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梓「春の日の物語」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:32:54.54 ID:KESRwUXuO [1/40]

梓『唯先輩』

唯『?』

梓『今まで本当にありがとうございました!』

唯『それはこちらこそだよ、あずにゃん』

梓『ずっと…ずっと待ってますから!』
唯『あずにゃん…』
梓『先輩たちもぐずぐずしてると私たちに追い越されちゃいますよ?』

唯『それは楽しみだねー』

梓『……』

唯『……』

唯『元気でね』

梓『唯先輩もお元気で!』

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:34:18.45 ID:KESRwUXuO

「そしてその後二人は別々のレールの上に立ち、いつか再び交わるその日まで歩み続けるのだった……」

純「ど?こんな感じ?」

梓「そんなんじゃない」

純「えー?感動の別れはー?」

梓「純には言わない」

純「"には"ってなに!」

憂「まあまあ」

純「まさか…憂は知ってるの?」

憂「…知らないよ!」



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:35:23.03 ID:KESRwUXuO
純「怪しい…」

梓「そ、そんなことよりさ!今日こんなに晴れてるんだから外の桜でも見に行こうよ!」

憂「さんせー!」

純「あっ、流された!」

純「わ、私もさんせー!」


卒業式の帰り道、私はあえて普通に振る舞った

だって私たちの関係が終わる訳じゃないんだし

ただ…部室で二人と喋ってても「あの頃にはもう戻れないんだ」って思うと、上手く笑えなかった



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:36:07.69 ID:KESRwUXuO
今考えると本当に幸せだったな…


「…ずさ」

純「梓!」

梓「え?」

純「『え?』じゃないよ!だからさー、部活紹介どうすんのかって聞いてるんだよ!」

梓「あ、ああ…そっか」

純「もう…」


憂「あれは?ほら、前に撮ったビデオ」
純「あっ、そうだよ!それでいいじゃん!」

梓「あのビデオは…ちょっと」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:36:53.66 ID:KESRwUXuO
純「えーなんで?別にあんなのほんの一瞬じゃん!」

梓「うー……」

憂「じゃあもう一回後で見てみようよ!ね?」

梓「う…うん」

純「おー咲いてるねー!」


一面に広がる桜

毎年見てきたのに、どこか今年の桜は違うように見える

あの桜の舞い散る日、私はこの高校に入学し、先輩たちに出逢った



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:37:58.89 ID:KESRwUXuO
今考えてみたら、もしあの時入部してなかったらあんな楽しい思い出来なかったんだろうな…

それに…こんな寂しい思いもしなくてすんだのかな

梓「……」

どうしても重ねてしまう

あの時の桜と

純「新入部員入るといいね!」

梓「うん!」

ふとあの時と同じような温かさを感じたような気がした



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:38:38.64 ID:KESRwUXuO
そんな寂しくもどこか心の満ちた春の日のことも、明日になったら思い出になってる

そしていつかまた私は思うんだろう

「あの日に帰りたい」って


音楽室


純「…というわけで久しぶりに見せてもらおうかな!」

梓「なんか久しぶり過ぎて恥ずかしいんだけど」

憂「私も早くみたいなー、梓ちゃんがにゃんにゃんしてるとこ!」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:39:38.56 ID:KESRwUXuO
梓「ちょ、憂!」


梓「…っと…確かこの辺に……あった!」

純「すごい所に隠したね」

憂「すごいガムテープの量だね」

梓「こうでもしないと先輩たちに見られちゃうから」


ベリベ…


純「……早く開けてよ」

梓「やっぱ恥ずかしい!」

純「あーもう!じれったい!」

ベリベリベリ

梓「あっ…やめてよ」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:40:44.32 ID:KESRwUXuO


純「へへ…お嬢ちゃん!全部剥ぎ取ってy」

パンッ

梓「ってこら!」

純「いたっ」

憂「あはは」

ベリベリ

純「よし!開けるよ!」

カポッ

梓「ん?」

純「どうしたの?」

梓「一枚……増えてる」

梓「確かにあの時は二枚だったのに」

憂「と、とりあえず見てみればいいんじゃないかな」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:41:38.29 ID:KESRwUXuO
梓「んー?」

