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黒子「お姉様が亡くなった……?」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 19:54:13.84 ID:PpjMXUN60
黒子「お姉様ぁ! お姉様お姉様お姉様ああああぁ!」

黒子「お願いです、返事をしてくださいまし!」

黒子「ほらほらお姉様、またいつものように困ったような顔をして黒子を引き離さなくてよろしいのですか!?」

黒子「黒子の想いに応えてくださらなくても構いません! この際類人猿の隣で幸せそうに笑っていても邪魔はしません!」

黒子「ですからどうかもう一度……目を開いてください……お願いですから……」

佐天「……」

初春「……」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 19:58:48.96 ID:PpjMXUN60
佐天「あの事件以来白井さん変わっちゃったよね」

初春「仕方ありませんよ……。白井さん、本当に御坂さんのことが大好きでしたから」

佐天「でもやっぱり少しおかしいと思うんだ。御坂さんが亡くなったことを認めたくないからって自分を殺すような真似までして……」

黒子「二人とも何の話をしてるの?」

佐天「白……御坂さん!? えーっとですね……」

初春「さっ、最近開いたクレープ屋さんのこと話してたんですよ! これチラシです」

黒子「どれどれ。へぇー、なかなか美味しそうじゃない」

佐天「しかも御坂さんの好きなゲコ太ストラップのプレゼントキャンペーン中ですよ!」

黒子「べっ、別に私はゲコ太なんか! まあでもその、貰えるってんならわざわざ拒否する必要はないかなーとは思うけど……」

初春「何なら今から三人で行ってみますか?」

黒子「いいわねそれ! そうしましょう!」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:02:31.91 ID:PpjMXUN60
黒子「うーん、なかなかいけるわねこれ」

初春「そうですねー」

佐天「ん。御坂さん早速カバンにストラップ付けたんですか?」

黒子「えーとほら、貰ったものは有効活用しないと勿体ないじゃない! べべ別にゲコ太が特別好きって訳じゃないわよー。あは、あははは」

上条「不幸だ……」

黒子「あっ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:04:55.56 ID:PpjMXUN60
黒子「こらアンタ、待ちなさい!」

上条「し……ビリビリか。何か俺に用か?」

黒子「ビリビリ言うな! 私には御坂美琴って名前があるのよ!」

上条「って、うおぉ!? いきなり攻撃すんなよ! 危ないじゃねーか!」

黒子「今日こそきちんと勝負しなさい!」

上条「いやそれがですね、上条さんにはどうしても欠かせない用事がありまして」

黒子「用事ぃ?」

上条「早い話これからスーパーのタイムサービスに向かわなくてはならないのですよ」

黒子「はぁー、相変わらず随分な生活送ってんのね」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:07:41.31 ID:PpjMXUN60
黒子「いいわ、ついていってあげる」

上条「は? お前がスーパーにか?」

黒子「そ。んで買い物が終わったら勝負ね。おーけー?」

上条「はぁ……嫌だって言っても聞かないんだろどうせ」

黒子「よく分かってんじゃない」

上条「でもあの子達はいいのか? お前一緒に遊んでたんじゃないのか?」

黒子「あ……」

佐天「いいですよ御坂さーん、私達のことは気にせずゆっくりデートしてきて下さい!」

黒子「ち、違うのよ佐天さん! 私とこいつは……。って、ああっ! ドサクサ紛れに逃げるなゴラァァァ!」

上条「不幸だぁああああ!」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:09:43.78 ID:PpjMXUN60
佐天「自分の元の人格を押し殺して御坂さんになりきっている、かぁ……」

初春「一種の現実逃避だとお医者さんは言っていましたね……」

佐天「初春。やっぱり私、今の白井さんを見ているのは辛いよ」

初春「まるでお友達を同時に二人亡くしたかのような気分ですよね」

佐天「ねえ、せめて御坂さんを殺した犯人を見つけることはできないものかな?」

初春「すみません、捜査は難航しているというのが正直なところです。
    この事件に関してはなぜかジャッジメントにまで情報規制がかけられているので……」

佐天「それでも犯人が何の報いも受けずにいるだなんて、私そんなの納得できないよ!」

初春「私だって、私だってそれは同じです!」

佐天「……なんかごめん」

初春「私の方こそ……」

佐天「毎日が楽しかった筈なのにどうしてこうなっちゃったんだろうね……?」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:12:59.53 ID:PpjMXUN60
固法「何を調べてるの?」

初春「御坂さんが殺害された日の監視カメラの様子です。
    といってもなぜかどのカメラを見てもその時間帯だけノイズがかかっているんですけどね」

固法「ねえ初春さん、やっぱりその事件を追うのは諦められない?」

初春「御坂さんは私にとって大切なお友達でしたから」

固法「気持ちは分かるわ。でも上からはこの件にこれ以上関わるなという指示が出ているのよ?」

初春「それでも、それでも私はっ!」

固法「……。ここから先は私の推測なんだけどね」

初春「はい」

固法「そもそもレベル5である御坂さんをどうこうできる人間なんて非常に限られているの。
    その時点で容疑者は両手で数え切れるほどに絞られてくる筈」

初春「レベル5が犯人の可能性が高いということですね」

固法「ええ、そうなるわ」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:18:39.00 ID:PpjMXUN60
固法「実はこの件に関してはジャッジメントのみならずアンチスキルもまともに動けていないの。
    どちらの組織にも上から圧力がかかっているからよ」

