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長門「デパートの下着売り場で涼宮ハルヒと会った」古泉「ほぅ…」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 03:10:45.14 ID:GjhOGqcf0 [1/26]
古泉 「そりゃたまにはそういう事もあるでしょうね。涼宮さんだってまさかノーブラノーパンで生活してる訳でもないでしょうし」

長門 「確かにそこまでアンユージュアルな場面ではない。しかし、その後が問題」

キョン「ほうほう、どんなアブノーマルな下着を手に取ってたんだヤツは。いくらアイツと言っても、女子高生が下着を手に取ってる場合、気にはなるぞ」

長門 「手に取ったのはごく普通のブラジャー。少しだけ高級な品だったかもしれない。しかし問題はそこには無い」

キョン「ん?まさか、上はブラなのに下はブリーフを選んだとか・・・」

長門 「持参していたそのデパートの紙袋に、そのブラジャーを入れて未清算のままデパートを出た」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 03:19:37.48 ID:GjhOGqcf0 [2/26]
キョン「・・・それはお前の見間違いだ、長門。」

長門 「どうして」

古泉 「・・・僕も彼と同意見です。涼宮さんに限ってそんな事はある筈が」

長門 「どうしてと聞いている」

キョン「・・・いや・・・上手く説明しきれないが・・・なんかそういうの、違うだろ。
    うらぶれた裏通りで人を殺した、だったらまだ想像に難くないが・・・」

古泉 「ねぇ。第一、涼宮さんが万引きする理由が全くないじゃないですか。」

長門 「・・・2人は、涼宮ハルヒが万引きをするのが現実にそぐわない、と」

キョン「万引きって・・・、メンタルが異常に弱いヤツか、リアル貧乏がやる事だろ
    ハルヒはどちらにも該当しないしな」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 03:29:48.86 ID:GjhOGqcf0
古泉 「だって考えてもみて下さい。涼宮さんはある意味、世界一精神状態を見極めやすい女性ですよ、僕らにとっては。
    万引きせずにはいられないような精神状態だったら、今頃神人が・・・」

長門 「確かにそう。それなら、もう一つの可能性の場合は」

キョン「もう一つ、って・・・ハルヒがガチ貧乏だって可能性か」

長門 「そう」

古泉 「・・・可能性としてはまだそっちの方が可能性が高いはずなんですが・・・頭の中に絵が浮かびません」

キョン「うーん・・・それだったらまだ精神的な理由の方が有力か・・・」

長門 「・・・不可解。なぜ涼宮ハルヒが下着も買えないほど貧乏である可能性がないと言い切れるのか」

キョン「・・・いや、それはない・・・だろ・・・。そこまでの貧乏人となると・・・」

古泉 「・・・・・・」

キョン「・・・古泉?」


古泉 「・・・そう言えば今思い出したんですが・・・合宿のお金、涼宮さんだけ未払い・・・」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 03:40:43.44 ID:GjhOGqcf0
キョン 「待て。頼む、待ってくれ」

長門  「どうして。貴方に涼宮ハルヒが極貧だと困る理由があるとは思えない」

キョン 「いや、それは間違いだぞ長門。少なくとも俺は困る。非常に困る」

古泉  「え?涼宮さんに借金か何か・・・」

キョン 「そういう事じゃない。決してそういう事ではないんだが・・・
     ・・・アイツは貧乏であってはいけない気がする!!」

長門  「理解できない」

キョン 「何故だ?何故理解できん!?ダメだろ!たとえ鶴屋さんや朝比奈さんの家が貧乏であってもまぁ理解はできる!
     ・・・鶴屋さん家は金持ちで確定してるが・・・
     だがハルヒの家だけは金持ちとまではいかなくても、平均以下じゃダメだろ!」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 03:49:26.91 ID:GjhOGqcf0
古泉 「まぁまぁ、そう興奮せずにお願いします。
    僕も、非常に想像しにくいなとは思っているんです。
    ただ、貴方のように何がどうあっても涼宮さんが貧乏なはずがない、とまではいきませんが」

キョン「いやいやいや、無い!絶対に無い!」

長門 「・・・非常に不可解。何故そこまで頑なに否定するの」

キョン「あのな長門、貧乏なヤツってのは絶対に人格に出るんだ。
    卑屈だったり、僻みっぽかったり・・・」

長門 「僻みっぽい部分は涼宮ハルヒにも多分に」

バアアァァァン!!!

