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一方「野球大会、だァ……?」-2

一方「野球大会、だァ……?」
続きです

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 13:22:27.86 ID:taUUBCXyP

――――――――――――――――

 5回裏 DH’s 3-3 T&S連合
 1アウト ランナー無し
 打者 婚后

小萌『同点に追いつかれた常盤台&柵川連合+α。この回の攻撃は先頭打者五番の固法さんからでしたが、
   ダークヒーローズ三人目のピッチャー麦野さんの前にファーストゴロに倒れてしまいました』

泡浮「婚后さーん!」

湾内「頑張ってください!」


256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 13:26:05.95 ID:taUUBCXyP
固法「相手チームこの回もピッチャー変えてきたわね……」

佐天「最初に投げてた人の配球パターンは分かってたけど、こうもピッチャー代えられちゃあね……」

初春(参りましたね……、前の回の金髪の女の子もこの回の茶髪の人も出てきたのはこの試合から……。データを集めるには時間が足りない)

美琴「また点取られちゃった……」ズーン

黒子「お姉様! まだ同点です、落ち込むのは早いですわ!」

美琴「……そうね。よし! 黒子、キャッチボールしよっ!」

黒子「はいですの!!」


259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 13:31:02.96 ID:taUUBCXyP
初春(気付かれたのが早すぎたなぁ……、対策も的確だし。こうなると体力差もあるから厳しいですね……)

ストライーク! バッターアウト!

婚后「三振してしまいましたわ……」トボトボ

佐天「ドンマイですよ! 婚后さん!」

固法「ええ、まだまだこれからよ! 泡浮さーん! 頑張ってー」

初春「……」パタン

初春(……後は実力で頑張るしかない、ですね!)

初春「泡浮さーん! ボールをよく見てー!!」

婚后「打てますわよー!」


260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 13:36:01.04 ID:taUUBCXyP

――――――――――――――――

 7回裏
 2アウト ランナー 1塁
 打者 御坂


美琴「くっ……」

小萌『最終回、一番からの好打順だった常盤台&柵川連合+αですが、先頭の白井さんは倒れ、
    二番の初春さんが四球を選びましたが、三番佐天さんが続けず既にツーアウト』

美琴(まだよ、ここで大きいのを打ってランナーを返せば可能性は……)


262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 13:40:12.71 ID:taUUBCXyP
小萌『この回マウンドに登ったワーストさんも好投を見せています!』

番外(ふっふーん。四球出しちゃったけど、ここで切れば一緒だよね。悪いけど勝たせてもらうよ、お姉様)

美琴(あいつはやっぱり私のクローンみたいね。なら、思考も似てるはず……)

ビュン! バシン!

黄泉川「ストライーク! ツー!」

小萌『御坂さん、あっさりと追い込まれてしまいましたー』


264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 13:43:09.88 ID:taUUBCXyP
番外「ありゃ、諦めちったの? お姉様」

美琴(これでいい……、最後の一球に賭ける!)

黒子「お姉様ーーー!!!!」

初春「御坂さーん!」

佐天「頑張れー!!」

美琴「……ふぅー」

番外「さーて、終わりにさせてもらうよん」


265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 13:47:18.00 ID:taUUBCXyP
美琴(最後の一球、勝負を決める一球! 私なら……!)

美琴(必ず打って、優勝して、MVPを!!)

番外「……」スッ

小萌『さあ、ワーストさんセットポジションから第三球を――』

美琴(狙うは渾身のストレート!!)グッ

小萌『投げましたっ!』


268 名前:またさる[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:00:27.93 ID:taUUBCXyP
美琴「……ッ!?」

ブン!  ……パシッ

美琴「スロー、ボール……?」

黄泉川「ストライーク! バッターアウト!」

番外「けけっ、ごめんねー。ミサカ捻くれてるからさー」

美琴(……やられ、た)


270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:05:18.55 ID:taUUBCXyP

――――――――――――

黄泉川「整列! 六対三でダークヒーローズの勝ち! 互いに礼!」

「「「「「ありがとうございましたー」」」」」

ワイワイ ガヤガヤ

結標「ふふっ、今回も私の勝ちね」スッ

黒子「ふん、別に貴女に負けたわけではありませんの。ま、精々次の試合も頑張ってくださいな。わたくしたちに勝ったのですから」ギュッ


272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:09:02.87 ID:taUUBCXyP
垣根「よぉ、君がデータを集めてたのか? だいぶ苦戦させられたぜ」

初春「何か私、貴方にすごく嫌な思い出がある気がするんですが……」

垣根「はっは、それは多分別の世界での出来事じゃないかねー。ほら握手握手」スッ

初春「……はぁ、おめでとうございます」ギュッ



固法「あなた凄かったわね。結局三本もヒット打たれちゃったわ」

フレンダ「へへ、これくらい当然な訳よ!」


275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:12:21.11 ID:taUUBCXyP
絹旗「そっちのお嬢さんも中々でしたね。バットの扱いが超慣れてる感じでした」

佐天「いやぁー、そんなそんな。練習頑張っただけですよ。それに、ホームランには敵いませんって」

浜面「ははっ、無能力者の面目躍如だな!」

佐天(へぇ、この人……)

麦野「あんまり褒めなくていいわよ。こいつらすぐ調子に乗るから」

フレンダ「麦野!? もしかして私と浜面を同列にした!?」

滝壺「大丈夫、私は調子に乗って失敗するフレンダも応援してる」

絹旗「……いえ、それは応援しちゃ超だめです、滝壺さん」



一方「……」

美琴「……」


277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:16:21.89 ID:taUUBCXyP
一方「……ちィ」スッ

美琴「……何よ」

一方「ふン、一応の礼儀だァ。俺らが勝つのは当然だったとはいえ、オマエらもそこそこやれてたしなァ」

美琴「……ふん、ぶっちゃけアンタこの試合、全然活躍してなかったわよ」ギュッ

一方「……」ギュゥゥ!

美琴「ちょっと!? 痛い! 強く握るな!!」

番外「おーおー、あなたとお姉様が仲良くてなによりだね」

一方&美琴「どこがだ(よ)!!」

番外「オウ、息ぴったりだね」


279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:20:28.07 ID:taUUBCXyP

―――――――――――――――

垣根「はぁー、なんとかなったな」

結標「いよいよ次は決勝か、相手はどこなのかしらね」

番外「隣のグラウンドでも試合やってたみたいだし、その勝者だろうね。もう終わったっぽいけど」

麦野「お、あのチームじゃない?」

一方(……まァ、そォなるよなァ)


281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:24:31.34 ID:taUUBCXyP

ゾロゾロ

??「ふふーん、私の大活躍で優勝も間近かも!」

??「ええ、素晴らしい活躍でしたね」

??「インデックスの奴割と運動神経いいんだな。それにお前も結構上手いし……、イギリスじゃ野球はマイナーじゃないのか?」

??「ふん、相変わらずの無知だね。イギリスは野球の原型とも言われるクリケットの発祥の地なんだよ。ま、ルールはだいぶ違うけどね」

??「人のことを言っている暇はあるのかしら? 貴様は前の試合もその前もエラーして……」

??「確かに。この大会既に三エラー」


282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:28:17.97 ID:taUUBCXyP
??「くそぉ……、いきなり土煙が上がったり、ボールが変な方向に跳ねたりするし……不幸だ」

