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ハルヒ「なんなのよ! このおせち!!」
5 名前:>>1 代行ありがとうございます。[] 投稿日:2011/01/07(金) 21:54:50.98 ID:tFKpHw+uP [1/19]
ハルヒ「早いものでもう12月も中旬かー。 色々あったわよねぇ」
キョン「なんだ、感慨にふけるなんてお前らしくないな」
ハルヒ「なによそれ! ……でも、そうね。 あたし、結構みんなに迷惑かけちゃったかなって」
キョン「おいおい、ほんとにどうした」
ハルヒ「あたしね、高校に入学してからの毎日、本当に楽しかった。
なんていうか……、やっと生きてる充実感を得られたっていうか……。
中学の頃はこうじゃなかったわ。 毎日が退屈で……、でも、今は違う。
みんながいるから、それが凄く楽しいの」
みくる「涼宮さん……」
ハルヒ「あんまり楽しいから、周りが見えなくなってキョンたちのこと振り回して……。
自分のことしか考えてなかったわ……。 ごめんね」
古泉「そんな……」
ハルヒ「……今のこの瞬間って、大事にしないと、すぐに消えちゃうような気がするの。
だから、言えるうちに言っておくわ。 みんな……、ありがとう」
みくる「涼宮さーん……」グスッ
キョン「まぁ、確かに迷惑な目にいっぱい遭わせられたなぁ」
みくる「キョ、キョンくん!」
ハルヒ「早いものでもう12月も中旬かー。 色々あったわよねぇ」
キョン「なんだ、感慨にふけるなんてお前らしくないな」
ハルヒ「なによそれ! ……でも、そうね。 あたし、結構みんなに迷惑かけちゃったかなって」
キョン「おいおい、ほんとにどうした」
ハルヒ「あたしね、高校に入学してからの毎日、本当に楽しかった。
なんていうか……、やっと生きてる充実感を得られたっていうか……。
中学の頃はこうじゃなかったわ。 毎日が退屈で……、でも、今は違う。
みんながいるから、それが凄く楽しいの」
みくる「涼宮さん……」
ハルヒ「あんまり楽しいから、周りが見えなくなってキョンたちのこと振り回して……。
自分のことしか考えてなかったわ……。 ごめんね」
古泉「そんな……」
ハルヒ「……今のこの瞬間って、大事にしないと、すぐに消えちゃうような気がするの。
だから、言えるうちに言っておくわ。 みんな……、ありがとう」
みくる「涼宮さーん……」グスッ
キョン「まぁ、確かに迷惑な目にいっぱい遭わせられたなぁ」
みくる「キョ、キョンくん!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 21:56:17.27 ID:tFKpHw+uP [2/19]
キョン「でもさ、それひっくるめて楽しかったぜ。 お前がいなかったら、
きっと俺は退屈な毎日を過ごしてた。 ……ありがとな」
古泉「僕もです」
みくる「わ、わたしも!」
長門「わたしも」
ハルヒ「みんな……」ジーン
ハルヒ「そ、その日ごろのお返しの気持ちを込めてね、おせちを注文したの! みんなと新年を迎えたくて!」
古泉「おせちですか。 確かに今から注文しないと間に合いませんね」
ハルヒ「ちゃんと本格的なやつよ! 21,000円のところを10,500円で売ってたの! ほら、これ!」
http://gigazine.jp/img/2011/01/05/groupon_osechi/osechi_00_m.jpg
キョン「おお、凄いじゃないか」
みくる「美味しそうです~」
古泉「これは立派なおせちですねぇ。 心遣いありがとうございます、涼宮さん」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 21:57:53.19 ID:tFKpHw+uP
キョン「それじゃ、元旦はSOS団のみんなでゆっくり過ごすか」
長門「私の家を使って構わない」
ハルヒ「そうっ? じゃあ、有希の家におせちが届くようにしておくわ!」
キョン「悪いな、長門」
長門「いい」
ハルヒ「でもみんな! その前にクリスマスや忘年会や初詣があるんだからね! そっちも気合いれるわよー!」
キョン「ああ、これからもよろしくな、ハルヒ」
ハルヒ「うん!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 21:59:41.48 ID:tFKpHw+uP
