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唯「うるとら!」2
85 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:12:43.88 ID:J0xuRkAO [1/13]
今からおよそ40年前
地球は、怪獣や侵略者の脅威に晒されていた
人々の笑顔が奪われそうになった時、遥か遠く、光の国から彼等はやって来た
「ウルトラ兄弟」と呼ばれる、頼もしいヒーローたちが
そして今、ウルトラの父は、一人の若き勇者を地球へと送った……
その名は………
律「私だよんっ!」
梓「いや私たちもいますから」
というわけではじまりはじまり
今からおよそ40年前
地球は、怪獣や侵略者の脅威に晒されていた
人々の笑顔が奪われそうになった時、遥か遠く、光の国から彼等はやって来た
「ウルトラ兄弟」と呼ばれる、頼もしいヒーローたちが
そして今、ウルトラの父は、一人の若き勇者を地球へと送った……
その名は………
律「私だよんっ!」
梓「いや私たちもいますから」
というわけではじまりはじまり
86 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:17:24.02 ID:J0xuRkAO [2/13]
唯「はふぅ」
律「今日も今日とて暇だねぇ」
梓「暇なら練習でもしたらどうですか?」
唯「それは無理」キリッ
律「私たちはお茶を飲むのに忙しいからな」キリリッ
梓「えー」
澪「まあまあ」
澪「いいんじゃない? たまにはのんびりしても」
梓「澪先輩まで……」
紬「梓ちゃん。今日のお菓子はたい焼きだけど、食べる?」
梓「いただきます!」
ビーッ ビーッ ビーッ
87 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:26:36.04 ID:J0xuRkAO [3/13]
ガチャッ
律「もしもーし」
さわ子「はいはーい」
さわ子「突然だけど、F地区の高井山で怪獣の卵が見つかったらしいの」
律「卵?」
さわ子「えぇ」
さわ子「それでね、今日はちょっとそれを見に行ってほしいのよ」
律「はーい」
さわ子「よろしくね」
ガチャッ
律「よーし、みんな。山行くぞ、山ー」
唯「山かー」
梓「え? あ、あの、たい焼きは……?」
紬「お預けね♪」
梓「うわー……」
律「HTT出動ー!」
みんな「おー!」
梓「……はぁ」
88 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:34:13.40 ID:J0xuRkAO [4/13]
ワン ダー ダバダバダー ダバダバダー ダバダバター
バシュ―――――――ン
唯「ワンダバダ~~♪」モグモグ
梓「……」
唯「ダバダバダ~~♪」モグモグ
梓「……唯先輩」
唯「なに~♪」モグモグ
梓「どうして機内にたい焼き持ち込んでるんですか!!」
唯「おいしいからに決まってるじゃん♪」モグモグ
梓「……理由になってません!」
律「梓ー。あんまり大きな声出すなよ。うるさいだろー」モグモグ
澪「そうだぞー」モグモグ
梓「あっ! た、食べてる!?」
紬「大丈夫よ、梓ちゃん」モグモグ
梓「ムギ先輩!」
紬「梓ちゃんの分は保冷剤と一緒にちゃんと部室に置いてきたから!」モグモグ
梓「……も、持ってきてくださいよ」
梓「……」
梓「……くすん」
89 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:41:22.15 ID:J0xuRkAO [5/13]
―――――――――――――――――――――
唯「見えた! 高井山だよ」
梓「……早く着陸しましょう!」
唯「ど、どうしたの急に?」
梓「いつまでもメソメソしてるのは性に合いません」
梓「早く済ませて、早く帰って、早くたい焼きを食べることにしました!」
紬「あらあら」
律「お、あの辺が広くて良さそうだな」
律「澪。着陸してくれ」
澪「りょーかい」
90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:52:07.44 ID:J0xuRkAO [6/13]
シュウウウウウン
梓「それで! その変な卵っていうのはどこに!」
唯「そ、そんなに急がなくても卵は逃げないってば……」
律「えー、と。ここからだいたい3kmくらい西だな」
澪「遠いなぁ……」
紬「1時間は歩かないといけないわね」
律「山だからな」
唯「お散歩だと思えば楽しいよー」
梓「そんなお気楽じゃダメです! ダッシュしますよ、ダッシュ!」
唯「ええっ!?」
91 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:02:16.96 ID:J0xuRkAO [7/13]
―――――――――――――――――――――
澪「はぁ……はぁ……」
紬「いい運動だったわ♪」
唯「つーかーれーたー」
律「歩いて1時間の山道を30分で来たんだもんな……」
梓「先輩、先輩。卵はどこですか?」
律「んー?」
律「もらった資料ではこの辺だって言われてるんだけど……」
92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:09:15.26 ID:J0xuRkAO [8/13]
唯「卵なんて見当たらないよー」
律「資料によると卵と言うより小さめの丸い岩って感じらしいぞ?」
澪「そんなのも見当たらないな」
梓「資料読み違えてるんじゃないですか?」
律「ないない」
律「ほら、F地区第4ブロックポイントK―76って書いてあるだろ?」
唯「ホントだ」
紬「でも実際卵はないのよね」
梓「のんびりしてるから卵が逃げちゃったんですよ!」
澪「そんな馬鹿な……」
93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:12:11.15 ID:J0xuRkAO [9/13]
律「とりあえず、ここら一帯をもうちょっとよく探してみよう。考えるのはそれからだ」
みんな「おー」
律「とはいえそんな簡単には見つからないよなー」
律「……ふぅ」
律「みんなはどんな感じかな?」
梓「毎日毎日♪ 僕らは鉄板の~♪」
梓「上で焼かれてやんなっちゃうよ~♪」
唯「あ、バッタ!」
唯「こっちにはてんとう虫!」
澪「あの雲ハート型してる……」
澪「ふふっ」
律「……」
律(……誰も真面目に探してない!)
紬「りっちゃん、りっちゃん」
律「ん? ムギ?」
94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:24:34.44 ID:J0xuRkAO [10/13]
律「どしたん?」
紬「ほら見て。ここ」
紬「石か何かが置いてあったみたいに地面がへこんでる」
律「……ホントだ」
紬「それでね」
紬「ほら。このすぐ近くを車が通った跡があるの」
紬「この先は林道になってるんだわ」
紬「そしてこの辺、妙にたくさん人の足跡がついてるのよ」
律「……むむむ」
律「それってつまり……」
95 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:27:36.06 ID:J0xuRkAO [11/13]
梓唯澪「誰が車で卵を持ってっちゃったー!?」
紬「推測だけどね」
梓「じゃあもう帰りましょうよ」
律「そうもいかない」
律「忘れたのか? あれは、怪獣の卵だ」
律「ほったらかしにはできないよ」
梓「む……。なんて厄介なことを……」
澪「それで? 私たちはこれからどうするんだ?」
律「うん。車の通った跡があるからそれを辿っていこうと思う」
唯「歩いて?」
律「2人だけな。残りの3人はチェスターで空から調査だ」
唯「じゃあ、組み分けじゃんけんしよっか!」
みんな「じゃーんけーん―――――――
96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:45:25.42 ID:J0xuRkAO [12/13]
梓「……私、もう二度とチョキなんて信用しません」
唯「まあまあ、そう言わずに」
梓「とりあえずこの林道をたどればいいんですよね」
唯「とりあえずはね」
梓「よーし。早く行って、早く帰りましょう!」
唯「た、卵が見つからないと帰れないってば」
梓「すべてはたい焼きのために!」
唯「き、聞いてないし……」
97 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:58:05.11 ID:J0xuRkAO [13/13]
律「うん。すっかり忘れてた」
律「じゃんけんに勝ったのはいいけど」
澪「チェスターの着陸場所までまた1時間、か……」
紬「~♪」
律「ムギはへっちゃらそうだなぁ」
紬「ふふふ。ダイエットだと思えばむしろ走りたいくらいよ♪」
律「なるほどねー」
澪「……律、走ろう!」
律「え」
98 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:00:16.00 ID:GkKgf.AO [1/8]
梓「……」
唯「ワンダバダ~♪」
梓「……先輩」
唯「なにー?」
梓「暇ですし、しりとりでもしませんか?」
唯「おぉーいいねー」
梓「じゃあ、しりとりの"ち"からいきましょう」
唯「おー」
梓「ちり」
唯「り、り、り…… リス!」
梓「すり」
唯「りー…… リズム!」
梓「むり」
唯「……リサイクル!」
梓「るり」
唯「りいぃぃぃぃ……?」
唯「あ!」
唯「りょうり!」
梓「倫理」
唯「うわっ!」
のんきなものである
99 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:05:12.77 ID:GkKgf.AO [2/8]
唯「りぃー……?」
梓「~♪」
梓「……あれ?」
唯「どしたの、あずにゃん」
梓「ほら。あそこに山小屋がありますよね」
唯「うん。軽トラが止まってるね」
梓「その、軽トラの積み荷が……」
唯「……」
唯「……なんか卵っぽいね」
梓「ですよね……」
唯「ちょっと行ってみよっか」
梓「はい」
100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:07:23.91 ID:GkKgf.AO [3/8]
ガチャッ
唯「おじゃましまーす」
梓「しまーす」
恵「あら、こんにちは」
唯「こんにちはー」
梓「こんにちは」
梓「あの、すいません。表に止めてある軽トラって……」
恵「?」
恵「私のだけどどうかしました?」
梓「あのですね……」
唯「……あずにゃん、あずにゃん」チョイチョイ
梓「……何ですか、唯先輩。人が喋ってる時に邪魔しないでくださいよ」ヒソヒソ
唯「いや、ほら。その人。なーんか見覚えない?」ヒソヒソ
梓「見覚えなんてあるわけ……?」ヒソヒソ
梓「? ……ジー」
恵「……?」
梓「……ん?」
恵「……あれ?」
梓恵「……あっ!」
101 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:12:27.73 ID:GkKgf.AO [4/8]
梓「……もしかして去年の桜高の会長さんですか?」
恵「そういうあなたたちは軽音部の……」
唯「はい! 3年の平沢と」
梓「2年の中野です」
恵「ふふっ。こんなところで会うなんて奇遇ね」
恵「そういえば秋山さんは来てないの?」
唯「今日はちょっと別行動なんです」
恵「あらそう」
梓「あ、あの。さっきの話に戻るんですけど……」
102 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:16:24.56 ID:GkKgf.AO [5/8]
梓「あの軽トラは先輩のなんですよね?」
恵「えぇ、そうよ」
梓「じゃあ、積み荷はどうしたんですか?」
恵「ああ、あれね」
恵「今日ここには小旅行みたいな感じで来たんだけど……」
唯(暇人だ)
梓(暇な大学生だ)
恵「表の林道をまっすぐ行った所で見つけてね」
恵「あんまり珍しい石だから思わず拾っちゃったの」
唯「なるほどー」
梓(こんな投げやりな説明で納得しちゃった!)
103 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:18:03.98 ID:GkKgf.AO [6/8]
恵「あの石がどうかしたの?」
唯「あ……、その。え、っと……」
恵「?」
放課後ティータイムのメンバーがウルトラマンであり、特捜チームとして活動しているのは秘密にしないといけないのだ!
