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「アンタが可愛いのが悪いのよ」
944 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:34:09.33 ID:qDQb4Vo0 [1/5]
3レス程お借りします
上琴(……琴上?)でいちゃいちゃです
3レス程お借りします
上琴(……琴上?)でいちゃいちゃです
945 名前:「アンタが可愛いのが悪いのよ」[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:36:18.23 ID:qDQb4Vo0 [2/5]
密着するかしないかの、微妙な空間をあけて右隣を歩く上条の顔を、御坂は気付かれないようにそっと横目で眺める。
二人の間にある空間。目算にして10センチほどのもどかしい距離だ。
いっそ、私から手を伸ばしてやろうか。
なんて考えも頭を過ったが、自主的に「惚れた弱み」という名の恋愛勝負の敗北宣誓するのも癪で。
彼の服を引っ張ろうと、無意識に伸ばしていた右手を御坂は必死の思いで元の位置に戻した。
(……、むう。なんなのかなぁ、この変な感じ)
すったもんだのすえ、上条と御坂がいわゆる「コイビト」の関係になって早数カ月。
互いの気持ちを伝えあって大分たつというのに、ようやく自分は彼の周りに数多いた女の子の中で『特別』な存在になったというのに。
上条の御坂に対する態度は以前とあまり変わらないのだ。
くだらないことで喧嘩して、ささいなことで笑いあう。そんなちいさな日常の積み重ねに幸せを感じない、という訳ではないけれど。
手を握ったり、ぎゅっとしたり。コイビトだからこその愛情表現をしてほしいと御坂は思う。
そんな、揺れる乙女心。
946 名前:「アンタが可愛いのが悪いのよ」[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:39:45.68 ID:qDQb4Vo0 [3/5]
「おい、御坂。どうした? さっきから黙りこくって」
無言のまま刺さる御坂の視線に気がついた上条が、心配そうな面持ちで彼女の方へと顔を向けた。
ビリビリと火花を散らすいつもの元気は何処へ行ったのだろうか、と言いたげな少年の瞳に、御坂は少しだけ眉を潜めた。
コイツ、なんで私が不機嫌なのか分かってないのね。
「別にぃ? なんでもないわよ」
不満の心がついつい表に顔を出す。
刺々しい不機嫌声に、上条の肩が上下にビクリと反応した。
「み、みさかさん……? ご機嫌がナナメなようですが」
ひと拍置いて、地面と睨めっこしている少女の顔に覗きこむような形で、己の顔を近づける上条。
そして、
「ええええ、と。その、上条さん、なにかしでかしました……?」
と、上目づかい気味に情けない声をあげる不器用な男が、一名。
黒い前髪の隙間から見える凛々しい眉は、今この時ばかりはあり得ないほど八の字を描き、不安げな彼の心情をこれでもかと露わにしていた。
目と目とが絡みあう。
御坂の眼孔に映る上条の目尻にはうっすらと水気すらおびている、気がした。
………ああ、もう。
畜生、チクショウ、ちくしょー!!
(――――――結局、私が折れるのしかないってわけね、チクショー!!)
947 名前:「アンタが可愛いのが悪いのよ」[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:41:56.30 ID:qDQb4Vo0 [4/5]
きゅん、と心臓が弾んだ時には既に後の祭り。
惚れた弱みとか敗北宣言とか。
意固地にこだわっていたモノは気がついたら忘却の彼方へと吹っ飛んでいた。
夢見る女の子としては、やっぱり愛されるより愛されたい。求めるよりは求められたい。 だからこそ、ずっとずっと、待ってた……というより我慢していたのに。
全ての苦労は水の泡。
押さえつけていた右手は衝動的に相手の学ランの胸倉を乱暴に掴む。
グイッと力まかせにこちらへ引き込めば、上条が油断していたこともあり、あっさりと事が進んだ。
御坂は、情けない声をだす彼の唇を、本能のままに強引に塞ぐ。
「……」
「……」
沈黙は、一瞬の出来事。
触れ合った唇と唇はすぐに離れた。
満足げな笑みを浮かべて彼の胸倉から右手を離した御坂とは対照的に、上条は目を見開き、声にならない叫びを上げた。
「な、な、えあああ、おま」
「日本語喋りなさいよ」
「い、いま、き、きききッ―――」
「キス?」
「は、ハッキリいうなよぉぉおおおおおお!!」
恥ずかしさのあまり腰をくねくねと動かして、両手で真っ赤に染まった顔を隠す上条をよそに、御坂があっけらかんと口を開いた。
「アンタが可愛いのが悪いのよ」
