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上条「魔術…だとぉぉぉ?」 禁書「う…うん…」

1 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 13:49:25 ID:5irMF8v20 [1/17]
上条「それで結局はお前は魔術師だってのか?」

禁書「うん」

上条「………嘘だな」

禁書「なっ!? 何を根拠にそんな事言うのかな!?」

上条「じゃあ、聞くけどよぉ…逆にどんな根拠があって俺に信じろって言うんだよ?」

禁書「さっき私が裸にされてまで魔術の力が施された修道服を…」

上条「………嘘だな」

禁書「…なんでそんなに否定するのかな?」

上条「………俺にはお前が嘘を吐いてる様にしか見えないからだ」

禁書「………え?」

2 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 13:51:10 ID:5irMF8v20
上条「大体な。魔術なんてこんな科学の世界にあるはずがないだろ」

禁書「逆に私にはこの科学の世界の超能力って力が信じられないかも」

上条「じゃあ信じるなよ。俺もお前の言う魔術とやらは信じてねえから」

禁書「………じゃあ、もういいよ。そろそろ家を出て行くね…」

上条「………待てよ」

禁書「?」

上条「お前…なんで急にそんな潔く帰るんだ…? おかしいだろ」

禁書「え?」

3 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 13:54:52 ID:5irMF8v20
上条「さっきまでは俺が嘘だ嘘だと言えば、反論してきて信じさせようとしてきて」

上条「今は突然否定を止めて、この家から出て行くだぁぁ?」

上条「おまけに俺の家の全滅した食材だけで作った野菜炒めも全て平らげて…」

上条「お前…やっぱり何か企んでるな?」

禁書「え? べ、別に何も企んでなんかないよ?」

上条「今言い淀んだな? よしわかった。お前を絶対にこの寮から出す訳にはいかない。」

禁書「え?」

上条「お前はきっとこの家に何かを仕掛けたはずだ…」

上条「例えばお前がこの家を立ち去った数分後にはこの家ごと爆発…なんてのもありえる」

禁書(なんなのかな…このありえない程の人を信じなさ…」

4 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 13:57:02 ID:5irMF8v20
上条「とにかくこの寮からは出さねえ………待て!? 俺は補修があったな…」

上条「仕方ない。インデックスを屋上に連れ出して、逃げれない様に縛っておくか」

上条「そうすりゃきっと俺の家も大丈夫だろう…」

上条「ほらとっとと来い」

禁書「………とんでもない人の家の手すりに引っかかっちゃったんだよ…」

5 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:02:14 ID:5irMF8v20
上条「…これでよし…」

禁書「んー!! んー!!」

上条「後は俺が補修行くだけ…ってやっべえ!! 遅刻遅刻!!」

禁書「んー!!!!」

上条「あ、そういえばインデックスがつけてたフード…鞄取りに行くついでに…待てよ」

禁書「…?」

上条「考えたらインデックスの言ってた『歩く教会』ってのはフードもその一部のはずだよな…」

上条「こんな得体の知れないシスターの物なんだ…右手でさっきの修道服と同じく潰しとくか…」

6 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:06:53 ID:5irMF8v20
 ~とある路地裏~

ステイル「………ん? 神裂」

神裂「どうしました?」

ステイル「………『歩く教会』の反応が完全に消えた…」

神裂「なんですって!?」

ステイル「これではあの子を探し出すことが難しくなる…」

神裂「………まずいですね…それにあの子はどうやって『歩く教会』を…」

ステイル「わからない…もしかしてあの子の身に何か危険が!?」

神裂「…! それは大変です…最後に反応があった場所は何処ですか!? 私も行きます」

ステイル「ああ、それじゃあ早速行こう。こっちだ!」ダダダ

7 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:10:55 ID:5irMF8v20
 ~放課後の上条の住んでる寮~

上条「さて、拘束放置したあのシスターはまだちゃんといるか…?」

上条「大丈夫だ…安心しろ…俺はあのシスターを縄でぐるぐる巻きにした上で更に近くの金網にもぐるぐる巻きにしておいた…」

上条「抜かりはないはずだ…」ガチャ

上条「………」キョロ

上条「ふぅ…まだインデックスいたか…」

ステイル「見つけた!!」

上条「ん?」

8 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:16:04 ID:5irMF8v20
ステイル「ようやく見つけたよ…」

上条「誰だ?(インデックスの仲間でインデックスを捕まえた俺に仕返しに来たのか…?)

ステイル「その子を回収しに来た者さ。」

ステイル「神裂、聞こえるか? あの子とあの子を捕縛していた者を発見した。すぐに着てくれ」

神裂『わかりました。場所は?」

ステイル「屋上だ」

神裂『大雑把過ぎてわかりません』

ステイル「だって、屋上以外に…この寮の…更にこの屋上の呼び方なんて知らないし…」

神裂『ああもう! わかりました! すぐに適当な屋上に行きますので、それまで1人で頑張ってください!』

9 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:24:21 ID:5irMF8v20
ステイル「ふふ、だってさ? もうすぐ僕の仲間が来る…君はおしまいさ」

上条(なんだこいつ…仲間がいないと何もできない奴なのか…? それと回収って何だ…?)

