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真紅「嘘つきは泥棒の始まりなのだわ」水銀燈「はぁ…?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 00:38:22.14 ID:OVubelGq0 [1/11]
水銀燈「そのことわざの意味、知ってるのぉ?」

真紅「実はこれといって知らないのだわ」

水銀燈「あっはは、おばかさぁんっ」

真紅「あなたは知っているとでも言うの?」

水銀燈「ことわざでしょぉ? えーとえーと、確か嘘を吐くと泥棒が始まるって意味だわぁ」

真紅「まんまじゃないの」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 00:49:12.00 ID:OVubelGq0 [2/11]
水銀燈「これから深い意味を教えてあげるのよ。いそがば回りなさい、おばかさぁん」

真紅「イソガバって何なのだわ。そのイソガバってものは回すものなの?」

水銀燈「あっははは、本当におばかさぁんっ」

水銀燈「イソガバって言うのはねぇ、えーとえーと……だ、第八のローゼンメイデンよ」

真紅「!?」

水銀燈「第八ドール磯蛾葉は回るのが得意よ」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 01:03:50.97 ID:OVubelGq0 [3/11]
真紅「知らなかったのだわ……」

真紅「で、そのまだ見ぬ妹はどこにいるのだわ」

水銀燈「知ったこっちゃないわぁ。まだ目覚めてないんじゃないのぉ?」

真紅「なるべく早いうちに顔合わせしたいものだわ」

水銀燈「磯蛾葉は好戦的なドールだからほっといたほうが面倒がないわよぉ」

真紅「そう。残念ね……」

水銀燈(あなたの頭のほうが残念ねぇ)

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 01:17:34.04 ID:OVubelGq0
真紅「目覚めていないものは仕方ないのだわ。話を戻すのだわ」

水銀燈「ああ、劇場版名探偵くんくん~決戦!VS嘘吐き泥棒~の話ね」

真紅「!!」

真紅(く、くんくんは映画化されているの……!?)

水銀燈(さすがにこれは騙しきれないわよねぇ……嘘つきは泥棒の始まりってどういう意味だったかしら)

真紅(薔薇乙女一のくんくんファンたる私がそんな大事な情報を見逃すなんて末代までの恥だわ……)

真紅「ええそうだったわね。VS嘘吐き泥棒の話をしていたのだわ」

水銀燈「もう、本当に忘れんぼさんねぇ真紅は」

水銀燈(稀にもなかなか見ない大馬鹿さんだわ)

真紅(上映が楽しみだわっ♪)

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 01:35:20.94 ID:OVubelGq0
水銀燈(この真紅のこのおばかさん加減、案外面白いわね……ちょっとからかってやろうかしら)

水銀燈「ところで真紅ぅ、知ってるぅ?」

真紅「何がなのだわ」

水銀燈「あなたのミーディアム……ジュンとか言ったかしらぁ」

真紅「ジュンがどうしたのだわ」

水銀燈「昨夜……翠星石と同じ鞄で寝てたわよぉ」

真紅「!」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 01:38:15.49 ID:OVubelGq0
真紅「くくく詳しく話すのだわっ」

水銀燈「あれは私が夜風に当たりに空を羽ばたいていた時だったわぁ……」

水銀燈「たまたまこの家の近くに来ちゃったものだから、ちょっとあなたの寝顔に落書きしてやろうと思って侵入したのぉ」

水銀燈「そしたらなんとぉ、翠星石とジュンがぁ、鞄の中でぇ」

真紅「……」ドキドキ

水銀燈「ギシギシ音を立ててぇ……」

真紅「お、音を立てて、どうしたのだわ!」ハラハラ

水銀燈「分からないわぁ」

真紅「なっ!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 01:40:30.08 ID:OVubelGq0
水銀燈「だって鞄は閉じていたのよ。外からじゃ中の様子は分からないわぁ」

真紅「そうかもしれないけど、そんなところを目撃したならちゃんと中身を確認しなさいっ!」

水銀燈「嫌よめんどくさぁい」

真紅「ちょっとジュンに問いただしてくるのだわ!」スタタタタ

水銀燈「行っちゃった」

水銀燈「本当におばかさんねぇ。そもそもこの私が大事な睡眠時間を削って夜風に当たるわけないじゃない」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 01:52:31.22 ID:OVubelGq0
水銀燈「あら、あの子ったら椅子にくんくんクッションを敷いてるわぁ!」

水銀燈「せっかくのくんくんクッションも真紅みたいなおおばかさんに使われたら堪ったもんじゃないわねぇ」

水銀燈「……仕方ないから、銀ちゃんが使ってあげるわぁ」

チョットジュン!
ウワアナンダヨシンク
アナタユウベスイセイセキトナニヲシテ...

水銀燈「よっこいしょ。あらぁふっかふかぁ♪」モフモフ

ナニモシテネエヨ
ダマラッシャイ!ネタハアガッテルノダワ!
ナンノコトダー!

水銀燈「真紅にはもったいない代物ね。これは私がもらって帰ることにするわぁ」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 02:02:07.40 ID:OVubelGq0
ボクガスイセイセキノカバンニ?
ソウナノダワ!ハクジョウスルノダワ!

水銀燈「さて私はもうそろそろ帰りましょう。めぐの病室でくんくんを見る時間よぉ」バッサバッサ

マッテクレ、ダイイチソンナチイサイカバンニボクガハイレルワケナイダロ
ナノダワ!?

水銀燈「じゃあまた来るわ。それまでお達者でねぇ♪」バリィン

ナンダイマノオト!?
シタカラキコエタノダワ!
イッテミヨウ!

真紅「ちょっと水銀燈、どういうことよ。話がまったく違ってたのだわ!」スタタタタ

ジュン「水銀燈が来てたのか……って何だこりゃ、窓が滅茶苦茶だ」

真紅「ジュン、私は水銀燈に騙されていたのだわ!」

ジュン「あんな嘘に騙されんなよ……」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 02:10:18.07 ID:OVubelGq0 [10/11]
真紅「……ああっ、私の愛用しているくんくんクッションがなくなってる!」

ジュン「盗まれたんじゃねえの? 水銀燈に」

真紅「くうっ! 人をだましておいてそのうえ盗みを働くなんて薔薇乙女の風上にもおけないドールだわ!」

真紅「嘘つきは泥棒の始まりってことわざは、きっと水銀燈みたいに平気で嘘をつけるようなドールのことを言うに違いないのだわ!」

真紅「……まさか水銀燈、それを私に教えるためにあえて嘘や泥棒を?」

真紅「ふん、だてに薔薇乙女の長女やってるわけじゃないようね!」

ジュン「あとで窓直しとけよ」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/22(土) 02:17:09.77 ID:OVubelGq0 [11/11]
めぐの病室

水銀燈「ひざまーずいてーおなめーよー♪」

めぐ「あら、ご機嫌ね水銀燈」

水銀燈「ピルクルが美味しいからよ」チュー

めぐ「本当にそれだけかしら?」

水銀燈「知らないわぁ♪」モフモフ

おわり

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