スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
友「女になったんだ」
友「女になったんだ」
の続き
の続き
483 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:06:37.67 ID:Hl/ZguMP [1/27]
「おい、男」
男「あん?」
「お前、すげえじゃねぇか」
男「…あのな、笠ノ瀬」
笠ノ瀬「あん?」
男「いいかげん友達面して話しかけてくるなよ」
笠ノ瀬「うおっ、クラスメイトになんてこと言うんだよ!」
485 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:10:21.73 ID:Hl/ZguMP [2/27]
笠ノ瀬「いいじゃねぇか男、どうせ友ちゃんとは席遠いんだからよう」
男「ふんっ…」
笠ノ瀬「それより、どうする?」
男「ん?」
笠ノ瀬「文化祭だよ文化祭」
男「ああ、それか」
笠ノ瀬「めんどくさそーな言い方だな」
男「俺達がなんとかしなくても大丈夫だろ」
笠ノ瀬「え?」
男「なんせ、学級委員があいつなんだから」
笠ノ瀬「ああ…」
486 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:15:47.06 ID:Hl/ZguMP [3/27]
笠ノ瀬「絹坂か」
男「おう」
笠ノ瀬「確かにあいつなら、俺達がなんとかしなくても…」
絹坂「…」ギロッ
笠ノ瀬「あ…わりぃ、男。席戻るわ…」
男「おう」
絹坂「男くん」
男「…ん?」
絹坂「笠ノ瀬君と随分とお話をしていたみたいだけど」
男「ああ、うん」
絹坂「文化祭のことを話していたのかしら?」
男「んーまぁ、そんなところだ」
487 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:20:34.30 ID:Hl/ZguMP [4/27]
絹坂「それじゃあ私にも話してください」
男「なんで?」
絹坂「私は学級委員であり、実行委員だからです」
絹坂「クラスの一人一人の意見を聞かないといけませんから」
男「…えっと……」
絹坂「まさか、本当は話していなかったのでは?」
男「…ああ、笠ノ瀬がメイド喫茶って言ってたな」
笠ノ瀬(はぁぁ!?)
男(やっべ、変な冗談言っちまった)
絹坂「な、な…」カァァ
男「ん?」
絹坂「却下です! 却下!」
488 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:26:57.75 ID:Hl/ZguMP [5/27]
友「おい、絹坂!」
絹坂「な、なんですか?」
友「一人一人の意見を聞くって言ってんのに、却下はねーんじゃねえの?」
絹坂「で、でも…メ、メイドき…喫茶なんて…」
友「つか、書記の俺が聞いたから。黒板に書きまーす」
絹坂「あぁ…」
友「…」パチリ
男(なにこっちにウィンクしてんだよ…)
490 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:33:35.02 ID:Hl/ZguMP [6/27]
笠ノ瀬「うおい、男!」
男「なんだよ」
笠ノ瀬「お前何言ってんだよ!?」
男「いいじゃねぇか別に。友のおかげもあるけど、怒られずに済んだんだから」
笠ノ瀬「け…けど……」
男「お、本当に黒板にメイド喫茶が…」
笠ノ瀬「…しかし…メイド喫茶…ふむ」
男(あれ? なんかすっげえ嬉しそうな顔してやがる)
笠ノ瀬「なあ、男」
男「ん?」
笠ノ瀬「メイド服が似合いそうなやつ、誰だと思う?」
男「…」
494 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 20:15:48.59 ID:Hl/ZguMP [7/27]
男「…んー」
男(うーむ…)
笠ノ瀬「俺は友ちゃん一択だな」
男「はぁ?」
笠ノ瀬「可愛くて、ボーイッシュ。こんな俺でも気さくに話しかけてくれる、女神だぜ」
男(あいつ、知らぬ間に女神扱いされてたのか…)
笠ノ瀬「で、どうなんだよ?」
男「俺は…」
男「絹坂と友かな」
笠ノ瀬「へ…絹坂?」
498 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 21:54:53.96 ID:Hl/ZguMP [8/27]
笠ノ瀬「まさかお前…メガネ好きなのか!?」
男「ちげーよ」
笠ノ瀬「確かに、胸は友ちゃんと同じくらいに相当するが…」
笠ノ瀬「性格がきつすぎるだろー」
男「でもあいつは…」
友「おーとーこー?」
男「お、おう。どうした怖い顔して」
友「ちゃんと話を聞けバカ! ふんっ」
男「…」
笠ノ瀬「嫉妬だな…」
男「…るっせー」
499 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:00:36.23 ID:Hl/ZguMP [9/27]
帰り道
男「…」
友「…」ムスッ
男「結局、メイド喫茶になるとは思わなかったぜ」
友「ふんっ」
男「なんだよ」
友「お前はどうせ絹坂のメイド姿でも考えてるんだろっ」
男「やっぱり聞いてたのかよ」
友「…」
男「まぁ、あいつはきっとどっか違うところに入るだろ。さすがにメイドはやらないだろうし」
友「じゃあ俺はメイドやる」
男「え?」
500 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:05:21.17 ID:Hl/ZguMP [10/27]
友「この体を使わない手はないだろ?」
男「まぁ、可愛いからな」
友「あ、ありがと」
男「ん」
友「と、とにかく! きっと売り上げアップ間違いなし!」
男「だといいけどな」
友「そして、お前の中の俺の印象もアップ間違いなし!」
男「親友からその上なんてねぇよ」
友「…ちぇ」
502 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:09:56.07 ID:Hl/ZguMP [11/27]
男「…しかしこのままだと」
友「ん?」
男「お前だけじゃ足りないよな…」
友「そうだなぁ」
男「可愛いやつ…って言っても、俺は絹坂しか…」
友「…」ムスッ
男「…はぁ、やっぱりなんでもない」
503 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:14:39.25 ID:Hl/ZguMP [12/27]
次の日
絹坂「な、なぜ私がこんなヒラヒラな服を!?」
「えー、かわいいじゃーん」
「槊梨ちゃん宝の持ち腐れー」
絹坂「でも、こんな服、着れません!」
笠ノ瀬「おい、男。俺だんだん絹坂のメイド姿考えたら鼻から血が出てきたんだが」
男「落ち着け」
504 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:19:35.49 ID:Hl/ZguMP [13/27]
「つかさー」
男(ん?)
「絹坂さん固すぎじゃない?」
「そうだよねーなんかちょっとうざい」
男(…)
絹坂「わ、わかりました…き、着ます」
「なにあの態度? 着てあげますみたいな」
「何様だし」
505 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:27:49.42 ID:Hl/ZguMP [14/27]
男「やれやれ」
笠ノ瀬「ん?」
男「なんでもねぇよ」
笠ノ瀬「…?」
友「はい、オトコ共!」
友「今から着替えるから廊下に出ろー! …のぞいたら[ピーーー]」
男(最後怖ぇ…)
「なあ男」
男「ん?」
「絹坂うざくねぇ?」
男「…」
「実質動かしてんの友ちゃんだしさ」
男「…」
笠ノ瀬「男?」
ボゴッ
笠ノ瀬「! おい、男!」
506 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:36:16.26 ID:Hl/ZguMP [15/27]
「いってぇなにしやがんだ」
男「…ふんっ」
「ふざけんなよ…!」
ボゴッ
笠ノ瀬「バカ! お前また殴ってどうすんだよ!」
男「こいつはわかってない」
ガララ
友「ど、どうした?」
笠ノ瀬「男が…!」
友「! お、おい男! やめろっ」ガシッ
男「友、黙ってろ」
「くっそぉ…こんのやろう!」
バッ
友「キャッ!」
ボゴッ
男「…」
絹坂「な、何やってるの!?」
男「っ…」
絹坂「男くん、あなたはなんてことを!」
男「…」
507 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:40:19.36 ID:Hl/ZguMP [16/27]
友(このままじゃまた…)
友(あんときと同じじゃねぇか…!)
男「…」
絹坂「どうしてあんなことをしたんですか?」
男「…さっき先生に話したとおりだ」
絹坂「嘘です、殴りたいから殴ったなんて、男くんがするわけない」
男「…」
絹坂「あなたがとても優しい人だと私は知っているから聞いているんです」
男「…お前、先生みたいだな」
絹坂「褒め言葉ですよね?」
男「当たり前だ」
508 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:46:19.43 ID:Hl/ZguMP [17/27]
絹坂「まったく」
絹坂「最近はとても良い子になったと思っていたのに…」
男「俺は元々悪くねぇよ」
絹坂「ならなぜこんな問題になるんです?」
男「…悪いのはあいつだ」
絹坂「何か言われたんですか?」
男「…自分のことはいくら言われたって我慢できる」
男「昔からそうしてきたんだ」
絹坂「…では、誰かの誹謗中傷ですか?」
男「…」
509 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:47:56.30 ID:Hl/ZguMP [18/27]
絹坂「あなたが友達思いなことはよくわかりました」
男「俺は…」
絹坂「でも、手を出してしまったらダメなんです」
男「…」
絹坂「一年の時、あなたが私をかばった時のように…」
男「…」
510 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:51:37.08 ID:Hl/ZguMP [19/27]
絹坂「今度ある文化祭のために、結束は必要です」
男「…」
絹坂「だから、明日には仲直りすること。いいですね?」
男「わかった」
絹坂「いい返事です。それでは一緒に帰りましょう」
男「…」
絹坂「友さんが待っていてくれましたが、彼女には家でやる作業が残っていたので」
絹坂「先に帰ってもらいました」
男「そうか」
511 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:54:08.40 ID:Hl/ZguMP [20/27]
帰り道
男「…」
絹坂「うーん…」
男「どうしたんだ?」
絹坂「あ、あの…なんでもないです」
男「嘘つけ」
絹坂「…みんなには内緒ですよ?」
男「おう」
絹坂「文化祭が終わったらみんなでお祝いをしようと、ケーキを買うつもりなんです」
男「ほう」
絹坂「でも、みんなが十分食べれるくらいにしないといけないから、たくさん買おうと思うんですが…」
絹坂「みなさん、何が好きなんでしょうね?」
男「…」
男(こんなやつがなんで、嫌われなきゃなんねーんだよ)
512 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:57:59.09 ID:Hl/ZguMP [21/27]
男「じゃあ一緒に買いに行こうぜ」
絹坂「え?」
男「お前だけで買いに行ったら何買うかわからねぇからな」
絹坂「で、でも、時間を取ってしまいますよ?」
男「いいさ。すこしくらい」
男「というか、あんまり家に帰ってもすることないし」
絹坂「そ、そうですか…そ、それじゃあ一緒に…」
男「おう」
515 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:34:39.12 ID:Hl/ZguMP [22/27]
男「これは確かに迷うな…」
絹坂「たくさんあるし、どれもすっごく美味しそうなんですよね…」
男「…」
絹坂「イチゴケーキなんてどうでしょう?」
男「ん、ああ、そうだな」
絹坂「チョコレートケーキ…チョコ食べれない人もいるかもしれないですしね」
男「そうだな」
絹坂「む、男くん、ちゃんと選ぶ気ありますか?」
男「も、もちろん。アリアリ、大アリ。」
516 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:45:08.57 ID:Hl/ZguMP [23/27]
男「んじゃあ、これなんてどうだ?」
絹坂「? あ、おいしそうですね」
男「生クリーム嫌いなやつとかもいるだろうから、チョコもイチゴも買っちまえ」
絹坂「で、でもそれは相当余るかも…」
男「だーー! 俺が全部食うから」
絹坂「ほ、ほんとですか!?」
男「おう、どんとこいっ」
絹坂「そ、その時は私も手伝いますから!」
男「おう、頼んだ」
517 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:47:15.26 ID:Hl/ZguMP [24/27]
男「さて、買うもん買ったし、帰るか」
絹坂「…えっ? あ、はい」
男「どうした?」
絹坂「なんでもないです、気にしないでください…」
男「…そうか?」
絹坂「はい」
男「…なら、追求はしないけど」
518 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:51:03.95 ID:Hl/ZguMP [25/27]
男「あ、そういえば」
絹坂「はい?」
男「俺、お前のアドレス知らないな」
絹坂「け、携帯ですか!?」
男「お、おう」
絹坂「け、けけけ、携帯のアドレス…?」
男「あ、いやなら別にいいんだけど…」
絹坂「いえ、そんなことはないんです、ないんですけど…」
男「?」
絹坂「できれば、電話番号が…」
男「あ、番号?」
絹坂「はい、私、メールはちょっと苦手で…」
男「そうか。わかった」
519 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:54:44.96 ID:Hl/ZguMP [26/27]
絹坂「…です」
男「ん、了解」
絹坂「それじゃあ、今日はありがとうございました!」
男「おう、また明日なー」
絹坂「はいっ」
男(…さてと)
541 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 22:39:28.33 ID:jxiPQRgP [3/13]
文化祭当日
男(朝一番に教室の点検しろって…めんどくせーなぁ)
ガララ
男「おっすー」
生徒1「お、おい男…」
男「ん、どうした?」
生徒1「こ、これ…」
男「…え?」
男(教室の飾り付けが…ボロボロ?)
