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唯「三浦茜…?」律「誰だそれ」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 09:50:44.53 ID:HJPzGbu10 [1/52]
自宅!
憂「あ、お姉ちゃん、おはよう。今日は早いんだね?まだ6時だけど…」
唯「ういおはよー。何かさー、夢で変な子が出てきて…」
憂「変な子…?あ、お姉ちゃん朝ご飯食べる?」
唯「うん、そうなんだよ。何かねー、軽音部のみんなでいる夢だったんだけどね。食べる食べるー」
憂「うん?」
唯「なんとっ!!私とりっちゃんと澪ちゃん、ムギちゃん、あずにゃんだけじゃなかったんだよ!!」
憂「へー…?」
自宅!
憂「あ、お姉ちゃん、おはよう。今日は早いんだね?まだ6時だけど…」
唯「ういおはよー。何かさー、夢で変な子が出てきて…」
憂「変な子…?あ、お姉ちゃん朝ご飯食べる?」
唯「うん、そうなんだよ。何かねー、軽音部のみんなでいる夢だったんだけどね。食べる食べるー」
憂「うん?」
唯「なんとっ!!私とりっちゃんと澪ちゃん、ムギちゃん、あずにゃんだけじゃなかったんだよ!!」
憂「へー…?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 09:52:56.92 ID:HJPzGbu10
唯「みんなでお茶して、部室で演奏して…名前も…。うーん~…」
憂「でも、軽音部って5人だけだよね?」
唯「うん。それは間違いないんだけど、その子が私たちと溶け込みすぎてて変な感じだったんだよね」
憂「変な感じ?」
唯「まるで、軽音部は6人が普通みたいなさ…」
憂「お姉ちゃん?」
唯「ごめんうい。やっぱり何でもないや、気にしないでっ!」
憂「?あ、うん。お姉ちゃんが良いならいいけど…」
憂は知らないみたいだけど、私はその子の名前も知っている。
いつもは起きたら断片的でしか記憶できていない夢だけど、妙に頭に残ってる。
確か名前は…
三浦 茜…?
唯「三浦…茜ちゃん…、知ってる気がする…。けど…」
また寝たら出てきてくれるかな。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 09:54:55.15 ID:HJPzGbu10
通学路!
和「あら唯、おはよう。今日は珍しく早いのね」
唯「おはよー和ちゃん。ムムー!失敬な!」クネクネ
憂「おはようございます。和さん。今日は何時もより早いんですね」
和「周りに誰もいないし敬語じゃなくていいわ。生徒会の仕事が少し残っててね…。もうすぐ文化祭だし、やる事が沢山あって」
憂「あはは、やっぱり大変なんだね」
和「私達には最後の文化祭だし、みんなに良い思い出残してあげたいしね。…って、唯どうしたの?」
唯「おーっとぉさすが和ちゃん!!わたしが悩んでいることに気づいたんだね!!?」クネクネ
和「そりゃ人差し指唇に当てて上半身クネクネさせてれば何かおかしいって思うわよ…」
唯「まぁそれは置いといて和ちゃん!!ちょっと聞きたいことがあるんだけど!」
和「何を置いとくのかわからないけど。何?」
唯「軽音部って何人いたっけ?」
和「………はぁ?」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:03:54.92 ID:HJPzGbu10
和「なるほどね。唯が昨日見た夢の中ではいつもの軽音部の5人以外にも、もう1人、別の人がいた…と」
唯「そーなんだよぉ。今でもすごーく覚えてるし…、いつもは夢見ても起きたら全然覚えてないから、何かヘンだなーって」
和「そうなんだ。それじゃ私、生徒会行くね」
唯「って、えー!??!ちょっと和ちゃん!もーちょっと考えてくれてもいいんじゃないかいぃ!というかまだ学校着いてないし!!!!通学路だし!!」
和「だって夢でしょ…それ。真剣に考えられる訳ないじゃない」
唯「和ちゃんのいけずぅ~…、これでもわたしは真剣なんですよ!」
和「そうなんだ。それじゃ私、生徒会行くね」
唯「2回目だよ!??!」
憂「(さすがに酷いような…)」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:06:13.87 ID:HJPzGbu10
教室!
律「おーっす唯」
唯「あ、りっちゃんっ!早いんだね今日は!」
律「お前もな。あたしは日直だったのと、ドラムちょいメンテしたかっただけ」
唯「ふーん…、ねぇりっちゃん」
律「あー?」
唯「軽音部…、放課後ティータイムってさ」
律「ん?」
唯「…何人いるっけ?」
律「……はぁ??」
唯「ですよね。やっぱりその反応ですよね」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:11:54.99 ID:HJPzGbu10
律「…なるほどな。6人目のHTTのメンバーか」
唯「おぉ!!和ちゃんとは違う反応だよ、りっちゃん!」
律「授業始まるぞ唯」
唯「」
律「1時間目は数学っと。そいや宿題やってねぇな…」
唯「りっちゃん酷いよ!!というかまだ30分以上時間あるよ!!教室にわたしとりっちゃんしかいないよ!!そして数学の宿題わたしもやってないよ!!!」
律「夢の中の話を真剣に考えろと言われても困るっつの…。宿題するか」
唯「はい」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:15:04.98 ID:HJPzGbu10
数分後!
澪「おはよ。2人とも」
紬「おはようー」
唯「あぁ!!澪ちゃんムギちゃん!!!ちょっと聞いてほしいことあるんだけど!!!」
澪「どうした突然?」
律「宿題見せてくれ」
澪「そんなことだろうと思った…」
紬「私友達に宿題写させてあげるのが夢だったの~」
唯「ぶー!!!」
その後、澪ちゃんとムギちゃんに夢の事を話してみたけど、見事にスルーされましたとさ。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:19:13.48 ID:HJPzGbu10
放課後!部室!
律「おう。…って唯だけか。そいや澪とムギはちょっと遅れるって言ってたっけな」
唯「ねぇりっちゃん。さっきの夢の話なんだけどぉ…」
律「うわ、まだそのネタ引っ張るのかよ」
唯「だっておかしいんだよ!!こんなにハッキリクッキリ覚えてるなんて!!」
律「はいはいわぁーったよ…。どうせ澪とムギはまだこなさそーだし」
律「で、ミウラアカネ…だっけか。あたしは聞いたこともないぞ。佐藤なら知ってるが」
唯「うーん…。私も実は昨日の夢までは知らなかったんだけどね」
律「その子の見た目とか覚えてんの?放課後ティータイムのメンバーってことはうちの学校の生徒なんだろ」
唯「!!!」
律「生徒じゃなければ唯の妄想確定だけどな」
唯「ぶー!りっちゃんてばまたそんなこと言う!!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:21:44.04 ID:HJPzGbu10
唯「…見た目はねー、んと、ポニーテールで凄く身長が高くて…、髪の毛がピンク色だったかな!」
律「ピンクて」
唯「胸がすっごいおっきかった気がするよ!!澪ちゃんよりも!」
律「ピンクて。髪の色がピンクて」
唯「あ、あと私はデビちゃんって呼んでた!!!」
律「ピンクでデビちゃんて」
唯「本当だってばぁ!!」
律「唯が真剣すぎるからちょっとは信じたいけどさぁ。さすがに髪の色がピンクの奴なんかうちの生徒で見たことないぜ」
唯「うむむ…」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:26:21.76 ID:HJPzGbu10
廊下!
梓「ねぇ憂…」
憂「なにー?梓ちゃん。もう放課後だけど軽音部はいいの?」
梓「あ、行くけど。ちょっと気になることがあって」
憂「気になること?」
梓「うん」
純「おーっとォ!?ついに春が!?春がきたのか!?」
梓「いたの純。あとうるさい」
純「はい」
憂「で、気になることって?梓ちゃん」
梓「三浦…茜…さんって知ってる?軽音部のはずなんだけど、6人目の…」
憂「え?」
純「誰?」
梓「…2年生のはずなんだ…。同じクラスのはずなんだ。転校生で…」
憂「うちのクラスにはそんな子はいない…よね?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:31:55.75 ID:HJPzGbu10
純「いないね。夢でも見てるんじゃないの?もう放課後だけど」
梓「うん、夢」
純「…へ?」
梓「もう何日も連続で夢で見るんだよね。三浦茜さんって人と一緒にいる夢」
純「ちょっとちょっと、夢で出てきた人が現実にいるわけないじゃ…」
梓「みんなに忘れてほしくないって、何かそう言われてるみたいなんだ」
梓「でもうちのクラスどころか、2年生でも三浦茜さんって人はいないみたいなんだよね」
憂「…あ。何かお姉ちゃんも朝にそんなこと言ってたような…?」
梓「唯先輩が…?」
憂「うん。偶然かもだけどね。6人で演奏してたって」
梓「…」
純「あ、梓?」
梓「ゴメン、部活行って来る!またね!」ダッシュッ
憂「?うん。また明日ねー」
純「何がなんだかわからない」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:37:28.19 ID:HJPzGbu10
部室!
澪「さて、お茶も軽く飲んだことだし練しゅ…、って梓がまだか」
律「アイスうめえ」
唯「……」
紬「…唯ちゃん?」
唯「ハッ!!!!!!!」
律「!ぶふぉっ、いきなり大声出すなよ!」
唯「りっちゃん!!凄い情報を思い出したよ!!!!」
律「へ?」
澪「唯また夢の話か…?」
唯「夢だけど!夢じゃなかった!」
紬「夢じゃなかったー」
唯「って違う!デビちゃん情報だよ!!」
律「はいはい…」
唯「なんとデビちゃん!公園で暮らしてるんだよ!!」
律「ここにきてホームレスかよ!!!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:44:38.94 ID:HJPzGbu10
澪「ゆ、唯…、いい加減にしてくれ」
唯「み、澪ちゃん」
澪「別に唯の夢の中の話を貶したいわけじゃないけど、それは夢で出てきた人物だろ?」
澪「確かに具体的に覚えてるのはちょっと不思議だけど、それに私達を巻き込まないでくれよ頼むから」
紬「あらあら」
唯「…うっ…ごめんね…、そうだよね」
律「(澪はピンク髪で高身長であだ名がデビちゃんだから、勝手に見た目想像して怖いと思ってるだけだなこれ)」
唯「よしっ!うん、夢の子は忘れることにするよ。今日は朝から今まで本当にごめんね、みんな!」
律「ほいよ」
「 「 「 待ってください!!! 」 」 」
パーン!
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:47:45.93 ID:HJPzGbu10
唯「あ、あずにゃーん!」
律「よう、遅かったな。今度からはメールして…」
梓「唯先輩が言っている夢の人…、私も知っています!」
澪「!!」ビクッ
唯「あずにゃん…?」
梓「三浦茜さん…ですよね。ピンク色の髪をした女の子…」
梓「身長が高くて、でも細くて、楽器は確か…」
唯「う、うん。でも…」
梓「私も夢で見ているんです…、何度も…」
唯「えっ」
律「は?お前…」
紬「あらあらまぁまぁ」
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない」
梓「夢の中で、確かに三浦茜さんと言う方は放課後ティータイムの一員でした。一緒にお茶して練習して…ライブもしました」
唯「あずにゃん…」
梓「おかしいと思いませんか!私と唯先輩が揃って同じ人が登場する夢…、しかも実際に存在していない人の夢を見ているなんて」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:59:32.51 ID:HJPzGbu10
唯「あずにゃん、デビちゃんが出てる夢見たの、一回じゃないんだよね?」
梓「…はい」
澪「おい2人ともいい加減にしろよ…、偶然だよ偶然」
梓「唯先輩が何回見ているのか知らないですけど。私はココ最近毎晩夢に登場してきます」
澪「ま、まいば…!?」ビクビクゥ
唯「私は昨日が初めてなんだよあずにゃん…、何とも不思議ですなぁ…」チラッ
紬「…りっちゃん」
律「ったくしょーがないなぁ…。」
澪「律っ!?」
唯「りっちゃんーっ!!」ダキッ!!
律「うわっと!!か、勘違いすんなよ。別に信じたわけじゃないからな!」
梓「律先輩っ…」
律「そこまで気にされてちゃ練習もまともにできないだろ、唯なんか今日の授業ほとんどボケっとしてたし」
唯「それはいつものことだよりっちゃんっ!!」
律澪「いばんな」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 11:05:16.01 ID:HJPzGbu10
……。
梓「夢で見た限りは2年生、しかも私と同じクラスだったような気がしたんですけど、三浦茜さんなんて方はいません…」
澪「ピ、ピンクの髪であだ名がデビちゃんだなんて…」
律「そこだよな。ポニーテールはともかく、ピンクに髪染めた奴なんて見たこともねーんだよなあ…」
唯「ピンク髪は地毛だよりっちゃん!!」
律「もっとねえよ」
みんなで色々話し合ってみたけど、結局この日は特に進展もないまま終わりました。
確かにピンクの髪してるなんて凄く目立つはずなのに、私を含めてみんな見たことないんだよねー…
やっぱりあずにゃんが言った通り実在しない人なのかな…
しかし次の日、まさかの出来事がっ!
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 11:16:08.98 ID:HJPzGbu10
通学路!
澪「おはよ、律」
律「……」
澪「?律」
律「……」
澪「お、おい聞いてr」
律「澪、おはよ」
澪「!な、なんだよ全く…」
律「ちょっと聞いてくれ。いや、聞き流してくれてもいい」
澪「な、なんだよ。それよりも今日の英語の宿題…」
律「三浦茜の夢みたわ…」
澪「えっ」
澪「えっ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:31:13.21 ID:HJPzGbu10
澪「い、いいいいいいいきなり何を言うんだ律っ!!?」
律「しょうがないだろ。出てきちまったんだからさ」
澪「わ、私を怖がらせようとしたって無駄だからな!!」
律「そんなつもりねーよ。それと三浦茜って奴、別に怖い奴じゃなかったぞ」
澪「ち、ちち違う!そういうことじゃないんだよ!」
律「じゃあなんだよ…ったく…」
律「あ…」
澪「今度はなんだ!?」
律「英語の宿題見せてくれ」
澪「…」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:33:20.78 ID:HJPzGbu10
教室!