初春「そんなことって!」

固法「初春さん、悲しいけどこれが学園都市の現実よ……」

初春「……。学園都市側としては犯罪者にするには惜しい人物が犯人ということでしょうか?」

固法「恐らくね。だからこのまま捜査を続けたら妨害が加えられる恐れもあるわ」

初春「捜査妨害!? いくらなんでもそれは考えすぎじゃありませんか!?」

固法「監視カメラの映像にかけられていたノイズ」

初春「あっ」

固法「このまま捜査を続けたら、とは言ったけど、もしかしたら既に捜査妨害は始まっているのかもしれないわ」

初春「……」

固法「いいこと初春さん、今回ばかりは警戒しすぎて損するということはないの」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:23:47.64 ID:PpjMXUN60
固法「あなたが挑もうとしているのはそんな事件なのよ。十分な覚悟はあるの?」

初春「……ええ、勿論です!」

固法「ふふ、愚問だったかしら? じゃあはいこれ、重要な資料よ」

初春「こっ、これってまさか!?」

固法「羽に雑誌、どちらも現場に落ちていた証拠品よ。当然実物」

初春「そんな物がどうしてここに……?」

固法「あはは、提出をさぼってこっそり持ち出してきちゃった」

初春「固法先輩……。ありがとうございます!」

固法「私にできるのはここまで、頑張ってね初春さん」

初春「はい!」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:29:10.27 ID:PpjMXUN60
初春「情報をまとめてみましょう。現場に残されていたのは『血塗れになった大量の黒い羽』と『コミックLOという雑誌の最新号』。
    凶器は恐らくこの黒い羽根。それと推測から浮かび上がった、レベル5を倒せる実力者という犯人像」

初春「現時点で手掛かりはこれぐらいですね。うーん、まずはデータバンクで各レベル5のことを調べてみますか。
    もし全レベル5の潔白が証明されたら次はレベル4に対象をシフトしていきましょう」

初春「まずコミックLOを所持している可能性が高いのは男性。女性の超能力者は一先ず除外するとして……。
    調べるべきは第一位、第二位、元第七位ですね」

初春「まずは第一位の方から。本名は不明……? 能力名は一方通行。あらゆるベクトルを変化させる能力」

佐天「これまた悪そうな顔だねぇ! うへー、流石にとんでもない能力」

初春「そうですね。ただ羽とはあまり関連のなさそうな……。って、ええ!? 佐天さんどうしてここに!?」

佐天「いやほらさ、やっぱり私も御坂さんのことは好きだったもん。その犯人探しなら是非お手伝いしたいなーって」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:35:59.58 ID:PpjMXUN60
初春「駄目です佐天さん!」

佐天「危ないから? それとも私が風紀委員じゃないから?」

初春「どっちもです!」

佐天「固法さんから聞いたんだけどさ、この件じゃ初春も風紀委員として動くことはできないんでしょ? 私と初春、実質立場は似たようなものじゃん」

初春「それは……そうですが……」

佐天「それにね、私は心配なの」

初春「佐天さん?」

佐天「この上もし大好きな初春までいなくなっちゃったら、そんなの私たえられないよ……」

初春「……」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:38:09.95 ID:PpjMXUN60
初春「はーっ。仕方ないですねぇ、分かりました」

佐天「初春っ!」

初春「でも無茶は絶対にしないこと! いいですね?」

佐天「やっぱりだーい好き、うーいーはーるーっ!」

初春「わわっ! 抱き付かないでください! もうっ、佐天さんったら甘えん坊さんなんですから」

佐天「うっふふー、なんせこれでも初春より年下ですし」

初春「たった数か月の違いじゃないですか」

佐天「あっはっは、気にしない気にしない!」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:43:20.89 ID:PpjMXUN60
初春「次は第二位について調べましょう」

佐天「おー!」

初春「名前は垣根帝督。能力名は未元物質。この世に存在しない筈の物質を生み出す能力……?」

佐天「んー、なんかよく分かんない能力だね」

初春「そうですね」

佐天「あっ! でもほらここ見てよ!」

初春「備考、一定以上の能力発動には羽の出現が必要……。あああーっ、羽ぇ!?」

佐天「これビンゴなんじゃない? 現場に残されてた黒い羽はきっとこの人のだよ!
    未元物質(ダークマター)って能力名もさ、なーんかいかにも黒い羽が似合いそうじゃん!」

初春「確かに怪しいですね! さて、元第七位にも一応目を通しておきましょう」

佐天「この人は……。うーん、ちょっと違いそうじゃない?」

初春「確かにどうやっても羽には結び付かなさそうな能力です」

佐天「よーし。まずは第二位に当たってみよう!」

初春「そうですね、垣根さんの所属している長点上機学園周辺にはりこんでみましょう」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:46:51.33 ID:PpjMXUN60
初春「おっとその前に」

