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浜絹モノ(?)
836 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:24:15.93 ID:jgK.ajIo [1/15]
どうも。浜絹モノ(仮)の続きです。
タイトルは「浜絹モノ(?)」
キャラ崩壊注意。展開崩壊注意。
今回は長くなったので11レスほど借ります。
自分でもどこに向かってるのかわからなくなってきた。
どうも。浜絹モノ(仮)の続きです。
タイトルは「浜絹モノ(?)」
キャラ崩壊注意。展開崩壊注意。
今回は長くなったので11レスほど借ります。
自分でもどこに向かってるのかわからなくなってきた。
837 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:25:04.43 ID:jgK.ajIo [2/15]
絹旗「はーまづらぁー?」
浜面「ひぃっ!? どこかで聞いたことあるようなないようなそのフレーズは何なんですかぁ!」
絹旗「いいからちょっと浜面、そこに座りなさい。はい、そう、正座です。超正座」
絹旗「とりあえず、超浜面とはいえ色々事情があるのはわかりますよ。ええ、私も鬼ではないですからね。釈明する余地は多少あるかもしれません」
絹旗「だが[ピーーー]!」
浜面「うわぁぁぁ! ちょ待ていや待ってくださいお願いします! この通り土下座でも何でもしますから!」
絹旗「いいえ許しませんよ超浜面。あなたはやってはいけないことをやりました。いくら事情がありようともこれは決して許されざる超重罪です。さようなら、浜面。愛していました」
浜面「うぉい! そこまでマジな事なのかよ! 俺が『他の女の子と話をしていた』くらいで!」
絹旗「『くらい』……? 浜面、あなたは何を言ってるんですか? 死にたいんですか?」
絹旗「いいからさっさと吐きなさい。あの女性はいったい誰なんですか」
浜面「誰ってその……俺にも女の子の知り合いくらいいるというか……」
絹旗「あぁん? 今何か超寝言が聞こえましたね? 超浜面と仲良くしてくれる女の子なんて学園都市中、いや世界中探してもいるわけがありません!」
浜面「いや……いるだろ……多分、一人くらいは……」
絹旗「ええ、浜面。あなたには一人で十分なんです。それ以上を求めるなんて超おこがましい事にも程があります」
浜面「えぇー。……でもおかしいだろ。お前も見てただろ? 俺は、別に……その……裏切るようなことはしてなかっただろ?」
絹旗「浜面あなた馬鹿なんですか? 超馬鹿なんですね浜面は。知ってますよ。知ってましたけど、けど」
浜面「な、なんだよ……」
絹旗「……ふぅ、しょせん超浜面には女心なんてまるで理解できないんですね。多少なりとも期待した私が超馬鹿でした」
浜面「なんだよ! 俺は別に変なことをしてたわけでは」
絹旗「……もういいです」
浜面「え?」
絹旗「もう超浜面には愛想が尽きました。辛抱の超限界です」
浜面「おい……おい、絹旗!」
絹旗「ばいばい、浜面」
838 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:25:50.51 ID:jgK.ajIo [3/15]
浜面「な、にを……」
浜面「あいつ……」
浜面「行っちまいやがった……」
浜面「俺が悪いのか……」
浜面「いや俺は悪くない」
浜面「俺は何も間違ったことはしていない」
浜面「していないんだ……」
浜面「……」
浜面「……ん」
浜面「寝ちまったか……」
浜面「ん、スプレーの缶……?」
浜面「そうだ、絹旗!」
浜面「いや、でも、俺は……」
滝壺「はまづら」
浜面「……滝壺、か……」
滝壺「久しぶり、はまづら」
浜面「元気だったか、お前らは」
滝壺「うん、元気だよ。麦野なんかこの前『あー、浜面はいないかしら。たまにブッ殺したくなるのよねー、あいつ』とか言ってたし」