キョン「そういう僻みっぽさじゃねえよ!!!!!!!」

古泉 「まぁまぁ」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 04:03:03.50 ID:GjhOGqcf0
長門 「・・・・・・(ジワッ)」

古泉 「全く、何してくれてるんですか。長門さんの目にあんなに涙が」

キョン「謝る気はない。だいたい、その紙袋に入れたのが長門の見間違いに決まってるんだ
    アイツの平素の行動ににムカつくのは解るが、同じ団員として団長に濡れ衣を着せるのはだな・・・」

長門 「・・・・どうして、貧乏であってはいけない・・・涼宮ハルヒが・・・(ポタポタ)」

古泉 「一種の願望ですよ、男の。
    キョン君の場合、もう妄想の中で涼宮さんの家での様子が固まってるんですよ」

長門 「・・・どういう事」

キョン「まず、アイツの家は確実にIHのコンロが完備してあるオープンキッチンだ」

長門 「いつ見たの」

キョン「行った事はない。ただ、そうに決まってるんだ
    ハルヒのおばさんは専業主婦だから、ハルヒが帰る頃には家でIHコンロでビーフシチュー作ってるんだ。」

長門 「だから、その光景をいつ見たの」

キョン「見た事はない。しかし、そうに決まってるんだ。
    レミパンでビーフシチューを作ってるんだ。これは鉄板だ」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 04:13:26.86 ID:GjhOGqcf0
キョン「そこらへんの枝葉の部分はどうでもいいんだ。俺でもその日によって設定を変えてる。」

長門 「設定って何」

キョン「ここが重要だぞ。ハルヒはおばさんの事を普段『ママ』と呼んでいる
    マジで機嫌が悪い時だけ『お母さん!!』だ。怒る時まで『ママ!』だと発音しにくいからな」

長門 「いつ聞いたの」

バチィィイイイイン!!!

古泉 「あんた何してくれてるんですか!」

キョン「だから、聞いた事はねえけどそうに決まってるっつってんだろうが!!お前こそ聞いてろよ人の話をよぉ!!!」

長門 「・・・・(ガクガクガクガク)」

キョン「・・・まぁいい、続けるぞ」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 04:28:30.86 ID:GjhOGqcf0
キョン 「ここで重要なのは、おばさんがどれほどの過失を犯したとしても決して『ババァ!』とはならない事だ。
     人間、怒ってる時こそそいつの品性が問われるからな。
     やっぱりそれくらいの育ちの良さがあるとは信じたい」

長門  「・・・・」

古泉  「・・・長門さん、解りましたか?
     結局は処女非処女の問題と根っ子は同じです。
     彼は涼宮さんに『証拠は何もないけど、そういう家庭環境であって欲しい』と思ってるんですよ。」

キョン 「まぁそうだな。結局は信用問題だ。
     男というヤツは・・・いや、女でもそうだろうが、
     一旦貧乏じゃないと信じ込んだ女が実は貧乏であるというのは・・・筆舌に尽くし難いほど辛い」

長門  「・・・そういう物なの。」

古泉  「人間とはそういう勝手な期待で動いているようなもんですよ」

キョン 「勝手な期待だからこそ裏切られると妙に腹が立ったりもするな」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 04:43:33.11 ID:GjhOGqcf0
古泉 「・・・それでは、『涼宮ハルヒ=実は貧乏説』の根拠を一つ一つ検証してみましょうか
    そうしたら、長門さんが見たのは何かの間違いであると証明できるかもしれません」

キョン「アンタッチャブルにしておいた方がいい気もするが、これもいい機会かもしれんな」

長門 「それでは論拠その1。ここが中堅クラスの公立高校である事。」

キョン「だが俺の家は貧乏という程ではないぞ。私立大の工学部には奨学金無しで入学させてもらえるレベルだ。
    よってそれはハルヒが貧乏である証拠にはならんな、はい論破」

長門 「それにしては涼宮ハルヒの成績は良すぎる。」

キョン「・・・何が言いたい?」

長門 「公立校でもトップ校ともなれば金持ちの子息が多い。
    涼宮ハルヒはそれを嫌って故意にランクを落としたのでは」

キョン「・・・・・」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 04:47:07.29 ID:GjhOGqcf0
すまん、完全に予定外だったからもう限界だ
もう寝る、残ってたら今夜書く

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 14:13:19.26 ID:GjhOGqcf0
キョン「い、いや待てよ。だいたいハルヒがこの高校に来た理由は・・・」

長門 「進学先のランクを落として、家族が何も言わない筈がない。
    家族にしてみれば、より少ないお金で、より良い学校に入って欲しいのだから。
    ジョン・スミス云々は、家族を説得するための詭弁、と取れなくもない」

