!」

ケロは和たちの攻撃を避け、ナースに回復してもらいながらあずにゃん3号に視線を向ける

紬「あの脚部じゃ…憂ちゃん達のスピードにはもう…」
梓「大丈夫です!私たちが憂を倒します!」
唯「でも、どうやって…?」
梓「あずにゃん3号、いけるよね…」
3号「もちろん!」


128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12:27:31.71 ID:NKwRbf1p0
梓「憂…勝負だよ」
憂「梓ちゃん…」

覚悟を決めたように2人と2体は対峙する

梓「あずにゃん3号…絶対勝とう」
3号「うん!」
梓「痛いかもしれないけど…こらえてね」
3号「あずさと一緒なら痛くなんかないよ」

憂「すーみん」
すみ「ああ、お姉ちゃんと戦わせてやる」
憂「ううん」
憂「梓ちゃん達は全力でくる…すみも本気でぶつかって欲しいの」
すみ「…そっか、わかったよ、憂」


2体の姿が閃光と化す


129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12:40:49.88 ID:NKwRbf1p0
次の瞬間、2体の距離は0になっていた
お互いの左腕を相手の頭部に向けて振り抜く

憂「すーみんの方が速い…!!」

同時かと思われたスピードはわずかにすーみんの方が速かった
あずにゃん3号の頭部にとてつもない衝撃が走り、視界が激しく揺らぐ
意識が遠のく

3号(だめだった…ごめんあずさ)

倒れかけるあずにゃん3号の耳に声が響く

梓「まだ!!まだだよあずにゃん3号!!」
3号「あずさ…!」

通常なら機能停止している状態のはずのあずにゃん3号の目に光が灯る
試合前に言っていた梓の言葉が浮かぶ

(唯とケロを守る…)
3号「負けない…!!」

頭部にめり込んだすーみんの腕を押し戻しながら、自らの左腕を振りかざす


すみ「なに…っ!」

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 12:56:58.62 ID:NKwRbf1p0
左腕が太陽のように眩しい電撃を放つ

3号「これで…最後っ!!」

最後の力を振り絞り、頭部を捉える

すみ「ぐ…ッ!!」

クリティカルヒットしたサンダー攻撃は、すーみんの頭部を打ち砕いた

すみ「」

3号「やったよ…あずさ」

3号「」

2体は力なく倒れこみ、そのまま機能停止した


132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 13:17:12.79 ID:NKwRbf1p0
梓「…」
憂「…」

唯「あずにゃん…」
紬「ごめんね梓ちゃん…力になれなくて」
梓「いえ、いいんです。私たちが決めていたことですから」
紬「すごく…いい戦いだったわ」
梓「絶対に勝ってください、唯先輩、ムギ先輩」
唯「うん、約束するよ!」
紬「唯ちゃんは守り通すわ、梓ちゃん」

憂「すみません…」
和「いいのよ。まさか2人があそこまで強いとは思わなかったけどね」
純「憂、あとは私たちに任せて!」
憂「うん…!和ちゃん、私とすーみんの分までお姉ちゃんと戦ってください」
和「もちろんよ。」
純「私たちも頑張らないと…!」

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 15:13:17.10 ID:NKwRbf1p0
和「憂たちが設置してくれたトラップはまだ有効…そしてこっちの攻撃役は2人」
純「かなり優勢ですね」
和「ええ。でも油断は禁物よ。ムギはこれから防御を徹底してくるわ」
和それに唯…あの子は一筋縄では倒せない」

唯「ムギちゃん、さっきケロが攻撃しようとしたら、ダメージを受けたんだよー」
紬「きっと射撃用のトラップが作動したのね」
唯「え?トラップ?いったい誰が…?」
紬「憂ちゃんよ」
唯「い、いつのまに…!」
紬「これからケロちゃんが攻撃するたびに、脚部にダメージを受けるわ」
唯「そ、そんな…」
紬「攻撃はできるだけ正確に…最小限に抑えたほうがいいわね」
唯「…大丈夫だよ、ムギちゃん」
紬「え?」
唯「あずにゃん3号の痛みはこんなものじゃなかったはずだよ」
唯「ケロもそれくらい、耐えてくれるよ!」
紬「…そうね。和ちゃんの攻撃はナースちゃんが防ぐわ!その間に純ちゃん達を!」
唯「うん、わかった!」

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 15:47:57.71 ID:NKwRbf1p0
唯「ケロ、痛いけど…少し我慢してね!」
ケロ「うん、大丈夫!」
唯「パテリィバルカンでブルースドッグに攻撃して!」
ケロ「わかった!」

ケロがポチ犬に向けてマシンガンを撃つ
同時に衝撃が走り、脚部がダメージを受ける
しかしケロはそれに怯むことなく撃ち続けた

ポチ犬「くそ・・・」

ポチ犬はその決死の行動に、防御するほかなかった

純「ポチ犬、撃とう!憂のためにも撃って!」
ポチ犬「いっ…!わかった…!」

激しい攻撃に押されながらも左腕のライフル一本で反撃に出る
しかし、標準が上手く定まらない。弾丸の嵐とメダルの熟練度のせいだろう

和「レオン、援護するわよ!レンジシューター!」
レオン「心得た」

すかさず和がフォローに入ろうとする
しかしその攻撃はあっさりと打ち消された

紬「ケロちゃんには触れさせないわ!和ちゃん」
和「くっ…!」

激しい攻撃でポチ犬の装甲はどんどん減っていく

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 15:58:40.74 ID:NKwRbf1p0
ポチ犬「ぐっ…このままじゃ犬死にだよ…犬だけに」
純「バカ言ってんじゃないの!それにあんたはサルでしょ!」
ポチ犬「わかっててこんな名前付けたの…」
純「とにかくこのままじゃまずいね…」
ポチ犬「多分もうすぐ…機能停止する」
純「そうね…最後に一矢報いてみる?」
ポチ犬「そうだね…行こう!」