滝壺「フレンダは、あっちでも鯖缶ばかり食べて、浜面のことなんて欠片も思い出してる様子がないし」
浜面「はは、変わらないな」
滝壺「うん。はまづらたちは、元気?」
浜面「……元気だよ」
滝壺「……きぬはたは?」
浜面「見りゃわかるだろ? この部屋だってあいつが暴れまわってこの有様だ。はは、ちょっと元気すぎるか?」
滝壺「……そうだね」
839 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:27:16.98 ID:jgK.ajIo [4/15]
浜面「……」
滝壺「……」
浜面「わかってる」
滝壺「……」
浜面「やめろよ」
滝壺「……」
浜面「そんな目で見るなよ」
滝壺「……」
浜面「違うんだ」
滝壺「……」
浜面「俺は悪くない」
浜面「俺は間違ったことはしてないんだ」
浜面「俺がやったことは正しかったんだ!」
浜面「ああするしかなかった」
浜面「だって俺には」
840 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:27:46.51 ID:jgK.ajIo [5/15]
浜面「俺はヒーローなんかじゃない」
浜面「俺は、ただの人間は、できることとできないことがあるんだよ!」
浜面「俺はあいつみたいに! お前らみたいにはなれないんだ!」
浜面「だって、俺はスキルアウトで、落ちこぼれで、出来損ないで、役立たずで、邪魔者で、ガキで、クズで、馬鹿で、無能力者で!」
浜面「俺なんていなけりゃよかったんだ! そうすれば」
滝壺「大丈夫、はまづら」
滝壺「私は、スキルアウトで、落ちこぼれで、出来損ないで、役立たずで、邪魔者で、ガキで、クズで、馬鹿で、そして」
滝壺「無能力者でも、そんなはまづらを応援してるよ」
滝壺「だから、負けないで」
滝壺「はまづらは、はまづらがそう思っていなくても」
滝壺「私にとっては、とっても格好良いヒーローだったから」
滝壺「おやすみ、はまづら」
滝壺「また会おうね」
841 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:28:12.25 ID:jgK.ajIo [6/15]
浜面「……」
浜面「…………」
浜面「滝壺……」
浜面「ああ、そうだな」
浜面「また会おうぜ」
浜面「さて、絹旗の超馬鹿野郎を連れ戻しに行くか!」
絹旗「あんな事を言って家を出たのはいいんですが」
絹旗「行く当てが超ありません……」
絹旗「もうこんな時間ですし、あまり放浪してると警備員が煩そうです……」
絹旗「こうなったら死ぬほど不服ですが、五月の……」
絹旗「……?」
絹旗「あ、あなたは……」
浜面「よう、絹旗」
絹旗「……」
浜面「やっぱり、ここにいたか」
絹旗「……」
浜面「やっぱお前がいるのはここだよな」
浜面「映画館」
浜面「お前は絶対ここにいる、って思ったぜ」
浜面「2人で何度も来たもんな」
浜面「こんな寂れた場所でも──」
絹旗「浜面」
浜面「おう」
絹旗「麦野に会いました」
842 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:30:15.96 ID:jgK.ajIo [7/15]
絹旗「どういうことですか」
浜面「……何が、だ」
絹旗「どうして!」
絹旗「麦野は!」
絹旗「麦野は私に言ったんです!」
絹旗「『あら、久しぶりね、絹旗』って」
絹旗「ただ、それだけで。たったのそれだけで!」
絹旗「それだけで麦野は行ってしまったんですよ!」
絹旗「何なんですか!」
絹旗「それだけなんですか!」
絹旗「私は、」
絹旗「私は、それだけの存在なんですか!」
絹旗「私は、アイテムにとって、麦野にとって、滝壺さんにとって、フレンダにとって」
絹旗「浜面にとって!」
絹旗「私の存在はその程度なんですかぁ!」
浜面「絹旗」
絹旗「うっ……うっ……」
浜面「お前さっき言ってたな。俺と話していた女の子が誰かって」
絹旗「うっく……」
浜面「あれは滝壺だ」
絹旗「え……」
絹旗「だって、え、え?」