ステイル「ふぅ~…………神裂の奴遅いなぁ…」スパー

上条(とりあえず俺のする事は…!!」

上条「隙ありぃぃいいいいいいいいいいいい!!!!」ドゴォ

ステイル「がぁぁぁぁああああああああああ!!!!」ドサ

上条「………ふぅ…念のため毎日筋トレしててよかった…」

神裂「ステイル!! 今来ましたよ!!」ガチャ

10 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:28:29 ID:5irMF8v20
神裂「ステイル…!! 大丈夫ですか!!」ダッ

ステイル「…神裂か…全く……君はいつも遅すぎるのさ…僕は…もうここまでみたいだ…」

神裂「何を馬鹿な事を言ってるんですか…!」

ステイル「すまない…だけど、体が言う事をきかないんだ…」

神裂「そりゃ顔すんごい腫れてますもんね…」

ステイル「僕の…僕の仇を…頼んだ…よ…」バタ

神裂「ステイル…? ステイルぅぅぅぅうううううううううううううう!!!!」

神裂「………許しません…」

11 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:31:27 ID:5irMF8v20
神裂「あなただけは絶対に許しません…あの子をあんなにぐるぐる巻きで縛ったあげく…」

神裂「ステイルまで顔を殴るだなんて…」

神裂「お命頂戴いたしまする」スッ

神裂「………あれ?」

上条「…?」

神裂「…………刀を無くしました」

ステイル「こらあああああああ!!! 肝心なものを忘れるなああああああ!!!!」ムクリ

上条(何こいつら…劇団の人か?)

12 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:39:09 ID:5irMF8v20
神裂「仕方ありません…刀を探してきます! ステイルはこの場を1人でなんとかしてください!」

ステイル「ちょ」

神裂「では行って来ます! きっと直ぐに見つけて戻ってきます!」

ステイル「待ってよ。直ぐだよ? ほんとのほんとぉぉぉぉに直ぐだよ? わかった?」

神裂「わかってますとも。それでは…行って来ます!」

ステイル「待て神裂!!」

神裂「今度は何ですか!? あの少年を早く倒してあの子を助けなければならないんですよ!?」

神裂「それなりに大切なことなんでしょうね!?」

ステイル「ああ、もちろんさ」

13 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:42:12 ID:5irMF8v20
ステイル「あのさ神裂…」

神裂「何ですか」

ステイル「………」

神裂「………」

ステイル「車には…」

神裂「車には?」

ステイル「気をつけるんだよ?」ニコ

神裂「」イラ

上条「」イラ

14 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 14:54:19 ID:5irMF8v20
神裂「………とにかく刀探してきます」

ステイル「ああ、言って来い………ふぅ~…」スパー

上条「おりゃあああああああああああああ!!!!」ドゴォォォォン

ステイル「ぶっるぁぁぁああああっはあああああああ!!!!」ズターン

ステイル「がっは………神裂…僕は思ったよ…君は別に『聖人』なんだから刀がなくても、腕力でも勝てるよね…」バタ

上条「よし、今のうちに逃げよう」

上条「………あのシスター…放置するか…?」

上条「………一緒に行くのは正直ヤバイ様な気がする…」

上条「………それでも…起こして……話だけでも聞いてみる…みるか?」

15 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 15:00:04 ID:5irMF8v20
上条「おい、起きろ」ペチペチ

禁書「う~ん…お腹減ったんだよ…」

上条「あ、起きてるのか」

禁書「ねえ、お腹減ったんだよ」

上条「知らん。それで? お前を狙ってるっていう魔術結社のうちの1人はあいつか?」

禁書「あの赤髪にあのアホ面…間違いないんだよ」

上条「もう1人の女の方は戦術的撤退をしていった。逃げるなら今だぞ」

禁書「え?」

16 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 15:10:53 ID:5irMF8v20
禁書「なんで私を助けて…? そ、それに…君は私を信じないって…」

上条「バーカ。俺が信じないのは魔術だ。それにお前が追われてるってのも信じてなかったけど今のでもう既にわかったから」

禁書「でも…君を巻き込んじゃうのは…」

上条「何言ってんだ。もう魔術結社の1人をぶん殴っちまったし、十分巻き込まれてるっての」

禁書「そうだよね…ごめん」

上条「謝るなよ。俺は疑い深いけどな。それでも困ってる人を見捨てる程ひどい人間じゃねえ」

禁書「それでも…君はそれじゃあ私と一緒に地獄の底までついてきてくれるって言うのかな?」

禁書「…それは絶対に無理なんだよ」

上条「無理なんかじゃねえ」

17 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/13(金) 23:41:11 ID:5irMF8v20
禁書「え?」

上条「いいかインデックス。お前は俺を巻き込んだ時点で地獄を抜け出してるんだよ」

上条「お前は俺が思ってる以上の辛い地獄の底をさ迷ってたかもしれねえ。けどな…」

上条「俺と出会って、俺を巻き込んだなら、俺を地獄に引き込んじまったんだったら」

上条「俺の右手の『幻想殺し』はあらゆる異能を打ち消す。つまり地獄なんて幻想世界に行った時点で」

上条「お前のその地獄とやらは俺がぶち殺してるんだよ。だから…お前はもう地獄になんかにいない」

上条「これからはちゃんとこの普通な世界で暮らしていけんだよ!!」

上条「巻き込む巻き込まないとかの話じゃねえんだよ!!」

上条「巻き込むことを恐れて人を遠ざけてんじゃねえ、勝手に絶望してんじゃねえ!!」

上条「もしテメェがまだそんなバカな幻想を抱くってんなら…俺が今度こそその幻想を跡形もなくぶち殺してやる!!」

18 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:08:00 ID:QOfZ9F+I0 [1/12]
禁書(………長いんだよ。それに所々が意味不明なんだよ……でも…私のために説教してくれるのは少し嬉しいんだよ)

