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唯「りっちゃんがカチューシャになっちゃった」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:25:33.92 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
唯「大変だあ」
カチューシャ「・・・」
唯「大変だあ」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:37:23.10 ID:5SjVW/cXP
唯「りっちゃーん」
カチューシャ「・・・」
唯「おーい」
カチューシャ「・・・」
唯「返事がない」
カチューシャ「・・・」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:40:37.14 ID:5SjVW/cXP
ドア「ガチャ」
梓「こんにちはー」
唯「あ、あずにゃーん!」
梓「どうしたんですか?」
唯「りっちゃんがカチューシャになっちゃたんだよ」
梓「本当ですか。それは大変ですね」
カチューシャ「・・・」
梓「律先輩?」
カチューシャ「・・・」
唯「全然返事してくれないんだよ」
梓「カチューシャには口がついてませんから」
唯「あ、そうか。あずにゃん頭いい!」
梓「褒めても何も出ませんよ?」
唯「何も出ないの?」
梓「はい」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:44:18.64 ID:5SjVW/cXP
唯「じゃあ褒めなくていいや」
梓「賢明な判断ですね」
カチューシャ「・・・」
唯「りっちゃんはどうしよう?」
梓「私はカチューシャつけたことないからわからないですね」
唯「私はあるよ。カチューシャつけたこと」
梓「そうですか」
唯「私にならなんとかできるのかな?」
梓「私に聞かれても困ります」
唯「だよね」
カチューシャ「・・・」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:48:32.21 ID:5SjVW/cXP
ドア「ガチャ」
足音「スタスタスタ」
澪「お疲れー」
唯「澪ちゃんおいっす」
梓「こんにちは」
唯「澪ちゃんにお知らせがあります」
澪「なんだ?」
唯「りっちゃんがカチューシャになっちゃった」
澪「意外と重大なお知らせだった」
梓「意外と重大って漢字の形が似てますよね」
澪「そうかな?」
唯「どんな漢字かわからないよ」
梓「すいません、レベルの高い会話をしてしまって」
澪「これから気をつけるよ」
カチューシャ「・・・」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:52:48.50 ID:5SjVW/cXP
澪「それにしても律がカチューシャになるなんてな」
唯「幼馴染なのに予想できなかったの?」
澪「唯が思ってるほど幼馴染はすごくないよ」
唯「でも私は和ちゃんが眼鏡になったときも予想できたよ?」
梓「きっと個人差があるんですよ」
唯「そうなんだ」
澪「おーい律」
カチューシャ「・・・」
唯「おーいお茶」
梓「澪先輩、カチューシャは口がないから喋れないんですよ」
澪「あ、そういう感じなんだ」
梓「はい」
カチューシャ「・・・」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:57:42.47 ID:5SjVW/cXP
唯「そうだ」
梓「どうしたんですか?」
唯「りっちゃんを元に戻す方法考えたよ」
澪「へえ。教えてくれる?」
唯「だれかの頭にりっちゃんをつけてみるの」
澪「いいアイディアだね」
梓「早速やってみましょう」
カチューシャ「・・・」
澪「誰の頭につけてみる?」
唯「あずにゃん付けてよ」
梓「私ですか?」
唯「あずにゃんはあずにゃんしかいないよ」
梓「そうですね。では失礼して」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:01:16.15 ID:5SjVW/cXP
梓「・・・どうですか?」
カチューシャ「・・・」
唯「かわいいよ」
澪「意外と似合ってるな」
梓「それはありがとうございます」
唯「どういたしまして」
梓「でもそうじゃなくて、律先輩は元に戻りそうですか?」
唯「なんで私に聞くの?」
梓「なんとなくです」
澪「唯が最初に気付いたから、戻った時も唯が気付くんじゃないかな?」
唯「なるほど。そっかあ」
梓「それで?どうですか?」
唯「似合ってるよ」
梓「ありがとうございます」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:08:44.15 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
