2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ケンシロウ「世紀末からもう11年か」後半

ケンシロウ「世紀末からもう11年か」前半
の続き

405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:17:11.13 ID:ayxXb97PO [4/20]
ラオウ「…」

ケンシロウ「…」

トキ「…なんだこれは」

ラオウ「見て判らぬか」

トキ「わからないから聞いているのだが…」

ケンシロウ「どう見てもジャギのバイクだろ」

トキ「それは分かる。何故ジャギのバイクにピンポン玉が刺さっているんだ」

ラオウ「卓球をしていたからに決まっているだろう」

412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:24:58.61 ID:ayxXb97PO [5/20]
トキ「よし、全くわからん」

ラオウ「どうした? 半年も大学に行っていないから頭も病んだか?」

ケンシロウ「トキ…卒業さえしていれば…」

トキ「もしもし、ジャギか?」

ラオウ「…!」ググッ

トキ「じょ、冗談だ…繋がってない」ググッ

ラオウ「全く、無駄な体力を使わせるな」

413 名前:カーチャンもしもしでごめんね[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:30:51.17 ID:ayxXb97PO [6/20]
トキ「しかし見事に一体化しているな」ググッ

ケンシロウ「引っ張ってみたものの、全く動かないんだ」

トキ「無理に取ろうとせず、逆に一体化させたらどうだ?」

ケンシロウ「え、本気で言ってる?」

ラオウ「それは無い」

トキ「冗談だ! 真に受けるな!」

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:40:28.02 ID:ayxXb97PO [7/20]
トキ「ここは下手に触らず修理に出すのがいいだろう」

ケンシロウ「修理っていくらぐらいだ?」
トキ「擦ったならまだしもめり込んでるからな…とりあえず2万ぐらいか?」

ラオウ「三人の手持ちを出し合えば足りるな」

トキ(さりげなく頭数に入れられた)




ラオウ「1022円」

ケンシロウ「85円」

トキ「10264円」

トキ「やる気あるのか!」

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:49:54.18 ID:ayxXb97PO [8/20]
ラオウ「そもそも修理に出したらバイクが無いことに気付くだろう」

トキ「…あ」

ケンシロウ「確かに。危うくトキに金を騙し取られるところだった」

ラオウ「見損なったぞトキ」

トキ「ジャギか? 私だが」

ケンシロウ「ホァタァッ!」

携帯「あべしっ」


トキ「…!」ググッ

ケンシロウ「…!」グググッ

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:54:03.10 ID:ayxXb97PO [9/20]


ケンシロウ「冗談はこれぐらいにしておこう。本当にジャギに怒られる」

トキ「私に怒られるのはいいのか」

ラオウ「一つ気掛かりなことがある」

ケンシロウ「何だ?」

ラオウ「ケンシロウ、うぬはさっき携帯の秘孔を突かなかったか?」





ケンシロウ「…なるほど!」

トキ「同じ要領でピンポン玉を破壊するのだな!」

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:56:31.58 ID:ayxXb97PO [10/20]
ラオウ「…」

ケンシロウ「…」

トキ「…」



ケンシロウ「どこだよ…」

トキ「さぁ…」

ラオウ「皆目見当もつかん…」

ケンシロウ「本当に秘孔あんのかよ…」

トキ「さぁ…」

ラオウ「誰だ秘孔突くとか言い出した奴は…」

ケンシロウ・トキ「…」

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:07:07.95 ID:ayxXb97PO [11/20]
× キュッキュッ

ラオウ「ここを突けばピンポン玉は崩壊する筈だ」

ケンシロウ「さあ、遠慮なく突いてくれ」



トキ「待て、いろいろおかしい」

ラオウ「何だ、この期に及んで怖じ気づいたか」

トキ「何故私が突く流れなんだ」

ケンシロウ「北斗神拳の極意は、身体を外部からではなく、むしろ内部から破壊することにある」

トキ「知ってるよ! 北斗神拳の極意知ってるよ!」

ラオウ「トキ、御乱心」

トキ「ゲホッゲホォッ」

ケンシロウ「カリカリすると寿命縮むぞ」

トキ「もうやだこの兄弟」

427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:13:12.22 ID:ayxXb97PO [12/20]


トキ「わかった、私が突くのはいい。だが何を根拠にここを突くんだ?」

ケンシロウ「天の声が聞こえたんだ」



ケンシロウ「右よ…と」

トキ「それは押すけども…」

428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:18:04.65 ID:ayxXb97PO [13/20]
トキ「…では突くぞ」

ケンシロウ「ドキドキ」

ラオウ「ワクワク」

トキ「…」


トキ「もし上手くいったとして、その後はどうするんだ?」

ラオウ「そんなもの、上手くいってから考えよたわけ」

ケンシロウ「パテでも詰めれば気付かないだろ」

トキ(本当は私をおちょくってるんじゃないか…?)

