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226-229 壊れた御坂さんと上条さん
226 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 18:44:51.30 ID:T.01oMo0 [1/4]
実験の阻止うんたらで壊れた御坂さんと上条さんのお話です。
みーまーみたいになった。
一方アンチみたいにとられるかもしれんが、そのつもりはない。
何が言いたいか→閲覧注意です
2レスいただく。
実験の阻止うんたらで壊れた御坂さんと上条さんのお話です。
みーまーみたいになった。
一方アンチみたいにとられるかもしれんが、そのつもりはない。
何が言いたいか→閲覧注意です
2レスいただく。
227 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 18:45:41.99 ID:T.01oMo0 [2/4]
横にゆっくりと力を込める。
それに連動してガラガラと扉は滑らかに開いた。
当初は開ける事すら億劫な扉が開閉回数を増す毎に開けやすくなった。
御坂への罪悪感が拭えた訳ではない。
カエル医者の診断通りいくと、身体の方はほとんど治ったみたいだからだ。
心の瘤りの一つ払拭された。
だけど、安堵するには早過ぎる。
課題は山ほど残されているのだ。
一歩、病室に踏み入ると病院特有の消毒液の匂いが鼻腔に届く。
窓から差し込む夕焼けで赤みがかった病室のベッドに御坂は腰掛けていた。
こちらに視線を投擲する御坂さん。
「お見舞いに来たぜ」
俺は御坂に微笑み掛け、片腕に掲げたビニール袋をチラつかせ、ベッドに歩み寄る。
「……」
「おーい」
俺は呼び掛けながら、ベッドの側にある折り畳み式の椅子に腰を下ろす。
そのついでに丸テーブルの上に見舞い品(リンゴとか)を置く。
「はぁ……アンタ、今日も来たの?」
「あーはいはい、上条さんはミコトちゃんが心配で心配で」
「大丈夫だって言ってんでしょ……」
御坂は語気を徐々に消沈させ、俯いた。
「ふーん、そんな事言って夜中泣き付いても知りませんよー」
「や、っ! そんな事しないってば!!」
顔を上げて、御坂は口調を荒げた。
だけど、御坂は露骨に表情を強張らせ、身体が小刻みに震えている。
そんな御坂は小動物染みていた。
西日が完全に沈むまでは時間がまだあった。
取り敢えず、予め自宅で切断作業を終えたリンゴを、と思い。
ビニール袋から保冷剤は袋に放置して、リンゴが入った容器を取り出す。
フタをとり、ラップで包んだ爪楊枝を果物に突き刺した。
「食べるか?」
コクリと頷き、御坂は咀嚼し始めた。
俺もリンゴを食べる。
228 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 18:46:17.88 ID:T.01oMo0 [3/4]
顔を下に落とし、ぼうっとしていた俺だけど、床に落下した物を見て正気を取り戻した。
それは食べ掛けのリンゴで俺の……ではない。
視線を御坂に向けると、御坂は泣き出していた。
即座に俺は御坂から爪楊枝を回収すると床に放り投げ、ベッドに座り込む。
御坂の後頭部に掌を回し、胸に抱き寄せた。
「側に居てくれるよね? 一緒に居てくれるよね?」
御坂は小声で確認する様に呟くと俺の服にしがみ付く。
「心配すんなって、俺はここにいるから」
「……ヒッグ……グスッ……」
御坂は嗚咽を洩らした。
叫ぶ事も拒絶して、母親に甘える赤ん坊の様に俺に縋る。
手で優しく、頭部を撫でるぐらいしか俺がしてやれる事はない。
「落ち着けって」
「嫌だ、嫌だ、いやだあ、ずっと一緒にいて、どこにも行かないで」
「上条さんはどこにも行きませんよ」
「ほんとに?」
「ああ、だから心配すんなって」
穏やかな声音で俺はそう言った。
「捨てないよね? ずっと私を守ってくれるよね?」
「……ああ」
御坂は朝方や昼間はそうではないけど、日が暮れ出すと決まって錯乱状態に陥る。
それはどうやら御坂が実験を目の当りにした時間帯らしい。
少なくともこの時間帯は他人との間に防波堤を築き、意思疎通一切を隔絶する。
この状態ではカエル医者によれば俺ぐらいしか、マトモに会話できないらしい。
それが、俺が此処に居る理由だ。
御坂が俺と話せるのは思い当たる節がある――頼る相手が俺ぐらいしかいないからだろう。
10032回目の実験で俺は御坂を救えなかった。
被験者の少年の前で雪崩落ちる血塗れの御坂を最後に後の事は記憶にない。
結果、御坂妹から死人は出なかったと聴いた。
俺がもし、御坂を鉄橋の上で止めれたら、どうなっていただろうか?