禁書「………わかったんだよ。それじゃあ…」

上条「ああ、グズグズすんな! さっさと行くぞ! あの女の方が帰ってくる前にな!」グイ

禁書「あ…」

上条「………」ピタ

禁書「…? 突然走り出したり、突然止まったりどうしたのかな?」

上条「何処に逃げればいいんだろうか」

禁書「………そういえばそうなんだよ」

19 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:16:36 ID:QOfZ9F+I0 [2/12]
禁書「多分連中は一回私が隠れてしまえば簡単には見つけれなくなると思うけど…」

上条「それはなんでだ。信じられない。そんな都合の良い話があってたまるか」

禁書「………ま、まぁ…私の『歩く教会』が破壊されたからなんだよ」

上条「へぇ、それで? 破壊されたから何で簡単には見つけれないんだよ?」

禁書「連中は私の歩く教会で位置を察知してたみたいだから、『歩く教会』が破壊された今は…」

上条「簡単にインデックスを見つけれないという事か?」

禁書「そうなんだよ!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:21:51 ID:QOfZ9F+I0 [3/12]
上条「………まだわからねえけどな。本当に連中が『歩く教会』だけを頼りにお前を探してるのかはわからねえけどな」

禁書「どういうことなんだよ?」

上条「つまり、連中はもしかするとインデックスの探し方が『歩く教会』だけじゃなく、他にも探す方法があるかもしれねえって事だ」

禁書「…! その発想はなかったんだよ。君はもしかすると頭がいいのかな?」

上条「全く。ただ疑い深いと不安な事が次々と頭に沸いてくるんだよ」

禁書「便利な頭なんだよ。君は右手のせいで完全に不幸になってると思ってたけど…そうでもないんだよ」

上条「どういう事だ?」

21 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:27:39 ID:QOfZ9F+I0 [4/12]
禁書「つまり、君の右手が空気に触れてるだけで神様のご加護なんかもばんばん打ち消して、不幸街道まっしぐらなのかと思ってたけど」

禁書「案外そうでもないかもって思っただけなんだよ」

上条「…? 何でそう思っt 神裂「見つけました!!」 ………この話は後でか…」

神裂「まさか逃げないでそんなところで雑談してるとは思ってもみませんでしたよ…」

禁書「………やっぱり不幸なんだよ」

上条「全くだ」

22 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:31:12 ID:QOfZ9F+I0 [5/12]
神裂「さあ、さっそくですが少年には眠ってもらいます」

上条「…」ジー

禁書「…」ジー

神裂「そんなに睨まないでください。私はそういう攻撃に弱いんです。(特にあの子に睨まれるのは…罪悪感が…)」

禁書「…」ジー

神裂「う…」

禁書「…」ジジー

神裂「………」

禁書「…」ジジジジジー

神裂「うわああああああああああああああ!!!! すみませんでしたあああああああああああ!!!!」ダダダダダ

23 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:38:57 ID:QOfZ9F+I0 [6/12]
ステイル「ちょ、神裂!? 何故突然逃げ出すんだ!!」ガバッ

上条「さて…残るはお前だけだな…」

ステイル「…!? ま、待て!! 僕は既に君に2回も本気で顔を殴られてるんだよ? 2回も気を失ったし!」

ステイル「これ以上殴られたら…効果は抜群で爆発するかもしれない」

上条「何がだよ」

ステイル「僕の綺麗な顔がさ」

上条「」イラ

24 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:43:42 ID:QOfZ9F+I0 [7/12]
ステイル「ほら、この国では三度目の正直ということわざ? お決まり? よく知らないけどさ」

ステイル「三度目の正直で僕の顔が君の汚い拳に殴られた瞬間に爆発するかもしれない」

ステイル「そして、君は僕の顔が爆発しないと証明できるのかい?」

ステイル「…無理だね。君にできるはずがない。」

ステイル「だから、今回は僕を逃がすことだね。」

ステイル「僕を殴りたいのなら、次に会った時にするんだね」

上条「証明…できるぜ?」

ステイル「なん…だと?」

25 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:44:45 ID:QOfZ9F+I0 [8/12]
上条「簡単な話じゃねえか」

ステイル「何?」

上条「俺が…俺がお前の顔を殴って爆発しないんだって、証明すればいいんだよ」

ステイル「………」

上条「という訳だ、覚悟しろ」

ステイル「………」

ステイル「…やれやれ。これだから野蛮人hがぶはがぁああああああ!!!」

上条「………しまった。いい加減うざ過ぎて、喋ってる最中にぶん殴っちまった…」

26 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:47:41 ID:QOfZ9F+I0 [9/12]

ステイル「…」ムク

上条「げ、まだ起き上がってきた」

ステイル「そろそろ本気を出すよ?」

上条「何だと?」

ステイル「僕の名前はステイル=マグヌス…だけど、君相手なんだしね、名乗るのはこっちじゃなくてもいいよね…」

上条「?」

ステイル「とりあえず…Fortis931と言っておこうかな」

27 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 00:51:32 ID:QOfZ9F+I0 [10/12]
ステイル「さて…手加減なしで最初から本気でいくよ?」

上条(なん…だ? 嫌な予感がビンビンと…)

ステイル「“世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ」

ステイル「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり」

ステイル「それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり」

ステイル「その名は炎、その役は剣」

ステイル「顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せーーーーーーーーーーーーッ!!!!”」

上条(何だ!? 何が起こる!?)

