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友「女になったんだ」
友「女になったんだ」
の続き
の続き
690 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:33:06.11 ID:kY5c/G6P [6/9]
今回はこれで。
#7 予告
友「ついに!」
男「おう」
友「帰ってきました!」
男「何が?」
友「この、俺がです!」
男「おめでとー」
友「前回、前々回…男が他の女とイチャイチャするのを指を咥えて見ていた…しかし、しかし!」
友「今回は男の○○○を咥えて…」
男「何言ってんだ! 卑猥なワードは禁止! 次回、お楽しみに!」
701 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 23:24:02.70 ID:kY5c/G6P [8/9]
友「え…?」
友「いや、いきなりそんなこと言われても…」
友「…」
友「…わかった」
友「うん、それじゃあ」
友「…」
友(どうしよう…)
703 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 23:35:20.69 ID:kY5c/G6P [9/9]
男宅
男「で、どうした」
友「えっと…だな…」
男「…」
友「なんだよその顔は」
男「早く言いたいこと言えよ」
友「急かさなくてもいいだろ…」
男「ちげえよ」
友「じゃあなんだよ?」
男「お前が悩んでることくらい、顔見りゃわかる」
友「…」
704 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:00:48.27 ID:li3iEVYP [1/27]
友「じ、実はさ」
男「おう」
友「三組の…やつが…」
男「おう」
友「こ、告白してきたって言うか…なんて言うか」
男「…」
友「ど、どうすればいいんだ?」
男「よかったじゃねえか」
友「えっ」
男「ついにお前にも出会いができたんだな」
友「ち、違うっ」
男「あん?」
友「俺は、断りたいんだ」
男「なんで?」
友「なんでって…!」
705 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:06:24.28 ID:li3iEVYP [2/27]
友(俺は…そんなことを言って欲しいわけじゃない)
友「お、俺は…」
男「…」
友「俺は…!」
男「あいつ、相当女にモテてるらしいぞ」
友「そんなこと聞いてない!」
男「お前に釣り合いそうないい男だと思うぜ」
友「…男の、バカっ!」
ガチャ バタンッ
男(…はぁ)
706 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:10:51.66 ID:li3iEVYP [3/27]
男「なんつーか」
男「あいつは俺のこと、どう思ってんだか…」
男(なんて返せば、正解なんだよ)
男「…まあ、俺が選んだ道だ」
男「友も出ていっちまったし」
男(さて、どうするか)
男「妹~飯まだかー?」
707 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:16:06.13 ID:li3iEVYP [4/27]
友「はぁ…はぁ…」
友(…俺の方こそ、バカだ)
友(あいつは、俺のことなんて…)
友(想ってくれても、いないのに)
友(俺一人の想像だけで、あいつが一言『断れ』って、言ってくれるとかそういうことばっかり考えて…)
ドンッ
友「うわっ、ご、ごめんなさい!」
?「こ、こちらこそ…って、あれ?」
友「あ、委員長?」
708 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:19:45.68 ID:li3iEVYP [5/27]
喫茶店
委員長「えっ、友さん、告白されたんですか?」
友「し、しーっ! 声大きいっ」
委員長「ご、ごめんなさい…私、そういうこと話されるの、初めてで…」
友「そうなんだ」
委員長「ど、どんな告白だったんですか?」
友「え、えっと…」
友「手紙もらったんだ」
委員長「て、手紙!?」
友「そ、そんなにびっくりしなくても…」
709 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:27:35.25 ID:li3iEVYP [6/27]
委員長「い、異性の人からの手紙なんて…」カァァ
友「そ、そんな顔しないでよ」カァァ
委員長「こんなこと聞いてはダメだと思うんですけど」
委員長「どんなことが書かれていたんですか?」
友「うーん…『あなたの笑顔に元気付けられた』とかなんとか」
委員長「は、はわわ…」カァァ
友「い、委員長大丈夫?」
委員長「わ、私には刺激が強すぎます…」
友「…」
711 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:48:47.95 ID:li3iEVYP [7/27]
友「委員長ってさ」
委員長「?」
友「モテないの?」
委員長「ああ、私は全然ですよ」
委員長「性格がキツいってよく言われるんです」
友「そうかな? 委員長、すっごく可愛いのに」
委員長「友さんに言われると、嬉しいです」
委員長「でも、私は…」
友「?」
委員長「あ、な、なんでもないです!」アセアセ
712 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:05:59.42 ID:li3iEVYP [8/27]
委員長「そ、それに学生の間は恋愛なんて…」
友「ふーん」
委員長「…友さんは結局どうするつもりなんですか?」
友「え?」
委員長「告白のことです」
友「うーん…」
委員長「三組の方ですよね?」
友「うん、一応、断るつもり」
委員長「そうですか。って、こんなこと聞いちゃってごめんなさいっ!」
友「いいよいいよ、俺が委員長に言ったんだから」
713 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:11:05.25 ID:li3iEVYP [9/27]
委員長「ずっと思ってたんですけど…」
友「ん、なに?」
委員長「なんで友さんは、自分のこと、『俺』って言うんですか?」
友「…」
委員長「あ、特に理由がないならいいんですけど…」
友「べ、別に理由はないかな…」
委員長「そ、そうですか…す、すいませんこんなこと聞いて…」
友「委員長!」
委員長「はい?」
友「一々謝ったらキリがない!」
委員長「ご、ごめんなさい…気をつけます!」
カランコロン
714 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:16:58.70 ID:li3iEVYP [10/27]
男「おっす、委員長…と、友」
友「! 男っ…」
委員長「はひっ、男くん! どどど、どうしてここに!?」
男「いや、委員長がいるのが見えたから」
友「…」
男「なんだ、さっきの話でもしてたのか?」
友「…ふんっ」
委員長「男くん、もうすこし相手のことを思って発言しなさい」
男「おう、すまんすまん」
友「…帰る」
委員長「え?」
友「ありがとう、委員長。これ、俺の分の代金。」
男「お、おい」
友「それじゃ」
カランコロン アリガトウゴザイマシター
715 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:21:35.39 ID:li3iEVYP [11/27]
男「やれやれ、座っていいか?」
委員長「は、はい。どうぞ」
男「どうしたんだ? なんか顔赤いけど」
委員長「き、気のせいです」
委員長(し、私服姿見られちゃった…)
男「そういえば、学校以外で会うの初めてだよな?」
委員長「そうですね」
男「…ふぅ」
委員長「どうかしましたか?」
男「いやぁ…あいつのこと」
委員長「友さんのことですね」
男「おう」
716 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:27:42.90 ID:li3iEVYP [12/27]
委員長「男くんは、優しいのね」
男「そうかな」
委員長「はい」
男「まあ、あいつとは親友だし」
男「あいつが悩んでるなら、俺もすこしは助けたいって思ってるんだけどさ」
男「恋愛経験とか俺、全然無いから」
委員長「私もです」
男「そうなのか。…でも、委員長は絶対に良い人見つかる。保障する」
委員長「あ、ありがとうございます…」
男「はぁ~」ニヘラ
委員長「? どうかしましたか?」
男「いやあ、委員長に会えるとは思わなかったからな」
委員長「え、ええ…」オロオロ
717 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:31:43.74 ID:li3iEVYP [13/27]
男「それに、貴重な私服姿」
委員長「か、からかわないでくださいっ」
男「からかっちゃいねーよ」
委員長「うう…」
男「委員長見てると落ち着く…はぁ~」
委員長「あんまりジロジロ見ないでください…」
男「さて、委員長にあえてテンション上がったことだし、ちょっくら友を追いかけてくらぁ」
委員長「そ、そうですか」(助かったぁ…)
男「それじゃあ、また学校で」
委員長「はい」
718 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:33:09.59 ID:li3iEVYP [14/27]
カランコロン アリガトウゴザイマシター
男(本当に、委員長は良いやつだ)
男「さて、と」
男(あいつは家に帰ったのか? それとも…)
男「…」
男(とりあえず、あそこに行くか)
719 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:34:03.97 ID:li3iEVYP [15/27]
今回はこれで…。
質問など、何かありましたら言ってください。
725 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 21:59:03.32 ID:li3iEVYP [16/27]
公園
男「やっぱりここにいたか」
友「…」
男「どうするんだ?」
友「ふんっ…お前には、関係ないだろ」
男「あるさ」
726 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:09:34.69 ID:li3iEVYP [17/27]
男「お前が付き合えば、俺との関係だって、変わっちまう」
男「親友って言ったって、会える頻度が下がるだろうしさ」
友「…」
友「別に…会えるだろ、すこしくらいは」
男「すこしくらい…か」
友「…」
男「俺の正直な意見」
男「…付き合って欲しくない」
727 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:14:25.33 ID:li3iEVYP [18/27]
友「…!」
男「なんつーか、さ」
男「んー…調子狂っちまうっつーか」
男「べ、別に俺の意見だから気にすることはないからな?」
友「ううん」
男「あ?」
ギュッ
男「!」
友「やっぱりお前には、俺しかいないよな♪」
男「お、おい! いきなり抱きつくな…!」
友「よーし! 男パワー吸収完了!」
男「はぁ…お前ってやつは」
729 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:39:16.94 ID:li3iEVYP [19/27]
そして…。
友「…ごめんなさい!」
「そ、そっか…」
友「俺には、大事な人がいるから…」
「そうだったのか…いきなり告白なんかして、ごめん」
友「いいよいいよ! すっごく嬉しかったし」
友(それに…)
友(男の気持ちも、わかったし)
「それじゃあ」
友「あ、うん」
友「…男~」
男「!」ビクッ
友「いるのはわかってるぞー?」
男「ちっ!」
友「あー待てー!」
730 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:41:15.37 ID:li3iEVYP [20/27]
男「つ、ついてくるな!」
友「そう言わずに、ははははははっ!」
男「別にお前が付き合おうがどうでもいいんだからなー!」
友「う・そ・つ・きっ」
男「う、うおおおおお! むかつくっ!」
#7 END
731 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:48:24.49 ID:li3iEVYP [21/27]
これは、一年前の話である。
#8 『委員長と男と友』
男「まあ、たいした話じゃないけどな」
