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紬「お手紙とお弁当」-2

紬「お手紙とお弁当」
続きです

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:09:58.29 ID:3Ps854mt0 [5/104]
~車の中~

憂「本当にありがとうございます」

憂「お姉ちゃんを車に運ぶのも手伝って頂いて…」

運転手「いえいえ、たまにはこの様な事も刺激があって面白いものです」

運転手「何しろ、学校の中へ部外者が入るのは不法侵入ですからな」

憂「あ!そ、そうでした…ごめんなさい、そういう事にも気が付かなくて…」

運転手「良いのですよ、紬お嬢様たってのお願いですから」

運転手「こんな事は滅多にありませんので、むしろ喜ばしい事です」

憂「え?そうなんですか?」

運転手「お嬢様は幼少の頃から非常に手のかからないお子様でしたから」

運転手「私共も少しは仕事をさせて頂きませんと立場が無いというものです」

憂(へえ~、確かに紬さんってそういう感じがするな…)

運転手「もっとも、最近は少しわがままが増えた様に旦那様も仰っておりましたが…」

運転手「決まってそれはご学友、お友達の方に関する事とか」

憂(う…今日は正にそんな感じだよ…)

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:11:22.84 ID:3Ps854mt0 [6/104]
運転手「軽音部でしたか?そちらに所属されてる方々の事」

運転手「お嬢様は常日頃から良くお話になっておりますな」

憂「あの、お姉ちゃん…じゃなかった」

憂「平沢唯の事は何か言ってましたか?」

運転手「唯様の事ですか…とても楽しい方だと」

運転手「用意したお菓子を一番沢山食べてくれるので嬉しいと仰っております」

憂「あ、あははは…」

運転手「後は…憂様とはとても仲の良いご姉妹だと伺っております」

憂「え?私の事も話しているんですか?」

運転手「ええ、非常に良く出来たお方だとお話になっていますよ」

憂「いえ、そんな…」

運転手「憂様の様な妹が是非欲しい…」

運転手「もしご本人様に承諾頂けるのでしたら養子縁組をとも…」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:12:38.08 ID:3Ps854mt0 [7/104]
憂「え?紬さんがお姉ちゃんになるって事?」

憂「…」

憂「そ、そんなの嫌です!絶対に嫌です!」

憂「私のお姉ちゃんはお姉ちゃんだけなんですから!」ギュッ

運転手「…」

憂「あ、ち、違うんです!」

憂「お姉ちゃんの事が大好きだからそういう風に言っちゃっただけで」

憂「紬さんの事が嫌いとかそういう事ではなくてですね」アセアセ

運転手「いえ、とんだご無礼を申し上げました」

運転手「お嬢様は常日頃からその様な事を仰っておりますので」

運転手「既にお話になっているものと…」

憂「え?私、初めて聞きましたけど」

運転手「左様でしたか、これは軽率でございました」

運転手「この事はどうかお嬢様には…」

憂「大丈夫ですよ運転手さん、紬さんには言いませんから」

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:13:31.05 ID:3Ps854mt0 [8/104]
憂「私、分かります」

憂「紬さんはそういう事で嘘は絶対に言わない人です」

憂「だから本当にそう思ってるんですね…それは凄く嬉しいです」

憂「でも、それを言ったら私が困る事も知ってるから…紬さんは言わなかった」

憂「その紬さんの気持ちが少しでも報われる様に…」

憂「運転手さんはそれを全部知って欲しかったんですよね」

憂「分かってますから…紬さんには言いませんよ」

運転手「お気遣い…感謝致します」

運転手「今のお話を伺って、お嬢様のお気持ちも良く分かりました」

運転手「申し遅れましたが…私、琴吹家に仕えております執事の斉藤と申します」

憂「斉藤さんですね、今日はどうもありがとうございました」

憂「ところで、家には何時になったら着くんでしょうか?」

憂「同じ所を何度も通ってる気がするんですけど…」

斉藤「それは…気のせいでございましょう」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:14:46.88 ID:3Ps854mt0 [9/104]
~体育館裏~

紬「もう真っ暗ね…」

紬「私達もそろそろ帰りましょ?」

律「ああ…そうだな」

律「でもその前に…」

紬「りっちゃん、今日の事は全部忘れましょ?」

紬「ううん、全部忘れちゃ駄目よね」

紬「りっちゃんとこんなに長い時間お話が出来て凄く楽しかった」

紬「それだけで良いじゃない」

律「ムギ…」

律「いや、言わせてくれ」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:16:37.46 ID:3Ps854mt0 [10/104]
律「どうしてあの手紙があたしからだって分かった?」

律「字も分からない様に書いたはずなのに、最初から分かってたなんて…」

律「それにどうして…どうして、ムギは怒らないんだ?」

律「あたしはムギを此処に呼び出しておいて…」

律「ムギが来ているのを知ってて、それでも帰ろうとしたんだぞ?」

律「折角ムギが引き止めてくれたのに、でもあたしには話し出す勇気が無くて…」

律「ムギはあたしの事を色々と褒めてくれたけど…でも、違うだろ?」

律「今日のあたしは最低じゃんかよ…」

律「こんな最低の奴に、優しくするなよ?怒ってくれよ?」

律「どうして、どうして怒らないだよ…どうして怒らないんだよ!」

紬「りっちゃん…」

紬「そうね、確かに今日のりっちゃんには良くなかった事もあると思う」

律「…そうだろうよ、いや、もっと悪く言ってくれても良いんだぞ?」

紬「でもね、それは私も一緒なの…ううん、私の方がもっと悪いわ、最低よ」

律「…は?」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:18:07.58 ID:3Ps854mt0 [11/104]
紬「どうして分かったのかって聞いたわよね」

紬「そんなの、凄く簡単な事よ」

紬「だって、私はずっとみんなの事を見てるから…」

紬「りっちゃんの事も、何時も見ているわ」

律「え?手紙を入れる所、見られてたのか?」

紬「ううん、そういう意味じゃないの」

紬「私はね、何時もみんなの事を見てるから…」

紬「考えてる事が何となく分かるの」

紬「昨日の事を見て、りっちゃんは思ったわ」

紬「自分も澪ちゃんの事を相談してみたいって」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:20:49.46 ID:3Ps854mt0 [12/104]
紬「でも、時間が経って…途中で気が付いたのね」

紬「それは単に雰囲気に当てられただけ」

紬「りっちゃんにとっての1番は澪ちゃんだけど…」

紬「特別な意味で好きって言えるのかどうかは自信が無いの」

紬「だから途中でどう言って良いのか分からなくなっちゃった」

紬「りっちゃんは意外と恥ずかしがり屋さんだものね」

律「…」

律「何でそこまで、分かるんだ?」

紬「最初に言ったわよ」

紬「私は何時もみんなの事を、りっちゃんの事を見ているって」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:23:23.87 ID:3Ps854mt0 [13/104]
紬「でもね…そこまで分かっていて何も言わなかった」

紬「最初に言ってあげればこんな事にはならなかったのに…」

紬「ずるいでしょ?私って」

紬「それを気付かれたくなかったから、今日の事は忘れましょうなんて…」

律「…」

律「ぷっ、ぷぷぷぷっ…」

紬「りっちゃん!どうして笑うの!」

律「だってよ、それを言わなきゃあたし1人が悪者になるのに」

律「わざわざ言っちゃうなんてな…やっぱり、ムギは優しいと思うよ」

紬「違うの!そういう風に言えば」

紬「りっちゃんは優しいから、私の事を悪く思わないんじゃないかって…」

律「なあ、ムギ…そういうのは止めにしようよ」

律「あたしも悪かった、ムギも悪かった、それで良いじゃないか」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:24:50.14 ID:3Ps854mt0 [14/104]
紬「そうね、りっちゃんがそう言ってくれるなら…」

律「でも1つだけ聞きたいな、どうして最初に言ってくれなかったんだ?」

紬「…」

紬「最初はね、ちょっといじわるをしたかっただけなの」

紬「少しだけ待ってみて、実は私には分かってるのよって」

紬「でもね、急にそれが怖くなった」

律「怖くなった?」

紬「そう、私がそう言ったら多分りっちゃんは照れながら…」

律「すまん、勘違いでこんな事をしちまった」

律「…って言ってたかな」

紬「私は笑って、別に良いのよって言っておしまい」

紬「でもね、そうならないかもって思ったの」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:29:28.82 ID:3Ps854mt0 [15/104]
紬「雰囲気に流され続けて、自分でも思っていない事…」

紬「全くの0じゃないけど、そんなに強くは思っていない事」

紬「それを言い出しちゃうかもしれない」

紬「言ってしまったら歯車が回りだしちゃうかもしれない」

紬「それを考えたらね、何だか凄く悔しいって思えたの」

紬「そうなって欲しくないって思えたの、怖いって思えたの」

紬「だから私にも何も言えなくなっちゃった…」

律「ムギはそういうのを応援したいんじゃ無かったのか?」

紬「そうね、そうだったわね」

紬「どうしてなのか…私にも分からなかった」

紬「その内にね、最初に思ってた事なんてどうでも良くなったの」

紬「りっちゃんと2人で居ると凄く楽しいなって、それだけになっちゃった」

律「そうか…ムギはみんなの事は分かるのに自分の事が分からないんだな…」

紬「…どういう事?」

律「…あたしにそれを言わせるのか?」

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:30:33.89 ID:3Ps854mt0 [16/104]
紬「…」

