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男「あれ?お前…」猫「…」2
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:57:33.91 ID:x1ALYp6HO [4/4]
【男と僕】
男「相変わらずきったないなーここは、浜の掃除ぐらいしろよ」
僕「そうですね、海は綺麗なのに浜がこれじゃ価値が下がりますよ」
男「…」
僕「…」
男「久しぶりだね」
僕「ええ、久しぶりですね」
【男と僕】
男「相変わらずきったないなーここは、浜の掃除ぐらいしろよ」
僕「そうですね、海は綺麗なのに浜がこれじゃ価値が下がりますよ」
男「…」
僕「…」
男「久しぶりだね」
僕「ええ、久しぶりですね」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:02:26.88 ID:qqnvPh7CO [1/30]
男「いつからいたの?」
僕「相変わらず、あたりからです」
男「最初からじゃん」
僕「あはは、この間の仕返しですよ」
男「根に持ってる?この間のこと」
僕「いいえ、全然」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:08:06.44 ID:qqnvPh7CO [2/30]
僕「今日は友達と一緒じゃないんですか?」
男「あいつならどっか行っちゃったよ、まあほっといても帰ってくるだろうけど」
僕「じゃあ今は僕たち二人だけ、ってことですか」
男「あーそうだねー」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:17:29.31 ID:qqnvPh7CO [3/30]
男「そういえば君はこの間もここにいたね、なんでここに?」
僕「お母さんが死んだ場所 男「それはいいから」
僕「では質問に質問で返します、あなたはなぜここに?」
男「俺が聞いてるんだけど…」
僕「質問に答えてくれたら話しますよ」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:28:51.39 ID:qqnvPh7CO [4/30]
男「…気分転換だよ、小説のネタが詰まったりしたらこうやって家から飛び出してくるんだ」
僕「へえ、作家なんですか」
男「あれ、前言わなかったっけ「
僕「いえ、変態なお友達が作家なのは聞きましたけど」
男「あー」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:43:52.94 ID:qqnvPh7CO [5/30]
男「さて、俺ははなしたから次は君の番だよ」
僕「話さないと駄目ですか?」
男「駄目、ゼッタイ」
僕「…今まで僕がここにくてたのは、作り話を考えて誰かに話すためでした」
男「過去形ってことは、今は?」
僕「…なんでしょうね、自分でもわからないです」
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:45:54.41 ID:qqnvPh7CO [6/30]
くてたじゃなくて来てたです
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:58:40.93 ID:qqnvPh7CO [7/30]
男「なんだ、わからないことばっかりじゃん」
僕「あはは、そうですね」
僕「でもここに来てよかったってことはわかりますよ」
男「へぇ…ちなみになにがよかったのか、わかる?」
僕「…わかっても教えませんよ」
男「えー」
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:13:30.16 ID:qqnvPh7CO [8/30]
僕「じゃあ、そろそろ僕は帰ります」
男「そう?もう少しゆっくりしてけばいいのに」
僕「お心遣いは嬉しいですけど、家で妹が待ってますので」
男「え、妹いるの?」
僕「あれ、言ってませんでしたっけ?」
男「元気な父さん母さんの話しか」
僕「そうでしたね」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:26:49.89 ID:qqnvPh7CO [9/30]
僕「それじゃあ」
男「あ、ねえ!最後に聞いてもいいかな?」
僕「あはは、この間とおんなじだ、なんですか?」
男「…君は、いつも妹さんからなんて呼ばれてるんだい?」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:30:57.76 ID:qqnvPh7CO [10/30]
僕「…僕をなんて呼んでるか、ですか」
男「そう」
僕「…」
僕「…あなたは」
男「…っ」
僕「あなたはなんだと思いますか?」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:36:48.37 ID:qqnvPh7CO [11/30]
男「…」フゥ
男「ダメだ、サッパリわかんない」
僕「そういうことです、それでは」
男「ああ、さいなら」
男「…」
男「…クソ、やられた」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:51:22.23 ID:qqnvPh7CO [12/30]
男「遠まわしに聞いたのが悪かったな…」
男「あークソ、俺ってこんな甲斐性なしだったっけ?」
男「…」
男「…帰ろ」
男「答えは、また会ったときにでも聞けばいい」
男「今は帰って、飯にしよう」
男「それじゃ、バイクに向けてしゅっぱーつ」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:54:25.99 ID:qqnvPh7CO [13/30]
【男と僕】終わりです
ごめんすごい眠い、スレのこってたら明日書きます、それじゃ
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 10:39:06.03 ID:TOp2fcMg0 [2/103]
【華麗なる一日】
猫「やあ!ぼくは猫!」
猫「どこにでもいる賢い野良猫さっ!」
猫「「好きなものはバイクとかまぼこ!」
猫「・「嫌いなものは特にない、強いていうなら蚤ぐらいさ!」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 10:42:49.58 ID:TOp2fcMg0 [3/103]
猫「・・「そんな僕にも弱点がある」
猫「・・・「この男がドアを開けてくれないと家から外に出られないってことだ!」
猫「・・・」男「・・・」
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 10:59:46.12 ID:TOp2fcMg0 [4/103]
猫「・・・」じぃー
男「・・・悪かった」
猫「・・・」がりがり
男「あーはいはい今あけるよ」
猫「・・・」スタスタ
男「相変わらず足が早いな」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:01:47.75 ID:TOp2fcMg0 [5/103]
猫「・・・」スタスタ
猫「・・・」
猫「・・・」ふぁあ
子供「あー!ねっこさーん!」
猫「・・・」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:05:13.03 ID:TOp2fcMg0 [6/103]
子供「猫さん猫さん!なにしてるのー?」
猫「・・・」じぃー
子供「あはは!にゃんにもいわなーい!」なでなで
猫「・・・」ごろごろ
子供「今日はどこに行くのー?」
猫「・・・」スタスタ
子供「あ!まってよ猫さーん!」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:11:16.50 ID:TOp2fcMg0 [7/103]
猫「・・・」スタスタ
子供「ねーどこいくのー?」
猫「・・・」スタスタ
「やあ!また来てくれたのか黒猫君!」
猫「・・・」ストン
子供「わー!魚がいっぱーい!」
猫「・・・」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:15:45.65 ID:TOp2fcMg0 [8/103]
「おや!お譲ちゃん、こいつの飼い主かい?」
子供「違うよー!私はこの子のお友達ー!」
「そうかいそうかい!お譲ちゃん、そこ座っときな!お茶でも持ってくるから」
子供「わかったー!」
猫「・・・」ふぁあ
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:33:30.49 ID:TOp2fcMg0 [9/103]
「はいよ、お菓子も食べていいからね!」
子供「おばちゃんありがとー!」
「いいんだよこれぐらい!譲ちゃんはこいつの友達なんだし!」
猫「・・・」
「こいつはね、この商店街じゃ神様みたいなもんなのさ」
子供「カミサマー?」バリバリ
「そうだよ、こうやってここに遊びに来ては誰かの店の前で座ってるのさ」
「そしてその日一日こいつのいる店は、客足が途絶えないくらいに栄えるって言われてるんだよ」
「まあ、都合のよすぎる話だけど、みんなそれを信じてるのさ」
子供「へー」もぐもぐ
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:45:48.20 ID:TOp2fcMg0 [10/103]
「それに、客足は途絶えないほどじゃないけど」
わー猫だ
今日はこの店に来たのか
今日の晩ご飯はお魚がいいわねー
「ほーらきたきた!いらっしゃい!」
子供「猫さんすごーい!招き猫ー」
猫「・・・」ごろごろ
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:51:51.26 ID:TOp2fcMg0 [11/103]
「それじゃこれ!お土産にもってかえんな!」
子供「うわー!魚のミイラー!」
「ははは!ほら、あんたにも!」
猫「・・・」パクッ
「またきておくれよー!」
子供「ばいばーい!」
猫「・・・」はぐはぐ
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:56:38.67 ID:TOp2fcMg0 [12/103]
子供「猫さーん!次はどこいくのー?」
猫「・・・」スタスタ
子供「まってー!早いよ猫さーん!」
猫「・・・」スッ
子供「誰かの家にはいってっちゃった!」
子供「猫さーん!猫さーん!」
子供「私も入っちゃお!おじゃましまーす!」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:04:12.50 ID:TOp2fcMg0 [13/103]
肩と指が爆発しそうだ
子供「猫さーん・・・どこー・・・」
子供「猫さー・・・ん?」
「・・・・・・・・・」
猫「・・・」
子供「猫さん、なにしてるの?」
猫「・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
子供「おばあちゃん、寝てるねー」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:06:56.89 ID:TOp2fcMg0 [14/103]
猫「・・・」
子供「起こしちゃダメだからしー、だよー」
「あれ、君たちは?」
猫「・・・」
子供「あ、おばあちゃんが寝てるからしーだよ!」
