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澪「ピックゥ!! ピック買って下さああァい!!!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 14:52:54.01 ID:Pekhsey30 [1/25]
秋山澪はピック売りの貧しい少女である
澪「ピックゥ! ピックはいりませんか!! ピック買って下さああァい!!!」
澪「あっ、そこのお姉さん、ピック買ってもらえませんか!!」
OL「えっ? いや、別に……」
澪「お願いしますっ!! これが売れてくれないと、私・・私・・もう生きていけなくて・・・」ウルッ
OL「ごめんなさい。そういうのはちょっと……」ソソソ
澪「待ってください! ピック! ピックさえあればいつの日か・・!!」
OL「あの……ご、ごめんなさいっ!」
タタタタッ....
澪「ああっ・・そっ、そんな・・まだ今日一個も売れていないのに・・・くそう、ちくしょう・・・」
秋山澪はピック売りの貧しい少女である
澪「ピックゥ! ピックはいりませんか!! ピック買って下さああァい!!!」
澪「あっ、そこのお姉さん、ピック買ってもらえませんか!!」
OL「えっ? いや、別に……」
澪「お願いしますっ!! これが売れてくれないと、私・・私・・もう生きていけなくて・・・」ウルッ
OL「ごめんなさい。そういうのはちょっと……」ソソソ
澪「待ってください! ピック! ピックさえあればいつの日か・・!!」
OL「あの……ご、ごめんなさいっ!」
タタタタッ....
澪「ああっ・・そっ、そんな・・まだ今日一個も売れていないのに・・・くそう、ちくしょう・・・」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 14:54:54.38 ID:Pekhsey30 [2/25]
澪「でも・・負けちゃだめだ! なんとしてもピックを売らなくちゃ・・!!」
澪「ピックはいりませんかああァ!! ピックゥ・・あ、そこのお兄さんっ」
リーマン「ん? はぁ、なにか?」
澪「ピックいりませんでしょうか!!」
リーマン「え? ピックって、あの弦楽器なんかに使う?」
澪「正確には撥弦楽器です! 楽器が音を生む母としたら、ピックは父みたいな存在です!!」
リーマン「あ、あー、そうなんだ。でも残念だけどうちにはそういうの置いてないし」
澪「ない、だと・・・。まさか、嘘でしょ・・信じられない・・・」
リーマン「と、いうわけなんで」
澪「ででででででも!! だったら是非この機会にピックから交流を深めてみても」
リーマン「あーもう。しつこい勧誘は嫌いなんだよねぇ。他所いってくんない?」プイッ スタスタ
ヒュウウウウウウ~....
澪「・・・・・・ちくしょう」
澪「何が悪いっていうんだ・・・ちくしょう・・ピックに少しも罪なんてないのに・・・」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 14:58:03.99 ID:Pekhsey30
カップル「イチャイチャ キャイキャイ アンアン」
澪「くそ・・年の瀬だからって浮かれやがって・・・。ちくしょう・・ちくしょう・・!!」
澪「ようし。ここは雪玉を作って・・中心にピックを入れて・・・ふふwジュネーブざまぁww」
澪「これでも食らええェ!! しあわせものに・・・天誅うううゥをおおおおォ!!!」
ブオオオォンッ!! シュルッ!! ヒュウウウウゥゥゥゥ....
律「ドベアジェット!!!!」
澪「わ・・・し、しまった、コントロールが・・・」
律「おいコラァ! そこの薄汚い女、なにしてくれるぅ!」
澪「わわわわ・・きっと、ピックを粗末にしたからピックの神様が罰を与えたんだ・・・そうだ、そうに違いない・・・」ガクガク
律「おいそこの、聞いてるのか? 今結構怒ってるんだぞ!」
澪「あああ・・・ピックさん、いえピック様ごめんなさい。次は絶対に外したりはしません・・・!!!」
律「ってそっちじゃねえだろ!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:01:18.37 ID:Pekhsey30
澪「ええと・・それで、一人だけの方、お怪我はありませんか??」
律「いちいちムカつく言い方をする奴だな……」
律「で、なにいきなり見ず知らずの人に雪玉とか投げつけてるわけ?」
澪「それは・・・まぁちょっとした鬱憤を晴らしたくなって、つい・・・」
澪「あっ、でも! あの雪玉に当たったということは、あなたがピックに対して酷いことをした報復だったという」
律「あるわけねぇだろオンドルァ!」
澪「ひいっ!」
律「私はドラマーなんだ。だから使うのはドラムスティックだ。ピックは専門じゃない」
澪「ドラマーだって・・!?」
律「そうだ。だからあんたの言ってるピックの報復とかいうのは……」
澪「きっとドラムが走りすぎているからだ!! だから、特にベースのピック経連からマークされていて」
律「しつこいわこのボケナスビ!」クワッ
澪「きゃぅんっ!!」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:04:38.76 ID:Pekhsey30
律「そんで、こんなくそ寒い路上でどうしてピックなんか?」
澪「それは、財産がこれしかないので・・・たくさん買って、全部売りさばけば大儲けだって・・・」
律「なるほど可哀想な子だったのか……」
澪「はい! 可哀想な子です! だから」
律「って堂々と言われるとそういう気もなくなるわ!」
澪「そ、そんなぁ・・・」シュン
澪「・・・あの、実はおばあちゃんが病気で寝込んでいて、その・・・お薬を買ってあげないと」
律「えっ? そんな事情が……?」
澪「はい。もうピックりとも動けなくて、いつピックり逝ってしまうか分からない状態で。ピックニックにも行けなくて」
律「途端に胡散臭くなったな、オイ」
澪「だからお願いします! ピックを、一つでもいいからピックを!!」
律「……分かった。じゃあその嘘っぽい事情に免じて雪玉を当てたことは許してやる。だがピックは買わん」
澪「うう・・そんなぁ・・・ぐずっ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:07:54.22 ID:Pekhsey30
律「はいはいもう行くから。弟と映画見る約束なんだ。はぁ、全くどうしていつも弟となんかと……」
澪「お互い寂しい身ですね・・・」
律「うるへぇ! なんかお前に言われると腹立つ! んじゃもう」
澪「・・・あっ、あっ、あああっー!!!」
律「おま、いい加減に……」
澪「違う! ちが違うんです! 悪気はないんです、ただ・・・」
律「ただ……?」
澪「そのおでこに刺さったピックを、返してもらえないかなぁって・・・」
律「お、で、こ?」スリスリス..コツッ
律「…………あ、本当だ。きれーに刺さっとる」
澪「ピク美ちゃんが、私以外の人間に初めて好意を抱くなんて・・!!」
律「名前つけとるんか! まぁともかく、抜いてしまえば……。む、むむ……あれ?」
律「ぬ、抜けない!?」
澪「・・・・・・ふふw」キラーン
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:11:17.59 ID:Pekhsey30
律「ふんぬーっ! ふんぬーっ!」
澪「あのぉ、あもし抜けないのでしたらぁ、買い取っていただかないとぉ・・・」ワクワク
律「ぬわーっ! 駄目だこりゃ。完全に根元までグサリといってやがる……」
律「……って、ハッ! もしかしてお前、これが目的ではじめから」
澪「えっ、ちっ、違います違います! あなたに当たってしまったのは本当にただの偶然で・・・」
律「つまり相手は誰でもよかったってことか!」
澪「あああああ違うんです!! 私可哀想な子だから頭のほうもちょっと」
律「黙れこのピック詐欺師! お前には一銭も払わないからな!」
律「くそっ! もうこれ以上構っていられるか」ダッ
澪「ああっ・・ピック! 私のピック! しかもそれ一つしかない鼈甲のやつ! ピク美ちゃぁん!!
