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唯「ハンター試験?」2

唯「ハンター試験?」
の続きです
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:14:38.82 ID:4yzXfLHN0 [56/243]
役員「生きて下まで降りてくること、制限時間は72時間」

役員「ではまた」

ゴゥンゴゥン

唯「飛行船行っちゃったね」

役員『それではスタート!頑張って下さいね!』

三次試験参加人数73名

唯「73人・・・?2人減ってる?」


唯「高いね~下が全然見えないや」

澪「円柱みたいな形だなこの塔」

律「側面は何もない壁か・・・」

梓「ここから降りるのは無理ですね・・・」

受験生「普通の人間ならな、オレはプロのロッククライマーだ」

受験生「壁にこのくらいのとっかかりがあれば楽勝よ」

紬「・・・」

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:18:27.28 ID:4yzXfLHN0 [57/243]
唯「うわ~もうあんなに降りてる」

澪「あ・・・」

律「ん?」

澪「あれ」

受験者「ふふん、どうやら三次試験合格第一号はオレ様のようだな」

バサッバサッ

受験者「?・・・うわあああああああ!!!」

グチャグチャバリバリ

澪「うわああああああ!!」

梓「―――っ!!!」

紬「やっぱり外壁をつたうのは無理みたいね」

律「怪鳥に狙い撃ち・・・」

唯「きっとどこかに下に通じる扉があるはずだよ」

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:21:25.72 ID:4yzXfLHN0 [58/243]
澪「隠し扉・・・隠し扉・・・」

唯「・・・?」

澪「どうした?」

唯「人数が減ってる」

澪「!」

律「・・・56人!?20人近く消えてる・・・」

澪「ムギの執事は全員居るみたいだけど・・・」

唯「ゴンくんたちも居なくなってる。消えた全員が同じルートを通って行ったとも思えないよ」

律「隠し扉が複数ある・・・てことか」

217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:24:31.87 ID:4yzXfLHN0 [59/243]
紬「みんな~」

唯「ムギちゃん、あずにゃん」

澪「どこ行ってたんだ?」

梓「そこで隠し扉を見つけました」

唯「ほんと~!?でかしたよあずにゃん!」ダキッ

梓「わっ!くっつかないで下さいよ~」(ああ・・・しあわせ・・・)

紬「それでね、今迷ってるの」

律「なにを?」

紬「どれにしようかと思って」

梓「扉がいっぱいあったんです!」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:28:29.31 ID:4yzXfLHN0 [60/243]
梓「こことここと・・・」

唯「5つの隠し扉がこんな近くに密集してるのか~・・・」

紬「おそらくこの内のいくつかは罠・・・」

律「だろうな」

梓「しかもこの扉、一回きりしか開かないみたいなんです」

唯「ほほう」

梓「別の場所で誰かが降りて行くのを見たんですけど、そこは下からロックされててもうビクともしませんでした」

紬「この扉は回転ドアが床に縦に付いてるような感じみたいなの」

219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:32:18.61 ID:4yzXfLHN0 [61/243]
梓「つまり扉は一人に一つずつ」

紬「みんなバラバラの道を行かなきゃいけないってことね」

唯「たしかにこの幅じゃ一回につき一人くぐるのが精いっぱいだろうね」

紬「ちょっと提案なんだけど・・・」

唯「なぁに?ムギちゃん」

紬「澪ちゃん、りっちゃん、梓ちゃん・・・棄権した方がいいと思うの」

澪「あ・・・」

律「・・・」

梓「・・・」

紬「ここからは本当に一人で行かなきゃならないわ・・・」

紬「私も唯ちゃんも、執事達ももう助けてあげる事が出来ない・・・」

唯「みんな死んじゃうかも知れない・・・そんなの私・・・」

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:34:40.11 ID:4yzXfLHN0 [62/243]
澪「私は行くよ」

唯「澪ちゃん!?」

律「あたしも行くぜ!」

梓「ここまで来て引けないです!」

紬「みんな・・・でも本当に今回ばっかりは・・・」

澪「な~に、心配するな!危険を感じたら無理せずリタイアするから!」

梓「そうです!死ぬかもしれないような場面に遭遇する前に棄権します!」

律「私たち三人が足手まといなのはとっくに知ってる、ただ挑戦する前から諦めたくないんだ」

唯「りっちゃん・・・」

律「お前らと能力は違っても・・・対等な関係でいたいんだ。だから・・・行く」

紬「・・・わかったわ、約束よ。危険を感じたらすぐにリタイアして」

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:41:52.41 ID:4yzXfLHN0 [63/243]
唯「じゃあ扉を選ぼう」

澪「ジャンケンで順番を決めましょうか」

ジャンケンポン!あいこで・・・

律「決まったな」

紬「罠にかかっても恨みっこなしよ」

梓「1、2の3で行きましょう!」

唯「ここでいったんお別れだね」

紬「地上でまた会いましょ」

律「みんな・・・」

澪「ん?」

律「大好きだぜ」

梓「1、2の・・・3!!!」

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:50:09.22 ID:4yzXfLHN0 [64/243]
スタッ

唯「!?」

紬「・・・」

梓「あ、ははは・・・」

唯「みんな・・・久しぶりだね」

紬「5つの扉のどこを選んでも同じ部屋に降りるようになってたのね・・・」

澪「短い別れだったな」

律「全く」

唯「ん・・・?この部屋・・・」

紬「出口がないわ」

律「みんな、そこの看板に何か書いてるぜ」

唯「どれどれ」

多数決の道
君たち五人はここからゴールまでの道のりを多数決で乗り越えなければならない

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 08:55:47.98 ID:4yzXfLHN0 [65/243]
唯「腕時計みたいなのが置いてあるね」

紬「71:19:10・・・これは多分残り時間のタイマーね」

澪「あと○と×のボタンがある」

試験官『やあ君たち』

唯「あ、そこのスピーカーからだ」

試験官『このタワーには幾通りものルートが用意されており、それぞれクリア条件が異なるのだ』

試験官『そこは多数決の道、たった一人のわがままは決して通らない!』

試験官『互いの協力が絶対必要条件となる難コースである、それでは諸君らの健闘を祈る!』

唯「とりあえずタイマーを付けよう」カチッ

紬「チームワークなら私たちは無敵よ!」カチッ

澪「ああ」カチ

律「HTTをなめんなよ~」カチ

梓「私たちのちから、見せてやるです!」カチ

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:00:39.20 ID:4yzXfLHN0 [66/243]
ゴゴゴゴ

唯「おおっ!ドアが現れたよ!」

紬「きっと五人がタイマーを付けるまで現れない仕組みね」

澪「私たちちょうど五人で良かったな~」

律「ああ、五人じゃなかったらここでしばらく足止めだったろうな」

梓「よ~し、いくです!」

唯「あ、さっそく」

このドアを
○→開ける ×→開けない

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:02:37.98 ID:4yzXfLHN0 [67/243]
唯「もうここから多数決か~」ピッ

澪「こんなの決まってるだろ・・・」ピッ

律「まる・・・っと」ピッ

紬「えい」ピ

梓「です」ピ

ピピッ

ゴゴゴゴ・・・

○5 ×0

唯「結果も出るのかぁ」

紬「・・・行きましょ」(結果表示・・・いやなシステムね)

227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:04:48.39 ID:4yzXfLHN0 [68/243]
律「いきなり分かれ道か」

どっちに行く?
○→右 ×→左

澪「扉を出てすぐまた設問か」(左・・・と)ピ

紬(これは思ったより手間取りそうね)ピ

○3 ×2

ゴゴゴゴ・・・

澪「ちょっと待て!こういう時はフツー左だろ?っていうか左じゃないとなんか落ち着かない!」

紬「確かに行動学の見地からも、人は迷ったり未知の道を選ぶ時には無意識に左を選択するケースが多いらしいわ」

梓「私もそれ聞いたことあるです」

律「あたしもちょっと聞いたことある」

澪「お前らなぁ~」

紬「左を選びやすいからこそ右なのよ、試験官が左の法則を知っていたら左の道により難度の高い課題を設ける可能性があるから・・・」

律「そういう事だ」

澪「うう~・・・どうせ私たちは単純だよ」

唯(私も?)

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:07:13.44 ID:4yzXfLHN0 [69/243]
唯「あ!」

紬「広間・・・みたいね」

澪「あっちの端に道が見えるけど・・・」

律「どーすんだよこれ・・・通路がない・・・」

梓「部屋の真ん中に闘技場みたいなのがありますね・・・」

律「そこに行く通路もないし・・・」

紬「下が見えないわね。落ちたら多分終わりみたいだし・・・どうやって向こうまで行ったらいいのかしら」

唯「あ、見て向こうの端」

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:09:14.86 ID:4yzXfLHN0 [70/243]
紬「誰かいるみたいね」

唯「アイさんみたいにマントで全身覆ってる・・・あとあれは・・・手錠?」

?「受験生が来たぜ、手錠をはずしてくれ」

試験官『了解』

?「やれやれ、ようやく解放されたぜ」バサッ

?「我々は審査委員会に雇われた特別試験官である!!」

唯「なんか言ってきた!」

?「オレの名はベンドット!ここでお前らは我々5人と戦わなければならない!!」

ベンドット「勝負は一対一で行い、各自一度だけしか戦えない!!順番は自由だ!!」

ベンドット「お前たちは多数決すなわち3勝以上すればここを通過する事が出来る!!」

ベンドット「ルールは極めて単純明快!!戦い方は自由!!引き分けはなし!!」

ベンドット「片方が負けを認めた場合において残された片方を勝利者とする!!」

唯「一対一!?」

紬(まずいわね・・・)

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:11:18.76 ID:4yzXfLHN0 [71/243]
ベンドット「それではこの勝負を受けるか否か!!受けるなら○、受けぬなら×を押されよ!」

唯「ど、どうしよう・・・」

紬「私たちは○を押すけど・・・」

澪「私も○だ」

唯「澪ちゃん!」

律「最初に言ったろ、お前らとは対等でいたいって」

梓「それに戦い方は自由って言ってましたし、こっちに有利で危険のない方法を提示すればいいんですよ!」

律「危なくなったら棄権するって言ったろ?」

唯「・・・うん!ありがとう!」

紬「じゃあ・・・」

ピッ
○5 ×0

唯「満場一致だよ!」

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:13:20.69 ID:4yzXfLHN0 [72/243]
ベンドット「よかろう!こちらの一番手はオレだ!!さあそちらも選ばれよ!」