そして、元旦
ハルヒ「あけましておめでとう~!」
キョンたち「おめでとう~」
ハルヒ「いや~、有希のマンションって、立派でいいわよねぇ」
キョン「あんまり大騒ぎするなよ」
ハルヒ「正月は無礼講よ!」
キョン「お前は一年中無礼講だろ……」
ハルヒ「そういえば、お腹すいたわね~」
みくる「今、お雑煮を作ってるところですから~」
古泉「長門さん、注文したおせちは?」
長門「昨日のうちに届く予定だったが、未だに来ない」
ハルヒ「おかしいわねぇ、そろそろ来るんじゃ――」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:02:09.41 ID:tFKpHw+uP
ピンポーン
ハルヒ「あ、きたきたっ。 は~い」
たったったっ がちゃ
キョン「……まるで我が家のような応対だな」
ハルヒ「みんな~、届いたわよ~」
キョン「腹減ったな、早く食おう」
古泉「……おや?」
キョン「どうした?」
古泉「あ、いえ、通常の配達物として送られたんですね。 こういうものはクール便だと思ってましたが」
みくる「確かにちょっと変ですねぇ……」
キョン「まぁいいじゃないか。 さすが豪華な箱だなぁ! こりゃ、中を見るのが楽しみだ」
みくる「そうですねっ! わたしも料理好きなので、おせちってすっごく興味あるんですよ~」
古泉「わくわくしますねぇ」
ハルヒ「なにせ、横浜の人気レストランの厳選食材をふんだんに使った33品・3段・7寸の立派なおせちだからね!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:05:46.39 ID:tFKpHw+uP
キョン「早く開けてくれっ」
ハルヒ「うふふ、それじゃ開けるわよ~!」
ごそごそごそ ぱかっ
ハルヒ「じゃーん! 豪華謹製おせちの――――えっ…………?」
http://getnews.jp/img/archives/00817.jpg
キョン「……ん?」
古泉「これは…………」
みくる「……ふぇ」
長門「…………」
ハルヒ「え、えっと…………」アタフタ
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:07:36.36 ID:tFKpHw+uP
ハルヒ「き、きっと2段目は凄いわよっ! ほらっ!」カパッ
http://getnews.jp/img/archives/00626.jpg
キョンたち「…………」
ハルヒ「3段目ならきっと!!」カパッ
http://getnews.jp/img/archives/00726.jpg
みくる「あ、6Pチーズだ……」
ハルヒ「な……、なんなのよこのおせち!! 写真と全然違うじゃない!!」
http://getnews.jp/img/archives/000210.jpg
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:11:20.86 ID:tFKpHw+uP
キョン「何かの間違いじゃないのか……? おせちというより、食い残しの弁当にしか見えないんだが……」
みくる「な、なんだか、酸っぱい匂いがしますぅ」
長門「……腐ってる。 食べるのは危険」
みくる「箱の中身……スッカスカですね……。 黒豆がえーっと……14粒かな」
長門「貝の中のアワビも1切れしかない」
古泉「この生ハム……、完全に乾いててカピカピですね」
キョン「この6Pチーズはなんだ……。 笑えばいいのか……?」
長門「違う、6Pではなく8Pチーズ」
キョン「どっちでもいいよ……」
みくる「4人前のおせちにハム2枚にチーズ1切れって…………」
古泉「スカスカだから配達の時に揺れて、中身が更に酷いことになってますね。 まるで残飯だ……」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:14:34.29 ID:tFKpHw+uP
ハルヒ「…………」
キョン「あっ! い、いや……、ちょっと大袈裟に言いすぎたな!」
みくる「え、あっ! そ、そうですね! よく見たら美味しそうかも!」
古泉「え、ええ! おせちなのに重箱の底が見えるところなんて前衛的なデザインで――」
ハルヒ「……っ!」
キョン(ば、ばかやろう! お前のフォローは嫌味にしか聞こえないんだよ!)
