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昼寝と添い寝と昼下がり

605 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/08(土) 00:57:46.73 ID:/b4PDP.o [1/9]
ちょっと短いの一つ投下させてもらいますね

606 名前:昼寝と添い寝と昼下がり 1/7[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:01:24.66 ID:/b4PDP.o [2/9]
「もう寝たかな? ってミサカはミサカは二人に確認してみたり」

「アイツは普段からそんなに活発に動かないから良く分からないじゃんよー」

「あら、でも少し寝息みたいな音が聞こえるわよ?」

部屋のドアを少しだけ開いた隙間から三つの目が一方通行を覗き込む。
一方通行が寝ていると確信したのかドアを静かに開き三人の同居人が室内に侵入してきた。

「ヨミカワ、ちゃんと準備は抜かりない?ってミサカはミサカは念を押してみる」

「ばっちりじゃんよ!」

そういう黄泉川の手にはデジカメが握られており、
打ち止めにレンズを向け予告なしにシャッターを切る。

「ッ!? ちょっとヨミカワいきなり撮るのは反則だよ! ってミサカはミサカは写真写りを気にしてみる!」

「大丈夫だって。ほら、可愛く取れているじゃん?」

何のためにわざわざ物音を立てずに慎重に部屋に入ったのか。
横でギャーギャー騒ぐ二人に目を向け、芳川は溜息をもらす。

「2人とも五月蝿いわよ・・・・・・。一方通行が起きたらどうするの?」

「おーおー、最初はなんだかんだ言ってたのに桔梗が一番ノリノリじゃん?」

注意されたことを棚に上げ、黄泉川はニヤニヤした表情を浮かべそういいはなった。

607 名前:昼寝と添い寝と昼下がり 2/7[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:03:32.45 ID:/b4PDP.o [3/9]
「いい加減、ちょっと黙りなさ―――ッ!?」

「うゥン・・・・・・」

芳川の声に反応してか一方通行が寝返りを打つ。
三人はといえばその瞬間に道端で不意に目があった猫のようにピタリと動きを止め、
一方通行の眠りが安定するのを静かに待つ。

「・・・・・・ちょっと騒ぎすぎじゃんよ?」

「愛穂がからかうからでしょう・・・・・・まぁいいわ。さっさとやっちゃいましょう?」

「そうじゃんね。それじゃぁ、打ち止め準備はいいじゃん?」

打ち止めは返事はせず、ただ黄泉川と芳川の顔を交互に見比べビッと親指を立てる。
そしてそのままほふく前進で一方通行の眠るベッドへと少しずつ近づいていく。
その動きにあわせて上下にゆれるアホ毛がなんとも可愛らしい。

一方通行にもあとで見せてやろう。とデジカメをムービーに切り替え後ろから黄泉川が撮影していることに打ち止めは気づいていないようだ。

608 名前:昼寝と添い寝と昼下がり 3/7[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:07:13.33 ID:/b4PDP.o [4/9]
今更ながら、なぜこんなことになっているのかといえば
打ち止めが最近一方通行が構ってくれないと愚痴をこぼしたのが事の発端だった。

それを聞いた黄泉川は面白そうだと最初からノリノリであれこれと提案をだし
芳川は黄泉川のめちゃくちゃな案にくだらないだの止めときなさいだのなだめ役に徹していた。

そんな中、最終的に一方通行がちょうど昼寝をしているから打ち止めをこっそり添い寝させ
その姿を記念撮影してやろうという流れで話が決まったのである。

打ち止めは添い寝が出来て、黄泉川は面白い写真が取れてまさに一石二鳥という見事な提案だった。

ちなみに、その案に決まることには芳川もすっかり話に混ざりノリノリになっていた。
つまるところ、この保護者二人は暇なのである。


そうしているうちに、やっとベッドの横までたどり着いた打ち止めが振り返り再び親指を立てて合図する。

「よし、そのままゆっくり布団にもぐりこむじゃんよー」

黄泉川が小声で指示を送ると、打ち止めはコクンと頷きゆっくり細心の注意をはらいつつ一方通行に覆いかぶさっている布団をめくっていく。
さっき寝返りをうったのが功を奏してかちょうどよくこちら側を向くように眠っている一方通行が姿を現した。

打ち止めは緊張からかゴクリと生唾を飲み込む。
静けさからかその音ですら部屋に響き一方通行の体がピクッと反応した。

どうやら本当にちょっとした反応だったためか近くにいた打ち止めにしか分からなかったらしく、
黄泉川と芳川は、生唾なんて飲み込んで興奮してるのか?などと小声で打ち止めをからかっている。

「からかわないで! ・・・それじゃぁいくよ、ってミサカはミサカはベッドに手をかけてみる」

そう宣言し、ベッドに手をかけ、脚を載せ少しずつ体重を床からベッドへと移動させていく。
ほんの少しベッドに体重を預けるたびにベッドが歪みギシギシッと音を立て、3人の緊張を煽り立てる。

「起きちゃだめよ一方通行・・・・・・もうちょっとだからそのまま寝ててね」

「桔梗・・・・・・ちょっと身を乗り出しすぎじゃん。まぁ私も人のこと言えないけど」

いつの間に移動したのかベッドのすぐわきまで来ている黄泉川と芳川。
2人にはベッドのきしむ音に顔をしかめる一方通行が起きないよう見守ることしか出来ない。

609 名前:昼寝と添い寝と昼下がり 4/7[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:09:17.73 ID:/b4PDP.o [5/9]
一方通行が起きそうになっては動きを止め眠りが安定するのを待つ。
そんな作業を何度か繰り返し、なんとか打ち止めはベッドの上に全身を乗せることに成功した。