唯「どうする?」

梓「・・・私が行きます」

唯「あずにゃん!?」

梓「戦い方は自由なんですから、心配しないでください」

梓「それにもし2勝2敗で大将戦なんて事になって、最後が私だったら荷が重すぎます」

梓「だから唯先輩とムギ先輩のどっちかは大将やって下さいね」

唯「あずにゃん・・・大丈夫?」

梓「そりゃ怖いですけど・・・あ、じゃあ唯先輩いつものやって下さいよ」

唯「いつもの?」

梓「ぎゅって・・・してください」

234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:15:23.45 ID:4yzXfLHN0 [73/243]
唯「あずにゃん・・・がんばってね」ギュッ

梓「はい・・・私、勝ちます」ギュッ

もう・・・唯先輩・・・いつものって言ったのに・・・いつもよりずっと強くてあったかい・・・

梓「大好きです・・・唯先輩」

唯「あずにゃん・・・」

ゴゴゴゴ・・・

紬「中央の闘技場まで橋がかかったわ」

ベンドット「戦う者のみ渡られよ!!」

梓「・・・行ってきます」

唯「あ・・・」

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:17:27.28 ID:4yzXfLHN0 [74/243]
ゴゴゴゴ・・・

梓「橋が無くなっていく・・・」

ベンドット「さて、勝負の方法を決めようか」

ベンドット「オレはデスマッチを提案する!」

梓「お断りです!」

ベンドット「・・・じゃあどうするのだ?」

梓「えーと・・・じゃあギターのテクニックとか・・・」

ベンドット「断る。互いに譲れないのなら勝負方法をコイントスで決める事になっている」

梓「分かりました・・・じゃあ表で」

ベンドット「よかろう、では裏で・・・」ピンッ

ベンドット「・・・裏だな」

梓(そんな・・・)

ベンドット「では行くぞ・・・勝負!!」

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 09:19:32.58 ID:4yzXfLHN0 [75/243]
梓「きゃああああ!!」

唯「逃げてあずにゃん!」

紬「いえ、もう降参して梓ちゃん!棄権してお願い!!」

ベンドット「逃げてばかりでは勝てんぞ・・・ふんっ!!」ブンッ

ベンドットの拳が空を切る

梓「きゃああ!!」

梓(怖い・・・怖い!!でも・・・)

梓(5人で3勝・・・つまり唯先輩とムギ先輩の『2人』が勝つ事を前提としても、私か澪先輩か律先輩が勝たなきゃ・・・!!!)

梓(それに・・・先鋒の私が降参したらチームの士気にも関わる・・・!!だからそう簡単には引けない!!)

梓(何とかしないと・・・何とか・・・!!)

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:00:06.86 ID:4yzXfLHN0 [76/243]
ベンドット「いつまで逃げているつもりだ?はあっ!!」ブゥン!

梓(くぅ・・・戦力差がありすぎる・・・それに追う方より追われる方が負荷が大きい・・・)

梓(何より、もう体力が・・・精神的な圧迫で体力の減りがいつもより早い・・・!)

ベンドット「疲れが見えてきたな・・・そろそろ終わりにしてやろう」

唯「あずにゃん!棄権して!」

紬「梓ちゃん!」

梓(二人のためにも・・・何とか勝たないと・・・!!)

澪「梓!!!」

律「もういい!!!」

梓「澪先輩!?律先輩!?」

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:06:18.90 ID:4yzXfLHN0 [77/243]
澪「お前の事だから唯とムギの為に無理してるんだろ!?」

律「ここで勝たないと後がきついとか、先鋒戦から落とせないとか!!」

澪「そんなに私たちは頼りないのか!?」

梓「―――!!」

律「HTTは唯とムギだけじゃないんだぜ!!」

澪「たまには私たちを頼ってくれても・・・信じてくれてもいいんじゃないか!?」

梓「先輩・・・!!」

澪「お前が負けても私たちが必ず勝つ!!信じろ!!」

律「たまには先輩の言うことも聞け!!」

梓(・・・そうだった・・・私には・・・頼れる先輩が『4人』もいるんだ・・・)

梓「ありがとうございます・・・」

247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:12:16.12 ID:4yzXfLHN0 [78/243]
梓「まいりました!!棄権します!!」

ベンドット「なに?」

梓「私の負けです!」

ベンドット「・・・ふん」

梓「あ、橋がまたかかっていく・・・」

ゴゴゴゴ・・・

梓「・・・ごめんなさ」

唯「あずにゃん!!」

紬「無事で良かった!」

澪「良くやった梓、後は」

律「私たちに任せろ!!」

梓「・・・はい!」

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:19:11.14 ID:4yzXfLHN0 [79/243]
ベンドット「これでこっちの1勝、我々があと2勝すればお前たちの負けだ」

ベンドット「先には進めず引き返す事も出来ない、時間切れまでここで立ち尽くすのだ」

唯「ふんだ!こっから4連勝だもんね!!」

澪「3連勝したらそこで終わりだけどな」

律「唯~しっかりしりよ~」

紬「うふふ」

梓「・・・あははっ」


ベンドット「それにしても少々予定が狂ったな。時間をかけていたぶるつもりだったのに」

?「相手が予想以上に腰ぬけだったわけだ」

?「問題ねーさ、俺たちがあと2勝すれば」

?「自動的に彼女たちはここで残り時間釘づけ、私達全員72年分の恩赦が受けられる」

?「さて次はボクだ、錠をはずしてくれ」

251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:22:40.86 ID:4yzXfLHN0 [80/243]
唯「今向こうの話が聴こえたんだけど・・・」

紬「私も聴こえたわ、彼らの狙いが分かった」

・・・・・

澪「超長期刑囚・・・!」

紬「ええ」

紬「私たちをこの塔から出さなければその時間に応じて、刑期を短くしてもらえるみたい」

律「じゃああいつらは囚人ってわけか」

梓「凶悪犯って事ですね」

唯「ケーキ?」

?「次はボクだよ。名前はセドカンって言うんだ」

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:28:39.74 ID:4yzXfLHN0 [81/243]
紬「こっちは誰が・・・」

唯「はい!私がいくよ!」

澪「唯」

律「まあいいんじゃないか」

梓「唯先輩頑張って下さい!」

唯「まかせて!あの人痩せててあんまり強そうじゃないしきっと大丈夫だよ!」

セドカン「決まったかい?じゃあ橋をかけるよ」

254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:30:06.59 ID:4yzXfLHN0 [82/243]
セドカン「さて御覧のように、ボクは体力にあまり自信がない」

セドカン「単純な殴り合いやとんだり走ったりは苦手なんだ」

唯「私はそっちの方がいいかも。あんまり考えたりするの得意じゃないし」

セドカン「やっぱり?・・・そんな二人のために簡単なゲームがあるんだ」

唯「?」

セドカン「同時にローソクに火をともし、先に火が消えた方の負け・・・どう?」

唯「うん!分かりやすい!その勝負でいいよ」

セドカン「OK、それじゃ・・・」

唯「!?」

セドカン「どっちのローソクがいいか決めてくれ」

紬「長いローソクと・・・」

梓「短いローソク・・・!!」

256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:32:43.89 ID:4yzXfLHN0 [83/243]
セドカン「長いローソクなら○を、短い方なら×を押す事。多数決で決めてもらう」

唯「・・・」

澪(・・・罠だ・・・!!)

梓(普通なら長いほうをとる・・・普通なら・・・!!)

律「長いほうにはきっと罠がしかけてあるぜ」

紬「確かにそう考えるのが普通よね・・・でもその裏をかいて短い方に仕掛けがあるかも」

律「でもそんなこと言ってたら・・・」

紬「ええ、きりがないわ」

紬「不自由な二択ってやつね」

梓「不自由な二択・・・ですか?」

紬「ババ抜きで最後の二枚から一枚選ぶとき・・・一枚をとりやすいように上に突き出しておく・・・簡単に言えばそういう事よ」

梓「条件の違う選択肢だと正常な判断が出来なくなるって訳ですね」

澪「くそ・・・どうする?」

紬「・・・」

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:34:24.84 ID:4yzXfLHN0 [84/243]
紬「唯ちゃん!唯ちゃんが決めて!私たちは唯ちゃんの決定に従うわ!」

唯「私が決めていいの?わかった!」

唯「それじゃ長い方ね!」

澪(・・・)

紬(まさか)

セドカン「長いローソクでいいんだね」

唯「だって長いほうが長時間火が消えないに決まってるよ~えへへ!」

澪律紬梓(やっぱり考えてなかったか)

ピピッ

○5 ×0

セドカン「OK、受け取ってくれ。君が長いほうでボクが短い方だ」

セドカン「それじゃ同時に火をつけよう」

セドカン「ゲームスタート!!」

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:37:06.27 ID:4yzXfLHN0 [85/243]
ヒョオオオオオオオオ・・・

唯「おっとっと・・・危ない危ない」ユラユラ

律「下から吹き上げる風が強いな・・・」

澪「勝負の間中うっかり動けないし、よそ見も出来ないってことか」

唯「・・・!」ボンッ!ボボボボ

律「!おいっ!唯のローソクが!」

ゴオオオオオ

唯「・・・・」ボオオオオオオ

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:51:47.28 ID:4yzXfLHN0 [86/243]
紬「あきらかに向こうのローソクより炎の勢いが大きい!」

梓「ローソクの中に火薬か何かを混ぜて、火力と強めてロウの消耗を早めてるみたいです!」

澪「見ろ!どんどん短くなっていく!」

唯「あちち」

紬「この調子じゃあと2、3分しか持たないわ!」

律「くそ!やっぱり長い方に罠が仕掛けてあったのか!」

唯「あちあちち」

セドカン(くくく・・・違うんだよ)

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 10:53:41.24 ID:4yzXfLHN0 [87/243]
セドカン(用意していたローソクは4本!)

セドカン(不自由な二択はあくまで実際の罠をかくすためのカムフラージュ)

セドカン(君たちは勝手にどちらかが罠だと思い込んだ、あまりに不公平な選択を前にして両方とも罠だとは考えなかった)

セドカン(実際は長短どちらを選ぼうが、オレがお前に渡すのは油たっぷりのローソクだったって訳さ!)

唯「・・・やっぱりね!」

セドカン(やっぱり長い方に罠が・・・ってか?バカめ!)

唯「やっぱりどっちにも罠が仕掛けてあったみたいだね!」

セドカン「なっ!?」

唯「なんとなく分かってたよ、だから長い方を選んだんだ!」

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:00:02.40 ID:4yzXfLHN0 [88/243]
唯「火の勢いが強いって事はちょっとの風じゃ消えないって事」

唯「長い方なら罠でも多少はもってくれるしね!」トン

セドカン「ローソクを床に・・・!」

ダッ!!

セドカン(疾い!!)