「はは、ごめんごめん」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:11:54.72 ID:TOp2fcMg0 [15/103]
「えっと、君はどうしてここに?」
子供「この子がここに入ったから一緒に入ってきたの」
「そうだったの」
子供「勝手に入ってごめんなさい」
「はは、いいんだよ」
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:19:08.59 ID:TOp2fcMg0 [16/103]
子供「ねえ、どうしておばあちゃんずっと眠ってるの?」
「・・・」
猫「・・・」
子供「どうしたの?」
「・・・おばあちゃんは、とても眠たかったんだよ」
「一度眠ったらもう目を覚まさないぐらい、すごくすごく眠たかったんだ」
子供「えー?そんなに?」
「そうだよ」
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:27:41.48 ID:TOp2fcMg0 [17/103]
「それで、今さっきおばあちゃんは眠ったんだ」
子供「そーだったんだー」
「だから、どんなに大きな声をだしてもおばあちゃんはおきないし」
「どんな手をつかっても、おばあちゃんは動かないよ」
子供「ずっと夢を見てるのかなー」
「どうだろうね」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:30:20.26 ID:TOp2fcMg0 [18/103]
子供「夢の中で幸せになってるのかな」
「そうだね、きっと幸せだよ」
子供「だったらおばあちゃん悲しいね」
「どうして?」
子供「だって夢は夢だもん、本当なんかじゃないよ」
「・・・そうだね、君の言うとおりだ」
猫「・・・」
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:34:35.19 ID:TOp2fcMg0 [19/103]
「・・・夢じゃなくて、現実に生きていてほしかった・・・」
子供「おじちゃんどうしたの?」
「・・・いや、なんでもないよ、なんでもないんだ」
猫「・・・」
子供「おじゃましましたー!」
「うん、気をつけて帰るんだよ」
子供「はーい!」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:37:38.77 ID:TOp2fcMg0 [20/103]
猫「・・・」
「・・・君は」
猫「・・・」じっ
「・・・君が、お婆ちゃんの最後を見届けたんだね」
猫「・・・」
「・・・ありがとう」
猫「・・・」
猫「・・・」スタスタ
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:42:37.39 ID:TOp2fcMg0 [21/103]
子供「猫さん猫さん!これからどうしよっか!」
猫「・・・」スタスタ
子供「もうすぐ夕方!ご飯の時間!お腹すいたねー!」
猫「・・・」スタスタ
子供「お腹がすいたしお家に帰ろう!バイバイ猫さんまた明日ー!」タッタッ
猫「・・・」
猫「・・・」スタスタ
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:51:45.66 ID:TOp2fcMg0 [22/103]
猫「・・・」
猫「・・・」ガリガリ
男「お、帰ってきたか」
男「お帰り、今日の飯はなにがいいか?」
猫「n「ただいま!今日は贅沢にうなぎにしよう」
猫「・・・」男「あれ?」
男「お前今鳴かなった?」
猫「・・・」
男「・・・」
男「ま、そんなことよりご飯にしよう」
猫「・・・」ごろごろ
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 13:04:12.07 ID:qqnvPh7CO [19/30]
ちなみに子供の言った「夢は夢だもん、本当なんかじゃないよ」は実話
知り合いの葬式の時言ってたのを聞いて驚いたのを覚えてます
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 13:51:41.51 ID:TOp2fcMg0 [26/103]
【お話のお話】
男「・・・」
猫「・・・」
男「・・・もう一回言ってみ?」
猫「・・・にゃー」
男「・・・」
猫「・・・」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 13:54:03.92 ID:TOp2fcMg0 [27/103]
男「・・・なんだこれは」
猫「にゃー?」
男「これは・・・夢だ!ならいいか!」
猫「にゃー」
男「よくないな」
猫「にゃー」ごろん
250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 13:56:26.48 ID:TOp2fcMg0 [28/103]
男「んー・・・ほっぺは抓ったら痛いし、タバスコ飲んだら辛かったし」
男「これは現実なのか」
猫「んなー」
男「だよなー」
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:07:39.69 ID:TOp2fcMg0 [29/103]
男「どうしようこれいったい何がなんだか」
男「そうだ、変態に電話しよう」
プルルルル
友「はい?」
男「友、どうしよう大変なことが起きてしまった」
友「どうしたんすか?」
男「相棒がニャーとか言い出したんだよ、どうなってる」
友「は?ニャーって・・・いつもそう鳴いてたじゃないですか」
男「はぁ?そんなわけ・・・ってそういえば、お前なんで敬語つかってるんだ」
友「え?だって男さんは俺の先輩じゃないっすか」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:09:10.73 ID:TOp2fcMg0 [30/103]
男「え?いや待て、俺はお前に誘われて一緒に仕事をしだしたから同期んじゃ・・・」
友「なにいってるんすか、誘ってくれたのは男さんじゃないですか」
男「・・・んー?」
友「男さんどうしたんですか、今日なんかおかしいですよ?」
男「あーいや、徹夜が祟ったみたいだわ、悪かった」
ガチャ
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:11:08.25 ID:TOp2fcMg0 [31/103]
男「なんだ・・・なにが起きてる」
猫「なー」
男「ここは・・・まさか異世界!」
猫「・・・」
男「・・・ないよなー」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:13:26.79 ID:TOp2fcMg0 [32/103]
男「・・・海」
男「海に行こう、そうだ海だ!」
男「そこにあの子がいるはずだ」
猫「ナァー?」
男「よし、そうなりゃバイクを・・・」
男「・・・鍵がない」
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:16:22.65 ID:TOp2fcMg0 [33/103]
男「なんということだ」
男「表に止めてたバイクがない・・・」
男「・・・歩いていくのかー」
男「・・・行こう」
猫「ナァー」テクテク
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:18:46.22 ID:TOp2fcMg0 [34/103]
男「お、お前も行くのか?」
猫「ニャッ」ガサッ
男「はは、どっかいっちまった」
男「・・・」
男「ただの猫、なのか」
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:24:07.71 ID:TOp2fcMg0 [35/103]
男「・・・」スタスタ
不良?1「おい今度の小テストの点どんぐらいだと思う?」
不良?2「俺は絶対80点以上いくな」
不良?1「俺は90以上だな」
不良?2「てめぇふざけんなよ!」
不良?1「あははは!勉強が足りんな友よ!」
男「・・・」スタスタ
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:28:24.96 ID:TOp2fcMg0 [36/103]
男「・・・!」
子供「・・・」スタスタ
男「ねえ君」
子供「・・・なんですか?」
男「俺のこと覚えてる?」
子供「・・・いえ、どちらさまですか?」
男「そっか、君ってお姉ちゃん・・・いる?」
子供「いますけど・・・どうしてあなたが知ってるんですか?」
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:32:10.79 ID:TOp2fcMg0 [37/103]
男「いや、俺は君のお姉ちゃんの・・・友達なんだ」
子供「そうですか・・・もういってもいいですか?」
男「ああ、ごめんねいきなり」
子供「いえ、それではこれで」
男「・・・」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:34:39.47 ID:TOp2fcMg0 [38/103]
男「・・・」スタスタ
男「・・・はは、もうわけがわからん」スタスタ
男「・・・」スタスタ
男「・・・」スタスタ
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:00:49.74 ID:qqnvPh7CO [21/30]
男「着いた…」
男「…ここは変わらないのか」
男「相変わらず、浜が汚いな」
男「でも…海が綺麗だ」
男「…」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:06:11.42 ID:qqnvPh7CO [22/30]
僕「こんにちは」
男「…こんにちは」
僕「やっぱり来たんですね
男「…君は、俺を知ってるのか」
僕「ええ、今あなたに何が起きてるかも」
男「…どうすれば、俺はもとの場所に帰れるんだ?」
僕「…」
男「教えてくれ、頼む」
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:10:42.12 ID:qqnvPh7CO [23/30]
僕「…戻るって、どこに?」
男「向こうの、俺の知ってる世界だ」
僕「…まだ、思い出してないの?」
男「…何の事だ」
僕「…本当に、向こうがあなたのいた世界だと?」
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:16:38.15 ID:qqnvPh7CO [24/30]
男「何、いって」
僕「なんで、向こうがあなたのいた世界だと思ってるの?」
僕「どうして、こちらの世界が自分の居場所じゃないと決めつけるの?」
男「それは…ここが」
僕「自分の知らない世界だからって言うんだろ?」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:23:41.77 ID:qqnvPh7CO [25/30]
僕「本当にあなたは何も知らないんだね」
僕「いや、見ないように逃げてるだけか」
男「違う!俺はなにも知らないんだ」
僕「だったら教えてあげるよ」
僕「あなたが生きてきた世界はあなたの世界、あなたの心の世界」
僕「あの世界は、あなたが作り上げた偽物の世界」
僕「ただの幻影さ」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:35:01.35 ID:qqnvPh7CO [26/30]
男「…」
僕「思い出したかい?」
男「…ああ、全部」
男「…俺はこの場所に、この世界に失望してたんだ」