摩擦音を最小に抑え、しかも決め細やかさを残しつつダイナミックにアタックできる、一番高いのおおおォ!!!」
律「んなもん知るか!」ダダダッ
ヒュルルルルルルウウゥゥ~....
澪「・・・・・・」ポツーン
澪「・・・死にたい」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:14:31.11 ID:Pekhsey30
ビュウウウウウゥゥゥ~
澪「うう・・大量の山盛りピック・・・。この中で一番鋭いピックなら、手首切って死ねるのかなぁ」
あのー
澪「へへっ。やっぱり駄目だ。こんな可愛い子たちを、私みたいな汚れた血で染めるなんて・・・」
ぐあい悪いんですかー
澪「こうなったら、例えいたいけな子を騙しても・・・。ふふっ。私が、絶対ににお前たちの買い主を見つけてやるからな」
笑いながら泣けるってきようですねー
澪「それにしてもさっきからよく分からない幻聴みたいなものが・・・」
唯「もおおおおっ! おきゃくさーん! しゅーてんですよー!」
澪「わあぁ降ります降ります! ・・・って、あれっ? ここ駅じゃない!! ていうか誰っ!?」
唯「誰、って言われても……。たまたま通りかかっただけなんだけど」
澪「あ、そうなんだ。ふぅん・・・。ね、ねぇ、きみ! いや、あなた!!」
唯「うん? なあに?」
澪「ピッ・・・ぐっ、駄目だ! この子、なんて純粋な目をしてやがる! 私は・・こんな子をカモになんて・・!!」
唯「……ほえ?」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:17:46.64 ID:Pekhsey30
唯「んー。なんかよく分からないけど、困ってるなら、私でよければ相談にのるよっ」ニパッ
澪「そうだん・・? こ、こんな薄汚れた私の話を聞いてくれるのか!?」
唯「……汚れてる? そんなのあんまり関係ないよ。私は可愛いものが好きで、見つけるのが得意なんだ~」
澪「そんな、可愛いだなんて・・。確かに顔出ちには凄く恵まれたほうだって薄々感づいてたけど・・・」
唯「あ、うん……。でっ! こんなところでなにやってたの?」
澪「・・・あのな、ピックを売ってるんだ。でも全然誰も買ってくれなくて」
唯「ぴっく? ふぅん。道端で売ってる人はじめて見たかも」
澪「所詮底辺の仕事だったんだ・・。これでビッグになれるって、信じ込まされて・・!!」
澪「・・・あと、実はおばあちゃんが悪い人に騙されてて、このままじゃ利子が膨らむ一方で・・!!」
唯「……そうなんだ。大変なんだね。むう、でも困ったな……今ちょうどお財布が」
澪「いや・・いいんだ。ピックをピックとして使ってくれない人じゃないと、ピックとして生まれたピックが可哀想だから・・」
唯「だったら! 私なんてぴったr……」
オネエチャーン ドコー? オネイチャアアアアン!!
唯「あっ、憂!」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:20:49.16 ID:Pekhsey30
憂「あっ、お姉ちゃん! も~、随分探したんだからぁ」
唯「でひひ、めんごめんご」
憂「ほらもう帰らないと時間が……って、え……。そちらの方は?」ジトー
澪「あ、ここっこ、こんばんわ・・・。はは・・」
唯「可愛い子でしょ! ねぇ憂、私のお財布持ってるでしょ? 早く出しt」
憂「ちょっ、お姉ちゃん! ちょっとこっちきて!」グイッ
唯「えっ、なっ、どどうしたの?」ズルズル
澪「・・・・・・」
憂「お姉ちゃん、最近お小遣いすぐ使っちゃうみたいだけど、いっつもああいう人に使ってるの?」ヒソヒソ
唯「そうでもないけど……。ああいう人ってどういうこと?」
憂「それは、言い方悪いけど乞食とかそういう人。いい、お姉ちゃん。ああいう人にお金あげちゃだめなの」ヒソヒソ
唯「えー。どうして?」
憂「甘やかすからちゃんとした仕事に就こうとしないんだよ。それに、臭いし汚いから、ね!」ヒソヒソ
澪「・・・なに話してるか分かる自分が嫌いだ・・嫌いだ・・・」メソッ
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:23:50.71 ID:Pekhsey30
憂「はい、お話し終了っ! 分かったらお返事は?」
唯「むうううぅっ! 分かりましたぁ……」
澪「・・・・・・」
憂「それじゃあ失礼します。ほら、お姉ちゃん。ギー太が寂しい寂しいって言っておうちで待ってるから」
澪「・・・ぎーた? ぎーたー・・・まさかギター・・!?」
唯「あっ、うん、まぁ……ギー太っていうギターがあるんだけど、言い出すタイミングが」
澪「・・・それを先に言わないとだめじゃないかああああああァ!!!」
唯「わ! なんか人が変わった!?」
憂「は、早く行っちゃお!」
澪「持ってるなら持ってるって最初に言ってよ! ピック必要だよ!! ピック求めてるよね!?
なに勝手に決めつけていたんだ・・・ワタシ!! ちょっ、買って! ピック買って! 一つ騙されたと思って!!!」
憂「お姉ちゃん! 早くこっち!」
唯「ふええぇ、怖い、怖いぃっ!」
澪「あっ・・ちょっまっ・・・!!! あぁっ・・ピックを粗末にする者はピックに泣くんだぞおお!!」
唯「ふええぇん!」スタタタッ
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:27:20.26 ID:Pekhsey30
澪「・・くそっ!! くそッ!! あそこで気持ちを抑えていれば、今度買ってくれたかもしれないのに・・・」
澪「なにやってるんだ・・・馬鹿、馬鹿ぁ。・・このザマが、これまでの私の人生のツケ・・!!」
ゴォーン! ゴオーン! ゴオォーン!!