絹旗「だって、あの女性は」
絹旗「目に包帯を巻いていたじゃないですか!」
絹旗「……まさか」
843 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:32:30.06 ID:jgK.ajIo [8/15]
浜面「そうだ、滝壺はもう『目』が見えない」
浜面「フレンダは『足』がもう動かない」
浜面「麦野はもう『腕』がない」
絹旗「嘘です! 麦野は私と会ったとき!」
浜面「コートを着ていただろう? 腕を覆うように」
絹旗「っ……」
絹旗「どういうことですか……」
絹旗「なんでそんなことに……」
浜面「俺にもわからない」
浜面「どうしてこうなってしまったのか」
浜面「どうしてこんな目に合わなきゃいけないのか」
浜面「俺にもさっぱりわからねぇんだよ!」
絹旗「っ!」
浜面「俺たちが何をしたっていうんだ!」
浜面「俺たちが悪いことは何もしていないとは言わない!」
浜面「それでも! それでも、ここまで酷いことをされて!」
浜面「それで泣き寝入りしろだって? ふざけんな!」
浜面「どうして俺だけ! 俺だけ何もないんだ! 俺には何も価値がないのか! 何も奪うに値するものがないのかよ!」
浜面「くそっ! くそぉ!!!」
絹旗「……私たちは暗部です」
浜面「あ?」
絹旗「この程度のこと、この世界に入ったときに覚悟はしていました。おそらく麦野も滝壺さんもフレンダも」
絹旗「だから」
844 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:33:15.34 ID:jgK.ajIo [9/15]
浜面「覚悟していたから何なんだよ!」
浜面「お前らがそれが辛くないわけがないだろう!」
絹旗「っ……でもその3人に比べて、私は何も失ってなんか……」
浜面「自分でもわかっているんだろ?」
浜面「お前にはもう『窒素装甲』が出せない」
絹旗「っ!!」
浜面「前にも言っただろ、お前はもう『ただの女の子』なんだ」
浜面「お前は『能力』を奪われた」
絹旗「……いつから気づいていました?」
浜面「ついさっきだ。お前がやけにヘアスプレーの缶を持っているのを強調するのはそれを誤魔化すためなんだろ?」
浜面「でも残念だったな、さっき急に家を飛び出した時に、これ、置きっ放しだったぜ」
絹旗「……私がまだ予備を持ってるとは思わなかったんですか?」
浜面「ははっ、んなわけねぇだろ。そんなことない事はお見通しだぜ」
浜面「だって、俺とお前のあの家の家計は俺が管理してるんだぜ?」
845 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:33:47.30 ID:jgK.ajIo [10/15]
絹旗「……」
浜面「……」
絹旗「ぷっ」
浜面「……」
絹旗「ふっ、くくっ」
浜面「……」
絹旗「あは、あはははははははは」
浜面「……笑うなよ」
絹旗「だって、あはっ、超浜面が超キメ顔で『家計は俺が管理してるんだぜ?』って、ぷっ、ふふふふっ」
浜面「くそっ、笑うな!」
絹旗「きゃっ、ちょ、ちょっと浜面、やめて下さい!」
浜面「はっはー、お前はもうただの女の子だからなー。抵抗できるならしてみるがいい。へっへっへ」
絹旗「……浜面……超キモイ……」
浜面「なんだと!」
絹旗「……いいですよ」
浜面「……」
絹旗「浜面なら……私を好きにしてもいいです」
浜面「……そのまんまの意味に取るぞ」
絹旗「ええ」
846 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:34:24.76 ID:jgK.ajIo [11/15]
絹旗「絹旗最愛は、浜面仕上に全てを捧げます」
847 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:35:09.98 ID:jgK.ajIo [12/15]
浜面「……急に何を」
絹旗「……覚悟が必要なんです」