唯「え…。りっちゃんも夢見たの?デビちゃんの」
律「あぁ。別に見たかなかったけどなっ」
唯「ぶー、そんなこと言ってぇ!」
澪「(なんだよ2人して…そんなにデビルちゃんが気になるのかよう…)」
律「デビルじゃねーから」
澪「思っていることに突っ込むなよっ」
唯「…ムギちゃん遅いね」
……。
紬「…唯ちゃん、りっちゃん」
唯「あ、ムギちゃんおはよ~」
律「おー、ムギ。今日は珍しく遅いな。遅刻ギリギリだぜ」
紬「私も見ちゃった」
唯「…えっ?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:40:06.13 ID:HJPzGbu10
澪「(な、何だって)」
律「見たって、三浦茜の夢を…か?」
紬「うんうん!!そうなの!演奏の途中で目が覚めちゃって、続きが見たくて二度寝してみちゃったの~」
律「おいおい…」
唯「デビちゃん、可愛かったでしょー??私も昨日の夢にまた出てきたんだよー」
紬「うんうん」
澪「(何で…私は昨日何の夢も見てないのに…)」
律「それにしても、いよいよ偶然とは思えなくなってきちゃったよな」
唯「今朝ういにも聞いてみたけど、ういは見てないみたい」
紬「何か楽しくなってきちゃったわねっ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:48:15.42 ID:HJPzGbu10
2年2組!教室!
梓「(今日は一緒にお昼ご飯食べてる夢を見てしまった…。そんなに仲がいいのかな私)」ボーッ
憂純「おはよう、梓(ちゃん)」
梓「おはよ、憂」
憂「梓ちゃん、また考え事してるね」
梓「うん…。どうしても気になっちゃって」
純「また夢で出てきた子の事考えてんの?もうすぐ文化祭だってのに余裕あるねー」
憂「今朝、お姉ちゃんからも言われたよ。デビちゃんの夢見たー!?って」
梓「あはは…」
純「デ、デビちゃん…?昨日の三浦って子とは別なの?」
梓「はぁ…」
憂「あ、そろそろ予鈴だ。席戻るね」
梓「うん、ごめんね、何か今は夢の事以外何も考えられなくて」
憂「うぅん、いいよいいよ。また後でね」
純「あれ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:56:51.73 ID:HJPzGbu10
ガララッ(教室のドアが開く音)
クラスメイトA「ねぇ今の子見た?凄い身長高かったね!」
クラスメイトB「髪の色ピンクだったよね。転校生??外国の人かな」
クラスメイトC「染めたにしては綺麗なピンク色だったよねぇ」
梓「(え?)」
梓「ちょ、ちょっと!!」ダンッ(席を立つ音)
クラスメイトA「わ!?」
梓「今言ってた!!!その!!そのピンクの子!!どこ!?」
クラスメイトB「あ、梓ちゃん?」
クラスメイトC「どしたの急に…」
梓「今言ってた子だよ!身長高くて、転校生かなって…!」
クラスメイトA「え?え?」
クラスメイトB「そんな子いた?」
梓「(ちょ…)」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:02:16.27 ID:HJPzGbu10
クラスメイトC「?そろそろ先生くるよー」
梓「そんなことは良いから!!その子どこにいるの!?」
クラスメイトA「その子ってどの子?」
梓「今言ってた身長高くて髪の色がピンク色で…」
クラスメイトB「そんな子いたっけ?ピンク?」
クラスメイトA「ちょっとよくわからないんだけど」
梓「え…あ…?(数秒前に貴女達自身で口にした単語でしょうがぁああ…っ)」
クラスメイトC「変な梓ー。」
クラスメイトB「何かあったの?」
梓「ご、ごめん。なんでもない」
憂「…梓ちゃん…」
純「ありゃ重症だわ…」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:09:46.58 ID:HJPzGbu10
放課後!部室!
梓「…と。言うことがあったんです」
律「いきなり、と。言うことがあったんです。とか言われてもわからないぞ」
梓「理解してください」
唯「つまり、どういうことなんだい!りっちゃん隊員!」
律「わかりません!!」
梓「…みんなの夢で登場した女の子が実際に存在する…だなんてことは」
律「ありえねーけどなそんなの」
紬「段々ファンタジーっぽくなってきたわ!こういうの好きよ!!」
唯「でもさぁ、あずにゃんが言ってた今朝のことがよくわからないよ」
梓「はい…、それは私もよく…」
梓「確かにクラスメイトの子達は、三浦茜さんの名前は直接出さなくとも、彼女の特徴を良く捉えた言葉を発していました」
梓「でも…」
唯「あずにゃんが話しかけた時には、もう覚えてなかったんだよねぇ」
梓「そこですよね…」
澪「(私だけその子の夢を見てないせいか話しに入れない)」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:16:38.07 ID:HJPzGbu10
紬「もしかしたら、もうすぐ…」ボソッ
律「どしたー?ムギ」
紬「んー。やっぱり何でもないっ」
唯「えぇーっ!それは酷すぎるよムギちゃん!」
紬「…まぁまぁ、お茶にしましょう?」
澪「お、おい練習はっ!?」
梓「はぁ…。頭いたい…」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:25:15.91 ID:HJPzGbu10
次の日!
2年2組!教室!
梓「(今日は一緒に買い物行ってる夢見ちゃったよ…)」
担任「えー。突然だけど転校生です」
「えっと…、は、初めまして。三浦 茜って言います…。宜しくお願いします」ヘコヘコ
梓「」
純「」
憂「…アレ?」
梓「こ、こここれは一体…」
担任「んー、急だったから席はまだ用意してないけど、一限目が始まるまでには用意するから、ちょっと待っててね」
茜「は、はい。わかりました」
梓「(夢で見た子とそのままだ…!名前も…声も…!)」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:35:29.50 ID:HJPzGbu10
授業前!
梓「あの…」
茜「あっ…」
梓「三浦…茜さん、だよね。私中野梓…」
茜「は、はいっ!よろしくお願…」
梓「よろしくね」ジー
茜「…はい」
梓「敬語じゃなくていいよ」
茜「は、う、うん」
梓「…」ジー
茜「…うっ…」
『……』
純「(何この空気…。クラスの人達が誰も近づけないっ!!そしてこの子デカ!!本当に高校2年生なのっ)」
憂「いきなり友達作れて、茜ちゃんも幸せだね」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:48:02.72 ID:HJPzGbu10
梓「一限目国語だけど、教科書あるよね?ノートも」
茜「う、うん。昨日教科書とか全部受け取ったから。ノートはメモ用紙でも使うよ。ありがとう梓さ…、梓」
梓「(メモ用紙?)…うん。何か困ったことあったら言ってね。それと…」
茜「…?」
梓「放課後時間ある…かな。案内したい所があって」
茜「放課後?う、うん。今日は草むしりのバイトないし、時間あるよ」
梓「(…草むしり)」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:03:45.49 ID:HJPzGbu10
放課後!部室!
梓「こんにちはー…」
律「お、梓良い所に。聞いてくれよ、ついに澪も三浦茜の夢見たってよ」
澪「ひぃいいいいいいいいいいいいっ!!!」
律「…たまに意味わかんないとこで悲鳴あげるよな澪」
唯「あずにゃん分補給ううううううううっ!!」ドタドタ!!抱きっ
梓「にゃぁあっ!?ゆ、唯先輩ちょっと!!今日はっ…」
唯「!…えっ」パッ
唯「あ、あずにゃんその子…!」
紬「今日はお客さんがいるのよね~」
律「へ?」
澪「お、お客…さん?」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:08:18.08 ID:HJPzGbu10
茜「どうもこんにちは~…」
律「」
澪「」ガクッ
紬「うふふ」
唯「デビちゃんじゃないかぁあああああああああああああっ!!!!!」抱きっ
茜「ひゃあああああぁあああっ!?!?な、なな、梓!?これはどういう…!?」
梓「あはは…」
唯「夢だけどおおぉぉ!夢じゃなかったぁああっ!」モッフモッフ
紬「夢じゃなかったー」
律「まじかよ。昨日見た夢のままじゃねえか……なぁ澪」
澪「」
律「あれ」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:17:26.37 ID:HJPzGbu10
律「と、言うわけで放課後ティータイムの6人目のメンバーが加入してくれた訳だが」
茜「えっ」
唯「夢の通りだね、りっちゃん!!」
律「まさか本当に転校してくるなんてなぁ。しかも夢の通りに2年生で、梓と同じクラス…」
紬「運命だとしか思えないわねっ」
梓「私も何だか嬉しくてつい…、クラスの誰よりも先に話しかけちゃいました」
茜「あの、皆さん?」
唯「同期が増えて良かったね!あずにゃんっ!」
梓「はいっ!」
茜「ちょっとあの…。話が見えないんですけど…」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:27:43.31 ID:HJPzGbu10
説明後!
茜「は、はぁ…皆さんの夢の中で私が…」
唯「そうなんだよデビちゃん!最初は私だけかと思ってたんだけど、あずにゃんは何度も見てるって言ってて!」
律「夢の中であたしらと一緒に演奏もしてたんだぜ?」
茜「え、えええ…演奏??」
紬「あらあら。うちは軽音部よ?」
茜「それは梓から聞きましたけど…、私演奏なんて」
紬「あらあら、そんなに難しい物じゃないわ?」
唯「そうだよ!私なんて高校入ってからギター始めたんだし!」フンス
梓「唯先輩はちょっと特殊な気がしますけど…」
澪「」
律「まだ気を失ってたのか」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:39:46.91 ID:HJPzGbu10
……。
茜「あのあの…唯センパ…イ?」
唯「んんんん!?なんだいデビちゃんっ!!」
茜「そのデビちゃんって言うのは何なんですか?」
唯「デビちゃんはデビちゃんなんだよっ!!」
茜「そ、そう言われても…。私そんな風に呼ばれたことないですし、名前にデもビもついてないんですけど」
梓「知らない方がいいこともあるよ茜…」
茜「あ、梓?」
律「(夢でデビちゃんのあだ名の由来話してた気がするけど、こりゃ言わない方がいいな)」
紬「あらあら」
澪「ムギさっきからそればっかだな」
紬「澪ちゃんに言われたくないもん!」
澪「…」
紬「…」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:52:48.36 ID:HJPzGbu10
梓「そういえば…楽器」
唯「デビちゃん、夢ではグルングルンしたラッパみたいなの吹いてたけど」
茜「ラ、ラッパ?」
律「あー、何ていったっけあれ。トランペット?」
紬「あれはユーフォニアムだわ。うちの学校にも吹奏楽部に置いてあるわね」
茜「あ…」
梓「随分珍しいの使ってましたよね」
梓「軽音のライブでユーフォニアムって何だよ…って、夢なのに突っ込み入れた気がします」
律「あー、確かに。ライブしてる時ちょっと浮いてたかもな」
茜「あ…あります」
唯「お?デビちゃん?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:55:25.70 ID:HJPzGbu10
唯「お?デビちゃん?」
茜「ユーフォニアム…。家に、ですけど、お父さんの形見でとってあります」
梓「お父さん亡くなってるんだ…」
律「何か…スマン」
茜「あ、生きてます。傭兵してて、死んだらコレを形見にでもしてくれガッハッハって言ってました」
澪「そ、それは形見とは言わない!!」
律「お。澪起きてたのか」
澪「おいバカ律。さっき喋ったぞ」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:07:20.21 ID:HJPzGbu10
茜「で、でも私、演奏はできないんです」
茜「ユーフォニアムも殆ど手をつけてませんし…困ったら質屋に入れるつもりだったし…」
律「いい機会だし、ちょっと触ってみたらどうだ?確かにうちのバンドと組み合わせにくい楽器ではあると思うけどさ」
紬「そうね…。面白いかもしれない。何より夢の中での私達はとっても楽しそうに演奏していたもの!」
唯「うんうん!いいよいいよUFOニアムー!!」
梓「違うものになってますよ唯先輩」
茜「で、でも…」
律「丁度もうすぐ文化祭だし、茜の初披露は文化祭のライブになりそうだな」
澪「ぶ、文化祭って…。ほとんど余裕ないぞ、もう」
唯「大丈夫!!デビちゃんならできーるっ!!私達がついてる!!」
梓「絶対根拠ないですよねそれ」
茜「(まだ転校初日なのに色々起きすぎて頭が…あぁ…)」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:17:21.49 ID:HJPzGbu10
……。
律「で、だ!」
唯「で、だね、りっちゃん!」
律「茜、軽音部の部長として真面目に聞きたい」
茜「は、はい」
律「夢の中の茜はあたしらの夢で出てきた茜だ。それは今あたしの目の前にいる茜じゃない」
茜「……」
律「ここまで勝手に入部したものとして扱っちゃってきたけどさ…。無理強いはしたくない」
律「楽しくやれなきゃしょうがないだろ?茜が嫌なら入部しなくてもいいぜ。他に希望してた部活があるなら尚更だ」
律「だからさ…、別にあたしらに同情する必要はない。正直に答えてほしい!」
茜「り、律先輩…」
茜「(何だかちょっとカッコ良く思えてきた…)」
律「あ、あたしらはさ、あまり上手くないけど…。でも絶対、部活は楽しいと思うから!」
茜「……」
律「軽音部に入ってくれないか?茜」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:30:25.83 ID:HJPzGbu10
唯「……」ドキドキ
梓「……」ドキドキ
紬「……」ドキドキ
律「……」ドキドキ
澪「」
律「何でだよ。この数分で澪に何があったんだよ何でボーっとしてんだよ。というかお前そんなキャラじゃないだろ」
澪「ちょ、ちょっと原点回帰をな」
紬「(澪ちゃんなりに場を和ませてるつもりなのかしら。でもそれは逆効果よ、ふふっ)」
茜「…クスッ」
律「ん?」
紬「(えっ)」
茜「私、軽音部に入ります。初心者の私にどこまでできるかわかりませんけど、先輩達と一緒にやってみたいです」
茜「梓もいるし…ね!」
茜「(売店も近いし…ね!)」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:41:48.27 ID:HJPzGbu10
梓「茜…」パァァ
唯「やったぁ!!!デビちゃん!すっごく嬉しいよぉー!!」抱きっ
茜「ゆ、唯先輩っ、恥ずかしいですって!」
澪「頑張ろうな、茜」
紬「(澪ちゃんに良いトコ取りされた気がするけど…、良かったわ)」
律「サンキューな、茜」
茜「い、いえこちらこそ誘ってもらって嬉しかったですっ、本当に」
律「へへ…。よーし、そうと決まれば…」
澪「おう、早速…」
唯律「ムギ(ちゃん)!お茶をたのもーっ!!!!」
紬「はいはーい♪」
澪「…お、おいなんでだ!流れ的に練習だろ」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:50:28.66 ID:HJPzGbu10
唯「だってこれが放課後ティータイムだしぃ?」
律「変に着飾ってもしょうがないって、な?澪」
澪「はぁ、全く…」
梓「仕方ないですね…。まぁどっちにしろ茜は楽器を家に置いてるらしいから今日は練習できないし…」
茜「明日絶対持ってくるよ!」
唯「うーん、座る場所は…、とりあえずあずにゃんの隣でいいねっ!ちょっと狭いけど!」
茜「あ、ありがとうございます」
律「みんなー!!ティーカップは持ったかー!?」
「それではーっ!新メンバーと新たなる放課後ティータイムの門出を祝してー!」
唯律紬茜「カンパーーーーーーーイッ!!!」
梓澪「かんぱーいっ」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 22:41:37.17 ID:HJPzGbu10
翌日!