??「だ、大丈夫ですよ! ヒットも打ちましたし! あ、よければこのおしぼり使ってください!」

??「まーまー、後いっこ勝ったらパーっと打ち上げにでも行こうやないか」

土御門「お、おたくらが決勝の相手かにゃー?」

結標(げ……)

一方「……」

フレンダ「おっ、外人さんがいる訳よ」

絹旗「……超ツッコミ待ちですか?」


284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:32:32.29 ID:taUUBCXyP
浜面「ああ、よろしく……、って、お前!?」

上条「え? あー! あの時の……」

浜面「……そうか、お前も出てたのか」

上条「え、あ、ああ。よろしくな」

上条(うーん、見覚えはあるんだけど……、誰だったっけか)

一方(……チンピラも、あいつと知り合いなのか。まァいい)


285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:35:26.18 ID:taUUBCXyP
一方「キャプテンの一方通行だァ」スッ

上条「あ、一応キャプテンの上条当麻……って、元々知り合いじゃねーか」

一方「はっ、分かってねェな。こォいうのは形が大事なんだよ」

上条「……そっか。まあ、正々堂々とやろうぜ」

一方「ああ」


―――――――――――――――

黄泉川「それでは決勝戦を開始します! 互いに礼!」

「「「「「お願いします!!」」」」」


293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 14:59:13.61 ID:taUUBCXyP
 決勝
  ダークヒーローズ vs イマジンブレイカーズ

  ダークヒーローズ          イマジンブレイカーズ
  1番 捕手 垣根帝督         1番 三塁 土御門元春
  2番 遊撃 フレンダ          2番 二塁 姫神秋沙
  3番 中堅 浜面仕上         3番 一塁 ステイル=マグヌス
  4番 一塁 一方通行         4番 捕手 上条当麻
  5番 三塁 麦野沈利         5番 遊撃 五和
  6番 投手 番外個体         6番 中堅 青髪ピアス
  7番 左翼 絹旗最愛         7番 右翼 インデックス
  8番 二塁 結標淡希         8番 投手 吹寄制理
  9番 右翼 滝壺理后         9番 左翼 風斬氷華

                        マネージャー 神裂火織



296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:03:18.19 ID:taUUBCXyP

 先攻 ダークヒーローズ
 1回表 DH’s 0-0 IB’s
 打者 垣根

黄泉川「プレイボール!」

小萌『さあ始まりました決勝戦! どちらのチームにも頑張って欲しいのです!』

垣根(随分スタイルのいい嬢ちゃんだな。ま、打たせてもらうけどな)

上条「吹寄ー、ちゃんと抑えろよー」

吹寄「ふん! 貴様こそ私のボールのあまりの落差にパスボールなんてするんじゃないわよ!」スッ

上条「おいっ! 馬鹿――!」


300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:07:38.64 ID:taUUBCXyP
垣根(落差……? フォークか?)

ビシュッ! キィン

吹寄「ショート!」

五和「オーライです!」パシッ

小萌『先頭打者の垣根君は内野フライに倒れてしまいました。ワンアウトです』

垣根(普通に速いし、落ちてねーじゃねえか! ブラフかよちくしょう!)


フレンダ(……あれ?)

カキッ!


301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:10:38.26 ID:taUUBCXyP
浜面(……お、落ちた!?)

キン

小萌『ピッチャーの吹寄ちゃ…さん、初回を三者凡退に切って取りました!』



吹寄「ふふん、どうよ上条! あれから改良を重ねたフォークの鋭さは!」

上条「落ちてねー時が何度もあって取りにくいわ!」

吹寄「それは貴様のキャッチングが下手だからでしょ! ちゃんとフォークは落ちてるわよ!」

土御門(ぶっちゃけフォークがなくても吹寄、普通にいいピッチャーだぜい)


302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:13:25.25 ID:taUUBCXyP
姫神「ナイスピッチング」

風斬「ええ。すごかったですよ」

吹寄「ありがとう二人とも」

神裂「みなさんドリンクをどうぞ」スッ

インデックス「ありがと! かおり!」

吹寄「すいません、ありがとうございます」

神裂「いえ、マネージャーですから気になさらず」

五和(私も頑張らなきゃ!)グッ


303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:16:25.69 ID:taUUBCXyP

1回裏 DH’s 0-0 IB’s
打者 土御門

番外(ふっふーん、またピッチャーとは気分がいいね。さくっと抑えちゃおうかな)

土御門「お手柔らかに頼むにゃー」

番外「さーて……」スッ

ビシュ! バシン!

黄泉川「ストライーク!」

土御門(ふーむ、なかなかだぜい)


304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:19:13.51 ID:taUUBCXyP
土御門「ま、でも」

番外「ふっ!」

ビシュッ! キーン!

番外「!!」

土御門「俺を抑えるのは簡単じゃないぜい?」

小萌『先頭打者の土御門ちゃ……じゃなくて、土御門君がセンター前ヒットで出塁です!』

土御門「っと、どうだ? 俺のバッティングは?」

一方「はっ、たかがヒット一本でご機嫌だなァ」


308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:22:13.51 ID:taUUBCXyP
土御門「そりゃまあ、俺は能力無しでも余裕だからにゃー。なあ、結標?」

結標「知らないわよ」

土御門「あらら、つれないぜい」

小萌『さて、先頭バッターが出塁しましたが、二番の姫神さんはどうするのでしょう』

姫神(サインは。特に無し。でも状況を考えれば)

番外「……」スッ

ビシュ!

番外(!! バントか!)ダッ


309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:25:51.63 ID:taUUBCXyP
姫神(速い……!)

キン

小萌『あー、小フライになってしまいました。ピッチャーが取って……ワンアウト!』

姫神「ごめん。失敗した」シュン

上条「気にすんなって!」

青ピ「そうやで。まだまだこれからや」

姫神「うん。ありがとう」

小萌『さて、打順はクリーンアップに回ります。三番ステイル君、煙草はいけませんよー?』

ステイル(く、気勢を削ぐようなことを……、どうもあの女性は苦手だ)


311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:28:36.03 ID:taUUBCXyP
番外(なにこのデカイの)

ステイル「よろしく頼むよ」

番外「ま、関係ないけどね」スッ

ステイル(あの男に繋ぐなんて役割はごめんだけど……、仕方ない、か)

ステイル「……」スッ

番外「えっ?」

コン!

小萌『おーっと、ワンアウト一塁からバントです! これは綺麗に決まりました!』

垣根(ふーん、ツーアウトにしてでも得点圏に送るか。余程次のバッターを信頼してんのかね)


312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:31:16.07 ID:taUUBCXyP
番外(バントであっさりアウトくれるなんてラッキー)

ステイル「……ま、精々頑張ることだね」

上条「おう。ナイスバント」

ステイル「ふん」

スタスタ

インデックス「上手いバントだったね!」

ステイル「ッ!! あ、ありがとう」

インデックス「? うん。とーま!! がんばれー!」

ステイル(…………ふっ)


318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 15:57:10.49 ID:taUUBCXyP
上条「よし。さあこい!」

番外(ふーん、この人が上条当麻、か。オウ、スタンドでお姉様がガン見してるね)

番外(とりあえず外角で……)

ビシュ!

上条(……よし!)

キィーン!!

