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上条「…妹?」 『はい』 1日目

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 23:41:14.92 ID:w+1Q+Tv+0
―上条宅―


上条「ただいまー」

上条「…って、誰もいないか」

上条「しっかし、今日は遅くなっちまったな。腹減ったぁ」


上条「………ん?」

上条「なんだこれ、手紙?」


『上条当麻様』


上条「…差出人は……不明?」

上条「誰からだ…?」

上条「…ま、とりあえず読んでみるか」

『上条当麻様へ。あなたは今、大変なことになっています』

上条「…はい?」

上条「冒頭からわけわからんぞ…」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 23:43:33.27 ID:w+1Q+Tv+0

『あなたに今起こっていることに関して、あなた自身に知って頂きたいと思い、このような手紙を出させていただきました』

上条「…え、なに、俺……なんか病気持ってるとか?つーかおまえ誰だよ」


『あまり遠回しに言っても仕方ありませんので、率直に言いますが…』


上条「…?」


『あなたは死にます』


上条「…………え?」

『このままでは、あなたは5日後には死にます』

上条「は?…え、なに、どういうこと?」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 23:47:16.61 ID:w+1Q+Tv+0

『死にます』

上条「どういうことだよ…?」

『死にます』

上条「だから、なんで」

『死にます』

上条「だから、なん…」

『死にま』

上条「くでぇよ!何回言うんだよ!」

『大事なことなので、数回書いておきました』

上条「不吉な言葉を何回も書いてんじゃねーよ!」

『失礼いたしました。しかし、冗談だと思わないでください』

『これは、本当です』

上条「……」

『あなたがこのままでは死んでしまうのは事実であり、それにはちゃんとした理由があります』

上条「…だから、なんだよ…。死んじまうような理由があるってのかよ…」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 23:49:37.06 ID:w+1Q+Tv+0

『あなたには、大きな罪があります』

上条「……罪?」

『あなたが犯した罪は「フラグ立て逃げ罪」です』

上条「……………は?」

『あなたはこれまで、無意識の内にたくさんの女性とフラグを立てては、一度もそれを回収しようとせずにここまで生きてきました』

上条「…え、ちょっと待て。何のことかわからんぞ」

『そのせいで、あなたの周りの女性は傷付き、病み、されどあなたのことを想い、胸を焦がし、病み、またあなたのことを想い、夜も眠れず、病み……』

『とても、迷惑しているのです』

上条「いや、だから、何のことだよ…」

『そこで、女達は願いました』

上条「…?」

『あの男が、呪われますように、と』

上条「な……」

『私達を女として見てくれないなら、呪われて死んでしまえと』


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 23:52:11.37 ID:w+1Q+Tv+0

上条「……」

『つまり、あなたは…』

『その女性達の呪いにより、死んでしまうことになります』

上条「……」

『お分かりいただけたでしょうか?』

上条「……」

『では、その呪いの…』


ビリビリビリ!


上条「信じられるかぁ!!!」

上条「だれがこんなイタズラに引っ掛かるんだよ!」

上条「死にません!上条さんは死にませんから!」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 23:54:31.69 ID:w+1Q+Tv+0

上条「……ったく、何だってんだよ」

上条「あー、馬鹿らし……さっさと飯でも食べ……」


―――ドクンッ


上条「―――なっ」

上条「なんだ……心臓に…違和感が……」

ピラリ…

上条「…?……か、紙?」

『あなたがこの手紙を読んでいると言うことは、先ほどの手紙に書いてあった内容を嘘だと思って、ビリビリに破いてしまったのでしょう』

上条「…!」

『それは、わかっていました』

『確かに、なかなか受け入れられないでしょうね、自分が死んでしまうことなんて』

上条「……」

『ところで今、心臓に違和感を感じていらっしゃいませんか?』

上条「…!!」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 23:56:19.26 ID:w+1Q+Tv+0

『この際、ぶっちゃけますが…』

『あなたの心臓には、爆弾が付いています』

上条「なっ……」

『時限爆弾です』

『爆発予定時刻は、ちょうど5日後』

上条「ちょ、ちょっとまて!!一体どういう…」

『先ほども申し上げましたが』

『それが、あなたにかかっている呪いです』

上条「…!」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 23:58:05.62 ID:w+1Q+Tv+0