澪「うわ、もうこんな時間!? ・・・次が駄目だったら、もう今日は諦めるしか・・・」
澪「ようしっ!! これで終いだと思って、最後は気合入れていくぞ・・・うんっ!!!」
梓「……」テクテクテク
澪「・・・!!? って、あんなところにギターを背負ってる女の子がいるじゃないか・・」
澪「これはまさしく天戒!! 神様の思し召しだ!! 待ってろ、今行く・・!!」ダンッ
バッ! ザザザ...キキイィ!!
梓「わっ! なに!?」
澪「ピックゥ!! ピック買って下さああァい!!!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:30:24.65 ID:Pekhsey30
梓「ピックって……あのピックのことですか?」
澪「そうです! その背中のギターですよね・・お願いします!! いっぱいあるので、好きなの選んでいいので!!」
梓「は、はぁ……。まぁ見るだけでしたら構いませんが……」
澪「ありがとうございますぅ!!」パアァ
梓「凄い笑顔だ……。それで、ええと、どこですかピック?」
澪「よいしょっ・・・これですっ!!」ズーン
梓「多っ! あ、でも、これだけあれば掘り出しものも……」
澪「どれがいいですか? 色の多さなら、その辺の色エンピツより負けていませんよ!!」
梓「は、はぁ。色はあんまり気にしないので、素材ですかねぇ……」
ガサゴソ ガサゴソ
梓(安物が多いなぁ。中古も混じってるっぽい。もしかしてこの人……)
澪「ど、どうですか・・。なにか気に入ったものは・・!!」ワクワク
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:33:37.04 ID:Pekhsey30
梓「あのぉ、いつもこういう売り方してるんですか?」
澪「こういうっていうと・・・どういう?」
梓「ですから、全部出して好きなのどうぞーって。良さそうなの一つもないんですけど」
梓「……もしかして、出し惜しみとかしてません?」
澪「あ、いや、ええと・・・ついさっきまであったんですけど・・・」モジモジ
梓「さっきまで?」
澪「実は・・最後の隠しピックのピク美ちゃんを雪玉に入れて投擲しちゃって・・・」
梓(……どういう状況だったんだろう……)
梓「とにかくですけど、全然いいのないです。っていいますか、これほとんどベース向きじゃないですかっ!」
澪「えっ・・!? ピックに向き不向きとかあるんですか?」
梓「当たり前です! おにぎり形とかドロップ形とか、厚みもかなり重要ですが、なんといっても素材命ですね!
澪「つまり!! つまりこの子たちにも個性があるっていうんだな!!?」
梓「え? はぁ。そりゃあそうですけど」
澪「そうか! ピク助・・ピク次郎・・ピク恵にピク子!! みんな似てるようだけど実は違うんだな!!
私は嬉しいよ・・・社会の歯車にあてられるような、無個性ピックになんて育っていなくて・・・!!!」
梓「この人なんか気持ち悪い……」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:37:04.58 ID:Pekhsey30
梓「あの、よく分からない感動中のところもう一ついいですか?」
澪「はひ?」
梓「あのですね、毎回「好きなのどうぞ」じゃ良いものから買われていくに決まってるじゃないですか」
梓「そんなんだから安物中古しか残らなくて苦労するんですよ。例えば玉石混交でセット売りとかしないと」
澪「すいません・・。私、可哀想な子なので、その辺のことよく分からなくて・・・」
梓「……はぁ。そうですか……」
澪「あっ! でもでも! 可哀想さ具合だったら凄い自信ありますよ・・!!」
澪「実は、おばあちゃんの新しい旦那さんが、通帳と印鑑奪って行方をくらましちゃったりとか!!!
・・あとあと! 実はおばあちゃんの遺産をもらえる人が急に増えたりとか・・!! 他にも色々ピーチクパーチク!!」
梓(本当かなぁ……?)
梓「まぁ色々大変そうなのは分かりましたから……頑張って下さい。私もう」
澪「えっ!? 同情してくれないんですか・・? ピック買って、優越感満たしてみようとか思っちゃったりいかがですか・・!?」
梓「…………」ゾゾゾ
梓「やっぱりこの人気持ち悪いーっ!」ダーッ
澪「・・・あっ、あっ・・」ポツーン
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:40:09.14 ID:Pekhsey30
シーン・・・・ ビュウウゥッ! ・・・シーン・・・
澪「・・・寒い。・・・眠い。でも、お腹へった・・・もう駄目だぁ・・・」
澪「あぁ・・今頃ほとんどの人たちは暖炉の効いた、屋根のある、ふかふかのベッドで・・・」
澪「もう真夜中・・・人がいなかったら、売るもの売れないじゃないかぁ・・・」
ワァーユキヨー! サイトウミテー スゴイマッシロー♪
澪「ん? あれは・・・?」
紬「やっぱり雪は見るものじゃなくて触るものねっ。そー……つ、冷たいいっ!」
斉藤「お嬢様。そうあまりはしゃがれませんよう」
紬「まぁ斉藤。お屋敷に閉じこもってばかりでは運動不足になってしまうわ」
紬「こういう時くらいは……そぉれっ! うふふ、斉藤のお髭が真っ白しろ♪」
澪「・・ふんっ!! 箱入り娘のお嬢様かっ! ちくしょう・・自慢しにきたのか! ちくしょう・・」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:43:10.55 ID:Pekhsey30
紬「あら……。ねぇ斉藤、あの子、あんなところでなにやってるのかしら?」
斉藤「ハッ。あの様な輩は闇に紛れ、下賤な商いを主としているのです。決して近づかれませんよう」
紬「でも、見たところ、私と年格好ほとんど同じくらいの女の子よ。まさかそんな……」
斉藤「左様。ああいった娘たちは末端として利用されているのです。ですが小さくとも悪なのです」
紬「そう……。話しかけてみたかったのだけど、残念ね」
斉藤「さあさあ。明日も早朝からピアノの先生がいらっしゃいます。そろそろ帰りましょう」
澪「・・・はぁ。私も生まれ変わったら、お嬢様になりたいなぁ・・」
澪「そしたら・・毎日使い捨てに鼈甲ピックを使って、ピックを敷き詰めたピック風呂に浸かって・・・どゥへへw」
ドビュウウウウフォオオオオオッ!!