男「勤務していた会社クビになるわ、家を追い出されるわ」
男「仕事にありつけない、仲のよかった友人達も離れていく」
男「挙げ句小説作家になったのはいいが、さそった友の方が売れまくるし」
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:41:33.47 ID:qqnvPh7CO [27/30]
男「ホント、どうしようもない人生だった」
男「だから俺はあの部屋で、一人自殺をはかったんだ」
男「薬局で買ってきた睡眠薬大量にのんでさ、そのまま昏睡状態」
男「ホントは死ぬはずだったんだろうけど」
男「俺はそのまま、都合のいい夢を見ていたんだ」
僕「やっと思い出したね」
273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:49:55.18 ID:qqnvPh7CO [28/30]
男「俺はこれから、どうすればいいんだろうか」
男「今ここに生きていても、手に入るものなんてなにもない」
男「楽しかった生活も充実した日常も、この世界にはないのにな」
僕「…僕は、あなたの望む全てを持っている」
僕「地位も名誉も、財産だって」
275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:54:21.49 ID:qqnvPh7CO [29/30]
僕「あなたが望むなら、すべてをあなたに捧げます」
僕「僕の命すら、あなたのためなら惜しくない」
男「…」
僕「だから、僕を愛して」
僕「すべてがほしいなら、僕にあなたの愛を頂戴」
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:57:34.74 ID:qqnvPh7CO [30/30]
男「…わかった、君を愛するよ」
男「それで全て手にはいるなら」
僕「ああ、これであなたは僕の、僕だけのものだ…」
僕「永遠に僕だけの…」
猫「…」
猫「…」スタスタ
277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:00:43.89 ID:TOp2fcMg0 [39/103]
・
・
・
腐「ってことでしょ!そうでしょ!?」
僕「どうしてこうなったんだろ・・・」
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:08:03.35 ID:TOp2fcMg0 [40/103]
腐「えー?だってそうじゃない、好きなんでしょ!その兄さん好きなんでしょ!」
僕「恥ずかしいから叫ばないでくれよ・・・」
腐「で?ほんとのとこどうなの、好きなの?」
僕「腐ちゃんには言わない、絶対言わない」
腐「ぶーぶー!」
281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:13:38.23 ID:TOp2fcMg0 [41/103]
僕「それより、勝手な妄想はやめてくれない?なんだよ彼のつくった幻影の世界って・・・」
腐「いやーそっちの方が盛り上がるかなーって」
僕「あとなんで僕があんな病んだかんじになってるんだよ」
腐「あれ、違うの?」
僕「違うよ」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:21:22.40 ID:TOp2fcMg0 [42/103]
腐「しかしこの子をそんなフィーバーさせてるその兄さん、あって見たいねー」
僕「フィーバーしてるのは君だよ・・・それに僕はそんなに気にしてないし」
腐「ま・た・ま・た・まー!嘘ついちゃってこの子はー!」
僕「ついてない、絶対ついてない」
287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:25:48.03 ID:TOp2fcMg0 [43/103]
腐「へぇーあんなうっれしそーに、たっのしそーに話してたのにー?のにのにー?」
僕「・・・そんなことない」
腐「おうおう照れちゃって可愛いねぇ!
僕「もうっ!やめてよ!」
腐「いひゃひゃひゃで、結局どうなの?そのお兄さん好きなの嫌いなの?」
僕「・・・言っただろ?教えないって」
290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:27:23.23 ID:TOp2fcMg0 [45/103]
終わりです
僕大人気だなー
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 17:43:10.48 ID:TOp2fcMg0 [50/103]
【お祭り祭り】
男「あつい・・・」
猫「・・・」
男「あっつい・・・」
猫「・・・」
男「祭り・・・」
猫「・・・」ピクッ
男「・・・」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 17:46:06.83 ID:TOp2fcMg0 [51/103]
男「・・・どうする?」
猫「・・・」
男「花火・・・」
猫「・・・」
男「金魚・・・」
猫「・・・」
男「焼き鳥・・・」
猫「・・・」スクッ
男「おお、焼き鳥か」
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 17:49:56.87 ID:TOp2fcMg0 [52/103]
男「早いうちから屋台は出てるし、ちょっくらいきますか」
猫「・・・」スタスタ
男「バイクは乗らないからな、場所が近いから歩いていこう」
猫「・・・」じぃー
男「睨むなって・・・」
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 17:52:36.51 ID:TOp2fcMg0 [53/103]
男「うわ・・・人多」
猫「・・・」
男「見ろ、人がごみのようだー」
猫「・・・」
男「・・・つまらなくて悪かった」
猫「・・・」スタスタ
303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:05:58.03 ID:TOp2fcMg0 [54/103]
男「迷子になるなよあいぼー」
猫「・・・」スタスタ
男「おーい、俺が迷子になっちまうってー」
猫「・・・」
男「おいてくなよー」
猫「・・・」スタスタ
男「おい」
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:12:12.47 ID:TOp2fcMg0 [55/103]
男「おーあったあった」
猫「・・・」ソワッ
男「どれにするよ、つくね?」
猫「・・・」ごろごろ
男「じゃーつくねと豚バラ一本ずつ」
「ありがとっざいまー!」
306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:17:12.93 ID:TOp2fcMg0 [56/103]
男「なんでか知らんが祭りの焼き鳥って無駄にでかいよな」むぐむぐ
猫「・・・」はぐはぐ
男「なあ、それ全部食べきれるのか?」
猫「・・・」はぐはぐ
男「そういえば猫って熱いのだめなんじゃ」
猫「・・・」ごくん
男「余裕だな」
310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:32:32.88 ID:TOp2fcMg0 [57/103]
男「あいぼー、花火見て帰るか?」
猫「・・・」じぃー
男「はは、最近お前の言いたいことがわかるようになってきたぞ」
猫「「人が多いし物の値段が高い、こんなところいたくないぜ!」
猫「・・・」男「だろ?」
猫「・・・」ガブッ
男「痛いなー」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:35:54.34 ID:TOp2fcMg0 [58/103]
>>308 初耳だ
男「でも人多いからどっか別のところにいかんかね」
猫「・・・」じぃー
男「つくね・・・」
猫「・・・」スタスタ
男「早いなー」
312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:41:02.04 ID:TOp2fcMg0 [59/103]
男「河川敷にきてみた」
猫「・・・」
男「貸切状態だな」
プウゥゥウ
男「あーくそ、やっぱり蚊が来たか」パシッ
猫「・・・」ピクッ
男「そっちいったぞ」
猫「・・・」バシッ
男「粉砕しただと・・・」
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:57:50.93 ID:TOp2fcMg0 [61/103]
男「花火発射まで残り10分です」
猫「・・・」ごろん
男「10分ってさ、短いようで長いよな」
猫「・・・」
男「・・・」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:00:19.63 ID:TOp2fcMg0 [62/103]
男「体長、匍匐前進であります」
猫「・・・」
男「人なんていないんだからハメを外すであります」
猫「・・・」
男「あの草むらに隠れるであります」
猫「・・・」
男「おーい、たいちょー」
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:07:41.74 ID:TOp2fcMg0 [63/103]
男「潜伏完了!監視を開始します」ガサッ
男「やや、前方より見確認物体接近中」
男「隊長の方につっこんで来るであります」
子供「ねっこさあぁぁん!」タッタッ
猫「・・・」
男「おお、いつぞやの子供か」
男「あれ、なんかもう一人来てるぞ」
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:13:48.06 ID:TOp2fcMg0 [64/103]
男「速度・・・時速1キロメートルぐらいかな」
男「そこのおちびさんの友達と見た」
男「・・・」
男「いや違う・・・あれは」
男「いつぞやの男女君ではないか」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:18:43.79 ID:TOp2fcMg0 [65/103]
僕「はー、つ・・・かれたぁ」
子供「おねーちゃん!ほら!黒猫さん!」
猫「・・・」
僕「そ、だね・・・こ、んにち・・・は」
猫「・・・」
子供「おねーちゃん体力ないねー!」
僕「ほっ、といて・・・ふぅ」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:24:07.70 ID:TOp2fcMg0 [66/103]
僕「今日は、ふぅ・・・今日は君一人なのかい?」
猫「・・・」
僕「近くにバイクも人影もないから、大丈夫だね」
子供「なにが大丈夫ー?」
僕「こんなところ、見られでもした・・・ら」
男「・・・」
僕「・・・」
男「・・・こ、こんばんはー」
僕「・・・こん、ばんは」
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:28:57.90 ID:TOp2fcMg0 [67/103]
子供「おじちゃん!なんでそんなとこ隠れてるの?」
男「まあ、いろいろ・・・あってね」
猫「・・・」
僕「・・・」
男「・・・」
子供「?」
323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:38:31.07 ID:TOp2fcMg0 [68/103]
猫「・・・」スタスタ
子供「あ!まって猫さーん!」タッタッ
男(ちょっあのやろう!!俺を見捨てやがったぁ!!)
