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憂「呼んでみただけ」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 19:18:11.11 ID:ZpXS7ZlE0 [1/46]
憂「おねーーちゃーーん」

唯「なぁに?」

憂「呼んでみただけ」エヘヘ

唯「もう……変な子」アハハ

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:23:32.83 ID:ZpXS7ZlE0 [2/46]
お姉ちゃんの名前は平沢唯。
そしてその妹の私は平沢憂。

私は「唯ちゃん」と呼ばず
「お姉ちゃん」と呼びます。
だって私のお姉ちゃんだから。

響きがいいよね。

――お姉ちゃん。

うん。やっぱりいい。
何度見ても――呼んでもいいよ。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:27:48.49 ID:ZpXS7ZlE0 [3/46]
――学校

憂「――でね、こたつに並んで一緒にテレビを見てたんだぁ」

憂「ぼーっと見てたんだよ。こう肩を寄せてね」

梓「ふーん暇なら私達呼んでくれればよかったのに」

純「そうだよっ!日曜日なのに暇だったんだから!!」クワッ

憂「ふふふ。ごめんね、たまにはお姉ちゃんと一緒に、ね」ニコニコ

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:31:35.67 ID:ZpXS7ZlE0
梓「私は休みはずっとギターさわってたなあ」ハァー

純「私ゲームしたり昼寝してた」

梓「時間をもっと有意義に使おう」

純「わかってますよーっと」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:35:52.44 ID:ZpXS7ZlE0
お昼休み。友達と一緒にお昼ご飯を取ります。

右手の黒髪でツインテールのかわいい子が梓ちゃん。
左手の茶髪で結構くせっ毛のかわいい子が純ちゃん。

大事な大事なお友達です。

梓ちゃんとは高校から知り合ったけど、すごく仲良くなっちゃいました。
純ちゃんとは中学からだね。そのころからも仲良いよね。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:39:40.61 ID:ZpXS7ZlE0
梓「――ちょっと憂聞いてる?」

憂「はいはい聞いてますよ~」

純「こんど遊びに行こうよー」

梓「映画とか見に行ったりとかさ」

憂「いいかも」フフ

梓ちゃんは長いツインテールを揺らして話しかけます。
お姉ちゃんも夢中になっちゃうくらいかわいい子です。

そんな梓ちゃんのあだ名はあずにゃん。
ネコさんみたいだからつけたようです。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:44:30.01 ID:ZpXS7ZlE0
梓「ん?じっとこっち見てなに?憂」

憂「ん~そうだなあ」ジロジロ

純「おお、憂が梓を品定めしている」

憂「あーずにゃん」

梓「へ」ドキン

純「おお、憂のお姉ちゃんだ」

梓「び、びっくりさせないでよ」

憂「呼んでみただけだよ」エヘヘ

梓「だいたいそう呼ぶのは唯先輩だけだから」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:47:55.23 ID:ZpXS7ZlE0
憂「む~。じゃあこれでどうだ」スルリ パチン

憂「あーずにゃん!」ギュ

梓「にゃーーッ!」

純「あー憂が唯先輩に変身した」

梓「くっ。ヘアピン付けて髪ほどくだけでこうも変わるなんて」

純「さすが平沢姉妹」

憂「えへへ~」

梓「もう離れてよ~」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:49:44.53 ID:ZpXS7ZlE0
憂「はいっ」サッ

梓「ふ~」

憂「イヤだった?」

梓「いや……そんなことないけど」

憂「よかったぁ」ニコニコ

梓「その状態でやられると唯先輩にされたみたいだよ」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:52:35.61 ID:ZpXS7ZlE0
梓ちゃんはちょっぴり頬を赤くして言いました。
かわいいですね。お姉ちゃんが夢中になるのもわかる気がします。

抱き心地といえば最高でした。柔らかくて夢中になりそうでした。
お姉ちゃんみたいに頬擦りしたかったけど、それはまた今度。

梓ちゃんとお話していると純ちゃんが言います。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:56:47.31 ID:ZpXS7ZlE0
純「私もあだ名が欲しい!」

梓「あだ名?」

憂「純ちゃん!」

純「それあだ名かあ?ちゃん付けただけじゃん」

梓「りっぱなあだ名だよ。あずにゃんよりよっぽどね」

憂「お姉ちゃんが一生懸命つけたのに」シュン

梓「即決した感じだったけどね」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 19:59:07.49 ID:ZpXS7ZlE0
憂「じゃあ、じゅんにゃん?」

憂「純ちゃんもネコ耳合いそうだもんね」フフフ

梓「すごいお似合いだね」ニヤニヤ

純「うぉぉおい。なんか言いにくいよ!」

憂「やっぱり純ちゃんは純ちゃんがいいよ」

梓「そうそう純以外考えられない」

純「そうかな~」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:02:37.75 ID:ZpXS7ZlE0
憂「純ちゃーん」ニコニコ