恵「何にもないならそろそろ私は行かせてもらうけど……」
梓「あ、あの!」
恵「?」
梓「私たちここまでバスで来たんですけど」
梓「このままだと夜までに家に帰れそうにないんで、先輩の車に乗せてもらえませんか?」
恵「え、えぇ。別にいいけど……」
梓「ありがとうございます!」
104 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:20:20.73 ID:GkKgf.AO [7/8]
唯「あずにゃん」ヒソヒソ
梓「何ですか?」ヒソヒソ
唯「卵の在処はもうわかったんだし、私たちはチェスターで迎えに来てもらって」ヒソヒソ
唯「あとからまた、みんなで先輩のとこに行けばいいんじゃない?」ヒソヒソ
唯「その方が、先輩も澪ちゃんに会えて喜ぶと思うんだけど……」ヒソヒソ
梓「ダメですよ、それじゃ」ヒソヒソ
唯「なんで?」ヒソヒソ
梓「あの先輩は嘘をついてます」ヒソヒソ
唯「嘘?」ヒソヒソ
梓「はい」ヒソヒソ
梓「あの人はここに卵があることを知ってて、卵を回収しに来たんです」ヒソヒソ
梓「だいたいさっきの説明だって胡散臭すぎますし」ヒソヒソ
梓「そうでもなければ、女子大生が軽トラなんて使うわけありませんよ」ヒソヒソ
唯「でも、先輩が軽トラ好きの女子大生なのかもしれないよ?」ヒソヒソ
梓「そんなの女子大生じゃありません。女子大生の皮を被った変人です」ヒソヒソ
唯「なるほどー」ヒソヒソ
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 00:04:35.49 ID:b/4RNAAO [2/14]
恵「どうかした?」
唯梓「い、いえ別に!」
恵「?」
恵「じゃあ早速乗ってもらおうかしら」
恵「あいにく座席が1つしかないから1人は荷台に……」
唯「はいっ! 乗ります! 私、乗りたいです!!」
恵「そ、そう? じゃあ荷台に」
恵「あ。危ないから、立ち上がったり……」
恵「その石に触ったりは、しないでね?」
唯「はーい」
梓「……」
110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:05:34.08 ID:b/4RNAAO [3/14]
恵「それじゃあ中野さんは助手席に……」
梓「あ、すいません」
梓「一応、家に連絡入れときたいんでちょっと待っててもらえますか?」
恵「ええ。どうぞ」
恵「でも、こんな山の中じゃ携帯も圏外なんじゃない?」
梓「いえ、大丈夫です」
梓「私の携帯、……すっごく電波いいんですよ」
111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:06:29.25 ID:b/4RNAAO [4/14]
―――――――――――――――――――――
澪「はぁ……はぁ……」
律「おい大丈夫か?」
澪「……こんなに走ったんだ。きっと体重も…………ふへへへへ」
律(ダイエットへの執着はこうも人を変えるのか……)
律「と、とにかくさっさとチェスターに乗り込もう」
律「私たちは空から調査だ」
紬「おーっ!」
澪「ふふふふふふ……」
律「怖いから早く乗れって!」
112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:07:36.36 ID:b/4RNAAO [5/14]
バシュ―――――――ン
律「んー……」
紬「むー……」
澪「うー……」
律「異常なし、だな」
紬「そうね」
律「……」
紬「……?」
律「……緊張感が足りない」
紬「え?」
律「……こちらス[ピーーー]ーク! 今の所こちらに異常はない! オーバー」
紬「!」
紬「了解ス[ピーーー]ーク、こちらも異常はないわ! オーバー」
澪(なにやってんだか……)
澪「……ん?」
113 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 00:08:32.25 ID:b/4RNAAO [6/14]
澪「おい、律」
律「んー?」
澪「ほら。3時の方向、なんか地面が陥没してないか?」
律「どれどれ~ ……お。ホントだ」
澪「あれ、怪獣の通り道なんじゃないかな?」
律「んー? でも怪獣の出現報告はなかったしなぁ」
澪「それはそうなんだけど……」
114 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:11:10.95 ID:b/4RNAAO [7/14]
澪「でもやっぱり人間の仕業とは思えないよ」
律「そう言われてもなぁ」
シュワシュワー シュワシュワー ナナイロー モーニンシャワー♪
律「お。電話だ」
とはいえこれは電話ではない
HTT専用 超高性能小型通信機 HTTセルフォン である
形状を一般の携帯電話に酷似させることでカモフラージュしているのだ
その高性能たるや、地球上なら圏外の地点など存在せず、通信も迅速、しかも軽い
さらにおサイフケータイ機能も完備。とても便利な逸品だ
当然HTT全員が所持、使用している
ピッ
律「もしもーし」
梓『もしもし。私です』
律「梓か。なんか進展あった?」
梓『はい。探してた卵、見つかりました』
律「へぇー ……ってマジで!?」
梓『マジです』
115 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:11:54.64 ID:b/4RNAAO [8/14]
梓『かくかく!』
律「しかじか!」
梓『まるまる!』
律「うまうま!」
梓『そして、これこれこういうわけなんです』
律「なるほどなるほど」
律「まさかあの曽我部先輩が犯人だったとは……」
律「今から先輩の軽トラに乗るんだよな?」
梓『はい』
律「じゃあそのまま先輩に同行してくれ」
律「なんかまたおかしな事があったりしたら連絡よろしくな」
梓『りょーかいです』
116 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:12:52.40 ID:b/4RNAAO [9/14]
ピッ
梓(早くたい焼き食べたいのに面倒なことになっちゃったな……)
梓「お待たせしました」
恵「終わった? じゃあ助手席にどうぞ」
梓「はーい」
ガチャ バタン
梓「……」
梓(……シートが固い!)
恵「シートベルト締めた?」
梓「あ、はい」
恵「それじゃ、しゅっぱーつ♪」
ブロロロロ…… ブゥ―――――――ン
唯「ドナ ドナ ドナ ドナ~♪」
梓「荷台でそんな歌歌わないでください!」
117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:14:26.70 ID:b/4RNAAO [10/14]
ブゥ―――――――ン
恵「それで」
恵「大学でホリイ博士がタンゴ博士を説教し始めちゃってね~」
梓「へぇー」
恵「……あ。この先に道の駅があるみたいだけど、ちょっと休憩する?」
梓「はい。お願いします」
恵「それじゃ。あと600m、私のおしゃべりに付き合ってね」
梓「はーい」
梓(……)
梓(……どうして)
梓(どうしてこんないい先輩が怪獣の卵なんて拾ったんだろう)
梓(それに、怪獣の卵なんかで一体何を……)
梓(うーん……)
118 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:17:35.70 ID:b/4RNAAO [11/14]
ピーッ ピーッ
恵「……」ソローリソローリ
梓「……」
ピーッ ピーッ
恵「……ゴクッ」ソローリソローリ
梓「……」
恵「……ふぅ」
梓「……バック苦手なんですか?」
恵「あ、あはははは。お恥ずかしい」
恵「なにともあれ道の駅よ」
梓「ちっちゃい建物ですね」
恵「田舎だからね」
119 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:18:29.47 ID:b/4RNAAO [12/14]
恵「とりあえずトイレ休憩にしましょ」
唯「はーい」
恵「15分後にまたここに集合してね」
梓「わかりました」
恵「じゃあ、解散!」
120 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:19:26.56 ID:b/4RNAAO [13/14]
―――――――――――――――――――――
唯「あーずにゃーん!」
梓「あ。唯先輩」
唯「曽我部先輩は?」
梓「まだ来てません。5分しか経ってませんからね」
梓「そんなことより唯先輩」
唯「どうしたんだい梓後輩」
梓「まるまる1時間、あの卵と一緒に荷台にいたわけですけど」
梓「何かわかったこととかありましたか?」
唯「えっとねー」
唯「あの卵、もうすぐ生まれると思うよ」
梓「へぇー ……ってホントに!?」
唯「ホントだよ」
123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:00:04.35 ID:LKGCUsAO [1/20]
唯「1時間ずーっと卵がカタカタ震えてたからね」
唯「まず間違いないよ」
梓「そ、そんな……」
梓「あれが孵化したら、か、怪獣が生まれちゃうのに……」
梓「このまま市街地に運んじゃったら、街は大惨事ですよ!」
恵「何が大惨事なの?」
梓「ひゃあっ!」
124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:01:04.51 ID:LKGCUsAO [2/20]
唯「曽我部先輩!」
恵「あなたたち早かったみたいね」
唯「あ、はい……」
恵「それで、何の話してたのかな?」
梓「べ、別にたわいのない話してただけですよ」
恵「ふーん」
恵「でも、怪獣、とか聞こえたような気がしたんだけどなぁ」
恵「……怪獣の話ってホントにたわいもないの?」
唯梓「!」
唯「き、気のせいですよ気のせい!」
梓「そうですよ! ホントに普通の話しかしてませんから!」
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:05:47.12 ID:LKGCUsAO [3/20]
恵「ホントに?」
唯「は、はい!」
梓「ホントです!」
恵「ふーん……」
唯「……」
梓「……」
恵「……」
唯「……」
梓「……」
恵「……ぷっ」
恵「あははははは!」
唯梓「!」
126 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:11:13.69 ID:LKGCUsAO [4/20]
梓「え……?」
恵「あはははは!」
恵「ごめんね。いじわる言って」
唯「あ……」
恵「ちょっと悪ノリが過ぎたかしら?」
梓「い、いえそんな」
恵「ふふっ、そう? じゃあそろそろ戻りましょうか」
127 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:12:06.29 ID:LKGCUsAO [5/20]
恵「ふふっ。それにしても」
恵「ずいぶんおもしろい顔してたわよ。あなたたち」
唯「いやぁ」
梓「あはは……」
恵「ホーント阿呆みたいに顔ゆるめちゃって」
恵「……ウルトラマンのくせしてね」
唯梓「!?」
恵「あの怪獣の卵、気になるんでしょ?」
唯梓「!!?」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:17:19.19 ID:LKGCUsAO [6/20]
梓「せ、先輩……? 今なんて?」
恵「あはははハハハハハハハハハ!」
恵「そう、その顔! そノ顔よ!!」
恵「その間抜ケな顔ガ見たかっタの! あはハハハ!!」
唯「……え?……へ!?」
梓「そ、曽我部先輩……?」
恵「……先輩ィ~? ノンノンノン」
恵「私は、……私ハぁ」
恵「宇宙の帝王バド星人よ!!」ババーン
129 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:18:07.41 ID:LKGCUsAO [7/20]
宇宙帝王バド星人参考資料及び画像 http://www.google.co.jp/
130 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:18:34.03 ID:LKGCUsAO [8/20]
唯「へぇー」
梓「はぁー」
恵「え、なに? 反応悪いわよ。さっきまであんなにシリアスだったのに」
唯「とりあえず、帝王(笑)さん」
恵「笑わないでよ」
梓「種明かしでも始めましょうか(笑)」
恵「だから笑わないでよ」
131 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:20:21.88 ID:LKGCUsAO [9/20]
唯「そもそも」
唯「なんで帝王(笑)なんて名乗っちゃったんですか?」
恵「怪獣の卵のことは聞かないの!?」
梓「……質問に質問で返すなんて一体どんな教育を受けてきたんです?」ハァ
恵「い、一応あなたたちと同じ学校を卒業した人間の知識を借りてるんだけどな……」
梓「言い訳は聞きたくありません!」
恵「ひっ」
132 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:22:18.22 ID:LKGCUsAO [10/20]
唯「初登場の時は仕方ないですよ?」
唯「他に帝王(笑)なんて大それた肩書き付けてくる人なんていませんでしたから」
恵「……」
唯「でも今は」
唯「エンペラ星人とかカイザーベリアルとか」
唯「とっても強い皇帝(羨)がいるんですよ?」
恵「……」
唯「それを今更、帝王(笑)だなんて」
唯「エンペラ星人に恥ずかしいと思わないんですか?」
唯「あなた必殺技がメリケンサックじゃないですか」
恵「……」
133 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:24:53.17 ID:LKGCUsAO [11/20]
恵「うるさいうるさいうるさーい!」
恵「帝王ったら帝王なんだい! 偉いんだい!」
唯「へぇー」
恵「エンペラ星人がなによ!」
恵「ちょっと力が強くて心が邪悪で地球を破滅に追いやろうとしただけじゃない!」
唯「やっぱりエンペラ星人は凄いなぁ……」
恵「あんなの脳筋よ、脳筋」
恵「そこいくと私は知的で優れてるからね」
恵「今だって帝王の名に恥じない超☆完璧な侵略計画を実行中なんだから!」
134 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:25:44.64 ID:LKGCUsAO [12/20]
唯「侵略計画?」
恵「そうよ! そのためにわざわざあんな山奥に行って」
恵「怪獣の卵を探してきた(人間を襲って横取りした)のよ!」
唯「なんと」
恵「まず人間の姿を借り、地球に潜入」
恵「次に怪獣の卵を探し出し、市街地へと運び、生まれた怪獣に破壊活動を行わせ」
恵「その隙に疲弊した人類の文明を侵略する」
恵「……っていう隙のない完璧な侵略計画なの!」
唯(結構アバウト!)