ポチ犬はマシンガンを正面で受けながら、ケロに向かって走り出す

唯「な、なに!?」
紬「!! こっちは和ちゃんの防御で手一杯…!!」

純「いけえ!走れ!!ポチ犬!」
ポチ犬「おおおおお!!」

ケロとの距離が数mにまで縮まる

純「今だ!!撃って!!」
ポチ犬「当たれ当たれ当たれー!!」

ポチ犬のバトルライフルから3発のライフルが発射される
一発はあさっての方向へ飛んでいったが、一発はケロのパテリィバルカン、もう一発は脚部に当たり、破壊した

ケロ「くぅ…マシンガンが…」
唯「ケロ、ショートショット!」

素早い反応で唯が命令すると、ケロもそれに応えライフルを構える
そして4発のライフルを発砲すると、ポチ犬の各部位に全て命中させ、装甲を0にした


148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 16:07:19.97 ID:NKwRbf1p0
ポチ犬は転ぶように倒れ、機能停止した


純「ポチ犬…よく頑張ったね」
和「純…あんた達の覚悟は無駄にしないわ」
純「お願いします…」

レオンもまたマシンガンを撃ち続けていた

紬「まずいわ…ナースちゃんのホーリーウォールのエネルギーが限界…」
ナース「もうすぐ切れそう…!」

絶え間ない攻撃を防いでいたせいで、ナースの完全防御は限界に近づいていた

和「まだよ!レオン、撃ち続けて!」
レオン「ああ、わかっている」

紬「ケロちゃんはもう動きが取れない…!ナースちゃんの防御も限界…」
ナース「完全防御がなくなったなら…体を張って守るまでよ、紬ちゃん」
紬「でも…ナースちゃんの装甲はそんなに高くないわ!」
ナース「ふふ…でも少しの時間稼ぎにはなるでしょう?」
紬「…ごめんね、ナースちゃん」
ナース「いいのよ、これが私たちの役目なんだから」


やがて完全防御は解け、マシンガンがナースに襲い掛かる

153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 16:40:14.06 ID:NKwRbf1p0
ナース「…っ!」
紬「…ナースちゃん…!」

紬はナースが被弾するのを、歯を食いしばって見るしかなかった

和「どきなさい!そのままじゃ機能停止するわよ!」
ナース「どきません!」
和「く…!」

和は躊躇しながらも、攻撃をやめようとはしなかった

唯「ケロ!」
ケロ「やめてっ!」

ナースの影からケロがライフルを発砲する
ライフルがレンジシューターを破壊し、マシンガンを止めた
しかし時は既に遅く、ナースは倒れ、機能停止した

紬「ありがとう、ナースちゃん…」
唯「ムギちゃん、ごめん…私が無理にケロに攻撃させて、脚部を壊されちゃったから…」
紬「いいのよ、唯ちゃん。それに私が唯ちゃんの立場でも同じことをしたと思うわ」
唯「…私、絶対に和ちゃんに勝つから!」

和「唯…勝負よ」


圧倒的にケロが不利な状態で、勝負は1対1にもつれ込んだ

154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 16:56:20.04 ID:NKwRbf1p0
和「唯…たった数日でよくここまで強くなったわね」
唯「うん、ケロやHTT、憂、みんなのおかげで強くなれたんだよ」
和「ふふ、嬉しいわ…でも負けないわよ。私は憂や純の気持ちを背負ってるんだから」
唯「私だって同じだよ。ムギちゃん、あずにゃんたちの頑張りを無駄にはしない!」


両者の間に流れる静寂

唯「ケロ…もう動き、取れないんだよね?」
ケロ「うん…」
唯「…大会の2日前にした練習、覚えてる?」
ケロ「うん、でもあれは全部失敗だったよ…」

~~~~~~~~~~~

澪「なあ唯、そんなことやっぱり無理だよ」

唯「う~ん、そうかなあ…でも、もうちょっとでいける気がするんだよねえ~」

澪「確かにいい線いってるけど…弾丸を弾丸で弾くなんて普通はできないぞ?」

ケロ「でも、すこしずつコツは掴めて来たよ?」

澪「大体、そんなことする機会なんてないと思うぞ?」

唯「でもやりたいの~!おねがい澪ちゃーん」スリスリ

澪「う…しょうがないなあ、もうすこしだけだからな?」

唯「わーい!ありがとう澪ちゃん!」


155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:09:29.19 ID:NKwRbf1p0
~~~~~~~
唯「やってみようよ、ケロ」
ケロ「また失敗するかもしれないよ?」
唯「大丈夫、私はケロを信じてるから!」
ケロ「ありがとゆい…やってみる」

和「レオン、決めるわよ」
レオン「和、迷っているのか?」
和「さっきまでは少し…ね。でも今は大丈夫」
レオン「そうか…」
和「相手が唯でも手加減はしないわ。1発で撃ち抜いて」
レオン「御意。」


一筋の風が吹き抜ける

次の瞬間、レオンがシュートバレルを構え、ライフルを発射する
だがケロは構えを取っているだけで、撃ってくる気配がまったくない

レオン「なんだ…?」

唯「まだ…もっと引き付けて」
ケロ「…」

ライフルがケロの数十cm手前まで迫る

200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 01:36:54.49 ID:unY22GC70
和「唯!勝負を捨てたの!?」

和が痺れを切らして大声を上げる
しかし唯は淡々とタイミングを見計らう
そして

唯「…今!」

唯が合図を送ると、ケロがライフルを発射する。一瞬に2発。
1発はレオンの銃弾を相殺し、弾き飛ばす
そしてもう1発はレオンへ…

和「え…?どうして当たってないの?確実に頭部を狙ったはずなのに…」

和が現状を必死に把握しようと思考を巡らす
しかしそれは、レオンが倒れる音によって阻止された

和「・・・レオン?」

すでにレオンは機能停止し、メダルが飛び出していた


うるち「レオン、機能停止!HTTチームの勝利です!」

唯「…やったの?」
ケロ「…たぶん?」

唯たちも自分達が勝ったという事実にまだ気付いていなかった

204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 01:52:02.84 ID:unY22GC70
和「唯…一体何をしたの?」