純「まさか!」

梓「え、なに?」

純「…心霊ビデオだったりして」

梓「ちょっと…やめてよ」

憂「面白そう!」キラキラ

梓「いやいや…」

純「じゃあ早速見よう!」




12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:42:50.31 ID:KESRwUXuO
職員室

純「さわちゃんこんにちわーっ!」

さわ子「あなたまでそうやって呼ぶの!?」

梓「先生、このビデオって…」

さわ子「……ふふふ。何かしらね。私は知らないわ」

梓「そうですか…」
さわ子「……」

純「じゃあよろしくお願いします!」

さわ子「はいはい」
ウィーン

純「」ワクワク

憂「」ドキドキ

なんだろ…

純「始まった!」

梓「え……?」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:43:52.75 ID:KESRwUXuO

---------

音楽室

梓「………」
純「………」
憂「………」

純「羨ましいなー、梓は」

憂「なんかいいね、ああいうの」

梓「なんか…しんみりしちゃったね」

純「……だね」

憂「……うん」

梓「はぁ……」

梓「………」

梓「……私ね」

憂「?」

梓「できたら部活紹介で演奏したいな」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:44:40.74 ID:KESRwUXuO

純「まじ?」

梓「先輩たちと作ったあのビデオもいいけど、やっぱり軽音部らしいのを見せたいな」

憂「良いと思う!」
純「…でもそしたら誰が歌うの?」

梓「あ…そっか」

梓「うーん…」

憂「」ジーッ

純「」ジーッ

梓「すっごい見つめられてる…」

梓「でも私歌えないし…」

憂「梓ちゃんなら大丈夫!」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:46:09.08 ID:KESRwUXuO
純「唯先輩や澪先輩のを一番間近で見てたんだし、それに梓が歌わないとダメな気がする」

梓「なんで?」

純「ほら、梓は一年生から軽音部じゃない?それに先輩たちのを受け継ぐって意味でも歌ったほうがいいんじゃない?」
梓「ふーん」

梓「…でもなあ」

憂「じゃあしょうがないな…私がやろうじゃないか!」

純「!」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:46:59.41 ID:KESRwUXuO
純「い、いやいやだったら私がやろうではないかー!」ビシッ

どっかで見たことあるノリだーっ!

梓「あ、じゃ、じゃあ私が…」

憂純「どーぞどーぞ」

梓「やっぱり…」ガクッ

純「曲は?」

憂「軽音部って言ったら『ふわふわ時間』だよね」

純「それなら梓も歌えていいんじゃない?」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:49:02.24 ID:KESRwUXuO
梓「で、でもあんな大勢の前でなんて…」

純「あの澪先輩ですらやってたのに梓はできないの?」

梓「い、いや…そう言われると…さ」

憂「とりあえず歌ってみてよ、ここで」
梓「ここで!?」

純「大丈夫お客は二人だけだから」

梓「う……」

純「はい!せーの!」

梓「き、きみを見てるといつもハートドキドキ!」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:49:42.09 ID:KESRwUXuO
憂「梓ちゃん…」

純「梓…」

梓「え?」

純「照れが無くなればグッド!」

梓「うう…」

憂「で、でも大丈夫だよ!歌は上手そうだし!」

梓「ありがとう…」

純「ほら、まだ何日かあるし、頑張ろ?」

梓「憂も純も弾けるようにしといてよ?」

憂「はーい」
純「はーい」

梓「そうだ!どうせなら!」

憂純「?」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:50:35.16 ID:KESRwUXuO

数日後

律「ドラムの子は?ねえドラムの子はいないのかい?」

梓「すいません」

律「うう…」

紬「でここはこう……」

憂「はい!」

紬「スゴい!さすが憂ちゃんだね!」

憂「いやいや……えへへ」

澪「…そうそう。そこはそんな感じだ」
純「」ジーッ

澪(視線がベースじゃなく私の顔なんだけど)



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:51:18.27 ID:KESRwUXuO
澪「……どうだ?」

純「……へっ?」

澪「梓は元気か?」
純「元気もりもりですよ!」

澪「そっか…」

澪「軽音部をよろしく頼むよ」

澪「3年生!」

純「は、はい!」

純(うわ~澪先輩からそういうこと言われるとヤバいよ~)ヘナヘナ

澪「えっ!?ちょっと」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:52:26.16 ID:KESRwUXuO
唯「あずにゃんはもう弾けるよね?」