佐天「んー? 何書いてんの初春ぅ?」

初春「白井さん宛てに現時点で分かっている情報をまとめたメモを」

佐天「でも初春、今の白井さんは……」

初春「分かっています。だけどもし白井さんが現実に向き直ってくれたら、その時はきっとここに来てくれると思うんです」

佐天(そっか。初春は白井さんの強さを信じてるんだ……)

佐天「……そうだね。白井さんならきっと、大丈夫だよね」

初春「ええ。なんてったってあの白井さんですから!」


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 20:55:19.28 ID:PpjMXUN60
初春「あの! 垣根帝督さん、ですよね?」

垣根「誰だテメェ?」

初春「ジャッジメント177支部所属の初春飾利といいます」

初春(今回本当はジャッジメントの名前を借りてはいけないんですが……まあ、このぐらいいいですよね?)

佐天「えと、私佐天涙子でーす」

垣根(……。暗部の人間特有の腐った臭いはしねぇな。見た感じ身のこなしも素人レベル。今のところ極端に警戒する必要は無さそうだ)

垣根「んで、初春さんに佐天さんは何の用なんだい? まさかただの逆ナンってこともないだろう?」

佐天(あ、なんか物腰が柔らかくなった)

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:01:02.55 ID:PpjMXUN60
初春「この雑誌に見覚えはありませんか?」

垣根「どれどれ。ああコミックLOか……。って、はあぁ!? お前何考えてんだ!?」

初春「ひっ、すみませんすみませんすみません! そうですよね、いきなりこんな雑誌持ってますかなんて質問失r」

垣根「コミックLOといったらあれだぞ! たかみちの描いた心和む表紙が目印のロリ漫画専門紙!
    ヒロインは小中学生ばかりのあの雑誌だぞ!? そんな素晴ら……ゲスな雑誌のことをこの俺が知っている筈ないだろうが!」

佐天「初春、犯人はこいつ確定」

垣根(犯人だと? 一体何のことだ? そうか! まさかこいつら学園都市側の人間か!?
    例えば奇妙な質問で時間を稼ぎ、その隙に読心能力者に俺の心を探らせたのだとしたら……とことん笑えねぇ。
    探られて痛い腹ならいくらでも持っているからな。俺としたことが油断しすぎたか)

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:11:08.67 ID:PpjMXUN60
垣根(とりあえずしらばっくれて相手の出方を見るとしよう)

垣根「さあて、何のことかな?」

佐天「とぼけないでください! 御坂さんの殺害現場にはコミックLOと大量の黒い羽が残されていたんです!」

初春「そうですよ、状況的にあなたがもっとも犯人に近いんです! 疑いを晴らしたかったら当日のアリバイを聞かせてください!」

垣根(は? こいつ何言ってんだ? 御坂というと……最近死んだっつー超電磁砲のことだったか?
    何にせよ俺は一切絡んでいない案件だ。んだ、取り越し苦労かよ……)

垣根(だが殺害現場にLOを放置した犯人、だと? ただでさえ悪いLOのイメージを更に下げかねない行為だ、気に入らねぇ)

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:19:00.63 ID:PpjMXUN60
垣根「第三位を倒せる人間は非常に限られている。大方それで俺に目星を付けたというところか?」

初春「ええそうです」

垣根「ったく、他人のことは言えねぇが、勢いで動く奴らだな。だがお前らよぉ、一つ大きな勘違いをしてるぞ」

初春「勘違いですか……?」

垣根「さっき現場には大量の羽が残されていたと言ったな」

佐天「ええ。遺体の周りには黒い羽根が散らばっていました!」

初春「その羽根は現場であなたが能力を発動したという何よりの証拠なんじゃありませんか!?」

垣根「ふん。どうやら俺が能力を発動すると翼が出現するという点までは調べがついているらしい」

佐天「そうです、バンクでバッチリ調べましたよ!」

垣根「そんなお前らの情報収集能力を俺が採点するとしたら……そうだな、おまけして10点程度しかやれねえな」

初春「どういうことですか?」

垣根「俺が能力を発動する際に生える羽は白色なんだよ」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:27:18.76 ID:PpjMXUN60
佐天「そ、そんな!?」

垣根「ったく、ちっと調べりゃそんぐらい分かりそうなもんなのによぉ!」

初春&佐天「すみません……」

垣根「まあいいさ。こう見えて俺は器が広いんだ、許してやる。さてと、事件の犯人探しだが次はどいつに当たるつもりだ?」

初春「ちょっと待ってください、どうして当たり前のように捜査に加わる気でいるんですか!?」

垣根「ああ? んじゃテメェは殺害現場にLOを残してそのイメージを損なった屑を見過ごせってのかよ!?
    いや別に俺はLO読者じゃねーぞ! だが日本文化の象徴の一つであるLOの品位を貶める行為は人として許せないっつーかよ」

佐天「か、垣根さん落ち着いてください! 羽出てますから! 道路塞いで渋滞起こしてますから!」

垣根「ちっ。12才にそう言われちゃ従うしかないな」

佐天「あ、えと、どうも」

佐天(……ん? この人どうして私が12才だって分かったんだろう?)

