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純「ヘルバウッ…なっ!!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 15:49:53.50 ID:ZEzIMpvOP [1/48]
憂「今の攻撃が見えなかった人は閉じたほうがいい」
純「くっ……!」
憂「今の攻撃が見えなかった人は閉じたほうがいい」
純「くっ……!」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 15:57:27.96 ID:ZEzIMpvOP [2/48]
高校1年 春
律「澪~! クラブ見学に行こうぜ!」
澪「見学?」
律「そうそう! 軽音部だよ軽音部!」
澪「でも私文芸部に入るつもりだし……ほら、入部届けも書いた――」
律「ビリー」
澪「あーーーーっ!?」
澪「何すんだよ律ーーーーっ!!」
律「ほら行くぞ早く早くー」
澪「……待てよ」
律「え?」
澪「このままですむと思うなよ?」
律「……やってみろよ」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:05:34.24 ID:ZEzIMpvOP
澪「泣いても知らないからな!」
律「ヘイカモンカモン!」
澪「虎煌拳!!」
バシュウ!
律「ぐっ! ……また腕を上げたみたいだな」
澪「まあな」
律「私も春休み修行の成果を見せてやるよ……パワーウェイブ!!」
シュウウウ!
澪「くっ!」 シュッ
律「……避けたか」
澪(前より弾速が早い……遊んでばっかりじゃなかったんだな)
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:17:28.97 ID:ZEzIMpvOP
澪「でも……私は文芸部に入るからな!」
律「……」
澪「はあっ!」
律「サニーパンチッ!!」
ガッ
澪「へぶっ!?」
澪「今のは……」
律「思い出したか? この技はお前が名前をつけてくれたんだぞ」
澪「……うん」
律「それから……一緒に全日本異種格闘技戦に出ようねって……」
律「あの時の約束は嘘だったのか!?」
澪「律……」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:23:26.55 ID:ZEzIMpvOP
澪「氷柱割り!!」
律「ぐえっ!?」
澪「捏造するなよ」
?「くすくす……」
律「ん?」
紬「あ、ごめんなさい」
紬「なんだか楽しそうだったから。あの、私も入部していいですか?」
律「ほんとっ!?」
律「やったー!!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:31:09.62 ID:ZEzIMpvOP
数日後
律「なんと! 残り一人だった部員が見つかりました!」
紬「よかった~」
澪「いつの間にか私も部員に……」
ガチャ
唯「あのー……」
律「おお! 噂をすれば!」
唯「実は……」
紬「軽音部へようこそ。お菓子をどうぞ」
唯「いえ、私……やっぱり軽音部辞めようと思って」
律「……え」
唯「ごめんなさい。そ、それじゃあ……」
律「……ちょっと待った」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:41:13.47 ID:ZEzIMpvOP
唯「へ?」
律「ようやく見つけた部員をそう易々と逃してなるものか」
澪「おい律、まさか……」
律「力づくで入部させる!」
唯「ええっ!? こ、ここは穏便に……ね?」
律「問答無用! ライジングアッパー!」
シュ
唯「うわあっ!」
律「!」
澪「避けた……!」
律(確かに手加減してたけど……この子、テンポ悪くて使えないって訳じゃなさそうだ)
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:51:09.68 ID:ZEzIMpvOP
唯「あ、危ないよ!」
律「悪いけど軽音部の一員になってもらうぜ! パワーチャージ!」
ドカッ!
唯「ぐっ!」
澪「律の奴本気でやるつもりか?」
紬「今の技……りっちゃんはパワーがあるんですね」
澪「ああ、律の攻撃は直線的だけどその分威力やスピードがあるんだ」
紬「そうですか……」
澪「そしてあのタックルを食らった相手は」
澪「真上に吹っ飛ぶ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:01:06.07 ID:ZEzIMpvOP
紬「ついげきのチャンスですね!」
律「おうよっ! くらえっ、ついげきの――」
律「パワーチャージ!!」
ドカッ!
唯「うげっ」
澪「」
律「もういっちょ!!」
ドカッ!
唯「きゃあ!」
澪「うおおおおいっ!!」
律「なんだよ? 今忙しいんだから!」
澪「ビール瓶斬り!」
シュパ
律「えぷっ!?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:11:32.98 ID:ZEzIMpvOP
律「いてて……何すんだよ澪!?」
澪「お前こそ何やってるんだよ!? ……平沢さん、大丈夫?」
唯「……あ、うん。ありがと」
澪「律も謝れ!」
唯「いいよ、私が油断してたんだし」
澪「え?」
唯「こうなったら私も受けて立つよ!」
律「そうこなくっちゃ! 負けたら入部だからな!」
唯「おっけー!」
唯「さっそく行くよ!」
律「こい!」
唯「七拾! えっと、うーん……」
律「?」
唯「まあいいや、たぶん七拾五式・改!」
ガッ ガッ
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:21:28.44 ID:ZEzIMpvOP
律「ぐっ、ごっ」
澪「!! 2段の蹴り上げで律を浮かせた!?」
紬「今度は平沢さんがついげきのチャンスを……!」
唯「七拾五式・改! フッ! フッ!」
ガッ ガッ
澪「ん?」
紬「……」
唯「フッ! フッ!」
ガッ ガッ
唯「フッ! フッ!」
ガッ ガッ
澪「おい」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:31:19.24 ID:ZEzIMpvOP
唯「いや~つい熱くなっちゃって」
律「はあはあ……やるじゃないか……」
律「今度はこっちの番だ! はあああ……」
紬「拳に気が集まってる……!」
律「バーンナックル!!」
ヒューン!
唯「あらがみ!」
カッ
律「!」
澪「受け流した!?」
紬「それだけじゃないわ!」
唯「ボディが!」
ドスッ!
律「ぐあっ!?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:42:28.87 ID:ZEzIMpvOP
唯「お留守だっ! よっ!」
ガッ! ドン!
澪「手……手から炎が出た!?」
紬「相手の攻撃を受け流しつつボディブロー、何か、肘鉄の3段攻撃……」
紬「そして炎を操る能力……間違いない」
澪「知っているのかムギ!?」
紬「あれは恐らく平沢流古武術」
澪「平沢流……はっ! 去年の全日本異種格闘技大会中学生の部の優勝者……」
紬「そう、優勝者の名前は確か平沢……」
律「ぐは……こいつ、できる」
唯「ふう」
律「くっそ~これでも食らえ! パワーダンク!!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:52:20.76 ID:ZEzIMpvOP
澪「あっ! 不用意にそんな技出すな!」
唯「百式・おにやき! ほぉりゃあ!」
ゴシュッ
律「ぐえあ」
YUI WON!
紬「炎を纏っての対空技……強い」
澪「最後はアレだったけど律は結構強いのに……それを倒すなんて」
唯「……ふう。そ、それじゃあ私はこれで」
紬「待って。私とも戦ってもらえないかしら?」
唯「へ?」
澪「ムギ!?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:01:46.00 ID:ZEzIMpvOP
紬「私、平沢流とやるのが夢だったの」
唯「ええ~……」
紬「ごめんなさい、まずは……」
紬「烈風拳!!」
シュバッ
唯「おわ!」
澪「地を這う飛び道具……!」
唯「なんの! 百……ひゃく……闇払い!!」
シュバッ
澪「相殺した!」
紬「ふふ……」
律「……う」
澪「あ、律、気付いたか」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:08:50.18 ID:ZEzIMpvOP
律「あれ、ムギが戦ってる」
澪「うん、ムギが戦いたいって」
律「へぇ~以外だな……ていうかムギ強かったんだな」
澪「うん」
律「……欲しい」
澪「え?」
律「何としても平沢さんを軽音部に入れたい!」
澪「お前負けただろ」
律「……まだ方法はある」
澪「また戦うのか?」
律「違う」
律「澪、アレをやるぞ」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:33:16.92 ID:ZEzIMpvOP
澪「アレって……? まさかアレか?」
律「そうだ」
澪「嫌だ」
律「平沢さんが入部してくれなかったら廃部だぞ!」
澪「それとこれとは別じゃあ……」
律「うるさい! ムカデぶつけるぞ!」
澪「わ、わかったよ……」
律「ようし……平沢さーん!!」
唯「ふえ?」
紬「?」
律「行くぜ澪!」
澪「……」
律「い・く・ぜ・み・お!!」
澪「お、おう! ////」
律澪「クロスチェンジャー!!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:42:23.77 ID:ZEzIMpvOP
律(決まった……!)
