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上条「美琴は俺と結婚するべきだ」 美琴「プ、プヒィ………?」-2
続きです
それから初春たちが達するのに時間はかからなかった。
ベッドシーツは二人の液体や汗で汚れてしまったので
どうするべきか考えた末、適当に洗濯してベランダに干しておいた。
ついでに下着をいくつか盗んでおいた。
最後に愛しそうにキスをした後、二人は帰路についた。
上条は帰宅して夕飯を食べた後、禁書の筋トレに付き合っていた。
「ふむぅぅぅ」
「がんばれ!」
「むふぅぅぅ」
「…おい! もう少しだ!」
禁書は腹筋をしていた。
上条が足を押さえながら声援を送っているが、
ぷよぷよ禁書は上半身を持ち上げることすら満足にできないでいた。
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 16:43:10.38 ID:TckhLuOQ0 [32/63]
「あきらめんな! ダイエットしたいんだろ?
お腹をへこましたんだろ?」
「むぎゅううう」
「せめて十回は出来るようにになろうぜ。ご褒美に
キスしてやるからさ」
「今日の当麻はイカ臭いからやだ」
インデックスが蔑むような視線を送る。
「ああん!!」
上条は不覚にも興奮してしまった。
「とうまったらまた浮気したんだね」
「ま、まあな。否定はしないよ」
「そこは謝ってほしかったんだよ!! このイカ野郎!!」
「あっ…」
上条はズボンを脱ぎ始めた。
そのまま全裸になると見せかけて、ズボンのベルトだけ
外して禁書に襲い掛かった。
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 18:06:43.34 ID:TckhLuOQ0 [33/63]
「きゃああ」
「騒ぐんじゃねえ!!」
禁書の両手をベルトでしっかりと縛り、
気が済むまでお腹を触ることした。
「や、やだぁ…」
「いまさら恥ずかしがってんじゃねえよ」
「だって…そんなエッチな手つきで触られたら…あぁ」
「お尻も触ってやるからな。今夜は一晩中盛り上がろうぜ!!」
「いやああああああああああああ!!」
インデックスの絶叫が寮内に怪しく響き渡ったのだった。
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 18:12:14.13 ID:TckhLuOQ0 [34/63]
翌日の常磐台中にて。
御坂美琴は授業中だというのに発情期のメス犬のような顔をしていた。
(やったわ!! 黒子のおかげでようやく佐天さんを撃破できたのね。
あんな奴、画像データさえなければ普通の中学生だもん。
この前のお礼はたっぷりしてあげないとね…)
机の上でペンをとんとん立てながら佐天さんへの復讐計画を練っていた。
(私と当麻の仲を引き裂こうとした罪は重いわ。十時間くらい電撃を
浴びせてあげようかしら? それともレールがンで一撃で楽に?
迷うわねえ。とにかく当麻とも仲直りしなきゃね…)
「御坂さん。聞いてるんですか」
「は、はい!」
教師に注意されたので慌てて返事した。
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 18:15:53.53 ID:TckhLuOQ0 [35/63]
教師の目つきが鋭くなる。
「ずっと考え事してるようですけど、何か悩み事でもあるんですか?」
「い、いえ! 全然! むしろ順調すぎて怖いくらいです」
「それは楽しそうで結構ですねぇ…!!」
「え…?」
女教師は妙なオーラを発していた。
眼鏡をかけた国語教師だ。まだ大学を卒業したばかりで容姿はそこそこ。
手にしたチョークを砕いてしまい、突然教卓を強く叩き始めた。
ドン ドン ドン
奏でられる凄まじい音と迫力に生徒達は脅えた。
「あ~~~~!!」
それでも怒りが収まらないのか、女教師は教科書を破り捨ててしまった。
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 18:19:19.56 ID:TckhLuOQ0 [36/63]
「御坂さん! 話があるから来なさい! 他の人たちは自習してて!!」
強い口調で命令し、美琴を廊下に連れ出した。
わけのわからないまま美琴は視聴覚室まで連行された。
そこに用意してあったプロジェクターで、大画面にいくつかの写真を表示させた。
写真の中で美琴と上条が全裸で合体していた。
「は…?」
固まる美琴。
「くくく……うひひひひひひひひひ」
対照的に女教師は怪しく笑っている。
背中のファスナーを開けて正体を現したのだった。
「うふふふふふふ」
美琴を見下ろしているのは佐天涙子だった。
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 18:22:20.25 ID:TckhLuOQ0 [37/63]
佐天さんは先日の初春らの侵入を即座に確認し、
あらかじめ用意してあった予備の写真データを持ち出し、
この常磐台に潜入する計画を立てたのだ。
「御坂美琴さん。予備のデータはまだいくらでありますよ。
あなたは今日から私の奴隷になるんです」
「…」
「首を縦に振ってくれれば、他の生徒達にはばらさないでおきますよ。
拒否すればあなただけではなく、上条さんも社会的に死んでしまいますよ。
昨日の私の部屋の進入した件についても防犯カメラで撮影済みですからね」
「く…!」
美琴はあえなく陥落したのだった。
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:01:10.82 ID:TckhLuOQ0 [38/63]
その日の夕方。
学校帰りの上条は広場のベンチに座っている佐天さんを発見した。
優雅にコーヒーを飲んでいる彼女と思わず目が合ってしまった。
「げ…!」
二度と彼女に関わりたくなかったので逃げようとしたが…
「待ちなさいよ上条さん。今日は御坂さんのことで話があるんだけど?」
「…う」
佐天さんに睨まれたので足がすくんでしまった。
「相変わらず情けないわねえ。女子中学生に睨まれただけで脅えちゃってさ」
「……」
「私に会ったらまずは挨拶しなさいよ!! 本当にできそこないの
シマウマなんだから。罰として地面にキスなさい!! このバカ」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:08:16.68 ID:TckhLuOQ0 [39/63]
「ん…?」
上条は佐天さんの罵倒を音楽のように聞き流しながら、
彼女の座っているベンチがおかしいことに気がついた。
なんと、それはベンチではなく美琴だった。
「…」
四つんばいの美琴は無言でイス代わりになっていた。
そこに人としての尊厳はなく、家畜同然の扱いだった。
上条が震えながら指差して指摘する。
「ちょ……おい、まさか……そこにいるのは…」
「レールガンの御坂美琴さんですけど?