2年2組 教室!
梓「おはよ、憂」
茜「あ、憂さんおはよう」
憂「2人ともおはようー。一緒に登校?」
梓「ううん。校門前で偶然」
茜「憂さんは、確か唯先輩の妹なんだっけ?本当そっくりだよね」
憂「うんうん。あ、茜ちゃん。私のことは憂でいいよ~、さん付けはくすぐったいからっ」
茜「了解ですっ」
茜「(いいなぁ、2人とも小さくて。私なんてデカイしデビちゃんだし…)」
純「おはよ~!…って」
純「(なんだこれすっかり打ち解けてる)」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 22:58:52.48 ID:HJPzGbu10
純「ねぇねぇ!茜ってどこに住んでるのー?」
梓「痛っ!痛いっ!こらモップっ!!背中に乗るなっ」
茜「あ、えっと…、確か」
純「純って呼んでねっ!」
梓「どさくさに紛れて入ってきて、もう…」
憂「純ちゃんおはようー」
純「おはよ憂っ!転校生を2人占めしないでよねー!」
梓「別にそういう訳じゃ…」
茜「あはっ、純だね。覚えた!」
憂「(ちょっと大きいけど茜ちゃんも私達と変わらないや。うんうん良かった良かった)」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 23:07:07.41 ID:HJPzGbu10
……。
純「で、さっきの話なんだけど」
茜「うん?」
純「茜ってどの辺りに住んでるの?やっぱり学校から近い感じ?」
梓「……」
茜「んー、徒歩5kmくらいかな」
純「」
憂「と、徒歩5km…?それって…」
茜「軽いウォーキングだと思えばなんともないっ!」
純「せめて自転車に乗ろうか茜…、罰ゲームじゃあるまいし」
茜「じ、自転車なんてそんな高級なもの乗れないよ!!?」
純「…自転車って高級なの?憂」
憂「ど、どうだろう。ピンキリだとは思うけどね…」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 23:18:54.42 ID:HJPzGbu10
授業中!
茜「(メモ帳もタダじゃないんだし、黒板の字は隅の方から細かく…!)」カキカキ
梓「(茜…。やっぱり夢の通りなんだね…。家も…)」
ポキッ!
茜「(しまったぁあ!!シャー芯が!!シャー芯が3mmほど折れたっ!!勿体無いっ)」
梓「(茜の住んでる所は公園で…。茜の部屋はすべり台で…)」
茜「(消しゴムのカスって30回は固めて使いまわせる)」
梓「(考えてみたらちょっとだけ夢のままだった方が良かったかな、なんて思ったり。茜にとっては…)」
茜「(お腹すいた。寝よう)」グデー
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 23:28:59.08 ID:HJPzGbu10
梓「(!寝た、転校2日目にして居眠りしたよ茜!!)」
茜「(お昼ご飯はどうしよ…。今いくら残ってたっけ…)」zZZ
梓「(さすがにいきなり寝るのは不味いよ…。純じゃあるまいし)」消しゴムのカスくねくね
純「(…何かかなり失礼なことを誰かに考えられた気がする)」
梓「ちぇいっ!(食らえっ!消しカス砲弾っ!)」消しカス投げ
ポコッ
茜「(あ痛っ!!な、何っ?)」キョロキョロ
茜「(…あ、消しカスだ。ラッキー)」
梓「はぁ…」グデー
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 23:43:23.42 ID:HJPzGbu10
放課後!部室!
紬「今日はミルフィーユよ~!」
唯「ムギちゃんよくやりました!!二階級特進です!!」グッ
律「戦死でもしたのかムギは」
唯「デヘヘ。そのくらい嬉しかったということで」
澪「た、食べたらすぐ練習だからな」モグモグ
茜「……」ジー
紬「あらあら?」
梓「あ、茜…?」
茜「あじゅ…あじゅさ…コレ…コレ…」
紬「ごめんなさい。お口に合わなかった?」
茜「い、いえ、その…あの…」ポロポロ…
梓「(泣いた!?)」
茜「食べても…いいんだよね…いいんだよねぇえ…」ダラダラ
梓「(ヨダレヨダレ!)」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:06:35.85 ID:Q0goLhTh0 [1/34]
紬「今日は1つ多く持ってきてるからおかわりもあるわ。遠慮せず食べていいのよ~」
茜「頂きますっ!」ばくばく
律「(1つ多くって、それさわちゃんの分じゃ…。ま、いっか)」
唯「あははっ!デビちゃん変なの~」
茜「メルフェーユうまぁあぁぁっ!」ばくばく
梓「(そういえば茜お昼の時間見かけなかったけど、どこ行ってたんだろう)」
澪「茜!食べ終わったら練習だぞ!練習!今日はお前を特訓するんだっ!」
茜「」モグモグ
律「おぉぉぅっ!?スパルタだね澪先生!?」
澪「当たり前だ!!文化祭まで全然余裕ないって昨日も言ったろ!」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:13:40.52 ID:Q0goLhTh0 [2/34]
練習!
澪「茜、ユーフォニアムを見せてくれないか」
茜「あ、はいっ」ガサゴソ
キラーン!!
唯「おぉぉ!これがUFOニアム!!神々しい!神々しいよっ!!」
律「そ、そうか…?」
紬「茜ちゃん。ちょっと見せてもらってもいい?」
茜「はい」
紬「(本当にほとんど使ってなかったみたいね…。ちょっと錆びてないかしら)」
紬「(…あら全く錆びてない。それどころか…)」
律「なぁ澪。ユーフォニアムなんてわかんのか?」
澪「もちろん!インターネッツで調べたからな!」
律「ネッツってお前…」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:21:08.30 ID:Q0goLhTh0 [3/34]
……。
茜「ブフォォオオ!!!フォオオオオ!フーッ!!」
フォオオオオオオオオ!!ブオオオオオオオ!!
グオオオオオオオオ!!ピーヒュルー!!
澪「」
律「おい」
梓「これは…」
唯「新たなハーモニーを感じるよ」
紬「茜ちゃん顔真っ赤だわうふふ」
茜「ヒュルルルー!!!ヒュr……ぼぇッゴホッアフっ!!」
シーン。
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:35:47.38 ID:Q0goLhTh0 [4/34]
茜「…ご、ごめんなさい」ゼェゼェ
紬「吹奏楽部いこっか。茜ちゃん…。基礎的なことだけでも教えてもらいにいきましょう」
茜「はい…」
澪「茜、その…なんて言ったらいいか」
茜「は、はい澪先輩」
澪「知識だけじゃどうにもならないこともあるんだ。な?」
茜「!はい」
律「いやその台詞は良いとしてもお前が言うのは間違ってる」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:54:21.44 ID:Q0goLhTh0 [5/34]
文化祭まであとちょっと!
3年2組教室!
和「ふーん…。この前話してた夢の子が本当に転校してきたと」
唯「そうなんだよ和ちゃん!もう奇跡だよ!っていうかミラクルだよ~!」
和「あ、そう…突っ込まないからね」
律「ムギ、茜の調子はどうなんだ?最近ずっとお茶した後は吹奏楽部行ってるけど」
紬「りっちゃん。うーん…」
澪「あれから一週間か」
紬「どうにか演奏っぽくはなってきたと思うし、楽譜も理解できるようにはなってきたけど…」
律「あたしらと合わせるのはまだ無理、か?」
紬「そうね…残念だけど。家じゃ近所迷惑になるから練習できないみたいで」
唯「和ちゃん!茜ちゃんすごいんだよ!すっごい力持ちなの!昨日なんてりっちゃんのドラムセット一人で!」
和「そうなんだ。それじゃいい加減私、生徒会行くね」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 01:10:15.35 ID:Q0goLhTh0 [6/34]
2年2組!体育の時間!
体育教師「今日は本来はサッカーの授業でしたが、昨日雨が降ってしまったため、グラウンドがぐっちゃぐちゃなので」
「室内で何となくドッジボールをやります」
純「ドッジボールて」グダー
梓「ドッジボールって…」グデー
憂「わー、小学生の時やった以来かもっ!」
茜「ドッジボール…」キラキラ
体育教師「そうね。3人1組になって、適当に回して頂戴。一番勝てたチームだけ報告してくれたらいいわ」
「本来やる種目じゃないからそこまで評価つけられないけど、ちょっと成績におまけくらいしたげる」
梓「成績におまけ…。純ごめん」
茜「わ?左手とられたっ」
憂「純ちゃんごめんね」
茜「今度は右手っ」
純「3人1組って聞いた時点で予想通りすぎて嬉しいよ」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 01:17:51.92 ID:Q0goLhTh0 [7/34]
ヒュオォオン!!!
ボコッ!!
純「痛ッツァ!!!?!?」
生徒達「………」
シーン。
茜「あ、ごめんね。顔面はセーフだっけ」
クラスメイトA「先生、三浦さんのチームが優勝でいいです」
体育教師「まだ5分経ってないわよ!?」
憂「…純ちゃん痛そうだったね…梓ちゃん…」
梓「…これで良かったんだよ。これで…」
純「ちくしょー…っ」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 01:28:59.19 ID:Q0goLhTh0 [8/34]
お昼休憩!
純「もー!今日の体育はホンット最悪だった!!」ヒリヒリ
憂「純ちゃん平気だった?…ってまだお鼻の頭赤くなってるね…」モグモグ
梓「たまには痛い目受けてもらわないとね」モグモグ
茜「ごめんね純…。顔面はダメだったよね」
純「顔面以外でもあの速度はないけどね」モグモグ
憂「って…茜ちゃん。お昼ご飯は?」
茜「あ。えーっと、今日は何だかお腹空いてなくて」
梓「体育の授業終わった時にお腹空いたーって両手上げてたけど」
茜「そ、そうだったかなー…?なんて」
梓「(茜…、やっぱり…)」
純「食べないと午後の授業持たないぞうー?」
茜「うーん…、そうだね…。じゃあちょっと買ってくるよ」ガタッ
純「いってらっふぁーい」モゴモゴ
梓「口に食べ物含みながら喋らないのっ!」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 12:59:28.44 ID:Q0goLhTh0 [11/34]
数分後!
梓「(茜戻ってこないな…)」
純「それで澪先輩のベースと同じのがさー」モグモグ
憂「うんうん」モグモグ
梓「ちょっとトイレ行ってくる」ガタッ
憂「うん」
純「ご飯食べ始める前に行けばいーのにぃ」
梓「今したくなったの!」
部室!
茜「(さて…どうしよっかな。売店の廃棄もらうのはちょっと早い気がするし…)」ボー
茜「(制服姿で草探すのもおかしいよね…)」
茜「(…そういえば…)」トコトコ
トンちゃん「ブクブク…」
茜「……」ジュル
茜「これ食べれるよね。モドキとは言えスッポンだし」
トンちゃん「」ビクッ
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:11:00.35 ID:Q0goLhTh0 [12/34]
茜「(なーんてね…。さすがに私もそこまで落ちてないよ…)」
ガサッ
茜「(これは…。トンちゃんの餌!)」
ガサガサッ
茜「(!頂きます)」ボリボリ
茜「(……)」ボリボリ
茜「(何とも…げろしゃぶ気味な風味とお煎餅を食べているかのような食感…案外いけるかも)」
ガチャッ(部室のドアが開く音
梓「茜…何してるの」
茜「あ」
シーン…
茜「…食べる?」ボリボリ
梓「馬鹿っ!!」ゴチンッ!
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:17:26.68 ID:Q0goLhTh0 [13/34]
茜「痛たた…、痛いよ梓。カメの餌食べても別に死んだりしないから大丈夫だって」
梓「死ぬ死なないじゃない!トンちゃんのご飯を食べるだなんて有り得ない!」
茜「でもお腹が…」
梓「お財布」
茜「あう!?」
梓「お財布出して」
茜「」
チャリンチャリーン。コロコロ…
梓「に、26円…」
茜「デヘヘ。照れちゃいますなぁ」
梓「唯先輩を真似たつもりなのかもしれないけど全然似てないからね」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:27:01.44 ID:Q0goLhTh0 [14/34]
茜「仕方ないでしょぉ…お金全然ないんだ…。バイト代をご飯に回す余裕ないんだよ…」
梓「そんなに困ってたならもっと早く言ってよね…」
茜「だって友達にお金借りるなんてできないし…」グスグス
梓「お金に困ってるのはもうとっくに知ってるからさ。私だけじゃなくて軽音部のみんなも、憂も純も」
茜「うぅ…」
梓「もっと頼ってくれていいよ。お金に関してはその…限界があるけど」
茜「あじゅさぁ…」ウルウル
梓「な、泣かないでったらー!!」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:34:41.74 ID:Q0goLhTh0 [15/34]
放課後!部室!