古泉 「・・・まぁ、論拠その1では証明できないという事ですね。それじゃその2に行きましょうか」

長門 「それでは、部室のPCを機動させてみて欲しい。そのPC、最後に使用したのは涼宮ハルヒ」

キョン「立ち上げたぞ。しかしこれで一体・・・」

長門 「IEを開いて、Googleのツールバーの検索履歴を見てみてほしい」

キョン「どれどれ・・・。・・・・・・・・・・・・・」

古泉 「無料 マジコン ダウンロード 転売 複製 合法 ウイルス・・・」

キョン「・・・い、いや、これは単に興味を持っただけだろ・・・。マジコン厨許せん、とか・・・」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 14:26:04.93 ID:GjhOGqcf0
長門 「・・・代わって。それでは、昨日の分のkakikomi.txtを見てみればいい」

カタカタカタカタ・・・

古泉 「ええと・・・『購入厨は黙ってスレから出て行きなさいよ!』『ゲーム会社が1社や2社潰れたからどうだっていうのよ!』・・・」

キョン「・・・・落とすのはともかく、部室のPCでどういうスレに書き込んでるんだアイツは・・・」

長門 「もうこれで涼宮ハルヒの貧乏は確定、と言っても問題ない筈」

キョン「・・・待て、わかった。『ハルヒ自身が金を持ってない』事は認めよう。
    長門の見た万引きも事実だったんだろう。
    だが、だ。『ハルヒ本人が金を持ってないだけで、家は金持ち』かもしれないだろ!!」

古泉 「確かに、お金持ちの家は教育上の方針で子供にあまりお小遣いを持たせないとはよく聞きますよね」

キョン「だろ?きっと親御さんがそういう事だけには厳しい人なんだよ。
    下着も、きっとお母さんが買ってきたダサい奴しか持ってなくて、
    たまたまデパートお気に入りのブラを見つけたから・・・」

長門 「・・・どうやら、目を覚ますには第3の論拠が必要らしい」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 14:38:49.38 ID:GjhOGqcf0
キョン 「まだあるのか・・・。」

長門  「当然。古泉一樹、貴方が『涼宮ハルヒは貧乏なのか』という問題に一緒になって考えている事がそもそも不自然」

キョン 「そ、そうか!そうだよな!お前、『機関』はどうなってるんだよ!
     ハルヒの家庭の経済状況くらいは基本中の基本情報だろ!お前が何で俺達と一緒になって推察してるんだ!
     それに長門も!!」

古泉  「簡単ですよ。『機関』は涼宮さんの家の経済事情を知ってます。でも僕は知らない。それだけです」

長門  「私も同じ」

キョン 「何でだよ!!一番重視すべき点だろうが!!」

古泉  「・・・こうとだけは言われましたよ。『直接コンタクトを取っているお前は知らない方がいい、それ以外の必要な情報だけお前には知らせる』とだけ」

キョン 「それは・・・つまり・・・」

長門  「経済事情を知ると、同情を禁じ得ないほどに貧乏、だという事だと考えるのが自然」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 14:53:04.17 ID:GjhOGqcf0
バタン!!!

ハルヒ 「おはよー!って、またこの3人だけ?仲がいいのは結構だけど正直この構図見飽きてきたわ・・・」

キョン 「ハ・・・ハルヒ・・・」

ハルヒ 「な・・・何よ・・・その何とも形容し難い悲しい目は・・・」

ゴソゴソ・・・バン!!

キョン 「6000円ある。今日はコレぐらいしか持ち合わせがないが、笑納してくれ」

ハルヒ 「・・・え?」

キョン 「辛いだろうが1週間これで凌いでくれ、来週になれば俺も小遣いが入る、そしたらまた・・・」

ハルヒ 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!何よこのお金!!貰う理由がないじゃない!!受け取れるはずないでしょこんなの!!」

キョン 「・・・毎日俺のバカ面を見せられる迷惑料とでも考えてくれ」

ハルヒ 「そ、それは確かにイラッとはするけど・・・でも・・・え、いいの?貰っても・・・」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 15:30:54.93 ID:GjhOGqcf0
続きは深夜

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 20:31:00.79 ID:GjhOGqcf0
―――3日後

ハルヒ「・・・今日もキョンが来てない・・・」

みくる「どうしちゃったんでしょうね、キョン君・・・
    SOS団で一番アルバイトと縁遠そうな感じだったのに、いきなり3つもバイト掛け持ちで受けるなんて・・・」

古泉 「朝の新聞配達に、夕方はドカタと引っ越し屋ですか・・・若年過労死のギネス記録でも作る気なんですかね」

長門 「・・・理解不能」

古泉 「僕も、彼が貧乏な涼宮さんがそれほどイヤだとは思いませんでした」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 20:47:44.85 ID:GjhOGqcf0
みくる 「そんなにお金に困るような事、あったんでしょうか・・・」