今日から私のオモチャになりましたぁ♪ いえーい♪」
歌うようにさらっと答えた佐天さん。
美しい花のような笑顔だった。
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:13:49.18 ID:TckhLuOQ0 [40/63]
「あー。喉が渇いたわ。シマ条さん。ジュース買ってきてよ」
美琴の上で組みながら小間使いに命令するような口調だ。
まるで女王様気取りの佐天さんだった。
「いいかげんに…しろぉ!!」
このタイミングで切れた上条。
「なんで何もかもおまえの都合のいいように物語が
進むんだよ!! いままで我慢してきたけどもう限界だぁ!!」
その怒鳴り声に通行人が集まってきた。
それらの取り巻きに臆することなく、上条は抵抗を続ける。
「佐天さん!! 頼む、目を覚ましてくれ!! 君は弱きもの(子供とか)
を助ける心優しい女の子だったはずだぁ!!
仲良しだった美琴をいじめて楽しむような悪党じゃなかっただろ!?」
「……」
佐天さんは目を閉じたまま腕を組んでいた。
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:20:13.80 ID:TckhLuOQ0 [41/63]
上条はさらに吼える。
「人を脅迫するなんて最低だ。こんなくだらないことして
青春を棒に振る気か?いつもの優しい佐天さんに戻ってくれよ」
「……」
「佐天さん?」
「あー…」
佐天さんがゆっくり立ち上がった。フラフラしながら上条に近寄ってくる。
「な、なんだよ…」
脅える上条。
「あのさ。上条さん」
「は、はい…」
上条は思わず敬語になってしまった。
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:26:00.34 ID:TckhLuOQ0 [42/63]
「お手」
「はい」
差し出された佐天さんの手に
当たり前のように従う上条。
結局説教は通じなかったのだ。
「上条さんさぁ。今誰に向かって説教したか分かってるの?」
「う…」
「ねえ?」
「す、すみません」
上条は胸倉を掴まれていた。
佐天さんは冷酷に命令を下す。
「いいから足を舐めなさい。犬のような体勢でね」
「は、はい…」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:32:08.26 ID:TckhLuOQ0 [43/63]
今回、佐天さんは靴を脱いでいたので
靴下の上からペロペロすることになった。
「ぺろぺろ~」
「擬音を口に出して言うんじゃないわよ、ド変態!!」
「ああ!」
上条はケツを蹴飛ばされてしまった。
「ったく、興が削がれるじゃない。
今度こそちゃんと舐めなさいよね」
「はいはい」
なんと、上条は美琴のパンツを舐め始めた。
「そっちじゃないわよバカ!」
「ああ!」
またしてもケツを蹴り飛ばされてしまった。
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:38:27.19 ID:TckhLuOQ0 [44/63]
そんなやり取りをしてる内に人だかりが出来ていた。
「ねえママ~。あのお姉さん達なにしてるの?」
「高度なSMプレイってところかしら。これだけ人が集まる前で
やるあたり、相当な猛者と考えられるわ」
手を繋いだ買い物帰りの親子が分析していた。
「あの男の子もやるわねぇ。あえてご主人様の命令に背くことで
さらなるお仕置きを望む。これはいわば心理戦なのよ」
「へぇ~。昨日の夜、ママとパパがやってたことと同じだね」
「ちょ…バ…」
余計なことを言った息子は母にボコられた。
「ちっ…人が集まってきたからやりづらいわね。
今日はこれで勘弁してあげるわ。
次会った時はもっと酷い目にあわせてあげるからね」
佐天さんは美琴のお尻をムチで叩きながら
馬乗りの体勢で去っていった。
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:46:01.74 ID:TckhLuOQ0 [45/63]
その日の上条は年老いたシマウマのような顔で帰宅した。
玄関を閉めた後、両手を広げて絶叫する。
「もう終わりだぁあああ!! 俺の美琴が佐天さんの奴隷になっちゃったぁ!!」
イライラしたので禁書目録で遊ぼうと思ったのだが…
「これは一体…?」
置いてあるのはクマのぬいぐるみだった。
不審に思って手に取ると、反対側に手紙が張ってあった。
『佐天涙子を拉致しました。できるだけ穏便に済ませたかったのですが、
お姉さまが奴隷化してしまっては仕方ありません。今日の夜八時、
○○公園に来てください。 今日で全て終わりにします。白井黒子より』
ちなみに、インデックスはどこにもいなかった。
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:50:19.19 ID:TckhLuOQ0 [46/63]
上条は約束の時間に公園に行ったが、何者かに背後から襲われて
クロロホルムを嗅がされた。状況を理解する余裕もなく大往生し、
そのまま何処かへ連行されてしまった。
数十分後。
「目が覚めましたか?」
「うう…ここは…?」
女の声で意識が覚醒したのだった。
「俺は一体どうなった? ここは公園じゃないのか?」
「ここは私の部屋ですよ」
「うううん…」
目をこすって目の前の女の顔を見る。
「な…!?」
「おはようございます、上条さん♪」
佐天涙子が微笑んでいた。
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 19:55:53.26 ID:TckhLuOQ0 [47/63]
「く…? これは…?」
上条は後ろ手に縛られており、仰向けの体勢。
その上に佐天さんが馬乗りになっている。
「うふふふふふふ。あの手紙は私が小間使いに命じて
上条さんの部屋に置いてきたものです」
「馬鹿な!!」
「ちなみにここは私の部屋です。この前はよくも初春との
愛の巣にしてくれましたね? 覚悟はできてますか?」
凄まじい顔で睨まれた。
「う、うわああ。誰か!! 誰か助けてくれ!!