どうもこんにちは。中野 梓です。
新たなメンバーである三浦 茜(通称デビちゃん)が放課後にティータイムに
加入してから早くも1ヶ月が過ぎました。
当初は夢の中の人が実際に現れた!と言うことと、茜の強烈なキャラクターから日常に些細な変化がありましたが、
それも今となっては懐かしい記憶です。
もちろん驚かされてしまうこともありました。
1回や2回だけではなくて何度も何度も。
でもクラスの子たちも、1ヶ月も経てば「これが茜なんだ」と
納得してくれたのでしょう。
最近は茜も放課後ティータイムにもすっかり溶け込めてきて、まるで初めから
放課後ティータイムは6人で活動してきたのではないか、と思わせてしまうほどです。
技術や知識は私に言わせればまだまだですけどね。
ドタバタしつつも過ぎ去った1ヶ月でしたが、文化祭まであと3日となってしまいました。
いつものメンバーでの練習もさることながら
茜は今の所全員と演奏を合わせたことは数回しかありません。
先輩達は劇もあるようですし…、お互いの予定が合わないのが現状だと思います。
けど茜がいてくれたおかげで部室で1人、何てことはなかったし、良かったかな。
あ、ごめんトンちゃんもいたね。3人だね。
紬「梓ちゃん。ちょっといいかな」
梓「あ、はい」
でも、そんな日常がもうすぐ終りだなんて
茜が現れる前と、現れて放課後ティータイムに加入してからの変化。
そしてムギ先輩の言葉で、気づかなくて良い事まで気づかされてしまうなんて。
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:42:31.50 ID:Q0goLhTh0 [16/34]
紬「気づいているのかな。梓ちゃんは」
その表情に若干の疑問を抱きながら、腰を据えて話を聞く態勢をとります。
もちろん実際にやってる訳ではなくて、精神的なことです。
だって何だかムギ先輩が普通じゃない気がしたから。
梓「何を…ですか?」
普通じゃない気がしたと言っても、ムギ先輩は笑顔だ。
それが私の不安を逆に沸き立てていることは、ムギ先輩には言ってはいけない。
紬「茜ちゃんがお父様に形見でもらったっていうユーフォニアム」
紬「新品その物だったわ。錆びどころか指紋すら殆どついてない。まるで買ったばかりのような」
梓「……何が言いたいんですか」
唇に持っていこうとしていたティーカップを止めてムギ先輩にそう返す。
でもこの先は聞いちゃいけない。そんな気がした。
紬「茜ちゃんは実際は存在していない人だって言う事。今は誰かの意志で存在しているだけであって」
どうして突然そんな事を言うのか。
何故それを、あえて部室に私とムギ先輩しかいない時を狙って言ってきたのか。
その言葉を発した後も、ムギ先輩は笑顔を続けていました。
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:53:37.99 ID:Q0goLhTh0 [17/34]
紬「この世界に亀裂…のようなものが走ってきている気がするの。
紬「元々、茜ちゃんはこの世界に存在していない人だから、壊れかかっているのかもしれないわね」
ムギ先輩はティータイムをしているままの、軽い感じ、それでいて優雅な感じで言いました。
梓「…何を言って」
茜のことがあってから、非現実的な事、いつもは軽く流してしまうようなファンタジー世界でしか見られないような現象を
少しは考えるようになってきていた私。
結局は有り得ない事。で終わらせてしまうけれど、茜はその有り得ない事をして私達の前に現れた。
『みんなの夢に現れる』。
こんなの昔の私なら絶対信じられないと思うし…。
だからかもしれないけれど、ムギ先輩の言葉を軽く流す、なんて今の私にはできませんでした。
紬「壊れかかっていると言っても、ドカーンって、爆発するようなものじゃないわよ?」
紬「ただ、茜ちゃんがいなくなった世界、いない事が普通だった私達の世界になる」
紬「元に戻る…って言うべきかしら」
元に戻る…って何だろう。
今は茜がいるのが普通なのに。
梓「茜がいなくなったら、みんな悲しみます。元に戻るなんて無理ですよ」
ちょっと笑みを含めながら返してみる。
別に変なことを考えてはいないけど、残酷な事を平然と言ってのけているムギ先輩に対してのささやかな仕返しのつもり。
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:02:27.65 ID:Q0goLhTh0 [18/34]
紬「多分、だけど。記憶もなくなるんじゃないかしらね。今までの茜ちゃんとの記憶はなくなって…」
紬「茜ちゃんが現れてからの1ヵ月は、初めから茜ちゃんがいなかったことにして記憶に残る…とか」
まだ笑っている。
何で笑っているんですかムギ先輩。
自分でどれだけ酷い事を言っているのか、わかっていないんですか?
紬「気づいてないみたいだから言うけど」
紬「梓ちゃん。茜ちゃんが現れる前と、現れた後で、変わった所。あるわよね」
茜が転校してきてから変わったこと何ていくらでもある。
茜がきてから楽しくなったし、憂と純と茜とお泊りとかして
きっと一人だったはずの部室で、茜と一緒に練習したりして
ムギ先輩の言っていることはまだ信じられない。
けど、けど…。
梓「…夢に…茜が出てこなくなりました」
紬「えぇ。梓ちゃんだけじゃなくて、みんなそうでしょうね」
ムギ先輩が言いたいことはつまり。
茜は夢の登場人物…
ということなのだろう。
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:14:11.68 ID:Q0goLhTh0 [19/34]
紬「これはみんなの夢なのよ。だからいずれ目が覚めちゃうわよね」
梓「……」
紬「目が覚めたら、きっと茜ちゃんの記憶はなくなってる。朝ご飯を食べて、支度をして…いつも通りの日常が始まる」
紬「初めからおかしいと思っていたの…」
紬「外観だけではなくて、まるで誰かが適当に考えたキャラクターみたいな茜ちゃんの設定に」
やめてください…ムギ先輩。
それ以上言ったら私、先輩に対して世間一般的に良くないことをしてしまうかもしれないです。
梓「ひとつ聞いていいですか。何でそんな事わかるんですか」
私は無表情だけど怒りを込めてムギ先輩に問うてみる。
無表情なのは、ムギ先輩が実際には悪くないからだ。
先輩はただ私に説明してくれているだけ。
紬「それはね」
そう言うと人差し指をそっと唇にあてて
紬「私、ファンタジー好きだから~」
梓「……はぁ」
結局ムギ先輩は夢の中でもムギ先輩だった。
何だか気が抜けちゃった。
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:24:25.37 ID:Q0goLhTh0 [20/34]
次の日!
2年2組教室!
梓「……」ボー
これが夢ならいつ覚めるのだろうか。
考えてみたら、夢の中で寝て、夢の中で夢を見るなんて本当よく出来てる。
茜「おはよー梓っ!!いやー、今日は快晴快晴ぇー!」
茜「これで朝バッタと遭遇しなければ今日は本当に良い1日を過ごせたと思うのになー」
昨日、ムギ先輩にこんなことも聞いてみていた。
『この世界が夢だって。茜に伝えたらどうなるんでしょうか』
その問いにムギ先輩はこう答えている。
『うーん…。そうね。目が覚めちゃうとかあるかもしれないけど…でも』
『面白そうね』
そう言ったムギ先輩はうふふと笑っていた。
もうこの人は夢の中であることを最初から自覚していて、最初から楽しんでいたとも思える。
『あ、話すなら茜ちゃんだけにしてね。せっかく夢の中なのにみんなにここは夢だー!何て伝えるのは可哀想だし』
いつもより少しだけ小さな声でそう言った後、
ムギ先輩は茜が練習している吹奏楽部を見に行くと言って部室から出ていった。
梓「(悩んでるのは私だけ…かぁ)」
茜「梓?どうしたの?お弁当もらうよ?」
梓「ダ、ダメ!!」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:37:12.92 ID:Q0goLhTh0 [21/34]
……。
茜にここは夢だって事を伝えるべきなのだろうか…
ムギ先輩はあぁ言ってたけれど、私は放課後ティータイムのみんなに伝える事も考えていた。
やっぱり私だけで悩むのは嫌だったし…
唯先輩だけなら大丈夫かな、とかも。
けれど。
茜「明後日文化祭…だね」
梓「(あ…)」
純「そう!!文化祭!!文化祭なんだよー!!!」ウォー
憂「純ちゃんそんな大声出さなくても聞こえてるから…」
文化祭…。
茜がみんなに演奏を初披露する場となる放課後ティータイムのライブ。
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:44:41.09 ID:Q0goLhTh0 [22/34]
茜「私の演奏絶対聞きにきてよね2人ともっ」エッヘン
憂「うんうん絶対見に行くよ!」
憂「(メインはお姉ちゃんだけど)」
純「ジャズ研のにもきてよねー?」
茜「勿論っ!」
梓「暇だったらね」
純「なんだとこのーっ」キャッキャアハハ
できるならば、茜と…、放課後ティータイム6人でライブをしたい。
それまでは目は覚めないでほしい。
だから茜にも、みんなにもそれまでは何も伝えないでおこう。
そんな結論に至ったのだった。
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:48:29.89 ID:Q0goLhTh0 [23/34]
放課後!部室!
律「はーっ!!ムギぃお茶!」
唯「喉かわいたよムギちゃーん!」
紬「はいはい♪」
何度か合わせて演奏して、一段落した後再び席につく。
外はもう真っ暗だ。
律先輩は今日は泊まり込みで特訓するぞっ!なんて言っていたけど…
澪「中々いい感じになったよな。茜」
律「だなーっ!最初はユーフォニアムだし、茜も初心者だしでちょっと不安だったけど」
唯「もう私なんかより放課後ティータイムになくてはならない存在になってきたよねりっちゃん!」
律「おう」
唯「否定して。そこは否定して」
茜「エヘヘ、何か照れちゃいます…」
紬「うふふ」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:56:21.97 ID:Q0goLhTh0 [24/34]
そう、これが放課後ティータイムなんだ。
1人かけてもいけないんだ。
文化祭のライブは絶対成功させて…!それで…。
でもなんだろうこの不安は…。
茜「どうかしたの?梓」
梓「え…?」
律「そいやさっきから黙ってるなー」
澪「何かあったのか?」
紬「紅茶じゃなくてジュースでも出すー?」
唯「あずにゃん最近私に抱きついてもらえてないから落ち込んでるんだね!?」
梓「ち、違います!!それだけは絶対ないです!!」
梓「何でもないんです。ちょっと…緊張しちゃって」
茜「そんな事言って、唯先輩に抱かれてもらってる時いつも顔真っ赤にしてるよー?」
唯「やっぱりぃやっぱりぃ?」デヘヘ
梓「そ、それは恥ずかしいから!…あの私ちょっとトイレ行って来ますね!」ダッシュッ
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:10:56.73 ID:Q0goLhTh0 [25/34]
女子トイレ!
梓「はーっ、いよいよ明日か」
茜「あーずさっ!」抱きっ
梓「にゃぁっ!!?って茜!?」
茜「えへへー、驚いた?唯先輩っぽくやってみたっ」デヘヘ
梓「も、もう…」
茜自身は自分が消えるなんて事、この世界が夢なんて事、当然わかってはいないんだ。
今は文化祭のライブのことを、ライブだけのことを考えよう。
そしたらみんなに言うんだ。そこでやっと荷が降りる。
この世界は夢なんだって…、茜は夢の中の登場人物なんだって。みんなに言うことができれば。
だからそれまでは…
梓「…茜」
茜「んー?」
梓「文化祭のライブ。絶対成功させようね」
ゆっくり、丁寧に、はっきりと、精一杯の笑顔を作って言った。
当然、茜はそれに答えてくれる。
茜「もっちろんっ!」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:16:08.77 ID:Q0goLhTh0 [26/34]
文化祭!
唯先輩達の劇も無事に終わり、いよいよ私達のライブが始まる。
茜にとっては初めてのライブ。さわ子先生が作ってくれたHTTシャツを着こなしていそいそとセッティングをする。
いよいよだ。
律「うっしっ!本番だぜみんな!!」
澪「う、うん…」
唯「やる気が湧き出てくるよっ!今なら何でもできる気がするよ!」フンス
紬「うふふ、楽しく演奏できるといいわね」
梓「はい!」
茜「梓、それと先輩方…」
律「おー?茜、緊張か?ここまできたら緊張を武器にしろっ!」
唯「大丈夫だよデビちゃん!私達頑張って練習したもん…!」
みんながセッティングしつつ話している中、茜も声を出す。
でも、あれ…何か様子が…ヘン…。
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:23:02.82 ID:Q0goLhTh0 [27/34]
茜、どうしたの?ほら、早くセッティングしなきゃ。幕上がっちゃう。
茜「本当にありがとうございました…。私、楽しい経験できて良かったことです」
何を言っているの。楽しいのはこれからだよ。
茜「1ヶ月前に私は生まれて、不安だらけで学校に行きました」
あれ、声が出ない、なんでだろう。困るなこれからライブなのに。
茜「自己紹介が終わってすぐに梓に話しかけられて、放課後に軽音部の皆さんの所に案内してもらって」
ま、ボーカルじゃないしいいかな…ってダメか。
茜「あはは。皆さんから夢の中で私に会ったって聞いた時、もう私は気づいてたんです」
あれ、私だけじゃないや、唯先輩や律先輩たちも、口をパクパクさせてるのに声が出てない。
茜「でも、楽しかったぁ…。最後に憂と純に直接言えないのはちょっと心残りかな?」アハハ
困るよそんなんじゃ…、茜の
茜「皆さん。本当にありがとう。ライブできないのは惜しいけど、これ以上寝てたら学校、遅刻しちゃいます」
最初で最後のライブなのに…
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:30:12.65 ID:Q0goLhTh0 [28/34]
みんなが光に包まれていく。
私は頭の中で叫んでいた。
唯先輩も律先輩も澪先輩もムギ先輩も、みんな泣きながら口をパクパクさせていた。
梓「嘘…、嘘だよこんなの…。これからみんなで…茜と…ライブを…」
でも茜だけは、真っ白に包まれて消えていく中で、最後まで笑顔だった。
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:36:26.61 ID:Q0goLhTh0 [29/34]
えぴろーぐ!
梓「うぅーーん…っ、朝かぁ」
ベッドから見える位置にある近場の時計を見ると
針は午前7時30分を指していた。
いつもよりちょっと遅い。
梓「目覚まし鳴らなかったのかな…」
目覚まし時計の電源はONになっていた。
でも倒れてしまっている。
梓「これだから10分で勝手に鳴り止む目覚ましは…」
何てブツブツ言いながら起き上がる。
仕方なく何時もより駆け足で支度をして、朝ご飯を食べずに家を出た。
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:41:44.78 ID:Q0goLhTh0 [30/34]
学校!
梓「(あ…)」
そういえば楽譜部室に忘れてきたんだっけ。
朝ご飯食べなかったから余裕あるし、ちょっと取りにいこうかな。
そう思った私は、職員室に部室の鍵を借りにいく。
さわ子「あら?さっき唯ちゃんがきて…」
梓「は、はぁ、そうですか」
唯先輩が朝から部室に行くだなんて、珍しい事もあるなあ。
私と同じで忘れ物取りに行ってるだけだったりして…
でも何となく嬉しくなって、私はちょっと早歩きで部室に向かう。
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:48:56.12 ID:Q0goLhTh0 [31/34]
部室!
梓「おはようございまー……え?」
扉を開けると、そこにいたのは鍵を借りた唯先輩だけじゃなかった。
しかも何だか今来たばかりみたいな雰囲気だ。
律「おーっす」
澪「なんだ。梓まできたのか…」
唯「みんな揃って部室に忘れ物ー??」
紬「何かおかしいわねうふふ…、ってあら?」
ムギ先輩がいつもティータイムで私達が使っている机に目を止めた。
私も見る。唯先輩、律先輩、澪先輩もムギ先輩に釣られて、机に目を向ける。
そこには楽器があった。傷一つついてない新品同様の楽器が。
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:55:38.82 ID:Q0goLhTh0 [32/34]
唯「なにこれ、ラッパ?」
律「あー、なんていったっけ。トランペット?」
それはとても軽音部とはかけ離れたものだったけど。
唯「あ。思い出したよ、楽器名」
唯先輩の一言で、全員が不思議と目を合わせる。
すると何故か、1つの楽器名が頭の中に浮かぶ。
律「あー?あたしも思い出したわ」
澪「不思議だな。私もだ」
紬「あらあら、じゃあみんなで一斉に答えてみましょうか」
唯「おぉおぅ!面白そうだねムギちゃん!」
そして、口に出す。
律「じゃあ、せーのっ!!」
「 「 「 ユーフォニアム! 」 」 」
おわり。
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:58:07.54 ID:Q0goLhTh0 [33/34]
夢だけど夢じゃなかった!