古泉(も、申し訳ありません……、気が動転して……つい…………)
キョン「それじゃ~、いただこうか! ハルヒが俺たちのために用意してくれた、心のこもったおせちだもんな!」
長門「いや、だから腐って――むぐっ」ギュ
みくる「いただきましょう!(長門さん、空気読んで!)」
ハルヒ「いいわよ……、無理しなくて……。 有希の言うとおりお腹壊すわ……」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:17:32.75 ID:tFKpHw+uP
キョン「そ、そんなことないさ! うわぁ~、この数の子おいしそうだなぁ~!」
ひょい ぱくっ
キョン「うん! 味がしっかり染み込んで――――うっ! おげぇ!」
ぺっ!
キョン「げほっ! げほっ! な、なんだこの味……! 塩の塊を食ったみたいだ……」
みくる「こ、この数の子、塩抜きしてませんよ……。 皮がついたままだ…………」
古泉「い、いやぁ! これだけたくさん料理があったら外れもありますよ! なにせ33品目ですからねぇ!」
長門「いや、今数えたら25品目しかない」
キョン「こ、こまけぇこたぁいいんだよ!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:20:25.91 ID:tFKpHw+uP
古泉「じゃあ、僕はサトイモをいただきますね!」
ぱくっ がりっ
古泉「うっ、うわあ、おいしい……です…………」ウッ
古泉(硬い! サトイモなのに硬いですよこれ!)
キョン(吐くな! 飲み込め!)
ごくん
古泉「さ、さすが本格おせちのサトイモ! 普段食べてるものとは出来が違うなぁ!」
キョン(だから、その嫌味やめろ!)
古泉(す、すいません、そんなつもりじゃ……)
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:23:15.62 ID:tFKpHw+uP
ハルヒ「もういいわよ…………」
みくる「わ、わたしは、このローストビーフをいただきますね!」
ぱくっ
みくる「うぉ、おいしい……なぁ……アハハ…………」ウウッ
みくる(どうしよう、吐き出したい……。 半分生な上に、本当に腐ってるよこれ……)
キョン(朝比奈さん、後で胃腸薬を買ってあげますから、耐えてください!)
ごくん
みくる「あ~、お正月から幸せな気分です~」アハハ…
キョン「そうでしょう! いや~、楽しいなぁ!」アハハ…
ドンッ!
ハルヒ「もういいって言ってるでしょ!!!」
シーン……
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:26:57.21 ID:tFKpHw+uP
みくる「す、涼宮さん……」
ハルヒ「ごめんね……、せっかくのお正月に水を差しちゃって……」グスッ
キョン「お前は悪くないぞ! ハルヒ!」
みくる「涼宮さんのお気持ちはしっかり伝わりました!」
古泉「そ、そうですよ! 悪いのは、こんなクソったれなゴミ汚せちを送りつけてきたバード○フェですよ!」
ハルヒ「ゴミ汚せち…………」
キョン(古泉……、後で真剣な話がある…………)
古泉(えっ!? 僕、また何かまずいこと言いました!?)
