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憂「傍にいる人へ」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:22:20.58 ID:sz15Npx90 [1/21]
8月某日
純「面白かったねー、祭り!」
憂「うん!」
純「あー、でも焼きとうもろこし…私も食べればよかったかなー?」
憂「純ちゃん…あんまり食べると…」
純「ストップ!それ以上はダメだよ、憂!」
憂「う…うん」
純「って、もう着いちゃったか…憂の家」
憂「あ…葉書来てる…。梓ちゃんからだ」
純「なになに?あぁ…残暑見舞いだね。私もジャズ研の先輩達に出そうかなー?」
憂「………」
8月某日
純「面白かったねー、祭り!」
憂「うん!」
純「あー、でも焼きとうもろこし…私も食べればよかったかなー?」
憂「純ちゃん…あんまり食べると…」
純「ストップ!それ以上はダメだよ、憂!」
憂「う…うん」
純「って、もう着いちゃったか…憂の家」
憂「あ…葉書来てる…。梓ちゃんからだ」
純「なになに?あぁ…残暑見舞いだね。私もジャズ研の先輩達に出そうかなー?」
憂「………」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:24:37.23 ID:sz15Npx90 [2/21]
純「おっと…じゃあ私そろそろ帰るね!」
憂「…あ!待って!送って行くよ!」
純「でも…いいの?そろそろ唯先輩帰ってくるんじゃ…?」
憂「ちょっと待ってて。葉書置いてくるから…」
純「うん…」
◇ ◇
純「…」
憂「…」
純「憂?さっきから何か変だけど…どうしたの?」
憂「純ちゃん…あのね…?」
純「?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:26:35.09 ID:sz15Npx90
◆ ◆
翌日
梓「…暇だなぁ」
梓「夏休みの宿題…は殆ど終わったし」
梓「トンちゃんの餌…はさっきあげたし」
梓「…練習しようかな」
ピリリリリリ ピリリリリリ
梓「電話…憂からだ」
ピッ
梓「もしもし?憂?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:29:14.62 ID:sz15Npx90
憂『……』
梓「もしもーし?」
憂『梓ちゃん…』
梓「どうしたの?何かあったの?」
憂『今からお家に行っても…いいかな?』
梓「え?…いいよ?…実は留守番してて、退屈だったんだ」
憂『それじゃあ…行くね?』
梓「うん!待ってるから」
ピッ
梓「憂…どうかしたのかな…?」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:30:59.59 ID:sz15Npx90
◇ ◇
ピンポーン
梓「はーい!」
ガチャ
憂「……」
梓「いらっしゃい。憂」
憂「梓ちゃん…」
梓「憂?」
憂「…ごめんなさい」
梓「え…?」
憂「ごめんなさい…!」
梓「あの…えぇと…」
憂「…」
梓「と…とりあえず上がってよ!…ね?」
憂「…うん」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:32:59.80 ID:sz15Npx90
◇ ◇
梓「…はい、麦茶」
憂「…」
梓「憂?」
憂「ごめんなさい…」
梓「もぅ…謝ってばっかじゃわかんないよ?」
憂「…」
梓「説明…してくれる?」
憂「うん…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:35:06.29 ID:sz15Npx90
憂「昨日…プール行ったでしょ?」
梓「うん、面白かったね!」
憂「あの時…お姉ちゃんの話…したよね?」
梓「え?…あぁ…ごめん、あの時ちょっと言い過ぎたかも」
憂「ううん…いいの。…私、やっと気付いたんだ」
梓「気付いた?」
憂「お姉ちゃんを分かってくれる人はいるんだ、って」
憂「梓ちゃんは…お姉ちゃんの良いところも、そうじゃないところも分かってくれて、それでも見放さないんだ、って」
梓「あ…でも、それは…」
憂「うん…『普通』なんだよね」
憂「私はそんな『普通』のことも…気付かないでいたの」
梓「憂…」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:37:19.16 ID:sz15Npx90
憂「私はお姉ちゃんの良いところたくさん知ってるけど…」
憂「昔から周りの人は…ほとんど分かってくれなくて」