唯「ねえ」
澪「何?」
唯「カチューシャとりっちゃんって、どっちが可愛いかなあ」
梓「難しい比較ですね」
唯「澪ちゃんはどう思う?」
澪「ええっと、人間として可愛いのはやっぱり律なんじゃないか?」
唯「やっぱり?」
澪「え?」
唯「なんでやっぱりって言ったの?」
澪「さあ、良く考えたらなんで言ったのかな」
唯「やっぱりって言葉はすごく日本語らしいと思うんだよね」
梓「なんでですか?」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:13:04.13 ID:5SjVW/cXP
唯「日本人って、集団から孤立することを嫌がるでしょ?」
澪「そうだね」
唯「だから、自分の意見の前にやっぱりって言うことで、私は少数派じゃないですよアピールをしてるんだと思うんだ」
梓「なるほど」
澪「その説、唯が自分で考えたのか?」
唯「テレビで誰かが言ってた」
澪「やっぱり」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:15:46.76 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
唯「あ」
梓「どうしました?」
唯「あずにゃん、りっちゃんを付けたままだね」
梓「そういえばそうでした。もうはずしますね」
唯「似合ってるのに?」
梓「これは律先輩のものですから」
唯「それがりっちゃんなんだよ」
梓「これは律先輩ですから」
唯「うん。それで正しいよ」
カチューシャ「・・・」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:25:15.15 ID:5SjVW/cXP
唯「そういえば、ムギちゃん遅いね」
梓「ムギ先輩来るんですか?」
唯「当たり前だよ」
澪「ムギは昨日たくあんになっただろ?」
唯「あ、そうだったね」
梓「ムギ先輩はいつ元に戻るんでしょうね」
唯「早く戻ってほしいな。ムギちゃんのケーキ食べたいもん」
澪「おいおい、ケーキ目当てか?」
唯「もちろんムギちゃんも好きだよ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:28:05.63 ID:5SjVW/cXP
唯「あ」
澪「どうしたんだ?」
唯「良く考えたらムギちゃんもここにいるね」
たくあん「・・・」
梓「そうですね」
澪「気付かなかったよ」
唯「ムギちゃん、早く元に戻ってほしいなあ」
梓「何かいい方法はないんですか?」
たくあん「・・・」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:31:57.40 ID:5SjVW/cXP
唯「いいこと思いついたよ」
梓「教えてくれますか?」
唯「たくあんを食べたら元に戻るかも」
澪「食べるのか」
唯「駄目かな?」
梓「どうやって食べ・・・いや、食べたらムギ先輩が死んじゃうんじゃないですか?」
唯「それは問題だね。だったら舐めるのはどうかな?」
たくあん「・・・!」
唯「あれ?」
澪「どうした?」
唯「いまムギちゃんが反応したような気がする」
梓「私は気付きませんでしたよ」
澪「私もわからなかった。気のせいじゃないか?」
唯「きっとそうだね」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:37:16.86 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
たくあん「・・・」
唯「舐めてみようよ」
澪「誰が舐めるんだ?」
唯「ここはやっぱりあずにゃんだね」
梓「やっぱり私ですか」
唯「予想できた?」
梓「はい、なんとなく」
澪「梓、頑張れよ」
唯「舐めればムギちゃんが元に戻るよ。たぶん」
澪「唯、自分に自信を持った方がいいよ」
唯「そうだね。あずにゃん、舐めればムギちゃんが絶対に戻るよ」
梓「わかりました・・・では失礼して」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:47:00.26 ID:5SjVW/cXP
梓「ペロ・・・」
たくあん「!」
唯「おお!」
澪「どうだ!?」
唯「ムギちゃんが元に戻った!」
澪「おお!」
梓「や、やりましたね」
紬「ありがとう。助かったわ」
梓「ムギ先輩、舐めちゃってすいません」
紬「気にしないで」
唯「あずにゃんは今日の勇者だね」
梓「ありがとうございます」
カチューシャ「・・・」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:58:15.41 ID:5SjVW/cXP
澪「この勢いで律も元に戻らないかな?」
カチューシャ「・・・」