生徒1「な、なんでこんなことに?」
男「…早く直そう」
生徒1「え?」
男「さっさと直すぞ」
542 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 22:57:18.94 ID:jxiPQRgP [4/13]
委員長「おはようございま…」
男「おう、委員長」
委員長「こ、これは一体…?」
男「なぁに、心配するなすぐに直せる」
委員長「で、でもこれ…!」
男「いいからいいから。あそこにメイド服あるから、ちゃっちゃと着替えろ」
委員長「…」
543 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:02:57.24 ID:jxiPQRgP [5/13]
男「ふう、なんとか直せた…」
委員長「すいません、わざわざこんなことをさせてしまって…」
男「いいっていいって、気にす…」
生徒1「お、おお…」
委員長「あのう…どうでしょうか?」
男「うむ、なかなか趣があるな」
委員長「そ、そうですか?」
生徒1「やべー! すげー似合ってるー!」
544 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:05:46.61 ID:jxiPQRgP [6/13]
委員長「あ、あんまりジロジロみないでください…」
男「というか、委員長」
委員長「はい?」
男「こんな朝早くにメイド服に着替えても意味無いぞ?」
委員長「! …おーとーこーくーん?」
男「す、すまん…」
545 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:09:15.04 ID:jxiPQRgP [7/13]
委員長「ふふ…」
男「?」
委員長「普段はここで怒るところなんですが」
委員長「今日はせっかくの文化祭です。思いっきり楽しみましょう!」
男「…そうだな」
ガララ
友「あっ…」
男「おう、友」
547 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:13:07.41 ID:jxiPQRgP [8/13]
友「…」
男「お、おい…」
ガララ バタン
男「…?」
生徒1「どうしたんだろうな、友ちゃん」
男「ああ…」
ガララ
男「!!」
友「男! どうだ!?」
男「なんでお前も朝からメイド服着るんだよ!?」
548 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:27:19.59 ID:jxiPQRgP [9/13]
友「委員長に負けじと俺も着替えてみた!」
男「はいはい」
友「男! なにか言うこと無いのかよ?」
男「可愛い可愛い」
友「…ありがとっ」
男(最近のこいつのこの反応に慣れないぜ)
委員長「友さんとても似合ってますよ」
友「へへっありがとー!」
549 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:32:46.08 ID:jxiPQRgP [10/13]
友「…ちょっと男、来てくれないか?」
男「ん、なんだ…」
友「ここではちょっと話しづらいから…外出よ?」
男「了解」
ガララ
友「…」
男「…どうしたんだ?」
友「昨日のこと、詳しく教えてくれないか?」
552 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:40:53.91 ID:jxiPQRgP [11/13]
男「…別に」
友「嘘つくなよ」
男「ついてねぇよ」
友「ついてる。お前、嘘つくときの顔になってるもん」
男「…やっぱり親友には嘘つけねぇな」
友「で、どうしたんだ?」
男「…委員長の悪口言ってるやつがいたから、つい手が出た」
友「…やっぱりか」
553 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:50:14.37 ID:jxiPQRgP [12/13]
友「でも、もうしないって、約束しただろ?」
男「…すまん」
友「確かに、委員長がお前を助けてくれた恩人かもしれない」
友「それでも、お前がそこまで委員長のために傷つくのは、おかしいだろ?」
男「…おかしくねぇよ」
友「おかしい」
男「…何言ってんだよお前…?」
友「く、苦しい…男…」
男「あいつがいなかったら、きっとお前とだって仲良くなってない」
男「俺を助けてくれたやつのために傷つくのは当然だろ」
友「…俺は…ただ…」
友「…男がずっと委員長のことばっかり気にしてて…」
友「や、焼きもち…なんだ」
男「!」
友「男がずっと委員長を守ろうとするから、俺はつらいんだ」
555 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:54:07.66 ID:jxiPQRgP [13/13]
友「俺には…お前しかいないんだから」
男「っ…」
友「…ごめん、教室戻ろ」
男「…友」
友「ん?」
男「俺だってお前しかいねぇよ」
友「…男」
男「…心を許せるやつなんて、お前以外みあたらねぇ」
友「俺もだぜ、男」
556 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/03(木) 00:01:20.23 ID:rBQITckP [1/4]
男「…はぁ」
生徒1「暇だな、なんか…」
男「実質俺達は料理係なわけだけど…」
生徒1「ノンノン、料理調達係だ」
男「…言ってて悲しくなるな」
生徒1「そうだな…」
558 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/03(木) 00:09:23.86 ID:rBQITckP [2/4]
男「材料調達ならわかる」
男「料理調達ってなんだよおかしいだろ」
生徒1「俺だってわかんねーよ」
男「料理を調達…うーむ」
生徒1「俺達がやった仕事といえば…」
男「朝に飾り付けを直したくらいか?」
生徒1「俺達最低だな…」
559 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/03(木) 00:15:02.57 ID:rBQITckP [3/4]
男「まあ役立たずな俺達だからな」
生徒1「とりあえずぶらつくか?」
男「そうだな」
友「ちょっと待ったー!」
男「ん、友」
友「男、俺とまわろ!」
男「はぁ? お前、店は…それにその格好…」
友「一時間だけ休憩もらった! だからまわろっ。服は着替えたらめんどくさいからそのまんま!」
男「…すまんな、生徒1」
生徒1「うらやましいぜこんちくしょう」
569 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 01:30:46.86 ID:ikULEZIP [2/13]
友「綿菓子売ってる!」
男「子供か」
友「子供じゃなかったら食わないのかよ?」
男「そういうことじゃねえが…」
友「じゃあ買おうぜ! な?」
男「へいへい…」
友「いただきまーす、はむっ」
男「…」
友「甘い! そして口の中で溶けたっ!」
男「おおげさだな」
友「だっておいしーんだもん」
570 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 01:47:11.27 ID:ikULEZIP [3/13]
友「というか、なんで買わなかったんだよ?」
男「別にいらねーからだ」
友「ふん…じゃあ、はい」
男「あん?」
友「一口、やるよ」
男「…いらん」
友「あ、あげるって言ってんだから、もらえよ」
男「…やれやれ、はむっ」
友「どうだどうだ?」
男「…綿菓子だな」
友「当たり前だろ!」
571 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 01:50:41.17 ID:ikULEZIP [4/13]
男「それにしてもお前がいたら…はぁ」
友「ん? なんだよ、俺がいたらなんなんだ?」
男「行きたいところあったんだけどな…」
友「ほうほう、どこだよ?」
男「お化けや―――――」
友「行かないから!」
男「だから、お前がいるから…」
友「怖いし、怖いし…」
男「じゃあ外で待っててくれよ」
友「男が食べられたら困るもん」
男「…はぁ」
572 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 01:56:17.92 ID:ikULEZIP [5/13]
男「お前はお化けをなにか違うなにかと間違えてると思うぞ」
友「ど、どういう意味だよ?」
男「俺はこの前、お化けと会話した」
友「え、本当!?」
男(こいつ、マジで驚いてやがる…)
友「な、なんて言ってたんだ!?」
男「いや、まあ、雑談を少々」
友「何してんだよバカー! そういう時はちゃんと質問とかしとけよぅ!」
男「はぁ?」
友「どこから来たんですか? とか、そういうこと!」
男「…お前のそういうとこ、好きだよ俺は」
575 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 02:16:10.00 ID:ikULEZIP [6/13]
友「なっ…ななななな、何言ってんだよ!?」
男「ほら、時間がない、さっさとお化け屋敷に行くぞ!」
友「結局行くのかようわーん!」
男「超本命、『ヴァンヴァンパァイア』!」
友「西洋のお化け怖い…」
男「なんでも怖いだろ、ほら、並ぶぞ」
友「あ、そろそろ時間だー」
男「まだまだあるだろうが、バカ」
友「いじわる!」
576 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 02:51:37.60 ID:ikULEZIP [7/13]
今回はこれで…
更新短くてすいません。
581 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 17:48:49.74 ID:ikULEZIP [8/13]
友「うう…こんな姿で中に入りたくないよぉ…」
男「仕事まだあるんだろ。だったらついてこなくてよかったのに」
友「だから、お前が…」
男「お化けと話したこの俺だぜ? 食われることはねぇよ」
友「で、でも…」
男「それにしても、何も出てこないな…」
友「そっちの方が嬉しいぜ…」
男(ん? 棺桶…)
友「にゃっ!? な、なんかあるぅうう!?」
男「落ち着け、ただの棺桶だ」
友「棺桶にただもくそもないだろ!?」
583 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 18:55:04.63 ID:ikULEZIP [9/13]
男「そうだな。中に何か入ってるのが妥当だな」
友「や、ややややめろよ…」
男「ドーン!」
友「ひゃあああ!」
男「ははは」
友「なんで意味もなく驚かすんだよバカ!」
男「お前驚きすぎ」
友「うわーーん! 男のバカっ!」
584 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 18:59:27.10 ID:ikULEZIP [10/13]
男「それじゃあ棺桶開けてみるか」
友「ふえええ!? ふ、ふざけんなよ!?」
男「いいじゃねーか。面白そう」
友「…お、俺先に行ってていい…?」
男「食われても俺は知らないけど、いいぜ」
友「いじわる…」
男「じゃあ、開けるぞ」
友「…うん」
ゴトン
友「ぎゃああああああああああ!!!」
男「なんにも入ってないぞ…ってうおあっ」ドン
ドサッ
男「いてて…」
友「ったた…」
男「!」
友「!」
男「ど、どけ友…!」
585 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 19:23:01.70 ID:ikULEZIP [11/13]
友「体が思うように動かない…」
男「とりあえず、俺が動くから、動くなよ」
友「う、うん…」
男「…棺桶、せめぇな」ゴソゴソ
友「んっ…」
男「変な声出すな!」
友「だ、だってそこ胸…」
男「! す、すまん」
593 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 23:46:41.02 ID:ikULEZIP [12/13]
友「…」
男(このままじゃ…絶対みんなに勘違いされる!)
友(ふわっ…男の息が当たって…)
男(くそ、友のやつ、いい匂いがしやがる…!)