紬「私、りっちゃんの事が…好きなの?」

律「いや、あたしに聞かれてもな…」

紬「…」グスッ

律「な、何で泣くんだよ?」

紬「だって私、好きな人に酷い事をしちゃったの?って思ったら…」

律「ムギ…」

律「今日は凄く楽しかった、それで良いってあたしも思ってるからさ」

律「だから、そんな顔をするな」

律「ムギも楽しかったって言ってただろ?だったら、笑えよ」

紬「…無理よ」

紬「私、りっちゃんに嫌われちゃったもの…」

律「…」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:31:27.58 ID:3Ps854mt0 [17/104]
ポカッ

紬「い、痛い…」

律「ムギ、人の話はちゃんと聞けよ?」

律「あたしも楽しかったって言ってるんだぞ」

紬「え?じゃあ私…嫌われてないの?」

律「当たり前だろ?」

律「あたしには難しい話は良く分からない」

律「ムギの言ってる事は…正直全部理解出来たわけじゃない」

律「でもな、ムギがそんなに一生懸命考えて色々やってたなんて…」

律「その相手があたしだったなんて、凄く嬉しいじゃないか」

律「ムギにはあたしの考えてる事が何となく分かるんだろ?」

律「だったらムギの事をどう思ってるのか、分かりそうなものじゃないか」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:32:38.64 ID:3Ps854mt0 [18/104]
紬「…」

紬「嫌い?」

律「違うだろ」

紬「大嫌い?」

律「何でそっちに行くんだよ!」

紬「何とも思ってない?」

律「もう少し自分に自信を持てよ」

紬「じゃあ…ちょっとだけ好き?」

律「ちょっとじゃ無いな」

紬「…」

紬「大好き!」

律「…」

紬「…」ワクワク

律「それは…無いと思うぞ?」

紬「…」ガーン

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:34:31.97 ID:3Ps854mt0 [19/104]
律「まあ、そうガッカリするなよ」

律「いきなりそんな風には思わないだろ?」

紬「でも、りっちゃんが自信を持てなんて言うから…」

律「ムギの事は普通に好きだよ」

紬「澪ちゃんよりも?」

律「澪と比べたら…すまん、澪だと思う」

紬「やっぱり…私、泣いちゃうかも…」

律「澪とは付き合いが長いから、それは仕方が無いって」

律「でもな、ムギの事は前よりもずっと好きになったぞ」

紬「…ほんとに?」

律「ああ、それにな」

律「ムギの事、もっと好きになりたいって思った」

律「まだ1年以上、ムギとは一緒に居るんだから…」

紬「私、もっと好きになって貰える様に頑張る!」

律「ああ、そうだな…あたしが言うのも変だが、頑張れ」

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:37:00.45 ID:3Ps854mt0 [20/104]
~平沢家・リビング~

唯「…」モグモグモグ…

唯「うん、凄く美味しい!」

憂「お腹が減ってるからそう思うだけだよ…」

唯「そんな事無いよ?憂の料理は世界一なんだから!」

憂「…」

唯「あれ?何か変な事言ったかな?」

憂「何時もだったら嬉しいんだけど…今日はちょっと複雑かな」

唯「え?どうして?」

憂「だって、不味いって分かってるのに褒められても」

唯「そんな事無いよ、本当に美味しいんだから!」

憂「お姉ちゃん…お願いだから、もう食べるのは止めて?」

憂「勿体無いって思うんだったら私が全部食べるから…」

憂「お姉ちゃんは温かい物を食べようよ?」

唯「良いの!私はお弁当が大好きだから食べたいの!」

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:39:18.44 ID:3Ps854mt0 [21/104]
憂「そんなにお弁当が良いの?何時でも作ってあげるのに…」

唯「ほんとに?」

憂「う、うん…」

唯「じゃあ、明日も作ってくれると嬉しいな~」

憂「明日?あ、そう言えば梓ちゃんとお出かけするんだよね」

憂「お弁当が必要って事は、結構遠くまで行くんだ」

唯「え?う…うん」

唯(そんな事言ったっけ?でも憂が言うんだから…間違い無いよね)

憂「分かったよ、じゃあ2人分用意するから」

唯「そ、そうだね~」

唯(適当に言ったっぽいのに信じてるよ…ごめんね、憂)

唯(でも憂のお弁当が2人分も食べれるんだ…それは嬉しいかも!)

憂「明日は何時に起きるの?」

唯「え~と、7時かな?」

憂「え?7時?」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:40:40.13 ID:3Ps854mt0 [22/104]
唯(何?変な時間だった?私が休みの日にそんなに早く起きるなんて変?)

憂「困ったな…」

憂「その時間はお隣のお婆ちゃんと朝市に行ってるんだよね…」

憂「月に1回だけだから、楽しみにしてると思うんだけど」

憂「明日は1人で行って貰おうかな…」

唯「だ、大丈夫だよ!私、自分で起きるから!」

憂「でも、心配だな…」

憂「一緒に出掛けるなら、梓ちゃんに家に来て貰って…」

唯「…」

唯「いやいやいやいやいや、そんなのあずにゃんに悪いよ」

憂「う~ん、でも…」

唯「…」

唯(憂、心配してくれるのは嬉しいんだけど…)

唯(話が段々ややこしくなっていく…)

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:42:37.66 ID:3Ps854mt0 [23/104]
唯(あずにゃんにも後で聞かれると困っちゃうし…)

唯(ど、どうしよう…やっぱり話だけはしておいた方が良いのかな?)

唯「じゃあ、私が今からあずにゃんに頼んでみるよ!」

憂「え?うん、その方が良いと思う」



憂「お弁当、私の分も全部食べてくれたんだね…」

憂「お姉ちゃんには美味しい物だけ食べさせてあげたいのに…」

憂「…」

憂「でも…嬉しいよ、お姉ちゃん」

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:44:03.98 ID:3Ps854mt0 [24/104]
~唯の部屋~

唯「あ、もしもし、あずにゃん?」

唯「えっとね、ちょっとお願いしたい事があるんだ~」

唯「明日の事なんだけど…」

唯「え?明日は出掛けるの?何時位かな…7時位?」

唯「あ、そうなんだ~丁度良かったよ」

唯「じゃあね、途中で私の家に寄って欲しいんだけど…」

唯「時間が?大丈夫だよ、来てくれるだけで良いんだ」

唯「詳しい事は明日話すから…え?来てくれる?」

唯「ありがと~、うん、お願い!」

唯「あずにゃ~ん、愛してるよ~」プチッ

唯「…」

唯「だ、大丈夫だよね?」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:47:59.53 ID:3Ps854mt0 [25/104]
~リビング~

憂「どうだった?」

唯「あずにゃん、来てくれるって」

憂「良かった」

唯「…」

唯「ねえ、憂」

唯「憂も明日出かけるんだよね?」

憂「え?うん、そうだよ?」

唯「誰かと会うって言ってたけど、誰と会うのかも秘密?」

憂「…紬さんだよ」

唯「ムギちゃん?」

憂「そう、紬さんと約束があるの」

唯「そっか…」

唯「ムギちゃんと、何をするのかな?」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:50:21.41 ID:3Ps854mt0 [26/104]
憂「え?あの…ちょっとお話をするだけだよ?」

唯「そうなんだ…」

憂「うん…」

唯「そのお話って、私じゃ駄目なのかな?」

憂「え?」

唯「私じゃ…憂のお話は聞いてあげられないのかな?」

憂「そ、そんな事は無いよ!」

憂「そんな事は無いけど…」

唯「やっぱり、ムギちゃんの方が良いんだね」

唯「うん、分かったよ」

憂「違うよ!そういう事じゃないの!」

憂「どうして…どうしてそういう言い方をするの?」

唯「だって…だって、憂が本当の事を言ってくれないから!」

唯「私、知ってるんだよ?憂がムギちゃんと何を話すのか」

憂「え!?」

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:51:30.48 ID:3Ps854mt0 [27/104]
憂(どうしてお姉ちゃんがそれを知ってるの!?)

唯「明日ムギちゃんに何を言うの?ね?教えて?教えてよ?」

唯「憂の好きな人って誰なの?お願いだから…教えてよ…」

憂(言いたい…教えたい…けど)

憂(良いの?今言って良いの?こんな雰囲気で…言っても良いの?)

憂(分からないよ…今までずっと黙って来た事だから…)

憂(どうして…どうして明日が今日じゃ無かったの?)