番外「なっ!?」

一方「くっ!」

小萌『四番の上条ちゃん初球から打ちましたー!! 打球はライト線を――、あれ?』


320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:01:19.31 ID:taUUBCXyP
滝壺「……」バシッ

審判「アウト!!」

浜面「た、滝壺!?」

結標「やるじゃない!」

小萌『ライトの滝壺さん、打球を予測していたんでしょうか!? ライト線の打球をあっさりキャッチ! スリーアウトです!』

上条「な、なぜあんなライン際にポジションを……」ガックリ


麦野「ナイス! 滝壺!」

絹旗「さすが滝壺さん、超超ファインプレイですね!」

滝壺「北北東から信号が来てた……」


323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:05:17.84 ID:taUUBCXyP
垣根「へへ、いい流れだな」

一方「あァ、全くだ」

垣根「このまま先取点取れれば波に乗れるんだがなー」



―――――――――――――――

4回裏 DH’s 0-0 IB’s
打者 五和

小萌『四回表までは投手戦! 一人で抑えてる吹寄さんに対して、ダークヒーローズは三回から浜面君にスイッチ!』

小萌『どちらの作戦が吉と出るのでしょうか!?』


324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:10:14.11 ID:taUUBCXyP
五和「よろしくお願いします!」ザッ

浜面(あれ? この娘、さっきは右打席だったのに今度は左……。スイッチヒッターなのか?)

垣根(……)

麦野(いや、これは……)

一方「……」ジリ・・・

ビシュ!

五和「……」スッ

小萌『これは、セーフティバントの構え! でも――』


325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:14:51.82 ID:taUUBCXyP
麦野「へっ、読み通り!」ダッ

一方「ふン」ダッ

五和(読まれてた!? くっ、それなら――)

キン!

麦野「んなっ……」

小萌『おーっと、これはうまいです! ダッシュしてきたサードの頭上を抜くプッシュバント!』

五和(ふぅ、上手くいって良かった……)

小萌『イマジンブレイカーズ、初回以来の先頭打者出塁です! このチャンスを生かせるか!?』


326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:18:31.76 ID:taUUBCXyP
青ピ(ま、ここは当然……)

コン!

小萌『ここは送りバントを確実に決めてきました! ワンアウトランナー二塁』

インデックス「私の出番なんだよ!」

インデックス「……」ジー

垣根(……? 何を見てやがるんだ?)

フレンダ(あの銀髪さん、ランナーを見てるのかな?)

結標(でも……)

五和「……」キョロキョロ


327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:23:34.20 ID:taUUBCXyP
結標(こっちはこっちで外野の位置確認してるだけだしねえ)

垣根(別にサインが出てるわけじゃねえし、深く考える必要はねえか。よし)

浜面「……」コクッ

小萌『ピッチャー第一球を……、は、走った!?』

浜面「!?」

麦野(三盗だとぉ!? ナメやがって!)スッ

垣根(よし! 刺せる――)

キィン!


328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:28:08.81 ID:taUUBCXyP
垣根「なっ!? エンドランだと!?」

麦野「ばっ……」

フレンダ「くっ、これは無理な訳よ!」

小萌『ここで、なんとヒットエンドラン! ランナーのスタートでベースに戻ってしまったサードの横を抜きました!』

上条「五和ーー!! ホームだー!!」

神裂「五和! 還れますよ!!」

五和「はい!」ダッ


330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:33:36.53 ID:taUUBCXyP
絹旗「くっ、麦野!」ビュッ

麦野「はいよ! 垣根!!」ビュン!

垣根「おう!」バシ!

五和「くっ!」

ズサァー!!

垣根「アウトだ!!」

五和「セーフです!!」





黄泉川「……セーフ!!」


332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:38:36.85 ID:taUUBCXyP
垣根「くそっ!!」

五和「やったぁ!!」ダッ

五和「やりました! みなさ――、わっ!?」バフッ

上条「よくやった! すげえよ、五和!」ギュッ! バンバン

五和「わ、わひゃっ!? は、ははは、はいっ! あ、あ、ありがとうございまっ、す!」カァァ

貴様は本当に… またか。このヤロウ。 お、お姉様!! 電気で御髪に乱れが!?


333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 16:44:48.18 ID:taUUBCXyP
インデックス「むぅー、私がヒット打ったのにー! 全く! とーまは!」

インデックス(せっかく、二人で通常の動きの中にサインを散りばめて相手の虚を突いたっていうのに……)

一方「……ナイスバッティング」

インデックス「え? あ、ありがとう!」

一方「……ふン」

結標(……あの娘も守備範囲なのかしらね)


337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:00:06.03 ID:taUUBCXyP

――――――――――――――――

5回表 DH’s 0-1 IB’s
打者 垣根

浜面「くっそ! また俺が点取られちまった!」

フレンダ「ま、あの後もランナー出したけど一点で済んだし。それより、無得点の方が問題だと思う訳よ」

結標「初回以外、毎回ランナー出てるし、前の回なんて満塁までいったのにね」

絹旗「超オーソドックスなタイプのピッチャーですし、ヒットはかなり出てるんですけどね」

滝壺「あのフォークが曲者」


338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:05:31.23 ID:taUUBCXyP
番外「そうは言っても、いつまでもやられっぱなしじゃ――」

キーン!

麦野「おっ、打った」

小萌『この回の先頭の垣根君、ライト前ヒットで出塁!』

フレンダ「さてさて、私の打順な訳よ」

フレンダ(一点差、ノーアウトランナー一塁……)スッ

小萌『二番フレンダさん、バントの構え。サードが前に出てきます』

土御門「……」ジリ・・・


340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:09:45.70 ID:taUUBCXyP
吹寄「ふっ!」

ビシュッ!

土御門「……」ダッ

フレンダ(……残念♪)スッ

キィン!

土御門「くっ!?」バシ!

小萌『フレンダさん、バスターで三塁強襲! ノーアウト一塁二塁とチャンスを広げました!』

フレンダ「ふっふーん」


342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:15:11.11 ID:taUUBCXyP
浜面(本当にすげえな、あいつ。俺は……)

コン!

『ランナー一塁、二塁で浜面君が送りバント! 見事に決めて後ろに繋げます!』

浜面(……俺がヒーローになる必要はねえさ。頼むぜ)

小萌『さあ、ここで打順は四番に回ります! この場面、点を取れるのでしょうか!?』

上条「すいません、タイムお願いします」

黄泉川「わかったじゃん、タイム!!」


343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:20:42.51 ID:taUUBCXyP
上条「……」タッタッタ

上条「吹寄、大丈夫か? 疲れたんじゃないか?」

吹寄「……何よ。水分もきちんと取ってるし平気よ」

上条「……そっか。次の回からは土御門に交代の予定だから、この回まで頑張ろうぜ!」

吹寄「ふん、当たり前よ! 必ず抑えるわ!」

上条「よし!」


344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:25:03.52 ID:taUUBCXyP
一方「……」トントン

土御門「吹寄ー! 四番といっても気にしなくていいぜい。気楽に行くんだにゃー」

一方「……ふン」

一方(いままでの試合の合間になァ、野球が上手くなる本を十冊読破したンだよォ! いつまでも同じだと思ってンじゃねェぞ!!)

吹寄「……」スッ

一方(肩の力は抜く、脇を締める、バットを下げない、ステップしても体は開かない、そして、ボールをよく見て…引きつける!)ブツブツ


347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:30:20.44 ID:taUUBCXyP

ビシュ!

一方(ボールを見続けて、バットを振り切る!!)

カッキーン!!