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:32:09.77 ID:PpjMXUN60
垣根「けど真面目な話、捜査にレベル5が加わるっつーのはお前らにとっても悪い話じゃないと思うんだがなぁ?
    なんせ高能力者ばかりを相手取るわけだろう。いざという時お前らだけで対処できるのか? あぁ?」

佐天「それはそうですが……。というかちょっと垣根さん、顔近いです近いです!」

垣根「ああ悪い、ついな」

佐天「はぁ、ついですか」

初春「ど、どうしましょう佐天さん?」

佐天「うーん。ま、そうだねぇ。垣根さんが協力してくれれば心強いのは確かだけど……」

垣根「流石に12才は見る目が違う」

佐天「あはは……」

初春(うわぁ……)


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:40:20.87 ID:PpjMXUN60
黒子(明日はケロヨンのヘアピンの発売日、今から楽しみね! うーん、私ぐらいの髪の長さでも似合うかなー?)

黒子「って、あれ? どうして鏡に黒子の顔が写ってるのよー。
    まさかあの子ったらまた変なことやらかしたんじゃないでしょうね!? 帰ってきたらとっちめてやるんだから!」

黒子(大体黒子の行動はいつもいつも行き過ぎなのよ! 私にそっちの気は無いってのに、全くもう)

黒子「そうよ、結局黒子のことは……ただの後輩としてしか……ひくっ……」

黒子「あら変ね……ぐすっ、どうして涙が……止まら……ない……の……?」

黒子(……お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様)

黒子「そうでしたわ。私は、いえわたくしは、白井黒子ですの……。お姉さまは……全身を滅多刺しにされてお亡くなりに……。
    うぇぇぇ……お姉様ぁ……もう一度お会いしたいですわ……お姉様ぁ……ぐすっ」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:46:55.90 ID:PpjMXUN60

黒子「ぐすっぐすっ、ぐすっ」

黒子「……」

黒子「しっかりしなさい黒子! あんたはそんなに弱い子じゃないでしょ!?」

黒子「……」

黒子「いっぱい……迷惑をおかけしましたの……。初春に、佐天さんに、固法先輩に……。
    ……そして何より類人猿。お姉様の想い人に……」

黒子「……」

黒子「今は過去を悔むより前を見なさい! 大丈夫、あんたはそれができる強い子だから!」

黒子「……」

黒子「やっぱり……いつまでも逃げている訳にはいきませんわ……。だってわたくしはあのお方の……お姉様のパートナーなんですもの!」

黒子「お姉様、わたくしもう現実から目を逸らしませんわ。だからどうかこの不出来な後輩を見守っていてくださいな」

黒子「だからさようならですの、黒子の中に生まれた偽りのお姉様……ありがとうございました……」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:53:47.46 ID:PpjMXUN60
黒子(お姉様の殺害犯についての情報を求めて177支部にきましたが、どうやら皆留守のようですわね)

黒子「仕方ありませんわ。本来わたくし向きの仕事ではないのですが、パソコンに向き合うとしますの……。
    ……ん? なんですのこのメモは?」

「白井さんへ。

 御坂さんを殺害した犯人を捜すために出かけてきます。
 私が特に目を付けているのはレベル5第二位。少し優先度が落ちて第一位と元第七位です。

 現状では遺体の周りに落ちていた大量の黒い羽根とコミックLO最新号しか物的手掛かりがありません。
 また、遺体を間近に見た白井さんなら気づいているとは思いますが、凶器はその黒い羽根だと考えられます。

 監視カメラの映像にノイズがかかっていた為手掛かりは乏しいですが、犯人は必ず捕まえてみせます!
 もしよろしかったら白井さんもこちらに合流してくれると心強いです。

 貴方の頼りになる同僚初春より」

黒子「ふふっ、あの子ったら……。さっそく連絡をとりますの。……って、あら?
    どうして初春に電話をかけたのにこの部屋で着信音が? まさかあの子……!」

黒子「はあっ、やっぱりでしたの。まさか自分の携帯をここに忘れていくだなんて……。
    頼りになる同僚という二つ名はやはり没収ですわね。仕方ありませんわ、地道に足で探すことにしましょう」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 22:00:14.29 ID:PpjMXUN60
ごめん、一時中断。一時間以内に戻る

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 22:45:36.06 ID:PpjMXUN60
初春「あの、あなたが一方通行さんですよね?」

一方「あァン?」

初春「ひっ」

垣根「さすが学園都市第一位、目つきの悪さも一番なんだな」

一方「なンなンですかてめェはァ? 殺されたいンですかァ!?」

佐天「ちょっと垣根さん! 一方通行さんも!」

垣根「……わりぃ、12才」

一方「ほゥ、この長髪12才か」

一方(まァぎりぎりセーフってとこかァ?)

