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どっちがすきなの
199 名前:どっちがすきなの[saga] 投稿日:2010/11/21(日) 01:53:21.66 ID:B2XwHsAO [1/3]
書いてるヤツが煮詰まったので、息抜きに書いたのを投下
騎士団長と第二王女。キャーリサ様はかわいい
書いてるヤツが煮詰まったので、息抜きに書いたのを投下
騎士団長と第二王女。キャーリサ様はかわいい
200 名前:どっちがすきなの 1/2[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 01:53:52.34 ID:B2XwHsAO [2/3]
ラジオが極東の島国の曲を歌う横で左と右と片方ずつやってる腕立て伏せは、
決められた鍛練以外で自分が何となく昔から続けてる普段の日課だった。
それでも負荷の具合が軽すぎて、最近では上に重しを乗せる事にしている。
生きてるのを。二匹ほど。
視界の高度が上がって、下がって、上がって、また下がったとき、
それまで背中で回数を数えてた人が気紛れで飼いはじめた猫共々、
ひょいっと私を覗きこんで眼を合わせてきた。
「なー、騎士団長」
同じ色素の薄い金の毛の、くるくるふわふわしている方が、神妙な表情で私の耳を頬で以て摩擦する。
マーキングなんてしなくても、話くらい幾つだって聴くのだが。
べったりひっつく躯の、女独特の匂や肩甲骨のすぐ真後ろで弾んでる罪深い胸を許容してやり、
肘の曲げのばしは続行しながら暇を持てあましている側の掌で無礼を承知しながら髪を梳いてやると、
ん、と、二人きりという状況に表に出るよりも甘えたがりで幼げな色を見せた瞳を瞑る顔が愛嬌を更に増していった。
「お前は、私とコイツのどっち好き?」
「……何ですかそれは」
「だから、この歌詞。日本のアニメらしいーな。せくしーなのきゅーとなのって」
頭の中の疑問符がまるっと一回転して、漸く私は訊かれている内容が、
つまり異性にどんな方向の魅力を求めるかって事だと察した。
だがその次が即答しがたい。
二者択一ときたか。
好みとかそういう類の抽象的な話なら良いが、今は恋人と飼猫を秤にかけろというおまけがついてる訳で、
其処には用心するべき地雷の存在も朧げに窺える。
201 名前:どっちがすきなの 2/2[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 01:59:35.09 ID:B2XwHsAO [3/3]
「考えておくというのは」
「だめ」
「……ですよねぇ」
逃げ道を塞ぐ予防線も磐石の態勢だ。
ふっくらしたあいくるしい薄桃色の唇を眺めかえして二秒ほど沈黙する。伝う汗が眦をちりっという痛みで曇らした。
映るのは、ニヤニヤとした悪戯っぽさと期待で一杯の双眸。
ぐうっと沈ませた躯を上腕の筋力で元の位置まで持ちあげざま。
「キュート」
貴女ですよと誠実な意志で口説いた。つもりだった。
刹那。
ビシャアアアアン!!―――背景に稲妻の幻が浮かびあがり項の肌がぞわっとした。帯電?