恵「まさかあなたたちに見つかって」
恵「こんな辺鄙で誰もいない土地で足止めを食うとは思ってもみなかったけどね!」
唯(読みも甘い!!)
135 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:27:37.82 ID:LKGCUsAO [13/20]
恵「まあいいわ」
恵「あなたたち2人にはここで死んでもらう」
恵「卵が孵化する前に市街地に行かなくちゃいけないからね」
唯「2人?」
恵「ええ。あなたと、……あれ?」
恵「……?」キョロキョロ
唯「どうかしました?」
恵「……中野さんはどこ?」
唯「あはは。ようやく気付いたようですね」
唯「ここ数レスあずにゃんが喋っていないことに!」
恵「!」
136 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:29:49.89 ID:LKGCUsAO [14/20]
唯「まあ今更気付いても手遅れなんですけどね」
恵「えっ?」
バシュウウウウウ
恵「!?」
梓「遅くなりました」スタスタ
唯「おつかれー」
律「おー。あれが侵略宇宙人か」トタトタ
澪「ホントに曽我部先輩にそっくりだな」スタスタ
紬「でも帝王(笑)なんでしょ?」トタトタ
恵「!?」
唯「うん。みんな揃ったね」
恵「い、一体何を!」
梓「数レスあれば仲間を呼ぶなんて簡単にできますよ」
梓「私の携帯はとっても電波がいいですから」
137 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:31:06.52 ID:LKGCUsAO [15/20]
唯「というわけで、私たち5人になりましたけど」
唯「どうします、先輩?」
恵「……」
恵「……くぅううううううう!!」
恵「こうなりゃ自棄よ!!」
恵「今すぐあの卵を孵化させて、あなたたち全員地獄送りにしてやるんだから!」
梓「私たち、いいことばっかりしてるから地獄には落ちないと思いますけどね」
唯「ねー」
恵「うるさ――い!!」
138 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:32:52.98 ID:LKGCUsAO [16/20]
恵「さあ、卵よ! 生まれなさい!!」
恵「そして奴らを根絶やしにしてしまえ!!」
シーン
唯「……」
梓「……」
恵「……さあ!」
シーン
律「……」
紬「……」
澪「……」
恵「ほら早く!!」
シーン
律「……なあ。卵って生まれろって言えば生まれるのか?」
澪「さあ?」
139 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:33:35.09 ID:LKGCUsAO [17/20]
恵「ほら、生まれてよ!」
梓「……あのー。私たち攻撃始めてもいいですか?」
恵「ちょ、ちょっと待って! もうすぐ、もうすぐだから!」
梓「えー」
恵「くぅう……」
恵「……早く生まれなさいったら!」ペシッ
……ピキピキピキピキ
唯「あ。卵が割れる!」
律「やっと生まれるのか……」
ピキピキバキバキ――――
ギィヤアアアアアアアアアアアアアア
恵「やった!」
澪「あーあ」
恵「ふふふ……。よーし、そうよ。そのままHTTを踏み潰してしまいなさい!!」
「ギィヤアアアアア!」
141 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:35:04.73 ID:LKGCUsAO [18/20]
「ギィヤアアアア!」
唯「何にせよ応戦しなくちゃ!」
律「そうだな」
律「全員ストライクチェスターに乗るんだ!」
みんな「おー!」
律「って、その前にムギ。あの怪獣、なんて怪獣かわかるか?」
紬「もちろんよ。あの怪獣は……」
紬「古代怪獣ツインテール!」
梓「えっ」
142 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:36:35.03 ID:LKGCUsAO [19/20]
律「……」ポク
唯「……」ポク
澪「……」ポク
紬「……」ポク
恵「……」ポク
梓「……」チーン
律「いけ! 梓!!」
梓「言いたいことはわかりますけど!」
147 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:20:26.35 ID:LqYdgAAO [2/29]
律「なんだ梓。嫌なのか?」
梓「そ、そんなことは……」
ギィヤアアアアアアアアアアアアア
律「ほら怪獣が暴れてるんだぞ」
律「お前は人々の幸せを差し置いて自分の我が侭を優先するのか?」
梓「……そこを天秤に掛けられたら戦うしかないじゃないですか!」
梓「あーもう! やってやるです!!」
唯「あずにゃんがんばれー」
梓「他人事!?」
律「……しかしツインテールと戦うツインテールか。ぷぷっ」
梓「言い出しっぺが笑わないでください!」
梓「もう……」キュイーン
梓「メビウ――ス!!」バッ
148 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:22:18.61 ID:LqYdgAAO [3/29]
メビウス(梓「せや――っ!」ドカッ
ツインテ「ギィヤアアアア!」
律「よし! 私たちは空から援護だ!」
唯「おーっ」
紬「でも、あの帝王(笑)はほっといていいの?」
澪「そうだった」
律「大丈夫、大丈夫。どうせあいつには何もできやしないよ」
恵「な、なにをー!」
恵「あなたたちなんてこのメリケ……
律「早くチェスターに乗るぞー」
唯紬澪「おーっ」
恵「無視しないで!」
149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:26:16.71 ID:LqYdgAAO [4/29]
律「ストライクチェスター、発進!」
バシュ――――――――ン
律「ムギー。ツインテールに弱点ってあるか?」
紬「弱点と言うほどでもないけど……」
紬「あの明滅している発光体はツインテールの三半規管だから、攻撃するならそこを狙うべきね」
律「なるほど」
律「それなら、各機分離して梓を援護しよう」
律「唯と澪のチェスターαは怪獣の右から、ムギのチェスターγは左。私は正面から攻撃する」
律「みんなしっかりやれよ!」
唯澪紬「おーっ!」
150 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:27:09.20 ID:LqYdgAAO [5/29]
メビウス(梓「せやっ!」バシッ
メビウス(梓「だぁっ!」ドカッ
ツインテ「ギィヤアアアア!」
メビウス(梓『……うーん』
メビウス(梓『今日は楽勝っぽいですよー』
紬「梓ちゃん! 油断しちゃダメ!!」
メビウス(梓『えっ?』
ツインテ「ギィヤアア!」グルッ
メビウス(梓『ぐっ!?』ガシッ
151 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:28:18.53 ID:LqYdgAAO [6/29]
澪「し、尻尾で梓の首を締めたぞ!」
紬「まだよ!」
紬「梓ちゃん、気をつけて! その怪獣の牙には……
ツインテ「グァアア!」ガブッ
メビウス(梓「うわあああ!」
ツインテ「ギィアアア!」ギュウウウ
メビウス(梓『ぐっ……ぐぅうっ……』ガクガク
唯「……噛まれただけなのにあずにゃんの様子がおかしい!」
紬「遅かった……。ツインテールの牙には麻酔作用のある毒があるのよ」
澪「なんだって!?」
律「ちくしょう! 各機ツインテールの尻尾の付け根を狙うんだ」
律「梓をあいつから解放する!」
152 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:29:06.00 ID:LqYdgAAO [7/29]
唯「あずにゃんを放せー!」カチッ
ビィ――――ッ!!
バ――――ン!!!
ツインテ「ギィイイ」ギュウウウ
メビウス(梓『……がっ……ま……』ガタガタ
紬「このっ! このっ!」カチッ
律「食らえ!」カチッ
ビィイイイイイ!!
バ――ン!! バ――ン!!
ツインテ「ギィヤアア!」パッ
メビウス(梓「!」
唯「よし! 放した!」
153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:29:56.69 ID:LqYdgAAO [8/29]
メビウス(梓『ごほっ! ぜほっ!』
律「梓、大丈夫か!」
メビウス(梓『は、はい!』
唯「よかったぁ……」
律「よし。まだ戦えるな」
律「こっちでツインテールの動きを止めるから、メビュームシュートでトドメをさしてくれ」
メビウス(梓『了解です!』
154 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:30:22.52 ID:LqYdgAAO [9/29]
律「各機、ヤツの三半規管を狙え!」カチッ
紬「唯ちゃん、あの光ってる所よ」カチッ
唯「りょーかい!」カチッ
ビィイイイイイイ!!
バ――――ン!!