ハルヒ 「(何なのよ・・・それだったら何で急に私に6000円なんて・・・)
     (SOS団の団費って事で、ロッカーにしまっておいてるからまだ使ってないけど・・・)
     (ホント意味全っ然わかんないじゃないのよ・・・バカキョン・・・)」

ガラッ

キョン 「・・・一昨日と昨日、無断で休んですまなかった。」

ハルヒ 「きょ、キョン!どうしたのよその肘!!」

キョン 「ん?ああこれか。ドカタやってる時に軽く事故ってな、4針ほど縫った
     やっぱ日頃体を鍛えてないと・・・」

ハルヒ 「・・・バカキョン!!何でそこまでして・・・」

キョン 「まぁいい。給料日はまだ先だが、この事故は俺の不注意が原因じゃないという事で保険とは別に見舞金貰えたんだ。
     ホラ5万。」

ポン

キョン 「じゃ、今からプレス工の助手のバイトの面接があるからこれで!!」

ハルヒ 「ちょ、ちょっと、こんな大金・・・」

キョン 「悪い、急ぐからまたな!!」

ダッ

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 21:02:12.95 ID:GjhOGqcf0
―――1ヶ月後

ガラッ

キョン「よ・・・ぉ・・・やっと給金が入ったぞ・・・・
    バイト6つ合計して・・・税金さっ引いて残った・・・389,000円・・・
    す・・・少ないけど・・・取っておいてく・・・れ・・・・」

ポン

古泉 「ぜ・・・全額ですか・・・?」

キョン「ああ・・・それと・・・親から渡された昼食代を、一ヶ月分倹約して貯めた31,000円と今月の小遣い10,000円も合計して、ちょうど43万・・・」

みくる「こ・・・これだけ働いて、その上お昼を一ヶ月ずっと抜いてたんですか!!?」

長門 「・・・どんな鬼嫁がいる夫でもここまでの倹約はしない・・・」

ハルヒ「・・・よく・・・よくわかったわ・・・
    これはある意味、私への復讐って訳ね・・・暴力を使わないでの・・・
    効いたわ・・・こんな辛い仕打ちって初めてよ・・・」

キョン「さぁ・・・早く家に持って帰ってくれ・・・」 

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 21:19:48.29 ID:GjhOGqcf0
ハルヒ 「思えば小学生の頃から、女子間の軽いイジメくらいは受けてたけど・・・
     そんなのは少しも気にならなかった・・・それなのに・・・
     こんな強烈な嫌がらせ・・・本当に・・・本当に初めてよ・・・」

キョン 「じゃあ・・・イルカ撲殺バイトの面接があるから・・・これから和歌山まで行って・・・」

古泉  「ちょ、ちょっと!何でそんな問題あるバイトばっかり受けるんですか!
     こないだもプレス工の仕事で左手の人差し指がもげる寸前だったんですよね!?」

キョン 「・・・へへ・・・人が嫌がる仕事ほど金がよく出るってのは鉄則だからな・・・」

ハルヒ 「ちょっと待って」

キョン 「・・・ん?」

ズサッ!!

みくる 「・・・!!!涼宮・・・さん・・・!?」

古泉  「まさか・・・」

長門  「土下・・・座・・・」

キョン 「ハルヒどうした!!!もしかしてひもじさに耐え切れずに拾い食い・・・!!?」

ハルヒ 「お願い・・・お願いだからもうやめて・・・もうやめて・・・」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 21:36:11.63 ID:GjhOGqcf0
ハルヒ 「貰う理由がないお金を受け取る事が・・・こんなに辛いなんて思いもしなかったわ・・・
     最初の6,000円でさえ気になって仕方なかったのに・・・」

キョン 「・・・みんな、この事は絶対に部外者には口外するなよ。
     頼むから顔を上げてくれ、ハルヒ。俺こそお前にそんな屈辱を与える理由がない」

ハルヒ 「あの6,000円も50,000円も一切手を付けずに取ってあるわ!だから、だから・・・」

キョン 「・・・そうか。薄々は感じていたが・・・そこまで俺が嫌いだったか」

ハルヒ 「あんたが嫌いとかそういう問題じゃなくて!!貰えないものは貰えな・・・」

キョン 「・・・汚い金は使いたくない、と。そういう事だろう?
     これでも、一切不法行為はせずに稼いだ金なんだが・・・お前にそう思われちゃお終いだ」

ハルヒ 「・・・・・・」

キョン 「わかった。お前がこの金を受け取らないなら、俺はSOS団を辞める。
     いる理由がなくなっちまうからな」

ハルヒ 「誰もそんな事言ってない・・・言ってないのに・・・言ってないのに・・・」

古泉  「ちょっと!何してくれてるんですか!!」

キョン 「黙ってろ。それでも受け取れないか?」

ハルヒ 「・・・・・・・」

キョン 「なら決まりだ。ちゃんと使うんだぞ、いいな?」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 21:53:47.39 ID:GjhOGqcf0
――――半年後