憂「だから私が…お姉ちゃんのことを助けてあげようって思ったの」
梓「…」
憂「でも…いつの間にか私は、周りが見えなくなってた」
憂「軽音部に入ったって聞いたとき…本当は不安だったの」
憂「新しい場所で新しい事を始めて…良く思われないんじゃないかって」
憂「部活なんて、やらなくていいのにって」
梓「……」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:39:41.14 ID:sz15Npx90
憂「だけど、軽音部の皆さんは優しくて…お姉ちゃんを悪く言わなくて」
憂「お姉ちゃんも変わらなくて…私は安心してた。…ううん、しちゃってたんだね」
憂「…そんな時、梓ちゃんに会ったの」
梓「私…?」
憂「新勧ライブの日のこと…覚えてる?」
梓「うん…なんかもう懐かしいね」
憂「私はきっと…『身代わり』が欲しかったんだと思う」
梓「身代わり?」
憂「私の代わりにお姉ちゃんのそばにいてくれる人…」
憂「私が軽音部に入ったらきっと…比べられちゃうから…」
梓「…」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:41:44.45 ID:sz15Npx90
憂「酷いよね…こんなの…お姉ちゃんのこと助けたいって思ってるくせに…」
憂「お姉ちゃんに縋りついて…縛りつけて…」
憂「周りの人も…気付かないうちに傷つけてた…」
梓「それで…『ごめんなさい』?」
憂「うん…」
梓「……憂さ、何か忘れてない?」
憂「え…?」
梓「ライブに誘われてついて行ったのも…軽音部に入ったのも」
梓「いま続けてるのだって…私の意思なんだよ?」
憂「…!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:43:59.39 ID:sz15Npx90
梓「…傷つけられたなんて全然思ってないし…むしろ感謝してるよ」
憂「…」
梓「あの時、憂が背中を押してくれなかったら、きっと軽音部に入ってなくて」
梓「固い考えのまんま音楽続けて…そのうち挫折しちゃってたんじゃないかな」
憂「え…っ?」
梓「音楽はもっとストイックに追求すべきだー、とか考えてさ」
憂「…梓ちゃんギター上手いのに」
梓「そういう事じゃないんだよ、憂」
梓「上手い下手がないわけじゃないけど…その人にはその人だけの音があって」
梓「その一生懸命な音をみんなで合わせるから、きっといいものになるんだよ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:46:08.03 ID:sz15Npx90
梓「なんて、これは澪先輩の受け売りなんだけどね」
憂「…」
梓「でも、よく考えたらこれも『普通』なんだよ」
梓「私も『普通』のことに気付かないでいたんだ」
憂「梓ちゃん…」
梓「それに、知らないうちに人を傷つけるなんて…誰だってあるよ」
梓「私なんか凄いかもね?」
憂「そんな…」
梓「自分で言うのもなんだけど、頑固だし、不器用だし、融通利かないし」
憂「そんなことないよ!梓ちゃんのこと優しくて好きだって言ってる子、いっぱいいるよ!」
梓「そう?」
憂「そうだよ!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:48:18.80 ID:sz15Npx90
梓「…きっとそれも憂のおかげだね」
憂「私の…?」
梓「憂と一緒にいると…なんて言うか、あったかい気分になって」
梓「優しくなれる気がするんだよね。上手く説明できないけど」
憂「………」
梓「憂?」
憂「…ゆうべね、梓ちゃんと別れたあと、純ちゃんをバス停まで送っていって」
憂「純ちゃんにも謝ったの」
梓「…うん」
憂「そしたら、いまの梓ちゃんと同じこと言ってたから…」
梓「だったらそうなんだよ!絶対!」
憂「…」
梓「憂は、優しい子だよ」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:50:50.12 ID:sz15Npx90
梓「それに、憂はさっき唯先輩のこと縛り付けてるとか言ってたけど…」
梓「きっと唯先輩はそんな風には思ってないよ」
憂「そう…かな…?」
梓「部活終わったあとの帰り道って、最後は私と唯先輩のふたりになるんだけど」
梓「そしたら大抵、憂の話だもん」
憂「…」
梓「『ねぇねぇあずにゃん、聞いて聞いて~!憂がね~』って」
憂「本当…?」
梓「うん。唯先輩も憂のこと大好きなんだね…。じゃないとあんな風に笑って話さないよ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:53:00.26 ID:sz15Npx90