憂(明日だったら…言えたと思うのに…)

憂「ごめんねお姉ちゃん、やっぱり言えないよ…」

憂「明日!明日の夜には必ず言うから!」

唯「…」

唯「そっか…私はムギちゃんの次、2番目なんだね…」

憂「だから違うって言ってるでしょ!」

憂「どうしてそんなに私を困らせるの?」

憂「私の気持ちも知らないで…」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:52:22.83 ID:3Ps854mt0 [28/104]
唯「そんなの…そんなの分かる訳無いよ!憂は何も言ってくれないんだもん…」

憂「だから…言えないって言ってるでしょ…」

唯「もう良いよ…」

憂「…え?」

唯「もう良いよ!憂の事なんかもう知らない!」

唯「勝手にすれば良いんだよ!」プイッ

憂「待って!待ってよお姉ちゃん!」



憂「こんなのって…こんなのって無いよ…」

憂「お姉ちゃん…どうして分かってくれないの…」

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:54:23.21 ID:3Ps854mt0 [29/104]
~田井中家・リビング~

聡「姉ちゃん、何食べてんだ?」

律「!」

律「何でも良いだろ?あっち行けよ」

聡「それ弁当か?何でそんなの夜中に食ってるんだよ」

律「うるさいな、そういう事をしたいお年頃なんだよ!」

律「さっさと寝ろ!」

聡「お~、怖え~」

聡「じゃあ俺寝るわ、おやすみな」

律「ああ、おやすみ」

律「…」

律「しかし自分で作っておいて言うのも何だが…不味いなこれ」

律「ムギのサンドイッチは美味かったんだけどな…」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:55:28.14 ID:3Ps854mt0 [30/104]
律「ムギか…」

律「あたしはムギの事、どう思ってるんだろうな」

律「普通に好きだって言ったけど…ほんとにそうなのか?」

律「明日は憂ちゃんと何処かで会うみたいだけど」

律「ただ会って話をするだけだと思うけど…」

律「何か…それが凄く気になる」

律「澪が明日何をするのかは全然気にならないんだけどな…」

律「…」

律「あ~もう止めだ止めだ、難しい事を考えるなんてあたしらしくない」

律「あたしはあたしのやりたい事をやる、それだけだろ?」



聡「姉ちゃん、独り言多過ぎるぞ…」

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:58:28.39 ID:3Ps854mt0 [31/104]
~日曜日朝・平沢家・玄関~

ピンポーン

梓「…」

梓「唯先輩が起きてないのは予想通りだけど…」

梓「憂は居ないのかな?」

ガチャガチャ

梓「鍵は…開いてる」

梓「唯先輩がお願いって言ってたから、良いんだよね?」

ガチャッ

梓「お邪魔しま~す」

梓「…」

梓「誰も出てこない…」

梓「とりあえず、唯先輩の部屋は3階だよね」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 00:59:30.84 ID:3Ps854mt0 [32/104]
~リビング~

梓「あ、唯先輩、起きてたんですね?」

梓「おはようございます、居るなら出て来て下さいよ~」

梓「…」

梓「あの…唯先輩?」

梓「え!?な、何で泣いてるんですか?」

唯「あずにゃん…おはよう…」グスッ

唯「悪いね…こんなに朝早く来て貰って…」

梓「いえ、それは別に良いんですけど…」

梓「あの、何かありました?」

唯「うん、昨日ちょっとね…憂と喧嘩しちゃって…」

梓「…は?」

梓「そんな朝から誰も信じない様な冗談を…」

唯「…」グスッ

梓「言ってる訳じゃないみたいですね…」

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:02:06.48 ID:3Ps854mt0 [33/104]
梓「でも、信じられないです」

梓「確かに普段の唯先輩はどうしようも無い位に駄目な人ですけど」

梓「そういう所も含めて憂は唯先輩の事を好きなんだって思ってました」

唯「あずにゃん、さり気無く酷い事言うね…」

唯「でも…そうだね、私はどうしようも無い駄目人間だよ…」

梓「え~と、一応フォローしておきますけど」

梓「唯先輩はやる時にはやる人だって憂が良く言ってまして」

梓「私もそれには同意しているんですが…」

梓「あと、私も唯先輩の事は嫌いじゃないと言いますか…むしろ、好き?」

梓「いや、変な意味で受け取らないで下さいね、先輩としてって事ですからね?」

唯「あずにゃん…ありがと…」

梓「いえ…」

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:03:06.02 ID:3Ps854mt0 [34/104]
梓「それより、憂は今居ないんですか?」

唯「うん…今はちょっと出かけてるよ」

唯「お昼までには1回帰って来ると思うけどね…」

梓「じゃあ、それまで私も待ちますよ」

唯「時間…誰かと待ち合わせしてるんでしょ?」

唯「私の事は良いから…行ってきなよ」

唯「私も…ちょっと何処かへ出かけてくる」

唯「このまま家に居ると…憂が帰って来ちゃうから…」

唯「憂とは…申し訳無くて顔を合わせられないよ」

梓「…分かりました」

梓「唯先輩、とりあえず私と一緒に学校へ行きましょう?」

梓「歩きながらでも良いですから、何があったのか話して下さい」

唯「学校に行くの?じゃあ制服を…」

梓「今日は日曜日ですよ?そのままで良いですから」

唯「うん…」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:05:16.81 ID:3Ps854mt0 [35/104]
梓「それで、このテーブルの上に載ってるのは…」

唯「あずにゃん、これは持って行っても良いのかな?」

梓「…当然ですよ」

梓「もし持って行かないなんて言ったら」

梓「私、唯先輩とは一生口を利きませんからね?」

唯「…」グスッ

梓「何でまた泣くんですか…」

唯「だって…それだけ憂の事、大切に思ってくれてるんだよね?」

唯「それが嬉しくって…」

梓「…」

梓「…ほんとに憂と喧嘩したんですか?」

唯「え?うん…そうだけど…」

梓(原因は一体何?この2人が喧嘩なんてあり得ないよ…)

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:06:25.13 ID:3Ps854mt0 [36/104]
~通学路~

梓「で、原因は何ですか?」

唯「私が悪いの…」

梓「それは言わなくても分かってます」

唯「あずにゃん、やっぱり酷い…」

梓「当然ですよ、憂が悪いなんて事はあり得ません」

梓「唯先輩の方が悪いに決まってます」

唯「…えへへ」

梓「何で今度は笑ってるんですか!」

唯「だって…憂が悪くないって言って貰えると嬉しいもん」

梓「…」

梓「頭痛くなって来た…」

唯「え?どしたの、あずにゃん」

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:07:38.73 ID:3Ps854mt0 [37/104]
梓「あの…もう一度確認しますけど」

梓「本当の本当に憂と喧嘩したんですか?」

唯「うん、したよ?」

梓(一瞬からかわれてるんじゃないかって思ったけど…)

梓(でも唯先輩は裏の無い人だし、嘘泣きなんてしないよね)

梓「じゃあ、改めて聞きますけど」

梓「唯先輩がどう悪かったんですか?」

唯「え~と、あずにゃんは覚えてるかな?」

唯「今日のお昼から、憂が何をするのか…」

梓「今日ですか、確かムギ先輩と…」

梓「…」

梓「もしかしてその関係ですか?」

唯「そうなんだよ…」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:08:45.63 ID:3Ps854mt0 [38/104]
唯「私、本当に情けないんだ」

唯「憂の事、応援してあげたいって最初は思ってたのに…」

唯「でも、何だか悔しくって…」

唯「憂がね、誰かの事を好きになるのは…」

唯「本当は嫌なんだけど…凄く嫌なんだけど…」

唯「仕方が無いって思うんだ」

唯「ううん、そんな言い方をしちゃいけないよね」

唯「喜んであげなきゃいけないって思うんだ」

唯「でもね、それを最初に…私に言って欲しかったなって」

唯「私には何も出来ないって分かってるんだけど…」

唯「どうして良いのか分からなくなるって思うんだけど…」

唯「でも…やっぱり私には最初に言って欲しかった」

梓「…」

182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:09:52.40 ID:3Ps854mt0 [39/104]
唯「憂が好きになったのは女の子だって言ってたから…」

唯「ムギちゃんの方がそういうお話を上手く聞いてあげられるって」

唯「それはね、私のお馬鹿な頭でも理解出来るんだ」

唯「でも…それでもこの気持ちは抑えられないんだよ」

唯「憂の事、好きで好きで仕方が無いから…」

梓「…」

唯「あれ?あずにゃん聞いてる?」

梓「ええ、聞いてますよ…」

梓「で、結局唯先輩はどうしたんですか?」

唯「興奮してて良く覚えてないんだけど…」

唯「どうして私には言えないの?って」

唯「そういう事を未練がましく言っちゃったんだよ」

唯「それでも憂は教えてくれなかったから…」

唯「憂の事なんてもう知らないって」

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:11:11.04 ID:3Ps854mt0 [40/104]
唯「私、本当に駄目なお姉ちゃんだよね」