29 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:57:32 ID:QOfZ9F+I0 [11/12]
ステイル「………」

上条「………」ゴクリ

ステイル「………」

上条「………」

ステイル「………」

上条「………?」

禁書「ねえ」

上条「………なんだよ? 今油断したら…」

禁書「あの赤毛、ルーン張り忘れて魔女狩りの王を顕現させる事ができないんだよ」

上条「………は?」

30 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:58:33 ID:QOfZ9F+I0 [12/12]
ステイル「ふ…流石だね、よく見破ったよ」

上条「…」

ステイル「さてっと…僕はあいにくルーンを忘れたんだ」

ステイル「悪いけど退散させてもらうよっと」

禁書「ねえ、ボーっとしてると赤毛が逃げちゃうんだよ?」

上条「………」

ステイル「あ、ちょっと横通らせてね、じゃないと唯一の出口であるそこから帰れないから」

上条「………」ガシ

ステイル「…? 何かな? これから帰るんだから、その手を離してほしいんだけど」

31 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:05:50 ID:niCkQxrI0 [1/26]
上条「永遠に眠っとけェええええええええええ!!!!」ガゴォォォン

ステイル「ゴフゥアアアア!!!!」ドッテーン

禁書「………倒したのかな?」

上条「ハァ…ハァ…流石に3回目の気絶だ。三度目の正直でしばらくは起き上がれないだろ…」

禁書「その言葉に信憑性は全くないんだよ。だけど…まぁ、いいんだよ!」

上条「たまには信じるのも悪くねえはずだろ。」

禁書「それ、君が言うと全く意味のない言葉に変わるんだよ」

上条「ひどい言い草だな」

禁書「いいんだよ。人の言葉を簡単に信じない人には最も適してる言葉なんだよ」

上条「………それもそうだな」

32 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:08:59 ID:niCkQxrI0 [2/26]
上条「さて、それじゃあ…」

禁書「今度こそ今のうちに逃げるんだよ」

上条「そうだな。さっさと………ッ!?」

禁書「ん?」

上条「悪い…俺は一緒には行けそうにはない」

禁書「え?」

上条「………」ブルブル

禁書(え? 何でこんなに震えて…?)

上条「………………俺はトイレに行く…お前は先に行け!!」

禁書「………」

33 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:32:49 ID:niCkQxrI0 [3/26]
 ~上条の家、トイレ内~

上条「あ~…スッキリした~…」

上条「一時はどうなるかと思った…」

上条「さて、出るか」ガチャ

神裂「待ってました」

上条「」

34 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:33:52 ID:niCkQxrI0 [4/26]
上条「…ここは俺の家のはずだよな?」

神裂「ドアが開けっ放しだったので入らせてもらいました」

上条「…やっちまったな」

神裂「ええ、大した失態だと思います」

上条「………あいつは?」

神裂「彼女なら屋上であなたを待ってますよ」

上条「…あいつが目的なら俺のところに来ずに直接さらえばよかったんじゃないか?」

神裂「私は誘拐犯とは違います。保護するためにあなたに断りを容れに来ました」

上条「紳士じゃねえか」

神裂「女ですけどね」


35 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:49:41 ID:niCkQxrI0 [5/26]
上条「それでその保護の要求なら悪いけど、突っぱねるけどな」

神裂「でしょうね」

上条「諦めたか?」

神裂「少し話をしましょうか」

上条「?」

神裂「彼女は完全記憶能力者です」

上条「そうなのか」

36 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:08:31 ID:niCkQxrI0 [6/26]
 ~中略~

神裂「という訳です。彼女は1年おきに記憶を消さなければ、生きてはいけない体なので保護させていただきます」

上条「………」

神裂「…ショックなのはわかります。…いいでしょう。まだ記憶を消す日までに時間があります」

神裂「そして、その日になれば回収に伺います。それまでに…別れの挨拶などを済ませてください」

神裂「…よろしくお願いします。では」スタスタ

上条「………」

上条「………ふざけんじゃねえよ…」


37 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:10:20 ID:niCkQxrI0 [7/26]
 ~翌日~


小萌『上条ちゃ~ん。バカだからもっかい補修で~す』

上条「………いや、先生。嘘を吐かないでください。そんなの信じませんよ」

小萌『はいは~い。何でもいいので、来てくださいね~』ガチャ

上条「………不幸だ…」

禁書「とうま、どうしたんだよ」

上条「補修行ってくるわ…」

禁書「わかったんだよ。昨日の夜に色々教えてもらったやり方できっちりお留守番するんだよ」

上条「ああ、いってくる」

禁書「いってらっしゃいなんだよ」

38 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:26:28 ID:niCkQxrI0 [8/26]
 ~学校~

上条(それにしても、完全記憶能力…か…)

上条(あの神裂って奴は、数日のうちに回収に来るって言ってた…)

上条(信じたくねえ…敵なんだぞあいつは)

上条(だけど………もしも、信じなくて結局何もしないままインデックスを放置しちまって、もしもがあれば…)

上条(………やるしかない。信じるしかない。あの神裂って奴の言葉を…)

上条(残り時間がどれくらいあるかはわからねえ…けどな…)

上条(やってやる…! インデックスがもう記憶を無くさなくても良いようにしてやるんだ…!!)