紬「唯ちゃん、何かいい方法はない?」
唯「さっきから思ってたんだけどさ」
梓「なんですか?」
唯「みんな、真面目にりっちゃんを元に戻す方法考えてる?」
澪「私なりに頑張って考えてるよ」
梓「唯先輩みたいなすごいアイディアが思いつかないんですよ」
唯「私はアイディアマンなんだね」
紬「アイディアウーマンじゃない?」
唯「アイディアガールのほうがかわいいよ」
梓「じゃあ唯先輩はアイディアガールですね」
唯「えへへ」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:07:51.07 ID:5SjVW/cXP
澪「アイディアガールの唯さん」
唯「はい!」
澪「律を戻すいいアイディアは見つかりましたか?」
唯「見つかりました!」
紬「ぜひ聞かせてほしいわ」
唯「りっちゃんにケーキを食べさせる!」
梓「ど、どうやって?」
澪「口がないからな」
唯「そうだねー。ケーキをくっつければいいと思う」
澪「べちゃっと?」
唯「べちゃっと」
紬「・・・ケーキ用意するね」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:11:57.12 ID:5SjVW/cXP
紬「はい、用意しました」
唯「早いね」
紬「持ってきてたからね」
唯「でもムギちゃんはたくあんだったんだよ?」
紬「あっ」
澪「まあまあ、ケーキが見つかったんだからそれでいいだろ?唯」
唯「そうだね」
梓「じゃあ私が今付けてるカチュ・・・律先輩を机に置いて」
唯「元の席に戻そうよ」
澪「机じゃ駄目なのか?」
唯「なんとなく駄目だと思う」
梓「で、では元の場所に戻しますね」
カチューシャ「・・・」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:17:11.11 ID:5SjVW/cXP
唯「澪ちゃんが食べさせてあげてよ」
澪「わかったよ」
紬「はい、切ったわよ」
澪「じゃあ行くぞ律。あーん」
ケーキ「ベチャ」
カチューシャ「・・・!」
澪「ど、どうだ唯」
唯「うーん・・・」
梓「律先輩は元に戻りましたか?」
唯「駄目みたい」
澪「駄目だったか・・・」
紬「残念ね」
カチューシャ「・・・」
澪「カチ・・・律がケーキでべちょべちょになっちゃったな」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:22:54.55 ID:5SjVW/cXP
梓「拭いてあげましょう」
唯「待って。りっちゃんはケーキを食べてる途中かもしれないよ」
澪「口がないのに?」
唯「だからこそ全身で食べてるかもしれないんだよ。ケーキは拭かないであげて」
梓「わかりました」
唯「私たちもケーキ食べようか」
紬「そうね。ちょうど人数分切ったから」
唯「あれ?5切れ残ってるよ?」
紬「りっちゃんの分よ。戻った時のために」
唯「りっちゃんはもう食べたじゃん」
澪「カチューシャの状態で食べるのとはまた違うかもしれないだろ?」
唯「それはずるいよ。私たちがじゃんけんして勝った人がもうひと切れ食べようよ」
梓「律先輩はどうやってじゃんけんするんですか?」
唯「あ」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:26:23.13 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
唯「りっちゃんは不戦敗になっちゃうね」
澪「ごめんな、律」
唯「じゃあいくよ!じゃんけんぽん!」
梓「私の勝ちですね」
唯「あずにゃんおめでとう。2切れ食べれるね」
梓「そうだ、ひとつは取っておいて家で食べますよ」
唯「あずにゃん計画的だね」
梓「それほどでもないです」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:33:36.34 ID:5SjVW/cXP
唯「ケーキ美味しかったね」
紬「ありがとう」
チャイム「キーンコーンカーンコーン」
唯「あ。チャイムが鳴っちゃった」
紬「下校時刻ね」
澪「そろそろ帰るか~」
ドア「ガチャ」
憂「お姉ちゃん。迎えに来たよ」
唯「あ、うい~。和ちゃんも一緒だね」
メガネ「・・・」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:37:06.90 ID:5SjVW/cXP
憂「お姉ちゃん、さわ子先生が呼んでたよ」
唯「そうなの?なんで?」
憂「お姉ちゃんの成績がいいから褒めてくれるんだよ。きっと」
唯「うれしいな。じゃあ行ってくるからここで待ってて?」
憂「一人で行ける?」
唯「私はお姉ちゃんだから大丈夫だよ」
憂「さすがお姉ちゃんだね」
唯「行ってきまーす」
ドア「ガチャ バタン」
カチューシャ「・・・」
