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幻想殺しが見る幻想
248 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:14:32.34 ID:uHx1ON.o [3/8]
っつーわけで5レスほど借りる
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249 名前:幻想殺しが見る幻想 1/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:16:44.21 ID:uHx1ON.o [4/8]
突然だが、わたくし上条当麻は御坂美琴が好きである。
街中での俺と御坂のエンカウント率の高さは周知の通りだが、実のところ出くわすたびにドキドキしている。
「またアンタはそうやってスルーするか!」
「だーっ、貧乏学生上条さんは色々と忙しいのですよ! だから電撃やめて!」
「うっさい待てー!」
御坂が俺に突っかかってきて、俺が無視して、ビリビリの洗礼。
いつも通りのやりとり。
だが内心俺の心臓は(色々な意味で)高鳴り、スルーするのも緊張してうまく会話できるかどうか自信がないからだ。
その点、御坂がいつものように荒々しく接してくれることで、俺は毎回助かっていた。
この右手にも感謝だ。
「そっ、そもそも毎度毎度何の用なんだよ。まさか電撃浴びせるためだけに呼び止めてるんじゃないだろうな」
「んな訳ないでしょうがっ!」
「じゃあなんだよ」
「そ……それは……」
「それは?」
「別に、特に用事があるって訳じゃないっていうか……その……」
いきなり黙りだした。
なんなんだこいつは。
250 名前:幻想殺しが見る幻想 1/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:18:19.32 ID:uHx1ON.o [5/8]
「じゃあな、ウチで居候が腹すかして待ってるし上条さんはそろそろ行きますよ」
「あ、ちょっ……」
あまり長く御坂と対面しているのも恥ずかしいので、これまたいつも通り、俺は適度なところで切り上げて逃げるように走り出す。
あぁ情けねえ…………。
「はぁ、今日も御坂とまともに会話できなかったな。不幸――じゃないか、俺が意気地ないだけだし」
スーパーの特売があることも忘れ、その日の俺はトボトボと寮に帰っていくだけだった。
当然、腹ぺこシスターさんにかみつき攻撃をくらったことは言うまでもないだろ、うん。
□ □ □
「とうまは、短髪のことが好きなの?」
「ぶほっ!」
インデックスがいきなりそんなことをほざいたので、俺は食後にすすっていたお茶を思いっきり吹き出した。
251 名前:幻想殺しが見る幻想 3/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:19:54.32 ID:uHx1ON.o [6/8]
「とうま汚い」
「イイイインデックスさん? にゃにをいきなり根拠のないことを……」
「動揺しすぎなんだよ。気づかれてないとでも思ってたの?」
このちびっ子シスターは変なところで鋭いんだよな。
インデックスとは気心が知れた仲のつもりではあるが、こういうことを改めて話すのはかなり気恥ずかしかった。
台拭きでお茶を拭きながら、インデックスから顔をそらしつつ言う。
「変……だよな」
「? なにが?」
「中学生の、二つも歳が離れた女の子を好きになるなんて変、だよな」
「そんなこと……そんなことないかも!」
インデックスは声を張り上げた。
いきなりだったので俺は多少びっくりしたが、構わずインデックスは言った。
「年齢なんて関係ないよ! だから……」
そこで、インデックスはなぜか言葉に詰まった。
252 名前:幻想殺しが見る幻想 4/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:21:09.00 ID:uHx1ON.o [7/8]
不思議そうに俺がインデックスを見つめると、先ほどとは対照的に、絞り出すような声で彼女は、
「だから……とうまは短髪に、自分の想いを伝えるべき……なんじゃないかな」
インデックス、と言おうとして、俺は気づいた。
本当に、本当に一瞬だが。
インデックスはひどく悲しそうな顔をして、今にも泣き出しそうな表情を見せた。
なんだ?
俺にはそれがひどく引っかかり、なんと言うべきか黙っていると。
「あー、それにしてもモテないとうまにもとうとう彼女ができるんだねー」
いつの間にか、いつものインデックスの笑顔があった。
今のは気のせいか?
