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上条「打ち止が好きだ」 美琴「死にたいの?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/20(月) 19:50:26.25 ID:PMlyzffA0 [1/40]
※シマウマ・パラレルワールドSS Take1
「今度はカキ氷が食べたいんだよってミサカはミサカはオネダリしてみたりぃ!」
「そうか。カキ氷が食べたいのか! よし、上条さんが買ってやるぞぉ!」
ここはショッピングモールのフードコート。
上条は打ち止めと手を繋ぎながらスキップし、自然な動作でカキ氷屋に行こうとした。
「……っ!?」
それを遠目から見ていた御坂美琴は呆然と立ち尽くしていた。
(なんであのバカが打ち止めと仲良くしてるの!? あんなに楽しそうに
しているアイツは始めて見るわ。凄く幸せそうで…顔色までいいじゃない。
まままま、まさか…まさかとは思うけど……アイツは……ロリコンなの!?)
※シマウマ・パラレルワールドSS Take1
「今度はカキ氷が食べたいんだよってミサカはミサカはオネダリしてみたりぃ!」
「そうか。カキ氷が食べたいのか! よし、上条さんが買ってやるぞぉ!」
ここはショッピングモールのフードコート。
上条は打ち止めと手を繋ぎながらスキップし、自然な動作でカキ氷屋に行こうとした。
「……っ!?」
それを遠目から見ていた御坂美琴は呆然と立ち尽くしていた。
(なんであのバカが打ち止めと仲良くしてるの!? あんなに楽しそうに
しているアイツは始めて見るわ。凄く幸せそうで…顔色までいいじゃない。
まままま、まさか…まさかとは思うけど……アイツは……ロリコンなの!?)
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 19:54:43.03 ID:PMlyzffA0
そう考えていると、カキ氷(イチゴ味)を手にした上条が
ベンチに座り、緩やかな動作で打ち止めに食べさせようとしていた。
「打ち止めちゃんは可愛いから、特別に上条さんが食べさせてあげますからね」
「わーい! とってもうれしいんだよってミサカはミサカは大きく口を開けてみたり!」
その姿は、仲の良い兄妹、もしくは年の離れたカップルだろうか。
なお、美琴の瞳には後者として移っていた。
(アイツは確かに打ち止めに対して可愛いって言ったわ……。まだ私だって
言われたことないのに……!! このもどかしい気持ちは何!?)
彼女は無意識の内に強力な電流を帯びていた。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 19:59:02.36 ID:PMlyzffA0
そしてゆっくりと上条たちのところへ近づき……
「ちょっと、あんた! その子とはどういう関係なの!?」
凄まじい剣幕で言い寄るのだが……
「打ち止め氏。今度は俺にも食べさせてくれ」
「あはは。当麻はまるで子供みたいなんだよってミサカはミサカは微笑んでみたり」
「子供というよりはシマウマかな。とにかく早く食べさせてくれ。もう限界だ」
「うん。あーんしてとミサカはミサカはスプーンを差し出してみたり」
「はぁ……はぁ……幼女にあーんしてもらえた。もう死んでもいいです」
彼らは美琴に気がついてないのか、それとも無視しているかは定かでは
ないが、二人だけの空間を作り出していた。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:03:36.90 ID:PMlyzffA0
「人の話を……」
地団太を踏んだ後、おきまりのビリビリ攻撃を展開しようとし…
「聞きなさいって言ってんd」
「おい。何してる」
「!?」
上条に止められる。
いつの間にか上条は美琴に超接近しており、彼女の手を右手で押さえている。
「な!?」
彼が目の前にいること、手が触れていること。二重の意味で
混乱する美琴に対し、上条は怒気を込めて話し始める。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:07:48.87 ID:PMlyzffA0
「ここは店の中だぞ? 電撃を放っていいと思ってんのか?」
「…そ、それはアンタが…」
彼の妙な迫力に脅える美琴。
だが、上条は言い訳を許さなかった。
「いい加減にしろ」
「…!?」
「そうやって言い訳すれば誰かが許してくれると思うのか? そうじゃねえだろ。
一歩間違えば被害が出てたかもしれなんだぞ? 例えば人や物に電流が命中したら
どうする? 犯罪だぞ? おまえ責任取れんのかよ?」
「……」
美琴は黙ってしまった。説教に定評のある上条はここでラッシュをかける。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:12:19.60 ID:PMlyzffA0
「おまえは短絡的にものを考えすぎなんだよ。ちょっと機嫌が悪いと
八つ当たりして憂さ晴らしするのか? おまえは学園都市に七人しか
いないLv5の一人だ。力の使い方を誤ったら大惨事になりかないんだぞ」
「…はい」
「本当に分かってんのかよ!!」
「ひぃ…!」
上条はその辺にあるゴミ箱を蹴り上げた。
「いつもいつも俺に勝負挑んできやがってよぉ。まるでピクニックに行くような
軽い気分で致死量の電流を浴びせてくれるじゃねえかよ!!
もうそういうのたくさんなんだよ!!」
「……ご、ごめんなs…」
「今更謝られてもうれしくねえよ!!」
「…っ!」
美琴は脅えて縮こまる。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:16:18.33 ID:PMlyzffA0
「俺は高校一年生だ。まだ死にたくない。おまえに電流浴びせられるのが
どれだけ怖かったか、考えたことあんのか!?」
「……」
「……ふざけてんじゃねえぞ?
ふぉぉぉぉおらああああああああああ!!」
「……うぅ……ご……ごめん……なさい……ひぐっ……」
美琴はポロポロと涙を流していた。
一方の上条は…心の中でこんなことを考えていた。
(ァァ…いい…こいつ…なんて可愛い顔で泣きやがる……たまらないぜ…。
もっといじめるよ?…いじめちゃうよ?…)
上条はボッキした股間を隠すことなく、追い討ちをかける。
「少しは俺の怒りが分かったか? なら、もう二度と俺の前に
姿を見せるな。そして話しかけてくるな。これは命令だぞ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:23:10.09 ID:PMlyzffA0
「……そんなの嫌だよ……お願い…何でもするから」
「ああ? うっせーよ。俺は忙しいんだ。じゃあな」
上条は踵を返し、打ち止めのいるベンチに向かう。
「やあやあ、待たせてしまったなぁ。我が愛しき幼女・打ち止めよ」
「遅いんだよってミサカはミサカは不満をもらしてみたり」
打ち止めちゃんはすでにカキ氷を食べ終えていた。
暇そうにベンチの上で足をぶらぶらさせている。
「ちょっと素行の悪い人を注意するのに時間がかかったんだ。
待たせてごめんな? お詫びになにかおごってやるよ。
何が食べたい?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:29:21.55 ID:PMlyzffA0
「うーん、そうだなぁ」
打ち止めは人差し指を口にくわえながら考える。
「クレープがいいな!ってミサカはミサカは笑顔で提案してみたり!」
「おっけー。すぐ買いに行こう!」
少し離れた場所にあるクレープ売り場まで手を繋いで歩く。
その付近にはショックで泣き崩れている美琴の姿があったが、
二人は華麗にスルーした。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:35:27.21 ID:PMlyzffA0
打ち止めは幸せそうな顔でクリームを食べていた。
「はむはむ。クリームが甘くてとってもおいしんだよって
ミサカはミサカは感想を述べてみたり!!」
「そうかぁ。それはよかったなぁ」
「よかったら当麻にも少し分けてあげようかってミサカはミサカは
食べたそうな顔してる当麻に気を使ってしてみたり」
「はぁ……はぁ……そ、そうか。悪いな。それじゃあ少しだけ……」
愛しそうに一つのクレープを分け合う二人。
上条はその後も打ち止めとのデートを堪能した。
打ち止めと手を繋ぎながら、
ライオンから逃げ切ったシマウマのような顔で帰宅する。
「たっだいま~~♪」
「おかえりなさいなんだよ、とうまぁ~~~」
禁書がパタパタと足音を立てながら上条に抱きつく。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:42:29.12 ID:PMlyzffA0
「遅くなってごめんな。今日もお前のためにおいしい料理を作ってやるからな!」
「わーい。とってもうれしいんだよ!」
「……はは。おまえは本当に可愛いな」
「ごろにゃ~ん」
ネコの真似をしながら上条の胸に顔を埋める禁書。
「あ、禁書だけずるい! 私も当麻に抱きついて甘えたいって
ミサカはミサカはちょぴり嫉妬してみたりぃ!」
打ち止めはぴったりと上条の腰の辺りに密着する。
まるで兄妹のように仲の良い三人。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:48:25.71 ID:PMlyzffA0
(ふふふ……)
上条当麻。もといシマ条さんは心中で密かに微笑んでいた。
(俺は今最高に輝いている!!)
この心境を例えるなら、運動会当日に全校生徒の前で無駄に
長い話を展開する校長先生のような高揚感。
「ふふふ~ん♪」
上条が鼻歌を歌いながら料理する。
ハンバーグが焦げないようにコンロの温度を調整する。
何度もフライパンの蓋を開けながら、ハンバーグの焼き具合を確認していた。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:54:10.99 ID:PMlyzffA0
「ち~っぽけな~世界なのに~♪
どうして~期待に胸が膨らむの~~♪」
下手糞な音程で歌う上条。
愛する打ち止めと禁書に料理を作る。
それだけで飛び上がりたいほどうれしかった。
ところで、
最初に打ち止めを家に連れてきたとき、禁書は激怒した。
しかし上条は巧みな話術で丸め込み、これからは毎日
おいしい料理が食べられるぞと言って納得してもらった。
ここ数日、上条家の食糧事情は改善され、今では毎日のように
肉や魚を食べている。禁書が喜んでくれたのはそのためだ。
なお、なぜ経済的に余裕ができた上に打ち止めが上条と
仲良くしているかについては後ほど説明する。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:00:22.31 ID:PMlyzffA0
「楽しみだねぇ。ハンバーグ!」「そうだねぇ~」
シスターとラストオーダーのコンビは仲良くテレビを
見ながらトランプで遊んでいた。禁書の方が少しお姉さんなので、
打ち止めが退屈しないように面倒を見ているのだ。
そんな彼らの至福の時を邪魔するように、一本の電話が鳴り響いた。
Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
Prrrrrrrrrrrrrr…
「はい。もしもし?」
受話器を取ったのはインデックス。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:06:32.78 ID:PMlyzffA0
「~~~………」
「~~………」
電話の主といくつか会話を交わした後…
「いやああああああ!!」
受話器を乱暴に落とし、腰を抜かしてしまった。
「おい! どうした!? 大丈夫か、ゆかちぃ?」
事態の異常性を嗅ぎつけた上条が駆け寄る。
名前を言い間違えたのは気のせいだ。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:12:05.53 ID:PMlyzffA0
「……う……あぁ……」
禁書は涙目でガクガク震えている。
「ちくしょう、なんだってんだよ!」
上条は急いで受話器を耳に当てる。
「……もしもし?」
「……」
「……」
「……私よ」
「!?」
聞こえた声が物凄く低い声だったので驚嘆した。
電話しているのは間違いなく美琴だったが、
これほど恐ろしい声を聞くのは初めてだった。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:18:20.32 ID:PMlyzffA0
上条は足元が震えだしていた。慎重に話しはじめる。
「御坂。お前……」
「聞いて。当麻」
「…!?」
「私ね。あんたに絶交されてから色々考えたの。でもね、良い考えは浮かばなかった。
だってあんたに嫌われちゃったのよ? どれだけ苦しくて悲しいか分かる?