ハルヒ「ごめんね……、ほんとゴメン…………」ポロポロポロ
キョン「ハルヒ…………」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:29:59.04 ID:tFKpHw+uP
長門「……涼宮ハルヒ、気にしなくていい」
ハルヒ「……有希?」
ビリビリ ひょい ぱくっ
長門「この8Pチーズは中々イケる」モグモグ
ハルヒ「…………っ!?」
ハルヒ「うわああああああああああああああん!!!」ダッダッダッダッ
キョン「お、おいハルヒ! ハルヒイイイイイ!!!」
ガチャ バタンッ
キョン「長門おおおおおおおおおおお!!!!」
長門「……何かまずかった?」
みくる「8Pチーズしか、まともなものがなかったんですね…………」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:33:36.37 ID:tFKpHw+uP
シーン……
キョン「……どうすんだ、このゴミおせち…………」
ぶるるる ぶるるる
古泉「すいません、機関からの呼び出しです……。 理由は言うまでもないと思いますが…………」
キョン「ああ、閉鎖空間だろ……。 行ってこい…………」
古泉「はい、失礼します…………」
ガチャ バタン
シーン……
長門「……マリオカートでもやる?」
キョン「いいよ……、俺も帰る…………」
みくる「う……、さっきのローストビーフのせいでお腹が…………」ゴロゴロ
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:37:30.87 ID:tFKpHw+uP
翌日 キョンの部屋
妹「あさー、朝だよキョンく~ん。 起きろ~」ユサユサ
キョン「ん……、休みなんだからゆっくり寝かせてくれ……」
妹「もう~、寝ぼけてるな~。 今日も学校あるでしょ~。 起きて~」
キョン「え……? 今日は1月2日だろ。 冬休みの真っ最中じゃないか……」
妹「何言ってるのキョンく~ん。 今日は12月14日だよ~。 学校に行くよ~」
キョン「えっ!? ちょ、ちょっと待て!」ガバッ
妹「ふぇ?」
キョン「ま、まさか……! テ、テレビ!!」
ぴっ
キョン「ほ、ほんとだ……。 12月14日だ……。 まさか、夏休みのエンドレスエイトのようにタイムスリップを……?」
ぷるるるる ぷるるぴっ
キョン「もしもし! 長門か!?」
長門『今起きている現象を説明する』
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:40:52.04 ID:tFKpHw+uP
長門から受けた説明を簡潔にまとめると、
やはり、ハルヒの世界改竄能力によって、時間が巻き戻ったらしい。
理由は言うまでもないだろう。 昨日のおせちが原因だ。
あのゴミ箱から拾ってきたかのような残飯おせちを、
自信満々に差し出したハルヒは、激しくショックを受け、
あの恥辱をなかったことにすべく、この現象を引き起こしたようだ。
しかし、誰がハルヒを責められようか。
俺がハルヒの立場なら、一週間は引篭もってるであろうレベルだ。
俺は、ハルヒのことが無性に心配になり、学校への足を急いだ。
教室
キョン「ハルヒ……、ハルヒはまだ来てないのか……?」キョロキョロ
ハルヒ「おっはよー! キョーン!」
キョン「あ! ああ、おはようハルヒ……」
ハルヒ「ん? 何よ、随分元気ないわねぇ?」
キョン「い、いや、何でもない……。 と、ところでハルヒ、お前、おせちを買おうとしてるか……?」
ハルヒ「えっ!? どうしてそのことを……?」
キョン「い、いやぁ! おせちを注文しようと思ったら、今がギリギリだろっ? ちょっと聞いてみただけだっ」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:43:35.21 ID:tFKpHw+uP [18/19]
ハルヒ「そっか。 うん、実はさ、みんなと一緒にゆっくりお正月を過ごしたいなと思って、選んでるところなんだっ」
キョン「そうか……、ひとつ言わせてくれ…………」
ハルヒ「なに?」
キョン「グル○ポンで買うのだけは絶対にやめとけ!!」
こうして、俺はあの呪われた運命を回避することに成功した…………はずだった。
しかし、俺はこの時、気付いていなかった。 また、新たな困難が待ち構えていることに…………。
ハルヒ「なんなのよ! 楽○で注文したおせち、いつまで経ってもこないじゃない!!」
おわり
100 名前:ゴミクズ[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:46:53.55 ID:tFKpHw+uP [19/19]
終わりです。
アク禁 + キャップ漏れ騒動のおかげで、
中々、スレ立てできないよ……。
読んでくれた人ありがとう。
キョン「でもさ、それひっくるめて楽しかったぜ。 お前がいなかったら、
きっと俺は退屈な毎日を過ごしてた。 ……ありがとな」
古泉「僕もです」
みくる「わ、わたしも!」
長門「わたしも」
ハルヒ「みんな……」ジーン
ハルヒ「そ、その日ごろのお返しの気持ちを込めてね、おせちを注文したの! みんなと新年を迎えたくて!」
古泉「おせちですか。 確かに今から注文しないと間に合いませんね」
ハルヒ「ちゃんと本格的なやつよ! 21,000円のところを10,500円で売ってたの! ほら、これ!」