美琴おおお!! 禁書!! 白井でもいいんだ!
誰か助けてくれよおおおおおおおおおおお!!」
上条はすでに抵抗を封じられていたが、
往生際悪く騒ぎまくることにした。
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 20:00:33.75 ID:TckhLuOQ0 [48/63]
「こら! 暴れるんじゃないわよ!! 諦めが悪いわねえ!!」
釣り上げた直後の魚のように暴れる上条の上で佐天さんが揺れる。
まるで乗馬マシーンに乗っているかのようだった。
「落ち着きなさいって言ってんでしょ!!」
情け容赦のない平手打ちが炸裂。
「……」
「……」
上条はすっかり大人しくなってしまった。
頬の痛みのせいで冷静さを取り戻したのだ。
「あんたは私の言うことだけ聞いてればいいのよ」
佐天さんの唇がゆっくりと近づいてきた。
薄く開いた彼女の口の間から甘い吐息が漏れる。
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 20:06:37.55 ID:TckhLuOQ0 [49/63]
「うふふふふ。大人しくしてればいい子じゃない」
「む…」
「そうよ。それでいいの。上条さんは初めから私のものだったのよ」
「うう…」
それはあまりにも一方的で暴力的な口付けだった。
上条から見ても佐天さんは美少女だったが、うれしさは
微塵もなかった。鬼畜を自称するシマウマ上条さんだが、
まさか女の子に逆レイプされる日が来るとは思っても見なかった。
「いい顔ですね? その絶望に満ちた顔。刺激的だわ」
「もう…やめるんだ。今ならまだ間に合う」
「いつまでそんな生意気なことが言えるかしらね?」
佐天さんは制服の上着を脱ぎ始めた。
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 20:11:15.49 ID:TckhLuOQ0 [50/63]
「何その顔? もしかして私の胸を見て興奮したの?」
露出した佐天さんの胸の大きさは美琴やインデックスよりも
はるかに大きかった。佐天さんが耳の周りの髪を掻き分けるだけで
大人の色気が漂って上条の理性を狂わせる。
シュポポ シュポポ シュポポ
ポッポー !!
なんと、上条の脳内でトーマスが発射しようとしていた。
なぜかトーマスはゼブラカラーでマーキングされた特殊使用だった。
快晴の元、ヨーロッパの鉄道を今日も元気に走ろうとしていたのだ。
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 20:20:27.98 ID:TckhLuOQ0 [51/63]
「ふふふ」
佐天さんは妖艶に笑いながらスカートを脱いでしまった。
上条の視線は大人っぽい黒の下着に吸い込まれる。
「ねえ。私の体、御坂さんたちより大人っぽいでしょ?」
至近距離でそう呟いた。
確かに、子供っぽい体系の禁書や美琴達とは比べ物にならなかった。
制服の上からでそれなりにいい体だとは思っていたが、実際に
脱いでみると体のラインがより明確に分かった。
ヒップのラインから腰の緩やかなくびれ、女性らしい太ももや、
長い髪の毛がかかる胸元の確かな膨らみ。
どれも上条が求めていたものだった。
「さっきから私の胸じっと見てるね。触らせてあげようか?」
耳元で佐天さんがそう言った。
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 20:29:32.86 ID:TckhLuOQ0 [52/63]
ポッポー!! ポッポー!! ポッポー!!
トーマスは追われていた。
背後には旧ドイツ軍の急降下爆撃機、シュトゥーカが猛追している。
爆撃機の正体は上条の良心だった。
今ここで佐天さんと繋がってしまえば、美琴を裏切ることになる。
実を言えば、上条は容姿だけなら佐天さんが一番好きだったのだが、
いつまでも自分に好意を向けている美琴のことが気になるようになったのだ。
今では美琴を幸せに出来るのは自分以外に
存在しないと自負するほどの間抜けぶりだった。
だからできるだけ佐天さんと関わらないようにしてたのだが、
こうして裸を見せられてしまってはもうすでに手遅れに近い。
佐天さんの存在は彼にとってのジョーカーなのだ。
上条の思いはこの暴走機関車のように前に突き進むしかないのだ。
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 21:21:42.37 ID:TckhLuOQ0 [53/63]
「そろそろ戻ってきなさいよ 上条さん。」
「は…!?」
佐天さんの声で現実世界に戻された上条。
「ここをこんなに立たせちゃってみっともないわねぇ」
佐天さんが上条のズボンのチャックを開ける。
「ちょ…」
「いいから黙ってなさい」
佐天さんが愛しそうに上条のいきり立ったモノを口に加えた。
歯を立てないように丁寧に舌を動かしていた。
「ん…ん…」
佐天さんは目をつむって作業に没頭していた。
端正な顔を赤く染めながら細い指でしっかりと上条の
モノを掴んでいた。
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 21:28:54.48 ID:TckhLuOQ0 [54/63]
「どう…? 気持ちい?」
口を離した佐天さんが上目遣いで上条を見つめた。
「うぐぐぐぐぐ…」
「我慢しなくていいのよ? 気持ちいって言ってよ」
上条がまだ理性と戦っているようなので、佐天さんが
豊満な胸でパイズリを始めた。
弾力のある艶やかな乳房に挟まれた瞬間、上条の
頭の中で強烈な電流が流れた気がした。
「ねえってばぁ。私にこんなことされてうれしくないの?」
魅力的な胸を上下に動かして甘い言葉を吐く。
(…!!)