『残念なことに、それは自力で解除することは不可能です』

上条「…なん…だと…」

『しかし』

『解除する方法はあります』

上条「…!」

『それは…』

上条「…」

『5日以内に…』

上条「…」


『妹を作ることです』


上条「……………はい?」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:00:03.20 ID:zmOFcTCZ0

『本気で妹を作ることです』

上条「……妹を…作る?」

『全力で妹を作ることです』

上条「…わけがわからん」

『妹を作ることです』

上条「てか、従妹じゃダメなのか…?」

『妹を作ることです』

上条「……」

『妹を……』

上条「……」

『…とてもとても大事なことなので』

上条「わかったからさっさと説明しろ!!」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:02:51.53 ID:zmOFcTCZ0

『失礼いたしました。おそらくあなたは今の文章に「くどいなおい!」とツッコミを…』

上条「してねぇーよ!」

『…入れずに、おそらくこの文章を読んで「してねぇーよ!」とツッコミを入れたかと思います』

上条「…なんだこれ、凄い腹立つんだけど」

『とにかく、何故妹を作らなければいけないのか。その理由ですが』

上条「…」

『あなたは女性のことを女として…つまり、恋仲に発展するような目で見ない傾向があるようです』

上条「……そうか…?」

『ですので、女としてではなく、妹としてならいけるんじゃないかという設定……あ、いえ、理由があります』

上条「おい、今、設定っつったろ!ていうか手紙なんだから間違えたんなら消しとけよ!」

『修正テープがありませんので、このまま書かせていただきます』

上条「そんな免解わざわざ書かなくていいんだよ!」

『とにかく、あなたは妹を作らなければ、5日後に必ず爆死します……(笑)』

上条「なに笑ってんだテメェは!!人の死をなんだと思ってんだ!!」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:05:18.24 ID:zmOFcTCZ0

『失礼致しました。あなたが爆死(笑)することを笑うなんて…』

上条「おまえ、爆死がツボに入ってんのか!?ふざけんなよマジで!」

『それで、どうやって妹を作るか、ですが…』

上条「切り替え早いなこいつ…」

『おそらくもうすぐ、お分かりになると思いますので、少々お待ちください』

上条「……は?…なんだってんだ…?」

『それでは、またの機会に』

上条「えっ…ちょっと待て!よくわからんまま終わるな!」

『追伸:』

上条「……?」

『冷蔵庫にあった焼きそばパンが腐っていましたよ?』

上条「おまえ、人んち漁ってんじゃねーよ!つーか誰だよおまえ!腹立つなぁもう!」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:07:43.87 ID:zmOFcTCZ0

上条「……ったく」

上条「結局、よくわからねーままじゃねーか…」

上条「…一体、どうすりゃ良いってんだ…」

「まあまあ、とりあえず落ち着いてお茶でも飲んで、お兄ちゃん」

上条「ああ、悪いな。ありがとう」

「お兄ちゃん、今日はお疲れさまだね。お風呂の用意できてるから、お茶飲んだら入ってね」

上条「おう、わかった。ありが……………」

佐天「あと、今日の晩御飯だけど、冷蔵庫の中に使えるものが無かったから、適当に買ってきたやつで…」

上条「……いや、あの」

佐天「…ん?どうしたの、お兄ちゃん」

上条「…いや、えっと…………佐天さん……だよね?」

佐天「やだなぁお兄ちゃんたら、佐天なんて…。いつもみたいに涙子って呼んでよ」

上条「…えっ……いや、何言って……」

プラララ…


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:10:26.69 ID:zmOFcTCZ0

プラララ…

上条「……電話?……いや、電話にしてはなんか変な音だな…」

佐天「あ、はいはい。今出ますねー」

上条「…え?佐天さんの携帯?」

佐天「ううん、私のじゃないよ?」

上条「そうなのか?……てか、それ電話なの?なんでイヤホン付き?」

佐天「うーん、電話っていうかナビ?…まぁ、いいや。とりあえずでるね」ピッ

上条「……?」

佐天「はいもしもしー。あ、どうもお世話になってますー」

上条「……(誰だ?)」

佐天「ええ、はい。あ、わかりましたー。じゃあ代わりますねー」

上条「……え?」

佐天「はい、お兄ちゃん」

上条「……俺に?」

佐天「うん。お兄ちゃんとお話がしたいんだって!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:12:58.37 ID:zmOFcTCZ0