もう気が狂ってしまいそうなの…」
「おい、落ち着…」
「私ね…。今あんたの家の前にいるの」
「……なっ!?」
上条が玄関を注視する。扉はかすかに開けられていた。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:24:19.22 ID:PMlyzffA0
ギギィ…
そして扉がゆっくりと開かれた。
「…………当麻?」
美琴はまるで死人のような顔だった。
「う……」
上条は後ずさる。
美琴の全身から発せられる死のオーラ。
まさに圧倒的だった。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:30:03.94 ID:PMlyzffA0
「当麻? 脅えてるの?」
上条はゆっくりと近づいてくる死の電撃姫に対し…
本来なら説得して更生させなけらばならないのだが……
「う……あ……」
発するとこができたのは言葉にすらならないうめき声。
震える足はすでに使い物にならず、この場から
逃げることさえ出来ないでいた。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:35:14.88 ID:PMlyzffA0
そして頭の中を駆け抜ける走馬灯。
(俺はまだ高校生だが、それなりの修羅場を潜り抜けてきた。
そしてシマウマとして確かな実力を磨いた………。
今の俺は限りなく野生動物に近い。そんな俺の勘が告げている……)
全てを諦めて自嘲気味に笑い、
(………俺は今日………ここで死ぬ)
彼の愛読書のH×H、原作12巻のセリフを参照して死を暗示した。
この後は美琴と上条のセリフのみが交わされる。
「当麻って呼ぶのは初めてね。迷惑だったかしら?」
「もういい。殺せ」
「そのつもりだけどね。その前にあそこにいる幼女から丸焦げにしてやろうかな?」
「……っ!!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:40:21.38 ID:PMlyzffA0
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっふ」
「てめえ!! 打ち止めに手を出しやがったらただじゃ…」
「じゃあ、あんたから死ねば?」
「が……ぎゃ……ぐ……!!」
上条は死んだ。
そして打ち止めと禁書も同じように電流を浴びて殺され、
美琴は舌を噛んで自殺した。
Take1 終了。 バッドエンド。 敗因は御坂を説教したこと。物語はまだ続く。
エンディングテーマ もどかしい世界の上で マキノユイ
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:44:27.08 ID:PMlyzffA0
Take2
「今度はカキ氷が食べたいんだよってミサカはミサカはオネダリしてみたりぃ!」
「そうか。カキ氷が食べたいのか! よし、上条さんが買ってやるぞぉ!」
ここはショッピングモールのフードコート。
上条は打ち止めと手を繋ぎながらスキップし、自然な動作でカキ氷屋に行こうとした。
(……おや? ビリビリの奴、あんなところで何やってんだ?)
上条はクレープ屋の前で立ち尽くしてる美琴に近寄った。
「お~~~い。御坂ぁああ!! 寂しそうな顔してどうした? 盗撮の練習か?」
「え?」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:50:19.21 ID:PMlyzffA0
「何驚いた顔してんだよ? 今一人か? 良かったら俺達と一緒に遊ばないか?」
「な!? ……な? あ、あんた、あの幼女とはどういう関係なのよ!?」
美琴が困惑しつつも疑問を口にした。
「ちょっとした事情で一方通行から預かってるだけだよ。
やましい気持ちは一切ないぞ」
「……そうなの?」
「もちろんだ。俺を信用しろ。だいたいな。俺があんな小さい子供と
付き合うわけだろ? どっちかというと、俺は中学生くらいが好みかな」
「……そ、そうなんだ…。知らなかったわ。なら…私にもチャンスが…」
美琴は顔を赤くしながらうつむいた。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:56:25.28 ID:PMlyzffA0
上条は表面上は爽やかに笑いながら、心の中ではこう思っていた。
(まあ、嘘だがな。簡単に騙されてくれて助かるぜ。
こいつは放置しておくと後が厄介だからな)
ちなみに、上条が打ち止めと仲良くするようになったのは数日前のことだった。
いつものように美琴に勝負を仕掛けれれ、致死量の電流を浴びる毎日。
これに懲りた上条が和解するために美琴をデートに誘うとしたのだが、
巡回中の黒子に見つかり、邪魔された。
さらに二度とお姉さまに近寄らないよう説教までされてしまい、
上条は中学生に対する興味を完全に失った。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:01:27.51 ID:PMlyzffA0
やはり女性は年上に限ると考えた上条だったが、ある日一方通行に
連れられて歩く打ち止めの姿を発見し、衝撃を受けた。
(か、可愛すぎる……どうしてこんなに心が癒されるんだろう?)
愛する子供をまるで天使のようだと言う人は多いが、上条も
同じ心境に至った。子供に劣情を抱くわけではなく、
例えば、WORKINGの小鳥遊のように純粋に子供を可愛がりたい衝動に駆られたのだ。
そしてとある倉庫に一方通行を呼び出し、相談に乗ってもらった。
「頼む! ロリコンの先輩としておまえに相談がある。
俺もついに目覚めてしまったんだ。今は小さい女の子と
仲良くしたくて仕方ない! どうすればいいんだ?」
「お、おめェが俺に相談して来るなンてよォ。
初めてのことじゃねェか…」
一方さんは、どういうわけか赤面していた。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:06:34.09 ID:PMlyzffA0
深呼吸した後、上条に話し始める。
「そうだなァ。下手に我慢しても余計に欲望が溜まるだけだからなァ。
上条が犯罪者になっても困るし、良ければ俺の打ち止めでも貸してやるぜ?」
「いいのか? おまえは訓練されたロリコンだったはずだが…」
「気にするな。打ち止めもまだ小せえし、遊びたい盛りだからなァ。
こんな目つきのわりィ男といるより、おまえと遊ぶ方が楽しいだろうよ。
明日にでもショッピングに連れてやってくれ。あいつは買い物好きだから喜ぶぜェ」
「一方。ありがとう。恩に着る」
上条が真摯な眼差しで一方の手を握ると、
「よ、よせよ。おめェにそんな目で見つめられたら……俺は……」
彼がなぜかはぁはぁ言い始めたので上条は悪寒を感じ、
早々にその場から立ち去ったのだった。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:39:54.84 ID:PMlyzffA0
その際の交渉の内容をまとめると、
上条は打ち止めと仲良くする権利に加えて、
遊ぶための資金提供も受けたのだった。
Take1で食糧事情が改善されていたのもそのためである。
上条たちは三人で仲良く手を繋ぎながら歩いた。
上条と美琴に挟まれる形で打ち止めが位置する。
一見すると、若い子連れの家族に見えないこともない。
上条がそのことを口に出して言うと……
「ば……家族って……何言ってんのよ。バカ! 私はただアンタに
頼まれたから仕方なく付き合ってあげてるだけで…」
ツンデレのテンプレートなセリフを返してきたのだった。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:45:42.09 ID:PMlyzffA0
(ほほぉ。こいつも結構可愛いじゃないか……。中学生だけど)
上条は不覚にもときめいてしまった。
「あー! あそこで水着が売ってるよぉ!!」
一人元気よく駆け出す打ち止め。
水着コーナーにある展示品が気になったようだ。
フリル付きの子供用水着を興味深そうに眺めている。
それを指差しながら上条の方を向いた。
「当麻ぁ! あの水着は私に似合うかなぁって
ミサカはミサカはわくわくしながら聞いてみたり!」
「ああ。きっと良く似合うと思うよ。試着してみるかい?」
上条の余裕のある態度は父親のようだった。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:51:19.00 ID:PMlyzffA0
「しちゃくってなーに?」
「水着を試しに着てみるってことだよ。店員さんに許可をもらってやるからな」
「わーい!」
年相応の愛嬌のある顔で微笑む打ち止め。
上条は近くにいる店員を呼び止める。
店員が打ち止めを試着室まで案内するのを見守っていると…
「ねえ、ちょっと」
美琴が背中を突いてくる。
「なんだよ?」
「さっきから見てれば…あんたずいぶんあの子と仲いいじゃない。
それに子供の扱いもうまいのね。知らなかったわ」
心なしか、非難するような口調でそう言った。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:57:19.85 ID:PMlyzffA0
上条は美琴の疑問を振り払うようにきっぱりと言い放つ。
「おかしいか? 俺は正義の味方。上条さんだぞ?
子供の扱いぐらいは心得ているつもりだ」
「ふ~~ん。そう」 (怪しいわね…)
美琴は腹のうちでは納得していなかった。
やがて試着室のカーテンが開かれる。
「ど、どうかな? 似合う?」
恥ずかしそうに上目遣いで聞いてくる打ち止め。
(ほおおお…)「もちろんだよ。最高に似合っているぞ? 打ち止めは
可愛いからテレビにも出られるかもしれないな」
「わーーーい! 当麻に褒められたぁ!!って
ミサカはミサカ無邪気にはしゃいでみたりぃ!!」
上条はぴょんぴょん跳ねる打ち止めの頭を撫でていた。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:03:18.64 ID:PMlyzffA0
(やっぱり怪しいわ……あいつのあの顔……)
美琴がそう思うのは、上条さんの顔が例の動物のものになっていたからだった。
明らかに人間とは異なるその顔。美琴が真実を問いただそうとした時…
『きゃあああああああ!!』 『さわぐんじゃねえ!!』
絹を引き裂くような悲鳴と男の野太い声。
なんと…モール内に強盗が進入したのだ!!