メガネ「・・・」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:59:32.71 ID:5SjVW/cXP
澪「・・・もう行ったよな」
憂「行きましたね」
律「・・・っはあ!ティッシュくれティッシュ!」
紬「どうぞ」
律「さんきゅー。いやーまいったよカチューシャと頭がべちゃべちゃだ」
和「律が頭にケーキくっつけてるの見たときは吹き出しそうになったわ」
憂「今度はどういうことに?」
澪「律がカチューシャになっちゃったんだってさ。あ、ケーキくっつけてごめんな」
律「いいって。梓は私のためにケーキ残してくれたんだよな?ありがとう」
梓「いえいえ。律先輩はすごく頑張ってくれましたから」
和「ごめんね、私も手伝いたいんだけど」
澪「なかなか唯がメガネから戻そうとしないからなあ」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 04:00:50.26 ID:5SjVW/cXP
紬「私は早く元に戻れて運が良かったのかしら」
憂「紬さん元に戻れたんですか。良かった」
梓「唯先輩が早くケーキを食べたかったからかもしれないですね」
憂「みなさん・・・本当にありがとうございます。お姉ちゃんのために」
梓「お礼はいいって何回も言ってるでしょ?」
律「唯は友達だからな。当然だよ」
憂「お姉ちゃんがああなった時はすごく困りましたけど・・・
みなさんがこうやってお姉ちゃんと向き合ってくれてるおかげで」
澪「もういいって。憂ちゃんは家でもっと大変なんだろうし」
憂「そんな・・・でも私もなにか物にされないかはいつも心配ですけど」
律「そうなったら私たちが何とかするよ」
憂「そこまで迷惑を掛けるわけには」
澪「しっ!足音が!」
ドア「ガチャ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 04:01:56.36 ID:5SjVW/cXP
唯「やっぱりさわちゃんに褒められたよ!テストの答えがすごく独創的だって!」
憂「良かったね
お姉ちゃん!」
メガネ「・・・」
カチューシャ「・・・」
唯「あれ?りっちゃんについてたケーキが無くなってるよ?」
澪「ん?本当だ。食べたのかな」
唯「すごい!りっちゃんはカチューシャになっても食いしん坊なんだね!」
憂「そろそろ帰ろうか?お姉ちゃん」
唯「あ!憂大変だよ!」
憂「どうしたの?」
唯「澪ちゃんがしましまパンツになっちゃった!」
しましまパンツ「・・・!」
カチューシャ「・・・くすっ」
おわり
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 04:19:59.13 ID:5SjVW/cXP
読んでくれた人ありがとうございましたー
唯「りっちゃーん」
カチューシャ「・・・」
唯「おーい」
カチューシャ「・・・」
唯「返事がない」
カチューシャ「・・・」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:40:37.14 ID:5SjVW/cXP
ドア「ガチャ」
梓「こんにちはー」
唯「あ、あずにゃーん!」
梓「どうしたんですか?」
唯「りっちゃんがカチューシャになっちゃたんだよ」
梓「本当ですか。それは大変ですね」
カチューシャ「・・・」
梓「律先輩?」
カチューシャ「・・・」
唯「全然返事してくれないんだよ」
梓「カチューシャには口がついてませんから」
唯「あ、そうか。あずにゃん頭いい!」
梓「褒めても何も出ませんよ?」
唯「何も出ないの?」
梓「はい」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:44:18.64 ID:5SjVW/cXP
唯「じゃあ褒めなくていいや」
梓「賢明な判断ですね」
カチューシャ「・・・」
唯「りっちゃんはどうしよう?」
梓「私はカチューシャつけたことないからわからないですね」
唯「私はあるよ。カチューシャつけたこと」
梓「そうですか」
唯「私にならなんとかできるのかな?」
梓「私に聞かれても困ります」
唯「だよね」
カチューシャ「・・・」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:48:32.21 ID:5SjVW/cXP
ドア「ガチャ」
足音「スタスタスタ」
澪「お疲れー」
唯「澪ちゃんおいっす」
梓「こんにちは」
唯「澪ちゃんにお知らせがあります」
澪「なんだ?」
唯「りっちゃんがカチューシャになっちゃった」
澪「意外と重大なお知らせだった」
梓「意外と重大って漢字の形が似てますよね」
澪「そうかな?」
唯「どんな漢字かわからないよ」
梓「すいません、レベルの高い会話をしてしまって」
澪「これから気をつけるよ」
カチューシャ「・・・」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:52:48.50 ID:5SjVW/cXP