澪「ざぶぅッ!! へっ・・へっ、へっぐじぃ!! ううぅ寒い、下手なこと考え込んでると凍え死んじゃう・・」
澪「・・・そうかっ! ピック! 寒いなら、こいつを使ってずっと動いていればいいじゃないか!!」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:46:18.11 ID:Pekhsey30
澪「ベー助!! 出番だぞっ!!」
ベベンベンベン「ハッ!」 ベンンベンベンベ「ヤッ!」
澪「こうやって体を動かし続ければ・・・続ければッ・・・」
澪「あぁ、そういえば今日売り損ねた子たち・・・みんな楽器が使えるっぽかったな・・・」
澪「はじめにドラムの恫喝デコで、次にギターの見せかけ偽善者で、次もギターで毒舌ちびすけ、
それからピアノ・・・キーボードもできるかな、あのファッキンお嬢様・・・」
澪「なんだ、完璧じゃないか・・!! これで一つのバンドが組めるぞっ!!」
澪「ああっ、もし違う世界で出会っていれば・・きっとあのメンバーで演奏を・・・」
モヤモヤ モヤモヤァ....
澪「・・んっ。なんだ!? 目の前に眩しい霧が立ち込めてきたぞ・・・」
そのとき彼女は見たのである。自分を見捨てた少女たちが、楽器を持って微笑んでいる姿を
澪「まぼ・・ろし・・?? いや、違う、本物!! 本物だっ!!!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:49:21.49 ID:Pekhsey30
澪「なんだ! さっきからそこにいるなら、いるって言ってくれればいいじゃないか!!」
律『・・・・・・』
澪「ちょっ、どうして黙ってるんだよ。さっきまでの威勢の良さはどうした・・!?」
唯『・・・・・・』
澪「ほおら、唯なんて呆れて声もでないじゃないか。全く、律らしくないぞっ!!」
梓『・・・・・・』
澪「あっ、梓ごめんな。真面目に練習しなきゃな。ようし、それじゃそろそろ・・・」
紬『・・・・・・』
澪「ああ、ムギ、分かってるよ。照れくさいけど、いつもフォローありがとうな・・・///」
澪「よおし!! 武道館に向けて、私たちの青春をはじめるぞ・・っ!!」
澪「・・・じゃあまず、第一曲目ッ!!!」
...........
澪「ねーし!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:52:46.91 ID:Pekhsey30
そして一夜が明けた。道端にあの少女が、ぴくりとも動かずに横たわっていた
律「えーっと、確かこの辺りだったはずなんだけど……」
律「おー、いたいた! ……って、おい、大丈夫か? おい、昨日のピック売り!」
律「こんなに、こんなに冷たくなって、まさか……」ガシッ
律「し、死んでる……!」
唯「えーとー、どこだっけかなぁ。この辺のはずなんだけどー」
唯「あっ、見つけたぁっ!」
律「ん? えっ? ちょっ、誰だお前」
唯「ほぇ、私? 私はね、昨日ピックを売ってもらおうとしたんだけど、色々あって買えなくて。
でね、今朝ギー太の練習してたらピックが割れちゃって、やっぱり売ってもらおうと思って来たんだ~」
唯「……なんだけど、ピック売りの子どうしたの? 寝ちゃってるの?」
律「ああ、寝ちゃってるんだ。永遠の眠りの中に……」
唯「!? そっ、そんな……」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:56:15.31 ID:Pekhsey30
律「実は私も昨日、ピックを買ってくれと言われたんだが、色々あって金を払わずに持って帰ってしまって。
後から、やっぱり返したほうがいいって思って、来てみたんだけど……」
唯「そうだったんだ……」
梓「えーと、この角を曲がったところに」テクテク
梓「こんにちわー。昨日のピック売りさーん。……って、あの、あなたたちは?」
律「あ、もしかしてお前もそのクチか。でも、残念だけど、こいつはもう……」
梓「えっ……ちょっ、ピック売りさん!? まさか!」ユサユサ
律「駄目だ。死んでる」
梓「う、嘘……。ちょうどパパから、ピックをが大量に欲しいって聞かされたところだったのに……」ウルウル
唯「泣きたいなら、泣いていいんだよ」ギュッ
梓「うっ、もっと、もっと早く来れていたら……」ポロポロ
律「私だって、そう思ってるさ……クソッ!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:59:15.86 ID:Pekhsey30
紬「しゃらんらしゃらんら~、お屋敷抜けだしてきちゃったぁ♪」
紬「これならうるさい斉藤にとやかく言われずに済むわぁ」
紬「こんにちわ~。街角のピック売りさんっ。……って、あら、皆さんは?」
律「おっ、また仲間が増えたみたいだな」
紬「昨日はお話できなかったから、改めて来てみたんだけど。どうして皆さんしんみりしているの?」
紬「あっ、なんて白い顔になって、まさか……!?」
唯「うん。残念だけど、そうみたい」
紬「そう……。そうだったの……」
澪「・・・・・・」チーン
一同「…………」シーン
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 16:02:31.29 ID:Pekhsey30
唯「そういえばこの子、ベース持ってるみたいだけど」
律「ベースか……。一回くらい、こいつとリズムビート刻んでみたかったな。相棒のドラマーとして」
唯「あなたドラムできるんだ!? そしたら、私がリードギター弾きたかったな」
梓「私だって! リズムギターなら任せてください!」
紬「あら。そうしたら私はキーボードで参加しちゃおうかしら」
律「なんだ、みんなほどよくパートが分かれてるじゃないか! こいつがまだ生きてたら、みんなで一緒に演奏できたのにな……」
唯「そうだね。もし生きてたら」
梓「うぅ……それ以上言わないで下さい。また涙が」ウルウル
紬「まぁ。なきむしさんなのね」
梓「そっ、そんなことないですぅ!」カアァ
『 ピックゥ!! ピック買って下さああァい!!! 』
一同「えっ!?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 16:05:34.71 ID:Pekhsey30
純「ピックゥ! ピックはいりませんか!! ピック買って下さああァい!!!」
律「き、君は……君もピック売りの少女か!」
純「あっ、そ、そうです! ピック売ってます! 一つでいいので買っていただけませんか・・!?