澪(は、はずかしいぃぃぃ////)
唯「……」
紬「……」
唯「か……」
唯「かっこいい!」
澪「嘘!?」
唯「私にも教えてよ!」
律「もちろんいいぞ! ただし……部員になってくれれば」
唯「うーん、わかったよ!」
澪「軽っ!」
律「オッケーイ!!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:52:42.42 ID:ZEzIMpvOP
次の日
律「んじゃ改めて自己紹介でもするか」
律「私はドラム担当の田井中律。趣味はビデオゲームで好きな食べ物はファーストフードだ」
澪「私はベースの秋山澪。……よろしく」
唯「え? 終わり?」
澪「う、うん」
律「あー、こいつの趣味は馬の手入れに日曜大工、得意スポーツはすも――」
澪「ビルドアッパー」
ゴシュッ
律「もぷっ」
紬「ふふふ、キーボード担当の琴吹紬です。大切なものは己自身、嫌いなものは邪魔者」
紬「特技は物事を強引に解決することです、よろしくね」
律「……」
澪「……」
唯「え、あ、うん」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:01:55.59 ID:ZEzIMpvOP
唯「じゃあ私の番だね。私は平沢唯!」
唯「好きな食べ物は焼き魚、得意スポーツはアイスホッケー、嫌いなものは努力です!」
澪「ねえ平沢さん」
唯「唯でいいよ~」
澪「え、あ……ゆ、唯? ////」
唯「おおぅ……//// なに?」
澪「唯って去年の全日本異種格闘技大会中学生の部で優勝したんだよね?」
唯「へ? してないよ?」
紬「でも平沢って……」
唯「あぁ~あれは私の妹だよ」
律澪紬「妹!?」
律「……すごい妹がいるんだな」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:11:31.23 ID:ZEzIMpvOP
2学期
律「……え?」
律「部として認められてない!?」
紬「え、ええ」
唯「そんなっ! それじゃあ学園祭はどうなるの!?」
澪「とにかく話を聞きに行こう」
律「そうだな」
生徒会室
唯「こんにちは~」
和「あら、唯じゃない」
唯「和ちゃーん」
律「知り合い?」
唯「うん、幼馴染の和ちゃん」
和「どうも」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:21:50.51 ID:ZEzIMpvOP
和「うん、やっぱり軽音部は部活のリストにないわね」
和「部活申請用紙を提出してないんじゃないかしら」
律「忘れてた!」
澪「おい」
和「それに顧問はいるの?」
紬「顧問? ……いない、わよね」
和「そういうわけだから軽音部は学園祭には出られないわね」
律「そんな!」
唯「お願い和ちゃん! そこを何とか……」
和「そうね……唯、久しぶりに勝負しない?」
唯「……わかった。それに勝ったら何とかしてくれるんだね」
和「そういうこと。ただし顧問は自力で見つけてね」
澪「おい唯!?」
唯「大丈夫、みんなは顧問を探して!」
律「唯……わかった! 無理するなよ!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:30:40.68 ID:ZEzIMpvOP
タッタッタッタッ
律「唯の奴大丈夫かな?」
澪「あの二人って親友なんだろ? だったら……」
紬「でもあの眼鏡の子……どこかで見たことが……あ!」
紬「あの人は確か真鍋和! 全日本異種格闘技大会中学生の部で準優勝の経験が……」
澪「そんな……まずいかもしれないな」
律「……いや、ここは唯を信じよう」
澪「律……」
紬「りっちゃん……」
律「……ん? あの先生は?」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:39:32.75 ID:ZEzIMpvOP
澪「音楽の山中さわ子先生か、とりあえず頼んでみよう」
律「すいませーん」
さわ子「はい?」
律「顧問になって下さい!」
さわ子「……はい?」
澪「実はかくかくしかじかなんです」
さわ子「私は吹奏楽部を受け持ってるからちょっと……」
紬「……」
律「そこを何とか!」
さわ子「そう言われてもねえ」
紬「先生」
紬「……屋上へ行きませんか?」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:50:11.96 ID:ZEzIMpvOP
さわ子「こんなところへ連れて来てどういうつもりかしら」
紬「先生、私が先生を倒すことが出来たら軽音部の顧問になって下さい」
さわ子「いいわよ、どうせ無理だし」
澪「ちょっちょっとムギ!」
律「大丈夫か?」
紬「……りっちゃん澪ちゃん、ここは私に任せて」
さわ子「一人でやるつもり? 三人で来たほうがいいんじゃない?」
紬「烈風拳!!」
シュバッ
さわ子「烈風拳!」
シュバッ
澪「なっ!?」
律「ムギの技を使った!?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:59:31.37 ID:ZEzIMpvOP
紬「くっ」
さわ子「私はあらゆる格闘技をマスターした総合格闘術を使えるの」
澪「なんだって……!」
さわ子「あと趣味は格闘家を銅像にしてコレクションする事よ」
さわ子「せっかくだからあなた達もコレクションに加えちゃおうかしら」
紬「ダブル烈風拳!」
シュババッ
さわ子「ダークバリア!」
紬「きゃあ!」
澪「飛び道具を跳ね返した!?」
律「やばい……この人強いぞ……!」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:12:38.42 ID:ZEzIMpvOP
澪「律」
律「わかってる、ムギに加勢するぞ」
紬「なんとか顧問にしないと……! 飛翔日輪斬!!」
澪「なにやってるんだムギ!? そんな残念な技出したら……!」
さわ子「ブッパほど見苦しいものはないわね、ジェノサイドカッター!!」
シャキーン
紬「うぐっ!」
さわ子「ゴッドプレス!!」
ゴシャーーーー
澪「まずい! あんな勢いでフェンスにぶつかったらフェンスが壊れて……!」
律「ここ屋上だぞ!? ムギー!!」
ガシャーン
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:22:10.72 ID:ZEzIMpvOP
紬「がっ……!」
澪「落ちるっ!」
律「間に合え!」
ダッ
律「ムギ!つかまれ!!」
はっし
紬「りっちゃん!」
律「よし、離すなよ!」
さわ子「……あら残念」
律「こいつ……!」
さわ子「それじゃあなたも一緒に落としちゃおうかしら」
澪「暫烈拳!!」
シュババババ
さわ子「おっと」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:31:04.61 ID:ZEzIMpvOP
律「あんなに早い攻撃をかわしている……!」
澪「くそっ」
さわ子「ジェノサイドカッター!」
澪「ぐあっ!」
律「澪ー!」
さわ子「さて、じゃああなた達には落ちてもらうわ」
律(やばい……!)
澪「律達が危ない……飛燕疾風脚!!」
律「澪!? ぶっぱはやめろー!!」
さわ子「カイザーウェイブ!!」
バシュウウウ!
澪「がっ……!」
律「みおーーーー!!」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:41:55.36 ID:ZEzIMpvOP
澪「」
律「ちくしょー……」
紬(このままじゃりっちゃんが……)
さわ子「ふふふ」
紬「りっちゃん……後はよろしくね!」
パッ
律「えっ」
律「ムギ!? 何で手を離すんだよ!?」
紬「負けないでりっちゃ……」
ヒュー……
律「ムギーーーー!!!!」
さわ子「自分から手を離すなんてお馬鹿ねえプスプス」
律「なっ!?」
律「うっお―――っ!! くっあ―――っ!! ざけんな―――っ!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:51:21.94 ID:ZEzIMpvOP
律「うおおおおーーーーー!!」
澪「……う、り、律?」
澪「あの構えはパワーウェイブ……だめだ、先生に飛び道具はきかない」
律「ああああーーーーっ!!」
さわ子「なに!?」
ドウッッ!
さわ子「ぐぎゃあーー!!」
律「はあ……はあ……」
澪「な……なんだ今のは……パワーウェイブじゃなかった」
澪「まるで……力の間欠泉だ……」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:59:52.98 ID:ZEzIMpvOP
さわ子「ま、まさかこんな……ぐふ」
澪「律!」
律「……澪」
澪「すごいじゃないか! こんな技が使えるなんて!」
律「いや、無我夢中だっただけだよ。それよりムギが……」
澪「あ……」
律「先生、顧問になってもらうからな」
さわ子「仕方ないわね……わかったわ」
律「やったぞ……ムギ」
ガチャ
紬「りっちゃん大丈夫!?」
律澪「え」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 21:09:13.21 ID:ZEzIMpvOP
律「ムギ! 無事だったのか!」
紬「ええ、地面に向かって烈風拳をうったらなんとかなったわ。名づけて疾風拳ね」
澪「よかった~」
律「あとは唯だな」
ガチャ
唯「あ、みんなこんなところにいたんだ~」
唯「部活申請用紙は和ちゃんが何とかしてくれるって!」
律「おお!」
澪「唯! ボロボロだけど大丈夫か?」
唯「大丈夫だよ~。ていうかみんなもボロボロだね」
律「まあな、でもこっちもなんとかなったぞ」
唯「やったね!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 21:19:28.72 ID:ZEzIMpvOP
1年 秋
律「いや~学園祭もりあがったな!」
澪「うん、苦労した甲斐があったよ」
律「来年もやろうぜ! 題してK-On Festival'11!」
澪「そうだな」
律「じゃあまた明日な~」
澪「うん」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 21:50:13.31 ID:ZEzIMpvOP
澪「……」
澪(唯は底知れない力を持っている)
澪(ムギだって経験と知識がある)
澪(律は……土壇場で身に付けたパワーゲイザーがある……)
澪「私は……」
澪「……修行するしかないな」
澪「私も欲しいなあ……」
?「……悩んでいるようじゃな」
澪「え?」
天狗のお面をつけた男「どうだ、わしの修行を受けてみるか?」
澪「あ、あなたは……!」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:02:03.99 ID:ZEzIMpvOP
2年 春
律「澪だけ別のクラスだもんなぁ」
澪「うるさい」
唯「元気出してよ澪ちゃん」
澪「元気だよ。それより新入生来ないな」
紬「そうね……」
ガチャ
律「ん?」
梓「あの……」
律「入部希望!?」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:11:28.54 ID:ZEzIMpvOP
梓「ええ、まあ」
律「やったーーーー!」
紬「やったねりっちゃん!」
梓「その前に」
律「へ?」
梓「平沢唯がここにいるって聞いたんですけど」
澪「唯? 唯ならここに……」
唯「ふも?」
梓「見つけた……平沢唯!」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:22:47.92 ID:ZEzIMpvOP
律「え、知り合い?」
唯「え、知らない……と思う」
梓「私の名前は中野梓といいです」
唯「中野? う~ん……なかの……え? 中野!?」
梓「気付きましたか」
梓「じゃあ早速やりましょうか」
唯「あ、やっぱり? あー、今日はギックリ腰だからまた今度……」
梓「問答無用です」
澪「! 殺気が……!」
律「ちょっと待った! なんだか知らないけどちゃんとアポとってくれないと困るよ~」
梓「どいて下さい」
律「力づくでどうぞ」
澪「おい律!」
梓「そうですか」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:33:51.76 ID:ZEzIMpvOP
梓「弐百拾弐式・琴月 陰! ごおおぁぁ! 死ね!」
ガッ ドォン!