ツインテ「ギヤアアアア!」ジタバタ
唯「当たった!」
紬「今よ、梓ちゃん!」
メビウス(梓『はい!』キュピーン
メビウス(梓『メビュームシュ……
グラグラグラグラグラ
メビウス(梓『うわぁっ!』
律「なっ!? どうした!」
澪「じ、地震! 地震だ!!」
律「地震!? こんな時に!?」
恵「……来た」
155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:30:58.76 ID:LqYdgAAO [10/29]
恵「アハハハハハハハハハ!!」
恵「遂に、遂に来たああああああ!!」
澪「な、なんか帝王(笑)が高笑いしてるんだけど……」
律「ほっとけほっとけ。地震が怖くて気が触れたのさ」
唯「そうだよ! 今はそれよりツインテをどうにかしなくちゃ」
恵「だから無視しないでよ!」
紬「なにか御用ですかー?」
恵「ふっふっふっ……」
恵「用も何も惨劇は今から始まるのよ! せいぜい目の前の地獄絵図に驚き狂えばいいわ!!」
律「うわっ。うざっ」
恵「うざいとか言わないで!」
156 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:32:44.75 ID:LqYdgAAO [11/29]
バキバキバキバキバキ
律「な、なんだ……?」
唯「あずにゃんの後ろで地割れ?」
恵「ふっふっふっ……」
バカッ バキッ ドカッ――――
グゥアアアアアアアアアアアア
メビウス(梓『なっ!?』
澪「あ、新しい怪獣が地中から!!」
紬「あれは、……地底怪獣グドン!」
157 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:33:40.75 ID:LqYdgAAO [12/29]
律「グドン? 愚かでのろまなのか?」
澪「それは愚鈍」
紬「ええ。地底怪獣グドンは決して愚かでものろまでもないわ」
紬「両腕のムチを振るって暴れる恐ろしい怪獣よ」
紬「そして……」
唯「そして?」
紬「ツインテールの天敵として知られているわ」
唯「てんてき?」
澪「つまりツインテはグドンの餌ってことだよ」
唯「なるほどー」
律「ん? じゃあツインテがいる間はグドンを味方として扱っていいのか?」
紬「ダメよ」
唯律「?」
158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:34:25.90 ID:LqYdgAAO [13/29]
紬「いい? 確かにグドンはツインテールを捕食するけど、ツインテールは決してただ食べられるほど弱くはないの」
紬「幸いこの辺り一帯に人はいないけど、お互いの殺し合いは間違いなく周囲に甚大な被害を与えるわ」
澪「ま、まさか帝王(笑)はそれを狙ってわざわざツインテールの卵を……」
恵「その通り!」
恵「言ったでしょ? 私の計画は完璧で隙がないのよ」
恵「破壊活動ひとつにしても最も効率的な方法をとるに決まってるじゃない!」
律「くそっ! なんてこざかしい奴だ!」
唯「帝王(笑)のくせに!」
恵「アハハハハハ! 負け犬の遠吠えにしか聞こえないわよ!」
恵「さあ! 2匹共、メビウスを倒しなさい!!」
159 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:35:30.55 ID:LqYdgAAO [14/29]
ツインテ「ギィヤアアア!」
グドン「グゥアアアア!」
メビウス(梓『くっ!』
ピコーン ピコーン ピコーン ピコーン――――
メビウス(梓『あっ!!』ピコンピコン
唯「カ、カラータイマーが!」
澪「律、どうする!」
律「仕方ない……。ムギ、変身して梓を援護してくれ!」
紬「わかったわ!」
紬「タロウ――――!」バッ
ギュイーン
タロウ(紬「たぁーっ!」
160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:35:58.11 ID:LqYdgAAO [15/29]
メビウス(梓『ムギ先輩!』ピコンピコン
タロウ(紬『梓ちゃん。私たちはグドンを倒すわよ』
メビウス(梓『はい!』ピコンピコン
メビウス(梓「せやーっ!」ピコンピコン
タロウ(紬「でやーっ!」
グドン「グゥアアア!」
メビウス(梓『いきます!』
メビウス(梓『メビュームブレード!』シャキーン
タロウ(紬「……」
メビウス(梓『どうかしました?』
タロウ(紬『武器いいなぁ、って思って……』
メビウス(梓『……ムギ先輩にはタロウブレスレッドもキングブレスレッドもあるじゃないですか』
タロウ(紬『だってあれ剣じゃないし……』
メビウス(梓『えー』
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:36:26.14 ID:LqYdgAAO [16/29]
メビウス(梓『と、とにかくいきますよ!』
メビウス(梓『や――っ!』ピコンピコン
ズ バ ッ
グドン「グアアアア!!」ジタバタ
タロウ(紬『よし! 右のムチはなくなったわ!』
タロウ(紬『このチャンスに近接戦を!』ダッ
グドン「!」
グドン「グゥアア!」バシッ
タロウ(紬『きゃあっ!』
メビウス(梓『ムギ先輩!』
162 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:38:12.91 ID:LqYdgAAO [17/29]
ビシッ バシッ ビシッ バシッ
グドン「グアアアア!」バシッ
タロウ(紬『がっ!……ぐぅっ!』
メビウス(梓『止めろ――!』キュピーン
タロウ(紬『梓ちゃん、待って!』
メビウス(梓『ムギ先輩!』
タロウ(紬『私なら大丈夫よ』
メビウス(梓『そんな!』
タロウ(紬『むしろ叩かれることが快感になってくるわ!』バーン
メビウス(梓『……はい?』ピコンピコン
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:39:07.05 ID:LqYdgAAO [18/29]
律「よーし。私たちはこのままチェスターでツインテを倒すぞ!」
唯「りっちゃん」
律「どした」
唯「いくら弱ってるとはいえ、ストライクバニッシャーじゃツインテールにはトドメをさせないんじゃないかな?」
澪「確かに」
律「ふっふっふっ……。そう言うと思ってもう援軍は呼んであるのさ」
唯澪「援軍?」
キィ――――――――ン
和「私まだ生徒会の仕事残ってるんだけどなあ……」
唯「和ちゃん!」
澪「あれはチェスターδ……。じゃあ!」
律「ああ。ハイパーストライクフォーメーションだ!」
164 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:40:35.96 ID:LqYdgAAO [19/29]
律「いくぞ。ハイパーストライクフォーメーション!」
唯澪和「りょーかい!」
ウィーン ガシャン! ガシャーン! ガキーン!
律「ハイパーストライクチェスターの完成だ!」
和「実は初合体なんじゃない?」
唯「りっちゃん、ツインテにトドメを!」
律「おう!」
律「澪。ハイパーストライクバニッシャー発射!」
澪「りょーかい」カチッ
ビイイイイイイイイイイ!!!!
ツインテ「!」
ズドオオオオオオオオン!!!!
和「ツインテール撃破!」
律「よっしゃあ!」
165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:41:45.32 ID:LqYdgAAO [20/29]
ビシッ! バシッ!
グドン「グゥアアア!」ビシッ
タロウ(紬『くぅっ!』
メビウス(梓「……」ピコンピコン
グドン「グアアア!!」バシッ
タロウ(紬『うあっ!!』
メビウス(梓「……」ピコンピコン
メビウス(梓『……いい加減にしないとメビュームダイナマイトでグドンもろとも消し炭にしますよ?』ピコンピコン
タロウ(紬『……えっ? あっ! ごめんなさい!』
166 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:42:36.88 ID:LqYdgAAO [21/29]
タロウ(紬「でやーっ!」バキッ
グドン「グアア!」
タロウ(紬『チャンス! たぁ――っ!」
シュピピピピ シュピピピピ シュピピピピ
タロウ(紬「でや――っ!」
バキイイイイイ!!!!
グドン「グウアアア!」
メビウス(梓『あ、あれはスワローキック! 要は跳び蹴り!!』
タロウ(紬『そんな身も蓋もないこと言わないで!』
167 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:43:15.24 ID:LqYdgAAO [22/29]
タロウ(紬『トドメよ!』
メビウス(梓『はい!』ピコンピコン
タロウ(紬 『ネオストリウム光線!』バッ
メビウス(梓『メビュームシュート!』バッ
ビィイイイイイイイイイイ!!!!!
グドン「ガアアアア!!!」
ドォオオオオオオオオオン!!!!!
168 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:44:09.54 ID:LqYdgAAO [23/29]
ズドーン!
ドーン!
恵「そ、そんな……」
シュウウウウウン
恵「!」
唯「帝王(笑)さん、ようやく決着の時ですね」スタスタ
律「どうする? メリケンサックで私たちと戦うか?」スタスタ
恵「くっ……!」バッ
フッ
帝王「……」
澪「こ、これが帝王(笑)の本当の姿……」
和「……けっこう不細工ね」
帝王「だ、黙れ!」
帝王「覚えてろ! 私は再び地球へやって来てお前たちを皆殺しにしてやるからな!!」
唯「帝王(笑)ったら逃げる気マンマンだよ、りっちゃん」
律「しょせん負け犬なのさ」
帝王「黙れ黙れ!」
169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:45:12.03 ID:LqYdgAAO [24/29]
帝王「さらばだ、下等な人間共! 来るべき復讐の時に怯えていろ!!」バッ
バヒュ――――ン
唯「飛んで逃げた!」
帝王「ハーッハッハッハッハッ!!!」ヒュー
タロウ(紬「……」
メビウス(梓『どうしたんですか? 早くみんなの所に行きましょうよ』ピコンピコン
タロウ(紬「……」バッ
メビウス(梓『へ?』
タロウ(紬『去るもの逃がさず! 昭和ウルトラの恐ろしさを思い知りなさい!』
タロウ(紬「ストリウム光線!!」
ビイイイイイイイイイイイ!!!!
帝王「……!?」
帝王「なっ! ば、馬鹿な……ぁ……ああ!!」
(笑)「ぐわあああああああああ!!!」
ドカアアアアアアアアン!!
170 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:45:31.44 ID:LqYdgAAO [25/29]
こうして宇宙の帝王(笑)バド星人の侵略計画は、人々が知らぬ間に頓挫したのだった
そして悪の計画を挫いたHTTは帰路に着いていた
バシ――――――――ュン
律「あっはっはっ。今日は楽勝だったなあ」
和「今日の相手は帝王(笑)だったんだから当然といえば当然だけどね」
澪「いやいや油断は禁物だろ」
紬「でも私たちが力を合わせれば侵略者なんて目じゃないわ」
唯「そうそう。だから早く帰ってティータイムの続きしよ!」
梓「……あ―――――!!!!」
171 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:46:05.55 ID:LqYdgAAO [26/29]
唯「い、いきなりどうしたの、あずにゃん?」
梓「律先輩! スピードを、もっとスピード出してください!」
律「はぁ?」
梓「完全に忘れてました! 私、部室にたい焼き置いて来たんですよ!!」
澪「そういえば……」
紬「そうだったわね……」
梓「早く早く!」
律「む、無茶言うな。これがMAXだよ」
梓「早く早く早く!!」
バシュ――――――――ン
172 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:47:15.53 ID:LqYdgAAO [27/29]
シュウウウウン
梓「着いた!」ダッ
和「廊下は走っちゃダメよー」
しかし和の言葉は梓の耳には届いていなかった
あの瞬間、梓は風だったのだ。たい焼きのために廊下を駆け巡る一陣の風
そして瞬く間に部室に到着した!
