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Nightmare Of Accelerator

▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」【超電磁砲】

515 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/28(水) 23:14:36.59 ID:CT4GTuc0 [3/4]
実験が続行して一方さん対20000号のIFとか、
妹達の中に突如個性に目覚めた子が出てきて
その子が実験から逃げ出そうとして結局一方さんに殺される話とか

だれか書いて

593 名前:Nightmare Of Accelerator 0/8[saga] 投稿日:2010/05/08(土) 00:23:49.91 ID:qn5peLUo [1/9]
少し失礼。
前スレ515を見て、思いついたものですが……書いてて少しばかり変な感じに……
すてるのも勿体無い気がするので、投下します。

594 名前:Nightmare Of Accelerator 1/8[saga] 投稿日:2010/05/08(土) 00:24:29.87 ID:qn5peLUo [2/9]
 ――『絶対』を求めたのは、どうしてだったか。



 ドンッ!
 無機質な銃声がコンテナ場に響き渡った。
 しかしその銃弾は寸分違わず、ライフル――F2000R『オモチャの兵隊』の銃口へと吸い込まれ、爆発する。
 白い少年は狂気じみた笑い声と共に少女を嘲笑う。

一方「あめェあめェあめェ!そんなンでこの俺を止められるとでも思ってンのかァ!?」

19998「っ……」

19997「19998号下がりなさい、とミサカ19997号は後ろに追いやりつつライフルを構えます」

19999「ミサカ19999号も至近での足止めで援護に入ります」

 学園都市第一位の称号を持つ『一方通行』に退治するのは、四人の少女。
 その顔はどれも同じ。
 彼女たちは『妹達』。第三位『超電磁砲』のクローンで、シリアルナンバー00001より20000まで揃えられていた。
 それの他に上位個体である20001号『最終信号』があるのだが、ここでは然程その意味を持たない。
 なぜならば。
 この一方通行の幻想は、殺されていないのだから。

一方「ハッ!馬鹿の一つ覚えみてェに酸素をオゾンに変換ってかァ!?ンなもン、とっくの前に破られてンのがわかってンじゃねェのかよォ!!」

 轟!と突風が吹き荒れて一方通行の側に居た19999号はその場の空気ごと空を舞い、付近のコンテナに何の対策も取れずに激突。
 そのまま彼女は動かなくなる。
 バチン、と19996号の電気が一方通行の視界を踊って彼を襲うがそれは全くの無意味。
 レベル2相当の電気はそのまま彼女自身へと返り、もんどり打つ。
 同時に後頭部より先ほどと同じ『オモチャの兵隊』の弾が衝突するが、一瞬で狙撃者19997号は血みどろになる。
 一方通行は面倒くさそうに腕を伸ばし、クイッ、と指を振るった。
 たったそれだけの行動で、19997号、19998号は上部からの途轍もない圧力によりその意識を閉じる。

595 名前:Nightmare Of Accelerator 2/8[saga] 投稿日:2010/05/08(土) 00:24:58.08 ID:qn5peLUo [3/9]
一方「さァてと……後はてめェだけだぜェ?」

 ぐるん、と一方通行が見るのは、先程電気を撃った19996号。
 まだ電気が抜けきらないのか、彼女は痙攣しつつも、目の前に落ちているライフルをつかみとろうとしていた。
 それも、伸ばした腕が有り得ない方向に曲がることで阻止される。
 激痛に思わず19996号は悲鳴を上げた。

19996「っあぁ!!」

一方「そんなン使われても、痛くも痒くもねェけどよォ」

 ジャリジャリ、と。
 その足音が彼女の元へと近づく。
 白い死神が、使い捨ての少女の命を摘み取ろうとせんがために。

一方「いい加減、面倒くせェンだわ」

 彼女の身体に影がおちる。
 それは、一方通行の足が振り上げられたからだった。
 19996号はそれを見上げる。
 無感情。
 そう言うのが相応しかった。
 死ぬ寸前まで何ら代わりはしない彼女たちの顔を見て、一方通行は苛立を隠せない。
 そして、遂に、