連綿とそのような憶測が脳裡に浮かび上がった。
終わりそうにも無い思考を強制終了させ、御坂の介抱に徹する。
華奢な体躯を腕の中に収めながら、御坂が沈静化するのを待つ。
朝方になるまで、俺はずっと御坂に付き添う。
医者に回復の目途と治療法を聞いたけど、現状維持とのみ宣告されたからだ。
229 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 18:46:58.02 ID:T.01oMo0 [4/4]
以上です。
横にゆっくりと力を込める。
それに連動してガラガラと扉は滑らかに開いた。
当初は開ける事すら億劫な扉が開閉回数を増す毎に開けやすくなった。
御坂への罪悪感が拭えた訳ではない。
カエル医者の診断通りいくと、身体の方はほとんど治ったみたいだからだ。
心の瘤りの一つ払拭された。
だけど、安堵するには早過ぎる。
課題は山ほど残されているのだ。
一歩、病室に踏み入ると病院特有の消毒液の匂いが鼻腔に届く。
窓から差し込む夕焼けで赤みがかった病室のベッドに御坂は腰掛けていた。
こちらに視線を投擲する御坂さん。
「お見舞いに来たぜ」
俺は御坂に微笑み掛け、片腕に掲げたビニール袋をチラつかせ、ベッドに歩み寄る。
「……」
「おーい」
俺は呼び掛けながら、ベッドの側にある折り畳み式の椅子に腰を下ろす。
そのついでに丸テーブルの上に見舞い品(リンゴとか)を置く。
「はぁ……アンタ、今日も来たの?」
「あーはいはい、上条さんはミコトちゃんが心配で心配で」
「大丈夫だって言ってんでしょ……」
御坂は語気を徐々に消沈させ、俯いた。
「ふーん、そんな事言って夜中泣き付いても知りませんよー」
「や、っ! そんな事しないってば!!」
顔を上げて、御坂は口調を荒げた。
だけど、御坂は露骨に表情を強張らせ、身体が小刻みに震えている。
そんな御坂は小動物染みていた。
西日が完全に沈むまでは時間がまだあった。
取り敢えず、予め自宅で切断作業を終えたリンゴを、と思い。
ビニール袋から保冷剤は袋に放置して、リンゴが入った容器を取り出す。
フタをとり、ラップで包んだ爪楊枝を果物に突き刺した。
「食べるか?」
コクリと頷き、御坂は咀嚼し始めた。
俺もリンゴを食べる。
228 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 18:46:17.88 ID:T.01oMo0 [3/4]
顔を下に落とし、ぼうっとしていた俺だけど、床に落下した物を見て正気を取り戻した。
それは食べ掛けのリンゴで俺の……ではない。
視線を御坂に向けると、御坂は泣き出していた。
即座に俺は御坂から爪楊枝を回収すると床に放り投げ、ベッドに座り込む。
御坂の後頭部に掌を回し、胸に抱き寄せた。
「側に居てくれるよね? 一緒に居てくれるよね?」
御坂は小声で確認する様に呟くと俺の服にしがみ付く。
「心配すんなって、俺はここにいるから」
「……ヒッグ……グスッ……」
御坂は嗚咽を洩らした。
叫ぶ事も拒絶して、母親に甘える赤ん坊の様に俺に縋る。
手で優しく、頭部を撫でるぐらいしか俺がしてやれる事はない。
「落ち着けって」
「嫌だ、嫌だ、いやだあ、ずっと一緒にいて、どこにも行かないで」
「上条さんはどこにも行きませんよ」
「ほんとに?」
「ああ、だから心配すんなって」
穏やかな声音で俺はそう言った。
「捨てないよね? ずっと私を守ってくれるよね?」
「……ああ」
御坂は朝方や昼間はそうではないけど、日が暮れ出すと決まって錯乱状態に陥る。
それはどうやら御坂が実験を目の当りにした時間帯らしい。
少なくともこの時間帯は他人との間に防波堤を築き、意思疎通一切を隔絶する。
この状態ではカエル医者によれば俺ぐらいしか、マトモに会話できないらしい。
それが、俺が此処に居る理由だ。
御坂が俺と話せるのは思い当たる節がある――頼る相手が俺ぐらいしかいないからだろう。
10032回目の実験で俺は御坂を救えなかった。
被験者の少年の前で雪崩落ちる血塗れの御坂を最後に後の事は記憶にない。
結果、御坂妹から死人は出なかったと聴いた。
俺がもし、御坂を鉄橋の上で止めれたら、どうなっていただろうか?
連綿とそのような憶測が脳裡に浮かび上がった。
終わりそうにも無い思考を強制終了させ、御坂の介抱に徹する。
華奢な体躯を腕の中に収めながら、御坂が沈静化するのを待つ。
朝方になるまで、俺はずっと御坂に付き添う。
医者に回復の目途と治療法を聞いたけど、現状維持とのみ宣告されたからだ。
229 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/08/26(木) 18:46:58.02 ID:T.01oMo0 [4/4]
以上です。
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