上条「そ、そっか…ありがと」

上条「(しかし何だこれ……携帯っていうより……なんつったっけな、あのゲーム機…)」

『もしもし』

上条「あ、はい。…もしもし」

『こんにちわ、上条当麻様』

上条「…ああ、えーっと……どちら様で?」

『申し遅れました。…私、先程あなたに手紙を出させていただいた者です』

上条「!!お、おまえ…!」

『落ち着いて下さい。手紙を書いた主の声が、可愛い女の子の声だったから興奮するのは仕方ありませんが、落ち着いて下さい』

上条「いや、してねーよ!なんとなく筆跡から女かとは思ってたよ!」

『そうですか。それは残念です…』

上条「…何なんだよおまえ」

『とりあえず、手紙は読んでくださいましたか?』

上条「…ああ、読んだよ」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:15:19.80 ID:zmOFcTCZ0

上条「そ、そっか…ありがと」

上条「(しかし何だこれ……携帯っていうより……なんつったっけな、あのゲーム機…)」

『もしもし』

上条「あ、はい。…もしもし」

『こんにちわ、上条当麻様』

上条「…ああ、えーっと……どちら様で?」

『申し遅れました。…私、先程あなたに手紙を出させていただいた者です』

上条「!!お、おまえ…!」

『落ち着いて下さい。手紙を書いた主の声が、可愛い女の子の声だったから興奮するのは仕方ありませんが、落ち着いて下さい』

上条「いや、してねーよ!なんとなく筆跡から女かとは思ってたよ!」

『そうですか。それは残念です』

上条「…何なんだよおまえ」

『とりあえず、手紙は読んでくださいましたか?』

上条「…ああ、読んだよ」


26 名前:ミスったごめん[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:17:56.31 ID:zmOFcTCZ0

『あなたに付いてる呪いのことについても、お分かりいただけましたか?』

上条「…わからねーことが多すぎる」

『そうですか。では…』

『そちらに、パートナーは到着していらっしゃいますね?』

上条「……パートナー?」

『先程、あなたに代わる前に話していた子の事です』

『黒髪ロングで、意外に胸があって、それでいて中学生の……』

上条「……なっ、ちょ、ちょっと待て!」

『落ち着いて下さい。意外に胸があっての部分で興奮してしまうのは仕方のないことですが、落ち着いて下さい』

上条「だからしてねぇーってんだろうが!」

佐天「……?」

『とにかく、今あなたの家に居るその子が、あなたのパートナーであり、最初の妹になります』

上条「……は?……いや、ちょっと待て……順に説明していってくれ。訳がわからん」

『わかりました』

『まず、あなたの呪いの解除に必要なことは、何だったか覚えていらっしゃいますか?』

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:20:41.30 ID:zmOFcTCZ0

上条「……確か、妹を…作る…だったか?」

『はい、そうです』

『つまりあなたは、5日以内に妹を作らなければいけない』

上条「…というか、妹なら従妹がいるんだが」

『残念ながら、元々あなたの従妹である乙姫様は、その対象にはなりません』

上条「何でだよ?」

『今回の呪いの発端は、あなたの周りの女性です』

『つまり、それと元より何も関係なく、親類関係の乙姫様は対象外です』

上条「……なら……」

上条「…俺が佐天さんを妹として認めればいい……とか?」

『甘いですね』

『そんなことで解除されるようなら、あなたは苦労しません』

上条「……どういうことだよ?」

『確かに、今あなたの家に居る佐天涙子様があなたの妹になれば、何も問題ありません』

『しかし…』

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:23:47.98 ID:zmOFcTCZ0

『例えあなたが妹として認めたとしても、それは形式上のことであって、本当に妹を作ったことにはならない』

上条「…っ、ならどうすりゃ…」

『そうですね。口で説明するより、実践してみた方がいいでしょう』

上条「…実践?」

『あなたが今持っている機器がありますよね?』

上条「…ああ、なんか、どこぞやのゲーム機みたいなこれか?」

『それを、彼女の方に向けて、ボタンを押してもらえますか?』

上条「…えっと、これを、佐天さんの方に向けて……」

佐天「……?」

上条「ボタンを……」ポチッ

ブイーン

上条「うおっ、なんか出てきたぞ」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:26:13.58 ID:zmOFcTCZ0