垣根「うおっ!!」

フレンダ「いったー!!」

結標「嘘!? 打った!?」

小萌『これは大きい! レフトの頭上を遙かに超えてフェンスまで――、え?』


風斬「あ、オーライです」パシッ


349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:35:21.59 ID:taUUBCXyP
垣根「……え? あ! タッチアップ!」ダッ

フレンダ「い、今……」

小萌『あ、あれ? レフトの風斬さんがいつの間にか落下点に……、最初から深く守ってたのでしょうか?』

ズサァー!

垣根「……っと、なんなんだよあれ」

黄泉川「ホームイン」


350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:40:39.40 ID:taUUBCXyP
フレンダ(しゅ、守備位置はむしろ浅かったはずな訳よ。一瞬ありえない速度で移動したような……いや、見間違い?)ゴシゴシ

一方(あのレフト見覚えあると思ったらあの時の……。ありゃあ反則クラスだなァおい)

風斬(あ、しまった! つい……)

インデックス「ひょうかー! ないすきゃっちーなんだよー」フリフリ

上条「風斬ー! ナイスキャッチ!!」

風斬「あ……、は、はい! ありがとうございます!」

小萌『な、なんにせよ、一方通行君の犠牲フライでダークヒーローズ、同点に追いつきました!』


351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 17:45:52.04 ID:taUUBCXyP
麦野「さぁーて。見せ場ね、これは」

吹寄(……く、完璧に打たれちゃったわね)スッ

ビシュ!

麦野「いいコース!」

キーン!

小萌『麦野さんの打球は――ライト前に! スタートを切っていたフレンダさんが…ホームイン! 勝ち越しです!』

麦野「うしっ! どうよ! 浜面……?」


355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:00:09.42 ID:taUUBCXyP
浜面「なあ滝壺、俺のピッチングどこが悪かったんだと思う?」

滝壺「うーん、そうだね……、多分――」

麦野「……」

垣根「麦野ちゃーん、ナイスだぜー!」

絹旗「麦野、超すごいですよー!」

麦野「はは、サンキュー……はぁ」


356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:04:58.07 ID:taUUBCXyP

―――――――――――――――

 6回裏 DH’s 2-1 IB’s
 打者 吹寄

小萌『この回先頭の上条くんがヒットで出塁。五和さんはいい当たりを放ちながらも、センターの正面をついてしまいワンアウト』

小萌『続く青髪ピアス君がヒットを打ち、盗塁まで決めてワンアウト三塁二塁の大チャンスでしたが――』

インデックス「スリーバントスクイズを読まれるとは思ってもいなかったんだよ……」

ステイル「いや、外された球に当てただけでも十分さ。おかげでランナーが死なずに済んだ」

神裂「ええ、その通りですよ。次の打者に期待しましょう」

インデックス「……うん、そうだね! せいりー! がんばれー!!」


357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:07:34.41 ID:taUUBCXyP
小萌『前の回から変わったピッチャーのフレンダさんこのピンチを抑えられるでしょうか!?』

フレンダ(ふふん、ヒット二本打たれた時はちょっと焦ったけど、ツーアウトで下位打線。結局、無失点で終了な訳よ)

垣根(なんとかスクイズ読めて助かったな。とはいえ、このバッターもピッチャーやってた奴だし慎重に行くべきか……?)

吹寄(どうしよう……、ここで必ず打って取られた点を取り返さないと……)グッ

フレンダ「ふふーん」

ビュン! バシン!

黄泉川「ストライク!」


358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:11:25.14 ID:taUUBCXyP
垣根(ん……? 随分、力が入ってるな。そんなにガチガチじゃ打てねえぜ)

フレンダ「ふっ!」

ビュッ! キン

黄泉川「ファールボール!」

吹寄(く……くっ、追い込まれちゃった。どうすれば……)

垣根(よし、これなら――)

上条「吹寄ーー!!」

吹寄「な、なによ上条!?」

上条「デコッぱちーーー!!」


360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:15:50.49 ID:taUUBCXyP
麦野「デコ……?」

浜面「一体何を……」

吹寄「か、上条! 貴様この状況で一体何を……あ!」

吹寄「た、タイムお願いします!」

黄泉川「タイム!」

吹寄(そ、そうだ! 帽子かヘルメットをずっと被っていたから忘れていたけど……!)イソイソ

一方「なンだァ……?」

結標「髪型でも直してるのかしらね。今することでもないと思うけど」


363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:18:22.21 ID:taUUBCXyP
吹寄(よし!!)

吹寄「ありがとうございます!」

黄泉川「プレイ!」

吹寄「……」スッ

垣根(……、ランナーのヤジのせいか、うまく力が抜けてるな。一球様子を……って、おい! 馬鹿野郎!!)

フレンダ(何をしたのか知らないけど、結局この球で終わりな訳よ!)


365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:23:21.91 ID:taUUBCXyP

ビュン!

吹寄(打てる!)

キィン!

小萌『あーっと、これはフライになってしまいました。セカンドの方へ――』

結標「……くっ、センター!!」

番外「いや、ライトでしょ!?」

滝壺「届かない……!」

吹寄「落ちなさいっ!!!」

トンッ!


368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:27:51.70 ID:taUUBCXyP
小萌『なんと! 打球はセカンドの後方、センター、ライト、セカンドの三者の丁度真ん中に落ちましたー!』

小萌『ツーアウトでスタートを切っていたランナーは今、二塁ランナーも……ホームイン! 吹寄さんの二点タイムリーで逆転です!!』

上条「よっしゃあ!!」パンッ!

青ピ「やったで!!」パンッ!

上条「吹寄ーー!! おでこDX最高ーーー!!!」

青ピ「委員長ー! カッコいいでー!!」

吹寄「当ったり前でしょうが!!」グッ!





土御門「まあ、本当の委員長は青髪なんだけどにゃー」

神裂「今はどうでもいいでしょうに……」

インデックス「みんなすごいんだよーー!!!」


371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:31:00.80 ID:taUUBCXyP
さるさんに引っ掛かりすぎて全然終わらなかった……
すみません、一度中断します

九時くらいからまた投下します

397 名前:流れを切ってしまいますが再開します[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:00:24.32 ID:taUUBCXyP

――――――――――――――

7回表(最終回) DH’s 2-3 IB’s
打者 垣根

フレンダ「くぅ……、打席で取り戻す訳よ!」スタスタ

結標「土壇場で逆転されるとはね……」

一方「……」


398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:04:59.65 ID:taUUBCXyP
絹旗「仕方ありません。まだ試合は超続いてますから、また点を取るしかありませんね」

浜面「しっかし、あの土御門って奴の投球は……」

麦野「確かに。先発ピッチャーもいい球放ってたけど、スピードは段違いね」

絹旗「前の回も超三者凡退に抑えられましたし――」

一方「――ゴチャゴチャうるせェよ、オマエら。素直にバッターを応援できねェのか」

番外「けけっ、あなたが『素直に』ねぇ」

結標「……それもそうね。現状を嘆いても仕方ないわ。垣根ー! 必ず出なさいよー!!」


400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:10:42.24 ID:taUUBCXyP
麦野「ヒット打てよー!! 第二位ーー!!」

番外「デッドボールでもいいよー!!」



土御門「おーおー、すごい応援だにゃー」

上条「仲良いんだな、そっちのチーム」

垣根「いやいや、そうでもねえさ」

垣根(ま、大会に出るために急遽集まっただけのメンツだしな)

垣根(……けど)

垣根(声援には、プレイで答えなきゃいけねーよな)グッ


402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:15:48.76 ID:taUUBCXyP
小萌『さあ、最終回です! 一点を追うダークヒーローズ。先頭の垣根君は出塁できるでしょうか!? ピッチャー振りかぶって――』

土御門「……」スッ

ビュオッ!! バシーン!