憂「でも私…お姉ちゃん離れしないと…いけないよね…」
梓「…」
憂「…」
梓「ゆっくりで…いいと思うよ」
憂「…」
梓「私でさえ…こんな…なんだもん」
梓「ずっと…一緒だったんでしょ?」
憂「うん…」
梓「だから…ゆっくりでいいと思う」
憂「梓ちゃん…」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:55:35.07 ID:sz15Npx90
憂「私…軽音部…」
梓「それも…ゆっくり考えてよ」
梓「憂が決めたことなら私は絶対、恨んだりなんかしないし…!」
憂「…うん」
憂「ありがとう、梓ちゃん」
梓「お互いに不安になることも…きっとあると思うけど…いっしょに頑張ろ?」
憂「うん…!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:57:40.55 ID:sz15Npx90
◇ ◇
梓「あ…麦茶、ちょっとぬるくなっちゃってる…」
憂「ごめんね、私のせいで…」
梓「いいっていいって!また氷入れればいいんだし」
憂「そう…だね。きっと他のことも…そうなんだよね」
梓「……うん」
憂「…梓ちゃんが友達になってくれて…よかった」
梓「それは私も同じだよ」
憂梓「…えへへ」
ピリリリリリ ピリリリリリ
梓「あ…純だ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 10:00:35.13 ID:sz15Npx90
ピッ
梓「もしm」
純『あずさあああああああああああ!!!』
梓「うわっ!な…なに!?」
純『暇!』
梓「純…宿題は?」
純『それはそれ、これはこれ』
梓「……」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 10:02:57.63 ID:sz15Npx90
純『今から遊びに行ってもいいよね?』
梓「まぁ…いいけど」
憂「純ちゃんもおいでよー!」
純『え!?何!?憂もいるの!?行く!絶対行く!今すぐ行くから!!』
プツッ
ツー ツー
梓「まったくもぅ…」
憂「今日も元気だね、純ちゃん」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 10:04:59.05 ID:sz15Npx90 [20/21]
ピンポーン ピンポーン
憂梓「はやっ!!」
梓「絶対近くまで来てたな…」
憂「あはは…」
梓「やれやれ」
梓「行こっか?憂」
憂「うん!」
ガチャ
純「ぃやっほーぅ!」
憂梓「いらっしゃーい!」
おしまい
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/27(木) 10:07:44.37 ID:sz15Npx90 [21/21]
なんだかんだで読んでくれた人に感謝
スレ建てて書いたの初めてだから妙に緊張するわ
純「おっと…じゃあ私そろそろ帰るね!」
憂「…あ!待って!送って行くよ!」
純「でも…いいの?そろそろ唯先輩帰ってくるんじゃ…?」
憂「ちょっと待ってて。葉書置いてくるから…」
純「うん…」
◇ ◇
純「…」
憂「…」
純「憂?さっきから何か変だけど…どうしたの?」
憂「純ちゃん…あのね…?」
純「?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:26:35.09 ID:sz15Npx90
◆ ◆
翌日
梓「…暇だなぁ」
梓「夏休みの宿題…は殆ど終わったし」
梓「トンちゃんの餌…はさっきあげたし」
梓「…練習しようかな」
ピリリリリリ ピリリリリリ
梓「電話…憂からだ」
ピッ
梓「もしもし?憂?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:29:14.62 ID:sz15Npx90
憂『……』
梓「もしもーし?」
憂『梓ちゃん…』
梓「どうしたの?何かあったの?」
憂『今からお家に行っても…いいかな?』
梓「え?…いいよ?…実は留守番してて、退屈だったんだ」
憂『それじゃあ…行くね?』
梓「うん!待ってるから」
ピッ
梓「憂…どうかしたのかな…?」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:30:59.59 ID:sz15Npx90
◇ ◇
ピンポーン
梓「はーい!」
ガチャ
憂「……」
梓「いらっしゃい。憂」
憂「梓ちゃん…」
梓「憂?」
憂「…ごめんなさい」
梓「え…?」
憂「ごめんなさい…!」
梓「あの…えぇと…」
憂「…」