そいつらのリーダーが声を張り上げる。
『全員抵抗するんじゃないぞ!! できれば死人は出したくない!!』
と言いつつ、銃を乱射していた。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:09:55.26 ID:PMlyzffA0
「どうしよう…当麻?」
美琴が不安そうな声を発しながら上条にしがみつく。
「いきなり名前で呼びすてか? まあいい。とにかく落ち着け。
奴らは銃を持っている。あの形状はワルサーPPKかな。
素晴らしいデザインだ。下手に動けば蜂の巣にされるぞ」
「ひいぃ…」
美琴の服を掴む手に力が入る。
『諸君。落ち着いて聞いてほしい。我々も目的は一つ。女児用の水着を手に入れることだ!!
特にウサちゃんプリント付きのものを歓迎しよう!!』
強盗のリーダーは意味不明なことを真面目に言っていた。
彼らは覆面の代わりにウサギのマスクをしている奇妙な集団だった。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:17:12.51 ID:PMlyzffA0
『ウサギこそがこの世で最も愛らしい動物であり、保護されるべき生き物だ。
諸君達にもそれを少しでも分かってもらうため我々は……』
そのバカは演説しながら歩き出し、水着コーナーへ近づいていく。
「なにが起きてるの? あのおじさん、だあれ?」
幼い打ち止めは状況が飲み込めていなかった。
彼女はまだ試着室にいるのだ。
「まずいわね……」
美琴がスカートのポケットからコインを取り出そうとしたが、
すぐ横を風が通り過ぎた。
「え…!?」
美琴は目を疑わざるを得なかった。
それは風ではなく、疾走したシマウマ(上条)だった。
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:23:38.82 ID:PMlyzffA0
「ほらああああああああああああああああああ!!」
「ぎゃあ」「ぐへ」 「があおお」 「いやあ」
美琴が瞬きした瞬間には、強盗は全て吹き飛ばされていた。
「ふ。シマウマこそ、最強の動物なり…!」
格好悪いセリフを格好良いポーズで言う上条。
彼はタックルした直後の体勢のままにやけていた。
足元にはタイヤを引きずったような焦げた跡。
そこからわずかに煙が発生しており、シマウマの神速さを物語っていた。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:29:32.72 ID:PMlyzffA0
「当麻。怪我はなかった!?」
美琴が上条のもとへ駆け出すが…すれ違いなる。
「打ち止めええええ!!」
走り出した上条は美琴を無視して打ち止めを抱きしめる。
「あれれぇ! どうしたの当麻!?ってミサカはミサカは驚いてみたり!」
「俺はおまえのことが心配で心配で……。怪我はなかったか?」
「私は大丈夫だよ? どうして当麻は泣いているの?」
「だってよぉ……う……ひぐっ……」
上条は涙が止まらなかった。強盗が銃を乱射していたので、
流れ弾が当たる危険性を考慮していたのだ。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:36:25.59 ID:PMlyzffA0
「よしよし…当麻は良い子だからもう泣かないでねってミサカはミサカ
ちょっぴりお姉さんぶってみたり」
「……うぅ……やさしいんだな……おまえは……」
打ち止めちゃんに頭を撫でられて安心する上条。
だが…
「あ、ああああ、あんたねぇぇ!! なんで私のこと無視するのよ!!」
美琴が怒っていた。全身を循環するように電流が流れ続けている。
「わわわわわわ! お姉さまが怒ってるんだよってミサカはミサカは……」
「ふぉおおおお! なんで切れてんだよ、あのバカタレは!」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:43:13.98 ID:PMlyzffA0
二人は脅えた拍子に強く抱擁しあい、体が密着する。
(……なん……だと?)
上条は絶句した。打ち止めは水着を着ている。そしてこの体勢では…
(打ち止めの素肌と密着してるようなもんじゃねえか!? おい!)
しかも打ち止めは脅えていて、小動物のように
縮こまりながら目をきつく閉じている。
「ふぉおお……」
シマウマ化が始まろうとするが、美琴の言葉で止められる。
「死のうか」
「え?」
「いや、だからさ。もう死になよ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:51:16.55 ID:PMlyzffA0
美琴は上条の左手首を掴んでいた。つまりいつでも電流が流せる状態だ。
上条は顔面蒼白になりながら時間を稼ぐ。
「はいはい。分かった。よく分かった。冗談はよせって」
「いやいや。冗談じゃないって。いいから死になって」
「またまた、たちの悪い冗談はやめr」
「人の話を聞きなよ。私は本気よ? ロリコンの男なんて死んだ方がいいもの」
「……え? 俺ここで死ぬの?」
「うん」
「……っ!」
上条はここで溜めを作った後、一気に怒鳴り始める。
「っざけんじゃねええ!!」
「……なっ!?」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:58:34.88 ID:PMlyzffA0
美琴がひるんで手を離したのを見逃さず、たたみかける。
「おまえは嫌なことがあるとすぐそうやってヤンデレ化するのか!?
俺から言わせてもらえばもう古いんだよそういうのは!!
それにワンパターンすぎるだろうが!!」
「な、なによ。偉そうに…」
「ああ! 偉そうで結構だ。だが言っておくけどな、俺の方が年上だぞ。
一時の感情に任せて道を踏み外せば必ず後悔するときが来るんだ!
もっと冷静になれよ冷静に! このバカが! はぁ? はぁ?」
「私は冷静y」
「どこだがよ!? ヤンデレの目をしながら言われても説得力がねえよ!
それにおまえが犯罪者になったりしたら俺が困るんだよ!」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 00:05:36.35 ID:PMlyzffA0
美琴はうろたえながら言い返す。
「な、なんであんたが困るのよ?」
「俺にとっておまえが大切な人だからだよ。言わせんなよ恥ずかしい」
「あ、ななななな!?」
美琴は大切な人というフレーズで動揺しまくる。
恥ずかしそうにうつむき、上条の顔をまともに見られなくなるが…
「ははは。嘘だよバカ女!」
上条は意見をひっくり返した。
「おまえは俺が打ち止めと仲良くしてるのが気に入らないんだろ!?
このビリビリ小姑め!! 若さに嫉妬するのはみっともないぞ!!」
「わわわ、私が小姑ですって!? そう言うあんたはロリコンのくせに!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 00:12:10.81 ID:0xsyfhVK0 [1/21]
「うっせーよ! ヤンデレ女が! おまえせっかく可愛い顔してんのに
その性格のせいで台無しじゃねえか!! 詐欺だろそれ? 泣くぞほらああ!?
なんでもっと素直になれないんだよ!? 佐天さんを見習えよ」
「なんでここで別の女の名前が出てくるのよ?」
美琴が物凄く不満そうな顔をした。
「そんなの言われなくても分かってるだろ? 佐天さんが総合的に
優れた美少女だからだよ。この作品の全ての女は佐天さんを
見習うべきだ。そして初春さんのスカートめくれ」
「へえ? さっきから聞いてりゃ……言いたい放題言ってくれるじゃない……!!」
美琴はとうとう堪忍袋の尾が切れてしまった。
致死量の電流を放つ準備を始める。
しかし…
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 00:20:09.61 ID:0xsyfhVK0 [2/21]
「通報を受けて駆けつけたジャッジメントです。サルじn…上条当麻さんを逮捕します」
白井黒子が事務的に言った。上条に手錠をかける。
「な…?」
「に…?」
上条と美琴は唖然とする。
「おい。ちょっと待てよ、白井。何で俺が逮捕される?
強盗を倒したのは俺だぞ? 恨まれる筋合いはないはずだ」
「公然わいせつ罪ですの。ご自身の姿をよく確認してみてくださいな」
「…あ」
上条は全裸だった。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 00:28:29.51 ID:0xsyfhVK0 [3/21]
「ああ、そう言えば、今までずっと服着てなかったもんね。
逮捕されるのは当然だわ」
美琴がまるで今思い出したように言う。
こうして、上条は逮捕されてしまった。
Take2 終了。 バッドエンド。
敗因分析。 ①全裸 ②打ち止めに欲情 ③美琴に説教
エンディングテーマ Destiny マキノユイ
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:24:26.48 ID:0xsyfhVK0 [4/21]
Take3
「今度はカキ氷が食べたいんだよってミサカはミサカはオネダリしてみたりぃ!」
「そうか。カキ氷が食べたいのか! よし、上条さんが買ってやるぞぉ!」
ここはショッピングモールのフードコート。
上条は打ち止めと手を繋ぎながらスキップし、自然な動作でカキ氷屋に行こうとした。
「……っ!?」
それを遠目から見ていた御坂美琴は呆然と立ち尽くしていた。
(なんであのバカが打ち止めと仲良くしてるの!? あんなに楽しそうに
しているアイツは始めて見るわ。凄く幸せそうで…顔色までいいじゃない。
まままま、まさか…まさかとは思うけど……アイツは……ロリコンなの!?)
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:31:49.59 ID:0xsyfhVK0 [5/21]
上条は目ざとく美琴の姿を確認した。
「げ、あいつは……ビリビリ中学生じゃないか!!
やっべえ! いますぐ逃げたほうがいい!!」
打ち止めの手を引きながら早々に立ち去る。
「そんなに急いでどこ行くの? カキ氷食べたいんだけどってミサカはミサカは…」
「うっせー。ちょ…黙ってなさい!」
不満をもらす打ち止めを強引に制する。
全力疾走でモール外に脱出した。
疲れたので近くの公園で一休みすることにした。
「はぁ…はぁ……走ったから熱いってミサカはミサカは汗をかいてみたり」
ベンチに座り、ノンスリーブのワンピースの胸元をパタパタさせる。
そうすると微妙な膨らみがある素肌の部分が見え隠れした。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:40:41.66 ID:0xsyfhVK0 [6/21]
(ちょ……!!)