好きなの選んでもらって構わないので!! うちの死にかけのおばあちゃんのために・・・!!!」
唯「はいはい! 買います、一つ買います!」
梓「私は二十個くらい!」
純「わあぁ・・!! あっ、ありがとうございますっ!!」パアァ
紬「ねぇ、ピック売りさん。もしかして……あなたもベースが弾けたりするのかしら?」
純「ベース・・当たり前ですよ!! ベースが弾けなきゃピック売りは務まりません!!」
律「よしきた! お前を今日から私たちのバンドに招待する!」
唯「あっ、いいねぇ! でも、まだお互いのことよく知らないし、とりあえずお茶にしようよぉ」
紬「まぁそれは素敵ね♪ 紅茶とお菓子ならたくさん用意できるわぁ」
純「皆さん・・どうして見ず知らずの私にそこまで・・・」
梓「理由なんてなんだっていいんだよ! さぁ、行こっ!」
澪「・・・・・・」ヒュオオオォ
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 16:08:39.25 ID:Pekhsey30 [25/25]
こうして一人のピック売りの少女は天へと召されていった....
しかし忘れないで欲しい。彼女の犠牲が別の誰かを助けたことを....
おわりである
澪「でも・・負けちゃだめだ! なんとしてもピックを売らなくちゃ・・!!」
澪「ピックはいりませんかああァ!! ピックゥ・・あ、そこのお兄さんっ」
リーマン「ん? はぁ、なにか?」
澪「ピックいりませんでしょうか!!」
リーマン「え? ピックって、あの弦楽器なんかに使う?」
澪「正確には撥弦楽器です! 楽器が音を生む母としたら、ピックは父みたいな存在です!!」
リーマン「あ、あー、そうなんだ。でも残念だけどうちにはそういうの置いてないし」
澪「ない、だと・・・。まさか、嘘でしょ・・信じられない・・・」
リーマン「と、いうわけなんで」
澪「ででででででも!! だったら是非この機会にピックから交流を深めてみても」
リーマン「あーもう。しつこい勧誘は嫌いなんだよねぇ。他所いってくんない?」プイッ スタスタ
ヒュウウウウウウ~....
澪「・・・・・・ちくしょう」
澪「何が悪いっていうんだ・・・ちくしょう・・ピックに少しも罪なんてないのに・・・」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 14:58:03.99 ID:Pekhsey30
カップル「イチャイチャ キャイキャイ アンアン」
澪「くそ・・年の瀬だからって浮かれやがって・・・。ちくしょう・・ちくしょう・・!!」
澪「ようし。ここは雪玉を作って・・中心にピックを入れて・・・ふふwジュネーブざまぁww」
澪「これでも食らええェ!! しあわせものに・・・天誅うううゥをおおおおォ!!!」
ブオオオォンッ!! シュルッ!! ヒュウウウウゥゥゥゥ....
律「ドベアジェット!!!!」
澪「わ・・・し、しまった、コントロールが・・・」
律「おいコラァ! そこの薄汚い女、なにしてくれるぅ!」
澪「わわわわ・・きっと、ピックを粗末にしたからピックの神様が罰を与えたんだ・・・そうだ、そうに違いない・・・」ガクガク
律「おいそこの、聞いてるのか? 今結構怒ってるんだぞ!」
澪「あああ・・・ピックさん、いえピック様ごめんなさい。次は絶対に外したりはしません・・・!!!」
律「ってそっちじゃねえだろ!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:01:18.37 ID:Pekhsey30
澪「ええと・・それで、一人だけの方、お怪我はありませんか??」
律「いちいちムカつく言い方をする奴だな……」
律「で、なにいきなり見ず知らずの人に雪玉とか投げつけてるわけ?」
澪「それは・・・まぁちょっとした鬱憤を晴らしたくなって、つい・・・」
澪「あっ、でも! あの雪玉に当たったということは、あなたがピックに対して酷いことをした報復だったという」
律「あるわけねぇだろオンドルァ!」
澪「ひいっ!」
律「私はドラマーなんだ。だから使うのはドラムスティックだ。ピックは専門じゃない」
澪「ドラマーだって・・!?」
律「そうだ。だからあんたの言ってるピックの報復とかいうのは……」
澪「きっとドラムが走りすぎているからだ!! だから、特にベースのピック経連からマークされていて」
律「しつこいわこのボケナスビ!」クワッ
澪「きゃぅんっ!!」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:04:38.76 ID:Pekhsey30
律「そんで、こんなくそ寒い路上でどうしてピックなんか?」
澪「それは、財産がこれしかないので・・・たくさん買って、全部売りさばけば大儲けだって・・・」
律「なるほど可哀想な子だったのか……」
澪「はい! 可哀想な子です! だから」
律「って堂々と言われるとそういう気もなくなるわ!」
澪「そ、そんなぁ・・・」シュン
澪「・・・あの、実はおばあちゃんが病気で寝込んでいて、その・・・お薬を買ってあげないと」
律「えっ? そんな事情が……?」
澪「はい。もうピックりとも動けなくて、いつピックり逝ってしまうか分からない状態で。ピックニックにも行けなくて」
律「途端に胡散臭くなったな、オイ」
澪「だからお願いします! ピックを、一つでもいいからピックを!!」
律「……分かった。じゃあその嘘っぽい事情に免じて雪玉を当てたことは許してやる。だがピックは買わん」
澪「うう・・そんなぁ・・・ぐずっ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:07:54.22 ID:Pekhsey30
律「はいはいもう行くから。弟と映画見る約束なんだ。はぁ、全くどうしていつも弟となんかと……」
澪「お互い寂しい身ですね・・・」
律「うるへぇ! なんかお前に言われると腹立つ! んじゃもう」
澪「・・・あっ、あっ、あああっー!!!」
律「おま、いい加減に……」
澪「違う! ちが違うんです! 悪気はないんです、ただ・・・」
律「ただ……?」
澪「そのおでこに刺さったピックを、返してもらえないかなぁって・・・」
律「お、で、こ?」スリスリス..コツッ
律「…………あ、本当だ。きれーに刺さっとる」
澪「ピク美ちゃんが、私以外の人間に初めて好意を抱くなんて・・!!」
律「名前つけとるんか! まぁともかく、抜いてしまえば……。む、むむ……あれ?」
律「ぬ、抜けない!?」
澪「・・・・・・ふふw」キラーン
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:11:17.59 ID:Pekhsey30
律「ふんぬーっ! ふんぬーっ!」
澪「あのぉ、あもし抜けないのでしたらぁ、買い取っていただかないとぉ・・・」ワクワク
律「ぬわーっ! 駄目だこりゃ。完全に根元までグサリといってやがる……」
律「……って、ハッ! もしかしてお前、これが目的ではじめから」
澪「えっ、ちっ、違います違います! あなたに当たってしまったのは本当にただの偶然で・・・」
律「つまり相手は誰でもよかったってことか!」
澪「あああああ違うんです!! 私可哀想な子だから頭のほうもちょっと」
律「黙れこのピック詐欺師! お前には一銭も払わないからな!」
律「くそっ! もうこれ以上構っていられるか」ダッ
澪「ああっ・・ピック! 私のピック! しかもそれ一つしかない鼈甲のやつ! ピク美ちゃぁん!!