429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:20:23.29 ID:ayxXb97PO [14/20]
トキ「ハァッ」ズビッ

ピキーンッ



バイク「ひでぶっ」


ラオウ「」

ケンシロウ「」

トキ「」



ラオウ・ケンシロウ「バイクが喋った…」

トキ「そこ!?」

431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:23:31.41 ID:ayxXb97PO [15/20]
トキ「バ、バイクがバラバラに…」

ケンシロウ「ああもしもし、兄さん?」

ラオウ「早う帰ってこい。ちょっとしたスペクタクルだぞ」

トキ「これ見よがしに電話するな!」

435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:29:54.17 ID:ayxXb97PO [16/20]


ジャギ「」☆

ラオウ「すまぬ」

ジャギ「」☆

ケンシロウ「悪気はなかったんだ」

ジャギ「」☆

トキ「また三人でバイトして修理に出すから…許してくれないか」





ジャギ「ふざけるな!」

437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:36:22.34 ID:ayxXb97PO [17/20]
ジャギ「北斗千手殺!」ババッ

ケンシロウ「ふっ」ヒラッ

ジャギ「北斗羅漢撃!」ダダッ

トキ「はっ」シュパッ

ジャギ「南斗邪狼撃!」

ラオウ「むんっ」ガシッ

ジャギ「くそっ! くそっ! くそぉおおおお!」ボロボロ



ケンシロウ・トキ・ラオウ「…」

445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:47:01.87 ID:ayxXb97PO [18/20]
兄弟の中でも一番拳術で劣っているジャギ!

ジャギは北斗神拳伝承者が決まると同時に拳の道を諦め、家計を助ける為社会に出る事を選んだ!

意外な事に営業力はずば抜けて優れていたジャギは、北斗家を一人で養う程の成功を収める!

拳の才能はなかったが、こういう人生も悪くない…

そう自分に言い聞かせ、自分を押し込める毎日!

いつしかジャギの心には深い悲しみが宿っていくのだった!

448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:50:00.39 ID:ayxXb97PO [19/20]
翌朝

ラオウ「ジャギ! 朝食はまだか!」



ラオウ「…おかしい、早出だとしても作り置きがある筈」

ニャーン

ラオウ「ぬ? うぬも食いっぱぐれたのか」

ニャォー



ラオウ「…そうだ、俺達はジャギに…」

449 名前:無想転生だけはとうの昔に習得済です[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:53:27.62 ID:ayxXb97PO [20/20]
トキ「…ん、点滴がもう無い」

ビーッ

トキ「…」



トキ「おかしい…ナースコールを押してもジャギが来ない」



トキ「…そうだ、ジャギはもう…」

450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:01:10.48 ID:qLjiJ8rvO [1/19]
ケンシロウ「あ、もしもし」

ユリア「あら、どうしたの?」

ケンシロウ「ユリア、何か料理を作ってくれ」

ユリア「あら、ジャギさんは?」

ケンシロウ「家出した」

ユリア「家出ぇ!?」

ケンシロウ「トキがジャギのバイクをひでぶしたら泣きながら出てった」

ユリア「今からそっち行くわ」

ブヅッ

ケンシロウ「持つべきものはやっぱり彼女だなぁ」

452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:08:06.01 ID:qLjiJ8rvO [2/19]
ユリア「三人共何考えてんの!」

ケンシロウ・ラオウ・トキ「!」ビクッ

ユリア「ジャギさんが怒らないから不問にしてたけど、今日こそははっきり言うわ」
ユリア「この…駄目人間共!!」

駄目人間共「ガーン!」

ユリア「あなた達ね、いい歳して他人に養われるなんて恥ずかしいと思わないの!?」

ラオウ「しかし、ジャギが兄弟なんだから気にするなと…」

ユリア「気にしなさ過ぎだバカチンッ」バチーンッ

ラオウ「わばっ」

454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:12:52.44 ID:qLjiJ8rvO [3/19]
ユリア「そんな体力みなぎる程持て余して自宅警備員なんて…このムダ筋!」

ラオウ「む、ムダ筋!?」ガビーン

ユリア「長兄とか偉そうな事言って、未だにジャギさんにおんぶだっこの子供じゃない」

ラオウ「ぐ、ぬぅ」ズゥゥン

トキ「ラオウが! 言葉だけで膝を!?」

465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:20:47.39 ID:qLjiJ8rvO [4/19]
ユリア「次、病人」

トキ「病人!?」ズキッ

ユリア「心の病(笑)? 鬱病(笑)? 笑わせんじゃないわよ!」

ユリア「赤の他人から受けた屈辱と、家族から受けた屈辱、どっちが悲しいと思う?」

トキ「…」



トキ「あれ、私もケンシロウ達にだいぶ」

ユリア「しゃらくせぇぇえ!!」バチコーンッ

トキ「たわば!!」

468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:27:44.25 ID:qLjiJ8rvO [5/19]
ユリア「最後は…」

ケンシロウ「…ユリア」

ユリア「ふんっ」ゴッ

ケンシロウ「あろっ!」


ケンシロウ「い、いきなりグーで…?」ボタボタ

ユリア「…」

ケンシロウ「…ユリア?」



ユリア「大っ嫌い」

バタンッ


ケンシロウ「」☆

530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:18:25.77 ID:qLjiJ8rvO [8/19]
シン「アタックよりもボールドの方が売れ行き好調…」カキカキ

ギョウムレンラク キング ジムショマデキテクダサイ

シン「この忙しいのになんだ?」



シン「このキングの城で万引きとはいい度胸だ」

シン「そんなに死にたいか? ん?」




ケンシロウ「ぁぅぁぅぁー…」

シン「良かろう、殺してやる」

537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:36:16.68 ID:qLjiJ8rvO [9/19]
ケンシロウ「すまん、あまりの空腹に自我が崩壊してしまった」

シン「ああ、そうか」

ケンシロウ「礼といってはなんだが…」

シン「いらん」

ケンシロウ「なに、大したものじゃない。遠慮なく受け取ってくれ」

シン「いや、本当に大した物じゃないだろうからいらんと…」

ケンシロウ「ほら、心ばかりのお礼だ」



⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩
①①①①①     チャリーン


シン「うわっ、いらねぇ」

541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:50:34.91 ID:qLjiJ8rvO [10/19]