上条のシマウマ化が始まろうとするが、ここでシマキャンを発動。
「…!! う、打ち止めぇ! 何か飲みたいものがあれば買って来てやるぞ!!」
「そうだなぁ…イチゴおでんがいいかも!」
「了解っす!!」
「…?」
明らかに動揺しながら自販機に向かう上条。
打ち止めは彼の様子を不思議そうに見つめていた。
「イチゴおでん…イチゴおでん…。なんだ売り切れじゃないか。はぁ。不幸だ」
人気商品なのか、すでに売り切れていた。ため息をつく上条。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:48:26.20 ID:0xsyfhVK0 [7/21]
ここでボーイミーツガールが発生。
「上条さん。久しぶりですね」
「あ、佐天さんじゃないっすか! ちわーっす! 今日もまた一段とお綺麗ですね!」
上条は年下の佐天さんに頭を下げていた。
佐天さん不敵に笑い始めた。
「あははは。私が綺麗? そんな当たり前のこと言われてもうれしくないですよ。
それよりジュース買わなくていいんですか?」
「いやぁイチゴおでんが欲しかったんすけど、売り切れてたんですよ!」
「ぷっ…あはははは、あははははははははは!! さすが不幸体質ですね!」
「ア……そんな……冷たい目で……ああ……」
上条は脳みそがとろけてしまった。佐天さんは隠れサディストだったのだ。
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:56:37.14 ID:0xsyfhVK0 [8/21]
「何だらしない顔して酔っ払ってるんですか? 超だっさいんですけど?
気持ち悪いからやめてくださいよ。またお仕置きが必要ですか?」
「何ぃ? 年下のくせに言わせておけば…!!」
佐天さんからは年上に対する敬意が微塵も感じれれない。
その冷たい態度に憤慨した上条は……
「早くお仕置きしやがれ!! ビビッてんのか? ああ!!?」
四つんばいの姿勢になっていた。しかも上半身裸である。
「私を罵倒するなんていい度胸じゃないですか」
ふみ ふみ ふみ
どSな佐天さん。略してssは両手を組みながら上条の背中を踏みつける。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:04:48.08 ID:0xsyfhVK0 [9/21]
「あ……な……これは……」
「気持ち良さそうな顔するなんてさすが上条さんですね。つい最近まで
小学生だった女の子に踏まれるのがそんなにうれしいんですか? この変態!!」
「はぁ……はぁ……」
「ったく、なんで私が上条さんみたにな変態のために時間を割くのか分かりますか?
あなたが地球のゴミだからですよ。綺麗に掃除しないと他の人に迷惑でしょ?」
それを遠くからずっと眺めていた打ち止めがやってくる。
「お姉さんと当麻は何して遊んでるのぉ!? それはもしかしてお馬さんごっこ
なのかなってミサカはミサカはとっても興味津々だったり!」
そのまま上条の上に乗っかる。
「わーい! お馬さん歩いてぇ!」
「な…!?」
上条は驚嘆しつつも従った。四つんばいの姿勢のまま前進する。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:12:30.89 ID:0xsyfhVK0 [10/21]
「あははは! お馬さんだぁああ!!」
「はぁ……はぁ……」
喜ぶ幼女と息を荒くする怪しいシマウマの図だった。
(よ、幼女に乗られるのも妙に快感だな……
俺は…新しい性癖に目覚めようとしているのか?)
その思考は黒子の声によって中断される。
「ジャッジメントですの」
巡回中だった黒子がキメ台詞と共に腕章を強調させる。
「わあああああああああああ!!」
上条はそのままの体制で逃げ出した。
黒子のテレーポートですら追いつけないほどの俊敏さだった。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:20:05.37 ID:0xsyfhVK0 [11/21]
その日の夜。
上条はとある倉庫で一方通行と密会していた。
「上条よォ。打ち止めと一緒にすごしてもう何日目になる?」
一方が聞いた。
「3日目かな。いまでは妹のように思っている。
打ち止めも俺のことを気に入ってくれているしな」
上条はテーブルに肘をついた体勢で答えた。その対面に一方がいる。
「そうか。おめェにあいつを預けたのは正解だったみてェだなァ」
一方は吸い終わったタバコを灰皿に押し付けた。
新しいタバコを取り出して一服。
もくもくと煙を吐き出した後、真剣な顔で語りだした。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:32:44.45 ID:0xsyfhVK0 [12/21]
「ロリコンの先駆者として、おめェに忠告しておくことがあるンだがな…」
「…っ!」
上条は緊張した。重い雰囲気に圧倒されそうなほどだった。
「この国でロリコンに価値などない」
一句一句をくぎるように発音していた。
「相次ぐ公務員の児童わいせつ事件。児童ポルノ法のあいまいな定義。
マスコミによるマイナスイメージの宣伝。ロリコンにとって最悪の世の中だ」
「だが、俺達はこの世界に住むしかない。他に居場所はない」
「世界は…ここだけ」
「このちっぽけな世界だけだ」
一通り言い終わると、一方はタバコを吸って煙をふかす。
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:40:18.69 ID:0xsyfhVK0 [13/21]
上条は額に汗をかいていた。胃がキリキリと痛みを訴えていた。
一方が話を続ける。
「なあ、上条。いい加減大人になれよ」
「…?」
「打ち止めだっていつかは大きくなる。
あの御坂そっくりに育ったあいつを見るのがつらいだろう?
それはおまえがロリコンだからだ」
「……」
上条は複雑そうな顔をして黙っていた。
一方は不敵に微笑みながら話を続ける。
「俺はおまえの最高の友人だぞ? 目を覚ませ」
「……」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:49:13.64 ID:0xsyfhVK0 [14/21]
「世間的にロリコンは悪として認知されている。
淘汰されるべき対象だ。まともに人間扱いされない。
そんな腐った世界で一人の高校生に何ができる?」
「……」
「何もない。ロリコンは嘲笑され、罵倒され、地に這いつくばり、
地面のクソを舐めながら生きていくしかない」
彼が言い切ると、上条は気まずそうに目をそらした。
一方は軽くため息をついて席を立つ。
「話は終わりだ。つまンねえこと聞かせちまって悪かったなァ。
今日は遅いからもう帰れ。禁書たちが待ってンだろ?
打ち止めはおまえにもう少し預けてやるからよ」
それだけ言い残してどこかへ消えてしまった。
倉庫の中は暗くて彼の行方を知ることは出来ない。
上条は複雑な思いのまま帰宅して寝た。
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:57:49.26 ID:0xsyfhVK0 [15/21]
翌日の朝のことである。
「おっはー」
「な…!?」
上条が学校に行くために玄関を開けたことろ、
そこには初春さんが立っていた。
「上条さん。おっはー!」
「は…?」
頬をつねって自分の正気を確かめたくなったが、
何度見ても目の前で明るく挨拶しているのは初春さんだった。
「今日は天気がいいので迎えに来ました。一緒に登校しましょ?」
「いや…おま…ちょ…待て待て!! 百歩譲って登校するのはいいよ。
でも俺は初春さんにフラグを立てた覚えはないぞ?」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:05:48.82 ID:0xsyfhVK0 [16/21]
「それがあるんですよ」
初春の話によると、グラビトン事件の影の功労者である上条を慕っていたらしい。
いつか上条とお近づきになりたいと考えていたが、美琴や禁書が邪魔だったとのこと。
「あの時。私こう思ったんです。上条さんを調教したいって。
そしてようやく機会が訪れました。この写真に見覚えはありますか?」
「……てめえ!!」
見た瞬間に上条は感情的になる。手を伸ばして写真を奪い取ろうとするが、
かるく回避されてしまった。初春は見た目よりも身軽だった。
写真には上条が佐天さんに踏まれて喜んでいるところが写っていた。
「落ち着いて聞いてください。この写真は画像データとして
私のPCに保管されています。私に危害を加えたりすればどうなるか。
賢明な上条さんなら言わなくても分かりますよね?」
「く……! まさかこんな悪党だったとは…!」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:10:40.40 ID:0xsyfhVK0 [17/21]
「えへ」
初春はくったくなく笑った。実は腹黒だったのである。
「でも私のそういうところにも萌えませんか?」
「ああ? んなわけねーだろ! このお花畑女が!!」
「……」
「……」
沈黙が生まれる。
上条は口が滑ったことを心底後悔した。
「……」
「……」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:15:53.38 ID:0xsyfhVK0 [18/21]
初春が口を開いた。
「上条さん?」
「は、はい。なんでしょうか」
「二度と私の花のことを口にしないと誓えますか?」
「…! 誓う。さっきのは冗談だよ。すまなかった」
「そうですか。それでは誓いの証としてこれをどうぞ」
そう言って上条に手錠をつけた。
手錠には長いロープが付けてあり、初春の手元まで伸びてる。
「本当は手荒なマネはしたくありませんでした。
上条さんが生意気だから悪いんですよ。
拷問されなかっただけでもありがたいと思ってくださいね?」
「はい…。すみませんでした」
初春は素敵な笑顔でそう言うが、目は全く笑っていなかった。
上条はすでに抵抗を諦めていた。
「行きましょうか。遅刻していしまいますよ」
淡々とした様子で歩き出す初春。
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:20:29.58 ID:0xsyfhVK0 [19/21]
上条は、おまえと俺じゃ学校の方向ちげーだろ、と思いっきり突っ込みを
入れたい衝動に駆られたが、喉元ま出掛かった言葉を呑みこんだ。
朝の通学路の衆人環視の中、上条は恥ずかしさのあまり死になりながら歩いていた。
「今日もいい天気ですね」
「はい」
「返事は、わん、でしょ?」
「わん」
「うふふ」
初春は貴婦人のように優雅に歩いていた。
背筋を伸ばし、片手で手錠用のロープを握りながら欠伸をしていた。
(このまま終るわけねえ。絶対にビリビリあたりが登場して厄介ごとになる)
結果的に言うと上条の懸念は正しかった。
だが、登場するのは少女ではなかった。
「おいそこのお花畑女ァ。てめェ。上条にナニしてやがる?」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:27:09.45 ID:0xsyfhVK0 [20/21]
目つきの悪い少年。一通(アクセラレータ)さんだった。
「………うふふふ」
初春は静かに切れていた。お花畑と言われるのは本日二度目である。
頭に花飾りのカチューシャをつけることは彼女の義務であり、ポリシーだ。
「…ふっ」
踏み込みを入れて、一通さんに飛び掛ろうとするが返り討ちにされた。
「……!?」
初春の体は冗談のように吹き飛び、遠くにあるビルの三階に突っ込んだ。
「華麗に決まったぜ。必殺……シマウマパンチ!」
なんと、一方通行は上条の必殺技を模倣したのだった!!