僕(うわぁぁ!!待って置いてかないで!!)
男「・・・は、はは」
僕「・・・あ、あはは」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:42:04.11 ID:TOp2fcMg0 [69/103]
男「・・・あの」
僕「・・・なんですか?」
男「・・・いや、あのですね」
僕「・・・」
男「前に妹になんて呼ばれてるか、聞きましたよね」
僕「・・・ええ」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:43:58.44 ID:TOp2fcMg0 [70/103]
男「お姉ちゃん・・・なの?」
僕「・・・ええ」
男「あ・・・そう」
僕「・・・」
男「・・・あっ、とさ」
僕「はい・・・」
男「どうして・・・浴衣着てるのかな」
328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:01:49.70 ID:TOp2fcMg0 [72/103]
僕「・・・」
男「・・・」
僕「だから着たくなかったんですよ・・・こんなの」
男「どうして?」
僕「だって全然似合わないし・・・あなたに見られたくなかった」
男「えー」
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:06:07.79 ID:TOp2fcMg0 [73/103]
僕「変ですよね、いつも男みたいな格好してたから」
男「いや、よく似合ってるよ?」
僕「・・・本気で言ってるんですか」
男「ああ」
僕「はぁ・・・」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:16:29.14 ID:TOp2fcMg0 [74/103]
男「あのさ、一つ聞いてもいい?」
僕「なんですか?」
男「君はどうして、男でいようとするの?」
僕「・・・理由なんてありませんよ」
男「嘘だね」
僕「またですか、なぜ嘘だと?」
男「理由もなしになにかをするって、普通はできないことだから」
僕「・・・わかりました、理由はあります」
333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:28:12.85 ID:TOp2fcMg0 [75/103]
僕「僕は、女であることに絶望していました」
僕「男になりたかったんです、どんな人でも助けられる強い男に」
僕「昔の僕はウル○ラマンとか仮○ライダーとか、正義のヒーローが好きだったんです」
僕「すべての人を分け隔てなく助けて、すべての悪を滅ぼしていく」
僕「そんなヒーローになりたかった」
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:39:17.97 ID:TOp2fcMg0 [76/103]
僕「でも大きくなるにつれて、男と女の違いがでてきて」
僕「それでも僕はヒーローになろうと努力してきました」
僕「だけど、その行動に僕への見返りなんてなかった」
僕「そしてある日僕は考えたんです、ヒーローなんて本当は必要とされてないんじゃないか」
僕「あんなもの、テレビの中の都合のいい存在じゃないかって」
336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:52:27.89 ID:TOp2fcMg0 [77/103]
僕「気づいたときには手遅れです」
僕「僕は男にもなれず、女にも戻れない中途半端な存在になっていました」
男「・・・」
僕「あなたはさっき、どうして男でいようとするのってききましたよね」
僕「・・・これしかないんですよ、女に戻れないならせめて男でいたい・・・男として生きていたい」
僕「それがいまの僕がいる理由ですよ」
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:57:57.81 ID:TOp2fcMg0 [78/103]
男「へぇ」
僕「ヒーローになんて憧れなければ、こんなことにはならなかった」
男「・・・」
僕「哀れでしょ?女のくせにヒーローになろうとして」
男「・・・」
男「うん、どうしようもなく」
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:02:42.99 ID:TOp2fcMg0 [79/103]
僕「・・・」
男「なんだよヒーローって、そんなの男とか女とか関係ないじゃん」
僕「・・・どうしてそう思うんですか?」
男「だって、ヒーローって皆偽善者じゃないか」
男「ウルト○マンだって、三分間の間に怪獣どころか近隣の住宅すら倒していくし」
男「○面ライダーだって、ただの虐殺じゃん」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:10:31.31 ID:TOp2fcMg0 [80/103]
男「誰かを助けるってことはいいことだよ、だけどそこに見返りを求めたらただの偽善者だ」
男「だから君もヒーローの一人ってことだよ、おめでとう」
僕「・・・あっはは、本当にあなたは変な人だ」
男「えー普通じゃないか」
僕「あはははは!あぁ、もうなんか全部どうでもよくなった!あは、あはははは!」
男「大丈夫?」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:25:57.28 ID:TOp2fcMg0 [81/103]
僕「ははっ、そうか、僕はヒーローか」
男「やったじゃん、一番いい役だ」
僕「じゃあ、あなたは何役を?」
男「俺?俺は悪役、になりたいな」
僕「悪?どうして」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:35:30.01 ID:TOp2fcMg0 [82/103]
男「悪は、偽善を振るわないから」
僕「・・・あなたは、やっぱり変な人だ」
男「えー」
僕「あなたはどこまでもヒーローですよ、僕はそう思います」
男「そっか」
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:43:25.47 ID:TOp2fcMg0 [83/103]
「○時から予定していました花火の打ち上げはー強風のため中止となりましたー」
男「なんだと」
僕「あはは、これじゃ来た意味ないですよ」
男「しかたないね、帰ろうか」
子供「ねーちゃーん!花火ー!」タッタッ
猫「・・・」スタスタ
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:47:20.78 ID:TOp2fcMg0 [84/103]
男「よう、さっきはよくも見捨てたな」ボソッ
猫「・・・」
子供「花火!なくなった!どうするよ!どうすんのよ!」
僕「どうしようもないよ、帰ろう」
子供「えー」じー
猫「・・・」じー
男「なぜこっちを見るんだ」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:52:35.51 ID:TOp2fcMg0 [85/103]
男「くっ!圧倒的・・・視線っ・・・!」
子供「・・・」じー
猫「・・・」じー
男「わかったわかった、花火セット買えってことだろ」
子供「やったー!」
猫「・・・」
男「ただし、線香花火はすべて俺の物だ」
子供「えー」
猫「・・・」
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:58:17.52 ID:TOp2fcMg0 [86/103]
僕「いいんですか?」
男「かまわんよこんぐらい、俺も線香花火マグマつくりたかったし」
僕「・・・そうですか」
男「あのさ、敬語やめてくれないかな」
僕「え、どうしてです?」
男「敬語ってなんか妙に距離を感じるからあんまり好きじゃないんだ」
僕「そうですか・・・やってみます」
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:01:28.18 ID:TOp2fcMg0 [87/103]
僕「ん・・・これでいいで、かな」
男「つまった、もう一回」
僕「これで、いい?」
男「やればできるじゃないか」
僕「ふふ・・・そう、だね」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:17:46.62 ID:TOp2fcMg0 [88/103]
男「はい先生、最後に質問」
僕「なに?」
男「今の君は男と女、どっちなの?」
僕「前とは違う聞き方だね、遠まわしじゃない」
男「・・・この間は悪かった」
僕「いいよもう、そうだね・・・今どっちかって聞かれたら」
男「・・・」
僕「どっちだと思う?」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:28:02.20 ID:TOp2fcMg0 [89/103]
男「ホントそれ好きだねぇ」
僕「いいじゃないか、ねえどっち?」
男「・・・浴衣がよく似合ってますね」
僕「ありがとう、でもはぐらかすのはよくないね」
男「俺が質問したのに・・・」
猫「・・・」じぃー
子供「しゅらばってやつだね!」じぃー
男「こらお前達」
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:52:46.05 ID:TOp2fcMg0 [90/103]
僕「さあ、答えてもらおうか」
猫「・・・」じぃー
子供「いえっ!いえっ!」
男「くっ!こうなれば・・・」
男「あ!あんなところにエアーマン!」バッ
僕「・・・」
男「・・・」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:02:29.43 ID:TOp2fcMg0 [91/103]
僕「・・・」
男「・・・」
僕「・・・で?」
男「・・・どっちかなんて選べないよ」
男「選べないけど」
僕「けど?」
男「・・・可愛い・・・と思います、男女関係なしに」
僕「・・・答えになってないよ」
男「ですよねー」
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:12:20.67 ID:TOp2fcMg0 [92/103]
僕「・・・まあいいや、花火どうするの?」
男「ああ、買いに行かないとな」
子供「行くぞー!」タッタッ
猫「・・・」スタスタ
男「おお二人とも早いな」
僕「僕たちも行こうか」
男「へいへい」
僕「・・・ねぇ」
男「なんだい?」
僕「次は期待してるよ」
男「・・・頑張ります」
358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:13:48.91 ID:TOp2fcMg0 [93/103]
終わり、なんだよこれ・・・
めちゃくちゃ書きすぎた気がするけど、気にしないことにする
男「いつからいたの?」
僕「相変わらず、あたりからです」
男「最初からじゃん」
僕「あはは、この間の仕返しですよ」
男「根に持ってる?この間のこと」
僕「いいえ、全然」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:08:06.44 ID:qqnvPh7CO [2/30]