途中、無理な体勢での静止を余儀なくされたせいか若干脚がプルプル震えている。

「よーし、そのまま一方通行のほうに寄り添うようにして寝たふりするじゃんよー」

「了解、ってミサカはミサカは天使の寝顔を作ってみたり」

そういうと一方通行と向き合うように横になり両手を体の前で重ねるようにして目を閉じる。
はたから見れば仲のいい兄妹が寄り添って寝ているようにしか見えないだろう。

「よーし、どんどん撮るじゃん!」

「ほんとこう見ると一方通行も可愛い寝顔してるんだけど・・・・・・。普段からこの半分でいいから表情柔らかく出来ないのかしら」

軽く愚痴をこぼす芳川を尻目に黄泉川はこれでもかというほどデジカメのシャッターを切り続けていた。

610 名前:昼寝と添い寝と昼下がり 5/7[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:12:53.12 ID:/b4PDP.o [6/9]
「ンッ・・・ンン」

一方通行の眠りが若干覚醒する。

と同時に、3人の動きがピタッと止まる。
もうすっかり慣れたもので、あとは一方通行の眠りが再び深みに落ちていくのを待つだけだった。
その筈だったのだが、

ゴロンと一方通行の体が寝返りをうった。

「え?」

驚きのあまりつい声を出す打ち止め。

それもそうだろう。
あろう事か、一方通行はちょうど打ち止めのいる方向に寝返りをうち、
腕は打ち止めの背に回すような形になり顔は打ち止めの頭に触れるか触れないかというところまで接近する体勢になっている。

「―――――――――――ッ!!!??」

突然の出来事に声にならない悲鳴を上げる打ち止め。
顔は一方通行の胸辺りに収まってよく見えないが耳の色から察するに真っ赤になっていることだろう。

「おー、一方通行も寝ているとはいえ大胆なことするじゃんかー」

「そんなこと言ってないで、愛穂、シャッターチャンスよ。シャッターチャンス」

おぉ、そうじゃんね。と真っ赤になっている打ち止めをそのままに
黄泉川は巨匠のごとくカメラのシャッターをきり続けた。

611 名前:昼寝と添い寝と昼下がり 6/7[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:17:49.06 ID:/b4PDP.o [7/9]
――――――
――――
――

「寝ちゃったわね」

「いい寝顔じゃん? もう一枚」

ピピッとデジカメからシャッター音が発せられ、小さな液晶に幸せそうな寝顔が2人分映し出される。

「作った寝顔より、こっちのほうが全然天使の寝顔じゃんねー」

「天使の寝顔ってどっちが?」

どっちもじゃん。と黄泉川が言うと二人ともベッドに寄りかかりながら寝ている二人を気遣うように小声でクスクスと笑い出した。

「学園都市第一位も寝ているときはやっぱり子供じゃん」

「当たり前じゃない。ただほんのちょっと学園都市最強ってだけでほかの子と変わらないのよ、この子も」

黄泉川はデジカメを操作し今日取った二人の寝顔の画像を確認していく。
液晶の端に表示されている容量を示すメーターがあと少しでいっぱいになりそうになっていた。

「こんな寝顔をいつでも出来るように守ってやるのが私達大人の役目じゃん」

「そうね・・・・・・」

改めてカメラを寝ている二人に向け黄泉川はシャッターを切った。

612 名前:昼寝と添い寝と昼下がり 7/7[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:23:43.71 ID:/b4PDP.o [8/9]
――――――
――――
――

「で?何でこンなことになってンだ?」

一人で昼寝をしていたはずだった。
そこまでは覚えている。

しかし、目を覚ますと腕の中には打ち止めがいた。
思わず声を出しそうになったがぎりぎりのところでなんとかそれを飲み込んだ。

打ち止めから視線をはずしまわりを見ると、
まず芳川がベッドに寄りかかるようにして寝ており、
その横で黄泉川がベッドに瀬を預け寄りかかり首を後ろに倒し大口を開けて寝ていた。

「どうしたらそんな体勢で寝れるンだ、おィ・・・・・・ン?」

ふと黄泉川の手にデジカメが握られていることに気づく。
起こさぬようにゆっくりと黄泉川の手から取り上げ中身を確認すると自分と今まさに横で寝ている打ち止めの画像がいくつも出てきた。

「くだらねェことしやがって・・・・・・」

そうこぼしつつ、液晶に写る打ち止めと実際に横にいる打ち止めを交互に見比べ吐息を吐く。

「・・・・・・まァ、今回は消さないでおいてやらァ」

デジカメを布団の上に放り投げると、そのまま後ろに倒れこみ再び横になる。
窓の外を見るとどうやら寝始めてからそれほど時間はたってないらしく、まだだいぶ明るい。

こんなにいい天気なんだ。
もう一眠りしてもいいだろう。

打ち止めの頭の下にそっと腕をすべりこませ一方通行は再び眠りに突いた。




おわり

613 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:27:17.84 ID:/b4PDP.o [9/9]
勢いで書き始めて勢いで書き上げたんでどこかおかしなところとかあるかもしれません
だたこういうのんびりした雰囲気好きなんで書いてみました
地の文難しすぎる・・・

Tag : とあるSS総合スレ

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