友「ふみゅぅ」
男「とりあえず棺桶から出ないとな」
友「う、うん」
594 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 23:51:34.13 ID:ikULEZIP [13/13]
男(しかし…手が固定されてるから胸を押す以外に方法が…)
友「…」
男「すまん、友…」グイッ
友「あひゃ…んっ…大丈夫」
男「本当に悪い」グイッ
友「あっ…」
男「よし、これで大丈夫」
友「…ふぅ」
男「起こすぞーよいしょ」
友「ありがと」
男「おう」
596 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 00:03:01.90 ID:QPEIsvcP [1/12]
トントン
友(誰だよ、今良い感じなのに…)
「キェエエエエエ!」
友「」
男「またこの展開か…やれやれ」
友「」
男「こいつもそろそろ成長しろよなぁ…」
597 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 00:20:55.31 ID:QPEIsvcP [2/12]
ガララ
委員長「あら、男くん…と、友さん? ど、どうしたの?」
男「気分が悪くなったらしい。ちょっと休ませてやってくれ」
委員長「わかったわ」
男「そうだ、委員長もそろそろ休憩したらどうだ? ずっと働き詰めだろ」
委員長「え、ええ…でも…」
男「?」
委員長「…」
「委員長友達いないんだから遊べないんでしょー」
委員長「…」グスッ
男「…おい、委員長」
委員長「はい?」
男「遊びに行くぞ」ガシッ
委員長「えっ、ちょっと…」
598 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 00:58:27.56 ID:QPEIsvcP [3/12]
男「…」
委員長「…はなしてくださいっ」
男「委員長」
委員長「?」
男「お前は俺のことを、友達だと思ってくれてるのか?」
委員長「え…?」
男「ただのクラスメイトだと、思ってるのか?」
委員長「そ、それは…」
男「俺はお前を友達だと思ってる」
男「だから、少しは俺に頼ってくれても良いだろ?」
委員長「男くん…」
599 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:12:56.20 ID:QPEIsvcP [4/12]
男「ほら、遊ぼうぜ」
委員長「…ありがとう、男くん」
男「いいってことよ」
委員長「でも、私は戻らなきゃ」
男「え?」
委員長「私は、クラスの委員長だから」
委員長「みんなのために、何かしたいの」
男「…委員長」
606 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:59:55.19 ID:QPEIsvcP [7/12]
委員長「だから…戻りましょ?」
男「…おう」
委員長「でも、とっても嬉しいわ」
男「?」
委員長「私、昔っからきつい性格で…」
委員長「全然友達っていう友達、いなかったの」
男「…」
委員長「でも、男くんがそう言ってくれるから」
委員長「とても嬉しかったわ」
男「…委員長は委員長のままでいい」
607 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:06:29.69 ID:QPEIsvcP [8/12]
男「正直、いつも怒ってる顔ばっかりだけど」
委員長「む」
男「ふいに見せる笑った顔は、すっげえ可愛いし」
男「お前みたいなしっかりしたやつがいないと、クラスがまとまらないしな」
委員長「…男くん」
男「柄にもないこと言ったな。すまんすまん」
委員長「…私がいつも怒ってるって…?」
男「あ、いやあ…その」
委員長「どうせ私は怒りっぽい女です! ほら、行きますよ!」
男「お、おい待ってくれよー」
委員長(…男くん、ありがとう)
608 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:12:32.51 ID:QPEIsvcP [9/12]
女「あー早いおかえりだねー」
男「おう」
女「それより男くん、どう? この格好!?」
男「ん、似合ってるんじゃないか?」
女「そ、そーかなぁ?」
男「それより、俺に仕事をくれ!」
女「え?」
男「料理調達係じゃ割に合わねーんだ!」
女「料理調達係?」
男「え、俺と生徒1の係だけど?」
女「そんな係ないよ?」
男「」
609 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:14:48.12 ID:QPEIsvcP [10/12]
男(まさか俺はそうとも知らず、サボっていたのか…!)
女「んーでも残ってる係と言えば…」
男「お、おう」
女「宣伝はたくさんいるし、料理係もたくさんいるし…」
男「なんでもいい! 頼む!」
女「あ、こんな所に余ったメイド服」
男「ちょ、ちょっと待て、それはさすがに…」
女「なんでもするんじゃなかったの?」
男「…はぁ」
610 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:33:52.03 ID:QPEIsvcP [11/12]
友「むにゃ…」
委員長「あら、目ぇ覚めたわね」
友「ん…お、俺は…?」
委員長「さっき男くんがあなたを抱えて帰ってきたわ。ここは教室」
友「…男は?」
委員長「あそこで接客中よ」
友「接客…? ぬわっ!」
男「い、いらっしゃいませー…ご、ご主人さまー…」
611 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:41:43.17 ID:QPEIsvcP [12/12]
友「き、きもっ…」
男「! う、うるせー!」
委員長「ふふ…」
友「ん、何笑ってんだよ委員長っ」
委員長「二人は本当に仲いいなと思って」
男・友「!」
男・友「誰がこんなやつと!」
委員長「ふふ、息ぴったりじゃない」
612 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:27:16.63 ID:m8IkRi6P [1/16]
文化祭、終了。
男「ふぅ…」
女「おつかれさまー」
生徒1「お前の文化祭に賭ける気持ちがすっごく、伝わってきたぞ…!」
男「お前も着ろよっ!」
生徒1「いやいや、服は一着しか余ってなかったから」
男「うぅ…畜生!」
友「ふぅ、汗ビッチョリだぁ…早く着替えよー」
委員長「そうね」
男「んじゃあ俺もトイレで着替えてくるかー」
613 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:36:32.12 ID:m8IkRi6P [2/16]
男「ふぅ…」
男(さて、この後は片付けして委員長のケーキ食って帰って即寝る! うん、完璧)
委員長「というわけで、文化祭は終わりました」
委員長「文化祭が終わった安堵感などでだらけることなく、これからもちゃんと勉強をしましょう」
(先生かよ、あいつ)
(うぜえうぜえ)
委員長「と、いうわけで…終了を記念してケー…」
「おっし、それじゃあ打ち上げでもいくかー?」
「いいねぇ~行こう行こう!」
委員長「あっ…」
男「…」
「男も行くかぁ?」
男「…委員長、ケーキくれ」
委員長「あ、うん」
614 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:41:02.01 ID:m8IkRi6P [3/16]
「なんだよそのケーキ」
「まさか男のためにケーキぃ? うわー、張り切ってるー」
男「てめぇらいい加減にしろ!」
「? どうしたよ男」
男「これは委員長が俺達のために、買ってくれたケーキだ」
男「それなのにお前ら、こいつがまだ話をしてる途中に盛り上がりやがって…」
男「こいつは、こいつは自分のこと以上に、人のこと考えてるんだぞ!?」
男「わかろうともしねぇお前らが、許せねぇ…」
「…ど、どうしたんだあいつ…」
ざわ…ざわ…
友「いただきまーす」
女「…それじゃあ私もー」
委員長「…!!」
友「これって、あのケーキ屋のやつ? すっごく美味しい!」
615 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:52:16.19 ID:m8IkRi6P [4/16]
生徒1「俺もいただくとするかー」
「な、なんだよ…」
「これじゃあ俺達が最低なやつらみたいじゃねぇか」
委員長「みんな、たくさん食べてくださいね」ニコッ
「…!」ドキッ
(な、なんだこの笑顔…!)
「い、いただくぜ
委員長「はい」ニコリ
「なによーじゃあ私も食べるしー」
616 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:56:06.20 ID:m8IkRi6P [5/16]
「あのさ、委員長」
委員長「はい?」
「ごめん」
「お、俺もごめん!」
委員長「え?」
「なんか、お前のこと勘違いしてたみたいだ」
「俺達のことなんか全然考えてないと思ってて…その…ごめん!」
委員長「ふふ、いいんですよ、そんなこと」
「私もごめんねー委員長ちゃーん」
委員長「あ、うん、大丈夫ですよ」
男「ふぅ」
男(これで一件落着だな)
617 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:11:34.24 ID:m8IkRi6P [6/16]
委員長「あら、男くんは食べないの?」
男「ん、あとでいいよ」
委員長「そう」
男「…」
委員長「…」
委員長「あ、あの、男くん…」
男「ん?」
委員長「そ、その…ありがとう」
男「気にすんなって」
委員長「本当に、ありがとう」グスッ
男「お、おい泣くことはねぇだろ!」
委員長「でも、すっごく嬉しくて…うぅ…」
男「あ、ああ、そうだっ、ほらこれ」
委員長「? なに、その箱?」
男「開けてみ」
委員長「…?」ガサゴソ
委員長「…! これって」
618 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:18:57.82 ID:m8IkRi6P [7/16]
男「お前、なんか見てたからさ」
男「欲しかったのかどうかわかんなかったけど、まあ、もらっといてくれ」
委員長「あ、あああ、ありがとう!」
男「おう」
委員長「一緒に大事にします、ありがとう! 本当にありがとう!」
男「それにしても、意外と可愛いのとか好きなんだな」
委員長「む、意外と…?」
男「いや、なんでもない」
委員長「ふふ、今回は許しますっ」
男「はは、それはラッキーだ」
友「…」
そして
男「うぷっ…もう、流石に食えねえ…」
男(ケーキを見るだけでももう吐きそうだ…!)
委員長「頑張りましょう、男くん…」
男「ちくしょー!」バクバク
#5 END
619 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:21:25.83 ID:m8IkRi6P [8/16]
今回はここまでです。
#6 予告
男「おい、妹」
妹「はいはいなんでございますか?」
男「どうやら次回は兄妹話らしい」
妹「ほほう、ついに私の時代が…?」
男「んなわけあるかっ」
妹「オーマイシスター!」
男「暴れるな! じ、次回をお楽しみに!」
622 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:42:07.27 ID:m8IkRi6P [9/16]
>>621
未定です。すいません…
628 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 20:50:21.85 ID:m8IkRi6P [10/16]
男「だから、お前と一緒に行こうと思って」
友『すまん、今日は用事があるんだ』
男「そうか、じゃあまた今度な」
友『…そのチケット、今日までなのか?』
男「おう。だからもったいねーから使いてーんだけどな」
友『委員長でも誘えばいいんじゃない?』
男「は? なんで」
友『さーねっ、それじゃ』
ガチャン
男「…さて、どうしたものか」
629 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 20:59:20.56 ID:m8IkRi6P [11/16]
男「おい、妹」
妹「なんでござい万華鏡?」
男「なんだそりゃ」
妹「私が流行らそうとしている言葉ランキング102位の言葉です!」
男「相当低い気がするんだが…」
妹「1位知りたい? ねえ、知りたい?」
男「まったく」
妹「流石お兄ちゃん…バッサリね」
男「俺は係わりたくない人間1位はお前だ」
妹「ああん、そんなこと言いながら話しかけてくるお兄ちゃん好きよー」
男「はぁ…」
631 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 21:09:37.74 ID:m8IkRi6P [12/16]
男「今日空いてるか?」
妹「まさか、またなんか買ってきて欲しいの? だったらパスー」
妹「それに私、今日用事が…」
男「遊園地にでも行かないか?」
妹「」
男「空いてるんだったら一緒に行こうかと…」
妹「ちょ、ちょっと待って!」
ピッピッピッ
プルルル プルルル
妹「もしもし…? うん…ごめん、今日ね……うん、じゃあまた今度」ガチャン
妹「もち! フリーですよ!」
男「…さっきの電話なんだよ」
妹「ほ、ほら、ピザ頼んでたの!」
男「朝っぱらから凄い嘘をかますな…」
634 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 21:37:16.53 ID:m8IkRi6P [13/16]
妹「行くんでしょ行くんでしょ!?」
男「おう」
妹「じゃあいこっいこっ!」
男「くっつくな、バカ」
妹(やったーやったー!)