セドカン「あっ・・・」

唯「ふっ!!」

セドカン「あっ消された・・・」

唯「勝ちぃ!」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:05:09.46 ID:4yzXfLHN0 [89/243]
律「よし!これで1勝だ!」

澪「あと2勝だな!」

梓「唯先輩かっこいいです!」

紬「さすが唯ちゃんね」

唯「えへへ~」

?「バカが、道具に頼って小細工なんかするからこうなるんだ」

セドカン「う・・・」

?「見てな」

律「よ~し、次はあたしが行くぜ!」

?「次はオレだ、名をマジタニと言う」

律「うわっ!・・・すごい体・・・と顔」

唯「筋肉ムキムキだね!」

マジタニ「さあいざ闘技場へ!!」

律「怖いけど・・・勝負方法によってはまだ可能性はある・・・!」

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:10:13.10 ID:4yzXfLHN0 [90/243]
マジタニ「今までに19人殺したが・・・19って数はキリが悪くてイライラしてたんだ、嬉しいぜ」

澪「連続殺人犯か?・・・りつぅ・・・」

マジタニ「オレは命のやり取りじゃなきゃ興奮できねェ!半端な勝負は受けねェぜ!」

律「こっちにも勝負方法を提示する権利があるんだ、勝手ぬかすな」

マジタニ「な・・・ふ、いいだろう。オレはデスマッチを提案する」

マジタニ「ただし・・・たとえお前が途中で負けを宣言しても、そこでオレが攻撃をやめるなんて望みは持たないことだな」

律「じゃああたしは・・・ドラム用語を多く知ってる方が勝ちって事で古今東西だな」

マジタニ「ふざけやがって・・・仕方ねェ、コイントスだ」ピン

律「表」

マジタニ「・・・裏だな」

律「・・・ちっ」

273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:15:59.74 ID:4yzXfLHN0 [91/243]
律「じゃあデスマッチ・・・ってことだな」

マジタニ「くっくっく・・・」

律(まずいな・・・あたしなんかじゃすぐ殺される)

梓「律先輩・・・」

律(でも梓だって多少は持ちこたえたんだ・・・たまには先輩らしいとこ見せないとな・・・!)

マジタニ(くくく・・・こいつはすぐ降参しそうだな・・・)

澪「大丈夫かな律・・・相当やばそうな相手だし・・・」

唯「うーん」

紬「・・・」

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:20:41.59 ID:4yzXfLHN0 [92/243]
紬(ハッタリね・・・彼は人を殺すどころか殴る度胸もないただのホラ吹き)

紬(でも今それをばらしたら彼も何かしらのアクションを起こしてくるかも知れない)

唯「心配ないかも」

澪「え?」

唯「だってあの人見てもゾクゾクしないもん」

澪「なんだよそれ?」

紬「・・・ふふ」

紬(りっちゃんのあの顔・・・気づいてはいないみたいだけど・・・きっと大丈夫!)

280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:26:44.52 ID:4yzXfLHN0 [93/243]
マジタニ「勝負スタート!!」

マジタニ(見せてやるぜ!オレのハッタリ!!)

マジタニ「ひゃおっ!!!」

ドゴ!!!

律「わっ!!あぶね!!」

澪「床を素手で砕いた・・・!」

唯「おお」

梓「律先輩!」

紬「あらあら」

紬「っ―――!」

紬(12本足のクモのイレズミ・・・あれは・・・)

紬(史上最凶と言われているA級首の盗賊団・・・幻影旅団のメンバーの証!!)

紬(・・・のつもりかしら?偽物だってバレバレね♪)

281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:30:32.18 ID:4yzXfLHN0 [94/243]
マジタニ(拳に鋼鉄をしこみ岩をも砕くこの腕の威力と、旅団のイレズミ!)

マジタニ(この二つを同時に見せられて、戦意を喪失しない者など皆無!!)

マジタニ「くくく・・・どうした?声も出ないか?」

マジタニ「このイレズミは知ってるだろ?オレ様は旅団四天王のひとり破壊王マジタニ、一発目はあいさつがわりだ」

マジタニ「負けを認めるなら今だぜ、今ならまだオレ様もそんなに・・・」

律(・・・)

律(何かひっかかる・・・)

283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:40:05.71 ID:4yzXfLHN0 [95/243]
律(まず、さっきのパンチ・・・あたしは反射的に身をかがめただけで・・・)

律(かわしてない)

律(それから・・・外野の声)

律(澪と梓は今もキャーキャー言ってるけど・・・唯とムギは全然騒いでない)

律(ただし梓が戦ってた時は唯もムギも棄権をすすめていた・・・)

律(あとこいつ・・・やたら饒舌だ)

律(旅団四天王とか破壊王とかは何を言ってるかよく分かんないけど・・・最初から自分語りが過ぎる)

律(そしてこれは勘だけど・・・ヒソカと会ったときみたいな怖い感じがしない)

律(死を間近に感じない・・・とでも言うのか)

律(こうやって考えてる間中もコイツはずっと喋ってるだけで、攻撃もしてこない)

律(こいつまさか・・・口だけのハッタリ野郎で弱いんじゃ・・・!?)

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:42:11.54 ID:4yzXfLHN0 [96/243]
マジタニ「どうした?降参する気になったか?」

律「ふん、誰が降参なんてするか」

律(ハッタリには、ハッタリで勝負だぜ!)

律「お前・・・旅団を名乗るとはいい度胸だな・・・」

マジタニ「えっ!?」

律(こいつはさっき旅団がどーたらとか言ってた・・・旅団ってのは多分ヤクザみたいな感じの、名前を聞いただけで恐れるような組織のハズ)

律(んでコイツの事だ、その旅団ってのにはおそらく所属してない)

マジタニ(こいつ・・・オレが旅団のメンバーじゃないと何故・・・!?しかも今の口ぶり、まさか本物の・・・!?)

律「仕事の関係でライセンスが必要になったから試験を受けに来たが・・・こんなところに旅団を語る奴がいたとはなァ・・・」ニヤリ

マジタニ「ひっ・・・!」

マジタニ(まさか本物の旅団員!?バカな!でもこいつの自信と表情・・・!)

288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:45:23.28 ID:4yzXfLHN0 [97/243]
律「19人殺した・・・だと?バカめ、あたしたちは何人殺したかなんて数えちゃいないんだよ」

律「だいたい刑務所に入るような間抜けは旅団にはいない・・・」

律「イレズミも偽物だってすぐに分かったぜ」

律(と適当に言ってみたが・・・どうだ?)

マジタニ(ああ・・・!すべてばれてる!イレズミの事も!やばいぞ・・・本物だ・・・!)

マジタニ(ハンター試験をここまで勝ち進んできたんだ・・・!よく考えりゃ相当な実力者だって事じゃねーか!)

律「デスマッチにしたら一瞬で勝負が決まっちまうし、雑魚を殺してもつまんねーから平和的な勝負方法を提示してやったのに・・・」ザッ

マジタニ「ひっ!」

律「それでも軽くひねって降参させてやろうと思えば・・・旅団を語るとはな・・・」ザッ

マジタニ「ひひいっ!」

律「いいぜ・・・今殺してやるよ・・・!」スッ

マジタニ「うわあああ!降参だあああ!!!」

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:48:59.97 ID:4yzXfLHN0 [98/243]
律「よしっ!!!」

マジタニ「はっ!つい・・・!」

唯「りっちゃんやったね!」

紬「ハッタリ合戦に持ち込むなんてすごいわ~」

唯「あ、やっぱりハッタリだったんだあの人」

澪「良かった・・・良かったよりつぅ~」

梓「かっこいいです!」

律「ただいま!やったぜ!これで2勝だ!」

マジタニ「す・・・すまねェ」

?「あんたには最初からなんの期待もしてないわ」

ベンドット「もう後がねーぞ」

?「ま、あたしにまかせといてよ」

291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:50:19.28 ID:4yzXfLHN0 [99/243]
澪「よ、よし!私で決めてくるよ!」

?「次はあたし、名前はレルート」

澪(綺麗な女の人だなぁ・・・)

レルート「勝負方法は・・・」

レルート「賭け・・・なんてどうかしら」

澪「賭け?」

澪(う~ん・・・別に賭けでもいいけど・・・一応)

澪「私は・・・ベースのテクニック勝負がいい」

レルート「それじゃコイントスね」

澪「表で」

レルート「・・・裏ね、じゃあ賭け勝負よ」

293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:52:05.17 ID:4yzXfLHN0 [100/243]
レルート「賭け勝負、時間がチップがわりよ」

レルート「使える時間は50時間ずつ、ただし10時間単位でしか使えない」

レルート「どちらかのチップが0になるまで賭けを続ける、賭けの問題は交互に出題する」

レルート「もしそっちのチップが0になったら、タワー脱出のリミットが50時間短くなる」

レルート「もしこっちのチップが0になったら、あたしの懲役が50年長くなる」

レルート「どう?」

澪「・・・こっちはもう了承するしかない」

レルート「うふふ、そうだったわね」

澪(負けたら・・・残り時間は約15時間・・・絶対勝たなきゃ・・・!)

レルート「それじゃ最初はあたしの出題からいくわね」

295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:53:28.01 ID:4yzXfLHN0 [101/243]
レルート「あたしが男か女か賭けてもらうわ」

澪「ええっ!?」

澪(予想外だこんなの・・・まさかオカマ・・・?)

澪「もし外れたらどうやって確かめるんだよ」

レルート「あなたにあたしの体を調べてもらう・・・納得するまでね」

律「澪のヤツ・・・男に賭けるな」

梓「・・・はい」

唯「え?なんで?」

澪「・・・男に10時間!」

律「やっぱりな」

紬「まあ仕方ないかしら」

唯「え?なんでわかったの?」

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 11:54:25.13 ID:4yzXfLHN0 [102/243]
澪(これなら外れても女の人を触るだけで済む・・・)

澪(女に賭けて外れたら、男の人の体を触る事に・・・そんなのいやだ!)