唯「憂には憂の事を第一に考えて欲しいって思ってたはずなのに…」

唯「結局私の事しか頭に無かったよ…」

唯「でもね?仕方が無いんだよ?」

唯「それ位憂の事が好きなの!もう、どうしようもないんだよ…」

梓「はぁ…まあ大体は分かりました」

梓「とりあえずですね…私の頭、2回ほど思いっきり叩いて下さい」

唯「…へ?何で?逆じゃないの?」

唯「何て情けない先輩なんだ~って」

梓「色々と言いたい事はありますが、今回は私と律先輩が悪いんです」

梓「なので、律先輩の1回分は私が代理で引き受けます」

唯「りっちゃんも?全然意味が分からないよ…」

梓「まあ、今更説明しても意味が無いので理由は言いませんけど…」

梓「とにかく、私と律先輩が悪いんです」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:12:38.35 ID:3Ps854mt0 [41/104]
梓「あと、ムギ先輩が後で何か言ってくるかもしれませんけど」

梓「ムギ先輩は全然悪くないですからね?」

唯「え?うん…ムギちゃんが何も悪くないのは分かってるけど…」

梓「まあとにかく、そういう風に納得して下さい」

唯「でも、いきなり叩けって言われても…」

唯「そんなの、あずにゃんが可哀想で出来ないよ」

唯「何か理由を考えて断らなきゃ…あ!そうだ!」

唯「あのね、そういうのは私の手も痛くなるから嫌だよ?うん」

梓(心の声が思いっきり出てるのが唯先輩らしい…)

梓「分かりました、じゃあ律先輩と2人でアイスをおごります」

梓「それで良いですよね?」

唯「え?うん、おごってくれるのは嬉しいんだけど…」

梓「はい、じゃあそれで決まりです」

唯「う~ん、何だか分からないけど…あずにゃんの気がそれで済むなら」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:13:48.60 ID:3Ps854mt0 [42/104]
~学校~

梓(幾らなんでも、ちょっと早過ぎたかな…)

梓(まだ約束の時間まで1時間以上あるよ…)

唯「あずにゃん、お腹減ってない?」

梓「え?そうですね…」

梓「休みの日は朝抜きなので減ってると言えば減ってますけど…」

唯「じゃあ憂が作ってくれたお弁当、一緒に食べない?」

唯「朝と昼、2食分入ってるみたいなんだ」

梓「良いんですか?私が食べても」

唯「うん、半分は元々あずにゃんの分だからね」

梓「どうして私の分なんですか?」

唯「う~ん、話せば長くなるんだけど…」

唯「今日はね、あずにゃんとお出かけって言っちゃったんだ」

唯「だからね、半分はあずにゃんが食べても良いんだよ」

190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:29:07.52 ID:3Ps854mt0 [43/104]
梓「何だか分かりませんけど…」

梓「もし憂に聞かれたら、そういう予定だったって答えておけば良いんですね?」

唯「え?うん、そうだよ!」

唯「それもお願いしようと思っててすっかり忘れてたよ」エヘヘ

梓「はぁ…まあすぐにそんな事はどうでも良くなると思うんですが…」

梓「そうですね、では朝の分だけは頂く事にします」

唯「お昼は?」

梓「お昼は用意してあるんです」

唯「お、もしかしてあずにゃんお手製?」

梓「そうですけど?」

唯「それは何方とお食べになるんでしょう?」

梓「だ、誰でも良いじゃありませんか!」

唯「むふふ~、あずにゃんも隅に置けませんな~」

梓「全く…もう少し落ち込んでて欲しかったですよ」

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:30:46.88 ID:3Ps854mt0 [44/104]
唯「…」

唯「あずにゃん、本当にありがとね」

唯「あずにゃんとお話してたら、少しだけど元気が出て来たよ」

唯「今だったら…うん、憂にはちゃんと謝れると思う」

梓「そうですか…まあ、唯先輩は凄く見当外れな悩みを抱えているんですけど」

梓「そう言って貰えれば私も嬉しいですよ」

唯「見当外れ?」

梓「きっと後で分かりますよ」

192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:32:24.59 ID:3Ps854mt0 [45/104]
~部室~

梓「部室、何も考えないで歩いてたら来ちゃいましたね」

唯「うん、此処で食べよっか?」

梓「そうですね…私、お茶淹れて来ます」

唯「じゃあ、私は鞄からお弁当を出して…と」

唯「…」

ペリッ

唯「『お姉ちゃんへ、朝とお昼の分が入ってるよ』」

唯「昨日はあんなに酷い事を言ったのに…」

唯「憂は早起きしてちゃんとお弁当を作ってくれたんだよね」

唯「もう本当に…どうして憂はこんなに良い子なんだろう…」

唯「拗ねて泣いてただけの私とは、大違いだよ…」

唯「あれ?中にも何か紙が…」

唯「…」

唯「嘘!?」

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:33:55.54 ID:3Ps854mt0 [46/104]
梓「お待たせしました、お茶淹れましたよ」

唯「あずにゃん…」グスッ

梓「ど、どうしたんですか!何でまた泣いてるんですか!?」

唯「だって…だって憂がね…」

唯「これを見てよ…」グスッ

梓「手紙?」

梓「…」

梓「…」

梓「…」

梓「さて、食べましょうか」

唯「え?どうしたの?」

唯「あずにゃん酷いよ~、どうして何にも言ってくれないの?」

梓「…」

梓「お幸せに」

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:37:27.40 ID:3Ps854mt0 [47/104]
~資料室~

澪「ふぅ…とりあえず作業は終わりだな」

梓「私の方も終わりました」

澪「それで?その手紙には何て書いてあったんだ?」

澪「まあ大体の内容は分かるけどな…」

梓「…」

梓「お姉ちゃんへ」

梓「昨日は本当にごめんなさい」

梓「私の好きな人、言いたかったんだけど…」

梓「今までずっと言えなかった事だったから…迷っちゃった」

梓「今本当に言っても良いのかなって」

梓「もっとちゃんとした時に言った方が良いんじゃないかなって」

梓「でも、今日1日だけでもお姉ちゃんに誤解されるのは辛いから…」

梓「私の好きな人…書いちゃうね」

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:38:38.99 ID:3Ps854mt0 [48/104]
梓「私の好きな人はお姉ちゃん、お姉ちゃんだけだよ?」

梓「お姉ちゃんは私の事なんて何とも思ってないかもしれない」

梓「昨日の事で嫌いになっちゃったかもしれないけど…」

梓「私はお姉ちゃんの事、ずっと好きだから…」

梓「お姉ちゃんが帰って来たら…言葉に出して言わせて欲しいの」

梓「お姉ちゃん、大好きって」

梓「でも、今日は梓ちゃんとのお出かけ、ちゃんと楽しんで来てね」

梓「私に気を利かせて途中で帰って来たりしたら駄目だからね?」

梓「お弁当、一生懸命作ったから2つ共食べてくれると嬉しいな 憂」

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:39:32.47 ID:3Ps854mt0 [49/104]
澪「良く覚えてるな?」

梓「唯先輩を後でからかう為にですよ」

澪「2人の事が羨ましいって思ったからだろ?」

梓「ち、違いますよ…」

澪「まあ、そういう事にしておくか」

梓「もぅ…違うって言ってるのに…」

澪「で、唯は結局どうしたんだ?家に帰ったのか?」

梓「ええ、食べ終わったら猛ダッシュで帰って行きましたよ」

澪「ちゃんと食べてから帰るって所が唯らしいな…」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:45:17.58 ID:3Ps854mt0 [50/104]
~平沢家・家の前~

律「…」

律「あたしは何をしてるんだろうな…」

律「これじゃストーカーじゃんかよ」

律「しかも相手が何処に居るか分からないからって…」

律「…」

律「幾らなんでも、これは格好悪いな」

律「やっぱり止めよう」

唯「何を止めるの?」

律「いや、憂ちゃんの後を付けてみようかと思ったんだけど…」

唯「ふ~ん、何で?」

律「ムギが何処に居るのか分からんからな…」

唯「携帯で直接聞けば良いのに」

律「いや、ちょっと聞きにくいんだよ…」

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:46:18.36 ID:3Ps854mt0 [51/104]
唯「憂の後を付けて行けばムギちゃんが居る?」

律「ああ、そう考えたんだけどな…」

唯「なるほど!それで私の家を見張ってたんだね~」

律「…」

唯「どしたの?りっちゃん」

律「いや…何でも無い」

律「憂ちゃんは何時頃出かけるのか分かるか?」

唯「う~ん、正確な時間は分からないね…」

唯「でも、この時間だとまだ家には帰って来てないよ」

律「何だ、憂ちゃんは出かけてるのか?」

唯「うん、お隣のお婆ちゃんとね」

律「そうか…」

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 01:54:35.22 ID:3Ps854mt0 [52/104]
律「なあ唯、頼みがあるんだが…」

唯「何?」

律「外で見張ってるのも寒いんだよな」

律「家の中に入れてくれないか?」

唯「うん、良いよ」

唯「私も憂が帰って来ない内に、部屋に戻っておかなきゃって思ってたんだ」

律「ああ、ありがとうな…」

律「…」

律「で、どうしてあたしは唯と会話してるんだ?」

唯「え?最初に話しかけてきたのはりっちゃんだよ?」

律「…」

律「まあ良い、今はそんな事を言ってる場合じゃないからな」

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:03:29.26 ID:3Ps854mt0 [53/104]
~唯の部屋~