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 22:52:17.05 ID:PpjMXUN60
佐天「あのー、今は私の年齢はあまり関係無いと思うんですが」

垣根「重要に決まってるだろ!!」

佐天「え? え? そうなの初春?」

初春「さあ、私にもさっぱりで」

一方「ババァは黙ってろ!」

初春「えっ……?」

佐天「ちょっと一方通行さん、会ったばかりの相手にそれは無いんじゃないですか? 初春に謝ってください!」

一方「ハイハイわーったよ、悪かったな初春さンとやら!」

垣根「ガキに怒られて萎むとはなんとも情けない様じゃねえか」

一方「ンだとこのホスト崩れェ!」

佐天「お二人とも! いい加減にしてください!」

垣根「ふん……」

一方「ちっ」

初春(こんなのがツートップの学園都市って一体)

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 22:57:58.23 ID:PpjMXUN60
一方「ンで、てめェら何の用があって俺に話しかけてきたンだァ?」

初春「実は私達、御坂美琴さんを殺害した犯人を追っているんです」

一方「……。ふーン。へーェ。だが生憎俺ァあンな短髪ババァのことは知らないぜ?」

垣根「なあ佐天ちゃん、超電磁砲は短髪だったのか?」

佐天「そうですね、女の子の割には短かったと思います」

佐天(というかなんで私に名指しで? 聞く相手は初春でもいい筈なのに)

垣根「だそうだが、どうしてあんたは超電磁砲の髪型を知っていたのかね?」

一方「前から一応の面識があったかンな。だが黒い羽であいつを殺したのは俺じゃないぜェ」

垣根「おいおい一方通行さんよぉ、俺たちゃ現場に黒い羽が落ちていたことについては一切言及していない筈なんですけどねぇ?
    ましてや黒い羽が凶器だなんつーことは俺すら知らなかったっけなあ。一体どういうことだ、吐きやがれ!」

一方「ちくしょう俺としたことが誘導尋問にかかっちまったァ!!」

初春(いや誘導尋問じゃないですよね別に)

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:01:15.15 ID:PpjMXUN60
佐天「一方通行さん、本当にあなたがやったんですか?」

一方「ああそうさァ! こうなったら認めてやんよォ!」

佐天「どうしてそんなことを……」

一方「俺はあいつが、どうしても許せなかったんだァ!!」



―――――回想―――――



御坂「あっ……」

一方「ンだァ? ああ誰かと思えばクソババァじゃねェか」

御坂「くっ、クソババァってねぇ! 私まだ中二なんだけど」

一方「中二はババァだろ」

御坂「なんですってぇ! じゃああれよ? 打ち止めだって数年後はババァになるってことよ?」



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:05:08.74 ID:PpjMXUN60
一方「なンだとォ……?」

御坂「だってそうじゃない! あの子は数年前の私と同じ姿をしてるんだもん」

一方「ふざっけンなァあああああああ! うァあああああああああああ!」

御坂「ひっ! 黒い翼が!?」

一方「死ィィィねェェェェェ!」

御坂「や、やぁぁ……助けてぇ……当…麻……」

一方「あ、ヤベェ。つい勢いで」



―――――回想終了―――――



一方「だから俺はァ!」

佐天&初春「えぇー……」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:14:05.15 ID:PpjMXUN60
垣根「これは超電磁砲にも非があるな」

一方「だろォ?」

佐天「いやいやいや何をそんな得意げに」

垣根「幼女(エンジェル)という名の生き甲斐(レゾンデートル)を汚されたんだ、怒るのも無理はない」

初春「そんな理屈むちゃくちゃです!」

一方「理屈じゃねェンだよ! 幼女はなァ、理屈じゃねェンだよ!」

佐天「こんな理由で殺されたんじゃ御坂さんも浮かばれませんよ……」

黒子「ふ、ふふふふふ、いっそ笑えてきましたわ」

佐天「って、白……御坂さん!?」

黒子「いいえ佐天さん、わたくしはもう元の白井黒子ですの。
    今までわたくしの現実逃避に付き合わせてしまい本当に申し訳ありませんでした」

初春「白井さん! 私ずっとずっと信じてました!」

黒子「あら、そちらにいらっしゃるのは忘れん坊の初春さんではありませんの」

初春「忘れん坊? ……あっ、携帯が!」

黒子「全くあなたという人は、そんなに大事なものを忘れておきながらわたくしへのメモは残しておくだなんて。
    ……同僚としては及第点ですが、友人としては満点ですの」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:19:03.49 ID:PpjMXUN60
佐天「にしてもいつからそこにいたんですか?」

黒子「そこの白髪が罪を告白するところからですわ……うふふ……」

垣根「なんかこいつ正気を失ってねーか?」

黒子「部外者は黙っていてくださいまし!」

垣根「おっ、俺は第二位未元物質なんだぞ!」

黒子「だから?」

垣根「……。なんでもない」

黒子「分かればよろしいんですの。さて、あなた一方通行とかいいましたか?」

一方「なっ、なンだよテメェ。やるってンのかァ!?」

初春「無茶です白井さん! 相手は学園都市第一位なんですよ!」

黒子「お姉様に……、御坂美琴様に謝ってくださいまし!」

初春「って、あれ?」

一方「はァ?」


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:29:09.08 ID:PpjMXUN60
黒子「正直なところわたくしはあなたのことを憎んでいます。それこそ殺してやりたいほどに。
    ですがわたくしはお姉様のパートナーにしてジャッジメント! 決して風紀を乱すような真似は進んでいたしませんわ!」