律「―――というわけだ」

唯「なるほどね」

澪「答えは・・・?」

レルート「残念ね、あたしは女よ」

澪「ほ・・・ほんとか?」

レルート「確かめてみなさいよ、ほら」

澪「う、うう・・・」

297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:00:28.35 ID:4yzXfLHN0 [103/243]
澪「ちょ・・・ちょっと・・・自分で確かめますから・・・」

レルート「早くしなさいよ」ムニュ

澪「やわらかい・・・///」

レルート「胸はあるでしょ?次は下ね」

澪「下って・・・///」

レルート「ほらほらどうしたの?確かめるんでしょ?」プニッ

澪「ひゃあ!///」

レルート「無いでしょ?」

澪「は、はい!///」

レルート「女ってことでいいわね?」

澪「はい・・・///」

レルート(あらあら可愛い子ね)

紬「はぁはぁ」ボタボタ

唯「ムギちゃん鼻血が!」

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:05:01.84 ID:4yzXfLHN0 [104/243]
残りチップ
澪40 レルート60

レルート「さ、次はあなたが出題するのよ」

澪(こっちが確実に勝てる賭けなんて思いつかないな・・・)

澪「じゃあ私のベースが右利き用か左利き用か・・・だ」

レルート(こんな問題を出すって事は十中八九・・・)

レルート「左利き用に20時間」

澪「なっ・・・!」

レルート「じゃあ見せてもらうわよ・・・あ、左利き用ね」

澪「なんで・・・」

レルート(なんでじゃないわよ、この子賭け弱いわね・・・)

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:10:00.39 ID:4yzXfLHN0 [105/243]
残りチップ
澪20 レルート80

レルート「次はあたしの出題ね」

澪(もう変なのはやめてくれよ)

レルート「あたしに下の毛が生えてるかどうかよ!」

澪「またかよおおおぉぉ!」

レルート(この子いじめるの楽しいわ)

レルート「さあどっち?」

澪(ん?・・・囚人に・・・手入れする時間とかあるのかな?)

澪(これは・・・勝ったぞ!)

澪「生えてるに10時間!」

レルート「外れ、生えてないわ」

澪「なにいいいぃぃぃぃ!!」

レルート「確かめてみなさいよ」

305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:15:01.57 ID:4yzXfLHN0 [106/243]
澪「確かめるって・・・」

レルート「直接触んのよ、ほら」グイッ

澪「うわうわうわ///」

レルート「ほら、生えてないでしょ?」プニプニ

澪「」プニプニ

レルート「ついに反応しなくなった・・・」クチュ

澪「・・・はっ!私は何を・・・」

レルート「生えてなかったって事でまたあたしの勝ちね」

307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:19:59.86 ID:4yzXfLHN0 [107/243]
残りチップ
澪10 レルート90

澪(残り10時間・・・絶対勝たないとダメなのに確実に勝てる勝負が浮かばない・・・)

澪(それどころか普通にやってもこの人には勝てない気がする・・・)

澪(こうなったら運まかせだ!)

澪「よし、ジャンケンでどっちが勝つかだ!」

レルート「いいわよ、あたしが勝つ方に90時間全部賭けるわ」

澪「ええっ!?」

レルート「賭ける時間はこっちの自由だから問題ないわよ、それにもしアナタが負けてもとられる時間は10時間だけだから安心して」

澪(そんなにジャンケンに自信があるのか!?)

レルート(―――って顔してるわね、別にないわよ自信なんて)

紬「まずいわね・・・澪ちゃんは多分勝てない・・・」

ジャンケンポン!

あいこで・・・ショ!!

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:25:35.17 ID:4yzXfLHN0 [108/243]
残りチップ
澪0 レルート100

澪「負けた・・・」

レルート「チップ切れでアナタの負けね」

唯「2勝2敗・・・」

律「しかも賭けに負けた分のチップ、50時間を支払わないと・・・」

澪「みんなごめん・・・」

唯「気にしないで澪ちゃん、誰のせいでもないよ」

紬「ええ、逆転の手は必ず残ってるはずよ」

澪「ありがとう・・・ごめん」

レルート「彼女たちの残り時間は15時間を切った・・・私たちは50年分の恩赦ね♪」

?「残り時間なんて関係ない・・・オレの相手は死ぬしかないのだから」

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:30:21.21 ID:4yzXfLHN0 [109/243]
紬「よ~し、最後は私ね!」

律「最後の相手はどんなやつだ?」

?「・・・」バサッ

唯「・・・!」ゾクッ

梓「あ、あの人は・・・!」

唯「あずにゃん知ってるの?」

梓「ムギ先輩・・・棄権してください・・・」

紬「・・・」

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:35:25.20 ID:4yzXfLHN0 [110/243]
梓「解体屋ジョネス、外国の無差別大量殺人犯です」

唯「無差別大量殺人犯・・・」

梓「被害者は少なくとも150人、老若男女わけへだてなく文字通り彼の手によって殺されました」

澪「文字どおりって?」

梓「被害者の体は最低でも50以上のパーツに分解されていました・・・素手で」

律「素手で!?」

梓「彼の得意技は素手で人の肉をすばやくむしりとること」

梓「それを可能にしているのは、異常なまでの指の力!!」

ジョネス「久々に、シャバの肉をつかめる・・・」

紬「・・・」

梓「あんなのの相手をすること無いです!死んじゃいますよ!」

唯「ムギちゃん!?」

紬「・・・大丈夫よ」

316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:42:16.78 ID:4yzXfLHN0 [111/243]
紬「勝負の方法は?」

ジョネス「勝負?勘違いするな」

ジョネス「これから行われるのは一方的な惨殺さ、試験も恩赦もオレには興味がない」

ジョネス「肉をつかみたい・・・それだけだ、お前はただ泣き叫んでいればいい」

紬「じゃあ死んだ方が負けでいいかしら」

ジョネス「ああいいだろう、お前が」

ドスッ・・・

318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:44:59.36 ID:4yzXfLHN0 [112/243]
ジョネスの目の前にいたはずの紬は、いつのまにか彼の後方にいた

そして彼女の手には、ジョネスの心臓が握られていた

紬「・・・」ビクンビクン

ジョネス「か・・・返・・・」

紬「・・・」ニコッ

グチャッ・・・

320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:50:54.54 ID:4yzXfLHN0 [113/243]
紬「さて、3勝2敗ね」

紬「これでここはもうパスでいいのよね?」

ベンドット「・・・ああ君たちの勝ちだ」

ベンドット「ここを通り過ぎると控室がある、そこで負け分の時間50時間を過ごしていただこう」

紬「そう、ところでベンドットさんさっきの勝負物足りなかったんじゃないかしら?・・・私と遊びます?」

ベンドット「・・・やめておく」

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 12:52:09.80 ID:4yzXfLHN0 [114/243]
澪律梓「・・・」

澪「・・・え?いったい何が・・・」

唯「あ・・・みんなまだ聞いてなかったっけ」

律「暗殺術!?」

梓「ムギ先輩が!?」

唯「うん」

紬「さ、行きましょ」

ゴゴゴゴ・・・

唯「ようやく先に進めるね」

試験官『この部屋で50時間過ごしてもらえば、先に進めるドアが開くので待っていたまえ』

323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:00:48.74 ID:4yzXfLHN0 [115/243]
澪「ムギ・・・さっきのはいったい・・・」

紬「みんなにもいつか話さなきゃって思ってたんだけど・・・」

律「琴吹家に・・・」

梓「エリート教育・・・そして暗殺術・・・」

唯「みんな・・・」

紬(やっぱり受け入れては・・・)

澪「すごいなムギ!」

紬「え?」

律「そうだぜ!なんだよ早く教えてくれればいいのに!」

紬「怖くないの?」

梓「そりゃあ怖くないって言ったらウソになりますけど」

澪「それ以上に、話してくれたムギに感謝してる」

律「ああ、あたしらはHTTの仲間だろ?もう隠し事は無しだぜ?」

澪「怖いって気持ち以上に、ムギと一緒にいたいって気持ちの方が断然強いのさ!」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:03:12.92 ID:4yzXfLHN0 [116/243]
紬(みんなも唯ちゃんと同じ事言ってくれる・・・私は・・・まだみんなと一緒に居られるんだ・・・)ポロッ

唯「あ~ムギちゃんまた泣いてる!もう!私たちそんなに薄情に見えたの~?」

紬「ち、ちが・・・//」ポロ

唯「も~ムギちゃんは心配しすぎだよ~」

澪「そうだぞ、そんなことで私たちの繋がりは切れないんだからな!」

律「繋がりなんて澪のえっち~」

澪「な、そういう意味じゃ・・・///」

梓「もう!せっかくいい雰囲気だったのに台無しです!」

紬「・・・うふふ」

326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:04:58.53 ID:4yzXfLHN0 [117/243]
梓「あ、この部屋楽器が一式揃ってますね」

唯「ほんとだ、アンプもある」

律「ドラムセットも」

紬「キーボードもあるわ~」

澪「よし、久々にやるか!」

唯「よ~し!放課後ティータイム、50時間耐久ライブだよ!」

梓「50時間ぶっ続けは無理ですよ~」

唯「気合いだよ!あずにゃん!」

紬「ポットもお菓子もあるし、お茶も出来そう♪」

律「よっしゃ行くぜ!準備はいいか~?」

唯澪紬梓「おー!!」

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:07:06.05 ID:4yzXfLHN0 [118/243]
そして50時間後

ゴゴゴゴ

唯「扉が開いた!」

紬「残り14時間ってところね、急ぎましょ」

ダダダダ・・・

唯「階段だ!」

どちらに行く?
○→登る ×→降りる

330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:09:06.41 ID:4yzXfLHN0 [119/243]
澪「ハァ・・・ハァ・・・」

唯「ここはさっきの闘技場・・・」

澪「30分走って逆戻りか・・・」ハァハァ

律「だから素直に降りる階段選べばよかったんだよ」ハァハァ

澪「・・・ハァハァ」

律「だから素直に降りる階段選べばよかったんだよ」

澪「う、うるさいな、律も納得ずみで決めたことだろ!」

この後も5人は幾度となく多数決をせまられた・・・
電流クイズ、○×迷路、地雷付き双六etc

自分たちが現在何階まで降りて来たのかもわからぬまま
残り時間はとうとう60分を切った・・・

331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:11:16.12 ID:4yzXfLHN0 [120/243]
律「急・・・ごうぜ」

澪「ああ・・・残り時間が少ない・・・」

扉を
○→開ける ×→開けない

唯「開けるに決まってるよ~」ピ

○5 ×0

ゴゴゴゴ

紬「!」

紬「見てみんな、どうやら出口が近いわ」

唯「えっ?ほんと!?」

最後の別れ道
ここが多数決の道最後の分岐点です
心の準備はいいですか
○→はい ×→いいえ

唯「も~、準備OKに決まってるよ」ピ

○5 ×0

ピピッ

333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:12:42.46 ID:4yzXfLHN0 [121/243]
試験官『それでは扉を選べ、道は二つ・・・』

試験官『5人で行けるが長く困難な道・・・』

試験官『3人しか行けないが短く簡単な道』

試験官『ちなみに長く困難な道はどんなに早くても攻略に45時間はかかる』

試験官『短く簡単な道は3分ほどでゴールに着く』

試験官『長く困難な道なら○、短く簡単な道なら×を押せ』

試験官『×の場合壁に設置された手錠に2人が繋がれた時点で扉が開く、その2人は時間切れまでここを動けない』

唯「そ、そんな・・・」

残り時間
57分25秒

334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:14:31.77 ID:4yzXfLHN0 [122/243]
唯「ど、どうしよう・・・」