律「…」

唯「…」

律「いきなり押しかけておいて申し訳無いんだが…」

律「お茶位は出ないのか?」

唯「駄目だよ、台所を使ったら憂にバレちゃうよ」

律「ペットボトルのお茶でも良いんだけどな」

唯「そんなの家にあると思う?」

律「憂ちゃんが居れば必要無いか…」

唯「憂はお茶でもコーヒーでも何でも美味しく淹れてくれるからね~」

律「ほんとに羨ましいよな…憂ちゃんくれ!」

唯「えへへ~、あげないよ?」

律「ほんと、唯には勿体無いよ」

唯「そうだね…私には勿体無いよね…」

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:06:12.31 ID:3Ps854mt0 [54/104]
律「…」

律「おいおい、冗談だぞ?そんな顔するなよ…」

唯「うん…分かってるよ」

唯「でもね、本当にそう」

唯「憂は私には勿体無い位の妹だよ」

唯「だから私は少しでも良いから…」

唯「憂に相応しいお姉ちゃんになりたいって思うんだ」

律「…」

律「唯がそんな事を言うなんて…何かあったのか?」

唯「えへへ、あったよ~」

唯「実はね…」

律「実は?」

唯「あ、でもその前に…」

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:07:30.12 ID:3Ps854mt0 [55/104]
ポカッ

律「いてっ!何すんだよ!」

唯「え?あずにゃんがりっちゃんも叩いておいてくれって言ってたよ?」

律「梓が?」

唯「あれ、後でアイスをおごって貰うんだっけ?」

律「意味が分からんぞ、説明しろよ」

唯「うん、良いよ…」

唯「えっとね…」

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:09:14.08 ID:3Ps854mt0 [56/104]
~学校・資料室~

澪「しかし改めて考えてみると、この3日間」

澪「私の知らない所でとんでもない事が起きてたんだな…」

梓「澪先輩が生徒会の手伝いをしてなくてあの場に居てくれたら」

梓「こんな事にならなかったかもしれませんね」

澪「梓はその方が良かったのか?」

梓「唯先輩にも憂にも悪いですけど…」

梓「もちろん、それは嫌ですよ」

澪「どうしてだ?」

梓「だって、もし何か違う事が起きてたら…」

梓「私は今、此処で澪先輩と一緒に居なかったかもしれない」

梓「そんなの絶対に嫌です」

澪「そうか、梓はそういう風に考えるのか…」

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:10:32.10 ID:3Ps854mt0 [57/104]
梓「澪先輩は違うんですか?」

梓「だったら、私と一緒には居たく無いって事ですよね…」

澪「違うだろ?何でそうなるんだよ」

梓「だって…」

澪「私はな…例え最後に笑っていられたとしても」

澪「誰かが途中で悲しんだりするのは嫌だ」

澪「私が生徒会の手伝いをしてなかったら…」

澪「まず、ムギの事を覗きに行くのを止めてただろうな」

澪「そうなると、唯と憂ちゃんの行き違いも無かったかもしれない」

澪「そういう可能性があるなら、それでも良かったと思う」

梓「その可能性だと、私は今此処に居ないって事になりますよね…」

澪「そうなるな」

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:11:45.93 ID:3Ps854mt0 [58/104]
澪「でも、梓と律が唯に何も言わなかったのはどうしてだ?」

梓「それは…結果が分かってるから、敢えて言うまでも無いかなって」

澪「そうだろうな、私も多分何も言わなかったと思う」

澪「それは、私達もそうなんじゃないのか?」

梓「え?それはつまり…」

澪「もう1つの可能性があったとしても…」

澪「いや、他に幾つもの可能性があったとしても…」

澪「それが必然の事だったら、結局最後は同じになると思う」

澪「今此処に梓が居なくても…何時かきっと、隣に座ってる」

澪「私はそう思うけどな」

211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:13:10.88 ID:3Ps854mt0 [59/104]
~平沢家・唯の部屋~

律「それでか…唯が此処に隠れてるのは」

唯「私は一応、あずにゃんとお出かけしてる事になってるからね」

律「もう良いんじゃないのか?そんな嘘、今更関係ないだろ?」

唯「う~ん、そうかな…」

唯「でも、憂がすぐに帰って来ちゃ駄目だよって書いてたし…」

律「まあ、唯の好きにすれば良いさ」

律「でもそうか…澪は今、学校に居るって事なんだろうな」

唯「え?やっぱり澪ちゃんなのかな?」

律「間違い無いだろ、他には考えられない」

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:14:52.04 ID:3Ps854mt0 [60/104]
唯「澪ちゃんが何処に居るのかは分かるんだね」

律「まあな」

唯「りっちゃんはそれで良いの?」

律「ああ、よくよく考えてみれば…」

律「あたしも…そうなる様に手助けした様なもんだからな」

律「邪魔をしようと思えば幾らでも出来たけど、そんな気は全く起きなかった」

律「こうなる事は分かってた、決まってたんじゃないかって思うよ」


213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:16:14.70 ID:3Ps854mt0 [61/104]
~学校・資料室~

澪「私と梓がこうなる事は最初から決まっていた…」

澪「そう…運命の赤い糸で結ばれていた、そういう事だな」

梓「あの、非常に嬉しいんですけど…言ってて恥ずかしくないですか?///」

澪「もちろん恥ずかしい台詞だって事は分かってるぞ?」

澪「でもな、好きな人の為なら恥ずかしいと思える様な事を言ってみたい」

澪「恥ずかしいと思える様な事をしてみたい」

澪「そういう事って無いか?」

梓「…あるかもしれませんね」

梓「あの、実は昨日怪我をした指なんですけど」

梓「まだ絆創膏を貼り替えてないので…」

澪「もしかして、また舐めて欲しいとか言わないよな?」

梓「…」

梓「言っちゃいます…」

梓「でもこれはとても恥ずかしい事なので…目を瞑ってて貰えませんか?」

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:17:24.90 ID:3Ps854mt0 [62/104]
~平沢家・唯の部屋~

律「お?何か下で物音がしなかったか?」

唯「憂が帰って来たのかな?」

~玄関~

憂「ただいま~」

憂「…」

憂「そっか…お姉ちゃんは出かけたんだよね」

憂「梓ちゃんは、ちゃんと迎えに来てくれたのか…な?」

憂「…」

憂「…」

憂「…何でだろ?」

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:41:57.68 ID:3Ps854mt0 [63/104]
~リビング~

憂「お弁当は…良かった、持って行ってくれたんだ」

憂「でも、どうして?」

憂「…そうだ、梓ちゃんに」



憂「あ、もしもし、梓ちゃん?」

憂「…」

憂「あれ?ちょっと今機嫌が悪かったりする?ごめんね?」

憂「でもお願い、1つだけ聞きたい事があるんだ」

憂「梓ちゃん、今何処に居るの?」







225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:44:32.10 ID:3Ps854mt0 [64/104]
~学校・資料室~

梓「…」

澪「誰から…って、まあ話の内容で分かったけど、憂ちゃんか?」

梓「ええ、そうです」

梓「唯先輩と出かけてるって嘘付いてたの、あっさりバレちゃいましたね」

澪「どうしてだろうな…梓が此処に居るって言っただけだろ?」

梓「…」

梓「そんな事はどうでも良いんですよ…」

梓「折角良い雰囲気だったのに…台無しじゃないですか」

澪「機嫌直せ?」

梓「そんなの、急には無理ですよ…」

澪「そうか…私はさっきの続き、したいんだけどな」

澪「梓は私だけに恥ずかしい事を言わせておいて、何もしてくれないんだ…酷いな」

梓「もぅ…分かりましたよ!」

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 02:59:54.11 ID:3Ps854mt0 [65/104]
梓「じゃあ…続きをお願いします」

澪「ああ、目を瞑ってれば良いんだろ?」

梓「はい、そのまま動かないで下さいね…」

チュッ

澪「何だ?今のは」

梓「指ですよ?」

澪「絆創膏、剥がして無い様に見えるんだが?」

梓「今さっと貼り替えたんですよ」

澪「顔が真っ赤になってるのはどうしてだ?」

梓「寒いからですよ、きっと」

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:01:42.74 ID:3Ps854mt0 [66/104]
~平沢家・唯の部屋~

律「しかし寒いな…エアコン入れて良いか?」

唯「駄目だよ、部屋に居るのが憂にバレちゃうよ」

律「じゃあ、どうすれば良いんだよ」

律「この部屋で暖かくなれる方法…」

律「お、そうだ!ベッドに入ってて良いか?」

唯「うん、良いけど…」

唯「で、でも…駄目だよりっちゃん、私には憂という人が…///」

律「いや、そういうお約束は良いから」

律「とにかく良いんだよな?じゃあ失礼して…」

唯「でも、それは良いアイデアかもしれないね」

律「何だよ、唯も一緒に入るのか?」

唯「だって、私も寒いんだもん」

律「…襲うなよ?」

唯「りっちゃんこそ」

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:04:54.21 ID:3Ps854mt0 [67/104]
~学校・資料室~