バタンッ
梓「たい焼き!!!」
さわ子「あら、おかえりー」モグモグ
梓「先生! ……ん?」
さわ子「?」モグモグ
梓「……先生、なに食べてるんですか?」
さわ子「なにって、たい焼きだけど?」モグモグ
梓「……は?」
さわ子「え?」モグモグ
173 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:48:37.36 ID:LqYdgAAO [28/29]
この後
梓がメビュームダイナマイトでさわ子を亡き者にしようとするのを止めるため一悶着あったのは言うまでもない
眉の太い金髪少女の証言によれば
粒あんのあんこが尻尾まで詰まってないタイプのたい焼きを持ってくるまで
梓の瞳からは血の涙が滝のように流れていたという……
こんな感じで
今日もみーんな救われた
ありがとう、放課後ティータイム!
唯「はふぅ」
律「今日も今日とて暇だねぇ」
梓「暇なら練習でもしたらどうですか?」
唯「それは無理」キリッ
律「私たちはお茶を飲むのに忙しいからな」キリリッ
梓「えー」
澪「まあまあ」
澪「いいんじゃない? たまにはのんびりしても」
梓「澪先輩まで……」
紬「梓ちゃん。今日のお菓子はたい焼きだけど、食べる?」
梓「いただきます!」
ビーッ ビーッ ビーッ
87 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:26:36.04 ID:J0xuRkAO [3/13]
ガチャッ
律「もしもーし」
さわ子「はいはーい」
さわ子「突然だけど、F地区の高井山で怪獣の卵が見つかったらしいの」
律「卵?」
さわ子「えぇ」
さわ子「それでね、今日はちょっとそれを見に行ってほしいのよ」
律「はーい」
さわ子「よろしくね」
ガチャッ
律「よーし、みんな。山行くぞ、山ー」
唯「山かー」
梓「え? あ、あの、たい焼きは……?」
紬「お預けね♪」
梓「うわー……」
律「HTT出動ー!」
みんな「おー!」
梓「……はぁ」
88 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:34:13.40 ID:J0xuRkAO [4/13]
ワン ダー ダバダバダー ダバダバダー ダバダバター
バシュ―――――――ン
唯「ワンダバダ~~♪」モグモグ
梓「……」
唯「ダバダバダ~~♪」モグモグ
梓「……唯先輩」
唯「なに~♪」モグモグ
梓「どうして機内にたい焼き持ち込んでるんですか!!」
唯「おいしいからに決まってるじゃん♪」モグモグ
梓「……理由になってません!」
律「梓ー。あんまり大きな声出すなよ。うるさいだろー」モグモグ
澪「そうだぞー」モグモグ
梓「あっ! た、食べてる!?」
紬「大丈夫よ、梓ちゃん」モグモグ
梓「ムギ先輩!」
紬「梓ちゃんの分は保冷剤と一緒にちゃんと部室に置いてきたから!」モグモグ
梓「……も、持ってきてくださいよ」
梓「……」
梓「……くすん」
89 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:41:22.15 ID:J0xuRkAO [5/13]
―――――――――――――――――――――
唯「見えた! 高井山だよ」
梓「……早く着陸しましょう!」
唯「ど、どうしたの急に?」
梓「いつまでもメソメソしてるのは性に合いません」
梓「早く済ませて、早く帰って、早くたい焼きを食べることにしました!」
紬「あらあら」
律「お、あの辺が広くて良さそうだな」
律「澪。着陸してくれ」
澪「りょーかい」
90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:52:07.44 ID:J0xuRkAO [6/13]
シュウウウウウン
梓「それで! その変な卵っていうのはどこに!」
唯「そ、そんなに急がなくても卵は逃げないってば……」
律「えー、と。ここからだいたい3kmくらい西だな」
澪「遠いなぁ……」
紬「1時間は歩かないといけないわね」
律「山だからな」
唯「お散歩だと思えば楽しいよー」
梓「そんなお気楽じゃダメです! ダッシュしますよ、ダッシュ!」
唯「ええっ!?」
91 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:02:16.96 ID:J0xuRkAO [7/13]
―――――――――――――――――――――
澪「はぁ……はぁ……」
紬「いい運動だったわ♪」
唯「つーかーれーたー」
律「歩いて1時間の山道を30分で来たんだもんな……」
梓「先輩、先輩。卵はどこですか?」
律「んー?」
律「もらった資料ではこの辺だって言われてるんだけど……」
92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:09:15.26 ID:J0xuRkAO [8/13]
唯「卵なんて見当たらないよー」
律「資料によると卵と言うより小さめの丸い岩って感じらしいぞ?」
澪「そんなのも見当たらないな」
梓「資料読み違えてるんじゃないですか?」
律「ないない」
律「ほら、F地区第4ブロックポイントK―76って書いてあるだろ?」
唯「ホントだ」
紬「でも実際卵はないのよね」
梓「のんびりしてるから卵が逃げちゃったんですよ!」
澪「そんな馬鹿な……」
93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:12:11.15 ID:J0xuRkAO [9/13]
律「とりあえず、ここら一帯をもうちょっとよく探してみよう。考えるのはそれからだ」
みんな「おー」
律「とはいえそんな簡単には見つからないよなー」
律「……ふぅ」
律「みんなはどんな感じかな?」
梓「毎日毎日♪ 僕らは鉄板の~♪」
梓「上で焼かれてやんなっちゃうよ~♪」
唯「あ、バッタ!」
唯「こっちにはてんとう虫!」
澪「あの雲ハート型してる……」
澪「ふふっ」
律「……」
律(……誰も真面目に探してない!)
紬「りっちゃん、りっちゃん」
律「ん? ムギ?」
94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:24:34.44 ID:J0xuRkAO [10/13]
律「どしたん?」
紬「ほら見て。ここ」
紬「石か何かが置いてあったみたいに地面がへこんでる」
律「……ホントだ」
紬「それでね」
紬「ほら。このすぐ近くを車が通った跡があるの」
紬「この先は林道になってるんだわ」
紬「そしてこの辺、妙にたくさん人の足跡がついてるのよ」
律「……むむむ」
律「それってつまり……」
95 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:27:36.06 ID:J0xuRkAO [11/13]
梓唯澪「誰が車で卵を持ってっちゃったー!?」
紬「推測だけどね」
梓「じゃあもう帰りましょうよ」
律「そうもいかない」
律「忘れたのか? あれは、怪獣の卵だ」
律「ほったらかしにはできないよ」
梓「む……。なんて厄介なことを……」
澪「それで? 私たちはこれからどうするんだ?」
律「うん。車の通った跡があるからそれを辿っていこうと思う」
唯「歩いて?」
律「2人だけな。残りの3人はチェスターで空から調査だ」
唯「じゃあ、組み分けじゃんけんしよっか!」
みんな「じゃーんけーん―――――――
96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:45:25.42 ID:J0xuRkAO [12/13]
梓「……私、もう二度とチョキなんて信用しません」
唯「まあまあ、そう言わずに」
梓「とりあえずこの林道をたどればいいんですよね」
唯「とりあえずはね」
梓「よーし。早く行って、早く帰りましょう!」
唯「た、卵が見つからないと帰れないってば」
梓「すべてはたい焼きのために!」
唯「き、聞いてないし……」
97 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:58:05.11 ID:J0xuRkAO [13/13]
律「うん。すっかり忘れてた」
律「じゃんけんに勝ったのはいいけど」
澪「チェスターの着陸場所までまた1時間、か……」
紬「~♪」
律「ムギはへっちゃらそうだなぁ」
紬「ふふふ。ダイエットだと思えばむしろ走りたいくらいよ♪」
律「なるほどねー」
澪「……律、走ろう!」
律「え」
98 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:00:16.00 ID:GkKgf.AO [1/8]
梓「……」
唯「ワンダバダ~♪」
梓「……先輩」
唯「なにー?」
梓「暇ですし、しりとりでもしませんか?」
唯「おぉーいいねー」
梓「じゃあ、しりとりの"ち"からいきましょう」
唯「おー」
梓「ちり」
唯「り、り、り…… リス!」
梓「すり」
唯「りー…… リズム!」
梓「むり」
唯「……リサイクル!」
梓「るり」
唯「りいぃぃぃぃ……?」
唯「あ!」
唯「りょうり!」
梓「倫理」
唯「うわっ!」
のんきなものである
99 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:05:12.77 ID:GkKgf.AO [2/8]
唯「りぃー……?」
梓「~♪」
梓「……あれ?」
唯「どしたの、あずにゃん」
梓「ほら。あそこに山小屋がありますよね」
唯「うん。軽トラが止まってるね」
梓「その、軽トラの積み荷が……」
唯「……」
唯「……なんか卵っぽいね」
梓「ですよね……」
唯「ちょっと行ってみよっか」
梓「はい」
100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:07:23.91 ID:GkKgf.AO [3/8]
ガチャッ
唯「おじゃましまーす」
梓「しまーす」
恵「あら、こんにちは」
唯「こんにちはー」
梓「こんにちは」
梓「あの、すいません。表に止めてある軽トラって……」
恵「?」
恵「私のだけどどうかしました?」
梓「あのですね……」
唯「……あずにゃん、あずにゃん」チョイチョイ
梓「……何ですか、唯先輩。人が喋ってる時に邪魔しないでくださいよ」ヒソヒソ
唯「いや、ほら。その人。なーんか見覚えない?」ヒソヒソ
梓「見覚えなんてあるわけ……?」ヒソヒソ
梓「? ……ジー」
恵「……?」
梓「……ん?」
恵「……あれ?」
梓恵「……あっ!」
101 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:12:27.73 ID:GkKgf.AO [4/8]
梓「……もしかして去年の桜高の会長さんですか?」
恵「そういうあなたたちは軽音部の……」
唯「はい! 3年の平沢と」
梓「2年の中野です」
恵「ふふっ。こんなところで会うなんて奇遇ね」
恵「そういえば秋山さんは来てないの?」
唯「今日はちょっと別行動なんです」
恵「あらそう」
梓「あ、あの。さっきの話に戻るんですけど……」
102 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:16:24.56 ID:GkKgf.AO [5/8]
梓「あの軽トラは先輩のなんですよね?」
恵「えぇ、そうよ」
梓「じゃあ、積み荷はどうしたんですか?」
恵「ああ、あれね」
恵「今日ここには小旅行みたいな感じで来たんだけど……」
唯(暇人だ)
梓(暇な大学生だ)
恵「表の林道をまっすぐ行った所で見つけてね」
恵「あんまり珍しい石だから思わず拾っちゃったの」
唯「なるほどー」
梓(こんな投げやりな説明で納得しちゃった!)
103 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:18:03.98 ID:GkKgf.AO [6/8]
恵「あの石がどうかしたの?」
唯「あ……、その。え、っと……」
恵「?」
放課後ティータイムのメンバーがウルトラマンであり、特捜チームとして活動しているのは秘密にしないといけないのだ!