律「どうしようも何も、もう選択肢は一つしか・・・」

澪「×を押すしかない・・・」

紬「そんな・・・」

梓「ここまで来て・・・2人見捨てろって事ですか・・・」

律「・・・先に言っておくぜ、あたしは×を押す」

紬「りっちゃん・・・」

律「だってそうだろ!?もう×を押すしか・・・!」

唯「私は○を押すよ」

澪「唯」

唯「せっかくここまで来たんだし、やっぱり5人で通過したい」

唯「イチかバチかの可能性でも、私はそっちに賭けたい」

澪「イチかバチかもくそもさ、残り時間は1時間も無いんだ。短い道を選ぶしかないよ」

澪「あとはどうやって3人を決めるか、だな・・・」

335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:16:05.28 ID:4yzXfLHN0 [123/243]
唯「イヤだよ!私、みんなと一緒じゃなきゃヤダ!!」

律「唯!そんな事言ったってもう時間が・・・」

澪「唯、安心しろ。お前が3人から外れる事はない」

梓「そうですね・・・どうやって決めたとしても、唯先輩とムギ先輩が外れる事はないと思います」

唯「バカ!そんな事言ってるんじゃないよ!」

紬「あの・・・私も○を押すわ」

梓「ムギ先輩!?」

紬「私も、全員でクリアしたいの・・・」

澪「無理だって言ってるだろ!それにどっちにしろ唯とムギは先には進めるんだ!」

律「ああ、残る2人はあたしか澪か梓の内の誰かになる」

梓「唯先輩とムギ先輩はハンター試験に合格するだけの実力がありますけど、私たちには・・・」

唯「だからそういう事を言ってるんじゃないの!」

336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:17:30.42 ID:4yzXfLHN0 [124/243]
律「往生際が悪いぞ唯!あたしたちの事は捨ててムギと先に行け!!」

唯「絶対ヤダ!何かあるはずだよ!5人で突破する方法が・・・!それを探すのが今なんだよ!!」

律「このわからず屋!」

唯「絶対あるよ!何か・・・何か・・・!」

律「覚えてるか?二択の町で言われた選択の時が今なんだ!正解なんて無いかも知れないけど、選らばなきゃダメなんだよ!!」

唯「違うよ!今は生き死にの選択じゃないし、まだ可能性があるかも知れない!今はその時じゃないよ!」

律「くそ、言っても無駄みたいだな・・・なら強制だ!澪、梓!×を押せ!」

澪「!」

梓「そ、そうですね!私たち3人が×を押せば・・・!」

唯「ダメー!!」

342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:00:06.58 ID:4yzXfLHN0 [125/243]
唯「お願い!もう少し待って!」

律「はなせ唯!」

紬「唯ちゃん・・・」

唯「ヤダ・・・ヤダよ・・・」ポロポロ

律「・・・」

澪「・・・この部屋、武器だらけだな。まるで戦ってでも3人を決めろって言ってるみたいだ」

梓「澪先輩!?」

澪「いや、もちろんそんな事はしないけど・・・」

唯(・・・武器だらけ・・・)

唯(戦って・・・そう言えば闘技場で戦ったんだっけ・・・)

唯「・・・!」

唯「わかった!いける!いけるよみんな!」

345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:05:09.70 ID:4yzXfLHN0 [126/243]
律「いけるって何が・・・」

唯「いいから!5人で行く方法があったんだよ!今は私を信じて○を押して!」ピ

律「あ、押しやがった!」

紬「えい」ピ

澪「ムギ!」

紬「唯ちゃんを信じましょ!さあみんなも早く!」

梓「・・・あーもう!信じますよ!」ピ

澪「唯、お前ならホントに何とかしてくれるかもな!」ピ

律「~~!!もう!しらねーぞ!」ピ

○5 ×0

ゴゴゴゴ・・・

残り時間
50分3秒

346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:10:23.06 ID:4yzXfLHN0 [127/243]
トリックタワー一階

ゴン「唯さんたち来ないね・・・」

レオリオ「無事だといいんだが・・・」

クラピカ「まだ時間はある、きっと彼女たちなら来るさ」

キルア「ああ、心配しなくても大丈夫だよ」

ヒソカ(う~ん、まだ彼女が来ない・・・ボクの見込み違いだったかなぁ?)

斉藤(お嬢様・・・どうかご無事で・・・)

アイ(お姉ちゃん・・・きっと来るよね、お姉ちゃんなら・・・)

――――――!

ヒソカ「・・・来たね」

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:15:01.24 ID:4yzXfLHN0 [128/243]
唯「ひゃっほ~~~!」

澪「怖い怖い怖い~!」

律「ムギ!残り時間は!?」

紬「10秒!9・・・8・・・」

梓「あ!出口です!」

唯「いっけ~~~~~!!!!!」

バシューーーーーーーーン!!!

唯「間に合った~~~!!!」

澪「着いた・・・」

律「滑り台ごときで怖がりすぎだぜ澪~」

紬「でも真っ暗な上に相当急な斜面だったから」

梓「でも楽しかったですよ!」

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:21:21.31 ID:4yzXfLHN0 [129/243]
試験官『タイムアップ~!』

試験官『三次試験終了~!』

唯「えへへ、みんなで突破出来たね!」

澪「ギリギリだったな」

律「手がマメだらけだ」

梓「まったくイチかバチかでしたね!」

紬「5人揃って合格!唯ちゃんのおかげね!」

律「まったくあの場面でよく思いついたもんだな」

―――――――――
――――――
―――


354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:26:00.56 ID:4yzXfLHN0 [130/243]
唯「みんな急いで!武器を手に持って!」

律「武器を!?こんなもんどうするってんだよ・・・!?」

唯「○の扉と×の扉の間の壁を・・・壊す!!」ドカッ!

紬「!」

澪「そうか!その手があったか!」

梓「流石唯先輩です!」ドカッ!

唯「時間がない!急いで!」ドカッ!

律「よっし!やってやるぜ!」ドカッ!

澪「えい!」ドカッ!

紬「はああっ!!」ズドン!!

唯「流石ムギちゃん!」ドカッ!

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:30:29.46 ID:4yzXfLHN0 [131/243]
―――
――――――
―――――――――

紬「長く困難な道から入って、時間内に壁を壊し短く簡単な道へ出る」

紬「確かにこれなら5人で脱出出来るわね」

唯「闘技場で囚人さんが素手で床を砕いたりしてたからね、武器があれば時間内に壁を壊せるかもって思ったんだ~」

紬「極限の精神状態で二択を迫られても、それを壊す発想が出来る・・・それが唯ちゃんのすごいところよ」

唯「えへへ」

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:35:29.68 ID:4yzXfLHN0 [132/243]
律「壁も常識もぶっ壊したわけだな!」

唯「・・・」

澪「・・・律、うまいこと言ったつもりか?」

梓「・・・すべりましたね、律先輩」

律「最後が滑り台だっただけにか?」

紬「・・・」

唯「りっちゃ~ん・・・」

律「な、なんだよ!ったくお前らは・・・」

唯「あはは!」

澪「ふふっ」

紬「うふふ」

梓「あはは」

三次試験
合格者57名


362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:46:27.19 ID:4yzXfLHN0 [134/243]
唯「あ、扉が開いたよ」

澪「やっと外に出られるんだな」

紬「さあ、次も頑張りましょ!」


地上

試験官「諸君タワー脱出おめでとう、オレは三次試験の試験官だったリッポーだ」

リッポー「残る試験は4次試験と最終試験のみ」

唯「あと二つ!」

364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:50:02.36 ID:4yzXfLHN0 [135/243]
リッポー「4次試験はゼビル島にて行われる、では早速だが」

唯「なんか運ばれてきたね」

リッポー「これからクジを引いてもらう」

紬「クジ・・・?」

澪「これで一体何を決めるんだ?」

リッポー「狩る者と狩られる者」

366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:51:14.27 ID:4yzXfLHN0 [136/243]
リッポー「このクジで決定するのは、狩る者と狩られる者」

リッポー「この機械の中には57枚のナンバーカード、すなわち今残っている諸君らの受験番号が入っている」

リッポー「今から1枚ずつ引いてもらう」

リッポー「それではタワーを脱出した順にクジを引いてもらおう、まずは44番ヒソカ」

リッポー「次は・・・」

唯「私たちは最後だね」

紬「ええ、ギリギリ到着だったからね」

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:52:41.72 ID:4yzXfLHN0 [137/243]
唯「!」

紬「!」

リッポー「全員引き終わったな」

唯「・・・」

リッポー「今諸君がそれぞれ何番のカードを引いたのかは全てこの機械に記憶されている」

リッポー「したがってそのカードはもう各自自由に処分してもらって結構」

リッポー「それぞれのカードに示された番号の受験生が」

リッポー「それぞれのターゲットだ」

紬「・・・」

リッポー「奪うのはターゲットのナンバープレート」

371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 14:55:13.31 ID:4yzXfLHN0 [138/243]
リッポー「自分のターゲットとなる受験生のナンバープレートは、3点」

リッポー「自分自身のナンバープレートも、3点」

リッポー「それ以外のナンバープレートは1点」

リッポー「最終試験に進むために必要な点数は、6点」

リッポー「ゼビル島での滞在期間中に6点分のナンバープレートを集めること」

唯(そんな・・・)

紬「・・・」

373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:00:37.68 ID:4yzXfLHN0 [139/243]
船上

ガイド「ご乗船の皆様、第3次試験お疲れさまでした!」

ガイド「当船はこれより2時間ほどの予定でゼビル島へ向かいます」

受験生(いったいどいつだ?)

受験生(誰がオレを狩る者なんだ?)