澪「そうか、寒いのか…」

澪「だったら、私が暖めてやるよ」ギュッ

澪「どうだ?」

梓「…」

梓「あったかいです…」

澪「これから何処に出かける?」

梓「私、動物園に行きたいです!」

澪「ああ、良いな…そうしようか」

梓「はい!」

梓「お弁当もちゃんと作ってきたので、後で食べて下さいね?」

澪「梓の手作りか…楽しみだな」

梓「でも…」

梓「あの、もう少しだけ…このままが良いと思います」

澪「そうだな…私もそう思う」

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:06:32.12 ID:3Ps854mt0 [68/104]
~平沢家・唯の部屋~

ピンポーン

律「誰か来たぞ?」

唯「え?誰かな…」

~玄関~

ガチャッ

憂「紬さん、わざわざ来て貰ってありがとうございます」

紬「ううん、良いのよ」

紬「最初は何処か外でって思ったんだけど…」

紬「憂ちゃんが一番落ち着ける場所が良いのかなって思ったから」

憂「えっと…じゃあ私の部屋で良いですか?」

紬「ええ、お邪魔するわね」

憂「ところで…紬さんには誰なのか分かりますか?」

紬「…」

紬「ええ、分かるわよ」

234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:08:34.43 ID:3Ps854mt0 [69/104]
~唯の部屋~

律「…ムギじゃないか?」

唯「ムギちゃんの声だね」

律「出かけると思ったら、家で会う約束になってたのかよ」

唯「そうみたいだね…でも、どうしよう」

唯「部屋から出られなくなっちゃったよ」

律「いや、むしろあたしにとっては好都合だ」

唯「そう言えば、りっちゃんはどうしてムギちゃんに会いに来たんだっけ?」

律「…」

律「秘密だ」

唯「え~!そんなのずるいよ?私も全部話したのに!」

律「ば、馬鹿!大声出したらバレるだろ!」

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:10:36.99 ID:3Ps854mt0 [70/104]
~憂の部屋~

憂「…」

紬「…」

紬「そうそう、サンドイッチを作ってきたの」

紬「良かったら食べてね?」

憂(あ、自分で食べるお昼の事忘れてた…)

憂「ありがとうございます、頂きますね」

紬「ええ、どうぞ」



紬「どうかしら?憂ちゃんには敵わないけど、結構自信あるのよ?」

憂「そんな…これ、凄く美味しいですよ」

紬「ありがとう、憂ちゃんにそう言って貰えると…2番目に嬉しいわ」

憂「2番目…ですか?」

紬「ごめんなさいね、2番目なの」

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:13:39.00 ID:3Ps854mt0 [71/104]
憂「あの…まずは私のお話、聞いて貰えますか?」

紬「ええ、良いわよ」

紬「でも、良かったら私のお話も聞いて頂戴?」

憂「紬さんのですか?」

紬「私もね、誰かに相談したいって思える様な事が出来ちゃったの」

憂「でも、私で良いんですか?」

紬「実はね…私が1番相談したい人、1番信頼している人は他に居るの」

紬「でも、その人の事を好きになっちゃったから…困ったわね」ウフフ

紬「ごめんなさい、憂ちゃんの事を悪く言うわけじゃないのよ?」

憂「それって…私と全く同じですね」

憂「私も1番相談したい人を好きになっちゃったから…」

紬「私達、似た者同士なのかしら?」

憂「そうみたいですね」クスクス

憂「でも紬さんのお話には興味があります、先に聞かせて下さい」

紬「そう?じゃあお言葉に甘えて…」

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:15:06.63 ID:3Ps854mt0 [72/104]
~唯の部屋~

律「耳を当てても…」

律「何か話してるって事は分かるが、内容は全く分からんな」

律「本当にこの壁の向こう側が憂ちゃんの部屋なのか?」

唯「うん、間にクローゼットが挟まってるけどね」

律「それでか…」

唯「廊下に出てみる?」

律「それはちょっと危険過ぎるな」

唯「じゃあ天井裏から…」

律「そんな手があるのか!」

唯「無いけどね」テヘッ

律「だからそういうお約束はもう良いって言ってるだろ…」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:16:52.55 ID:3Ps854mt0 [73/104]
律「窓からってのも無理そうだからな…」

律「唯、冗談抜きで何か良い方法は無いか?」

唯「…」

律「唯?おい、どうした?」

唯「…zzz」

律「…」

律「徹底的にお約束な奴だな…」

律「あたしはどうすりゃ良いんだよ…」

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:17:59.79 ID:3Ps854mt0 [74/104]
~憂の部屋~

紬「そう、昨日はあの後で…大変な事になってたのね」

紬「そういう可能性を考えられなかったのは、全部私の責任」

紬「本当にごめんなさい、憂ちゃん」

紬「私の事はどうでも良いから」

紬「まずは唯ちゃんの誤解を解くにはどうしたら良いのか考えましょ?」

憂「…」クスクス

紬「え?どうして笑うの?」

憂「ごめんなさい、ちょっと失礼でしたよね」

憂「だって紬さんも凄く大変だったのに…」

憂「まず最初に私の心配をしてくれるなんて」

憂「紬さん…本当に優しいです」

憂「相談して良かったって、改めて思っちゃいます」

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:19:17.24 ID:3Ps854mt0 [75/104]
憂「私の事はもう大丈夫なんです」

憂「さっき少しだけですけど、梓ちゃんから聞いちゃったんです」

憂「お姉ちゃんはもう誤解はしてないって」

憂「仲直りしたいって思ってる、そう言ってくれたんです」

紬「そう…良かった…本当に良かったわ…」

紬「でも結局、私には何も出来なかったって事よね…」

憂「そんな事無いです、全部紬さんのおかげですよ」

憂「紬さんが居なかったら、私は誰にも相談出来なかった」

憂「何も始まらなかったんですから、紬さんには感謝してます」

憂「今は私の事よりも、紬さんの事を考えましょうよ」

紬「ありがとう、憂ちゃん…」

紬「でも、私の事は昨日始まった事だから…まだ何も分からないと思うんだけど…」

憂「そんな事は無いですよ、結果はもう分かってるんじゃないかなって思います」

紬「え?どうして?」

憂「だって…」

247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:29:27.43 ID:3Ps854mt0 [76/104]
~唯の部屋~

律「…ん?」

律「全く話し声が聞こえなくなったな…」

律「…」

律「はぁ…あたしは何をやってるんだろうな…」

律「ムギの事が気になって…いや、気になってる所じゃないんだろうな」

律「気持ちよりも先に体が動いちゃったのは、あたしらしいんだろうけど…」

律「駄目だな、こんな所でウジウジしてちゃ駄目だ」

律「いっそ今からでも憂ちゃんの部屋にお邪魔して…全部話そう!」

ガチャッ

律「!」

パタッ…パタッ…パタッ…

律(こっちに来る!)

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:31:37.00 ID:3Ps854mt0 [77/104]
律(…)

律(何でまたベッドの中に入ってるんだよ!)

律(さっきの決心は何処に行ったんだ?)

律(いやでも、全部話すって言っても何をどう話せば良いのか…)

ガチャッ

律(やばい、入ってきたよ!)

律(ど、どうする?)

律(出て行った方が良いのか?)

唯(…zzz)

律(…)

律(唯を見てると…こんな時でも何故か安心出来るのが不思議だな…)

ガバッ

律「あっ!」

紬「りっちゃん…」

律「よ、ようムギ、奇遇だな?」

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:40:14.47 ID:3Ps854mt0 [78/104]
紬「何を…しているの?」

紬「唯ちゃんと2人で…ベッドの中に居るなんて…」

律「へ?あ、ち、違うんだよ!」

律「唯は普通に寝てるだけで、あたしはちょっと寒いからお邪魔を…」

紬「…」

憂「どうしたの?紬さん」

紬「憂ちゃん…これを見て?」

憂「え!嘘…お姉ちゃんと律さんって…そういう関係だったんですね…」

律「…」

律「違うぞ」

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:41:55.01 ID:3Ps854mt0 [79/104]
律「違う!憂ちゃんそれは絶対に違うぞ!」

律「唯が好きなのは憂ちゃんだけだ!」

律「いや、それも違うな」

律「唯はみんなの事が好きだけど」

律「1番好きなのは、誰よりも好きなのは憂ちゃんだ!」

律「あたしなんて比較にもならないよ」

律「唯の1番は憂ちゃんだ、出会った時からそうだったし、今もそう」

律「あたしが言う事じゃ無いって分かってるけど…」

律「これから先だってずっとそうだと思う」

律「それだけは…唯の想いだけは信じてやってくれ」

律「な?頼む、お願いだ、あたしの事はどういう風に思っても良いから」

律「唯の事だけは信じてやってくれ…」

律「頼…」ムギュ

紬「りっちゃん…ごめんなさい、もう良いの」

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:42:52.69 ID:3Ps854mt0 [80/104]
律「良くないんだよ!」