澪「それにしても律がカチューシャになるなんてな」
唯「幼馴染なのに予想できなかったの?」
澪「唯が思ってるほど幼馴染はすごくないよ」
唯「でも私は和ちゃんが眼鏡になったときも予想できたよ?」
梓「きっと個人差があるんですよ」
唯「そうなんだ」
澪「おーい律」
カチューシャ「・・・」
唯「おーいお茶」
梓「澪先輩、カチューシャは口がないから喋れないんですよ」
澪「あ、そういう感じなんだ」
梓「はい」
カチューシャ「・・・」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 01:57:42.47 ID:5SjVW/cXP
唯「そうだ」
梓「どうしたんですか?」
唯「りっちゃんを元に戻す方法考えたよ」
澪「へえ。教えてくれる?」
唯「だれかの頭にりっちゃんをつけてみるの」
澪「いいアイディアだね」
梓「早速やってみましょう」
カチューシャ「・・・」
澪「誰の頭につけてみる?」
唯「あずにゃん付けてよ」
梓「私ですか?」
唯「あずにゃんはあずにゃんしかいないよ」
梓「そうですね。では失礼して」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:01:16.15 ID:5SjVW/cXP
梓「・・・どうですか?」
カチューシャ「・・・」
唯「かわいいよ」
澪「意外と似合ってるな」
梓「それはありがとうございます」
唯「どういたしまして」
梓「でもそうじゃなくて、律先輩は元に戻りそうですか?」
唯「なんで私に聞くの?」
梓「なんとなくです」
澪「唯が最初に気付いたから、戻った時も唯が気付くんじゃないかな?」
唯「なるほど。そっかあ」
梓「それで?どうですか?」
唯「似合ってるよ」
梓「ありがとうございます」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:08:44.15 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
唯「ねえ」
澪「何?」
唯「カチューシャとりっちゃんって、どっちが可愛いかなあ」
梓「難しい比較ですね」
唯「澪ちゃんはどう思う?」
澪「ええっと、人間として可愛いのはやっぱり律なんじゃないか?」
唯「やっぱり?」
澪「え?」
唯「なんでやっぱりって言ったの?」
澪「さあ、良く考えたらなんで言ったのかな」
唯「やっぱりって言葉はすごく日本語らしいと思うんだよね」
梓「なんでですか?」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:13:04.13 ID:5SjVW/cXP
唯「日本人って、集団から孤立することを嫌がるでしょ?」
澪「そうだね」
唯「だから、自分の意見の前にやっぱりって言うことで、私は少数派じゃないですよアピールをしてるんだと思うんだ」
梓「なるほど」
澪「その説、唯が自分で考えたのか?」
唯「テレビで誰かが言ってた」
澪「やっぱり」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:15:46.76 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
唯「あ」
梓「どうしました?」
唯「あずにゃん、りっちゃんを付けたままだね」
梓「そういえばそうでした。もうはずしますね」
唯「似合ってるのに?」
梓「これは律先輩のものですから」
唯「それがりっちゃんなんだよ」
梓「これは律先輩ですから」
唯「うん。それで正しいよ」
カチューシャ「・・・」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:25:15.15 ID:5SjVW/cXP
唯「そういえば、ムギちゃん遅いね」
梓「ムギ先輩来るんですか?」
唯「当たり前だよ」
澪「ムギは昨日たくあんになっただろ?」
唯「あ、そうだったね」
梓「ムギ先輩はいつ元に戻るんでしょうね」
唯「早く戻ってほしいな。ムギちゃんのケーキ食べたいもん」
澪「おいおい、ケーキ目当てか?」
唯「もちろんムギちゃんも好きだよ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:28:05.63 ID:5SjVW/cXP
唯「あ」
澪「どうしたんだ?」
唯「良く考えたらムギちゃんもここにいるね」
たくあん「・・・」
梓「そうですね」
澪「気付かなかったよ」
唯「ムギちゃん、早く元に戻ってほしいなあ」
梓「何かいい方法はないんですか?」
たくあん「・・・」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:31:57.40 ID:5SjVW/cXP