上条はもう限界だった。
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 21:33:54.67 ID:TckhLuOQ0 [55/63]
トーマスの車線上にジオン軍のザクが出現した。
ズドドドドドドドドドドド
発射されたザクマシンガンがトーマス後方の
シュトゥーカを撃墜してしまった。
「にやり…」
ザクのパイロットはトーマスにブイサインして去っていった。
トーマスは彼に心からの賛辞を送るとともに、
超特急で走り始めたのだった。
シュシュ シュシュ シュシュポポ
ポッポー!! ポッポー!! ポッポー!!
もはや、暴走機関車を止めるものは存在しなかった。
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 21:41:39.75 ID:TckhLuOQ0 [56/63]
「んはぁ…はぁはぁ……」
「あぁ….佐天…さん……」
「うん……アンタのモノって意外と……大きいのね…」
現実世界では騎乗位で繋がっていた。
大胆に開かれた佐天さんの足の感触が艶かしい。
「ほらほら……すごくいいでしょ?
私とこんなことできて気持ちいでしょ?」
「ああ。佐天さんは最高だ…」
暴れ馬のように上下に動く佐天さん。
その度に長い黒髪と張りのある胸が揺れ続ける。
「はぁはぁ…じゃあ…言いなさいよ、私のことが一番好きだって……」
一筋の汗が佐天さんの首筋に流れた。
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 21:48:57.83 ID:TckhLuOQ0 [57/63]
佐天さんのそこの締め付けはきつすぎるほどで、
上条の理性をますます狂わせていった。
「はぁ…そ…それは……」
「いいから言いなさいよ。御坂さんよりも私の方が好きって」
「う…俺は…」
上条は火照った頭でいまだに悩んでいた。
「付き合ってくれたら、私の身体を好きにしていいんですよ? 上条さん」
「うう!!」
「早くぅ…もう私も…イきそうなの………早く決めてよ……」
佐天さんの吐息がさっきよりも荒くなっていく。
話しながらも腰の動きは止まらず、余裕のある顔で
上条を誘惑し続けていた。
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 21:54:09.15 ID:TckhLuOQ0 [58/63]
部屋中に二人の体臭が漂っていた。
激しい運動で佐天さんの体中が湿っていて色っぽかった。
やがて二人の会話は減っていき、
快楽に溺れた呼吸音だけが響き渡っていた。
「はぁはぁはぁ…」
「んあぁ…」
「う……はぁはぁ」
「はぁ…ああぁ…」
「……はぁはぁ。認めるよ…」
「それは……私のことが好きって認めるってこと?」
「…そう……だよ……おまえが好きだ…涙子…」
「うれしい……私の大好きです……」
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 22:01:20.28 ID:TckhLuOQ0 [59/63]
身も心も繋がれた二人はやがて快楽の頂点へ達したのだった。
事後。
二人はベッドの上で見つめ合っていた。
「なあ、涙子」
「なあに?」
「おまえは美琴を奴隷にしたけどさ、白井の奴が黙ってないんじゃないか?
知ってると思うけど、あいつは訓練された変態だぞ?」
「大丈夫です。白井ならずっとそこにいますから」
「なんだと…!?」
佐天さんの言葉に呼応するかのように
閉じられたクローゼットがガタガタ揺れ始めた。
まるで何者かが潜んでいるかのように内部から
こじ開けようとするような力が働いている。
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 22:07:27.97 ID:TckhLuOQ0 [60/63]
(まさか……あの中に白井がいるってのか!?
ってか今までずっと潜んでいたってことか?
俺と佐天さんが行為してる最中ずっと?)
上条が緊張のあまりシマウマの顔をしていると…
「上条さん。上です」
「馬鹿な!!」
なんと、天井に白井黒子が張り付いていた。
全身黒タイツでクモのよう手足を伸ばしている。
「侵入者がいないかあそこで見張ってもらったんです。
白井ならすでに私の手下になりましたから」
佐天さんがさわやかに説明する。
「まさか…俺に手紙をよこしたのは…!!」
「はい。白井に命じてやらせました」
「なに…!!」
上条は仰天した。
247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 22:13:24.15 ID:TckhLuOQ0 [61/63]
「待て待て。じゃあクローゼットの中には一体誰が!?」
焦った上条がクローゼットの扉を開ける。
「これは…!!」
入っていたのは爆弾だった。
「ああああああ!!」
シマウマは吹き飛んだ。
佐天さんが心配そうに手当てしてやった。
「大丈夫?」
「いてて…」
「焦って開けるからですよ。前回下着を盗まれたので
衣服には気を使ってるんです」
(気を使ってるってレベルじゃねえぞ!!)