738 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 23:23:47.38 ID:li3iEVYP [23/27]
「また女子の下着が盗まれたらしいぞ!」
「またかよ! 一体誰が…」
「いいかげんにしろよ! 男子全員が敵視されてんだぞ!」
男「…」
男「ったく…」
委員長「一体誰がこんなことを…」
男「…」
男「俺だ」
「え?」
「え?」
「え?」
男「俺がやったんだ。全部、全部だ」
739 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 23:27:20.77 ID:li3iEVYP [24/27]
「嘘だろ…?」
「あの男が?」
「信じらんない…サイテー」
男「…これで、いいんだろ?」
委員長「あ、ちょっと…」
友「お、おい男っ」
男「あばよ」
「友、あんなやつほっとけ」
「そうそう。あいつらのせいでどれだけ俺達が女に怒鳴られたことか…」
740 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 23:32:54.98 ID:li3iEVYP [25/27]
最後のミス。修正します。
×「そうそう。あいつらのせいでどれだけ俺達が女に怒鳴られたことか…」
○「そうそう。あいつのせいでどれだけ俺達が女に怒鳴られたことか…」
741 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 23:35:47.78 ID:li3iEVYP [26/27]
男「…ふぅ」
男(学校、辞めるかな)
委員長「男くん」
男「…なんでついてきてんだよ」
委員長「えっと…」
男「俺はお前達女の、敵だぞ?」
委員長「本当にあなたがしたの?」
男「…?」
委員長「本当に、あなたなの?」
755 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:25:24.00 ID:2t/yG16P [1/10]
委員長「実は、私も盗まれたの」
男「…!」
委員長「私の…そ、その…下着の色…わかる?」
男「さぁな、俺は見境なく盗んでるから」
委員長「…ふふっ」
男「…なんだよ?」
委員長「男くん、やっぱり嘘だったんですね」
男「…は?」
756 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:35:05.19 ID:2t/yG16P [2/10]
委員長「実は、あの泥棒、白しか盗んでないんです」
男「…」
委員長「他の色の下着があったのに、白だけを盗んでいたそうです」
男「…だから、俺じゃないってわかるのかよ?」
委員長「もちろん。見境なく盗んでいるなら、全て盗むはずです」
男「…ちっ」
委員長「あなたが身代わりになっても、私は全然嬉しくないです」
委員長「…このままでは、本当の犯人がさらに行動を激しくするかもしれません」
男「…じゃあどうすんだよ」
委員長「犯人を捕まえましょう」
男(無茶言うなよ)
758 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:38:05.72 ID:2t/yG16P [3/10]
男「言っとくけどな、俺は既に女子の敵だぜ? うろちょろしてたら怪しまれちまう」
委員長「でも、一つ問題があるんです」
男「?」
委員長「あなたがもし、みなさんから『盗んだ下着を返せ』と言われたら、返しようがありません」
男「…そうだな」
委員長「私が説得させますから、大丈夫です」
男「すまんな」
委員長「いいえ、いいんです」
760 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:43:26.09 ID:2t/yG16P [4/10]
次の日
男「…しかし、どうやって探すんだよ」
委員長「罠を張ります」
男「ほほう、どうやって?」
委員長「ついてきてください」
男「ん、了解」
放送室
男「ここでどうするつもりだ?」
委員長「まあ、まかせてください」
ピンポンパンポーン
委員長「全学年にお知らせです…」
761 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:46:45.32 ID:2t/yG16P [5/10]
委員長「…以上です」
ピンポンパンポーン
男「…」
委員長「ああ! しまったっ、私、更衣室に下着を忘れてたわっ」
男「!?」
委員長「どうしよう…ああ、でも放課後に行けばいいわよね」
男「お、おい!」カチッ
委員長「これで、よしです」
男「お前、まだ放送中だったぞ!?」
委員長「それが狙いです」
男「はぁ?」
762 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:54:16.84 ID:2t/yG16P [6/10]
委員長「私は下着を忘れてしまいました」
男「うむ」
委員長「そして放課後に取りに行くといいました」
男「…! まさか…」
委員長「つまり、その間に更衣室に、犯人は現れる…かもしれないのです」
男「…」
男(こんなんで大丈夫なのか?)
委員長「あとは、下着を本当に置かないといけませんね…」
男「お前のじゃないのか?」
委員長「そ、それは…」カァァ
男「…しかし、誰も貸してくれないだろ」
委員長「そうですねぇ…」
男「!」
委員長「どうしました?」
男「イイヤツがいる」
委員長「え!?」
763 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 22:20:47.21 ID:2t/yG16P [7/10]
更衣室
男「…」
委員長「大丈夫ですかね…?」
男「どうせオトリだ」
委員長「そうですが…」
男「なぁに、気にするなって」
スタスタスタ…
男「!」
委員長「だ、誰か来ます!」
男「ま、まずい! 隠れろっ!」
764 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 22:34:01.48 ID:2t/yG16P [8/10]
ガチャガチャ
男「…」
委員長「…なんで同じロッカーに入ったんですか…!?」
男「しーっ! 静かに!」
委員長「うう…」ドキドキ
男「…」
ガチャ バタン
男(誰だ…?)
男「委員長、外見えるか?」
委員長「み、見えません…」
766 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 22:39:41.65 ID:2t/yG16P [9/10]
男「…ん、俺はちょっと見えるかも…」ゴソゴソ
委員長(!!)
男「…ん、あいつは…」
委員長(そ、その体勢…だめぇ…)
男「…へへ」
男「…見つけたぜ、犯人さんよぉ」
767 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 23:04:31.65 ID:2t/yG16P [10/10]
委員長「だ、ダメです男くん…!」
男「どうした?」
委員長「その体勢を…どうにしてくださぃ...」
男「わ、わかった」モソモソ
委員長「…」
男「…」
「な、なんだ!? 男物じゃねえか…!!」
男「! 今だっ!」
ガチャン
「!?」
781 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 21:22:41.38 ID:3xkdqx6P [2/9]
男「おとなしくしやがれぇー!」
「な、なんだお前…!」
男「てめーこそ、何しに更衣室に来たんだ!?」
「お、俺は…」
委員長「ふむ、どうやら犯人さんのようですね」
「! い、委員長!」
委員長「懲りずによくこれましたね。呆れてしまいます」
「そ、そんな…」
男「さ、一緒に来てもらおうか!」
「まさか…委員長が男物を穿いているなんて…」
委員長「そ、それは誤解です!」
782 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 21:39:12.89 ID:3xkdqx6P [3/9]
職員室
委員長「先生!」
先生「おや、委員長。どうしたのよ?」
委員長「ほら、男くんっ」
男「おうっ」
先生「あら、どうしたのかしら? 三人で…」
「…」
男「こいつが、下着泥棒です!」
先生「え…?」
男「…」
先生「泥棒は男くんだったんじゃ…?」
委員長「それは、かくかくしかじかで…」
783 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 22:23:10.07 ID:3xkdqx6P [4/9]
先生「ふむふむ、そうだったの」
男「わかってもらいましたか?」
先生「はい」
委員長「よかった…これで男くんは自由です!」
男「あ、ああ」
委員長「どうしました?」
男「すこし、疑問があるんだ」
委員長「?」
786 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:11:22.21 ID:3xkdqx6P [5/9]
男「お前、盗まれたことあったんだよな?」
委員長「え?」
男「それだったら犯人はお前が男物を穿いてないことを知ってるはずだ」
委員長「…」
男「まさか、あいつは犯人じゃないんじゃないのか?」
委員長「男くんっ」
男「?」
委員長「…じ、実は…」
787 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:32:09.91 ID:3xkdqx6P [6/9]
委員長「私は盗まれていません」
男「え?」
委員長「…」
男「じゃあ、どうして…?」
委員長「私は…」
男「…」
委員長「…」ドキドキドキ
友「おい! 男!」
男「ん?」
友「いいかげん俺のパンツ返せよ!」
男「あ、ああ、すまん」
789 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:46:16.20 ID:3xkdqx6P [7/9]
友「ふんっ、股間がスースーしてたまらねーぜ」
委員長「あ、友くん。ご協力ありがとうございます」
友「…まあ、大親友のためなら仕方ねえ」
男「ありがとよ、友」
友「へっ、いいってことよ」
委員長「…」
友「さて、今日はお前の疑いも晴れたし、どっか食いに行くか!」
男「おう。委員長も来るか?」
委員長「え、いいのですか?」
男「当たり前だろ。お前のおかげで俺は救われたんだから」
委員長「…」
790 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:50:03.84 ID:3xkdqx6P [8/9]
男「あとさ」
委員長「はい?」
男「お前が困ったときは、俺を頼ってくれ」
男「絶対に、お前の味方になるから」
委員長「…」ドキッ
友「はっ、何カッコつけてんだよ!」バシッ
男「…いってーな!」
友「はははっ!」
委員長「…ありがとう、男くん」
・
・
・
791 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:59:05.79 ID:3xkdqx6P [9/9]
男「このときお前が俺にパンツを貸してくれてなかったら、どうなってたんだろうな」
友「…」ワナワナ
男「?」
友「変態!」
男「なんでだよ?」
友「お、俺のぱ、パパパパンツ…って…」
男「?」
友「お前の中の記憶だと男者だったことになってるみたいだけどな…」
男「おう」
友「俺の記憶ではお前が女の俺にパンツを貸して欲しいと言ってるところが出てくるぞ…!」
男「え」
男「…マジか」
友「バカーーーー!!」
#8 END
792 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/15(火) 00:04:11.74 ID:Cm7UzFwP [1/6]
#9 予告
友「あの…さ」
男「ん?」
友「どっか、行かない?」
男「ん、ブラブラするか?」
友「そ、そうじゃなくて」
男「?」
友「二人で、旅行でもさ」
男「…いいけど」
友「やった」
男「多分、この話はオチがないな。そんな気がする」
友「な、なんだよそれ…まあ、次回をお楽しみにっ」
805 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/15(火) 20:52:30.87 ID:Cm7UzFwP [3/6]
男「ふわぁぁ…」
友「ふわぁぁ…」
男「おい」
友「?」
男「近づくな気持ち悪い」
友「だって寒いんだもん」
男「バスがら空きなんだからもっとノビノビと使え」
友「男とくっついてると暖かいんだもん」
男「…」
806 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/15(火) 20:56:37.92 ID:Cm7UzFwP [4/6]
男(夜間バスは初めてだが…)
男(こんな夜間バスは二度とごめんだ!)