僕「今日は友達と一緒じゃないんですか?」
男「あいつならどっか行っちゃったよ、まあほっといても帰ってくるだろうけど」
僕「じゃあ今は僕たち二人だけ、ってことですか」
男「あーそうだねー」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:17:29.31 ID:qqnvPh7CO [3/30]
男「そういえば君はこの間もここにいたね、なんでここに?」
僕「お母さんが死んだ場所 男「それはいいから」
僕「では質問に質問で返します、あなたはなぜここに?」
男「俺が聞いてるんだけど…」
僕「質問に答えてくれたら話しますよ」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:28:51.39 ID:qqnvPh7CO [4/30]
男「…気分転換だよ、小説のネタが詰まったりしたらこうやって家から飛び出してくるんだ」
僕「へえ、作家なんですか」
男「あれ、前言わなかったっけ「
僕「いえ、変態なお友達が作家なのは聞きましたけど」
男「あー」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:43:52.94 ID:qqnvPh7CO [5/30]
男「さて、俺ははなしたから次は君の番だよ」
僕「話さないと駄目ですか?」
男「駄目、ゼッタイ」
僕「…今まで僕がここにくてたのは、作り話を考えて誰かに話すためでした」
男「過去形ってことは、今は?」
僕「…なんでしょうね、自分でもわからないです」
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:45:54.41 ID:qqnvPh7CO [6/30]
くてたじゃなくて来てたです
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:58:40.93 ID:qqnvPh7CO [7/30]
男「なんだ、わからないことばっかりじゃん」
僕「あはは、そうですね」
僕「でもここに来てよかったってことはわかりますよ」
男「へぇ…ちなみになにがよかったのか、わかる?」
僕「…わかっても教えませんよ」
男「えー」
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:13:30.16 ID:qqnvPh7CO [8/30]
僕「じゃあ、そろそろ僕は帰ります」
男「そう?もう少しゆっくりしてけばいいのに」
僕「お心遣いは嬉しいですけど、家で妹が待ってますので」
男「え、妹いるの?」
僕「あれ、言ってませんでしたっけ?」
男「元気な父さん母さんの話しか」
僕「そうでしたね」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:26:49.89 ID:qqnvPh7CO [9/30]
僕「それじゃあ」
男「あ、ねえ!最後に聞いてもいいかな?」
僕「あはは、この間とおんなじだ、なんですか?」
男「…君は、いつも妹さんからなんて呼ばれてるんだい?」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:30:57.76 ID:qqnvPh7CO [10/30]
僕「…僕をなんて呼んでるか、ですか」
男「そう」
僕「…」
僕「…あなたは」
男「…っ」
僕「あなたはなんだと思いますか?」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:36:48.37 ID:qqnvPh7CO [11/30]
男「…」フゥ
男「ダメだ、サッパリわかんない」
僕「そういうことです、それでは」
男「ああ、さいなら」
男「…」
男「…クソ、やられた」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:51:22.23 ID:qqnvPh7CO [12/30]
男「遠まわしに聞いたのが悪かったな…」
男「あークソ、俺ってこんな甲斐性なしだったっけ?」
男「…」
男「…帰ろ」
男「答えは、また会ったときにでも聞けばいい」
男「今は帰って、飯にしよう」
男「それじゃ、バイクに向けてしゅっぱーつ」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:54:25.99 ID:qqnvPh7CO [13/30]
【男と僕】終わりです
ごめんすごい眠い、スレのこってたら明日書きます、それじゃ
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 10:39:06.03 ID:TOp2fcMg0 [2/103]
【華麗なる一日】
猫「やあ!ぼくは猫!」
猫「どこにでもいる賢い野良猫さっ!」
猫「「好きなものはバイクとかまぼこ!」
猫「・「嫌いなものは特にない、強いていうなら蚤ぐらいさ!」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 10:42:49.58 ID:TOp2fcMg0 [3/103]
猫「・・「そんな僕にも弱点がある」
猫「・・・「この男がドアを開けてくれないと家から外に出られないってことだ!」
猫「・・・」男「・・・」
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 10:59:46.12 ID:TOp2fcMg0 [4/103]
猫「・・・」じぃー
男「・・・悪かった」
猫「・・・」がりがり
男「あーはいはい今あけるよ」
猫「・・・」スタスタ
男「相変わらず足が早いな」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:01:47.75 ID:TOp2fcMg0 [5/103]
猫「・・・」スタスタ
猫「・・・」
猫「・・・」ふぁあ
子供「あー!ねっこさーん!」
猫「・・・」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:05:13.03 ID:TOp2fcMg0 [6/103]
子供「猫さん猫さん!なにしてるのー?」
猫「・・・」じぃー
子供「あはは!にゃんにもいわなーい!」なでなで
猫「・・・」ごろごろ
子供「今日はどこに行くのー?」
猫「・・・」スタスタ
子供「あ!まってよ猫さーん!」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:11:16.50 ID:TOp2fcMg0 [7/103]
猫「・・・」スタスタ
子供「ねーどこいくのー?」
猫「・・・」スタスタ
「やあ!また来てくれたのか黒猫君!」
猫「・・・」ストン
子供「わー!魚がいっぱーい!」
猫「・・・」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:15:45.65 ID:TOp2fcMg0 [8/103]
「おや!お譲ちゃん、こいつの飼い主かい?」
子供「違うよー!私はこの子のお友達ー!」
「そうかいそうかい!お譲ちゃん、そこ座っときな!お茶でも持ってくるから」
子供「わかったー!」
猫「・・・」ふぁあ
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:33:30.49 ID:TOp2fcMg0 [9/103]
「はいよ、お菓子も食べていいからね!」
子供「おばちゃんありがとー!」
「いいんだよこれぐらい!譲ちゃんはこいつの友達なんだし!」
猫「・・・」
「こいつはね、この商店街じゃ神様みたいなもんなのさ」
子供「カミサマー?」バリバリ
「そうだよ、こうやってここに遊びに来ては誰かの店の前で座ってるのさ」
「そしてその日一日こいつのいる店は、客足が途絶えないくらいに栄えるって言われてるんだよ」
「まあ、都合のよすぎる話だけど、みんなそれを信じてるのさ」
子供「へー」もぐもぐ
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:45:48.20 ID:TOp2fcMg0 [10/103]
「それに、客足は途絶えないほどじゃないけど」
わー猫だ
今日はこの店に来たのか
今日の晩ご飯はお魚がいいわねー
「ほーらきたきた!いらっしゃい!」
子供「猫さんすごーい!招き猫ー」
猫「・・・」ごろごろ
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:51:51.26 ID:TOp2fcMg0 [11/103]
「それじゃこれ!お土産にもってかえんな!」
子供「うわー!魚のミイラー!」
「ははは!ほら、あんたにも!」
猫「・・・」パクッ
「またきておくれよー!」
子供「ばいばーい!」
猫「・・・」はぐはぐ
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 11:56:38.67 ID:TOp2fcMg0 [12/103]
子供「猫さーん!次はどこいくのー?」
猫「・・・」スタスタ
子供「まってー!早いよ猫さーん!」
猫「・・・」スッ
子供「誰かの家にはいってっちゃった!」
子供「猫さーん!猫さーん!」
子供「私も入っちゃお!おじゃましまーす!」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:04:12.50 ID:TOp2fcMg0 [13/103]
肩と指が爆発しそうだ
子供「猫さーん・・・どこー・・・」
子供「猫さー・・・ん?」
「・・・・・・・・・」
猫「・・・」
子供「猫さん、なにしてるの?」
猫「・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
子供「おばあちゃん、寝てるねー」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:06:56.89 ID:TOp2fcMg0 [14/103]
猫「・・・」
子供「起こしちゃダメだからしー、だよー」
「あれ、君たちは?」
猫「・・・」
子供「あ、おばあちゃんが寝てるからしーだよ!」
「はは、ごめんごめん」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:11:54.72 ID:TOp2fcMg0 [15/103]
「えっと、君はどうしてここに?」
子供「この子がここに入ったから一緒に入ってきたの」
「そうだったの」
子供「勝手に入ってごめんなさい」
「はは、いいんだよ」
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:19:08.59 ID:TOp2fcMg0 [16/103]
子供「ねえ、どうしておばあちゃんずっと眠ってるの?」
「・・・」
猫「・・・」
子供「どうしたの?」
「・・・おばあちゃんは、とても眠たかったんだよ」
「一度眠ったらもう目を覚まさないぐらい、すごくすごく眠たかったんだ」
子供「えー?そんなに?」
「そうだよ」