一方「シネよ」

 グシャ、という生々しい音を最後に、コンテナ場に静寂が訪れる。

596 名前:Nightmare Of Accelerator 3/7←7でした、すいません。[saga] 投稿日:2010/05/08(土) 00:25:58.54 ID:qn5peLUo [4/9]
 今回の実験は、『障害物が無数にあり、且つ一対多である時においての戦闘』。
 19996号から19999までを使用して行われた。
 二万といた『妹達』も、後一人。
 『絶対能力進化』へ王手をかけた。

一方(……『絶対能力』ねェ)

 一方通行はつい先ほどコンビニで買ったコーヒーを飲みながら考える。
 『超能力』の上である『絶対能力』。
 彼はそれに進化できるとは聞いていたが、それがなんなのか、どのように進化するのかを知っているわけではない。
 しかし、これだけはわかる。
 自分は『最強』ではなく、『絶対』になれると。

一方「……ハッ」

 『絶対』。『無敵』。
 どうしてそんなものを目指したのか。
 嘗て―― 一方通行はこう思っていた。
 『絶対』になれば、争うことすらもバカバカしいと思うほどの力を手にいれれば――人を傷つけなくてもすむ、と。
 その結果が、これだ。
 彼は『絶対』を手にいれるために、自分の望みのために、それを踏みにじった。
 圧倒的な矛盾。
 彼がそのことに気づいたのは―― 一万を超えて少し、番号で言うなら10032号の時だった。
 それに気づいてからは、表面上ではいつもどおりでも、内心では苦痛でしかなかった。

一方(どうして、こうなっちまったンだろうなァ)

 考えても、答えはでない。
 そのことにイラつきを覚えて、一方通行は残ったコーヒーを一気に煽る。
 そして、飲みほした缶を適当に床に投げ捨てる。わざわざゴミ箱に捨てなくても、学園都市の誇る技術で作られた、清掃機械が勝手に掃除してくれる。

一方(それもまァ……次で、終わりになンだ)

 ミサカ20000号――彼にとって、『妹達』最後の個体。
 あえて名前を付けるなら……最終個体、『打ち止め』とでも呼ぼうか。
 『実験』をこれで『打ち止め』る個体。

一方「……馬鹿らしい」

 彼はその脳裏を過ぎった考えを一蹴し、帰路に着く。

597 名前:Nightmare Of Accelerator 4/7[saga] 投稿日:2010/05/08(土) 00:26:32.66 ID:qn5peLUo [5/9]





 ――夢を見た。


 それは、この世界とは似て非なる世界。


 その世界でもやはり自分はクローンを殺してはいたが、ヒーローが自分を止めてくれた。


 憎たらしいほどの善人だった。


 自分を光の世界へと一時的にでも連れ帰す手助けをしてくれていた。


 一方通行は、恨む。


 どうして、この物語に『幻想殺し』の少年は登場しないのか、と――






598 名前:Nightmare Of Accelerator 5/7[saga] 投稿日:2010/05/08(土) 00:27:10.23 ID:qn5peLUo [6/9]
20000「では、最後の『実験』を行います、とミサカ20000号は一方通行に確認をとります」

 舞台はどこかのビルの屋上。
 だが、一方通行にとって重要なのは、位置情報ではない。
 目の前に佇む『打ち止め』だ。

一方「……なァ」

20000「はい、なんでしょうか、とミサカ20000号は一方通行の呼び掛けに応えます」

 今までも幾度となく行われてきた応酬。
 無感情な個体に対して一方通行がしてきた語りかけ。

一方「てめェが最後になるわけだがよォ……」

20000「はい、そうですね。一方通行は私を殺すことによってレベル6へと進化することが出来ます、とミサカは『樹形図の設計者』のシュミレート結果を述べてみます」

 20000号がそう答えるのも気にせず、一方通行は息を短く吸う。

一方「……てめェら、生きていたかったか?」

 一方通行は問いかける。
 最後の最後で。
 今まで一九九九九体もの個体を殺してきた上で。
 最後の個体に対して、問いかける。
 こんな実験に使われたくなかっただろう?と。
 死ぬためなんかに生まれてきたくなかっただろう?と。