友「む、なんだよその顔」
男「ふんっ、お前がどけばもっとマシな顔になってるだろうな」
友「…いないいないばあー」
男「…」
友「…ごめん、ちょっと調子に乗った」
男「寝よう」
友「うん」
男「おっと、寝てる間に変なことするなよ?」
友「ギクッ し、しねーし」
809 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/15(火) 21:26:51.98 ID:Cm7UzFwP [5/6]
男「…」
友「…」
男(全然寝れねー…)
友「むにゃむにゃ…」
男(こいつはこいつで寝ちまったし…)
友「…」
男「…はぁ」
男(普通なら男二人で気持ち悪い旅行だったのに)
男(友が女になって…)
男(まあ、別にいいけど)
男(今のほうがずっと可愛いし)
男(…せめて男の時の顔さえチラつかなきゃな…やれやれ)
819 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:03:43.65 ID:PJihnooP [2/3]
「すいませーん」
男「…はっ…」
「着きましたよ」
男「あ、はい」
男「お、おい起きろ友」
友「お、男…はげしっ…んん…」
男「な、何言ってやがる!」
820 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:06:51.13 ID:PJihnooP [3/3]
友「いやあ、さっきのは夢だって」
男「悪夢だな」
友「俺にとってはそれなりに…よかった」
男「殴るぞ…」
友「殴ってみそ」
男「は?」
友「妹ちゃんはいつも殴られてるんだろ?」
男「殴ってるわけ…あるな」
友「男の愛情表現だろ?」
男「ちげーよ」
825 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:48:41.66 ID:.S3OdmsP [2/5]
男「あいつがうるせーから殴って黙らせてるだけだ」
友「怖いなー」
男「あいつは喜んでるんだぞ?」
友「そ、それも怖いなー…」
男「それより、ほら」
友「ん?」
男「着いたぞ、旅館」
友「おおおー!」
826 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:07:19.09 ID:.S3OdmsP [3/5]
男「結構でかいな」
友「うん」
男「とりあえず、中に入ろう」
友「りょーかい」
男「むむ、めっちゃ良い部屋じゃねえか!」
友「すげえ! イイ眺めっ」
男「よし、まずは布団を出して…寝る!」
友「なんでそうなるんだよ!?」
828 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:30:44.54 ID:.S3OdmsP [4/5]
男「くつろぐためにまずは休息から入るんだ!」
友「なるほど! じゃあ一緒に寝よ♪」
男「言うと思ったぜ…やだよ」
友「ぶーぶー」
男「あーうるさいうるさい」
友「どうせ俺のことなんか…」
男「とりあえず、外出るか。見るものいっぱいあるだろうし」
友「うんっ!」
834 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:23:25.70 ID:RQ0HQWEP [1/17]
友「なあ男~」
男「ん?」
友「どこ行くんだよぉ…」
男「別に、行くところ決めてなかったから、普通に歩いてた」
友「おいおい…」
男「それにしても、ここどこだ?」
友「…なんで森の奥に来ちまったんだよぉ!?」
男「いやあ、すまんすまん」
友「うう…ばかぁ」
835 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:29:35.00 ID:RQ0HQWEP [2/17]
男「でも、すげえな」
友「?」
男「自然ってのは、本当に綺麗だと思ってさ」
友「…そうだな」
男「こんなところが、まだ日本にあるとはな…」
友「そうだな」
男「お前、そうだなしか言ってねーじゃねえか」
友「そうだな」
男「…はぁ」
友「で、でも、綺麗だって思うよ!? これは本当だ!」
836 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:37:00.04 ID:RQ0HQWEP [3/17]
男「ふーん」
友「男…なんか怒ってる?」
男「そんなわけないだろ」
友「ほんと?」
男「本当だ」
友「よかったぁ…」
男「…なんでそんなこと気にしてるんだ?」
友「え? だって…」
友「俺なんかより、もっと一緒に行きたいと思ってるやつがいると思うし…」
男「ほー…。俺が誰と行きたいと思ってるんだ?」
友「え、それは…」
837 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:47:43.16 ID:RQ0HQWEP [4/17]
友「い、委員長とか…」
男「…」
友(うわあ…図星だったのかな…?)