律「ごは!」
唯「りっちゃん!!」
澪「青い炎……! ていうか死ねって言った!」
紬「は……はやい」
梓「……さて、と」
唯「……」
唯「どうしてもやるの?」
梓「今更命乞いですか?」
唯「……わかったよ」
唯「ケリをつけようか」
梓「貴女の死をもって!」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:40:47.38 ID:ZEzIMpvOP
唯「まけました……」
澪「早っ!! ていうか殺されそうな雰囲気だぞ!」
紬「私が行くわ」
澪「ムギ!」
紬「邪影拳!」
梓「百式・鬼焼き! おおお!」
紬「きゃああ!」
澪「あれは唯の技……!」
紬「まさかこれほどとは……化け物ね……ガク」
澪「ムギーー!」
澪「くそ……」
梓「あなたも邪魔するんですか」
梓「まあいいです、あなたで最後ですから」
律「おっと、私もいるからな」
澪「律!」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:49:42.08 ID:ZEzIMpvOP
澪「大丈夫か?」
律「なんとかな」
梓「めんどくさいので二人いっぺんに来てもらって構いませんよ」
律「生意気な後輩だな……」
澪「……ここはお言葉に甘えよう」
律「澪?」
澪「なあ律、少しの間時間を稼いでくれないか」
律「いいけど、なんで?」
澪「こんな時のために修行して新技を身に付けた」
律「……さすが、ていうか真っ先にそれで倒してくれよ」
澪「まだ完全に会得したわけじゃないから気をためるのに時間がかかるんだ」
律「わかったよ、期待してるわ澪ちゃん」
澪「出来れば使いたくなかったけど……この状況じゃあ」
澪「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:03:40.58 ID:ZEzIMpvOP
律「いよっしゃー! パワーウェイブ!」
シュウウウ
梓「どうしたぁ!」
シュバッ
律「相殺されたか……! これならどうだ! パワー……ゲイッザー!!」
ドカンッ!
梓「! ふう、今のは危なかったです」
律「……あたらねえ」
梓「百弐拾七式・葵花! ホッ、フッ、ハアッ!」
律「あぐっ!」
律(澪……まだか!)
澪(もう少しだけど……あの子に当てられるか……?)
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:15:05.52 ID:ZEzIMpvOP
梓「もう終わりですかね、すぐ楽にしてあげます」
澪「まずい……!」
律「こうなったら一か八かだ!」
律「オーマイシット!!」
ガッ!
梓「ぐっ!」
澪「あれはパワーチャージ……いや、違う!」
律「おりゃあああああ!」
ガッガッガッ
澪「すごい! ショルダータックル後にジャンプしながらのアッパーで相手を浮かせた!」
ドオン!
澪「そのままパワーゲイザーまで繋げた!」
律「澪! ハイアングルゲイザーは威力が低いんだ! 後は頼んだぞ!」
澪「わかった!」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:22:35.19 ID:ZEzIMpvOP
梓「ぐっ……楽には死ねませんよ!」
律「どっちだよ」
澪「今だ!! 覇王翔吼拳!!」
ドウッ!!!!
梓「!!」
ドッバアアァーーーーン
律「やったか!?」
澪「やったはず……って! 新入部員をやっちゃまずいだろ!」
律「お前がやったんだよ」
澪「まずい……生きてるかな?」
梓「……う」
澪「よかったああ~生きてる」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:31:16.82 ID:ZEzIMpvOP
梓「く……まさかあんな技があるとは」
律「すごいだろー!」
澪「とにかく唯にちょっかい出すのはやめてもらうぞ」
梓「……それは約束できません」
澪「おいおい」
律「まあとにかく」
澪「?」
律「これで新入部員ゲットだ!!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:38:01.88 ID:ZEzIMpvOP
数ヵ月後
唯「あずにゃ~ん! 焼きそばパンとコロッケロールとコーヒー牛乳買ってきて~」
梓「いやですよ」
唯「そしたら技教えてあげるからさ!」
梓「結構です」
唯「え~カッコいいのに。名前はレインボー・エネルギー・ダイナマイト・キック! 略して……」
梓「結構です! それにその技にはちゃんとした名前が……」
唯「ひどいよあずにゃん! 私この名前気に入ってるに!」
律「いやー」
澪「いつの間にか仲良しになったな」
紬「よかったよかった」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:50:17.72 ID:ZEzIMpvOP
律「なあ梓」
梓「なんですか?」
律「憂ちゃんとも友達になったんだろ?」
梓「う……はい」
律「なんだよー最初は物騒なこと言ってたくせに」
梓「それは、その……」
澪「まあいいじゃないか」
紬「はい、今日のおやつは梓ちゃんの大好きな肉よ~」
梓「ありがとうございます」
律「肉って……まあいいや、ムギータレはないの?」
紬「ごめんなさい、今日はしょうゆしか持ってきてないの」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:55:37.12 ID:ZEzIMpvOP
律「そういえば梓の自己紹介とかやってなかったな」
澪「そういえば」
紬「あの時はそれどころじゃなかったし」
梓「すいません……」
律「というわけでどうぞ」
梓「名前はいいですよね。えっと、趣味はバンド活動、嫌いなものは暴力」
梓「大切なものはクロムハーツの指輪、ポールスミスの時計、ガボールのチェーン」
梓「あとはリッケンバッカーのベースと…………新しい彼女です」
律「ふーん」
唯「ふーん」
紬「へえ……えっ?」
律「新しい……」
唯「彼女……?」
澪「////」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:07:51.70 ID:yKokTbf4P [1/26]
澪「そ、それよりそろそろ帰る時間だな」
律「ん、そうだなー。じゃあ今日はかいさーん」
唯「ほーい」
紬「そういえば今日はさわ子先生来なかったわね」
澪「そういえばそうだな」
律「まあいいじゃん、ほら行くぞー」
平沢家
唯「ただいま~うい~!」
唯「……」
唯「あれ、まだ帰ってないの? おかしいな……」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:21:15.42 ID:yKokTbf4P [2/26]
学校 1時間前
純「憂ー帰ろう?」
憂「うん」
さわ子「あ、平沢さん」
憂「はい?」
さわ子「用事を頼みたいんだけどいいかしら?」
憂「いいですよ」
さわ子「それじゃこっちに来てくれる?」
憂「はい。ごめんね純ちゃん、先に帰ってて」
純「わかった、じゃあ」
憂「うん、またね」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:28:11.92 ID:yKokTbf4P [3/26]
憂「先生、用事ってなんですか」
さわ子「ふふふ……憂ちゃん、この教室に入ってちょうだい」
憂「? はい」
さわ子「さてと、じゃあさっそく……憂ちゃんには服を脱いでもらうわ」
憂「…………へ?」
さわ子「その後に色々着てもらいたい服があるの……ドゥフフ」
憂「え……え?」
さわ子「うひゃひゃひゃー!」
憂「きゃあーーーー!!」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:39:05.15 ID:yKokTbf4P [4/26]
純「……やっぱり憂のこと待ってようかな」
純「うん、そうしよう」
きゃあーーーー
純「!? 今のは憂の声!」
純「憂ーー!! どこーー?」
ドカーン!!
純「うわっ! 何今の!?」
さわ子「」
純「うわあ! 先生が……死んでる!?」
憂「……」
純「あ、憂! 何があったの!?」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:48:23.81 ID:yKokTbf4P [5/26]
さわ子「」
憂「負けたからといって自爆か……やはり人間は愚かな生き物だ」
純「う……い……?」
憂「だがおかげでこうして復活することができた」
純「……憂じゃない」
憂「私はオロチ」
純「オロチ!?」
和「……まずいわね」
純「え?」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:53:42.43 ID:yKokTbf4P [6/26]
和「あなた憂の友達?」
純「はい」
和「そう、じゃあ簡単に説明するわね」
和「あれは元々地球意思と呼ばれる肉体を持たない魂魄のような思念の集まりで、
何かしら活動するには必ず触媒を必要とするの。あの姿が目に見えるオロチの真の姿というわけではなくて、
憑依する触媒によってその姿は変わるの。人がこの世に誕生する以前の遥か古代から、
自然を含む地球上の生きとし生けるものすべてを見守り、時にはそれらに恩恵を、
時にはそれらに苦難を自然がもたらすものとして与え続けてきた。
しかし、進化した人類は徐々に自然を害す存在になり、その傲慢さに耐えられなくなったオロチは、
ついに人類を自然の一部ではないと判断し、人類に対して敵対するようになった。
人々の心の弱い部分にとりつき、憎悪・嫉妬・怨嗟などあらゆる負の感情を膨らませ、世を混乱に陥れる。
1800年前に紅蓮の炎を身につけた平沢一族と、呪術に長けた中野一族により八傑集ともども封印される」
和「でも、何らかの影響で封印が解けてしまったみたい」
純「……え、あ、はい?」
和「とにかく憂が大変だからこのことを唯に知らせないと!」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:57:49.59 ID:yKokTbf4P [7/26]
憂「そうはさせない」
和「来るっ!」
純「ここは私に任せてください!」
和「あなた一人じゃ無理よ!」
純「昔……憂にお願いされたんです。私に何かあったらよろしくねって」
純「何がよろしくなのか全然わからないけど……」
純「今はこのことを憂のお姉さんに伝えなきゃいけないんですよね?」
純「だったら早く!!」
和「……わかった。無理しないでね」
純「はい!」
ダッ
純「……さてと」
純「私がいつまでもナンバー2じゃないって所を憂に教えてあげないと」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:01:07.78 ID:yKokTbf4P [8/26]
純「ごふぁ……!」
憂「無駄な事を……」
純(強い……強すぎるよ……でも!)