唯「えへへ…銃弾と銃弾をぶつけたんだよ」

和「えっ…!?まさかそんな技ができるわけ…」

唯「私もできるとは思ってなかったよ…でもケロに賭けてみたんだ~」

ケロ「えへへ…できた~」

和「…ふふ、あんた達には適わないわ」

~~~~~~
カチャ
和「レオン、悪かったわね」

レオン「いや、私の力量不足だ。すまない和」

和「それはこっちのセリフよ。まだまだ私は非力だったの…。」

レオン「また…出直しだな」

和「そうね。」

和「憂と純も、ごめんね。2人の頑張りを無駄にしてしまって…」

憂「いえ…とてもいいロボトルだったと思います。みんなと戦えてよかった」

純「私も悔いはないです!」

205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 02:02:26.11 ID:unY22GC70
カチャ
純「ポチ犬、起きて!」

ポチ犬「…いたた…体中が痛いよ」

純「そりゃそうよ、あれだけマシンガンを受けたんだから」

ポチ犬「そうだった…僕の最後の弾は、当たってたの?」

純「…当たってたよ。かっこよかったぞ!」

ポチ犬「そっか…役に立てたのかな」

純「あたりまえじゃん!」

~~~~~~~~~
カチャ
紬「ナースちゃん?」

ナース「…紬ちゃん」

紬「もう…援護パーツもないのに無茶して…!」

ナース「ごめんなさい…紬ちゃん」

紬「…ありがとう。もう痛い思いはさせないから…」

ナース「紬ちゃんがいれば、痛みなんか感じないわ♪」

紬「……困った子…誰に似たのかしら?」

207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 02:12:12.51 ID:unY22GC70
カチャ
憂「大丈夫…?」

すみ「ああ、まだ完全には回復してないけどな。もう動けるよ」

憂「ごめんね、すーみん。私、すーみんの力を引き出してあげられなかった」

すみ「何言ってんのさ、俺は全力で戦った。憂のおかげだよ」

憂「ありがとう…。」

すみ「ただ、梓たちの気迫には驚いたな!」

憂「うん、それだけお姉ちゃんを…チームを思いやってたんだね」

すみ「ああ。だけど憂もそれに負けない気持ちを持ってるよ」

憂「…うん」

すみ「また、会えるといいな」

憂「きっと会えるよ」

208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 02:17:38.22 ID:unY22GC70
カチャ
梓「あずにゃん3号…」

3号「ん…あずさだ」

梓「びっくりしちゃった。憂達があんなに強いなんて」

3号「あたし、スピードで負けちゃった」

梓「それはハンデがあったから…」

3号「もっと速くなるね、あずさのために」

梓「ううん、それよりも、憂に気持ちで勝ったことが嬉しいの」

3号「気持ち?」

梓「うん。あずにゃん3号は機能停止の状態だったはずなのに、私の気持ちに応えてくれた」

3号「あずさの声がしたから…」

梓「…ありがと、あずにゃん3号」

3号「にゃあ」ゴロゴロ


209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 02:23:45.41 ID:unY22GC70
~~~~~

律「おーい、唯、ムギ、梓!!」

唯「りっちゃん!私達勝ったよ~!」

律「わかってるって!バッチリ見てたぞ!」

澪「すごくいいロボトルだったぞ!みんな」

紬「うふふ、ありがとう♪」

梓「でも、次の試合は出られそうにないです…」

律「ああ、わかってる。ナースもあずにゃん3号もダメージが大きいからな」

澪「あとは私達に任せろ!」

唯「澪ちゃんが緊張してない…!」

澪「みんなが頑張ったのに私が足を引っ張るわけにはいかないからな」

律「それより唯、ケロは大丈夫か?」

唯「うん!もう少しで回復するはずだよ!」


210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 02:29:54.59 ID:unY22GC70
和「みんな!」

律「おっ、和たちがきたぞ」

和「おめでとう。決勝進出ね」

唯「ありがとう、和ちゃん」

憂「お姉ちゃんおめでとうー!」

唯「ありがと~うい!まさかあんなに強いとは思わなかったよ!」ナデナデ

憂「えへへ…すーみんが頑張ってくれたんだよ」

唯「さすがは我が妹!」

憂「決勝戦も頑張ってください、みなさん!」

澪「ありがとう、憂ちゃん」

純「HTTが優勝したら、梓の家で祝勝会しようよ!」

梓「いいけど…マンガばっかり読まないでよ?」





紬「なんだか嫌な予感がするわ…」

279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 20:27:37.00 ID:unY22GC70
律「ぼちぼち時間だな…それじゃ決勝戦といくか!」

唯「おー!」

澪「相手は誰なんだ?」

律「えーっとなになに?…匿名希望チーム?なんだこれ」

澪「匿名希望って言うのもまたおかしな話だな」

唯「きっと恥ずかしがりやさんなんだよ!」

澪「恥ずかしがりやって…」

律「とにかく決勝戦まで残ったチームだ、油断しないでいこうぜ」

唯「はーい!」

282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 20:39:16.67 ID:unY22GC70
うるち「それでは両チーム、試合場に上がってください!」

唯「どーも、どーもありがとうございます!」

律「さすがにアイドルは大変だぜ♪」

澪「調子に乗るな」

律「へいへい…で、相手はどんな奴だ?」

唯「あの人…」

~~~~~~

梓「いよいよ決勝戦ですね」

紬「ええ、楽しみだわ~」

憂「でも相手のチーム、なんだか怖い…」

和「確かに、冷たそうな目をしてるわね」



紬「……斉藤?」


283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 20:48:27.34 ID:unY22GC70
紬「どうして斉藤が…?」