39 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:28:12 ID:niCkQxrI0 [9/26]
青ピ「センセー? 上条クンがまた窓の外の女子テニス部のひらひらに夢中になってまース」

上条「!?」

小萌「…」ヒグウグ

土御門「あー、また上やんが小萌先生泣かしてるにゃー」

青ピ「上やんは間違いなく僕らのラスボスやな。絶対に倒すべき相手やな」

上条「うるせぇ!! お前らのせいじゃねえか!! ちょ、小萌先生泣かないでください!?」

青ピ「そんな必死に小萌先生を慰めるやなんて…実は上やんってロリ属性持ってたんやな」

上条「え?」

土御門「青ピがそんなこと言うから、上やんが泣いてるロリ相手にハァハァ言ってる人にしか見えないにゃー」

上条「………………不幸だーーーーーーー!!!!」ダダダダ

青ピ「あーあ、上やんが叫びながら教室から出てってもうたわ…」

40 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:31:20 ID:niCkQxrI0 [10/26]
 ~職員室~

小萌「わかりましたかー? もうこれからはちゃんと真面目に授業受けてくださいねー?」

上条「はい…(って、何で怒られるのが俺だけ…不幸だ…)」

上条(そういえば、小萌は見た目こんなんでも教師…完全記憶能力について聞いてみるか…)

上条「あの…完全記憶能力ってご存知ですか?」

小萌「えぇ、知ってますですよ?」

上条「それじゃあ、聞きたいんですが…その能力で人が死ぬなんてことありますか? 記憶が埋め尽くされたりとかで…」

小萌「ないですよ?」

上条「え?」

小萌「いいですか、上条ちゃん。大体完全記憶能力って言うのはですね」

41 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:32:21 ID:niCkQxrI0 [11/26]
 ~説明中略~

小萌「という訳なんですよ、わかりましたか~?」

上条「わかりました」キリ

小萌「おぉ~。お馬鹿な上条ちゃんには珍しくよく理解できましたね」

上条「正直理解できてませんけど、大体の要点は覚えたので大丈夫です」

小萌「それじゃあ、次の補修は特別に上条ちゃんにこの問題で小テスト出しますね」

上条「………勘弁してください」

小萌「冗談ですよ~。それじゃあ、今日はもう帰っていいですよ~」

上条「はい。それじゃあ、ありがとうございました。失礼します」

42 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:33:46 ID:niCkQxrI0 [12/26]
上条(………いける! 神裂は脳が魔術書? かなんかで85%を受けつくされてると言っていた)

上条(だけど、それはきっと神裂の上司かなんかが言った嘘なんだ)

上条(インデックスの記憶を1年おきに消させるための…)

上条(あれ? それじゃあ、何でインデックスの記憶を1年おきに消す必要があったんだ?)

上条(脳を本当に1年おきに消さないと死なない様にわざわざ細工した理由は…?)

上条(………これは考えてもわからねえか…俺にできるのはインデックスにされてる細工を潰すこと…)

上条(………おもしれぇ…やってやろうじゃねえか!)

上条(小萌先生の言葉を疑って聞き返しまくったおかげで、大体の要点はわかってる)

上条(後はこれを神裂に話せば…きっと協力してくれるはず…)

上条(よし、とりあえず数日のうちに自分でできる事も探してみよう!)タタタ

43 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:35:23 ID:niCkQxrI0 [13/26]
上条「ただいま~」ガチャ

禁書「あ、お帰りなんだよ!」

上条「はぁ~つっかれた~…」

禁書「どうしたの? とうま」

上条「補修+俺が個人的に聞いた難しい話のせいで上条さんの頭がパンパンなんですよ」

禁書「頭がパンパンなんてそんなおかしい事をよく言えるんだよ」

上条「おかしい言うなよ」

禁書「ごめん。とにかくご飯が食べたいんだよ!」

上条「わかったわかった」ポンポン

上条「…ん?」

禁書「どうしたの?」

44 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:36:41 ID:niCkQxrI0 [14/26]
上条(待てよ? もしもインデックスに魔術で細工…じゃねえや。そんな魔術なんて信じないぞ俺は)

上条(異能の力で細工してるとしたら、こうして頭触った時点で既にいつもみたいに効果音と共にぶっ潰してるはずだよな?)

上条(実際にインデックスが着てた『歩く教会』も俺が触るだけで、ぶっ潰したし…)

上条(それで『歩く教会』をぶっ潰した時にインデックスに噛み付かれて、もみくちゃになった時には大体の表面は触れた…)

上条(だけど、それで潰れてるなら、神裂と…ステ…なんだっけ…まぁ、その二人が来る必要はないはずだよな)

上条(って事は…まだ触れてない所に細工がある…?)

禁書「とうまー。どうしたの? なんだか急に固まったけど…」

上条「ん、あぁ。なんでもねえよ」

禁書「そう?」

上条「ああ」

45 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:38:07 ID:niCkQxrI0 [15/26]
 ~深夜~

上条(間違いねえ…ってか、俺に元々間違いなんてあるはずがねえ…)

上条(やっぱり最後に信じるのは自分のみって奴だな)

上条(…それはいいとしても…さて、そろそろインデックスは寝たかな)ヨイショット

上条(………浴室で寝るのそろそろしんどいな…まぁ、今はいいか…)

上条「(お邪魔しますよーっと)」ガラ

上条(インデックスは…よし、寝てる)

46 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:40:18 ID:niCkQxrI0 [16/26]
上条(さて…考えろ…何処に細工がされている…?)

上条(昼くらいに考えた通りにするなら、『歩く教会』をぶっ潰した日にはインデックスが素っ裸のままで
    俺を襲ってきたから、基本的な場所には右手が触れてるはず…)

上条(そして、その上でまだ触れてない場所………)

上条「ぶっ」ピュー

上条(いかんいかん。鼻血が…ティッシュティッシュ…)ボス

上条「あ、ティッシュ踏んじまった…」

禁書「う~ん………とうまー…?」

上条「!?」

上条(いかん、起きるか? 起きるのか!? この状況下でか!? まるで寝込みを襲いに来た変態みたいじゃねえか!!)