唯「いいこと思いついたよ」
梓「教えてくれますか?」
唯「たくあんを食べたら元に戻るかも」
澪「食べるのか」
唯「駄目かな?」
梓「どうやって食べ・・・いや、食べたらムギ先輩が死んじゃうんじゃないですか?」
唯「それは問題だね。だったら舐めるのはどうかな?」
たくあん「・・・!」
唯「あれ?」
澪「どうした?」
唯「いまムギちゃんが反応したような気がする」
梓「私は気付きませんでしたよ」
澪「私もわからなかった。気のせいじゃないか?」
唯「きっとそうだね」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:37:16.86 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
たくあん「・・・」
唯「舐めてみようよ」
澪「誰が舐めるんだ?」
唯「ここはやっぱりあずにゃんだね」
梓「やっぱり私ですか」
唯「予想できた?」
梓「はい、なんとなく」
澪「梓、頑張れよ」
唯「舐めればムギちゃんが元に戻るよ。たぶん」
澪「唯、自分に自信を持った方がいいよ」
唯「そうだね。あずにゃん、舐めればムギちゃんが絶対に戻るよ」
梓「わかりました・・・では失礼して」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:47:00.26 ID:5SjVW/cXP
梓「ペロ・・・」
たくあん「!」
唯「おお!」
澪「どうだ!?」
唯「ムギちゃんが元に戻った!」
澪「おお!」
梓「や、やりましたね」
紬「ありがとう。助かったわ」
梓「ムギ先輩、舐めちゃってすいません」
紬「気にしないで」
唯「あずにゃんは今日の勇者だね」
梓「ありがとうございます」
カチューシャ「・・・」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 02:58:15.41 ID:5SjVW/cXP
澪「この勢いで律も元に戻らないかな?」
カチューシャ「・・・」
紬「唯ちゃん、何かいい方法はない?」
唯「さっきから思ってたんだけどさ」
梓「なんですか?」
唯「みんな、真面目にりっちゃんを元に戻す方法考えてる?」
澪「私なりに頑張って考えてるよ」
梓「唯先輩みたいなすごいアイディアが思いつかないんですよ」
唯「私はアイディアマンなんだね」
紬「アイディアウーマンじゃない?」
唯「アイディアガールのほうがかわいいよ」
梓「じゃあ唯先輩はアイディアガールですね」
唯「えへへ」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:07:51.07 ID:5SjVW/cXP
澪「アイディアガールの唯さん」
唯「はい!」
澪「律を戻すいいアイディアは見つかりましたか?」
唯「見つかりました!」
紬「ぜひ聞かせてほしいわ」
唯「りっちゃんにケーキを食べさせる!」
梓「ど、どうやって?」
澪「口がないからな」
唯「そうだねー。ケーキをくっつければいいと思う」
澪「べちゃっと?」
唯「べちゃっと」
紬「・・・ケーキ用意するね」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:11:57.12 ID:5SjVW/cXP
紬「はい、用意しました」
唯「早いね」
紬「持ってきてたからね」
唯「でもムギちゃんはたくあんだったんだよ?」
紬「あっ」
澪「まあまあ、ケーキが見つかったんだからそれでいいだろ?唯」
唯「そうだね」
梓「じゃあ私が今付けてるカチュ・・・律先輩を机に置いて」
唯「元の席に戻そうよ」
澪「机じゃ駄目なのか?」
唯「なんとなく駄目だと思う」
梓「で、では元の場所に戻しますね」
カチューシャ「・・・」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:17:11.11 ID:5SjVW/cXP
唯「澪ちゃんが食べさせてあげてよ」
澪「わかったよ」
紬「はい、切ったわよ」
澪「じゃあ行くぞ律。あーん」
ケーキ「ベチャ」
カチューシャ「・・・!」
澪「ど、どうだ唯」
唯「うーん・・・」
梓「律先輩は元に戻りましたか?」
唯「駄目みたい」
澪「駄目だったか・・・」
紬「残念ね」
カチューシャ「・・・」
澪「カチ・・・律がケーキでべちょべちょになっちゃったな」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:22:54.55 ID:5SjVW/cXP
梓「拭いてあげましょう」
唯「待って。りっちゃんはケーキを食べてる途中かもしれないよ」
澪「口がないのに?」
唯「だからこそ全身で食べてるかもしれないんだよ。ケーキは拭かないであげて」
梓「わかりました」
唯「私たちもケーキ食べようか」
紬「そうね。ちょうど人数分切ったから」