和「ムギの知り合い?」

紬「ええ、執事なの」

梓「あれが斉藤さん…」

紬「でも、なぜ大会に…?」

~~~~~~
唯「あれってムギちゃんの言ってた執事さんじゃ…」

律「どうやらそうらしいな」

澪「冷酷な目をしてる…本当に斉藤さんなのか?」

斉藤「…メダロットを転送しろ。」

執事A、B「はい」


唯「あれって…カブト型メダロット?」

律「だな。かの有名なメタビーか?」

澪「違う、あれはブラックビートルだ」

285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 21:07:50.78 ID:unY22GC70
澪「それに…ベルゼルガとナイトアーマー」

律「こりゃキツそうだな。」

唯「そんなにすごいの~?」

澪「ベルゼルガの両腕は強力なサクリファイス攻撃だ。それに頭部には復活パーツ」

律「ナイトアーマーは見た目どおり、防御のスペシャリストだ」

唯「確かに両腕は盾でできてる…硬そうー」

澪「律、レーザーで重点的にあいつを狙ってくれ」

律「はいよ」

澪「私がブラックビートルを引きつけるから、唯はベルゼルガを」

唯「わ、わかった!…大丈夫かな」

澪「確かにベルゼルガは強力だ。でも近接攻撃の範囲内にいなければ問題ない」

律「いまのケロの熟練度なら十分勝てるはずだ!」

唯「がんばってみるよ!」

289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/06(日) 21:33:17.37 ID:unY22GC70
唯澪律「メダロット転送!」


澪「アクビちゃん…ついにここまできたよ」

アクビ「ああ。それに…相手もKBTタイプのようだな」

澪「大丈夫…かな」

アクビ「…さあな。少なくとも澪に自信がないのなら、勝機は薄いだろうな」

澪「! …ごめん、こんな時に弱気になっちゃだめだよな」

アクビ「何度も言っているだろう、お前は強い。なにも心配することはない」

澪「…うん!私、精一杯やってみるよ!」

アクビ「その意気だ、俺はその気持ちに応えよう。」

294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/06/06(日) 21:43:47.76 ID:unY22GC70
律「よ、たーくん!パーツのダメージは回復したか?」

たー「とっくに治ってるっつーの!そもそも俺はそんなにヤワじゃねーし」

律「まあそうだけどさ!とにかく今回の相手は厄介そうだから…気をつけろよ!」

たー「バーカ!俺はちまちまやるのが嫌いなの!」

律「ったく…誰に似たんだか」

たー「さあな!とにかく俺の勇姿を見てろって」

律「あーはいはい」

たー「流したなこら」

律「…絶対勝つぞ!」

たー「…おうよ!」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 00:27:33.86 ID:z5iEdo9s0
唯「ケロ、ついにここまできたね!私達!」

ケロ「うん!ういたちの分までがんばらないとね~」

唯「そうだよね!よーし、やるぞ~!」

ケロ「でも、あの人たち…強いよ」

唯「決勝戦だからね!強敵なのはしょうがないよ!」

ケロ「なんていうか…強いけど、お互いに信用しあってないというか」

唯「そうなの…?」

ケロ「うん…あのブラックビートル、どこか悲しそうな目をしてる」

唯「…」

ケロ「ゆい…絶対負けたくない」

唯「…私もだよ!」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 00:45:29.65 ID:z5iEdo9s0
うるち「ごイッ!!」
――――――――――――――
唯澪律チーム VS 執事チーム
――――――――――――――
律「へへ、早速行くぜ!たーくん、メガトルレーザー!」
たー「まずは小手調べだ!」

たーくんがレーザーを発射した
ターゲットはナイトアーマーではなく、ベルゼルガだった

執事A「援護に入れ」
ナイト「…」

すかさずベルゼルガの前に飛び込み、防御体制をとる
レーザーが盾の装甲を減らす

律「唯、奴の後ろに回ってベルゼルガを狙え!」
唯「わかったよりっちゃん!ケロ、回り込んで!」
ケロ「わかった!」

ケロが距離を取りながらナイトアーマーの守備範囲外へ走る

斉藤「ブラックヒューザ」
BB「…」

ケロの足止めをしようとライフルを構えるブラックビートル

澪「アクビちゃん!イグニッション!」
アクビ「お前の相手は俺だ。」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 00:57:49.88 ID:z5iEdo9s0
BB「…」

ケロへの攻撃態勢を解除し、回避行動をとる

澪「攻めるぞ、エクスプロード!」
アクビ「逃げるだけじゃ勝てないぞ」

更にマシンガンを撃ち込む
だが、ブラックビートルはこれを全てかいくぐる

アクビ「スピードは大したものだな」
澪「攻撃の隙を与えないように撃ち続けよう!」
アクビ「そのつもりだ」

斉藤「セーラーマルチに攻撃しろ」
BB「…」

アクビの攻撃を避けつつ、ケロへ銃口を向ける
そしてライフルを2発
走るケロの足止めを成功させる

ケロ「とっ…!」
唯「これじゃ回りこめない…」

澪「アクビちゃんの攻撃をかわしながら攻撃した…!」
アクビ「やってくれるな」
澪「あれ、使おうか?」
アクビ「いや、まだだ。チャンスはここじゃない」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 01:09:13.73 ID:z5iEdo9s0
律「ちっ…さすがに硬いな!レーザーでも装甲が中々削れない」
たー「どうしたもんかね」
律「細かいこと考えてもしょうがない!とにかく撃とう!」
たー「そうだな!」
律「たーくん、ハイパーレーザーだ!」
たー「へへ、行くぜ!」

自慢の左腕に光をチャージする
が、異変が起きた

執事A「行け、ナイトアーマー」
ナイトアーマー「…」

ナイトアーマーがたーくんに向かって走り出す

律「なんだ?当たりにきたのか?」
たー「さあな、でもこっちに取っちゃ好都合だ」
律「よし、思いっきりぶちかましてやろうぜ!」
たー「喰らいやがれ!」

近距離からハイパーレーザーを躊躇なく撃つ
ナイトアーマーは防御体制をとりながらさらに前進してきた
レーザーが左腕の盾を貫き、破壊する
しかし前進の勢いは止まらない

律「な、なんだってんだよ!」
たー「ぶつかってくるぞ!」

そしてナイトアーマーの体がたーくんに激しくぶつかる

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 01:20:15.41 ID:z5iEdo9s0
たー「ぐっ…!」
律「くそ、ホントにぶつかってきやがった!」

あまりの勢いにのけぞるたーくん

唯「りっちゃん!上!!」
律「なに…!?」

律たちが上を見上げると、巨大な左腕を振り上げたベルゼルガがいた

たー「くそ…反動で動けない!」
唯「ケロ!撃って!!」
ケロ「うん!…間に合って!」

ガトリングでベルゼルガの撃墜を試みるが、あえなく失敗してしまう

律「…っ!!」

そして重力を利用したサクリファイスがたーくんに直撃する
その破壊力は凄まじく、分厚い装甲を持つ脚部パーツを粉々に砕いた
同時にベルゼルガの左腕が攻撃の反動で崩壊する

たー「ぐ…あ」
律「たーくん!!」

執事B「ベルゼルガ、復活」
ベル「…」

ベルゼルガの頭部が光り、ナイトアーマーの盾を復活させる