男「ああ、あいつか」
男「あいつと…うーむ」
友「やっぱり…一緒に行きたかった?」
男「そんなことねーよ」
男「第一、あいつと行ったら、今頃分刻みのスケジュール通り動くことになってそうだな」
友「ああ…」
男「だから、お前のほうが気楽だし、第一」
男「面白いから」
友「…男…」
839 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:51:00.75 ID:RQ0HQWEP [5/17]
男「まあ、委員長と行った方が充実したかもな!」
友「…ここまで歩いたのはお前だぞ!」
男「そうだったな、すまんすまん」
友「…でも、よかった」
友「こんなところ、普段行かないし」
男「友」
友「ん?」
男「お前がこの自然の中にいると、絵になるな」
友「そ、そうか…?」
男「おう」
840 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 21:15:25.89 ID:RQ0HQWEP [6/17]
友「ありがと、嬉しい」
男「おっと、動くな」
友「?」
男「…」カシャ
友「カメラ持ってきてたのか?」
男「おう、思い出、残そうと思って」
友「そっか」
841 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 21:37:36.81 ID:RQ0HQWEP [7/17]
友「…可愛く撮れよ」
男「なんだよそれきもちわりー」
友「むかつくっ」
男「…」カシャ
友「…」
男「じゃあ、脱いでくれ」
友「え!?」
男「冗談だ冗談」
友「…」ヌギリヌギリ
男「本気で脱ぐな」
843 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 21:51:36.63 ID:RQ0HQWEP [8/17]
男「腹減ったな」
友「そうだなー」
男「弁当でも持ってきたら、最高だったのにな」
友「あ、ごめん」
男「謝ることねーだろ」
男「こんなところ来るなんて俺もお前も思ってなかったし」
友「うん」
男「でもお前の飯食いたかったな」
友「この前のおいしかった?」
男「すげえ美味かった」
友「えへへ…」
844 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 21:58:33.09 ID:RQ0HQWEP [9/17]
男「どんどん女々しくなってくな、お前」
友「恋する乙女だからな」
男「…けっ」
友「な、なんだよその反応!」
男「なんかお前らしくねーなーと思って」
友「ぶーぶー」
男「むかつくほど…」
男「可愛くなりやがって」
友(お、男こそ…なんだよ)
友(俺に優しくしやがって…)
845 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 22:33:30.02 ID:RQ0HQWEP [10/17]
友「俺は…」
男「ん?」
友「…」
男「なんだよ?」
友「ん、なんでもない!」
男「? そうか」
友「うん、ほら、飯食うために帰ろっ」
男「そうだな」
846 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 22:40:17.67 ID:RQ0HQWEP [11/17]
男「ん?」
友「どした?」
男「雨…か?」
友「えっ…」
友「あ、ほんとだ…」
男「まずいな、早く帰ろう」
友「う、うん」
848 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 22:52:49.84 ID:RQ0HQWEP [12/17]
男「まずい、本降りになってきちまった!」
友「あっ、男!」
男「ん?」
友「あそこ、雨宿りできるかも…」
男「おお、ほんとだ」
友「とりあえず、あそこで雨宿りしよう」
男「おう」
852 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 23:42:51.02 ID:RQ0HQWEP [14/17]
男「あー、止みそうもねぇな」
友「そうだな…」
男「寒くないか?」
友「ちょっとだけ」
男「じゃあ、こっちこい」
友「え?」
男「ほら、こっちこい」
友「う、うん」
853 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 23:47:21.98 ID:RQ0HQWEP [15/17]
男「…」
友「男…」
男「ん?」
友「なんかお前、変じゃないか?」
男「なんで?」
友「普通だったら、こんなこと…しないじゃないか」
男「お前が寒いって言ってんだから、冷えたらまずいだろ」
友「…そっか、嬉しい」
男「…」
856 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 23:55:26.96 ID:RQ0HQWEP [16/17]
男「…!」
友「? どした」
男「ああ、んー…なんでもない」
友「…?」
男(服が透けて…まずい)
男(上着とかねぇし…)
男「と、とりあえず、服、ぬれちまったな…」
友「そうだな…しぼろうかな?」
男「おお! その方がいいと思うぜ」
857 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 23:57:34.07 ID:RQ0HQWEP [17/17]
友「さってと」ヌギッ
男「うおい! いきなり脱ぐな」
友「あ、そうだった」
男「おいおい…」
友「てへへ、失敗失敗」
男「はぁ…」
858 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/20(日) 00:01:26.91 ID:/Aqd33IP [1/4]
友「あれ~? もしかして、意識しちゃってる?」
男「…ふんっ」
友「やっぱりそうなんだ!」
男「うっせー」
友「なんか嬉しいことばっかりで心が弾むっ」
男「…はぁ」
880 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:24:23.81 ID:ZYJyp56P [1/7]
男「今日って、天気予報雨だったっけ?」
友「うーん? 晴れだったはず」
男「だよな、ったく…」
友「冷えるな」
男「しぼったら早く着ろよ」
友「もう着てますよーだ」
男「そうかい」
881 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:28:26.41 ID:ZYJyp56P [2/7]
友「あれ、男はしぼらなくてもいいのか?」
男「大丈夫だ…ハックション!」
友「…ぷふ…」
男「悪かったな…」
友「よーし。暖めてやる」
男「いい、お前が冷える」
友「平気へい…クチュン」
男「さすがだな、お前」
友「…」
883 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:33:55.85 ID:ZYJyp56P [3/7]
友「もう、いっそのこと走って戻ったほうがいいんじゃないか?」
男「滑ったらどうする。あぶねぇ」
友「たしかにな…」
男「とりあえずは、様子見だ」
友「おう」
884 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:46:30.35 ID:ZYJyp56P [4/7]
友「そういえばさ」
男「ん?」
友「お前が公園に来たときも、雨降ってたよな」
男「んー…そういえばそうだな」
友「だから、俺、ちょっと雨好きなんだよね」
男「…ふーん」
885 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:51:00.41 ID:ZYJyp56P [5/7]
友「男は、好き?」
男「別に」
友「なんだよ…思い出を大事にしろよな」
男「ふん…」
友「お前のそういうところが嫌いだ」
男「あん?」
友「そうやって、俺の言うことを、聞き流す」
男「はぁ?」
友「どうせ俺の言ってることの半分くらいは聞いてないんだろ?」
男「何言ってんだ?」
886 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:52:36.34 ID:ZYJyp56P [6/7]
友「はいはい、俺が悪いんでしょー」
男「もういっぺん言ってみ…のわっ」ズルッ
友「ひゃっ…」ツルッ
男「いて…す、すまん」
友「だ、大丈夫だ…」
男「あ…」
友「あ…」カァァ
男「す、すぐどくから」
友「う、うん…」
923 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 19:15:24.44 ID:/jH1p6YP [2/3]
男「…」(空気がなんだか…)
友(男の顔を直視できない…)
男「お、おい友」
友「な、なんだ?」
男「このままじゃ風邪ひいちまう。やっぱり帰ろう」
友「わかった」
男「本当に、ごめんな」
友「いいよ。気にすんなって」
924 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 19:22:18.97 ID:/jH1p6YP [3/3]
男「結構降ってるな…」
友「そうだな」
男「とにかく、ゆっくり歩こう」
友「おう、慎重にな」
男「…」
友「…なあ、男」
男「ん?」
友「俺、いやじゃないから」
男「え?」
友「お前のこと好きだし、一緒にいれれば、それでいいから」
男「…バカなこといってねーで行くぞ」
友「はいはい」
972 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:18:51.91 ID:ddoJNY.0 [1/6]
友「こ、こっち見るなよ」
男「みねぇよ」
友「まあ、見たいならいいぜ?」
男「誰が見るか!」
友「なんだよぶーぶー」
男「…はぁ」
973 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:20:14.91 ID:ddoJNY.0 [2/6]
男「着替えたら風呂にでも行くか」
友「うんっ!」
男「まあ、別々だけどな」
友「…はぁ」
男「仕方ないだろ、それは…」
友「『仕方ない』ってことは…男も残念なわけ!?」
男「そ、そういうことじゃねえ!」
974 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:23:36.87 ID:ddoJNY.0 [3/6]
男「っけ、誰がお前となんか…」
友「じゃあ今度は、二人でお前の家でさ」
男「いやだよ!」
男「そ、そんなバカな…」
『この時間は、混浴になります』
友「うおー☆」
男「…マジかよ」
976 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:28:14.47 ID:ddoJNY.0 [4/6]
友「ふっふふーん!」
男「おい」
友「な、なんだよ?」
男「絶対そのタオル、脱ぐなよ。絶対だからな!」
友「ふふ、大丈夫! お前にしか見せないから…」
男「うっせ!」
978 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:33:01.70 ID:ddoJNY.0 [5/6]
友「じゃあなんでダメなんだ?」
男「お前…」
友「?」
男「さすがに俺もやばいと思うからだ」
友「ふふふーん?」
男「なんだよ…」
友「俺のボディに、魅力を感じるんだなぁ…ははは」
男「…はいはい」
979 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:40:18.71 ID:ddoJNY.0 [6/6]
友「うわぁ、大きいなぁ」
男「まさに、旅館に来たって感じだな!」
友「そうだなぁ~ふふふ」
男「さて、入ろうかな!」
友「なあ、男~」
男「今から楽しみだなぁ~」
友(こいつ…スルーする気だな!?)
982 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:08:42.27 ID:BIiIocDO [1/7]
友「なあ、男~」
男「ぬおっ…て、てめぇ…!」
友「どうしたんだぁ?」
男「ふざけんな…」
友「え? 何がですかぁ?」
男「当たってんぞ…」
友「なにが当たってるんだよ?」
男「くおおお…」
友(ふふふふふ…)
983 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:16:09.22 ID:BIiIocDO [2/7]
男「離れろ…!」
友「やだ~」
男「ふざけんな!」
友「ええっいいじゃん」
男「よくねえ!」
友「どうして…?」ウルウル
男(こいつ、卑怯だ!!)