男(まぁ行かないよりマシだな)
男(…それに、こいつと遊ぶのは、久しぶりだからな)
男(少しくらい、付き合ってやろう)
635 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 22:02:51.09 ID:m8IkRi6P [14/16]
男「ん、なんだ用事って着替えだったのか」
妹「うんっ」
男「なんか大人っぽいな。お前にしては」
妹「うふふっ、そういうコンセプトっ」
男「ふーん」
妹「じゃあいこっか、男?」
男「ほほう、名前を呼び捨てとはお前もやるようになったな」
妹「今日だけはそう言わせてよ」
男「は?」
妹「お願い」
男「別に、いいけど」
妹「じゃあ、じゃあ、腕、ギュッてしていい?」
男「調子に乗るな!」
636 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 22:17:25.21 ID:m8IkRi6P [15/16]
男「さて、まず何に乗るか」
妹「うーんたくさんあるねぇ」
男「じゃあ…」
妹「お兄ちゃん! いいことを思いつきました」
男「ほう、言ってみろ」
妹「この遊園地の隣にあるホテル…」
男「頭にラブがつくホテルだな、バカか!」
638 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 23:14:04.44 ID:m8IkRi6P [16/16]
妹「冗談冗談っ」
男「わかってはいるが…お前は本当に冗談ばっかりだな」
妹「よく言われます。主にお兄ちゃんから」
男「俺じゃねぇか!」
妹「あれ~? 男くんは男くんでしょー?」
男「ほうほう…お前、遊園地で電気あんまされたいのか?」
妹「されてる私よりしてる男くんが奇異の目で見られるよ?」
男「…そうだな」
639 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 00:11:24.11 ID:ZVpt7bgP [1/7]
男(なんだこのむかつきは…)
妹「それじゃあ、男くん」
男「ん?」
妹「メリーゴーランドに乗りたいな」
男「ん、いいぜなんでも」
妹「じゃあいこっか」ニコッ
男「…おう」
640 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 00:15:31.65 ID:ZVpt7bgP [2/7]
男「俺は凄く不思議なことがあるんだ」ゴゥンゴゥン
妹「なに?」
男「なぜお前に彼氏とかができんのかだ」
妹「…」
男「こんなことを言うのもなんだけど、お前は俺とは違って結構良い線を言ってると思う」
妹「…」
男「なんでだ?」
妹「男くん」
男「あん?」
妹「今、私と男くんは付き合ってるの。そうでしょ?」
男「はぁ?」
妹「そんな悲しいこと、言わないでよ」
男「…?」
643 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 00:23:39.07 ID:ZVpt7bgP [3/7]
男(ああ、そういう設定か)
男「やれやれ、そうだったな」
男「悪いことしちまった。すまん」
男「これからどんどん楽しもう」
妹「うんっ」
男「でもな、妹」
妹「?」
男「そろそろメリーゴーランドには飽きたぞ」
妹「だって空いてるから…」
男「10回は流石に乗りすぎだぜ」
妹「失敗失敗☆ テヘッ」
男「テヘッ、じゃねえ!」
650 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:41:06.66 ID:ZVpt7bgP [6/7]
男「さて、そろそろ本格的に遊園地を楽しみたいぜ」
妹「うーんそれじゃあ」
男「ここはやっぱり…」
妹「お化け屋敷? 男くん好きだもんねぇ」
男「悪かったな」
妹「でも、却下」
男「なんで?」
妹「それより私は、ジェットコースターに乗りたい!」
男「おお、遊園地らしい!」
妹「きっと混むだろうから、さっさと並んじゃお!」
男「そうだな」
651 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:45:07.72 ID:ZVpt7bgP [7/7]
男「…」
男(それにしても、カップルが多いな)
男(なんか、場違いな感じだ…)
妹「男くん?」
男「ん、なんだ?」
妹「どうしたの? 悩み事?」
男「別に、なんでもねぇ」
妹「嘘。絶対嘘」
男「…なんか場違いだと思ってな」
妹「え?」
654 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:35:53.48 ID:7LOLgXkP [1/11]
男「だって、周りはカップルだらけ」
男「雰囲気が違うっつーか…なんつーか」
妹「…」ギュッ
男「な、なんだ?」
妹「だったら、今日一日私と男くんは本当に本当のカップル!」
男「…」
妹「今日一日だけで、いいから」
男「…」
655 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:38:42.89 ID:7LOLgXkP [2/11]
男(なんだよこいつ…)
妹「…」
男(顔真っ赤でこんなこと言いやがって)
男「わかったよ。今日一日な」
妹「そうこなくちゃ」
男「お、そろそろだな」
妹「うんっ。楽しみだね」
男「そうだな」
656 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:41:03.49 ID:7LOLgXkP [3/11]
男「ヒィィィヤッホォォーーーー!!」
妹「ワァァァァ!」
男「す、すげえ…一瞬記憶が飛んだぜ」
妹「私も私も! ドピュッってなった!」
男「なんだその音…」
妹「男くんは記憶とともになにかを…」
男「しばくぞ」
妹「やーん怖いー」
657 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:48:29.31 ID:7LOLgXkP [4/11]
男「何か食うか」
妹「そうだね」
男「じゃあここで」
妹「うん」
妹「何食べようかな~」
男「頼んできてやるよ。なにがいい?」
妹「え、いいの? それじゃあ…コレ」
男「了解」
妹「ふふ…」
男「? どした」
妹「なんか、本当にカップルみたいだと思って…」
男「…へ、変なことを言うな」カァァ
658 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:56:04.19 ID:7LOLgXkP [5/11]
男(あいつは俺の妹だぞ…)
男(妹のことを意識するなんて、人間として失格!)
男(相手は妹、相手は妹…)
男「すまん、結構混んでてな」
妹「ううん、全然待ってないよ」ニコッ
男「…」ドキッ
妹「? どしたの」
男「あ? な、なんでもない」
妹「?」
659 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:57:17.14 ID:7LOLgXkP [6/11]
男(俺はなんてダメなやつなんだー!!)
男(可愛ければ妹でもいいのか!? バカなのか!?)
妹「いただきまーす」
男「お、おう」
妹「はむっ」
男「…」モグモグ
妹「男くん食べるの早いねー」
男(…でも、こいつに名前で呼ばれるのはむかつく)
660 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:00:43.27 ID:7LOLgXkP [7/11]
妹「…男くん」
男「ん?」
妹「一生のお願いだからさ」
男「ああ」
妹「…観覧車に乗りたいな」
男「別にいいぜ」
妹「! いいの?」
男「おう」
妹「だ、だったら早くご飯済ませちゃお! 早く乗りたいからっ」モグモグ
男「お、おいあんまり急いだら喉に詰まるぞ」
妹「大丈夫大丈夫! 平気んぐ…」
男「ヘイキング!?」
妹「む、むぐ…ぷはっ…あぶないあぶない」
男「…お前ってやつは…」
661 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:05:04.91 ID:7LOLgXkP [8/11]
男「お、空いてる。さっさと乗るか」
妹「うんっ」
男(そういえば、観覧車に乗るなんて久しぶりだな)
妹「上がり始めましたよ~!」
男「テンション高いなお前」
妹「うん!」
男(…家でもこんなんだったらなぁ…)
662 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:10:04.89 ID:7LOLgXkP [9/11]
妹「む、なんですかその目は?」
男「別にぃ」
妹「語尾の伸ばし方が何か言いたげですねぇ」
男「お前こそ、いきなりなんで敬語になってんだ」
妹「気にしないでくださいな」
男「はいはい」
妹「…恥ずかしいからです」
男「あん?」
妹「男くんと二人きりは、恥ずかしいんです」カァァ
男「…い、意味わからん」カァァ
男(くっそおおおおおこんなんじゃ妹の思うツボだぞ…!)
663 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:15:14.26 ID:7LOLgXkP [10/11]
妹「男くん…」
男「な、なんだ?」
妹「今、観覧車の中は私と男くんだけです」
男「そうだな」
妹「ならば、何をしても平気なのでは?」
男「は?」
妹「そうですよね?」ズイッ
男「ち、近寄るな…!」
676 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/09(水) 22:46:53.11 ID:2kj1XAIP [2/5]
男「…お前」
妹「うふっ」
妹「男くんのお膝、いただきっ」ドンッ
男「…膝に乗るなよ」
妹「…男くん」
男「あん?」
妹「こうやって、家以外で二人きりでいること、久しぶりだね」
男「そうだな」
678 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/09(水) 22:52:35.94 ID:2kj1XAIP [3/5]
妹「…目、つむって?」
男「なんで」
妹「いいから」
男「…わかった」
妹「見てない?」
男「ああ、見てない」
妹「すぅーはぁー…」
男「…」
妹「私は、お兄ちゃんのことが大好きです」
妹「優しくて、私のことを大事にしてくれるお兄ちゃんが、とってもとっても大好きです」
妹「これからも、よろしくおねがいします」
男「…」
680 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/09(水) 23:08:13.38 ID:2kj1XAIP [4/5]
妹「は、はい、あけていいよ」
男「おう」
妹「ま、待って!」
男「あん?」
妹「や、やっぱり恥ずかしいから、もう少ししてから!」
男「ん」
妹「…」
男「観覧車って、不思議だな」
妹「?」
男「こうやって、妹と一緒に入ってるだけなのに」
男「なんか、お前を意識しちまう」
妹「…」
681 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/09(水) 23:34:39.29 ID:2kj1XAIP [5/5]
妹(そんなこと言うから…)
男「変なこと言っちまったな。すまんすまん」
妹「…」
男「そろそろあけていいか?」
妹「…もうすこしだけ」
男「おう」
妹(もうすぐ、観覧車終わちゃう…)
男「…」
妹「男くん」
男「? どうし…」
男「…」
妹「…」
妹「…あけていいよ」
男「おう…」
684 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:09:26.87 ID:kY5c/G6P [1/9]
男(…)
妹「はい、目をあければ既に観覧車の時間はしゅーりょーなのでしたー!」
男「! 俺あんまり眺め見れてない!」
妹「残念でしたー!」
男「お、おい! どこ行くんだよっ」
妹「追いかけてみろー!」
男「ふざけんなって!」
妹(今日はありがとう、お兄ちゃん)
男「おら、捕まえたぁ!」
妹「きゃふん☆」
男「き、きもちわるっ!」
妹「失礼だよー男くん!」
686 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:16:07.71 ID:kY5c/G6P [2/9]
男「お前が気持ち悪い声出すからだろ」
妹「それがひどいって言ってるのっ」
男「ふんっ」
妹「むーなにそれぇ?」
男「俺は曲げないからな」
妹「そんな顔しないでよー楽しいデートがつまんなくなっちゃうよぅ」
男「…そうだな、すまんすまん」
妹「ふふっ、それじゃあもっともっと盛り上がっていきましょー!」
男「おー!」
687 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:19:57.96 ID:kY5c/G6P [3/9]
・
・
・
バスの中
男「いやー今日は楽しかったなぁ」
妹「…」
男「やっぱりお化け屋敷、最高だったぜ」
妹「…」
男「おい、妹?」
妹「…」
男「おいおい、寝るなよ」
妹「…」
男「ったく…妹のくせに」
男「なんでこんなに俺に似てねーんだ…っよ」ペチン
妹「ふにゅ…すぅすぅ」
男「おぶって帰るか」
688 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:24:38.44 ID:kY5c/G6P [4/9]
男「よいしょ」
男(すっげえ軽い…)
男「家まではそう遠くないし、この体重なら…」
妹「作戦通り…ふふふ」
男「! んだよ、起きてたのか」
妹「ふふ、私がバスの中で居眠りしてしまうような女だと思いましたか?」
男「その口元のよだれを拭いてからそういうこと言おうな」
妹「むむ…さすがお兄ちゃん」フキフキ
妹「重くない?」
男「全然」
妹「おろしてもいいんだよ?」
男「ああ」
妹「うん」
男「でもな…ちょっと、このままがいい」
妹「え?」
男「ダメか?」
689 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:30:31.02 ID:kY5c/G6P [5/9]
妹「ううん、全然」
男「そうか」
妹「大好き」
男「ああ、俺もだ」
妹「ふふふ…」
男「なんだその笑い方は」
妹「ふ、普通だよ」
男「そうかそうか」
妹「むー何その反応!?」
男「別に」
妹「…でも、今回は許します」
男「それはありがたい」
妹「だから、家に帰るまで離しませんから」
男「ああ、そうしてくれ」
#6 END
「おい、男」
男「あん?」
「お前、すげえじゃねぇか」
男「…あのな、笠ノ瀬」
笠ノ瀬「あん?」
男「いいかげん友達面して話しかけてくるなよ」
笠ノ瀬「うおっ、クラスメイトになんてこと言うんだよ!」
485 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:10:21.73 ID:Hl/ZguMP [2/27]
笠ノ瀬「いいじゃねぇか男、どうせ友ちゃんとは席遠いんだからよう」
男「ふんっ…」
笠ノ瀬「それより、どうする?」
男「ん?」
笠ノ瀬「文化祭だよ文化祭」
男「ああ、それか」
笠ノ瀬「めんどくさそーな言い方だな」
男「俺達がなんとかしなくても大丈夫だろ」
笠ノ瀬「え?」
男「なんせ、学級委員があいつなんだから」
笠ノ瀬「ああ…」
486 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:15:47.06 ID:Hl/ZguMP [3/27]
笠ノ瀬「絹坂か」
男「おう」
笠ノ瀬「確かにあいつなら、俺達がなんとかしなくても…」
絹坂「…」ギロッ
笠ノ瀬「あ…わりぃ、男。席戻るわ…」
男「おう」
絹坂「男くん」
男「…ん?」
絹坂「笠ノ瀬君と随分とお話をしていたみたいだけど」
男「ああ、うん」
絹坂「文化祭のことを話していたのかしら?」
男「んーまぁ、そんなところだ」
487 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:20:34.30 ID:Hl/ZguMP [4/27]
絹坂「それじゃあ私にも話してください」
男「なんで?」
絹坂「私は学級委員であり、実行委員だからです」
絹坂「クラスの一人一人の意見を聞かないといけませんから」
男「…えっと……」
絹坂「まさか、本当は話していなかったのでは?」
男「…ああ、笠ノ瀬がメイド喫茶って言ってたな」
笠ノ瀬(はぁぁ!?)