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 01:31:14.74 ID:z5iEdo9s0
律「たーくん!!」
たー「大丈夫だ…まだ攻撃はできる」

斉藤「ブラックビートル、やれ」
BB「…」

体制を立て直そうとするたーくんに、ガトリングが浴びせられる

たー「うぐ…」
律「くそ!澪、唯、頼む!!」
澪「アクビちゃん!もっと攻撃を!!」
アクビ「たーにこれ以上触るな!」

しかし、再び鉄壁と化したナイトアーマーがブラックビートルの援護に入る

唯「ケロ!ベルゼルガを近寄らせちゃだめ!」
ケロ「うん!」

ガトリングを乱射し、ベルゼルガを攻撃範囲外へと追いやる

ブラックビートルの攻撃は尚も続く

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 01:41:12.33 ID:z5iEdo9s0
律「やめろ!やめろよおおおお!!!」

律の叫びは斉藤に届かない
そして…
唯たちの必死の抵抗も虚しく、攻撃を阻止できないまま時間が過ぎた
すでにたーくんの体は原型を留めていなかった
腕は外れ、銃弾で穴だらけになっていた
だが斉藤は攻撃を辞めさせようとはしない

律「くそ…くそお…」

律が力なく膝をつく
澪と唯の怒りは既に頂点に達していた

澪「絶対に許さない…アクビちゃん!プロミ…」


紬「もうやめて!!斉藤!!」

耐えかねた紬が試合場に向かって叫ぶ

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 01:49:47.86 ID:z5iEdo9s0
斉藤「紬お嬢様ですか。」

紬「どうして…たーちゃんはもうあんな状態なのに…どうして酷いことするの?」

斉藤「紬お嬢様…私はただロボトルをしているだけでございます」

紬「違う!あなたのしていることはただの破壊行為よ!」

斉藤「…」

紬「それに…あなたからはメダロットに対する愛情が感じられないわ!」

斉藤「…愛情?そんなものが必要ですか?」

紬「な…!」

斉藤「メダロットは道具に過ぎません。将棋の駒のようなものです」

紬「そんなことない!」

斉藤「紬お嬢様、私はあなたの道具のようなものです」

紬「違う…!」

斉藤「私は、同じようにメダロットを道具として利用しているだけです。ただ勝ち続けるために。」

紬「違う…」

斉藤「あなたはここで見ていてください。」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/07(月) 02:04:35.91 ID:z5iEdo9s0
斉藤「ブラックビートル、次はアークビー…」

たー「終わってねえぞ、コラ」
律「たーくん!?」

原型を留めていないたーくんの頭部が激しく光り輝く
そして渾身の思いを込めてレーザーを発射する
レーザーはベルゼルガの頭部を貫く
ベルゼルガは機能停止した

たー「俺達は道具なんかじゃねえんだよ…」
たー「律がいるからここまでこれた…」
律「…」
斉藤「フッ…戯言だ」
たー「お前らじゃ、こいつらには勝てねえよ、絶対な」
斉藤「面白い。…言いたいことはそれだけか?」

斉藤「止めをさせ。」
BB「…」

ガトリングを更に浴びせる
頭部まで粉々になり、たーくんは完全に機能停止した

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:18:13.93 ID:F4tSn/eq0 [2/23]
律「たーくん!!」
たー「」
律「なんで…なんでだよぉ…」

律は力なく座り込み、うなだれる
押し殺した嗚咽が唯達の耳に

ケロ「…」
唯「酷すぎるよ…ここまですることないじゃない…」

斉藤「弱いな…やはりメダロットと人間の友情などとはこんな物だろう」
BB「…」
斉藤「メダロットなどに余計な感情を注ぐからこんなことになる」

澪「…絶対に許さない」
澪「みんな…みんなぶっ壊してやる!!」
澪「アクビちゃん、プロミネンス!!」
アクビ「澪、感情的になるな!こんな時にこそ冷静になれ!」
澪「うるさい!撃て!撃てええ!!!」
アクビ「……わかった」

アクビの双角の間に巨大なエネルギーがチャージされる

斉藤「ほう、プロミネンスを使うか。面白い」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:27:48.80 ID:F4tSn/eq0 [3/23]
ケロ「ゆい、戦おう。」
唯「…でも」
ケロ「りつやたーくんの分まで戦おう。」
唯「……うん、そうだね」
唯「りっちゃん、たーくん…見ててね」
唯「ケロ、ブラックビートルの脚部にガトリング!動きを止めて!」

パテリィバルカンでフォローしようとするが、ナイトアーマーが援護に入る
ダメージを負っているとは言え、装甲と防御力は並大抵のものではない

ケロ「…だめ、防御されちゃうよ!」
唯「…撃ち続けながら索敵して!アクビちゃんの攻撃を少しでも補助しよう」
ケロ「りょうかいっ」

攻撃と同時に相手の動きをサーチし、アクビと共有する

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:40:40.07 ID:F4tSn/eq0 [4/23]
澪「いけえ!アクビちゃん!!」
アクビ「澪がこんな状態で撃つのは不本意だが…お前達の行動は許せない」
斉藤「…ほう」
アクビ「こんなのはロボトルじゃない、ただの破壊行為だ」
BB「…」
アクビ「ならばこちらもそれ相応の攻撃を行うまでだ。」
斉藤「…やってみろ」

アクビ「喰らえ」

蓄積されたエネルギーを一気に放出する
アクビの身の丈よりも大きなビームがブラックビートルへと直線を描く

斉藤「ナイトアーマーをよこせ」
執事A「ただ今ブラックビートルの援護中で動きが取れません!」
斉藤「そうか…」
斉藤「ブラックビートル、やれ」

ブラックビートルは横で援護しているナイトアーマーを片手で掴み、
アクビのビームの軌道上に放り投げた

澪「!?」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:47:52.96 ID:F4tSn/eq0 [5/23]
執事A「え…?」

アクビ「何…!?」

ナイトアーマーがビームに直撃する
全てのパーツが機能停止し、ティンペットまで焼き払う
メダルだけを残し、ナイトアーマーは消滅した

唯「盾にしたの…?」

斉藤「その通りだ」

ケロ「仲間じゃ…なかったの?」

斉藤「仲間?フッ…ただのパーツが仲間だというのか?」

アクビ「…外道め」

斉藤「何とでも言うがいい。だがいいのか?既にブラックビートルはお前の背後にいるぞ」

アクビ「なっ…!!」

振り向いた直後、ライフルがアクビの頭部を捉える

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:52:58.83 ID:F4tSn/eq0 [6/23]
アクビ「くそ…!」

かろうじてクリティカルを免れたが、頭部の装甲が削れる

澪「…」

澪は何も出来ず、立ち尽くしていた


アクビ「澪、命令を!」
澪「あ…あ…」
アクビ「澪!!」
澪「わからない…何もわからない…!」
アクビ「くっ…!」

斉藤「ブラックビートル、まずはアークビートルからだ。」
BB「……」

命令をされないアクビは、次々と襲い掛かる弾丸を避ける他なかった

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:59:30.96 ID:F4tSn/eq0 [7/23]
唯「ケロ!援護射撃して!」
ケロ「よーし、ガトリングで…」