絹旗「大事なものを失って、それでも前に歩き続けるためには、覚悟が必要なんです」
絹旗「私にとってそれは、超愛している人に自分の全てを預けること」
絹旗「全てがあなたのものになりたい」
絹旗「あなたの全てをものにしたい」
絹旗「これは契約です」
絹旗「お互いが決して破ることのない」
絹旗「最初で最後の、契約です」
絹旗「……いいえ、あなたは破っても構わない」
絹旗「あなたの意思はあなたのものです」
絹旗「でも」
絹旗「私の意思は私のものです」
絹旗「だから」
絹旗「私はあなたのものになります」
絹旗「これは私の意思で、契約で、誓いで、けじめで、覚悟です」
絹旗「きっと私はあなたに恋(依存)してるんです」
848 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:35:58.20 ID:jgK.ajIo [13/15]
絹旗「浜面、いや、仕上さん」
絹旗「私を受け入れてくれますか?」
浜面「絹旗、お前……」
絹旗「最愛と呼んでください」
浜面「ぐっ……さ、最愛」
絹旗「はい♪」
浜面「お前、俺の答えをわかっていて聞いてるだろ?」
絹旗「はい♪」
浜面「……お前、ずるいぞ」
絹旗「女はずるいものなんですよ、浜面っ♪」
浜面「くっそー! こうなったらいきつくとこまで!」
絹旗「超駄目です♪」
浜面「うげっ! そ、そこは……」
絹旗「まったく男は超狼なんですから……超油断なりません」
浜面「絹旗さン……急所は……ちょっと……」
絹旗「ふん! 超浜面にはいい罰です」
浜面「だって、さっきの流れだったらOKな感じでしたよね……?」
絹旗「はぁ……わからないんですか? これだから超浜面は」
絹旗「私は『返事』を聞いていませんよ? 仕上さん」
849 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:36:39.63 ID:jgK.ajIo [14/15]
浜面「……ああ、世界で一番愛してる、最愛」
絹旗「私もです。この世で最も愛しています。仕上さん」
850 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:37:18.42 ID:jgK.ajIo [15/15]
以上。
あー、saga忘れた。
それに、改行オーバーして11レスどころじゃなくなっちゃいましたね。
申し訳ない。
絹旗「はーまづらぁー?」
浜面「ひぃっ!? どこかで聞いたことあるようなないようなそのフレーズは何なんですかぁ!」
絹旗「いいからちょっと浜面、そこに座りなさい。はい、そう、正座です。超正座」
絹旗「とりあえず、超浜面とはいえ色々事情があるのはわかりますよ。ええ、私も鬼ではないですからね。釈明する余地は多少あるかもしれません」
絹旗「だが[ピーーー]!」
浜面「うわぁぁぁ! ちょ待ていや待ってくださいお願いします! この通り土下座でも何でもしますから!」
絹旗「いいえ許しませんよ超浜面。あなたはやってはいけないことをやりました。いくら事情がありようともこれは決して許されざる超重罪です。さようなら、浜面。愛していました」
浜面「うぉい! そこまでマジな事なのかよ! 俺が『他の女の子と話をしていた』くらいで!」
絹旗「『くらい』……? 浜面、あなたは何を言ってるんですか? 死にたいんですか?」
絹旗「いいからさっさと吐きなさい。あの女性はいったい誰なんですか」
浜面「誰ってその……俺にも女の子の知り合いくらいいるというか……」
絹旗「あぁん? 今何か超寝言が聞こえましたね? 超浜面と仲良くしてくれる女の子なんて学園都市中、いや世界中探してもいるわけがありません!」
浜面「いや……いるだろ……多分、一人くらいは……」
絹旗「ええ、浜面。あなたには一人で十分なんです。それ以上を求めるなんて超おこがましい事にも程があります」
浜面「えぇー。……でもおかしいだろ。お前も見てただろ? 俺は、別に……その……裏切るようなことはしてなかっただろ?」
