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891-894 建宮⇒シェリー
891 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/09/05(日) 00:34:25.06 ID:tP4OkIAO [1/4]
俺さ、SSにはシェリーが足りないと思うのよな
それで色々と妄想突き詰めていったら建宮×シェリーとか、なんかマイナーにも程があるカップリングにたどり着いたから数レス貰います
とりあえず二人は悪口を言える程度に仲良しで、原作の展開は色々と放置で二人が似てなくても寛大な心で受け止めてくれると嬉しい
俺さ、SSにはシェリーが足りないと思うのよな
それで色々と妄想突き詰めていったら建宮×シェリーとか、なんかマイナーにも程があるカップリングにたどり着いたから数レス貰います
とりあえず二人は悪口を言える程度に仲良しで、原作の展開は色々と放置で二人が似てなくても寛大な心で受け止めてくれると嬉しい
892 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/09/05(日) 00:35:48.69 ID:tP4OkIAO [2/4]
王立美術院の規模を、縦横だけじゃなく三次元の方向にも適用した建築家に足腰関連での恨みつらみを覚えながら
苦心惨憺えっちらおっちらと情けなく階段を昇りつめた先、収穫期の麦畑あたりへ沈めたら絵の如く馴染みそうな琥珀金の髪が風に靡くのを建宮は見た。
嗚呼、眩しい。思わず瞳を細めると闇夜に蕩けるようなゴシックロリータを纏う人は、背中で微かに笑ったようだった。
「もう歳かしら、建宮」
「……シェリーの評価は判定が厳しすぎる気がするのよな」
親しさ故の毒舌は許容範囲内なのでわざとらしくメソメソしてみたりしながら、ゆっくり歩いて二人の間にある距離を自分から狭めていく。
呆れた笑みを胡乱な表情で隠してこの屋上に一脚しかない木椅子を引寄せ、何しに来たのかと問うてくるシェリーの瞳に笑みを返し、
見られれば仲間に馬鹿にされそうなほど芝居掛かった大仰な動作で闇に満ちる満艦飾の天涯を身体ごと仰ぎ見る。
それから、そのままの体勢で誘うようにチラチラと視線で彼女を覗き見するも――既に女獅子の双眸は夜空へと張り付けられていた。
手に軽く握っているのは彫刻品だろうか。
玩具みたいに小さい癖に精巧な獅子の像を瞳に映して――嗚呼、綺麗だな。確かにそう思う。
すすす、と、横歩きで互いの距離を手が繋げるくらいにしてから、自然に言おうとしたのにわざとらしくなった感嘆を零した。
「……近いなぁ」
「ん。あぁ、空か。テメェが星見に関心が有るとは、びっくりしたわ」
「建宮さんこれでもロマンチストだから、当たり前なのよな」
「はっ、ほざいてろ。まあでも、魔術的に星は恰好の対象だから天草式でも術式に利用したりするのかしら」
「いやいや、うん、そうなんだけど、そうじゃねえのよな」
893 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/09/05(日) 00:37:29.95 ID:tP4OkIAO [3/4]
王立美術院の屋上から俯瞰する眺望は驚くほど美しかったけれども、しかし今だけは食指が別物に向いていた。まぁでも、しょうがない。
今日ばかりは逃がしてやるつもりもないのにこれ以上あたりさわりない会話の話題を選ばせるのも人が悪いから、少し性急になろう。
「そうじゃなくて、さ。だから。その、よな」
語りかけても、訝しげに、或は眩しげにしながら何か感じ取っているのか虹彩は夜景の中を彷徨っているばかりで頑なに俺を映さない。
その反応が過剰だという主観的判断が、殊更に彼女の狼狽を招くのだろうか。そうだとして、それはきっと俺が歓迎するべき事に違いない。
ふらり、一歩を近付けば茫洋な仄影に包まれたシェリーはしずかに息を呑む。
眩暈がするほど強い意志の火花が宿る双眸から退き際を奪うよう、柵を背にさせ両腕の狭隘なスペースへと囲いこみ、ぐ、と。
「あぁ……その」
―――迫る。
「どっちかっつうと俺が興味あんのは、触れてやれる方のコッチのきらきらなのよな……っていう話に、暫くつきあってくれないか?」
ひゅっと―――喉笛からこぼれおちた致命的なノイズが俺の何かを強かに刺激して。
硬質な何かが落ちた音がしたのに、全ての感覚は彼女に集束して何も聞こえない。
誘われるみたいに。
ふらりと、あぁ、ただ好きだな、って。
894 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/09/05(日) 00:39:04.14 ID:tP4OkIAO [4/4]
「ほ」
「……ほ?」
「補修の、時間だから、もう、行くわ」
「え、あ、うそ、シェリーおまえそんな!そりゃねえのよな!!待っ……うお!!」
一瞬、何か魔術的な暗号かと勘ぐった程の反則タイムに、抗議する暇も与えられなかった。
あたふたする俺を鮮やかな足払いが即座に屋上のコンクリートへ叩きおとしたかとおもうと、ゴスロリの裾を靡かせて階段へと影は消えていく。
やられた。
苦笑しながら掌を握りしめ、捌け口を失くした本能を粉々に砕くしかない。
「焦っちまった俺が悪かったとはいえ、あっれは完璧レッドカードよな」
驚いた際に落としたのか、恨めしそうな視線をくれる獅子の石像を掌に誘って半ば悔し紛れに語りかけながら夜空を仰ぐ。
次はどんな術で近付こうか。肝心の距離の掴み方は、さっぱり判らない。
ただ好きなのだと叫ぶこの心を受け止めてもらえるのは、いつの日だろうか。
シェリーって救われてない気がするから、そんな彼女を救おうとがむしゃらになる建宮さんが俺は見たいです
みんなもっとシェリーとかヴェントとか書けばいいと思うよ!