摩擦音を最小に抑え、しかも決め細やかさを残しつつダイナミックにアタックできる、一番高いのおおおォ!!!」
律「んなもん知るか!」ダダダッ
ヒュルルルルルルウウゥゥ~....
澪「・・・・・・」ポツーン
澪「・・・死にたい」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:14:31.11 ID:Pekhsey30
ビュウウウウウゥゥゥ~
澪「うう・・大量の山盛りピック・・・。この中で一番鋭いピックなら、手首切って死ねるのかなぁ」
あのー
澪「へへっ。やっぱり駄目だ。こんな可愛い子たちを、私みたいな汚れた血で染めるなんて・・・」
ぐあい悪いんですかー
澪「こうなったら、例えいたいけな子を騙しても・・・。ふふっ。私が、絶対ににお前たちの買い主を見つけてやるからな」
笑いながら泣けるってきようですねー
澪「それにしてもさっきからよく分からない幻聴みたいなものが・・・」
唯「もおおおおっ! おきゃくさーん! しゅーてんですよー!」
澪「わあぁ降ります降ります! ・・・って、あれっ? ここ駅じゃない!! ていうか誰っ!?」
唯「誰、って言われても……。たまたま通りかかっただけなんだけど」
澪「あ、そうなんだ。ふぅん・・・。ね、ねぇ、きみ! いや、あなた!!」
唯「うん? なあに?」
澪「ピッ・・・ぐっ、駄目だ! この子、なんて純粋な目をしてやがる! 私は・・こんな子をカモになんて・・!!」
唯「……ほえ?」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:17:46.64 ID:Pekhsey30
唯「んー。なんかよく分からないけど、困ってるなら、私でよければ相談にのるよっ」ニパッ
澪「そうだん・・? こ、こんな薄汚れた私の話を聞いてくれるのか!?」
唯「……汚れてる? そんなのあんまり関係ないよ。私は可愛いものが好きで、見つけるのが得意なんだ~」
澪「そんな、可愛いだなんて・・。確かに顔出ちには凄く恵まれたほうだって薄々感づいてたけど・・・」
唯「あ、うん……。でっ! こんなところでなにやってたの?」
澪「・・・あのな、ピックを売ってるんだ。でも全然誰も買ってくれなくて」
唯「ぴっく? ふぅん。道端で売ってる人はじめて見たかも」
澪「所詮底辺の仕事だったんだ・・。これでビッグになれるって、信じ込まされて・・!!」
澪「・・・あと、実はおばあちゃんが悪い人に騙されてて、このままじゃ利子が膨らむ一方で・・!!」
唯「……そうなんだ。大変なんだね。むう、でも困ったな……今ちょうどお財布が」
澪「いや・・いいんだ。ピックをピックとして使ってくれない人じゃないと、ピックとして生まれたピックが可哀想だから・・」
唯「だったら! 私なんてぴったr……」
オネエチャーン ドコー? オネイチャアアアアン!!
唯「あっ、憂!」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:20:49.16 ID:Pekhsey30
憂「あっ、お姉ちゃん! も~、随分探したんだからぁ」
唯「でひひ、めんごめんご」
憂「ほらもう帰らないと時間が……って、え……。そちらの方は?」ジトー
澪「あ、ここっこ、こんばんわ・・・。はは・・」
唯「可愛い子でしょ! ねぇ憂、私のお財布持ってるでしょ? 早く出しt」
憂「ちょっ、お姉ちゃん! ちょっとこっちきて!」グイッ
唯「えっ、なっ、どどうしたの?」ズルズル
澪「・・・・・・」
憂「お姉ちゃん、最近お小遣いすぐ使っちゃうみたいだけど、いっつもああいう人に使ってるの?」ヒソヒソ
唯「そうでもないけど……。ああいう人ってどういうこと?」
憂「それは、言い方悪いけど乞食とかそういう人。いい、お姉ちゃん。ああいう人にお金あげちゃだめなの」ヒソヒソ
唯「えー。どうして?」
憂「甘やかすからちゃんとした仕事に就こうとしないんだよ。それに、臭いし汚いから、ね!」ヒソヒソ
澪「・・・なに話してるか分かる自分が嫌いだ・・嫌いだ・・・」メソッ
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:23:50.71 ID:Pekhsey30
憂「はい、お話し終了っ! 分かったらお返事は?」
唯「むうううぅっ! 分かりましたぁ……」
澪「・・・・・・」
憂「それじゃあ失礼します。ほら、お姉ちゃん。ギー太が寂しい寂しいって言っておうちで待ってるから」
澪「・・・ぎーた? ぎーたー・・・まさかギター・・!?」
唯「あっ、うん、まぁ……ギー太っていうギターがあるんだけど、言い出すタイミングが」
澪「・・・それを先に言わないとだめじゃないかああああああァ!!!」
唯「わ! なんか人が変わった!?」
憂「は、早く行っちゃお!」
澪「持ってるなら持ってるって最初に言ってよ! ピック必要だよ!! ピック求めてるよね!?
なに勝手に決めつけていたんだ・・・ワタシ!! ちょっ、買って! ピック買って! 一つ騙されたと思って!!!」
憂「お姉ちゃん! 早くこっち!」
唯「ふええぇ、怖い、怖いぃっ!」
澪「あっ・・ちょっまっ・・・!!! あぁっ・・ピックを粗末にする者はピックに泣くんだぞおお!!」
唯「ふええぇん!」スタタタッ
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:27:20.26 ID:Pekhsey30
澪「・・くそっ!! くそッ!! あそこで気持ちを抑えていれば、今度買ってくれたかもしれないのに・・・」
澪「なにやってるんだ・・・馬鹿、馬鹿ぁ。・・このザマが、これまでの私の人生のツケ・・!!」
ゴォーン! ゴオーン! ゴオォーン!!
澪「うわ、もうこんな時間!? ・・・次が駄目だったら、もう今日は諦めるしか・・・」
澪「ようしっ!! これで終いだと思って、最後は気合入れていくぞ・・・うんっ!!!」
梓「……」テクテクテク
澪「・・・!!? って、あんなところにギターを背負ってる女の子がいるじゃないか・・」
澪「これはまさしく天戒!! 神様の思し召しだ!! 待ってろ、今行く・・!!」ダンッ
バッ! ザザザ...キキイィ!!