『はい。それが、あなたのパートナーのデータになります』

上条「…データ?」

『はい。とりあえず、見てみてください』

上条「…えーっと…」


・名前 佐天涙子
・妹レベル0
・属性 世話好きな妹
・詳細 
元気で明るく、人懐っこい女の子。

・心の声『晩御飯、野菜炒めとかでいいかな…』


上条「…………」

『いかがでしょう?』

上条「……いや、いかがも何もないっていうか……コメントのしようがない」

『そうですか。やる気を出してくれたようで安心しました』

上条「今の言葉に俺のやる気が何%含まれてたんだよ!!」


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:29:45.82 ID:zmOFcTCZ0

『落ち着いて下さい。とりあえず説明を続けます』

上条「……はぁ」

『まず、その機器の名前は、シスターナビゲーターDS』

『通称、シスナビDSです』

上条「……」

『ちなみにDSとはD=どこでも、S=シスターズという意味です』

上条「…任天堂に謝れ」

『買収済みです』

上条「…なん…だと…」


『…それはいいとして』

『これがあれば、あなたの周りの女性の妹データを見ることが出来ます』

上条「……それって、必要なのか?」

『はい。今後必ずあなたに必要になってくるものです。できるだけ肌身離さず持っておいてください』

上条「…マジかよ」


36 名前:>>34気にしたら負け[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:32:25.30 ID:zmOFcTCZ0

『とりあえず、今表示されているデータの中の、妹レベルというのを見てください』

上条「…ああ、これか」

『妹レベルの数値は何ですか?』

上条「…レベル……0?」

『そう。それがあなたのパートナーの現在の妹レベルになります』

上条「…あー、えーっと、妹レベルって…何?」

『良いところを聞いてくれました。さすがです、お兄ちゃん』

上条「おまえに言われるとなんか腹立つ」

『ひどいですね、お兄ちゃん。…妹レベルというのは、あなたにとってその人がどれだけ妹として成長しているかのレベルになります』

上条「……妹として、ねぇ…」

『人によって初期レベルが多少は異なりますが、大体の人はレベル0か1が初期のレベルになります』

『ですから、これからあなたはそのレベルを上げるために、彼女を妹として成長させる必要があります』

上条「…なんでだよ?別にレベルなんか関係ないんじゃないのか?」

『それが必要なのですよ、あなたには』


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:35:29.86 ID:zmOFcTCZ0

上条「…どういうことだよ?」

『妹を作る、というのは、単に女の子に「お兄ちゃん」と呼ばせることではありません』

『そんな長年付き合っている恋人が夜の営みのマンネリ化打破のために用いるような物では…』

上条「おい待て!それはもういいから!普通に説明して!」

『はい。つまり、あなたが妹を作るということは、妹候補のレベルを最大まで上げて、初めて妹を作ったことになります』

上条「……それで、このわけわかんねぇ呪いが解除されるってのか?」

『そうですね。とりあえず妹を成長させることが第一条件で、他の条件はまた後程説明しましょう』

上条「………うーん」

『それで、私といたしましても、あなたのような不幸な呪いにかかってしまった男性がとても可哀想だと思いましたので、このようにあなたと接触し、パートナーを用意させていただきました』

上条「…んであと…」

上条「このデータの心の声ってのは?」

『それは現在の彼女が心の中で考えていることです』

上条「……んなことまでわかっちまうのか…?」

『はい。最先端技術の勝利です』


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:39:04.47 ID:zmOFcTCZ0

上条「……ふーん」

佐天「……?」

上条「……」ピッ

心の声『お兄ちゃん、どうしたんだろ?』

上条「……」

『いかがですか?』

上条「…あー、っと……」

上条「…色々言いたいことはあるが…とりあえず」

上条「おまえは誰なんだ?どっかの宗教の人?」

『私ですか?…いえ。どっかの宗教の人ではありません』

上条「……?」

『ただの通りすがりの世界妹達連盟の会長です』

上条「……何だその胡散臭い肩書き」

『失礼ですね。これでも私、一万人ほど妹を持つ、世界有数の妹のスペシャリストですよ?』

上条「…なんだよ一万人の妹……って、…まさかおまえ、御坂いも……」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:42:06.25 ID:zmOFcTCZ0