純「かかってきな。こっちにはまだとっておきがあるんだ」
憂「……」
純(来た……!)
純「かかったな! ヘルバウッ…なっ!!」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:06:02.55 ID:yKokTbf4P [9/26]
ピンポーン
唯「あ、憂帰ってきたのかな」
和「唯!!」
唯「うわあ! 和ちゃんどうしたの」
和「大変よ! 憂が……憂が覚醒したわ」
唯「……」
唯「……へ?」
和「早く学校に!」
唯「ちょっちょっとまって!」
和「何!?」
唯「実は……」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:07:09.85 ID:yKokTbf4P [10/26]
和「憂に教えてもらった最終決戦奥義を習得できてない!?」
唯「めんぼくない……」
和「あんた今まで何やってたのよ!!」
唯「だってぇ~……」
和「だってじゃない! 仕方ない、今から習得するわよ」
唯「ええっ!?」
和「それまでは他の軽音部メンバーに期待するしかないわね」
唯「みんなにも連絡したの?」
和「ええ、仲間は多いほうがいいわ」
和「じゃあさっそく……やるわよ」
唯「やるって……え、和ちゃんと戦うの?」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:07:59.37 ID:yKokTbf4P [11/26]
和「ええ、それが一番手っ取り早いわ」
唯「なんで和ちゃんがそんなことわかるの!?」
和「こんな時のために憂から色々聞いてたのよ」
唯「そうなんだ……」
和「ほら、やるわよ」
唯「ねえ和ちゃん」
和「何?」
唯「和ちゃんの格闘スタイル……シューティングだっけ? それって何なの?」
和「そんなこと今関係ないでしょ」
唯「……最終決戦奥義を使って、そしたら憂はどうなるの?」
和「……」
唯「……ねえ!」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:10:38.96 ID:yKokTbf4P [12/26]
和「……それでも、あんたが何とかしないと憂はずっとあのままよ」
唯「……」
和「っ……雷靱拳!!」
ビリビリ
唯「うわ! やめてよ和ちゃん!」
和「……真空片手駒!」
ヒュンヒュン
唯「ぐっ!」
和「あんたがお姉ちゃんなんだから! しっかりしなさいよ!」
和「憂がどんな気持ちで最終決戦奥義を教えたと思ってるの!?」
唯「!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:11:39.89 ID:yKokTbf4P [13/26]
和「反動三段蹴り!」
唯「……!」
和「目を覚ましなさい! 雷光拳!!」
唯「……うあああああ!!」
ドオン!!
和「!?」
ヴォアッ!
和「こ、これが……!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:14:21.86 ID:yKokTbf4P [14/26]
唯「……あ、あれ?」
和「……」
唯「和ちゃん!?」
和「よ、よくやったわ、唯」
唯「しっかりして!」
和「私は大丈夫……それよりはやく憂ちゃんを……」
和「あとは……中野の子供が何とかしてくれるはずよ」
唯「あずにゃんが?」
和「さあ、はやく……」
唯「うん、行ってくるね、和ちゃん」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:16:21.20 ID:yKokTbf4P [15/26]
学校
律「うへえ!」
紬「つ……強い」
澪「私達がまるで歯が立たないなんて……」
憂「……」
律「来るぞ!」
ズシャア!
憂「!」
梓「皆さん大丈夫ですか!?」
律「梓!」
梓「もうすぐ唯先輩が来てくれるはずです! それまでなんとか……」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:18:37.78 ID:yKokTbf4P [16/26]
唯「おーいみんなー!」
澪「さっそく来た!」
梓「唯先輩!」
唯「みんな、待たせてゴメン」
梓「いえ、それよりアレをお願いしますよ?」
唯「……うん」
梓「では……行きます!」
梓「裏百八式・八酒杯!!」
バシュウウウ ドオン!!
澪「憂ちゃんを捕らえた!」
梓「唯先輩! 今です!」
唯「あ、う……」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:19:37.39 ID:yKokTbf4P [17/26]
梓「何やってるんですか先輩!」
唯「でも、憂が……そんなことしたら憂がいなくなっちゃう……」
梓「何言ってるんですか! 憂はもう――」
憂「……」
ずるずる
梓「……えっ、あれ」
唯「あずにゃん……?」
梓「体がオロチに引き寄せられてる……!」
律「梓!!」
憂「……」
ザシュ
梓「がっ……あ!」
紬「憂ちゃんの手が梓ちゃんの中に……!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:20:38.97 ID:yKokTbf4P [18/26]
梓「が……ふ」
澪「いやああああ!」
憂「……」
ズポッ グシャ!
梓「」
紬「あ……梓ちゃんの中から、何か、光の玉のようなものを取り出して……潰した」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「ひゅー……ひゅー……」
唯「あずにゃあああああん!!」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:24:29.74 ID:yKokTbf4P [19/26]
梓「……ゆ、唯先輩……は、優しいから」
唯「あずにゃん!」
梓「そのままでいて欲しい……けど……このままだと、みんな死んじゃいま、す……」
唯「あ……もう喋らないで!」
梓「唯……先輩……うい、を……たすけ……」
梓「」
唯「あずにゃん……?」
唯「あずにゃあああああああああん!!!!」
憂「さあ無に還ろう」
唯「くっ! ……そうだよね、私が何とかしないと!」
唯「憂!! ゴメンね!」
憂「さあ、無に還ろう」
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
唯「!?」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:25:22.48 ID:yKokTbf4P [20/26]
唯「……う」
唯「突然画面中が緑色に光りだして……それからどうなったの……?」
唯「あ、みんなは!?」
唯「りっちゃん! 澪ちゃん! ムギちゃん!」
唯「そんな……みんな死ん――」
唯「!!」
憂「……」
唯「憂……」
唯「見せてあげるよ……お姉ちゃんの力を!!」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:26:04.24 ID:yKokTbf4P [21/26]
ドカッ
唯「くっ!」
唯(さっきの光のせいで体に力が……)
唯(ほんのちょっとでいいから集中できる時間が欲しい……!)
憂「蛹を破り蝶は舞う」
唯「やられる……!」
「ゲイザーーーー!!」
ドカン!!
憂「!?」
唯「これは……!」
律「唯! 大丈夫か!!」
唯「りっちゃん!!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:28:31.43 ID:yKokTbf4P [22/26]
律「げっ……直撃したのにピンピンしてる」
澪「まだだ!! 極限流奥義! オラオラオラオラオラァ!!」
紬「デッドリーレイブ!!」
唯「澪ちゃん! ムギちゃんも!」
律「唯! 私達が時間を稼ぐからそのなんとかかんとかってのを早く!!」
唯「おっけい!!」
憂「ふん」
グシャ メコォ
澪「ぐあっ!」
紬「むぎゅう!!」
律「パワーゲイザー!」
ドカン!!
憂「無駄だ」
律「こいつの使い道はまだあるぜ――っ!!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:31:58.56 ID:yKokTbf4P [23/26]
律「ツインゲイザー!!」
ドカン!!
律「トリプルゲイザー!!!」
ドカン!!!
憂「……くっ」
ドカッ
律「ぐっ……唯!!」
唯「よし!!」
唯「見せてやる……」
唯「これが平沢の拳だあああああああああああ!!!!」
――――
――――――――
――――――――――――
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:34:00.86 ID:yKokTbf4P [24/26]
「いい天気だなあ」
「こんな日は学校行かないで一日中ごろごろしていたい」
あの戦いから暫くたって、私たちは平和に暮らしている。
憂にあずにゃん。
大切なものをなくしてしまったけれど、
二人の分まで強く生きていこうと思う。
そのために授業や家事や音楽のことを頑張っている。
憂に起こされなくても遅刻しないようにもなった。
でも……今日は遅刻だ。
「……こんなにあったかいんだもん、しょうがないよね」
そんなことを呟きながら学校への道のりを歩いていると、
「お、唯じゃん!」
「りっちゃん! 元気?」
「もちろん!」
りっちゃんが声をかけてきた。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:35:03.58 ID:yKokTbf4P [25/26]
「あれからどうだ?」
「う~ん、ぼちぼちかな」
二人で学校に向かう。
「お、見えてきたな」
「うん。……あれ、校門にさわちゃんがいる」
「遅刻してるからじゃないのか」
「りっちゃんもそう思う?」
「うん」
りっちゃんは気楽でいいよね。
私絶対怒られるよ。
「そらあ私は大学生だからな!」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:36:23.79 ID:yKokTbf4P [26/26]
あの戦いの後、私は謎の組織に連れ去られて大変な目に合った。
おかげで成人したのにいまだに制服を着ている。
正直ちょっとはずかしいよ。
「唯ちゃん!! また遅刻して! そんなんじゃ今年も留年しちゃうわよ!」
「それだけはご勘弁を~」
「あはは! まあ頑張れよ、じゃあな!」
ネスツだかワレズだか知らないけどどうしてくれるんだ。
憂やあずにゃんのクローンまで作って……
でもそれはまた別の話。
私は……
これからも二人の分まで頑張って生きていこう。
SNK FOREVER
GAME OVER
高校1年 春
律「澪~! クラブ見学に行こうぜ!」
澪「見学?」
律「そうそう! 軽音部だよ軽音部!」
澪「でも私文芸部に入るつもりだし……ほら、入部届けも書いた――」
律「ビリー」
澪「あーーーーっ!?」
澪「何すんだよ律ーーーーっ!!」
律「ほら行くぞ早く早くー」
澪「……待てよ」
律「え?」
澪「このままですむと思うなよ?」
律「……やってみろよ」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:05:34.24 ID:ZEzIMpvOP
澪「泣いても知らないからな!」
律「ヘイカモンカモン!」
澪「虎煌拳!!」
バシュウ!