一方(なンでだよ、どうして仇の俺にそンな態度がとれるンだよ!?
    クソッ、見た目は全く似つかない筈なのに何故か三下の姿がチラつきやがる……)

佐天「白井さん……。ぐすっ」

黒子「ちょっと佐天さん、どうしてあなたが泣きますの?」

佐天「だ、だっでぇ……元の……白井ざっ、戻っ、ぎだがら……」

初春「佐天さん……」

黒子「もうっ、仕方のない人ですわねぇ」

佐天「ずみま…ぜん……えへへ」

垣根(ああああああ、涙を流す12才とか超可愛いじゃねぇかあああああ)

一方(ワリィ打ち止め、今ちっと心が揺らぎかけた)

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:41:55.90 ID:PpjMXUN60
黒子「さて。学園都市第一位様はどうなさるおつもりで?」

一方「はっ、電気ババァなンざのために謝ってたまるかよ」

黒子「本意ではないのですが結局力で屈服させるしかないようですわね。ねぇ、そこの茶髪の殿方」

垣根(よっしゃああああ! やっとセリフがきたぁあああ!)

垣根「ああ? 今更俺に何をしろってんだ?」

黒子「第二位、未元物質、さっきそうおっしゃいましたわね?」

垣根「それがどうした」

黒子「わたくし第一位の能力はあらゆるベクトルの変換、第二位の能力はこの世に存在しない筈の物質の生成だと理解しております」

垣根「ああ、その認識であっている」

黒子「では質問ですの。果たして第一位の能力は未元物質の動きをも操作できる程のものなのでしょうか?
    わたくしの能力である空間移動によって未元物質を動かせば、なおのこと通常とはかけ離れたベクトルを持つと思いますが」

垣根「さて、そればかりはやってみないことにはな。つか俺がお前に協力することはもう確定してんのかよ」

佐天「協力……してくれないんですか?」

垣根「ぜひよろこんで」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:49:14.96 ID:PpjMXUN60
一方「はっ! 格下の攻撃の反射なンざ余裕に決まってンだろがァ!」

黒子「あら言いますのね。それほど大口を叩いたのです、怯えて攻撃を避けるような真似など当然なさいませんわよね?」

一方「上等だァ!」

黒子「では垣根さん、手の平サイズの未元物質を出してくださいな」

垣根「仕方ねぇな。ほらよ、受け取れ」

黒子「どうもですの。では準備も整いましたことですし、実際に試してみましょうか!」

初春「白井さん、気を付けてください……!」

黒子「わたくしは大丈夫ですわ初春。さて一方通行、まずはその右手を貫かせて頂きますの!」

一方「いいぜェ! いつでもきやがれ!」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:53:12.98 ID:PpjMXUN60
黒子(一方通行の右手へ向け……未元物質を空間移動!)

一方(よし、これなら問題なくいけるっ!)

黒子「くっ!」

初春「跳ね返った未元物質が白井さんの右手に!?」

佐天「どうしようどうしよう!? えーっとえーっと、とにかく早く抜かないと!」

黒子「お構いなく。止血の備えがない状況で不用意にこれを抜くのはかえってよろしくありませんわ」

初春「わっ、私どこかで医療器具探してきます!」

一方「は、ハハハ……。なァにが未元物質だァ! 余裕じゃねェか、全くびびらせやがって」

黒子「びびった、ですの?」

一方「あァン!? 何が言いてェ!」

黒子「その言葉を聞いて確信しましたわ! あなたの能力は決してあらゆるものを問答無用で弾く無敵の防御壁ではない!
    きっとどこかに穴がある筈ですの!」

垣根「ふん、そのテレポーターの言う通りだ」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/19(金) 23:58:14.52 ID:PpjMXUN60
垣根「そもそも本当にあらゆるベクトルを自動的に弾くというのなら音も光も空気もお前には届かない筈だ。
    お前はな一方通行、結局穴の空いた盾振りかざして粋がってるに過ぎねぇんだよ!」

一方「はっ、それが分かったからといってどうなる? どっちにしろテメェらの攻撃は」

佐天「レーザーポインタ」

一方「ぎゃああああ! 目がァあああああ!」

佐天「やった……! 私がレベル5にダメージを……!」

黒子「えー」

一方「ちィっ、流石は12才といったところかァ! だが次は無いぜェ、その手の光は弾くように設定しなおしたからなァ!」

佐天「くっ……!」

佐天(なんか今の私ちょっと大物っぽい! 大物っぽいよ初春!)

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:12:05.19 ID:00wzxznm0
垣根(佐天タンと一方通行のやり取りで引き出せた情報。つまり『その手の光は弾くように設定しなおした』というあの言葉。
    そこから察するに奴の反射はあくまで奴の常識の範囲内の攻撃にしか対応できないようだ。
    そして俺の未元物質に……常識は通用しねえ!)