恵「何にもないならそろそろ私は行かせてもらうけど……」
梓「あ、あの!」
恵「?」
梓「私たちここまでバスで来たんですけど」
梓「このままだと夜までに家に帰れそうにないんで、先輩の車に乗せてもらえませんか?」
恵「え、えぇ。別にいいけど……」
梓「ありがとうございます!」
104 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:20:20.73 ID:GkKgf.AO [7/8]
唯「あずにゃん」ヒソヒソ
梓「何ですか?」ヒソヒソ
唯「卵の在処はもうわかったんだし、私たちはチェスターで迎えに来てもらって」ヒソヒソ
唯「あとからまた、みんなで先輩のとこに行けばいいんじゃない?」ヒソヒソ
唯「その方が、先輩も澪ちゃんに会えて喜ぶと思うんだけど……」ヒソヒソ
梓「ダメですよ、それじゃ」ヒソヒソ
唯「なんで?」ヒソヒソ
梓「あの先輩は嘘をついてます」ヒソヒソ
唯「嘘?」ヒソヒソ
梓「はい」ヒソヒソ
梓「あの人はここに卵があることを知ってて、卵を回収しに来たんです」ヒソヒソ
梓「だいたいさっきの説明だって胡散臭すぎますし」ヒソヒソ
梓「そうでもなければ、女子大生が軽トラなんて使うわけありませんよ」ヒソヒソ
唯「でも、先輩が軽トラ好きの女子大生なのかもしれないよ?」ヒソヒソ
梓「そんなの女子大生じゃありません。女子大生の皮を被った変人です」ヒソヒソ
唯「なるほどー」ヒソヒソ
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 00:04:35.49 ID:b/4RNAAO [2/14]
恵「どうかした?」
唯梓「い、いえ別に!」
恵「?」
恵「じゃあ早速乗ってもらおうかしら」
恵「あいにく座席が1つしかないから1人は荷台に……」
唯「はいっ! 乗ります! 私、乗りたいです!!」
恵「そ、そう? じゃあ荷台に」
恵「あ。危ないから、立ち上がったり……」
恵「その石に触ったりは、しないでね?」
唯「はーい」
梓「……」
110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:05:34.08 ID:b/4RNAAO [3/14]
恵「それじゃあ中野さんは助手席に……」
梓「あ、すいません」
梓「一応、家に連絡入れときたいんでちょっと待っててもらえますか?」
恵「ええ。どうぞ」
恵「でも、こんな山の中じゃ携帯も圏外なんじゃない?」
梓「いえ、大丈夫です」
梓「私の携帯、……すっごく電波いいんですよ」
111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:06:29.25 ID:b/4RNAAO [4/14]
―――――――――――――――――――――
澪「はぁ……はぁ……」
律「おい大丈夫か?」
澪「……こんなに走ったんだ。きっと体重も…………ふへへへへ」
律(ダイエットへの執着はこうも人を変えるのか……)
律「と、とにかくさっさとチェスターに乗り込もう」
律「私たちは空から調査だ」
紬「おーっ!」
澪「ふふふふふふ……」
律「怖いから早く乗れって!」
112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:07:36.36 ID:b/4RNAAO [5/14]
バシュ―――――――ン
律「んー……」
紬「むー……」
澪「うー……」
律「異常なし、だな」
紬「そうね」
律「……」
紬「……?」
律「……緊張感が足りない」
紬「え?」
律「……こちらス[ピーーー]ーク! 今の所こちらに異常はない! オーバー」
紬「!」
紬「了解ス[ピーーー]ーク、こちらも異常はないわ! オーバー」
澪(なにやってんだか……)
澪「……ん?」
113 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 00:08:32.25 ID:b/4RNAAO [6/14]
澪「おい、律」
律「んー?」
澪「ほら。3時の方向、なんか地面が陥没してないか?」
律「どれどれ~ ……お。ホントだ」
澪「あれ、怪獣の通り道なんじゃないかな?」
律「んー? でも怪獣の出現報告はなかったしなぁ」
澪「それはそうなんだけど……」
114 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:11:10.95 ID:b/4RNAAO [7/14]
澪「でもやっぱり人間の仕業とは思えないよ」
律「そう言われてもなぁ」
シュワシュワー シュワシュワー ナナイロー モーニンシャワー♪
律「お。電話だ」
とはいえこれは電話ではない
HTT専用 超高性能小型通信機 HTTセルフォン である
形状を一般の携帯電話に酷似させることでカモフラージュしているのだ
その高性能たるや、地球上なら圏外の地点など存在せず、通信も迅速、しかも軽い
さらにおサイフケータイ機能も完備。とても便利な逸品だ
当然HTT全員が所持、使用している
ピッ
律「もしもーし」
梓『もしもし。私です』
律「梓か。なんか進展あった?」
梓『はい。探してた卵、見つかりました』
律「へぇー ……ってマジで!?」
梓『マジです』
115 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:11:54.64 ID:b/4RNAAO [8/14]
梓『かくかく!』
律「しかじか!」
梓『まるまる!』
律「うまうま!」
梓『そして、これこれこういうわけなんです』
律「なるほどなるほど」
律「まさかあの曽我部先輩が犯人だったとは……」
律「今から先輩の軽トラに乗るんだよな?」
梓『はい』
律「じゃあそのまま先輩に同行してくれ」
律「なんかまたおかしな事があったりしたら連絡よろしくな」
梓『りょーかいです』
116 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:12:52.40 ID:b/4RNAAO [9/14]
ピッ
梓(早くたい焼き食べたいのに面倒なことになっちゃったな……)
梓「お待たせしました」
恵「終わった? じゃあ助手席にどうぞ」
梓「はーい」
ガチャ バタン
梓「……」
梓(……シートが固い!)
恵「シートベルト締めた?」
梓「あ、はい」
恵「それじゃ、しゅっぱーつ♪」
ブロロロロ…… ブゥ―――――――ン
唯「ドナ ドナ ドナ ドナ~♪」
梓「荷台でそんな歌歌わないでください!」
117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:14:26.70 ID:b/4RNAAO [10/14]
ブゥ―――――――ン
恵「それで」
恵「大学でホリイ博士がタンゴ博士を説教し始めちゃってね~」
梓「へぇー」
恵「……あ。この先に道の駅があるみたいだけど、ちょっと休憩する?」
梓「はい。お願いします」
恵「それじゃ。あと600m、私のおしゃべりに付き合ってね」
梓「はーい」
梓(……)
梓(……どうして)
梓(どうしてこんないい先輩が怪獣の卵なんて拾ったんだろう)
梓(それに、怪獣の卵なんかで一体何を……)
梓(うーん……)
118 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:17:35.70 ID:b/4RNAAO [11/14]
ピーッ ピーッ
恵「……」ソローリソローリ
梓「……」
ピーッ ピーッ
恵「……ゴクッ」ソローリソローリ
梓「……」
恵「……ふぅ」
梓「……バック苦手なんですか?」
恵「あ、あはははは。お恥ずかしい」
恵「なにともあれ道の駅よ」
梓「ちっちゃい建物ですね」
恵「田舎だからね」
119 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:18:29.47 ID:b/4RNAAO [12/14]
恵「とりあえずトイレ休憩にしましょ」
唯「はーい」
恵「15分後にまたここに集合してね」
梓「わかりました」
恵「じゃあ、解散!」
120 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:19:26.56 ID:b/4RNAAO [13/14]
―――――――――――――――――――――
唯「あーずにゃーん!」
梓「あ。唯先輩」
唯「曽我部先輩は?」
梓「まだ来てません。5分しか経ってませんからね」
梓「そんなことより唯先輩」
唯「どうしたんだい梓後輩」
梓「まるまる1時間、あの卵と一緒に荷台にいたわけですけど」
梓「何かわかったこととかありましたか?」
唯「えっとねー」
唯「あの卵、もうすぐ生まれると思うよ」
梓「へぇー ……ってホントに!?」
唯「ホントだよ」
123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:00:04.35 ID:LKGCUsAO [1/20]
唯「1時間ずーっと卵がカタカタ震えてたからね」
唯「まず間違いないよ」
梓「そ、そんな……」
梓「あれが孵化したら、か、怪獣が生まれちゃうのに……」
梓「このまま市街地に運んじゃったら、街は大惨事ですよ!」
恵「何が大惨事なの?」
梓「ひゃあっ!」
124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:01:04.51 ID:LKGCUsAO [2/20]
唯「曽我部先輩!」
恵「あなたたち早かったみたいね」
唯「あ、はい……」
恵「それで、何の話してたのかな?」
梓「べ、別にたわいのない話してただけですよ」
恵「ふーん」
恵「でも、怪獣、とか聞こえたような気がしたんだけどなぁ」
恵「……怪獣の話ってホントにたわいもないの?」
唯梓「!」
唯「き、気のせいですよ気のせい!」
梓「そうですよ! ホントに普通の話しかしてませんから!」
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:05:47.12 ID:LKGCUsAO [3/20]
恵「ホントに?」
唯「は、はい!」
梓「ホントです!」
恵「ふーん……」
唯「……」
梓「……」
恵「……」
唯「……」
梓「……」
恵「……ぷっ」
恵「あははははは!」
唯梓「!」
126 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:11:13.69 ID:LKGCUsAO [4/20]
梓「え……?」
恵「あはははは!」
恵「ごめんね。いじわる言って」
唯「あ……」
恵「ちょっと悪ノリが過ぎたかしら?」
梓「い、いえそんな」
恵「ふふっ、そう? じゃあそろそろ戻りましょうか」
127 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:12:06.29 ID:LKGCUsAO [5/20]
恵「ふふっ。それにしても」
恵「ずいぶんおもしろい顔してたわよ。あなたたち」
唯「いやぁ」
梓「あはは……」
恵「ホーント阿呆みたいに顔ゆるめちゃって」
恵「……ウルトラマンのくせしてね」
唯梓「!?」
恵「あの怪獣の卵、気になるんでしょ?」
唯梓「!!?」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:17:19.19 ID:LKGCUsAO [6/20]
梓「せ、先輩……? 今なんて?」
恵「あはははハハハハハハハハハ!」
恵「そう、その顔! そノ顔よ!!」
恵「その間抜ケな顔ガ見たかっタの! あはハハハ!!」
唯「……え?……へ!?」
梓「そ、曽我部先輩……?」
恵「……先輩ィ~? ノンノンノン」
恵「私は、……私ハぁ」
恵「宇宙の帝王バド星人よ!!」ババーン
129 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:18:07.41 ID:LKGCUsAO [7/20]
宇宙帝王バド星人参考資料及び画像 http://www.google.co.jp/
130 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:18:34.03 ID:LKGCUsAO [8/20]
唯「へぇー」
梓「はぁー」
恵「え、なに? 反応悪いわよ。さっきまであんなにシリアスだったのに」
唯「とりあえず、帝王(笑)さん」
恵「笑わないでよ」
梓「種明かしでも始めましょうか(笑)」
恵「だから笑わないでよ」
131 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:20:21.88 ID:LKGCUsAO [9/20]
唯「そもそも」
唯「なんで帝王(笑)なんて名乗っちゃったんですか?」
恵「怪獣の卵のことは聞かないの!?」
梓「……質問に質問で返すなんて一体どんな教育を受けてきたんです?」ハァ
恵「い、一応あなたたちと同じ学校を卒業した人間の知識を借りてるんだけどな……」
梓「言い訳は聞きたくありません!」
恵「ひっ」
132 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:22:18.22 ID:LKGCUsAO [10/20]
唯「初登場の時は仕方ないですよ?」
唯「他に帝王(笑)なんて大それた肩書き付けてくる人なんていませんでしたから」
恵「……」
唯「でも今は」
唯「エンペラ星人とかカイザーベリアルとか」
唯「とっても強い皇帝(羨)がいるんですよ?」
恵「……」
唯「それを今更、帝王(笑)だなんて」
唯「エンペラ星人に恥ずかしいと思わないんですか?」
唯「あなた必殺技がメリケンサックじゃないですか」
恵「……」
133 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:24:53.17 ID:LKGCUsAO [11/20]
恵「うるさいうるさいうるさーい!」
恵「帝王ったら帝王なんだい! 偉いんだい!」
唯「へぇー」
恵「エンペラ星人がなによ!」
恵「ちょっと力が強くて心が邪悪で地球を破滅に追いやろうとしただけじゃない!」
唯「やっぱりエンペラ星人は凄いなぁ……」
恵「あんなの脳筋よ、脳筋」
恵「そこいくと私は知的で優れてるからね」
恵「今だって帝王の名に恥じない超☆完璧な侵略計画を実行中なんだから!」
134 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:25:44.64 ID:LKGCUsAO [12/20]
唯「侵略計画?」
恵「そうよ! そのためにわざわざあんな山奥に行って」
恵「怪獣の卵を探してきた(人間を襲って横取りした)のよ!」
唯「なんと」
恵「まず人間の姿を借り、地球に潜入」
恵「次に怪獣の卵を探し出し、市街地へと運び、生まれた怪獣に破壊活動を行わせ」
恵「その隙に疲弊した人類の文明を侵略する」
恵「……っていう隙のない完璧な侵略計画なの!」
唯(結構アバウト!)