シン「同情の余地がないな、助けるんじゃなかった」

ケンシロウ「…っ」

シン「ケンシロウ、俺はお前がどんな地獄に落ちようと構わん」

ガシッ

ケンシロウ「ぐっ!?」

シン「だがユリアを道連れにしてみろ、死ぬ事も叶わぬ生き地獄を永遠に味わわせてやる…!」

ブンッ

ケンシロウ「がはぁッ!?」ドカァッ

シン「失せろ、業務の邪魔だ」

ケンシロウ「…シン」

シン「…」

ケンシロウ「ありがとう、強敵よ」

バタン

シン「…さらばだ」

545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:04:19.61 ID:qLjiJ8rvO [11/19]
ケンシロウ「ジャギ…ごめん、ジャギ!」タタタッ

ケンシロウ「俺、自分の才能に溺れてた」タタタッ

ケンシロウ「心のどこかでジャギの事見下して、自分は特別だと思ってた」タタッ


タッタッタ…


ケンシロウ「家族…なのに」トボトボ

ケンシロウ「俺、…なんて言ったら…」



「やるべき事は一つだろうッ!」


ケンシロウ「その声は!?」

547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:09:31.67 ID:qLjiJ8rvO [12/19]
ラオウ「人は過ちを犯す。覇者でも救世主でも…な」

ケンシロウ「ラオウ!」

ケンシロウ「…その傷は」

ラオウ「縁側で考え事をしていたら黒王号に蹴り飛ばされたわ!」

ケンシロウ「はは、よく無事だったな」

ラオウ「伊達に長兄をしておらぬわ」

ケンシロウ「馬にまで心配されるとは、最低だな俺達」

ラオウ「最低なら最強まで上り詰めるまでよッ!」



ラオウ「行くか」

ケンシロウ「ああ」

550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:17:58.72 ID:qLjiJ8rvO [13/19]
ジャギ「…」


「ジャングルジムの頂点は、天を掴むこのラオウの玉座の筈だが?」

ジャギ「!」

ラオウ「まぁ、たまには下から見上げるのも悪くないか」

ジャギ「兄者…」

ケンシロウ「ラオウが代わってくれないから、とうとうこの歳まで登れなかったじゃないか」

ラオウ「ケンシロウには一世紀早いわ」

ケンシロウ「やれやれ…」

ケンシロウ「座り心地はどうだい、兄さん」

ジャギ「ケンシロウ…」

557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:30:12.84 ID:qLjiJ8rvO [14/19]
ジャギ「何しに来たんだ。また俺を馬鹿にしに来たのか」

ラオウ「ジャギよ、覚えているか」

ジャギ「何をだよ」

ラオウ「俺が野犬の群に襲われて瀕死の重傷を負った時の事だ…」

ラオウ「お前は石油ををそこら中に撒いて野犬を焼き払い、助けてくれたな」

ジャギ「兄者はあの後、漢なら拳のみで戦わぬかって俺をボコボコに…」

ラオウ「本当はな、ありがとうと、お前みたいな弟を持てて幸せだと、言いたかったんだ」

ラオウ「子供心に照れくさくて、つい殴ってしまったが」

ジャギ「兄者…」

560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:36:33.51 ID:qLjiJ8rvO [15/19]
ケンシロウ「兄さん、俺の高校受験の事、覚えているか?」

ジャギ「確かお前が高熱を出して……思い出せん」

ケンシロウ「兄さんは俺の代わりに試験を受けてくれたんだ」

ジャギ「嘘言え、俺にはそんな記憶…」

ケンシロウ「無理もないよ…自ら秘孔を突いて頭を吹き飛ばしてたんだから」

ジャギ「!」

ケンシロウ「次の日俺が元気になった時、兄さんは命の境をさまよっていた…」

ケンシロウ「俺、生まれて初めて号泣したよ」

ラオウ「兄さんを助けて、兄さんを救ってと、くたびれ眠るまで喚いてたな」

ジャギ「…」

ケンシロウ「迷惑な弟で…ごめん。そして、ありがとう兄さん」

563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:41:34.30 ID:qLjiJ8rvO [16/19]
ジャギ「…言いたい事はそれだけか」

ケンシロウ「兄さん!」

ラオウ「ジャギ!」

ジャギ「俺はな、お前らの存在がずっと煩わしかった!」

ジャギ「兄者にボコボコにされる度、兄に弟は適わないと言い聞かせてた」

ジャギ「しかし次第にケンシロウにまでボコボコにされる始末!」

ジャギ「拳の道を断念すれば、今度は家事も生活費も、終いにはお小遣いも俺任せ!」

ジャギ「俺は…俺はァ……!」

565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:45:33.41 ID:qLjiJ8rvO [17/19]
「ジャギ、お前は誰にも負けぬ根性がある。だから立ち上がれッ!」


「兄さん、もう一本稽古つけて下さい!」




ジャギ「俺はな……お前らを憎んでも憎んでも…憎みきれないんだよォ」ポロポロ

ラオウ「ジャギ…」

ケンシロウ「兄さん…!」

568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:50:59.07 ID:qLjiJ8rvO [18/19]
……