垣根「よう軟弱野郎、お前の能力ってのはこういう物量攻めにも耐えられんのか?」

一方「はン、力任せに翼叩き付けるだけかよォ! 芸が無いぜェ格下ァ!」

垣根「そう簡単にはいかねえか。ならお次はこうだ!」

一方(羽ばたきによる熱風か、どちらにしろ問題無く弾ける攻撃ではあるが……)

一方「テメェ、何が狙いだ?」

垣根「決まってんだろ、お前をぶっ倒すことだよ!」

一方「あァそうですかそうですかァ!」

一方(一見馬鹿のようだが仮にもコイツは第二位。何かがおかしい、そんな気がしてならねェ……)

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:24:53.93 ID:00wzxznm0
垣根「さて。そろそろ三度目の正直といきますか!」

一方「ほざけェ! ンなワンパターンな攻撃容易くはじブフゥッ!?」

佐天「攻撃が通った!」

一方「てめ、何しやがった!? ……そうか。反射の穴を見切りやがったなァ!?」

垣根「そういうことだ」

一方「最初の二回の攻撃は俺がどういうベクトルを弾き、どういうベクトルを受け入れているのか見分けるためのものってか。
    なるほどなァ、なかなか手の込んだことしてくれンじゃねェかァ!」

垣根「お前がワンパターンと言った攻撃も膨大な種類のベクトルが詰まった複雑な代物だったんだぜ? おかげでお前の反射の性質は完全に把握したっ!」

一方「ぐはァ!」

黒子「諦めなさい一方通行、勝敗は決しましたの!」

一方「く、くくく……。勝敗は決しただとォ? 勘違いしてンじゃねェぞツインテールゥ!
    垣根ェ! テメェさっき三度目の正直とか言ったよなァ? その言葉そっくりそのまま返してやるぜェェ!」

黒子「……ところで佐天さん、そのレモンと胡椒は何ですの?」

佐天「 あっはっは、いやほら、ちょっと天(>>128)から声が聞こえたもので。
    あ、ほら、玉ねぎにタバスコもありますよ! え?危ないから下がってろ、ですか? ……はーい」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:29:08.12 ID:00wzxznm0
垣根「寝言をほざきやがって!」

一方「ハッ、面に似合わねェそのメルヘンな翼叩き折ってやンよォ!」

垣根「なっ!?」

黒子「翼が弾かれた!?」

一方「未元物質ゥ、てめェの攻撃見切ったぜェ!」

垣根「ちいっ!」

黒子「まさかたった数度の衝突で未元物質の性質を解析したというんですの!?」

佐天「どっ、どういうことですか!?」

一方「つまりだ12才ィ、今後一切未元物質は俺に届かねェんだよォ!!」

垣根「おいおいおいレーザーポインタとは訳が違うんだぞ訳が!
    くそっ、あまりにバカっぽいから奴の演算能力を低く見積もりすぎた……!」

黒子「そうですわね、第一位の名に恥じないとてつもない演算能力ですわ。もしやさっきまでのバカっぽい発言も計算の内……?」

佐天「まさか……! だとしたら凄い演技力ですよ……」

一方(俺ってそンなにバカっぽく見えンのかァ……)

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:34:41.94 ID:00wzxznm0
垣根「うらああああああ!」

一方「ハアハハハハハハァァァ!」

佐天「垣根さん……圧されてる……」

黒子「くっ! 何か一方通行に攻撃を通す手段はありませんの!?」

佐天「そういえば……」

黒子「心当たりがおありで!?」

佐天「これ初春から預かっていた、御坂さんの殺害現場に残されてた本なんですけど」

黒子「コミックLO……ですの?」

佐天「一方通行の性癖を考えたらその本はどうしても弾けないんじゃないかなーって」

黒子「……佐天さん、あなた」

佐天「あ、あははー、やっぱ素人の浅はかな考えでしたかね。すみませ」

黒子「名案ですわっ!」

佐天「え? マジですか?」

黒子「マジですの!」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:39:38.38 ID:00wzxznm0
垣根「はあっ、はあっ、はあっ……」

一方「アギャヒャハハハハハ! さァて垣根ェ! この世にサヨナラを言う準備はできたかァ?
    よかったなァ、お空に行けばそのメルヘンな羽もちったァ浮かなくなるかもしれねェぜ!」

黒子「お待ちなさい!」

垣根「下がれツインテール……こいつはお前の適う相手じゃ……」

黒子「大丈夫ですわ垣根さん、わたくしにはこれがありますもの」

一方「っ! それァまさか!」

垣根「コミック……LO!!」

黒子「一方通行、あなたにこの聖典が弾けまして?」

一方「ちィィィィィッ!」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:43:23.72 ID:00wzxznm0
黒子「わたくしがLOをあなたの首に転移させればその瞬間あなたは死にますわ」

一方「……くそっ、仕方ねェな。認めてやるぜェ! 今回は俺の負けだァ!」

黒子「ではお姉様に謝ってくださいまし!」

一方「はいはい。俺が悪かゥござンした」

佐天「もっと誠意をこめて下さい!」

一方「すみませンでした御坂さン! ボクが悪かったです!」

黒子「何か釈然としませんがまあいいですわ。この場は一先ずこれで許してさしあげましょう」

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:46:51.36 ID:00wzxznm0
初春「おーい、佐天さんに白井さーん!」