黄泉川「ストライーク!」

垣根(……やっぱ速えーな。だが!)

ゴォッ! キン!

黄泉川「ファールボール!」

小萌『垣根君粘ります! ツーワンからファールで粘って、現在のカウントはツースリー。次が十球目です!』


403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:20:19.55 ID:taUUBCXyP
土御門(……全く、しつこいぜい!)

ビュン!

垣根「……」グッ!

バシン!

黄泉川「…………ボール! フォアボール!」

垣根「っし!!」

浜面「よっしゃあ!」

番外「第二位最高!!」


404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:25:08.41 ID:taUUBCXyP
土御門「すまんにゃー」

上条「次抑えようぜ!」

フレンダ「……」ペコ

上条(この娘か……)

土御門(……さっきの打球は強烈だったぜい)

フレンダ「……」

小萌『先頭打者が出たところで、この二試合大当たりのフレンダさん! ここはどんな作戦を――、あっ!』


406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:30:21.76 ID:taUUBCXyP
フレンダ「……」スッ

コン!

土御門(素直に送りバント、か。力任せに打ってくるかと思ったが)

吹寄(っと、二塁は無理ね……)シュッ

小萌『ここは堅実にランナーを進めました! ナイスバントです!』

フレンダ「……」テクテク

浜面「フレンダ!」


407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:35:35.32 ID:taUUBCXyP
フレンダ「なに?」

浜面「……必ず打つからな」

フレンダ「……ふん、別に期待してないっつーの。それより絹旗、ピッチング練習の相手してほしい訳よ」

絹旗「ええ、超任せてください!」


浜面「……」ザッ ザッ

上条(前の試合ホームラン打ったらしいし、こいつも結構バッティング良さそうだけど……)

土御門(敬遠して、逆転のランナーを出す理由はないにゃー)

浜面「さあ、来い!」

土御門&上条(勝負!)


408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:41:08.30 ID:taUUBCXyP
小萌『三番浜面君の打席、カウントはワンエンドワンと並行カウント。次の一球は両者にとって重要です』

浜面(カウントを悪くしたくはないはずだ。狙うならここ……!)

土御門「……」スッ

小萌『ピッチャー第三球を……投げました!』

浜面(負けてたまるか!!)

キィン!

滝壺「!!」

麦野「出た!!」

小萌『これはいい当たり! 三遊間を…抜けました!』

浜面(よっしゃ! やったぜ!!)

垣根(サイコーだぜ! 浜面!! ……な!?)ザッ!


410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:46:06.12 ID:taUUBCXyP
小萌『え!? に、二塁ランナー三塁でストップです! 慎重を期したんでしょうか? 十分本塁に還れそうな打球でしたが……』

風斬「あ、ショートさーん」シュッ

五和「は、はい」パシッ

垣根(くそっ、あのレフト、マジで得体が知れねえ……。俺の脳が全力で警鐘を鳴らしてきやがった……)

風斬(ホームまで行かれちゃうかと思った)アセアセ

小萌『さあ、それでもチャンスは広がりました! ワンアウト、ランナー三塁一塁で、四番の一方通行君!』


416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:00:05.48 ID:taUUBCXyP
一方(ふン。こんな場面で対決すンのがデメェだとはなァ)

土御門(能力無しなら、お前には負けないぜ)

小萌『緊迫した場面です! ピッチャー、サインに頷いて第一球を…投げました!』

バシン!

黄泉川「ボール!」

上条(一応外したが……、スクイズは無さそうだな。姫神! 五和!)ブンブン

姫神「……」コクッ スッ

五和「……」スッ

上条(万が一、ランナーに還られてもまだ同点。なら、強気にゲッツー狙いだ!)


419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:05:29.34 ID:taUUBCXyP
一方(ゲッツーシフト……か。ふぅー)

一方(大活躍っつう当初の予定とは大分違っちまってるが……、ここで打つのが四番だ!)
                
打ち止め「頑張れーーーーー!!! 打てるよーーー!!!!」

一方(――打つ!!)

小萌『ピッチャー第二球を…投げましたっ!!』

キィン!

小萌『打った!!』


上条(……よし!!)

421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:10:42.08 ID:taUUBCXyP
小萌『二遊間へ飛んだ打球はセカンドの守備範囲! これは万事休す!』

姫神(これなら。取れる)

パシッ

姫神「五和さん!」

小萌『なんなく捕球して、セカンドベースに入ったショートにトス! その間に三塁ランナーは還りますが――』

審判「アウト!」

五和(よし、ファーストに送って、試合終りょ――!!?)

浜面「はっはー!! 負け犬上等ーーー!!!」

ズザザザザーー!!!!


422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:15:03.19 ID:taUUBCXyP
小萌『一塁ランナーの浜面君、もの凄い勢いのスライディング!』

五和(くっ、体勢が!!)ヒュッ

ステイル(ッ! 送球が逸れてるな。だがこれならギリギリ――)

一方「くっそォォォォォォォォォォォォ!!!」

バッ ズサァァァ!!

ステイル「なっ!?」バシッ

小萌『バッターの一方通行君決死のヘッドスライディング! さあ、判定は――』


425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:19:33.57 ID:taUUBCXyP
審判「……セーフ!!」

垣根「ッ! よっしゃあああ!!」

浜面「っし!! やったぜえええ!!」



絹旗「同点です!! 超同点ですよ!!」

フレンダ「うん! うんうん!!」

番外「……やるじゃん、あの人」

結標「ええ、ほんとにね」

滝壺「……」パチパチパチパチパチパチ!



一方(……へっ、みっともねェな。まァ――)

打ち止め「きゃっほー!! 土壇場で同点だよ! ってミサカはミサカは大はしゃぎしてみたり!!」

一方(……よし、としておくかァ)


427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:25:55.41 ID:taUUBCXyP
土御門(まさか一方通行があんな泥臭い真似をするとは……、あいつも本気だぜい)

ゴォッ!

麦野「くっ!」

ブン!

黄泉川「ストライーク! バッターアウト!」

麦野「クソッ!」

ポン

麦野「ああ!?」

浜面「ほら、守ろうぜ! そんで延長で勝とう!」

麦野「……言われなくても分かってるっての!!」ダッ


小萌『最終回にダークヒーローズ、追いつきました! この勝負の行方は一体!?』


428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:30:32.55 ID:taUUBCXyP

―――――――――――――――

7回裏(最終回) DH’s 3-3 IB’s

フレンダ(……せっかく追いついてくれたのに、みっともない訳よ!!)

小萌『ピッチャーのフレンダさん、コントロールが定まらなくなってきてしまいました』

小萌『ツーアウトまでは取りましたが、ヒットでランナーを一人出した後、連続フォアボールで満塁です』

小萌『ダークヒーローズ、タイムを取って内野がマウンドに集まっています』

垣根「とりあえず交代だフレンダちゃん。よく投げたな」

フレンダ「ッ! まだ――」

麦野「……お疲れ、フレンダ」ポンポン


431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:35:30.55 ID:taUUBCXyP
フレンダ「麦野……」

垣根「心配すんな。負けやしねーさ」

フレンダ「……わかった、訳よ」

垣根(いくら運動神経がいいって言っても、女の子なんだし持久力まで求めるのは酷か……。もう少し早く代えてやるべきだったな、くそ)

垣根(とはいえ、この状況……)チラッ

上条「……」ブンッ! ブンッ!