上条はそう突っ込みたいのを堪えた。
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/18(月) 22:21:51.44 ID:TckhLuOQ0 [62/63]
「涙子さんよぉ。君の家は本当に刺激的だが…。
白井をどうやって手下にしたんだい…?」
上条が恐る恐る問いかけた。
「御坂さんを一日好きに出来る権利を与えたら
私の犬になってくれました。他にも御坂さんの
下着などをプレゼントしたら簡単になついてくれましたよ?」
「そ、そうなのか…。それとインデックスがいないんだが、
あいつの行方を知ってるかい?」
「クローゼットの中です」
「ああ!?」
インデックスは丸焦げになっていた。
296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:12:46.89 ID:QY+S2M4P0 [1/49]
上条は焦げた禁書を背負って帰ることにした。
そのとき意外に思ったのは、禁書の体重が心なしか
軽く感じられたことだ。ずっとクローゼットの中に
入れられていたのでゲッソリしてしまったのだろう。
「痛くないか?」
「ううん。大丈夫なんだよ」
お風呂に一緒に入って禁書の体中の汚れを落としてやった。
イカ墨のような汚れを石鹸で落としてから念入りにシャワーで
洗い流してやった。
「やっぱり少しやせたよなぁ」
「ふぁう!」
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:18:34.46 ID:QY+S2M4P0 [2/49]
上条のソフトタッチ。
お腹の肉を掴まれた禁書が可愛い悲鳴を漏らした。
「背中がスリムになってきたぞ」
「ほぉ!」
「なにエッチな声だしてんだよ…」
背中の上から下へと指でなぞったら禁書が一瞬だけ
飛び上がりそうになったのだ。
「おまえは今でも俺のことが好きなのか?」
「え? 唐突な質問だね…」
「いいから答えろよ。ここなら誰もいないからさ。
俺のこと、どう思ってるわけ? 佐天さんと付き合う
ようなってもまだ俺のこと好きでいてくれるのか?」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:22:13.44 ID:QY+S2M4P0 [3/49]
「私は…私は…」
「……」
禁書はうつむいて唇を噛んでいた。
よほど答えにくいのか、膝の上で手を握り締めて震えている。
「…」
「そんなに答えにくいのか? まさかおまえ…俺のことがもう…?」
「ち、違うんだよ!? ただとうまがいっつも他の
女にとられちゃうから寂しくて…!!」
禁書の声が浴室の中で哀しく響いた。
「禁書……おまえ……」
上条が禁書を後ろから抱きしめた。
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:28:14.62 ID:QY+S2M4P0 [4/49]
「とうま…」
禁書はお腹のあたりにある上条の手を強く握った。
彼の手から感じる暖かさが不安を打ち消してくれる気がして
泣きそうになっていた。
「本当は少しうれしかったんだよ?」
禁書がぽつりとつぶやいた。
「え?」
「とうまはたんぱつと結婚するつもりだったんでしょ?
そしたら私は出て行かなきゃならなかった。
だから、とうまがるいこと一緒になって少し安心してるの」
「…そんな約束してたっけ?」
「してたよ!! あの時本当にショックだったんだよ!?」
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:33:11.23 ID:QY+S2M4P0 [5/49]
禁書は上条の胸に頭を乗せた。
「とうまがるいこと付き合っても私は認めるよ…。
でも、私はとうまのそばにずっといたいの…」
「禁書…」
「とうま…」
「イカ娘のくせに生意気だぞ」
「…!?」
禁書は聞き間違えかと思って上条の顔を凝視した。
「と、とうま…!? 今なんて…!?」
「…」
303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:36:47.78 ID:QY+S2M4P0 [6/49]
上条は真顔だった。
「なあ。禁書目録よ」
「う、うん」
「今のは冗談だ」
「えっ」
「言ってみたかっただけだ。でゲソ」
「げ、ゲソ?」
禁書の頭上にクエスチョンマークが三個浮かんだ。
「そろそろあがろうか。もう夜遅いからな。
その話の続きはまた明日聞かせてもらうよ」
「ちょ…とうま!!」
上条はさっさと浴室から出て行ってしまった。
305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:43:59.76 ID:QY+S2M4P0 [7/49]
夜。
「う、動けないよぉ~」
風呂上りの禁書は縄で縛られていた。
ベッドの上で苦しそうにじたばたしている。
「すぴー」
上条は裸の禁書を抱き枕にしながら寝ていた。
ほどよく脂肪のついた柔らかい感触が最高だ。
「とうまったら…いっつも私をオモチャみたいに扱って…」
頬を膨らます禁書だが、まんざらでもなかった。
「でも私はとうまに必要とされているだけでうれしいんだよ。ふぁ~」
やがて禁書もすやすやと寝息を立て始めた。
恋人のようでもあり兄弟のようでもある妙な関係の二人だが、
これはこれでいいカップルなのかもしれない。
307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:49:37.48 ID:QY+S2M4P0 [8/49]
翌日の放課後である。
「美琴はどうしてるのかな」
上条が教室で呟く。
今日久しぶりに登校したので補修を受けていた。
ペンを持つ手は止まり、昨日の情事を思い出しては
恥ずかしくなって頭を振って邪な回想を振り払ったのだった。
「すでに佐天さんと交際することになったし、
今更どの面下げて美琴に会えばいいんだ…」
上条は表向きは佐天さんと付き合うことになったが、
まだ気持ちは美琴へ向いていた。
「しかし中々終らなえな…」
机の上にある膨大な問題集の数々。
数日間無断欠席したので仕方ない。
禁書が電話を破壊したので、結果的に小萌先生からの
連絡を全て無視したことになったのがまずかった。
308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 15:55:38.23 ID:QY+S2M4P0 [9/49]
「しゃあねえか」
悪態をつきながら一つ一つ問題を解いていく。
普段から授業を真面目に聞いていない身では
解ける問題は限られていたが、それでも一生懸命努力した。
「上条さんはどうするおつもりですの?」
「…!?」
ここは一人きりの夕暮れの教室だ。
なぞの問いかけは近くから聞こえてきたが、
あたりに人影はない。
「どこだ!? その声は白井なんだろ?」
「……」
苛立った上条が机を叩くが黒子は姿を現さなかった。
前回の教訓を生かして天井を見上げたが誰もいない。
教室は奇妙な静寂に包まれた。
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:01:38.02 ID:QY+S2M4P0 [10/49]
「…うふふふ。わたくしは上条さんがお姉さまのことを
どう思っているのかを聞きたいんですの」
教卓の近くから声が聞こえてきたのを確認。
「ああ? 俺だって美琴のことは今でも好きだけどよぉ。
佐天さんと付き合っている以上は難しいだろ…。そこだ!」
会話しながら裏側を覗き込むが…誰もいない!!