http://gigazine.jp/img/2011/01/05/groupon_osechi/osechi_00_m.jpg
キョン「おお、凄いじゃないか」
みくる「美味しそうです~」
古泉「これは立派なおせちですねぇ。 心遣いありがとうございます、涼宮さん」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 21:57:53.19 ID:tFKpHw+uP
キョン「それじゃ、元旦はSOS団のみんなでゆっくり過ごすか」
長門「私の家を使って構わない」
ハルヒ「そうっ? じゃあ、有希の家におせちが届くようにしておくわ!」
キョン「悪いな、長門」
長門「いい」
ハルヒ「でもみんな! その前にクリスマスや忘年会や初詣があるんだからね! そっちも気合いれるわよー!」
キョン「ああ、これからもよろしくな、ハルヒ」
ハルヒ「うん!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 21:59:41.48 ID:tFKpHw+uP
そして、元旦
ハルヒ「あけましておめでとう~!」
キョンたち「おめでとう~」
ハルヒ「いや~、有希のマンションって、立派でいいわよねぇ」
キョン「あんまり大騒ぎするなよ」
ハルヒ「正月は無礼講よ!」
キョン「お前は一年中無礼講だろ……」
ハルヒ「そういえば、お腹すいたわね~」
みくる「今、お雑煮を作ってるところですから~」
古泉「長門さん、注文したおせちは?」
長門「昨日のうちに届く予定だったが、未だに来ない」
ハルヒ「おかしいわねぇ、そろそろ来るんじゃ――」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:02:09.41 ID:tFKpHw+uP
ピンポーン
ハルヒ「あ、きたきたっ。 は~い」
たったったっ がちゃ
キョン「……まるで我が家のような応対だな」
ハルヒ「みんな~、届いたわよ~」
キョン「腹減ったな、早く食おう」
古泉「……おや?」
キョン「どうした?」
古泉「あ、いえ、通常の配達物として送られたんですね。 こういうものはクール便だと思ってましたが」
みくる「確かにちょっと変ですねぇ……」
キョン「まぁいいじゃないか。 さすが豪華な箱だなぁ! こりゃ、中を見るのが楽しみだ」
みくる「そうですねっ! わたしも料理好きなので、おせちってすっごく興味あるんですよ~」
古泉「わくわくしますねぇ」
ハルヒ「なにせ、横浜の人気レストランの厳選食材をふんだんに使った33品・3段・7寸の立派なおせちだからね!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:05:46.39 ID:tFKpHw+uP
キョン「早く開けてくれっ」
ハルヒ「うふふ、それじゃ開けるわよ~!」
ごそごそごそ ぱかっ
ハルヒ「じゃーん! 豪華謹製おせちの――――えっ…………?」
http://getnews.jp/img/archives/00817.jpg
キョン「……ん?」
古泉「これは…………」
みくる「……ふぇ」
長門「…………」
ハルヒ「え、えっと…………」アタフタ
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:07:36.36 ID:tFKpHw+uP
ハルヒ「き、きっと2段目は凄いわよっ! ほらっ!」カパッ
http://getnews.jp/img/archives/00626.jpg
キョンたち「…………」
ハルヒ「3段目ならきっと!!」カパッ
http://getnews.jp/img/archives/00726.jpg
みくる「あ、6Pチーズだ……」
ハルヒ「な……、なんなのよこのおせち!! 写真と全然違うじゃない!!」
http://getnews.jp/img/archives/000210.jpg
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:11:20.86 ID:tFKpHw+uP
キョン「何かの間違いじゃないのか……? おせちというより、食い残しの弁当にしか見えないんだが……」
みくる「な、なんだか、酸っぱい匂いがしますぅ」
長門「……腐ってる。 食べるのは危険」
みくる「箱の中身……スッカスカですね……。 黒豆がえーっと……14粒かな」
長門「貝の中のアワビも1切れしかない」
古泉「この生ハム……、完全に乾いててカピカピですね」
キョン「この6Pチーズはなんだ……。 笑えばいいのか……?」
長門「違う、6Pではなく8Pチーズ」
キョン「どっちでもいいよ……」
みくる「4人前のおせちにハム2枚にチーズ1切れって…………」
古泉「スカスカだから配達の時に揺れて、中身が更に酷いことになってますね。 まるで残飯だ……」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:14:34.29 ID:tFKpHw+uP
ハルヒ「…………」
キョン「あっ! い、いや……、ちょっと大袈裟に言いすぎたな!」
みくる「え、あっ! そ、そうですね! よく見たら美味しそうかも!」
古泉「え、ええ! おせちなのに重箱の底が見えるところなんて前衛的なデザインで――」
ハルヒ「……っ!」
キョン(ば、ばかやろう! お前のフォローは嫌味にしか聞こえないんだよ!)