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:27:41.48 ID:TOp2fcMg0 [17/103]
「それで、今さっきおばあちゃんは眠ったんだ」
子供「そーだったんだー」
「だから、どんなに大きな声をだしてもおばあちゃんはおきないし」
「どんな手をつかっても、おばあちゃんは動かないよ」
子供「ずっと夢を見てるのかなー」
「どうだろうね」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:30:20.26 ID:TOp2fcMg0 [18/103]
子供「夢の中で幸せになってるのかな」
「そうだね、きっと幸せだよ」
子供「だったらおばあちゃん悲しいね」
「どうして?」
子供「だって夢は夢だもん、本当なんかじゃないよ」
「・・・そうだね、君の言うとおりだ」
猫「・・・」
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:34:35.19 ID:TOp2fcMg0 [19/103]
「・・・夢じゃなくて、現実に生きていてほしかった・・・」
子供「おじちゃんどうしたの?」
「・・・いや、なんでもないよ、なんでもないんだ」
猫「・・・」
子供「おじゃましましたー!」
「うん、気をつけて帰るんだよ」
子供「はーい!」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:37:38.77 ID:TOp2fcMg0 [20/103]
猫「・・・」
「・・・君は」
猫「・・・」じっ
「・・・君が、お婆ちゃんの最後を見届けたんだね」
猫「・・・」
「・・・ありがとう」
猫「・・・」
猫「・・・」スタスタ
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:42:37.39 ID:TOp2fcMg0 [21/103]
子供「猫さん猫さん!これからどうしよっか!」
猫「・・・」スタスタ
子供「もうすぐ夕方!ご飯の時間!お腹すいたねー!」
猫「・・・」スタスタ
子供「お腹がすいたしお家に帰ろう!バイバイ猫さんまた明日ー!」タッタッ
猫「・・・」
猫「・・・」スタスタ
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 12:51:45.66 ID:TOp2fcMg0 [22/103]
猫「・・・」
猫「・・・」ガリガリ
男「お、帰ってきたか」
男「お帰り、今日の飯はなにがいいか?」
猫「n「ただいま!今日は贅沢にうなぎにしよう」
猫「・・・」男「あれ?」
男「お前今鳴かなった?」
猫「・・・」
男「・・・」
男「ま、そんなことよりご飯にしよう」
猫「・・・」ごろごろ
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 13:04:12.07 ID:qqnvPh7CO [19/30]
ちなみに子供の言った「夢は夢だもん、本当なんかじゃないよ」は実話
知り合いの葬式の時言ってたのを聞いて驚いたのを覚えてます
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 13:51:41.51 ID:TOp2fcMg0 [26/103]
【お話のお話】
男「・・・」
猫「・・・」
男「・・・もう一回言ってみ?」
猫「・・・にゃー」
男「・・・」
猫「・・・」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 13:54:03.92 ID:TOp2fcMg0 [27/103]
男「・・・なんだこれは」
猫「にゃー?」
男「これは・・・夢だ!ならいいか!」
猫「にゃー」
男「よくないな」
猫「にゃー」ごろん
250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 13:56:26.48 ID:TOp2fcMg0 [28/103]
男「んー・・・ほっぺは抓ったら痛いし、タバスコ飲んだら辛かったし」
男「これは現実なのか」
猫「んなー」
男「だよなー」
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:07:39.69 ID:TOp2fcMg0 [29/103]
男「どうしようこれいったい何がなんだか」
男「そうだ、変態に電話しよう」
プルルルル
友「はい?」
男「友、どうしよう大変なことが起きてしまった」
友「どうしたんすか?」
男「相棒がニャーとか言い出したんだよ、どうなってる」
友「は?ニャーって・・・いつもそう鳴いてたじゃないですか」
男「はぁ?そんなわけ・・・ってそういえば、お前なんで敬語つかってるんだ」
友「え?だって男さんは俺の先輩じゃないっすか」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:09:10.73 ID:TOp2fcMg0 [30/103]
男「え?いや待て、俺はお前に誘われて一緒に仕事をしだしたから同期んじゃ・・・」
友「なにいってるんすか、誘ってくれたのは男さんじゃないですか」
男「・・・んー?」
友「男さんどうしたんですか、今日なんかおかしいですよ?」
男「あーいや、徹夜が祟ったみたいだわ、悪かった」
ガチャ
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:11:08.25 ID:TOp2fcMg0 [31/103]
男「なんだ・・・なにが起きてる」
猫「なー」
男「ここは・・・まさか異世界!」
猫「・・・」
男「・・・ないよなー」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:13:26.79 ID:TOp2fcMg0 [32/103]
男「・・・海」
男「海に行こう、そうだ海だ!」
男「そこにあの子がいるはずだ」
猫「ナァー?」
男「よし、そうなりゃバイクを・・・」
男「・・・鍵がない」
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:16:22.65 ID:TOp2fcMg0 [33/103]
男「なんということだ」
男「表に止めてたバイクがない・・・」
男「・・・歩いていくのかー」
男「・・・行こう」
猫「ナァー」テクテク
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:18:46.22 ID:TOp2fcMg0 [34/103]
男「お、お前も行くのか?」
猫「ニャッ」ガサッ
男「はは、どっかいっちまった」
男「・・・」
男「ただの猫、なのか」
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:24:07.71 ID:TOp2fcMg0 [35/103]
男「・・・」スタスタ
不良?1「おい今度の小テストの点どんぐらいだと思う?」
不良?2「俺は絶対80点以上いくな」
不良?1「俺は90以上だな」
不良?2「てめぇふざけんなよ!」
不良?1「あははは!勉強が足りんな友よ!」
男「・・・」スタスタ
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:28:24.96 ID:TOp2fcMg0 [36/103]
男「・・・!」
子供「・・・」スタスタ
男「ねえ君」
子供「・・・なんですか?」
男「俺のこと覚えてる?」
子供「・・・いえ、どちらさまですか?」
男「そっか、君ってお姉ちゃん・・・いる?」
子供「いますけど・・・どうしてあなたが知ってるんですか?」
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:32:10.79 ID:TOp2fcMg0 [37/103]
男「いや、俺は君のお姉ちゃんの・・・友達なんだ」
子供「そうですか・・・もういってもいいですか?」
男「ああ、ごめんねいきなり」
子供「いえ、それではこれで」
男「・・・」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 14:34:39.47 ID:TOp2fcMg0 [38/103]
男「・・・」スタスタ
男「・・・はは、もうわけがわからん」スタスタ
男「・・・」スタスタ
男「・・・」スタスタ
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:00:49.74 ID:qqnvPh7CO [21/30]
男「着いた…」
男「…ここは変わらないのか」
男「相変わらず、浜が汚いな」
男「でも…海が綺麗だ」
男「…」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:06:11.42 ID:qqnvPh7CO [22/30]
僕「こんにちは」
男「…こんにちは」
僕「やっぱり来たんですね
男「…君は、俺を知ってるのか」
僕「ええ、今あなたに何が起きてるかも」
男「…どうすれば、俺はもとの場所に帰れるんだ?」
僕「…」
男「教えてくれ、頼む」
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:10:42.12 ID:qqnvPh7CO [23/30]
僕「…戻るって、どこに?」
男「向こうの、俺の知ってる世界だ」
僕「…まだ、思い出してないの?」
男「…何の事だ」
僕「…本当に、向こうがあなたのいた世界だと?」
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:16:38.15 ID:qqnvPh7CO [24/30]
男「何、いって」
僕「なんで、向こうがあなたのいた世界だと思ってるの?」
僕「どうして、こちらの世界が自分の居場所じゃないと決めつけるの?」
男「それは…ここが」
僕「自分の知らない世界だからって言うんだろ?」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:23:41.77 ID:qqnvPh7CO [25/30]
僕「本当にあなたは何も知らないんだね」
僕「いや、見ないように逃げてるだけか」
男「違う!俺はなにも知らないんだ」
僕「だったら教えてあげるよ」
僕「あなたが生きてきた世界はあなたの世界、あなたの心の世界」
僕「あの世界は、あなたが作り上げた偽物の世界」
僕「ただの幻影さ」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:35:01.35 ID:qqnvPh7CO [26/30]
男「…」
僕「思い出したかい?」
男「…ああ、全部」
男「…俺はこの場所に、この世界に失望してたんだ」
男「勤務していた会社クビになるわ、家を追い出されるわ」
男「仕事にありつけない、仲のよかった友人達も離れていく」
男「挙げ句小説作家になったのはいいが、さそった友の方が売れまくるし」
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:41:33.47 ID:qqnvPh7CO [27/30]
男「ホント、どうしようもない人生だった」