「あらあら。まだ美琴お姉さまのことが好きでいらっしゃるとは」
「当たり前だろ? 美琴だって俺のことがまだ好きなはずだ。
悪いのは全部佐天さんだ!! あの女さえいなければ俺達は…!!」
「じゃーん☆ うふふふ。お二方とも両思いですのに、
結ばれないなんて不憫なものですわねぇ」
黒子は教卓横のダンボールの中から飛び出てきて普通に会話していた。
「なあ白井。俺はまだ自分がどうすればいいか分からないんだ。
美琴のことを考えると胸が苦しくなって…。
てかおまえはなんで佐天さんの手下になってるんだよ」
310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:06:30.45 ID:QY+S2M4P0 [11/49]
「お姉さまが踏まれている写真を20枚ほど頂きました。
素敵な夜のおかずになりました」
「ほどほどにしとけよ。美琴の奴、佐天さんの奴隷になって
落ち込んでないかな?」
「すでに廃人のようになっていますの。上条さんと会えないせいで
寂しさのあまり死にそうになっていますわよ?」
いつのまにか黒子も補習を手伝っていた。
すらすらと高校生レベルの問題集を解いていく。
上条は手を動かしたまま話し続ける。
「それは酷いな。なんとか助けてやれないのか?」
「そのためにはまず佐天さんをなんとかしませんとね」
「あの子は暴れ馬だよ。とても俺には扱いきれない」
「そうですねぇ。現にあの方は常磐台のレールガンすら
オモチャにしてるようなツワモノですからね。
もはや人外のレベルですわ」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:10:48.93 ID:QY+S2M4P0 [12/49]
「…」
「…」
しばらく無言でペンを動かし続けた。
隣に座っている黒子が圧倒的な速さで問題集を
片付けてくれるので助かっていた。
ふと窓の外を見ると、景色は夕方から夜に変わろうとしていた。
「上条ちゃん! 今日はもう遅いから終わらなかった分は
宿題にしようと思うんですけど…って、えええ!?」
やってきた小萌先生が言い終わる前に驚嘆した。
「なんで部外者が補修を手伝ってるんですかああ!」
「やかましいですわ」
助走をつけた黒子がフライングボディープレスで先生を沈めた。
「やったか?」
「ええ」
念のため、上条は気絶した小萌先生を写真に収めた。
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:19:05.43 ID:QY+S2M4P0 [13/49]
黒子は手鏡を見て身だしなみを整えた。
「上条さん。今日はもう帰りましょうか」
「そうだな…」
帰り支度をする上条。
二人は目を回している小萌先生を無視して教室を去ったのだった。
すでに廊下に人の気配はない。
部活生達も帰ってしまったのだろう。
「…」
両者は言葉を交わすことなく階段を下りていた。
昇降口へ行くまでに何人かの教師にすれ違ったので、
白井黒子は丁寧に挨拶していた。
黒子は明らかに他校の制服を着ていたのだが、それを
指摘するものは一人もいなかった。上条達がすさまじく
神経質な顔をしていたからである。
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:23:55.18 ID:QY+S2M4P0 [14/49]
上条たちは複雑な心境で夜道を歩いていた。
不意にファミレスの前で立ち止まった上条が、
ずっと気になっていたことを質問した。
「なあ、白井はどうして俺の補習を手伝ってくれたんだ?」
「わたくしにも分かりませんが、なぜかあなたを
助けたくなるんですのよね。お姉さまの想い人だからかしら」
「…寮の門限はとっくに過ぎてるんじゃないか?」
「そんなこと百も承知ですの。日々廃人化してくお姉さまを
見ていられなくてあなたに相談しに来たのが本音ですわ」
道を行く通行人達は足を止めた上条たちを避けながら
次々と通り過ぎていった。
「当麻…。久しぶり」
「…美琴!!」
その通行人の中には御坂美琴も含まれていた。
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:28:40.43 ID:QY+S2M4P0 [15/49]
少しやつれた印象の美琴に話しかけられて
驚いた上条だが、表には出さないようにした。
「……」
「……」
両者は見詰め合った状態で立ち尽くす。
ほんの数日前まではあたりまえのように
冗談を言いあったり喧嘩したりした仲だった。
なぜこんなに緊張しなければならないのか。
上条は美琴の顔と地面を交互に見た後、
意を決して声を発しようとしたが…。
「当麻はもう…佐天さんのものなんだよね…」
美琴が瞳を伏せて消え入りそうな声で言った。
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:33:30.01 ID:QY+S2M4P0 [16/49]
「な、なんでそんなことを…!!」
「佐天さんから直接聞いたの。もう当麻には
関わらないようにって言われたわ。
…やっぱり私には魅力ないよね。
ただ戦闘力が強いだけだし。女の子らしい
佐天さんには適わないわ」
車線を走る車のライトが美琴の顔を照らした。
上条は美琴の頬に涙が流れていることを見逃さなかった。
様々な思いを込めて彼女の名前を叫ぶ。
「美琴!!」
「いいの。同情なんかしないで。
今日はお別れを言いに来ただけだから」
「そうじゃない!! 俺はおまえのことが本当に!!」
「もう会わないようにしましょう。じゃあね…」
哀愁の漂う背中を見せて去っていく美琴。