47 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:41:23 ID:niCkQxrI0 [17/26]
禁書「………ねぇ、とうま?」

上条「なんでせうか? インデックス女王陛下?」

禁書「私の国の女王陛下はエリザード様なんだよ」

上条「ああ、そうなの…」

禁書「そうなんだよ。もしかすると私の出身国に行けば、テレビで見る事もあるかもしれないからよく覚えておくんだよ」

上条「そうだな…」

禁書「もういいかな?」

上条「………はい」

禁書「じゃあ、覚悟してほしいんだよ」アーン

上条「………………はい」

48 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:42:33 ID:niCkQxrI0 [18/26]
禁書「全くとうまは変態なんだよ!! 寝込みを襲うなんてーーーー!!!」ガブガブ

上条「ぎゃあああああああああああ!!!! 痛い痛い!! 痛いですよインデックスさんんんんん!!!!!」

禁書「とうまが悪いんだよ!!」モグモグ

上条「がああああああああ!!!! 俺の右手ぇええええええ!!!! 食われてるぅぅぅううううう!?」

上条「は、はな…ッ!?」

上条(待てよ…普通は触れない場所…噛まれてる右手…そして、俺の右手を捕食する口………口!?)

上条(ま、まさか………まさか!?)

禁書「あれ? 抵抗しなく…?」

49 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:43:39 ID:niCkQxrI0 [19/26]
上条「インデックス…後でいくらでも謝る。だから…」

禁書「?」

上条「イーマージーンンンンン!!!!」

禁書「え?」

上条「ブレイカあああああああああああああああああああああ!!!!!」ズボォォォ

禁書「んんぁぁぁーーーーー!?」

上条「いっけえええええええええ俺の右手ええええええええ!!!! インデックスを救ってやれええええええ!!!!」バギィィィン

上条「手ごたえ………ありだぜ」キラーン

禁書「………」

上条「………ッ!?」バシィィン

上条(何だ? 俺の右手が口から弾き出された…?)

50 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:44:42 ID:niCkQxrI0 [20/26]
禁書「警告。第三章第二節。(中略)侵入者の迎撃を優先します。」

上条「インデ…ックス?」

上条「インデックス…一体何が…、……ッ!? ふっ!!」バッ ピキューン

上条は反射的に『危ない』と悟った。それは第六感が告げたものかもしれない。
それを上条は察知し、ほぼ無意識に右手を前へと突き出した。すると、その右手へと吸い込まれる様に
真っ黒な雷の極太レーザーの様なものが右手へと直撃した。
それが直撃すると、いつもの異能の力を破壊した時の効果音の様なものが鳴る。
しかし、それでレーザーが消える事はなかった。

上条「な、なんでだ!? き、消えないのか!?」

神裂「何事ですか!?」ガチャ

上条「え? 何で鍵掛かってるはずなのに乱入してこれんの!?」

ステイル「僕のおかげさ」

上条「誰だよ」

51 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 01:45:52 ID:niCkQxrI0 [21/26]
ステイル「ふ、僕を忘れたとは言わせないよ?」

神裂「なっ!? 『竜王の殺息』!? それにあの子が何故魔術を!?」

ステイル「本当じゃないか。こりゃたまげた。凄いねぇ」

神裂「そして、何故この少年がその一撃を右手一本で!?」

ステイル「本当じゃないか。これもまた凄いねぇ。僕にはとても右手だけじゃ無理だよ」

上条「何でもいいから手伝ってくれ!!」

ステイル「虫がいいね? 君は僕を殴り飛ばしたんだよ? しかも3回」

神裂「引きずるんですね」

ステイル「当然さ」

上条「うぜぇ…」

52 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 02:12:35 ID:niCkQxrI0 [22/26]
ステイル「まぁ、なんだ…僕に謝るのなら力も貸すし、許すよ?」

上条「ちょ、わかったわかった。ごめんなさいすみませんでしたーー!!!!」メリメリメリ

上条「があああああああああああ!!!!! 腕が…」

ステイル「あらら、めりめり言ってるじゃないか。よし、魔女狩りの王!!!!」

神裂「ルーン貼ってませんよ?」

ステイル「あらら、こりゃ失敬」

上条「早くしろって!!!!!」

ステイル「よいしょっと…」

上条「一枚一枚貼るのかよ!!!! 早くしろ!!!! 右手がああああああああ!!!!」

ステイル「うるさい!!」

上条「!?」

53 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 02:23:18 ID:niCkQxrI0 [23/26]
ステイル「君は一体何様のつもりなんだい? 他人がわざわざ助けてくれようとしているのに文句ばかり言って…」

ステイル「何故僕が手を抜くかわかるか? 君が他人を全く信用しないからさ」

ステイル「わかるか? 人を信じない様な奴のために誰が全力で助けてくれる?」

ステイル「例えば、君は自分を一切信用してくれない人間に助けを求められて全力で助けるのかい?」

ステイル「インデックスを助けている事だって、実は自分が他人を助けたヒーローになりたかったからじゃないのかい?」

ステイル「そんな心構えで本当に他人を救えると思っているのか?」

ステイル「他人を傷つけずに、自分も死なずに。完璧に救う事ができるのか!?」

ステイル「無理だ!!」

ステイル「なぜなら、信用されていない側はそんな信用すらしてくれない相手に本気で手助けしようと思わないからさ」

ステイル「相手に助けを求めたいなら、まずはその人を信じてみろ!!」

ステイル「どうなんだ!! それでも君はまだ人を信じないと言うのか!!」

ステイル「他人を信じる。たったそれだけのことであの子を救うことができるんだ!! ………いい加減に始めようか、能力者!」

54 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 02:27:53 ID:niCkQxrI0 [24/26]
上条「………いいぜ…テメェを信用してやる…」