ラオウ「ジャギ、今回は本当にすまぬ事をした」

ケンシロウ「あのバイク、俺達に直させてくれないか?」

ジャギ「いいって、ありゃ完全に廃車だ。直らねーよ」

ラオウ「ならば一生かけて直すというのも、また一興じゃないか?」

ケンシロウ「お、流石兄さん。いい事言うね」

ラオウ「ぬふふふ」

ケンシロウ「はははは」

ジャギ「ヒャァハハハ!」

571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:55:57.34 ID:qLjiJ8rvO [19/19]


トキ「レイ、いるのはわかっている」

「…」

トキ「整形手術代150万、今すぐ返してくれ」

「…」

トキ「私達兄弟の危機なんだ! 頼む!」
「…」

トキ「…でないと妹さんにお前がオニャノコになった事、言っちゃうぞ」

「! 卑怯な!」

トキ「勝てばいい、それが全てだ!」

575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:07:01.19 ID:5uIn1cm7O [1/10]
「この外道…!」

バンッ

レイ「南斗水鳥拳の伝承者の名に掛けて、貴様を処刑するッ」キリッ




トキ「キュン」



処刑されたくなっちゃいました

580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:15:21.77 ID:5uIn1cm7O [2/10]
友達から電話来たから掛け直してきま

590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:59:03.12 ID:5uIn1cm7O [3/10]
トキ「美しい…ハッ」

トキ「失礼した!」ササッ


レイ「……何だったんだ」




トキ「うう…気分が優れない」

トキ「熱がある気がするし、動悸も収まらない…」

トキ「早く帰ってジャギに診てもら…あ」

591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:07:55.77 ID:5uIn1cm7O [4/10]


ユリア「仲直り、できたみたいね」

ケンシロウ「ユリア…」

ラオウ「お見通しという訳か」

ユリア「当たり前よ、何年の付き合いだと思ってんの」

ジャギ「でも心配はかけちまっただろ、すまねぇな」

ユリア「いいの、ケンもちょっとは懲りたろうし」

ラオウ「グーパン食らった時のケンシロウの顔ときたら」

ケンシロウ「お前も言葉責めで泣きそうになってただろ!」

ユリア「二人ともっ」

ラオウ・ケンシロウ「…ごめんなさい」

ジャギ「ヒャハハッ」

593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:13:05.02 ID:5uIn1cm7O [5/10]
こうして、北斗家に再び平和が戻った!

今回の兄弟喧嘩でケンシロウとラオウは少しだけ大人になった!

ジャギに甘えず独り立ちできるようになるため、まず第一歩として家のお手伝いを始めたのだ!

ラオウは風呂掃除と洗濯!

ケンシロウは食器洗い!

を、毎週月水金にすることとなったのだ!

597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:17:34.67 ID:5uIn1cm7O [6/10]
ジャギの手料理の並んだ食卓を囲む!

それは北斗な人々の心安らぐ時間!

ケンシロウとラオウは、実に1日振りの食事にありついたのだ!


ラオウ「うまい!美味すぎるぞ!」

ケンシロウ「許されて良かったー!」


ジャギの海より広い心に二人は許された!



そう、トキを除いて!


トキ「たのむッ 玄関を開けてくれッ!」ドムドムッ

602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:42:58.05 ID:5uIn1cm7O [7/10]
サウザー「お師さん…」スッ

シュウ「…」


シュウ(オウガイ先生、サウザー園長は立派に貴方の意志を継いでいます)

シュウ(貴方が先立たれた時、園長は深い悲しみを背負いました)

シュウ(ですが、悲しみに暮れる事なく、再び指導者として立ち上がったのです!)

シュウ(…サウザー園長の心には、まだオウガイ先生が生きています)


603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:47:14.94 ID:5uIn1cm7O [8/10]
エンチョーセンセー ハヤクアソボー

サウザー「今行く」

サウザー「お師、また来ます」ペコ

シュウ(最近は子供達も墓参りについてきます)

シュウ(遠足か何かと勘違いしてるのかもしれません)

シュウ(まぁそれも仕方のない事でしょうか)



シュウ「だって、オウガイ先生の墓は聖帝十字陵(ちょっとしたテーマパーク)ですから…」

684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 09:42:04.55 ID:Q4qHDkKCO [1/25]
ヒューイ「五車星で集まるの何年ぶりだろうな」

シュレン「フドウんところは子供が多いからな、なかなか都合がねぇ」

フドウ「いや、すまんすまん」

ヒューイ「どうする?とりあえず一杯いくか?」

リハク「それならとっておきの店があるぞ」

シュレン「酒好きのリハクが言うなら間違いないな」

フドウ「旧友と久々の酒か、楽しみだな」

リハク「とりあえず駅に向かって、三駅ほど…」




ジュウザ「…」


リハク「ジ、ジュウザ…」

ヒューイ「げ、元気してたか…?」

686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 09:48:54.38 ID:Q4qHDkKCO [2/25]
フドウ「こ、これから皆で飲みに行くんだ。ジュウザも来ないか…?」

シュレン(おい!)

リハク(止めとけフドウ!)


ジュウザ「いや…いい」

ジュウザ「金、無いし…」フラフラ



ヒューイ「行っちまった」

シュレン「マジ焦ったわ」

688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 09:53:00.46 ID:Q4qHDkKCO [3/25]
ジャギ「ケンシロウ」

ケンシロウ「何だ」ピコピコ

ジャギ「洗ってない食器が溜まってるんだが」

ケンシロウ「ふーん」



ケンシロウ「で?」

ジャギ「…」

690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 09:59:14.94 ID:Q4qHDkKCO [4/25]
マミヤ「最近REIって娘が話題になってるわね」

マミヤ「ファッション誌の表示を飾るのも私より多いし…悔しいわ」

マミヤ「…そういえば、私REIについて何も知らないわね」

マミヤ「よし! 敵情視察よ!」





マミヤ「じー」

レイ(マミヤから熱い視線が…こんな格好なのに)ビクビク

694 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 10:05:56.75 ID:Q4qHDkKCO [5/25]
コマク「REI様、お茶が入りました」

レイ「あら、ありがとう」

スッ

マミヤ(音をたてずに飲んだ!)