上条が慌てる。
「なぜおまえがその技を!?」
「おめェのシマウマっぷりに惚れたからだよ。いつの日か、
俺は上条のような正義の味方に憧れるようになった。
そしてロリコンを卒業した。なぜなら、俺はおまえのことが…」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:34:20.56 ID:0xsyfhVK0 [21/21]
「え?」
「皆まで言わせんなよ恥ずかしい。とにかく
助けてあげたンだからよォ。いいよなァ?」
「ちょ」
「いい声で鳴いてくれよ?」
「アッーーー!!」
上条はケツを掘られた。手錠されたままだったので抵抗できなかったのだ。
Take3 終了。 最悪のガチホモエンド。
敗因分析。 ①一方がガチ ②初春が黒い ③佐天さんがヤバイ 結論:みんなヤバイ
エンディングテーマ ユーフォリア マキノユイ
___________________________________________________
書き溜めに戻ります。
ここでスレ落ち
そう考えていると、カキ氷(イチゴ味)を手にした上条が
ベンチに座り、緩やかな動作で打ち止めに食べさせようとしていた。
「打ち止めちゃんは可愛いから、特別に上条さんが食べさせてあげますからね」
「わーい! とってもうれしいんだよってミサカはミサカは大きく口を開けてみたり!」
その姿は、仲の良い兄妹、もしくは年の離れたカップルだろうか。
なお、美琴の瞳には後者として移っていた。
(アイツは確かに打ち止めに対して可愛いって言ったわ……。まだ私だって
言われたことないのに……!! このもどかしい気持ちは何!?)
彼女は無意識の内に強力な電流を帯びていた。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 19:59:02.36 ID:PMlyzffA0
そしてゆっくりと上条たちのところへ近づき……
「ちょっと、あんた! その子とはどういう関係なの!?」
凄まじい剣幕で言い寄るのだが……
「打ち止め氏。今度は俺にも食べさせてくれ」
「あはは。当麻はまるで子供みたいなんだよってミサカはミサカは微笑んでみたり」
「子供というよりはシマウマかな。とにかく早く食べさせてくれ。もう限界だ」
「うん。あーんしてとミサカはミサカはスプーンを差し出してみたり」
「はぁ……はぁ……幼女にあーんしてもらえた。もう死んでもいいです」
彼らは美琴に気がついてないのか、それとも無視しているかは定かでは
ないが、二人だけの空間を作り出していた。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:03:36.90 ID:PMlyzffA0
「人の話を……」
地団太を踏んだ後、おきまりのビリビリ攻撃を展開しようとし…
「聞きなさいって言ってんd」
「おい。何してる」
「!?」
上条に止められる。
いつの間にか上条は美琴に超接近しており、彼女の手を右手で押さえている。
「な!?」
彼が目の前にいること、手が触れていること。二重の意味で
混乱する美琴に対し、上条は怒気を込めて話し始める。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:07:48.87 ID:PMlyzffA0
「ここは店の中だぞ? 電撃を放っていいと思ってんのか?」
「…そ、それはアンタが…」
彼の妙な迫力に脅える美琴。
だが、上条は言い訳を許さなかった。
「いい加減にしろ」
「…!?」
「そうやって言い訳すれば誰かが許してくれると思うのか? そうじゃねえだろ。
一歩間違えば被害が出てたかもしれなんだぞ? 例えば人や物に電流が命中したら
どうする? 犯罪だぞ? おまえ責任取れんのかよ?」
「……」
美琴は黙ってしまった。説教に定評のある上条はここでラッシュをかける。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:12:19.60 ID:PMlyzffA0
「おまえは短絡的にものを考えすぎなんだよ。ちょっと機嫌が悪いと
八つ当たりして憂さ晴らしするのか? おまえは学園都市に七人しか
いないLv5の一人だ。力の使い方を誤ったら大惨事になりかないんだぞ」
「…はい」
「本当に分かってんのかよ!!」
「ひぃ…!」
上条はその辺にあるゴミ箱を蹴り上げた。
「いつもいつも俺に勝負挑んできやがってよぉ。まるでピクニックに行くような
軽い気分で致死量の電流を浴びせてくれるじゃねえかよ!!
もうそういうのたくさんなんだよ!!」
「……ご、ごめんなs…」
「今更謝られてもうれしくねえよ!!」
「…っ!」
美琴は脅えて縮こまる。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:16:18.33 ID:PMlyzffA0
「俺は高校一年生だ。まだ死にたくない。おまえに電流浴びせられるのが
どれだけ怖かったか、考えたことあんのか!?」
「……」
「……ふざけてんじゃねえぞ?
ふぉぉぉぉおらああああああああああ!!」
「……うぅ……ご……ごめん……なさい……ひぐっ……」
美琴はポロポロと涙を流していた。
一方の上条は…心の中でこんなことを考えていた。
(ァァ…いい…こいつ…なんて可愛い顔で泣きやがる……たまらないぜ…。
もっといじめるよ?…いじめちゃうよ?…)
上条はボッキした股間を隠すことなく、追い討ちをかける。
「少しは俺の怒りが分かったか? なら、もう二度と俺の前に
姿を見せるな。そして話しかけてくるな。これは命令だぞ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:23:10.09 ID:PMlyzffA0
「……そんなの嫌だよ……お願い…何でもするから」
「ああ? うっせーよ。俺は忙しいんだ。じゃあな」
上条は踵を返し、打ち止めのいるベンチに向かう。
「やあやあ、待たせてしまったなぁ。我が愛しき幼女・打ち止めよ」
「遅いんだよってミサカはミサカは不満をもらしてみたり」
打ち止めちゃんはすでにカキ氷を食べ終えていた。
暇そうにベンチの上で足をぶらぶらさせている。
「ちょっと素行の悪い人を注意するのに時間がかかったんだ。
待たせてごめんな? お詫びになにかおごってやるよ。
何が食べたい?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:29:21.55 ID:PMlyzffA0
「うーん、そうだなぁ」
打ち止めは人差し指を口にくわえながら考える。
「クレープがいいな!ってミサカはミサカは笑顔で提案してみたり!」
「おっけー。すぐ買いに行こう!」
少し離れた場所にあるクレープ売り場まで手を繋いで歩く。
その付近にはショックで泣き崩れている美琴の姿があったが、
二人は華麗にスルーした。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:35:27.21 ID:PMlyzffA0
打ち止めは幸せそうな顔でクリームを食べていた。
「はむはむ。クリームが甘くてとってもおいしんだよって
ミサカはミサカは感想を述べてみたり!!」
「そうかぁ。それはよかったなぁ」
「よかったら当麻にも少し分けてあげようかってミサカはミサカは
食べたそうな顔してる当麻に気を使ってしてみたり」
「はぁ……はぁ……そ、そうか。悪いな。それじゃあ少しだけ……」
愛しそうに一つのクレープを分け合う二人。
上条はその後も打ち止めとのデートを堪能した。
打ち止めと手を繋ぎながら、
ライオンから逃げ切ったシマウマのような顔で帰宅する。
「たっだいま~~♪」
「おかえりなさいなんだよ、とうまぁ~~~」
禁書がパタパタと足音を立てながら上条に抱きつく。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:42:29.12 ID:PMlyzffA0
「遅くなってごめんな。今日もお前のためにおいしい料理を作ってやるからな!」
「わーい。とってもうれしいんだよ!」
「……はは。おまえは本当に可愛いな」
「ごろにゃ~ん」
ネコの真似をしながら上条の胸に顔を埋める禁書。
「あ、禁書だけずるい! 私も当麻に抱きついて甘えたいって
ミサカはミサカはちょぴり嫉妬してみたりぃ!」
打ち止めはぴったりと上条の腰の辺りに密着する。
まるで兄妹のように仲の良い三人。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:48:25.71 ID:PMlyzffA0
(ふふふ……)
上条当麻。もといシマ条さんは心中で密かに微笑んでいた。
(俺は今最高に輝いている!!)
この心境を例えるなら、運動会当日に全校生徒の前で無駄に
長い話を展開する校長先生のような高揚感。
「ふふふ~ん♪」
上条が鼻歌を歌いながら料理する。
ハンバーグが焦げないようにコンロの温度を調整する。
何度もフライパンの蓋を開けながら、ハンバーグの焼き具合を確認していた。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 20:54:10.99 ID:PMlyzffA0
「ち~っぽけな~世界なのに~♪
どうして~期待に胸が膨らむの~~♪」
下手糞な音程で歌う上条。
愛する打ち止めと禁書に料理を作る。
それだけで飛び上がりたいほどうれしかった。
ところで、
最初に打ち止めを家に連れてきたとき、禁書は激怒した。
しかし上条は巧みな話術で丸め込み、これからは毎日
おいしい料理が食べられるぞと言って納得してもらった。
ここ数日、上条家の食糧事情は改善され、今では毎日のように
肉や魚を食べている。禁書が喜んでくれたのはそのためだ。
なお、なぜ経済的に余裕ができた上に打ち止めが上条と
仲良くしているかについては後ほど説明する。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:00:22.31 ID:PMlyzffA0
「楽しみだねぇ。ハンバーグ!」「そうだねぇ~」
シスターとラストオーダーのコンビは仲良くテレビを
見ながらトランプで遊んでいた。禁書の方が少しお姉さんなので、
打ち止めが退屈しないように面倒を見ているのだ。
そんな彼らの至福の時を邪魔するように、一本の電話が鳴り響いた。
Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
Prrrrrrrrrrrrrr…
「はい。もしもし?」
受話器を取ったのはインデックス。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:06:32.78 ID:PMlyzffA0
「~~~………」
「~~………」
電話の主といくつか会話を交わした後…
「いやああああああ!!」
受話器を乱暴に落とし、腰を抜かしてしまった。
「おい! どうした!? 大丈夫か、ゆかちぃ?」
事態の異常性を嗅ぎつけた上条が駆け寄る。
名前を言い間違えたのは気のせいだ。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:12:05.53 ID:PMlyzffA0
「……う……あぁ……」
禁書は涙目でガクガク震えている。
「ちくしょう、なんだってんだよ!」
上条は急いで受話器を耳に当てる。
「……もしもし?」
「……」
「……」
「……私よ」
「!?」
聞こえた声が物凄く低い声だったので驚嘆した。
電話しているのは間違いなく美琴だったが、
これほど恐ろしい声を聞くのは初めてだった。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:18:20.32 ID:PMlyzffA0
上条は足元が震えだしていた。慎重に話しはじめる。
「御坂。お前……」
「聞いて。当麻」
「…!?」
「私ね。あんたに絶交されてから色々考えたの。でもね、良い考えは浮かばなかった。
だってあんたに嫌われちゃったのよ? どれだけ苦しくて悲しいか分かる?