垣根(フォアボールの許されない満塁で、コントロールの甘い麦野はマウンドに上げられない)

垣根(浜面はさっき投げたし球筋は知られてる……)


432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:40:09.83 ID:taUUBCXyP
垣根(ワーストも同じだが、投手としての力なら浜面より上。だが、初回にあのバッターには完璧に捉えられてたな……)

垣根(俺がマウンドに上がると今度はパスボールの危険性が出てきちまう……。全部一長一短か……、どうする)

垣根「……」

結標「どうするの?」

浜面「誰に……」

麦野「……」

フレンダ「……」

一方「おい」

垣根「何だ?」

一方「ボール寄こせ。俺が投げる」


439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:45:15.77 ID:taUUBCXyP
結標「……本気なの? 貴方じゃ無理なんじゃない?」

垣根「……ま、他にあてがないのも確かなんだが、さすがにお前はなー」

麦野「はっ、不様な姿を晒しちゃうんじゃないの?」

一方「……ごちゃごちゃうるせェよ。黙って守備につけ」

フレンダ「……頑張って」

結標「ま、頑張りなさい」

垣根「うし! それで行くか!」


441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:51:02.22 ID:taUUBCXyP
上条(一方通行がピッチャーか……)

一方(ハッ、いつまでもこいつに負けたまンまでいられるかよ。今日こそは……)

打ち止め「頑張れーーー!!!」

一方(必ず……勝つ!)

黄泉川「プレイ!!」

上条(一方通行……。悪いけど俺だって負けられないんだ!)グッ

小萌『さあ、土壇場でピッチャーを代えたダークヒーローズ。この交代は吉と出るのか凶と出るのか!』


443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:53:20.38 ID:taUUBCXyP
一方(大丈夫だ。俺は本十冊分野球が上手くなってるハズだ!)

小萌『ピッチャー第一球を、投げました!』

ビュン! バシッ!

黄泉川「ストライーク!」

垣根「……ナイスボール!」ヒュッ

一方「……」パシッ

上条「……」グッ グッ

小萌『初球はストレートでストライクを取りました。さて二球目は……』


447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 22:57:16.51 ID:taUUBCXyP
一方「……」スッ

ビュッ! バシ!

黄泉川「ボール」

小萌『二球目は外れてワンエンドワン、バッテリーも慎重です』

一方(万が一でも四球はだめだ。次の球で――)

小萌『ピッチャー、第三球を……投げました!』

上条(――こんなもんかよ!!)

カキィーン!!

一方「!!」


453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:02:00.82 ID:taUUBCXyP
青ピ「出たー!!」

吹寄「やった、走れー! 土御門!!」


麦野「くっ!」

絹旗「これは――」

黄泉川「……ファール!」

小萌『上条君の打球はいい当たりでしたが、レフト線僅かに切れてファールです! 惜しかったですねー』

上条「くそっ、引っ張りすぎた」

垣根「……タイム頼む」

黄泉川「おう。タイム!!」


455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:06:48.77 ID:taUUBCXyP
タッタッタ

垣根「おい、さすがに無理だ。あの球じゃ抑えられねえぞ」ボソボソ

一方「……」ブツブツ

垣根「何言ってんだよ。今からでも俺が――」

一方「……、くくくけけきここかかか」

垣根「……イカれたか?」

一方「さっさと戻れメルヘン! よォやく楽しめそォだ!!」

垣根「……ハッ! 打たれんじゃねーぞコラ!」タッ


黄泉川「プレイ!」

一方(く、は、さすがはヒーローだ)


456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:11:48.59 ID:taUUBCXyP
一方(そォだよなァ。オマエはそォでなきゃいけねェよなヒーロー!!)ゴゴッ

上条(!? なんだ? 一方通行の雰囲気が……?)


ユニフォームの上からも強く感じる威圧感に、上条は思わず身を震わせる。
誰の目からもはっきりと判別できるほどに、一方通行の纏う空気が変わっていた。

一方通行にとって、上条当麻の存在は大きい。
実験を止めて、一万もの妹達を救いだし、自分に道を示してくれた。
口に出して認めることはないが、一方通行の根幹とも言える部分は、上条の影響を多分に受けている。

ただ、根本までは変わらない。
一方通行は今でも、自分が上条のようなヒーローになれるとは思っていない。
それでも――

(絶対に、負けられねェンだ!!!)


457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:16:15.32 ID:taUUBCXyP
小さな少女がいる。
ある人物のクローンとして生まれ、クローン達を統括する役割を与えられたが故に、途轍もない苦難を背負うことになった少女が。

その少女と出会い、一方通行は自分の弱さを痛感した。
学園都市第一位の称号を得ても、少女一人も守りきれない自分の情けなさに辟易することもあった。


   ――それでも、少女の前では『最強』を名乗り続けることを決めた――



「決めたンだよ……」

一方通行の声が響く。

「俺は決めたンだ! MVPを取ってあのガキと遊園地に行くって!! あのガキを喜ばせてやろうって!!」

それは魂からの叫びだった。
第一位の称号も、善人も悪党も関係ない、ただ一人の人間としての悲痛な願い。


462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:21:37.57 ID:taUUBCXyP
「それを否定できンのかよ!? あのガキだけが、楽しめないなンてことがあっていいのかよ!? なあヒーロー!!」

その威圧と叫びを全身に受けてなお、上条は口を開く。

「その程度かよ……」

「……なン、だとォ?」

「その程度か、って言ってんだよ!! 一方通行!!」

上条の咆哮が一帯に響き渡る。
一方通行の強き願いを受けても、惑うことなく。

「MVPだと? ふざけんじゃねえ! そんなもんに頼らねえと相手を誘えねえほど、お前はちっぽけな存在なのかよ!?」

「お前が誘えよ! 自分の意思で、自分の言葉で!! 一緒に行きたい、それを伝えるのに何の問題があるって言うんだよ!?」


470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:26:56.91 ID:taUUBCXyP
返ってきた言葉を、一方通行は噛みしめる。
ただ、噛みしめながらも決して――引き下がらない。

「……分かったよォなクチを…きくンじゃねェ!!」

「おかしいだろォが!! 俺みたいな奴が遊園地だなンて明らかにおかしいだろ!! 元々無理があるンだよ!!
俺みたいなクソッたれの不健康の象徴みたいな細くて白い奴がよォ! 爽やかに、遊園地行こうぜ! なンて言えねェだろォが!!
どォ考えたって場違いだろォがよ!! だから口実が必要だったンだよ!!」

咆哮と共に、一方通行の右腕に力が集まる。
学園都市第一位の能力によって、凝縮された力が。

「そもそも前提がおかしいンだよ!! 何でだよ!! 何でどいつもこいつも俺を変態(ロリコン)って呼ぶンだよ!!
好きになった奴が、偶々ロリだっただけだろォが!! 何でそれだけで犯罪者呼ばわりされなきゃならねェンだよ!!
好きな奴を好きって言うのさえ俺には許されねえってのかよ!? なァ、ヒーロー!!」

最強の超能力者の思いの丈をぶつけられてなお、無能力者の少年は声を発する。

「……関係ねえだろ」


475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:32:19.07 ID:taUUBCXyP
「……ッ!?」