律「ぐっ! ……また腕を上げたみたいだな」
澪「まあな」
律「私も春休み修行の成果を見せてやるよ……パワーウェイブ!!」
シュウウウ!
澪「くっ!」 シュッ
律「……避けたか」
澪(前より弾速が早い……遊んでばっかりじゃなかったんだな)
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:17:28.97 ID:ZEzIMpvOP
澪「でも……私は文芸部に入るからな!」
律「……」
澪「はあっ!」
律「サニーパンチッ!!」
ガッ
澪「へぶっ!?」
澪「今のは……」
律「思い出したか? この技はお前が名前をつけてくれたんだぞ」
澪「……うん」
律「それから……一緒に全日本異種格闘技戦に出ようねって……」
律「あの時の約束は嘘だったのか!?」
澪「律……」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:23:26.55 ID:ZEzIMpvOP
澪「氷柱割り!!」
律「ぐえっ!?」
澪「捏造するなよ」
?「くすくす……」
律「ん?」
紬「あ、ごめんなさい」
紬「なんだか楽しそうだったから。あの、私も入部していいですか?」
律「ほんとっ!?」
律「やったー!!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:31:09.62 ID:ZEzIMpvOP
数日後
律「なんと! 残り一人だった部員が見つかりました!」
紬「よかった~」
澪「いつの間にか私も部員に……」
ガチャ
唯「あのー……」
律「おお! 噂をすれば!」
唯「実は……」
紬「軽音部へようこそ。お菓子をどうぞ」
唯「いえ、私……やっぱり軽音部辞めようと思って」
律「……え」
唯「ごめんなさい。そ、それじゃあ……」
律「……ちょっと待った」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:41:13.47 ID:ZEzIMpvOP
唯「へ?」
律「ようやく見つけた部員をそう易々と逃してなるものか」
澪「おい律、まさか……」
律「力づくで入部させる!」
唯「ええっ!? こ、ここは穏便に……ね?」
律「問答無用! ライジングアッパー!」
シュ
唯「うわあっ!」
律「!」
澪「避けた……!」
律(確かに手加減してたけど……この子、テンポ悪くて使えないって訳じゃなさそうだ)
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 16:51:09.68 ID:ZEzIMpvOP
唯「あ、危ないよ!」
律「悪いけど軽音部の一員になってもらうぜ! パワーチャージ!」
ドカッ!
唯「ぐっ!」
澪「律の奴本気でやるつもりか?」
紬「今の技……りっちゃんはパワーがあるんですね」
澪「ああ、律の攻撃は直線的だけどその分威力やスピードがあるんだ」
紬「そうですか……」
澪「そしてあのタックルを食らった相手は」
澪「真上に吹っ飛ぶ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:01:06.07 ID:ZEzIMpvOP
紬「ついげきのチャンスですね!」
律「おうよっ! くらえっ、ついげきの――」
律「パワーチャージ!!」
ドカッ!
唯「うげっ」
澪「」
律「もういっちょ!!」
ドカッ!
唯「きゃあ!」
澪「うおおおおいっ!!」
律「なんだよ? 今忙しいんだから!」
澪「ビール瓶斬り!」
シュパ
律「えぷっ!?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:11:32.98 ID:ZEzIMpvOP
律「いてて……何すんだよ澪!?」
澪「お前こそ何やってるんだよ!? ……平沢さん、大丈夫?」
唯「……あ、うん。ありがと」
澪「律も謝れ!」
唯「いいよ、私が油断してたんだし」
澪「え?」
唯「こうなったら私も受けて立つよ!」
律「そうこなくっちゃ! 負けたら入部だからな!」
唯「おっけー!」
唯「さっそく行くよ!」
律「こい!」
唯「七拾! えっと、うーん……」
律「?」
唯「まあいいや、たぶん七拾五式・改!」
ガッ ガッ
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:21:28.44 ID:ZEzIMpvOP
律「ぐっ、ごっ」
澪「!! 2段の蹴り上げで律を浮かせた!?」
紬「今度は平沢さんがついげきのチャンスを……!」
唯「七拾五式・改! フッ! フッ!」
ガッ ガッ
澪「ん?」
紬「……」
唯「フッ! フッ!」
ガッ ガッ
唯「フッ! フッ!」
ガッ ガッ
澪「おい」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:31:19.24 ID:ZEzIMpvOP
唯「いや~つい熱くなっちゃって」
律「はあはあ……やるじゃないか……」
律「今度はこっちの番だ! はあああ……」
紬「拳に気が集まってる……!」
律「バーンナックル!!」
ヒューン!
唯「あらがみ!」
カッ
律「!」
澪「受け流した!?」
紬「それだけじゃないわ!」
唯「ボディが!」
ドスッ!
律「ぐあっ!?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:42:28.87 ID:ZEzIMpvOP
唯「お留守だっ! よっ!」
ガッ! ドン!
澪「手……手から炎が出た!?」
紬「相手の攻撃を受け流しつつボディブロー、何か、肘鉄の3段攻撃……」
紬「そして炎を操る能力……間違いない」
澪「知っているのかムギ!?」
紬「あれは恐らく平沢流古武術」
澪「平沢流……はっ! 去年の全日本異種格闘技大会中学生の部の優勝者……」
紬「そう、優勝者の名前は確か平沢……」
律「ぐは……こいつ、できる」
唯「ふう」
律「くっそ~これでも食らえ! パワーダンク!!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 17:52:20.76 ID:ZEzIMpvOP
澪「あっ! 不用意にそんな技出すな!」
唯「百式・おにやき! ほぉりゃあ!」
ゴシュッ
律「ぐえあ」
YUI WON!
紬「炎を纏っての対空技……強い」
澪「最後はアレだったけど律は結構強いのに……それを倒すなんて」
唯「……ふう。そ、それじゃあ私はこれで」
紬「待って。私とも戦ってもらえないかしら?」
唯「へ?」
澪「ムギ!?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:01:46.00 ID:ZEzIMpvOP
紬「私、平沢流とやるのが夢だったの」
唯「ええ~……」
紬「ごめんなさい、まずは……」
紬「烈風拳!!」
シュバッ
唯「おわ!」
澪「地を這う飛び道具……!」
唯「なんの! 百……ひゃく……闇払い!!」
シュバッ
澪「相殺した!」
紬「ふふ……」
律「……う」
澪「あ、律、気付いたか」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:08:50.18 ID:ZEzIMpvOP
律「あれ、ムギが戦ってる」
澪「うん、ムギが戦いたいって」
律「へぇ~以外だな……ていうかムギ強かったんだな」
澪「うん」
律「……欲しい」
澪「え?」
律「何としても平沢さんを軽音部に入れたい!」
澪「お前負けただろ」
律「……まだ方法はある」
澪「また戦うのか?」
律「違う」
律「澪、アレをやるぞ」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:33:16.92 ID:ZEzIMpvOP
澪「アレって……? まさかアレか?」
律「そうだ」
澪「嫌だ」
律「平沢さんが入部してくれなかったら廃部だぞ!」
澪「それとこれとは別じゃあ……」
律「うるさい! ムカデぶつけるぞ!」
澪「わ、わかったよ……」
律「ようし……平沢さーん!!」
唯「ふえ?」
紬「?」
律「行くぜ澪!」
澪「……」
律「い・く・ぜ・み・お!!」
澪「お、おう! ////」
律澪「クロスチェンジャー!!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:42:23.77 ID:ZEzIMpvOP
律(決まった……!)