決して振り返ることはなかった。
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:38:42.65 ID:QY+S2M4P0 [17/49]
「く…!」
上条は拳を握り締めながら歯軋りしていた。
今すぐ美琴を追いかけて抱きしめてやりたいが、
佐天さんと交際することを決定した以上は
余計なことをしない方が懸命だ。
血走った目で地面を睨んでいた。
「…!!」
自身の手があまりにも小さく感じられた。
幻想殺しの右手は異能の力を打ち消すことが出来ても、
去っていく女の子の背中を掴んでやることすら出来なった。
「はは…。俺は…」
達観した顔で自嘲気味に笑う。
俺はシマウマにすぎないのか。そう彼の目が語っていた。
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:44:39.35 ID:QY+S2M4P0 [18/49]
「おーい、とうまぁ!」
遠くから禁書目録が走ってきた。
運動不足なので息を切らしながら必死に駆けている。
「とうまの帰りが遅いから心配したんだよ! せめて
電話の一つでも入れてくれればよかったのにぃ」
「ああ。すまなかった。インデックス」
上条の声に抑揚がついていなかったので禁書が目を見開く。
彼から発せられる不気味なオーラに震えそうになった。
「ど、どうしたの。そんなに怖い顔して!?」
「いや。別になんでもないよ。気にするな。
それより腹減ったんだろ? ちょうどそこにファミレスが
あるから食べていくか。白井も一緒にどうだ?」
「ご一緒させていただきますわ」
うなずいた黒子。
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 16:49:28.14 ID:QY+S2M4P0 [19/49]
禁書はまだ何か言いたそうな気配を見せていたが、
黒子に制される。そして三人でファミレスに入ったのだった。
注文したメニューが来ても、上条は食べる気配を見せなかった。
「とうま…」
心配そうに見つめるインデックスの視線に気がついて
いないのか、上条は沈黙をたもったままだ。
その細めた目にはどんな映像が写っているのだろうか。
「…」
彼は両肘をテーブルの上に置き、顎の下で手を組む。
いわゆる碇ゲンドウのポーズで考え事をしていた。
「そっとしておいてあげなさいな。禁書さん」
黒子は黙々とパスタを食べていた。
傷心の上条にかける言葉が見つからなかったのだ
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 18:00:52.58 ID:QY+S2M4P0 [20/49]
禁書も黒子に習い、黙って食べることにした。
いつもなら量が足りないなど駄々をこねるが、
ダイエット中なのとシリアスな雰囲気のせいで言えなかった。
禁書と黒子が食べ終わるまでそれほど時間はかからなかった。
あとは上条がどう動くかを待つのみとなった。
黒子が慎重に口を開く。
「上条さん。もうお姉さまのことを気にするのは
止めた方がいいと思いますの」
「…!!」
「あなたは佐天さんを選んだのですわよ」
「それはそうだが…!!」
上条が悔しそうに顔をゆがめる。
美琴自身も手を引いた以上、上条は佐天さんと
結ばれるべきなのかもしれない。
327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 18:05:32.11 ID:QY+S2M4P0 [21/49]
「黒子の言うとおりだよ。とうま」
禁書も黒子側だった。
「とうまはもう一人の女の子を選んじゃったんだよ?
ここでたんぱつのことを慰めにでも行ったら今度は
るいこが悲しむんじゃないの?」
「う…。だが俺は佐天さんに脅されたようなものなんだぞ!!」
「じゃあ、るいこのことは嫌い?」
「それは違う…。違うが…。なんか釈然としないんだ」
上条がお冷を一気に飲み干した。
「そのはっきりしない性格はどうかと思うな。
そんなんじゃいつまでたっても一人の女の子を
幸せにしてあげれないよ?」
禁書が責めるような目つきで上条の顔を覗き込んだ。
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 18:11:09.37 ID:QY+S2M4P0 [22/49]
「なら俺はいっそのこと美琴を追い続ける!!
やっぱり美琴が一番好きなんだ!!
佐天さんには明日にでも別れてもらうように言うよ」
「ふぅん」
禁書は背中を触り始めた。かゆい所でもあるのか、
首の下の辺りをしきりに気にし始めた。
「おい。何してる?」
「ちょっと、きつくてさ…」
「何が…?」
目を細めた上条は見てしまった。
禁書の背中にファスナーがあることに!!
「あー。暑かったぁ」
禁書の着ぐるみを脱ぎ捨てた佐天さんは汗だくだった。
手持ちのスポーツタオルで体中の汗をふいていた。
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 18:15:26.98 ID:QY+S2M4P0 [23/49]
「こんばんわ。涙子。こんなところで会うなんて奇遇じゃないか。
今日はまたファンキーな登場の仕方だね」
上条がさわやかに挨拶した。
「そうですねぇ。禁書ちゃんは小柄だから着ぐるみが
きつくて大変でした。で、さっき上条さんがとっても
興味深いことを言っていたようですけど…」
「俺はおまえのことが一番好きだよ!! 愛してる涙子!!」
上条は佐天さんに抱きつこうとしたが、払いのけられてしまった。
「今さら愛の告白とかふざけてるんですか?