「周りの声がなんだっていうんだよ!! そんなもんに屈してお前はそれでいいのかよ!?
お前は今まで守ってきたんだろ!? そいつに対する想いを持ち続けてきたんだろう!?
それを諦めちまっていいのかよ!? お前のその気持ちは、そんな簡単に捨てちまえるようなものじゃねえはずだろ!!
大して知りもしない連中の言葉で、一番大切なものから無理矢理目を背けて、それでお前は満足なのかよ!?」

無能力者の少年は一歩も引き下がらない。
一方通行の右腕に集まる力の奔流を見ても、一歩たりとも。

「お前がずっと持っていた想いだ!! お前だけが胸を張って主張できる想いだ!!
そこに他人なんて入れていいのかよ!? お前が誇りを持てるならそれでいいだろ!!
お前の人生だろ!? お前が決めろよ!!」

「変態(ロリコン)だと言われようが、お前自身が胸を張れる行動をとってみろよ!!」

「……それでも、それでも社会ってやつの風当たりは強いンだよおおおおおおおおおおおお!!!!」


479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:36:14.89 ID:taUUBCXyP
一方通行の右腕から、能力によって莫大な運動エネルギーを得た軟球が上条当麻に向かって放たれる。
遠慮も無く、容赦も無く。
その圧倒的な力は全てを刈り取る、――はず、だった。

「……いいぜ、お前がまだ変態(ロリコン)への非難を気にし続けるっていうのなら――」

「――まずは、そのふざけた幻想をぶち壊す!!!」

上条当麻がかざした右手に、ボールに込められた力は全て打ち消された。
一方通行の能力で得たはずの、速度も、衝撃も、余波も、その全てが。

その光景を目の当たりにしても、一方通行は驚きを表さなかった。
むしろ、それが当り前であるかのように受け止めていた。

(……そォだ。やっぱりオマエは最高だぜェ、ヒーロー)


480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:39:23.96 ID:taUUBCXyP
一方「く、くははははは、次だ、次の一球で必ず――」

黄泉川「……デッドボール」





一方「………………はァ?」


484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:42:19.39 ID:taUUBCXyP
黄泉川「ほら、少年。さっさと一塁に行くじゃん」

上条「あ、はい」タッタッタ

土御門「よっと、ホームイン!」

土御門(こいつアホだにゃー)

黄泉川「ゲームセット!! 四対三で――」

一方「よ、黄泉川ァァァァ!! ちょっと待ちやがれェェェ!! デッドボールってなンだ!?」

黄泉川「バッターにボールが当たった。どー見てもデッドボールじゃんか」

一方「な、な……なンだと」

垣根「いや! ちょっと待ってくれよ! ここまで引っ張ってデッドボールで終了ってのはあんまりじゃねえか!?」

麦野「そ、そうよ! 冗談きついってば!」

黄泉川「何言ってるんだ、ルールなんだから当たり前じゃん」


490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:45:54.74 ID:taUUBCXyP
垣根「く……」

麦野「それは、そうだけど……」

浜面「待て! 待ってくれ!」

黄泉川「なんだ浜面? ルールは曲げられないぞ」

浜面「違う! そうじゃなくて今のはデッドボールにならないんじゃねえか!?」

一方「……?」

麦野「どういう……」

浜面「デッドボールって確かさ、出来る限り回避行動をとったうえでそれでも避けられなかった場合に与えられるものだろ!?」

垣根「そうか! さっきのバッターはむしろ自分から手を伸ばしてたし……」

浜面「そういうことだ! あれはボールに当たりにいったとも取れるんじゃないか!?」

黄泉川「……しかし、投球のコースは完全に打者に向いてたし、避けきれずに思わず手が出たという可能性も……」


495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:49:11.84 ID:taUUBCXyP
垣根「俺にはボールにしっかり反応したうえで、右手を伸ばしたように見えたぜ!? あんたはどう見えたんだよ審判!」

黄泉川「……むぅ、一理あるじゃん」

一方「……!」

浜面「だ、だろ? だから……」

黄泉川「はぁ、わかったじゃんか。デッドボールは無しにするじゃん。……一方通行!!」

一方「な、なンだ!?」

黄泉川「能力使用で反則負けじゃん!! この大馬鹿野郎!」

一方「」

浜面「……え」

垣根「……あー」


504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:52:44.14 ID:taUUBCXyP
黄泉川「能力自体消えちまったし、怪我した奴も居なかったから後で説教だけで済ませようかと思ったけど、こうなったら話は別じゃん!」

黄泉川「お前何考えてるじゃん! あんな能力使ったら怪我じゃ済まされないじゃん!」

一方「……あれはヒーローが相手で」

黄泉川「訳のわからないことを言ってるんじゃない! せっかく頑張ってると思ったのに最後の最後でお前は……!」

垣根「あー、でもほら、あのバッターも能力使ったんじゃないか? 第一位の能力を抑えたのは多分……」

黄泉川「だとしても、そもそも能力を最初に使ったのは一方通行だ! その時点で反則負けじゃん!」

垣根「ですよね。すいませんでした」

黄泉川「そもそも今日の大会を、能力禁止にしたのは幅広くみんなに――」ガミガミ

一方「……すンませン。ホントにすンませン」ドゲザ


506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:55:24.05 ID:taUUBCXyP
垣根「いやー、参ったな。正論過ぎるぜ」

浜面「確かに……。反論できるとこが見つからない」

上条「なんか、ごめんな」

垣根「いやいや、あんたが謝ることはねーさ。いい試合だったな」

青ピ「そうやなー、正直優勝できるなんて思ってへんかったわ」

土御門「そっちのチームもかなり手強かったぜい」

浜面「あんたのピッチングも相当だったな。……あ」


507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 23:58:49.59 ID:taUUBCXyP [220/220]
浜面「えーっと、あんた。さっきは悪かったな、怪我とか無かったか?」

五和「あ、大丈夫ですよ。これでも鍛えてますから」

絹旗「確かに、先制の時の超活躍は凄かったですね」

フレンダ「あれで主導権を握られちゃった訳よ」

吹寄「貴女だって大したものだわ。どうやったらあんなに打てるのかしら」

麦野「ま、最終回の失態でギリギリプラス程度だけどね。あの白いのよりは全然マシだけどさ」


風斬「あ、あの……なんでしょうか」

滝壺「……」ジー

風斬「あの……」

姫神「どうかしたの?」

滝壺「ちょっと観察、かな」

姫神「? そう」

509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:02:27.47 ID:6uEgp1uKP [1/12]


結標「ごめんなさいね、あんな終わり方で。けど、貴女はずっとベンチだったのね。出なくてよかったの?」

神裂「ええ。今日は皆のサポートをすると決めましたから」

インデックス「むぅー、たくさん運動してもうお腹がペコペコなんだよ!」

番外「……ねえねえ、お兄さんって学生じゃないよね? 教師かなんか?」

ステイル「……僕は、まだ十四だ」

番外「まったまたー。……え? 冗談だよね?」


小萌「な、なんかもうなし崩しになっちゃってるけど、優勝賞品を授与するのです!」

上やんが受け取るぜよ それよりこの後打ち上げ行こうで? とーま! おなか減った!