梓「と…とりあえず上がってよ!…ね?」
憂「…うん」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:32:59.80 ID:sz15Npx90
◇ ◇
梓「…はい、麦茶」
憂「…」
梓「憂?」
憂「ごめんなさい…」
梓「もぅ…謝ってばっかじゃわかんないよ?」
憂「…」
梓「説明…してくれる?」
憂「うん…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:35:06.29 ID:sz15Npx90
憂「昨日…プール行ったでしょ?」
梓「うん、面白かったね!」
憂「あの時…お姉ちゃんの話…したよね?」
梓「え?…あぁ…ごめん、あの時ちょっと言い過ぎたかも」
憂「ううん…いいの。…私、やっと気付いたんだ」
梓「気付いた?」
憂「お姉ちゃんを分かってくれる人はいるんだ、って」
憂「梓ちゃんは…お姉ちゃんの良いところも、そうじゃないところも分かってくれて、それでも見放さないんだ、って」
梓「あ…でも、それは…」
憂「うん…『普通』なんだよね」
憂「私はそんな『普通』のことも…気付かないでいたの」
梓「憂…」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:37:19.16 ID:sz15Npx90
憂「私はお姉ちゃんの良いところたくさん知ってるけど…」
憂「昔から周りの人は…ほとんど分かってくれなくて」
憂「だから私が…お姉ちゃんのことを助けてあげようって思ったの」
梓「…」
憂「でも…いつの間にか私は、周りが見えなくなってた」
憂「軽音部に入ったって聞いたとき…本当は不安だったの」
憂「新しい場所で新しい事を始めて…良く思われないんじゃないかって」
憂「部活なんて、やらなくていいのにって」
梓「……」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:39:41.14 ID:sz15Npx90
憂「だけど、軽音部の皆さんは優しくて…お姉ちゃんを悪く言わなくて」
憂「お姉ちゃんも変わらなくて…私は安心してた。…ううん、しちゃってたんだね」
憂「…そんな時、梓ちゃんに会ったの」
梓「私…?」
憂「新勧ライブの日のこと…覚えてる?」
梓「うん…なんかもう懐かしいね」
憂「私はきっと…『身代わり』が欲しかったんだと思う」
梓「身代わり?」
憂「私の代わりにお姉ちゃんのそばにいてくれる人…」
憂「私が軽音部に入ったらきっと…比べられちゃうから…」
梓「…」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:41:44.45 ID:sz15Npx90
憂「酷いよね…こんなの…お姉ちゃんのこと助けたいって思ってるくせに…」
憂「お姉ちゃんに縋りついて…縛りつけて…」
憂「周りの人も…気付かないうちに傷つけてた…」
梓「それで…『ごめんなさい』?」
憂「うん…」
梓「……憂さ、何か忘れてない?」
憂「え…?」
梓「ライブに誘われてついて行ったのも…軽音部に入ったのも」
梓「いま続けてるのだって…私の意思なんだよ?」
憂「…!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:43:59.39 ID:sz15Npx90
梓「…傷つけられたなんて全然思ってないし…むしろ感謝してるよ」
憂「…」
梓「あの時、憂が背中を押してくれなかったら、きっと軽音部に入ってなくて」
梓「固い考えのまんま音楽続けて…そのうち挫折しちゃってたんじゃないかな」
憂「え…っ?」
梓「音楽はもっとストイックに追求すべきだー、とか考えてさ」
憂「…梓ちゃんギター上手いのに」
梓「そういう事じゃないんだよ、憂」
梓「上手い下手がないわけじゃないけど…その人にはその人だけの音があって」
梓「その一生懸命な音をみんなで合わせるから、きっといいものになるんだよ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:46:08.03 ID:sz15Npx90
梓「なんて、これは澪先輩の受け売りなんだけどね」
憂「…」
梓「でも、よく考えたらこれも『普通』なんだよ」
梓「私も『普通』のことに気付かないでいたんだ」
憂「梓ちゃん…」
梓「それに、知らないうちに人を傷つけるなんて…誰だってあるよ」
梓「私なんか凄いかもね?」
憂「そんな…」
梓「自分で言うのもなんだけど、頑固だし、不器用だし、融通利かないし」
憂「そんなことないよ!梓ちゃんのこと優しくて好きだって言ってる子、いっぱいいるよ!」