恵「まさかあなたたちに見つかって」
恵「こんな辺鄙で誰もいない土地で足止めを食うとは思ってもみなかったけどね!」
唯(読みも甘い!!)
135 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:27:37.82 ID:LKGCUsAO [13/20]
恵「まあいいわ」
恵「あなたたち2人にはここで死んでもらう」
恵「卵が孵化する前に市街地に行かなくちゃいけないからね」
唯「2人?」
恵「ええ。あなたと、……あれ?」
恵「……?」キョロキョロ
唯「どうかしました?」
恵「……中野さんはどこ?」
唯「あはは。ようやく気付いたようですね」
唯「ここ数レスあずにゃんが喋っていないことに!」
恵「!」
136 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:29:49.89 ID:LKGCUsAO [14/20]
唯「まあ今更気付いても手遅れなんですけどね」
恵「えっ?」
バシュウウウウウ
恵「!?」
梓「遅くなりました」スタスタ
唯「おつかれー」
律「おー。あれが侵略宇宙人か」トタトタ
澪「ホントに曽我部先輩にそっくりだな」スタスタ
紬「でも帝王(笑)なんでしょ?」トタトタ
恵「!?」
唯「うん。みんな揃ったね」
恵「い、一体何を!」
梓「数レスあれば仲間を呼ぶなんて簡単にできますよ」
梓「私の携帯はとっても電波がいいですから」
137 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:31:06.52 ID:LKGCUsAO [15/20]
唯「というわけで、私たち5人になりましたけど」
唯「どうします、先輩?」
恵「……」
恵「……くぅううううううう!!」
恵「こうなりゃ自棄よ!!」
恵「今すぐあの卵を孵化させて、あなたたち全員地獄送りにしてやるんだから!」
梓「私たち、いいことばっかりしてるから地獄には落ちないと思いますけどね」
唯「ねー」
恵「うるさ――い!!」
138 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:32:52.98 ID:LKGCUsAO [16/20]
恵「さあ、卵よ! 生まれなさい!!」
恵「そして奴らを根絶やしにしてしまえ!!」
シーン
唯「……」
梓「……」
恵「……さあ!」
シーン
律「……」
紬「……」
澪「……」
恵「ほら早く!!」
シーン
律「……なあ。卵って生まれろって言えば生まれるのか?」
澪「さあ?」
139 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:33:35.09 ID:LKGCUsAO [17/20]
恵「ほら、生まれてよ!」
梓「……あのー。私たち攻撃始めてもいいですか?」
恵「ちょ、ちょっと待って! もうすぐ、もうすぐだから!」
梓「えー」
恵「くぅう……」
恵「……早く生まれなさいったら!」ペシッ
……ピキピキピキピキ
唯「あ。卵が割れる!」
律「やっと生まれるのか……」
ピキピキバキバキ――――
ギィヤアアアアアアアアアアアアアア
恵「やった!」
澪「あーあ」
恵「ふふふ……。よーし、そうよ。そのままHTTを踏み潰してしまいなさい!!」
「ギィヤアアアアア!」
141 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:35:04.73 ID:LKGCUsAO [18/20]
「ギィヤアアアア!」
唯「何にせよ応戦しなくちゃ!」
律「そうだな」
律「全員ストライクチェスターに乗るんだ!」
みんな「おー!」
律「って、その前にムギ。あの怪獣、なんて怪獣かわかるか?」
紬「もちろんよ。あの怪獣は……」
紬「古代怪獣ツインテール!」
梓「えっ」
142 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 00:36:35.03 ID:LKGCUsAO [19/20]
律「……」ポク
唯「……」ポク
澪「……」ポク
紬「……」ポク
恵「……」ポク
梓「……」チーン
律「いけ! 梓!!」
梓「言いたいことはわかりますけど!」
147 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:20:26.35 ID:LqYdgAAO [2/29]
律「なんだ梓。嫌なのか?」
梓「そ、そんなことは……」
ギィヤアアアアアアアアアアアアア
律「ほら怪獣が暴れてるんだぞ」
律「お前は人々の幸せを差し置いて自分の我が侭を優先するのか?」
梓「……そこを天秤に掛けられたら戦うしかないじゃないですか!」
梓「あーもう! やってやるです!!」
唯「あずにゃんがんばれー」
梓「他人事!?」
律「……しかしツインテールと戦うツインテールか。ぷぷっ」
梓「言い出しっぺが笑わないでください!」
梓「もう……」キュイーン
梓「メビウ――ス!!」バッ
148 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:22:18.61 ID:LqYdgAAO [3/29]
メビウス(梓「せや――っ!」ドカッ
ツインテ「ギィヤアアアア!」
律「よし! 私たちは空から援護だ!」
唯「おーっ」
紬「でも、あの帝王(笑)はほっといていいの?」
澪「そうだった」
律「大丈夫、大丈夫。どうせあいつには何もできやしないよ」
恵「な、なにをー!」
恵「あなたたちなんてこのメリケ……
律「早くチェスターに乗るぞー」
唯紬澪「おーっ」
恵「無視しないで!」
149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:26:16.71 ID:LqYdgAAO [4/29]
律「ストライクチェスター、発進!」
バシュ――――――――ン
律「ムギー。ツインテールに弱点ってあるか?」
紬「弱点と言うほどでもないけど……」
紬「あの明滅している発光体はツインテールの三半規管だから、攻撃するならそこを狙うべきね」
律「なるほど」
律「それなら、各機分離して梓を援護しよう」
律「唯と澪のチェスターαは怪獣の右から、ムギのチェスターγは左。私は正面から攻撃する」
律「みんなしっかりやれよ!」
唯澪紬「おーっ!」
150 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:27:09.20 ID:LqYdgAAO [5/29]
メビウス(梓「せやっ!」バシッ
メビウス(梓「だぁっ!」ドカッ
ツインテ「ギィヤアアアア!」
メビウス(梓『……うーん』
メビウス(梓『今日は楽勝っぽいですよー』
紬「梓ちゃん! 油断しちゃダメ!!」
メビウス(梓『えっ?』
ツインテ「ギィヤアア!」グルッ
メビウス(梓『ぐっ!?』ガシッ
151 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:28:18.53 ID:LqYdgAAO [6/29]
澪「し、尻尾で梓の首を締めたぞ!」
紬「まだよ!」
紬「梓ちゃん、気をつけて! その怪獣の牙には……
ツインテ「グァアア!」ガブッ
メビウス(梓「うわあああ!」
ツインテ「ギィアアア!」ギュウウウ
メビウス(梓『ぐっ……ぐぅうっ……』ガクガク
唯「……噛まれただけなのにあずにゃんの様子がおかしい!」
紬「遅かった……。ツインテールの牙には麻酔作用のある毒があるのよ」
澪「なんだって!?」
律「ちくしょう! 各機ツインテールの尻尾の付け根を狙うんだ」
律「梓をあいつから解放する!」
152 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:29:06.00 ID:LqYdgAAO [7/29]
唯「あずにゃんを放せー!」カチッ
ビィ――――ッ!!
バ――――ン!!!
ツインテ「ギィイイ」ギュウウウ
メビウス(梓『……がっ……ま……』ガタガタ
紬「このっ! このっ!」カチッ
律「食らえ!」カチッ
ビィイイイイイ!!
バ――ン!! バ――ン!!
ツインテ「ギィヤアア!」パッ
メビウス(梓「!」
唯「よし! 放した!」
153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:29:56.69 ID:LqYdgAAO [8/29]
メビウス(梓『ごほっ! ぜほっ!』
律「梓、大丈夫か!」
メビウス(梓『は、はい!』
唯「よかったぁ……」
律「よし。まだ戦えるな」
律「こっちでツインテールの動きを止めるから、メビュームシュートでトドメをさしてくれ」
メビウス(梓『了解です!』
154 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:30:22.52 ID:LqYdgAAO [9/29]
律「各機、ヤツの三半規管を狙え!」カチッ
紬「唯ちゃん、あの光ってる所よ」カチッ
唯「りょーかい!」カチッ
ビィイイイイイイ!!
バ――――ン!!