986 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:19:12.57 ID:BIiIocDO [3/7]
男「わかったよ! ったく」
友「そうこなくっちゃ」
男(なんで混浴になってんだよ…)
友「今、俺と男ふたりきりだぜ…ふふ」
男「うっせー」
友「なんだよ、それ」
男「…」
友「…最近、毎回そんな感じだよな」
987 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:20:32.12 ID:BIiIocDO [4/7]
男「?」
友「俺はただ、男と普通に話したいのに」
友「男がそれを、拒否してる」
男「…」
友「別に、いいけどさ」
友「なんか…悲しくてさ…」ウルッ
男「お、おい…」
989 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:30:30.54 ID:BIiIocDO [5/7]
友「…ご、ごめん、なんか変な雰囲気にしちゃったな」
男「…」
友「ただ、本当にさ…男と、女になってから、普通に、すっごくつまんないこととかくだらないこととか、話さなくなったなって思ってさ」
男「…」
友「やっぱり、異性だもんな…そういう話、したくないよな」
男「…」ギュッ
友「あっ…」
男「…悪かった」
友「…いきなり手を握るなんて、ちょっと反則じゃないか?」
男「べ、別にいいだろ」
990 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:31:44.06 ID:BIiIocDO [6/7]
友「ふふ…うれしいよ」
男「友」
友「ん?」
男「付き合ってやるよ、つまんねー話にも、くだらない話にもさ」
友「…男」
男「だから、もうすこし俺に色目つかうのやめろ」
友「…了解」
男「おう」
友(好きだから…どうしても、無理だよ…)
今回はこれで。
#7 予告
友「ついに!」
男「おう」
友「帰ってきました!」
男「何が?」
友「この、俺がです!」
男「おめでとー」
友「前回、前々回…男が他の女とイチャイチャするのを指を咥えて見ていた…しかし、しかし!」
友「今回は男の○○○を咥えて…」
男「何言ってんだ! 卑猥なワードは禁止! 次回、お楽しみに!」
701 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 23:24:02.70 ID:kY5c/G6P [8/9]
友「え…?」
友「いや、いきなりそんなこと言われても…」
友「…」
友「…わかった」
友「うん、それじゃあ」
友「…」
友(どうしよう…)
703 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 23:35:20.69 ID:kY5c/G6P [9/9]
男宅
男「で、どうした」
友「えっと…だな…」
男「…」
友「なんだよその顔は」
男「早く言いたいこと言えよ」
友「急かさなくてもいいだろ…」
男「ちげえよ」
友「じゃあなんだよ?」
男「お前が悩んでることくらい、顔見りゃわかる」
友「…」
704 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:00:48.27 ID:li3iEVYP [1/27]
友「じ、実はさ」
男「おう」
友「三組の…やつが…」
男「おう」
友「こ、告白してきたって言うか…なんて言うか」
男「…」
友「ど、どうすればいいんだ?」
男「よかったじゃねえか」
友「えっ」
男「ついにお前にも出会いができたんだな」
友「ち、違うっ」
男「あん?」
友「俺は、断りたいんだ」
男「なんで?」
友「なんでって…!」
705 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:06:24.28 ID:li3iEVYP [2/27]
友(俺は…そんなことを言って欲しいわけじゃない)
友「お、俺は…」
男「…」
友「俺は…!」
男「あいつ、相当女にモテてるらしいぞ」
友「そんなこと聞いてない!」
男「お前に釣り合いそうないい男だと思うぜ」
友「…男の、バカっ!」
ガチャ バタンッ
男(…はぁ)
706 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:10:51.66 ID:li3iEVYP [3/27]
男「なんつーか」
男「あいつは俺のこと、どう思ってんだか…」
男(なんて返せば、正解なんだよ)
男「…まあ、俺が選んだ道だ」
男「友も出ていっちまったし」
男(さて、どうするか)
男「妹~飯まだかー?」
707 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:16:06.13 ID:li3iEVYP [4/27]
友「はぁ…はぁ…」
友(…俺の方こそ、バカだ)
友(あいつは、俺のことなんて…)
友(想ってくれても、いないのに)
友(俺一人の想像だけで、あいつが一言『断れ』って、言ってくれるとかそういうことばっかり考えて…)
ドンッ
友「うわっ、ご、ごめんなさい!」
?「こ、こちらこそ…って、あれ?」
友「あ、委員長?」
708 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:19:45.68 ID:li3iEVYP [5/27]
喫茶店
委員長「えっ、友さん、告白されたんですか?」
友「し、しーっ! 声大きいっ」
委員長「ご、ごめんなさい…私、そういうこと話されるの、初めてで…」
友「そうなんだ」
委員長「ど、どんな告白だったんですか?」
友「え、えっと…」
友「手紙もらったんだ」
委員長「て、手紙!?」
友「そ、そんなにびっくりしなくても…」
709 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:27:35.25 ID:li3iEVYP [6/27]
委員長「い、異性の人からの手紙なんて…」カァァ
友「そ、そんな顔しないでよ」カァァ
委員長「こんなこと聞いてはダメだと思うんですけど」
委員長「どんなことが書かれていたんですか?」
友「うーん…『あなたの笑顔に元気付けられた』とかなんとか」
委員長「は、はわわ…」カァァ
友「い、委員長大丈夫?」
委員長「わ、私には刺激が強すぎます…」
友「…」
711 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 00:48:47.95 ID:li3iEVYP [7/27]
友「委員長ってさ」
委員長「?」
友「モテないの?」
委員長「ああ、私は全然ですよ」
委員長「性格がキツいってよく言われるんです」
友「そうかな? 委員長、すっごく可愛いのに」
委員長「友さんに言われると、嬉しいです」
委員長「でも、私は…」
友「?」
委員長「あ、な、なんでもないです!」アセアセ
712 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:05:59.42 ID:li3iEVYP [8/27]
委員長「そ、それに学生の間は恋愛なんて…」
友「ふーん」
委員長「…友さんは結局どうするつもりなんですか?」
友「え?」
委員長「告白のことです」
友「うーん…」
委員長「三組の方ですよね?」
友「うん、一応、断るつもり」
委員長「そうですか。って、こんなこと聞いちゃってごめんなさいっ!」
友「いいよいいよ、俺が委員長に言ったんだから」
713 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:11:05.25 ID:li3iEVYP [9/27]
委員長「ずっと思ってたんですけど…」
友「ん、なに?」
委員長「なんで友さんは、自分のこと、『俺』って言うんですか?」
友「…」
委員長「あ、特に理由がないならいいんですけど…」
友「べ、別に理由はないかな…」
委員長「そ、そうですか…す、すいませんこんなこと聞いて…」
友「委員長!」
委員長「はい?」
友「一々謝ったらキリがない!」
委員長「ご、ごめんなさい…気をつけます!」
カランコロン
714 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:16:58.70 ID:li3iEVYP [10/27]
男「おっす、委員長…と、友」
友「! 男っ…」
委員長「はひっ、男くん! どどど、どうしてここに!?」
男「いや、委員長がいるのが見えたから」
友「…」
男「なんだ、さっきの話でもしてたのか?」
友「…ふんっ」
委員長「男くん、もうすこし相手のことを思って発言しなさい」
男「おう、すまんすまん」
友「…帰る」
委員長「え?」
友「ありがとう、委員長。これ、俺の分の代金。」
男「お、おい」
友「それじゃ」
カランコロン アリガトウゴザイマシター
715 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:21:35.39 ID:li3iEVYP [11/27]
男「やれやれ、座っていいか?」
委員長「は、はい。どうぞ」
男「どうしたんだ? なんか顔赤いけど」
委員長「き、気のせいです」
委員長(し、私服姿見られちゃった…)
男「そういえば、学校以外で会うの初めてだよな?」
委員長「そうですね」
男「…ふぅ」
委員長「どうかしましたか?」
男「いやぁ…あいつのこと」
委員長「友さんのことですね」
男「おう」
716 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:27:42.90 ID:li3iEVYP [12/27]
委員長「男くんは、優しいのね」
男「そうかな」
委員長「はい」
男「まあ、あいつとは親友だし」
男「あいつが悩んでるなら、俺もすこしは助けたいって思ってるんだけどさ」
男「恋愛経験とか俺、全然無いから」
委員長「私もです」
男「そうなのか。…でも、委員長は絶対に良い人見つかる。保障する」
委員長「あ、ありがとうございます…」
男「はぁ~」ニヘラ
委員長「? どうかしましたか?」
男「いやあ、委員長に会えるとは思わなかったからな」
委員長「え、ええ…」オロオロ
717 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:31:43.74 ID:li3iEVYP [13/27]
男「それに、貴重な私服姿」
委員長「か、からかわないでくださいっ」
男「からかっちゃいねーよ」
委員長「うう…」
男「委員長見てると落ち着く…はぁ~」
委員長「あんまりジロジロ見ないでください…」
男「さて、委員長にあえてテンション上がったことだし、ちょっくら友を追いかけてくらぁ」
委員長「そ、そうですか」(助かったぁ…)
男「それじゃあ、また学校で」
委員長「はい」
718 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:33:09.59 ID:li3iEVYP [14/27]
カランコロン アリガトウゴザイマシター
男(本当に、委員長は良いやつだ)
男「さて、と」
男(あいつは家に帰ったのか? それとも…)
男「…」
男(とりあえず、あそこに行くか)
719 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 01:34:03.97 ID:li3iEVYP [15/27]
今回はこれで…。
質問など、何かありましたら言ってください。
725 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 21:59:03.32 ID:li3iEVYP [16/27]
公園
男「やっぱりここにいたか」
友「…」
男「どうするんだ?」
友「ふんっ…お前には、関係ないだろ」
男「あるさ」
726 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:09:34.69 ID:li3iEVYP [17/27]
男「お前が付き合えば、俺との関係だって、変わっちまう」
男「親友って言ったって、会える頻度が下がるだろうしさ」
友「…」
友「別に…会えるだろ、すこしくらいは」
男「すこしくらい…か」
友「…」
男「俺の正直な意見」
男「…付き合って欲しくない」
727 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:14:25.33 ID:li3iEVYP [18/27]
友「…!」
男「なんつーか、さ」
男「んー…調子狂っちまうっつーか」
男「べ、別に俺の意見だから気にすることはないからな?」
友「ううん」
男「あ?」
ギュッ
男「!」
友「やっぱりお前には、俺しかいないよな♪」
男「お、おい! いきなり抱きつくな…!」
友「よーし! 男パワー吸収完了!」
男「はぁ…お前ってやつは」
729 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:39:16.94 ID:li3iEVYP [19/27]
そして…。
友「…ごめんなさい!」
「そ、そっか…」
友「俺には、大事な人がいるから…」
「そうだったのか…いきなり告白なんかして、ごめん」
友「いいよいいよ! すっごく嬉しかったし」
友(それに…)
友(男の気持ちも、わかったし)
「それじゃあ」
友「あ、うん」
友「…男~」
男「!」ビクッ
友「いるのはわかってるぞー?」
男「ちっ!」
友「あー待てー!」