梓「わっ! なに!?」
澪「ピックゥ!! ピック買って下さああァい!!!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:30:24.65 ID:Pekhsey30
梓「ピックって……あのピックのことですか?」
澪「そうです! その背中のギターですよね・・お願いします!! いっぱいあるので、好きなの選んでいいので!!」
梓「は、はぁ……。まぁ見るだけでしたら構いませんが……」
澪「ありがとうございますぅ!!」パアァ
梓「凄い笑顔だ……。それで、ええと、どこですかピック?」
澪「よいしょっ・・・これですっ!!」ズーン
梓「多っ! あ、でも、これだけあれば掘り出しものも……」
澪「どれがいいですか? 色の多さなら、その辺の色エンピツより負けていませんよ!!」
梓「は、はぁ。色はあんまり気にしないので、素材ですかねぇ……」
ガサゴソ ガサゴソ
梓(安物が多いなぁ。中古も混じってるっぽい。もしかしてこの人……)
澪「ど、どうですか・・。なにか気に入ったものは・・!!」ワクワク
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:33:37.04 ID:Pekhsey30
梓「あのぉ、いつもこういう売り方してるんですか?」
澪「こういうっていうと・・・どういう?」
梓「ですから、全部出して好きなのどうぞーって。良さそうなの一つもないんですけど」
梓「……もしかして、出し惜しみとかしてません?」
澪「あ、いや、ええと・・・ついさっきまであったんですけど・・・」モジモジ
梓「さっきまで?」
澪「実は・・最後の隠しピックのピク美ちゃんを雪玉に入れて投擲しちゃって・・・」
梓(……どういう状況だったんだろう……)
梓「とにかくですけど、全然いいのないです。っていいますか、これほとんどベース向きじゃないですかっ!」
澪「えっ・・!? ピックに向き不向きとかあるんですか?」
梓「当たり前です! おにぎり形とかドロップ形とか、厚みもかなり重要ですが、なんといっても素材命ですね!
澪「つまり!! つまりこの子たちにも個性があるっていうんだな!!?」
梓「え? はぁ。そりゃあそうですけど」
澪「そうか! ピク助・・ピク次郎・・ピク恵にピク子!! みんな似てるようだけど実は違うんだな!!
私は嬉しいよ・・・社会の歯車にあてられるような、無個性ピックになんて育っていなくて・・・!!!」
梓「この人なんか気持ち悪い……」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:37:04.58 ID:Pekhsey30
梓「あの、よく分からない感動中のところもう一ついいですか?」
澪「はひ?」
梓「あのですね、毎回「好きなのどうぞ」じゃ良いものから買われていくに決まってるじゃないですか」
梓「そんなんだから安物中古しか残らなくて苦労するんですよ。例えば玉石混交でセット売りとかしないと」
澪「すいません・・。私、可哀想な子なので、その辺のことよく分からなくて・・・」
梓「……はぁ。そうですか……」
澪「あっ! でもでも! 可哀想さ具合だったら凄い自信ありますよ・・!!」
澪「実は、おばあちゃんの新しい旦那さんが、通帳と印鑑奪って行方をくらましちゃったりとか!!!
・・あとあと! 実はおばあちゃんの遺産をもらえる人が急に増えたりとか・・!! 他にも色々ピーチクパーチク!!」
梓(本当かなぁ……?)
梓「まぁ色々大変そうなのは分かりましたから……頑張って下さい。私もう」
澪「えっ!? 同情してくれないんですか・・? ピック買って、優越感満たしてみようとか思っちゃったりいかがですか・・!?」
梓「…………」ゾゾゾ
梓「やっぱりこの人気持ち悪いーっ!」ダーッ
澪「・・・あっ、あっ・・」ポツーン
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:40:09.14 ID:Pekhsey30
シーン・・・・ ビュウウゥッ! ・・・シーン・・・
澪「・・・寒い。・・・眠い。でも、お腹へった・・・もう駄目だぁ・・・」
澪「あぁ・・今頃ほとんどの人たちは暖炉の効いた、屋根のある、ふかふかのベッドで・・・」
澪「もう真夜中・・・人がいなかったら、売るもの売れないじゃないかぁ・・・」
ワァーユキヨー! サイトウミテー スゴイマッシロー♪
澪「ん? あれは・・・?」
紬「やっぱり雪は見るものじゃなくて触るものねっ。そー……つ、冷たいいっ!」
斉藤「お嬢様。そうあまりはしゃがれませんよう」
紬「まぁ斉藤。お屋敷に閉じこもってばかりでは運動不足になってしまうわ」
紬「こういう時くらいは……そぉれっ! うふふ、斉藤のお髭が真っ白しろ♪」
澪「・・ふんっ!! 箱入り娘のお嬢様かっ! ちくしょう・・自慢しにきたのか! ちくしょう・・」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:43:10.55 ID:Pekhsey30
紬「あら……。ねぇ斉藤、あの子、あんなところでなにやってるのかしら?」
斉藤「ハッ。あの様な輩は闇に紛れ、下賤な商いを主としているのです。決して近づかれませんよう」
紬「でも、見たところ、私と年格好ほとんど同じくらいの女の子よ。まさかそんな……」
斉藤「左様。ああいった娘たちは末端として利用されているのです。ですが小さくとも悪なのです」
紬「そう……。話しかけてみたかったのだけど、残念ね」
斉藤「さあさあ。明日も早朝からピアノの先生がいらっしゃいます。そろそろ帰りましょう」
澪「・・・はぁ。私も生まれ変わったら、お嬢様になりたいなぁ・・」
澪「そしたら・・毎日使い捨てに鼈甲ピックを使って、ピックを敷き詰めたピック風呂に浸かって・・・どゥへへw」
ドビュウウウウフォオオオオオッ!!
澪「ざぶぅッ!! へっ・・へっ、へっぐじぃ!! ううぅ寒い、下手なこと考え込んでると凍え死んじゃう・・」
澪「・・・そうかっ! ピック! 寒いなら、こいつを使ってずっと動いていればいいじゃないか!!」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:46:18.11 ID:Pekhsey30
澪「ベー助!! 出番だぞっ!!」
ベベンベンベン「ハッ!」 ベンンベンベンベ「ヤッ!」
澪「こうやって体を動かし続ければ・・・続ければッ・・・」
澪「あぁ、そういえば今日売り損ねた子たち・・・みんな楽器が使えるっぽかったな・・・」
澪「はじめにドラムの恫喝デコで、次にギターの見せかけ偽善者で、次もギターで毒舌ちびすけ、
それからピアノ・・・キーボードもできるかな、あのファッキンお嬢様・・・」
澪「なんだ、完璧じゃないか・・!! これで一つのバンドが組めるぞっ!!」
澪「ああっ、もし違う世界で出会っていれば・・きっとあのメンバーで演奏を・・・」
モヤモヤ モヤモヤァ....