『それで、あなたのパートナーのことですが』

上条「…おい、待て!おまえあいつだろ!」

『あなたの思い浮かべている人物ではありません。それに語尾が付いてないでしょう?と、ミサ……会長は申し上げます』

上条「おまえ我慢してんだろ!ずっと語尾を我慢してんだろ!」

『そんなことはどうでもいいとして…』

『あなたのパートナーについてですが…』

上条「…なんなんだよ一体…」

『あなたが手っ取り早く妹を作れる方法の最善策として、あなたの身近に妹となる存在を配置致しました』

上条「はぁ。…それが、何で佐天さんになるんだ?」

『リサーチの結果、今一番あなたに適している存在が彼女だったというだけの話です』

上条「…佐天さんがか?」

佐天「…ん?なーに、お兄ちゃん」

上条「あ、いや、なんでも…ない」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:45:26.13 ID:zmOFcTCZ0

佐天「ふふっ、変なお兄ちゃん。…あ、お兄ちゃん。私、晩御飯作るね!」

上条「……あ、ああ」

佐天「……♪」

上条「………」

『そういうことです』

上条「いや、あのさ…」

上条「つい最近まで普通に『上条さん』って呼んでたのに、何で急に『お兄ちゃん』になってんだ?」

『ああ、そのことですか』

上条「…どう考えてもおかしいだろ。つーか佐天さんは本気で俺の妹になろうとしてんのか?」

『順にお答えしましょう』

『まず、何故急に呼び方が変わったのか、ですが…』

『実は、あなたの周りの女性には「兄妹フィルター」が付いています』

上条「……兄妹フィルター?」

『はい。つまり、あなたの周りの女性はこのフィルターにより、あなたのことを兄だと思って接してくるわけです』

上条「なっ…なんでそんなもんがかかってんだよ!」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:48:18.08 ID:zmOFcTCZ0

『呪いの一つです。あなたの犯した罪によって、そういった副作用が起こってしまったのです』

上条「……なんつー副作用だよ…」

『それと、今回あなたのパートナーとして選ばれた佐天涙子様のことですが…』

『彼女は人一倍、あなたのことを尊敬なさっていたようです』

上条「……そうなのか?」

『はい。彼女は自分がレベル0の無能力者であることをコンプレックスとして抱えていました』

『そこへ、同じレベル0のあなたと出会った』

『しかし、あなたは「幻想殺し」を持っていらっしゃった』

上条「……」

『自分と同じレベルの人が、他の能力者を凌駕するような能力を持っている』

『最初は嫉妬していたが……それが段々憧れに変わり…』

『いつの間にかその憧れは愛情に変わりつつあった』

上条「……」


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:51:17.20 ID:zmOFcTCZ0

『私はそんな彼女の思いを知り…』

『じゃあ、一緒に住んじゃえばいいんじゃない?と言いました』

上条「…なんでそこ軽い口調なんだよ」

『すると彼女は喜んで頷き、颯爽とあなたの家にやってきたわけです。と、ミサ……会長は事の成り行きを説明します』

上条「………」

『それと、彼女があなたの妹に本気でなるつもりがあるのか、という質問がありましたね』

上条「…ああ」

『正確には、その質問は正しくありません』

上条「……?」

『何故なら彼女は、もう既にあなたの妹であると思い込んでいるからです』

上条「……え」

『聞こえませんでしたか?では、もう一度申し上げます』

『彼女は、既にあなたとの兄妹プレイを強いられている』

上条「意味ちげぇーだろ!ちゃんと聞こえてるわ!」


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:54:29.39 ID:zmOFcTCZ0

『冗談はともかく』

『とにかく彼女はあなたの妹になりたい……いえ、あなたと一番身近に居たいと願っていた人なのです』

上条「……」

佐天「……♪」

上条「…(佐天さんが…ねぇ…)」

『実質、彼女よりもあなたに好意を抱いている女性は他にたくさんいますが。と、ミサ……会長は捕捉します』

上条「…は?…なんだそりゃ」

『…気を付けた方がいいですよ。あなたのその反応が、周りの女性を困惑させていますから』

上条「…うーん……よくわからん」

『…とにかく、あなたはまず彼女を立派な妹に成長させることに専念してください』

上条「……はぁ」

上条「…それしか解除の方法がねぇんだったら……仕方ねぇ……かな」

『良い心掛けです』

『とりあえず、今日は説明だけです。明日から少しずつステップを踏んでいきますので、よろしくお願いいたします』

上条「…ああ、わかったよ」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:57:46.37 ID:zmOFcTCZ0