男(やっべ、変な冗談言っちまった)
絹坂「な、な…」カァァ
男「ん?」
絹坂「却下です! 却下!」
488 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:26:57.75 ID:Hl/ZguMP [5/27]
友「おい、絹坂!」
絹坂「な、なんですか?」
友「一人一人の意見を聞くって言ってんのに、却下はねーんじゃねえの?」
絹坂「で、でも…メ、メイドき…喫茶なんて…」
友「つか、書記の俺が聞いたから。黒板に書きまーす」
絹坂「あぁ…」
友「…」パチリ
男(なにこっちにウィンクしてんだよ…)
490 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 19:33:35.02 ID:Hl/ZguMP [6/27]
笠ノ瀬「うおい、男!」
男「なんだよ」
笠ノ瀬「お前何言ってんだよ!?」
男「いいじゃねぇか別に。友のおかげもあるけど、怒られずに済んだんだから」
笠ノ瀬「け…けど……」
男「お、本当に黒板にメイド喫茶が…」
笠ノ瀬「…しかし…メイド喫茶…ふむ」
男(あれ? なんかすっげえ嬉しそうな顔してやがる)
笠ノ瀬「なあ、男」
男「ん?」
笠ノ瀬「メイド服が似合いそうなやつ、誰だと思う?」
男「…」
494 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 20:15:48.59 ID:Hl/ZguMP [7/27]
男「…んー」
男(うーむ…)
笠ノ瀬「俺は友ちゃん一択だな」
男「はぁ?」
笠ノ瀬「可愛くて、ボーイッシュ。こんな俺でも気さくに話しかけてくれる、女神だぜ」
男(あいつ、知らぬ間に女神扱いされてたのか…)
笠ノ瀬「で、どうなんだよ?」
男「俺は…」
男「絹坂と友かな」
笠ノ瀬「へ…絹坂?」
498 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 21:54:53.96 ID:Hl/ZguMP [8/27]
笠ノ瀬「まさかお前…メガネ好きなのか!?」
男「ちげーよ」
笠ノ瀬「確かに、胸は友ちゃんと同じくらいに相当するが…」
笠ノ瀬「性格がきつすぎるだろー」
男「でもあいつは…」
友「おーとーこー?」
男「お、おう。どうした怖い顔して」
友「ちゃんと話を聞けバカ! ふんっ」
男「…」
笠ノ瀬「嫉妬だな…」
男「…るっせー」
499 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:00:36.23 ID:Hl/ZguMP [9/27]
帰り道
男「…」
友「…」ムスッ
男「結局、メイド喫茶になるとは思わなかったぜ」
友「ふんっ」
男「なんだよ」
友「お前はどうせ絹坂のメイド姿でも考えてるんだろっ」
男「やっぱり聞いてたのかよ」
友「…」
男「まぁ、あいつはきっとどっか違うところに入るだろ。さすがにメイドはやらないだろうし」
友「じゃあ俺はメイドやる」
男「え?」
500 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:05:21.17 ID:Hl/ZguMP [10/27]
友「この体を使わない手はないだろ?」
男「まぁ、可愛いからな」
友「あ、ありがと」
男「ん」
友「と、とにかく! きっと売り上げアップ間違いなし!」
男「だといいけどな」
友「そして、お前の中の俺の印象もアップ間違いなし!」
男「親友からその上なんてねぇよ」
友「…ちぇ」
502 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:09:56.07 ID:Hl/ZguMP [11/27]
男「…しかしこのままだと」
友「ん?」
男「お前だけじゃ足りないよな…」
友「そうだなぁ」
男「可愛いやつ…って言っても、俺は絹坂しか…」
友「…」ムスッ
男「…はぁ、やっぱりなんでもない」
503 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:14:39.25 ID:Hl/ZguMP [12/27]
次の日
絹坂「な、なぜ私がこんなヒラヒラな服を!?」
「えー、かわいいじゃーん」
「槊梨ちゃん宝の持ち腐れー」
絹坂「でも、こんな服、着れません!」
笠ノ瀬「おい、男。俺だんだん絹坂のメイド姿考えたら鼻から血が出てきたんだが」
男「落ち着け」
504 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:19:35.49 ID:Hl/ZguMP [13/27]
「つかさー」
男(ん?)
「絹坂さん固すぎじゃない?」
「そうだよねーなんかちょっとうざい」
男(…)
絹坂「わ、わかりました…き、着ます」
「なにあの態度? 着てあげますみたいな」
「何様だし」
505 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:27:49.42 ID:Hl/ZguMP [14/27]
男「やれやれ」
笠ノ瀬「ん?」
男「なんでもねぇよ」
笠ノ瀬「…?」
友「はい、オトコ共!」
友「今から着替えるから廊下に出ろー! …のぞいたら[ピーーー]」
男(最後怖ぇ…)
「なあ男」
男「ん?」
「絹坂うざくねぇ?」
男「…」
「実質動かしてんの友ちゃんだしさ」
男「…」
笠ノ瀬「男?」
ボゴッ
笠ノ瀬「! おい、男!」
506 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:36:16.26 ID:Hl/ZguMP [15/27]
「いってぇなにしやがんだ」
男「…ふんっ」
「ふざけんなよ…!」
ボゴッ
笠ノ瀬「バカ! お前また殴ってどうすんだよ!」
男「こいつはわかってない」
ガララ
友「ど、どうした?」
笠ノ瀬「男が…!」
友「! お、おい男! やめろっ」ガシッ
男「友、黙ってろ」
「くっそぉ…こんのやろう!」
バッ
友「キャッ!」
ボゴッ
男「…」
絹坂「な、何やってるの!?」
男「っ…」
絹坂「男くん、あなたはなんてことを!」
男「…」
507 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:40:19.36 ID:Hl/ZguMP [16/27]
友(このままじゃまた…)
友(あんときと同じじゃねぇか…!)
男「…」
絹坂「どうしてあんなことをしたんですか?」
男「…さっき先生に話したとおりだ」
絹坂「嘘です、殴りたいから殴ったなんて、男くんがするわけない」
男「…」
絹坂「あなたがとても優しい人だと私は知っているから聞いているんです」
男「…お前、先生みたいだな」
絹坂「褒め言葉ですよね?」
男「当たり前だ」
508 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:46:19.43 ID:Hl/ZguMP [17/27]
絹坂「まったく」
絹坂「最近はとても良い子になったと思っていたのに…」
男「俺は元々悪くねぇよ」
絹坂「ならなぜこんな問題になるんです?」
男「…悪いのはあいつだ」
絹坂「何か言われたんですか?」
男「…自分のことはいくら言われたって我慢できる」
男「昔からそうしてきたんだ」
絹坂「…では、誰かの誹謗中傷ですか?」
男「…」
509 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:47:56.30 ID:Hl/ZguMP [18/27]
絹坂「あなたが友達思いなことはよくわかりました」
男「俺は…」
絹坂「でも、手を出してしまったらダメなんです」
男「…」
絹坂「一年の時、あなたが私をかばった時のように…」
男「…」
510 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:51:37.08 ID:Hl/ZguMP [19/27]
絹坂「今度ある文化祭のために、結束は必要です」
男「…」
絹坂「だから、明日には仲直りすること。いいですね?」
男「わかった」
絹坂「いい返事です。それでは一緒に帰りましょう」
男「…」
絹坂「友さんが待っていてくれましたが、彼女には家でやる作業が残っていたので」
絹坂「先に帰ってもらいました」
男「そうか」
511 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:54:08.40 ID:Hl/ZguMP [20/27]
帰り道
男「…」
絹坂「うーん…」
男「どうしたんだ?」
絹坂「あ、あの…なんでもないです」
男「嘘つけ」
絹坂「…みんなには内緒ですよ?」
男「おう」
絹坂「文化祭が終わったらみんなでお祝いをしようと、ケーキを買うつもりなんです」
男「ほう」
絹坂「でも、みんなが十分食べれるくらいにしないといけないから、たくさん買おうと思うんですが…」
絹坂「みなさん、何が好きなんでしょうね?」
男「…」
男(こんなやつがなんで、嫌われなきゃなんねーんだよ)
512 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 22:57:59.09 ID:Hl/ZguMP [21/27]
男「じゃあ一緒に買いに行こうぜ」
絹坂「え?」
男「お前だけで買いに行ったら何買うかわからねぇからな」
絹坂「で、でも、時間を取ってしまいますよ?」
男「いいさ。すこしくらい」
男「というか、あんまり家に帰ってもすることないし」
絹坂「そ、そうですか…そ、それじゃあ一緒に…」
男「おう」
515 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:34:39.12 ID:Hl/ZguMP [22/27]
男「これは確かに迷うな…」
絹坂「たくさんあるし、どれもすっごく美味しそうなんですよね…」
男「…」
絹坂「イチゴケーキなんてどうでしょう?」
男「ん、ああ、そうだな」
絹坂「チョコレートケーキ…チョコ食べれない人もいるかもしれないですしね」
男「そうだな」
絹坂「む、男くん、ちゃんと選ぶ気ありますか?」
男「も、もちろん。アリアリ、大アリ。」
516 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:45:08.57 ID:Hl/ZguMP [23/27]
男「んじゃあ、これなんてどうだ?」
絹坂「? あ、おいしそうですね」
男「生クリーム嫌いなやつとかもいるだろうから、チョコもイチゴも買っちまえ」
絹坂「で、でもそれは相当余るかも…」
男「だーー! 俺が全部食うから」
絹坂「ほ、ほんとですか!?」
男「おう、どんとこいっ」
絹坂「そ、その時は私も手伝いますから!」
男「おう、頼んだ」
517 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:47:15.26 ID:Hl/ZguMP [24/27]
男「さて、買うもん買ったし、帰るか」
絹坂「…えっ? あ、はい」
男「どうした?」
絹坂「なんでもないです、気にしないでください…」
男「…そうか?」
絹坂「はい」
男「…なら、追求はしないけど」
518 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:51:03.95 ID:Hl/ZguMP [25/27]
男「あ、そういえば」
絹坂「はい?」
男「俺、お前のアドレス知らないな」
絹坂「け、携帯ですか!?」
男「お、おう」
絹坂「け、けけけ、携帯のアドレス…?」
男「あ、いやなら別にいいんだけど…」
絹坂「いえ、そんなことはないんです、ないんですけど…」
男「?」
絹坂「できれば、電話番号が…」
男「あ、番号?」
絹坂「はい、私、メールはちょっと苦手で…」
男「そうか。わかった」
519 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/01(火) 23:54:44.96 ID:Hl/ZguMP [26/27]
絹坂「…です」
男「ん、了解」
絹坂「それじゃあ、今日はありがとうございました!」
男「おう、また明日なー」
絹坂「はいっ」
男(…さてと)
541 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 22:39:28.33 ID:jxiPQRgP [3/13]
文化祭当日
男(朝一番に教室の点検しろって…めんどくせーなぁ)
ガララ
男「おっすー」
生徒1「お、おい男…」
男「ん、どうした?」
生徒1「こ、これ…」
男「…え?」
男(教室の飾り付けが…ボロボロ?)