しかし攻撃する前にブラックビートルのガトリングが足元へ撃ち付けられる
アクビの攻撃をしながら、ケロに行動させることも許さない

唯「く…そぉ」

そして尚もアクビへの攻撃は続く

斉藤「ちょこまかと…ブラックバリスタで脚部を破壊しろ」

ブラックビートルの頭部からミサイルが放たれる

アクビ「ホーミングか…!」

回避体制からすぐに防御体制へと切り替え、脚部で防御する
しかし威力が強く、損傷が大きい
脚部の機能が低下する

斉藤「ほう…防御力もなかなかのものだな。」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:07:21.93 ID:F4tSn/eq0 [8/23]
アクビ「澪の命令がないと…どうにもならないな」

律「澪!!」

澪「!?」

律の声に澪はハッとする

澪「…律?」
律「お前何やってんだよ!!アクビが今どんな状態かわかってんのか!!」
澪「…アクビちゃん」
律「アクビはなあ、ずっとお前の事を心配しながら戦ってたんだよ!それくらいわかってやれよ!!」
澪「私は…何をやってたんだ…!」
律「私とたーくんの事は心配するな!メダルは無事なんだ!パーツなんてどうにでもなる!」
澪「律……」
律「…とにかくお前は目の前の戦いに集中しろ、いいなっ」
澪「……ありがとう。」

澪「ごめん、アクビちゃん。私どうかしてた」
アクビ「やっと正気に戻ったか」
澪「私のせいでこんなに傷ついて…」
アクビ「気にするな」
澪「もう1人にしない…!」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:25:41.80 ID:F4tSn/eq0 [9/23]
澪「唯」
唯「なに?澪ちゃん」
澪「今からどんなことが起きても手を出さないでくれ」
唯「…」
澪「あいつと…一対一で戦いたい」
唯「…わかったよ」
澪「ありがとう」

澪「アクビちゃん、行こう」
アクビ「ああ」


アクビの体が光を放つ

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:32:05.68 ID:F4tSn/eq0 [10/23]
唯「あ、あれは…?」
律「…メダフォースだ」
唯「メダフォース?」
律「ああ…簡単に言ってみればメダロットの必殺技みたいなもんだ」
唯「必殺技…」

澪「斉藤…お前を倒す」
斉藤「…面白い。ブラックビートル!」


ブラックビートルも同様に光りだす


唯「あっちも…!」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:44:25.01 ID:F4tSn/eq0 [11/23]
澪「アクビちゃん…一斉射撃!!」
アクビ「おおおおお!!」

斉藤「…一斉射撃」
BB「…」

激しい衝撃が走り、2体の魂が形となってぶつかり合う

アクビ「ぐ…!」
BB「…!」

斉藤「ほう…なかなかやるな。だが脚部の損傷が原因で威力が弱いようだ」


アクビ「ぐう…おおおおおお!!」
澪「アクビちゃん!!」


斉藤「終わりだ。」


ブラックビートルのメダフォースがアクビに直撃する

※一斉射撃だけど、アニメのようなかめはめ波みたいなものだと思ってください

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:51:47.26 ID:F4tSn/eq0 [12/23]
アクビ「…」
澪「アクビちゃん…」

頭部以外の全てのパーツが機能停止し、立つこともままならない

斉藤「止めをさせ、ブラックビートル」
BB「…」

銃口をアクビに向ける

唯「ケロ!!」
ケロ「わかってる!」
アクビ「手を出すな!!」
唯「でも…!」
アクビ「いいんだ。俺達は全力で戦った。それで負けたなら全てを受け入れる」
澪「アクビちゃん…!」

斉藤「やれ」

容赦なくガトリングを浴びせる

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:58:14.35 ID:F4tSn/eq0 [13/23]

アクビ「…」

視界が揺らぐ

アクビ「み…お」
アクビ「」

アクビは機能停止した


斉藤「フッ」
斉藤「天下のアークビートルも友情などというものに流されればこんなに脆い物になる」
澪「…何?」
斉藤「私は違う。メダロットはただの戦闘用の道具だ。心などない。」
唯「違う!!」
斉藤「ならばかかって来い。すぐにわかる」

唯「いけえ!ケロー!!」
ケロ「やっつけてやる!」

がむしゃらに走り出すケロ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:24:41.50 ID:F4tSn/eq0 [15/23]
斉藤「…くだらん。こんな奴に弾を使う必要もない。ブラックビートル、相手をしてやれ」
BB「…」

ガトリングを乱射しながら走ってくるケロをかわし、蹴りを入れる

ケロ「う…ぐぅ」
唯「まだまだ!!」

すぐに体制を建て直し、またがむしゃらに突撃する

斉藤「…」

カウンターで拳を胸部にめり込ませる
体を回転させ、蹴り付ける

ケロの体が数m吹き飛んだ

ケロ「…うう」
唯「立ってケロ!みんなの分も戦うんだよ!!」
ケロ「…わかってる…!」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:39:05.72 ID:F4tSn/eq0 [16/23]
しかし戦況は変わらず、ブラックビートルに触れることすらできないまま、一方的になぶられる
すでにケロの身体の損傷は重度になっていた


斉藤「勝負は決まったな」
唯「ケロ!!」
ケロ「まだ…まだ」
斉藤「まだ立ち上がってくるか」
斉藤「もう遊びは終わりだ…始末しろ」

ブラックビートルはケロの頭を鷲掴みにすると、勢い良く地面に叩きつける

ケロ「がっ…!」
唯「ケローー!!」

唯の叫びはブラックビートルには届かない
何度もケロを叩きつける

ケロ「」

斉藤「撃て」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:46:45.26 ID:F4tSn/eq0 [17/23]
頭を掴み、地面に押し付けた状態でライフルを発砲する

澪「…っ!」
律「…く」

あまりの残虐さに澪と律は思わず目を背けた

唯「…」

斉藤「終わりだな。」

試合場に背を向ける斉藤

唯「まだだよ」

斉藤「何?」
唯「ケロはまだ…機能停止してないよ」
斉藤「バカな事を……何…?」

斉藤が振り返ると、そこにはケロが立っていた

唯「私達の絆は…この程度じゃ壊せないよ」
ケロ「…絶対…負けない」


ケロの身体が光りだした

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:55:59.86 ID:F4tSn/eq0 [18/23]
律「…メダフォース…か?」
澪「そ、そうみたいだ…」

斉藤「…フフフ…本当にイライラさせてくれる」
斉藤「ブラックビートル!!」


再びブラックビートルがメダフォースを発動させる


ケロ「これがメダフォース…」
唯「ケロ!いくよ!」
ケロ「うん!」

斉藤「一斉射撃だ」
BB「…」


再び2つのメダフォースが衝突する


斉藤「絆…愛情…くだらん」



(※ケロのメダフォースにも一斉射撃的なものがあると脳内補完してください)

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:08:11.95 ID:F4tSn/eq0 [19/23]
~~~~~~