730 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:41:15.37 ID:li3iEVYP [20/27]
男「つ、ついてくるな!」
友「そう言わずに、ははははははっ!」
男「別にお前が付き合おうがどうでもいいんだからなー!」
友「う・そ・つ・きっ」
男「う、うおおおおお! むかつくっ!」
#7 END
731 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 22:48:24.49 ID:li3iEVYP [21/27]
これは、一年前の話である。
#8 『委員長と男と友』
男「まあ、たいした話じゃないけどな」
738 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 23:23:47.38 ID:li3iEVYP [23/27]
「また女子の下着が盗まれたらしいぞ!」
「またかよ! 一体誰が…」
「いいかげんにしろよ! 男子全員が敵視されてんだぞ!」
男「…」
男「ったく…」
委員長「一体誰がこんなことを…」
男「…」
男「俺だ」
「え?」
「え?」
「え?」
男「俺がやったんだ。全部、全部だ」
739 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 23:27:20.77 ID:li3iEVYP [24/27]
「嘘だろ…?」
「あの男が?」
「信じらんない…サイテー」
男「…これで、いいんだろ?」
委員長「あ、ちょっと…」
友「お、おい男っ」
男「あばよ」
「友、あんなやつほっとけ」
「そうそう。あいつらのせいでどれだけ俺達が女に怒鳴られたことか…」
740 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 23:32:54.98 ID:li3iEVYP [25/27]
最後のミス。修正します。
×「そうそう。あいつらのせいでどれだけ俺達が女に怒鳴られたことか…」
○「そうそう。あいつのせいでどれだけ俺達が女に怒鳴られたことか…」
741 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/11(金) 23:35:47.78 ID:li3iEVYP [26/27]
男「…ふぅ」
男(学校、辞めるかな)
委員長「男くん」
男「…なんでついてきてんだよ」
委員長「えっと…」
男「俺はお前達女の、敵だぞ?」
委員長「本当にあなたがしたの?」
男「…?」
委員長「本当に、あなたなの?」
755 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:25:24.00 ID:2t/yG16P [1/10]
委員長「実は、私も盗まれたの」
男「…!」
委員長「私の…そ、その…下着の色…わかる?」
男「さぁな、俺は見境なく盗んでるから」
委員長「…ふふっ」
男「…なんだよ?」
委員長「男くん、やっぱり嘘だったんですね」
男「…は?」
756 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:35:05.19 ID:2t/yG16P [2/10]
委員長「実は、あの泥棒、白しか盗んでないんです」
男「…」
委員長「他の色の下着があったのに、白だけを盗んでいたそうです」
男「…だから、俺じゃないってわかるのかよ?」
委員長「もちろん。見境なく盗んでいるなら、全て盗むはずです」
男「…ちっ」
委員長「あなたが身代わりになっても、私は全然嬉しくないです」
委員長「…このままでは、本当の犯人がさらに行動を激しくするかもしれません」
男「…じゃあどうすんだよ」
委員長「犯人を捕まえましょう」
男(無茶言うなよ)
758 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:38:05.72 ID:2t/yG16P [3/10]
男「言っとくけどな、俺は既に女子の敵だぜ? うろちょろしてたら怪しまれちまう」
委員長「でも、一つ問題があるんです」
男「?」
委員長「あなたがもし、みなさんから『盗んだ下着を返せ』と言われたら、返しようがありません」
男「…そうだな」
委員長「私が説得させますから、大丈夫です」
男「すまんな」
委員長「いいえ、いいんです」
760 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:43:26.09 ID:2t/yG16P [4/10]
次の日
男「…しかし、どうやって探すんだよ」
委員長「罠を張ります」
男「ほほう、どうやって?」
委員長「ついてきてください」
男「ん、了解」
放送室
男「ここでどうするつもりだ?」
委員長「まあ、まかせてください」
ピンポンパンポーン
委員長「全学年にお知らせです…」
761 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:46:45.32 ID:2t/yG16P [5/10]
委員長「…以上です」
ピンポンパンポーン
男「…」
委員長「ああ! しまったっ、私、更衣室に下着を忘れてたわっ」
男「!?」
委員長「どうしよう…ああ、でも放課後に行けばいいわよね」
男「お、おい!」カチッ
委員長「これで、よしです」
男「お前、まだ放送中だったぞ!?」
委員長「それが狙いです」
男「はぁ?」
762 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 21:54:16.84 ID:2t/yG16P [6/10]
委員長「私は下着を忘れてしまいました」
男「うむ」
委員長「そして放課後に取りに行くといいました」
男「…! まさか…」
委員長「つまり、その間に更衣室に、犯人は現れる…かもしれないのです」
男「…」
男(こんなんで大丈夫なのか?)
委員長「あとは、下着を本当に置かないといけませんね…」
男「お前のじゃないのか?」
委員長「そ、それは…」カァァ
男「…しかし、誰も貸してくれないだろ」
委員長「そうですねぇ…」
男「!」
委員長「どうしました?」
男「イイヤツがいる」
委員長「え!?」
763 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 22:20:47.21 ID:2t/yG16P [7/10]
更衣室
男「…」
委員長「大丈夫ですかね…?」
男「どうせオトリだ」
委員長「そうですが…」
男「なぁに、気にするなって」
スタスタスタ…
男「!」
委員長「だ、誰か来ます!」
男「ま、まずい! 隠れろっ!」
764 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 22:34:01.48 ID:2t/yG16P [8/10]
ガチャガチャ
男「…」
委員長「…なんで同じロッカーに入ったんですか…!?」
男「しーっ! 静かに!」
委員長「うう…」ドキドキ
男「…」
ガチャ バタン
男(誰だ…?)
男「委員長、外見えるか?」
委員長「み、見えません…」
766 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 22:39:41.65 ID:2t/yG16P [9/10]
男「…ん、俺はちょっと見えるかも…」ゴソゴソ
委員長(!!)
男「…ん、あいつは…」
委員長(そ、その体勢…だめぇ…)
男「…へへ」
男「…見つけたぜ、犯人さんよぉ」
767 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/13(日) 23:04:31.65 ID:2t/yG16P [10/10]
委員長「だ、ダメです男くん…!」
男「どうした?」
委員長「その体勢を…どうにしてくださぃ...」
男「わ、わかった」モソモソ
委員長「…」
男「…」
「な、なんだ!? 男物じゃねえか…!!」
男「! 今だっ!」
ガチャン
「!?」
781 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 21:22:41.38 ID:3xkdqx6P [2/9]
男「おとなしくしやがれぇー!」
「な、なんだお前…!」
男「てめーこそ、何しに更衣室に来たんだ!?」
「お、俺は…」
委員長「ふむ、どうやら犯人さんのようですね」
「! い、委員長!」
委員長「懲りずによくこれましたね。呆れてしまいます」
「そ、そんな…」
男「さ、一緒に来てもらおうか!」
「まさか…委員長が男物を穿いているなんて…」
委員長「そ、それは誤解です!」
782 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 21:39:12.89 ID:3xkdqx6P [3/9]
職員室
委員長「先生!」
先生「おや、委員長。どうしたのよ?」
委員長「ほら、男くんっ」
男「おうっ」
先生「あら、どうしたのかしら? 三人で…」
「…」
男「こいつが、下着泥棒です!」
先生「え…?」
男「…」
先生「泥棒は男くんだったんじゃ…?」
委員長「それは、かくかくしかじかで…」
783 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 22:23:10.07 ID:3xkdqx6P [4/9]
先生「ふむふむ、そうだったの」
男「わかってもらいましたか?」
先生「はい」
委員長「よかった…これで男くんは自由です!」
男「あ、ああ」
委員長「どうしました?」
男「すこし、疑問があるんだ」
委員長「?」
786 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:11:22.21 ID:3xkdqx6P [5/9]
男「お前、盗まれたことあったんだよな?」
委員長「え?」
男「それだったら犯人はお前が男物を穿いてないことを知ってるはずだ」
委員長「…」
男「まさか、あいつは犯人じゃないんじゃないのか?」
委員長「男くんっ」
男「?」
委員長「…じ、実は…」
787 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:32:09.91 ID:3xkdqx6P [6/9]
委員長「私は盗まれていません」
男「え?」
委員長「…」
男「じゃあ、どうして…?」
委員長「私は…」
男「…」
委員長「…」ドキドキドキ
友「おい! 男!」
男「ん?」
友「いいかげん俺のパンツ返せよ!」
男「あ、ああ、すまん」
789 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:46:16.20 ID:3xkdqx6P [7/9]
友「ふんっ、股間がスースーしてたまらねーぜ」
委員長「あ、友くん。ご協力ありがとうございます」
友「…まあ、大親友のためなら仕方ねえ」
男「ありがとよ、友」
友「へっ、いいってことよ」
委員長「…」
友「さて、今日はお前の疑いも晴れたし、どっか食いに行くか!」
男「おう。委員長も来るか?」
委員長「え、いいのですか?」
男「当たり前だろ。お前のおかげで俺は救われたんだから」
委員長「…」
790 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:50:03.84 ID:3xkdqx6P [8/9]
男「あとさ」
委員長「はい?」
男「お前が困ったときは、俺を頼ってくれ」
男「絶対に、お前の味方になるから」
委員長「…」ドキッ
友「はっ、何カッコつけてんだよ!」バシッ
男「…いってーな!」
友「はははっ!」
委員長「…ありがとう、男くん」
・
・
・
791 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/14(月) 23:59:05.79 ID:3xkdqx6P [9/9]
男「このときお前が俺にパンツを貸してくれてなかったら、どうなってたんだろうな」
友「…」ワナワナ
男「?」
友「変態!」
男「なんでだよ?」
友「お、俺のぱ、パパパパンツ…って…」
男「?」
友「お前の中の記憶だと男者だったことになってるみたいだけどな…」
男「おう」
友「俺の記憶ではお前が女の俺にパンツを貸して欲しいと言ってるところが出てくるぞ…!」
男「え」
男「…マジか」
友「バカーーーー!!」
#8 END
792 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/15(火) 00:04:11.74 ID:Cm7UzFwP [1/6]
#9 予告
友「あの…さ」
男「ん?」
友「どっか、行かない?」
男「ん、ブラブラするか?」
友「そ、そうじゃなくて」
男「?」
友「二人で、旅行でもさ」
男「…いいけど」
友「やった」
男「多分、この話はオチがないな。そんな気がする」
友「な、なんだよそれ…まあ、次回をお楽しみにっ」
805 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/15(火) 20:52:30.87 ID:Cm7UzFwP [3/6]
男「ふわぁぁ…」
友「ふわぁぁ…」
男「おい」
友「?」
男「近づくな気持ち悪い」
友「だって寒いんだもん」
男「バスがら空きなんだからもっとノビノビと使え」
友「男とくっついてると暖かいんだもん」
男「…」
806 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/15(火) 20:56:37.92 ID:Cm7UzFwP [4/6]
男(夜間バスは初めてだが…)
男(こんな夜間バスは二度とごめんだ!)
