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魔神になれなかった男は原石少年と聖人の夢を見るか?(未完)

358 名前:魔神になれなかった男は原石少年と聖人の夢を見るか?(未完)[saga] 投稿日:2010/05/05(水) 09:24:45.48 ID:1WRZ9X2o [1/4]
誰もいない。投下するなら今のうち!

359 名前:魔神になれなかった男は(ry 1[saga] 投稿日:2010/05/05(水) 09:25:50.07 ID:1WRZ9X2o [2/4]
魔神になるはずだった男、オッレルスが学園都市から戻ってきた。


ただし、その肩には今回の目標であった最大の原石を抱えていた。

それを玄関で確認したシルビアがした事は単純。
香港映画よろしく思い切り股間めがけてけり上げた。
「また連れてきたかああああああ!!」ゴッ

「ぐおああああああああああ!!」カキーーン!!

「五月頃だったかな?あんたが100名近くの子供を連れてきたのは?」

悶絶して床を転がるオッレルスを見下ろしながらシルビアは言う。

「あんたがそういう奴だって事はわかってたつもりだったけど……。」

「…………ただでさえショタコンにロリコンなのに…………今度はガチホモ?」

「………………ち、ちっがああああう!!」ガバッ

シルビアがボソリといった不穏な?単語の羅列に自分が誤解されてるのではないのかと思ったので、全力で否定する魔神(仮)。

「いやだからですね最大の原石が学園都市に何されてるか分からないからとりあえずこちらでかくまって様子を見ようというですね!」

「お前がナニしてるんだよ!!これただの誘拐だからな!?」ガバッ

「ひぃ!?」ビク!

シルビアが再び蹴り上げようとするフェイントを行った。それだけだがオッレルスが反応して思い切り身体を縮めた。
もう蹴られるのはごめんだ、と話を逸らそうと苦し紛れにオッレルスは声を出す。

「と、とりあえず第七位は……?もう連れてきたし…?ねぇ?」

対してシルビアが下した判断は単純明快。

「捨ててきなさい!」

「ひいいいいい!冷血女ああああ!!?」

オッレルスはこれ以上何か反抗したら死ぬんじゃないかと本気で感じた

360 名前:魔神になれなかった男は(ry 2[sage] 投稿日:2010/05/05(水) 09:26:49.88 ID:1WRZ9X2o

~~

「……とはいったものの」

さすがに最大の原石とはいえ、そのまま外に放り出しておくのは心が痛む。
シルビアはとりあえず削板軍覇を家の中に入れる事にした。

「……後であいつを縛っとくか…」
~~~

「ん………?」

削板はそれから数時間してようやく起きた。

「やぁ……おはよう」

「?!」

事情を知らない削板はまったく理解が出来なかった。
自分が何故ここにいて、何故先程まで戦っていたオッレルスが隣にいて、

……何故オッレルスが縄で亀甲縛りされてる理由も。

「……………はぁ!?」

「うん……そんな憐れみと汚いものを見るような目で見ないで…」

ギチギチと身体に食い込むほどきつく縛られているオッレルス。
ふと背中を見ると、一枚紙が
動物園の柵についてる注意書きのように、「縄を解くな  シルビア」と書かれている。
日本語で書いてるあたり自分に向けて書かれたのだろうと思い、とりあえず縄は解かない事にした。

361 名前:魔神になれなかった男は(ry 3[sage] 投稿日:2010/05/05(水) 09:32:46.66 ID:1WRZ9X2o
「………って、解けよ!……いや、解いてくださいお願いします!」

ビッタンビッタンと跳ねる様をみて、まな板の上の鯉ってこんな感じなんだろうなと削板は一瞬考えたが、どうでもよかった。
先程まで敵だった訳だし、解くなと書かれてるのだから解かない事にしておこう。

「それぐらい一人で解けよ。人に頼ってばっかなんてつまんねぇ人生を送るつもりか?」

…オッレルスから見ると、助けを求めたら何故か怒鳴られたという構図なのだが。

「いやそういう問題じゃないですからね!?現在進行形でこれ痛いからね!?」

「知るか!」

「お願いします!」

「ダメ!」

「   !」

「  !」

………


結局、オッレルスの縄が解かれたのは、夕飯にシルビアが呼びに来た時であった。

「………で、どっから説明すればいいのやら。」

シルビアは頭を抱える、がこのままでは埒があかないと、とりあえず説明を始める事にした。

「この馬鹿が勝手に誘拐してきたって事でいいかな?」

この説明に納得いかなかったのは馬鹿といわれたオッレルスの方だ。

「よ、よくない!誤解を受けるからね!?」

「間違った説明はしてない。」

「違うって!だから学園都市が……!」

「黙れ!そもそも何!?動物拾う感覚で拾ってくるんじゃないって言ってるでしょーが!」

目の前で(夕食時に)喧嘩を繰り広げる二人。

374 名前:魔神になれなかった男は(ry 4[sage] 投稿日:2010/05/05(水) 17:34:28.89 ID:1WRZ9X2o [5/6]

「あー………」

削板がいい加減事情を聞こうと尋ねようとした時、既にオッレルスは呻き声を漏らす事ぐらいしかできなくなっていた。
それもそのはずで、シルビアにプロレス技であるチョークスリーパーをかけられ虫の息であった。
なので当然その声にこたえるのはシルビアしかいなかったのだが、

「どうした第七位?今日の寝床の心配はしなくていいからな。この馬鹿の部屋を使わせてやるから。」

彼女が言った言葉に削板は思わず持っているスプーンを落としそうになった。
それってつまり俺はソファーで寝るんですかと呻くオッレルスの首を再びグリグリと締めるシルビア。

「オレとしては帰れればそれでいいんだが」

「あーそれは無理だ。」

「………は?」

首を傾げる削板にシルビアは仕方なく答える。

「………学園都市まで少しばかり距離があってだなぁ……。」

「数日は帰れないと思うからな……」

「…………………嘘だろ……」

削板は今度こそ、手に持っていたスプーンを落とした。
オッレルスの意味もない呻き以外は何も聞こえない部屋で、
カランと金属特有の音が響く。


こうして、数日間だけだが、世界最大の原石と、世界に20人もいない聖人と、魔神(笑)の奇妙な生活が始まった。

Tag : とあるSS総合スレ

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