斉藤父「そんな仕事振りで執事が務まるか!!」パシン!
斉藤「すみません、父さん…」
父「本当にお前は要領が悪いな!一家の恥だ」
斉藤「…」
父「お前は後々、琴吹家に仕えるんだ。少しは自覚しろ」
斉藤「……はい」
父「もういい。今日は寝ろ」
斉藤「…おやすみなさい。父さん」

父「本当に出来の悪い息子だ」
母「ええ。兄弟の末っ子とはいえ、あそこまでとは思わなかったわ」
父「もし失態でも犯したら、私達の評価まで下がりかねないからな」

斉藤「…。」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:17:19.08 ID:F4tSn/eq0 [20/23]
~~~~~~

斉藤「別荘の支度が整いました、紬お嬢様」

紬「わかったわ。ご苦労様、斉藤」

斉藤「いえ、紬お嬢様のお世話をするのが私の仕事ですから」

紬「いつもわがままを言ってごめんなさい。斉藤には迷惑をかけているわね…」

斉藤「そんなことはございません。琴吹家に仕えることが私の誇りですから」

紬「斉藤…もっと砕けて話してくれてもいいのよ?私の方がずっと子供なんだから」

斉藤「とんでもありません。執事は常に主人に忠実でなければと父に教わりましたので…。」

紬「…ふふ、わかったわ」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:30:01.50 ID:F4tSn/eq0 [21/23]
~~~~~~

斉藤「…戯言だ」

ケロ「押され…てるよ、ゆい」

唯「頑張って、ケロ!!」

ケロ「ぐぐ…」


梓「ケロ、負けないで!!」

紬「唯ちゃん、しっかり!」

唯「あずにゃん、ムギちゃん…」

和「なにしてんの!しっかりしなさい、唯!」

純「唯さん、ケロー!」

憂「お姉ちゃん、頑張って…!」

唯「…和ちゃん、純ちゃん、憂」

律「戦ってるのはお前らだけじゃないぞ!」

澪「ああ、みんな一緒だ」

唯「りっちゃん…澪ちゃん…」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:42:48.24 ID:F4tSn/eq0 [22/23]
ケロ「ゆい…たーくんやアクビちゃん…みんなの想いを感じる」