律「折角仲直り出来るって唯が喜んでたのに…」

律「あたしのせいでこんな事になっちゃって…」

紬「違うの、私達が全部悪いのよ?」

律「は?何でだ?あたしのせいだろ?」

憂「律さん、ごめんなさい」

憂「ちょっと悪ふざけが過ぎたみたいです」

律「…どういう事だ?」

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:44:40.92 ID:3Ps854mt0 [81/104]
~リビング~

律「…」

紬「あの…」

憂「怒ってます?」

律「いや、全然」

律「元はと言えば、あたしが此処にいる事自体が間違いだからな…」

律「あたしに怒る資格なんて無いよ」

憂「じゃあ…ごめんなさいって言う代わりに」

憂「ありがとうございます」

律「は?」

憂「お姉ちゃんを庇ってくれた事、凄く嬉しかったです」

紬「りっちゃん、凄く格好良かった!」

律「いや、まあ…照れるじゃないか///」

憂「でも、どうして律さんがお姉ちゃんの部屋に?」

紬「そうね、どうしてかしら?」

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:46:00.24 ID:3Ps854mt0 [82/104]
律「…」

律「いや、唯が強引にだな…」

紬憂「…」ジー

律「…すまん、ムギの事が気になったからだよ」

紬「私の事が?それって、どうして?」

律「…どうしてだろうな?」

憂「駄目ですよ律さん、さっきの格好良さは何処に行ったんですか?」

律「いや、さっきのは考えてる暇も無かった事だからな…」

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:47:36.08 ID:3Ps854mt0 [83/104]
紬「じゃあ、凄く嫌な聞き方をしちゃうけど…」

紬「1回だけだから許してね?」

律「あ、ああ…」

紬「私と澪ちゃん、どっちの方が好き?」

律「それは…」

律「今は、ムギだな」

律「1日で何が変わるって訳じゃないはずなのに…」

律「昨日からムギの事しか考えられなくなったよ…」

律「すまん、今はそんな風にしか言えない」

紬「ううん、それだけ言って貰えたら私は十分よ」

紬「私…私、凄く嬉しい!」

律「そ、そうか?照れるな…」

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:48:51.19 ID:3Ps854mt0 [84/104]
~唯の部屋~

ユサユサッ…ユサユサッ…

憂「お姉ちゃん、そろそろ起きて?」

憂「あんまり寝すぎると、明日起きれなくなちゃうよ?」

唯「大丈夫だよ~憂がちゃんと起こしてくれるよ~」ムニャムニャ

憂「うん、もちろん起こしてあげるんだけど…」

唯「…」

唯「え?憂!?」

ガバッ

唯「…」

憂「おはよう、お姉ちゃん」

唯「…」

唯「…おはようございます」

唯「あ、あのね?ついさっき帰って来てね?」

唯「いや~、あずにゃんとのお出かけ楽しかったな~」

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 03:50:11.57 ID:3Ps854mt0 [85/104]
憂「うん、梓ちゃんから全部聞いてる」

唯(良かった、あずにゃんありがと~)

憂「後は律さんからもね、お姉ちゃんの事よろしくって言われてるの」

唯「…あの、それは何時の事でしょう?」

憂「もちろん今日、律さんはついさっき紬さんと一緒に帰ったから」

唯(全部バレていらっしゃる!)

憂「昨日は…ううん、今までごめんなさい」

憂「私が自分の気持ちを素直に言えなかったら、色んな人に迷惑をかけちゃった」

憂「お姉ちゃんに…紬さんに…律さんに…梓ちゃん…」

憂「ひょっとしたら澪さんにも…」

唯「…」

憂「あの…やっぱり、お姉ちゃんはまだ怒ってる?」

唯「…うん」

唯「怒ってる」

263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:00:21.13 ID:3Ps854mt0 [86/104]
憂「そうなんだ…ごめんね、お姉ちゃん」

憂「でも、信じて欲しいの」

憂「手紙、読んでくれたのかな?私はお姉ちゃんの事…」

唯「違うよ、憂」

唯「私はね、自分に対して凄く怒ってる」

唯「何て情けないお姉ちゃんなんだろうって」

唯「今もそう、憂に全部言わせちゃってる」

唯「昨日だってそうだよ、私が少しだけ我慢していれば」

唯「憂の事を第一にって考えていれば…あんな事にはならなかったのに」

憂「お姉ちゃん…でも、私も…」

唯「憂は悪くないよ?私が全部悪いんだ」

唯「でもね、そういう風に言うと憂は悲しむと思うから…言わないよ」

唯「…あれ?言わないって言ってるのに、全部言っちゃったね?」テヘヘ

唯「格好悪い言い方になっちゃったけど…私らしいって事で許してね」

唯「憂は悪くない、私も悪くない」

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:02:06.81 ID:3Ps854mt0 [87/104]
唯「だからごめんねって言う代わりに…ありがとうって言わせてね」

唯「憂、ありがとう」

唯「あんなに酷い事を言っちゃったのに…今朝もお弁当、作ってくれたよね」

唯「憂はどんな時でも私の事を考えていてくれてるんだって」

唯「それが凄く嬉しかった…本当にありがとう」

唯「憂は何でも出来る私の自慢の妹、大切な…大切な妹だよ」

唯「今はまだ駄目だけど…私はね」

唯「何時かきっと憂に相応しいお姉ちゃんになりたいって思ってる」

唯「憂が喜んでくれる事は何でもしてあげたいって思う」

唯「憂が喜んでくれたら…私も凄く嬉しいから…」

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:04:59.60 ID:3Ps854mt0 [88/104]
唯「だから…憂が1番喜んでくれると思う事、言っちゃうね」

唯「私は憂の事が好き、大好きだよ」

唯「憂の気持ちは、もう分かってるんだけど…」

唯「でも、言葉ではまだ聞かせて貰ってないから」

唯「聞かせて?」

憂「好き…お姉ちゃんの事、大好きだよ!」

憂「でも…」

唯「憂、何を言いたいのか分かってるから」

唯「ちょっとだけ、お姉ちゃんらしい所を見せてあげる」

憂「え?」

唯「憂、少しだけ目を閉じて」

憂「…う、うん!」

266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:05:55.93 ID:3Ps854mt0 [89/104]
チュッ

唯「…えへへ」

憂「…えへへ」

唯「私はね、憂の事は妹としても大好きだけど」

唯「平沢憂としても大好きなんだよ?」

憂「うん…私もお姉ちゃんの事はお姉ちゃんとして大好きだけど」

憂「平沢唯としても大好きだよ?」

唯「少しはお姉ちゃんらしい事、出来たかな?」

憂「うん…」

憂「でもね、今だけじゃないよ?」

憂「お姉ちゃんはね…何時でも私の自慢のお姉ちゃんだから」

唯「そ、そんな…照れるな~」



律「忘れ物を取りに来たんだが…何時になったら部屋に入れるんだ?」

268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:07:41.95 ID:3Ps854mt0 [90/104]
~学校・資料室~

澪「ごめんな梓、動物園行けなくなっちゃって…」

梓「どうして澪先輩が謝るんですか?」

梓「私がもうそろそろ行きましょうって言わなかったから…」

澪「いや、私がもうそろそろ行こうって言わなかったからだろ…」

澪「…」

澪「今からでも行くか?少しは見て回れると思うぞ?」

梓「いえ、今日はもう止めておきましょう」

梓「また次の機会に、今度は朝から一緒に行きましょう」

澪「ああ、そうだな」

梓「あの…」

澪「分かってるよ、2人だけで」

梓「はい!」

269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:10:02.01 ID:3Ps854mt0 [91/104]
澪「でも、何時も2人ってわけにはいかないからな?」

梓「分かってます、軽音部はみんな仲良しって」

梓「ずっとそう思って貰いたいですからね」

澪「ああ、私も仲良しのままでいたいと思ってる…梓もそうだよな?」

梓「もちろんです」

澪「じゃあ、今日はもう少し此処でゆっくりしていようか…」

梓「そうですね…」

澪「そうと決まったら…そろそろ出してくれないか?」

梓「え?何をですか?」

澪「お弁当、作ってきてくれたんだろ?」

澪「ちょっと遅くなったけど、今から食べよう」

梓「あ、はい!今出しますね…」

ゴソゴソ…ゴソゴソ…

梓「…え?」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:19:37.61 ID:3Ps854mt0 [92/104]
澪「どうした?まさか無いっていうオチじゃないよな…」

澪「その鞄、結構重そうだぞ?」

梓「いえ、私の作って来たお弁当はあるんですが」

梓「憂が作って来た分を忘れてました…」

澪「憂ちゃん?」

梓「唯先輩慌てて帰っちゃったから、置き忘れて行ったんですよ」

梓「お昼前には学校を出るから、ちょっと寄り道して届ければ良いかなって」

梓「思ってて、すっかり忘れてました…」

澪「まあ良いじゃないか、今からでも届けてあげれば」

澪「このままにしておいたら折角作った憂ちゃんが可哀想だ」

梓「そうですね、行きましょう」

澪「ああ」

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:21:16.03 ID:3Ps854mt0 [93/104]
~平沢家・家の前~