戦いはすでに始まっていた
誰とはなく自分のプレートを胸からはずし懐にしまい込んでいた
みな誰とも視線をあわせず情報を遮断した

ガイド「それではこれからの2時間は自由時間になります、みなさん船の旅をお楽しみくださいね!」

唯「船に乗るの久しぶりだ・・・」

377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:05:33.20 ID:4yzXfLHN0 [140/243]
唯(どうしよう・・・)

澪「あのさ、みんなは」

唯「ご、ごめん澪ちゃん!私ちょっと風に当ってくる」タタタ

澪「唯の奴・・・まさかヒソカの番号でも引いたんじゃ・・・」

律「ええ!?ま、まさか」

梓「でも唯先輩、元気ありませんでした・・・」

紬「・・・私が行ってみるわ」

澪「ムギも元気がないような・・・」

380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:10:01.00 ID:4yzXfLHN0 [141/243]
唯「ふう・・・」

紬「・・・唯ちゃん」

唯「!・・・ムギちゃん」

紬「何番・・・引いたの?」

唯「え?あはは・・・」

紬「唯ちゃんなら例えヒソカの番号を引いてもそんな顔はしない・・・違う?」

唯「・・・あはは」

紬「ゴンくんたち・・・いえ、私たちの誰か・・・でしょ?」

唯「!」

383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:15:08.13 ID:4yzXfLHN0 [142/243]
唯「そ、そんなこと」

紬「・・・私もなの」

唯「え?」

紬「私が引いた番号も、そうなの」

唯「ムギちゃん・・・」

紬「・・・せーので、見せっこしましょうか」

唯「・・・うん」

唯紬「せーの」

391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:19:59.65 ID:4yzXfLHN0 [143/243]
お互いが出したカードは
唯が409番、つまり紬の番号
紬が406番、つまり唯の番号だった

唯「・・・なんとなくそうじゃないかって思ってた」

紬「私もよ、予感はしてた」

唯「ムギちゃん、私・・・」

紬「唯ちゃん・・・勝負、ね」

唯「・・・」

紬「私と唯ちゃんのどっちが勝つか、真剣勝負」

唯「私は・・・」

紬「私は戦うわ、唯ちゃんを・・・今までで一番の敵だと思って戦う」

唯「私は、ムギちゃんと戦いたくないよ・・・」

紬「・・・唯ちゃん、それは私への侮辱なのかしら」

唯「・・・え?」

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:25:35.43 ID:4yzXfLHN0 [144/243]
紬「戦いたくないってことは、戦ったら私を傷つけるから・・・でしょ?」

唯「そ、そうだよ・・・?私はムギちゃんを・・・」

紬「バカにしないで!」

唯「!」ビクッ!

紬「つまり私を傷つけられる自信があるのね?私になんて勝って当然ってことなんだ」

唯「ち、ちが・・・」

紬「違わない!」

唯「!」ビクッ!

紬「唯ちゃん、もう一度言うわ・・・勝負よ」

唯「やだ・・・やだよ・・・」

紬「ふん、言っても分かんないのね・・・これだからいやなのよ、バカは・・・一生そうしてれば?・・・じゃあね」

唯「う、うう・・・」

唯(いやだよ・・・いやだよ・・・)

394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:30:04.53 ID:4yzXfLHN0 [145/243]
澪「唯とムギはどこ行ったんだろう?」

律「まあ、そのうち帰ってくるさ」

梓「あの、先輩たちは何番引いたんですか?」

律「内緒」

澪「・・・」

梓「まさか私の番号を・・・」

律「冗談だよ、じゃあ見せっこな!」

澪律梓「せーの」


澪は415番、つまり紬の執事の番号
律は420番、これまた紬の執事の番号
梓は198番、これはイモリという受験生の番号だった

澪「私と律のは・・・これムギの執事さんだよな?」

律「ああ、梓のは誰だ?」

梓「分かりません・・・分かっても取れないと思いますけど・・・」

澪「う~ん、どうしたものか」

397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:35:12.23 ID:4yzXfLHN0 [146/243]
紬「斉藤」

斉藤「は、なんでしょうお嬢様」

紬「澪ちゃんとりっちゃんと梓ちゃんの護衛は完璧にしておくのよ」

斉藤「は、万全の態勢で臨みます」

紬「プレートの用意もしてあげてね」

斉藤「かしこまりました・・・して、唯様は?」

紬「唯ちゃんには・・・いらないわ」

斉藤「本当によろしいので?」

紬「ええ、唯ちゃんにはもう護衛なんて必要ない。むしろ失礼よ」

紬「それに・・・唯ちゃんを狙うのは・・・」

斉藤「・・・かしこまりました」

400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:42:04.70 ID:4yzXfLHN0 [147/243]
澪「あ、執事さんたちだ」

執事「4次試験中は我々が皆様の護衛をさせていただきます」

律「そ、そりゃどうも」

執事「いえ、命すら落としかねない試験です。これくらいは当然です」

梓「唯先輩とムギ先輩にも護衛はつくんですか?」

執事「私どもは把握しておりませんが、おそらくつかないでしょう」

澪「ええ?大丈夫かな・・・?」

律「あの二人なら絶対大丈夫さ」

梓「・・・です!」


唯「ムギちゃん・・・私・・・」

唯「いやだよ・・・」


紬「唯ちゃん・・・」


ゼビル島到着

403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:46:15.05 ID:4yzXfLHN0 [148/243]
ガイド「それでは第3次試験の通過時間の早い人から順に下船していただきます!」

ガイド「一人が上陸してから2分後に次の人がスタートする方式をとります!」

ガイド「滞在期間はちょうど1週間!」

ガイド「その間に6点分のプレートを集めて、またこの場所に戻ってきて下さい」

ガイド「それでは1番の方スタート!!」

紬(先に行ける方が有利ね・・・自分は身を隠して獲物の動向をチェック出来る)

ガイド「・・・スタート!」

ゴン「じゃあね!唯さんも頑張って!」

唯「う、うん・・・」

唯(・・・)

413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:51:19.52 ID:4yzXfLHN0 [149/243]
ガイド「53番スタート!」

唯「・・・」

澪「唯、みんなで一緒に行動・・・」

唯「ごめん、私は一人で・・・」

律「そうか・・・」

唯「・・・」ダダッ!

ガイド「54番スタート!」

紬「行ってくるね」

澪「ムギも一緒に・・・」

紬「ごめんなさい、私も一人で・・・」

梓「そうですか・・・」

紬「最終試験で会いましょ」タタッ

415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:52:44.80 ID:4yzXfLHN0 [150/243]
ガサガサ

紬(この島・・・太陽が満足にあたらないほど深い森なのね)

紬(身を隠すにはもってこいだわ・・・まずこの島の地形を把握しなくちゃ・・・)

紬(とりあえず海岸沿いを歩いてみようかしら)

紬(唯ちゃんは・・・)

紬「唯ちゃん・・・」


唯「はぁ・・・はぁ・・・」ダダダ

唯(私・・・どうしたらいいの・・・?)

唯(頭がこんがらがって・・・うまく考えられない)

唯「ムギちゃん・・・みんな・・・私・・・どうしたら・・・」ダダダダ

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:54:06.58 ID:4yzXfLHN0 [151/243]
唯「とりあえずこの辺りまで来ればひと安心かな」

唯「これからどうしよう・・・」

唯「他の受験生から3枚プレートを奪って、ムギちゃんには見つからないように1週間過ごすとか・・・」

唯「そんなのどっちも無理だよ・・・」

―――えいっ!

唯「ん?なんか聴こえたような・・・」

―――とう!

唯「あっちからだ、行ってみようかな」

ガサガサ

ゴン「とりゃ!」

そこには釣り竿を必死にふるゴンの姿があった

唯「ゴンくん!?」

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:54:59.99 ID:4yzXfLHN0 [152/243]
ゴン「え?あ、唯さん・・・まさか唯さんオレのプレートを・・・」

唯「ち、違うよ~!ねえ、ちょっとそっちに行っていい?」

ゴン「なんだ違うのか~、うん!全然いいよ!オレも一人でちょっと心細かったし」

唯「ありがとう」

ゴン「でも奇遇だね、こんなところで会うなんて」

唯「声がしたからね、あんな大声出してたらゴンくんを狙ってる人にすぐ見つかっちゃうよ?」

ゴン「あ、そっか・・・」

唯「ねえゴンくん・・・」ギュッ

ゴン「唯さん・・・何かあったの?」

唯「私、どうしたら・・・」

418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:55:48.04 ID:4yzXfLHN0 [153/243]
ゴン「なるほど・・・唯さんのターゲットが紬さんで、紬さんのターゲットが唯さん・・・」

唯「うん、私ムギちゃんの事怒らせちゃったんだ・・・嫌われちゃったよ・・・」

ゴン「唯さん・・・」

唯「戦いたくないよ・・・でもムギちゃんは私の事敵だって・・・」

ゴン「唯さんは・・・勘違いしてるよ、きっと」

唯「・・・え?」

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:56:39.98 ID:4yzXfLHN0 [154/243]
ゴン「紬さんが唯さんの事嫌いになるとは思えないよ」

唯「でも、そう言われて・・・」

ゴン「わざと・・・じゃないのかな」

唯「わざと・・・?」

ゴン「こう言ったらなんだけど、唯さんは優しいっていうか、抜けてるっていうか、単純っていうか・・・」

唯「ひどっ!」ガーン

ゴン「あはは、ゴメンゴメン」

唯「うん!」

ゴン(やっぱり単純だ)

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:57:29.96 ID:4yzXfLHN0 [155/243]
ゴン「唯さんは紬さんのこと大事な友達だと思ってるんだよね?」

唯「うん」

ゴン「じゃあ紬さんも唯さんの事大事だと思ってる、絶対ね」

唯「ムギちゃん・・・」

ゴン「うん、だから紬さんは・・・唯さんを奮い立たせようとして、あえて憎まれ役を買って出たんだよ」

ゴン「そうでもしないと唯さんが自分を狙ってこないから・・・」

唯「え・・・」

ゴン「自分が悪者になれば、唯さんは心おきなく自分を狙える・・・」

ゴン「だから本音を押し殺して、唯さんのためにわざとそう言ったんだよ」

唯「そんな・・・ムギちゃん・・・」

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:58:25.18 ID:4yzXfLHN0 [156/243]
ゴン「互いに狙わないと試験は通過できない、でも互いに傷つけたくない・・・」

ゴン「正解なんてないかも知れない・・・紬さんにとっての『選択の時』だったんじゃないかな」

唯「そう・・・だったのかな、うん、きっと・・・ううん、絶対そう」

唯「自惚れなんかじゃない、ムギちゃんは私の事大切に思ってくれてる」

唯「ごめんねムギちゃん・・・私、ムギちゃんの気持ちちっとも考えてなかった」

ゴン「今からでも遅くないよ、全力で戦う事が紬さんに対する誠意だよ!」

唯「・・・うん!私、本気でムギちゃんと戦う!私も、ムギちゃんを一番の敵だと思って戦うよ!」

ゴン「頑張ってね、唯さん!」

唯「うん!さっそく準備するよ!」

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 15:59:21.36 ID:4yzXfLHN0 [157/243]
唯「いろいろありがとうゴンくん!邪魔してごめんね」