唯「うん…私達は2人だけで戦ってるんじゃない!」

ケロ「身体に力がみなぎってくる…!」

ケロが放つ光が強さを増す
そして激しい衝撃と共にメダフォースの力が何倍にも上がる

律「あれは…!?」

澪「遠隔強化…」

律「メダフォース中にメダフォースが発動したってのか!?」

澪「ああ…そうとしか考えられない…それに」

律「遠隔強化はアマガエルの最終覚醒…エリオプスが使える技だ」

澪「覚醒…したんだな、ケロが。」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 00:05:30.59 ID:r0VyrqL70 [2/9]
唯「いけえええっ!」

ケロ「うおおおおっ!」

ケロのメダフォースがブラックビートルのそれを一気に押し戻す

斉藤「何…!?」

斉藤とブラックビートルがメダフォースの光に包まれる





BB「」

斉藤「…」

斉藤の足元にメダルが寄り添うように転がる


うるち「ブラックビートル、機能停止!HTTチームの勝利です!!」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 00:22:28.07 ID:r0VyrqL70 [3/9]
唯「勝った…」
ケロ「勝ったの…?」

律「そうだよ!!お前らが勝ったんだよ!!」
澪「やったじゃないか!」

憂「お姉ちゃ~ん!!」ギュッ
唯「うい~!」ナデナデ
梓「唯先輩、ケロ…すごくかっこよかったです!!」
唯「いや~照れるなぁ」
ケロ「照れるなー」
和「唯たちにはいつも驚かされるわ…まさか10日程度で優勝だなんて」
唯「えへへ…でも私達だけの力じゃないよ!みんなの想いが伝わってきたもん!」
ケロ「うん!あずにゃん3号やナースちゃん、すーみんの気持ちも感じたよ」
純「これで祝勝会が開けるね!」
梓「そればっかだね…純」

唯「あ…たーくんとアクビちゃんは…」
律「大丈夫だ、損傷は酷いがシラフシステムが大分修復してくれてる」
澪「何日か安静にすれば回復できるよ」
唯「よかった…」
ケロ「眠くなってきた…」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 00:39:42.79 ID:r0VyrqL70 [4/9]
斉藤「…負けた、のか…」

紬「そうよ。」

斉藤「…紬お嬢様」

紬「なぜ負けたかわかる?」

斉藤「私の実力不足が原因です」

紬「違うわ」

斉藤「…」

紬「あなたも気付いたんでしょう?」

斉藤「…私は考えていました。」

斉藤「私は幼少の頃から厳しく教育され、愛情を注がれずに生きてきました」

斉藤「そして荒んだ心のまま、琴吹家に執事として仕えた」

斉藤「そこで出会ったのが…紬お嬢様、あなたです」

斉藤「あなたはとても穏やかで、いつも温かかった」

紬「斉藤…」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 01:00:08.28 ID:r0VyrqL70 [5/9]



斉藤「私はずっと、自分は道具だと思い込んできました」

斉藤「メダロットも同様に道具として扱ってきた…」

斉藤「でもあなたに仕えていると、違った思いも芽生えてきた」

斉藤「だから…この大会で答えを出そうと思ったのです。どちらが正しい考え方なのか…」

紬「…答えは、出た?」

斉藤「…はい。」

紬「そう…よかったわ」

斉藤「申し訳ございませんでした、紬お嬢様。私は責任を持って執事を辞めます」

紬「いいえ。私の友達を傷つけた罰として、これからも私に仕えてもらうわ」

斉藤「…かしこましました。」

紬「ふふっ」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 01:22:53.10 ID:r0VyrqL70 [6/9]


斉藤「…今まで済まなかった…ブラックビートル」

BB「…」

斉藤「お前は…ずっと私についてきてくれたのだな」

BB「…」

斉藤「今さら遅いと思うが…ありがとう。」

BB「…遅くなんてないです」

斉藤「ブラックビートル…。」

BB「やっと…信じてくれたんですね」

斉藤「…すまん」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 01:25:23.24 ID:r0VyrqL70 [7/9]
表彰式

うるち「優勝はHTTチームです!おめでとうございます!!」

唯「えへへ…」

律「いや~アイドルはツラいね~!」

澪「調子に乗るな」

梓「なんか…気持ちいいですね!」

紬「ふふ、そうね♪」

唯「そうだ!せっかくだからここで演奏しようよ!」

澪「な、何言ってんだ唯!ここは公共の場だぞ!?」

律「そうだぞ唯、いくら優勝したからって…」

唯「うるちさん、いいでしょ~?」

うるち「もちろんです!」

澪律梓「えっ」

紬「うふふ♪」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 01:26:14.81 ID:r0VyrqL70 [8/9]
梓「で、でも、今日は楽器持ってきてないです…」

澪「そうだぞ、全員部室に置きっぱなしだ」

紬「その心配はいらないわ!斉藤」

斉藤「はい、こちらにお持ちしておきました」

律「なんて仕事の速い…」

斉藤「平沢様、田井中様、秋山様…本当に申し訳ございませんでした」

唯「んーん、もういいんだよ!」

律「まあたーくんを痛めつけたときのあんたは別人みたいだったからな、今は優しい目してるよ」

澪「わ、私も気にしてませんから!」

斉藤「……素晴らしいお友達をお持ちですね、紬お嬢様」

紬「そうでしょ♪」

うるち「それでは、HTTのみなさんによる緊急ライブを行います!」

唯「見ててね、ケロ、みんな!」

律「よっしゃ、いくぜ! 1、2、3、4!」


おしまい

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 01:27:22.01 ID:r0VyrqL70 [9/9]
とりあえずおしまいです
見てくれた人、ありがとうございます
スレがころころ変わったり色々と見づらかったと思いますが…


じゃあ本編見てくる


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