「キャーリサ様?……うおっと」
「こんの、馬鹿!!」
ずがんっと容赦のない踵が後頭部を踏み潰したかとおもえば素足の脹脛が眼の前を勢いよく駆けていった。
傍観している内に軌跡は寝室に飛びこみ扉が交渉の余地を遮断する。
忽ち静寂の支配が到来する中で硬直した四肢はやっと解けはじめた。
何かやらかしたか。私は。
すっかりぬくもりから突き離された侭で呆然と胡坐を掻いていると、同じく置いてけぼり組の片割れがこっちも困惑げな様子で太腿に捩じのぼってくる。
艶っぽい其の毛並。映画女優みたいな品の高い撓やかな仕草。ラジオと私に交互に三角の耳が帆を向かせている。
「あ」
セクシーキュートって、そういや、どちらが普段のあの人の。
「あちゃあ……」
流石に前提の擦れちがいは想定外だ。しまった。呻いて仰いだ部屋の天井は、少しだけ哀れむみたく私を遠まいていた。
---
キャーリサ様が可愛くて仕方なくて、普段のセクシーさなんか忘れた騎士団長とか。お粗末さまでした
ラジオが極東の島国の曲を歌う横で左と右と片方ずつやってる腕立て伏せは、
決められた鍛練以外で自分が何となく昔から続けてる普段の日課だった。
それでも負荷の具合が軽すぎて、最近では上に重しを乗せる事にしている。
生きてるのを。二匹ほど。
視界の高度が上がって、下がって、上がって、また下がったとき、
それまで背中で回数を数えてた人が気紛れで飼いはじめた猫共々、
ひょいっと私を覗きこんで眼を合わせてきた。
「なー、騎士団長」
同じ色素の薄い金の毛の、くるくるふわふわしている方が、神妙な表情で私の耳を頬で以て摩擦する。
マーキングなんてしなくても、話くらい幾つだって聴くのだが。
べったりひっつく躯の、女独特の匂や肩甲骨のすぐ真後ろで弾んでる罪深い胸を許容してやり、
肘の曲げのばしは続行しながら暇を持てあましている側の掌で無礼を承知しながら髪を梳いてやると、
ん、と、二人きりという状況に表に出るよりも甘えたがりで幼げな色を見せた瞳を瞑る顔が愛嬌を更に増していった。
「お前は、私とコイツのどっち好き?」
「……何ですかそれは」
「だから、この歌詞。日本のアニメらしいーな。せくしーなのきゅーとなのって」
頭の中の疑問符がまるっと一回転して、漸く私は訊かれている内容が、
つまり異性にどんな方向の魅力を求めるかって事だと察した。
だがその次が即答しがたい。
二者択一ときたか。
好みとかそういう類の抽象的な話なら良いが、今は恋人と飼猫を秤にかけろというおまけがついてる訳で、
其処には用心するべき地雷の存在も朧げに窺える。
201 名前:どっちがすきなの 2/2[sage] 投稿日:2010/11/21(日) 01:59:35.09 ID:B2XwHsAO [3/3]
「考えておくというのは」
「だめ」
「……ですよねぇ」
逃げ道を塞ぐ予防線も磐石の態勢だ。
ふっくらしたあいくるしい薄桃色の唇を眺めかえして二秒ほど沈黙する。伝う汗が眦をちりっという痛みで曇らした。
映るのは、ニヤニヤとした悪戯っぽさと期待で一杯の双眸。
ぐうっと沈ませた躯を上腕の筋力で元の位置まで持ちあげざま。
「キュート」
貴女ですよと誠実な意志で口説いた。つもりだった。
刹那。
ビシャアアアアン!!―――背景に稲妻の幻が浮かびあがり項の肌がぞわっとした。帯電?
「キャーリサ様?……うおっと」
「こんの、馬鹿!!」
ずがんっと容赦のない踵が後頭部を踏み潰したかとおもえば素足の脹脛が眼の前を勢いよく駆けていった。
傍観している内に軌跡は寝室に飛びこみ扉が交渉の余地を遮断する。
忽ち静寂の支配が到来する中で硬直した四肢はやっと解けはじめた。
何かやらかしたか。私は。
すっかりぬくもりから突き離された侭で呆然と胡坐を掻いていると、同じく置いてけぼり組の片割れがこっちも困惑げな様子で太腿に捩じのぼってくる。
艶っぽい其の毛並。映画女優みたいな品の高い撓やかな仕草。ラジオと私に交互に三角の耳が帆を向かせている。
「あ」
セクシーキュートって、そういや、どちらが普段のあの人の。
「あちゃあ……」
流石に前提の擦れちがいは想定外だ。しまった。呻いて仰いだ部屋の天井は、少しだけ哀れむみたく私を遠まいていた。
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キャーリサ様が可愛くて仕方なくて、普段のセクシーさなんか忘れた騎士団長とか。お粗末さまでした
Tag : とあるSS総合スレ
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