ゴン「そんな事ないよ、オレもちょっと緊張してたから心に余裕が出来た気がする」

唯「そういえばゴンくんのターゲットって誰なの?」

ゴン「ヒソカだよ」

唯「ええ!?それはまた・・・」

ゴン「ううん、唯さんの話を聞いたらキルアやクラピカ、レオリオじゃなくて良かったって思った」

唯「そっか!」

ゴン「頑張ろうね、お互い」

唯「うん!じゃあね!」タッタッタ

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:00:56.93 ID:4yzXfLHN0 [158/243]
ザッザッザ

紬「あら」

キルア「あ、紬さん」

紬「奇遇ね」

キルア「うん」

紬「安心してね、キルアくんがターゲットって訳じゃないから」

キルア「ああ、オレもだよ」

紬「キルアくんを狙ってるのは今尾けてる人かしら?」

キルア「はは、流石だね。うん、多分そうだろうね」

紬「あれでばれてないつもりかしら」

キルア「そうだろうね、まあ相手しても1点だし今はとりあえず無視すっけど」

431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:04:58.34 ID:4yzXfLHN0 [159/243]
紬「ね、キルアくんのターゲットって誰なの?」

キルア「知らない奴だよ。見つかんなかったら今尾けてる奴とか入れて適当に3人狩るかも」

紬「そう・・・あのね、唐突だけど・・・もし、ゴンくんがターゲットだったらどうしたか聞いていい?」

キルア「ゴンが?・・・うーん、なってみないと分かんないや」

紬「・・・そうよね、ごめんね変なこと聞いて」

キルア「まさか紬さん・・・」

紬「・・・」

434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:10:06.08 ID:4yzXfLHN0 [160/243]
キルア「ヒソカよりやっかいかもな」

紬「私は、選択を間違ったのかしら・・・」

キルア「まあオレのターゲットがゴンだったら戦うかな、やっぱ」

紬「あら」

キルア「オレはゴンと友達になりたいけど・・・ライバルにもなりたい」

紬「ライバル・・・」

キルア「対等な相手さ、手加減も変な慣れ合いもナシ!いつでも本気でぶつかり合える関係になりたいんだ」

紬「そう・・・うん、そうよね」

キルア「参考になったかな」

紬「ええ、とっても。ありがとうキルアくん」

キルア「どーいたしまして」

435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:16:25.40 ID:4yzXfLHN0 [161/243]
紬「・・・唯ちゃんじゃなくて残念だった?」

キルア「え!?そんなことねーよ!//」

紬「私で良かったら甘えてもいいのよ?」

キルア「な!?なにいってんだよ!!//」

紬「うふふ、顔が真っ赤よキルアくん」

キルア「バッカじゃねーのホント!///」

紬(ありがとうキルアくん・・・救われたわ)

436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:20:01.86 ID:4yzXfLHN0 [162/243]
紬「じゃあ私そろそろ行くわね」

キルア「うん、気をつけて」

紬「ええ、それじゃ」

紬(対等な関係・・・ライバル)

紬(そう、私も唯ちゃんとそういう関係になりたい!)

紬(だからやっぱり戦うわ!もう迷わない!)

紬(これからもずっと一緒にいたいから!)

紬(そう言えばキルアくん、さっき・・・)

―――ゴンと友達になりたい―――

紬(もうとっくに友達同士じゃない、変なキルアくん)

438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:25:53.08 ID:4yzXfLHN0 [163/243]
ガサガサ

唯(うーん、決心はついたけど・・・)

唯(どうやってムギちゃんのプレートを奪おう)

唯(私とムギちゃんじゃ身体能力の差は歴然、まともに戦っても絶対勝てない)

唯(でもこれは決闘じゃない、プレートを奪うだけなら何か方法があるはず)

唯(どうやってプレートを奪おう・・・あ、また最初に戻った)

440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:30:02.34 ID:4yzXfLHN0 [164/243]
唯「よし、持ち物を確認しよう」

唯「出かける時に憂がいろいろ持たせてくれたしね」

唯「ギー太に、ピック、替えの弦がいっぱい」

唯「あ、サバイバルナイフだ。憂が入れたやつだね」

唯「使えそうなのはサバイバルナイフくらいか~」

唯「いくら本気で戦うっていっても、ナイフなんて使ったら殺しちゃうかも知んないよ」

唯「まあこのナイフで不意打ちしてもムギちゃんに返り討ちにされるだけな気もするし」

唯「何かいい方法はないかな?ねーギー太?」

唯「あと使えそうなのは・・・地形かなあ、この森を上手く使って」

唯「やっぱり罠でも仕掛けるしかないかな~」

442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:35:03.96 ID:4yzXfLHN0 [165/243]
ガサガサ

紬(唯ちゃんの戦法は、おそらく不意打ちか罠のどちらか)

紬(真っ向勝負じゃ分が悪いって事はきっと唯ちゃんも分かってる)

紬(不意打ちなら寝込みを狙ってきたり、暗闇に乗じたり)

紬(あるいはあらかじめ仕込んだ罠でハメるか)

紬(戦闘で格上の私からプレートを奪うのは至難)

紬(つまり今の私がすべきことは、尾行に警戒しつつ不意打ちの隙を与えない)

紬(かつ罠が完成する前に唯ちゃんを見つけてたたく)

紬「まずは唯ちゃんを探さなきゃね」

444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:40:24.23 ID:4yzXfLHN0 [166/243]
ガサゴソ

唯「こんな感じにすれば・・・」

唯「うん、いけそうだね!あとはこれを造るだけ」

唯「問題は完成にどれだけ時間がかかるか分からないって事か~」

唯「完成前にムギちゃんに見つかったらおしまいだし」

唯「いや、でも逆に最後までお互い見つけられないって事も」

唯「今は1日目・・・5日後くらいがベストかなあ」

唯「心配しても仕方ない、さっそくとりかかろう!」

445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:45:17.19 ID:4yzXfLHN0 [167/243]
ゴン「ヒソカのプレートを奪うには、この釣り竿で飛んでいる鳥を百発百中で捕らえられるくらいにならないと・・・」


キルア(こいつ尾行ヘタすぎだぜ・・・めんどくせーなあ)


レオリオ(オレのターゲット・・・これ誰の番号だっけなー)


クラピカ(トンパがターゲットとはな・・・)


アイ(お姉ちゃんを探そう、心配だし)


ヒソカ「くっくっく」

447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 16:52:28.48 ID:4yzXfLHN0 [168/243]
ガサガサ

澪「あの、執事さん」

執事「はい、なんでしょうか?」

律「ホントにいいんですか?私たちにプレートくれちゃって」

執事「もちろんです、私たちの役目は皆さんのサポートですから」

梓「私のターゲットも、執事さん達が狩りに行ってくれましたし・・・」

澪「至れり尽くせりだな・・・」

執事「私たちはハンターになる気はありません、皆様のサポートの為だけに来たのです」

執事「ですから最終試験は私どもは辞退します、皆様には申し訳ありませんが・・・」

澪「いえいえ、ここまで来れただけで十分ですよ」

執事「紬お嬢様もおっしゃったと思いますが、どうか無理だけはなさらないで下さい」

律「分かってますって」

執事「最終試験はハンター協会会長はじめ委員会が立ち会う事が多いと聞きます、すぐに棄権すれば命を落とす事はないでしょう」

梓「そうなんですか」

執事「ええ、ある意味一番安全な試験だと思います」

449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:00:28.28 ID:4yzXfLHN0 [169/243]
澪「梓のターゲットプレートが手に入ったら」

律「あとは1週間過ぎるのを待つだけだな」

梓「今までにも増して護衛の執事さん達も居ますし」

澪「とりあえずこの試験もひと安心・・・かな」

律「相変わらず何もしてねーなー」

梓「そうですねー」

執事(あのヒソカという男が・・・おとなしくしている事を祈るばかりだな・・・)

450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:05:04.20 ID:4yzXfLHN0 [170/243]
ガサガサ

ヒソカ「退屈だなあ」

ヒソカ「ターゲットも誰だか分かんないし」

ヒソカ「とりあえずのんびり誰か探そう」

ヒソカ「くくく・・・おいしそうな果実がたくさん見つかったし・・・」

ヒソカ「このハンター試験は大収穫だったなあ」

ヒソカ「ああ・・・早く彼らを・・・彼女らを壊したい・・・」

452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:10:14.15 ID:4yzXfLHN0 [171/243]
2日目

唯「うーん、完成はまだ先だなあ」


紬「唯ちゃんどこかしら」


澪「なあ律、まだ2日目なんだよな」

律「うーん、確かに1週間も森の中ってのはきついなあ」

梓「私のターゲットを狩りに行った執事さん、まだ戻りませんねえ」

454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:15:27.19 ID:4yzXfLHN0 [172/243]
3日目

唯「そろそろ完成しそうかな」


紬「キルアくんに会ってから誰とも会わないわね・・・気配は感じるけど、いちいち相手するのも面倒だし」


澪「梓のプレートも手に入ったし、する事がないって退屈だな」

律「わがままいうなよ、澪」

梓「ギター弾きたいですね・・・」

律「音で居場所がばれるからダメだぞ」

456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:20:43.85 ID:4yzXfLHN0 [173/243]
4日目

唯「・・・よし!完成!」

唯「結構かかったけどなんとか出来た~」

唯「でもこれ、待ってるだけじゃダメだよね」

唯「よし!ムギちゃんを探しに行こう!」

唯「でもどーやって探そう・・・この島結構広いよね・・・」

唯「・・・そうだ!」

458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:27:05.75 ID:4yzXfLHN0 [174/243]
紬「なかなか見つからないわ・・・唯ちゃんももう罠を完成させるころ・・・」

紬「この島、広いから探索に時間がかかるし」

紬「そのくせ受験生が多いせいで唯ちゃんの気配に集中して探せない」

紬「困ったわね・・・」

――――――

紬「?今何か・・・」

―――ジャカジャカ♪

紬「ギターの音?これは梓ちゃんじゃない!唯ちゃんの音!」

紬「あっちから!」ダダッ!

460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:30:34.94 ID:4yzXfLHN0 [175/243]
唯「こうやって」

ジャカジャカ♪

唯「ギターを弾きながら歩いてれば、ムギちゃんがいたら気づくはず」

唯「ムギちゃん以外の受験生も気づいちゃうかも知れないけど」

唯「私がギターケースを持ってたのは多分受験生全員知ってる」

唯「楽器を持ってたのは私と澪ちゃんとあずにゃん」

唯「今はまだ4日目・・・自分のターゲット以外は狙ってこないはず」

唯「澪ちゃんとあずにゃんを狙ってる人が近くに居たら来ちゃうかも知んないけど」

唯「そこは賭けだね、ムギちゃんに一番最初に気付かれますように!」

461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:35:16.94 ID:4yzXfLHN0 [176/243]
紬「音はこっちから聴こえた!」ダダダダ

紬「唯ちゃん、危険を冒してまでわざわざ居場所を教えてくるなんて・・・」

紬「罠、もしくは罠への誘導よね、100%」

紬「でもいいわ、唯ちゃんの策と私の機転!どっちが上か正面からいってあげる!」


唯「・・・来た」

464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:41:29.36 ID:4yzXfLHN0 [177/243]
紬「ハァ・・・ハァ・・・唯ちゃん見つけた」

唯「ムギちゃん・・・」

ダダッ!!