古泉(も、申し訳ありません……、気が動転して……つい…………)
キョン「それじゃ~、いただこうか! ハルヒが俺たちのために用意してくれた、心のこもったおせちだもんな!」
長門「いや、だから腐って――むぐっ」ギュ
みくる「いただきましょう!(長門さん、空気読んで!)」
ハルヒ「いいわよ……、無理しなくて……。 有希の言うとおりお腹壊すわ……」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:17:32.75 ID:tFKpHw+uP
キョン「そ、そんなことないさ! うわぁ~、この数の子おいしそうだなぁ~!」
ひょい ぱくっ
キョン「うん! 味がしっかり染み込んで――――うっ! おげぇ!」
ぺっ!
キョン「げほっ! げほっ! な、なんだこの味……! 塩の塊を食ったみたいだ……」
みくる「こ、この数の子、塩抜きしてませんよ……。 皮がついたままだ…………」
古泉「い、いやぁ! これだけたくさん料理があったら外れもありますよ! なにせ33品目ですからねぇ!」
長門「いや、今数えたら25品目しかない」
キョン「こ、こまけぇこたぁいいんだよ!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:20:25.91 ID:tFKpHw+uP
古泉「じゃあ、僕はサトイモをいただきますね!」
ぱくっ がりっ
古泉「うっ、うわあ、おいしい……です…………」ウッ
古泉(硬い! サトイモなのに硬いですよこれ!)
キョン(吐くな! 飲み込め!)
ごくん
古泉「さ、さすが本格おせちのサトイモ! 普段食べてるものとは出来が違うなぁ!」
キョン(だから、その嫌味やめろ!)
古泉(す、すいません、そんなつもりじゃ……)
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:23:15.62 ID:tFKpHw+uP
ハルヒ「もういいわよ…………」
みくる「わ、わたしは、このローストビーフをいただきますね!」
ぱくっ
みくる「うぉ、おいしい……なぁ……アハハ…………」ウウッ
みくる(どうしよう、吐き出したい……。 半分生な上に、本当に腐ってるよこれ……)
キョン(朝比奈さん、後で胃腸薬を買ってあげますから、耐えてください!)
ごくん
みくる「あ~、お正月から幸せな気分です~」アハハ…
キョン「そうでしょう! いや~、楽しいなぁ!」アハハ…
ドンッ!
ハルヒ「もういいって言ってるでしょ!!!」
シーン……
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:26:57.21 ID:tFKpHw+uP
みくる「す、涼宮さん……」
ハルヒ「ごめんね……、せっかくのお正月に水を差しちゃって……」グスッ
キョン「お前は悪くないぞ! ハルヒ!」
みくる「涼宮さんのお気持ちはしっかり伝わりました!」
古泉「そ、そうですよ! 悪いのは、こんなクソったれなゴミ汚せちを送りつけてきたバード○フェですよ!」
ハルヒ「ゴミ汚せち…………」
キョン(古泉……、後で真剣な話がある…………)
古泉(えっ!? 僕、また何かまずいこと言いました!?)