梓「そう?」
憂「そうだよ!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:48:18.80 ID:sz15Npx90
梓「…きっとそれも憂のおかげだね」
憂「私の…?」
梓「憂と一緒にいると…なんて言うか、あったかい気分になって」
梓「優しくなれる気がするんだよね。上手く説明できないけど」
憂「………」
梓「憂?」
憂「…ゆうべね、梓ちゃんと別れたあと、純ちゃんをバス停まで送っていって」
憂「純ちゃんにも謝ったの」
梓「…うん」
憂「そしたら、いまの梓ちゃんと同じこと言ってたから…」
梓「だったらそうなんだよ!絶対!」
憂「…」
梓「憂は、優しい子だよ」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:50:50.12 ID:sz15Npx90
梓「それに、憂はさっき唯先輩のこと縛り付けてるとか言ってたけど…」
梓「きっと唯先輩はそんな風には思ってないよ」
憂「そう…かな…?」
梓「部活終わったあとの帰り道って、最後は私と唯先輩のふたりになるんだけど」
梓「そしたら大抵、憂の話だもん」
憂「…」
梓「『ねぇねぇあずにゃん、聞いて聞いて~!憂がね~』って」
憂「本当…?」
梓「うん。唯先輩も憂のこと大好きなんだね…。じゃないとあんな風に笑って話さないよ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:53:00.26 ID:sz15Npx90
憂「でも私…お姉ちゃん離れしないと…いけないよね…」
梓「…」
憂「…」
梓「ゆっくりで…いいと思うよ」
憂「…」
梓「私でさえ…こんな…なんだもん」
梓「ずっと…一緒だったんでしょ?」
憂「うん…」
梓「だから…ゆっくりでいいと思う」
憂「梓ちゃん…」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:55:35.07 ID:sz15Npx90
憂「私…軽音部…」
梓「それも…ゆっくり考えてよ」
梓「憂が決めたことなら私は絶対、恨んだりなんかしないし…!」
憂「…うん」
憂「ありがとう、梓ちゃん」
梓「お互いに不安になることも…きっとあると思うけど…いっしょに頑張ろ?」
憂「うん…!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 09:57:40.55 ID:sz15Npx90
◇ ◇
梓「あ…麦茶、ちょっとぬるくなっちゃってる…」
憂「ごめんね、私のせいで…」
梓「いいっていいって!また氷入れればいいんだし」
憂「そう…だね。きっと他のことも…そうなんだよね」
梓「……うん」
憂「…梓ちゃんが友達になってくれて…よかった」
梓「それは私も同じだよ」
憂梓「…えへへ」
ピリリリリリ ピリリリリリ
梓「あ…純だ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 10:00:35.13 ID:sz15Npx90
ピッ
梓「もしm」
純『あずさあああああああああああ!!!』
梓「うわっ!な…なに!?」
純『暇!』
梓「純…宿題は?」
純『それはそれ、これはこれ』
梓「……」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 10:02:57.63 ID:sz15Npx90
純『今から遊びに行ってもいいよね?』
梓「まぁ…いいけど」
憂「純ちゃんもおいでよー!」
純『え!?何!?憂もいるの!?行く!絶対行く!今すぐ行くから!!』
プツッ
ツー ツー
梓「まったくもぅ…」
憂「今日も元気だね、純ちゃん」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/27(木) 10:04:59.05 ID:sz15Npx90 [20/21]
ピンポーン ピンポーン
憂梓「はやっ!!」
梓「絶対近くまで来てたな…」
憂「あはは…」
梓「やれやれ」
梓「行こっか?憂」
憂「うん!」
ガチャ
純「ぃやっほーぅ!」
憂梓「いらっしゃーい!」
おしまい
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/27(木) 10:07:44.37 ID:sz15Npx90 [21/21]
なんだかんだで読んでくれた人に感謝
スレ建てて書いたの初めてだから妙に緊張するわ
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