終わりです。久しぶりに長く書いた。
そして何か良いシーン作りたかったのに誤字ってた死にたい
実は最初は茜を出すつもりなかった
やっぱり俺らが作ったキャラだし、普通に原作キャラと絡ませちゃったらなんか違うかなって思った
無理やり参加させておいて、結局夢オチでスマンコ。
支援保守サンキュ
また別キャラの話でも書いたらよろしく
唯「みんなでお茶して、部室で演奏して…名前も…。うーん~…」
憂「でも、軽音部って5人だけだよね?」
唯「うん。それは間違いないんだけど、その子が私たちと溶け込みすぎてて変な感じだったんだよね」
憂「変な感じ?」
唯「まるで、軽音部は6人が普通みたいなさ…」
憂「お姉ちゃん?」
唯「ごめんうい。やっぱり何でもないや、気にしないでっ!」
憂「?あ、うん。お姉ちゃんが良いならいいけど…」
憂は知らないみたいだけど、私はその子の名前も知っている。
いつもは起きたら断片的でしか記憶できていない夢だけど、妙に頭に残ってる。
確か名前は…
三浦 茜…?
唯「三浦…茜ちゃん…、知ってる気がする…。けど…」
また寝たら出てきてくれるかな。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 09:54:55.15 ID:HJPzGbu10
通学路!
和「あら唯、おはよう。今日は珍しく早いのね」
唯「おはよー和ちゃん。ムムー!失敬な!」クネクネ
憂「おはようございます。和さん。今日は何時もより早いんですね」
和「周りに誰もいないし敬語じゃなくていいわ。生徒会の仕事が少し残っててね…。もうすぐ文化祭だし、やる事が沢山あって」
憂「あはは、やっぱり大変なんだね」
和「私達には最後の文化祭だし、みんなに良い思い出残してあげたいしね。…って、唯どうしたの?」
唯「おーっとぉさすが和ちゃん!!わたしが悩んでいることに気づいたんだね!!?」クネクネ
和「そりゃ人差し指唇に当てて上半身クネクネさせてれば何かおかしいって思うわよ…」
唯「まぁそれは置いといて和ちゃん!!ちょっと聞きたいことがあるんだけど!」
和「何を置いとくのかわからないけど。何?」
唯「軽音部って何人いたっけ?」
和「………はぁ?」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:03:54.92 ID:HJPzGbu10
和「なるほどね。唯が昨日見た夢の中ではいつもの軽音部の5人以外にも、もう1人、別の人がいた…と」
唯「そーなんだよぉ。今でもすごーく覚えてるし…、いつもは夢見ても起きたら全然覚えてないから、何かヘンだなーって」
和「そうなんだ。それじゃ私、生徒会行くね」
唯「って、えー!??!ちょっと和ちゃん!もーちょっと考えてくれてもいいんじゃないかいぃ!というかまだ学校着いてないし!!!!通学路だし!!」
和「だって夢でしょ…それ。真剣に考えられる訳ないじゃない」
唯「和ちゃんのいけずぅ~…、これでもわたしは真剣なんですよ!」
和「そうなんだ。それじゃ私、生徒会行くね」
唯「2回目だよ!??!」
憂「(さすがに酷いような…)」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:06:13.87 ID:HJPzGbu10
教室!
律「おーっす唯」
唯「あ、りっちゃんっ!早いんだね今日は!」
律「お前もな。あたしは日直だったのと、ドラムちょいメンテしたかっただけ」
唯「ふーん…、ねぇりっちゃん」
律「あー?」
唯「軽音部…、放課後ティータイムってさ」
律「ん?」
唯「…何人いるっけ?」
律「……はぁ??」
唯「ですよね。やっぱりその反応ですよね」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:11:54.99 ID:HJPzGbu10
律「…なるほどな。6人目のHTTのメンバーか」
唯「おぉ!!和ちゃんとは違う反応だよ、りっちゃん!」
律「授業始まるぞ唯」
唯「」
律「1時間目は数学っと。そいや宿題やってねぇな…」
唯「りっちゃん酷いよ!!というかまだ30分以上時間あるよ!!教室にわたしとりっちゃんしかいないよ!!そして数学の宿題わたしもやってないよ!!!」
律「夢の中の話を真剣に考えろと言われても困るっつの…。宿題するか」
唯「はい」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:15:04.98 ID:HJPzGbu10
数分後!
澪「おはよ。2人とも」
紬「おはようー」
唯「あぁ!!澪ちゃんムギちゃん!!!ちょっと聞いてほしいことあるんだけど!!!」
澪「どうした突然?」
律「宿題見せてくれ」
澪「そんなことだろうと思った…」
紬「私友達に宿題写させてあげるのが夢だったの~」
唯「ぶー!!!」
その後、澪ちゃんとムギちゃんに夢の事を話してみたけど、見事にスルーされましたとさ。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:19:13.48 ID:HJPzGbu10
放課後!部室!
律「おう。…って唯だけか。そいや澪とムギはちょっと遅れるって言ってたっけな」
唯「ねぇりっちゃん。さっきの夢の話なんだけどぉ…」
律「うわ、まだそのネタ引っ張るのかよ」
唯「だっておかしいんだよ!!こんなにハッキリクッキリ覚えてるなんて!!」
律「はいはいわぁーったよ…。どうせ澪とムギはまだこなさそーだし」
律「で、ミウラアカネ…だっけか。あたしは聞いたこともないぞ。佐藤なら知ってるが」
唯「うーん…。私も実は昨日の夢までは知らなかったんだけどね」
律「その子の見た目とか覚えてんの?放課後ティータイムのメンバーってことはうちの学校の生徒なんだろ」
唯「!!!」
律「生徒じゃなければ唯の妄想確定だけどな」
唯「ぶー!りっちゃんてばまたそんなこと言う!!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:21:44.04 ID:HJPzGbu10
唯「…見た目はねー、んと、ポニーテールで凄く身長が高くて…、髪の毛がピンク色だったかな!」
律「ピンクて」
唯「胸がすっごいおっきかった気がするよ!!澪ちゃんよりも!」
律「ピンクて。髪の色がピンクて」
唯「あ、あと私はデビちゃんって呼んでた!!!」
律「ピンクでデビちゃんて」
唯「本当だってばぁ!!」
律「唯が真剣すぎるからちょっとは信じたいけどさぁ。さすがに髪の色がピンクの奴なんかうちの生徒で見たことないぜ」
唯「うむむ…」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:26:21.76 ID:HJPzGbu10
廊下!
梓「ねぇ憂…」
憂「なにー?梓ちゃん。もう放課後だけど軽音部はいいの?」
梓「あ、行くけど。ちょっと気になることがあって」
憂「気になること?」
梓「うん」
純「おーっとォ!?ついに春が!?春がきたのか!?」
梓「いたの純。あとうるさい」
純「はい」
憂「で、気になることって?梓ちゃん」
梓「三浦…茜…さんって知ってる?軽音部のはずなんだけど、6人目の…」
憂「え?」
純「誰?」
梓「…2年生のはずなんだ…。同じクラスのはずなんだ。転校生で…」
憂「うちのクラスにはそんな子はいない…よね?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:31:55.75 ID:HJPzGbu10
純「いないね。夢でも見てるんじゃないの?もう放課後だけど」
梓「うん、夢」
純「…へ?」
梓「もう何日も連続で夢で見るんだよね。三浦茜さんって人と一緒にいる夢」
純「ちょっとちょっと、夢で出てきた人が現実にいるわけないじゃ…」
梓「みんなに忘れてほしくないって、何かそう言われてるみたいなんだ」
梓「でもうちのクラスどころか、2年生でも三浦茜さんって人はいないみたいなんだよね」
憂「…あ。何かお姉ちゃんも朝にそんなこと言ってたような…?」
梓「唯先輩が…?」
憂「うん。偶然かもだけどね。6人で演奏してたって」
梓「…」
純「あ、梓?」
梓「ゴメン、部活行って来る!またね!」ダッシュッ
憂「?うん。また明日ねー」
純「何がなんだかわからない」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:37:28.19 ID:HJPzGbu10
部室!
澪「さて、お茶も軽く飲んだことだし練しゅ…、って梓がまだか」
律「アイスうめえ」
唯「……」
紬「…唯ちゃん?」
唯「ハッ!!!!!!!」
律「!ぶふぉっ、いきなり大声出すなよ!」
唯「りっちゃん!!凄い情報を思い出したよ!!!!」
律「へ?」
澪「唯また夢の話か…?」
唯「夢だけど!夢じゃなかった!」
紬「夢じゃなかったー」
唯「って違う!デビちゃん情報だよ!!」
律「はいはい…」
唯「なんとデビちゃん!公園で暮らしてるんだよ!!」
律「ここにきてホームレスかよ!!!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:44:38.94 ID:HJPzGbu10
澪「ゆ、唯…、いい加減にしてくれ」
唯「み、澪ちゃん」
澪「別に唯の夢の中の話を貶したいわけじゃないけど、それは夢で出てきた人物だろ?」
澪「確かに具体的に覚えてるのはちょっと不思議だけど、それに私達を巻き込まないでくれよ頼むから」
紬「あらあら」
唯「…うっ…ごめんね…、そうだよね」
律「(澪はピンク髪で高身長であだ名がデビちゃんだから、勝手に見た目想像して怖いと思ってるだけだなこれ)」
唯「よしっ!うん、夢の子は忘れることにするよ。今日は朝から今まで本当にごめんね、みんな!」
律「ほいよ」
「 「 「 待ってください!!! 」 」 」
パーン!
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:47:45.93 ID:HJPzGbu10
唯「あ、あずにゃーん!」
律「よう、遅かったな。今度からはメールして…」
梓「唯先輩が言っている夢の人…、私も知っています!」
澪「!!」ビクッ
唯「あずにゃん…?」
梓「三浦茜さん…ですよね。ピンク色の髪をした女の子…」
梓「身長が高くて、でも細くて、楽器は確か…」
唯「う、うん。でも…」
梓「私も夢で見ているんです…、何度も…」
唯「えっ」
律「は?お前…」
紬「あらあらまぁまぁ」
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない」
梓「夢の中で、確かに三浦茜さんと言う方は放課後ティータイムの一員でした。一緒にお茶して練習して…ライブもしました」
唯「あずにゃん…」
梓「おかしいと思いませんか!私と唯先輩が揃って同じ人が登場する夢…、しかも実際に存在していない人の夢を見ているなんて」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 10:59:32.51 ID:HJPzGbu10
唯「あずにゃん、デビちゃんが出てる夢見たの、一回じゃないんだよね?」
梓「…はい」
澪「おい2人ともいい加減にしろよ…、偶然だよ偶然」
梓「唯先輩が何回見ているのか知らないですけど。私はココ最近毎晩夢に登場してきます」
澪「ま、まいば…!?」ビクビクゥ
唯「私は昨日が初めてなんだよあずにゃん…、何とも不思議ですなぁ…」チラッ
紬「…りっちゃん」
律「ったくしょーがないなぁ…。」
澪「律っ!?」
唯「りっちゃんーっ!!」ダキッ!!
律「うわっと!!か、勘違いすんなよ。別に信じたわけじゃないからな!」
梓「律先輩っ…」
律「そこまで気にされてちゃ練習もまともにできないだろ、唯なんか今日の授業ほとんどボケっとしてたし」
唯「それはいつものことだよりっちゃんっ!!」
律澪「いばんな」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 11:05:16.01 ID:HJPzGbu10
……。
梓「夢で見た限りは2年生、しかも私と同じクラスだったような気がしたんですけど、三浦茜さんなんて方はいません…」
澪「ピ、ピンクの髪であだ名がデビちゃんだなんて…」
律「そこだよな。ポニーテールはともかく、ピンクに髪染めた奴なんて見たこともねーんだよなあ…」
唯「ピンク髪は地毛だよりっちゃん!!」
律「もっとねえよ」
みんなで色々話し合ってみたけど、結局この日は特に進展もないまま終わりました。
確かにピンクの髪してるなんて凄く目立つはずなのに、私を含めてみんな見たことないんだよねー…
やっぱりあずにゃんが言った通り実在しない人なのかな…
しかし次の日、まさかの出来事がっ!
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 11:16:08.98 ID:HJPzGbu10
通学路!
澪「おはよ、律」
律「……」
澪「?律」
律「……」
澪「お、おい聞いてr」
律「澪、おはよ」
澪「!な、なんだよ全く…」
律「ちょっと聞いてくれ。いや、聞き流してくれてもいい」
澪「な、なんだよ。それよりも今日の英語の宿題…」
律「三浦茜の夢みたわ…」
澪「えっ」
澪「えっ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:31:13.21 ID:HJPzGbu10
澪「い、いいいいいいいきなり何を言うんだ律っ!!?」
律「しょうがないだろ。出てきちまったんだからさ」
澪「わ、私を怖がらせようとしたって無駄だからな!!」
律「そんなつもりねーよ。それと三浦茜って奴、別に怖い奴じゃなかったぞ」
澪「ち、ちち違う!そういうことじゃないんだよ!」
律「じゃあなんだよ…ったく…」
律「あ…」
澪「今度はなんだ!?」
律「英語の宿題見せてくれ」
澪「…」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:33:20.78 ID:HJPzGbu10
教室!
唯「え…。りっちゃんも夢見たの?デビちゃんの」
律「あぁ。別に見たかなかったけどなっ」
唯「ぶー、そんなこと言ってぇ!」
澪「(なんだよ2人して…そんなにデビルちゃんが気になるのかよう…)」
律「デビルじゃねーから」
澪「思っていることに突っ込むなよっ」
唯「…ムギちゃん遅いね」
……。
紬「…唯ちゃん、りっちゃん」
唯「あ、ムギちゃんおはよ~」
律「おー、ムギ。今日は珍しく遅いな。遅刻ギリギリだぜ」
紬「私も見ちゃった」
唯「…えっ?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:40:06.13 ID:HJPzGbu10
澪「(な、何だって)」
律「見たって、三浦茜の夢を…か?」
紬「うんうん!!そうなの!演奏の途中で目が覚めちゃって、続きが見たくて二度寝してみちゃったの~」
律「おいおい…」
唯「デビちゃん、可愛かったでしょー??私も昨日の夢にまた出てきたんだよー」
紬「うんうん」
澪「(何で…私は昨日何の夢も見てないのに…)」
律「それにしても、いよいよ偶然とは思えなくなってきちゃったよな」
唯「今朝ういにも聞いてみたけど、ういは見てないみたい」
紬「何か楽しくなってきちゃったわねっ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:48:15.42 ID:HJPzGbu10
2年2組!教室!