絹旗「浜面あなた馬鹿なんですか? 超馬鹿なんですね浜面は。知ってますよ。知ってましたけど、けど」
浜面「な、なんだよ……」
絹旗「……ふぅ、しょせん超浜面には女心なんてまるで理解できないんですね。多少なりとも期待した私が超馬鹿でした」
浜面「なんだよ! 俺は別に変なことをしてたわけでは」
絹旗「……もういいです」
浜面「え?」
絹旗「もう超浜面には愛想が尽きました。辛抱の超限界です」
浜面「おい……おい、絹旗!」
絹旗「ばいばい、浜面」
838 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:25:50.51 ID:jgK.ajIo [3/15]
浜面「な、にを……」
浜面「あいつ……」
浜面「行っちまいやがった……」
浜面「俺が悪いのか……」
浜面「いや俺は悪くない」
浜面「俺は何も間違ったことはしていない」
浜面「していないんだ……」
浜面「……」
浜面「……ん」
浜面「寝ちまったか……」
浜面「ん、スプレーの缶……?」
浜面「そうだ、絹旗!」
浜面「いや、でも、俺は……」
滝壺「はまづら」
浜面「……滝壺、か……」
滝壺「久しぶり、はまづら」
浜面「元気だったか、お前らは」
滝壺「うん、元気だよ。麦野なんかこの前『あー、浜面はいないかしら。たまにブッ殺したくなるのよねー、あいつ』とか言ってたし」
滝壺「フレンダは、あっちでも鯖缶ばかり食べて、浜面のことなんて欠片も思い出してる様子がないし」
浜面「はは、変わらないな」
滝壺「うん。はまづらたちは、元気?」
浜面「……元気だよ」
滝壺「……きぬはたは?」
浜面「見りゃわかるだろ? この部屋だってあいつが暴れまわってこの有様だ。はは、ちょっと元気すぎるか?」
滝壺「……そうだね」
839 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:27:16.98 ID:jgK.ajIo [4/15]
浜面「……」
滝壺「……」
浜面「わかってる」
滝壺「……」
浜面「やめろよ」
滝壺「……」
浜面「そんな目で見るなよ」
滝壺「……」
浜面「違うんだ」
滝壺「……」
浜面「俺は悪くない」
浜面「俺は間違ったことはしてないんだ」
浜面「俺がやったことは正しかったんだ!」
浜面「ああするしかなかった」
浜面「だって俺には」
840 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:27:46.51 ID:jgK.ajIo [5/15]
浜面「俺はヒーローなんかじゃない」
浜面「俺は、ただの人間は、できることとできないことがあるんだよ!」
浜面「俺はあいつみたいに! お前らみたいにはなれないんだ!」
浜面「だって、俺はスキルアウトで、落ちこぼれで、出来損ないで、役立たずで、邪魔者で、ガキで、クズで、馬鹿で、無能力者で!」
浜面「俺なんていなけりゃよかったんだ! そうすれば」
滝壺「大丈夫、はまづら」
滝壺「私は、スキルアウトで、落ちこぼれで、出来損ないで、役立たずで、邪魔者で、ガキで、クズで、馬鹿で、そして」
滝壺「無能力者でも、そんなはまづらを応援してるよ」
滝壺「だから、負けないで」
滝壺「はまづらは、はまづらがそう思っていなくても」
滝壺「私にとっては、とっても格好良いヒーローだったから」
滝壺「おやすみ、はまづら」
滝壺「また会おうね」
841 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:28:12.25 ID:jgK.ajIo [6/15]
浜面「……」
浜面「…………」
浜面「滝壺……」
浜面「ああ、そうだな」
浜面「また会おうぜ」
浜面「さて、絹旗の超馬鹿野郎を連れ戻しに行くか!」
絹旗「あんな事を言って家を出たのはいいんですが」
絹旗「行く当てが超ありません……」
絹旗「もうこんな時間ですし、あまり放浪してると警備員が煩そうです……」
絹旗「こうなったら死ぬほど不服ですが、五月の……」