さて白井さん。上条さんの発言を録音しましたか?」
「はい。涙子お姉さま。確かにこのICレコーダーに録りましたの」
厳かに言う黒子がレコーダーを佐天さんに渡した。
『やっぱり美琴が一番好きなんだ!!』
再生ボタンを押すと、上条の恥ずかしいセリフが再生された。
332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 18:19:31.12 ID:QY+S2M4P0 [24/49]
「さて、上条さん」
「はい…」
佐天さんに睨まれた上条は縮こまっていた。
「ずいぶんおもしろいことを言っていたようですねぇ。
私と別れたいとか」
「……はは」
「どこまで私を怒らせれば気が済むんですか?」
「……」
「……おかしいですよね? 上条さんは私のことを好きだって
言ってくれました。なのに今日は御坂さんに浮気しようっての?」
佐天さんが机を強く叩いた。
「そんな発情期のシマウマのような真似が許されるとでも思ってます?」
「う……あの……その……」
333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 18:24:05.89 ID:QY+S2M4P0 [25/49]
「言い訳をしたら白井さんのテレポートで
五寸釘を打ち込むように指示します。逃げても同じです。
分かったら私の顔をまっすぐ見なさい」
「白井!! 頼む!! 後生だから助けてくれ!!」
佐天さんのプレッシャーに耐え切れず、
上条が懇願したのだが…
「ぐへへへへへ。この顔…たまりませんわ」
卑劣なる協力者・黒子はデジカメのムービーを再生していた。
そこには先程の泣きそうな顔の美琴が映し出されていた。
黒子が密かに撮影していたのだ。
真性のクズである。
「上条さんにはお仕置きが必要ですね」
佐天さんが上条の後ろ襟を掴んで引きずっていく。
「ちょ…まっ…」
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 18:29:03.68 ID:QY+S2M4P0 [26/49]
「いいから来なさい」
「あっ…あう…」
上条はアザラシのような顔をしていた。
数時間後。佐天さんの家にて。
「がああああああああああ!!」
「ぐひぃっ!!」
「ああああっ!! あひいいいいいいいい!!」
「ごがあああああああああああああああ!」
上条の叫び声だけが響いている地獄絵図だ。
表現できないほどの壮絶なお仕置きが展開されていた。
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 20:02:45.89 ID:QY+S2M4P0 [27/49]
「あんたは誰のものだっけ?」
魔女が問う。
「はひぃ。ぼくはぁ。さてんるいこさんの…ものですぅ……」
踏まれた上条が、イルカのようにのけぞった体勢で答えた。
「そうよね。あんたは私だけのものだもんね。
もう二度と浮気しないって約束できるかな?」
「はあああああ!! はひぃいい!! 誓います!! 誓いますから…」
「なに?」
「踏むのを止めないでえええええええええ!」
「はあぁ? ほんっとうに情けない男ねぇ。
女の子に踏まれるのがそんなにうれしいの?」
「ぐひぃぃぃぃ! あっ…!!」
「ほらほら」
「ぐふうくくくっく…」
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 20:06:24.99 ID:QY+S2M4P0 [28/49]
上条が解放されたのは深夜の二時だった。
「お…おうぅ…」
浮浪者のような足取りでなんとか家にたどり着いた上条さん。
「はぁはぁ……水を飲ませてくれ……」
「とうま!?」
寝巻き姿の禁書目録が急いで介抱する。
「ぷ…ひぃ……」
「これは…なんてことなの…」
上条の顔は、砂漠で味方とはぐれて三時間ほど遭難した末、
偶然通りかかったイギリス軍のジープに遭遇して救助された時の
ダホイ族の青年(アラビア半島出身)のようだった。
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 20:10:52.90 ID:QY+S2M4P0 [29/49]
「しっかりして!!」
禁書が浴びるほど水を飲ませてやると、上条の顔色は
緑色から人間色に変色して言った。
「はぁ……はぁ……ふふふふふふふふ」
余裕が出来たのか、呼吸を整えるとともに
奇妙な笑みすら浮かべ始めた。
「?」
「こんな屈辱を味わったのは生まれて初めてだよ」
「!?」
「ふぅ。やれやれ」
上条は立ち上がった。
先程のようなフラフラした足取りではなく、
涼しい顔で背筋を伸ばしていた。
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 20:14:54.56 ID:QY+S2M4P0 [30/49]
「全く酷い目に会ったよ。やはり付き合う女の子は選ばないといけないね。
君もそう思わないか? 禁書目録」
「え? えっと。はい」
「服が汚れてしまったな。さて禁書君。私のイカ臭い服を洗濯しておきたまえ。
ついでに風呂に入るから、着替えも用意しておきなさい」
「な…!?」
「聞こえなかったかな?」
「は、はい! かしこまりました」
禁書は緊張しながらそう答えた。
(え…? 今のとうまだよね? まるで別人みたいに…)
上条の威厳のある態度に影響され、禁書が黙々と洗濯の準備を進める。
洗濯機を操作している間に上条は全裸になり、風呂場へ入ってしまった。
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 20:18:33.91 ID:QY+S2M4P0 [31/49]
「あ、あのぉ。よかったら背中でも流してあげようか?」
着替えを手にした禁書が言う。
「結構だ。今は一人にしてくれないか? 今後の計画を考えている途中なんだ」
「はい…すみませんでした」
禁書は多数の疑問を抱いていた。
突然、深夜にボロボロになった同居人が帰ってきたかと思えば、
性格が豹変してしまったのである。驚くのも無理はなかった。
十五分ほどして上条が出てきた。
「早かったんだね。とうま」
「まあね。シャワーを浴びただけだ。さっぱりしたよ。
さて、私は少し出かけてくるよ」
「こんな時間に!?」
すでに時刻は三時になろうとしている。
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 20:22:05.81 ID:QY+S2M4P0 [32/49]
「明日の学校はどうするつもり?」
「学校だと?……俺は上条当麻だぞ?」
「答えになってないよ。またサボるの?」
「……」
上条はそれには答えずに出て行ってしまった。
「とうまは一体どうしちゃったの…?」
家には泣きそうな禁書だけが残された。
それから上条当麻は一週間ほど行方をくらました。
学校には無断欠席し、禁書に連絡すらしなかった。
上条「美琴は俺と結婚するべきだ」 美琴「プ、プヒィ………?」-3
続きます
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