唯「あれ?5切れ残ってるよ?」
紬「りっちゃんの分よ。戻った時のために」
唯「りっちゃんはもう食べたじゃん」
澪「カチューシャの状態で食べるのとはまた違うかもしれないだろ?」
唯「それはずるいよ。私たちがじゃんけんして勝った人がもうひと切れ食べようよ」
梓「律先輩はどうやってじゃんけんするんですか?」
唯「あ」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:26:23.13 ID:5SjVW/cXP
カチューシャ「・・・」
唯「りっちゃんは不戦敗になっちゃうね」
澪「ごめんな、律」
唯「じゃあいくよ!じゃんけんぽん!」
梓「私の勝ちですね」
唯「あずにゃんおめでとう。2切れ食べれるね」
梓「そうだ、ひとつは取っておいて家で食べますよ」
唯「あずにゃん計画的だね」
梓「それほどでもないです」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:33:36.34 ID:5SjVW/cXP
唯「ケーキ美味しかったね」
紬「ありがとう」
チャイム「キーンコーンカーンコーン」
唯「あ。チャイムが鳴っちゃった」
紬「下校時刻ね」
澪「そろそろ帰るか~」
ドア「ガチャ」
憂「お姉ちゃん。迎えに来たよ」
唯「あ、うい~。和ちゃんも一緒だね」
メガネ「・・・」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:37:06.90 ID:5SjVW/cXP
憂「お姉ちゃん、さわ子先生が呼んでたよ」
唯「そうなの?なんで?」
憂「お姉ちゃんの成績がいいから褒めてくれるんだよ。きっと」
唯「うれしいな。じゃあ行ってくるからここで待ってて?」
憂「一人で行ける?」
唯「私はお姉ちゃんだから大丈夫だよ」
憂「さすがお姉ちゃんだね」
唯「行ってきまーす」
ドア「ガチャ バタン」
カチューシャ「・・・」
メガネ「・・・」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 03:59:32.71 ID:5SjVW/cXP
澪「・・・もう行ったよな」
憂「行きましたね」
律「・・・っはあ!ティッシュくれティッシュ!」
紬「どうぞ」
律「さんきゅー。いやーまいったよカチューシャと頭がべちゃべちゃだ」
和「律が頭にケーキくっつけてるの見たときは吹き出しそうになったわ」
憂「今度はどういうことに?」
澪「律がカチューシャになっちゃったんだってさ。あ、ケーキくっつけてごめんな」
律「いいって。梓は私のためにケーキ残してくれたんだよな?ありがとう」
梓「いえいえ。律先輩はすごく頑張ってくれましたから」
和「ごめんね、私も手伝いたいんだけど」
澪「なかなか唯がメガネから戻そうとしないからなあ」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 04:00:50.26 ID:5SjVW/cXP
紬「私は早く元に戻れて運が良かったのかしら」
憂「紬さん元に戻れたんですか。良かった」
梓「唯先輩が早くケーキを食べたかったからかもしれないですね」
憂「みなさん・・・本当にありがとうございます。お姉ちゃんのために」
梓「お礼はいいって何回も言ってるでしょ?」
律「唯は友達だからな。当然だよ」
憂「お姉ちゃんがああなった時はすごく困りましたけど・・・
みなさんがこうやってお姉ちゃんと向き合ってくれてるおかげで」
澪「もういいって。憂ちゃんは家でもっと大変なんだろうし」
憂「そんな・・・でも私もなにか物にされないかはいつも心配ですけど」
律「そうなったら私たちが何とかするよ」
憂「そこまで迷惑を掛けるわけには」
澪「しっ!足音が!」
ドア「ガチャ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 04:01:56.36 ID:5SjVW/cXP
唯「やっぱりさわちゃんに褒められたよ!テストの答えがすごく独創的だって!」
憂「良かったね
お姉ちゃん!」
メガネ「・・・」
カチューシャ「・・・」
唯「あれ?りっちゃんについてたケーキが無くなってるよ?」
澪「ん?本当だ。食べたのかな」
唯「すごい!りっちゃんはカチューシャになっても食いしん坊なんだね!」
憂「そろそろ帰ろうか?お姉ちゃん」
唯「あ!憂大変だよ!」
憂「どうしたの?」
唯「澪ちゃんがしましまパンツになっちゃった!」
しましまパンツ「・・・!」
カチューシャ「・・・くすっ」
おわり
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 04:19:59.13 ID:5SjVW/cXP
読んでくれた人ありがとうございましたー
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