梓「(今日は一緒にお昼ご飯食べてる夢を見てしまった…。そんなに仲がいいのかな私)」ボーッ
憂純「おはよう、梓(ちゃん)」
梓「おはよ、憂」
憂「梓ちゃん、また考え事してるね」
梓「うん…。どうしても気になっちゃって」
純「また夢で出てきた子の事考えてんの?もうすぐ文化祭だってのに余裕あるねー」
憂「今朝、お姉ちゃんからも言われたよ。デビちゃんの夢見たー!?って」
梓「あはは…」
純「デ、デビちゃん…?昨日の三浦って子とは別なの?」
梓「はぁ…」
憂「あ、そろそろ予鈴だ。席戻るね」
梓「うん、ごめんね、何か今は夢の事以外何も考えられなくて」
憂「うぅん、いいよいいよ。また後でね」
純「あれ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 15:56:51.73 ID:HJPzGbu10
ガララッ(教室のドアが開く音)
クラスメイトA「ねぇ今の子見た?凄い身長高かったね!」
クラスメイトB「髪の色ピンクだったよね。転校生??外国の人かな」
クラスメイトC「染めたにしては綺麗なピンク色だったよねぇ」
梓「(え?)」
梓「ちょ、ちょっと!!」ダンッ(席を立つ音)
クラスメイトA「わ!?」
梓「今言ってた!!!その!!そのピンクの子!!どこ!?」
クラスメイトB「あ、梓ちゃん?」
クラスメイトC「どしたの急に…」
梓「今言ってた子だよ!身長高くて、転校生かなって…!」
クラスメイトA「え?え?」
クラスメイトB「そんな子いた?」
梓「(ちょ…)」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:02:16.27 ID:HJPzGbu10
クラスメイトC「?そろそろ先生くるよー」
梓「そんなことは良いから!!その子どこにいるの!?」
クラスメイトA「その子ってどの子?」
梓「今言ってた身長高くて髪の色がピンク色で…」
クラスメイトB「そんな子いたっけ?ピンク?」
クラスメイトA「ちょっとよくわからないんだけど」
梓「え…あ…?(数秒前に貴女達自身で口にした単語でしょうがぁああ…っ)」
クラスメイトC「変な梓ー。」
クラスメイトB「何かあったの?」
梓「ご、ごめん。なんでもない」
憂「…梓ちゃん…」
純「ありゃ重症だわ…」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:09:46.58 ID:HJPzGbu10
放課後!部室!
梓「…と。言うことがあったんです」
律「いきなり、と。言うことがあったんです。とか言われてもわからないぞ」
梓「理解してください」
唯「つまり、どういうことなんだい!りっちゃん隊員!」
律「わかりません!!」
梓「…みんなの夢で登場した女の子が実際に存在する…だなんてことは」
律「ありえねーけどなそんなの」
紬「段々ファンタジーっぽくなってきたわ!こういうの好きよ!!」
唯「でもさぁ、あずにゃんが言ってた今朝のことがよくわからないよ」
梓「はい…、それは私もよく…」
梓「確かにクラスメイトの子達は、三浦茜さんの名前は直接出さなくとも、彼女の特徴を良く捉えた言葉を発していました」
梓「でも…」
唯「あずにゃんが話しかけた時には、もう覚えてなかったんだよねぇ」
梓「そこですよね…」
澪「(私だけその子の夢を見てないせいか話しに入れない)」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:16:38.07 ID:HJPzGbu10
紬「もしかしたら、もうすぐ…」ボソッ
律「どしたー?ムギ」
紬「んー。やっぱり何でもないっ」
唯「えぇーっ!それは酷すぎるよムギちゃん!」
紬「…まぁまぁ、お茶にしましょう?」
澪「お、おい練習はっ!?」
梓「はぁ…。頭いたい…」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:25:15.91 ID:HJPzGbu10
次の日!
2年2組!教室!
梓「(今日は一緒に買い物行ってる夢見ちゃったよ…)」
担任「えー。突然だけど転校生です」
「えっと…、は、初めまして。三浦 茜って言います…。宜しくお願いします」ヘコヘコ
梓「」
純「」
憂「…アレ?」
梓「こ、こここれは一体…」
担任「んー、急だったから席はまだ用意してないけど、一限目が始まるまでには用意するから、ちょっと待っててね」
茜「は、はい。わかりました」
梓「(夢で見た子とそのままだ…!名前も…声も…!)」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:35:29.50 ID:HJPzGbu10
授業前!
梓「あの…」
茜「あっ…」
梓「三浦…茜さん、だよね。私中野梓…」
茜「は、はいっ!よろしくお願…」
梓「よろしくね」ジー
茜「…はい」
梓「敬語じゃなくていいよ」
茜「は、う、うん」
梓「…」ジー
茜「…うっ…」
『……』
純「(何この空気…。クラスの人達が誰も近づけないっ!!そしてこの子デカ!!本当に高校2年生なのっ)」
憂「いきなり友達作れて、茜ちゃんも幸せだね」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 16:48:02.72 ID:HJPzGbu10
梓「一限目国語だけど、教科書あるよね?ノートも」
茜「う、うん。昨日教科書とか全部受け取ったから。ノートはメモ用紙でも使うよ。ありがとう梓さ…、梓」
梓「(メモ用紙?)…うん。何か困ったことあったら言ってね。それと…」
茜「…?」
梓「放課後時間ある…かな。案内したい所があって」
茜「放課後?う、うん。今日は草むしりのバイトないし、時間あるよ」
梓「(…草むしり)」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:03:45.49 ID:HJPzGbu10
放課後!部室!
梓「こんにちはー…」
律「お、梓良い所に。聞いてくれよ、ついに澪も三浦茜の夢見たってよ」
澪「ひぃいいいいいいいいいいいいっ!!!」
律「…たまに意味わかんないとこで悲鳴あげるよな澪」
唯「あずにゃん分補給ううううううううっ!!」ドタドタ!!抱きっ
梓「にゃぁあっ!?ゆ、唯先輩ちょっと!!今日はっ…」
唯「!…えっ」パッ
唯「あ、あずにゃんその子…!」
紬「今日はお客さんがいるのよね~」
律「へ?」
澪「お、お客…さん?」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:08:18.08 ID:HJPzGbu10
茜「どうもこんにちは~…」
律「」
澪「」ガクッ
紬「うふふ」
唯「デビちゃんじゃないかぁあああああああああああああっ!!!!!」抱きっ
茜「ひゃあああああぁあああっ!?!?な、なな、梓!?これはどういう…!?」
梓「あはは…」
唯「夢だけどおおぉぉ!夢じゃなかったぁああっ!」モッフモッフ
紬「夢じゃなかったー」
律「まじかよ。昨日見た夢のままじゃねえか……なぁ澪」
澪「」
律「あれ」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:17:26.37 ID:HJPzGbu10
律「と、言うわけで放課後ティータイムの6人目のメンバーが加入してくれた訳だが」
茜「えっ」
唯「夢の通りだね、りっちゃん!!」
律「まさか本当に転校してくるなんてなぁ。しかも夢の通りに2年生で、梓と同じクラス…」
紬「運命だとしか思えないわねっ」
梓「私も何だか嬉しくてつい…、クラスの誰よりも先に話しかけちゃいました」
茜「あの、皆さん?」
唯「同期が増えて良かったね!あずにゃんっ!」
梓「はいっ!」
茜「ちょっとあの…。話が見えないんですけど…」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:27:43.31 ID:HJPzGbu10
説明後!
茜「は、はぁ…皆さんの夢の中で私が…」
唯「そうなんだよデビちゃん!最初は私だけかと思ってたんだけど、あずにゃんは何度も見てるって言ってて!」
律「夢の中であたしらと一緒に演奏もしてたんだぜ?」
茜「え、えええ…演奏??」
紬「あらあら。うちは軽音部よ?」
茜「それは梓から聞きましたけど…、私演奏なんて」
紬「あらあら、そんなに難しい物じゃないわ?」
唯「そうだよ!私なんて高校入ってからギター始めたんだし!」フンス
梓「唯先輩はちょっと特殊な気がしますけど…」
澪「」
律「まだ気を失ってたのか」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:39:46.91 ID:HJPzGbu10
……。
茜「あのあの…唯センパ…イ?」
唯「んんんん!?なんだいデビちゃんっ!!」
茜「そのデビちゃんって言うのは何なんですか?」
唯「デビちゃんはデビちゃんなんだよっ!!」
茜「そ、そう言われても…。私そんな風に呼ばれたことないですし、名前にデもビもついてないんですけど」
梓「知らない方がいいこともあるよ茜…」
茜「あ、梓?」
律「(夢でデビちゃんのあだ名の由来話してた気がするけど、こりゃ言わない方がいいな)」
紬「あらあら」
澪「ムギさっきからそればっかだな」
紬「澪ちゃんに言われたくないもん!」
澪「…」
紬「…」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:52:48.36 ID:HJPzGbu10
梓「そういえば…楽器」
唯「デビちゃん、夢ではグルングルンしたラッパみたいなの吹いてたけど」
茜「ラ、ラッパ?」
律「あー、何ていったっけあれ。トランペット?」
紬「あれはユーフォニアムだわ。うちの学校にも吹奏楽部に置いてあるわね」
茜「あ…」
梓「随分珍しいの使ってましたよね」
梓「軽音のライブでユーフォニアムって何だよ…って、夢なのに突っ込み入れた気がします」
律「あー、確かに。ライブしてる時ちょっと浮いてたかもな」
茜「あ…あります」
唯「お?デビちゃん?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 17:55:25.70 ID:HJPzGbu10
唯「お?デビちゃん?」
茜「ユーフォニアム…。家に、ですけど、お父さんの形見でとってあります」
梓「お父さん亡くなってるんだ…」
律「何か…スマン」
茜「あ、生きてます。傭兵してて、死んだらコレを形見にでもしてくれガッハッハって言ってました」
澪「そ、それは形見とは言わない!!」
律「お。澪起きてたのか」
澪「おいバカ律。さっき喋ったぞ」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:07:20.21 ID:HJPzGbu10
茜「で、でも私、演奏はできないんです」
茜「ユーフォニアムも殆ど手をつけてませんし…困ったら質屋に入れるつもりだったし…」
律「いい機会だし、ちょっと触ってみたらどうだ?確かにうちのバンドと組み合わせにくい楽器ではあると思うけどさ」
紬「そうね…。面白いかもしれない。何より夢の中での私達はとっても楽しそうに演奏していたもの!」
唯「うんうん!いいよいいよUFOニアムー!!」
梓「違うものになってますよ唯先輩」
茜「で、でも…」
律「丁度もうすぐ文化祭だし、茜の初披露は文化祭のライブになりそうだな」
澪「ぶ、文化祭って…。ほとんど余裕ないぞ、もう」
唯「大丈夫!!デビちゃんならできーるっ!!私達がついてる!!」
梓「絶対根拠ないですよねそれ」
茜「(まだ転校初日なのに色々起きすぎて頭が…あぁ…)」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:17:21.49 ID:HJPzGbu10
……。
律「で、だ!」
唯「で、だね、りっちゃん!」
律「茜、軽音部の部長として真面目に聞きたい」
茜「は、はい」
律「夢の中の茜はあたしらの夢で出てきた茜だ。それは今あたしの目の前にいる茜じゃない」
茜「……」
律「ここまで勝手に入部したものとして扱っちゃってきたけどさ…。無理強いはしたくない」
律「楽しくやれなきゃしょうがないだろ?茜が嫌なら入部しなくてもいいぜ。他に希望してた部活があるなら尚更だ」
律「だからさ…、別にあたしらに同情する必要はない。正直に答えてほしい!」
茜「り、律先輩…」
茜「(何だかちょっとカッコ良く思えてきた…)」
律「あ、あたしらはさ、あまり上手くないけど…。でも絶対、部活は楽しいと思うから!」
茜「……」
律「軽音部に入ってくれないか?茜」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:30:25.83 ID:HJPzGbu10
唯「……」ドキドキ
梓「……」ドキドキ
紬「……」ドキドキ
律「……」ドキドキ
澪「」
律「何でだよ。この数分で澪に何があったんだよ何でボーっとしてんだよ。というかお前そんなキャラじゃないだろ」
澪「ちょ、ちょっと原点回帰をな」
紬「(澪ちゃんなりに場を和ませてるつもりなのかしら。でもそれは逆効果よ、ふふっ)」
茜「…クスッ」
律「ん?」
紬「(えっ)」
茜「私、軽音部に入ります。初心者の私にどこまでできるかわかりませんけど、先輩達と一緒にやってみたいです」
茜「梓もいるし…ね!」
茜「(売店も近いし…ね!)」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:41:48.27 ID:HJPzGbu10
梓「茜…」パァァ
唯「やったぁ!!!デビちゃん!すっごく嬉しいよぉー!!」抱きっ
茜「ゆ、唯先輩っ、恥ずかしいですって!」
澪「頑張ろうな、茜」
紬「(澪ちゃんに良いトコ取りされた気がするけど…、良かったわ)」
律「サンキューな、茜」
茜「い、いえこちらこそ誘ってもらって嬉しかったですっ、本当に」
律「へへ…。よーし、そうと決まれば…」
澪「おう、早速…」
唯律「ムギ(ちゃん)!お茶をたのもーっ!!!!」
紬「はいはーい♪」
澪「…お、おいなんでだ!流れ的に練習だろ」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 18:50:28.66 ID:HJPzGbu10
唯「だってこれが放課後ティータイムだしぃ?」
律「変に着飾ってもしょうがないって、な?澪」
澪「はぁ、全く…」
梓「仕方ないですね…。まぁどっちにしろ茜は楽器を家に置いてるらしいから今日は練習できないし…」
茜「明日絶対持ってくるよ!」
唯「うーん、座る場所は…、とりあえずあずにゃんの隣でいいねっ!ちょっと狭いけど!」
茜「あ、ありがとうございます」
律「みんなー!!ティーカップは持ったかー!?」
「それではーっ!新メンバーと新たなる放課後ティータイムの門出を祝してー!」
唯律紬茜「カンパーーーーーーーイッ!!!」
梓澪「かんぱーいっ」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 22:41:37.17 ID:HJPzGbu10
翌日!
2年2組 教室!