948 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:43:28.11 ID:qDQb4Vo0 [5/5]
終了
私って魅力ないのかなぁ…?とか悩む御坂をかくつもりだったのだが、気が付いたら男前に仕上がっていた
密着するかしないかの、微妙な空間をあけて右隣を歩く上条の顔を、御坂は気付かれないようにそっと横目で眺める。
二人の間にある空間。目算にして10センチほどのもどかしい距離だ。
いっそ、私から手を伸ばしてやろうか。
なんて考えも頭を過ったが、自主的に「惚れた弱み」という名の恋愛勝負の敗北宣誓するのも癪で。
彼の服を引っ張ろうと、無意識に伸ばしていた右手を御坂は必死の思いで元の位置に戻した。
(……、むう。なんなのかなぁ、この変な感じ)
すったもんだのすえ、上条と御坂がいわゆる「コイビト」の関係になって早数カ月。
互いの気持ちを伝えあって大分たつというのに、ようやく自分は彼の周りに数多いた女の子の中で『特別』な存在になったというのに。
上条の御坂に対する態度は以前とあまり変わらないのだ。
くだらないことで喧嘩して、ささいなことで笑いあう。そんなちいさな日常の積み重ねに幸せを感じない、という訳ではないけれど。
手を握ったり、ぎゅっとしたり。コイビトだからこその愛情表現をしてほしいと御坂は思う。
そんな、揺れる乙女心。
946 名前:「アンタが可愛いのが悪いのよ」[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:39:45.68 ID:qDQb4Vo0 [3/5]
「おい、御坂。どうした? さっきから黙りこくって」
無言のまま刺さる御坂の視線に気がついた上条が、心配そうな面持ちで彼女の方へと顔を向けた。
ビリビリと火花を散らすいつもの元気は何処へ行ったのだろうか、と言いたげな少年の瞳に、御坂は少しだけ眉を潜めた。
コイツ、なんで私が不機嫌なのか分かってないのね。
「別にぃ? なんでもないわよ」
不満の心がついつい表に顔を出す。
刺々しい不機嫌声に、上条の肩が上下にビクリと反応した。
「み、みさかさん……? ご機嫌がナナメなようですが」
ひと拍置いて、地面と睨めっこしている少女の顔に覗きこむような形で、己の顔を近づける上条。
そして、
「ええええ、と。その、上条さん、なにかしでかしました……?」
と、上目づかい気味に情けない声をあげる不器用な男が、一名。
黒い前髪の隙間から見える凛々しい眉は、今この時ばかりはあり得ないほど八の字を描き、不安げな彼の心情をこれでもかと露わにしていた。
目と目とが絡みあう。
御坂の眼孔に映る上条の目尻にはうっすらと水気すらおびている、気がした。
………ああ、もう。
畜生、チクショウ、ちくしょー!!
(――――――結局、私が折れるのしかないってわけね、チクショー!!)
947 名前:「アンタが可愛いのが悪いのよ」[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:41:56.30 ID:qDQb4Vo0 [4/5]
きゅん、と心臓が弾んだ時には既に後の祭り。
惚れた弱みとか敗北宣言とか。
意固地にこだわっていたモノは気がついたら忘却の彼方へと吹っ飛んでいた。
夢見る女の子としては、やっぱり愛されるより愛されたい。求めるよりは求められたい。 だからこそ、ずっとずっと、待ってた……というより我慢していたのに。
全ての苦労は水の泡。
押さえつけていた右手は衝動的に相手の学ランの胸倉を乱暴に掴む。
グイッと力まかせにこちらへ引き込めば、上条が油断していたこともあり、あっさりと事が進んだ。
御坂は、情けない声をだす彼の唇を、本能のままに強引に塞ぐ。
「……」
「……」
沈黙は、一瞬の出来事。
触れ合った唇と唇はすぐに離れた。
満足げな笑みを浮かべて彼の胸倉から右手を離した御坂とは対照的に、上条は目を見開き、声にならない叫びを上げた。
「な、な、えあああ、おま」
「日本語喋りなさいよ」
「い、いま、き、きききッ―――」
「キス?」
「は、ハッキリいうなよぉぉおおおおおお!!」
恥ずかしさのあまり腰をくねくねと動かして、両手で真っ赤に染まった顔を隠す上条をよそに、御坂があっけらかんと口を開いた。
「アンタが可愛いのが悪いのよ」
948 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:43:28.11 ID:qDQb4Vo0 [5/5]
終了
私って魅力ないのかなぁ…?とか悩む御坂をかくつもりだったのだが、気が付いたら男前に仕上がっていた
Tag : とあるSS総合スレ
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