絹旗「……?」
絹旗「あ、あなたは……」
浜面「よう、絹旗」
絹旗「……」
浜面「やっぱり、ここにいたか」
絹旗「……」
浜面「やっぱお前がいるのはここだよな」
浜面「映画館」
浜面「お前は絶対ここにいる、って思ったぜ」
浜面「2人で何度も来たもんな」
浜面「こんな寂れた場所でも──」
絹旗「浜面」
浜面「おう」
絹旗「麦野に会いました」
842 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:30:15.96 ID:jgK.ajIo [7/15]
絹旗「どういうことですか」
浜面「……何が、だ」
絹旗「どうして!」
絹旗「麦野は!」
絹旗「麦野は私に言ったんです!」
絹旗「『あら、久しぶりね、絹旗』って」
絹旗「ただ、それだけで。たったのそれだけで!」
絹旗「それだけで麦野は行ってしまったんですよ!」
絹旗「何なんですか!」
絹旗「それだけなんですか!」
絹旗「私は、」
絹旗「私は、それだけの存在なんですか!」
絹旗「私は、アイテムにとって、麦野にとって、滝壺さんにとって、フレンダにとって」
絹旗「浜面にとって!」
絹旗「私の存在はその程度なんですかぁ!」
浜面「絹旗」
絹旗「うっ……うっ……」
浜面「お前さっき言ってたな。俺と話していた女の子が誰かって」
絹旗「うっく……」
浜面「あれは滝壺だ」
絹旗「え……」
絹旗「だって、え、え?」
絹旗「だって、あの女性は」
絹旗「目に包帯を巻いていたじゃないですか!」
絹旗「……まさか」
843 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:32:30.06 ID:jgK.ajIo [8/15]
浜面「そうだ、滝壺はもう『目』が見えない」
浜面「フレンダは『足』がもう動かない」
浜面「麦野はもう『腕』がない」
絹旗「嘘です! 麦野は私と会ったとき!」
浜面「コートを着ていただろう? 腕を覆うように」
絹旗「っ……」
絹旗「どういうことですか……」
絹旗「なんでそんなことに……」
浜面「俺にもわからない」
浜面「どうしてこうなってしまったのか」
浜面「どうしてこんな目に合わなきゃいけないのか」
浜面「俺にもさっぱりわからねぇんだよ!」
絹旗「っ!」
浜面「俺たちが何をしたっていうんだ!」
浜面「俺たちが悪いことは何もしていないとは言わない!」
浜面「それでも! それでも、ここまで酷いことをされて!」
浜面「それで泣き寝入りしろだって? ふざけんな!」
浜面「どうして俺だけ! 俺だけ何もないんだ! 俺には何も価値がないのか! 何も奪うに値するものがないのかよ!」
浜面「くそっ! くそぉ!!!」
絹旗「……私たちは暗部です」
浜面「あ?」
絹旗「この程度のこと、この世界に入ったときに覚悟はしていました。おそらく麦野も滝壺さんもフレンダも」
絹旗「だから」
844 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:33:15.34 ID:jgK.ajIo [9/15]
浜面「覚悟していたから何なんだよ!」
浜面「お前らがそれが辛くないわけがないだろう!」
絹旗「っ……でもその3人に比べて、私は何も失ってなんか……」
浜面「自分でもわかっているんだろ?」
浜面「お前にはもう『窒素装甲』が出せない」
絹旗「っ!!」
浜面「前にも言っただろ、お前はもう『ただの女の子』なんだ」
浜面「お前は『能力』を奪われた」
絹旗「……いつから気づいていました?」
浜面「ついさっきだ。お前がやけにヘアスプレーの缶を持っているのを強調するのはそれを誤魔化すためなんだろ?」
浜面「でも残念だったな、さっき急に家を飛び出した時に、これ、置きっ放しだったぜ」
絹旗「……私がまだ予備を持ってるとは思わなかったんですか?」
浜面「ははっ、んなわけねぇだろ。そんなことない事はお見通しだぜ」
浜面「だって、俺とお前のあの家の家計は俺が管理してるんだぜ?」