レイ「あら、茶葉を変えたの?」

コマク「ええ、いいものが手に入ったので」

レイ「通りで、とても美味しいわ」ニコ

コマク「お口に合ったようで何よりです」


マミヤ(一つ一つの動作から漂う気品、そしてあのエンジェルスマイル!)

マミヤ(REI…恐ろしい娘!)

695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 10:15:17.28 ID:Q4qHDkKCO [6/25]
アイリ「最近お兄ちゃんと会ってないんですよー」

アイリ「なんかー、仕事が忙しいとかでー」

ユリア(レイがモデルになった事、アイリちゃんは知らないみたいね…)

ユリア(それにしても女装してモデルの仕事するなんて、一体どんな事情が…)

アイリ「あ! ユリアさん知ってます?」
ユリア「何を?」

アイリ「これこれ! マミヤさんに強力なライバル出現ですよー」

アイリ「はぁーREIちゃん綺麗だなぁー」

ユリア(それ…貴方のお兄さんよ)

697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 10:26:40.79 ID:Q4qHDkKCO [7/25]
アイリ「…!」

アイリ「ユリアさん…」

ユリア「ん? 何?」

アイリ「REIちゃんって…」

ユリア(気付いた!?)



アイリ「睫毛長いですね」ゴクリ

ユリア「え、ええ…そうね」ズルッ

701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 10:33:43.26 ID:Q4qHDkKCO [8/25]
ケンシロウ「最近毎日大学行ってるな」

トキ「ああ、体の調子がすこぶる良くてな」

ケンシロウ「珍しいな、(心の病が)治ったんじゃないか?」

トキ「そうかも知れないな」



トキ(今は恋の病にかかってるけど)フフ

ケンシロウ(どうしよう、トキが気持ち悪い)

702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 10:40:04.67 ID:Q4qHDkKCO [9/25]
アイリ「あー! メットのお兄さん!」

ジャギ「おお、アイリちゃんか」

アイリ「最近よく会うね!」

ジャギ「本当だな」

アイリ「この間、厳つい方のお兄さん見たよ」

ジャギ「ラオウ兄者か?」

アイリ「多分。コロコロ買ってたー」

ジャギ「デカい図体してカーペットの汚れが許せない性分なんだよなぁ」

アイリ「ふふ、なんだかかわいい」

ジャギ「いや、かわいくはないぞ」

709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 10:46:16.74 ID:Q4qHDkKCO [10/25]
アイリ「今日も夕飯の買い物ですかー」

ジャギ「ああ、ウチは大飯食らいが二人いるからな。タイムセールは有り難い」

アイリ「でも土日しかこの時間で会わないですよねー」

ジャギ「働いてるからな、平日間に合わないのは仕方ない」

アイリ「あーあ、メットのお兄さん面白いから平日も会えたらなー」ショボン

ジャギ「まあ無理だな」

710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 10:49:07.50 ID:Q4qHDkKCO [11/25]
アイリ「そうだ!」

アイリ「この後、時間あります?」

ジャギ「まぁ夕飯までは」

アイリ「良かったら一緒にお茶しませんか?」

ジャギ「俺と?」

アイリ「はい!」

ジャギ「ああ、いいよ」

アイリ「やった! じゃあ張り切って買い物しましょー」

ジャギ「今晩は何にしようかな」

アイリ「あ、またレシピ教えて下さいよー」

712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 10:55:35.60 ID:Q4qHDkKCO [12/25]
ラオウ「ぬうんっ」コロコロ

ラオウ「ジョイヤッ」コロコロ

ラオウ「塵と砕けよっ」コロコロ


ガチャッ


ケンシロウ「うるさいぞラオウ」

ラオウ「我がカーペットに上がるなッ!」ゴォッ

ケンシロウ「うわっ 危なっ」

ラオウ「お前の足に付いていた埃が…」コロコロ

ケンシロウ(こればかりは余所の人に見せられないな)

713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:12:58.55 ID:Q4qHDkKCO [13/25]
ユリア「…という訳なのよ」

ケンシロウ「これがレイ!? 信じられん…」

ユリア「本人に直接聞くのが一番だと思うんだけど…貴方レイの家知ってるでしょ」

ケンシロウ「そりゃあまぁ」

ユリア「もし女装が癖になっちゃったのなら貴方の拳で目を覚まさせて」

ケンシロウ「ああ、それが友としてできるたった一つの事だな」

ユリア「じゃあ頼んだわよケン」


バタン


ケンシロウ「うわっ やべーよ! みんなにメールしなきゃ!」

716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:22:25.29 ID:Q4qHDkKCO [14/25]
クウガッ アツクヨーミガエレッ

レイ「メールだ」


差出人:ケンシロウ

件名:モデルのREIって南斗のレイらしいぞ!

本文:どうしようwww俺親友なんだけど^^;



レイ「」



ケンシロウ「あ、全送信しちゃった」

723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:28:22.72 ID:Q4qHDkKCO [15/25]
マミヤ「」


差出人:ケンシロウ

件名:モデルのREIって南斗のレイらしいぞ!