ハルヒ「ごめんね……、ほんとゴメン…………」ポロポロポロ
キョン「ハルヒ…………」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:29:59.04 ID:tFKpHw+uP
長門「……涼宮ハルヒ、気にしなくていい」
ハルヒ「……有希?」
ビリビリ ひょい ぱくっ
長門「この8Pチーズは中々イケる」モグモグ
ハルヒ「…………っ!?」
ハルヒ「うわああああああああああああああん!!!」ダッダッダッダッ
キョン「お、おいハルヒ! ハルヒイイイイイ!!!」
ガチャ バタンッ
キョン「長門おおおおおおおおおおお!!!!」
長門「……何かまずかった?」
みくる「8Pチーズしか、まともなものがなかったんですね…………」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:33:36.37 ID:tFKpHw+uP
シーン……
キョン「……どうすんだ、このゴミおせち…………」
ぶるるる ぶるるる
古泉「すいません、機関からの呼び出しです……。 理由は言うまでもないと思いますが…………」
キョン「ああ、閉鎖空間だろ……。 行ってこい…………」
古泉「はい、失礼します…………」
ガチャ バタン
シーン……
長門「……マリオカートでもやる?」
キョン「いいよ……、俺も帰る…………」
みくる「う……、さっきのローストビーフのせいでお腹が…………」ゴロゴロ
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:37:30.87 ID:tFKpHw+uP
翌日 キョンの部屋
妹「あさー、朝だよキョンく~ん。 起きろ~」ユサユサ
キョン「ん……、休みなんだからゆっくり寝かせてくれ……」
妹「もう~、寝ぼけてるな~。 今日も学校あるでしょ~。 起きて~」
キョン「え……? 今日は1月2日だろ。 冬休みの真っ最中じゃないか……」
妹「何言ってるのキョンく~ん。 今日は12月14日だよ~。 学校に行くよ~」
キョン「えっ!? ちょ、ちょっと待て!」ガバッ
妹「ふぇ?」
キョン「ま、まさか……! テ、テレビ!!」
ぴっ
キョン「ほ、ほんとだ……。 12月14日だ……。 まさか、夏休みのエンドレスエイトのようにタイムスリップを……?」
ぷるるるる ぷるるぴっ
キョン「もしもし! 長門か!?」
長門『今起きている現象を説明する』
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:40:52.04 ID:tFKpHw+uP
長門から受けた説明を簡潔にまとめると、
やはり、ハルヒの世界改竄能力によって、時間が巻き戻ったらしい。
理由は言うまでもないだろう。 昨日のおせちが原因だ。
あのゴミ箱から拾ってきたかのような残飯おせちを、
自信満々に差し出したハルヒは、激しくショックを受け、
あの恥辱をなかったことにすべく、この現象を引き起こしたようだ。
しかし、誰がハルヒを責められようか。
俺がハルヒの立場なら、一週間は引篭もってるであろうレベルだ。
俺は、ハルヒのことが無性に心配になり、学校への足を急いだ。
教室
キョン「ハルヒ……、ハルヒはまだ来てないのか……?」キョロキョロ
ハルヒ「おっはよー! キョーン!」
キョン「あ! ああ、おはようハルヒ……」
ハルヒ「ん? 何よ、随分元気ないわねぇ?」
キョン「い、いや、何でもない……。 と、ところでハルヒ、お前、おせちを買おうとしてるか……?」
ハルヒ「えっ!? どうしてそのことを……?」
キョン「い、いやぁ! おせちを注文しようと思ったら、今がギリギリだろっ? ちょっと聞いてみただけだっ」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:43:35.21 ID:tFKpHw+uP [18/19]
ハルヒ「そっか。 うん、実はさ、みんなと一緒にゆっくりお正月を過ごしたいなと思って、選んでるところなんだっ」
キョン「そうか……、ひとつ言わせてくれ…………」
ハルヒ「なに?」
キョン「グル○ポンで買うのだけは絶対にやめとけ!!」
こうして、俺はあの呪われた運命を回避することに成功した…………はずだった。
しかし、俺はこの時、気付いていなかった。 また、新たな困難が待ち構えていることに…………。
ハルヒ「なんなのよ! 楽○で注文したおせち、いつまで経ってもこないじゃない!!」
おわり
100 名前:ゴミクズ[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:46:53.55 ID:tFKpHw+uP [19/19]
終わりです。
アク禁 + キャップ漏れ騒動のおかげで、
中々、スレ立てできないよ……。
読んでくれた人ありがとう。
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