梓「はい!」

唯「……」

梓「……」ジャカジャカ

梓「なんか…」ジャカ…

唯「?」

梓「なんか不思議です…」

梓「先輩が私のギターを懐かしそうな顔で見る日がくるなんて」

唯「わ、私そんな顔してた?」

梓「はい」

唯「まーでも間違いじゃないかもねー」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:53:08.76 ID:KESRwUXuO
唯「ギター初心者の私が頑張って覚えた初めての曲だからさ」


唯「一音一音が懐かしく感じてね…」

梓「…」

唯「しかもそれをあずにゃんがこうやって弾いてるんだもん」

唯「なんていうか……その昔の自分を見ているような」

澪(確かにな…)

唯「それに『ちゃんと受け継いでくれたんだな』っていう実感が沸くっていうか」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:53:56.22 ID:KESRwUXuO
梓「先輩…」

律「そしてこれからもずっとずっと軽音部を存続させるために頑張ってくれよ!中野部長!」

澪「律なんかよりずっと頼もしい部長になることには間違いないけどな!」

律「うるさいわい!」

紬「楽しみだね。梓ちゃんたちの軽音部!」

梓「はい!」

唯「お菓子ばっか食べてちゃだめだよ~?」

澪「お前は言えないだろ!」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:54:42.86 ID:KESRwUXuO
梓「あはは」

純(こんな日常を梓は送ってたんだな…)

純「……」

憂「どうしたの?」
純「なーんでも!」
唯「どうせならさ、一回弾いて見せてよ!」

梓「三人でですか?」

唯「そう!」

梓「えー…」

梓「よし!やってやるぞー!」

憂「その意気!」

純「見せてやろーじゃんか!新生軽音部を!」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:56:45.93 ID:KESRwUXuO
唯(まさか…こんな日がくるなんて)

澪(ヤバい…私もう泣きそう…)

律(頼むぞー澪…泣いたりすんなよ)

紬(初めての唯ちゃんに見せた演奏の時みたい)

梓「いくよ!」

憂純「うん!」

梓「すぅーっ……」

梓「ふわふわ時間!」

ジャカジャカ♪


唯「……」
澪「……」
律「……」
紬「……」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:57:53.70 ID:KESRwUXuO
唯(懐かしいな…)

澪(緊張しまくりの初めての講堂のライブ)

律(あん時は唯がノド痛めてなー)

紬(もう3年くらい前の話なんだよね…それが)


ジャーン……

梓「……はぁ」

純「ミスりまくった……」

憂「私もだ…」


パチパチパチ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:58:51.09 ID:KESRwUXuO
唯「あずにゃんの歌声って新鮮だね!」

律「十分熱意は伝わったよ」

紬「やっぱりいいわね、高校生は」

澪「これなら安心して私たちも大学に通えるよ」

梓「あ、ありがとうございます!」

唯「じゃ、私たちはこの辺で」

梓「もう帰っちゃうんですか?もっと居てくださいよ」

律「大学生は忙しいのさ!」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 11:59:40.10 ID:KESRwUXuO
紬「じゃーねー!」
澪「またいつかな」
唯「ばいばーい!」
梓「あ……」

バタン

梓「さよう…なら」

純「いいの?」

梓「……」

梓「私……」

梓「私行ってくる!」タタッ

憂「お姉ちゃんは良い後輩を持ったねー」

純「やっぱり軽音部っていいなー」




29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:00:32.98 ID:KESRwUXuO
---------

澪「もうこれで当分ここには来なくていいな」

律「だな」

紬「暫しのお別れねー」

唯「ストーンだけ置いてきた!」

律「はあ?」

梓「せーんぱーい!」

唯「あ、あずにゃん!?」

梓「ビデオありがとうございましたー!」

澪「…!」

律「見られちったか…」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:01:19.72 ID:KESRwUXuO
梓「私……ずっとずーーーっと待ってますからー!」

梓「だからたまにはでいいですから遊びに来てくださいねーっ!」


梓「約束ですよーーっ!」

唯「おーー!ちゃんと美味しいケーキとお茶用意して待っててねー!」

梓「はーーい!」

律「本当に楽しみだな」

澪「そうだな」

紬「頑張るんだよ、梓ちゃん!」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:02:06.63 ID:KESRwUXuO
律「さっ、行こうか!」