友「む、なんだよその顔」
男「ふんっ、お前がどけばもっとマシな顔になってるだろうな」
友「…いないいないばあー」
男「…」
友「…ごめん、ちょっと調子に乗った」
男「寝よう」
友「うん」
男「おっと、寝てる間に変なことするなよ?」
友「ギクッ し、しねーし」
809 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/15(火) 21:26:51.98 ID:Cm7UzFwP [5/6]
男「…」
友「…」
男(全然寝れねー…)
友「むにゃむにゃ…」
男(こいつはこいつで寝ちまったし…)
友「…」
男「…はぁ」
男(普通なら男二人で気持ち悪い旅行だったのに)
男(友が女になって…)
男(まあ、別にいいけど)
男(今のほうがずっと可愛いし)
男(…せめて男の時の顔さえチラつかなきゃな…やれやれ)
819 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:03:43.65 ID:PJihnooP [2/3]
「すいませーん」
男「…はっ…」
「着きましたよ」
男「あ、はい」
男「お、おい起きろ友」
友「お、男…はげしっ…んん…」
男「な、何言ってやがる!」
820 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/17(木) 23:06:51.13 ID:PJihnooP [3/3]
友「いやあ、さっきのは夢だって」
男「悪夢だな」
友「俺にとってはそれなりに…よかった」
男「殴るぞ…」
友「殴ってみそ」
男「は?」
友「妹ちゃんはいつも殴られてるんだろ?」
男「殴ってるわけ…あるな」
友「男の愛情表現だろ?」
男「ちげーよ」
825 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/18(金) 22:48:41.66 ID:.S3OdmsP [2/5]
男「あいつがうるせーから殴って黙らせてるだけだ」
友「怖いなー」
男「あいつは喜んでるんだぞ?」
友「そ、それも怖いなー…」
男「それより、ほら」
友「ん?」
男「着いたぞ、旅館」
友「おおおー!」
826 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:07:19.09 ID:.S3OdmsP [3/5]
男「結構でかいな」
友「うん」
男「とりあえず、中に入ろう」
友「りょーかい」
男「むむ、めっちゃ良い部屋じゃねえか!」
友「すげえ! イイ眺めっ」
男「よし、まずは布団を出して…寝る!」
友「なんでそうなるんだよ!?」
828 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/18(金) 23:30:44.54 ID:.S3OdmsP [4/5]
男「くつろぐためにまずは休息から入るんだ!」
友「なるほど! じゃあ一緒に寝よ♪」
男「言うと思ったぜ…やだよ」
友「ぶーぶー」
男「あーうるさいうるさい」
友「どうせ俺のことなんか…」
男「とりあえず、外出るか。見るものいっぱいあるだろうし」
友「うんっ!」
834 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:23:25.70 ID:RQ0HQWEP [1/17]
友「なあ男~」
男「ん?」
友「どこ行くんだよぉ…」
男「別に、行くところ決めてなかったから、普通に歩いてた」
友「おいおい…」
男「それにしても、ここどこだ?」
友「…なんで森の奥に来ちまったんだよぉ!?」
男「いやあ、すまんすまん」
友「うう…ばかぁ」
835 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:29:35.00 ID:RQ0HQWEP [2/17]
男「でも、すげえな」
友「?」
男「自然ってのは、本当に綺麗だと思ってさ」
友「…そうだな」
男「こんなところが、まだ日本にあるとはな…」
友「そうだな」
男「お前、そうだなしか言ってねーじゃねえか」
友「そうだな」
男「…はぁ」
友「で、でも、綺麗だって思うよ!? これは本当だ!」
836 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:37:00.04 ID:RQ0HQWEP [3/17]
男「ふーん」
友「男…なんか怒ってる?」
男「そんなわけないだろ」
友「ほんと?」
男「本当だ」
友「よかったぁ…」
男「…なんでそんなこと気にしてるんだ?」
友「え? だって…」
友「俺なんかより、もっと一緒に行きたいと思ってるやつがいると思うし…」
男「ほー…。俺が誰と行きたいと思ってるんだ?」
友「え、それは…」
837 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:47:43.16 ID:RQ0HQWEP [4/17]
友「い、委員長とか…」
男「…」
友(うわあ…図星だったのかな…?)