律「待たせたな、ムギ」

紬「あら?マフラーは唯ちゃんのお部屋に無かったの?」

律「いや、あるとは思うんだが…」

紬「お部屋に入れない様な事になってたのね」

律「まあ、そんな感じだ」

紬「じゃあ…」



律「これは…ちょっと恥ずかしくないか?」

紬「どうして?唯ちゃんと憂ちゃんもやってるみたいよ」

紬「あったかあったかなんですって」ウフフ

律「首周りより顔の方が熱くなって来るな」

紬「ええ、私も顔の方が熱いかも」

272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:22:26.03 ID:3Ps854mt0 [94/104]
~学校→平沢家~

澪「梓の手は小さくて可愛いな…」

梓「澪先輩の手は…」

梓「あの、そういう風に言われてしまうと返しようがないんですけど…」

澪「いや、良いんだよ」

澪「手が大きくて可愛くないって言ってくれ…」

梓「もう、そんな事で拗ねないで下さいよ」

澪「拗ねてなんか…」

ピタッ

梓「澪先輩、どうしたんですか?急に立ち止まって…」

澪「律だ…」

梓「え?律先輩?」

梓「…」

梓「ムギ先輩と一緒ですね」

澪「ああ…」

273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 04:23:17.11 ID:3Ps854mt0 [95/104]
紬「でも、恋人同士ならこれ位は普通の事じゃないのかしら?」

律「はぁ?誰と誰が恋人同士なんだよ?」

紬「…」

律「…」

律「すまん、そこまで言える自信は本当に無いんだ」

紬「じゃあ何時かそう言って貰える様に、待ってるわね」

律「ムギは…不安になったりしないのか?」

紬「不安?何の事?」

律「あたしはまだ、澪の事が好きなのかもしれないんだぞ?」

律「昨日今日で気持ちが変わってしまったなんて、信じられるのか?」

紬「信じるわ」

律「いや、そんな即答出来る事じゃないだろ…」

律「それとも、やっぱりあたしの考えてる事が分かるって言うのか?」

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:47:39.74 ID:3Ps854mt0 [96/104]
~平沢家・リビング~

唯「無事に戻って来て良かったよ~」

唯「あずにゃん、届けてくれてありがと~」スリスリ

憂「お姉ちゃん、それお弁当じゃなくて梓ちゃんにやってあげなよ」

唯「…あずにゃんにやっても良いの?」ムフフ

憂「…」

憂「やっぱり駄目」

唯「じゃあ、憂だったら?」

憂「え?そんなの、良いに決まってるじゃない…」

唯「う~い~、今日もお弁当ありがとう~」スリスリ

憂「…」

憂「酷いよお姉ちゃん、お弁当じゃなくて私にやってよ…」

唯「冗談だよ~」

唯「憂、今日もお弁当ありがとうね」スリスリ

憂「うん…」

297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:49:10.08 ID:3Ps854mt0 [97/104]
憂「でも2日連続で晩御飯がお弁当、それもお昼の残りって…」

唯「ごめんね、私が変に嘘を付いて誤魔化すからこんな事に…」

憂「ううん、違うの」

憂「そういうのもちょっと面白いかなって」

憂「今日は本当に色々な事があって…うん、面白かったね」

唯「でも私は途中で寝ちゃってたから」

唯「りっちゃんの事はどうなったのか分からないんだけど…」

憂「後で、紬さんと律さんに聞いてみて」

憂「紬さんは笑いながら、律さんはちょっと照れながら教えてくれると思うよ」

唯「うん、明日聞いてみるねっ」

298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:50:18.09 ID:3Ps854mt0 [98/104]
唯「でも、どうして憂は私とりっちゃんが家に居るって分かったの?」

憂「私に分かったのは、お姉ちゃんともう1人誰か居るって事だけだよ」

憂「律さんが居るって教えてくれたのは紬さん」

唯「ムギちゃんが?何?ムギちゃんって超能力者なの?」

憂「違うよ、お姉ちゃん」

憂「だって2人共…」

憂「玄関に靴、脱ぎっぱなしだったよ?」

唯「…」

唯「そんな簡単なオチだったんですか…」トホホ

憂「まあまあ、結果的には気が付いて良かったんだと思うよ」

憂「お茶も淹れたから、そろそろ晩御飯食べよ?」

299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:51:24.78 ID:3Ps854mt0 [99/104]
唯「…」モグモグモグ…

唯「うん、今日も凄く美味しいよ!」

憂「そうだね、今日のお弁当は美味しいね…」

唯「違うよ憂、今日もだよ!」

憂「私、食べてないから分からないんだけど…」

唯「あ…ごめんね、私が全部食べちゃったんだよね」エヘヘ

憂「うん…凄く嬉しかった」

唯「憂は不味いって言ってけど違うからね?本当に美味しかったからね?」

憂「分かってる、お姉ちゃんは嘘なんて言ってない…」

憂「でもね、お姉ちゃんがそう言ってくれるのは嬉しいんだけど」

憂「お姉ちゃんにはね、私が美味しいって思うものを食べさせてあげたいの」

憂「今日は何処まで出かけて何時食べるのか分からなかったから」

憂「時間が経っても大丈夫な様にちょっとだけ工夫してあるんだよ?」

唯「へえ~、そうなんだ…私には全然分からないな…」

唯「憂が作ってくれたって思うだけで、全部美味しくなっちゃうから!」

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:52:49.80 ID:3Ps854mt0 [100/104]
憂「もう、お姉ちゃんたら…そういう事を言われちゃうとね」

憂「本当はお料理をする気が無くなっちゃうんだよ?」

唯「え!そうなの!?」

唯「ど、どうしよう…憂のご飯が食べれなくちゃうのは困るよ~」

憂「じゃあね、昨日のお弁当は抜きにして」

憂「私が今までに作ったお料理で、1番不味かったものって何?」

唯「え~とね…な、無いって言っちゃ駄目?」

憂「うん、駄目」

唯「こ、困ったよ…」

唯「う~ん…」

唯「あ、確か4月だったかな?」

唯「星とハート形のクッキーを焼いて貰った事があるよね?」

唯「見た目は凄く可愛いなって思ったんだけど…」

唯「味はちょっとだけ…ほんのちょっとだけだよ?」

唯「憂が何時も焼いてくれるクッキーより美味しくなかったかなって」

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:54:07.03 ID:3Ps854mt0 [101/104]
唯「ご、ごめんね?折角憂が作ってくれたのにね?」

唯「でも、今はそれ位しか思い付かないよ…」

憂「…」

憂「もう、どうしてお姉ちゃんは私が喜ぶ事しか言ってくれないの…」

唯「え?何が?」

憂「ううん、何でも無いよ」

憂(あれは新歓ライブでお姉ちゃんの演奏を見て感動した…)

憂(クラスのお友達から貰ったものなんだよね)

憂(恥ずかしくて直接渡せないって言ってたから)

憂(私が焼いたって事にして包装し直して渡したっけ…)

憂(私も1つ食べたけど…凄く美味しかった)

憂(私の焼いたクッキーなんて比べ物にならない位に…)

憂(何処か有名なお店のだって言ってたから、仕方無いって思ったんだけど…)

憂「クッキー…また焼いてあげたいな…」

唯「ほんとに?やった~!」

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:55:13.21 ID:3Ps854mt0 [102/104]
憂「後ね、今まではたまにしか作ってあげられなかったけど」

憂「明日からは毎日、お弁当作ってあげたくなっちゃった」

憂「駄目かな?」

唯「…」ギュー

憂「…」プッ

憂「何?その面白い顔」

唯「い、痛ひ…」

憂「もう、ほっぺが真っ赤だよ?」

唯「だって、夢なんじゃないかって…」

憂「夢じゃないよ」

憂「こんなに嬉しい事が一杯あったのに…夢だったら悲しいよ」

唯「そうかな?」

唯「憂…私はね、夢でも良いって思ってるよ」

憂「え?どうして?」

303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:57:31.04 ID:3Ps854mt0 [103/104]
唯「だって、夢の中でも憂と一緒に居られるなんて嬉しいもん」

唯「それに夢から覚めたって、私と憂は何時も一緒だよ?」

唯「そんなの…当たり前じゃない」

憂「お姉ちゃん…」

唯「憂、私達…何時までも一緒だからね?」

憂「うん!」


おしまい

304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:58:57.48 ID:3Ps854mt0 [104/104]
こんなに長いSSを最後まで読んで頂いてありがとうございます
深夜~早朝にも関わらず支援・保守して頂いた方、本当にありがとうございました
規制解除を待っている間にうっかり寝てしまいました…

携帯での猿避け対策も教えて頂いたのですが
携帯からも上手く投稿出来ずに規制されまくりの状態でした
途中からは途切れ途切れの投稿になってしまって本当に申し訳無かったです

憂の作った弁当を忘れて帰ってしまうのはちょっと駄目でしたね
眠気が勝ってしまって上手く修正出来ませんでした
他にもだらだらと長くなり過ぎた所が多かったと思います

今度はもう少し短くまとめるか、投稿の仕方を考えてみたいと思います
それでは


コメント

澪梓はともかく唯憂は飽きた

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