生徒1「な、なんでこんなことに?」
男「…早く直そう」
生徒1「え?」
男「さっさと直すぞ」
542 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 22:57:18.94 ID:jxiPQRgP [4/13]
委員長「おはようございま…」
男「おう、委員長」
委員長「こ、これは一体…?」
男「なぁに、心配するなすぐに直せる」
委員長「で、でもこれ…!」
男「いいからいいから。あそこにメイド服あるから、ちゃっちゃと着替えろ」
委員長「…」
543 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:02:57.24 ID:jxiPQRgP [5/13]
男「ふう、なんとか直せた…」
委員長「すいません、わざわざこんなことをさせてしまって…」
男「いいっていいって、気にす…」
生徒1「お、おお…」
委員長「あのう…どうでしょうか?」
男「うむ、なかなか趣があるな」
委員長「そ、そうですか?」
生徒1「やべー! すげー似合ってるー!」
544 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:05:46.61 ID:jxiPQRgP [6/13]
委員長「あ、あんまりジロジロみないでください…」
男「というか、委員長」
委員長「はい?」
男「こんな朝早くにメイド服に着替えても意味無いぞ?」
委員長「! …おーとーこーくーん?」
男「す、すまん…」
545 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:09:15.04 ID:jxiPQRgP [7/13]
委員長「ふふ…」
男「?」
委員長「普段はここで怒るところなんですが」
委員長「今日はせっかくの文化祭です。思いっきり楽しみましょう!」
男「…そうだな」
ガララ
友「あっ…」
男「おう、友」
547 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:13:07.41 ID:jxiPQRgP [8/13]
友「…」
男「お、おい…」
ガララ バタン
男「…?」
生徒1「どうしたんだろうな、友ちゃん」
男「ああ…」
ガララ
男「!!」
友「男! どうだ!?」
男「なんでお前も朝からメイド服着るんだよ!?」
548 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:27:19.59 ID:jxiPQRgP [9/13]
友「委員長に負けじと俺も着替えてみた!」
男「はいはい」
友「男! なにか言うこと無いのかよ?」
男「可愛い可愛い」
友「…ありがとっ」
男(最近のこいつのこの反応に慣れないぜ)
委員長「友さんとても似合ってますよ」
友「へへっありがとー!」
549 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:32:46.08 ID:jxiPQRgP [10/13]
友「…ちょっと男、来てくれないか?」
男「ん、なんだ…」
友「ここではちょっと話しづらいから…外出よ?」
男「了解」
ガララ
友「…」
男「…どうしたんだ?」
友「昨日のこと、詳しく教えてくれないか?」
552 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:40:53.91 ID:jxiPQRgP [11/13]
男「…別に」
友「嘘つくなよ」
男「ついてねぇよ」
友「ついてる。お前、嘘つくときの顔になってるもん」
男「…やっぱり親友には嘘つけねぇな」
友「で、どうしたんだ?」
男「…委員長の悪口言ってるやつがいたから、つい手が出た」
友「…やっぱりか」
553 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:50:14.37 ID:jxiPQRgP [12/13]
友「でも、もうしないって、約束しただろ?」
男「…すまん」
友「確かに、委員長がお前を助けてくれた恩人かもしれない」
友「それでも、お前がそこまで委員長のために傷つくのは、おかしいだろ?」
男「…おかしくねぇよ」
友「おかしい」
男「…何言ってんだよお前…?」
友「く、苦しい…男…」
男「あいつがいなかったら、きっとお前とだって仲良くなってない」
男「俺を助けてくれたやつのために傷つくのは当然だろ」
友「…俺は…ただ…」
友「…男がずっと委員長のことばっかり気にしてて…」
友「や、焼きもち…なんだ」
男「!」
友「男がずっと委員長を守ろうとするから、俺はつらいんだ」
555 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/02(水) 23:54:07.66 ID:jxiPQRgP [13/13]
友「俺には…お前しかいないんだから」
男「っ…」
友「…ごめん、教室戻ろ」
男「…友」
友「ん?」
男「俺だってお前しかいねぇよ」
友「…男」
男「…心を許せるやつなんて、お前以外みあたらねぇ」
友「俺もだぜ、男」
556 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/03(木) 00:01:20.23 ID:rBQITckP [1/4]
男「…はぁ」
生徒1「暇だな、なんか…」
男「実質俺達は料理係なわけだけど…」
生徒1「ノンノン、料理調達係だ」
男「…言ってて悲しくなるな」
生徒1「そうだな…」
558 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/03(木) 00:09:23.86 ID:rBQITckP [2/4]
男「材料調達ならわかる」
男「料理調達ってなんだよおかしいだろ」
生徒1「俺だってわかんねーよ」
男「料理を調達…うーむ」
生徒1「俺達がやった仕事といえば…」
男「朝に飾り付けを直したくらいか?」
生徒1「俺達最低だな…」
559 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/03(木) 00:15:02.57 ID:rBQITckP [3/4]
男「まあ役立たずな俺達だからな」
生徒1「とりあえずぶらつくか?」
男「そうだな」
友「ちょっと待ったー!」
男「ん、友」
友「男、俺とまわろ!」
男「はぁ? お前、店は…それにその格好…」
友「一時間だけ休憩もらった! だからまわろっ。服は着替えたらめんどくさいからそのまんま!」
男「…すまんな、生徒1」
生徒1「うらやましいぜこんちくしょう」
569 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 01:30:46.86 ID:ikULEZIP [2/13]
友「綿菓子売ってる!」
男「子供か」
友「子供じゃなかったら食わないのかよ?」
男「そういうことじゃねえが…」
友「じゃあ買おうぜ! な?」
男「へいへい…」
友「いただきまーす、はむっ」
男「…」
友「甘い! そして口の中で溶けたっ!」
男「おおげさだな」
友「だっておいしーんだもん」
570 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 01:47:11.27 ID:ikULEZIP [3/13]
友「というか、なんで買わなかったんだよ?」
男「別にいらねーからだ」
友「ふん…じゃあ、はい」
男「あん?」
友「一口、やるよ」
男「…いらん」
友「あ、あげるって言ってんだから、もらえよ」
男「…やれやれ、はむっ」
友「どうだどうだ?」
男「…綿菓子だな」
友「当たり前だろ!」
571 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 01:50:41.17 ID:ikULEZIP [4/13]
男「それにしてもお前がいたら…はぁ」
友「ん? なんだよ、俺がいたらなんなんだ?」
男「行きたいところあったんだけどな…」
友「ほうほう、どこだよ?」
男「お化けや―――――」
友「行かないから!」
男「だから、お前がいるから…」
友「怖いし、怖いし…」
男「じゃあ外で待っててくれよ」
友「男が食べられたら困るもん」
男「…はぁ」
572 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 01:56:17.92 ID:ikULEZIP [5/13]
男「お前はお化けをなにか違うなにかと間違えてると思うぞ」
友「ど、どういう意味だよ?」
男「俺はこの前、お化けと会話した」
友「え、本当!?」
男(こいつ、マジで驚いてやがる…)
友「な、なんて言ってたんだ!?」
男「いや、まあ、雑談を少々」
友「何してんだよバカー! そういう時はちゃんと質問とかしとけよぅ!」
男「はぁ?」
友「どこから来たんですか? とか、そういうこと!」
男「…お前のそういうとこ、好きだよ俺は」
575 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 02:16:10.00 ID:ikULEZIP [6/13]
友「なっ…ななななな、何言ってんだよ!?」
男「ほら、時間がない、さっさとお化け屋敷に行くぞ!」
友「結局行くのかようわーん!」
男「超本命、『ヴァンヴァンパァイア』!」
友「西洋のお化け怖い…」
男「なんでも怖いだろ、ほら、並ぶぞ」
友「あ、そろそろ時間だー」
男「まだまだあるだろうが、バカ」
友「いじわる!」
576 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 02:51:37.60 ID:ikULEZIP [7/13]
今回はこれで…
更新短くてすいません。
581 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 17:48:49.74 ID:ikULEZIP [8/13]
友「うう…こんな姿で中に入りたくないよぉ…」
男「仕事まだあるんだろ。だったらついてこなくてよかったのに」
友「だから、お前が…」
男「お化けと話したこの俺だぜ? 食われることはねぇよ」
友「で、でも…」
男「それにしても、何も出てこないな…」
友「そっちの方が嬉しいぜ…」
男(ん? 棺桶…)
友「にゃっ!? な、なんかあるぅうう!?」
男「落ち着け、ただの棺桶だ」
友「棺桶にただもくそもないだろ!?」
583 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 18:55:04.63 ID:ikULEZIP [9/13]
男「そうだな。中に何か入ってるのが妥当だな」
友「や、ややややめろよ…」
男「ドーン!」
友「ひゃあああ!」
男「ははは」
友「なんで意味もなく驚かすんだよバカ!」
男「お前驚きすぎ」
友「うわーーん! 男のバカっ!」
584 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 18:59:27.10 ID:ikULEZIP [10/13]
男「それじゃあ棺桶開けてみるか」
友「ふえええ!? ふ、ふざけんなよ!?」
男「いいじゃねーか。面白そう」
友「…お、俺先に行ってていい…?」
男「食われても俺は知らないけど、いいぜ」
友「いじわる…」
男「じゃあ、開けるぞ」
友「…うん」
ゴトン
友「ぎゃああああああああああ!!!」
男「なんにも入ってないぞ…ってうおあっ」ドン
ドサッ
男「いてて…」
友「ったた…」
男「!」
友「!」
男「ど、どけ友…!」
585 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 19:23:01.70 ID:ikULEZIP [11/13]
友「体が思うように動かない…」
男「とりあえず、俺が動くから、動くなよ」
友「う、うん…」
男「…棺桶、せめぇな」ゴソゴソ
友「んっ…」
男「変な声出すな!」
友「だ、だってそこ胸…」
男「! す、すまん」
593 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 23:46:41.02 ID:ikULEZIP [12/13]
友「…」
男(このままじゃ…絶対みんなに勘違いされる!)
友(ふわっ…男の息が当たって…)
男(くそ、友のやつ、いい匂いがしやがる…!)