20000「いえ、それはありません」

 しかし。
 一方通行の予想は、簡単に裏切られた。

20000「ミサカ達は貴方をレベル6に進化させるためだけに生まれてきました」

20000「故に貴方の手によって死ぬことこそがミサカ達が生まれてきた意味ですから、とミサカは自分の存在意義を述べてみます」

599 名前:Nightmare Of Accelerator 6/7[saga] 投稿日:2010/05/08(土) 00:27:40.92 ID:qn5peLUo [7/9]
一方「……そォかよ」

 聞かずとも、わかっていた。
 今までも何度か同じことを聞いたことがある。
 その時々も、全て同じ回答だったから。

20000「……では、最終実験を始めたいと思います」

 最終実験は『逃げ場のない地域においての戦闘』。
 二人は真正面から対峙する。
 その差は僅か5メートル。
 20000号の口がカウントを告げる。

20000「3……2……1……実験かい」

 一瞬だった。
 ベクトルを変換した一方通行は右手を振って20000号の腹部へと殴りかかった。
 し、の言葉を紡ぐことのなかった20000号は、一方通行に殴られた衝撃で屋上を跳ね、そして為す術も無いままヘリから落下していく。

 終わった。
 これで、自分は学園都市で『絶対』の能力者だ。
 真に、誰も傷つけなくてもすむ。
 そう思っていた一方通行にとって、

20002「やっほう第一位、『実験』を続けるよ」

 ――彼女の存在は、絶望的だった。

600 名前:Nightmare Of Accelerator 7/7[saga] 投稿日:2010/05/08(土) 00:28:06.57 ID:qn5peLUo [8/9]
一方「ンな…………」

 彼の顔が珍しく驚愕に満ちる。
 20002号――上位個体である『最終信号』を飛ばした、次の製造番号。
 見た目は20001号までより多少成長し、レベル4程度の能力は身につけている。
 それが告げる。

20002「ミサカが誕生した理由はね、簡単に言うと『樹形図の設計者』のミスなんだよね」

 曰く、一方通行は『超電磁砲』のクローン二万体を倒したとしても進化できない、と。
 再計算した結果、レベル4相当の個体を20000通りで殺すことによって進化できる、と。
 第三次製造計画によって製造された20002号はそう言った。
 聞いた一方通行はただ愕然と、唖然とするしか無い。

一方「ふざ……け…………」

 漏れるのは、抗議の言葉。
 ようやく苦しみから開放されるかと思っていたのに。
 ようやく誰も傷つけなくてもよくなると思っていたのに。
 なんだこの仕打ちは。
 なんだこの結末は。
 ふざげるな。
 一体自分は――


一方「……くけ…………」




一方「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくけけこかくけきかこけききくくくききかきくこくくけくかきくこけくけくきくきこきかかか――――――ッ!!」




 一体自分は、どこまで堕ちればいいのだろうか――

601 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:35:03.25 ID:qn5peLUo [9/9]
幻想殺しが禁書目録と出会わない物語のお話。
禁書目録と出会わなければ『樹形図の設計者』は破壊されず、美琴が命を投げることも出来ない。
また、アレイスターのプランにはクローンが必要不可欠のため、いなくなったら作らなければならない。
……『欠陥電気』20000体を倒すことによって一方通行がレベル6に上がることが真実ならば、これはできませんけども。

後日、加筆・修正を行うかもしれません。
その時はまた宜しくお願い致します。

Tag : とあるSS総合スレ

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