本文:どうしようwww俺親友なんだけど^^;


マミヤ「」

727 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:34:08.80 ID:Q4qHDkKCO [16/25]
アイリ「それでね、それでね!」

ビーックビックビックビックカッメラッ

ジャギ「すまん、メールだ」

ジャギ「…」

パタン

アイリ「どうかしたの?」

ジャギ「何でもない! 弟がまた世迷い言を言ってるだけだ!」

アイリ「ふーん?」

ジャギ(仮に本当だとしたら尚更言えねー!!)

729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:37:42.79 ID:Q4qHDkKCO [17/25]
マミヤ「REIに直接問いたださないと!」カツカツ

マミヤ「REぃ…」



トキ「…」

レイ「…」



マミヤ(何なのよこの状況…)



トキ「レイ…好きだ」


マミヤ「!?」

732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:43:57.68 ID:Q4qHDkKCO [18/25]
マミヤ(いやいやいや、REIは女なんだから告白されてもおかしくは…)


レイ「トキ…お前とは付き合えない」

レイ「俺には愛した女がいる。それは例え女の体になった今も変わらない」

トキ「…そうか、元はといえばその女体化もマミヤを愛するが故の所業だったな…」
レイ「いや、お前らが勝手にやったんだけどな」


マミヤ(あの声…レイ!)

マミヤ(レイ…ずっと私の事を…)



マミヤ(あれ、今女の体とか言った…?)

733 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:48:20.21 ID:Q4qHDkKCO [19/25]


マミヤ「レイ!」

レイ「マミヤ…ちゃん」

マミヤ「女のフリしなくていいわよ、レイ」

レイ「! そうか…マミヤにもメールが…」

マミヤ「ずっと近くにいてくれたんだ」

レイ「…マミヤが芸能界デビューしてから、置いて行かれた気がして…」

マミヤ「…もう、そんな訳ないじゃない」

734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:52:35.16 ID:Q4qHDkKCO [20/25]


レイ「これでようやく男に戻れる…」

マミヤ「レイのチンコがない…」

レイ「しげしげと見るな…」

マミヤ「いいじゃない、女同士なんだから」

レイ「俺は男だ!」

マミヤ「この際女でもいいんじゃない?」

レイ「…マミヤさん、それはどういう」

マミヤ「さあ、久しぶりに恋人同士で愛し合いましょ」

レイ「やめ! お助けっ! アッー」

736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:56:19.42 ID:Q4qHDkKCO [21/25]
レイ「」

マミヤ「レイ、可愛かったわよ」

レイ「もうお婿に行けない…」

マミヤ「じゃあ私のとこにお嫁に来なさい」

レイ「えっ」ドキッ

レイ「いや!ドキじゃないし!」

マミヤ「レイの肌すべすべー気持ちいいー」

レイ「こらっ あんっ 舐めるなっ」



マミヤ-レイ GOODEND

741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 11:58:51.78 ID:Q4qHDkKCO [22/25]
アイリ「」


レイ「…」ポリポリ

マミヤ「お兄ちゃんはお姉ちゃんになっちゃいました☆」


アイリ「」

742 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 12:02:46.42 ID:Q4qHDkKCO [23/25]
ラオウ「ケンシロウ、お前に客だ」

ケンシロウ「誰だ?」

ラオウ「知らん、偉いべっぴんだったぞ」

ケンシロウ「ほ、本当に?」ドキドキ





レイ「…」

ケンシロウ「…」

レイ「ふんっ」ボゴォ

ケンシロウ「あべしっ」

796 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 23:55:23.41 ID:Q4qHDkKCO [25/25]
アミバ「男に戻してほしいだァ~?」

レイ「お願いします!」

アミバ「うーむ」

レイ「…無理、ですか?」

アミバ「俺に不可能はない」

レイ「じゃあ!」

アミバ「だが断る」

レイ「なっ!? 何故ですか!?」

アミバ「マミヤクンに断るよう根回しされていてな」

レイ「えっ」

799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:00:39.50 ID:gZQ1o44KO [1/27]
アミバ「なんでも新しい世界に目覚めたとか言ってたぞ。羨ましいねェ~」

レイ「そ、そこを何とか!」

アミバ「1000万」

レイ「…!?」

アミバ「1000万だ。びた一文負けん」

レイ「…わかりました!」

アミバ「最後に、余計なお世話かもしれんが…マミヤクンに嫌われるかも知れんぞ」

レイ「大丈夫です! 俺達ならどんな姿になっても上手くいきます!」

アミバ(だったら女のままでいいだろ……待てよ)

レイ「さらば!女体!」☆

804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:06:45.86 ID:gZQ1o44KO [2/27]
レイ「……ん」

アミバ「目が覚めたか」

レイ「ここは………あっ!」

レイ「胸がなくなって! …ない?」

レイ「しかし股間に感じる朝立ちの煩わしさ…まさか!?」モコ



レイ「生えてるし…ある」ズーン

アミバ「ん~? 間違ったかな~?」ニヤニヤ

レイ、新しい世界へ

808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:12:13.52 ID:gZQ1o44KO [3/27]
レイ「嫌だ! しかも悔しい事に元のより大きい!!」ビクッ