男「ああ、あいつか」
男「あいつと…うーむ」
友「やっぱり…一緒に行きたかった?」
男「そんなことねーよ」
男「第一、あいつと行ったら、今頃分刻みのスケジュール通り動くことになってそうだな」
友「ああ…」
男「だから、お前のほうが気楽だし、第一」
男「面白いから」
友「…男…」
839 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 20:51:00.75 ID:RQ0HQWEP [5/17]
男「まあ、委員長と行った方が充実したかもな!」
友「…ここまで歩いたのはお前だぞ!」
男「そうだったな、すまんすまん」
友「…でも、よかった」
友「こんなところ、普段行かないし」
男「友」
友「ん?」
男「お前がこの自然の中にいると、絵になるな」
友「そ、そうか…?」
男「おう」
840 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 21:15:25.89 ID:RQ0HQWEP [6/17]
友「ありがと、嬉しい」
男「おっと、動くな」
友「?」
男「…」カシャ
友「カメラ持ってきてたのか?」
男「おう、思い出、残そうと思って」
友「そっか」
841 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 21:37:36.81 ID:RQ0HQWEP [7/17]
友「…可愛く撮れよ」
男「なんだよそれきもちわりー」
友「むかつくっ」
男「…」カシャ
友「…」
男「じゃあ、脱いでくれ」
友「え!?」
男「冗談だ冗談」
友「…」ヌギリヌギリ
男「本気で脱ぐな」
843 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 21:51:36.63 ID:RQ0HQWEP [8/17]
男「腹減ったな」
友「そうだなー」
男「弁当でも持ってきたら、最高だったのにな」
友「あ、ごめん」
男「謝ることねーだろ」
男「こんなところ来るなんて俺もお前も思ってなかったし」
友「うん」
男「でもお前の飯食いたかったな」
友「この前のおいしかった?」
男「すげえ美味かった」
友「えへへ…」
844 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 21:58:33.09 ID:RQ0HQWEP [9/17]
男「どんどん女々しくなってくな、お前」
友「恋する乙女だからな」
男「…けっ」
友「な、なんだよその反応!」
男「なんかお前らしくねーなーと思って」
友「ぶーぶー」
男「むかつくほど…」
男「可愛くなりやがって」
友(お、男こそ…なんだよ)
友(俺に優しくしやがって…)
845 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 22:33:30.02 ID:RQ0HQWEP [10/17]
友「俺は…」
男「ん?」
友「…」
男「なんだよ?」
友「ん、なんでもない!」
男「? そうか」
友「うん、ほら、飯食うために帰ろっ」
男「そうだな」
846 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 22:40:17.67 ID:RQ0HQWEP [11/17]
男「ん?」
友「どした?」
男「雨…か?」
友「えっ…」
友「あ、ほんとだ…」
男「まずいな、早く帰ろう」
友「う、うん」
848 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 22:52:49.84 ID:RQ0HQWEP [12/17]
男「まずい、本降りになってきちまった!」
友「あっ、男!」
男「ん?」
友「あそこ、雨宿りできるかも…」
男「おお、ほんとだ」
友「とりあえず、あそこで雨宿りしよう」
男「おう」
852 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 23:42:51.02 ID:RQ0HQWEP [14/17]
男「あー、止みそうもねぇな」
友「そうだな…」
男「寒くないか?」
友「ちょっとだけ」
男「じゃあ、こっちこい」
友「え?」
男「ほら、こっちこい」
友「う、うん」
853 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 23:47:21.98 ID:RQ0HQWEP [15/17]
男「…」
友「男…」
男「ん?」
友「なんかお前、変じゃないか?」
男「なんで?」
友「普通だったら、こんなこと…しないじゃないか」
男「お前が寒いって言ってんだから、冷えたらまずいだろ」
友「…そっか、嬉しい」
男「…」
856 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 23:55:26.96 ID:RQ0HQWEP [16/17]
男「…!」
友「? どした」
男「ああ、んー…なんでもない」
友「…?」
男(服が透けて…まずい)
男(上着とかねぇし…)
男「と、とりあえず、服、ぬれちまったな…」
友「そうだな…しぼろうかな?」
男「おお! その方がいいと思うぜ」
857 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 23:57:34.07 ID:RQ0HQWEP [17/17]
友「さってと」ヌギッ
男「うおい! いきなり脱ぐな」
友「あ、そうだった」
男「おいおい…」
友「てへへ、失敗失敗」
男「はぁ…」
858 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/20(日) 00:01:26.91 ID:/Aqd33IP [1/4]
友「あれ~? もしかして、意識しちゃってる?」
男「…ふんっ」
友「やっぱりそうなんだ!」
男「うっせー」
友「なんか嬉しいことばっかりで心が弾むっ」
男「…はぁ」
880 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:24:23.81 ID:ZYJyp56P [1/7]
男「今日って、天気予報雨だったっけ?」
友「うーん? 晴れだったはず」
男「だよな、ったく…」
友「冷えるな」
男「しぼったら早く着ろよ」
友「もう着てますよーだ」
男「そうかい」
881 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:28:26.41 ID:ZYJyp56P [2/7]
友「あれ、男はしぼらなくてもいいのか?」
男「大丈夫だ…ハックション!」
友「…ぷふ…」
男「悪かったな…」
友「よーし。暖めてやる」
男「いい、お前が冷える」
友「平気へい…クチュン」
男「さすがだな、お前」
友「…」
883 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:33:55.85 ID:ZYJyp56P [3/7]
友「もう、いっそのこと走って戻ったほうがいいんじゃないか?」
男「滑ったらどうする。あぶねぇ」
友「たしかにな…」
男「とりあえずは、様子見だ」
友「おう」
884 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:46:30.35 ID:ZYJyp56P [4/7]
友「そういえばさ」
男「ん?」
友「お前が公園に来たときも、雨降ってたよな」
男「んー…そういえばそうだな」
友「だから、俺、ちょっと雨好きなんだよね」
男「…ふーん」
885 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:51:00.41 ID:ZYJyp56P [5/7]
友「男は、好き?」
男「別に」
友「なんだよ…思い出を大事にしろよな」
男「ふん…」
友「お前のそういうところが嫌いだ」
男「あん?」
友「そうやって、俺の言うことを、聞き流す」
男「はぁ?」
友「どうせ俺の言ってることの半分くらいは聞いてないんだろ?」
男「何言ってんだ?」
886 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:52:36.34 ID:ZYJyp56P [6/7]
友「はいはい、俺が悪いんでしょー」
男「もういっぺん言ってみ…のわっ」ズルッ
友「ひゃっ…」ツルッ
男「いて…す、すまん」
友「だ、大丈夫だ…」
男「あ…」
友「あ…」カァァ
男「す、すぐどくから」
友「う、うん…」
923 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 19:15:24.44 ID:/jH1p6YP [2/3]
男「…」(空気がなんだか…)
友(男の顔を直視できない…)
男「お、おい友」
友「な、なんだ?」
男「このままじゃ風邪ひいちまう。やっぱり帰ろう」
友「わかった」
男「本当に、ごめんな」
友「いいよ。気にすんなって」
924 名前: ◆VPXB6G8Wqo[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 19:22:18.97 ID:/jH1p6YP [3/3]
男「結構降ってるな…」
友「そうだな」
男「とにかく、ゆっくり歩こう」
友「おう、慎重にな」
男「…」
友「…なあ、男」
男「ん?」
友「俺、いやじゃないから」
男「え?」
友「お前のこと好きだし、一緒にいれれば、それでいいから」
男「…バカなこといってねーで行くぞ」
友「はいはい」
972 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:18:51.91 ID:ddoJNY.0 [1/6]
友「こ、こっち見るなよ」
男「みねぇよ」
友「まあ、見たいならいいぜ?」
男「誰が見るか!」
友「なんだよぶーぶー」
男「…はぁ」
973 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:20:14.91 ID:ddoJNY.0 [2/6]
男「着替えたら風呂にでも行くか」
友「うんっ!」
男「まあ、別々だけどな」
友「…はぁ」
男「仕方ないだろ、それは…」
友「『仕方ない』ってことは…男も残念なわけ!?」
男「そ、そういうことじゃねえ!」
974 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:23:36.87 ID:ddoJNY.0 [3/6]
男「っけ、誰がお前となんか…」
友「じゃあ今度は、二人でお前の家でさ」
男「いやだよ!」
男「そ、そんなバカな…」
『この時間は、混浴になります』
友「うおー☆」
男「…マジかよ」
976 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:28:14.47 ID:ddoJNY.0 [4/6]
友「ふっふふーん!」
男「おい」
友「な、なんだよ?」
男「絶対そのタオル、脱ぐなよ。絶対だからな!」
友「ふふ、大丈夫! お前にしか見せないから…」
男「うっせ!」
978 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:33:01.70 ID:ddoJNY.0 [5/6]
友「じゃあなんでダメなんだ?」
男「お前…」
友「?」
男「さすがに俺もやばいと思うからだ」
友「ふふふーん?」
男「なんだよ…」
友「俺のボディに、魅力を感じるんだなぁ…ははは」
男「…はいはい」
979 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/19(月) 01:40:18.71 ID:ddoJNY.0 [6/6]
友「うわぁ、大きいなぁ」
男「まさに、旅館に来たって感じだな!」
友「そうだなぁ~ふふふ」
男「さて、入ろうかな!」
友「なあ、男~」
男「今から楽しみだなぁ~」
友(こいつ…スルーする気だな!?)
982 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:08:42.27 ID:BIiIocDO [1/7]
友「なあ、男~」
男「ぬおっ…て、てめぇ…!」
友「どうしたんだぁ?」
男「ふざけんな…」
友「え? 何がですかぁ?」
男「当たってんぞ…」
友「なにが当たってるんだよ?」
男「くおおお…」
友(ふふふふふ…)
983 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:16:09.22 ID:BIiIocDO [2/7]
男「離れろ…!」
友「やだ~」
男「ふざけんな!」
友「ええっいいじゃん」
男「よくねえ!」
友「どうして…?」ウルウル
男(こいつ、卑怯だ!!)
986 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:19:12.57 ID:BIiIocDO [3/7]
男「わかったよ! ったく」
友「そうこなくっちゃ」
男(なんで混浴になってんだよ…)
友「今、俺と男ふたりきりだぜ…ふふ」
男「うっせー」
友「なんだよ、それ」
男「…」
友「…最近、毎回そんな感じだよな」
987 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:20:32.12 ID:BIiIocDO [4/7]
男「?」
友「俺はただ、男と普通に話したいのに」
友「男がそれを、拒否してる」
男「…」
友「別に、いいけどさ」
友「なんか…悲しくてさ…」ウルッ
男「お、おい…」
989 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:30:30.54 ID:BIiIocDO [5/7]
友「…ご、ごめん、なんか変な雰囲気にしちゃったな」
男「…」
友「ただ、本当にさ…男と、女になってから、普通に、すっごくつまんないこととかくだらないこととか、話さなくなったなって思ってさ」
男「…」
友「やっぱり、異性だもんな…そういう話、したくないよな」
男「…」ギュッ
友「あっ…」
男「…悪かった」
友「…いきなり手を握るなんて、ちょっと反則じゃないか?」
男「べ、別にいいだろ」
990 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/07/25(日) 00:31:44.06 ID:BIiIocDO [6/7]
友「ふふ…うれしいよ」
男「友」
友「ん?」
男「付き合ってやるよ、つまんねー話にも、くだらない話にもさ」
友「…男」
男「だから、もうすこし俺に色目つかうのやめろ」
友「…了解」
男「おう」
友(好きだから…どうしても、無理だよ…)
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