純「なぁに」ブスー

憂「呼んでみただけ」ニコニコ

梓「じゅ~ん」

純「なぁに」ブスー

梓「呼んだだけ」

純「はいはい」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:07:29.46 ID:ZpXS7ZlE0
口を尖らせながらぶっきらぼうに答える純ちゃん。
その様子はどことなくお姉ちゃんに似ていました。

お姉ちゃんと純ちゃん。
ちょっぴりだけ行動が似ているのかもしれません。

憂「はい、純ちゃん機嫌なおして。あーん」

純「むぐ。玉子焼きだけじゃあ機嫌はなおんないね」

梓「しょうがない。私のアスパラベーコン巻きをあげる」

純「アスパラあんまり好きじゃないんだよねぇ」

憂「好き嫌いが激しい子はゆるさないよ!」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:10:17.17 ID:ZpXS7ZlE0
梓「そうだよ。はい食べた食べた」

純「むぎゅ」モグモグ

憂「えらいえらい」ニコニコ

純「ベーコンおいしい~」

憂「私の玉子焼きは~?」

純「メッチャおいしい!」

憂「よかった」ニコニコ

梓「アスパラぁぁ」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:16:03.99 ID:ZpXS7ZlE0
純ちゃんはマイペースなところもありますが
快活で一緒にいて楽しいです。

いつかお姉ちゃんみたいに抱きついて
髪の毛をもふもふしてみようと思います。

それからしばらくすると
きーんこーんかーんこーんと鐘がなりました。

憂「じゃあ、またね。純ちゃん、梓ちゃん」

純「またーー」

梓「うん、後でね」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:18:51.09 ID:ZpXS7ZlE0
――そして放課後

憂「梓ちゃん、一緒にかえろっか?部活ないよね」

梓「うん。帰ろう」

純「ジャズ研はちゃんとあるのであった」

憂「部活がんばって!」ファイト!

梓「がんばれー」

純「がんばるよ~」ヘイヘイ

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:21:31.12 ID:ZpXS7ZlE0
――とてとて

憂「――でね、お姉ちゃんがリビングで演奏してくれたの」

梓「うんうん」

憂「いろいろ歌ってくれたんだ。ギー太もすごいがんばってたの」ニコニコ

梓「それはすごいね」

憂「でね、それからね――」

梓「へ~」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:24:44.84 ID:ZpXS7ZlE0
梓「あっ、私こっちだから」

憂「そっかぁ。また明日だね」バイバイ

梓「うん、またね」

憂「梓ちゃん」

梓「ん?」

憂「またね」バイバイ

梓「うん」バイバイ

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:26:58.87 ID:ZpXS7ZlE0
――――――――――

――ありがとうございました

憂「お買い物済ましたし、はやく帰ろう」

憂「今日ちょっと買いすぎちゃった。重たいなぁ」ヨイショ

憂「うーんうーん」


唯「うーさぶいさぶい」ブルブル

唯「はやくういのあったかご飯が食べたいよ」トテトテ

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:29:34.87 ID:ZpXS7ZlE0
憂「あっ、あの後姿はお姉ちゃん!」

憂「おねーーちゃーーん」

唯「ん?」クルリ

唯「あ、うーいー」ブンブン

憂「よいしょ」

憂「わぁーーい」ダダダ

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:33:56.46 ID:ZpXS7ZlE0
――がつっ

憂「あ」

唯「あ」

――どてん ごろごろ

憂「いったぁぁ……」

唯「憂!だいじょうぶ?」

憂「うん、ちょっぴり慌てちゃったみたい」

唯「ひざ、血が出てる」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:36:38.55 ID:ZpXS7ZlE0
憂「ああぁ食材がぁ」ウルウル

唯「憂のケガのが大事だよ」

憂「私なら平気。すぐ治るよ」

唯「早く帰って手当てをしよう」アタフタ

憂「うん、帰ろう」スク

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:40:42.93 ID:ZpXS7ZlE0
散乱した食材を袋に詰めて立ち上がりました。

いつもはこんなおっちょこちょいはしないけど
帰りに普段見ないお姉ちゃんがいたので焦っちゃったのかな。

お姉ちゃんは荷物は私が持つよと言いながら私から荷物を受け取りました。

ちょっぴり痛むひざを抱え、お姉ちゃんの後を追います。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:44:13.55 ID:ZpXS7ZlE0
――とてとてとてとて