男「だから俺はあの部屋で、一人自殺をはかったんだ」
男「薬局で買ってきた睡眠薬大量にのんでさ、そのまま昏睡状態」
男「ホントは死ぬはずだったんだろうけど」
男「俺はそのまま、都合のいい夢を見ていたんだ」
僕「やっと思い出したね」
273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:49:55.18 ID:qqnvPh7CO [28/30]
男「俺はこれから、どうすればいいんだろうか」
男「今ここに生きていても、手に入るものなんてなにもない」
男「楽しかった生活も充実した日常も、この世界にはないのにな」
僕「…僕は、あなたの望む全てを持っている」
僕「地位も名誉も、財産だって」
275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:54:21.49 ID:qqnvPh7CO [29/30]
僕「あなたが望むなら、すべてをあなたに捧げます」
僕「僕の命すら、あなたのためなら惜しくない」
男「…」
僕「だから、僕を愛して」
僕「すべてがほしいなら、僕にあなたの愛を頂戴」
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:57:34.74 ID:qqnvPh7CO [30/30]
男「…わかった、君を愛するよ」
男「それで全て手にはいるなら」
僕「ああ、これであなたは僕の、僕だけのものだ…」
僕「永遠に僕だけの…」
猫「…」
猫「…」スタスタ
277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:00:43.89 ID:TOp2fcMg0 [39/103]
・
・
・
腐「ってことでしょ!そうでしょ!?」
僕「どうしてこうなったんだろ・・・」
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:08:03.35 ID:TOp2fcMg0 [40/103]
腐「えー?だってそうじゃない、好きなんでしょ!その兄さん好きなんでしょ!」
僕「恥ずかしいから叫ばないでくれよ・・・」
腐「で?ほんとのとこどうなの、好きなの?」
僕「腐ちゃんには言わない、絶対言わない」
腐「ぶーぶー!」
281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:13:38.23 ID:TOp2fcMg0 [41/103]
僕「それより、勝手な妄想はやめてくれない?なんだよ彼のつくった幻影の世界って・・・」
腐「いやーそっちの方が盛り上がるかなーって」
僕「あとなんで僕があんな病んだかんじになってるんだよ」
腐「あれ、違うの?」
僕「違うよ」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:21:22.40 ID:TOp2fcMg0 [42/103]
腐「しかしこの子をそんなフィーバーさせてるその兄さん、あって見たいねー」
僕「フィーバーしてるのは君だよ・・・それに僕はそんなに気にしてないし」
腐「ま・た・ま・た・まー!嘘ついちゃってこの子はー!」
僕「ついてない、絶対ついてない」
287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:25:48.03 ID:TOp2fcMg0 [43/103]
腐「へぇーあんなうっれしそーに、たっのしそーに話してたのにー?のにのにー?」
僕「・・・そんなことない」
腐「おうおう照れちゃって可愛いねぇ!
僕「もうっ!やめてよ!」
腐「いひゃひゃひゃで、結局どうなの?そのお兄さん好きなの嫌いなの?」
僕「・・・言っただろ?教えないって」
290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 16:27:23.23 ID:TOp2fcMg0 [45/103]
終わりです
僕大人気だなー
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 17:43:10.48 ID:TOp2fcMg0 [50/103]
【お祭り祭り】
男「あつい・・・」
猫「・・・」
男「あっつい・・・」
猫「・・・」
男「祭り・・・」
猫「・・・」ピクッ
男「・・・」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 17:46:06.83 ID:TOp2fcMg0 [51/103]
男「・・・どうする?」
猫「・・・」
男「花火・・・」
猫「・・・」
男「金魚・・・」
猫「・・・」
男「焼き鳥・・・」
猫「・・・」スクッ
男「おお、焼き鳥か」
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 17:49:56.87 ID:TOp2fcMg0 [52/103]
男「早いうちから屋台は出てるし、ちょっくらいきますか」
猫「・・・」スタスタ
男「バイクは乗らないからな、場所が近いから歩いていこう」
猫「・・・」じぃー
男「睨むなって・・・」
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 17:52:36.51 ID:TOp2fcMg0 [53/103]
男「うわ・・・人多」
猫「・・・」
男「見ろ、人がごみのようだー」
猫「・・・」
男「・・・つまらなくて悪かった」
猫「・・・」スタスタ
303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:05:58.03 ID:TOp2fcMg0 [54/103]
男「迷子になるなよあいぼー」
猫「・・・」スタスタ
男「おーい、俺が迷子になっちまうってー」
猫「・・・」
男「おいてくなよー」
猫「・・・」スタスタ
男「おい」
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:12:12.47 ID:TOp2fcMg0 [55/103]
男「おーあったあった」
猫「・・・」ソワッ
男「どれにするよ、つくね?」
猫「・・・」ごろごろ
男「じゃーつくねと豚バラ一本ずつ」
「ありがとっざいまー!」
306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:17:12.93 ID:TOp2fcMg0 [56/103]
男「なんでか知らんが祭りの焼き鳥って無駄にでかいよな」むぐむぐ
猫「・・・」はぐはぐ
男「なあ、それ全部食べきれるのか?」
猫「・・・」はぐはぐ
男「そういえば猫って熱いのだめなんじゃ」
猫「・・・」ごくん
男「余裕だな」
310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:32:32.88 ID:TOp2fcMg0 [57/103]
男「あいぼー、花火見て帰るか?」
猫「・・・」じぃー
男「はは、最近お前の言いたいことがわかるようになってきたぞ」
猫「「人が多いし物の値段が高い、こんなところいたくないぜ!」
猫「・・・」男「だろ?」
猫「・・・」ガブッ
男「痛いなー」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:35:54.34 ID:TOp2fcMg0 [58/103]
>>308 初耳だ
男「でも人多いからどっか別のところにいかんかね」
猫「・・・」じぃー
男「つくね・・・」
猫「・・・」スタスタ
男「早いなー」
312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:41:02.04 ID:TOp2fcMg0 [59/103]
男「河川敷にきてみた」
猫「・・・」
男「貸切状態だな」
プウゥゥウ
男「あーくそ、やっぱり蚊が来たか」パシッ
猫「・・・」ピクッ
男「そっちいったぞ」
猫「・・・」バシッ
男「粉砕しただと・・・」
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:57:50.93 ID:TOp2fcMg0 [61/103]
男「花火発射まで残り10分です」
猫「・・・」ごろん
男「10分ってさ、短いようで長いよな」
猫「・・・」
男「・・・」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:00:19.63 ID:TOp2fcMg0 [62/103]
男「体長、匍匐前進であります」
猫「・・・」
男「人なんていないんだからハメを外すであります」
猫「・・・」
男「あの草むらに隠れるであります」
猫「・・・」
男「おーい、たいちょー」
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:07:41.74 ID:TOp2fcMg0 [63/103]
男「潜伏完了!監視を開始します」ガサッ
男「やや、前方より見確認物体接近中」
男「隊長の方につっこんで来るであります」
子供「ねっこさあぁぁん!」タッタッ
猫「・・・」
男「おお、いつぞやの子供か」
男「あれ、なんかもう一人来てるぞ」
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:13:48.06 ID:TOp2fcMg0 [64/103]
男「速度・・・時速1キロメートルぐらいかな」
男「そこのおちびさんの友達と見た」
男「・・・」
男「いや違う・・・あれは」
男「いつぞやの男女君ではないか」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:18:43.79 ID:TOp2fcMg0 [65/103]
僕「はー、つ・・・かれたぁ」
子供「おねーちゃん!ほら!黒猫さん!」
猫「・・・」
僕「そ、だね・・・こ、んにち・・・は」
猫「・・・」
子供「おねーちゃん体力ないねー!」
僕「ほっ、といて・・・ふぅ」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:24:07.70 ID:TOp2fcMg0 [66/103]
僕「今日は、ふぅ・・・今日は君一人なのかい?」
猫「・・・」
僕「近くにバイクも人影もないから、大丈夫だね」
子供「なにが大丈夫ー?」
僕「こんなところ、見られでもした・・・ら」
男「・・・」
僕「・・・」
男「・・・こ、こんばんはー」
僕「・・・こん、ばんは」
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:28:57.90 ID:TOp2fcMg0 [67/103]
子供「おじちゃん!なんでそんなとこ隠れてるの?」
男「まあ、いろいろ・・・あってね」
猫「・・・」
僕「・・・」
男「・・・」
子供「?」
323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:38:31.07 ID:TOp2fcMg0 [68/103]
猫「・・・」スタスタ
子供「あ!まって猫さーん!」タッタッ
男(ちょっあのやろう!!俺を見捨てやがったぁ!!)