澪(は、はずかしいぃぃぃ////)
唯「……」
紬「……」
唯「か……」
唯「かっこいい!」
澪「嘘!?」
唯「私にも教えてよ!」
律「もちろんいいぞ! ただし……部員になってくれれば」
唯「うーん、わかったよ!」
澪「軽っ!」
律「オッケーイ!!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 18:52:42.42 ID:ZEzIMpvOP
次の日
律「んじゃ改めて自己紹介でもするか」
律「私はドラム担当の田井中律。趣味はビデオゲームで好きな食べ物はファーストフードだ」
澪「私はベースの秋山澪。……よろしく」
唯「え? 終わり?」
澪「う、うん」
律「あー、こいつの趣味は馬の手入れに日曜大工、得意スポーツはすも――」
澪「ビルドアッパー」
ゴシュッ
律「もぷっ」
紬「ふふふ、キーボード担当の琴吹紬です。大切なものは己自身、嫌いなものは邪魔者」
紬「特技は物事を強引に解決することです、よろしくね」
律「……」
澪「……」
唯「え、あ、うん」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:01:55.59 ID:ZEzIMpvOP
唯「じゃあ私の番だね。私は平沢唯!」
唯「好きな食べ物は焼き魚、得意スポーツはアイスホッケー、嫌いなものは努力です!」
澪「ねえ平沢さん」
唯「唯でいいよ~」
澪「え、あ……ゆ、唯? ////」
唯「おおぅ……//// なに?」
澪「唯って去年の全日本異種格闘技大会中学生の部で優勝したんだよね?」
唯「へ? してないよ?」
紬「でも平沢って……」
唯「あぁ~あれは私の妹だよ」
律澪紬「妹!?」
律「……すごい妹がいるんだな」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:11:31.23 ID:ZEzIMpvOP
2学期
律「……え?」
律「部として認められてない!?」
紬「え、ええ」
唯「そんなっ! それじゃあ学園祭はどうなるの!?」
澪「とにかく話を聞きに行こう」
律「そうだな」
生徒会室
唯「こんにちは~」
和「あら、唯じゃない」
唯「和ちゃーん」
律「知り合い?」
唯「うん、幼馴染の和ちゃん」
和「どうも」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:21:50.51 ID:ZEzIMpvOP
和「うん、やっぱり軽音部は部活のリストにないわね」
和「部活申請用紙を提出してないんじゃないかしら」
律「忘れてた!」
澪「おい」
和「それに顧問はいるの?」
紬「顧問? ……いない、わよね」
和「そういうわけだから軽音部は学園祭には出られないわね」
律「そんな!」
唯「お願い和ちゃん! そこを何とか……」
和「そうね……唯、久しぶりに勝負しない?」
唯「……わかった。それに勝ったら何とかしてくれるんだね」
和「そういうこと。ただし顧問は自力で見つけてね」
澪「おい唯!?」
唯「大丈夫、みんなは顧問を探して!」
律「唯……わかった! 無理するなよ!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:30:40.68 ID:ZEzIMpvOP
タッタッタッタッ
律「唯の奴大丈夫かな?」
澪「あの二人って親友なんだろ? だったら……」
紬「でもあの眼鏡の子……どこかで見たことが……あ!」
紬「あの人は確か真鍋和! 全日本異種格闘技大会中学生の部で準優勝の経験が……」
澪「そんな……まずいかもしれないな」
律「……いや、ここは唯を信じよう」
澪「律……」
紬「りっちゃん……」
律「……ん? あの先生は?」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:39:32.75 ID:ZEzIMpvOP
澪「音楽の山中さわ子先生か、とりあえず頼んでみよう」
律「すいませーん」
さわ子「はい?」
律「顧問になって下さい!」
さわ子「……はい?」
澪「実はかくかくしかじかなんです」
さわ子「私は吹奏楽部を受け持ってるからちょっと……」
紬「……」
律「そこを何とか!」
さわ子「そう言われてもねえ」
紬「先生」
紬「……屋上へ行きませんか?」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:50:11.96 ID:ZEzIMpvOP
さわ子「こんなところへ連れて来てどういうつもりかしら」
紬「先生、私が先生を倒すことが出来たら軽音部の顧問になって下さい」
さわ子「いいわよ、どうせ無理だし」
澪「ちょっちょっとムギ!」
律「大丈夫か?」
紬「……りっちゃん澪ちゃん、ここは私に任せて」
さわ子「一人でやるつもり? 三人で来たほうがいいんじゃない?」
紬「烈風拳!!」
シュバッ
さわ子「烈風拳!」
シュバッ
澪「なっ!?」
律「ムギの技を使った!?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 19:59:31.37 ID:ZEzIMpvOP
紬「くっ」
さわ子「私はあらゆる格闘技をマスターした総合格闘術を使えるの」
澪「なんだって……!」
さわ子「あと趣味は格闘家を銅像にしてコレクションする事よ」
さわ子「せっかくだからあなた達もコレクションに加えちゃおうかしら」
紬「ダブル烈風拳!」
シュババッ
さわ子「ダークバリア!」
紬「きゃあ!」
澪「飛び道具を跳ね返した!?」
律「やばい……この人強いぞ……!」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:12:38.42 ID:ZEzIMpvOP
澪「律」
律「わかってる、ムギに加勢するぞ」
紬「なんとか顧問にしないと……! 飛翔日輪斬!!」
澪「なにやってるんだムギ!? そんな残念な技出したら……!」
さわ子「ブッパほど見苦しいものはないわね、ジェノサイドカッター!!」
シャキーン
紬「うぐっ!」
さわ子「ゴッドプレス!!」
ゴシャーーーー
澪「まずい! あんな勢いでフェンスにぶつかったらフェンスが壊れて……!」
律「ここ屋上だぞ!? ムギー!!」
ガシャーン
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:22:10.72 ID:ZEzIMpvOP
紬「がっ……!」
澪「落ちるっ!」
律「間に合え!」
ダッ
律「ムギ!つかまれ!!」
はっし
紬「りっちゃん!」
律「よし、離すなよ!」
さわ子「……あら残念」
律「こいつ……!」
さわ子「それじゃあなたも一緒に落としちゃおうかしら」
澪「暫烈拳!!」
シュババババ
さわ子「おっと」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:31:04.61 ID:ZEzIMpvOP
律「あんなに早い攻撃をかわしている……!」
澪「くそっ」
さわ子「ジェノサイドカッター!」
澪「ぐあっ!」
律「澪ー!」
さわ子「さて、じゃああなた達には落ちてもらうわ」
律(やばい……!)
澪「律達が危ない……飛燕疾風脚!!」
律「澪!? ぶっぱはやめろー!!」
さわ子「カイザーウェイブ!!」
バシュウウウ!
澪「がっ……!」
律「みおーーーー!!」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:41:55.36 ID:ZEzIMpvOP
澪「」
律「ちくしょー……」
紬(このままじゃりっちゃんが……)
さわ子「ふふふ」
紬「りっちゃん……後はよろしくね!」
パッ
律「えっ」
律「ムギ!? 何で手を離すんだよ!?」
紬「負けないでりっちゃ……」
ヒュー……
律「ムギーーーー!!!!」
さわ子「自分から手を離すなんてお馬鹿ねえプスプス」
律「なっ!?」
律「うっお―――っ!! くっあ―――っ!! ざけんな―――っ!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:51:21.94 ID:ZEzIMpvOP
律「うおおおおーーーーー!!」
澪「……う、り、律?」
澪「あの構えはパワーウェイブ……だめだ、先生に飛び道具はきかない」
律「ああああーーーーっ!!」
さわ子「なに!?」
ドウッッ!
さわ子「ぐぎゃあーー!!」
律「はあ……はあ……」
澪「な……なんだ今のは……パワーウェイブじゃなかった」
澪「まるで……力の間欠泉だ……」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 20:59:52.98 ID:ZEzIMpvOP
さわ子「ま、まさかこんな……ぐふ」
澪「律!」
律「……澪」
澪「すごいじゃないか! こんな技が使えるなんて!」
律「いや、無我夢中だっただけだよ。それよりムギが……」
澪「あ……」
律「先生、顧問になってもらうからな」
さわ子「仕方ないわね……わかったわ」
律「やったぞ……ムギ」
ガチャ
紬「りっちゃん大丈夫!?」
律澪「え」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 21:09:13.21 ID:ZEzIMpvOP
律「ムギ! 無事だったのか!」
紬「ええ、地面に向かって烈風拳をうったらなんとかなったわ。名づけて疾風拳ね」
澪「よかった~」
律「あとは唯だな」
ガチャ
唯「あ、みんなこんなところにいたんだ~」
唯「部活申請用紙は和ちゃんが何とかしてくれるって!」
律「おお!」
澪「唯! ボロボロだけど大丈夫か?」
唯「大丈夫だよ~。ていうかみんなもボロボロだね」
律「まあな、でもこっちもなんとかなったぞ」
唯「やったね!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 21:19:28.72 ID:ZEzIMpvOP
1年 秋
律「いや~学園祭もりあがったな!」
澪「うん、苦労した甲斐があったよ」
律「来年もやろうぜ! 題してK-On Festival'11!」
澪「そうだな」
律「じゃあまた明日な~」
澪「うん」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 21:50:13.31 ID:ZEzIMpvOP
澪「……」
澪(唯は底知れない力を持っている)
澪(ムギだって経験と知識がある)
澪(律は……土壇場で身に付けたパワーゲイザーがある……)
澪「私は……」
澪「……修行するしかないな」
澪「私も欲しいなあ……」
?「……悩んでいるようじゃな」
澪「え?」
天狗のお面をつけた男「どうだ、わしの修行を受けてみるか?」
澪「あ、あなたは……!」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:02:03.99 ID:ZEzIMpvOP
2年 春
律「澪だけ別のクラスだもんなぁ」
澪「うるさい」
唯「元気出してよ澪ちゃん」
澪「元気だよ。それより新入生来ないな」
紬「そうね……」
ガチャ
律「ん?」
梓「あの……」
律「入部希望!?」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:11:28.54 ID:ZEzIMpvOP
梓「ええ、まあ」
律「やったーーーー!」
紬「やったねりっちゃん!」
梓「その前に」
律「へ?」
梓「平沢唯がここにいるって聞いたんですけど」
澪「唯? 唯ならここに……」
唯「ふも?」
梓「見つけた……平沢唯!」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:22:47.92 ID:ZEzIMpvOP
律「え、知り合い?」
唯「え、知らない……と思う」
梓「私の名前は中野梓といいです」
唯「中野? う~ん……なかの……え? 中野!?」
梓「気付きましたか」
梓「じゃあ早速やりましょうか」
唯「あ、やっぱり? あー、今日はギックリ腰だからまた今度……」
梓「問答無用です」
澪「! 殺気が……!」
律「ちょっと待った! なんだか知らないけどちゃんとアポとってくれないと困るよ~」
梓「どいて下さい」
律「力づくでどうぞ」
澪「おい律!」
梓「そうですか」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:33:51.76 ID:ZEzIMpvOP
梓「弐百拾弐式・琴月 陰! ごおおぁぁ! 死ね!」
ガッ ドォン!