『何か困ったことがあれば連絡を下さい』

上条「……」

『では、明日またナビの方に連絡いたしますので、今日はこれで失礼いたします』

上条「……」

ピッ

上条「……」

上条「(何だかんだであいつ、俺のこと心配してくれてんのか…?)」

プラララ…

上条「ん?なんだ、まだ何か言い残したことでもあんのか…?」ピッ

『…あ、そうそう』

上条「……?」

『一応、彼女にゴムの方は持たせてありますので、抑えきれないようでしたら…』

上条「…って、何してくれてんだコラァ!純粋な子になんてモン渡してんだ!」


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 00:59:36.54 ID:zmOFcTCZ0

『心配いりません』

『彼女には「これはあなたとお兄さんを繋ぐ大切なアイテムですからね」と、会長は説明しておきましたから』

上条「合ってるけど違う!!道徳的に間違ってる!!」

『それでは、良い報告をお待ちしておりま』

上条「するか!」

ピッ!

上条「……はぁ」

上条「何なんだあいつは……」

上条「わけわかんねーことばっかり言いやがって……」

佐天「お兄ちゃーん。ご飯できたよー」

上条「…お、おう。サンキュ」

上条「(…やはり、野菜炒めか)」

佐天「時間がなかったから、あんまり手の込んだ物、作れてないけど…」

上条「…そんなことないぜ。むしろこんなまともな飯、久しぶりだしな」


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01:05:13.44 ID:zmOFcTCZ0

佐天「ふふっ、もうお兄ちゃん。ちゃんとした物食べないと、体壊すよ?」

上条「平気平気。俺は丈夫だからな………おっ、これ美味い」

佐天「ホント?…えへへ、嬉しいな」

上条「ん、ホントホント。こりゃ涙子はいい嫁さんになるな」

佐天「…え?…そ、そう…かな…」カァ

上条「…ああ、俺が保証してや……」

上条「(…って、俺は何普通に会話してるんだぁぁぁぁぁ!!)」

上条「(…やばい、のまれてるのか?俺、この空気にのまれちまってんのか!?)」

佐天「…どうしたのお兄ちゃん?頭抱えて…」

上条「…へっ?ああ、別に……ははは」

佐天「ふふっ、やっぱり面白いなぁ、お兄ちゃんは」ニコニコ

上条「……」

上条「(…妹、か)」

上条「(…なんつーか、不思議なもんだな)」

上条「(…従妹はいるけど……それとはまた違った何か…)」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01:08:03.93 ID:zmOFcTCZ0

佐天「さ、お兄ちゃん、早く食べちゃって。今日はもう遅いんだし、さっさとお風呂も入っちゃってね?」

上条「……ああ、ありがとな」

佐天「ふふっ」

上条「……」

上条「(昨日までの佐天さんじゃ…ないんだよな)」

上条「(未だに、信じられねぇ話だな…)」

佐天「……ねぇ、お兄ちゃん」

上条「…ん?どうした?」

佐天「…迷惑、だった…?」

上条「え…?」

佐天「…急に…お兄ちゃんの家に押し掛けて……迷惑だったよね…?」

上条「……あー、っと……」

上条「(…迷惑も何も…こっちは突然過ぎて何が何だかわからねーんだけど…)」

佐天「……ごめんね。迷惑なら言ってくれたら…帰るから…」


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01:11:44.89 ID:zmOFcTCZ0

上条「……」

上条「(…けど)」


佐天「……」シュン


上条「(…そんな寂しそうな顔、されたらなぁ…)」


佐天「…あの、お兄…」

上条「…なーに言ってんだよ」

佐天「…え?」

上条「…おまえは俺の妹なんだろ?…だったら…」

上条「…俺にそんな遠慮しなくたって…いいだろ?」

佐天「……!」

上条「…これから、よろしくな」

佐天「……うんっ」

上条「……」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01:14:11.91 ID:zmOFcTCZ0

上条「(…全くよ…)」

上条「(…俺の方こそ…何言ってんだろうな…)」


―――ドクンッ


上条「―――っ」

上条「(けど、どうやらこの心臓の違和感は……本当らしい)」

上条「(なら、仕方ねぇ……死ぬのは、ごめんだ)」

上条「(正直、よくわからねーことが多すぎるが……時間も無い)」


…作ってやるよ、妹ってやつを


―――1日目終了

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