梓「おはよ、憂」
茜「あ、憂さんおはよう」
憂「2人ともおはようー。一緒に登校?」
梓「ううん。校門前で偶然」
茜「憂さんは、確か唯先輩の妹なんだっけ?本当そっくりだよね」
憂「うんうん。あ、茜ちゃん。私のことは憂でいいよ~、さん付けはくすぐったいからっ」
茜「了解ですっ」
茜「(いいなぁ、2人とも小さくて。私なんてデカイしデビちゃんだし…)」
純「おはよ~!…って」
純「(なんだこれすっかり打ち解けてる)」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 22:58:52.48 ID:HJPzGbu10
純「ねぇねぇ!茜ってどこに住んでるのー?」
梓「痛っ!痛いっ!こらモップっ!!背中に乗るなっ」
茜「あ、えっと…、確か」
純「純って呼んでねっ!」
梓「どさくさに紛れて入ってきて、もう…」
憂「純ちゃんおはようー」
純「おはよ憂っ!転校生を2人占めしないでよねー!」
梓「別にそういう訳じゃ…」
茜「あはっ、純だね。覚えた!」
憂「(ちょっと大きいけど茜ちゃんも私達と変わらないや。うんうん良かった良かった)」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 23:07:07.41 ID:HJPzGbu10
……。
純「で、さっきの話なんだけど」
茜「うん?」
純「茜ってどの辺りに住んでるの?やっぱり学校から近い感じ?」
梓「……」
茜「んー、徒歩5kmくらいかな」
純「」
憂「と、徒歩5km…?それって…」
茜「軽いウォーキングだと思えばなんともないっ!」
純「せめて自転車に乗ろうか茜…、罰ゲームじゃあるまいし」
茜「じ、自転車なんてそんな高級なもの乗れないよ!!?」
純「…自転車って高級なの?憂」
憂「ど、どうだろう。ピンキリだとは思うけどね…」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 23:18:54.42 ID:HJPzGbu10
授業中!
茜「(メモ帳もタダじゃないんだし、黒板の字は隅の方から細かく…!)」カキカキ
梓「(茜…。やっぱり夢の通りなんだね…。家も…)」
ポキッ!
茜「(しまったぁあ!!シャー芯が!!シャー芯が3mmほど折れたっ!!勿体無いっ)」
梓「(茜の住んでる所は公園で…。茜の部屋はすべり台で…)」
茜「(消しゴムのカスって30回は固めて使いまわせる)」
梓「(考えてみたらちょっとだけ夢のままだった方が良かったかな、なんて思ったり。茜にとっては…)」
茜「(お腹すいた。寝よう)」グデー
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 23:28:59.08 ID:HJPzGbu10
梓「(!寝た、転校2日目にして居眠りしたよ茜!!)」
茜「(お昼ご飯はどうしよ…。今いくら残ってたっけ…)」zZZ
梓「(さすがにいきなり寝るのは不味いよ…。純じゃあるまいし)」消しゴムのカスくねくね
純「(…何かかなり失礼なことを誰かに考えられた気がする)」
梓「ちぇいっ!(食らえっ!消しカス砲弾っ!)」消しカス投げ
ポコッ
茜「(あ痛っ!!な、何っ?)」キョロキョロ
茜「(…あ、消しカスだ。ラッキー)」
梓「はぁ…」グデー
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/27(月) 23:43:23.42 ID:HJPzGbu10
放課後!部室!
紬「今日はミルフィーユよ~!」
唯「ムギちゃんよくやりました!!二階級特進です!!」グッ
律「戦死でもしたのかムギは」
唯「デヘヘ。そのくらい嬉しかったということで」
澪「た、食べたらすぐ練習だからな」モグモグ
茜「……」ジー
紬「あらあら?」
梓「あ、茜…?」
茜「あじゅ…あじゅさ…コレ…コレ…」
紬「ごめんなさい。お口に合わなかった?」
茜「い、いえ、その…あの…」ポロポロ…
梓「(泣いた!?)」
茜「食べても…いいんだよね…いいんだよねぇえ…」ダラダラ
梓「(ヨダレヨダレ!)」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:06:35.85 ID:Q0goLhTh0 [1/34]
紬「今日は1つ多く持ってきてるからおかわりもあるわ。遠慮せず食べていいのよ~」
茜「頂きますっ!」ばくばく
律「(1つ多くって、それさわちゃんの分じゃ…。ま、いっか)」
唯「あははっ!デビちゃん変なの~」
茜「メルフェーユうまぁあぁぁっ!」ばくばく
梓「(そういえば茜お昼の時間見かけなかったけど、どこ行ってたんだろう)」
澪「茜!食べ終わったら練習だぞ!練習!今日はお前を特訓するんだっ!」
茜「」モグモグ
律「おぉぉぅっ!?スパルタだね澪先生!?」
澪「当たり前だ!!文化祭まで全然余裕ないって昨日も言ったろ!」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:13:40.52 ID:Q0goLhTh0 [2/34]
練習!
澪「茜、ユーフォニアムを見せてくれないか」
茜「あ、はいっ」ガサゴソ
キラーン!!
唯「おぉぉ!これがUFOニアム!!神々しい!神々しいよっ!!」
律「そ、そうか…?」
紬「茜ちゃん。ちょっと見せてもらってもいい?」
茜「はい」
紬「(本当にほとんど使ってなかったみたいね…。ちょっと錆びてないかしら)」
紬「(…あら全く錆びてない。それどころか…)」
律「なぁ澪。ユーフォニアムなんてわかんのか?」
澪「もちろん!インターネッツで調べたからな!」
律「ネッツってお前…」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:21:08.30 ID:Q0goLhTh0 [3/34]
……。
茜「ブフォォオオ!!!フォオオオオ!フーッ!!」
フォオオオオオオオオ!!ブオオオオオオオ!!
グオオオオオオオオ!!ピーヒュルー!!
澪「」
律「おい」
梓「これは…」
唯「新たなハーモニーを感じるよ」
紬「茜ちゃん顔真っ赤だわうふふ」
茜「ヒュルルルー!!!ヒュr……ぼぇッゴホッアフっ!!」
シーン。
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:35:47.38 ID:Q0goLhTh0 [4/34]
茜「…ご、ごめんなさい」ゼェゼェ
紬「吹奏楽部いこっか。茜ちゃん…。基礎的なことだけでも教えてもらいにいきましょう」
茜「はい…」
澪「茜、その…なんて言ったらいいか」
茜「は、はい澪先輩」
澪「知識だけじゃどうにもならないこともあるんだ。な?」
茜「!はい」
律「いやその台詞は良いとしてもお前が言うのは間違ってる」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 00:54:21.44 ID:Q0goLhTh0 [5/34]
文化祭まであとちょっと!
3年2組教室!
和「ふーん…。この前話してた夢の子が本当に転校してきたと」
唯「そうなんだよ和ちゃん!もう奇跡だよ!っていうかミラクルだよ~!」
和「あ、そう…突っ込まないからね」
律「ムギ、茜の調子はどうなんだ?最近ずっとお茶した後は吹奏楽部行ってるけど」
紬「りっちゃん。うーん…」
澪「あれから一週間か」
紬「どうにか演奏っぽくはなってきたと思うし、楽譜も理解できるようにはなってきたけど…」
律「あたしらと合わせるのはまだ無理、か?」
紬「そうね…残念だけど。家じゃ近所迷惑になるから練習できないみたいで」
唯「和ちゃん!茜ちゃんすごいんだよ!すっごい力持ちなの!昨日なんてりっちゃんのドラムセット一人で!」
和「そうなんだ。それじゃいい加減私、生徒会行くね」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 01:10:15.35 ID:Q0goLhTh0 [6/34]
2年2組!体育の時間!
体育教師「今日は本来はサッカーの授業でしたが、昨日雨が降ってしまったため、グラウンドがぐっちゃぐちゃなので」
「室内で何となくドッジボールをやります」
純「ドッジボールて」グダー
梓「ドッジボールって…」グデー
憂「わー、小学生の時やった以来かもっ!」
茜「ドッジボール…」キラキラ
体育教師「そうね。3人1組になって、適当に回して頂戴。一番勝てたチームだけ報告してくれたらいいわ」
「本来やる種目じゃないからそこまで評価つけられないけど、ちょっと成績におまけくらいしたげる」
梓「成績におまけ…。純ごめん」
茜「わ?左手とられたっ」
憂「純ちゃんごめんね」
茜「今度は右手っ」
純「3人1組って聞いた時点で予想通りすぎて嬉しいよ」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 01:17:51.92 ID:Q0goLhTh0 [7/34]
ヒュオォオン!!!
ボコッ!!
純「痛ッツァ!!!?!?」
生徒達「………」
シーン。
茜「あ、ごめんね。顔面はセーフだっけ」
クラスメイトA「先生、三浦さんのチームが優勝でいいです」
体育教師「まだ5分経ってないわよ!?」
憂「…純ちゃん痛そうだったね…梓ちゃん…」
梓「…これで良かったんだよ。これで…」
純「ちくしょー…っ」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 01:28:59.19 ID:Q0goLhTh0 [8/34]
お昼休憩!
純「もー!今日の体育はホンット最悪だった!!」ヒリヒリ
憂「純ちゃん平気だった?…ってまだお鼻の頭赤くなってるね…」モグモグ
梓「たまには痛い目受けてもらわないとね」モグモグ
茜「ごめんね純…。顔面はダメだったよね」
純「顔面以外でもあの速度はないけどね」モグモグ
憂「って…茜ちゃん。お昼ご飯は?」
茜「あ。えーっと、今日は何だかお腹空いてなくて」
梓「体育の授業終わった時にお腹空いたーって両手上げてたけど」
茜「そ、そうだったかなー…?なんて」
梓「(茜…、やっぱり…)」
純「食べないと午後の授業持たないぞうー?」
茜「うーん…、そうだね…。じゃあちょっと買ってくるよ」ガタッ
純「いってらっふぁーい」モゴモゴ
梓「口に食べ物含みながら喋らないのっ!」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 12:59:28.44 ID:Q0goLhTh0 [11/34]
数分後!
梓「(茜戻ってこないな…)」
純「それで澪先輩のベースと同じのがさー」モグモグ
憂「うんうん」モグモグ
梓「ちょっとトイレ行ってくる」ガタッ
憂「うん」
純「ご飯食べ始める前に行けばいーのにぃ」
梓「今したくなったの!」
部室!
茜「(さて…どうしよっかな。売店の廃棄もらうのはちょっと早い気がするし…)」ボー
茜「(制服姿で草探すのもおかしいよね…)」
茜「(…そういえば…)」トコトコ
トンちゃん「ブクブク…」
茜「……」ジュル
茜「これ食べれるよね。モドキとは言えスッポンだし」
トンちゃん「」ビクッ
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:11:00.35 ID:Q0goLhTh0 [12/34]
茜「(なーんてね…。さすがに私もそこまで落ちてないよ…)」
ガサッ
茜「(これは…。トンちゃんの餌!)」
ガサガサッ
茜「(!頂きます)」ボリボリ
茜「(……)」ボリボリ
茜「(何とも…げろしゃぶ気味な風味とお煎餅を食べているかのような食感…案外いけるかも)」
ガチャッ(部室のドアが開く音
梓「茜…何してるの」
茜「あ」
シーン…
茜「…食べる?」ボリボリ
梓「馬鹿っ!!」ゴチンッ!
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:17:26.68 ID:Q0goLhTh0 [13/34]
茜「痛たた…、痛いよ梓。カメの餌食べても別に死んだりしないから大丈夫だって」
梓「死ぬ死なないじゃない!トンちゃんのご飯を食べるだなんて有り得ない!」
茜「でもお腹が…」
梓「お財布」
茜「あう!?」
梓「お財布出して」
茜「」
チャリンチャリーン。コロコロ…
梓「に、26円…」
茜「デヘヘ。照れちゃいますなぁ」
梓「唯先輩を真似たつもりなのかもしれないけど全然似てないからね」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:27:01.44 ID:Q0goLhTh0 [14/34]
茜「仕方ないでしょぉ…お金全然ないんだ…。バイト代をご飯に回す余裕ないんだよ…」
梓「そんなに困ってたならもっと早く言ってよね…」
茜「だって友達にお金借りるなんてできないし…」グスグス
梓「お金に困ってるのはもうとっくに知ってるからさ。私だけじゃなくて軽音部のみんなも、憂も純も」
茜「うぅ…」
梓「もっと頼ってくれていいよ。お金に関してはその…限界があるけど」
茜「あじゅさぁ…」ウルウル
梓「な、泣かないでったらー!!」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:34:41.74 ID:Q0goLhTh0 [15/34]
放課後!部室!
どうもこんにちは。中野 梓です。
新たなメンバーである三浦 茜(通称デビちゃん)が放課後にティータイムに
加入してから早くも1ヶ月が過ぎました。
当初は夢の中の人が実際に現れた!と言うことと、茜の強烈なキャラクターから日常に些細な変化がありましたが、
それも今となっては懐かしい記憶です。
もちろん驚かされてしまうこともありました。
1回や2回だけではなくて何度も何度も。
でもクラスの子たちも、1ヶ月も経てば「これが茜なんだ」と
納得してくれたのでしょう。
最近は茜も放課後ティータイムにもすっかり溶け込めてきて、まるで初めから
放課後ティータイムは6人で活動してきたのではないか、と思わせてしまうほどです。
技術や知識は私に言わせればまだまだですけどね。
ドタバタしつつも過ぎ去った1ヶ月でしたが、文化祭まであと3日となってしまいました。
いつものメンバーでの練習もさることながら
茜は今の所全員と演奏を合わせたことは数回しかありません。
先輩達は劇もあるようですし…、お互いの予定が合わないのが現状だと思います。
けど茜がいてくれたおかげで部室で1人、何てことはなかったし、良かったかな。
あ、ごめんトンちゃんもいたね。3人だね。
紬「梓ちゃん。ちょっといいかな」
梓「あ、はい」
でも、そんな日常がもうすぐ終りだなんて
茜が現れる前と、現れて放課後ティータイムに加入してからの変化。
そしてムギ先輩の言葉で、気づかなくて良い事まで気づかされてしまうなんて。
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:42:31.50 ID:Q0goLhTh0 [16/34]
紬「気づいているのかな。梓ちゃんは」
その表情に若干の疑問を抱きながら、腰を据えて話を聞く態勢をとります。
もちろん実際にやってる訳ではなくて、精神的なことです。
だって何だかムギ先輩が普通じゃない気がしたから。
梓「何を…ですか?」
普通じゃない気がしたと言っても、ムギ先輩は笑顔だ。
それが私の不安を逆に沸き立てていることは、ムギ先輩には言ってはいけない。
紬「茜ちゃんがお父様に形見でもらったっていうユーフォニアム」
紬「新品その物だったわ。錆びどころか指紋すら殆どついてない。まるで買ったばかりのような」
梓「……何が言いたいんですか」
唇に持っていこうとしていたティーカップを止めてムギ先輩にそう返す。
でもこの先は聞いちゃいけない。そんな気がした。
紬「茜ちゃんは実際は存在していない人だって言う事。今は誰かの意志で存在しているだけであって」
どうして突然そんな事を言うのか。
何故それを、あえて部室に私とムギ先輩しかいない時を狙って言ってきたのか。
その言葉を発した後も、ムギ先輩は笑顔を続けていました。
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 13:53:37.99 ID:Q0goLhTh0 [17/34]
紬「この世界に亀裂…のようなものが走ってきている気がするの。
紬「元々、茜ちゃんはこの世界に存在していない人だから、壊れかかっているのかもしれないわね」
ムギ先輩はティータイムをしているままの、軽い感じ、それでいて優雅な感じで言いました。
梓「…何を言って」
茜のことがあってから、非現実的な事、いつもは軽く流してしまうようなファンタジー世界でしか見られないような現象を
少しは考えるようになってきていた私。
結局は有り得ない事。で終わらせてしまうけれど、茜はその有り得ない事をして私達の前に現れた。
『みんなの夢に現れる』。
こんなの昔の私なら絶対信じられないと思うし…。
だからかもしれないけれど、ムギ先輩の言葉を軽く流す、なんて今の私にはできませんでした。
紬「壊れかかっていると言っても、ドカーンって、爆発するようなものじゃないわよ?」
紬「ただ、茜ちゃんがいなくなった世界、いない事が普通だった私達の世界になる」
紬「元に戻る…って言うべきかしら」
元に戻る…って何だろう。
今は茜がいるのが普通なのに。
梓「茜がいなくなったら、みんな悲しみます。元に戻るなんて無理ですよ」
ちょっと笑みを含めながら返してみる。
別に変なことを考えてはいないけど、残酷な事を平然と言ってのけているムギ先輩に対してのささやかな仕返しのつもり。
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:02:27.65 ID:Q0goLhTh0 [18/34]
紬「多分、だけど。記憶もなくなるんじゃないかしらね。今までの茜ちゃんとの記憶はなくなって…」
紬「茜ちゃんが現れてからの1ヵ月は、初めから茜ちゃんがいなかったことにして記憶に残る…とか」
まだ笑っている。
何で笑っているんですかムギ先輩。
自分でどれだけ酷い事を言っているのか、わかっていないんですか?