律「ごは!」
唯「りっちゃん!!」
澪「青い炎……! ていうか死ねって言った!」
紬「は……はやい」
梓「……さて、と」
唯「……」
唯「どうしてもやるの?」
梓「今更命乞いですか?」
唯「……わかったよ」
唯「ケリをつけようか」
梓「貴女の死をもって!」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:40:47.38 ID:ZEzIMpvOP
唯「まけました……」
澪「早っ!! ていうか殺されそうな雰囲気だぞ!」
紬「私が行くわ」
澪「ムギ!」
紬「邪影拳!」
梓「百式・鬼焼き! おおお!」
紬「きゃああ!」
澪「あれは唯の技……!」
紬「まさかこれほどとは……化け物ね……ガク」
澪「ムギーー!」
澪「くそ……」
梓「あなたも邪魔するんですか」
梓「まあいいです、あなたで最後ですから」
律「おっと、私もいるからな」
澪「律!」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 22:49:42.08 ID:ZEzIMpvOP
澪「大丈夫か?」
律「なんとかな」
梓「めんどくさいので二人いっぺんに来てもらって構いませんよ」
律「生意気な後輩だな……」
澪「……ここはお言葉に甘えよう」
律「澪?」
澪「なあ律、少しの間時間を稼いでくれないか」
律「いいけど、なんで?」
澪「こんな時のために修行して新技を身に付けた」
律「……さすが、ていうか真っ先にそれで倒してくれよ」
澪「まだ完全に会得したわけじゃないから気をためるのに時間がかかるんだ」
律「わかったよ、期待してるわ澪ちゃん」
澪「出来れば使いたくなかったけど……この状況じゃあ」
澪「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:03:40.58 ID:ZEzIMpvOP
律「いよっしゃー! パワーウェイブ!」
シュウウウ
梓「どうしたぁ!」
シュバッ
律「相殺されたか……! これならどうだ! パワー……ゲイッザー!!」
ドカンッ!
梓「! ふう、今のは危なかったです」
律「……あたらねえ」
梓「百弐拾七式・葵花! ホッ、フッ、ハアッ!」
律「あぐっ!」
律(澪……まだか!)
澪(もう少しだけど……あの子に当てられるか……?)
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:15:05.52 ID:ZEzIMpvOP
梓「もう終わりですかね、すぐ楽にしてあげます」
澪「まずい……!」
律「こうなったら一か八かだ!」
律「オーマイシット!!」
ガッ!
梓「ぐっ!」
澪「あれはパワーチャージ……いや、違う!」
律「おりゃあああああ!」
ガッガッガッ
澪「すごい! ショルダータックル後にジャンプしながらのアッパーで相手を浮かせた!」
ドオン!
澪「そのままパワーゲイザーまで繋げた!」
律「澪! ハイアングルゲイザーは威力が低いんだ! 後は頼んだぞ!」
澪「わかった!」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:22:35.19 ID:ZEzIMpvOP
梓「ぐっ……楽には死ねませんよ!」
律「どっちだよ」
澪「今だ!! 覇王翔吼拳!!」
ドウッ!!!!
梓「!!」
ドッバアアァーーーーン
律「やったか!?」
澪「やったはず……って! 新入部員をやっちゃまずいだろ!」
律「お前がやったんだよ」
澪「まずい……生きてるかな?」
梓「……う」
澪「よかったああ~生きてる」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:31:16.82 ID:ZEzIMpvOP
梓「く……まさかあんな技があるとは」
律「すごいだろー!」
澪「とにかく唯にちょっかい出すのはやめてもらうぞ」
梓「……それは約束できません」
澪「おいおい」
律「まあとにかく」
澪「?」
律「これで新入部員ゲットだ!!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:38:01.88 ID:ZEzIMpvOP
数ヵ月後
唯「あずにゃ~ん! 焼きそばパンとコロッケロールとコーヒー牛乳買ってきて~」
梓「いやですよ」
唯「そしたら技教えてあげるからさ!」
梓「結構です」
唯「え~カッコいいのに。名前はレインボー・エネルギー・ダイナマイト・キック! 略して……」
梓「結構です! それにその技にはちゃんとした名前が……」
唯「ひどいよあずにゃん! 私この名前気に入ってるに!」
律「いやー」
澪「いつの間にか仲良しになったな」
紬「よかったよかった」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:50:17.72 ID:ZEzIMpvOP
律「なあ梓」
梓「なんですか?」
律「憂ちゃんとも友達になったんだろ?」
梓「う……はい」
律「なんだよー最初は物騒なこと言ってたくせに」
梓「それは、その……」
澪「まあいいじゃないか」
紬「はい、今日のおやつは梓ちゃんの大好きな肉よ~」
梓「ありがとうございます」
律「肉って……まあいいや、ムギータレはないの?」
紬「ごめんなさい、今日はしょうゆしか持ってきてないの」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/29(月) 23:55:37.12 ID:ZEzIMpvOP
律「そういえば梓の自己紹介とかやってなかったな」
澪「そういえば」
紬「あの時はそれどころじゃなかったし」
梓「すいません……」
律「というわけでどうぞ」
梓「名前はいいですよね。えっと、趣味はバンド活動、嫌いなものは暴力」
梓「大切なものはクロムハーツの指輪、ポールスミスの時計、ガボールのチェーン」
梓「あとはリッケンバッカーのベースと…………新しい彼女です」
律「ふーん」
唯「ふーん」
紬「へえ……えっ?」
律「新しい……」
唯「彼女……?」
澪「////」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:07:51.70 ID:yKokTbf4P [1/26]
澪「そ、それよりそろそろ帰る時間だな」
律「ん、そうだなー。じゃあ今日はかいさーん」
唯「ほーい」
紬「そういえば今日はさわ子先生来なかったわね」
澪「そういえばそうだな」
律「まあいいじゃん、ほら行くぞー」
平沢家
唯「ただいま~うい~!」
唯「……」
唯「あれ、まだ帰ってないの? おかしいな……」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:21:15.42 ID:yKokTbf4P [2/26]
学校 1時間前
純「憂ー帰ろう?」
憂「うん」
さわ子「あ、平沢さん」
憂「はい?」
さわ子「用事を頼みたいんだけどいいかしら?」
憂「いいですよ」
さわ子「それじゃこっちに来てくれる?」
憂「はい。ごめんね純ちゃん、先に帰ってて」
純「わかった、じゃあ」
憂「うん、またね」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:28:11.92 ID:yKokTbf4P [3/26]
憂「先生、用事ってなんですか」
さわ子「ふふふ……憂ちゃん、この教室に入ってちょうだい」
憂「? はい」
さわ子「さてと、じゃあさっそく……憂ちゃんには服を脱いでもらうわ」
憂「…………へ?」
さわ子「その後に色々着てもらいたい服があるの……ドゥフフ」
憂「え……え?」
さわ子「うひゃひゃひゃー!」
憂「きゃあーーーー!!」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:39:05.15 ID:yKokTbf4P [4/26]
純「……やっぱり憂のこと待ってようかな」
純「うん、そうしよう」
きゃあーーーー
純「!? 今のは憂の声!」
純「憂ーー!! どこーー?」
ドカーン!!
純「うわっ! 何今の!?」
さわ子「」
純「うわあ! 先生が……死んでる!?」
憂「……」
純「あ、憂! 何があったの!?」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:48:23.81 ID:yKokTbf4P [5/26]
さわ子「」
憂「負けたからといって自爆か……やはり人間は愚かな生き物だ」
純「う……い……?」
憂「だがおかげでこうして復活することができた」
純「……憂じゃない」
憂「私はオロチ」
純「オロチ!?」
和「……まずいわね」
純「え?」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:53:42.43 ID:yKokTbf4P [6/26]
和「あなた憂の友達?」
純「はい」
和「そう、じゃあ簡単に説明するわね」
和「あれは元々地球意思と呼ばれる肉体を持たない魂魄のような思念の集まりで、
何かしら活動するには必ず触媒を必要とするの。あの姿が目に見えるオロチの真の姿というわけではなくて、
憑依する触媒によってその姿は変わるの。人がこの世に誕生する以前の遥か古代から、
自然を含む地球上の生きとし生けるものすべてを見守り、時にはそれらに恩恵を、
時にはそれらに苦難を自然がもたらすものとして与え続けてきた。
しかし、進化した人類は徐々に自然を害す存在になり、その傲慢さに耐えられなくなったオロチは、
ついに人類を自然の一部ではないと判断し、人類に対して敵対するようになった。
人々の心の弱い部分にとりつき、憎悪・嫉妬・怨嗟などあらゆる負の感情を膨らませ、世を混乱に陥れる。
1800年前に紅蓮の炎を身につけた平沢一族と、呪術に長けた中野一族により八傑集ともども封印される」
和「でも、何らかの影響で封印が解けてしまったみたい」
純「……え、あ、はい?」
和「とにかく憂が大変だからこのことを唯に知らせないと!」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 00:57:49.59 ID:yKokTbf4P [7/26]
憂「そうはさせない」
和「来るっ!」
純「ここは私に任せてください!」
和「あなた一人じゃ無理よ!」
純「昔……憂にお願いされたんです。私に何かあったらよろしくねって」
純「何がよろしくなのか全然わからないけど……」
純「今はこのことを憂のお姉さんに伝えなきゃいけないんですよね?」
純「だったら早く!!」
和「……わかった。無理しないでね」
純「はい!」
ダッ
純「……さてと」
純「私がいつまでもナンバー2じゃないって所を憂に教えてあげないと」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:01:07.78 ID:yKokTbf4P [8/26]
純「ごふぁ……!」
憂「無駄な事を……」
純(強い……強すぎるよ……でも!)