アミバ「黒人のを移植した。これで夜の性活はバッチリだな」プークスクス

レイ「アミバぁぁぁ貴様ぁぁぁぁぁ!!」バッ

アミバ「あ、金はいらんぞ」ブフッ

レイ「払うかっ! 笑いながらいうな!」

アミバ「だって…ブフッ……ふたなりて…フフッ」ワナワナ


レイ「うううーっ」ジワッ

アミバ「おーよしよし」

レイ「さわるなよっ」バッ

811 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:16:42.24 ID:gZQ1o44KO [4/27]
ジャギ「風がー呼んでるぜー俺にーついてこいー」ブロロロ

獄長「そこのノーヘルバイク、止まりなさい」ウウウウン

ジャギ「走れぇ!走れぇ!どこまでーも」ブロロロ

獄長「止まりなさい違反車!」ウウウウン





獄長「すまんすまん、てっきりそういう顔だと」

ジャギ「頭湧いてんじゃないか?」

812 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:18:18.72 ID:gZQ1o44KO [5/27]
獄長「念の為、メット外してくれるか?」

ジャギ「えっ」

獄長「ん?外せないのか?」

ジャギ「…」

カポッ

獄長「あの…なんだ、……すまん」

ジャギ「…」カポッ

815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:22:42.16 ID:gZQ1o44KO [6/27]
ケンシロウ「明後日ユリアの誕生日なんだ」

ラオウ「ふむ」モグモグ

ジャギ「そういやそうだな」パクパク

トキ「プレゼントは買ったのか?」

ケンシロウ「…!」スタッ

スタスタスタ

ケンシロウ「ジャギ兄さん」スタッ

ジャギ「…どうした」

ケンシロウ「…お金貸して下さいっ」土下座

ラオウ・トキ(去年も見たコレー!)

818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:27:25.25 ID:gZQ1o44KO [7/27]
ジャギ「それはできない」

ケンシロウ「ケチ! グズッ! 童貞!!」

ジャギ「どどどどど童貞ちゃうわっ」

ラオウ「何!? ジャギに女が!?」ピシャーン

トキ「隊長! ジャギの携帯に女の名前が!?」

ジャギ「かっ返せ!」バッ

ラオウ「天将奔烈!」

ジャギ「わばっ」

ケンシロウ「ふむ…どれどれ」

820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:35:22.87 ID:gZQ1o44KO [8/27]
差出人:アイリ
件名:今日はありがとう!
本文:そろそろ家についたころかな?
アド交換したの嬉しくてついメールしちゃった♪
またお茶しましょうね!


差出人:アイリ
件名:相談なんですが…
本文:家族の気持ちが分からなくなった時、どうすればいいんでしょう。
行き違いとか、理解できない事があるのは分かります。。。
でも、そうなる前に話し合いとかできる筈ですよね?



ラオウ「随分信頼されてるな」

ジャギ「返せっ 返せよぉっ」ポロポロ

トキ「あーあ、泣かせた」

822 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:39:04.77 ID:gZQ1o44KO [9/27]


ジャギ「ユリアに止められてんだよ」

ケンシロウ「ユリアに?」

ジャギ「誰かから借りた金でプレゼントもらって嬉しいか?」

ケンシロウ「嬉しい!!」



ジャギ(うわぁ…)

トキ(なんていい目なんだ…)

ラオウ(普通嬉しいだろ)

825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:43:16.25 ID:gZQ1o44KO [10/27]
ケンシロウ「嬉しくないプレゼントなんてある筈ないだろ」キリッ

ジャギ「お前進歩しないなぁ」

トキ「そのうち本当にユリアに愛想尽かされるぞ」

ケンシロウ「あれ!? 俺今いい事言ったつもりなのに」

ジャギ「ないわー」

トキ「空気嫁」

ラオウ(俺も嬉しい派だが黙っとこう)

829 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:50:09.71 ID:gZQ1o44KO [11/27]
ジャギ「今いくらあるんだ?」

ケンシロウ「えーと」パラパラ

⑩⑩
①①①①①①①①

ケンシロウ「28えん」ニッ

ジャギ「なんだその笑みはぁ!?」

トキ「ケンシロウ…働いてさえいれば…」

ケンシロウ「…」ムッ

ケンシロウ「トキ…卒業さえしていれば…」

トキ「…!」グググッ

ケンシロウ「…!」ググッ

ジャギ「止めろ止めろ」

832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 00:57:27.72 ID:gZQ1o44KO [12/27]
ユリアの誕生日2日前であるにもかかわらず、28円しか持っていないケンシロウ!

ジャギから借りる事も出来ず、指をくわえて誕生日を待つしかないのか!

はたまた、逆転の一手はあるのか!

物語は北斗家以外でも進んでいた!



スーパーサザンクロス

シン「そろそろユリアの誕生日だったな」

シン「ユリアには、ケンシロウが金を貸してくれと言ってくるかも知れないが断れ、と言われている」

シン「全く、本当に度し難い馬鹿だな」


シン「まぁ、ユリアを悲しませる訳にもいかんし、簡単なバイトぐらいは用意しておくか」

835 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:01:02.30 ID:gZQ1o44KO [13/27]
ハローワーク


ケンシロウ「…ここに来るのもトキが馬鹿した時以来だな」

ケンシロウ「全てはユリアの為…」

ケンシロウ「よし! いざ行かん!」



ケンシロウ「スーハー、よし、開けるぞぉ」

ケンシロウ「怖くない怖くない」

836 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:08:19.27 ID:gZQ1o44KO [14/27]
ハート「何ですか?この空白の期間は?」