上条「だから…テメェに協力を…助けを求めてもいいよな!? 魔術師!!」

ステイル「当然だ!!」バララ

ステイル「さあ、出でよ…魔女狩りの王…『イノケンティウス』!!!!」

神裂「勝手に盛り上がって、勝手にあの子を救うつもりですか?」

神裂「当然私も混ぜてもらいますよ? あの子の苦しむ顔は…もう見たくはありません!!」

神裂「『Salvere000』!!!!」

55 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 02:32:47 ID:niCkQxrI0 [25/26]
神裂「『七閃』!!」

神裂の七閃により、インデックスの足元を奪い、真上を向かせる。
上条はその光景を見て、ぞっとしたが、しかしステイルが僕が人払いのルーンをしている。
この寮には今は人間がいない。気にするな!! と叫び、上条ははっとなり、目の前のインデックスをじっと見つめる。
そして足場が不安定になったインデックスは真上を向くと、その『竜王の息殺』もその照準をが真上へと向いた。
しかし、インデックスはどういう原理か、まるで宙に浮いてる様に起き上がってきた。
当然『竜王の息殺』もこちらへともう1度迫ってくるが、それが上条へぶつかる事はなかった。
なぜならば、ステイルの顕現させた『イノケンティウス』が上条と『竜王の息殺』の間へと割って入ったからだ。

ステイル「いけ!! 能力者!!」

上条はステイルの声の合図と共にその瞬間を見逃すことなく、インデックスの元へと駆ける。
距離がぐんぐんと近づいていく。
インデックスが何かを呟いていたが、上条は気にしなかった。
そして、インデックスの呟きを聞いた神裂が喉を潰す様な叫び声で上条へと何かを告げた。
しかし上条の耳には届いていなかった。
なぜなら…もう少しでインデックスを救えるのだ。
今、この機会を棒に振って違う機会を待つなどできないからだ。
もしかするとこれが最後の機会かもしれない。
そう考えると、上条には止まることなどできない。
進むことしか考えられなかった。
そして、遂に上条はインデックスが上条の右手が届く範囲まで到着する。
上条は何も考えずに右手を大きく振りかぶって、それをインデックスへと放った。

56 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 02:36:07 ID:niCkQxrI0 [26/26]
上条(この物語が、神様の作った奇跡の通りに動いてるってんなら―――)

上条(まずは――)

上条「その幻想をぶち殺す!!」

上条「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」ガッ

上条がインデックスへと触れると共にいつもの異能を打ち消した場合に聞こえる特殊な効果音の様なものが部屋中へと響き渡る。
ふと、上条が頭上を見上げると、いつの間にか布団の羽毛の様なものが宙を舞っていた。
そして、その中の1つが上条の頭上へと近づいてくる。
上条は一瞬諦めた様な顔をすると、ステイルへとこう言った。

上条「ステイル! お前の説教のおかげで人を信じて得た結果が本当に良かったものだと思えている!!」

上条「本当にありがと―――」

ここで上条当麻の意識は途切れた。
最後に神裂が叫び声を。ステイルが柄にもなくうろたえて、こちらへと駆け寄っているのが視界の隅に見えた気がした。

57 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:05:58 ID:C7BKQe220 [1/11]
――――

上条「――あれ?」

上条「ここは………病院か?」

上条「………あれ? 何で俺ここにいるんだ?」

上条「…あれ? 俺って…誰だ?」

58 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:07:05 ID:C7BKQe220 [2/11]
冥土返し「あれは記憶喪失と言うよりも記憶破壊だね」

ステイル「そんな…それじゃあ、あいつは…上条当麻はもう2度と自分の事を思い出す事はないと言うのか!?」

冥土返し「残念だけどね…僕の腕でもあれは治せない」

神裂「そんな………彼は私達のために…あの子のためにあそこまで頑張ってくれたんですよ!? それなのに…」

ステイル「………」スッ

冥土返し「何処に行くんだい?」

ステイル「決まっている。上条当麻の病室さ」

神裂「………私も行きます」

ステイル「当然さ」

59 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:08:17 ID:C7BKQe220 [3/11]
上条「………」コンコン

上条「…? どうぞ。開いてますよ」

ステイル「邪魔するよ」ガラッ

神裂「失礼します」

上条「………すみません。どちら様ですか…?」

ステイル「ふん、そう言うと思ったよ。それじゃあ、そうだね…まずは自己紹介といこうか」

上条「え? と、突然何です? 俺は絶対に貴方達の様な方と知り合いじゃないと思うんですが…」

ステイル「………めんどくさいなぁ…それじゃあ、君に名乗るのはこっちがふさわしいかな」

ステイル「―――Fortis903ってね」

上条「………は?」

60 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:10:14 ID:C7BKQe220 [4/11]
ステイル「灰は灰に、塵は塵に、吸血殺しの紅十字!!」ブォォ