もう気が狂ってしまいそうなの…」
「おい、落ち着…」
「私ね…。今あんたの家の前にいるの」
「……なっ!?」
上条が玄関を注視する。扉はかすかに開けられていた。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:24:19.22 ID:PMlyzffA0
ギギィ…
そして扉がゆっくりと開かれた。
「…………当麻?」
美琴はまるで死人のような顔だった。
「う……」
上条は後ずさる。
美琴の全身から発せられる死のオーラ。
まさに圧倒的だった。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:30:03.94 ID:PMlyzffA0
「当麻? 脅えてるの?」
上条はゆっくりと近づいてくる死の電撃姫に対し…
本来なら説得して更生させなけらばならないのだが……
「う……あ……」
発するとこができたのは言葉にすらならないうめき声。
震える足はすでに使い物にならず、この場から
逃げることさえ出来ないでいた。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:35:14.88 ID:PMlyzffA0
そして頭の中を駆け抜ける走馬灯。
(俺はまだ高校生だが、それなりの修羅場を潜り抜けてきた。
そしてシマウマとして確かな実力を磨いた………。
今の俺は限りなく野生動物に近い。そんな俺の勘が告げている……)
全てを諦めて自嘲気味に笑い、
(………俺は今日………ここで死ぬ)
彼の愛読書のH×H、原作12巻のセリフを参照して死を暗示した。
この後は美琴と上条のセリフのみが交わされる。
「当麻って呼ぶのは初めてね。迷惑だったかしら?」
「もういい。殺せ」
「そのつもりだけどね。その前にあそこにいる幼女から丸焦げにしてやろうかな?」
「……っ!!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:40:21.38 ID:PMlyzffA0
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっふ」
「てめえ!! 打ち止めに手を出しやがったらただじゃ…」
「じゃあ、あんたから死ねば?」
「が……ぎゃ……ぐ……!!」
上条は死んだ。
そして打ち止めと禁書も同じように電流を浴びて殺され、
美琴は舌を噛んで自殺した。
Take1 終了。 バッドエンド。 敗因は御坂を説教したこと。物語はまだ続く。
エンディングテーマ もどかしい世界の上で マキノユイ
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:44:27.08 ID:PMlyzffA0
Take2
「今度はカキ氷が食べたいんだよってミサカはミサカはオネダリしてみたりぃ!」
「そうか。カキ氷が食べたいのか! よし、上条さんが買ってやるぞぉ!」
ここはショッピングモールのフードコート。
上条は打ち止めと手を繋ぎながらスキップし、自然な動作でカキ氷屋に行こうとした。
(……おや? ビリビリの奴、あんなところで何やってんだ?)
上条はクレープ屋の前で立ち尽くしてる美琴に近寄った。
「お~~~い。御坂ぁああ!! 寂しそうな顔してどうした? 盗撮の練習か?」
「え?」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:50:19.21 ID:PMlyzffA0
「何驚いた顔してんだよ? 今一人か? 良かったら俺達と一緒に遊ばないか?」
「な!? ……な? あ、あんた、あの幼女とはどういう関係なのよ!?」
美琴が困惑しつつも疑問を口にした。
「ちょっとした事情で一方通行から預かってるだけだよ。
やましい気持ちは一切ないぞ」
「……そうなの?」
「もちろんだ。俺を信用しろ。だいたいな。俺があんな小さい子供と
付き合うわけだろ? どっちかというと、俺は中学生くらいが好みかな」
「……そ、そうなんだ…。知らなかったわ。なら…私にもチャンスが…」
美琴は顔を赤くしながらうつむいた。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 21:56:25.28 ID:PMlyzffA0
上条は表面上は爽やかに笑いながら、心の中ではこう思っていた。
(まあ、嘘だがな。簡単に騙されてくれて助かるぜ。
こいつは放置しておくと後が厄介だからな)
ちなみに、上条が打ち止めと仲良くするようになったのは数日前のことだった。
いつものように美琴に勝負を仕掛けれれ、致死量の電流を浴びる毎日。
これに懲りた上条が和解するために美琴をデートに誘うとしたのだが、
巡回中の黒子に見つかり、邪魔された。
さらに二度とお姉さまに近寄らないよう説教までされてしまい、
上条は中学生に対する興味を完全に失った。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:01:27.51 ID:PMlyzffA0
やはり女性は年上に限ると考えた上条だったが、ある日一方通行に
連れられて歩く打ち止めの姿を発見し、衝撃を受けた。
(か、可愛すぎる……どうしてこんなに心が癒されるんだろう?)
愛する子供をまるで天使のようだと言う人は多いが、上条も
同じ心境に至った。子供に劣情を抱くわけではなく、
例えば、WORKINGの小鳥遊のように純粋に子供を可愛がりたい衝動に駆られたのだ。
そしてとある倉庫に一方通行を呼び出し、相談に乗ってもらった。
「頼む! ロリコンの先輩としておまえに相談がある。
俺もついに目覚めてしまったんだ。今は小さい女の子と
仲良くしたくて仕方ない! どうすればいいんだ?」
「お、おめェが俺に相談して来るなンてよォ。
初めてのことじゃねェか…」
一方さんは、どういうわけか赤面していた。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:06:34.09 ID:PMlyzffA0
深呼吸した後、上条に話し始める。
「そうだなァ。下手に我慢しても余計に欲望が溜まるだけだからなァ。
上条が犯罪者になっても困るし、良ければ俺の打ち止めでも貸してやるぜ?」
「いいのか? おまえは訓練されたロリコンだったはずだが…」
「気にするな。打ち止めもまだ小せえし、遊びたい盛りだからなァ。
こんな目つきのわりィ男といるより、おまえと遊ぶ方が楽しいだろうよ。
明日にでもショッピングに連れてやってくれ。あいつは買い物好きだから喜ぶぜェ」
「一方。ありがとう。恩に着る」
上条が真摯な眼差しで一方の手を握ると、
「よ、よせよ。おめェにそんな目で見つめられたら……俺は……」
彼がなぜかはぁはぁ言い始めたので上条は悪寒を感じ、
早々にその場から立ち去ったのだった。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:39:54.84 ID:PMlyzffA0
その際の交渉の内容をまとめると、
上条は打ち止めと仲良くする権利に加えて、
遊ぶための資金提供も受けたのだった。
Take1で食糧事情が改善されていたのもそのためである。
上条たちは三人で仲良く手を繋ぎながら歩いた。
上条と美琴に挟まれる形で打ち止めが位置する。
一見すると、若い子連れの家族に見えないこともない。
上条がそのことを口に出して言うと……
「ば……家族って……何言ってんのよ。バカ! 私はただアンタに
頼まれたから仕方なく付き合ってあげてるだけで…」
ツンデレのテンプレートなセリフを返してきたのだった。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:45:42.09 ID:PMlyzffA0
(ほほぉ。こいつも結構可愛いじゃないか……。中学生だけど)
上条は不覚にもときめいてしまった。
「あー! あそこで水着が売ってるよぉ!!」
一人元気よく駆け出す打ち止め。
水着コーナーにある展示品が気になったようだ。
フリル付きの子供用水着を興味深そうに眺めている。
それを指差しながら上条の方を向いた。
「当麻ぁ! あの水着は私に似合うかなぁって
ミサカはミサカはわくわくしながら聞いてみたり!」
「ああ。きっと良く似合うと思うよ。試着してみるかい?」
上条の余裕のある態度は父親のようだった。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:51:19.00 ID:PMlyzffA0
「しちゃくってなーに?」
「水着を試しに着てみるってことだよ。店員さんに許可をもらってやるからな」
「わーい!」
年相応の愛嬌のある顔で微笑む打ち止め。
上条は近くにいる店員を呼び止める。
店員が打ち止めを試着室まで案内するのを見守っていると…
「ねえ、ちょっと」
美琴が背中を突いてくる。
「なんだよ?」
「さっきから見てれば…あんたずいぶんあの子と仲いいじゃない。
それに子供の扱いもうまいのね。知らなかったわ」
心なしか、非難するような口調でそう言った。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 22:57:19.85 ID:PMlyzffA0
上条は美琴の疑問を振り払うようにきっぱりと言い放つ。
「おかしいか? 俺は正義の味方。上条さんだぞ?
子供の扱いぐらいは心得ているつもりだ」
「ふ~~ん。そう」 (怪しいわね…)
美琴は腹のうちでは納得していなかった。
やがて試着室のカーテンが開かれる。
「ど、どうかな? 似合う?」
恥ずかしそうに上目遣いで聞いてくる打ち止め。
(ほおおお…)「もちろんだよ。最高に似合っているぞ? 打ち止めは
可愛いからテレビにも出られるかもしれないな」
「わーーーい! 当麻に褒められたぁ!!って
ミサカはミサカ無邪気にはしゃいでみたりぃ!!」
上条はぴょんぴょん跳ねる打ち止めの頭を撫でていた。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:03:18.64 ID:PMlyzffA0
(やっぱり怪しいわ……あいつのあの顔……)
美琴がそう思うのは、上条さんの顔が例の動物のものになっていたからだった。
明らかに人間とは異なるその顔。美琴が真実を問いただそうとした時…
『きゃあああああああ!!』 『さわぐんじゃねえ!!』
絹を引き裂くような悲鳴と男の野太い声。
なんと…モール内に強盗が進入したのだ!!
そいつらのリーダーが声を張り上げる。
『全員抵抗するんじゃないぞ!! できれば死人は出したくない!!』
と言いつつ、銃を乱射していた。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:09:55.26 ID:PMlyzffA0
「どうしよう…当麻?」
美琴が不安そうな声を発しながら上条にしがみつく。
「いきなり名前で呼びすてか? まあいい。とにかく落ち着け。
奴らは銃を持っている。あの形状はワルサーPPKかな。
素晴らしいデザインだ。下手に動けば蜂の巣にされるぞ」
「ひいぃ…」
美琴の服を掴む手に力が入る。
『諸君。落ち着いて聞いてほしい。我々も目的は一つ。女児用の水着を手に入れることだ!!