唯「いやあ憂と帰り一緒になるなんて久しぶりだなあ」

憂「うん。お姉ちゃん帰りちょっと遅いね。もう先に帰ってるかと思ったのに」

唯「途中でりっちゃん達とアイス食べてたんだ」

憂「またアイス。あんまり食べ過ぎちゃダメだよ」

唯「わかってるってー」エヘヘ

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:50:20.67 ID:ZpXS7ZlE0
憂「お姉ちゃん」

唯「なにかな」

憂「にもつ重たくない?」

唯「ぜーんぜん」

憂「手、ふるえてるよ?」

唯「へいきへいき」ニコニコ

憂「じゃあ、一緒に持ってあげる」ギュッ

唯「おおー。かるくなったあー」

憂「一緒に持てば重さも半分こ」ニコニコ

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 20:56:51.00 ID:ZpXS7ZlE0
憂「……ふふふ」

唯「なにわらってるのぉ?」

憂「うれしくて」ニコニコ

唯「ふーん」

憂「ねえ、お姉ちゃん」

唯「なあに」

憂「なんでもない」

憂「呼んでみただけ」フフ

ちょっぴり痛む足が顔を引きつらせました。
お姉ちゃんは少し眉をハの字にして言います。

唯「今日の憂は変だねぇ」

憂「そうかも」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:01:09.05 ID:ZpXS7ZlE0
――――――――――

――リビング

唯「ちょーっとしみるかも」ソーッ

憂「う、うん」

唯「えいっ」チョン

憂「んっ」

じんじんと痛む傷口。
痕になるとイヤなので早く治って欲しいなと思います。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:04:40.47 ID:ZpXS7ZlE0
憂「お、お姉ちゃんが?」

唯「そう。ケガしたういは大人しくしてるのがいいの」

唯「今日は私が腕によりをかけて作るから!」

憂「だ、だいじょうぶかな?」

唯「だいじょうぶ!!まかせて!!!」

憂「……うん。お姉ちゃんがんばって!」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:07:56.43 ID:ZpXS7ZlE0
>>41の前にこっちがはいる ごめん
==========



唯「あとは包帯まいてー。くるくるっとね」クルクル

憂「うん。これで痛くもないよ。ありがとうお姉ちゃん!」

唯「いえいえ、これくらい。憂のためだもん」

憂「ふふふ……。さあお夕飯作っちゃうね。おなかすいたもんね」スッ

唯「まちんさい!」ビッ!

憂「どうしたの?」

唯「ういはここで座っててね。ご飯は私が作るから!」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:13:18.28 ID:ZpXS7ZlE0
普段滅多に家事をしないお姉ちゃんのことを考えると気がかりでしかたありません。
そわそわと落ち着きがなく、もどかしい思いです。

でも、やる時はやるお姉ちゃんです。

出来上がったお料理は見た目は少し変かもしれないですけど
お味のほうはバッチリでした。

憂「お姉ちゃんおいしいね」

唯「でしょー?ういにおいしいの食べさせたかったんだから」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:17:21.66 ID:ZpXS7ZlE0
おいしいご飯を一緒に笑い合って食べて
お姉ちゃんと一緒に楽しいときを過ごします。

お姉ちゃんの笑顔を見れば痛いひざのことなんか忘れちゃうもんね。

後片付けもキレイにお姉ちゃんがしてくれました。

今日だけ、普段の行いがひっくり返ってます。

お姉ちゃんみたいにごろごろしようかなぁ。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:20:06.32 ID:ZpXS7ZlE0
こたつの前で丸まってるとお姉ちゃんが戻ってきました。

唯「ほらーうい、アイスだよ。そんなとこでごろごろしてないで食べよう!」

憂「うん。ありがとうお姉ちゃん」

唯「やっぱアイスおいしいねー」ペロペロ

憂「冬のアイスも一段とひんやりしてておいしい」ニッコリ

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:25:05.51 ID:ZpXS7ZlE0
そのままこたつに当たりながら一緒にお話時間の始まりです。

いつもみたいにお姉ちゃんは学校での楽しかったことを話します。

授業中こんなことがあった、休み時間にこんなことした
帰りに食べたアイスはおいしかったよ――等等。

二人で笑い合ってると楽しいものです。

そして楽しい時間はあっという間に過ぎていくものです。

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:29:04.72 ID:ZpXS7ZlE0
憂「あぁ!もうこんな時間。早くお風呂入って寝ないと……」

唯「うぉお。どうりで眠いわけだ」

憂「お風呂用意してくるね」

唯「私がしてくる!!」

唯「ういはまっててー」ダダッ

憂「お姉ちゃん……頼もしい!」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:34:43.47 ID:ZpXS7ZlE0
――――――――――