友「ふみゅぅ」
男「とりあえず棺桶から出ないとな」
友「う、うん」
594 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/04(金) 23:51:34.13 ID:ikULEZIP [13/13]
男(しかし…手が固定されてるから胸を押す以外に方法が…)
友「…」
男「すまん、友…」グイッ
友「あひゃ…んっ…大丈夫」
男「本当に悪い」グイッ
友「あっ…」
男「よし、これで大丈夫」
友「…ふぅ」
男「起こすぞーよいしょ」
友「ありがと」
男「おう」
596 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 00:03:01.90 ID:QPEIsvcP [1/12]
トントン
友(誰だよ、今良い感じなのに…)
「キェエエエエエ!」
友「」
男「またこの展開か…やれやれ」
友「」
男「こいつもそろそろ成長しろよなぁ…」
597 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 00:20:55.31 ID:QPEIsvcP [2/12]
ガララ
委員長「あら、男くん…と、友さん? ど、どうしたの?」
男「気分が悪くなったらしい。ちょっと休ませてやってくれ」
委員長「わかったわ」
男「そうだ、委員長もそろそろ休憩したらどうだ? ずっと働き詰めだろ」
委員長「え、ええ…でも…」
男「?」
委員長「…」
「委員長友達いないんだから遊べないんでしょー」
委員長「…」グスッ
男「…おい、委員長」
委員長「はい?」
男「遊びに行くぞ」ガシッ
委員長「えっ、ちょっと…」
598 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 00:58:27.56 ID:QPEIsvcP [3/12]
男「…」
委員長「…はなしてくださいっ」
男「委員長」
委員長「?」
男「お前は俺のことを、友達だと思ってくれてるのか?」
委員長「え…?」
男「ただのクラスメイトだと、思ってるのか?」
委員長「そ、それは…」
男「俺はお前を友達だと思ってる」
男「だから、少しは俺に頼ってくれても良いだろ?」
委員長「男くん…」
599 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:12:56.20 ID:QPEIsvcP [4/12]
男「ほら、遊ぼうぜ」
委員長「…ありがとう、男くん」
男「いいってことよ」
委員長「でも、私は戻らなきゃ」
男「え?」
委員長「私は、クラスの委員長だから」
委員長「みんなのために、何かしたいの」
男「…委員長」
606 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:59:55.19 ID:QPEIsvcP [7/12]
委員長「だから…戻りましょ?」
男「…おう」
委員長「でも、とっても嬉しいわ」
男「?」
委員長「私、昔っからきつい性格で…」
委員長「全然友達っていう友達、いなかったの」
男「…」
委員長「でも、男くんがそう言ってくれるから」
委員長「とても嬉しかったわ」
男「…委員長は委員長のままでいい」
607 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:06:29.69 ID:QPEIsvcP [8/12]
男「正直、いつも怒ってる顔ばっかりだけど」
委員長「む」
男「ふいに見せる笑った顔は、すっげえ可愛いし」
男「お前みたいなしっかりしたやつがいないと、クラスがまとまらないしな」
委員長「…男くん」
男「柄にもないこと言ったな。すまんすまん」
委員長「…私がいつも怒ってるって…?」
男「あ、いやあ…その」
委員長「どうせ私は怒りっぽい女です! ほら、行きますよ!」
男「お、おい待ってくれよー」
委員長(…男くん、ありがとう)
608 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:12:32.51 ID:QPEIsvcP [9/12]
女「あー早いおかえりだねー」
男「おう」
女「それより男くん、どう? この格好!?」
男「ん、似合ってるんじゃないか?」
女「そ、そーかなぁ?」
男「それより、俺に仕事をくれ!」
女「え?」
男「料理調達係じゃ割に合わねーんだ!」
女「料理調達係?」
男「え、俺と生徒1の係だけど?」
女「そんな係ないよ?」
男「」
609 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:14:48.12 ID:QPEIsvcP [10/12]
男(まさか俺はそうとも知らず、サボっていたのか…!)
女「んーでも残ってる係と言えば…」
男「お、おう」
女「宣伝はたくさんいるし、料理係もたくさんいるし…」
男「なんでもいい! 頼む!」
女「あ、こんな所に余ったメイド服」
男「ちょ、ちょっと待て、それはさすがに…」
女「なんでもするんじゃなかったの?」
男「…はぁ」
610 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:33:52.03 ID:QPEIsvcP [11/12]
友「むにゃ…」
委員長「あら、目ぇ覚めたわね」
友「ん…お、俺は…?」
委員長「さっき男くんがあなたを抱えて帰ってきたわ。ここは教室」
友「…男は?」
委員長「あそこで接客中よ」
友「接客…? ぬわっ!」
男「い、いらっしゃいませー…ご、ご主人さまー…」
611 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:41:43.17 ID:QPEIsvcP [12/12]
友「き、きもっ…」
男「! う、うるせー!」
委員長「ふふ…」
友「ん、何笑ってんだよ委員長っ」
委員長「二人は本当に仲いいなと思って」
男・友「!」
男・友「誰がこんなやつと!」
委員長「ふふ、息ぴったりじゃない」
612 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:27:16.63 ID:m8IkRi6P [1/16]
文化祭、終了。
男「ふぅ…」
女「おつかれさまー」
生徒1「お前の文化祭に賭ける気持ちがすっごく、伝わってきたぞ…!」
男「お前も着ろよっ!」
生徒1「いやいや、服は一着しか余ってなかったから」
男「うぅ…畜生!」
友「ふぅ、汗ビッチョリだぁ…早く着替えよー」
委員長「そうね」
男「んじゃあ俺もトイレで着替えてくるかー」
613 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:36:32.12 ID:m8IkRi6P [2/16]
男「ふぅ…」
男(さて、この後は片付けして委員長のケーキ食って帰って即寝る! うん、完璧)
委員長「というわけで、文化祭は終わりました」
委員長「文化祭が終わった安堵感などでだらけることなく、これからもちゃんと勉強をしましょう」
(先生かよ、あいつ)
(うぜえうぜえ)
委員長「と、いうわけで…終了を記念してケー…」
「おっし、それじゃあ打ち上げでもいくかー?」
「いいねぇ~行こう行こう!」
委員長「あっ…」
男「…」
「男も行くかぁ?」
男「…委員長、ケーキくれ」
委員長「あ、うん」
614 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:41:02.01 ID:m8IkRi6P [3/16]
「なんだよそのケーキ」
「まさか男のためにケーキぃ? うわー、張り切ってるー」
男「てめぇらいい加減にしろ!」
「? どうしたよ男」
男「これは委員長が俺達のために、買ってくれたケーキだ」
男「それなのにお前ら、こいつがまだ話をしてる途中に盛り上がりやがって…」
男「こいつは、こいつは自分のこと以上に、人のこと考えてるんだぞ!?」
男「わかろうともしねぇお前らが、許せねぇ…」
「…ど、どうしたんだあいつ…」
ざわ…ざわ…
友「いただきまーす」
女「…それじゃあ私もー」
委員長「…!!」
友「これって、あのケーキ屋のやつ? すっごく美味しい!」
615 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:52:16.19 ID:m8IkRi6P [4/16]
生徒1「俺もいただくとするかー」
「な、なんだよ…」
「これじゃあ俺達が最低なやつらみたいじゃねぇか」
委員長「みんな、たくさん食べてくださいね」ニコッ
「…!」ドキッ
(な、なんだこの笑顔…!)
「い、いただくぜ
委員長「はい」ニコリ
「なによーじゃあ私も食べるしー」
616 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:56:06.20 ID:m8IkRi6P [5/16]
「あのさ、委員長」
委員長「はい?」
「ごめん」
「お、俺もごめん!」
委員長「え?」
「なんか、お前のこと勘違いしてたみたいだ」
「俺達のことなんか全然考えてないと思ってて…その…ごめん!」
委員長「ふふ、いいんですよ、そんなこと」
「私もごめんねー委員長ちゃーん」
委員長「あ、うん、大丈夫ですよ」
男「ふぅ」
男(これで一件落着だな)
617 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:11:34.24 ID:m8IkRi6P [6/16]
委員長「あら、男くんは食べないの?」
男「ん、あとでいいよ」
委員長「そう」
男「…」
委員長「…」
委員長「あ、あの、男くん…」
男「ん?」
委員長「そ、その…ありがとう」
男「気にすんなって」
委員長「本当に、ありがとう」グスッ
男「お、おい泣くことはねぇだろ!」
委員長「でも、すっごく嬉しくて…うぅ…」
男「あ、ああ、そうだっ、ほらこれ」
委員長「? なに、その箱?」
男「開けてみ」
委員長「…?」ガサゴソ
委員長「…! これって」
618 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:18:57.82 ID:m8IkRi6P [7/16]
男「お前、なんか見てたからさ」
男「欲しかったのかどうかわかんなかったけど、まあ、もらっといてくれ」
委員長「あ、あああ、ありがとう!」
男「おう」
委員長「一緒に大事にします、ありがとう! 本当にありがとう!」
男「それにしても、意外と可愛いのとか好きなんだな」
委員長「む、意外と…?」
男「いや、なんでもない」
委員長「ふふ、今回は許しますっ」
男「はは、それはラッキーだ」
友「…」
そして
男「うぷっ…もう、流石に食えねえ…」
男(ケーキを見るだけでももう吐きそうだ…!)
委員長「頑張りましょう、男くん…」
男「ちくしょー!」バクバク
#5 END
619 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:21:25.83 ID:m8IkRi6P [8/16]
今回はここまでです。
#6 予告
男「おい、妹」
妹「はいはいなんでございますか?」
男「どうやら次回は兄妹話らしい」
妹「ほほう、ついに私の時代が…?」
男「んなわけあるかっ」
妹「オーマイシスター!」
男「暴れるな! じ、次回をお楽しみに!」
622 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:42:07.27 ID:m8IkRi6P [9/16]
>>621
未定です。すいません…
628 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 20:50:21.85 ID:m8IkRi6P [10/16]
男「だから、お前と一緒に行こうと思って」
友『すまん、今日は用事があるんだ』
男「そうか、じゃあまた今度な」
友『…そのチケット、今日までなのか?』
男「おう。だからもったいねーから使いてーんだけどな」
友『委員長でも誘えばいいんじゃない?』
男「は? なんで」
友『さーねっ、それじゃ』
ガチャン
男「…さて、どうしたものか」
629 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 20:59:20.56 ID:m8IkRi6P [11/16]
男「おい、妹」
妹「なんでござい万華鏡?」
男「なんだそりゃ」
妹「私が流行らそうとしている言葉ランキング102位の言葉です!」
男「相当低い気がするんだが…」
妹「1位知りたい? ねえ、知りたい?」
男「まったく」
妹「流石お兄ちゃん…バッサリね」
男「俺は係わりたくない人間1位はお前だ」
妹「ああん、そんなこと言いながら話しかけてくるお兄ちゃん好きよー」
男「はぁ…」
631 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 21:09:37.74 ID:m8IkRi6P [12/16]
男「今日空いてるか?」
妹「まさか、またなんか買ってきて欲しいの? だったらパスー」
妹「それに私、今日用事が…」
男「遊園地にでも行かないか?」
妹「」
男「空いてるんだったら一緒に行こうかと…」
妹「ちょ、ちょっと待って!」
ピッピッピッ
プルルル プルルル
妹「もしもし…? うん…ごめん、今日ね……うん、じゃあまた今度」ガチャン
妹「もち! フリーですよ!」
男「…さっきの電話なんだよ」
妹「ほ、ほら、ピザ頼んでたの!」
男「朝っぱらから凄い嘘をかますな…」
634 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 21:37:16.53 ID:m8IkRi6P [13/16]
妹「行くんでしょ行くんでしょ!?」
男「おう」
妹「じゃあいこっいこっ!」
男「くっつくな、バカ」
妹(やったーやったー!)