純「かかってきな。こっちにはまだとっておきがあるんだ」
憂「……」
純(来た……!)
純「かかったな! ヘルバウッ…なっ!!」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:06:02.55 ID:yKokTbf4P [9/26]
ピンポーン
唯「あ、憂帰ってきたのかな」
和「唯!!」
唯「うわあ! 和ちゃんどうしたの」
和「大変よ! 憂が……憂が覚醒したわ」
唯「……」
唯「……へ?」
和「早く学校に!」
唯「ちょっちょっとまって!」
和「何!?」
唯「実は……」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:07:09.85 ID:yKokTbf4P [10/26]
和「憂に教えてもらった最終決戦奥義を習得できてない!?」
唯「めんぼくない……」
和「あんた今まで何やってたのよ!!」
唯「だってぇ~……」
和「だってじゃない! 仕方ない、今から習得するわよ」
唯「ええっ!?」
和「それまでは他の軽音部メンバーに期待するしかないわね」
唯「みんなにも連絡したの?」
和「ええ、仲間は多いほうがいいわ」
和「じゃあさっそく……やるわよ」
唯「やるって……え、和ちゃんと戦うの?」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:07:59.37 ID:yKokTbf4P [11/26]
和「ええ、それが一番手っ取り早いわ」
唯「なんで和ちゃんがそんなことわかるの!?」
和「こんな時のために憂から色々聞いてたのよ」
唯「そうなんだ……」
和「ほら、やるわよ」
唯「ねえ和ちゃん」
和「何?」
唯「和ちゃんの格闘スタイル……シューティングだっけ? それって何なの?」
和「そんなこと今関係ないでしょ」
唯「……最終決戦奥義を使って、そしたら憂はどうなるの?」
和「……」
唯「……ねえ!」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:10:38.96 ID:yKokTbf4P [12/26]
和「……それでも、あんたが何とかしないと憂はずっとあのままよ」
唯「……」
和「っ……雷靱拳!!」
ビリビリ
唯「うわ! やめてよ和ちゃん!」
和「……真空片手駒!」
ヒュンヒュン
唯「ぐっ!」
和「あんたがお姉ちゃんなんだから! しっかりしなさいよ!」
和「憂がどんな気持ちで最終決戦奥義を教えたと思ってるの!?」
唯「!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:11:39.89 ID:yKokTbf4P [13/26]
和「反動三段蹴り!」
唯「……!」
和「目を覚ましなさい! 雷光拳!!」
唯「……うあああああ!!」
ドオン!!
和「!?」
ヴォアッ!
和「こ、これが……!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:14:21.86 ID:yKokTbf4P [14/26]
唯「……あ、あれ?」
和「……」
唯「和ちゃん!?」
和「よ、よくやったわ、唯」
唯「しっかりして!」
和「私は大丈夫……それよりはやく憂ちゃんを……」
和「あとは……中野の子供が何とかしてくれるはずよ」
唯「あずにゃんが?」
和「さあ、はやく……」
唯「うん、行ってくるね、和ちゃん」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:16:21.20 ID:yKokTbf4P [15/26]
学校
律「うへえ!」
紬「つ……強い」
澪「私達がまるで歯が立たないなんて……」
憂「……」
律「来るぞ!」
ズシャア!
憂「!」
梓「皆さん大丈夫ですか!?」
律「梓!」
梓「もうすぐ唯先輩が来てくれるはずです! それまでなんとか……」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:18:37.78 ID:yKokTbf4P [16/26]
唯「おーいみんなー!」
澪「さっそく来た!」
梓「唯先輩!」
唯「みんな、待たせてゴメン」
梓「いえ、それよりアレをお願いしますよ?」
唯「……うん」
梓「では……行きます!」
梓「裏百八式・八酒杯!!」
バシュウウウ ドオン!!
澪「憂ちゃんを捕らえた!」
梓「唯先輩! 今です!」
唯「あ、う……」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:19:37.39 ID:yKokTbf4P [17/26]
梓「何やってるんですか先輩!」
唯「でも、憂が……そんなことしたら憂がいなくなっちゃう……」
梓「何言ってるんですか! 憂はもう――」
憂「……」
ずるずる
梓「……えっ、あれ」
唯「あずにゃん……?」
梓「体がオロチに引き寄せられてる……!」
律「梓!!」
憂「……」
ザシュ
梓「がっ……あ!」
紬「憂ちゃんの手が梓ちゃんの中に……!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:20:38.97 ID:yKokTbf4P [18/26]
梓「が……ふ」
澪「いやああああ!」
憂「……」
ズポッ グシャ!
梓「」
紬「あ……梓ちゃんの中から、何か、光の玉のようなものを取り出して……潰した」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「ひゅー……ひゅー……」
唯「あずにゃあああああん!!」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:24:29.74 ID:yKokTbf4P [19/26]
梓「……ゆ、唯先輩……は、優しいから」
唯「あずにゃん!」
梓「そのままでいて欲しい……けど……このままだと、みんな死んじゃいま、す……」
唯「あ……もう喋らないで!」
梓「唯……先輩……うい、を……たすけ……」
梓「」
唯「あずにゃん……?」
唯「あずにゃあああああああああん!!!!」
憂「さあ無に還ろう」
唯「くっ! ……そうだよね、私が何とかしないと!」
唯「憂!! ゴメンね!」
憂「さあ、無に還ろう」
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
唯「!?」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:25:22.48 ID:yKokTbf4P [20/26]
唯「……う」
唯「突然画面中が緑色に光りだして……それからどうなったの……?」
唯「あ、みんなは!?」
唯「りっちゃん! 澪ちゃん! ムギちゃん!」
唯「そんな……みんな死ん――」
唯「!!」
憂「……」
唯「憂……」
唯「見せてあげるよ……お姉ちゃんの力を!!」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:26:04.24 ID:yKokTbf4P [21/26]
ドカッ
唯「くっ!」
唯(さっきの光のせいで体に力が……)
唯(ほんのちょっとでいいから集中できる時間が欲しい……!)
憂「蛹を破り蝶は舞う」
唯「やられる……!」
「ゲイザーーーー!!」
ドカン!!
憂「!?」
唯「これは……!」
律「唯! 大丈夫か!!」
唯「りっちゃん!!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:28:31.43 ID:yKokTbf4P [22/26]
律「げっ……直撃したのにピンピンしてる」
澪「まだだ!! 極限流奥義! オラオラオラオラオラァ!!」
紬「デッドリーレイブ!!」
唯「澪ちゃん! ムギちゃんも!」
律「唯! 私達が時間を稼ぐからそのなんとかかんとかってのを早く!!」
唯「おっけい!!」
憂「ふん」
グシャ メコォ
澪「ぐあっ!」
紬「むぎゅう!!」
律「パワーゲイザー!」
ドカン!!
憂「無駄だ」
律「こいつの使い道はまだあるぜ――っ!!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:31:58.56 ID:yKokTbf4P [23/26]
律「ツインゲイザー!!」
ドカン!!
律「トリプルゲイザー!!!」
ドカン!!!
憂「……くっ」
ドカッ
律「ぐっ……唯!!」
唯「よし!!」
唯「見せてやる……」
唯「これが平沢の拳だあああああああああああ!!!!」
――――
――――――――
――――――――――――
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:34:00.86 ID:yKokTbf4P [24/26]
「いい天気だなあ」
「こんな日は学校行かないで一日中ごろごろしていたい」
あの戦いから暫くたって、私たちは平和に暮らしている。
憂にあずにゃん。
大切なものをなくしてしまったけれど、
二人の分まで強く生きていこうと思う。
そのために授業や家事や音楽のことを頑張っている。
憂に起こされなくても遅刻しないようにもなった。
でも……今日は遅刻だ。
「……こんなにあったかいんだもん、しょうがないよね」
そんなことを呟きながら学校への道のりを歩いていると、
「お、唯じゃん!」
「りっちゃん! 元気?」
「もちろん!」
りっちゃんが声をかけてきた。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:35:03.58 ID:yKokTbf4P [25/26]
「あれからどうだ?」
「う~ん、ぼちぼちかな」
二人で学校に向かう。
「お、見えてきたな」
「うん。……あれ、校門にさわちゃんがいる」
「遅刻してるからじゃないのか」
「りっちゃんもそう思う?」
「うん」
りっちゃんは気楽でいいよね。
私絶対怒られるよ。
「そらあ私は大学生だからな!」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/30(火) 01:36:23.79 ID:yKokTbf4P [26/26]
あの戦いの後、私は謎の組織に連れ去られて大変な目に合った。
おかげで成人したのにいまだに制服を着ている。
正直ちょっとはずかしいよ。
「唯ちゃん!! また遅刻して! そんなんじゃ今年も留年しちゃうわよ!」
「それだけはご勘弁を~」
「あはは! まあ頑張れよ、じゃあな!」
ネスツだかワレズだか知らないけどどうしてくれるんだ。
憂やあずにゃんのクローンまで作って……
でもそれはまた別の話。
私は……
これからも二人の分まで頑張って生きていこう。
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