お粗末様でした
王立美術院の規模を、縦横だけじゃなく三次元の方向にも適用した建築家に足腰関連での恨みつらみを覚えながら
苦心惨憺えっちらおっちらと情けなく階段を昇りつめた先、収穫期の麦畑あたりへ沈めたら絵の如く馴染みそうな琥珀金の髪が風に靡くのを建宮は見た。
嗚呼、眩しい。思わず瞳を細めると闇夜に蕩けるようなゴシックロリータを纏う人は、背中で微かに笑ったようだった。
「もう歳かしら、建宮」
「……シェリーの評価は判定が厳しすぎる気がするのよな」
親しさ故の毒舌は許容範囲内なのでわざとらしくメソメソしてみたりしながら、ゆっくり歩いて二人の間にある距離を自分から狭めていく。
呆れた笑みを胡乱な表情で隠してこの屋上に一脚しかない木椅子を引寄せ、何しに来たのかと問うてくるシェリーの瞳に笑みを返し、
見られれば仲間に馬鹿にされそうなほど芝居掛かった大仰な動作で闇に満ちる満艦飾の天涯を身体ごと仰ぎ見る。
それから、そのままの体勢で誘うようにチラチラと視線で彼女を覗き見するも――既に女獅子の双眸は夜空へと張り付けられていた。
手に軽く握っているのは彫刻品だろうか。
玩具みたいに小さい癖に精巧な獅子の像を瞳に映して――嗚呼、綺麗だな。確かにそう思う。
すすす、と、横歩きで互いの距離を手が繋げるくらいにしてから、自然に言おうとしたのにわざとらしくなった感嘆を零した。
「……近いなぁ」
「ん。あぁ、空か。テメェが星見に関心が有るとは、びっくりしたわ」
「建宮さんこれでもロマンチストだから、当たり前なのよな」
「はっ、ほざいてろ。まあでも、魔術的に星は恰好の対象だから天草式でも術式に利用したりするのかしら」
「いやいや、うん、そうなんだけど、そうじゃねえのよな」
893 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/09/05(日) 00:37:29.95 ID:tP4OkIAO [3/4]
王立美術院の屋上から俯瞰する眺望は驚くほど美しかったけれども、しかし今だけは食指が別物に向いていた。まぁでも、しょうがない。
今日ばかりは逃がしてやるつもりもないのにこれ以上あたりさわりない会話の話題を選ばせるのも人が悪いから、少し性急になろう。
「そうじゃなくて、さ。だから。その、よな」
語りかけても、訝しげに、或は眩しげにしながら何か感じ取っているのか虹彩は夜景の中を彷徨っているばかりで頑なに俺を映さない。
その反応が過剰だという主観的判断が、殊更に彼女の狼狽を招くのだろうか。そうだとして、それはきっと俺が歓迎するべき事に違いない。
ふらり、一歩を近付けば茫洋な仄影に包まれたシェリーはしずかに息を呑む。
眩暈がするほど強い意志の火花が宿る双眸から退き際を奪うよう、柵を背にさせ両腕の狭隘なスペースへと囲いこみ、ぐ、と。
「あぁ……その」
―――迫る。
「どっちかっつうと俺が興味あんのは、触れてやれる方のコッチのきらきらなのよな……っていう話に、暫くつきあってくれないか?」
ひゅっと―――喉笛からこぼれおちた致命的なノイズが俺の何かを強かに刺激して。
硬質な何かが落ちた音がしたのに、全ての感覚は彼女に集束して何も聞こえない。
誘われるみたいに。
ふらりと、あぁ、ただ好きだな、って。
894 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/09/05(日) 00:39:04.14 ID:tP4OkIAO [4/4]
「ほ」
「……ほ?」
「補修の、時間だから、もう、行くわ」
「え、あ、うそ、シェリーおまえそんな!そりゃねえのよな!!待っ……うお!!」
一瞬、何か魔術的な暗号かと勘ぐった程の反則タイムに、抗議する暇も与えられなかった。
あたふたする俺を鮮やかな足払いが即座に屋上のコンクリートへ叩きおとしたかとおもうと、ゴスロリの裾を靡かせて階段へと影は消えていく。
やられた。
苦笑しながら掌を握りしめ、捌け口を失くした本能を粉々に砕くしかない。
「焦っちまった俺が悪かったとはいえ、あっれは完璧レッドカードよな」
驚いた際に落としたのか、恨めしそうな視線をくれる獅子の石像を掌に誘って半ば悔し紛れに語りかけながら夜空を仰ぐ。
次はどんな術で近付こうか。肝心の距離の掴み方は、さっぱり判らない。
ただ好きなのだと叫ぶこの心を受け止めてもらえるのは、いつの日だろうか。
シェリーって救われてない気がするから、そんな彼女を救おうとがむしゃらになる建宮さんが俺は見たいです
みんなもっとシェリーとかヴェントとか書けばいいと思うよ!
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Tag : とあるSS総合スレ
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