紬「気づいてないみたいだから言うけど」
紬「梓ちゃん。茜ちゃんが現れる前と、現れた後で、変わった所。あるわよね」
茜が転校してきてから変わったこと何ていくらでもある。
茜がきてから楽しくなったし、憂と純と茜とお泊りとかして
きっと一人だったはずの部室で、茜と一緒に練習したりして
ムギ先輩の言っていることはまだ信じられない。
けど、けど…。
梓「…夢に…茜が出てこなくなりました」
紬「えぇ。梓ちゃんだけじゃなくて、みんなそうでしょうね」
ムギ先輩が言いたいことはつまり。
茜は夢の登場人物…
ということなのだろう。
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:14:11.68 ID:Q0goLhTh0 [19/34]
紬「これはみんなの夢なのよ。だからいずれ目が覚めちゃうわよね」
梓「……」
紬「目が覚めたら、きっと茜ちゃんの記憶はなくなってる。朝ご飯を食べて、支度をして…いつも通りの日常が始まる」
紬「初めからおかしいと思っていたの…」
紬「外観だけではなくて、まるで誰かが適当に考えたキャラクターみたいな茜ちゃんの設定に」
やめてください…ムギ先輩。
それ以上言ったら私、先輩に対して世間一般的に良くないことをしてしまうかもしれないです。
梓「ひとつ聞いていいですか。何でそんな事わかるんですか」
私は無表情だけど怒りを込めてムギ先輩に問うてみる。
無表情なのは、ムギ先輩が実際には悪くないからだ。
先輩はただ私に説明してくれているだけ。
紬「それはね」
そう言うと人差し指をそっと唇にあてて
紬「私、ファンタジー好きだから~」
梓「……はぁ」
結局ムギ先輩は夢の中でもムギ先輩だった。
何だか気が抜けちゃった。
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:24:25.37 ID:Q0goLhTh0 [20/34]
次の日!
2年2組教室!
梓「……」ボー
これが夢ならいつ覚めるのだろうか。
考えてみたら、夢の中で寝て、夢の中で夢を見るなんて本当よく出来てる。
茜「おはよー梓っ!!いやー、今日は快晴快晴ぇー!」
茜「これで朝バッタと遭遇しなければ今日は本当に良い1日を過ごせたと思うのになー」
昨日、ムギ先輩にこんなことも聞いてみていた。
『この世界が夢だって。茜に伝えたらどうなるんでしょうか』
その問いにムギ先輩はこう答えている。
『うーん…。そうね。目が覚めちゃうとかあるかもしれないけど…でも』
『面白そうね』
そう言ったムギ先輩はうふふと笑っていた。
もうこの人は夢の中であることを最初から自覚していて、最初から楽しんでいたとも思える。
『あ、話すなら茜ちゃんだけにしてね。せっかく夢の中なのにみんなにここは夢だー!何て伝えるのは可哀想だし』
いつもより少しだけ小さな声でそう言った後、
ムギ先輩は茜が練習している吹奏楽部を見に行くと言って部室から出ていった。
梓「(悩んでるのは私だけ…かぁ)」
茜「梓?どうしたの?お弁当もらうよ?」
梓「ダ、ダメ!!」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:37:12.92 ID:Q0goLhTh0 [21/34]
……。
茜にここは夢だって事を伝えるべきなのだろうか…
ムギ先輩はあぁ言ってたけれど、私は放課後ティータイムのみんなに伝える事も考えていた。
やっぱり私だけで悩むのは嫌だったし…
唯先輩だけなら大丈夫かな、とかも。
けれど。
茜「明後日文化祭…だね」
梓「(あ…)」
純「そう!!文化祭!!文化祭なんだよー!!!」ウォー
憂「純ちゃんそんな大声出さなくても聞こえてるから…」
文化祭…。
茜がみんなに演奏を初披露する場となる放課後ティータイムのライブ。
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:44:41.09 ID:Q0goLhTh0 [22/34]
茜「私の演奏絶対聞きにきてよね2人ともっ」エッヘン
憂「うんうん絶対見に行くよ!」
憂「(メインはお姉ちゃんだけど)」
純「ジャズ研のにもきてよねー?」
茜「勿論っ!」
梓「暇だったらね」
純「なんだとこのーっ」キャッキャアハハ
できるならば、茜と…、放課後ティータイム6人でライブをしたい。
それまでは目は覚めないでほしい。
だから茜にも、みんなにもそれまでは何も伝えないでおこう。
そんな結論に至ったのだった。
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:48:29.89 ID:Q0goLhTh0 [23/34]
放課後!部室!
律「はーっ!!ムギぃお茶!」
唯「喉かわいたよムギちゃーん!」
紬「はいはい♪」
何度か合わせて演奏して、一段落した後再び席につく。
外はもう真っ暗だ。
律先輩は今日は泊まり込みで特訓するぞっ!なんて言っていたけど…
澪「中々いい感じになったよな。茜」
律「だなーっ!最初はユーフォニアムだし、茜も初心者だしでちょっと不安だったけど」
唯「もう私なんかより放課後ティータイムになくてはならない存在になってきたよねりっちゃん!」
律「おう」
唯「否定して。そこは否定して」
茜「エヘヘ、何か照れちゃいます…」
紬「うふふ」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 14:56:21.97 ID:Q0goLhTh0 [24/34]
そう、これが放課後ティータイムなんだ。
1人かけてもいけないんだ。
文化祭のライブは絶対成功させて…!それで…。
でもなんだろうこの不安は…。
茜「どうかしたの?梓」
梓「え…?」
律「そいやさっきから黙ってるなー」
澪「何かあったのか?」
紬「紅茶じゃなくてジュースでも出すー?」
唯「あずにゃん最近私に抱きついてもらえてないから落ち込んでるんだね!?」
梓「ち、違います!!それだけは絶対ないです!!」
梓「何でもないんです。ちょっと…緊張しちゃって」
茜「そんな事言って、唯先輩に抱かれてもらってる時いつも顔真っ赤にしてるよー?」
唯「やっぱりぃやっぱりぃ?」デヘヘ
梓「そ、それは恥ずかしいから!…あの私ちょっとトイレ行って来ますね!」ダッシュッ
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:10:56.73 ID:Q0goLhTh0 [25/34]
女子トイレ!
梓「はーっ、いよいよ明日か」
茜「あーずさっ!」抱きっ
梓「にゃぁっ!!?って茜!?」
茜「えへへー、驚いた?唯先輩っぽくやってみたっ」デヘヘ
梓「も、もう…」
茜自身は自分が消えるなんて事、この世界が夢なんて事、当然わかってはいないんだ。
今は文化祭のライブのことを、ライブだけのことを考えよう。
そしたらみんなに言うんだ。そこでやっと荷が降りる。
この世界は夢なんだって…、茜は夢の中の登場人物なんだって。みんなに言うことができれば。
だからそれまでは…
梓「…茜」
茜「んー?」
梓「文化祭のライブ。絶対成功させようね」
ゆっくり、丁寧に、はっきりと、精一杯の笑顔を作って言った。
当然、茜はそれに答えてくれる。
茜「もっちろんっ!」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:16:08.77 ID:Q0goLhTh0 [26/34]
文化祭!
唯先輩達の劇も無事に終わり、いよいよ私達のライブが始まる。
茜にとっては初めてのライブ。さわ子先生が作ってくれたHTTシャツを着こなしていそいそとセッティングをする。
いよいよだ。
律「うっしっ!本番だぜみんな!!」
澪「う、うん…」
唯「やる気が湧き出てくるよっ!今なら何でもできる気がするよ!」フンス
紬「うふふ、楽しく演奏できるといいわね」
梓「はい!」
茜「梓、それと先輩方…」
律「おー?茜、緊張か?ここまできたら緊張を武器にしろっ!」
唯「大丈夫だよデビちゃん!私達頑張って練習したもん…!」
みんながセッティングしつつ話している中、茜も声を出す。
でも、あれ…何か様子が…ヘン…。
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:23:02.82 ID:Q0goLhTh0 [27/34]
茜、どうしたの?ほら、早くセッティングしなきゃ。幕上がっちゃう。
茜「本当にありがとうございました…。私、楽しい経験できて良かったことです」
何を言っているの。楽しいのはこれからだよ。
茜「1ヶ月前に私は生まれて、不安だらけで学校に行きました」
あれ、声が出ない、なんでだろう。困るなこれからライブなのに。
茜「自己紹介が終わってすぐに梓に話しかけられて、放課後に軽音部の皆さんの所に案内してもらって」
ま、ボーカルじゃないしいいかな…ってダメか。
茜「あはは。皆さんから夢の中で私に会ったって聞いた時、もう私は気づいてたんです」
あれ、私だけじゃないや、唯先輩や律先輩たちも、口をパクパクさせてるのに声が出てない。
茜「でも、楽しかったぁ…。最後に憂と純に直接言えないのはちょっと心残りかな?」アハハ
困るよそんなんじゃ…、茜の
茜「皆さん。本当にありがとう。ライブできないのは惜しいけど、これ以上寝てたら学校、遅刻しちゃいます」
最初で最後のライブなのに…
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:30:12.65 ID:Q0goLhTh0 [28/34]
みんなが光に包まれていく。
私は頭の中で叫んでいた。
唯先輩も律先輩も澪先輩もムギ先輩も、みんな泣きながら口をパクパクさせていた。
梓「嘘…、嘘だよこんなの…。これからみんなで…茜と…ライブを…」
でも茜だけは、真っ白に包まれて消えていく中で、最後まで笑顔だった。
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:36:26.61 ID:Q0goLhTh0 [29/34]
えぴろーぐ!
梓「うぅーーん…っ、朝かぁ」
ベッドから見える位置にある近場の時計を見ると
針は午前7時30分を指していた。
いつもよりちょっと遅い。
梓「目覚まし鳴らなかったのかな…」
目覚まし時計の電源はONになっていた。
でも倒れてしまっている。
梓「これだから10分で勝手に鳴り止む目覚ましは…」
何てブツブツ言いながら起き上がる。
仕方なく何時もより駆け足で支度をして、朝ご飯を食べずに家を出た。
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:41:44.78 ID:Q0goLhTh0 [30/34]
学校!
梓「(あ…)」
そういえば楽譜部室に忘れてきたんだっけ。
朝ご飯食べなかったから余裕あるし、ちょっと取りにいこうかな。
そう思った私は、職員室に部室の鍵を借りにいく。
さわ子「あら?さっき唯ちゃんがきて…」
梓「は、はぁ、そうですか」
唯先輩が朝から部室に行くだなんて、珍しい事もあるなあ。
私と同じで忘れ物取りに行ってるだけだったりして…
でも何となく嬉しくなって、私はちょっと早歩きで部室に向かう。
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:48:56.12 ID:Q0goLhTh0 [31/34]
部室!
梓「おはようございまー……え?」
扉を開けると、そこにいたのは鍵を借りた唯先輩だけじゃなかった。
しかも何だか今来たばかりみたいな雰囲気だ。
律「おーっす」
澪「なんだ。梓まできたのか…」
唯「みんな揃って部室に忘れ物ー??」
紬「何かおかしいわねうふふ…、ってあら?」
ムギ先輩がいつもティータイムで私達が使っている机に目を止めた。
私も見る。唯先輩、律先輩、澪先輩もムギ先輩に釣られて、机に目を向ける。
そこには楽器があった。傷一つついてない新品同様の楽器が。
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:55:38.82 ID:Q0goLhTh0 [32/34]
唯「なにこれ、ラッパ?」
律「あー、なんていったっけ。トランペット?」
それはとても軽音部とはかけ離れたものだったけど。
唯「あ。思い出したよ、楽器名」
唯先輩の一言で、全員が不思議と目を合わせる。
すると何故か、1つの楽器名が頭の中に浮かぶ。
律「あー?あたしも思い出したわ」
澪「不思議だな。私もだ」
紬「あらあら、じゃあみんなで一斉に答えてみましょうか」
唯「おぉおぅ!面白そうだねムギちゃん!」
そして、口に出す。
律「じゃあ、せーのっ!!」
「 「 「 ユーフォニアム! 」 」 」
おわり。
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/28(火) 15:58:07.54 ID:Q0goLhTh0 [33/34]
夢だけど夢じゃなかった!
終わりです。久しぶりに長く書いた。
そして何か良いシーン作りたかったのに誤字ってた死にたい
実は最初は茜を出すつもりなかった
やっぱり俺らが作ったキャラだし、普通に原作キャラと絡ませちゃったらなんか違うかなって思った
無理やり参加させておいて、結局夢オチでスマンコ。
支援保守サンキュ
また別キャラの話でも書いたらよろしく
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