特にウサちゃんプリント付きのものを歓迎しよう!!』
強盗のリーダーは意味不明なことを真面目に言っていた。
彼らは覆面の代わりにウサギのマスクをしている奇妙な集団だった。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:17:12.51 ID:PMlyzffA0
『ウサギこそがこの世で最も愛らしい動物であり、保護されるべき生き物だ。
諸君達にもそれを少しでも分かってもらうため我々は……』
そのバカは演説しながら歩き出し、水着コーナーへ近づいていく。
「なにが起きてるの? あのおじさん、だあれ?」
幼い打ち止めは状況が飲み込めていなかった。
彼女はまだ試着室にいるのだ。
「まずいわね……」
美琴がスカートのポケットからコインを取り出そうとしたが、
すぐ横を風が通り過ぎた。
「え…!?」
美琴は目を疑わざるを得なかった。
それは風ではなく、疾走したシマウマ(上条)だった。
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:23:38.82 ID:PMlyzffA0
「ほらああああああああああああああああああ!!」
「ぎゃあ」「ぐへ」 「があおお」 「いやあ」
美琴が瞬きした瞬間には、強盗は全て吹き飛ばされていた。
「ふ。シマウマこそ、最強の動物なり…!」
格好悪いセリフを格好良いポーズで言う上条。
彼はタックルした直後の体勢のままにやけていた。
足元にはタイヤを引きずったような焦げた跡。
そこからわずかに煙が発生しており、シマウマの神速さを物語っていた。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:29:32.72 ID:PMlyzffA0
「当麻。怪我はなかった!?」
美琴が上条のもとへ駆け出すが…すれ違いなる。
「打ち止めええええ!!」
走り出した上条は美琴を無視して打ち止めを抱きしめる。
「あれれぇ! どうしたの当麻!?ってミサカはミサカは驚いてみたり!」
「俺はおまえのことが心配で心配で……。怪我はなかったか?」
「私は大丈夫だよ? どうして当麻は泣いているの?」
「だってよぉ……う……ひぐっ……」
上条は涙が止まらなかった。強盗が銃を乱射していたので、
流れ弾が当たる危険性を考慮していたのだ。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:36:25.59 ID:PMlyzffA0
「よしよし…当麻は良い子だからもう泣かないでねってミサカはミサカ
ちょっぴりお姉さんぶってみたり」
「……うぅ……やさしいんだな……おまえは……」
打ち止めちゃんに頭を撫でられて安心する上条。
だが…
「あ、ああああ、あんたねぇぇ!! なんで私のこと無視するのよ!!」
美琴が怒っていた。全身を循環するように電流が流れ続けている。
「わわわわわわ! お姉さまが怒ってるんだよってミサカはミサカは……」
「ふぉおおおお! なんで切れてんだよ、あのバカタレは!」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:43:13.98 ID:PMlyzffA0
二人は脅えた拍子に強く抱擁しあい、体が密着する。
(……なん……だと?)
上条は絶句した。打ち止めは水着を着ている。そしてこの体勢では…
(打ち止めの素肌と密着してるようなもんじゃねえか!? おい!)
しかも打ち止めは脅えていて、小動物のように
縮こまりながら目をきつく閉じている。
「ふぉおお……」
シマウマ化が始まろうとするが、美琴の言葉で止められる。
「死のうか」
「え?」
「いや、だからさ。もう死になよ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:51:16.55 ID:PMlyzffA0
美琴は上条の左手首を掴んでいた。つまりいつでも電流が流せる状態だ。
上条は顔面蒼白になりながら時間を稼ぐ。
「はいはい。分かった。よく分かった。冗談はよせって」
「いやいや。冗談じゃないって。いいから死になって」
「またまた、たちの悪い冗談はやめr」
「人の話を聞きなよ。私は本気よ? ロリコンの男なんて死んだ方がいいもの」
「……え? 俺ここで死ぬの?」
「うん」
「……っ!」
上条はここで溜めを作った後、一気に怒鳴り始める。
「っざけんじゃねええ!!」
「……なっ!?」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/20(月) 23:58:34.88 ID:PMlyzffA0
美琴がひるんで手を離したのを見逃さず、たたみかける。
「おまえは嫌なことがあるとすぐそうやってヤンデレ化するのか!?
俺から言わせてもらえばもう古いんだよそういうのは!!
それにワンパターンすぎるだろうが!!」
「な、なによ。偉そうに…」
「ああ! 偉そうで結構だ。だが言っておくけどな、俺の方が年上だぞ。
一時の感情に任せて道を踏み外せば必ず後悔するときが来るんだ!
もっと冷静になれよ冷静に! このバカが! はぁ? はぁ?」
「私は冷静y」
「どこだがよ!? ヤンデレの目をしながら言われても説得力がねえよ!
それにおまえが犯罪者になったりしたら俺が困るんだよ!」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 00:05:36.35 ID:PMlyzffA0
美琴はうろたえながら言い返す。
「な、なんであんたが困るのよ?」
「俺にとっておまえが大切な人だからだよ。言わせんなよ恥ずかしい」
「あ、ななななな!?」
美琴は大切な人というフレーズで動揺しまくる。
恥ずかしそうにうつむき、上条の顔をまともに見られなくなるが…
「ははは。嘘だよバカ女!」
上条は意見をひっくり返した。
「おまえは俺が打ち止めと仲良くしてるのが気に入らないんだろ!?
このビリビリ小姑め!! 若さに嫉妬するのはみっともないぞ!!」
「わわわ、私が小姑ですって!? そう言うあんたはロリコンのくせに!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 00:12:10.81 ID:0xsyfhVK0 [1/21]
「うっせーよ! ヤンデレ女が! おまえせっかく可愛い顔してんのに
その性格のせいで台無しじゃねえか!! 詐欺だろそれ? 泣くぞほらああ!?
なんでもっと素直になれないんだよ!? 佐天さんを見習えよ」
「なんでここで別の女の名前が出てくるのよ?」
美琴が物凄く不満そうな顔をした。
「そんなの言われなくても分かってるだろ? 佐天さんが総合的に
優れた美少女だからだよ。この作品の全ての女は佐天さんを
見習うべきだ。そして初春さんのスカートめくれ」
「へえ? さっきから聞いてりゃ……言いたい放題言ってくれるじゃない……!!」
美琴はとうとう堪忍袋の尾が切れてしまった。
致死量の電流を放つ準備を始める。
しかし…
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 00:20:09.61 ID:0xsyfhVK0 [2/21]
「通報を受けて駆けつけたジャッジメントです。サルじn…上条当麻さんを逮捕します」
白井黒子が事務的に言った。上条に手錠をかける。
「な…?」
「に…?」
上条と美琴は唖然とする。
「おい。ちょっと待てよ、白井。何で俺が逮捕される?
強盗を倒したのは俺だぞ? 恨まれる筋合いはないはずだ」
「公然わいせつ罪ですの。ご自身の姿をよく確認してみてくださいな」
「…あ」
上条は全裸だった。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 00:28:29.51 ID:0xsyfhVK0 [3/21]
「ああ、そう言えば、今までずっと服着てなかったもんね。
逮捕されるのは当然だわ」
美琴がまるで今思い出したように言う。
こうして、上条は逮捕されてしまった。
Take2 終了。 バッドエンド。
敗因分析。 ①全裸 ②打ち止めに欲情 ③美琴に説教
エンディングテーマ Destiny マキノユイ
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:24:26.48 ID:0xsyfhVK0 [4/21]
Take3
「今度はカキ氷が食べたいんだよってミサカはミサカはオネダリしてみたりぃ!」
「そうか。カキ氷が食べたいのか! よし、上条さんが買ってやるぞぉ!」
ここはショッピングモールのフードコート。
上条は打ち止めと手を繋ぎながらスキップし、自然な動作でカキ氷屋に行こうとした。
「……っ!?」
それを遠目から見ていた御坂美琴は呆然と立ち尽くしていた。
(なんであのバカが打ち止めと仲良くしてるの!? あんなに楽しそうに
しているアイツは始めて見るわ。凄く幸せそうで…顔色までいいじゃない。
まままま、まさか…まさかとは思うけど……アイツは……ロリコンなの!?)
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:31:49.59 ID:0xsyfhVK0 [5/21]
上条は目ざとく美琴の姿を確認した。
「げ、あいつは……ビリビリ中学生じゃないか!!
やっべえ! いますぐ逃げたほうがいい!!」
打ち止めの手を引きながら早々に立ち去る。
「そんなに急いでどこ行くの? カキ氷食べたいんだけどってミサカはミサカは…」
「うっせー。ちょ…黙ってなさい!」
不満をもらす打ち止めを強引に制する。
全力疾走でモール外に脱出した。
疲れたので近くの公園で一休みすることにした。
「はぁ…はぁ……走ったから熱いってミサカはミサカは汗をかいてみたり」
ベンチに座り、ノンスリーブのワンピースの胸元をパタパタさせる。
そうすると微妙な膨らみがある素肌の部分が見え隠れした。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:40:41.66 ID:0xsyfhVK0 [6/21]
(ちょ……!!)
上条のシマウマ化が始まろうとするが、ここでシマキャンを発動。
「…!! う、打ち止めぇ! 何か飲みたいものがあれば買って来てやるぞ!!」
「そうだなぁ…イチゴおでんがいいかも!」
「了解っす!!」
「…?」
明らかに動揺しながら自販機に向かう上条。
打ち止めは彼の様子を不思議そうに見つめていた。
「イチゴおでん…イチゴおでん…。なんだ売り切れじゃないか。はぁ。不幸だ」
人気商品なのか、すでに売り切れていた。ため息をつく上条。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:48:26.20 ID:0xsyfhVK0 [7/21]
ここでボーイミーツガールが発生。
「上条さん。久しぶりですね」
「あ、佐天さんじゃないっすか! ちわーっす! 今日もまた一段とお綺麗ですね!」
上条は年下の佐天さんに頭を下げていた。
佐天さん不敵に笑い始めた。
「あははは。私が綺麗? そんな当たり前のこと言われてもうれしくないですよ。
それよりジュース買わなくていいんですか?」
「いやぁイチゴおでんが欲しかったんすけど、売り切れてたんですよ!」
「ぷっ…あはははは、あははははははははは!! さすが不幸体質ですね!」
「ア……そんな……冷たい目で……ああ……」
上条は脳みそがとろけてしまった。佐天さんは隠れサディストだったのだ。
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 15:56:37.14 ID:0xsyfhVK0 [8/21]
「何だらしない顔して酔っ払ってるんですか? 超だっさいんですけど?
気持ち悪いからやめてくださいよ。またお仕置きが必要ですか?」
「何ぃ? 年下のくせに言わせておけば…!!」
佐天さんからは年上に対する敬意が微塵も感じれれない。
その冷たい態度に憤慨した上条は……
「早くお仕置きしやがれ!! ビビッてんのか? ああ!!?」
四つんばいの姿勢になっていた。しかも上半身裸である。
「私を罵倒するなんていい度胸じゃないですか」
ふみ ふみ ふみ
どSな佐天さん。略してssは両手を組みながら上条の背中を踏みつける。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:04:48.08 ID:0xsyfhVK0 [9/21]
「あ……な……これは……」
「気持ち良さそうな顔するなんてさすが上条さんですね。つい最近まで
小学生だった女の子に踏まれるのがそんなにうれしいんですか? この変態!!」
「はぁ……はぁ……」
「ったく、なんで私が上条さんみたにな変態のために時間を割くのか分かりますか?
あなたが地球のゴミだからですよ。綺麗に掃除しないと他の人に迷惑でしょ?」
それを遠くからずっと眺めていた打ち止めがやってくる。
「お姉さんと当麻は何して遊んでるのぉ!? それはもしかしてお馬さんごっこ
なのかなってミサカはミサカはとっても興味津々だったり!」
そのまま上条の上に乗っかる。
「わーい! お馬さん歩いてぇ!」
「な…!?」
上条は驚嘆しつつも従った。四つんばいの姿勢のまま前進する。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:12:30.89 ID:0xsyfhVK0 [10/21]
「あははは! お馬さんだぁああ!!」
「はぁ……はぁ……」
喜ぶ幼女と息を荒くする怪しいシマウマの図だった。
(よ、幼女に乗られるのも妙に快感だな……
俺は…新しい性癖に目覚めようとしているのか?)
その思考は黒子の声によって中断される。
「ジャッジメントですの」
巡回中だった黒子がキメ台詞と共に腕章を強調させる。
「わあああああああああああ!!」
上条はそのままの体制で逃げ出した。
黒子のテレーポートですら追いつけないほどの俊敏さだった。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:20:05.37 ID:0xsyfhVK0 [11/21]
その日の夜。
上条はとある倉庫で一方通行と密会していた。
「上条よォ。打ち止めと一緒にすごしてもう何日目になる?」
一方が聞いた。
「3日目かな。いまでは妹のように思っている。
打ち止めも俺のことを気に入ってくれているしな」
上条はテーブルに肘をついた体勢で答えた。その対面に一方がいる。
「そうか。おめェにあいつを預けたのは正解だったみてェだなァ」
一方は吸い終わったタバコを灰皿に押し付けた。
新しいタバコを取り出して一服。
もくもくと煙を吐き出した後、真剣な顔で語りだした。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:32:44.45 ID:0xsyfhVK0 [12/21]
「ロリコンの先駆者として、おめェに忠告しておくことがあるンだがな…」
「…っ!」
上条は緊張した。重い雰囲気に圧倒されそうなほどだった。
「この国でロリコンに価値などない」
一句一句をくぎるように発音していた。
「相次ぐ公務員の児童わいせつ事件。児童ポルノ法のあいまいな定義。
マスコミによるマイナスイメージの宣伝。ロリコンにとって最悪の世の中だ」
「だが、俺達はこの世界に住むしかない。他に居場所はない」
「世界は…ここだけ」
「このちっぽけな世界だけだ」
一通り言い終わると、一方はタバコを吸って煙をふかす。
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:40:18.69 ID:0xsyfhVK0 [13/21]
上条は額に汗をかいていた。胃がキリキリと痛みを訴えていた。
一方が話を続ける。
「なあ、上条。いい加減大人になれよ」
「…?」
「打ち止めだっていつかは大きくなる。
あの御坂そっくりに育ったあいつを見るのがつらいだろう?
それはおまえがロリコンだからだ」
「……」
上条は複雑そうな顔をして黙っていた。
一方は不敵に微笑みながら話を続ける。
「俺はおまえの最高の友人だぞ? 目を覚ませ」
「……」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:49:13.64 ID:0xsyfhVK0 [14/21]
「世間的にロリコンは悪として認知されている。
淘汰されるべき対象だ。まともに人間扱いされない。
そんな腐った世界で一人の高校生に何ができる?」
「……」
「何もない。ロリコンは嘲笑され、罵倒され、地に這いつくばり、
地面のクソを舐めながら生きていくしかない」
彼が言い切ると、上条は気まずそうに目をそらした。
一方は軽くため息をついて席を立つ。
「話は終わりだ。つまンねえこと聞かせちまって悪かったなァ。
今日は遅いからもう帰れ。禁書たちが待ってンだろ?
打ち止めはおまえにもう少し預けてやるからよ」
それだけ言い残してどこかへ消えてしまった。
倉庫の中は暗くて彼の行方を知ることは出来ない。
上条は複雑な思いのまま帰宅して寝た。
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 16:57:49.26 ID:0xsyfhVK0 [15/21]
翌日の朝のことである。
「おっはー」
「な…!?」
上条が学校に行くために玄関を開けたことろ、
そこには初春さんが立っていた。
「上条さん。おっはー!」
「は…?」
頬をつねって自分の正気を確かめたくなったが、
何度見ても目の前で明るく挨拶しているのは初春さんだった。
「今日は天気がいいので迎えに来ました。一緒に登校しましょ?」
「いや…おま…ちょ…待て待て!! 百歩譲って登校するのはいいよ。
でも俺は初春さんにフラグを立てた覚えはないぞ?」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:05:48.82 ID:0xsyfhVK0 [16/21]
「それがあるんですよ」
初春の話によると、グラビトン事件の影の功労者である上条を慕っていたらしい。
いつか上条とお近づきになりたいと考えていたが、美琴や禁書が邪魔だったとのこと。
「あの時。私こう思ったんです。上条さんを調教したいって。
そしてようやく機会が訪れました。この写真に見覚えはありますか?」
「……てめえ!!」
見た瞬間に上条は感情的になる。手を伸ばして写真を奪い取ろうとするが、
かるく回避されてしまった。初春は見た目よりも身軽だった。
写真には上条が佐天さんに踏まれて喜んでいるところが写っていた。
「落ち着いて聞いてください。この写真は画像データとして
私のPCに保管されています。私に危害を加えたりすればどうなるか。
賢明な上条さんなら言わなくても分かりますよね?」
「く……! まさかこんな悪党だったとは…!」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:10:40.40 ID:0xsyfhVK0 [17/21]
「えへ」
初春はくったくなく笑った。実は腹黒だったのである。
「でも私のそういうところにも萌えませんか?」
「ああ? んなわけねーだろ! このお花畑女が!!」
「……」
「……」
沈黙が生まれる。
上条は口が滑ったことを心底後悔した。
「……」
「……」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:15:53.38 ID:0xsyfhVK0 [18/21]
初春が口を開いた。
「上条さん?」
「は、はい。なんでしょうか」
「二度と私の花のことを口にしないと誓えますか?」
「…! 誓う。さっきのは冗談だよ。すまなかった」
「そうですか。それでは誓いの証としてこれをどうぞ」
そう言って上条に手錠をつけた。
手錠には長いロープが付けてあり、初春の手元まで伸びてる。
「本当は手荒なマネはしたくありませんでした。
上条さんが生意気だから悪いんですよ。
拷問されなかっただけでもありがたいと思ってくださいね?」
「はい…。すみませんでした」
初春は素敵な笑顔でそう言うが、目は全く笑っていなかった。
上条はすでに抵抗を諦めていた。
「行きましょうか。遅刻していしまいますよ」
淡々とした様子で歩き出す初春。
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:20:29.58 ID:0xsyfhVK0 [19/21]
上条は、おまえと俺じゃ学校の方向ちげーだろ、と思いっきり突っ込みを
入れたい衝動に駆られたが、喉元ま出掛かった言葉を呑みこんだ。
朝の通学路の衆人環視の中、上条は恥ずかしさのあまり死になりながら歩いていた。
「今日もいい天気ですね」
「はい」
「返事は、わん、でしょ?」
「わん」
「うふふ」
初春は貴婦人のように優雅に歩いていた。
背筋を伸ばし、片手で手錠用のロープを握りながら欠伸をしていた。
(このまま終るわけねえ。絶対にビリビリあたりが登場して厄介ごとになる)
結果的に言うと上条の懸念は正しかった。
だが、登場するのは少女ではなかった。
「おいそこのお花畑女ァ。てめェ。上条にナニしてやがる?」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:27:09.45 ID:0xsyfhVK0 [20/21]
目つきの悪い少年。一通(アクセラレータ)さんだった。
「………うふふふ」
初春は静かに切れていた。お花畑と言われるのは本日二度目である。
頭に花飾りのカチューシャをつけることは彼女の義務であり、ポリシーだ。
「…ふっ」
踏み込みを入れて、一通さんに飛び掛ろうとするが返り討ちにされた。
「……!?」
初春の体は冗談のように吹き飛び、遠くにあるビルの三階に突っ込んだ。
「華麗に決まったぜ。必殺……シマウマパンチ!」
なんと、一方通行は上条の必殺技を模倣したのだった!!
上条が慌てる。
「なぜおまえがその技を!?」
「おめェのシマウマっぷりに惚れたからだよ。いつの日か、
俺は上条のような正義の味方に憧れるようになった。
そしてロリコンを卒業した。なぜなら、俺はおまえのことが…」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしますす[] 投稿日:2010/09/21(火) 17:34:20.56 ID:0xsyfhVK0 [21/21]
「え?」
「皆まで言わせんなよ恥ずかしい。とにかく
助けてあげたンだからよォ。いいよなァ?」
「ちょ」
「いい声で鳴いてくれよ?」
「アッーーー!!」
上条はケツを掘られた。手錠されたままだったので抵抗できなかったのだ。
Take3 終了。 最悪のガチホモエンド。
敗因分析。 ①一方がガチ ②初春が黒い ③佐天さんがヤバイ 結論:みんなヤバイ
エンディングテーマ ユーフォリア マキノユイ
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書き溜めに戻ります。
ここでスレ落ち
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コメント
No title
この作者ってアニメや二次SSの知識だけでSS書いてるよな
いつもシマウマでふくww
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