唯「できた!」

憂「はやいね」

唯「よしっ。早く入ろうよ」

憂「うん……一緒に?」

唯「もちろん!そのほうが早く寝れるし。ういケガしてるし」

憂「ケガくらい平気だよぉ」

唯「ダメダメ。さあここで話していないで早くお風呂場へゴー!」グイグイ

憂「わかったよぉ。おさないで~」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:36:09.09 ID:ZpXS7ZlE0
――ジャージャー

唯「うい、しみない?」

憂「うん。タオルまいてあるし」

唯「よーし。背中とか流してあげよう」

憂「ありがとうお姉ちゃん」

唯「えへへ」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:41:47.97 ID:ZpXS7ZlE0
お姉ちゃんにキレイにしてもらって身もこころもキレイキレイです。

浴槽の中で仲良くよりそってあったまります。

本当はここでまた色々とお話をしたいけどもう寝ないといけません。

遅い時間とぽかぽかな身体と適度な疲労が眠気へと誘ってきます。

さあ、名残惜しいけど浴槽からでましょう。

でて、身体拭いて、パジャマに着替えて眠りましょう。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:45:40.03 ID:ZpXS7ZlE0
唯「ふぃ~さっぱり」フキフキ

憂「体あったかいうちに寝たいね」

唯「そうだね。でも、ベッドの中は冷たそうだよ」

憂「冬だもん。しょうがないよ」

お姉ちゃんは口を尖らせ
ぶーぶーと文句をいいたげな顔をしました。

かわいいけど、困っちゃうな。

あ、そうだ!

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:48:50.77 ID:ZpXS7ZlE0
憂「お姉ちゃん」

唯「なぁに?」

憂「一緒に寝ようよ」

唯「あー!今それ言おうと思ったのに」プンプン

憂「ふふ。私のさきー」エヘヘ

唯「よーっし。早く髪かわかして、ベッドへゴーだ!」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 21:56:42.12 ID:ZpXS7ZlE0
ルンルン気分でお部屋へ行くお姉ちゃん。

なんだかこっちまで楽しくなってきそうです。

お姉ちゃんのお部屋を開けると薄暗くて冷たくて
なんだか寂しい気分が襲ってきそうでした。

唯「ういー。ほらほら早く寒いからベッドへもぐりこもう」

憂「うん……」

小さな窓から月明かりがさしこむベッドへ
もぞもぞともぐりこみます。

憂「あいたっ」

唯「どうしたのっ?」

憂「ううん。ちょっとひざすっちゃった」

唯「だいじょうぶかな?見せて」

憂「へいきだよ」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 22:00:32.74 ID:ZpXS7ZlE0
唯「だいじょうぶ?」

憂「うん。すぐ治るよ明日には治っちゃう」

そう治っちゃいます。
ちょっとくらいの傷なんかへっちゃら。

唯「そっかー。じゃあ寝ちゃおう寝ちゃおう」

憂「おー寝ちゃおう~」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 22:08:22.19 ID:ZpXS7ZlE0
しーんと静まり返った部屋では孤独感が浮き彫りにされそうです。

特に今日みたいに楽しいことがあった後だとなおさらです。

憂「……」

憂「お姉ちゃん」

唯「なぁに」

憂「……なんでもない」

唯「そっかぁ」

憂「…………」

憂「お姉ちゃん」

唯「なぁに?」

憂「手、にぎっていい?」

唯「いいよー」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 22:13:28.32 ID:ZpXS7ZlE0
ぎゅっとぎりしめました。

ちょっとだけ、温かさを失ってるけど
にぎっていればあったかくなるよね?

ぎゅーぎゅーっと力強くにぎります。

唯「あー」

憂「どうしたの?」

唯「まぶしいと思ったらタペストリー引いてなかった」

唯「ひこおーっと」スッ

憂「いいよ」

唯「ん?」

憂「このままで」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 22:19:17.42 ID:ZpXS7ZlE0
唯「そう?」

憂「だって、空、キレイだもん」

唯「キレイキレイ……」ジー

唯「うん、キレイだね」

憂「ね?」ニコ

唯「うん」ニコ

小さな窓からさしこむ月明かりが
お姉ちゃんの笑顔を照らしています。

そしてその笑顔で照らされる私でした。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/12(日) 22:25:01.18 ID:ZpXS7ZlE0
――お姉ちゃん。

呼んでみただけでもうれしくなっちゃうから。
その笑顔を見れるだけでうれしくなっちゃうから。

今日も明日も明後日もお姉ちゃんを呼びます。

憂「お姉ちゃん」

唯「なぁに」

憂「もっとそっち寄っていい?」

唯「いいよ~」

憂「よいしょっと」

唯「ふふふ」ニコ

憂「えへへ」ニコ

今日の夜空はとてもキレイ。
月明かりがキラキラと輝いています。

そんな月明かりが笑い合う私たちをやさしく照らしてくれました。

あったかくなるように、やさしくやさしく――。


                    おしまい


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