僕(うわぁぁ!!待って置いてかないで!!)
男「・・・は、はは」
僕「・・・あ、あはは」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:42:04.11 ID:TOp2fcMg0 [69/103]
男「・・・あの」
僕「・・・なんですか?」
男「・・・いや、あのですね」
僕「・・・」
男「前に妹になんて呼ばれてるか、聞きましたよね」
僕「・・・ええ」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 19:43:58.44 ID:TOp2fcMg0 [70/103]
男「お姉ちゃん・・・なの?」
僕「・・・ええ」
男「あ・・・そう」
僕「・・・」
男「・・・あっ、とさ」
僕「はい・・・」
男「どうして・・・浴衣着てるのかな」
328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:01:49.70 ID:TOp2fcMg0 [72/103]
僕「・・・」
男「・・・」
僕「だから着たくなかったんですよ・・・こんなの」
男「どうして?」
僕「だって全然似合わないし・・・あなたに見られたくなかった」
男「えー」
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:06:07.79 ID:TOp2fcMg0 [73/103]
僕「変ですよね、いつも男みたいな格好してたから」
男「いや、よく似合ってるよ?」
僕「・・・本気で言ってるんですか」
男「ああ」
僕「はぁ・・・」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:16:29.14 ID:TOp2fcMg0 [74/103]
男「あのさ、一つ聞いてもいい?」
僕「なんですか?」
男「君はどうして、男でいようとするの?」
僕「・・・理由なんてありませんよ」
男「嘘だね」
僕「またですか、なぜ嘘だと?」
男「理由もなしになにかをするって、普通はできないことだから」
僕「・・・わかりました、理由はあります」
333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:28:12.85 ID:TOp2fcMg0 [75/103]
僕「僕は、女であることに絶望していました」
僕「男になりたかったんです、どんな人でも助けられる強い男に」
僕「昔の僕はウル○ラマンとか仮○ライダーとか、正義のヒーローが好きだったんです」
僕「すべての人を分け隔てなく助けて、すべての悪を滅ぼしていく」
僕「そんなヒーローになりたかった」
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:39:17.97 ID:TOp2fcMg0 [76/103]
僕「でも大きくなるにつれて、男と女の違いがでてきて」
僕「それでも僕はヒーローになろうと努力してきました」
僕「だけど、その行動に僕への見返りなんてなかった」
僕「そしてある日僕は考えたんです、ヒーローなんて本当は必要とされてないんじゃないか」
僕「あんなもの、テレビの中の都合のいい存在じゃないかって」
336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:52:27.89 ID:TOp2fcMg0 [77/103]
僕「気づいたときには手遅れです」
僕「僕は男にもなれず、女にも戻れない中途半端な存在になっていました」
男「・・・」
僕「あなたはさっき、どうして男でいようとするのってききましたよね」
僕「・・・これしかないんですよ、女に戻れないならせめて男でいたい・・・男として生きていたい」
僕「それがいまの僕がいる理由ですよ」
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 20:57:57.81 ID:TOp2fcMg0 [78/103]
男「へぇ」
僕「ヒーローになんて憧れなければ、こんなことにはならなかった」
男「・・・」
僕「哀れでしょ?女のくせにヒーローになろうとして」
男「・・・」
男「うん、どうしようもなく」
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:02:42.99 ID:TOp2fcMg0 [79/103]
僕「・・・」
男「なんだよヒーローって、そんなの男とか女とか関係ないじゃん」
僕「・・・どうしてそう思うんですか?」
男「だって、ヒーローって皆偽善者じゃないか」
男「ウルト○マンだって、三分間の間に怪獣どころか近隣の住宅すら倒していくし」
男「○面ライダーだって、ただの虐殺じゃん」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:10:31.31 ID:TOp2fcMg0 [80/103]
男「誰かを助けるってことはいいことだよ、だけどそこに見返りを求めたらただの偽善者だ」
男「だから君もヒーローの一人ってことだよ、おめでとう」
僕「・・・あっはは、本当にあなたは変な人だ」
男「えー普通じゃないか」
僕「あはははは!あぁ、もうなんか全部どうでもよくなった!あは、あはははは!」
男「大丈夫?」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:25:57.28 ID:TOp2fcMg0 [81/103]
僕「ははっ、そうか、僕はヒーローか」
男「やったじゃん、一番いい役だ」
僕「じゃあ、あなたは何役を?」
男「俺?俺は悪役、になりたいな」
僕「悪?どうして」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:35:30.01 ID:TOp2fcMg0 [82/103]
男「悪は、偽善を振るわないから」
僕「・・・あなたは、やっぱり変な人だ」
男「えー」
僕「あなたはどこまでもヒーローですよ、僕はそう思います」
男「そっか」
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:43:25.47 ID:TOp2fcMg0 [83/103]
「○時から予定していました花火の打ち上げはー強風のため中止となりましたー」
男「なんだと」
僕「あはは、これじゃ来た意味ないですよ」
男「しかたないね、帰ろうか」
子供「ねーちゃーん!花火ー!」タッタッ
猫「・・・」スタスタ
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:47:20.78 ID:TOp2fcMg0 [84/103]
男「よう、さっきはよくも見捨てたな」ボソッ
猫「・・・」
子供「花火!なくなった!どうするよ!どうすんのよ!」
僕「どうしようもないよ、帰ろう」
子供「えー」じー
猫「・・・」じー
男「なぜこっちを見るんだ」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:52:35.51 ID:TOp2fcMg0 [85/103]
男「くっ!圧倒的・・・視線っ・・・!」
子供「・・・」じー
猫「・・・」じー
男「わかったわかった、花火セット買えってことだろ」
子供「やったー!」
猫「・・・」
男「ただし、線香花火はすべて俺の物だ」
子供「えー」
猫「・・・」
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:58:17.52 ID:TOp2fcMg0 [86/103]
僕「いいんですか?」
男「かまわんよこんぐらい、俺も線香花火マグマつくりたかったし」
僕「・・・そうですか」
男「あのさ、敬語やめてくれないかな」
僕「え、どうしてです?」
男「敬語ってなんか妙に距離を感じるからあんまり好きじゃないんだ」
僕「そうですか・・・やってみます」
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:01:28.18 ID:TOp2fcMg0 [87/103]
僕「ん・・・これでいいで、かな」
男「つまった、もう一回」
僕「これで、いい?」
男「やればできるじゃないか」
僕「ふふ・・・そう、だね」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:17:46.62 ID:TOp2fcMg0 [88/103]
男「はい先生、最後に質問」
僕「なに?」
男「今の君は男と女、どっちなの?」
僕「前とは違う聞き方だね、遠まわしじゃない」
男「・・・この間は悪かった」
僕「いいよもう、そうだね・・・今どっちかって聞かれたら」
男「・・・」
僕「どっちだと思う?」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:28:02.20 ID:TOp2fcMg0 [89/103]
男「ホントそれ好きだねぇ」
僕「いいじゃないか、ねえどっち?」
男「・・・浴衣がよく似合ってますね」
僕「ありがとう、でもはぐらかすのはよくないね」
男「俺が質問したのに・・・」
猫「・・・」じぃー
子供「しゅらばってやつだね!」じぃー
男「こらお前達」
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:52:46.05 ID:TOp2fcMg0 [90/103]
僕「さあ、答えてもらおうか」
猫「・・・」じぃー
子供「いえっ!いえっ!」
男「くっ!こうなれば・・・」
男「あ!あんなところにエアーマン!」バッ
僕「・・・」
男「・・・」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:02:29.43 ID:TOp2fcMg0 [91/103]
僕「・・・」
男「・・・」
僕「・・・で?」
男「・・・どっちかなんて選べないよ」
男「選べないけど」
僕「けど?」
男「・・・可愛い・・・と思います、男女関係なしに」
僕「・・・答えになってないよ」
男「ですよねー」
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:12:20.67 ID:TOp2fcMg0 [92/103]
僕「・・・まあいいや、花火どうするの?」
男「ああ、買いに行かないとな」
子供「行くぞー!」タッタッ
猫「・・・」スタスタ
男「おお二人とも早いな」
僕「僕たちも行こうか」
男「へいへい」
僕「・・・ねぇ」
男「なんだい?」
僕「次は期待してるよ」
男「・・・頑張ります」
358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:13:48.91 ID:TOp2fcMg0 [93/103]
終わり、なんだよこれ・・・
めちゃくちゃ書きすぎた気がするけど、気にしないことにする
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