男(まぁ行かないよりマシだな)
男(…それに、こいつと遊ぶのは、久しぶりだからな)
男(少しくらい、付き合ってやろう)
635 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 22:02:51.09 ID:m8IkRi6P [14/16]
男「ん、なんだ用事って着替えだったのか」
妹「うんっ」
男「なんか大人っぽいな。お前にしては」
妹「うふふっ、そういうコンセプトっ」
男「ふーん」
妹「じゃあいこっか、男?」
男「ほほう、名前を呼び捨てとはお前もやるようになったな」
妹「今日だけはそう言わせてよ」
男「は?」
妹「お願い」
男「別に、いいけど」
妹「じゃあ、じゃあ、腕、ギュッてしていい?」
男「調子に乗るな!」
636 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 22:17:25.21 ID:m8IkRi6P [15/16]
男「さて、まず何に乗るか」
妹「うーんたくさんあるねぇ」
男「じゃあ…」
妹「お兄ちゃん! いいことを思いつきました」
男「ほう、言ってみろ」
妹「この遊園地の隣にあるホテル…」
男「頭にラブがつくホテルだな、バカか!」
638 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/06(日) 23:14:04.44 ID:m8IkRi6P [16/16]
妹「冗談冗談っ」
男「わかってはいるが…お前は本当に冗談ばっかりだな」
妹「よく言われます。主にお兄ちゃんから」
男「俺じゃねぇか!」
妹「あれ~? 男くんは男くんでしょー?」
男「ほうほう…お前、遊園地で電気あんまされたいのか?」
妹「されてる私よりしてる男くんが奇異の目で見られるよ?」
男「…そうだな」
639 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 00:11:24.11 ID:ZVpt7bgP [1/7]
男(なんだこのむかつきは…)
妹「それじゃあ、男くん」
男「ん?」
妹「メリーゴーランドに乗りたいな」
男「ん、いいぜなんでも」
妹「じゃあいこっか」ニコッ
男「…おう」
640 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 00:15:31.65 ID:ZVpt7bgP [2/7]
男「俺は凄く不思議なことがあるんだ」ゴゥンゴゥン
妹「なに?」
男「なぜお前に彼氏とかができんのかだ」
妹「…」
男「こんなことを言うのもなんだけど、お前は俺とは違って結構良い線を言ってると思う」
妹「…」
男「なんでだ?」
妹「男くん」
男「あん?」
妹「今、私と男くんは付き合ってるの。そうでしょ?」
男「はぁ?」
妹「そんな悲しいこと、言わないでよ」
男「…?」
643 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 00:23:39.07 ID:ZVpt7bgP [3/7]
男(ああ、そういう設定か)
男「やれやれ、そうだったな」
男「悪いことしちまった。すまん」
男「これからどんどん楽しもう」
妹「うんっ」
男「でもな、妹」
妹「?」
男「そろそろメリーゴーランドには飽きたぞ」
妹「だって空いてるから…」
男「10回は流石に乗りすぎだぜ」
妹「失敗失敗☆ テヘッ」
男「テヘッ、じゃねえ!」
650 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:41:06.66 ID:ZVpt7bgP [6/7]
男「さて、そろそろ本格的に遊園地を楽しみたいぜ」
妹「うーんそれじゃあ」
男「ここはやっぱり…」
妹「お化け屋敷? 男くん好きだもんねぇ」
男「悪かったな」
妹「でも、却下」
男「なんで?」
妹「それより私は、ジェットコースターに乗りたい!」
男「おお、遊園地らしい!」
妹「きっと混むだろうから、さっさと並んじゃお!」
男「そうだな」
651 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:45:07.72 ID:ZVpt7bgP [7/7]
男「…」
男(それにしても、カップルが多いな)
男(なんか、場違いな感じだ…)
妹「男くん?」
男「ん、なんだ?」
妹「どうしたの? 悩み事?」
男「別に、なんでもねぇ」
妹「嘘。絶対嘘」
男「…なんか場違いだと思ってな」
妹「え?」
654 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:35:53.48 ID:7LOLgXkP [1/11]
男「だって、周りはカップルだらけ」
男「雰囲気が違うっつーか…なんつーか」
妹「…」ギュッ
男「な、なんだ?」
妹「だったら、今日一日私と男くんは本当に本当のカップル!」
男「…」
妹「今日一日だけで、いいから」
男「…」
655 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:38:42.89 ID:7LOLgXkP [2/11]
男(なんだよこいつ…)
妹「…」
男(顔真っ赤でこんなこと言いやがって)
男「わかったよ。今日一日な」
妹「そうこなくちゃ」
男「お、そろそろだな」
妹「うんっ。楽しみだね」
男「そうだな」
656 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:41:03.49 ID:7LOLgXkP [3/11]
男「ヒィィィヤッホォォーーーー!!」
妹「ワァァァァ!」
男「す、すげえ…一瞬記憶が飛んだぜ」
妹「私も私も! ドピュッってなった!」
男「なんだその音…」
妹「男くんは記憶とともになにかを…」
男「しばくぞ」
妹「やーん怖いー」
657 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:48:29.31 ID:7LOLgXkP [4/11]
男「何か食うか」
妹「そうだね」
男「じゃあここで」
妹「うん」
妹「何食べようかな~」
男「頼んできてやるよ。なにがいい?」
妹「え、いいの? それじゃあ…コレ」
男「了解」
妹「ふふ…」
男「? どした」
妹「なんか、本当にカップルみたいだと思って…」
男「…へ、変なことを言うな」カァァ
658 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:56:04.19 ID:7LOLgXkP [5/11]
男(あいつは俺の妹だぞ…)
男(妹のことを意識するなんて、人間として失格!)
男(相手は妹、相手は妹…)
男「すまん、結構混んでてな」
妹「ううん、全然待ってないよ」ニコッ
男「…」ドキッ
妹「? どしたの」
男「あ? な、なんでもない」
妹「?」
659 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:57:17.14 ID:7LOLgXkP [6/11]
男(俺はなんてダメなやつなんだー!!)
男(可愛ければ妹でもいいのか!? バカなのか!?)
妹「いただきまーす」
男「お、おう」
妹「はむっ」
男「…」モグモグ
妹「男くん食べるの早いねー」
男(…でも、こいつに名前で呼ばれるのはむかつく)
660 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:00:43.27 ID:7LOLgXkP [7/11]
妹「…男くん」
男「ん?」
妹「一生のお願いだからさ」
男「ああ」
妹「…観覧車に乗りたいな」
男「別にいいぜ」
妹「! いいの?」
男「おう」
妹「だ、だったら早くご飯済ませちゃお! 早く乗りたいからっ」モグモグ
男「お、おいあんまり急いだら喉に詰まるぞ」
妹「大丈夫大丈夫! 平気んぐ…」
男「ヘイキング!?」
妹「む、むぐ…ぷはっ…あぶないあぶない」
男「…お前ってやつは…」
661 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:05:04.91 ID:7LOLgXkP [8/11]
男「お、空いてる。さっさと乗るか」
妹「うんっ」
男(そういえば、観覧車に乗るなんて久しぶりだな)
妹「上がり始めましたよ~!」
男「テンション高いなお前」
妹「うん!」
男(…家でもこんなんだったらなぁ…)
662 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:10:04.89 ID:7LOLgXkP [9/11]
妹「む、なんですかその目は?」
男「別にぃ」
妹「語尾の伸ばし方が何か言いたげですねぇ」
男「お前こそ、いきなりなんで敬語になってんだ」
妹「気にしないでくださいな」
男「はいはい」
妹「…恥ずかしいからです」
男「あん?」
妹「男くんと二人きりは、恥ずかしいんです」カァァ
男「…い、意味わからん」カァァ
男(くっそおおおおおこんなんじゃ妹の思うツボだぞ…!)
663 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:15:14.26 ID:7LOLgXkP [10/11]
妹「男くん…」
男「な、なんだ?」
妹「今、観覧車の中は私と男くんだけです」
男「そうだな」
妹「ならば、何をしても平気なのでは?」
男「は?」
妹「そうですよね?」ズイッ
男「ち、近寄るな…!」
676 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/09(水) 22:46:53.11 ID:2kj1XAIP [2/5]
男「…お前」
妹「うふっ」
妹「男くんのお膝、いただきっ」ドンッ
男「…膝に乗るなよ」
妹「…男くん」
男「あん?」
妹「こうやって、家以外で二人きりでいること、久しぶりだね」
男「そうだな」
678 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/09(水) 22:52:35.94 ID:2kj1XAIP [3/5]
妹「…目、つむって?」
男「なんで」
妹「いいから」
男「…わかった」
妹「見てない?」
男「ああ、見てない」
妹「すぅーはぁー…」
男「…」
妹「私は、お兄ちゃんのことが大好きです」
妹「優しくて、私のことを大事にしてくれるお兄ちゃんが、とってもとっても大好きです」
妹「これからも、よろしくおねがいします」
男「…」
680 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/09(水) 23:08:13.38 ID:2kj1XAIP [4/5]
妹「は、はい、あけていいよ」
男「おう」
妹「ま、待って!」
男「あん?」
妹「や、やっぱり恥ずかしいから、もう少ししてから!」
男「ん」
妹「…」
男「観覧車って、不思議だな」
妹「?」
男「こうやって、妹と一緒に入ってるだけなのに」
男「なんか、お前を意識しちまう」
妹「…」
681 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/09(水) 23:34:39.29 ID:2kj1XAIP [5/5]
妹(そんなこと言うから…)
男「変なこと言っちまったな。すまんすまん」
妹「…」
男「そろそろあけていいか?」
妹「…もうすこしだけ」
男「おう」
妹(もうすぐ、観覧車終わちゃう…)
男「…」
妹「男くん」
男「? どうし…」
男「…」
妹「…」
妹「…あけていいよ」
男「おう…」
684 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:09:26.87 ID:kY5c/G6P [1/9]
男(…)
妹「はい、目をあければ既に観覧車の時間はしゅーりょーなのでしたー!」
男「! 俺あんまり眺め見れてない!」
妹「残念でしたー!」
男「お、おい! どこ行くんだよっ」
妹「追いかけてみろー!」
男「ふざけんなって!」
妹(今日はありがとう、お兄ちゃん)
男「おら、捕まえたぁ!」
妹「きゃふん☆」
男「き、きもちわるっ!」
妹「失礼だよー男くん!」
686 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:16:07.71 ID:kY5c/G6P [2/9]
男「お前が気持ち悪い声出すからだろ」
妹「それがひどいって言ってるのっ」
男「ふんっ」
妹「むーなにそれぇ?」
男「俺は曲げないからな」
妹「そんな顔しないでよー楽しいデートがつまんなくなっちゃうよぅ」
男「…そうだな、すまんすまん」
妹「ふふっ、それじゃあもっともっと盛り上がっていきましょー!」
男「おー!」
687 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:19:57.96 ID:kY5c/G6P [3/9]
・
・
・
バスの中
男「いやー今日は楽しかったなぁ」
妹「…」
男「やっぱりお化け屋敷、最高だったぜ」
妹「…」
男「おい、妹?」
妹「…」
男「おいおい、寝るなよ」
妹「…」
男「ったく…妹のくせに」
男「なんでこんなに俺に似てねーんだ…っよ」ペチン
妹「ふにゅ…すぅすぅ」
男「おぶって帰るか」
688 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:24:38.44 ID:kY5c/G6P [4/9]
男「よいしょ」
男(すっげえ軽い…)
男「家まではそう遠くないし、この体重なら…」
妹「作戦通り…ふふふ」
男「! んだよ、起きてたのか」
妹「ふふ、私がバスの中で居眠りしてしまうような女だと思いましたか?」
男「その口元のよだれを拭いてからそういうこと言おうな」
妹「むむ…さすがお兄ちゃん」フキフキ
妹「重くない?」
男「全然」
妹「おろしてもいいんだよ?」
男「ああ」
妹「うん」
男「でもな…ちょっと、このままがいい」
妹「え?」
男「ダメか?」
689 名前: ◆VPXB6G8Wqo[] 投稿日:2010/06/10(木) 00:30:31.02 ID:kY5c/G6P [5/9]
妹「ううん、全然」
男「そうか」
妹「大好き」
男「ああ、俺もだ」
妹「ふふふ…」
男「なんだその笑い方は」
妹「ふ、普通だよ」
男「そうかそうか」
妹「むー何その反応!?」
男「別に」
妹「…でも、今回は許します」
男「それはありがたい」
妹「だから、家に帰るまで離しませんから」
男「ああ、そうしてくれ」
#6 END
<<友「女になったんだ」 | ホーム | 友「女になったんだ」>>
コメント
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |