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紬「斉藤、いつまでこんなことを続けるの?」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:00:58.72 ID:0JgTSKtF0 [1/15]
唯「ふわっふわった~いむ♪」

ジャーン♪

紬「ふう……」

梓「今の良かったですね!」

唯「みんなピッタリ合ってたよ~♪」

澪「よし、今日はこのくらいにしておくか」

2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:05:50.84 ID:0JgTSKtF0 [2/15]
律「ふい~、つっかれたあ……」

梓「久しぶりにいっぱい練習できましたね」

紬「それじゃあ後片付けして帰りましょうか」

唯「ねえねえ、アイス食べに行かない?」

律「唯はまたアイスか。本当に好きだなあ」

唯「えへへ……」

3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:10:26.84 ID:0JgTSKtF0
澪「ん……でも天気悪いぞ?」

梓「あ、雨ひどいですね。練習に夢中で気付きませんでした」

紬「夜からもっとひどくなるらしいから、今日は早く帰ったほうがいいかも……」

律「だってさ。今日はやめとけ」

唯「え~?」ブー

梓「ほら、早く行きましょうよ」

4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:14:56.13 ID:0JgTSKtF0
唯「しょうがないなあ……じゃああずにゃん分を補給するだけでいいやっ」ギュウッ

梓「にゃっ!?は、離れて下さい!」ジタジタ

澪「はは、何やってんだ」

紬「唯ちゃんと梓ちゃんはいつも仲良しね~♪」

唯「えへへ~、ぎゅ~♪」

梓「にゃあ……」

6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:18:26.34 ID:0JgTSKtF0
……

唯「ほわっ!?」

梓「唯先輩、どうかしたんですか?」

唯「校門のとこ!ほら、見て!」

澪「うわ、何かでっかい車が止まってるな」

律「おおおっ、何かすげえな」

斉藤「お嬢様、お待ちしておりました」

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:23:55.97 ID:0JgTSKtF0
紬「斉藤?どうしてここに……」

唯「えっ、もしかしてムギちゃんの家の執事さん!?」

斉藤「左様でございます。さあお嬢様、どうぞ」

紬「……私、迎えなんて頼んでないわよ?」

斉藤「しかし、この雨ですので……」

紬「結構よ、みんなと一緒に帰るから必要ないわ。校門の前にいても邪魔だし、早く戻ってちょうだい」

斉藤「し、しかし……」

8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:28:02.16 ID:0JgTSKtF0
律「む、ムギ?」ビクビク

紬「あら、何?りっちゃん」ニコッ

梓(な、何だかムギ先輩が怖い……)

律「わざわざ迎えに来てくれたんだし、車で帰ったらどうだ?この雨だと絶対濡れるし……」

唯「うんうん!ムギちゃんのふわふわの髪を濡らすのはよくないよ~」

紬「でも……」

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:33:34.14 ID:0JgTSKtF0
澪「私たちも出来ればムギと一緒に帰りたいけどさ……」

梓「このまま帰らせちゃうと執事さんに申し訳ないです」

斉藤「……」

紬「……そうね、分かったわ」

斉藤「お嬢様……!」

紬「それじゃあみんな、今日はここで」


12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:37:33.79 ID:0JgTSKtF0
唯「ムギちゃんばいば~い♪」

律「明日は寄り道しような!」

澪「また明日な、ムギ」

梓「お疲れ様でした」

紬「うふふ……また明日ね♪」

斉藤「それでは失礼いたします」ペコッ

ブロロロ…

14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:43:13.20 ID:0JgTSKtF0
唯「ほえ~……」

澪「……」

律「……」

梓「……」

唯「凄かったね~」

澪「私、執事さんなんて初めて見たよ」

律「車もえらい高そうだったよな」

15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:47:32.70 ID:0JgTSKtF0
梓「ムギ先輩っていったい……」

ザー…

唯「わわっ、また雨が強くなってきた」

澪「私たちも早く帰ろう!」

律「よっし、走るぞ~!」

梓「傘あるんですから走らなくとも……」

唯「ギー太は守り抜いてみせる!」フンス!

16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:51:54.49 ID:0JgTSKtF0
澪「部室に置いておけばいいものを……」

梓「私もむったんは守ってみせます!」

唯「お~、あずにゃんやる気だね~♪」

澪(……あれ、もしかして部室に置いて来たの私だけ?)

律「あれあれ~?澪ちゃんのベースは大丈夫かな~?誰かに盗られたり……カビが生えちゃったりしないかなあ~?」

澪「ひいいいっ!?」

18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:55:12.21 ID:0JgTSKtF0
……

紬「……」

斉藤「……」

紬「……ねえ、斉藤」

斉藤「はい、何でしょうかお嬢様」

紬「あなた、いつまでこんなことを続けるの?」

20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:59:14.01 ID:0JgTSKtF0
斉藤「こんなこと、とは?」

紬「決まっているじゃない。一体いつまで執事の真似事なんてする気なの?」

斉藤「……意味を、理解しかねます。私は琴吹家に忠誠を誓った身。真似事ではございません」

紬「……」

斉藤「……」

紬「とぼける気?」

斉藤「何も申し上げることはございません」

22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:02:16.14 ID:0JgTSKtF0
紬「それならはっきり言わせてもらうわ。いつまで野球から逃げるつもりなの?……『斉藤和巳』さん」

斉藤「ッ!」

紬「鷹のエースと呼ばれ、一世を風靡していたあなたが執事とはね……」

斉藤「……」

紬「もう一度言うわ。あなたはいつまで野球から逃げるつもりなの?」

斉藤「わ、私は……」

紬「……」

25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:06:35.07 ID:zB98bmUn0 [1/35]
斉藤「私の肩は、もう」

紬「言い訳はやめなさい!その肩……使い物にならないとは言わせないわよ?」

斉藤「く……」

紬「手術は成功したはず。リハビリをしっかりやれば、あなたがまたマウンドに立てることは分かっているわ」

斉藤「……」

紬「あなたは逃げているだけ。野球から、チームから、ファンから……何より自分自身から」

27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:10:09.86 ID:zB98bmUn0 [2/35]
斉藤「に、逃げてなど……」

紬「それだけじゃないわ。あなたが野球から離れた決め手……それはホークスから見捨てられたことよね?」

斉藤「なっ!?」

紬「あなたは来季から育成枠に入るかもしれないらしいわね」

斉藤「……」

紬「拘り続けた背番号66は剥奪され、億越えの年棒は50分の1くらいになってしまうのかしら?」

斉藤「……っ!」ギリッ

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:15:51.65 ID:zB98bmUn0 [3/35]
紬「その屈辱があなたには耐えられなかった。だからあなたは自分のちっぽけなプライドを守るため、野球から背を向けようとしているのよ」

斉藤「だ、黙れ……」

紬「3年間登板なしで5億2000万も貰っていたというのに……本当にあなたは恩知らずのちっぽけな男ね、斉藤」

斉藤「黙れえええええっ!お、お前に俺の何が分かるんや……!俺は、俺はなあっ!」

紬「……」

斉藤「俺だって投げたい気持ちはある!でもなあ、来年もリハビリでシーズンを潰すことはほぼ確定的なんや!その上育成枠にまで落とされるくらいなら、誰にも気づかれないよう消えたほうがっ」


35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:20:23.19 ID:zB98bmUn0 [4/35]
紬「口を慎みなさい、斉藤。あなたは私に……琴吹家に仕えているのだから」

斉藤「くっ……申し訳、ありません」

紬「……」

斉藤「……」

紬「でも、安心したわ」

斉藤「……え?」

紬「あなたに投げたい気持ちがあるということが分かって」

斉藤「……」

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:25:11.61 ID:zB98bmUn0 [5/35]
紬「斉藤、今日からリハビリを始めなさい。琴吹家が全力でバックアップするわ」

斉藤「えっ!?し、しかし……」

紬「あなたは日本球界に必要な人間よ!いつまでもウジウジしてないで目覚めなさい!男でしょう、あなたは!」

斉藤「……!」

紬「……斉藤。死ぬ気でリハビリをする気はある?」

斉藤「……はいっ!あります!」

紬「ふふ……頑張りましょう!」

斉藤(やってやる……やってやるぞ!」

43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:30:52.85 ID:zB98bmUn0 [6/35]
……

紬「あれからあっという間に一か月……斉藤、調子はどう?」

斉藤「はいっ、ええ感じです!医者からも投球許可が出ました!」

紬「やったわね!」

斉藤「はい……お嬢様を始め、協力してくれた皆さんのおかげです。何とお礼を言ったらいいか」

紬「お礼なんていいわ。さて、今日はここ……桜が丘のグラウンドに来てもらったわけだけど」

47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:34:45.51 ID:zB98bmUn0 [7/35]
斉藤「ええ、呼び出された時はいったい何事かと」

紬「あなたには今日ここで、テストを兼ねて勝負をしてもらうわ」

斉藤「勝負?」

紬「ええ、私が呼んだ人との一打席の勝負。それに勝てば晴れてリハビリ完了よ」

斉藤「なるほど……それで相手は?」

紬「もうすぐ来るはずよ。ここの生徒なんだけど……」

49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:37:38.57 ID:zB98bmUn0 [8/35]
斉藤「えっ?ち、ちょっと待って下さい!」

紬「何かしら?」

斉藤「お嬢様の学校……つまりこの桜が丘は女子高なのでしょう?」

紬「ええ、もちろん」

斉藤「ここの生徒ってことは、相手は女?」

紬「そうなるわね」

51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:41:22.54 ID:zB98bmUn0 [9/35]
斉藤「ははっ、冗談は止めてくださいよ。負けるわけがないじゃないですか」

紬「……」

斉藤「まったく、何を言い出すのかと思えば……はははっ」

紬(言葉遣いから気になってたけど、斉藤和巳……すぐ調子に乗るのね)

紬「笑うのは、相手に勝ってからよ。……来たわ」

斉藤「はいはい」

ザッ

憂「えっと、何か用でしょうか?紬さん」

53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:43:59.71 ID:zB98bmUn0 [10/35]
斉藤(おいおい、こんなひ弱そうな子が相手かい)

紬「憂ちゃん、よく来てくれたわ」

憂「いえ、通り道ですし」

紬「わざわざ憂ちゃんに来てもらったのは他でもないわ、この人と勝負をしてほしいの」

斉藤「……」ペコッ

憂「えええっ!?し、勝負って」

紬「安心して、野球での勝負だから」

54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:46:36.22 ID:zB98bmUn0 [11/35]
憂「やきゅう……?」

紬「勝負は一打席。ヒット性の当たりを打ったら憂ちゃんの勝ちよ」

斉藤「前に飛ばせたら……いや、バットに当てれたら勝ちでもええですよ?」

紬「黙りなさい。斉藤、マウンドへ」

斉藤「はい」

憂「え?え?」

56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:51:21.69 ID:zB98bmUn0 [12/35]
紬「憂ちゃん、急にこんなことを頼んじゃってゴメンね?でも、どうしても必要なことなの!協力してもらえないかしら……?」ウルウル

憂「は、はい。よく分かりませんけど、それでお役に立てるのなら……」

紬「ありがとうっ!はいこれ、バットとヘルメット。怪我しないように気をつけてね?」

憂「分かりました!」

斉藤(はは、何だあの構え。あんなんじゃ当たるものも当たらんで?)

斉藤「それじゃあ行きますよー?」

紬「ええ、いいわよ。それと斉藤、最初に言ったけどこれはテストだから……本気でやるのよ」

斉藤「分かってますって」

57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:54:27.46 ID:zB98bmUn0 [13/35]
紬「それじゃあ始め!」

斉藤「……」ジリッ

憂「……」

憂(な、何か怖い……)

斉藤(これは俺の肩のテスト。変化球なんて小細工はせず、直球だけで行く!)

斉藤「ふうっ!」シュッ

ズバーンッ!

憂「ひゃあっ!?」

59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:57:40.99 ID:zB98bmUn0 [14/35]
紬「……ストライク」

憂「は、速い……」ビクビク

斉藤(怖がらせちまったかな?)

憂(あんなの打てないよお……)

紬「憂ちゃん、怖がらないで。コントロールは保証するから」

憂「で、でも……」

紬「大丈夫よ。バッティングセンターにいると思って打ってみて?」

憂「バッティングセンター……」

60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:00:17.01 ID:zB98bmUn0 [15/35]
斉藤「2球目行きますよ!」シュッ

憂「……」

ズバンッ

紬「ストライク、ツー」

斉藤(ふふ、反応もできずか。三球三振だな)

憂「自分の前に壁を作るイメージで……」ブツブツ

斉藤「ふっ!」シュッ

61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:04:12.07 ID:zB98bmUn0 [16/35]
憂「来た球を……打つ!」ブンッ

キインッ

斉藤「なっ!?ボールは!?」バッ

紬「……あそこよ」

…フッ

斉藤「場外……ホームラン……?」

憂「わあっ打てた!打てましたよ、紬さんっ!」ピョンピョン

62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:06:51.21 ID:zB98bmUn0 [17/35]
紬「憂ちゃん凄いわ~♪」ナデナデ

憂「えへへ……」

斉藤「……」ズーン

紬「さて、と。斉藤」

斉藤「お嬢様……」

紬「まだまだ調子に乗るのは早いということが分かった?これからは球威を取り戻すためのメニューを……」

斉藤「お世話に、なりました」

紬「えっ」

64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:09:19.42 ID:zB98bmUn0 [18/35]
斉藤「もう俺にはプロの資格はないです……球団にも改めて伝えときます」

紬「ち、ちょっと」

斉藤「俺の代わり……いや、そんな失礼なことは言えませんね」チラッ

憂「……?」

斉藤「とにかく球団には、松中さんや小久保さんの後釜が見つかったと伝えますんで」

紬「何を言って……!ホークスにはあなたが必要なのよ!?」

斉藤「いえ、よう考えたら先発にはスギやワッチに大隣、ホールトンに真介や山田までおりますし。俺はもう……」

紬(く、まさかここまで弱気になるなんて……!)

65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:13:41.78 ID:zB98bmUn0 [19/35]
斉藤「頑張れよ、未来の三冠王」ポンッ

憂「えっ?えっ?」

斉藤「ほな、また……」ダッ

紬「ああっ!?斉藤ーーーっ!」


憂「……」

憂「えっと……いったい何だったんだろ?」

憂「あ、早く帰って晩御飯作らないと!」

68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:19:31.37 ID:zB98bmUn0 [20/35]
……

斉藤「……はあ」

斉藤「まさか女子高生に柵越えされるとはな。笑ってまうわ」

斉藤「これからどうすっかな……」

律「お~い、澪~」

澪「ん、律か」

斉藤(あれは確かお嬢様の……。って何で隠れてんだ俺)ササッ

71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:22:55.13 ID:zB98bmUn0 [21/35]
律「昨日の試合見た?」

澪「昨日の試合って?」

律「野球だよ、や・きゅ・う!ホークスが連敗しちまったよ」

澪「ああ、それか。昨日は杉内が投げたんだよな?」

斉藤「……」

律「ああ、でも5回もたずノックアウトだよ。和田の調子も悪いし……」

澪「最近は先発陣が踏ん張れないよな、ホークスは」

73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:26:15.69 ID:zB98bmUn0 [22/35]
律「SBM48とか言ってるけど、どんなに磐石な必勝リレーでも先発が頑張らないと意味ないのになあ」

澪「でもホークスって先発陣がかなり強くなかったっけ?」

斉藤「……!」

律「あ~、数年前はな。杉内・和田のダブルエースに加えて、新垣と斉藤で4大エースって呼ばれてたなあ」

澪「杉内と和田はともかく、あと二人はどうしたんだ?トレード?」

律「まさか!新垣は今2軍だよ。もともと暴投王だったからなあ」

澪「へ~」

斉藤(渚……)

74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:30:17.84 ID:zB98bmUn0 [23/35]
律「あとは斉藤か……あいつは今、プロブロガーやってるよ」

澪「はあ!?何だそれ」

律「だからブログやってばっかなんだよ。怪我して2007年以降は一回も投げてない」

澪「おいおい……」

斉藤(……)

律「ブログで日記書いて、彼女とデートしてるだけで数億円なんだもんなあ。世の中狂ってるよ」

澪「球団は何をやってるんだよ……」

76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:33:41.82 ID:zB98bmUn0 [24/35]
律「でも斉藤は来年は支配下登録から外れるかもしれないってさ」

澪「え、クビ?」

斉藤(っ!)

律「いや、育成枠になるかもってさ」

澪「かつてのエースが育成枠って前代未聞だな」

律「ぷぷっ、そうだな」

澪「それにしてもホークスは優勝どころかCSも危ないんじゃないか?」

78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:38:46.77 ID:zB98bmUn0 [25/35]
律「そうなんだよなあ。はあ、どっかに鷹の救世主はいないもんかね~?」

澪「そう簡単には見つからないから救世主なんだろ?さっ、帰るぞ」

律「お~」

斉藤(……)

斉藤「救世主か……俺には無理だ」

斉藤「プロブロガー、か。はは、言いえて妙だ」

斉藤「そうだ、ブログ……ブログを更新しないと……。俺を待っている読者のために……」フラフラ

82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:43:54.12 ID:zB98bmUn0 [26/35]
紬「……そうやって、また逃げるのね」

斉藤「!?」

紬「言っておくけど、ブログの読者が聞きたいのは鷹のエース・斉藤の言葉よ。野球を捨てた負け犬を待っているんじゃない」

斉藤「う……」

紬「戻りなさい、斉藤。リハビリを続けるわ」

斉藤「でも俺はもう……女の子にも打たれて……。渾身のストレート、130も出てなかった……」

紬「球威が戻っていないのだから当たり前よ。それに球速のせいにしないで。和田選手は120km/hの直球を150km/hに見せて三振の山を築いた、という逸話を持っているわ」

斉藤「……」

83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:48:36.95 ID:zB98bmUn0 [27/35]
紬「……」

斉藤「俺は、」

紬「……周りに何を言われようと、何を思われようと、俺のことを必要としてくれてる以上は頑張る」

斉藤「え……?」

紬「『投げれる』ことを信じて『今』を頑張る。その時の気持ちに『正直』に生きて行くのが『ROUTE66』や!」

斉藤「!!!」

紬「……分かる?あなたの言葉よ、斉藤」

斉藤「……ええ、もちろん」

84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:53:37.02 ID:zB98bmUn0 [28/35]
紬「あなたは自分の言葉通りに生きてるの?あなたのROUTE66とやらはこんなところで終わるの?」

斉藤「……」

紬「私は、私たちホークスファンは、いつまでもエース・斉藤和巳の帰還を信じているわ」

紬「立ち上がりなさい、斉藤!あなたの2003年の20勝は……!2005年の16勝は……!2006年の18勝はっ!」

紬「投手四冠王は、2度の沢村賞はっ!」

紬「過去の栄光なんかじゃ……ない!」

斉藤「おじょう、さま……」

85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:59:28.20 ID:zB98bmUn0 [29/35]
紬「あなたはまだやれる。絶対やれるから……!」ポロポロ

斉藤「……」グッ

紬「斉藤……?」

斉藤「ふふ、お嬢様を泣かせるなんて執事失格ですね」

紬「……」

斉藤「やりますよ、俺」

紬「え……?」

斉藤「もう一度、必ずマウンドへ戻ってみせます!お嬢様のために、俺を信じてくれるファンのために!」

86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:02:28.08 ID:zB98bmUn0 [30/35]
紬「斉藤……!」

斉藤「不束者ですが、よろしくお願いします」

紬「ふふ、ここで使うにはおかしな言葉よ、それ」

斉藤「ははは、そうですか?」

紬「うふふふ♪斉藤!」

斉藤「何でしょう?」

紬「頑張りましょう!」

斉藤「はいっ!」

87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:07:05.00 ID:zB98bmUn0 [31/35]
……

紬「みんな~、お茶が入ったわよ~」

唯「わ~い♪」

澪「おおいっ!?」

梓「練習……」

律「ティータイムの後にちゃ~んとやるって♪」

澪「絶対だぞ!」

89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:10:20.21 ID:zB98bmUn0 [32/35]
紬「お茶菓子で~す♪」ドサッ

唯「おおうっ!?何か今日はいつもよりさらに豪勢だね~!」

梓「す、すごい量ですね……」

律「ムギ、何かいいことでもあったの?」

紬「復活祝いで~す♪」

澪「復活祝いって……誰の?」

紬「うふふ、秘密♪」

唯「何だかムギちゃん楽しそうだね~♪はむっ、うまい!」

律「もう食っとる……」

92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:12:20.46 ID:zB98bmUn0 [33/35]
梓「もう唯先輩!口元にクリームがついてますよっ」

唯「あずにゃん取って~」

梓「なっ……も、もう。しょうがないですね」

律「いちゃつくなら他所でやれ~」

梓「そ、そんなんじゃないです!」

唯「えへへ~、私とあずにゃんはラブラブだよ~♪」ギュウ

梓「や、やめて下さい!///」ジタバタ

澪「こらこら、暴れるな~」

紬「うふふ……」

93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:14:25.76 ID:zB98bmUn0 [34/35]
『……さあ首位攻防戦、大変なことになって参りました!お聞きください、この大歓声!』

『そうです、満身創痍のホークスにこの男が帰ってきているのです!炎のエース・斉藤和巳!肩の手術で今季絶望という話だったのですが……』

『ここまで首位・西武の強力打線の前に獅子奮迅の投球。なんと8回までに打たれたヒットは0!信じられません、本当に復帰後初登板なのでしょうか!』

『9回のマウンドにももちろん斉藤が上がります。さあ2007年以来の勝利へ、大記録へと向かってエースが躍動するっ!』

『第1球、投げた!ストライク!低め厳しい球……』


斉藤和巳。背番号66。 1995年、南京都高からドラフト1位で福岡ダイエーホークスに入団。
2000年、6月24日に対千葉ロッテ戦でプロ初勝利。
王貞治監督ら首脳陣には2003年1月に「エースは斉藤か寺原」と明言され、3月28日の対ロッテとの開幕戦で初の開幕投手を務め勝利。

その後プロ野球新記録となる先発16連勝を記録するなど、パ・リーグでは1985年佐藤義則以来となる20勝を記録。
2004年は調子を崩すものの、2005年に開幕15連勝を含む16勝、2006年には18勝を挙げチームを牽引。
気持ちを前面に押し出す投球でホークスのエースとして活躍。
度重なる肩の故障と手術により、2008年からは一軍での登板なし。

最多勝2回、最優秀防御率2回、最多奪三振1回、ベストナイン2回、沢村賞2回、1イニング4奪三振など、数々の輝かしい記録を持つ。
現時点での通算成績は79勝23敗、防御率3.33。
1977年11月30日生まれ。身長192cm、体重96kg右投げ右打ち。


終わり♪

98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:24:15.55 ID:zB98bmUn0 [35/35]
まあただの一発ネタだったんだけど、どうしてこうなったんだろうな?
斉藤には早く復帰してプロ野球を盛り上げてほしい。国際舞台にも立って貰いたいし
ちなみに俺は楽天ファンです
おやすみ

コメント

No title

プロブロガ―がついにssに進出か…

斎藤とか二年前に辞めたと思ってたわ

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