上条「はいいいいいいいいいい!?」バッ バシュゥゥン

上条「あれ…? 炎が消えて…?」

ステイル「君のそれは何でも、蛙顔の医者が言うには『幻想殺し』と言うらしいね」

上条「イマジン…ぶれいかー?」

神裂「はい。異能の力ならば、神様のご加護だろうが、先程の炎だろうがなんでも打ち消す事ができます」

上条「………はい?」

神裂「そして、あなたはそれを使って…ある子を救ってくれました。私達にとっても大切な子を」

上条「なっ、そんなの覚えてねえぞ!? そんな証拠が何処にある!!」

ステイル「記憶を失ったせいで、また疑い深い性格に逆戻りかい…めんどくさい事この上ないよ」

上条「何言ってんだ…?」

61 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:12:01 ID:C7BKQe220 [5/11]
ステイル「とにかく、これからその子が君のお見舞いに来る」

ステイル「だから、君が自分で記憶を失っている事をその子に言って悲しませるか」

ステイル「それとも、記憶を失っていないと誤魔化して、これからずっと嘘を吐き、あの子を悲しませない様にするか」

ステイル「それは君の自由さ。だから、僕は知らない」

上条「急に他人事だな…」

ステイル「当然さ。他人なんだからね。でもね…」

上条「?」

62 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:13:07 ID:C7BKQe220 [6/11]
ステイル「僕は記憶を失う前の君に信用された男なんだ。君が困ったりしている時は、遠慮なくここに電話するがいいさ」ピラ

上条「お前…」

ステイル「もしも、困った事になれば僕を呼ぶがいいさ。きっと力になるよ」

神裂「私もですよ? あなたには借りがあります。ですので、当然です」

上条「………」

ステイル「まぁ、疑い深い性格に戻った君にこれを言っても無駄かもしれないけどね」

ステイル「さて、それじゃあ、そろそろあの子が来る。僕達は引き上げるよ」

上条「…あ」

63 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:15:58 ID:C7BKQe220 [7/11]
ステイル「なんだい? 言いたい事があるなら、早く言ってほしいんだけどね」

上条「その………ありがとう。お前のことは覚えてねえ。けど…悪い奴じゃないのはわかる」

ステイル「…! な、なんだい。少しはまともなことを言うじゃないか」

神裂「ふふ、私は機械に疎くて…携帯は無理なので、ステイルに言っていただければ、私もいつでも助けに行きますよ?」

上条「…ああ、ありがとう」

神裂「ええ。それでは、また会いましょう」スッ

ステイル「ああ、それと…今から来る子はシスターで真っ白な修道服を着ている」

ステイル「名前をインデックスと言い、10万3000冊の魔道書を頭の中に記憶してる完全記憶能力の女の子だ」

ステイル「だから変にボロを出して、変に思われない方がいい。完全に記憶されるからね」

ステイル「振る舞い方は…君の思うように接するのが1番だと思うよ。変に取り繕っても怪しまれるからね」

上条「わかった。何から何までありがとう」

ステイル「ふん、それはこっちの台詞さ」

64 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:17:45 ID:C7BKQe220 [8/11]
ステイル「じゃあ、今度こそ。またいつか会おう」スッ

上条「ああ………っと、それでインデックスってシスターさんが来るんだよな…」

上条「………どんな子なんだろう。怖い人じゃないと良いんだけどなぁ…」コンコン

上条(おっと、来たか…)「はい?」

インデックス「………」ガラ

上条(この子がインデックス………本当にシスターさんだ。あの赤髪…あ、あいつの名前がわからねえ…まぁ、後で…)

上条「よ、ようインデックス。俺が入院してる間…元気だったか?」

インデックス「と、とうま………とうまああああああああああああ!!!!」ガバ

上条「う、うわ、突然抱きついてくるな。ビックリするだろ!」

インデックス「だって…だってぇえええええええ!!!!」

上条「………し、心配させたなインデックス。もう俺は大丈夫だ」

65 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:19:24 ID:C7BKQe220 [9/11]
 ~病院から離れたビルの屋上にて~

ステイル「ふん、どうやら上手い事やってるみたいだね」

神裂「ええ、その様です。あの子もあんなに嬉しそうに泣いて…本当に゛良がっだでず」ズビー

ステイル「神裂は少し泣きすぎさ。双眼鏡が涙と鼻水で凄い事になってるよ?」

神裂「ス、ズデイルだっで、嬉じさのあまりに足元がくがくじゃ゛ない゛でずが!!」

ステイル「…! ば、ばれちゃしょうがないね。だって、あの子がようやく記憶を消さなくても…」

神裂「うぅ…」ゴシゴシ

ステイル「まったく上条当麻め…よくやってくれたよ。あいつには今度会ったらたっぷりと話を聞かせないとね」

ステイル「僕の顔を3回、そう。3回も殴ったことをね!!」

神裂「私だって、トイレの前で待機させられて恥ずかしかったんですよ!!」

ステイル「いや、神裂はトイレの前で一体何待ちだったんだ」

66 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:21:19 ID:C7BKQe220 [10/11]
ステイル「はぁ~…」スパー

神裂「…さて、イギリスに帰りますか」

ステイル「そうだな。この件であのアホたれ女に問い詰めないとね」

神裂「ええ。もちろんです。これからは絶対にあの子に危害がない様にしっかり見張りましょう」

ステイル「そうだね…」

ステイル「上条当麻、感謝するよ。人を信じる事のできない少年が…よくここまでしてくれたよ」

ステイル「本当にありがとう。君は僕達とずっと仲間さ」

 ~おわり~

67 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/16(月) 03:23:23 ID:C7BKQe220 [11/11]
今回は上条さんが少し人を信じることができない設定でやってみました
後、ステイルがアホで仲間意識が強いと、神裂は意外にも涙もろいと。
下手に1巻分じゃなくて、2巻、3巻と続けると今以上にgdgdしそうですし、この辺で。
お疲れ様でした~


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