唯「こっちだよ!」

唯(これじゃ罠を張った場所に誘導するってバレバレ・・・でも!)

唯(もうこの方法しかない!それにきっとムギちゃんは罠だって分かってても来る!)

紬(面白いじゃない、こんなバレバレの誘導・・・)

紬(でも!それでも真っ向からねじ伏せてあげる!それが唯ちゃんのライバルとして私がしてあげられる事だもん!)

紬「・・・待ちなさい!」

465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 17:46:33.60 ID:4yzXfLHN0 [178/243]
唯(あの場所まではなんとか追いつかれないようにしないと!)

唯(くう・・・!さすがに速い!追いつかれちゃうかも・・・!)

紬(唯ちゃん全力ね!まだ罠の場所まで距離があるって証拠!今追いつけば私の勝ち!でも・・・)

紬(速い・・・!追いつけない!唯ちゃん・・・すごい!)

ダダダダダダ!

唯「ハァハァ・・・着いた!後は・・・」ザザザザ

唯(今は一種の思考停止状態・・・ムギちゃんは私を追いかける事に意識が集中してる!)

唯(今ならムギちゃんをあの場所まで誘導できる確率が高いはず!)

紬(距離が縮まってきた!もうすぐ捕らえられる!)

紬(でもそろそろ罠の場所が近い、もしくはもう罠の中って可能性も・・・)

紬(でも逃がさない!追い詰める!!)

466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:00:44.12 ID:4yzXfLHN0 [179/243]
唯「ハァハァ・・・よし」

紬「待ちなさい!」

唯(もう少しこっちに・・・今だ!)

唯「いけーーー!!!」

バチン!

唯が一本の弦を切ると木々がしなり葉が舞った

バサバサバサ!

唯「動かないで!」

紬「!!」

唯「周りをよく見て!」

紬「これは・・・よく見えないけど弦!?が張り巡らされているの!?」

唯「ただの弦じゃないよ!研いであるから切れ味抜群だもんね!」

473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:32:46.69 ID:4yzXfLHN0 [180/243]
紬(この弦の数・・・うかつに動けないって訳ね・・・)

紬(しかもこも森の暗さで弦がよく見えない・・・)

唯「木と弦を結んでここら辺一体にあらかじめ張り巡らせた・・・」

唯「そして最後に仕上げの弦を切って完成って訳だよ」

ポロン♪

唯「動けば無数の弦に切り刻まれる!さあ!プレートを渡して降参するしかないよ!」

紬「なるほどね・・・唯ちゃんらしい罠じゃない」

唯「無理に弦を切ろうとしても無駄だよ!正しい順序で切らないとまた罠が発動する!」

唯「解除できるのは私だけ!ムギちゃんは動くことも罠を解除することも出来ない!」

唯「私の勝ちだよ!さあ早く降参して!」

476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:34:53.93 ID:4yzXfLHN0 [181/243]
紬(なるほどね・・・確かにこれじゃ動けないしうかつに弦も切れない)

紬(どうしたものかしら・・・)

スパッ!

紬「いた!」

唯「ムギちゃん!大丈―――いや!早く降参してよ!」

紬(落ち着いて考えましょ・・・)

紬(罠をかいくぐる方法、もしくは解除する方法を・・・)

紬(うーん)

477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:36:57.56 ID:4yzXfLHN0 [182/243]
紬(解除するには正しい手順を踏まないとダメ、唯ちゃんしか解除方法を知らない・・・)

紬(唯ちゃんはこの無数の弦を解除する方法を知ってる・・・知ってる?覚えてる?)

紬(この数の解除方法を覚えてるの?こんな何の特徴もない弦の・・・)

紬(考えられるのは・・・解除用の弦があってそれで全ての弦を一掃する・・・)

紬(ううん、それは無いんじゃないかしら・・・なんせ数が多すぎる)

キラッ

紬(あら?よくみたら唯ちゃんがいる場所にも弦が張り巡らせてある・・・)

キラッ

紬(他にも・・・どうやらここら辺一体に弦があるみたい)

紬(・・・・・・)

紬(試してみる価値はありそうね)

479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:39:13.90 ID:4yzXfLHN0 [183/243]
紬「分かったわ、降参よ・・・プレートを渡すからこっちに来て」

唯「ホント!?やった!勝った!」

ザッザッザ

ポロン♪ポロン♪

唯「よいしょ」ポロン♪

紬(やっぱり!)

紬「やっぱり降参は取り消すわ」

唯「ええ!?ずるい!」

紬(うふふ・・・)

480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:41:32.27 ID:4yzXfLHN0 [184/243]
紬(そうだったのね・・・この弦は・・・)

紬「多少の怪我は覚悟しないとね・・・」

紬「いた!」ポロン♪

紬「くっ」ポロン♪

ポロン♪ポロン♪

唯「あっ・・・」

紬「やっぱり・・・ね」

唯「!!」

紬「唯ちゃんは動けてるものね、この弦の中を・・・」

唯「・・・!」

紬「この弦の罠の攻略は・・・音、ね」

481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:44:04.07 ID:4yzXfLHN0 [185/243]
紬「この無数の弦の中で、音が少しだけ外れている弦・・・」

紬「さっき唯ちゃんはその弦の方に進んできた」

紬「つまり周りと違う音を奏でる弦は、人ひとりが通れるくらいのスペースを表す道しるべ」

紬「おそらく罠の解除もこの音の弦がカギなんだろうけど・・・解除はまた別の手順が必要かも知れないし・・・ま、もう解除する必要もないけどね」

唯「どうして・・・分かったの?」

唯「確かに私は移動の時音を出してたけど・・・それだけで・・・」

紬「もちろんそれだけじゃないわ」

482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:47:04.65 ID:4yzXfLHN0 [186/243]
紬「まずこの罠に私をハメる事を考えた場合、どうしても罠の範囲を広くしないとダメよね」

紬「この罠をピンポイントで仕掛けるのは至難の業、しかも失敗は許されない」

紬「だから広範囲に仕掛けるしかない、実際そこらじゅうに弦が張ってある」

紬「この罠のどこに私がかかるか分からない・・・つまり唯ちゃん自身の立ち位置も、私の位置次第」

紬「唯ちゃんはこの弦の中で、自分だけは自由に動けないといけないわ」

紬「つまり解除以外にも、移動の手段はある・・・」

紬「それが音だったのね」

483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:51:03.29 ID:4yzXfLHN0 [187/243]
唯「でも移動用の弦は、他の弦と16分の1音しかずらしてないのに・・・」

紬「そうね、この移動用の弦は本来絶対音感を持つ唯ちゃんにしか攻略出来ないもの」

唯「罠にかけられた心理状態で、この音を聞き分けられるなんて・・・」

紬「甘く見られたものね・・・まあ唯ちゃんの絶対音感は先天的なもの、その能力を過信してしまった」

紬「私にもあるのよ、絶対音感」

唯「!!」

紬「私のは後天的に創ったものだけどね」

唯「絶対音感を・・・創った?」

485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:52:14.82 ID:4yzXfLHN0 [188/243]
紬「唯ちゃんのほど精確じゃないけどね、16分の1音までならギリギリ聞きわけられるわ」

唯「そ、そんな・・・」

紬「もう半分、32分の1音なら私の負けだった・・・」

唯「くっ!」ダッ!

紬「もう逃げられないわ!」ダッ!

唯(まさか・・・破られるなんて!)

ポロン♪

紬「移動速度は私の方が少しだけ速い!観念しなさい!」

ダダダダ!!

紬「よし!罠の地帯を抜けたわ!」

488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 18:58:58.08 ID:4yzXfLHN0 [189/243]
唯「ううっ・・・」

紬「唯ちゃん・・・」

ヒュン

紬は一瞬にして距離を詰め、唯の背後に回り込んだ

唯「うっ」

紬「振り向かないで」

唯「・・・」

紬「唯ちゃん、私・・・とってもわくわくした」

唯「えっ」

489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 19:00:48.51 ID:4yzXfLHN0 [190/243]
紬「唯ちゃんがヒソカに感じたものと同じ気持ちよ、きっと」

唯「ムギちゃん・・・」

紬「強敵と相対した時に、気持ちが高ぶる・・・」

紬「唯ちゃんはハンター試験で出会った誰よりも私をわくわくさせてくれた・・・強かった」

紬「私は本気の唯ちゃんと本気で戦いたかった・・・だから・・・」

紬「だから私・・・あんな酷いことを・・・」ポロポロ

紬「ごめんなさい唯ちゃん・・・ごめんなさい・・・ホントに・・・」ポロポロ

紬「私の事・・・嫌いに・・・なったよね?ごめんなさい・・・」ポロポロ

唯「ムギちゃん・・・」ポロ

491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 19:05:18.74 ID:4yzXfLHN0 [191/243]
唯「そんな事ないよ・・・私の方こそ・・・気づかなくて・・・ムギちゃんが私のためにあんな事言ってくれたのに・・・」ポロポロ

唯「私・・・戦いたくないって・・・わがまま言って・・・ムギちゃんの気持ち・・・全然分かってあげられなかった・・・」ポロポロ

唯「私の方こそ・・・ごめんなさい・・・私・・・ムギちゃんに嫌われたって思ったけど・・・」ポロポロ

唯「ゴンくんのおかげで・・・気づけたんだ・・・」

紬「ゴンくん・・・?」

唯「ゴンくんに相談したの・・・そしたら気づけたんだよ、私とムギちゃんはお互いに大切な友達だって思ってるって事に・・・」

492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/06(月) 19:10:18.58 ID:4yzXfLHN0 [192/243]
唯「・・・私もね、わくわくしたんだ!すごく!」

唯「負けちゃったけど・・・楽しかった!」

紬「唯ちゃん・・・」

紬「前にも一度言ったけど・・・」

唯「・・・」

紬「・・・大好きよ、唯ちゃん」

トンッ・・・

唯「ムギ・・・ちゃ・・・ん」

ドサッ

振り下ろされた紬の手刀で、唯はその場に崩れ落ちた

唯「ハンター試験?」3
へ続きます

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