845 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:33:47.30 ID:jgK.ajIo [10/15]
絹旗「……」
浜面「……」
絹旗「ぷっ」
浜面「……」
絹旗「ふっ、くくっ」
浜面「……」
絹旗「あは、あはははははははは」
浜面「……笑うなよ」
絹旗「だって、あはっ、超浜面が超キメ顔で『家計は俺が管理してるんだぜ?』って、ぷっ、ふふふふっ」
浜面「くそっ、笑うな!」
絹旗「きゃっ、ちょ、ちょっと浜面、やめて下さい!」
浜面「はっはー、お前はもうただの女の子だからなー。抵抗できるならしてみるがいい。へっへっへ」
絹旗「……浜面……超キモイ……」
浜面「なんだと!」
絹旗「……いいですよ」
浜面「……」
絹旗「浜面なら……私を好きにしてもいいです」
浜面「……そのまんまの意味に取るぞ」
絹旗「ええ」
846 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:34:24.76 ID:jgK.ajIo [11/15]
絹旗「絹旗最愛は、浜面仕上に全てを捧げます」
847 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:35:09.98 ID:jgK.ajIo [12/15]
浜面「……急に何を」
絹旗「……覚悟が必要なんです」
絹旗「大事なものを失って、それでも前に歩き続けるためには、覚悟が必要なんです」
絹旗「私にとってそれは、超愛している人に自分の全てを預けること」
絹旗「全てがあなたのものになりたい」
絹旗「あなたの全てをものにしたい」
絹旗「これは契約です」
絹旗「お互いが決して破ることのない」
絹旗「最初で最後の、契約です」
絹旗「……いいえ、あなたは破っても構わない」
絹旗「あなたの意思はあなたのものです」
絹旗「でも」
絹旗「私の意思は私のものです」
絹旗「だから」
絹旗「私はあなたのものになります」
絹旗「これは私の意思で、契約で、誓いで、けじめで、覚悟です」
絹旗「きっと私はあなたに恋(依存)してるんです」
848 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:35:58.20 ID:jgK.ajIo [13/15]
絹旗「浜面、いや、仕上さん」
絹旗「私を受け入れてくれますか?」
浜面「絹旗、お前……」
絹旗「最愛と呼んでください」
浜面「ぐっ……さ、最愛」
絹旗「はい♪」
浜面「お前、俺の答えをわかっていて聞いてるだろ?」
絹旗「はい♪」
浜面「……お前、ずるいぞ」
絹旗「女はずるいものなんですよ、浜面っ♪」
浜面「くっそー! こうなったらいきつくとこまで!」
絹旗「超駄目です♪」
浜面「うげっ! そ、そこは……」
絹旗「まったく男は超狼なんですから……超油断なりません」
浜面「絹旗さン……急所は……ちょっと……」
絹旗「ふん! 超浜面にはいい罰です」
浜面「だって、さっきの流れだったらOKな感じでしたよね……?」
絹旗「はぁ……わからないんですか? これだから超浜面は」
絹旗「私は『返事』を聞いていませんよ? 仕上さん」
849 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:36:39.63 ID:jgK.ajIo [14/15]
浜面「……ああ、世界で一番愛してる、最愛」
絹旗「私もです。この世で最も愛しています。仕上さん」
850 名前:浜絹モノ(?)[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 22:37:18.42 ID:jgK.ajIo [15/15]
以上。
あー、saga忘れた。
それに、改行オーバーして11レスどころじゃなくなっちゃいましたね。
申し訳ない。
Tag : とあるSS総合スレ
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