ツインテ「ギヤアアアア!」ジタバタ
唯「当たった!」
紬「今よ、梓ちゃん!」
メビウス(梓『はい!』キュピーン
メビウス(梓『メビュームシュ……
グラグラグラグラグラ
メビウス(梓『うわぁっ!』
律「なっ!? どうした!」
澪「じ、地震! 地震だ!!」
律「地震!? こんな時に!?」
恵「……来た」
155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:30:58.76 ID:LqYdgAAO [10/29]
恵「アハハハハハハハハハ!!」
恵「遂に、遂に来たああああああ!!」
澪「な、なんか帝王(笑)が高笑いしてるんだけど……」
律「ほっとけほっとけ。地震が怖くて気が触れたのさ」
唯「そうだよ! 今はそれよりツインテをどうにかしなくちゃ」
恵「だから無視しないでよ!」
紬「なにか御用ですかー?」
恵「ふっふっふっ……」
恵「用も何も惨劇は今から始まるのよ! せいぜい目の前の地獄絵図に驚き狂えばいいわ!!」
律「うわっ。うざっ」
恵「うざいとか言わないで!」
156 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:32:44.75 ID:LqYdgAAO [11/29]
バキバキバキバキバキ
律「な、なんだ……?」
唯「あずにゃんの後ろで地割れ?」
恵「ふっふっふっ……」
バカッ バキッ ドカッ――――
グゥアアアアアアアアアアアア
メビウス(梓『なっ!?』
澪「あ、新しい怪獣が地中から!!」
紬「あれは、……地底怪獣グドン!」
157 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:33:40.75 ID:LqYdgAAO [12/29]
律「グドン? 愚かでのろまなのか?」
澪「それは愚鈍」
紬「ええ。地底怪獣グドンは決して愚かでものろまでもないわ」
紬「両腕のムチを振るって暴れる恐ろしい怪獣よ」
紬「そして……」
唯「そして?」
紬「ツインテールの天敵として知られているわ」
唯「てんてき?」
澪「つまりツインテはグドンの餌ってことだよ」
唯「なるほどー」
律「ん? じゃあツインテがいる間はグドンを味方として扱っていいのか?」
紬「ダメよ」
唯律「?」
158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:34:25.90 ID:LqYdgAAO [13/29]
紬「いい? 確かにグドンはツインテールを捕食するけど、ツインテールは決してただ食べられるほど弱くはないの」
紬「幸いこの辺り一帯に人はいないけど、お互いの殺し合いは間違いなく周囲に甚大な被害を与えるわ」
澪「ま、まさか帝王(笑)はそれを狙ってわざわざツインテールの卵を……」
恵「その通り!」
恵「言ったでしょ? 私の計画は完璧で隙がないのよ」
恵「破壊活動ひとつにしても最も効率的な方法をとるに決まってるじゃない!」
律「くそっ! なんてこざかしい奴だ!」
唯「帝王(笑)のくせに!」
恵「アハハハハハ! 負け犬の遠吠えにしか聞こえないわよ!」
恵「さあ! 2匹共、メビウスを倒しなさい!!」
159 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:35:30.55 ID:LqYdgAAO [14/29]
ツインテ「ギィヤアアア!」
グドン「グゥアアアア!」
メビウス(梓『くっ!』
ピコーン ピコーン ピコーン ピコーン――――
メビウス(梓『あっ!!』ピコンピコン
唯「カ、カラータイマーが!」
澪「律、どうする!」
律「仕方ない……。ムギ、変身して梓を援護してくれ!」
紬「わかったわ!」
紬「タロウ――――!」バッ
ギュイーン
タロウ(紬「たぁーっ!」
160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:35:58.11 ID:LqYdgAAO [15/29]
メビウス(梓『ムギ先輩!』ピコンピコン
タロウ(紬『梓ちゃん。私たちはグドンを倒すわよ』
メビウス(梓『はい!』ピコンピコン
メビウス(梓「せやーっ!」ピコンピコン
タロウ(紬「でやーっ!」
グドン「グゥアアア!」
メビウス(梓『いきます!』
メビウス(梓『メビュームブレード!』シャキーン
タロウ(紬「……」
メビウス(梓『どうかしました?』
タロウ(紬『武器いいなぁ、って思って……』
メビウス(梓『……ムギ先輩にはタロウブレスレッドもキングブレスレッドもあるじゃないですか』
タロウ(紬『だってあれ剣じゃないし……』
メビウス(梓『えー』
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:36:26.14 ID:LqYdgAAO [16/29]
メビウス(梓『と、とにかくいきますよ!』
メビウス(梓『や――っ!』ピコンピコン
ズ バ ッ
グドン「グアアアア!!」ジタバタ
タロウ(紬『よし! 右のムチはなくなったわ!』
タロウ(紬『このチャンスに近接戦を!』ダッ
グドン「!」
グドン「グゥアア!」バシッ
タロウ(紬『きゃあっ!』
メビウス(梓『ムギ先輩!』
162 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:38:12.91 ID:LqYdgAAO [17/29]
ビシッ バシッ ビシッ バシッ
グドン「グアアアア!」バシッ
タロウ(紬『がっ!……ぐぅっ!』
メビウス(梓『止めろ――!』キュピーン
タロウ(紬『梓ちゃん、待って!』
メビウス(梓『ムギ先輩!』
タロウ(紬『私なら大丈夫よ』
メビウス(梓『そんな!』
タロウ(紬『むしろ叩かれることが快感になってくるわ!』バーン
メビウス(梓『……はい?』ピコンピコン
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:39:07.05 ID:LqYdgAAO [18/29]
律「よーし。私たちはこのままチェスターでツインテを倒すぞ!」
唯「りっちゃん」
律「どした」
唯「いくら弱ってるとはいえ、ストライクバニッシャーじゃツインテールにはトドメをさせないんじゃないかな?」
澪「確かに」
律「ふっふっふっ……。そう言うと思ってもう援軍は呼んであるのさ」
唯澪「援軍?」
キィ――――――――ン
和「私まだ生徒会の仕事残ってるんだけどなあ……」
唯「和ちゃん!」
澪「あれはチェスターδ……。じゃあ!」
律「ああ。ハイパーストライクフォーメーションだ!」
164 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:40:35.96 ID:LqYdgAAO [19/29]
律「いくぞ。ハイパーストライクフォーメーション!」
唯澪和「りょーかい!」
ウィーン ガシャン! ガシャーン! ガキーン!
律「ハイパーストライクチェスターの完成だ!」
和「実は初合体なんじゃない?」
唯「りっちゃん、ツインテにトドメを!」
律「おう!」
律「澪。ハイパーストライクバニッシャー発射!」
澪「りょーかい」カチッ
ビイイイイイイイイイイ!!!!
ツインテ「!」
ズドオオオオオオオオン!!!!
和「ツインテール撃破!」
律「よっしゃあ!」
165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:41:45.32 ID:LqYdgAAO [20/29]
ビシッ! バシッ!
グドン「グゥアアア!」ビシッ
タロウ(紬『くぅっ!』
メビウス(梓「……」ピコンピコン
グドン「グアアア!!」バシッ
タロウ(紬『うあっ!!』
メビウス(梓「……」ピコンピコン
メビウス(梓『……いい加減にしないとメビュームダイナマイトでグドンもろとも消し炭にしますよ?』ピコンピコン
タロウ(紬『……えっ? あっ! ごめんなさい!』
166 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:42:36.88 ID:LqYdgAAO [21/29]
タロウ(紬「でやーっ!」バキッ
グドン「グアア!」
タロウ(紬『チャンス! たぁ――っ!」
シュピピピピ シュピピピピ シュピピピピ
タロウ(紬「でや――っ!」
バキイイイイイ!!!!
グドン「グウアアア!」
メビウス(梓『あ、あれはスワローキック! 要は跳び蹴り!!』
タロウ(紬『そんな身も蓋もないこと言わないで!』
167 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:43:15.24 ID:LqYdgAAO [22/29]
タロウ(紬『トドメよ!』
メビウス(梓『はい!』ピコンピコン
タロウ(紬 『ネオストリウム光線!』バッ
メビウス(梓『メビュームシュート!』バッ
ビィイイイイイイイイイイ!!!!!
グドン「ガアアアア!!!」
ドォオオオオオオオオオン!!!!!
168 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:44:09.54 ID:LqYdgAAO [23/29]
ズドーン!
ドーン!
恵「そ、そんな……」
シュウウウウウン
恵「!」
唯「帝王(笑)さん、ようやく決着の時ですね」スタスタ
律「どうする? メリケンサックで私たちと戦うか?」スタスタ
恵「くっ……!」バッ
フッ
帝王「……」
澪「こ、これが帝王(笑)の本当の姿……」
和「……けっこう不細工ね」
帝王「だ、黙れ!」
帝王「覚えてろ! 私は再び地球へやって来てお前たちを皆殺しにしてやるからな!!」
唯「帝王(笑)ったら逃げる気マンマンだよ、りっちゃん」
律「しょせん負け犬なのさ」
帝王「黙れ黙れ!」
169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:45:12.03 ID:LqYdgAAO [24/29]
帝王「さらばだ、下等な人間共! 来るべき復讐の時に怯えていろ!!」バッ
バヒュ――――ン
唯「飛んで逃げた!」
帝王「ハーッハッハッハッハッ!!!」ヒュー
タロウ(紬「……」
メビウス(梓『どうしたんですか? 早くみんなの所に行きましょうよ』ピコンピコン
タロウ(紬「……」バッ
メビウス(梓『へ?』
タロウ(紬『去るもの逃がさず! 昭和ウルトラの恐ろしさを思い知りなさい!』
タロウ(紬「ストリウム光線!!」
ビイイイイイイイイイイイ!!!!
帝王「……!?」
帝王「なっ! ば、馬鹿な……ぁ……ああ!!」
(笑)「ぐわあああああああああ!!!」
ドカアアアアアアアアン!!
170 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:45:31.44 ID:LqYdgAAO [25/29]
こうして宇宙の帝王(笑)バド星人の侵略計画は、人々が知らぬ間に頓挫したのだった
そして悪の計画を挫いたHTTは帰路に着いていた
バシ――――――――ュン
律「あっはっはっ。今日は楽勝だったなあ」
和「今日の相手は帝王(笑)だったんだから当然といえば当然だけどね」
澪「いやいや油断は禁物だろ」
紬「でも私たちが力を合わせれば侵略者なんて目じゃないわ」
唯「そうそう。だから早く帰ってティータイムの続きしよ!」
梓「……あ―――――!!!!」
171 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:46:05.55 ID:LqYdgAAO [26/29]
唯「い、いきなりどうしたの、あずにゃん?」
梓「律先輩! スピードを、もっとスピード出してください!」
律「はぁ?」
梓「完全に忘れてました! 私、部室にたい焼き置いて来たんですよ!!」
澪「そういえば……」
紬「そうだったわね……」
梓「早く早く!」
律「む、無茶言うな。これがMAXだよ」
梓「早く早く早く!!」
バシュ――――――――ン
172 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:47:15.53 ID:LqYdgAAO [27/29]
シュウウウウン
梓「着いた!」ダッ
和「廊下は走っちゃダメよー」
しかし和の言葉は梓の耳には届いていなかった
あの瞬間、梓は風だったのだ。たい焼きのために廊下を駆け巡る一陣の風
そして瞬く間に部室に到着した!
バタンッ
梓「たい焼き!!!」
さわ子「あら、おかえりー」モグモグ
梓「先生! ……ん?」
さわ子「?」モグモグ
梓「……先生、なに食べてるんですか?」
さわ子「なにって、たい焼きだけど?」モグモグ
梓「……は?」
さわ子「え?」モグモグ
173 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:48:37.36 ID:LqYdgAAO [28/29]
この後
梓がメビュームダイナマイトでさわ子を亡き者にしようとするのを止めるため一悶着あったのは言うまでもない
眉の太い金髪少女の証言によれば
粒あんのあんこが尻尾まで詰まってないタイプのたい焼きを持ってくるまで
梓の瞳からは血の涙が滝のように流れていたという……
こんな感じで
今日もみーんな救われた
ありがとう、放課後ティータイム!
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