澪「・・んっ。なんだ!? 目の前に眩しい霧が立ち込めてきたぞ・・・」
そのとき彼女は見たのである。自分を見捨てた少女たちが、楽器を持って微笑んでいる姿を
澪「まぼ・・ろし・・?? いや、違う、本物!! 本物だっ!!!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:49:21.49 ID:Pekhsey30
澪「なんだ! さっきからそこにいるなら、いるって言ってくれればいいじゃないか!!」
律『・・・・・・』
澪「ちょっ、どうして黙ってるんだよ。さっきまでの威勢の良さはどうした・・!?」
唯『・・・・・・』
澪「ほおら、唯なんて呆れて声もでないじゃないか。全く、律らしくないぞっ!!」
梓『・・・・・・』
澪「あっ、梓ごめんな。真面目に練習しなきゃな。ようし、それじゃそろそろ・・・」
紬『・・・・・・』
澪「ああ、ムギ、分かってるよ。照れくさいけど、いつもフォローありがとうな・・・///」
澪「よおし!! 武道館に向けて、私たちの青春をはじめるぞ・・っ!!」
澪「・・・じゃあまず、第一曲目ッ!!!」
...........
澪「ねーし!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:52:46.91 ID:Pekhsey30
そして一夜が明けた。道端にあの少女が、ぴくりとも動かずに横たわっていた
律「えーっと、確かこの辺りだったはずなんだけど……」
律「おー、いたいた! ……って、おい、大丈夫か? おい、昨日のピック売り!」
律「こんなに、こんなに冷たくなって、まさか……」ガシッ
律「し、死んでる……!」
唯「えーとー、どこだっけかなぁ。この辺のはずなんだけどー」
唯「あっ、見つけたぁっ!」
律「ん? えっ? ちょっ、誰だお前」
唯「ほぇ、私? 私はね、昨日ピックを売ってもらおうとしたんだけど、色々あって買えなくて。
でね、今朝ギー太の練習してたらピックが割れちゃって、やっぱり売ってもらおうと思って来たんだ~」
唯「……なんだけど、ピック売りの子どうしたの? 寝ちゃってるの?」
律「ああ、寝ちゃってるんだ。永遠の眠りの中に……」
唯「!? そっ、そんな……」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:56:15.31 ID:Pekhsey30
律「実は私も昨日、ピックを買ってくれと言われたんだが、色々あって金を払わずに持って帰ってしまって。
後から、やっぱり返したほうがいいって思って、来てみたんだけど……」
唯「そうだったんだ……」
梓「えーと、この角を曲がったところに」テクテク
梓「こんにちわー。昨日のピック売りさーん。……って、あの、あなたたちは?」
律「あ、もしかしてお前もそのクチか。でも、残念だけど、こいつはもう……」
梓「えっ……ちょっ、ピック売りさん!? まさか!」ユサユサ
律「駄目だ。死んでる」
梓「う、嘘……。ちょうどパパから、ピックをが大量に欲しいって聞かされたところだったのに……」ウルウル
唯「泣きたいなら、泣いていいんだよ」ギュッ
梓「うっ、もっと、もっと早く来れていたら……」ポロポロ
律「私だって、そう思ってるさ……クソッ!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 15:59:15.86 ID:Pekhsey30
紬「しゃらんらしゃらんら~、お屋敷抜けだしてきちゃったぁ♪」
紬「これならうるさい斉藤にとやかく言われずに済むわぁ」
紬「こんにちわ~。街角のピック売りさんっ。……って、あら、皆さんは?」
律「おっ、また仲間が増えたみたいだな」
紬「昨日はお話できなかったから、改めて来てみたんだけど。どうして皆さんしんみりしているの?」
紬「あっ、なんて白い顔になって、まさか……!?」
唯「うん。残念だけど、そうみたい」
紬「そう……。そうだったの……」
澪「・・・・・・」チーン
一同「…………」シーン
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 16:02:31.29 ID:Pekhsey30
唯「そういえばこの子、ベース持ってるみたいだけど」
律「ベースか……。一回くらい、こいつとリズムビート刻んでみたかったな。相棒のドラマーとして」
唯「あなたドラムできるんだ!? そしたら、私がリードギター弾きたかったな」
梓「私だって! リズムギターなら任せてください!」
紬「あら。そうしたら私はキーボードで参加しちゃおうかしら」
律「なんだ、みんなほどよくパートが分かれてるじゃないか! こいつがまだ生きてたら、みんなで一緒に演奏できたのにな……」
唯「そうだね。もし生きてたら」
梓「うぅ……それ以上言わないで下さい。また涙が」ウルウル
紬「まぁ。なきむしさんなのね」
梓「そっ、そんなことないですぅ!」カアァ
『 ピックゥ!! ピック買って下さああァい!!! 』
一同「えっ!?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 16:05:34.71 ID:Pekhsey30
純「ピックゥ! ピックはいりませんか!! ピック買って下さああァい!!!」
律「き、君は……君もピック売りの少女か!」
純「あっ、そ、そうです! ピック売ってます! 一つでいいので買っていただけませんか・・!?
好きなの選んでもらって構わないので!! うちの死にかけのおばあちゃんのために・・・!!!」
唯「はいはい! 買います、一つ買います!」
梓「私は二十個くらい!」
純「わあぁ・・!! あっ、ありがとうございますっ!!」パアァ
紬「ねぇ、ピック売りさん。もしかして……あなたもベースが弾けたりするのかしら?」
純「ベース・・当たり前ですよ!! ベースが弾けなきゃピック売りは務まりません!!」
律「よしきた! お前を今日から私たちのバンドに招待する!」
唯「あっ、いいねぇ! でも、まだお互いのことよく知らないし、とりあえずお茶にしようよぉ」
紬「まぁそれは素敵ね♪ 紅茶とお菓子ならたくさん用意できるわぁ」
純「皆さん・・どうして見ず知らずの私にそこまで・・・」
梓「理由なんてなんだっていいんだよ! さぁ、行こっ!」
澪「・・・・・・」ヒュオオオォ
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 16:08:39.25 ID:Pekhsey30 [25/25]
こうして一人のピック売りの少女は天へと召されていった....
しかし忘れないで欲しい。彼女の犠牲が別の誰かを助けたことを....
おわりである
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