ガヤガヤ ワイワイ

黄泉川「――! っと、忘れてたじゃん。まあ説教はこのくらいにしておくか。月詠センセー! 手伝うじゃんよー!」


511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:06:53.20 ID:6uEgp1uKP [2/12]
一方「……」ズーン

浜面「な、なあ、そんなに落ち込むなってば……」

麦野「ふん。揚々と出ていったくせにあのザマかよ。不様な姿を晒すなって忠告してやったのにさ」

絹旗「所詮、第一位もこの程度なんですね。超みっともないです」

フレンダ「……ふん」

滝壺「大丈夫、私はそんな役立たずでボロボロのあくせられーたも応援してる」

麦野「行くぞ」

スタスタスタ

浜面「お前ら、そこまで言わなくても……」


麦野「浜面! 何してんの。車出しなさい、汗流しに行くから」

浜面「あ、ああ。えっと、じゃあな!」

タッタッタ


515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:12:01.21 ID:6uEgp1uKP [3/12]
一方「……」シクシク

番外「ほら、いつまで寝てんのさ。起きなよ」スッ

一方「……ワースト、オマエは」

番外「なーんて言うと思った? 何? 反則負けって。情けなさすぎるから死んだらいいんじゃない? ぷぷっ」ケラケラ

スタスタ


一方「ドチクショオ……」

垣根「あー、まあ俺は今日一日結構楽しめたんだけどさ、ありゃ擁護できねえわ。そこで寝とけ。じゃあな、淡希ちゃん」

結標「……ええ」

スタスタ


517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:15:51.58 ID:6uEgp1uKP [4/12]
一方「どォせ俺なンか、クソッたれの悪党でしかねェんだよォ……」グスグス

結標(……面倒くさいわね、もう)

結標「ほら、起きなさい。さっさと――」

スッ

打ち止め「――お疲れ様、ってミサカはミサカは貴方の頭を撫でてみたり」ナデナデ

一方「……打ち、止め?」

打ち止め「今日のあなた、すごくカッコよかったよ、ってミサカはミサカは褒めてみたり」

一方「……何言ってンだ、俺はあんな真似を――」

打ち止め「うーん、確かに能力を使っちゃったのはいけなかったけど、それまでのあなたは本当に頑張ってたよ!」


519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:19:45.46 ID:6uEgp1uKP [5/12]
打ち止め「多分、ヨミカワも同じ考えだと思うよ。だから、能力使った時あんなに怒ったんじゃないかな、ってミサカはミサカは推測してみたり」

一方「俺、は……」

打ち止め「……あなたの言った通り、あなたはミサカに大活躍を見せてくれたよ、ってミサカはミサカは感謝してみたり」

一方「……はっ、そォかよ。よっ、と」スクッ

打ち止め「今日はね! ヨミカワがごちそうを作ってくれるんだって! ってミサカはミサカは期待に胸を膨らませて報告してみたり!」

一方「そォか。炊飯器足りンのかァ?」

打ち止め「秘策があるってヨミカワが言ってたよ、あ、そうだ!」

結標「?」

打ち止め「あ、あの! よかったらお姉さんも一緒にどうかな、ってミサカはミサカは誘ってみたり!」


522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:23:25.42 ID:6uEgp1uKP [6/12]
結標「え、私……?」

打ち止め「うん!」

結標「……」チラッ

一方(……ふン)

結標「……ありがとう、でも遠慮するわ。私、この後用事があるのよ」

打ち止め「……そっか、わかった! ってミサカはミサカは残念さを隠してみたり!」

一方「……隠せてねェぞ。おい、いいのか」

結標「いいからさっさと帰って、その娘に慰めてもらいなさい。ロリ……白モヤシ君」


524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:26:31.57 ID:6uEgp1uKP [7/12]
一方「ちっ、うるせェよババァが。行くぞォ打ち止め」

打ち止め「うん! またね、お姉さん、ってミサカはミサカは手を振ってみたり」フリフリ

結標「……」フリフリ



一方「……なァ、打ち止め。今度遊園地にでも行ってみるかァ?」

打ち止め「――うん! 行きたい行きたい! ってミサカはミサカははしゃいでみたり!」

一方「……そォか。なら連れてってやらァ」

打ち止め「ミサカ、あなたと一緒にジェットコースターとか観覧車とかいっぱい乗りたい! ってミサカはミサカは――」

結標(……ま、水を差すわけにはいかないわよね)


530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:30:09.66 ID:6uEgp1uKP [8/12]
結標「さってと、小萌は――」

??「あのー」

結標「ん? あら、貴方……」

上条「えっと、結標さんですよね?」

結標「ええ、そうだけど」

上条「えーっと俺、実は小萌先生の教え子で上条当麻って言うんですけど……」

結標「小萌の?」

結標(そういえば上条って聞いたことあるような……)

上条「それで、俺たちこれから打ち上げに行くんだけど、小萌先生もぜひ一緒にって話になって……」

結標「ああ、それで知らせに来てくれたの?」

上条「いや、そうじゃなくて結標さんも良かったら参加しないかなって。賞金使うからタダだしさ」


531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:33:33.78 ID:6uEgp1uKP [9/12]
結標「え? でも、貴方たちチームの打ち上げに私が行っても……」

上条「ああ、実は別のチームの連中も結構混じっててさ。だから、全然気にしなくて大丈夫」

結標「うーん、そうね……」

結標(わざわざ行くのもどうかしらね、別に参加したくないわけじゃないけど……)

結標「――悪いけど」

上条「あ、それと、土御門と知り合いなんだって? あいつから伝言があるんだけど」

結標「? 土御門から? 何かしら」

上条「あー、これはあくまで伝言をそのまま伝えてるだけであって、上条さんの意志は全く入ってないんですが……」

結標「? うん、それで何て?」

上条「えーっと、『ゴチャゴチャ考えてないでさっさと来いショタコン P.S. お前、今日一番活躍してなかったにゃー』 だそうで……」


532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:37:17.63 ID:6uEgp1uKP [10/12]
結標「へ、へぇー、そう」ピクピク

上条「あ、ああ」

結標「上条君? 打ち上げに是非参加させてもらうわ。さ、行きましょ」グイ

上条「あ、はい、いいい!?」ズルズル!

結標「あの変態(シスコン)、グラサン叩き割ってあげようかしらねー」ビキビキ

上条(綺麗な人だと思ったのに意外とおっかない人……?)

結標「さあ、上条君! あの金髪グラサンはどっち!?」

上条「あ、あっちです!」

上条(ま、優勝できて目的だったタダ飯にありつけそうだし、別にいいか。幸せだー!)



End


538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:40:22.45 ID:6uEgp1uKP [11/12]
おまけ MVPの行方

吹寄「え? ああ、終わり方があんなのだったからかしらね。その前にタイムリー打ったあたしがMVPを頂いたわ」

吹寄「ええ、遊園地も中々楽しかったわよ。普段はあんまり行けるところじゃないから尚更ね」

吹寄「いや、普通に姫神さんを誘って行ったけど……、な、なんでそこで上条の名前が出てくるのかしら?」

吹寄「……全く。あ、部屋は当然別々だったわよ。確かにすごい部屋だったわね。お風呂はかなり広かったから一緒に入ったけど――」

吹寄「ま、それなりに有意義な話はできたわね。でも、姫神さんはなんであんなのを……」ブツブツ

吹寄「――って、三馬鹿!! 盗み聞きしてるんじゃないわよ! 待ちなさい!!」ダダダッ!


全部終わり


540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 00:43:24.87 ID:6uEgp1uKP [12/12]
これで全部終わりです。ダラダラと長くなっちゃったけど見てくれた人、支援、保守や感想くれた人ありがとう

あと、代行してくれた>>1さんも本当にありがとうございます

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