黒子「あら初春、一方通行は先ほどアンチスキルに連行されて行きましたわ」

佐天「圧力をかけられていたといえ流石に犯人が罪を認めていたから無事逮捕できたみたい」

初春「ええーっ!? そうなんですかぁ!? うぅー、肝心のところに居合わせられませんでした」

佐天「まあまあ初春、そう落ち込ま……ないのっ!」

初春「きゃっ! もうひどいですよ佐天さーん、いきなりスカートめくるなんて!」

佐天「あっはっは、ごめんごめーん」

黒子「あの二人は相変わらずですわねぇ」

垣根「……」

黒子「あら? どうしましたの垣根さん、何か考え事でも?」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:48:38.94 ID:00wzxznm0
垣根「いっ、いやほらよ! よくよく考えてみるとなーんで俺なんかがこの集団に溶け込んでんだろうなって」

黒子「嘘ですわね。あなたの目線、さっきから佐天さんに釘付けでしてよ?」

垣根「ばっ、てめっ、何言って!」

黒子「うふふふふー、佐天さぁーん!」

佐天「何ですか白井さん?」

黒子「実は垣根さんが」

垣根「黙れぇぇ! このツインテールがぁああああ!」

黒子「ああーん、おーそーわーれーるー」

垣根「ふざけんなてめ、佐天ちゃんに誤解されるようなこと言うなっつの!」

佐天「あっはっは、二人とも仲良いなぁ」

初春「ちょっといい感じですよね」

黒子&垣根「なわけあるか(ですの)!」

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:55:30.13 ID:00wzxznm0

芳川「面会に来たわ、一方通行」

一方「芳川かァ……」

芳川「打ち止めが会いたがっていたわよ」

一方「あいつ三下ンとこに預けたンだろォ? あいつと一緒なら退屈しねェだろ。きっと身も安全だ」

芳川「人間ってね、そう簡単に代わりのきくものじゃないの」

一方「……裏の世界と違って光の当たる場所ってのは面倒なもンだなァ」

芳川「ところで一方通行、どうしてあなた大人しく捕まったりしたの? 貴方の実力ならいくらなんでもレベル4に遅れをとることなんて……。
    何でも聞くところによると貴方を倒したレベル4は御坂美琴の関係者らしいじゃない」

一方「つまり俺がわざと負けたとでも言いたいのかァ?」

芳川「平たく言えばそうね」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 00:59:42.07 ID:00wzxznm0
一方「ハッ、ンな筈ねェだろうがァ! 俺はアレイスターに従う約束と引き換えに、御坂殺しの罪を揉み潰そうとした屑人間なンだぞ!」

芳川「だけどあなたはアレイスターにこうも約束させた。
    『捜査の妨害はできる限り行うが、それでも捜査を続行しようとする者を直接傷つけることはしない』、と」

一方「……」

芳川「打ち止めの傍であの子を守り続ける為に少年院に入りたくない自分。犯した罪を償いたい自分。
    貴方の一連の行動はそのジレンマによって引き起こされたもの、というのは私の考え過ぎかしら?」

一方「……別にンな難しいことは考えてねェよ。俺は償うべき罪を無視できるタフさを持っていなかった、それだけの話だ」

芳川「違うわね。あなたは弱いから罪を償う決心を固めたんじゃない。
    様々な経験を経て罪に向き合える強さを手に入れたから、今こうしてここにいるのよ」

一方「フン、相変わらず口の回るババアだ。
    畜生め! ンなこと言われたら戻れる気がしてきちまうじゃねェか……。もう一度光の下によォ……」

芳川(大丈夫、優しいあなたなら、きっといつか)


163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 01:05:11.40 ID:00wzxznm0
黒子「げっ類人猿!」

上条「類人猿は無いだろ類人猿は! つーかその呼び方、そうかお前ようやく……」

黒子「ええ、自分を取り戻せましたわ。その節は本当にご迷惑をおかけしました。
    そうですわねー、こちらにも負い目がありますし、類人猿から原人に格上げしてあげてもよろしくてよ?」

上条「おいおい勘弁してくれよ白井。呼び名なんて別に好きにしてくれていいけどよー」

黒子「ああそうそう。一つお聞きしたいことがありますの」

上条「いいぜ。何でも聞いてくれ」

黒子「では遠慮なく。あなたはお姉様のことをどう思っていましたの?」

上条「御坂のことを……? あー、なんつーのかな、腐れ縁というか」

黒子「そうではなくっ!」

上条「え?」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/20(土) 01:10:31.47 ID:00wzxznm0
黒子「なんというかその、一人の女性としては……?」

上条「……」

黒子「どうお答えになっても怒りはしません、正直におっしゃってください」

上条「……」

黒子「……」

上条「大好きだったよ」

黒子「そうですか」

上条「ああ」

黒子「おめでとうございますお姉様。どうやらあなたと当麻様は両想いだったようですわ……」

そう言って黒子は満足げな、しかしどこか寂しげな笑みを浮かべた。


おわり

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ギャグなのかシリアスなのか・・・

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