唯「うん!」

澪「私たちもうかうかしてらんないぞ!」

紬「私も久しぶりにみんなと演奏したくなっちゃったな」

律「おっ、じゃーやるかー?」

唯「その前にお茶にしようよー!」

澪「ったくお前はいつまでそうなんだよ…」

唯「えー、いいじゃーん」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:02:48.42 ID:KESRwUXuO
先輩たちが何を話しているかは聞こえなかったけど、私は四人の背中が見えなくなるまで見送った


こぼれ落ちそうな涙をぐっと堪え私はオレンジ色に染まった夕焼け空を見上げ呟く

「ありがとう」


心の中にはたくさんの思い出

手のひらの中には先輩たちの温もりが溢れてる

そして私の目の前には輝く未来




33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:03:57.30 ID:KESRwUXuO
新歓ライブ当日

純「緊張してきたー!」
憂「私もだよー」
梓「わ、私も…」

純「ちゃんと歌えるから大丈夫だって!」

憂「あんなに練習したんだもん!」

梓「…ありがとう」
「軽音部の皆さんスタンバイお願いしまーす!」

憂「あっ、はーい!」

純「いよいよだーっ!興奮してきたぞーっ!」

梓「緊張通り超しちゃだめー!」

憂「すーっ……はー……よし!」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:04:41.72 ID:KESRwUXuO

ガヤガヤ

「ねー次軽音部だってー!」

「あっそうそう。゛放課後ティータイム゛ってバンド知ってる?」

「なにそれ?」

「去年の文化祭超盛り上がってたんだよ!」

「へー!」

「で、噂によると、毎日美味しいケーキとお茶が食べれるらしいよ!」

「釣るな釣るな!」

「あはは」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:05:32.26 ID:KESRwUXuO
あの日私は確かに感じた

『この部活に入ってみたい』って

実際新歓ライブ見に来てなかったら入ってなかったと思う

合宿、ライブ、夏フェス……そういや色んなことしたな

そんな幸せな毎日をくれた先輩たちに今度は私が恩返しする番だ





36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:06:25.37 ID:KESRwUXuO


律『…えっもう始まってるの?』

唯『やっほーあずにゃーん!』

澪『ちょ、唯!』

紬『梓ちゃん元気?』


唯『私たち、あずにゃんが寂しがってると思ってビデオを作ることに決めたんだよ!』

澪『どうだ?新入部員とは仲良くやってるか?それともまさかその前に見つかっちゃったか?』



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:07:09.81 ID:KESRwUXuO
紬『いつでもお茶できるように待機してるから梓ちゃんが欲しくなったらいつでも言ってちょうだいね?』

律『ほら、私たちも大学生だからいつもいつも部室に行ける訳じゃないし、それにいつまでも入り浸る訳にはいかないからさ』

律『寂しくなった時はこれを見てくれよな!もちろん後輩とでもOKだ!』


唯『では最後に私から言いたいことがあります!』



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:08:04.03 ID:KESRwUXuO

梓「さ!憂!純!いくよ!」

憂「おー!」

純「よっしゃー!」

演奏は上手くなくてもいい

全員にスゴいって思われなくてもいい

ただ私たちが精一杯演奏して、それを誰か一人でも感動してくれたらそれでいいんだ


それはあの時の私のように


「続いては軽音部によるバンド演奏です」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:09:47.87 ID:KESRwUXuO
唯『あずにゃんが入ってくれて本当に良かったよ』

目を閉じるとそこにはあの日の先輩たちが笑顔でティータイムをしてる

唯『あずにゃんには叱られてばっかりだったけど』

紅茶の味なんて思い出せないけど、あの甘い時間だけは確かに覚えてる

唯『私たちは頼りないかもしれない、それでもずっと』

軽音は私に教えてくれたんだ



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:10:32.59 ID:KESRwUXuO
唯『私たちはずっとあずにゃんのそばにいるからね!』

ギターのテクニックなんかよりもずっとずっと大切なことを

梓「新入生の皆さん!ご入学おめでとうございます!」

そして今度はそれを私が教える番なんだ

だから私はまた奏で始める

先輩たちと過ごしたような日々を

鮮やか過ぎるその思い出を胸に


虹色な明日を描いて

そんなそんなとある春の日の物語


おしまい



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/25(土) 12:15:22.03 ID:KESRwUXuO [40/40]

見てくれた方ありがとうございました!

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