古泉 「最近はただ機械的に部室にお金を置いていくだけになりましたね、彼」

長門 「今まで彼が稼いだ金額・・・ト○タのマークXの最高クラスの新車が買えるくらいの額まで貯まってる」

古泉 「それよりも問題は・・・涼宮さんですよ」

長門 「あれだけ憔悴しきってるのに、神人が出ない。
    不快感を感じる等を遥かに通り越して、もはや何も考えられなくなる程に悩み切ってる」


みくる「あ、ちょっと涼宮さん!ダメですよぉ、ちゃんと白髪染めないと!私がやりますから!」

ハルヒ「・・・・・え、何・・・?」

みくる「ホラ、ちゃんと髪型も整えないと!10円ハゲ地帯が丸見えじゃないですか!!」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:08:20.25 ID:GjhOGqcf0
ハルヒ 「・・・・10円・・・?」

みくる 「はい?」

ハルヒ 「いやああああああああ!!いやぁ!!お金イヤ!!お金怖い!!!お金怖いぃいいいいいいいい!!」

みくる 「す・・・すいません涼宮さん!!ここに10円玉なんてありませんから!!」


古泉  「・・・もうちょっとで僕らもお役御免になりそうですね・・・。
     朝比奈さんは憐憫の情でああして涼宮さんを介護してあげてますけど。
     もう僕らがああなった涼宮さんのそばにいる理由はなくなりかけてますから」

長門  「・・・禁治産者ENDとは・・・何とも後味の悪い結末」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:18:33.08 ID:GjhOGqcf0
キョン 「よ・・・ぉ・・・」

古泉  「おや、噂をすれば。大丈夫ですか?目が完全に逝ってますが」

キョン 「大金・・・大金だぞぉハルヒ・・・たまたま受けた投薬バイトで・・・
     俺と同じ薬を投与された奴の中に死人が出てな・・・・
     口止め料として・・・ほら・・・この札束・・・へへへ・・・」

長門  「・・・これは凄い。ランクルの最高グレードの新車が2台買える」

古泉  「長門さん、なんでいちいちTOYO●A車で例えるんですか・・・、って、こんなもん涼宮さんに見せたら・・・」

キョン 「は・・・ハルヒ・・・こんなに痩せちまって・・・腕なんてまるで枯れ枝じゃねえか・・・これで・・・この金で中華でも・・・」


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:32:08.79 ID:GjhOGqcf0
ハルヒ 「あ・・・あ・・・いや・・・いやぁ・・・」

キョン 「ちゃんとおばさん達と一緒に・・・高級ホテルに泊まって夜景でも見ながらゆっくり静養を・・・
     大丈夫、これだけの金があれば3週間は軽く・・・」

ハルヒ 「いやぁぁああああああああああ!!!!!!!」


ガラッ


朝倉  「・・・長門さん・・・あなた、何をしたわけ!!!??」

長門  「・・・何事?」

朝倉  「何事って!!何で涼宮ハルヒが全世界の共産化を望むに至ったかって聞いてるのよ!!!」

古泉  「・・・・しまった・・・・!!」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:39:51.86 ID:GjhOGqcf0
テレビ 「・・・・ご覧下さい!!
     あの資本主義の象徴と謳われたウォール街に!今!高さ200mのマルクスの銅像が建立されようとしてます!」

長門  「迂闊だったとしか言いようがない・・・。」

古泉  「こりゃ、キョン君があれだけ死線をくぐり続けて稼いだお金も紙屑同然ですねぇ・・・」

みくる 「どうして・・・どうしてこんな事に・・・」

長門  「だから私はもう少しソフトな嘘にしようと言ったのに」

古泉  「はぁ・・・今日からだったタバコ値上げのニュースも完全に吹っ飛びましたね・・・。」

長門  「ちょうど今から半年前・・・」

古泉  「4月1日に僕達があんな嘘付いてなけりゃ・・・」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:43:27.87 ID:GjhOGqcf0 [26/26]
SSスレの乗っ取りとかマジでやめたほうがいいと思ったw

終わりだよwww最悪の終わり方だけどwwwwwwww

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