ケンシロウ「そ、それは…」

ハート「前歴…世紀末救世主(笑)」

ケンシロウ「くっ」ブルブル

ハート「全く…高卒で資格もろくに無いとは」

ケンシロウ「…」ワナワナ

ハート「世の中そう簡単に職に就けると思わないでもらいたいですねェ」ブヒッ




シン(そろそろケンシロウがベソかきながら入ってくる筈…)ソワソワ

838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:12:57.77 ID:gZQ1o44KO [15/27]
ハート「全くカス共がァ~」

ケンシロウ(我慢だ…ユリアの為…ユリアの為…)


ハート「と、私の個人的感想はこの辺にして、職業案内ですが」

ケンシロウ「…え!?」

ハート「聞こえませんでしたか? 貴方の仕事ですよ」

ケンシロウ「仕事…あるんですか?」

ハート「当然です」

ケンシロウ「はは…あはははははは」

ハート「ぶひゃひゃひゃひゃ」

ケンシロウ「初めから紹介しろ」アタァッ

ハート「ひでぶっ!」

840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:18:45.97 ID:gZQ1o44KO [16/27]


ケンシロウ「…」

ゴウンゴウン カラカラカラカラ

ケンシロウ「刺身の上にタンポポを乗せる簡単な仕事と聞いてたが…」

カラカラカラカラカラカラ

ケンシロウ「こんな猛スピードで流れてくる刺身に乗せれるのか!?」

牙大王「新入り! サボってんじゃねぇ!」

ザッ


バラバラバラッ

ケンシロウ「!?」

842 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:22:32.13 ID:gZQ1o44KO [17/27]
ケンシロウ「あ、あの…そんな雑でいいんですか?」

牙大王「仕方ねぇだろ! こんなん乗せるの無理だ!」

ガシッ

牙大王「あ!? 何だよ? 休憩か?」ズルズル


ケンシロウ「…真面目にやろう」

844 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:25:59.56 ID:gZQ1o44KO [18/27]


ケンシロウ「段々コツが掴めてきたぞ!」

ケンシロウ「ホォアタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ! ホァタァ!」

ケンシロウ「北斗! 百裂拳!」ビシッ


刺身「あべしっ」ボシュッ


ケンシロウ「」

848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:32:06.17 ID:gZQ1o44KO [19/27]
こうして!ケンシロウのアルバイトは終わった!

時給1200円、勤務時間8時間、通常なら9600円となる!

しかし、刺身をあべしした事とその片付けをしていた時間を差し引き、本日のアガり3000円となった!



ケンシロウ「3000円じゃオシャレな物何も買えないぞ…」

ケンシロウ「…ユリア」

850 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:40:02.61 ID:gZQ1o44KO [20/27]
北斗家

一同「カンパーイ!」

トキ「誕生日おめでとう」

ラオウ「我ら兄弟からの贈り物だ、受け取れ」

ジャギ(俺が全額だしたんだけどな)

ユリア「ありがとう!」

ユリア「あ! ペアティーカップ! ありがとう!」

ジャギ「気に入ってもらえて何よりだ」

ユリア「そういえば、ケンシロウは?」

852 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:43:16.01 ID:gZQ1o44KO [21/27]
ガラガラ タダイマ…

ケンシロウ「あ、もう始まってたのか」

ジャギ「悪ぃ、先やってた」

トキ「して、プレゼントは上手く買えたのか?」

ユリア「あっ」

ラオウ(この愚弟…上手く行ってなかったらどうするつもりだ)

ジャギ(トキ兄者はたまにラオウ兄者より空気が読めないな)

853 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:45:39.35 ID:gZQ1o44KO [22/27]
ケンシロウ「それが…」

ユリア「…そっか」

ジャギ(この阿呆ー!)

ラオウ(そこは意地でも買ってくるところであろう!)

トキ(あーあ、ユリア泣いちゃうぞ)









ケンシロウ「こんなのしか買えなかった」

ユリア「えっ」

855 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:51:18.14 ID:gZQ1o44KO [23/27]
ジャギ「鞠ぃ~?」

トキ「ケンシロウ、お前という奴h」

ユリア「ケン!!」バッ

ケンシロウ「おわっ!?」

ユリア「ケン…最高のプレゼントだよ…!」ギュッ

ケンシロウ「ははは…」


ラオウ「どういう事だ?」

トキ「わからん」

ジャギ「二人にとって思い入れのある物なのか?」

857 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:54:45.02 ID:gZQ1o44KO [24/27]
ユリアへのプレゼント!

それは色鮮やかな鞠だった!


幼少期、心を閉ざしていたユリアの心を開いたケンシロウ!

その出会いのきっかけは鞠だったのだ!




ケンシロウ「なんだかガイアが鞠を買えと俺に囁いて」

ラオウ(偶然だ)

トキ(偶然だ、絶対)

ジャギ(ユリアには黙っておこ)

859 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 01:59:22.32 ID:gZQ1o44KO [25/27]
ユリア「ケンが鞠をくれたから、私の誕生日は鞠記念日だね!!」

ジャギ(それは言い過ぎ)

トキ(ユリアテンション上がりすぎ)

ラオウ(語呂が悪い)



こうして! ユリアとケンシロウの破局は免れた!

誕生日は奇跡的に大成功に終わり、再び北斗家に平穏が戻った!



ケンシロウ(来年も鞠買ってこよう)


終わり

869 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/05(日) 02:03:59.26 ID:gZQ1o44KO [26/27]
お付き合いいただきありがとうございました

長々と保守してもらって本当に申し訳ないです

思い付きで始めたのでスピードが遅く、不満だったでしょうがご勘弁下さい

では、本当にありがとうございました!

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)