いつも通りの、天真爛漫な表情が俺をいつもの調子に引き戻した。
「ほっとけ! それに彼女じゃねえよ、あいつが俺を好きなはずねえし……」
「はぁ、とうまのそれにはもうあきれるしかないかも」
ちょっとインデックスさんが何言ってるのかわかんないです。
好きな奴なら、会うたび電撃飛ばすわけないだろ……。
253 名前:幻想殺しが見る幻想 5/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:24:28.03 ID:uHx1ON.o [8/8]
「まぁ、なんつうかありがとな。お前に話していくらか気が楽になったよ」
「フられたら私がとうまの恋人になってあげるからね♪」
「おいおい、縁起でもないこと言わんといてください!」
意地の悪い顔でほほえむインデックス。
俺たちはちょっと笑った。
さっきの、一瞬だけ見せたような悲しい顔は、やはり気のせいだったんだろう。
「おっと、もうこんな時間か。風呂沸かしてくっかな」
俺は立ち上がって、インデックスに背を向ける。
そして。
今度こそ彼女は涙をこぼしたが、
「ほんとだよ、とうま」
その小さすぎるつぶやきは、このときの俺に聞こえるはずがなかった。
突然だが、わたくし上条当麻は御坂美琴が好きである。
街中での俺と御坂のエンカウント率の高さは周知の通りだが、実のところ出くわすたびにドキドキしている。
「またアンタはそうやってスルーするか!」
「だーっ、貧乏学生上条さんは色々と忙しいのですよ! だから電撃やめて!」
「うっさい待てー!」
御坂が俺に突っかかってきて、俺が無視して、ビリビリの洗礼。
いつも通りのやりとり。
だが内心俺の心臓は(色々な意味で)高鳴り、スルーするのも緊張してうまく会話できるかどうか自信がないからだ。
その点、御坂がいつものように荒々しく接してくれることで、俺は毎回助かっていた。
この右手にも感謝だ。
「そっ、そもそも毎度毎度何の用なんだよ。まさか電撃浴びせるためだけに呼び止めてるんじゃないだろうな」
「んな訳ないでしょうがっ!」
「じゃあなんだよ」
「そ……それは……」
「それは?」
「別に、特に用事があるって訳じゃないっていうか……その……」
いきなり黙りだした。
なんなんだこいつは。
250 名前:幻想殺しが見る幻想 1/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:18:19.32 ID:uHx1ON.o [5/8]
「じゃあな、ウチで居候が腹すかして待ってるし上条さんはそろそろ行きますよ」
「あ、ちょっ……」
あまり長く御坂と対面しているのも恥ずかしいので、これまたいつも通り、俺は適度なところで切り上げて逃げるように走り出す。
あぁ情けねえ…………。
「はぁ、今日も御坂とまともに会話できなかったな。不幸――じゃないか、俺が意気地ないだけだし」
スーパーの特売があることも忘れ、その日の俺はトボトボと寮に帰っていくだけだった。
当然、腹ぺこシスターさんにかみつき攻撃をくらったことは言うまでもないだろ、うん。
□ □ □
「とうまは、短髪のことが好きなの?」
「ぶほっ!」
インデックスがいきなりそんなことをほざいたので、俺は食後にすすっていたお茶を思いっきり吹き出した。
251 名前:幻想殺しが見る幻想 3/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:19:54.32 ID:uHx1ON.o [6/8]
「とうま汚い」
「イイイインデックスさん? にゃにをいきなり根拠のないことを……」
「動揺しすぎなんだよ。気づかれてないとでも思ってたの?」
このちびっ子シスターは変なところで鋭いんだよな。
インデックスとは気心が知れた仲のつもりではあるが、こういうことを改めて話すのはかなり気恥ずかしかった。
台拭きでお茶を拭きながら、インデックスから顔をそらしつつ言う。
「変……だよな」
「? なにが?」
「中学生の、二つも歳が離れた女の子を好きになるなんて変、だよな」
「そんなこと……そんなことないかも!」
インデックスは声を張り上げた。
いきなりだったので俺は多少びっくりしたが、構わずインデックスは言った。
「年齢なんて関係ないよ! だから……」
そこで、インデックスはなぜか言葉に詰まった。
252 名前:幻想殺しが見る幻想 4/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:21:09.00 ID:uHx1ON.o [7/8]
不思議そうに俺がインデックスを見つめると、先ほどとは対照的に、絞り出すような声で彼女は、
「だから……とうまは短髪に、自分の想いを伝えるべき……なんじゃないかな」
インデックス、と言おうとして、俺は気づいた。
本当に、本当に一瞬だが。
インデックスはひどく悲しそうな顔をして、今にも泣き出しそうな表情を見せた。
なんだ?
俺にはそれがひどく引っかかり、なんと言うべきか黙っていると。
「あー、それにしてもモテないとうまにもとうとう彼女ができるんだねー」
いつの間にか、いつものインデックスの笑顔があった。
今のは気のせいか?
いつも通りの、天真爛漫な表情が俺をいつもの調子に引き戻した。
「ほっとけ! それに彼女じゃねえよ、あいつが俺を好きなはずねえし……」
「はぁ、とうまのそれにはもうあきれるしかないかも」
ちょっとインデックスさんが何言ってるのかわかんないです。
好きな奴なら、会うたび電撃飛ばすわけないだろ……。
253 名前:幻想殺しが見る幻想 5/5[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 18:24:28.03 ID:uHx1ON.o [8/8]
「まぁ、なんつうかありがとな。お前に話していくらか気が楽になったよ」
「フられたら私がとうまの恋人になってあげるからね♪」
「おいおい、縁起でもないこと言わんといてください!」
意地の悪い顔でほほえむインデックス。
俺たちはちょっと笑った。
さっきの、一瞬だけ見せたような悲しい顔は、やはり気のせいだったんだろう。
「おっと、もうこんな時間か。風呂沸かしてくっかな」
俺は立ち上がって、インデックスに背を向ける。
そして。
今度こそ彼女は涙をこぼしたが、
「ほんとだよ、とうま」
その小さすぎるつぶやきは、このときの俺に聞こえるはずがなかった。
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